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1947/12/05 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第47号
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1947/12/05 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第47号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第47号
昭和二十二年十二月五日(金曜日)
    午前十一時十分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
   理事 梅林 時雄君 理事 塚田十一郎君
   理事 吉川 久衛君
      川合 彰武君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      林  大作君    松尾 トシ君
      中曽根康弘君    松田 正一君
      泉山 三六君    島村 一郎君
      苫米地英俊君    宮幡  靖君
      井出一太郎君    内藤 友明君
      石原  登君
 出席政府委員
        總理廳事務官  渡邊喜久造君
        復員事務官   遠藤 武勝君
        外務事務官   山田 久就君
        大藏事務官   伊原  隆君
        大藏事務官   石原 周夫君
 委員外の出席者
        大藏事務官   酒井 俊彦君
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
十二月二日
 酒粕配給割當その他に關する請願(松本眞一君
 紹介)(第一二八八號)
 同(伊瀬幸太郎君紹介)(第一二八九號)
 在外私有財産國家補償等の請願(根本龍太郎君
 紹介)(第一二九一號)
 引揚者の九州海運局寄託預金の支拂又は貸付の
 請願(根本龍太郎君紹介)(第一二九七號)
 引揚者に官有地等拂下その他に關する請願(根
 本龍太郎君紹介)(第一三〇〇號)
 引揚者更生金庫創設の請願(根本龍太郎君紹
 介)(第一三〇二號)
 美術展覧會十割入場税撤廢の請願(鈴木里一郎
 君外二名紹介)(第一三〇九號)
の審査を本委員會に付託された。
十二月四日
 國縣税の委讓竝びに地方配付税増額に關する陳
 情書(島根縣出雲市長森山繁樹外九名)(第六
 三一號)
 自給製鹽業者の整理に關する陳情書(九州各縣
 議會正副議長會幹事福岡縣議會議長稻員稔)(
 第六三七號)
 冬季石炭手當支給促進に關する陳情書(全逓從
 業員組合旭川鐵道郵便局支部)(第六五九號)
 非戰災者特別税免税に關する陳情書(北海道留
 萌市遺族會禮受地區佐藤八五郎外五百八十六
 名)(第六六〇號)
 勤勞所得税改正促進に關する陳情書(福岡縣議
 會議長稻員稔)(第六六四號)
 非戰災家屋税に關する陳情書(廣島市廣瀬北町
 團スエ)(第六七〇號)
 甲種勤勞所得税撤廢に關する陳情書(福岡縣粕
 屋郡宇美町三菱勝田炭坑勞働組合長大石嘉作)
 (第六七一號)
 絹人絹織物の消費税改訂に關する陳情書(全國
 絹人絹織物工業者大會)(第七〇四號)
 絹人絹織物業の金融難打開に關する陳情書(全
 國絹人絹織物工業者大會)(第七〇五號)
 絹人絹織物の價格改訂に關する陳情書(全國絹
 人絹織物工業者大會)(第七〇六號)
 非戰災者特別税免税に關する陳情書(福島縣全
 會津遺族連合會代表高坂冠山外四十四名)(第
 七一一號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 政府に對する不正手段による支拂請求の防止等
 に關する法律案(内閣提出)(第九八號)
 財閥同族支配力排除法案(内閣提出)(第一一
 四號)
 會社利益配當等臨時措置法案(内閣提出)(第
 一三〇號)
 未復員者給與法案(内閣提出)(第一三七號)
    ―――――――――――――
#2
○早稻田委員長代理 これより會議を開きます。
 政府に對する不正手段による支拂請求の防止等に關する法律案、財閥同族支配力排除法案、未復員者給與法案、會社利益配當等臨時措置法案、以上四案を一括議題にいたします。質疑を續行いたします。川合委員。
#3
○川合委員 會社利益の配當等臨時措置法に關して質問を申し上げます。この法案が實施された曉においては、どの程度の會社が配當制限の緩和をされるか、それを承りたいと思います。
#4
