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1947/11/01 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第31号
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1947/11/01 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第31号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第31号
昭和二十二年十一月一日(土曜日)
    午前十一時四十八分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 中崎  敏君
 理事 梅林 時雄君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 塚田十一郎君 理事 葉梨新五郎君
      川合 彰武君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      林  大作君    松尾 トシ君
      八百板 正君    細川八十八君
      松田 正一君    青木 孝義君
      島村 一郎君    周東 英雄君
      鈴木 正文君    苫米地英俊君
      井出一太郎君    内藤 友明君
      石原  登君    河口 陽一君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
 委員外の出席者
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
十月二十四日
 金融機關再建整備法の一部を改正する法律案(
 内閣提出)(第七七號)
十月二十七日
 補助貨幣損傷等取締法案(内閣提出)(第七八
 號)
 すき入紙製造取締法案(内閣提出)(第七九
 號)
の審査を本委員會に付託された。
十月二十二日
 元軍用施設竝びに敷地等拂下の請願(萬田五郎
 君紹介)(第九四七號)
 在外私有財産國家補償等の請願(村瀬宣親君外
 五名紹介)(第九六九號)
 引揚者の國内諸債權取扱に關する請願(齋藤晃
 君紹介)(第九七〇號)
十月三十一日
 曽根村の元海軍用地拂下の請願(守田道輔君紹
 介)(第一〇二二號)
 漆器の物品税輕減の請願(原孝吉君紹介)(第
 一〇二五號)
 業務用酒類販賣許可の請願(中野四郎君紹介)
 (第一〇二九號)
 燒酎製造許可の請願(伊瀬幸太郎君紹介)(第
 一〇四二號)
 庶民金融機構整備確立に關する請願(川合彰武
 君紹介)(第一〇四五號)
 自給製鹽制度存續の請願(石原登君外九名紹
 介)(第一〇六四號)
の審査を本委員會に付託された。
十月二十三日
 漆器類の物品税免税點引上又は税率引下に關す
 る陳情書(會津若松商工會議所會頭林平藏外一
 名)(第四三四號)
 燃料對策より見たる内地天日製鹽實施に關する
 陳情書(廣島縣豊田郡南生田村山本善之助)(
 第四五〇號)
 給與所得者を同居親族に持つ營業所得者の減税
 に關する陳情書(長野縣諏訪市東榊町土橋富
 雄)(第四五一號)
 酒税増徴竝びに濁酒密造に關する陳情書(福島
 縣會津若松新城猪之吉)(第四五六號)
 自給製鹽制度の存續に關する陳情書(千葉縣自
 給製鹽協會長秋山盛一)(第四六〇號)
 生業資金に關する陳情書(高知縣廳内社團法人
 海外引揚者高知縣更生聯盟理事長馬場敬春)(
 第四八一號)
 業務用酒類販賣に關する陳情書外一件(愛知縣
 豊橋市花田町愛知縣飲食業組合連合會長松澤庄
 一)(第四八七號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 失業保險特別會計法案(内閣提出)(第六三
 號)
 金融機關再建整備法の一部を改正する法律案(
 内閣提出)(第七七號)
 補助貨幣損傷等取締法案(内閣提出)(第七八
 號)
 すき入紙製造取締法案(内閣提出)(第七九
 號)
    ―――――――――――――
#2
○中崎委員長代理 これより會議を開きます。
