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1947/11/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第32号
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1947/11/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第32号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第32号
昭和二十二年十一月八日(土曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 北村徳太郎君
   理事 中崎  敏君 理事 梅林 時雄君
 理事 早稻田柳右エ門君 理事 塚田十一郎君
   理事 葉梨新五郎君 理事 吉川 久衛君
      川合 彰武君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      林  大作君    松尾 トシ君
      八百板 正君    栗田 英男君
      後藤 悦治君    中曽根康弘君
      松田 正一君    泉山 三六君
      島村 一郎君    周東 英雄君
      苫米地英俊君    井出一太郎君
      内藤 友明君    石原  登君
 出席政府委員
        大藏事務官   伊原  隆君
        大藏事務官   愛知 揆一君
 委員外の出席者
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
本日の會議に對した事件
 金融機關再建整備法の一部を改正する法律案(
 内閣提出)(第七七號)
 補助貨幣損傷等取締法案(内閣提出)(第七八
 號)
 すき入紙製造取締法案(内閣提出)(第七七
 號)
 公聽會開會に關する件
    ―――――――――――――
#2
○北村委員長 會議を開きます。
 金融機關再建整備法の一部を改正する法律案、補助貨幣損傷等取締法案、すき入紙製造取締法案、以上が議題に供されております。補助貨幣損傷等取締法案、すき入紙製造取締法案等につきましては、一應政府の提案理由の説明があつたのでありますけれども、きわめて簡單な法案でありますが、もう少し説明を補足していただいて審議を進めたいと思います。政府委員の補足説明を願います。
#3
○伊原政府委員 補助貨幣損傷等取締法案、すき入紙製造取締法案につきましては、提案の理由を御説明申し上げたのでありますけれども、非常に技術的の法令でございますのではなはだおわかりにくいことと存じますが、ごく簡單にもう一度制定を要するに至りました理由等につきまして御説明申し上げたいと思います。
 補助貨幣損傷等取締法案のもとになつておりましたものは、昭和十五年六月の大藏省令で、やはり補助貨幣の蒐集鑄つぶし又は損傷の取締に關する件という省令が出て、内容的には同じような省令が現在ありますが、すき入紙製造取締法につきましても現在すき入紙取締規則という明治二十年に出ました勅令がございます。ところがこれらの省令とか勅令にはいずれも罰則がつけてあるのでありますけれども、この省令とか勅令に罰則をつけることができる根據法たる明治二十三年法律八十四號というものを、省令とか勅令の條項の違反に對しまして罰則をつけることはいけないという趣旨のもとに、昭和二十二年四月の法律七十二號というもので廢止してしまつたわけであります。すなわち勅令、省令等の命令の條項に違反をいたしました者に對して罰則をつけるということは、昭和二十二年の法律七十二號によりまして今後できなくなるわけであります。從いまして現在ございますところの補助貨幣の蒐集、鑄つぶし又は損傷の取締に關する大處省令と、それからすき入紙製造取締規則という明治二十年の勅令とは、いずれも省令ないし勅令で定められた事項に對しまして罰則がついておりますので、これに何とかしなければならないということに立ち至つたわけであります。ただ經過的にはいずれも本年の末まではそういうものも差支えないということになつているのでありますが、來年からはこのままではやつてまいれないという状態になつているわけであります。ところが、それではこの現在ございます補助貨幣の蒐集、鑄つぶし又は損傷の取締の問題とか、すき入紙の製造の取締ということは本年いつぱいで實際上やめてしまつても差支えない問題であるかどうかということになるわけでございますが、このいずれも現在また將來にわたりましても必要なことでありますので、この際これらの内容を法律として提出をいたしまして、法律に罰則をつけるという形態に改めるという問題でございます。これがこのすき入紙製造取締法と補助貨幣損傷等取締法を御制定いただかなければならなくなつた理由であります。
 内容につしましては、補助貨幣取締にいたしましてもすき入紙の製造取締にいたしましても、現在ございますところの大藏省令、それから勅令の規定と大體内容は同じものでありますのを、法律にかえたというだけでございます。ただ違いまして點をごく簡單に申し上げますると、兩方とも罰則の規定が、たとえば補助貨幣の方につきましては、從來は三箇月の懲役または百圓以下の罰金でございましたものを、今囘は一年以下の懲役、一萬以下の罰金に改めましたこと、竝びにすき入紙の製造違反につきましても、從來は罰金が十圓以上百圓の罰金でございましたのを、今度は五千圓以下の罰金竝びに六箇月以下の懲役というふうに、罰則が強くなりましたのが一つの點であります。強くなりましたと申しましても、これらは現在ございます他の法令の罰則との振合をよく考えまして、從來の古い勅令等についておりました罰則を改めたというにすぎないのであります。
 それから實質的に多少違いました點は――補助貨幣の蒐集、鑄つぶし又は毀傷の取締りに關しまする現行の勅令と補助貨幣損傷等取締法とで内容的に多少違いましたのは、現在の勅令におきましては、「地金トシテ販賣シ又ハ使用スル目的ヲ以テ」というふうな言葉がうたつてございますが、この地金という言葉につきましていろいろ疑義がございまして、現在のところ地金と申しますと、法令の用語上純金、純銀を指することがおもにつておりますので、たとえばアルミ貨幣などの合金を鑄つぶすときは、はいるかはいらないかという多少の疑念がございましたので、この「地金トシテ」という字を落すことによりまして、補助貨幣損傷取締法と現行の省令との間に法律の形態が多少變つたという點がございます。
 それからもう一點のすき入紙製造取締の方につきましては、これは印刷局の白石製紙部長がお見えになつておりますから、御質問があればお答え申し上げたいと思いますが、これからごらんに入れますように、すき入れというのは白くすき入れたものと、黒くすき入れたものと二つがございます。白くすき入れた紙というのは、債券とか、株券とかいうものに今使われておるものでありまして、これについては從來届出が必要でありまするけれども、届出が今度は必要でなくなつて、黒くまき入れた紙だけは製造を禁止しておる。それから白くすき入れましたものも、銀行券とか、政府紙幣に似たようなすき入をする場合はこれを禁止するということに整理をたいしたわけであります。