○伊原政府委員 御説明申し上げます。結論から申し上げますと、大體千八百程度の會社が、この法案の成立によりまして、配當を緩和せられることになると思います。少し詳しく申し上げますと、戰時補償、それから戰爭保險、在外資産を有します會社につきましては、ただいまポツダム勅令で、會社配當等禁止制限令というものが出ておりまして、それによりまして、それらの補償關係をもつておる會社、在外資産をもつておる會社につきましては、五分以上の配當をすることができないというポツダム勅令が出ております。今囘この會社利益配當等臨時措置法が施行になりますと、その會社配當等禁止制限令というものが廢止に相なりますので、それらの廢止の影響によりまして、約千八百の會社は、五分の配當の制限から免れるということになるのでありますが、それらの會社は、結局は戰時補償、在外資産をもつておりましたけれども、それがきわめて輕微でありまして、積立金等によりまして、その損失が消えましたために、特別經理會社から除外をせられた會社でございます。大體の業種から申しますと、鐵道とか、百貨店とかいうふうなものが多くなつております。
#5
○川合委員 この機會に關連してお尋ねするのですが、證券の民主化というような見地から、最近の株式界が非常に振わない情勢にあるわけでありますが、大藏當局は、これらに對して、株式界の振興というような方針について、どういうような手をお打ちになつておるか、ごく簡單でよろしいから、お伺いしたいと思います。
#6
○伊原政府委員 お答え申し上げます。今囘の配當制限の緩和に關しまする法律案につきましても、ただいまお示しのように、證券の民主化ということが、きわめて大切でありまするために提案に相なりましたわけであります。最近の株式が非常に不振であるということにつきましては、證券の民主化ということに對しましても、いい影響を與えませんので、いろいろ手を打たなければならぬと考えておるわけでありますが、證券の民主化と關連いたしまして、關係方面におきましても、非常にそれを重大視しまして、まず第一に、御質問と多少違うかもしれませんが、大勢の人が何とかして株式を買うようにしなければいけない。それには皆が株式というものに理解をもたなければならない。從つて官民をあげまして、證券の民主化運動というようなものを、この十二月には實施をすることになつておるわけであります。それから教育といいますか、そういうふうな普及宣傳ということだけでは、なかなかうまくまいりませんので、その會社の實體をよくするということが、株式をよくすることでありますが、これは何分にも企業の再建整備ということが進まなければ、なかなか實際の問題についてはむずかしく相なりますので、少くとも流通面において何とかしなければならないということで、株式金融の問題等につきましても考えております。なお今囘の證券取引法の施行につきましても、目下至急調査を進めておるようなわけでございます。外資の導入、證券の民主化という點から考えましても、何とかして證券界が活發に動きますように配慮しなければならない問題である、こう考えておるわけであります。
#7
○川合委員 この法案の目的の一つとして、外資の導入ということが含まれておるということは、はなはだ時宜に適すると思うのでありますが、問題は、しかしながら、民族資本が第三國人によつて非常に制約を受けるということは、われわれとして考えねばならぬ點と思うのであります。われわれは一つの杞憂として、第三國人によるところの株式を通じて日本の産業の支配というようなことがもたれるのでありますが、こういうことに關しては、先だつてもお話があつたのでありますが、より一層この機會に當局の御方針をお聽かせ願えれば結構と思います。
#8
○伊原政府委員 私から御答辯申し上げますのが適當かどうか存じませんが、證券の民主化ということにつきましては、御存じのように、できるだけ廣く國民一般に證券をもつてもらうということが目的でございまして、廣くこれを分散するということで、一箇所に固まつてこれをもたれるということは、なるべく避けなければならないという方針で進んでおります。今囘日本の株式の大部分が、たとえば財産税で徴收された株式とか、財閥關係で持株整理委員會にはいりました株式、閉鎖機關關係の株式といつたようなものが、證券處理調整協議會というようなものの手を通じまして分散せられることに相なつておるのでありますが、この證券處理調整協議會の株式分散の方針といたしましては、あくまでも廣く國民がもつ、殊にその會社の從業員にもつてもらう。それから會社と非常に縁故關係のございますたとえば田舎に工場があるというふうな場合におきましては、工場のまわりの住民にもつてもらつて親しみをつける。それから廣く一般大衆に公開するというふうな順序をとつており、かつ從業員等がもちます場合には、できるだけこれに對して金融その他の助成の方法を講ずるというような考えのもとに、そういう方針のもとにやつておりますので、ある特定の人がある會社の株を獨占するというようなことは、この方針から考えまして、望ましくないことであります。ただ御存じのように、國籍によりましてこの株式の取得を區別するということは、日本の政府の方針といたしまして、絶對にいたさないということに相なつておるのでありますが、ただいま申し上げましたように、廣くみんなに分散するという方針で株式の處理をいたしておるということを御了承願いたいと思います。
#9