 この際委員長より政府側に對して一言注意を申し上げたいと思います。財政及び金融委員會はきわめて重要な委員會でありますが、とかく政府側において、大臣等の出席が非常にまれなように見受けられるわけでありまして、これから重要法案の審議の上においても、いろいろと支障を感ずる場合があるのでありますが、今後できるだけ勉強して、この委員會にも出席していただくように御注意したいと思います。
 なお本日は時間が相當遲れまして、委員の側においても早くから出てこられた方も大分あるようでありますが、時間が遲れて現在非常に少數になつておるわけでありますけれども、委員の側におかれてもできるだけ誘い合わせて、この委員會に出席されんことを希望しておく次第であります。
#3
○川合委員 本日からタバコが非常に大幅に値上りしたわけでありますが、しかも追加豫算からみますれば、タバコの專賣益金のみで約九十億の歳入ということになつております。本來タバコの値上、あるいはまた鐵道運賃の値上等は財政法の規定に基いて國會にかけらるべき性質のものでありますが、まだ財政法にその部分の事項がないという關係上、國會に議案としてあるいはまた法案として上程されないというわけでありますが、しかし事の重大性に鑑みて、かかる場合に際しては政府はこれを國會に一應了解を求めるというようなことを、お考えにならなかつたのか、こういうことについて政府の所見を伺いたいと思います。
#4
○小坂政府委員 川合さんの御質問の點はまことにごもつともでありまして、實は政府委員としては追加豫算の決定が非常に遷延してまいつた。一方追加豫算の決定が遲れれば遲れるだけ、政府の獨占價格によつて歳入を得ておる面の歳入が減つてくる。この間の調整に考慮をいたしておつたのでありまするが、ようやくこのほど内閣におきまして追加豫算案を決定いたしました。そのうちタバコの値上げの占むる割合というのは、ただいま御質疑の通り二百五十九億という、きわめて大きいものであります。これを日割りにいたして考えてみますと、一日にして大體一億八千萬圓くらいに相なるのであります。われわれとしてはタバコあるいは鐵道、逓信の料金といつたような、國民生活にきわめて影響の多いものについては、これはただいま施行されておりませんけれども、財政法第三條の精神を尊重いたしまして、國會の御意思を尊重して、その同意に御承認によつて決定するという氣持を活かしたいというふうには、當然考えておるわけであります。しかしながらただいま申し上げましたような理由で、事は非常に迫つて來ておりまして、われわれとしてその間をいかに調整するかということを考えてしたのであります。現在のところ經濟状態が非常に緊急事態であるということは考えなければならぬ。この緊急事態に國會の御承認を得るということを、獨占價格についていたしておりますと、その歳入はどんどん減つていく。一方支出の方はなかなか減る樣相を呈して來ないということになりますと、國家財政全般の影響も考えられまするので、精神は活かしたいが、實際には緊急事態の存する間は困難が多い。またタバコとか鐵道、逓信ということのみにこれを限定いたしませんで、もつと廣く考えれば、國民生活に關連のある米、鹽、あるいは酒もすべて國會の同意を得る。あるいは石炭、肥料、そういつたものまでも、臨時物資需給調整法というものがある間は、政府が物價統制令で統制しており、一元的に國權をもつてしておる統制の價格は、一體全部國會の承認を得る必要が認められるのじやないかというようなこともいろいろ考えられてまいりまして、この精神を活かしていくことにどうしても徹しなければならぬと思いますが、實際問題として今申し上げたような困難があるというので、われわれとしては追加豫算が決定いたしました後において、ただちに各黨に伺いまして、政務調査會の皆樣方と十分にお話合いを申し上げて、追加豫算の内情を申し上げる際にタバコの問題に觸れる。そうして特別にそこで御反對がなければ、これはもう政府の責任において今囘はしていただこうということで考えたのであります。その決定して以後、財政金融委員會が開かれておりますれば、至急御報告申し上げるべきであつたのでありまして、實は昨日參議院の方で豫算委員會がたまたまございましたから、その席を拜借いたしまして私から事情を申し上げさしていただいたのであります。しかしながら當院におきましては、その機會に惠まれませんでしたので、本日川合さんから御指摘いただきまして、たいへん恐縮いたしておるような次第であります。われわれとしても非常に苦慮したあげくのものでありまして、その點は國會において御決議でもいただきまして値上げをするということになれば、最もよろしいことかと考えるのでありますが、どうも四圍の事情がそのようにまいりませんでしたので、一應今囘はこういうことになりました。さらに今後の措置でありますが、今後は財政法をできるだけ早く施行いたしまして、今私が申し上げましたような趣旨で緊急な經濟事態の存する間は、一應政府に國會が權限を與えてくださるような法律でもつくつていただきましたならば、いわゆる緊急事態に應じてプロンプダクシヨンといいますか、速度の早い行動を常々とつていくことができますので、非常に望ましいことではないかと考えておるわけであります。
