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1947/11/12 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第34号
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1947/11/12 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第34号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第34号
昭和二十二年十一月十二日(水曜日)
    午前十一時三十二分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 吉川 久衛君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
   理事 梅林 時雄君 理事 塚田十一郎君
      川合 彰武君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      松尾 トシ君    八百板 正君
      大上  司君    栗田 英男君
      中曽根康弘君    細川八十八君
      青木 孝義君    島村 一郎君
      周東 英雄君    苫米地英俊君
      内藤 友明君    石原  登君
 出席政府委員
        大藏事務官   伊原  隆君
 委員外の出席者
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 企業再建整備法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出)(第八七號)
 企業再建整備法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)(第八八號)
    ―――――――――――――
#2
○吉川委員長代理 これより會議を開きます。
 本日は企業再建整備法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八十七號)と、企業再建整備法の一部を改正する法律案(内閣提出第八十八號)、この二つの案につきまして、前囘より引續きより詳しい御説明を政府委員にお願いしたいと思います。
#3
○伊原政府委員 企業再建整備法等の一部を改正する法律案、それから企業再建整備法の一部を改正する法律案の要旨につきまして御説明を申し上げます。御説明の便宜上法律案におきましては、各條項に條文が引用してございまして、非常にわかりにくいと思いますので、お手もとに企業再建整備法等の一部を改正する法律案の要旨といたしまして、要綱を差上げてございまするので、その要綱につきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 今囘の改正は非常に大分にわたつておりますけれども、この中に一貫した目的というものは含んでございません。非常に種々雜多なものを一緒に改正をいたすことになつておりまするので、何か一つの目的をもつて改正をいたしたようになつておりませんので、はなはだおわかりにくいことと思いますのは恐縮でございます。殊に記載事項がきわめて技術的のことを相當たくさん盛込んでおりまするが、ごく簡單に大體の觀念だけを申し上げてみたいと思います。朗讀をいたしましても時間がかかりまするので、ごくかいつまんで申し上げます。
 第一の一は、これは企業再建整備法ができましたあとで、賠償撤去、指定施設の轉換使用に對しましては、許可申請しなければ使えませんので、その許可申請をするための省令が出ております。これを企業再建整備法の申請書と賠償指定施設の轉換使用申請書と一緒に出せばそれでよろしい、一通で許可申請ができるというふうな事務簡捷のための規定でございます。
 二番目にございますのは、會社が出してまいります整備計畫の法律的效果が、あとで申し上げますように相當強くなりましたので事業計畫でありますとか、資金計畫とかいうふうないろいろ内容的に盛込まなければならないものをも整備計畫の内容としておきますと、その效力が第三者をも拘束いたしますので、むしろこれを添付書類の方にまわしまして、整備計畫の記載事項を整理した。これもきわめて技術的の問題でございます。
 次に三ペーシにございますのは、これも商法の技術的の問題でございますが、特別經理會社が資産の全部または一部を出資していわゆる第二會社を立てる際には、新勘定にする債務を承繼いたすことになつております。たとえばある會社が第二會社に對しまして一億圓の出資をした。しかし三千萬圓の債務を引繼いだという場合には、はなはだ技術的のことでありますが、一億圓から三千萬圓を引いた七千萬圓を現物出資、あとの債務に見合う三千萬圓は無償讓渡という法律觀念で整理をすることになつておりますので、結局一億圓の資産を出しまして三千萬圓を引繼いだような場合は、七千萬圓を現物出資、三千萬圓を無償讓渡とする。商法との關係においてそういう法律觀念に整備する必要があるので置いたきわめて技術的な規定でございます。
