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1947/09/23 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第20号
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1947/09/23 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第20号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第20号
昭和二十二年九月二十三日(火曜日)
    午前十一時二分開議
   委員長 北村徳太郎君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
 理事 梅林 時雄君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 葉梨新五郎君 理事 吉川 久衛君
      川合 彰武君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      西村 榮一君    林  大作君
      松尾 トシ君    後藤 悦治君
      中曽根康弘君    原   彪君
      松田 正一君    泉山 三六君
      島村 一郎君    周東 英雄君
      苫米地英俊君    井出一太郎君
      内藤 友明君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        專賣局長官   野田 卯一君
 委員外の出席者
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
九月二十日
 貿易資金特別會計法の一部を改正する法律案(
 内閣提出)(第六一號)
同月同日
 九州地方森林組合に製腦事業認可の請願(金光
 義邦君紹介)(第六三二號)
 元霞ヶ浦海軍航空隊建物及び土地一部拂下の請
 願(葉梨新五郎君紹介)(第六三六號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 煙草專賣益金増加方策に關する件
    ―――――――――――――
#2
○北村委員長 これより會議を開きます。
 初めにタバコ專賣益金増加方策について一應政府の説明を聽きたいと思います。專賣局長。
#3
○野田(卯)政府委員 タバコの專賣益金の増加の方法につきまして、それを中心といたしまして御説明申し上げたいと思います。まず最初に二十二年度の本豫算におきましてどういうふうにタバコの專賣益金が取扱われたかということを大ざつぱに申し上げます。もう御承知のことだと思いますが、これを繰返しますと、本豫算におきましてはタバコの方から益金を二百二十六億程度あげることになつております。この二百二十六億圓の益金をあげますために、どういうような製品をどの程度つくるかという問題につきましては、總數におきまして昭和二十二年度中に五百十億本を製造いたしまして、その賣上高が二百四十九億九千七百萬圓、約二百五十億圓くらいの賣上であります。それからいろいろな製造に要する經費、あるいは葉タバコの買入れ代金とを引くわけであります。ところがこの豫算成立によりまして、さらに專賣局においてこの豫算がこのまま執行できるかどうかということを檢討いたしましたところ、必ずしもこの通りにいかないということが明瞭になりました。その理由の一つはこの葉タバコの收納、すなわち民間の葉タバコをつくつておる者から政府が買上げます葉タバコの數量が、豫定よりも減少したというようなことがおもな原因であります。それともう一つはこれはむしろ副次的な原因でありますが、電力の制限が窮屈になりまして、それがために工場の作業に影響を及ぼすと、こういう理由によりまして年間五百十億本の製造の實現が困難であるという結論に達したのでありますが、いろいろ研究した結果、實行可能數量といたしまして約五百億本ぐらいはできるということになりまして、普通でいきますと製造の本數が減るのでありますから、從つて賣上高も減少するということになるはずであります。ところが、それでは今日の國家財政上困るからというわけで、いろいろ工夫をいたしました結果、數量は約十億本減りましても、代金は減らさない。むしろ多少殖やすということになつたのであります。これは品種の轉換――安いものを少くして高いものを多くするという品種の轉換をはかりまして、豫算の收入としてはむしろ殖えるという計畫を立てました。實行計畫を申しますと、本數が四百九十七億七千三百萬本、約五百億本であります。それからあがります賣上高は二百六十八億二千四百萬圓でありまして、豫算に豫定しておりますより、數量におきまして、正確に申しますと、十二億圓程度減りますが、この賣上高におきましては、かえつて十八億圓ぐらい増加する、こういうようなことになつておるのであります。この實行計畫製造高五百億本ということにつきまして、上半期と下半期はどうか、上半期の實績はどうなつておるかという問題であります。これは推定がはいりますが、九月までの實績は製造本數が二百五十五億本でありまして、賣上高が百三十三億圓ぐらいになる豫定であります。從いまして下半期におきましては製造本數が二百四十二億本という程度でありまして賣上高が百三十四億圓程度になる見込であります。こう比較してみますと上半期よりも下半期の方が製造の數量が減つてまいるのでこれはおかしいじやないかという疑問を抱かれるだらうと思いますが、この主たる原因は、下半期は休日が多い。それから最近だんだん電力が窮屈になつてまいりまして休電日が相當ございます。この電力の制限によりまして、やむなく作業を休まなければならないといふことが多くなる。こういうような影響のために、上半期よりも下半期の方が製造が減る、こういうように見積つております。これが現在の實情でございます。それに對しまして増收の計畫でありますが、先般來追加豫算か相當巨額になり、その財源を求めなければならないというわけで、タバコ專賣におきましても、何とかもう少し益金を殖やせないかといふことを檢討してまいつたのであります。政府部内におきましては、先般七月十一日に一應追加豫算の日本側の案というものを閣議決定したのであります。その案によりますと、タバコの方から約百四億という計算になります。こういうような一應の案をつくりまして出したのでありますが、その内容につきましては、すでに前長官時代にここで御説明してほぼおわかりであり、また新聞紙上にもいろいろ漏れ傳わつておるのでありますが、大體におきましてその骨子を申し上げますと、自由販賣のピース、コロナというものは値上しない。それから普通の配給の品も値上しない。値上ということを一切やらない。その代りに家庭配給量を減らしまして、その減らした部分を自由販賣にまわす、こういうことを考えたのであります。こういうようなことでありまして、大體百億以上の收入をあげるという程度であります。