#5
○川合委員 ただいまの御説明によつて、われわれはその意を了とし、政府の責任において今囘のタバコの問題を處理するという、政府がきわめて明確なる責任を負つたという點においては、むしろ敬意さえ表したいと思うのでありまするが、ただいまのお答えによりますならば、今後の日本の産業の經濟の状態が、依然として緊急事態の持續というようにみなされる。そこで獨占價格、わけて政府の專賣あるいはそれに類するようなものに對して、獨占價格の物品に對する價格統制の權能を、ほとんど委任立法的なものを認めて欲しいというようなサゼツシヨンがあつたのでありますが、これに對して腹案でもあつたならば、この機會にわれわれに示していただきたい。
#6
○小坂政府委員 われわれといたしましてはこの緊急事態を乘切るために必要な措置を、政府に委任していただくというようなことは、非常に責任の重大なことでありまするので、政府において決定いたしましても、もちろんそれは政府が一方的にやるのではなくして、常設せられておりますこういつた常任委員會の皆樣の御意見を伺つて、その意を體しながら決定いたしていきたい、こういう意味で考えておるのであります。ただいまのところその方法等について、委任立法的な腹案でもあるかというよう御質問でございまするが、われわれとしては實は國内の重要物資の價格あるいはその需給調節等について、經驗と關心をもつておる方面の意向をいろいろ研究しながら、この問題を考えておるのであります。ただいまのところ明確な腹案はございませんが、統局現在の緊急事態の存する間に限つて、財政法第三條に規定する價格は、そのたびごとに法律の定めまたは國會の議決を經なくてもこれを決定し、または改訂することができるというような趣旨の立法を決定いただきまして、責任においてやつていく。ただその責任においてやるということは、政府がそれをやるについて誤つた措置をとつたならば政府の責任でありますから、國民の彈劾を受けるという覺悟の下にやるということになると考えております。
#7
○川合委員 現在の日本の税體系をみた場合において、專賣益金の占むる割合というものはきわめて高率なものがあるのでありますが、われわれは直接税の收入はある程度すでに限界點に達している、どうしても間接税に依存せねばならないということ、わけて專賣益金によつて財政を賄うということが考えられるわけでありますが、今囘の追加豫算を含めた全歳入の上において、專賣益金の占める率というものは相當高度に見込まれているわけでありますが、政府としてはこういうふうな專賣益金の全歳入に占むる割合の限度は、どの程度のものが最高限度であるというような見透しをもつておられるか、この機會に承つておきたい。
#8
○小坂政府委員 ただいまの租税體系の上において一番缺陷と思われるものは、この委員會においても隨時御指摘になりました、また私どもも痛感いたしておりますように、實際徴税します第一線の力が非常に弱體化しておりますのと、現在の一般の國民心理というものが相當不健全なものになつておりまして、この國民心理を健全化し、また第一線の徴税能力、これは税務官吏の待遇を改善していただく、それから嚴罰主義をとつて滯納については相當きつい處罰をするとか、あるいは第三者に通報制を認めるというようなことで、廣く國民全般の納税思想の高揚等によつて直接税をもう少し政府の意のままに獲得し得るような態勢をつくらなければならないと思います。できれば間接税というものは、これはやはり大衆課税的な性質になりますので、この間接税が大幅に伸びるということは望ましくございません。これを極力切詰るように考えております。今囘の税制におきましては、大體直接税が七割、間接税が三割、もつと正確に申しますと、直接税が六割四分に對して、間接税が三割七分くらい、その程度になつております。ただこれを專賣益金を間接税の中に入れてまいりますと、四割七分と四割六分くらいに間接税の占むる割合が膨脹してまいります。