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1947/10/07 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第26号
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1947/10/07 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第26号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第26号
昭和二十二年十月七日(火曜日)
    午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 北村徳太郎君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
 理事 梅林 時雄君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 塚田十一郎君 理事 葉梨新五郎君
      赤松  勇君    川合 彰武君
      川島 金次君    河井 榮藏君
      佐藤觀次郎君    田中織之進君
      西村 榮一君    林  大作君
      松尾 トシ君    後藤 悦治君
      中曽根康弘君    松田 正一君
      泉山 三六君    島村 一郎君
      苫米地英俊君    宮幡  靖君
     山口喜久一郎君    井出一太郎君
      石原  登君    相馬 助治君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   今井 一男君
 委員外の出席者
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
政府職員に對する一時手當の支給に關する法律案
(内閣提出)に關し、その支給率について、證言
のため出頭した證人
 金子美雄君(勞働省勞働基準局給與課長)
 大西要君(國鐵勞働組合總連合會官吏待遇改善
 委員)
 原島照房君(全國公共職員勞働組合連合會官吏
 待遇改善委員)
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 政府職員に對する一時手當の支給に關する法律
 案(内閣提出)(第六五號)
    ―――――――――――――
#2
○北村委員長 會議を開きます。
 本日は前會の申合せ通りに、政府職員に對する一時手當の支給に關する法律案の審査のために、その支給率に關しまして證言を求めるために、四人の證人の方の出頭を求めまして、本日ここに出席されておりますから、これより證人の證言を聽取いたしまして、質疑に入りたいと思います。
 本日の證言の範圍は、政府職員に對する一時手當の支給率に關してでございます。但し本問題に關しましては、證人の方の忌憚ない御意見を發表していただきたいと考えております。本日出席していただきました證人の方は、國鐵官吏待遇改善委員の大西要君、全官公連官吏待遇改善委員原島照房君、それに特に專門家であられます勞働省勞働基準局給與課長の金子美雄君、以上三名の方であります。まず最初に勞働省勞働基準局給與課長の金子美雄君、の證言を求めます。
#3
○金子證人 證言を求められました問題は、今囘り手當の支給率、これが丙地を百といたしますと、乙地百十三、甲地百三十一、その他の特地が百五十、特地のうち特に京阪神地方につきまして百五十九という割合になつておりますが、この割合が妥當であるかどうかという點につきまして、私の考えを申し上げます。
 この賃金の差が、地域別にどの程度つくべきであるかという問題は、それぞれの地方の生活費の高低の問題と、現に賃金がそれぞれの地方別にどの程度の差があるかという二つの面から、一應實證的にこれを見ていくのが、われわれの普通のやり方であります。この地域別の問題は、非常に地域の區切り等につきましてむずかしいのでありますが、ここで最近において地域別の問題が起りまして、われわれとして取扱いました點を、まず申し上げてみたいと思います。
