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1960/02/21 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第6号
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1960/02/21 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 社会労働委員会 第6号

#1
第038回国会 社会労働委員会 第6号
昭和三十六年二月二十一日(火曜日)
    午前十一時六分開議
 出席委員
   委員長 山本 猛夫君
   理事 大石 武一君 理事 齋藤 邦吉君
   理事 藤本 捨助君 理事 柳谷清三郎君
   理事 小林  進君 理事 滝井 義高君
   理事 八木 一男君
      井村 重雄君    伊藤宗一郎君
      浦野 幸男君    小沢 辰男君
      藏内 修治君    佐伯 宗義君
      櫻内 義雄君    澁谷 直藏君
      田中 正巳君    中山 マサ君
      福田 繁芳君    松山千惠子君
      淺沼 享子君    島本 虎三君
      田邊  誠君    中村 英男君
      吉村 吉雄君    井堀 繁雄君
      本島百合子君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 石田 博英君
 出席政府委員
        労働基準監督官
        (労働基準局
        長)      大島  靖君
        労働事務官
        (職業安定局
        長)      堀  秀夫君
 委員外の出席者
        労働事務官
        (大臣官房労働
        統計調査部長) 大宮 五郎君
        専  門  員 川井 章知君
    ―――――――――――――
二月十七日
 委員田口長治郎君辞任につき、その補欠として
 加藤常太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十日
 委員稲富稜人君辞任につき、その補欠として井
 堀繁雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月十六日
 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三九号)
同月二十日
 医療金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第五四号)
 精神衛生法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第五五号)
 結核予防法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第五六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○山本委員長 これより会議を開きます。
 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。質疑を許します。島本虎三君。
#3
○島本委員 この際、私は大臣に、大体の失業事業関係についての基本的な考え方と運営について伺いたいと思います。
 まず、最近の経済情勢については、一般に公表されております通りに、総理あたりもよく言っておられまするように、好況であるという反面に、やはり貿易の自由化や産業の合理化または技術革新に伴うところの労働力の需要のアンバランス、こういうようなことによって、一般に好況であるとは言いながらも、失業問題については一そう深刻化してきているのじゃないかと思われる面が露骨に現われてきておる、こういうように思うのでございます。現在の緊急失業対策法、この関係法律ですけれども、これの制定は昭和二十四年の戦後の混乱期に制定されたままの問題であって、当時の情勢としては、それはまことに適確な制定であり、情勢に対応するところの適切な措置でもあった、こういうふうに思いますが、その後現在の情勢とあわせまして、国民経済の異常な復興と申しますか、雇用情勢にいろいろな変化がもたらされているような現状については、大臣も御承知の通りだと思うのであります。こういうような事業の運営の面に付随するいろいろな弊害ともいわれるような悪条件もあることは、われわれとしては最近になってよくこの問題についての認識を新たにしてきたところなんです。そういうようなことからして、事業の主体であるところの市町村、こういうようなところにおきましては、この事業の実施にあたっては、ずいぶんと困難さとそれからいろいろなこれに対しましての過重な財政の負担を余儀なくされているままである。こういうようなことをよくわれわれとしては認識しないといけないと思いますけれども、この現行法の根本的な改正を政府の方としては考えておられるのかどうか、まずこれを伺いたいと思います。