今囘タバコの値上げをいたしますにつきまして、大藏當局といたしましては極力値上げは避けたい、當初においては全然上げない案でありましたが、いろいろの經緯を經まして御承知のように配給タバコの値段だけは上げずに濟みましたが、自由販賣のタバコの値段は相當大幅に上るようになつたわけであります。しかしながらこれは結局鐵道なり逓信なりの特別會計におきまして、これを獨立採算制をとらせるということにいたしましたために、この尻がタバコの方に皺寄せられたというような結果でありまして、鐵道の五十億、逓信の二十五億圓、合計して七十五億圓というものをタバコの値上げによつてかぶつたという恰好になつております。私どもといたしましては、これは今囘の事態に限つての措置でありまして、こういうように、他の部面のものをある特定の部面がかぶるということは常則できないと考えますので、この程度にいたして今後は間接税はあまり伸ばしたくない。殊にタバコのような一般の勤勞大衆が唯一のリフレツシユメントと考えておるような物は、極力あげることを避けて、一方逓信、鐵道のような特別會計をできるだけ健全な合理化した形のものにして、その方の會計から出る赤字が國民の負擔となつて國民經濟部面を壓迫することのないように、極力努めたい。かように考えております。
#9
○中崎委員長代理 川合君に御相談いたしますが、これから政府の提案の説明を聽きたいと思いますので、質疑は次にされたいと思います。取あえず提案理由を説明してもらいたいと思います。
 これより失業保險特別會計法案、金融機關再建整備法の一部を改正する法律案、補助貨幣損傷等取締法案、すき入紙製造取締法案を一括議題といたします。まず政府の説明を求めます。
    ―――――――――――――
#10
○小坂政府委員 それでは失業保險特別會計法案の提案の理由を御説明申し上げます。
 目下本院におきまして失業保險法案の御審議を願つておるのでありまするが、同法案に基きまする失業保險事業の經理につきましては、政府管掌の各種の保險事業におけると同樣に、失業保險事業に關する歳入歳出はこれを特別に經理して、その收支を明確ならしむることが適當であろうと存じまするので、これがために新たにこれに關する特別會計法を制定する必要があるのであります。なお同じく本院におきまして御審議を願つておりまする失業手當法に基き政府の行いまする失業手當金及び失業保險金支給の事業につきましても、その歳入歳出の經理はその性質上本特別會計において併せ行うことといたしたのであります。以上の理由によりましてこの法律案を提案いたした次第でございます。何とぞ御審議の上速やかに御贊成あらんことをお願い申し上げます。
 次に金融機關再建整備法の一部を改正する法律案について、提案の理由を御説明申し上げます。
 今囘の法律案は金融機關の再建整備に伴いまする未拂込資本金の徴收及び再建整備中に解散いたしました金融機關の措置に關して、新たに規定を設けることといたしたのであります。金融機關の最終處理をなすにあたりまして株主に確定損を負擔させる場合において、もし資本に未拂込金があれば、これを徴收しなくてはならないことになつておるのであります。この場合未拂込資本金の徴收につきまして再建整備の趣旨に則りまして、かつ株主側の事情をも考慮いたしまして、商法の一般原則によることなく、特別の手續によることといたしたのであります。その骨子は大體次の三點にあります。第一點は未拂込資本金の拂込の責任は、指定時すなわち昭和二十一年八月十一日午前零時、この指定時の株主がこれを負うということであります。從つて指定時前に株主であつた者及び指定時後新たに株主となつた者には責任がないことになります。ただ指定時後の新株主が拂込に應じたい場合には、拂込をなし得る機會は與えてあります。指定時後の新株主が拂込に應じなかつた場合は、その新株主は失權し、その株式は指定時の株主に歸屬し、これに對し拂込催告が發せられます。
 第二點は、指定時株主の責任は、その株主が個人であるか法人であるかによつて、責任の態樣を異にしてゐるということであります。すなわち個人及び閉鎖機關は失權によつて拂込債務を免れることができますが、閉鎖機關以外の法人は、拂込債務を免れることができません。もちろん法人の中には金融機關または特別經理會社たる法人もあるわけでありまして、これらのものの未拂込資本金の拂込債務は舊勘定に屬することとなりますから、再建整備の一般原則に從つて、打切り整理せられることは當然であります。
 第三點は、指定時後の新株主が、その株式の取得にあたつて、再建整備による未拂込資本金の拂込徴收のあるべきことを豫想しなかつたものである場合には、その新株主が失權によつてこうむつた損失は、直接の讓渡人に對し求償をなし得、逐次指定時株主までこの求償を及ぼさしめるということであります。指定時の株主はいかなる場合にも求償權は認められておりません。