 それは最近問題になつておりまする例の千八百圓の業種別平均賃金の計算にあたりまして、あの業種別平均賃金は、各業種ごとに全國一本の平均賃金が示してございますけれども、これを計算するにあたりましては、各地方別の賃金の差というものをまず考えまして、それぞれの地方に對する標準的な賃金を定め、それの全國的な平均として、發表されました全國的な平均の業種別賃金が出たわけでございます。しからばその地方別の賃金の標準をつくるときに、どういう地方別の差をとつたかということを御參考に申しますと、全國を甲乙丙の三地區に分けまして、甲地區は六大府縣と福岡を加えた七府縣、乙地區は北海道、千葉、埼玉、靜岡、三重、岐阜、滋賀、奈良、和歌山、岡山、廣島、山口及び長崎という一道十二縣、大體甲地區に隣接した地方でございます。丙地方はその他の二十六縣、大體この三段階に分けまして、そして賃金の比率を、甲を百といたしました場合に、乙は八十五、丙は七十五という率に一應きめたのであります。この率は當時の全官公の地域加給率の甲乙丙というのと同じく三段階に分れておりますし、その丙に對する甲の割合も大體似たようなものでございますが、ただ違いますのは、われわれの分け方は、ただいま申し上げました縣の中、全體に對するものでありまして、官公吏での賃金の場合のように、都市とか町村とかいう分け方ではございません。從つて官公吏のような分け方をすれば、甲の中でも特に東京都の市部であるとかいうものだけ取出されるわけでありますから、甲の中でもその部分は高くなるわけであります。しかし丙の中でも都市というものも含んでおりすし、特に工場等の事業場は都市に比較的集中しておりますから、その中で特に町村ということになれば、結局官公吏のあのつけ方でいけば、このわれわれの比率よりも幅の廣い比率になるということが言えるわけでございます。われわれがこういう率をきめた、その基礎にしたいろいろなデーター、これが御參考になるかと思いますから申し上げておきますと、まず生計費の關係の資料としては、總理廳の統計局でやつておりまする消費者價格調査という調査、これが大體普通の生計費の調査とほとんど同じ形をとつておりますので、一應生計費の調査としてこれを利用しております。これは全國二十六都市についてだけでありますが、この都市をただいま申しました甲乙丙の別に分けてみますと、そしてその率を出してみますと、本年の一月二十七日から四月二十日までの間の總平均で見ていきますと、甲地を百とした場合に、乙地は八十二、丙地は七十六というような數字になります。それから私の方、すなわち當時は厚生省でありましたが、厚生省の給與課で――この資料は、公に發表しておりませんが、私どもが事務上の必要のために全國から取寄せておりまする勞働者の家計調査、この家計調査はちようど今囘問題になりましたのと同じ區分の六大都市、大都市、中都市、小都市、町村というような區分に從いまして結果を出しておりますが、昨年の一月から十二月までの一年間の總平均につきまして、これらの都市別の比率を見てまいりますと、勞働者につきましては、六大都市を一〇〇といたしますと大都市が八一、中都市が七四、小都市が六六、町村が六四というような比率になつております。またこの率を逆算して考えますと、町村を一〇〇として六大都市がいくらになるか見ますと、大體町村に對しては大都市は六割以上の率になつておるのであります。これらの率から考えますと、今囘の手當の比率というものが、私どもがこういう資料から見ますと、大體當を得たものでないかと考えます。最近の資料につきましてこれらの地域別の率がどういうふうになつておるかと申しますと、先ほどあげました總理廳の消費者價格調査、これのたとえば七月分の一箇月間の消費金額を、今囘の區分に從いまして京阪神、特地、甲地、乙地というふうにわけてみますと、――これは全部都市について調べておりますから丙地はございません。乙地までしかございませんが、乙地を一〇〇にいたしまして甲地が一一七・三、特地が一三九・二、京阪神が一四〇・三というような率になつおります。これは乙地を一〇〇にいたしました率でございまして、丙地と乙地との間がどれくらいあるかこれはわかりませんが、純農村と都會とかりに一割程度違うということを認めますならば、大體政府の提案いたしておりますのと類似の率になるかと思います。
 それから賃金の關係でございますが、實際に地域別にどういうふうに賃金が差があるか、これも先ほどの千八百圓水準の問題のときに、われわれが參考資料といたしました率を見ますと、昨年の六月、厚生省が全國的に一齊調査をやりました賃金の統計から推算したものでございますが、これは先ほどの區分の甲乙丙にわけたものでございまして、甲地を一〇〇といたしますと乙地が八〇、丙地が六九という率でございます。これは勞働者の率でございますが、逆にこれを丙地を一〇〇にいたしますと、甲地は丙地の四割以上の増しになります。先ほど申しましたように、ここで丙地というのは府縣別にわけた丙地でありまして、この丙地の中には都市も町村も含んでおります。ですからわけ方は大ざつぱでございますので、この中をさらに町村都市とわけて、常識的に町村の方は都市より低いということがもし言えますならば、大體政府の提案しておる率に似てくるであろうかと思います。