○川合委員 この法案は、先ほど御説明があつたように、ポツ勅を廢止して、そうして配當制限を緩和するというような配當制限緩和を除いて、他は技術的な面が多いと思うのでありますが、この技術的な面から考えた場合におきまして、第四條以下に經濟力集中排除法云々というようなものが數箇所にあるわけでありますが、現在經濟力集中排除法案は、衆議院は議決されまして、參議院において審議中でありまして、同法案の前途は、必ずしも樂觀を許さないような状態にあるようにわれわれは推測するのであります。もし經濟力集中排除法案の審議の前途についていろいろな懸念があるとした場合、結論を申しますならば、もし參議院において同法案が議決されなかつた場合には、この會社利益配當等臨時措置法案の第四條にある「經濟力集中排除法第三條」云々というような條文はどういうふうに整理されるか、これをお尋ねしておきます。
    〔速記中止〕
#10
○川合委員 ただいまの政府委員の御答辯によつて、われわれはこれを適當に善處したいと考えます。私に關する限り、會社利益配當等臨時措置法案の質疑を終りまして、次に財閥同族支配力排除法案について質疑を行いたいと思います。
 この法案と、われわれがかつて審議して議決した經濟力集中排除法案とを比較してみた場合に、ことの性質にはよりますけれども、今囘の財閥同族支配力排除法案の方が何となく手ぬかりがあるのではないかというような氣がするわけであります。たとえて申しますならば、本法案の第二條二項の末項において「但し、(イ)及び(ロ)に關し事實上財閥に支配されたものでないとみなされるものについては指定に當りこれを除外するものとする。」となつておりますが、財閥に支配されたものでないとみなす、みなさぬは、だれがこれを行うのであるか。それからまた指定された場合における反證規定に缺くる點があるように思うのでありますが、これらに對して政府はどういうお考えでこれを立案したか承りたいのであります。
    〔速記中止〕
#11
○川合委員 速記を始めてください。ただいまの御説明にありましたように、われわれとしましては、この反證を提示し、再審査を申請するという機會が失われておるという點に、非常に本法案の立案上における缺點があるというように思われますので、いずれこの問題は各黨の方々とも相談しまして、何らかの形でそういうような意思を、この法案の中に盛りこみたい、かように考えておるわけでございます。はなはだ技術的な問題になるわけでありますが、たとえば第七條の一、二とありますが、その第二號に、「當該役員の職に就任するために豫め當該財閥又は當該財閥の財閥直系會社の承認を必要とする旨の取極のなかつたこと又は取極のない場合においてその承認を受けていなかつたこと」というような、反證規定の中の小さな問題でこういうことがあるのでありますが、こういうようなものは、實際の場合においてどういうように扱われておつたかということを明らかにしていただく資料があれば幸いであります。
#12
○山田政府委員 ただいまの御質問の點でございますが、承認を必要とする旨の取極めという點につきましては、これは必ずしも會社によつて一律ではございません。一つはこういう取極めをもつておらないものもあるし、またはつきりこういう取極めの實際存しておつたものがあるわけであります。またその取極めの内容につきましても、たとえば承認を必要とするというような取極めのかつこうになつておるものもありますし、それから本社の推薦によらなければいけないというような取極めの内容になつておるものもあるわけでございます。また取極めがございましても、中には實際の運用方法としては、ごく主要な一部については、その取極めによつて事實承認を行つていたけれども、その他のものについては、特に本社の承認というようなことが行われないで、いわばその點については委任というような形で行われておつたものも少くないようでございます。またこの取極めのない場合においての承認という問題につきましても、實際の問題としては、大きな株主である關係上、一應大株主には了解をつけるというか、あるいは敬意を表するというか、實際承認を求めておつたような事例もありますし、あるいは單に報告程度のことをやつておつたものもございます。中にはそういうこともやつておらなかつたというような種類のものもございます。多少前の取極めのあつた場合に還るようでございますが、この取極めの場合もはつきりした承認という形でいつておつた場合と、實際報告というような形でいつておつたものもあるのであります。内容は非常に區區としておりまして、實際この適當な證據書類、資料等について、個々に判定を下す必要がある場合が多くあると推察されるのであります。
#13
○川合委員 次にお尋ねしたい點は、第二條の第三項に「前項の財閥會社は、内閣總理大臣が各會社の沿革、事業の規模、各財閥の經濟的支配の程度等についての差異に基く區分により、財閥直系會社、財閥準直系會社又は財閥傍系會社」こういうふうに區分されておりますが、これはわれわれは概念的には想像がつくわけでありますが、この條文からいきますと、非常に概念的で判定に苦しむわけであります。もしできるならば例をあげて、この區分についてお示し願えれば幸いであると存じます。
#14