 簡單でございますが、この法令を制定する必要と、それから現在の法令と御制定を願います法律との差異につきまして御説明を申し上げました次第であります。
#4
○川合委員 ただいま御説明になつた二つの法案の立法の理由はよく了承したわけでありまするが、新憲法の實施に伴う勅令あるいは省令等の改廢によつて、これを新法律化するというような必要のあることは、ただいまの二つの法案の例から見ても明らかでありますが、ただこういうものが執行する直前になつて、ばらばらに一つ一つの法律になるということは非常に煩雜のような感が深く、また法令の周知徹底という見地からいつても、感心しないと思うのです。そこでたとえばこのすき入紙等の取締というような問題は、これは貨幣法なら貨幣法、あるいはまた通貨取締といつたような一連の金融關係の法規の中に包含していくような金融關係法規の體系をつくつて、その中の一環として入れるというような準備が行われているかどうか。具體的にこの問題に關連して言うならば、銀行局關係の今までの勅命ないし省令によつて執行するものを、漸次これを整備して、そうして銀行局關係の法規としてただちにわかり得るようなことを今のうちから整備しておくことが必要ではないか。私はこう思うのですが、そういうようなお考えがあるかどうか。ただ單に執行を控えている法令を、これを新憲法に基く法律というふうに場當り的に行くか、あるいはまたそういうふうな體系に修正をしていくというようなお考えがあるかどうかということを、前提的の質問としてお伺いします。
#5
○伊原政府委員 ただいまお尋ねの點につきましては、二つの點を考えたのでありますが、一つはただいまお示しのようなお話、もう一つは命令についておりまする罰則は一切廢止いたされまするので、この紙幣關係とか貨幣關係以外にもこういうものがたくさんございますから、それらを一括して出すかというふうなこともいろいろ考えたのでございます。とりあえずはこういうふうな方式がいいということになつたわけであります。お示しのように貨幣法とか、金融關係の法規につきまして、なるだけ體系を整えたりいたしてまいりますことはぜひとも必要なことと思われますので、今後法令を改廢整理いたします際には、ぜひとも考えなければならぬことと思つておる次第であります。
#6
○北村委員長 御質疑はありませんか。
 それでは、この兩案はきわめて簡單な法案ですから、この次の機會にこれを決定するようにしたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○北村委員長 それでは皆さんの方でそういうふうにお取計らいを願います。
    ―――――――――――――
#8
○北村委員長 それから金融機關再建整備法の一部を改正する法律案についても、政府から提案理由の説明があつたのでありますが、なおこれは重大な問題と思いますので、補足的にもう一度詳しい説明を求めたいと思います。
#9
○愛知政府委員 金融機關再建整備法の一部を改正する法律案につきまして、逐條的に御説明いたしたいと存じます。まず條文にはいります前に、全體の構想をお話いたしたいと存ずるわけでございます。今囘の改正法律案は金融機關の再建整備に伴いまする未拂込資本金の徴收ということが問題になりまするので、その手續を規定いたしましたのがこの改正法律案の骨子でございます。そのほかに再建整備進行中に解散する金融機關がありまする場合に、その措置について規定を設けた點がございまするが、この方はむしろ案の重要な點にはなつておりません。と申しますのは再建整備中に解散する金融機關はただいまのところ實際問題としては起らないという見込みでございます。萬一さようなことがございました場合の規定を挿入してあるのでございまして、實際問題としてはその方の重要性は少いというような感じがしておるわけでございます。しからば未拂込資本金の徴收に關する規定としまして、どういうものをきめたかと申しますると、第二十五條の二以下第二十五條の十八という條文が全部この未拂込資本金の徴收に關する規定でございます。なおまたあとの方にございます第五十七條の二というのもこれに關連した規定でございます。その内容の骨子は逐條的に申しますると非常にこみ入つてまいりまするので、まず最初に全體の構想を申し上げますると、その一つは未拂込資本金の拂込の責任はだれにあるかという點でございます。未拂込資本金の拂込の責任は指定時現在の株主がこれを負擔する。指定時現在の株主と申しますのは、御承知の二十一年八月十一日に株主であつた者が未拂込資本金の拂込の責任をもつことになるわけでございます。從いまして指定時前に株主でありました者、それから指定時後新たに株主となりました者はその責任を負わないのでございます。ただしかしながら指定時後に新たに株主になつた者の間でも、拂込に應じたいという希望者があることが豫想されますので、さような場合におきましては拂込の希望があればなし得るように、その機會を新しい株主に對しても與えるということに考えたわけでございます。
 次は指定時後の新株主が拂込をしません場合は、その株主は失權いたしまして、その株主は指定時の株主に歸屬をいたすことになるのでございまして、その際は指定時の株主に對しまして拂込の催告が發せられるということになるわけでございます。ただいま申し上げました點が、大體本案の重大な骨子になつておる點でございます。
 次は指定時後の新株主が希望によりまして拂込に應じました者を除きましては、すべて今申しましたように指定時の株主が拂込の責任を負うわけでございますが、その際におきまして、その指定時の株主が個人でございまする場合と法人でありまする場合とでその責任の態樣を異にするような考え方になつております。個人は失權によりまして拂込責任を免れるのでございますが、法人の場合におきまして閉鎖機關というものが御承知の通りございますが、法人については閉鎖機關としからざるものとを區分いたしまして、閉鎖機關の方は個人と大體同じに失權によりまして拂込責任を免れるということにいたしたわけでございます。ただしかしながらあとで詳しく御説明申し上げたいと思うのでありまするが、閉鎖機關についてはさらに買房しの機會を與える。閉鎖機關につきましては今後いろいろ處理が進行いたしまする關係上、一定期間内に買戻す機會を與えておこうという點の違いになつております。その他の法人につきましては拂込債務は免れ得ないということを原則にいたすのでございますが、法人と申しましても、その中に特別經理會社がございまするし、また金融機關がございますが、その兩者につきましては拂込債務は舊勘定に屬せしめられますので、これは再建整備法の原則に基きまして打切り整理をせられることになるわけでございます。かような法人、個人、それから法人のうちの閉鎖機關、特別經理會社、金融機關というような各態樣にわかちまして、この責任の態樣を別にいたすことに定めたいというのが内容になつておるわけでございます。