 それからなお御參考までに、現在政府は公共事業の勞働者の賃金というものを、これはやはり一種の政府の雇傭する勞働者でありますから、使用者としての政府立場においてこの賃金をきめておるのでありますが、本年の四月一日から一應標準的な額を地域別にきめております。日傭勞働者を主としたものでありますから、これを一般賃金の率に必ずしも一致するとは見られないかと思いますが、一つの參考的なものとして申し上げるならば、大體一番安い福岡以外の九州これを一〇〇といたしますれば京阪地方は一八〇、八割増程度の賃金差になつております。京濱地方、東京横濱地區は京阪神よりも多少低いところにきめてありまして、大工につきましては一番低い南九州を一〇〇といたしましたときに、京阪では五割増、人夫というようなものにつきましては七割増という程度になつておりますが、政府のやはり一種の雇傭員であるとこういう公共事業の賃金につきましても、これだけの差がございます。この標準賃金は、今年一月の實際の調査に基いた數學的に出しました平均賃金から計算したのでございまして、額はこれを今囘かえなくてはならない状態にありますけれども、この地域別の比率は、新しい調査が行われるまでは大體踏襲する考えであります。これらの資料から見ましても、相當町村と京阪神、あるいは六大都市というものとの間には差があるように見ております。從つて今囘の政府の提案も、先ほど申しましたように丙地に對して京阪神が六割、これは六割がいいか五割がいいかというようなこまかいところまでいきますと、資料においてもいろいろの數字が出ることでありますので、問題があるかもしれませんが、しかし私がただい申しましたようないろんな資料を總合して考えますに、今囘の率はさして不合理という程度のものではないので、常識的には受取れるものではないかと私自身は信じております。
 なお、數字的な點はそうでございますが、私は官待小委員會、總會等につきましては、この問題を扱つておる會には、實は差支えがございまして出席いたしませんでした。私の代理者が出席しておりましたが、代理者の報告によりますと、御承知のように政府側と組合側との覺書だけによつて、今囘の手當の支給につきましては政府側に無條件一任の形でございます。しかし組合側は全然政府案の内容を知らないわけではないのでありまして、こういう決定をされるにあたつても、大體組合側では政府の意圖するところを推定しておられたように聞いております。またその後正式の小委員會、總會等において、政府側がこの案を示しましたことについても、もちろんすでに一任したということはありますが、組合側としてはさしたる意見もないように聞いておりまして、一應團體交渉の形といたしましては、圓滿に今日まで進んで來たものと私は考えます。
 以上で私の證言を終ります。
#4
○北村委員長 ただいま證言に對してもし質疑がありますれば、質疑を許します。御質疑がなければ次の證人の證言を求めたいと思います。よろしうございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○北村委員長 それでは國鐵官吏待遇改善委員の大西要君がお見えになつております。これより大西要君の證言を求めます。
#6
○大西證人 私國鐵の勞働組合の執行委員をしております大西でございます。千八百圓水準の問題について、組合側と政府當局と、あるいは官待小委員會、あるいは官待準備委員會總會におきまして、いろいろ話合いました經過を御參考に申し上げたいと思います。
 われわれ官公廳の勞働組合員は、現在御承知の千六百圓という水準で給與を受けておりまするが、政府におきまして豫算に計上された千八百圓水準に引直すということが發表になりまして、それをわれわれはいかに受取るかということにつきまして、政府と交渉の段階にはいつたわけであります。もつともこの問題につきましては、政府は一方的に千八百圓でわれわれの給與を決定しようとする意圖あるに對して、われわれ組合としては、現下の經濟状態から言つて、全面的にこれは不滿であるという意思表示を續けてきたわけであります。しかしながら組合といたしましても、經濟状態の變化に伴つていろいろ苦しい生活状態か續いておる點に鑑みまして、何とかこれは政府に任せておくべきではないか、われわれの方は一應受取るべきだというような意見も出まして、交渉にはいりまして、この問題につきまして一應いかなる形で給與する考えであるかを確かめましたところが、たしか九月の上旬と考えておりますが、その内容につきまして一應發表になりました。その内容はいわゆる地域を主體として、地域の差によつて大部分を支拂いたいという意向か發表になつたわけであります。その後その問題につきましては、われわれは最初から千八百圓そのものに對して不滿をもつておつた關係上、あまり配分についての内容的な論議は交されないで推移いたしまして、九月十九日の官待總會におきまして、その内容につきましての協定と申しますか、覺書交換の状態に立至りました。