○山田政府委員 ただいま御指摘になられました點につきましては、御指摘のように、多少あいまいというような感じがないではないのでございます。しかしながら、直系、準直系あるいは傍系というような關係につきまして、一定の明確な基準をきめまして、はつきりできればやりたいという考え方で研究いたしてみたのでありますけれども、はつきりした表現をもつて選定基準というものを示すのが、いろいろ關係が複雜でございまして、困難なような状況なのであります。ただたとえば三井、三菱、住友等につきましては、大體表現方法は違いますけれども、それぞれ内規によりまして、財閥との關係、沿革それから事業の規模、それから支配程度というもので、一つの系統をそれぞれもつておるような状況でございます。こういうものを參酌いたしまして、結局財閥のいわゆる直系會社、それから純碎な直系會社ではないけれども、大體その規模あるいは經濟支配力というような點から見て、直系會社と同等に扱われることが適當であるというようなものを加えまして、これが財閥直系會社というものに加えられておるわけであります。その他のものにつきましては、財閥準直系會社、その他財閥傍系會社と申しますものは、形式的な規模としてはあまり大きくはないけれども、實際有力な寄與をした、第二條の二項の(ハ)というところに掲げてございますような種類のものを、先般發表いたしました趣意といたしまして、これを財閥傍系會社というものとして掲げるようになつておる次第であります。
#15
○川合委員 第四章の財閥關係役員審査委員會、あるいはまたそれと同時に第五章の訴願に關する財閥關係役員再審査委員會、これにつては、簡單に財閥關係役員審査委員會は、この十七條に「委員長は、委員において互選する。委員及び臨時委員は、内閣においてこれを命ずる。」再審査委員會も同樣の規定のようになつておるのであります。この點において、主管大臣は内閣經理大臣となつておるけれども、實際上その中心になるべき人は、あらかじめだれか豫定されておるか、また委員の人選とか、そういうふうなものは、たとえば全部官吏がやるのであるか、あるいはまた官吏外から求めるのであるか、そういうような構成の構想について、お尋ねいたします。
#16
○山田政府委員 ただいまお尋ねの點につきましては、本政府委員といたしましては、まだ内閣の御意向をはつきり伺つておらないのであります。ただ一應の考えといたしまして、委員の選定の問題でございますが、大體財界方面に明るい民間の財界人、あるいは學者その他の民間學識經驗者をもつてこれにあてたいという考えで、人選を考えられておられるように伺つております。
#17
○宮幡委員 會社利益配當等臨時措置法案につきましては、實は大藏大臣にお伺いしたいのでありますが、本日御出席がありませんので、便宜政府委員にお尋ねいたしますが、會社利益配當等臨時措置法案なるものを拜見いたしますと、これは自由企業へ一歩近づいた法案であることに對しましては、一應の敬意を表するものでありますけれども、この内容を拜見いたしますると、この單行法をきめる必要はないように考えられておりますが、殊に配當というものについて、特定會社が配當ができないということは、この法律に定めるまでもなく會社等經理應急措置法でありますか、この規定によつて特定會社は利益處分を禁止されております。社外に流用すべき利益の處分というものはないわけであります。從つて配當はできないことは自明の理であります。そのほか繰越缺損金を補填しなければ配當ができないとか、あるいは社債とか、あるいは増資株式の發行の場合の最近の配當に繰入れてはならぬということは、現行商法の規定において、すでに十分おおわれているのであります。これをあえてこの中に織りこまなければならぬということは、事實上理解に苦しむのであります。單に配當等制限令の廢止をいたしましたのみで、いささかも差支えないように考えております。ただ第三條の第二項におきまして、支拂期日の到來した金錢債務を拂つた後でなければ配當してはいけない。この項目だけが新しいものであります。それは年度末において辯濟期が來ている。かようなことは、手形債務の借入れにいたしましても、度々あることでありまして、しかもその企業が存續性があり、收益性があり、信用性をもつております以上、手形は慣習によつて切りかえられております。その年度末決算において到來しましたものが、翌日ただちに切りかえられました場合は、いささか配當いたしましても差支えない條件となるのでありますが、何かこの第三條第二項は、その筋のデイレクトでもありましたのか、ちよつと無理な感じもいたします。この條項を除いては、その他は現行の商法において、また特經會社に對しまする基本法におきまして、いささかも差支えない。これは屋上屋をなすようなもので、かえつて自由企業制度の發達を妨げるもののように考えられますが、御當局はいかにお考えでございますか。
#18
○伊原政府委員 お答え申し上げます。まず第一にお示しの通り、特別經理會社等につきましては、現在におきましても、ある段階までは配當をなし得ないという規定がございますが、まず第四條について申し上げますると、現在におきまして、特別經理會社は、會社經理應急措置法によりまして、新舊勘定併合の日までは、配當をし得ないという規定に相なつております。しかるにこの法令は御存じのように、整理の實行完了までは、配當をし得ないというふうに相なつておりますので、前の法律ではできないというわけになつております。