 次に再建整備中の金融機關が解散した場合の措置に關する部分でありますが、再建整備法により整備中の金融機關が解散した場合は、再建整備の整理と清算措置との調整をいかにするかということについて問題を生ずるので、その調整に關し大要次のように措置したのであります。まず解散金融機關の清算人の作成する財産目録及び貸借對照表竝びに債權者に對する債權の申出の催告は、新勘定に屬するもののみに限定して、舊勘定については清算措置をとらないことといたします。
 次に新勘定に屬する債務の辯濟は、舊勘定の再建整備による最終處理が完了するまで停止し、最終處理完了後に一般原則による清算措置を進行せしめることといたしたのであります。
 なお最終に、未拂込資本金の徴收に關する部分はすでに施行せられている企業整備法に基く特別經理會社の未拂込資本金の徴收に關する規定と同一の原則によつたものであることを附言いたします。
 以上本案の内容の大要につき御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上、速やかに御贊成あらんことを切望いたします。
 次に補助貨幣損傷等取締法案及びすき入紙製造取締法案つきまして、その提案の理由を説明いたします。
 昭和十五年大藏省令第四十號は、地金として販賣し、または使用する目的をもつて補助貨幣を蒐集、鑄改または毀傷することを得ない旨及びこれに違反した者は懲役または罰金に處する旨を規定しており、また明治二十年勅令第三十六號すき入紙製造取締規則は、文學畫紋をすき入れた紙を製造する者には見本を提出することを命ずるとともに、紙幣、兌券換銀行券、公債證書、大藏省證券、その他政府發行の證券にすき入れてある文字畫紋と同じ文學畫紋をすき入れたり、あるいは同じでなくとも、すき入れを行つた紙、いわゆる黒ずきを製造したりすることを禁じ、これに違反する者は罰金に處する旨を規定しています。ところがこれらの罰則を委任した根據法であるところの明治二十三年法律第八十四號命令の條項違反に關する罰則に關する法律は、昭和二十二年四月法律第七十二號第三條によつて廢止せられたのであります。しかるに省令については昭和二十三年四月法律第六十九號、行政官廳法でありますが、第六條第二項において、また政令については憲法第七十三條第六號において、いずれも法律の委任がある場合でなければ罰則を設けてはならない旨を明定してあり、他方昭和二十二年法律第七十二號第一條は、日本國憲法施行の際、現に效力を有する命令の規定で法律をもつて規定すべき事項を規定するものは、昭和二十二年十二月末日まで法律と同一の效力を有することを規定しておりますので、結局昭和十五年大藏省令第四十號及び明治二十年勅令第三十六號は、ともに本年末日までは法律と同一の效力を有するが、それ以後は失效することになります。しかるに右の省令及び勅令によつて取締つている事項は、今後も引續き取締る必要がありますので、この際取締の範圍及び罰則につき、最近の他の取締法規との關係及び輕重を勘案して多少の修正を加え、新たに法律を制定することといたした次第であります。
 以上につき御説明申し上げたわけでありますが、四件につきまして、何とぞ速やかに御協贊を與えられんことを切望いたします。
#11
○川合委員 先ほどのタバコの値上の問題を繼續して……。
#12
○中崎委員長代理 その問題については、あとで周東君からも御質問があるそうですから、簡單に願います。
#13
○川合委員 先ほどからの質疑を續行いたします。
 今囘の大幅の値上によりまして、私の一番おそれるのは、やみタバコが非常に旺盛になつて、そのためにかえつて專賣益金の増收が所期の通り得られるかどうかという點と、併せてやみタバコの取締りを今後強化する必要があると思うが、これらに對して大藏當局はいかなることを考えておられるかということと、もう一つはこれは非常に大きな問題であり、またわれわれとしても他に代るべき代案も實はないというほかないのでありますが、今囘の配給タバコの配給量が男か五十本、女が五十本というように決定したと新聞は報じておるようであります。これは事實だろうと思いますが、しかしいかに憲法上、男女、平等が保障されておつても、このタバコの配給方法というものは日本の現状から、また過去の日本の喫煙というようなひとつの習慣からみて悪平等の感があると思うが、他に名案がなかつたかどうかという點について、政府の所見を伺いたい。これをもつて私の質問を打切ります。