 第四番目は多少自主的の規定でございまして、これは四番、五番が關連いたしますが、整備計畫を立てます際には、利害關係人から反對意見が述べられたようなときにはそれを付議しなければならないとして、整備計畫を立てた場合における異議の申立の範圍を株主と債權者から利害關係人に改めた。と申しますのは、たとえば從業員等が整備計畫に對して重大な關心をもつておりまするので、從業員等が意見を述べて、それがもし反對意見であつたら、特別管理人はそれを書いて出さなければならない。また出しました整備計畫に對しましても、從來は株主と債權者だけにこの異議の申立權がございましたのを、今度は利害關係人というふうに廣くいたしましたのでありまして、たとえば從業員等から整備計畫に對して異議の申立ができるというように、割合に自主的の規定であるのが四番と五番でございます。
 六番も法律技術的のものでありますが、從來は整備計畫の認可の場合、變更したり追加して認可するということはできなかつたわけでありますけれども、今囘は從來と變つて主務大臣が整備計畫を變更して認可したり追加して認可したりすることができるという關係の規定でございます。
 七番ですが、これも技術的のものでありますが、整備計畫の提出がなかつた場合、それで不認可になりましたときには、會社に對しまして期限を指定して、整備計畫をもう一遍出し直してくれということを、何度でも言えるようにいたしました。それでどうしてもきかないような場合には、解散を命ずるということにいたしました。それから新舊勘定合併申請というのも、同じような方法をとりまして、もし出さない場合には何度でも出してくれと言えるようにし、どうしても出さなければ解散を命ずるということにいたしました。從來この規定が多少まちまちになつておりましたのを、整理をいたしたわけであります。
 八番では御存じのように整備計畫に基きまして、たとえば會社が財産をいろいろ處分をいたしてまいりました場合に、整備計畫では、たとえば一萬圓に賣れるというふうにして出しましたものが一萬五千圓に賣れた場合には、五千圓の利益が出るわけでございます。その利益は、從來の規定によりますと棒引にされた。債權者等に返してやる。借勘定に入れておいて返してやり、なお餘りがあると、會社の積立金になつて整理をしておりましたのを、今囘はそれを改めまして、株主がもし特別損失等のために、減資等で損を受けておりましたならば、株主にも返してやれる。こういう規定でございます。つまり整備計畫できめた數字よりも高く賣れた場合には、その高く賣れた差益を、從來は借勘定に入れておきました。それを債權者の借入金を、たとえば百萬圓の借入金を七十萬圓に切つたという場合に、債權者に三十萬圓の損を及ぼしたから、その三十萬圓を返してやつて、あとは會社に積み立てておいたものを、今度は株主が損を受けたら、株主にも返してやるという規定でございます。
 九番、十番、これは割合に實質的な規定でございます。整備計畫に書きましたことを認可を受けますと、九番、十番同じでございますが、これは第三者をも拘束する。株主、第二會社の發起人その他を拘束する。こういうことになつたわけでございます。ただいまは拘束力がございません。たとえばある會社がある銀行から千萬圓の金を七分なら七分の利子で借りておる。その千萬圓を、今度は二分にかえて、だんだんに償還したいという計畫を整備計畫に立てますと、それは債權者をも拘束するというのが九番、十番の規定でございます。
 十一番でございますが、これも割合に實質的な規定でございまして、たとえば一億圓の會社があつたとして、一億圓の會社が三千萬圓の第二會社を新設したという場合には、一億圓の會社は一應三千萬圓の第二會社の株を全部もつておるわけで、そこで一億圓の會社の方を三千萬圓減資をいたしまして、そのかわりに株主に第二會社の株式をわけてやるという方法でやつたら、整理が早くいくのではないか。その一億圓の會社が三千萬圓の第二會社を建てて、その現物出資した株を市場に賣りさばくということは、なかなか時間がかかるものですから、一億圓の會社から三千萬圓の會社が生れ出た場合は、一億圓の會社が三千萬圓の減資をした分だけ、一億圓の會社の株主へ新しい第二會社の株をわけてやる。そういうふうにしたら話が早くいくのじやないかとしたのが、十一番の規定でございます。
 十二番の規定は御承知のように今度の獨占禁止法の規定によりまして、個人は株がもてますが、會社は原則として株をもつことはできないことになつております。たとえばある甲という會社が乙という特別經理會社の株をもつておつて、乙の特別經理會社が増資するという場合は、從來は株主ですから増資の株は甲という會社に割當てられてまいつたのでありますが、獨占禁止法の規定で會社は株をもつてはならないということになるから、引受けることができないわけであります。しかるに内容のよい會社の増資新株の割當權というものを放棄するということは、會社にとつて損でございますので、プレミアムつきで發行いたします場合には、そのプレミアムの額を請求ができ、そうして新株の引受權というものを讓渡しまして、その利益に均霑できる。つまり會社は株式をもつことができないという規定がありますために、いかなるよい會社の増資新株でも、引受けられないという状態にありますから、その含む利益を何とか享受させなければ不當である。こういうことでつくつた規定であります。