 それから今の法律でできます點は、御存じのように書いてありませんので、たとえば制限會社については配當が許可制になつておるのでありますが、これには制限會社令で目的を達しまするので、第四條にはいつておりませんのが一つ。それから金融機關につきましては、整備の完了をいたしまするまで配當ができないのでありますが、それは金融機關再建整備法の規定で十分でございまするので、あげてございません。ここにあげてございます企業再建整備法の特別經理會社につきましては、お示しの通り、新舊勘定併合の日までは、現行の法令で配當ができないようになつておるのでありますが、それを第二會社の設立が全部終りました場合には、新舊勘定併合いたしまして、今の規定では配當し得ることになつております。それを實行の完了までは配當がし得ないというふうに、金融權關、それから集中力排除の指定を受けた會社、特經會社、みんなリオルガニゼーシヨンが終るまでは、一應配當できない。但し大藏大臣の許可を受けた場合には配當し得る、こういうふうな規定にいたしましたので、第四條は重複いたすことがないわけでございます。それから商法との關係でございますが、これもお示しの通り、たとえばプレミアム――今のお話のような部分は、たとえば一定限度に達しますまで、商法の二百八十八條等で配當に充てられないで、準備金に積立てる規定もございますけれども、それを超えましたような場合には、自由になつておりまするので、規定をいたしたわけで、商法との重複もないものと存じております。それから第三條の規定は、支拂期日の到來した金錢債務を支拂わなければならないという點につきましては、これは支拂期日が到來して遲滯に陷つた債務がある場合には、と、こういう意味に御解釋を願いたいと思います。全般につきまして、お手許に差上げましたメモランダム――勅令第AG三八六號、勅令二四三號配當支拂禁止制限令廢止許可というメモランダムを差上げてございますが、これに規定がございますので、たとえばただいまお示しのこの再建整備が終るまでは配當してはならないというふうな規定は、三のCというふうなところにリオルガニゼーシヨンを要求されておる場合には、リオルガニゼーシヨンが完了するか、または連合國最高司令部の事前許可が得られてから配當の公告または支拂をなすこととございまするので、第四條を置きましたわけでございます。それから今お示しの第三條第三項Eのところに配當を支拂う會社は期限到來濟みの負債を有していないものでなければならない、これを法制化いたしましたわけでございます。
#19
○宮幡委員 ただいまの政府委員の御説明によりまして、この法案をつくりました趣旨はよくわかつております。それにいたしましても、この二條の第一項一號の當該事業年度の總損金及び前事業年度から繰越した損金、こういうものを補填しなければ配當ができないというような文句は、これは立法上の技術かもしれませんが、明らかに現行法制と重複しております。のみならず、當該事業年度の法人税も、やはり引當としなければいかぬということは、すでに他の法制では明らかでありますが、なるべく法律というものは、簡明にこれに服すべき一般國民に示すべきでありまして、何かここに列擧いたしまするというと、この適用解釋についていろいろな疑義を生じております。ただいま政府委員の御説明の特經會社が新舊合併に至るまでの間配當を抑止せられておりますが、今度はその整備計畫の實行まで配當を止めるのだ、かような點は、はつきりとこの法律の上に書いてもよいのでありますが、その他の點につきましては、なるべく重複な條文を御整理願うことを希望してやまないものであります。殊にこの特經會社に對しまする問題は、根本法から改正に次ぐに改正、あるいは補正に次ぐに補正をもつてしておりまして、おそらくこの法律の適用について適正なる解釋をいたしておる業者は少いのであります。またかような他の法律から押されました一つの規定ができるということは、いたずらにこの特經會社の處理を煩雜ならしめ、苦しめるのみでありまして、第四條のごときは、よろしくこれは企業再建整備法なり、金融機關再建整備法なりの改正といたしまして、これを立法した方がよろしくはないかと、かように考えております。大體がこの法律というものは、連合軍の覺書にもあります通り、わが民間事業を、いわゆる自由企業制度へ近づかしめる、かようなことが主體のように考えておりますので、それでこれをむずかしく縛つていくということを除外とせられまして、もう少しこの條文の整理を當局において自發的になすつていただいた方がよくはないか、かように考えております。殊に企業再建整備法については、政府委員はその專任御擔當者でありまするが、いかにもこれが煩雜であり複雜でありまして、未だ資本金百萬圓未滿の特損を補填できまする小さい會社の新舊合併の認可さえ、一つも與えられてない現状であります。おそらく現在の實際的事務進捗の面から見まするというと、年度内におきまして、資本金百萬圓未滿の會社で、特損を補填し得るものが、新舊合併の認可が得られるかどうか、はなはだ疑問であります。かようなところへ、またかようなものをもつてまいりますことは、日本の企業再建をいやが上にも遲れしむる根本になると思いますので、何とぞこの點深く御留意を願いまして、もう少しこの法案の全部にわたりまして、自發的に御整理を願いたいと考えております。お考えはいかがでございましようか。
#20