その覺書は、いろいろ凹凸修正、その他の問題も含まれておる覺書ではありましたが、その覺書の第三項に、千八百圓水準は組合側としては不滿であるが、生活費の不足を幾分でも補うため、早急に現金を受取る焦眉の急に迫られておるので、七月ないし九月の三箇月分について。右水準による増額分を、政府の責任において支拂うことに對し、組合は異議を有するものではないこと。こういう覺書を大藏省給與局長と組合側代表が取交したわけであります、そうしてこの問題につきましては、この措置は新基本給の決定については、何ら拘束するものではないという附帶條件がついております。その後九月二十七日の官待準備委員會總會におきまして、政府の責任において支拂うことの内容の點が、この覺書によりまして示されました。それは御承知の十二割ないし二割という、地域を主としたところの給與配分でありました。このときにおきましても、一部この配分についての意見も出かけたのでありますけれども、もともと出發から、われわれはこれに關知しない。どこまでも政府の責任においてわれわれは受取るというその根本趣旨に從つて、これは討議されないで、そのままこの配分について承りおくということで、總會は暗默のうちに了承した形で終つております。しからば組合としては、この配分案に對して全面的に滿足なりや否やということになると思います。これはわれわれとしては絶對に千八百圓では我慢できないという前提におりまする關係上、論議の要なしという結論になりまして、もしかりに千八百圓というもので、どうしてもくぎづけされるということを前提とするならば、あるいは組合員の中に、必ずしもこの線で滿足しない向きがあるということも、一應想像はつくところでありますけれども、最初から再三申し上げましたように、この點につきましてはわれわれは政府の責任において、一方的にやることを了承しておつた關係上、地域差に從つて給與されるということも、前前の政府の意圖しておられるところを了承しておつたというような關係もありまして、こういう案が大體發表になるということを豫想して、一應了承しておつたわけであります。
 まことに、とりとめのないことを申し上げましたが、もし何か御質問があればお答えすることにいたしまして、一應證言を終ります。
#7
○北村委員長 ただいまの證人の御證言に質疑がありますならば、質疑を許します。御質疑ありませんか。
#8
○中崎委員 ただいまの御證言の中で、千八百圓基準というものをかりに是認するとするならば、現在政府のとつたあの給與案に對しては、必ずしも滿足しない向きがあるかも知れない、こういうふうに言うておられました。もちろん組合の複雜な利害關係の對立している問題でありますから、全部が一致してというようなことも考えられない問題とは思いますが、いま國鐵側としてこの政府の案に對しては、贊成されるものかどうかということをお聽きしたい。國鐵側の意見としてこの千八百圓基準をいじくることは別個として、ただ一時的の給與としての政府の意圖に基くこの案が、組合側として呑めるものかどうかということを伺いたいと思います。
#9
○大西證人 その點につきましては、一定のわく内で配分する場合に、かりに丙地を増せばどこかへつこまさなければならぬという問題か起きてくるのでありまして、組合として政府の責任においてやつてもらうという意圖は、われわれがそれをいじつてみてう決して公正妥當ないじり方はできない。しかも政府の言われている特地と丙地の生活實態の差異というものは、われわれ獨自において調査した場合においても、丙地を一〇〇とすれば超特地、いわゆる京阪神のごときは、一七〇くらいの地域差があるということを承知している關係上、國鐵といたしましては滿足という表現は適切ではありませんが、この案でやむを得ないということに了承しております。
#10
○中崎委員 先ほどの御意見の中に、政府と正面きつての交渉であるかどうか知りませんが、結局政府の示されたこの案に對して、組合としては結局において暗默の了承をしたという形になつているというふうに言われておりますが、これは正しい意味においての團體交渉として取上げられた問題であるかどうかについて、御意見を承りたいと思います。
#11
○大西證人 この官吏待遇改善準備會というものは、ただ一つの全官公廳職員對政府の團體交渉である關係上、その總會で取上げまして決定いたしたことでありますので、これは正式な團體交渉による協約というふうに、われわれ組合としては考えております。
#12