#4
○石田国務大臣 現在実施されております失業対策事業が、実施後十数年たって、その周囲を取り巻く客観情勢というものは非常に変わってきておる。変わってきておるその変わり方の大きな要因は、経済の復興に伴って他の事情が違ってきておるということでございます。私どもは、こういう情勢の中に失業対策事業を取り扱います場合、根本的には、新しくこの失業対策事業の中に入ってくることをこれから避けていきたいということが一つであります。そのために、石炭あるいは貿易の自由化あるいは駐留軍の引き揚げ等によって生じまする失業者の問題の処理につきましては、これは雇用促進事業団を中心といたしまして、労働力の流動性を確保して、そうして雇用は御承知のように大体需給が全体としてはほぼ見合いつつあるわけでありますから・そのアンバランスの是正に努めて、そうしてやはり常用雇用に順次させるということを一つの基本としております。
 第二は、できるだけ定着させないということであります。しかし残念ながら・実情は次第に定着度が強くなってきておるというのが実情でありますので、年令層をどの辺に置くか、別にはっきり区別をする必要はないと思いますが、青年、壮年層までの人々については、職業の再訓練あるいは常用雇用へのあっせんというようなものを通じて、安定した雇用の中に導入していくということを第二の方針にいたしております。
 それから第三の方針は、しかし年令その他の関係からいって、現在直ちにその処理のむずかしい人々に対しましては、私どもはやはりあとう限りの条件の向上をはかっていきたいということであります。その条件の向上のために、御承知のごとく今回は五十二円の、一五・六%の賃金の増加をいたしました。これで決して十分とは思っておりませんが、第三の方針についてはそういう方法をもって参りたい、かように考えておるわけであります。
 地方の負担の問題でありますが、原則的には、やはりある程度地方が現行法程度の負担をするのが当然であり、やむを得ないものだ、こう考えておるわけであります。しかし石炭とかあるいは駐留軍関係の失業の集中的発生によりまして、一方において税収が激減しながら、なお一面において失業対策事業の負担を多く負わなければならぬという部分については、高率補助の方針をとっておることは御承知の通りであります。従って現在のところでは、今申しましたような方法で、漸減あるいは常用雇用への転化をはかっていくというのが基本方針でありまして、種々検討は加えておるのであります。ただ根本的なという意味がどういう程度のことまでおさしになるかわかりませんけれども、いわゆるその都度検討を加えていくということはいたしておりますが、根本的なというところは、今日は考えていないのであります。
#5
○島本委員 大体基本的な考え方をほぼ表明されたようですが、私は、今の考え方だけでこれを実施していく場合には、ことに失対関係の場合では、基本的な問題の解決にならないのじゃないか、そういうようなことがちょっと危惧されるわけです。現に今のような状態でそのまま雇用の促進をはかっていく、また常用雇用の方に転化させていくというような方法をとる、定着させないようにしていく、いろいろ申し述べられておるようですが、もうすでに、そういうような配置を完了するまでの間は、自治体としても、いわゆる中間自治体である都道府県、または完全自治体であるところの市町村においても、こういうような問題については具体的に現在悩んでおる。今のような構想があるなら、具体的にこれをこうするということを示すのでなければ、もうすでにこれは生きた行政として生まれないというようなことが、せっぱ詰まっている問題として現われてきているのじゃないか、私はそういうふうに考えておるわけです。国の方のそういう考え方と呼応して地方自治体の方では、都道府県並びに市町村相互間では、まず責任体制というもの、どちらが失対事業に対する責任を持ってこれに対処しなければならないのだということで現在悩んでおります。こういうような実情が方々に見受けられるのですが、国があくまでもこの問題については責任を持って対処しなければならないし、ただいまの方針を具体的に実施させなければならない、こういうように考えるわけです。そうだとすると、失業対策事業費は全額国庫負担でこれをやるのが正しいということになるのじゃないかと私は思うのですが、今の基本的な考え方を実施させる面において、私の全額国庫負担に踏み切るのが正しいという考え方について、労働大臣の所見を承りたいと思います。
#6
○石田国務大臣 常用雇用への転化をいたします職業の再訓練その他につきましては、本年は金額はわずかでありますが、新しい試みとして予算的に計上いたしております。金額、人数等は、新しい試みでありますから大して大きいものではありません。
 それから失業対策事業を現在行なっておりますものの最終的な責任は国にございます。しかしそれだからというて自分の地域の中で、地域社会として相互扶助という観念を、あるいは地域社会の中の住民の生活の保障という責任の一半は、地方自治体もやはり負わなければならぬものでありまして、そういう意味合いにおいて、現行法程度の地方自治体の負担はやむを得ないものと考えております。ただ先ほども申しましたように集中的に発生して、著しく地方自治体の財政上に大きな影響を与えます場合の措置は、高率補助等の方法をとっておることは御承知の通りであります。