もつともこの計畫は本年の九月から實行するというふうにいたしまして計算をしたのでありますが、その後實行が遅れております。實行が遅れますと月十五億圓程度ずつ減る。九月から實行いたしまして、かりに百四億圓ということになりますと、十月から實行するとそこから十五億圓減つて九十億圓足らずになるといつたようなことでありまして、月々遅れることによりまして一箇月につき十五億圓ずつ減る、こういつたようなことになつておるのであります。この増收案に對しましてなおその後いろいろと檢討を重ねておりますが、四圍の情勢上、さらにもつとタバコから益金が出ないかという問題が起つてきておるのであります。これに對しまして私たちが當面しておりますいろいろな點につきまして、簡單に御説明申しますと、これ以上の増收をはかろうとすれば、第一考えられることは數量のことであります。賣渡し數量の増加であります。數量の増加につきまして、これが方法といたしましては私は二つあると思います。一つは製造數量そのものを殖やすといういき方と、もう一つは繰越し高と言いますか、翌期に繰越していく手持がある。その手持の繰越し高を圧縮する、少くする。そうしてしぼり出していく。こういう二つの方法があると思います。この製造數量を増加するという點につきましては、先ほども申しましたように、初め五百十億本というものを豫定しておつたところが、實行上どうしてもそれができなくて、五百億本を切るというような實情になつておりますので、今日におきましてこれを急に殖やすことは至難であろうと考えます。一番大きな原因は、原料關係にありますが、その他にも電力の關係とか、あるいはその他の關係におきまして故障がありまして、なかなか製造數量そのものを増加するには、かなりの困難があるという實情であります。しからば繰越しの數量は圧縮し得るかという問題でございますが、これは幾分は望み得ると思います。私の記憶では最近におきまして相當たくさん繰越しておつたのでありますが、その數字が確かに五十數億本、六十億くらい繰越しておつた手持があるという見方をしてもいいのでありますが、そのくらいの數字であると私は覺えておるのであります。それが最近はどうなつておるかといいますと、九月末の推定におきまして、約四十七億本くらい繰越す手持があるだろうということであります。ところがこれをさらにどのくらい圧縮できるかというわけで技術的に調査檢討を遂げておりますが、うんと無理をすれば、これが四十億本くらいに圧縮できるのではないか。たとえばここに四十七億本を四十億本ということにいたしますと、その間に七億本の圧縮ができる。それだけ賣渡し數量を殖やし得るというようなことが見積られる。こういつたような實情になつております。この實行につきましてはかなり廣い範圍でタバコを賣つておりますので、よほどうまくやらないと配給の圓滑を缺くというようなことも起るのでありますが、一應の研究した結果を、御參考に申し上げる次第でございます。
 その次に數量増加のほかに考えられる方法としては、自由販賣品を殖やすということであります。自由販賣品を殖やすということは、必然的に殖やすもとをどこかから求めなければならないということになりますから、當然に家庭配給品を減らすということに相なつてまいります。自由販賣を殖やしまして家庭配給を減らすということであります。この家庭配給の問題につきましてはいろいろな意見があるのでありまして、家庭配給を全廢したらどうか。こういうふうにタバコが切迫してきており、現在の配給も女が一日一本、男が四本というような配給では、これはもらつても四本では一日がまんできない。こういつたようなノルマルに近い配給は全廢したらいいではないかという御議論も相當にございます。それからまた今度一應政府が七月十七日に閣議決定した案によりますと、男が月九十本女が十本ということになります。女が十本ということになりますと、女は三日に一本ということになるのであります。そんな程度の配給では意味をなさぬじやないか、こういう意味でむしろ女の方をやめてしまつたらよいじやないかというような議論もございます。それからまた他には男女平等論というのがありまして、これは憲法第十四條に根據をもつている議論でございまして、相當有力でございます。憲法では男女別によつて經濟的または社會的關係において差別をしてはならぬということになつております。タバコの配給は社會的か經濟的かわかりませんが、この關係におきまして男女平等にすべしという議論が相當有力でございます。で男女平等にする場合にはどうするか現在女が三十本、男が百二十本ということになつているのを女の分を減らして男にやる、女の分を殖やして平均をとるか、あるいは男の方をずつと減らしてしまつて男も女も月三十本に減らしてしまう、あるいはもつと減らす、いろいろな方法があるのでありますが、男女平等論が出てまいりますと、なかなかやつかいであると思うのであります。しかしながら憲法第十四條の精神から申しまして、なかなか相當理窟もあるように思われるのでありまして、私たちの方の事務當局では、こういうような理窟を考えているのでありまして、配給制度が喫煙の慣習のある者のみを對象とするのではなくて、便宜上その上が實際タバコをのむかどうかというようなことをあまり究めないで、頭割に割つけているという場合に、男、女というものの一般的な習慣を根據として割當てるということは、憲法違反でないだろう。ところがこれに對してタバコを吸う習慣のある者だけを取上げまして、配給する場合に、女に對しては少くする。男に對して多くやるというようなことになれば、これは憲法違反になるかもしれないというような理窟を、われわれ事務當局としては考えているのでありますが、これはいろいろ學界などでも各方面に意見があるのでありまして、將來の發展ということはにわかに豫測を許さないというような實情でございます。配給につきましては、こういうかなりわれわれが今まで豫想しなかつためんどうな問題も、關連をもつているということを申し上げた次第であります。
 次に三番目の方法といたしまして、價格の引上げでございます。價格を引上げる場合に、自由販賣品だけを引上げるといういき方と、自由販賣品と同樣に配給品をも引上げるというようないき方もございます。いずれにいたしましてもタバコというものが、今日におきましては國民の消費生活における非常に大きな地位を占めている商品でございます。先ほども申し上げましたように、本年度の本豫算の計畫におきましても、年の賣上高が二百五十億圓になる。今度増收をはかりますとそれに百億増すか、二百億増すかいろいろ考え方もあると思いますけれども、それによりますと四百億、五百億というような勘定になる一つの商品でありまして、賣上高が四百億、五百億になるというものはほとんどないのであります。米がそれに近づくかもしれませんが、單一商品におきまして四百億にも、五百億にもなるというものはほとんどありません。それだけにタバコの價格というものが、どの程度にきめられるかということは、物價に及ぼす影響がきわめて甚大であろうと思います。從つて價格の引上について物價廳その他におきまして非常に愼重な態度をもつて臨んでいる。もちろん大藏省も同樣でありますが、これは當然なことでございます。