 次は第三點でございますが、指定時後の新株主が失權をいたしますると、そこに損失を生ずるわけでございますが、その損失は、直前のその株式を讓り渡した人に對しましてその損失の求償をなし得るということが第三點になつておるわけでございます。もちろん先ほど申し上げましたように、個人または閉鎖機關でありまする指定時の株主が失權いたしました場合は、その損失の求償は認められないということは當然かと思うのでございます。以上が未拂込株の徴收につきましての大體の構想でございます。
 先ほど申し上げましたように、その次の問題といたしまして再建整備中の解散金融機關に關する規定が五十三條の二と五十三條の三に規定してあるのでございまするが、その内容はきわめて簡單なのでございまして、解散金融機關の清算人の作成する財産目録、貸借對照表竝びに債權者に對する債權申し出の催告、これはすべて當該金融機關の新勘定に屬するものについて行えば足りるということと、それから新勘定に屬する債務の辨濟は禁止されるということ、それから再建整備完了後におきましては一般原則によつて清算措置が進行する。再建整備中の解散金融機關がもしある場合にはかような三點の規定が必要であろうと思いまして挿入いたしたわけでございます。大體大綱はただいま申し上げました通りでございますが、これらの大綱に基きまする諸般の技術的なこまかい點にわたりましてこの改正法律案に詳しく規定されておるわけでございます。
 この法律案の内容にはいりまして、まず最初に、第二十五條第一項第三號中「勅令の定めるところにより」を削り、同條第五項を削るということになつておるわけでございます。ここの第二十五條第一項第三號中、勅令の定めるところと申しまするのは、御承知のごとく金融機關の再建整備の最終段階になりまして未拂込を法律の規定によつて徴收しなければなりません場合には、そのこまかい規定は勅令の定めるところにより拂込をなさしめた後云云という規定がここに削りましたところに書いてあるのでございます。それから第五項におきましては、拂込の場合に關しては他の法令または定款にかかわらず勅令で特別の定めをなすことができる、かようにありました點でありまして、この金融機關再建整備法が制定せられました昨年の當時におきましては、本改正案全部の趣旨はすべて勅令で規定することに考えておつたわけでございます。しかるところ、新憲法の施行後におきましては未拂込の徴收というようなことは當該の個人、法人に重大なる影響がございまするので、これらの當初豫定しておりました勅令で定めるとしておりました事項をすべてこの法律案に盛つたわけでございます。
 次は本文の第二十五條の二でございまするが、ここにございまするように、各株式につき拂込をなさしめる金額はいかにすべきかということが第二十五條の二に規定されておるのでございます。この際法律文としては非常にわかりにくいので、一つの例をもつて御説明いたしたいと存ずるのでございます。この第二十五條の二で豫想しておりまするようなことは、たとえばある銀行の資本金が三千萬圓ございます。一株の額面が五十圓のものといたします。舊株が四十五圓拂込濟みであつて、その舊株が一千萬圓ある。それから第一新株が四十圓の拂込みで、やはり一千萬圓、それから第二新株が二十五圓拂込濟みのものが一千萬圓ある。かような構成であると假定いたしまして、その場合に金融機關再建整備法の第二十四條等によりまして順次整理をいたしていきました結果が、確定損の整理負擔額がかりに一株當り四十二圓五十錢という計算が出たといたします。その際いかようなことになるかと申しますと、その四十二圓五十錢と申しますのが、この法律に書いてございます確定損の整理負擔額ということになるわけでございます。そうして舊株はただいま申しましたように四十五圓の拂込みであるといたしますると、その四十五圓の拂込額の方が確定損より多いのでございますから、その際には未拂込みが徴收されるものは全然ないわけでございます。それから第一新株が四十圓の拂込みであるといたしますると、確定損が四十二圓五十錢でございまするから、その差額二圓五十錢を未拂込額として徴收しなければならないことになり、第二新株につきましては四十二圓五十錢から二十五圓を引きました十七圓五十錢という差額が出るわけでございます。この第一新株と第二新株はそれぞれその差額の二圓五十錢なり、あるいは十七圓五十錢を基準にいたしまして、それよりも多い額を未拂込額として徴收しなければならないというのがこの規定でございます。なおまた但書に「當該株式の未拂込金額を超えることができない」とございますのは、當然のことでございまして、法律上その當然の事理を明定いたしたわけでございます。
 それからなおこの未拂込株金の拂込みの催告額をいかにするかということでございますが、先ほど申しましたように、その差額より一錢でも多い額であればよろしいわけでございますが、實際問題として二圓五十錢とか、あるいは十七圓五十錢とかいうような端數が出まする場合には、その端數を切り上げることになろうかと思いまするし、またその各株式につきまして計算されました確定損の整理負擔額に達するまで徴收すれば、損失處理としては十分なわけでございますが、もしそういたしますると、最終處理完了の後に至りましては、未拂込だけが殘り、資本の充實の原則に反することにもなりますので、その點と端數整理とをにらみ合わせまして、適當な催告すべき額を決定するということに、實際問題としてはなることに相なるわけでございます。
 次は二十五條の三でございます。第二十五條の三は非常にむずかしい書き方がしてございますが、性質上やむを得ないのでございまして、一口に申しますると、この株券の整理の規定でございます。ここにございますように資本の減少を行わなければならない金融機關で株券を發行いたしておりまするものは、當該金融機關の確定損を負擔すべき株主または當該株主の株式に質權を有する者で株主名簿に記載ある者は、その株券を一定期間内に當該金融機關に提出すべき旨を公告しなければならない。ということでございまして、この株券の整理の方法を規定いたしたわけでございます。
 それからその次の條項におきましては、公告をいたしまする一定期間内に提出すべき旨の公告の期間は一箇月以上二箇月の範圍でこれを定めなければならないというようなことが規定されておるわけでございます。