 十三はこれも技術的のものでありますが、工場財團をつくります際に、しばらくの間は一括表示ができるというふうにいたしました。
 十四はこれも技術的のことでありまして、重役の選任、解任等は整備計畫にその氏名を定めれば、いわゆる商法の總會は要らないということであります。
 十五は昨年と今年と最近において、閣議決定をいたしました事項を法律化いたしたのでありますが、第二會社を建てました際に、一體退職金をどうしたらよいかということを十五に書いてあります。その原則は第二會社を建てますと、退職金はそつちの第二會社に移つていく人については、退職金は支拂わないというのが原則でありまして、ただほんとうに退職した人で第二會社人もいかない人だけに退職金を支拂う。こういうのが大體の骨子であります。その代りに退職金を支拂わないで引繼ぎます際には、前におりました期間は新しい會社で在職年數とみなす。それから十五の(三)にありますように、退職金を支拂わないで第二會社人を引繼ぐのでありますから、ある程度の資産をもつていかなければならぬということで、ある程度の積立金を第二會社へ引繼いでいく。そうしてそのもつていつた積立金は、退職金等の支拂いの目的でなければ使えない。また税金の關係でもそういうふうにしてもつていつた積立金には税はかけない。こういうふうな考え方であります。
 それから十六番でございますが、これも技術的な問題でありまして、從來商法では、社債の發行は拂込資本金の額を超えられないことになつておりましたのを、舊債權の履行として社債に振替えられるような場合には、それらの限度にかかわらず發行ができることにいたしたわけであります。
 十七はこれもはなはだ技術的な規定でありまして、御説明を要しないようなものであります。
 十八番におきましては特別經理會社の整備計畫の認可は從來受けつぱなしでありましたものを、實施状況は一體どうなつておるかということを、主務大臣に報告してもらうような規定にいたしました。
 十九番におきましては特別管理人というのがありまして、整備計畫を立てますものはいろいろ資産の處分とか何とか、特別管理人の承認が要るのでありますが、實行の段階になりますと、從來何も權限がございませんでしたのを、今囘は重要な舊債權者の利益に關係するようなことはみな特別管理人が監督ができる、報告をとることができるということにいたしました。
 二十番は、これは公正取引委員會に對して獨占禁止法との關係を明確にいたしたものでございます。
 第二の會社經理應急措置法の改正、これはまたおそろしく技術的のことでありますが、ごく簡單に申し上げますと、經理會社というのは、御存じのように新勘定、舊勘定わけております。新勘定に物權を移しますと、工場とか、そういうものを移しますと、擔保權が消えてなくなつてしまうのであります。それを整備が終つて新舊勘定を合併いたしますと、また復活してくる。しかしながら新勘定に移つている間に新しい擔保がくつついた場合とか、新勘定に移りました場合に、第二會社に賣つたような場合には擔保が消えてしまう。その代りに擔保權者の債權額に相當する金を供託しろという規定があつたのでありますが、この規定はほとんど實效がございませんので、その點をかえまして、擔保權はなるべく消えないようにいたしまして、新舊勘定が合併いたしましたときに復活をする。しかし復活をするには、第二順位で復活をしていくというようなことの擔保の效力の規定の整理でございます。
 第三は有價證券の處分の調整等に關する法律の改正、これは昨年の十一月の議會かで御審議を願いまして、要するに非常にたくさん處分すべき株式がある、たとえば財閥系統の會社の株式、財産税ではいつた株式、閉鎖機關の株式とかいうふうな、日本の株式總額の中の過半數ぐらいを今度はいろいろ民主化しなければならないというために、有價證券の處分の調整等に關する法律というのができたのでありますが、その法律のごく一部分を改正いたしまして、第一はさつき、會社が株をもてないけれども、増資新株の含み利益を享受いたさせますために、新株の引受權を他に賣つて利益を受けることができるということを申し上げましたが、その引受權を賣るには證券處理調整協議會に委託することができることにいたしたのが第一であります。
 第二は、證券處理調整協議會が株の圓滑公正な處理をいたしますためには、その株を發行している會社の經理とか、業務の内容を聽くことができることにいたしたわけであります。
 もう一つの企業再建整備法の一部を改正する法律案と申しますのは、これは昨日も申し上げましたように、再建整備法の整備計畫に書いたことはほかの法律の許可は要らないとなつているのでありますが、臨時石炭鑛業管理法は重大な法律でありますので、企業再建整備法の整備計畫に一旦書いたことでも、もう一度臨時石炭鑛業管理法の許可が要るというためにこしらえた法律でございます。
 簡單でございますが、いろいろ雜多な改正を含んでありますので、一應御説明を申し上げました。
#4
○吉川委員長代理 質疑は次會に讓りまして、本日はこれにて散會いたします。
   午前十一時五十四分散會
ソース: 国立国会図書館
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