で自由品のみ上げましても、あるいは配給品にまでそれを及ぼしましても、いずれにしても物價に及ぼす影響はきわめて深刻なものがあります。特に配給品を引上げますと、ただちに生計費に響いてまいります。生計費に響けば千八百圓水準に影響してくる。こういつたような關係をもつているものでありまして、この點は非常に愼重に考えなければならぬ。專賣制度自體から申しましても、だんだん價格を引上げることになりますと、やみ取引と申しますか、やみの關係が非常にはびこつてまいるおそれがあります。すなわちタバコの葉をやみでと申しますか、ひそかにと申しますか、密栽培をする、あるいはタバコを密製造をする。あるいはやみ取引というような關係におきましては、現在でも相當やみのタバコというものはあるのであります。これは御承知だと思いますけれども、それがさらにその度を強めまして、これを取締る側におきましても、最善は盡しますが、非常に價格上におきまして無理が起りますと、このやみを取締ることはさらに困難である、こういう傾向をもつております。專賣制自體から申しましてこの點は十分なる考慮を要する問題だと考える次第でございます。
 それから財政收入を殖やす方法といたしましては、つけたりですが、外國のタバコを入れるという方法があります。しかしながこの問題につきましては、最近ちらちら新聞にも出ていたようでありますが、外國から製品タバコを入れるか、葉タバコを入れるかということになりますが、葉タバコを入れる場合には、これを内地で製造して販賣すれば、相當大きな利益が出てくるということは當然考えられます。また製造タバコに對しても相當な益金を見積り得るのでありますが、問題は今そういうものをただちに入れることが、日本の國策上から許されるかどうか、あるいは外貨資金の觀點からさらに認められるか。また他の幾多の觀點からもむずかしい問題がありまして、當分問題としては取上げにくいのではなかろうかと考えております。
 以上大體私たちのところで考えられますところの、タバコの益金の増收方策を項目的に申し上げた次第であります。どういうふうに上げたら一番よいかということは、今計算したものをもつておりませんが、考え方の筋道だけを申し上げて御參考に供したいと思います。政府として今後どういう方法をもつて進んでいくかということになりますと、この方法について政府としてはまだ態度を決定しておりませんが、いろいろ研究はしております。しかし結論的にこういくのだということについては、追加豫算自體の大きさというもの、またその財源の配分、財源をどこに求めるかという割振りの問題に關連してまいりますので、まだ態度は決定していない實情であります。
 最後にタバコの價格の變更については、國會と關係のある問題でありますが、例の財政法第三條においては「專賣價格若しくは事業料金についてはすべて法律又は國會の議決に基いて定めなければならない」ということになつております。この財政法第三條は政令で施行期日を定めることになつており、まだ施行されておらないのでありますが、これはなるべく早く施行すべきものだと考えます。こういう關係から申しましてタバコの價格を上げたり、新しくまた相當高いタバコをつくるような場合には、國會の議決を經べきかどうかという問題でありますが、日本の現在の情勢から見て、價格の變更というものは非常にデリケートな、いろいろの關連をもつ問題ですから、この財政法第三條においてそういうことはむずかしい問題ではなかろうかという議がございまして、政府部内においても研究をしている次第であります。いずれにしても一旦タバコの値上げにおいて増收をはかる場合においては、實行が遲れると非常に弊害を生じますと同時に、歳入上においても非常な缺陷を生ずることになりますので、このことも今後の財政處理の立場から、愼重に考慮を要する問題であると思います。たとえ第三條の規定によらない場合においても、もちろん政府側としては議會に十分おはかりしてよく納得を得てやるべきものだと考えております。そういう關連の問題がございますので、合わせてお話し申し上げた次第でございます。あとのいろいろこまかい點については、御質問によつてお答えしたいと思います。
#4
○島田委員 ただいまの長官の御説明で大體わかつたのでありますが、ちよつとこまかい點で根本問題にはいる前にお伺いします。
 現在のタバコの家庭配給用と自由販賣の比率、全體的の數字、これがわかりますればお知らせ願います。それから特配の問題ですが、一般勞務者その他に對する特配がどのくらいあるか。竝びに坊間傳えるところによると、專賣局關係の從業員に對する特配のようなものがあるそうであるが、事實であるかどうかは知りませんがありとすればどういうふうなことになつておるか、それもお聽きしたいのであります。
 それから先ほどちよつと密栽培のことに長官は觸れられましたが、われわれが日常巷で見ますと、ステーシヨンの傍などで公然とタバコを賣つているのであります。賣る方は生活が苦しいために賣るのでありましようが、國家の專賣品を白晝堂々と賣つている姿は私は好ましくないと思う。おそらく戰災者や遺家族の人が賣つておるのだろうと思いますけれども、餘り感心しません。これはもちろん專賣局だけの取締りではありますまいけれども、それに對して政府はどういう取締りをなさるかということもお聽きしたいと思います。
#5
○野田(卯)政府委員 お答えいたしますが、タバコの家庭配給とかあるいは自由販賣の數でございますが、御參考までにちよつと詳しく申し上げますと、五百億本という數になつております。その場合に家庭に向く分が四百九億本くらい。産業の勞務者用に向くものが十四億本、自由販賣になるものが五十五億本、その他がいろいろ特別な配給用あるいは非常用リザーブ、そういつたものになつております。
 それから特別配給の問題でありますが、これの一番大きな部分を占めているのは葉タバコ耕作者であります。その數も相當大きくなつております。葉タバコは現在四十八萬の農家が耕作をしておる實情であります。これに對しましては、ただいま大した數量ではありませんが、特配をしておるわけであります。その他工場の者に對しましても特配を幾分いたしておりますが、數字によりますと、葉タバコ栽培者に對するものに比べてごく少數であります。
 それからタバコの密賣買、たとえば驛頭におきまして賣つているものに對しましては、專賣法違反という問題もありますので取締りをしているのでありますが、なにせ御承知のように專賣局そのものの陣容は非常に少數でございます。戰爭中取締り人員をやたらに減らしました。どこの役所でも大きくなつておりますが、專賣局だけは戰爭中よりも今人數が減つている。主たる原因は取締り人員の削減であります。ほとんど取締り人員がないのであります。至急取締り人員を殖やさなければならぬと考えておりますが、同時に專賣局の人だけで、あるいはその人が主になつて取締ることは、とてもできません全國的な問題でありまして、どうしても警察官憲の手を煩わさないとできない實情であります。最近特に力を入れまして、警視廳その他警察方面と連絡をとりまして、この取締りに相當當つております。ときどき一齊の手入れをいたしたり、いろいろなことをしておりますが、まだまだいろいろな關係で手を盡しかねている。そのためにまだ目につくような状態になつているのであります。將來はなおこの方面に人も殖やしますし、またもつと警察方面で活動していただきまして、このようなことは一日も早くなくしたいと思つております。