○中崎委員 政府と官公廳側との覺書の中に、新給與についてはこの内容が必ずしも拘束されるものではないということが明らかにしてあるようでありますが、問題は、これは一時的の給與でありまして、今後一定の固定された形において給與が出されるという問題が考えられるわれであります。その場合この申合せによると、拘束されないというのだから、別個の見地からということになりますが、かりにこの基準が大體大きな目で見て異議のないものだということになれば、今後これはやはりその内容としては、こういうふうな趣旨を盛つたものが取上げられる場合が多いのではないかというふうに考えられるわれであります。將來基準を變更する場合に、組合側としてはどういうふうな内容によつて、またどういう基準によつてやつてもらいたいかというふうな意見を、今御持合せであるかどうかお聽きしたい。
#13
○大西證人 その點につきましては、千八百圓というものがあまりに低いために、特にこれが一部組合で問題になるということが起り得るのでありまして、千八百圓水準をもう少しあげていただいて、そうしてきめていただく場合においては、現在の經濟状態の實際、農村と都市との生活實態の差があるものが、相かわらず今後においても差があるということが、あらゆる統計によつて證明し得る場合には、今の丙地ゼロの場合に特地が三割となつておるところの地域差は、われわれ組合としても當然擴大をするべきであるという考えをもつております。でありまするから、この地域差というものは、檢討の上で現在の地域そのものが變更することもあり得ることはもちろん豫想されますし、また現在の地域差は必ずしも適切な範圍で決定されていない。中にはいわゆる非常にでこぼこになつておる點もあるということは、もちろん修正されるべきでありますが、地域差が現在のように、ゼロから三割にくぎづけにされておるということは、われわれとしては不滿であるということが言えるので、この地域差は實態によつては五割ないし六割くらいは開いていいのではないか。これも全官公廳の勞働者側のいわゆる一致した意見でないかもしれませんけれども、とにかく地域差が現在のゼロから三割にわけられるということは、必ずしも妥當でない。もう少し幅が開くのが實際の状態に合つてくるのではないかと考えております。
#14
○中崎委員 先ほどのお話によりますると、大體この交渉は團體交渉としての意味をもつものであると言われております。しかしながら同じ組合の中でも、明らかにこの配給のしかたに反對の申入れをしておられるところもあるように思いますが、一應團體交渉としての立場から進められたものである限りにおいて、その問題がきまつた以上、反對側の組合をも説得すると言いますか、その反對を緩和するという方向にもつていけるものかどうかをお聽きしたいと思います。
#15
○大西證人 その點につきましては、われわれは内容をこまかく分析した場合に、農村の官公吏が不滿であるということは一應豫想がつくけれども、全體的にはいわゆる同調すると申しますか、われわれ官公吏の全體の組合としては、會總で決定した點は了承されておるものと實は考えておつたのであります。そして今後につきましても、もちろん同調し得るものと確信をもつております。
#16
○苫米地(英)委員 一點だけ伺つておきたいと思います。政府の責任においてという言葉をしばしば使われましたが、それはただ政府が責任をもつて自由にきめろという意味であるか、もしくはきめたところに不滿があれば、政府の責任を問うという意味であるか、その點をはつきりさせておいていただきたいと思います。
#17
○大西證人 政府の責任において支拂うということが非常にあいまいになつておりまするが、先ほどもちよつと申し上げたと思いますが、俗な言葉で申しますと、えさを見てそのえさをわけるということについては、いろいろな立場がある。同じ勞働者であつても地域の違う場合は、自分のところだけ餘計にとろうとすることは人情の常でありまして、そういう點が組合としてなかなかまとまりにくいのは皆さん御想像のつくところだと思います。そういふ意味において、とにかくわれわれは政府の責任においてやつてもらうというのでありして、その結果については、もちろん事態がどういう事態になるかということも、問題としては起きてくるかもしれませんが、今後の新給與決定についても何ら拘束するものではないという但書がついている點から見まして、われわれ組合としては組合と圓滿なる妥結のもとにということは望み得ないという前提のもとに、政府の責任においてやつてもらうという意味であります。
#18
○苫米地(英)委員 今の前段御説明はよくわかりました。終りのところが少しはつきりしないのでありますが、拘束されないということについてどうなるのですか。政府の責任を追究するということになるのですか。この問題はこの問題として引離して、政府の責任を追究するということはしない。こういうのですか。そこのところをもう少し明瞭にしてもらいたいと思います。
#19
○大西證人 この配分の問題については、政府の責任を追究する意味はありません。しかし配分の結果起きるところの問題については、これはまた別である。こういうことになります。