 なおまた次の項におきましては減資の效力がいつ發生するかということが、株券の處理と併せて規定されておるわけでございます。減資の效力がいつ發生するかということにつきましては二つの場合がございますので、未拂込株金を徴收しない場合、それから未拂込株金を徴收した場合と、大きくわけますとこの二つになるわけでございますが、さらに未拂込株金を徴收しない場合におきましても、このところにございますように、株券を發行しておるものと、括弧内にございますように、株券を發行していないものについてはというように、發行していないものもございますので、その二つを書きわけまして、株券を發行しております場合は前項の規定で公告によつて明らかにされた株券の提出の期限が滿了いたしましたときに減資の效力が發生する。それから株券を發行しておりません場合には、最終の處理が完了いたしました公告の日ということになるわけでございます。その點はここにございますように、新勘定と舊勘定の區分の消滅の日ということに言換えればなるわけでございます。この點については金融機關再建整備法の本法の第三十四條の氣二項と關連してお讀みを願いたい點でございます。株券を發行していないという場合はたとえば農業會等におきましては、大體出資證券等を發行していない場合が非常に多うございますので、さような規定を入れたわけでございます。そうして未拂込株金を徴收する金融機關については、第二十五條の五の一項によりまして、期間滿了後二週間以内に決定最終處理方法書に定めるところにより拂込期日をきめるわけでありますが、その未拂込株の拂込期日をもつて減資の效力が發生するということになるわけでございます。それから第二十五條の三の末項は、減資の場合の新株券というものは、すでに提出されました舊株券について必要なる事項を記載したものをもつて足りるということにいたしました株券整理の規定でございます。現在の紙の事情その他から、なるべく簡素な手續でいたしたいという趣意にほかならないものであります。
 次の第二十五條の四は、先ほど概括的に申しました通り、指定時後の新株主に對しましては、一應拂込の希望があるかどうか、ある場合には拂込に應ずるという考え方でございますので、その指定時後の新株主に對する催告の規定をずつと書いてあるわけでございます。この規定は各文章について申しますると非常にわかりにくいと思うのでありますが、このページの三行目のまん中のところに、括孤が上下にございまして、以外の株主ということがございますが、この以外の株主ということに意味があるのでありまして、それはいわゆる指定時後の新株主ということをここに意味するわけになるのであります。そうしましてこまかく文章について申しますよりも別に説明した方がいいと思うのでありますが、もし指定時後の新株主に對して拂込の催告を一應は行う、しかしその拂込に應じなかつた場合は催告がなかつたものとするとともに、その指定時後の株主は失權をする。失權をして、その株式は原則として指定時の株主に歸屬するということがこの中のおもなる點でございます。もし指定時の株主が存しない場合とか、あるいは指定時の株主が現在失權しておるというような場合においては、未拂込徴收金融機關それ自體にその株券が歸屬するということになるわけでございます。
 以下こまかいことは省略いたしまして、次に第二十五條の五について申し上げたいと存じます。第二十五條の五は、指定時の株主に對する拂込の催告に關する規定でございます。これがいわゆる普通の場合、本條の中で最も普通に行われる場合というふうに御了解を願いたいと思うのでございます。この未拂込株金の徴收金融機關は、第一囘の拂込催告が效力を失つた場合には、その拂込期間滿了後二週間經過のときから一箇月以上の範圍内で指定時の株主の拂込期日を定め、指定時の株主に拂込の催告をするわけでございます。この中に五ページの最後から六行目のところから、「金融機關又は會社經理應急措置法の特別經理會社」という書出しの規定がありますが、その點がちよつと意味のある點で、金融機關及び特經會社は現在新舊勘定に區分して整理を實行中であります。舊勘定に屬する株式の未拂込株金を拂込催告があつた場合に、新舊勘定の區分が存續しておる間に、その催告に應ずるということは、法規上から申しましても、すでに金融機關經理應急措置法第十六條においても、あるいはまた會社經理應急措置法第十四條でも、新舊勘定の區分が存續中にさような行為をすることは禁じてございますので、それとの關係上も、金融機關なり特經會社なりが催告を受けました場合には、新舊勘定を存續中であつた場合には、新舊勘定の區分が消減してから一箇月を經過した日においてこれを實行するというような特例を置いたわけでございます。
 次は二十五條の六について簡單に申し上げたいと存じます。第二十五條の六は、個人と閉鎖機關とについての失權の規定を規定いたしたものであります。指定時の株主に對する拂込催告のありました場合に、その株主が個人または閉鎖機關である場合には失權を認めるということを先ほど申し上げたのでありますが、これがその規定でございまして、從つて信託株主については、委託者が個人又は閉鎖機關である場合に、この原則を適用するということになつておるわけであります。ここに二十五條の六に一號、二號、三號とあるのはその點でございまして、一は法人以外の者の所有する株式、二は、閉鎖機關の所有する株式、第三號は、前二號に掲げる者がその信託の委託者であるもの、それを除いてその他のものについては、株主が拂込期日までに拂込をしないときには、拂込の義務を免れるとともに、拂込をしないその株式について株主の權利を失うというように規定したわけであります。ここで何ゆえ個人や閉鎖機關にかような規定を設けたかということを簡單に申し上げまするならば、個人についてはすでに財産税等の負擔を大きく受けておりまするし、また拂込の負擔力が法人に比して非常に少いということ、かような點からこれ以上この種の負擔を個人に負わせることは、かえつて再建整備の進捗を困難ならしめるというような配慮に出たものであります。また閉鎖機關は先ほどもちよつと申しましたように、閉鎖機關令に定めてあるところにより特殊の整理を實行中でございましてその特殊整理の結果、他の債務と比較して、株金拂込に應ずる力があればともかく、しからざる場合は特に未拂込株金を優先辯濟をさせるということは不合理でありますので、その拂込を閉鎖機關側の任意に任せることが適當であるかと考えたのであります。
 次は二十五條の七でございますが、二十五條の七は未拂込株金を強制徴收する場合の規定でございます。この場合は商法との關係が非常にたくさんここに出ているのでございますが、できるだけ簡潔に御説明いたしたいと思います。拂込催告を受けました株主が、失權の認められない者である場合には、金融機關は強制徴收をなし得るわけでございます。ここにもございまするように競賣法の規定に從い競賣するとか、あるいは他の方法により賣却するとかいうようなことがあるのでございますが、まず第一に株式の處分についてはいかようにするかということについて、いま少しく申し上げますならば、大體商法の滯納株式處分手續に準じてこれを行うつもりでございます。しかしながらこの法律にございます通り、その方法は必ずしも競賣法による競賣だけでなくてよろしいのでありまして、任意賣却でもよろしいわけでございます。それからその次の主たる點は指定時の株主より前の株式の譲渡人には一切責任を負わせないということになつているのでございます。そして次は株式を處分して得ました金額が、滯納金額に滿たない場合、未拂込株金徴收金融機關は指定時株主に對してのみ不足額の辯濟を請求し得ることに規定しているのでございます。なおまた滯納株式をかりに處分できなかつた場合にはどうするかという場合でございますが、その場合は株主に對してその旨を通知いたしまして、その株主を失權させることになつているのでございますが、この場合におきましても指定時の株主に對しましては、その不足額を辯償させることができるということになつているのでございます。