#14
○小坂政府委員 第一點でありますが、やみタバコがタバコの大幅値上によりまして簇生するのではないかという御懸念は、まことにごもつもだと思います。一體できておりますタバコをやみで賣ります方法と、やみによつて製造する方法と二つ考えられます。殊に後者の點について相當に警戒を要するものぢやないかと思うのであります、これは國全體の治安維持能力とも關係がありますが、極力防止するように最善の措置をそれぞれの方面と連絡してとるように考えております。第一點の製造されておる現場からタバコを持出してそれをやみに賣るとか、あるいは配給を受けた人がそれをやみで賣るとかいつたような問題につきましては、實は最近行政機構の人員の増加が問題になつておりますが、タバコに關しましては、タバコの監視員がずつと減員になつておりますので、監視要員を各所に設けまして十分この取締りの萬全を期すること、さらに相互監視と申しますか、專賣局の工場の内部に相互に勞働組合等の力を借りまして、不正の行われぬように監視をする機構を確立する、これらを實は先月から實施させることにいたしましたので、その緒についておるわけであります。
 それから後段の點でありますが、これは日本においてまだ女子の喫煙は一般的な慣習にはなつておらないように思うのであります。大體男は十人おれば九人まではタバコをのみます。女の場合はむしろそれの逆ではないかと考えておるのでありまして、この點は新憲法の十四條に規定しております男女の平等という問題とも關連がありますので、今囘五十本同數の措置といたしたわけでありますが、のまない方にこの貴重なタバコを配給することは、またそれから新しい問題を派生させる、すなわち横流し等の根源になるとも考えられますので、適當な品物の見透しがつき次第、配給を辭退される人に對して代替品をもつて配給し、そうして得たタバコは他の適當な方面に供給するような措置をとりたいと考えておるわけであります。とりあえずは五十本五十本を新しい憲法の精神を尊重いたしましてとることにしたわけであります。
#15
○周東委員 追加豫算の關係につきましては、いずれ税法關係がこの委員會にかかつてくる際にお尋ねしたいと思つておりますが、タバコ値上に關して私は今の川合君の御質問と關連して一、二お尋ねし、意見を申し上げたいと思います。川合君のタバコの專賣益金の收入が、税の非常な割合を占めることになつてきつつある今日、ともあれ値上に關しては國會の事前に審議をされるか、あるいはお話をされるべきぢやないか。進んでは法律をもつてやればいいのではないかという御意見については私も贊成するものであります。殊に今度の追加豫算の御説明を承りますと、今度の税收入の六百何億の中では自然増加による收入が約三分の二を占めておるようであります。税率の改正と非戰災家屋税等による收入はごくわずかな額になつております。しかもその税率の改正及び非戰災家屋税等の増額よりも、今度とられんとするタバコ値上による專賣益金の方が相當多い形になつております。こういう形になりますと、川合君も御指摘になりましたように、私も今日直接税の取り方は行き詰つておるのではないか、大きく間接税に變つていかねばならぬという時代、そこにまた過渡期として政府の非常に苦しい立場はよくわかりますが、やむなく今日の危機を突破するためにタバコにかかつていかなければならぬという事情はよくわかりますが、それだけに何とか事前に國會に對してもう少し手を打つ途があつたんじやないか。殊に私どもが遺憾に思いますのは、十月十六日案というのが新聞に出ました。その時政府の支出は大體八百二十五億に止めるという案が新聞に漏れておりました。その當時は大體ピース、コロナは三十五圓、ところがいろいろ折衝したところどうもいかんので八百七十億にするというB案が十八日の新聞に出てきた。そうしてA案を採用するか、B案を採用するか、八百二十五億にするか、八百七十億にするかということになつておつたとき、もしもB案をとるときにはピース、コロナは四十圓にするという話だつた。それがだんだん變つてきて、いよいよ九百二十五億の歳出をやむなくされたときにおいてはピース、コロナは五十圓にするという形であつた。私はそれらの經過については十分想像もつきますし、御苦心の點は察します。それだけに歳出が變化するに從つて二十五圓にしたらよかろう、四十圓にしてもよかろう、あるいは五十圓にしてもよいというような空氣が國民に與える影響は非常に悪いと思う。