#20
○苫米地(英)委員 どうもはつきりしません。配分については責任は問わないが、その結果については責任を追究する。これは矛盾しておりはしませんか。配分について責任を問わないというならば、配分の結果についても責任を問わないのが當然の結論だと思いますが、いかがです。
#21
○大西證人 そうおとりになるかもしれませんが、たとえば政府が配分されたあの十二割、二割というものが、いろいろな調査に基くところの自信のあるものであると言われている以上は、現在のところではこれは了承してよい。それだけの差があるということを認めておりますが必ずしも萬全であるかという問題だけに限らず、この問題は地域の差ということだけでなく、千八百圓水準というものそのものに、どんな問題が別にあるかという點もいろいろありますので、われわれとしては常に政府の責任においてやつてもらうということであつて、これに對して配分について異議は決して言わない。しかしその結果ということに對して文句を言うならば、配分に對して文句を言うことになるのではないかという御疑念だと思いますが、地域差その他についての點は大體了承しておるわけであります。
#22
○苫米地(英)委員 まだはつきりしないと思うのであります。これは覺書にある通り千八百圓ベースというものとは切り離して考えている。切り離して考えている以上は、それにからんで政府の責任を追究するかもしれないということは、これはどうも明瞭さを缺いておるように思うのでありますが、配分という點について政府が最善を盡して決定したものであるならば、それに關する限りにおいては責任は追究しない。千八百圓ベースの問題は別個の問題だ。こういうことならば意味がわかりますが、どうも今の御説明では二つがからんでおるようにみえて、明瞭に了解することができないのであります。
#23
○大西證人 今の私の言葉が足りないので、明瞭に了解できないということでありますが、結論をはつきり申し上げますと、この問題については何ら異議を有するものではないとここに表現してある以上は、責任追究ということは、決して組合としては考えていないとあつさり申し上げてよろしいと考えております。
#24
○北村委員長 次に全公連官吏待遇改善委員の原島照房君がお見えになつておりますから、證人原島照房君のお話を聽くことにいたします。
#25
○原島證人 一時金の配分につきまして、その内容はただいま大西委員が御報告申しました通り、組合側においては政府の一方的の責任であるという點において了承しております。その後の動きにつきましては、全官公廳の連絡協議會を昨日開きまして、あらゆる角度から檢討いたしました結果、現在参加しております組合中、日教組の一部が不滿を有しております。私の所属しております組合は、全部地方廳の職員であります。そうした關係から、この十二割二割問題について眞劍なる討議をいたしましたが、現在の材料の範圍においては、組合側において一萬數千にわたる團體に對して、どこがどの程度の配分でよろしいという自信がありません。その結果覺書第三號にあります通り、政府側の責任において實施されるというのには、何ら意思表示をしない。こういう態度で進んでおりまして、今囘の處置に對してはいわゆる千八百圓ベースそのものに對する不滿の意と同樣に、この一時資金のわけ方についても、政府側があくまで一方的であるという見解をとりましたので、その配分内容については細かくタツチしておりません。ただ問題は政府側が支給せんとした内容が、全部各組合員の末端まで届いております。從いまして今囘の案の内容をまた變更する場合においては、やはり一部同じ金額の内容において移動する場合においては、その方面から相當の反對説も出ると思いますので、一應この内容については了承するという意味合いから、政府側の責任であるという態度を堅持して今日までもいつておる次第であります。はなはだ簡單でありますが、内容は大西君と同樣でありますので、ここに待遇改善委員として御報告申し上げます。
    〔委員長退席、塚田委員長代理著席〕
#26
○塚田委員長代理 原島證人の證言に對して、委員の各位に何か御質問はございませんか。
#27
○相馬委員 ただいまのお話の中で、日教組が一部反對しておるという表現をとられましたが、それは説官公廳の中の一部としての日教組が反對しておるという意味か。それとも日教組の中にも贊成者があるが、その日教組の中の一部が反對しておるという意味か。このことについて第一にお答え願ひたい。日教組が反對しているその反對理由、なおあなたたちが、これらの一部の反對があるけれども、その反對に對してどういう立場をとられているか。それについてお答え願いたい。
#28