 それから商法の第二百十四條第二項及び第三項、これがここに出ておりまして「前項の場合に、これを準用する。」とあるのでございますが、この商法の第二百十四條第二項は御承知の通り滯納株式の處分によつて得ました金額が滯納金額、違約金の金額の合計額より多かつた場合には、その超過額は株主に戻すという規定でございます。なおその第三項は逆に處分金額が滯納金に不足した場合には、その不足金額を株主に請求するという規定でございますので、さような規定をここに準用することになつたのでございます。しかしながら第三項では株主がその請求に應じなかつた場合には、譲渡人に對しても請求し得るということに商法上ではなつているのでございますが、その責任の部分だけは本條からは、末項の各項にございますように除いてあるわけでございます。
 次は第二十五條の八でございますが、二十五條の八の規定は、金融機關たる指定時株主が未拂込株金の催告を受けた場合に、いかようにするかという規定でございます。その内容の骨子といたしまするところは、指定時の株主が金融機關であつた場合には、未拂込株金の拂込催告を受けた場合におきましては、金融機關再建製備法の規定に從いまして、その拂込債務を切捨て整理する場合があるという規定でございます。金融機關が未拂込株金の拂込催告を受けました場合には、當該金融機關はその拂込催告額について損失負擔額として打切ります額を計算いたしまして、その打切額に相當するだけの數の株式について、失權をするということを骨子にいたしているのでございます。でこの第一項に「當該金融機關に對し第二十四條第一項第七號又は第九號の規定の適用があるときは」といいますのは、御案内のように第二十四條のここにあげてありまする場合は、金融機關の最終處理の場合におきまする打切額の計算の規定でございます。前々囘の議會におきまして御制定を願いました基本の金融機關再建整備法のここにあげてありまする規定は御記憶に新たかと思うのですが、一號から十號まで規定いたしまして、最終處理の場合の打切額の計算の順序を規定してあるわけでございます。簡單に申しまするとまず益金なり積立金、資本金の九割それから法人の大口預金の七割を切り捨てていきまして、それに次いで法人の大口預金以外の一般預金その他の債務の七割を切り捨てる計算をするということになつておるのですが、未拂込株金の拂込催告はこの場合におきまして初めて出てくる問題であります。要するに簡單に申しますれば、益金なり、積立金なり、あるいは資本金の九割その他を切り捨てていきまして、そうして未拂込株金の拂込催告をするということになつておるのでありまして、「第二十四條第一項第七號又は第九號の規定の適用があるときは」というのを思い起してここに掲げたわけでございます。從つてそこに言いまする意味は、未拂込株金の拂込催告について切り捨ての整理をしなければならないときにあつて、その催告があつたときにどうするのかということをここに規定しておるということになるわけであります。さらにあまり詳しくなり過ぎるかとも思うのでありますが、その際におきましては、催告を受けた株式を發行したもの、それから株式の種類、拂込催告額の異なるもの毎に區分するということになつておるのであります。たとえて申しまするならば、その株式の種類、たとえば優先株もございましようし、議決權のない株もございましようが、かような株式の種類別、それから拂込催告額がまた異りますが、拂込催告額の異るものの區別、かようにそれぞれ分類、區分いたしましたる上で、同一の區分に屬するものは一括して處理するということの意味でございます。さような區分整理をいたしませんければ、權利義務の内容を異にしておるものを混淆して處理することになりまして、このうちどの株式を失權させたらいいかということについて非常に面倒な關係を生じまするので、かような規定を考えたわけでございます。
 さらにそれに引續きまして、各區分の「確定損の整理負擔額を計算し、その計算額を當該區分に屬する株式の一株當り拂込催告額で除して得た數(一未滿の端數があるときは、その端數は切り上げる。)」こういう非常にややこうしいことがここに書いてありますが、これの説明を申し上げまするならば、拂込催告額が二十圓という同一の區分の株が四株ある、その場合に損失の負擔の總額が四十八圓であると假定いたしまするならば、その四十八圓を二十圓で割りますと、その結果は二・四となるわけでございますが、その端數を切り上げるということに從いまして、三株だけ失權する、こういうことになるわけでございます。
 次は第二十五條の九でございますが、これは特經會社が指定時株主である場合であります。この中に書いてございますることは、大體におきまして第二十五條の八の金融機關が指定時株主であつて未拂込株金の催告を受けた場合と、大體において内容は同樣であります。ただ一部企業再建整備法がすでに施行されており、それによりまして各般の事務が進んでおります關係上、多少その法律關係等を金融機關と異にしておりますので、その點について若干の調整があるのでありますが、まず原則は二十五條の八と同樣であります。ただ特經會社についての場合の規定である。かようにお考えいただけばよろしいと思うのであります。すなわち指定時の株主が特經會社であつて、そうしてこれが拂込の催告を受けた、かような場合においてはその特經會社は舊債權の切捨整理を別の法律によつて當然しなければならない場合があるわけでございます。その場合各株毎に拂込債務につきましては、損失の負擔率を乘じてこれを切捨てる代りに、やはり同一區分に屬する株式は一括してその區分に屬する株式の數に損失負擔下を乘じて得た株式だけを失權させるということになるわけであります。
 次は第二十五條の十であります。二十五條の規定しておりますところは、金融機關が指定時に所有しておりました特經會社の發行した株式についてでありますが、それは企業再建整備法に基きまして未拂込株金の拂込催告を受けた失權整理を認められたもの以外の株式については、催告額の全額拂込に應じなければならないということであります。格別この點については詳しく御説明する必要もなかろうと思うのであります。
 次は第二十五條の十一であります。この規定は打切整理と舊勘定の關係と規定したものでございます。金融機關が最終處理を完了いたしまして、新舊勘定の區分が消滅いたしましたその後におきまして、未拂込株金の拂込催告を受けた場合にどうするかという規定であります。その際におきましては最終の處理完了前に拂込催告を受けたのであろうと同じ程度において失權の整理をするという規定であります。これを設けました理由を簡單に申しますならば、金融機關は最終處理が完了して、新舊勘定の區分が消滅いたしますれば、舊勘定というものはなくなつてしまうわけでございます。一方打切整理をするという規定は、舊勘定に屬する資本及び債務について適用せられておるのでありますが、舊勘定の消滅とともに從つて打切整理の規定は働かなくなるわけであります。もしそのままに放置いたしますならば、新舊勘定の區分消滅後の未拂込株金の拂込催告を受けた場合には特に規定を置きませんければ催告額の全額を必ず拂込まなければならないということになるわけでありますが、再建整備を早く定了して再出發いたしました金融機關に對して、あとからさような催告がありました場合に、特にかくのごとき不利があつては均衡を失するというような觀點から本條を設けたわけであります。