○伊原政府委員 ただいまお示しの通り、企業再建整備法、會社經理應急措置法につきましては、改正に次ぐに改正をもつていたしまして、非常にむずかしい法令になりましたことは、はなはだ申しわけない次第でございます。ただ内容がこの計算、つまり補償によつて起りました損失を、どういうふうにして處理するかというふうな計算に關することでございまするので、計算のことを法律に書きますると、なかなかああいうふうなごたごたしたものになります點はお許しを願いたいと思うのであります。それにいたしましても、なかなか民間の會社の方としまして、あの法令を全部理解なさるのはむずかしい状態でございまするので、關係各省ともその點は心配いたしまして、各地方廳、地方の部局を通じ、また日本銀行等を通じまして、これの周知徹底につきましては遺憾のないように努めておる次第であります。なお今囘のただいま御審議願つております法令につきましては、繰返して申し上げますように、メモランダムでまいりましたものを法制化いたしました點において、いろいろ詳しすぎるというふうな御指摘があるかと思いますが、配當に關します法制としてこれを見ればわかるというふうな點に力をおきましたために、會社經理應急措置法とか、企業再建整備法の方に引つ張りませんで、この配當はこれを見ればわかるというふうに實はいたしたようなことに相なつたわけでございます。從來でありましたならば、法律でなく政令で規定をできます點をも、大體の方針としまして、みんな法律でやるということにも最近相なつておりまするので、法律としてはごらんになりにくい點があるかとも思いまするが、その邊御了承願いたいと思います。
#21
○宮幡委員 政府委員の御懇切なる説明によりまして、この法案の作成されました趣旨は了解いたしました。その點に關連いたしまして考えてまいりますと、この法案なるものは、日本の企業が再建の軌道に乘つたというような場合には、當然不必要と考えられるものでありますが、公布の日から施行いたしまして、いつ失效するという規定はないのでありますが、大要かような制限をいたしてまいります當局のお見込について、御所見を伺いたいと思います。
#22
○伊原政府委員 ただいまのお話のように、この法令は題目にも會社利益配當等臨時措置法とございますように、臨時のものと心得ておりますが、現在の經濟状態、會社の整備等が終り、第二會社がスタートいたしまして、正常の状態になりました曉には、こういう規定も不必要になると思いますが、その時期がいつであるかということにつきましては、私どもにもちよつとはかりかねている状態でございます。
#23
○佐藤(觀)委員 同族會社のことでお伺いしたいのですが、この法案が通つた場合、日本の經濟人にどういう影響がありますか。
#24
○山田政府委員 ただいまお尋ねの件でございますが、具體的にこれによつてどのくらいの人數の人が影響を受けるかという點は、的確に見透しがついておりません。と申しますのは、この法案自身につきましても、いろいろ推移を見てまいりましたので、現存のような形において、どのくらいの影響があるかということは、今せつかく見込みをつけるべく努力中でございます。ただある種のものにつきましては、今年の一月四日の經濟關係の追放令と重つている部分も少くないのではないかと思います。むろん本件は追放令とはその趣旨を異にしているものでございますが、ただ追放令の場合は、その公職として指定されている會社というものが、比較的大きな會社だけに限られておりますが、今般はこれが多少下に繰下げられておるというような關係で、兩者の關係は、ずれが大きくきておりますので、ちよつと的確な見透しは、今日つかない次第であります。
#25
○佐藤(觀)委員 未復員の留守宅渡しの問題でありますが、今將官の人は俸給はそのままになつておりますが、どのくらいの人數があるのですか。もう一つは、戰爭に敗けてから大將とか中將という職はなくなつておるわけですが、俸給だけは當てられているというのは、何か意味があるのですか。
#26
○遠藤(武)政府委員 數は調べましてあとで申し上げます。本年五月三日新憲法の施行とともに、陸海軍というものが法制上なくなりまして、そのときポ勅政令五十三號によりまして、從來陸海軍に屬しておつた者は、現地にあつて復員に從事する公務員とみなして取扱い、その給與は從前の例によるという政令が出ております。それによつて現在やつております。
#27
○宮幡委員 それに關連して未復員者給與法についてお尋ねしたいと思います。ちよつと速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#28
○塚田委員 會社利益配當等臨時措置法案について伺います。第二條の末項に「會社は、配當引當金のうち、當該事業年度において配當に充らなかつた金額を、配當引當積立金として積み立てることができる。」とありますが、これはどういう場合を考えておられるか、御説明願いたい。
#29