#6
○島田委員 少し數字はこまかくなるのですが、ただいまおつしやつた葉タバコ耕作者四十八萬という農家に對する配給は、どの程度ですか。それからその他とありますけれども、たとえば先ほどちよつと御説明がありました專賣局關係に對する配給は、わずかと思いますけれども、數字の上でわかれば伺いたい。それから官廳關係のタバコというのはどのくらいになつておるのですか。お伺いいたします。
#7
○野田(卯)政府委員 お答えいたします。專賣事業の關係の數字は約九億本であります。これのほとんど大部分は葉タバコ生産者に對するものであります。その他の特別配給用六億七千本くらい。これは海外引揚者に對するもの、それから御承知の富くじの關係でタバコを出しておるのでありますが、そういう海外引揚者に特にあげるものだとか、富くじに使うものだとか、そういうものが六億七千本、そのほか大體一億本くらいの豫備をつくつております。
#8
○島田委員 もう一つ、先ほどの財政法第三條の問題ですが、これはまだ施行されておりませんが、將來も專賣價格の改訂につきましては――長官の先ほどの御説明によると、タバコの値上げとかいう問題につきましてはデリケートな問題であつて、國會の議決、あるいは法律によることが困難なようなお話ですが、困難な理由がもしはつきりわかるようなら御説明願いたいと思います。
#9
○野田(卯)政府委員 專賣價格につきましては、財政法第三條に規定してありますものの中でも最も租税的な性格が強いものであります。從つて普通の筋合いからいきますと、まつ先にこういうものは國會の議決をもつてやるということが、私は純理論だと思います。ところが、御承知のように、今日におきましては、まだ物價統制令が現存しておりまして、物價體系というものが存在しておる。その物價統制令を基盤にいたしまして、物價體系というものの維持がはかられておる。一つの物をきめます場合には、單獨にきめることはなかなか困難でありまして、その基礎のものをきめると同時に、一連の關連においていろいろな物價をきめていかなければならぬ。いわゆる體系として、しかも時間的になるべく同時的に行われなければいけないという、いろいろな物價體系の確立竝びにその維持運營という點からいたしまして、專賣品の價格といえども、物價體系上非常に重要な地位を占めておる。物價體系の一環として考えていかなければならない、こういたしますと、物價體系のうちにおきまして重要な地位を占めておるものが、物價體系を急にきめなければならない、あるいは急に變更しなければならぬという場合に、そのたびに今日の激變する經濟状態のもとにおいて、國會の議決を得ることが非常に困難である場合もあるし、必ずしもその餘裕のない場合もあるということも想定されますので、そういう點を慮り、要するに今日の非常に變動の激しい時期におきまして、こういうような物價體系として大きな一連の關係におきまして、行政を處理していく上におきまして、その一部分のもののみ議會にかけてやつていくということに相當困難な問題がある。こういうような點からいたしまして、これをしばらく議會の正式な議決なり、あるいは法律によるということでなしにやつていくことも必要があるのじやないかというような議論が、相當あるということを申し上げておきます。
#10
○島田委員 ただいまの理由はどうも私よく納得できないのです。今までにおきましては、この財政法とは關係がございませんでしたが、私はたまたまタバコの値段の改正の場合に、委員で大藏省へひつぱり出されましたが、これは、すでにきまつたことをわれわれはただ聽いて歸つてくるだけであつた。これは舊憲法下であり、あるいは官僚統制時代であつたから今さら言つてもしようがありませんが、今囘この新しい憲法の下において、われわれが民主的にいろいろな國政を議する、殊に今長官もおつしやつたように、タバコは單獨の商品として、最も大きな商品である。値段から言つても、消費數量から言つても、一番大きなものである。從つてこれが物價體系に與えるところの影響というものは非常に大きなフアクターである。こういう前提から言つても、やはり手續上は面倒であつても、國會の議決を經る。國會は常時開いてもよいのだから、國會の議決を經るという必要は、ますますあるのじやないか。もとより激變期であるから急を要する場合もあると考えますけれども、いやしくも物價體系をつくる場合におきまして、そういう朝に甲の物價體系をつくつて、夕にまたかえるというような、いかに内外の情勢が變化するといいましても、物價體系という確固たるものをつくる場合におきまして、そういうふうに毎日々々に變るものじやありませんので、これが變るとなれば、政府の方針が最初つくつた體系に何か缺陷があつた。もちろん外部的には、あるいは經濟外的な影響もあることもありましようけれども、やはり確固たる物價體系ができておれば、事前に大概の場合において、この範圍において修正するということがわかり得ると思う。從つて、よほどの場合でない限りは、法律によらないといたしましても、國會の議決を經る餘裕がないということはないのじやないか、私はこう考えるのであります。政府部内においては、不便である、困難であるというような御氣分があるかもしれませんけれども、私どもとしましてはこの重大性に鑑みまして、どうしても一日も早く第三條を施行して、そうして法律あるいは國會の議決によるという制度をとられることを私は要求したいと思います。これは後ほどまた同僚とよく相談して意見を述べたいと思いますが、もう一應御所見を承りたい。
#11
○野田(卯)政府委員 御話の御意見はきわめてごもつともでありまして、できるだけこういうものをきめます場合に、國會の意思あるいは御意見を尊重してやるということは當然だと思います。かりに財政法第三條が施行されましてそれが適用されないという場合がありましても、十分事前に國會の方々に連絡をして、よく話し合つていくという態勢は、やはりとるべきものだと思つております。
#12
○島田委員 この點につきまして同じ御意見だとは思いますけれども、一應小坂政務次官の御答辯を承りたい。
#13
○小坂政府委員 いろいろ御答辯があつたことで、私から長々しく申すことを差し控えますけれども、私も同意見であります。
#14
○内藤委員 長官にお尋ねしたいのであります。今の大きな問題とは違つて、小さな問題でありますが、このごろ農家に葉タバコの代金をお渡しなさるのに現金をもつてせられるということになつております。これはまことにありがたいことでありますが、一面、貯蓄の増強ということとおよそ反對の現象を呈しておるのであります。從來は貯金振替で、この代金が農業會その他の金融機關に渡されたのであります。それがこのごろは全部現金で、ただちに農家のふところにはいり、それが貯蓄になつて現われてこないということになつておるのであります。將來、農業會が今度解散いたしまして農業協同組合になりますが、何かその方面と引合わせて御考慮くださる餘地がないか、これをお尋ねしたいと思うのであります。一面において貯蓄奬勵をしてござるが、一面においてはちつともそういうふうなことは考えてござらぬようなやり方では、おもしろくないように思うのであります。