おそらく三十五圓のところから五十圓にピース、コロナをされるとき質の變更があるとも考えられぬ。ともすると政府はインフレを防止しなければならぬと言われておりながら、同じものを歳出の關係からやむなくとはいえ三十五圓にしてもいいし、四十圓にしてもいいし、五十圓にしてもいいという感じを一般に與えるとなれば、それだけびんびんものを上げてもいいという感じを國民に與うることは非常に愼しまなければならぬ點だろうと思う。歳入歳出を苦心しておきめになる點はよくわかりますが、それだけに新聞の取扱い等に御用心なさらぬと、同じものが三十五圓となり、四十圓となり、五十圓となるというようでは困つた問題だと思う。これは別に御質問いたしたいが、そういうふうに經過的にタバコの値上げを三十五圓にしようか、四十圓にしようか、五十圓にしようかというときは、私は重大な歳入の面でありますから、やはり祕密會をお開きになつてもいいから、國會にも御諮問になつて、どうしたらいいかということを國民とともに審議していくのが今日の時代じやないか、私はいずれ豫算のときにお伺いしたいが、政府に對して質すというよりも、むしろ今日の現状において日本が非常に財政的に危機に立つておる。ああいうふうに計數的には歳入歳出が辻褄が合いましたけれども、非常に心配しているのは歳入の面である。おそらく大藏事務當局においても御心配の點だろうと思う。そういう際に國民とともに心配の點を御相談になるのがいいじやないか。私は川合君の御質問もそういう意味において御もつともだと思う。先ほどの御答辯によりますと、きめられておるうちに財政金融委員會が開かれておらなかつたからどうもしようがなかつたとおつしやいますけれども、先ほども申しますように、三十五圓にするか、四十圓にするか、五十圓にするかという段階的に御苦心のあるその經過の途中においてでも、財政金融委員會は度々開かれておりますし、またそういう場合ならば積極的に開會を要求なさつても、私は國民とともにこれをどうするかということを、祕密會議でもいいのですが、お話しになることがしかるべきじやないか、かように考えますが、重ねて御答辯願いたい。
#16
○小坂政府委員 周東さんからいろい御注意をいただきまして、私もまつたくあなたと同樣に考えておるのであります。順を追うて申上げたいと思いますが、今日のわれわれの立場というものは御意見のように考えるのでありますが、それぞれの場合におきましてやむを得ない措置もとらなければならない點をひとつ御了承願いたいと思うのであります。まず第一に租税の自然増收が非常に殖えておつて、新しい税源による税金が非常に微々たる割合いしか占めておらぬのじやないかという御指摘でありますが、その通りであります。これは何によつてそういうことになるかと申しますと、まず第一線の徴税機構が非常に弱體化しておつて、新しい税源を特に見つけてみても、これが十分にこなせていくかどうかという點に非常に疑義があるのであります。さらにこの税全般の考え方といたしまして、租税體系はできるだけ簡單なものがいい、簡單なものを克明に追つていく、そしてたとえば新税について大幅に徴税するにつきましても、特にインフレ所得者税というものを設けなくとも、一般の所得税の税率を改正して、それによつてやつていけば、それを克明にとつていけば、儲けの多い者からたくさん税がとれるのだからというシンプルなストレート・ホアワードな税制がいいのじやないかということを考えておりますために、自然増收というものが非常に大きくはいつてくるようになる點を御承知願いたいと思います。
 それから次にタバコの問題に關してでありますが、これはまつたく御同感でありまして、同一の製品で時々刻々動くということは、政府が一方的に政府の獨占價格をそのときによつて變動させるということは、國民心理に與えます影響もごもつともでありまして、きわめて戒心すべき事項だと考えます。しかしながらわれわれがなぜこう變つたかというと、先に高い値段を出してしまえばおそらく變らなかつたでありましようけれども、われわれとしては極力値を上げたくないということで、できるだけ安く安くといたしたために、周圍の情勢がそれを許さなくなつてだんだん高くなつてきたような次第でありまして、實は十六日にきめましたときは、もうこれで實はきまつたと考えておつた。しかし飜つて考えてみますと、日本の今當面しております時期というものは、きわめて重要な時期でありまして、日本が敗戰後二箇年にしてようやく財政的に立直つて收支の均衡を得た豫算ができたということは、日本の内外に對する信用を堅持する上に非常に必要であるということがいよいよ明瞭となつて來ました。