○原島證人 第一點の、日教組の一部と申しましたが、日教組全員がそれに反對しておるわけではありません。いわゆる多數決制によつて日教組の態度はきまつておりますので、やはり内部には十二割を要求しておるものもあります。第二點の配分關係でありますが、日教組において反對の意思表示をするならば、いかなる方法でわけるかという具體的の案がない以上は、やはりわれわれとしては地域差というものを問題にする自信がありませんので、その點は昨日日教組でも了解しておるはずであります。
#29
○相馬委員 私の調べた範圍においては日教組はなるほど内部で一部反對しておるかもしれませんが、やはり同組合の正式の機關にかけて、組合長の名前をもつてこれに反對しておるいくつかの事例を私自身は知つております。あなた自身はそれを知とかどうか。日教組は反對しているが、日教組それ自身の具體案をもつていない。こうおつしやつておりますが、責任をもつてそうあなたはおつしやられるかどうか。そこをお尋ねします。
#30
○原島證人 最初の第一質問でありますが、この點は日教組の機關の決定としては、もちろんただいま御報告にありました通り、全體的な考えとして報告があつたと思います。從いまして内部の委員がこれでよろしいのだというようなことではないというふうに、私は御報告申し上げたいと思います。
 それから次の資料の問題でありますが、現在の三割、二割、一割、この問題に對してもやはりわれわれとしては自信がありません。それから今囘わける問題についても、日教組においては、今まで通りの割合で支拂えという昨日の話でありましたが、それでは今まで通りでいいということに對しての資料が、どのくらいあるかということになりましたら、やはりそれも自信がありません。從つて兩方とも自信がありませんから、政府側の責任において支拂うという覺書の線に沿つて、われわれは昨日それを全官公廳の幹事會として了承したものを御報告申し上げておるわけであります。
#31
○相馬委員 さつき苫米地委員からも前の方にお尋ねがあつたようでありますが、そうすると今の組合の態度は、内部に不滿の者があるが、とにかく一應全部が贊成するという段階には至らないから、一部の不滿を抑えて、大多數の意見がそこにあるということを考えて、この政府の配分案をのむのである。なお反對して地方でこれに關して何かの運動なり何かの爭議的は形態をもつ者が起きた場合には、それはわれわれの知つたことではないので、政府のわけ方が悪いというところに基因するのであるから、追つてそれは政府において善處し、責任をとつたらいいと思うのだ、こういうお見解と承りましたが、差支えありませんか。
#32
○原島證人 ただいまの問題でありますが、組合側において從來も三割、二割、一割、この地域差については、組合側として全面的に了承しておるならば、組合を通じて地域差の問題の陳情があるはずでありますが、直接的に組合の了解を得て、その地方々々によつて政府と交渉を續けて、今まで地域差という問題が擴大されつつあります。こうした實情は組合で行うた査定ではありませんで、政府側の査定であります。それから第一の質問の中にあつたと思いますが、一部の反對があつてもこれをやるのかというお話であります。しかし二百數十萬という職員全員が贊成するという問題は、ほとんどまれに見る現状でありまして、大多數がその意見であるならば、やはりその方面でやつていただくというのが組合側の現在の立場です。簡單ですが……。
#33
○塚田委員長代理 ほかに御疑問はございませんか。別にないようであります。
 それではこれをもつて本日御出席の三人の證人の御意見の開陳は終りました。ただいまから本法案についての一般質疑を繼續していきたいと存じますが、關係政府委員がまだ見えておらぬようでありますから、この際暫時休憩いたします。
    午前十一時四十四分休憩
     ――――◇―――――
    午前十一時五十分開議
#34
○北村委員長 休憩前に引續き會議を開きます。質疑を續けます。
#35
○中崎委員 本問題については相當論議も盡されておるようでありますし、すでに證言も必要範圍においては聽いたわけであります。今日はこの問題についてはこの程度に打切られまして、いずれ日をかえて各黨の態度を決定した上で、最後の決定をされたいと思います。
#36
○北村委員長 中崎君のただいまの御發言に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○北村委員長 さように決したいと思います。なお御希望がありますからできるだけ早く、間に合えば多分明日、日教組より證人を來てもらうということにして、もう一度證人の證言を求めることにします。
 それでは本日はこれで散會いたします。
   午後零時二分散會
ソース: 国立国会図書館
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