#15
○野田(卯)政府委員 ただいまの點、葉タバコの代金を現金で渡すということは事實であります。しかしながら、お話の貯蓄奬勵という關係からいたしまして、なるべくならば初めから貯金の形體で渡された方がいいのでありますが、現金で渡すことにつきましては、おそらく葉タバコの栽培業者等の長い間の念願で、そういうことが實現されたのではないかと思います。戰爭中は振替拂になつておつたのであるが、要望が強くてこういうことになつたと思います。しかしながら一面におきましては貯蓄奬勵という重大なる點がありますので、ただいままでは渡すときに、銀行の者が出張いたしまして、なるべくそのときに預金にするというような、いろいろな方法をとりまして、金融機關の者が參畫して、できるだけ預金していただくようにやつておる。もちろん全國的の問題といたしまして、各地必ずそういうようになつておるかどうかということは確言できませんけれども、そういう方向で進んでおります。
#16
○葉梨委員 先ほどの御説明を伺つてさらにお伺いしたいのでありますが、追加豫算關係から百四億の財源をタバコ益金において見込んでおる。これは配給を減じて、一部を自由販賣にまわすということによる益金増のような御説明であつたように――よく聽えないからあるいは誤解があつたかもしれませんが、そんなふうに聽きとれたのであります。そういたしますと現在男四本、女一本の配給量を、どういうふうに減らして、どういうようにまわされる豫定でありますか。
#17
○野田(卯)政府委員 配給は男月百二十本を九十本に、女月三十本を十本にという大體の豫定であります。
#18
○葉梨委員 追加豫算の決定を見なければ、もちろんわからないことでありましようけれども、この百四億の收益増以上に收益を上げなければならないという追加豫算の決定關係になつた場合には、財源をさらにどの面から捻出されるか。先ほどいろいろ御説明がありましたが、大體どれから行きますか。たとえば繰越高の減少による増收でいきますか、あるいはさらに配給を減らされますか。それとも價格の繰作が別に行われますか、どれを先に實施されるようになるか、念のために伺つておきます。
#19
○野田(卯)政府委員 われわれ事務當局としては、持越量の圧縮ということはぜひやりたいと思います。もちろんこれは技術的な問題であります。これを實行したいと思いますが、その他配給量をさらに減らすか、あるいは配給量にしても、先ほど申しましたのは一案のテンタチープな考えにすぎませんので、政府はあくまでも配給量を減らして、その筋でやつていくということは、ほんとうに決定しているわけではありません、配給量の問題、價格の問題、どういうふうにかみ合わせるかということは、結局追加豫算の財源としてどれほど專賣でとらなければならないかということとかみ合うので、方向もまだ決定していないという實情であります。
#20
○葉梨委員 それでは百四億を現在見込んでおるという數字においての配給量の減額についても、まだ本ぎまりにはなつてないと了解してよろしゆうございますか。
#21
○野田(卯)政府委員 これも一應の政府の考え方で、一應の案ということで政府として本ぎまりになつておるわけではございません。
#22
○葉梨委員 政府の收益増が百四億、一應追加豫算として出してある。なお追加豫算の決定のしかたによつては、これ以上に上るということは想像にかたくないところでありますが、百四億の増を見るためには、配給量を減らすというような一應の案であつて、まだ本ぎまりではないと言われました。かりに配給量を減らさない場合には、どういう代案をとられることになるのでありますか。
#23
○野田(卯)政府委員 これは配給量を減らさないということにいたしました場合には、問題がどうしても價格の方に響いてくると思います。持越量の圧縮とか、あるいは販賣數量そのものの増加ということを考えましても、それには一定の限度がありますので、配給量の現状維持ということになると、よほど苦心いたしましても――この特配をさらに圧縮するとか、いろいろな方法があると思いますが、それをやつても、小額の十億あるいは二十億という程度の金でしたら調達できるかと思いますけれども、一當巨額になると、あるいは配給量そのものを維持するということになると、價格にも影響して來ると思います。そのところは非常にデリケートな問題を包藏しておるということを、御了承願いたいと思います。
#24
○葉梨委員 配給量を動かさずに價格の面に求めるときには、デリケートな問題になるのは當然でありまして、先ほど來長官の御説明にあります通り、一般物價に對し大きな影響をもたらすことになるのであります。價格をいじる、價格の操作をやるということは、非常に困難なことであろうということは、一般物價の面に對する政府事業としての責任上、當然考えなければならぬことでありまして、これは當然のことと思うのでありますが、しかし他面また國家財源の點から見ますと、當然また專賣益金に、つまり間接税に考えを及ぼされるのは當然であります。いずれともデリケートであるというようなことでありますけれども、すでに百四億という目標を出します以上は、どうすればこの百四億になるかという基本的計數ず打立てられなければ、この百四億という計畫、數字は出せないものであろう。そうすればまだ本ぎまりにはならないが、配給量を減らすのだ。配給量を減らすことによる百四億であるというようにもまた論ぜられると思います。繰越高の減少というようなことによつては、わずかなものである。また特配等に對する手心等をやつても數億のものである。つまり十億、二十億のものであれば、それらの操作によつて行い得るけれども、百億あるいはまたそれ以上の、さらに増收をはかるということになれば、そういう姑息な手段では、とうてい應じ切れないのであるということは、あなたの説明を伺つておるうちにはつきりして來ると思うのであります。そこで百四億を出した以上は、基本がそこにきまつていなければならぬ。さらにこれを五十億、百億なり殖やすという場合には、またその基本に大きな見當を與えてこなければならぬことになるだろいと思う。その見當を百四億を出しておる以上は、計算の基礎というものは、はつきりしておるものであると思うのでありますが、その基礎を伺つておきたい。なおこれ以上増す場合における十億や二十億の問題であれば、あなたの言われる通り、繰越高の減少による操作によつて行い得るでありましようが、そうでなければ價格の面以外にはないではないかというようにも考えられるのでありますが、かりに價格操作をやるとしました場合には、まずこのコロナ、ピース以外の、どこに見當をもつていくか。今日は、むしろ前のように金鶏が勞務者用であるとか、あるいは光がどうとかいうように、そのものによつて配給がわけられるというようなことは、なくなつておるような現状であろうと思いますけれども、大體の見當はどれを自由販賣にまわすかというような、およその見當をそこに立てておらなければならぬだろうと思うのであります。技術的にどういうふうに操作されるという、大體の見當をお立てになつておると思うのでありますが、それらを御説明願つたら結構だと思います。