 次は第二十五條の十二でありますが、その骨子はただいま金融機關について申し上げました二十五條の十一と大體同樣でありまして、特別經理會社の新舊勘定の併合後に未拂込株金の拂込催告を受けた場合と同樣に失權を整理するという規定であります。
 第二十五條の十三でありますが、この規定は大よそ三つの點を規定しておるのでございます。その一つは指定時の株主が失權いたしました株式は未拂込株金を徴收金融機關に歸屬をするということが第一點でありまして、指定時の株主が拂込もなさず、從つて失權をいたしましたその株式は當該金融機關に歸屬するというのが第一點であります。第二はすべて株主の失權によりまして未拂込株金徴收金融機關に歸屬いたしました株式は、競賣その他の方法によつて處分しなければならないというのがその第二點でございます。第三點は指定時株主たる閉鎖機關が失權した株式についてはどうするかということでございますが、これは一定の日までは先ほど申しましたような關係から、その株式の拂込催告額に相當する金額で買いもどしすることを認めたものでございます。從いまして未拂込株式徴收金融機關の方がその一定の日が經ちますまでは閉鎖機關の所有株については處分することができないということを規定いたしましたのがその第三點でございます。閉鎖機關につきましては、くどいようでございますが、その整理手續の完了しない間は拂込の自由をもたないわけでありますので、やむなく失權することになるのでございます。同時に一定の整理段階に達するまでには買いもどしの權利を留保してやろうというような考えから、かような規定を置いたわけでございます。
 それから次は第二十五條の十四でございますが、これはやはり閉鎖機關の關係で自己株と議決權との關係をうたつたものでございます。すなわち指定時の株主たる閉鎖機關が失權をいたしました場合に、その閉鎖機關に議決權を殘すことといたしまするために、失權によりまして株式發行金融機關の自己株となりました當該株式について、商法第二百四十一條の規定すなわち自己株については議決權を有しないという規定がございますが、それにかかわらず議決權を存置せしめることにして、閉鎖機關に議決權を殘してやろうという規定でございます。その議決權の行使は閉鎖機關の特殊整理人に委任するということにいたしたのでございます。
 次に第二十五條の十五について申し上げますが、この規定は指定時後に新たに株主となりましたものの規定でごごいますが、それが拂込の催告を受けた場合にどうするかという規定でございます。この點は先ほど二十五條の四で簡單に申し上げましたごとく必ずしも拂込に應じなくてもよいことになつておるのでございます。拂込に應じません場合には、拂込債務を免れますとともに、株主としての權利を失うわけでございます。そうしてその株式は指定時の株主に歸屬することになるわけでございます。ところがさよういたしました場合に、株式の指定時後の株主は損失を負うわけになるのでございますが、その損失はその株式を讓渡いたしました讓渡人に對してその返還を請求することができるという規定でございます。但しここに一號、二號、三號とあげてございますように、法人と證券業者、それからおそらくはこういつた場合に未拂込株金の拂込催告のあるべきことを、おそらくは知り得たであろうところの地位にあつたものは除外をしよう、こういうことになつております。たとえば私どものごとき者、それからあとにも書いてございますか、五月十三日、と申しますのはかような措置がとられるであろうということが關係方面との間において話が出ましたその日なのでございますが、それらの保護をする必要のないものは除きますが、それ以外の個人につきまして指定時後に新たに株主になり、しかも失權したというような者については、その前の讓渡人に對して請求權を認めておる、こういう規定でございます。
 第二十五條の十六は、主として民法、商法等におきまする相殺規定の一般原則に對する除外例を規定いたしたものでございます。なすわち商法二百條の第二項によりますれば、株金の拂込については相殺をもつては對抗し得ないことになつております。しかしながら再建整備に伴う未拂込株金の拂込においては、相殺を認めて、整理を促進いたしたいというのがその第一點でございます。第二點は、相殺は双方の債權が辧濟期に到來した場合にのみ效力を發生するというのが民法五百五條の一般原則でございますが、この場合におきましては、辧濟期前の債權をもつてしても拂込株金の拂込について相殺ができるということにいたしたのでございまして、かかる特例を設けましたのは株金の拂込は現實に金錢をもつてなされることをもちろん原則とはいたすのでありますが、株主に現金がない場合、強いて現金徴收の原則によることはその徴收を困難ならしめ、再建整備の進捗を澁滯させるおそれがあるというように考えますので、株主が未拂込徴收金融機關に對して債權をもつております場合にその相殺を認めて、未拂込株金の徴收を安易にせんとする範圍に出たものにほかならないわけでございます。
 次は第十五條の第十七でございますが、この骨子は株金の拂込は現實に金錢をもつてなされることを原則とするが、この場合におきましては國債、地方債その他の有價證券をもちましてこれにかえることができるという特例を設けたのでございまして、大體前條と同樣の趣旨でございます。
 次は二十五條の十八でございますが、この骨子といたしますところは、再建整備法に基く未拂込株金の徴收につきましては、商法の規定の適用を原則として排除をする。必要ある場合にはこれを準用するに止めようというのでございまして、一口に申して商法の除外例を求めようとしたまでにすぎないのでございます。以上で非常に長い規定になつたのでありますが、第二十五條關係を終了いたします。
 次は五十三條の二でございますが、この趣旨といたしますところは、株式會社でありまする金融機關が再建整備中に解散した場合におきましても、再建整備法の規定はあるのでございまして、その舊勘定は再建整備法によつて整理をせられるということ、從いまして清算の措置は再建整備による最終處理の完了、すなわち新舊勘定の區分の消滅した後に行われることになるのでありますが、新勘定につきましては清算の準備的措置はとつておく必要がありますので、財産目録なり、貸借對照表の作成なり、債權者に對する債權申出の催告に關する商法の規定は、この場合におきましては新勘定についてのみ働くことにしようというのがこの五十三條の二の趣旨でございます。
 次は五十三條の三でございます。五十三條の三は解散金融機關に關しまする五十三條の二と一連をなしておる規定でございまして、解散金融機關の實質的な清算措置は再建整備法による最終處理完了後に行われることになるのでありますから、それまでは新勘定に屬する債務の辧濟を停止せしめる必要があるわけでございます。金融機關經理應急措置法第十六條は舊勘定の債務の辧濟を禁止する規定でございますし、また同じく十七條は舊勘定の債權者の債權取立を禁止する規定でございます。その兩條の規定を解散金融機關の新勘定債務に準用したまでのことでございます。