このことをするためには逓信の料金を上げるとか、あるいは鐵道の料金を上げるとかしまして、そのおのおのの特別會計においても收支を合わせるということが必要なのでありますが、この際タバコも値上した。鐵道も値上した。逓信も上つたでは國民に對する影響もありますので、タバコに皺をよせるような結果になつたわけであります。その經過につきまして一々當委員會におきまして御意見を伺うのが至當と私は考えるのでありますが、その當時といたしますると、ちよつと御意見を伺つても、案そのものが、どうもはなはだ情ない話でございますが、私は十分な自信をもてぬようなわけで、きようはきようはと思つておるうちについ遲くなりまして、このことについては實は委員長までにはどうしたらよろしいかということでいろいろ御相談をいたしておつたのでありますが、今申しましたような事情で一日延しに延してまいりました。とうとう決定して各黨の政務調査會の方にお願いするようなことになりまして、われわれのとつた態度を決して最善とは考えておりません。われわれの行届かぬ點は十分にお叱りおきを願いまして、今後是正したいと思つております。事情を御説明させていただきますと、そんな經過なのでございます。どうかひとつ御了承を願いたいのであります。
#17
○周東委員 今の御答辯で事情はよくわかりますが、ただこの點のお答えは、私の申し上げた點と齟齬しておるように思います。私は新税をなるたけとそと申したのではない。私は新税または税率改正によつて、考えておる收入よりも自然増收による收入が非常に多くて、しかも新税または税率改正によるところの收入の額というものは、タバコ專賣益金の收入よりも少い。それからタバコ益金の方が非常に大きなものになつておる現状から言えば、どうしても國會等にお諮りになるがよかろうということを申し上げたのである。私はいずれ後に税制一般について御質問するときに、新税の方が少くて自然増加が多いというその無理な自然増加ということをここにあげて來なくちやならなかつたことはわかりますが、ここに收入の面において脆弱性があるということは後に質問いたしたいと思います。さきに申しましたように新税なり、税率改正による收入の方がはるかにいいと言いますか、タバコ益金の收入よりも少しく多い、こういう現在では川合君が言われるように、やはり國會等にお諮りになることが適當ではないかということを申し上げたわけであります。もう一つは今後の豫算について、タバコについても、どれが適當か相談していただきたいということを申し上げたのではなくて、三十五圓、四十圓、四十五圓、五十圓というように、どうでもいいようなかつこうに見られることが、國民の心理上悪いのではないか、こういう問題の取扱い方については、あまりこまごまとなさらぬ方がいいのじやないかということをむしろ御注意申し上げたわけであります。そうせぬと、同じものが三十五圓でもいい、四十圓でもいい、四十五圓でもいい、五十圓でもいいということは、悪性インフレーシヨンといいますか、國民に與える心理状態が違つてくる。悪い心理を與える。政府の方でもやつておるのだから、おれたちの方でも、同じものを百圓で賣つても五百圓で賣つてもかまわぬということになつて、そういう點で悪い心理を及ぼす。そういう點は愼重になさつていただけばということを申し上げたのであります。
#18
○小坂政府委員 まことに御注意の點は結構で、了承いたします。われわれといたしまして強いて發表したわけではなく、タバコの値段について大藏省は何も申しません。大藏省の筋から出たものではないということを御承知願いたい。それからタバコ値上によつて非常に一般の大衆に御迷惑をかけておる點は非常に恐縮に思つておりますが、本豫算の赤字も四十八億も埋めまして、相當バランスシートをとつた豫算が組み得たという、ほんとうの豫算ができたということで御了承願いたいと思います。タバコにつきましては耐乏の生活という趣旨から、できるだけこの際忍びがたきを忍んで、困苦な道を切り開いて早く安定した經濟を與えるようにいたしたいという念願にほかなりませんから、どうぞ周東さんにおかれましても、この趣旨を十分國民各位に御徹底願いますようにお願いいたします。
#19
○中崎委員長代理 本日はこれにて散會いたします。
   午後零時三十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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