#25
○野田(卯)政府委員 百四億の基礎になつておる配給の少し詳しい數字でございますけれども、先ほどちよつと家庭配給の方は男月百二十本を九十本に、女月三十本を十本にするということを申し上げました。そのほかのことをちよつと補足いたしますと、そういう場合でも勞務者に對しましては、減つた分でありますと、勞務者が今までは月に百二十本配給を受けていたのが九十本に減る。三十本減ります。その分だけは勞務者に對しては特配をいたしまして、三十本だけ追加をしてやるということにいたしますと、勞務者に對しては現状とかわらないということを考えております。それから家庭配給からの削減から生じました餘裕を自由にまわす場合に、大體今「ひかり」というものをつくつておりますが、「ひかり」をやめまして「ピース」の方にまわすということを考えております。それから「ひかり」は現在四圓でありますから、それが「ピース」にまわすと三十圓、これはおのみになる方はよく御存じのことと思いますが、「ひかり」の品質は「ピース」「コロナ」に劣らないほどのいい品質をもつておりますから、この轉換は容易にできるのであります。それから「きんし」を少しかえまして新しい品質のものをつくる。名前はまだはつきり確定はいたしておりませんが、要するに新製品をつくる。それは二十圓くらいが適當ではないかと考えております。そういたしますと「きんし」が現在二圓五十錢でありますから、これを二十圓にいたしますと、そこに相當な金額が上つてくるわけであります。そういうようなものが主になりまして、それから他面最近非常に物價高騰によりまして生産費が殖えてきております。そういうものはマイナスになるわけでありますから、そういうものを差引きまして、百億圓ちよつとの益金増收になるかと考えております。これは百四億本に關連する問題の御説明でありますが、そのほかになおそれ以上に殖やす場合に、どの方向にいくかということにつきましては、先ほど來申しておりますように、なかなかデリケートなことであります。かりにここに勞務者に對して一般的な家庭配給は減らしても、それを償うように月三十本の特別配給をするというようなことはやめてしまつて、やり放しにするかというような問題もあり、また男と女を九十本、十本の割合にするか、これはさつき觸れました憲法第十四條の男女平等論というようなところから問題が起るかもしれません。いろいろ未決定な、あるいはまだ方向のきまらない問題が錯綜しておりますので、大體それの見透しがつきましたところによつて内容を組みかえていかなければならない、こういうことであります。一應政府が内部的に九十本、十本ときめましても、これがどうしても男女平等でやらなければならぬということになりますと、初めから計畫は實行不可能ということになりまして、根本的な改變をしなければならないということになります。いろいろな關係がございますので、先ほど來申しますように、あまり深くつつこんで申し上げかねるというような實情にありますので、御了承を願います。
#26
○小坂政府委員 補足して申し上げます。この全體の收益を殖やす大道というものは、何と言つても生産量を殖やすということを狙わなければならぬ。そのほかいろいろなテンタテイーヴな案を申し上げましたが、さらにこのほかには、今までお話が出たかもしれませんが、タバコの箱に廣告をするということ等も考えまして、極力そういう面における經費を少くするというようなことも考えておるわけであります。
#27
○葉梨委員 ただいまの專賣局長官の御説明により、「ひかり」をやめてピースにしてします、それからまた「きんし」を新製品にかえるというようなことによつて、自由販賣品を殖やすということはよくわかりましたがそうなりますと、自由販賣の本數に變更を來し、現在五十五億本を自由販賣にまわしておるというその自由販賣は、どれくらい増すようになるのでありましようか。
    〔委員長退席、島田委員長代理著席〕
#28
○野田(卯)政府委員 月九億本くらいでございます。
#29
○葉梨委員 月九億本の増となりますと、約六十四億本ということになるのでありますが、一般家庭配給の四百九億本の減少は先ほどの男九十本、女十本としますと、この數字において合わないようになります。もちろんピースにしますために要する原料の所要高、あるいは「きんし」を新製品にするための原料高の變更によつていろいろな變化があろうと思いますが、そういたしますと、家庭配給の四百九億本からいくらに減り、また産業方面にまわる十四億本は動きはないとみてよいのか。あるいは耕作者その他にまわす本數等に動きがないとみてよいのか。その邊はどういう變化になりましようか。もし計數をお持ち合わせであつたらば……。
#30
○野田(卯)政府委員 私の手許にある資料で不完全かもしれませんが、一應大體の大勢がわかると思いますから申し上げます。これは一月あたりの配給の本數であります。これが現在のところでいきますと家庭配給の概數が三十四億本、産業特配が一億二千萬本、その他が二億二千萬本、自由販賣が四億五千萬本、その程度で全體が約四百十九億本、こんなふうになつております。そういたしまして先ほど申し上げました百四億本の案でありますが、それによりますと家庭配給の方は約二十二億八千萬本くらい、産業關係が三億二千萬本、この産業關係が殖えますのは先ほど申しましたように、勞務省の方に三十本追加をしてやるというのがはいつてまいります。その他の分はかわりません。自由販賣が十四億五千萬本くらい、大體總數においては變化はない。こういうことになつております。
#31
○葉梨委員 二十二年度以降三年間のタバコ生産計畫でありますが、この計畫によりますとよほど段別が殖えております。これは食糧増産計畫の農林省方面の計畫と打合せが完全にいつておられるのでありましようか、どういうことになりましようか。
#32
○野田(卯)政府委員 この作付段別が殖えておりますが、これにつきましては農林省と十分に協定をいたしてやつております。實情を申しますと最近タバコ耕作の希望が非常に多い。一、二年前はタバコをつくる者が少くて困つたのでありますが、最近いろいろなことの影響からか、タバコ耕作を希望する者が非常に殖えてきております。むしろ專賣局としてはその數を減らすということに努力をしなければならぬと、こういう實情になつております。農林省とも十分打合せをいたしております。
#33