#7
○島本委員 答弁としてはまことに当を得た答弁でありますが、それが完全に行なわれていたら、これは何らトラブルはないものである、私はそういうように思うわけであります。年末、それからおそらくこの春、または期末、あらゆる場合においてこれが制度化が不完全であり、責任の問題では、ある場合には国、ある場合には都道府県、ある場合には市町村、これが明確でないために、どっちの方を取り上げて交渉したらいいのかわからないままに、あらゆる面でこの失対者の人たちは自分らの生活の打開について陳情し、あるいはある場合には闘争を展開しているのが実情じゃないか。私はそういうような場合においては、現在明確に集中されて一つの問題化しておるような件については、これは労働大臣が言ったようにやはり国の方で責任を持って指導するのが正しい。この場合市町村または都道府県にそのまままかして、責任が分担されるものであるという、現行通り実施することは、一そうトラブルを増すもとではないか。従ってこの際いろいろと、年末手当の問題だとか、または期末手当の問題だとか、またこういうような今まで何らかの形で払っていたような問題については、これは全国一律に法制化して、こういうようなことが起きないように指導してやることが、現在の労働行政としては大難なんじゃなかろうか。現在のこの中では法制化されていないから、ある場合には責任が明確でないために、都道府県または市町村または国というように、いつも波動的に、またわからないままに闘争が展開されることになるし、こういうようなことに対してトラブルが起こるのではないか。こういうようなことに対しては法制化してもらいたいというのが大方の希望じゃないかと思います。また、してやった方がいいじゃないかというわれわれの考えです。しかしこれは現在の賃金体制上むずかしいということで、なかなか実施されないようですが、これに対しての大臣の見解はいかがですか。
#8
○石田国務大臣 今島本さんのおっしゃったのは、期末手当とかいうものについての地方自治体の出すプラス・アルファの問題に関連することをおそらく具体的にはおさしになっていらっしゃることだろうと思います。これは法制化ということも確かに一つの方法として研究に価すると思いますけれども、しかし現に政府としては予算に計上いたしまして、全国一律の処置をとっておるのであります。従ってそういう場合において、各地方自治体で別途にプラス・アルファの問題が生じて参りますことは、これは法制化しても同じことではないかと私は思うのであります。政府はやはり予算にはっきりと計上して、その計上した額の少ないとか多いとかいう問題は別でございますが、制度としては予算上明確に計上しておるのでありますから、私は、それはやはり動かすべからざる建前は確立されておるので、それにもかかわらず生じてくるプラス・アルファの問題は、たといどういう制度ができましても同じことじゃないか、こう考えておるわけであります。
#9
○島本委員 従って、それは順繰り順繰りになりますが、そういうようなことをなくするために、失業対策事業費は、これは国庫負担でやると一律になって、全部国の方で責任を持てるから、他のこういうような手当については法制化してやって全部国なんだということになると、これは大臣の立場として一番いいことだ。それを地方自治体の方にも半分以上負担させておるから、従ってこういうような問題については御存じのようにトラブルが起きてくるので、これはおそらくは大臣なんかに陳情が殺到している問題じゃないかと思う。ですからこの際、将来の構想としてこういうような件についても踏み切って研究されて、この方向をずっと大臣としても考えられるのがこの失業対策事業に対する一つの道じゃないか、方法じゃないかと私どもは思うのです。今のままでやっておくと、確かに大臣が言ったように、これはプラス・アルファの問題に関連してトラブルが絶えないから、残本的な行政については国というふうにする、今大別に期待するところの大きいのはそういうような点ですから、これは大臣として根本的に踏み切る意思はございませんか。
#10
○石田国務大臣 今の御意見は、ただ地方自治体に持ってくるトラブルをなくして、国が一本に引き受けて地方自治体の負担を軽減するという観点から見れば、確かに島本さんのおっしゃったような方法になれば、一応建前としては全部国でやることなんだから国にいけということで済ませられるようにも思いますけれども、実際問題としては、失業対策事業がやります仕事はやはり自治体の仕事であります。それからもう一つは、法律で地方自治体はそういうものに対して何らのプラス・アルファを支出してはならないという禁止規定でも逆に作らない限りは、そういう折衝というものによって、力関係というと語弊がありますが、そういう事態がどこかに出てきて、そこからまた破れてくるということは防げないのではないかと私は思います。それからもう一つは、仕事自体が地方自治体の仕事をやるということ、同時に先ほど申したような趣旨から申しましても――今半分とおっしゃいましたが、半分ではないので三分の一でございますから、三分の一程度の負担を地方自治体がやることは、私はやはりその自治体の本来の使命から見てやむを得ないものじゃないだろうかと考えております。ただしいろいろの御意見がございますし、地方自治体の財政上の問題もあります。ただ地方自治体の財政はそれだけが別にあるのではなくて、やはり経済の好況とか発展とかに伴って地方自治体それ自体も強化されているわけでありますから、問題は建前論――地方自治体の果たすべき行政単位としての義務いかんというところにもくると思うのでありますが、一つの研究議題として御提示の問題について研究いたすことはもちろんやぶさかではございませんし、それを含んで、いろいろ他にも問題がありますが、今の失業対策事業について種々の検討をいたさせて