 次は五十七條の二でございます。ここに言わんとしておりますところは、信用組合とか、農業會、漁業會等いわゆる組合組織の金融機關の會員または組合員が債權整理によりまして、未拂込出資金の拂込催告を受けまして、その拂込を免れ失權いたしました結果、會員または組合員の地位を喪失しました場合は、六箇月間を限りまして、資金の貸付なり、施設の利用なり、商品の購入なり、かような組合特有の權利は、失權いたしましてもなおかつ享有することができるという規定をいたさんとしたものでございます。
 最後に「附則第二項の次に次の一項を加える。」とございまするのは、簡單なことでございまして、第二十五條の十五に、「證券取引法第十五條の規定による證券業者」を掲げてあるのでございまするが、證券取引法は御承知のごとく未だ施行しておりませんので、その場合有價證券取締法第一條に讀みかえをする。いわゆる證券業者の定義は有價證券業取締法第一條に規定している定義をここで用いるということを言つたのみでございます。
 事柄の性質上たいへん説明も困難でございまするし、お聽きにくかつたことと思いますが、以上をもつて一應逐條的の説明を終りたいと思います。なおまことに申譯ないのでありますが、ただいま説明いたしましたことの骨子をわかりやすく書きましたものをお配りいたすつもりで用意いたしたのでありますが、これを書くにしても書き方がなかなかむずかしい等の關係で、ようやく原稿を脱稿いたした程度でございます。多分月曜日にはプリントにしてお配りできると思いますので、このプリントによりまして十分御審議いただきたいと考える次第でございます。
#10
○河井委員 本法は商法に對する特別法で、殊に株式會社の資本の確立の原則に對して重大なる特例が認められて記載されておるのであります。たとえば二十五條の十六の株式の未拂込金について相殺を認める、あるいは二十五條の十七の株式は金錢拂込をなさなければならない原則に對して有價證券をもつと拂込をすることができるというような原則もあります。殊に最も重大なことは、二十五條の六の個人に對して未拂込請求をしないということは非常に重大なことでありまして、こうしなければ債權整理ははかどつていかないと考え、これは重大な原則に對する特例で、たいへんいいことだと考えるのであります。
 未拂込金が絶對に拂込まれなければならぬものとすれば、たとえば第一次世界大戰後において、ボロ會社の株式をもつている人が未拂込金の請求のために非常に惱まされて、いつまでもそれが尾を引いてこまつたという事實があつたのであります。これに對しまして、個人に對しましては未拂込金請求をしないということは、たいへん結構なことだと思います。閉鎖機關に對してはもちろんのことであります。そこで株式の未拂込金を請求する前提といたしまして、株式を競賣しなければならぬのですが、それは當然の原則で、ここに「又は他の方法によつて賣却する」ということになつておるのであります。これは未拂込請求株に對する競賣の原則に對して重大な特例になつているわけですが、ただいま銀行局長の御説明では、その他の方法というのは任意賣買でもよろしいというようなことをおつしやいましたが、任意賣買にしますと、その價格の公平を期することができないと考えるのであります。從つて商法には競賣によるとあるのですが、競賣によらなければ、少くともその株式の價格が公定されるような、たとえば株式市場その他の公のだれが見てもその價格について納得されるような方法によつて處分されなければ、單なる當事者同士の任意賣買によつてその額をきめられる。從つて未拂込金額がそれによつてきまるということは、重大な利害關係を生ずることと考えるのですが、この「その他の方法によつて」ということにつきましては、どういうふうにお考えになつておるのでありましようか。任意賣買の範圍をお伺いいたしたいと存じます。
#11
○愛知政府委員 最後のお尋ねの點でございまするが、實は他の方法によつて賣却いたしまするのは、一般の原則にとつては非常に例外と考えるのでございまして、當該の金融機關等としては、當然できるだけ適正な價格で處分するようにいろいろの方法を講ずべきであると考えるのでございます。この法律の上では、それに對していかような基準によつてやれということまでは書いてないのでございますが、實行上適正にやりたいというように考えておるわけであります。
#12
○河井委員 それは何か法文に書く必要はないでしようか。單に「その他の方法」というても非常に範圍が廣くて、いわゆる任意賣買もその中にはいるわけですが、適正價格を認めるについては、機關があるわけですから、その機關とか何とかいうことを表示する必要はないでしようか。
#13
○愛知政府委員 その點につきましては、最終處理方法書というものが認可されるわけなのでありますが、その際に、いかようにしてこれを任意賣却するかということについては、行政的に相當の指導と申しますか、相談にあずかることができることになつておりますので、ただいまのところでは一應その點でいかにして適正な方法がとれるかということの相談にあずかると考えております。
#14
○河井委員 これは用語の上のこまかい點でありまして、人々によつて感じが違うかもしれませんが、「二十五條第一項第三號の規定による」という文句に始まつているところに、未拂込株金徴收金融機關というのがあつて、それからあとずつと出ておるのですが、この徴收という言葉は商法にはどこにもない。これは結局未拂込金請求金融機關なのですが、徴收という言葉は、何だか税金でも徴收されるような意味を含んでいるように思われるのです。そこでこれを未拂込金請求金融機關というような今まで使われた言葉で表現されたらいかがかと考えますが、その點はいかがでしようか。
#15
○愛知政府委員 實率直に申しまして、そこまで考えませんでした。前の金融機關再建整備法の方でも、拂込をなさしめるというような表現が使つてございまするので、あまり大した考えもなくこういう字を使つたのでございまして、あるいは修正した方が適當でございますれば、修正も考えなければならぬと思います。
#16
○河井委員 金融機關再建整備法その他そういう一連の法律が非常に生硬な感じがするのは、こういう用語からくるところも多分にあるのです。この後にも未拂込徴收金融機關というのがありますが、これはどうも當該金融機關と書いただけで濟むようなものが相當あるようです。それを未拂込徴收金融機關と固い文句を繰返されるので、いかにも法文全體が非常に生硬な感じがする。全體に金融機關の整備法は、讀んで頭が痛くなり、だれもわからないというような憂いが相當あるのですが、そういう點につきましても御考慮を願いたいと思うのであります。
#17