○西村(榮)委員 簡單ですが一言お伺いしておきたいと思います。政府はいろいろ辯明をされても國民の消費生活に對する影響というものは、本能的に感ずるのでありまして、將來歳出の關係から、タバコその他の專賣益金の問題につきまして手を觸れるとするならば、國民を理解せしむるだけのそれに對する十分な理由がなくちやならないのですが、殘念ながら第三條の適用がない今日において、歳出と歳入とをにらみ合わせて見てこの問題を決定するということが困難だ。そこで私は政府へ一應質問しておきたいことは、將來タバコ價格のみならず、專賣益金その他の問題、値上あるいは配給量の問題に手を觸れるときは、豫算案とにらみ合わしてみて、豫算が決定された後にそれをやるだけの政治的な、道義的な取扱いをなさる意思があるか。財政法第三條はまだ適用されていなけれども、この法の制定された趣旨をよく理解されて、私は歳出の問題――豫算案を出す前に、政令において專賣益金その他の問題を取扱うという政府の一存でやられるよりも、この新しき財政法の趣旨をよく政府が理解されて、豫算案とともに歳出歳入の問題を國會に提出する。同時にそれが可決された後に、その趣旨に副つて新しき年度における追加豫算とにらみ合わして見て、値上とか、あるいは配給という問題に手を觸れるというふうに、國會といたしましては取扱つてもらいたい。これは政府の道義的取扱いであると思いますが、そういうふうに取扱われるかどうか。あるいはまた豫算案を提出する前に、政令で專賣益金だけは先に取扱うという御意思であるか。そういう點を明確にお答えを願いたいと思います。
#34
○野田(卯)政府委員 非常に重大なポイントに觸れた御質問でありますが、その豫算の成立したあとでやるということにつきましては、私は政治的の問題と同時に、技術的の問題があると思います。政治的な問題としましては、できるだけ前に國會といろいろお打合せするなり、協議いたしまして、問題を取運ぶのが立憲的だと思いますが、豫算案が通過した後でないとできない。價格の變更等はできないということになりますと、實際問題として困難な場合が多々生ずるのでありまして、これはただ私たちが抽象的に申し上げているのではありませんで、各國の實例を見ましてもそのようであります。外國の例を見ましても、イギリスなんかの例であつたと思いますが、たとえば酒の税金の増税案というものを出しますときには、議會に提案と同時に値段を上げるということを實行いたしております。そうしてそれが議會で否決をされたときにはやめる。こういうような措置をとつております。御承知のように今は割合に配給とか何かでいろいろ縛られておりますので、そういう弊害もありませんが、これが自由經濟にだんだん復歸してまいりますと、價格關係というものは、商品の動きに非常に大きな敏感な關係をもつております。それを議會でごたごたして、いろいろ時間をかけて愼重審議をしておるということになりますと、その間に價格關係がいろいろととりざたされたり、物の動きが停滯されたりして、いろいろな弊害を來す。こういうわけで議會の提案と同時に價格も上げてしまう。そうしてあとで否決されればやめるというような例をとつております。タバコとかその他酒とかの問題については、政治的には國會の意思を尊重してやることはもちろんでありますが、同時に實質におきましては、またお話のようなラインに進み得るかどうかということは、よほど研究を要すると思います。いろいろ各國の例とも併せて檢討いたしまして、最後の決定をいたしたい、こういうように考えております。
#35
○西村(榮)委員 小坂政務次官に質問したいと思います。ただいま專賣局長官の答辯は、各國の例を引かれたが、それは官僚内閣ないし軍部内閣と政黨内閣とが、少し性質を異にするということを御理解がない、なるほど價格の變動、買占め等に悪用する點も若干はあるでしようが、こと專賣品に關してはその憂いは少い。それよりも拔打ち的に、國民の理解なしにやるということが、かえつて弊害を生ずる。特に現政府は賃金と物價との均衡をにらみ合わせまして、新物價體系というものを制定した今日でありまして、これを堅持しようとする方針を現内閣はとつておるのであります。しかも現内閣は政黨内閣である。從つて國民に拔打ち的政令で、それを一方的に政府がきめるということは、現在の時代精神に合わない。同時に先ほどお話申しましたような諸點を考えて、なるほど政府の政令による値上、あるいは專賣品に對する何からの處置に對して、國會は新しい法案を要求いたしまして、これを是正するという方法もあります。しかしそれよりも豫算とにらみ合わしてみて、しかも今日における占領政治下において、そういうふうな新しき法律を設けて、政令に對する反省を求めるということは、國會が政府に對するまた別な、いわゆる反政府的な意思表示にも政治的にはなる。こういうふうな點を考えますると、私は豫算案の歳出歳入とにらみ合わしてみて、これを國會に提案して、その決定を持つた後、歳出歳入の均衡の上に、新しき專賣の價格の問題その他の問題を考えるのが、現在において當然である。それがために財政法というものが施かれたのであつて、これは實施期にはいつていないとは言いながら、現政府はその財政法の性格をよく汲みとつて、政治をやらなければならぬ、こう思う。それが今專賣局長官の言われたように、技術的に豫算案とにらみ合わしてみて、提案することが困難であるということであれば、私は一歩讓つてでも、專賣問題については以上申し上げたような理由において、國民生活に經濟上、思想上、大きな影響を與える。それが現内閣の賃金と物價の新價格體系に對して、重大なる影響をもつということを考えてみまするならば、政令で拔打ち的にやらないで、少くとも本委員會に對して可否の議論を聽いて決定される。
    〔島田委員長代理退席、委員長著席〕
豫算案と同時にそれを出すことが、技術的に困難であれば、一歩讓つても、それだけの了解を國會に求められるということが、新財政法の精神、竝びに現在の政府がとりつつある新價格體系に對する、忠實なら大藏當局の事務執行の方法ではないか。こう考えますが、小坂政務次官はどうお考えになりますか。
#36
○小坂政府委員 政治論としましてはまつたく私も同感であります。しかしここにひとつお考え願いたいと思いますことは、このタバコ等の專賣品の値上というものが、ある價格において理由ありと認められた場合にも、十分法律案等におきまして審議した結果においてそういうことが認められました場合には、こういうタバコ等の專賣品は消耗されてしまうものでありますので、法律の提案せられましたとき遡及して行うということはできないのであります。でありますので技術の問題で、その方法というものがとり得ないという缺點があるのであります。私どもとしてはこの新價格體系を堅持するためにあらゆる方策をとりたいと思います。その意味におきましてこのタバコの問題等につきましては、實はきわめて愼重に扱いたいと考えておるのでありますが、ただいま申し上げましたような點をお考えくださいまして、その間に實行上もよろしいし、また新憲法の趣旨にも副うような、何か適當な方法をも相談したいというふうに考えております。ただ政令を出すということは必ずしも拔打ち的にやつていいというのではありませんので、手續上はそれによるけれども、精神はあくまでも國會と相談してやつていくという精神で考えております。さよう御了承願います。
#37
○西村(榮)委員 もう一度念のためにお尋ねしておきますが、そうすると技術的には困難であるが、その問題を取扱うためには國會と協議してからおやりになるというように今の御答辯は了解してよいですか。國會の了解なしにはやらないということに解釋してよろしいか。
#38
○小坂政府委員 十分に御相談をいたしたいというふうに考えておるわけであります。