 いるのが実情でございます。
#11
○島本委員 研究議題として取り上げてこれを実施していくというような意味の答弁があったわけですが、そうでもないような意味にもとれる答弁で、大臣は答弁がうまいというのが私よくわかりました。しかし私は、今聞いていて、研究議題として取り上げてやりますということも言っていないようです。といったような問題であるかのようにも思うということで、ごまかしているようにも思うわけです。これはやはり議題として取り上げていくということですか、いかないということですか、その点はっきりしていただきたい。
#12
○石田国務大臣 御提示の問題以外にも、失業対策事業には種々の問題がございます。逆に言いますと、失業対策群業の中でいろいろ私どもが検討しなければならない問題のうちの一つが御提示の問題であります。そこで私どもはそれを含んで今までも検討いたしておるのでありますが、その検討を続けていくおもな議題の一つとして考えなければならぬことだと思います。ただこれは先ほど申しましたように、地方自治体の行政責任の範囲というようなことにも開通をいたします。従って私の方だけで処理すべき問題でもないのでありますが、そういうことから――あまり長くしゃべると、長くしゃべってごまかしたのではないかと言われても困るのでありますので、端的に申しますと、失業対事業に関連して起こっております多くの問題の中の重要なことの一つとして今までも検討させておりましたが、これからも検討いたさせることは先ほども申し上げた通りであります。
#13
○島本委員 検討してもらうことはけっこうですから、大いに励んでいただきたいということを要望しますが、ことに大臣も知っておられるように、去年の十二月に寒冷地石炭手当の問題で、大臣は、自分も寒冷地生まれであるからその辺の事情はよくわかるのだというふうに言っておられました。私は意を強うした一人ですが、この予算を見て、それが逆にはなりませんけれども、さほどの効果もなかったということで、これも答弁技術のうまさにごまかされたのではないかと思ってがっかりした次第です。それはあとで徐々にお伺いしますけれども、今のようにして雇用が促進されて均衡を保ってきておるという考え方が全面的にある反面、雪に閉ざされたりして、冬の間はほとんど雇用関係がなくなっておるような特殊事情にある寒冷地の各市町村もあるという実態は、これは大臣も知っておられる通りです。また富裕都市もあるかわりに、こういう失業者が発生して、その負担のためにどうにもならなくなっておるような都市もまたあることは明確な事実なんです。そういうことからしで、やはりいろいろな施策を国が積極的に取り上げてやっていかなければ、こういう都市間のバランスはどうしても十分にはとり得ない問題ではなかろうか、私はそういうふうに考えておるわけです。失業者の発生する都市ほど富裕都市でないのは事実ですから、その財政負担の限度を越えてまで支出しなければならぬというような苦しい都市がずいぶんあるはずなんです。そういうことからして、国の方でそういう都市に対して十分なことを考えておるというようなことはまだまだ広言できる状態ではないのではないか、私はそういうふうに考えるわけです。こういうような都市では、もうすでにプラス・アルファの問題で財源に困っておる。また国が全部やらなければならぬ状態のもとに地方自治体もそれを負担をしておる、その負担にも応じられないような状態であるという都市もあるんだ。こういうことからして、やはり失対事業というものの本来の性格を明らかにして、そして事業の運営にあたってのはっきりした保障をこの際くれというのがこういう都市からの要望なんです。こういうようなこととあわせこれは将来ともに十分検討してもらわなければならぬ問題ではないかと思って、私はこの問題を具体的に提起してみたわけです。大臣はこの問題に対していかに思いますか。
#14
○石田国務大臣 プラス・アルファの問題は、現在の制度の上からいっても、どうも自治体が御自分の判断で、御自分の責任でなされる問題で、これはどういう方法をとっても、そういう意味のことは、自治体の支出に対して禁止規定でも設けない限りはこれはやむ得ないことだろうと思います。