○伊原政府委員 ただいまの第二條の末項の問題でございますが、この法令の趣旨といたしまして、ある事業年度の經濟活動によつて生れた益金は、配當に使つていいというのが、一貫した思想になつております。從いまして、それ以外の、たとえばここらにたくさん竝べてあります合併差益、そういうものを配當に充てては困る、こういう思想があるのでありますが、そうすると、ある事業年度におきまして、事業の經常的な利益から出ました經常的の利益を配當に一部分使つて、あと殘つておるというふうな場合におきましては、次の事業年度の配當に使えるわけであります。ところが、それをある程度區分經理しておきませんと、次の事業年度の繰越金になりましたときに、他の合併差益とか何とかにまじつてしまうといけないので、今後配當し得る財源として區分しておく、こういう意味でございます。そういうようなものは、今後の事業年度においても、積立金を崩して配當に充てられるというわけでございまして、名前を引當金というふうな名前でおけというわけではありませんで、名前はどういうふうな名前に變つても結構でありますが、要するにある事業年度の經常的の利益金の殘りであるということがわかつておりますと、その先々に行つて配當に使える、こういう趣旨でございます。
#30
○塚田委員 そういたしますと、これは配當引當金というのは、配當引當金という特殊のものではなしに、要するに當該年度の利益のうちこれで配當できる部分をとり、そのほか税に引當てる部分などをとつて、結局配當すればしてもよいが、この規定でできない部分という意味でありますか。
#31
○伊原政府委員 おつしやる通りでございまして、配當引當金というふうな名前は勝手に使つたのであります。第二條の初めの方に括弧して「以下配當引當金という。」というふうに言つてあります。おつしやる通り、配當し得ればその事業年度に使い得た金のうち殘つたもの、こういう意味であります。
#32
○塚田委員 次に第三條の借入金をして配當をしてはならないという規定と、それに關連した第七條の一項二號の罰則規定でありますが、借入金をして配當をしてはいけないということはよいと思うのですけれども、それが處罰になるときに、借入金をしたときに、すぐに處罰するほどの必要があるかどうか。これは借入金をして配當をしたときに處罰することがよいのであつて、そこまでいく必要があるのかどうか、ちよつと疑問があるのですが、どうでございましようか。
#33
○伊原政府委員 おつしやる通り、全部に罰則はかかつております。
    〔速記中止〕
#34
○早稻田委員長代理 速記を始めて……。
#35
○塚田委員 次にお尋ねしたいのは、配當をしてはならないということは、要するに決算をして、これだけを配當にまわすという損益計算書をつくつて、それを株主總會にかけてきめることであるか。それともそのきめた結果を現實に株主に拂い渡すという行為そのものを言うのであるか。これは罰則があるから非常に問題になると思うのです。實際に利益があるからしてこれを計算の上で出して、これだけは株主に配當できるんだときめて、その上でそれを現實に履行するのに、借入をしないで、あるいは手持のものを賣つて金を囘收して配當するということになれだ、これはこの法の趣旨からいけば、一向差支えないように思うのです。その邊の點等を考え合わせて配當するということの時期がどこにつかまえられるであろうかということをお伺いをいたしたい。
#36
○伊原政府委員 第三條におきまして配當してはならないということは、配當の支拂をなしてはならないという意味でございます。それから第二條におきまして配當してはならないというのは、こういう趣旨の、一言に言いますと、たこ配的のことをしてはならないということでありまして、配當の決議をしてはならないということであります。
#37
○塚田委員 二條と三條で違いますか。今それに説明の上でたこ配當という言葉もあつたのでありますが、たこ配當はこの決議がなくともしてはならないのはあたりまえのことであります。二條と三條はやはり一連のものじやないでしようか。私には二條も三條も同じもののように思えるし、私の頭からすれば、これは計算の上で出てきて、株主總會の決議をするまでは差支えないので、現實にその決議の履行の上に借入金をしてやるということだけが問題になるのではないかと思うのですが、その邊の御解釋をもう一度聽いてみたいと思います。
#38
○酒井説明員 お答え申し上げます。ただいま理財局長からお答え申し上げました通り、第二條におきましては、こういう計算をして當期の益金以上の配當をしてはならないということは、計算方法でありますから、これは株主總會の決議等のいわゆる利益處分案をきめることを二條は意味しております。第三條にまいりますと、借入金によつて配當してはならないとか、あるいは支拂期日の到來した金錢債務を完濟したあとでなければ配當してはならぬということは、計算の問題でなくて、金繰りとでも申しますか、資金收支の資金の動きの問題でありますので、この第三條の方は、現實に配當金の支拂をするという點をとらえて規定をいたしております。
#39