#39
○西村(榮)委員 ただいまの小坂政務次官の御答辯において一應了承いたします。これは現内閣の新價格體系を維持する上において、あるいは社會不安を解消する上においてきわめて重大であるのであります。萬一今の御答辯に違反して、政令という一本でことを處理される場合においては、社會黨といたしましては、十分別個の角度から現政府の方針について考えなければならぬから、ただいまのお約束は十分守られんことを希望いたします。
#40
○小坂政府委員 私は政令で出すことをしないという意味で申し上げたのではございませんから、この點誤解のないように願います。政令で出します場合にも、十分に御相談をして出すという意味のことを申し上げたのであります。
#41
○西村(榮)委員 相なるべくは次會において大臣とよく御協議願つて御答辯を願いたいと思います。最後の點は留保しておきます。
#42
○河井委員 私はタバコの問題ではないのですが、銀行局長がこられるのを待つておりましたが、おいでにならないので、小坂政務次官にお尋ねしたいと思います。今度の東北、關東を襲つた風水害の損害はきわめて廣汎で、かつその程度が甚大でございます。これにつきましては各被害地における金融機關は、銀行、市街地、信用組合、その他の信用組合などにつきまして、新勘定の取引も相當多額になつておるはずでございますが、これらの金融機關が被害地の債務支拂に支障をきたすようなことがありましたならば、國民貯蓄の増強を唱えておる際に、金融機關の動搖というものは一大問題でございます。こういうふうな銀行の債務の支拂資金に不足をしておるような金融機關に對しまして、政府に銀行資金運用令第七條にありますいわゆる命令融資によりまして、日銀をしてそれらの金融機關に資金の融通を認められるというような處置をおとりになるでしようか。
#43
○小坂政府委員 お答えいたします。實は一昨日私どもも被害地の一部であります埼玉、群馬兩縣をまわつてまいりましたが、その結果を大體御報告申し上げさしていただきたいと思います。われわれさきに東北地方の水害におきまして御承知のような對策をとつたのでありますが、この間非常に貴重な體驗を得たように思うのであります。というのは、私どもが考えておりますことと、現地においてそういう問題を處置いたしますものと意思の疎通に十分でない點が多々あるのであります。私どもはその疎通を今度こそは十分にしたいと思いまして、現地にまいりまして金融機關といろいろ懇談いたしました。今日ただいままでにまいつております報告によりますと、埼玉縣におきましては金融機關の被害状況は、未だ全部明確のものとはなつておりませんが、状況を判斷いたしますと、埼玉銀行の栗橋、幸手、鷲宮、杉戸、加須の支店の店舗には相當の被害があつたと認められます。なおこの金融状況竝びに措置でありますが、預金の拂戻しは、現地の金融機關の推定によりますれば、最大四億圓と計上されております。しかしながらこれは最大でありまして、實際はそこまでいかないのではないかというふうに考えられておるのであります。そして日本銀行の浦和事務所における特扱寄託券は、現在殘高二千五百萬圓であります。これは對しまして輸送手配がつき次第五千萬圓を送るという手續をいたすはずであります。なお埼玉縣の埼玉銀行よりの借入金は千五百萬圓でありまして、わく外融資は九月末日を返濟期限といたしておりますが、今囘の事態に伴いまして緊急支出を考慮して、返濟期限を一箇月延長するように埼玉銀行が承諾いたしました。これを引續きわく外處理することにしようというふうにやつております。さらに埼玉縣の同胞援護會から、難民救濟の支出にあてるために第一封鎖預金百萬圓、一人あたり百圓の自由支拂の許可申請がありましたが、これを速やかに許可するように申しております。
 さらに群馬縣でありますが、群馬縣の金融機關の被害状況は、群馬大同銀行の大胡支店でありますが、これが床上浸水二尺、什器等は流失いたしまして、十六日は休業いたしたのでありますが、十七日は役場において金融業務を行つております。群馬大同銀行伊勢崎本町出張所は床上浸水二尺に達したのでありますが、營業は續行することができました。さらに館林方面は連絡がつきませんが、これは相當に被害があるのではないかと豫想されるのであります。ただ帝國銀行館林支店は浸水がなかつたというふうに通報を受けております。
 このような状況でありますが、これに關する金融状況竝びに措置について申し上げます。財務局の地方部と連絡いたしまして、生活物資の購入費として第一封鎖から一世帶五千圓一人當り千圓まで自由預金の支拂を認めるわけであります。これは群馬縣におきましては家屋全壞者についてでありますが、家屋が半分壞れておるものに對しては、一人當り六百圓、一世帶三千圓まで、床上浸水者に對しては一人當り四百圓、一世帶二千圓までというふうにいたしております。なおその他福徳定期の解約申込というのがございます。これは定期預金ではございますが、緊急事態でありますからこれを解除いたしまして、支拂をしろというふうにいたす考えであります。
 さらに茨城縣でありますが、茨城縣の金融機關の被害状況は一般に輕微であります。農業會、郵便局等の店舗中には、浸水があつたものと認められるものがございますが、一般の業務には支障が認められないという程度であります。ただ交通機關等の關係で、若干出動率が低下しておるというふうな状況であります。
 さらに千葉縣でありますが、千葉縣は預金の拂戻し推定額竝びに所要金額は、ただいま調査中という程度であります。
 山梨縣にも被害があつたものと認められるのであります。
 さらに栃木縣でありますが、栃木縣の帝國銀行足利支店は浸水五寸、栃木支店は一寸くらいでありまして、大して營業に支障があると認められるようなことはなかつたのであります。
 さらに神奈川縣でありますが、金融機關の店舗には被害がございません。自由支拂の特例許可も、神奈川縣におきましては必要がないというやうに考えられておる状態であります。一般にこの帳簿等に對しましてはきわめて冷靜に處置されておりまして、農業會における帳簿等も全部完全に保存されております。
 大體こんなような程度の状況で、これが私どものただいままでとりました處置であります。さらにちよつと金融以外でありますが、租税等につきましても、相當實状に應じて免税の特點を與えるように考えております。これは全般の數がまだ判明いたしておりませんところが多いので、全貌については申し上げるわけにまいりませんが、租税は情勢によつて減免するということになつております。
#44
○河井委員 ただいま御説明によりますと、結局各地の金融機關の被害程度は、命令融資によつて、日銀をして資金を貸出すことを命令することにはなつておらぬという御見解ですか。
#45
○小坂政府委員 ただいまのところはそういう緊急の事態までには來ておりません。
#46
○北村委員長 本日はこの程度で散會いたします。
   午後零時二十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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