○北村委員長 ちよつと私申し上げますが、今の河井君の御意見はごもつともです。しかし株金の拂込徴收という言葉はきわめて通俗で、およそ株式の定款にはそういう用語が一般に熟して使われている。それで未拂込請求の法律用語として請求權だけれども、一般の通俗ならんことを欲したのではないかと思うのであります。一般の定款の規定では未拂込徴收、それから株式會社においても、何會社はいよいよ未拂込徴收をするというような扱い方をしておるので、通俗ならんとしてあなたのおつしやるように生硬になつたのではないかと思いますが、政府の方ではどう考えておられるか。
 それからさつきお尋ねの競賣によらざる一般の方法というものは、おそらく私は一般の方法と言つても、今の株式取引機關はほとんど動いていないし、公定相場がほとんどないので、それを明示したのではかえつて縛ることになつてうまくいかぬのではないか。そういうことでおそらく公正性を保持する方法を、何らかとらなければならぬのであります。競賣法によつて競賣することは不利な場合がある。そういう場合には普通の方法で賣る。普通の方法で賣る場合には、公定相場のある場合は公定相場で賣りますが、今は株式についてほとんど公定相場があるのかないのかわからない。そういう場合にありま窮屈に縛られると、實際整理する場合に困るという實情があると思いますが、政府の御所見はどうでしようか。
#18
○愛知政府委員 その前段の徴收という字でございますが、これは實際請求とか、催告をするところの金融機關である。正確に言えばそういうことになると思つておりますが、ただいま委員長もお話になりましたように、いろいろ表現をそう深刻に考えたわけではないのでございまして、まあこれで通りはよくはなかろうかと、あまり大した考えもなしに使いましたようなわけですが、なおひとつそういう御意見でございますから、次囘まで研究させていただくことにいたします。
 それからただいま委員長の方の方法による賣却ということは、まことに今委員長がおつしやつてくださつた通りなんでございまして、證券取引所の再開その他も全然今のところ豫想がつきませんし、またここに書くとしても基準なり、方法について法律上に書くことはむずかしいので、最終處理方法その他で相談を受けるということでありますから、同時にまた當該機關におきましても、十分の御工夫をなさるであろうということを期待して、かようにしたわけであります。
#19
○川合委員 私はこの金融機關再建整備法の一部を改正する法律案の根本について、お尋ねしたいのでありますが、それは先ほどの銀行局長の御説明の中に、あるいはまた條文の中にもあるのでありますが、金融機關の解散はあまり豫想されない。ただ念のために五十何條かのそういうような規定を設けられたという御説明があつたのでありますが、これに關する御説明はどうしても承つておきたいと考えます。
#20
○愛知政府委員 ただいまの點は實はこの法律の中にもございますように、再建整備の進行中に、解散はまずなかろうということを申し上げたのであります。それから金融機關の再編成の問題につきましては、先ほどもお話がちよつとあつたようでありますが、現在私どもの立場において考えておりますのは、問題が二つあるように考えるのでありまして、一つは一部に傳えられますように、金融機關に對して集中排除の關係がどうなるかということが一つ、いま一つはその問題がどうであろうとも、この再建整備にも關連し、それから新事態における日本の金融機構をどうするかという問題であろうかと思うのでありますが、その後者につきましては、御承知の金融制度調査會その他のもので、いろいろ政府として御答申もいただいておりますし、大體次の國會までには銀行法その他各業法にわたりまして、相當根本的な新しい考え方をもつたような構想を練りたいと考えておるわけでございます。それからまた前者の方の問題につきましては、實は金融機關の再編成が、いかように考えられておるかということにつきましては、現在政府としては何らの具體案をもつておらぬようなわけであります。その點御了承をお願いしたいと思います。
#21
○川合委員 個人に對する未拂込みの徴收金額がどの程度に上るかというような、あらかじめ數字についての資料がおありになるかどうかということについて伺いたい。
#22
○愛知政府委員 ただいまの御質問はごもつともな御質問でありますが、實はただいまのところこの損失の見込額が、各銀行別にまで十分計算ができないのでございます。その損失の見込みが十分立ちまして、それから御承知のような積立金から始まりまして、資本金の切捨てとずつといくわけでありますが、損失の見込額というものは未だ各銀行別にはつきりしておりませんし、それぞれ株主の態樣等も非常に各銀行によつて違つておりますので、いま少しお待ちになつていただきませんと、ある程度自信をもつたお答えはできないと思うのであります。しかし全體的に申しまして私どもの感じでは、個人にまいります分はそれほど大きくはないと考えております。
#23
○川合委員 時間がありませんから私は保留して、これで打切ります。
#24
○愛知政府委員 ただいまの御質問に直接お答えにはならぬのでありますが、一應金融機關の數から申しますと、金融機關の數は特銀その他を入れまして現在六十八行でございます。それから信託會社が七つ、金庫が四つ、市街地信用組合が三百十一、無盡會社が五十七、それから縣農業會の四十六等を含みまして、農業會全部で一萬千七百二十五、保險會社が生保が二十一社、損保が十六社、これを單純に合計いたしますと、一萬二千二百十になるわけでございまして、これが金融機關の總數でございます。その全部の公稱資本金が三十五億八百萬圓、中拂込資本金が二十二億九千四百萬圓、未拂込資本金が十二億千四百萬圓、從いまして未拂込資本金が十二億千四百萬圓の範圍内で、全體といたしましてもこれだけの額があります。そこまでは現在の既成の數字でございまして、はつきりいたした數字でございます。
#25
○川合委員 これは月はいつですか。
#26
○愛知政府委員 月は二十二年九月末現在であります。なお閉鎖機關は含んでおりません。
#27
○北村委員長 ほかに御質疑はありませんか。
    ―――――――――――――
#28
○北村委員長 この際お諮りいたします。
 所得税法の一部を改正する法律案及び非戰災家屋等特別税法案の兩案が、十日に政府より提出の豫定でありますが、兩案とも重要な歳入法案であると考えますので、公聽會を開きたいと思います。本來ならば付託された後に決定願うことでありますが、會期も切迫しておりまして、公聽會の手續の關係から急がなければならぬやむを得ない状況にありますので、付託された場合を條件として、この兩案について公聽會を開くことの承認を、あらかじめ議長に要求したいと存じます。なお承認のありました場合の日時問題等の決定につきましても、あらためて委員會を開くいとまもありませんので、委員長、理事に御一任いただきたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○北村委員長 御異議ありませんから右のように決定いたします。
 本日はこの程度で散會いたします。
   午後零時二十分散會
ソース: 国立国会図書館
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