○宮幡委員 今の配當の問題でありますが、同僚塚田委員からの御質問に關連して申し上げます。先ほどこの法案全體について、法案として何とか再考していただきたいということを申し上げておいたのでありますけれども、その言葉にまだ言い足りなかつたところがあるのであります。要するに、これは會社の經理という面において、動的状態と靜的状態とを混同して立法しておるのであります。事業年度ごとにそこで決算を編成するということは、いわゆる經理の面から言えば、靜的な瞬間をつかまえたものであります。その瞬間に借入金で配當しなければならないものであつたら、他日において今度動的にこの資産負債が動いて配當します現實の時期において借入金からやつた結果になる場合もたくさんあるのであります。そういうふうな決算期、すなわち事業年度末における資産負債の靜的状態を、この法令の二條も三條も七條も律するのであるかどうか。あるいは動的にながめてこれを取締つていくのか。ここにこの法案の非常な矛盾があるのであります。この點は專門家として、政府委員は十分お考えだと思いますが、何か私はこの法案に對して物足りなさを感じておるのでありますが、靜的にこれをやつていくのか、動的に會社の經理を押えていくのか。この點について確たる御方針をお示し願いたい。それで一切のことは解決すると私は考えます。
#40
○伊原政府委員 ただいまのお示しでございますが、お答えとしては、靜的の部分と動的の部分と兩方ございまして、お言葉によりますと、損益計算といいますか、確かにその事業年度の活動による利益でなければならないという考え方が第二條に出ております。これは靜的という言葉で現われると思います。第三條では、そういうふうな利益がありましても、收支決算上借金等で配當をしてはならないという考え方になつておるわけでございます。從いまひて、損益計算的な部面は、その事業年度の活動から出てきた利益から配當してほしいということが第二條で規定され、しかし支拂う場合には借金で拂つてはいけないとか、遲滯に陷つておる債務があるような場合は、その債務を拂つてからでなくてはいけないというような、動的な規定が第三條にはいつておるわけであります。
#41
○宮幡委員 それでは塚田委員から質問のありました決算期においては金がなかつたけれども、實際に決議をして配當する場合には、借入金でなく配當ができた。決算期における状態は借入金をしなければならない状態であつたが、實際配當する場合には、借入金をしなくともよろしい。極端に申せば、固定資産をたたき賣つてでもよろしいが、こういうことで金繰りができた。それは違法でないということになりますか。
#42
○伊原政府委員 結論から申しますと、お示しの通りであります。つまり決算期におきましては、第二條によりまして損益計算をいたすわけでありますが、配當の支拂時期におきましては、第三條によりまして、金を借りてはならない。そのとき金があればいい、こういうことでございます。
#43
○宮幡委員 政府委員の御説明をはつきりと承りまして了解いたしました。
#44
○塚田委員 先ほどの質問に關連して、もう一點お尋ねいたしておきたいのでありますが、第二條と三條の配當という意味の違うということは、やや了承できたように感ずるのでありますが、これを引用した第七條の罰則規定において、第一項の一號で「第二條第一項、第三條又は第四條第一項の規定に違反して配當したとき」というのは、やはりこれはそれぞれの配當を受けて、その配當の時期が――從つて第七條一項一號の配當であつても、三條の規定に反したときは、現實に配當したときであり、それから二條一項の規定に違反したときには、それは株主總會で決議をやつたときということに了解しておかなければならないかどうか、その點を一つお尋ねします。
#45
○伊原政府委員 お示しの通りであります。
#46
○遠藤(武)政府委員 先ほどの數字がわかりましたから申し上げます。これは陸軍だけでございますが、今年の九月の調べで二百二十三名、海軍もあると思いますが、これはわずかだと思います。
#47
○早稻田委員長代理 お諮りいたします。會社利益配當等臨時措置法案竝びに未復員者給與法案の質疑を打切り、討論を省略してただちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○早稻田委員長代理 兩案に對して御賛成の方は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#49
○早稻田委員長代理 起立總員。よつて右兩案は原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
#50
○内藤委員 先般この委員會で委員懇談會でお取上げになりました租税完納運動でありますが、至急これにつきまして決議案を出したいという話合になつたのであります。委員長におかれまして、適當な案文を作成されまして、この委員會にお諮りいただきたいことをお願いする次第であります。
#51
○早稻田委員長代理 ただいま内藤君からの動議である租税完納運動に關する決議案を、委員長において適當に文案をつくつて、この委員會に示せというお説でありますが、さよう取計らいまして異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○早稻田委員長代理 異議ないものと認めまして、さよう取計らいます。
 本日はこれをもつて散會いたします。
   午後零時二十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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