 それからもう一つ、失業者が集中的に発生すればそれだけ地方自治体の財政上の負担が多くなる。負担は積極的にも消極的にも多くなる。税収入その他の減少という消極的負担、それから失対事業にそれだけよけいに支出しなければならぬという積極的負担、それが多くなることは私も十分承知しております。そういうことに対する処置は現在でも五分の四までは国庫が負担をしておるわけであります。従ってそういう意味におきまして、あとう限りのことをしておるわけでありますが、それから先の問題になりますと、さっき御提示になったいわゆる地方自治体の行政責任の範囲ということにも結局なってくるわけであります。
  〔委員、長退席、柳谷委員長代理着席〕
 私は、先ほど申しましたように、失業対策事業というものは、これはやはり政策的にあるいは一つの経済情勢、産業情勢の変化によって生じて参ります問題であるだけに、このことはやはり根本的には国の責任においてなさるべき性質のものでありますけれども、しかし、現在のわれわれの考えとしては、地方自治体もまたそれに対する行政的責任の一半を負うべきものだ、こういう考えで、通常三分の一の負担、しかし先ほど申しましたような場合には五分の四の負担まで、最高限気分の四の負担をやっていく、こういう建前をとっておるのであります。しかし、これも先ほどおっしゃいましたように、先ほど御提示の問題を研究して参りますと、やはり今の御質問の問題にも結局関連をしてくる。やはり先ほど申しましたような研究議題の一つであると申し上げることができると存じます。
#15
○島本委員 大体方針がわかりましたが、それでもう少し具体的にお伺いしてみたいのですが、今度の第三十八回の通常国会の再開にあたって、大臣は明確にこの問題に対しての所信を述べられたはずです。それは、失業対策事業につきましても、事業内容を刷新して、就労条件を大幅に改善することにしたということを、まず明確に言っておられるわけです。おそらくこの範囲においては、だれしもが喜び、だれしもがこの効果を現在期待しておると思う。はたしてこの事業内容を大幅に刷新し、就労条件を大幅に改善したということについて、具体的に予算面にどういうふうにやったか、賃金の値上げの問題、それからまた就労日数の問題その他について、具体的にやった方法について一つお述べ願いたいと思います。
#16
○石田国務大臣 事業内容の刷新につきてましては、事務費、資材費その他において改善を加えました。それから賃金については一五・六%の上昇をいたすように予算的措置を講じました。その場合、当初五十一円の値上げになるわけでございましたが、ただ私どもは寒冷地における石炭手当等の要求を強くいたしたのでありますけれども、これは何しろ初めてのことでありますので、予算折衝上非常に難航いたしました。経過的な措置の一つといたしまして、石炭手当という意味ではありませんが、そういう地域的な問題の処理という考え方で、一円増額して五十二円という措置、一円分はそういう意味で付加したのであります。そういう方法をとったのでありまして、賃金の大幅引き上げということはいたしたつもりであります。
 なお、事業内容については、職業安定局長から説明をいたさせます。
#17
○堀政府委員 賃金につきましては、ただいま大臣から御説明いたしました措置をとりましたほかに、資材費単価は従来より二円増、それから事務費単価は従来より四十一銭増という予算措置を講じたわけでございます。なお、これは一般失対事業関係でございますが、そのほかに特別失対、臨時就労関係におきましても、民間賃金の値上がりに応じまして事業費単価をふやす、こういう措置を講じた次第であります。
#18
○島本委員 大臣が、今一般の失対事業に対する考え方として基本的にどう思うんだということに対しては、五十二円上げて、それは一二・六%と初め言われて、今の答弁では五十一円の値上げであって一五・六%の上昇だ、とこういうふうに私は聞いておりますが、すると、これは初めに言った。パーセンテージと今言ったパーセンテージは全然違いますが、いかがですか。
#19
○石田国務大臣 五十二円というものの内容を御説明申し上げました。五十二円の、つまりPWの定賃金率を最大限に考え、それから重軽作業率も改善いたしました結果生じますのが五十一円であります。しかし、それでは北海道を中心とする、御要求の、またわれわれの要求にあります寒冷地に対する特別の措置というものは講ぜられませんので、それによって、そういう意味を含めて一円。また一円というものは、内容的に言うと、現在のところは北海道の地域的な事情について、それをプラスしてもらうという意味のものであります。
#20
○島本委員 そうすると、パーセンテージは……。
#21
○堀政府委員 大体五十二円で一五・六%になります。一円は〇・一三、四%くらいの違いでありますから端数でございます。
#22
○島本委員 賃金の点はわかりました。大幅な改善の中には、賃金だけであるということも書いておりません。就労条件ですから、就労日数の問題なんかも大幅に改善されたのじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
#23
○堀政府委員 就労日数は従来同様でございます。要するに、賃金のほかに資材費、事務費の単価の増という点を計上いたしましたので、その内容はそれに伴って向上する、こういう意味でございます。
 なお、先ほど申し落しましたが、この一般失対、特別失対、脇町就労のほかに、緊急就労対策事業におきましても、従来八百五十円の単価でありましたのを二百円アップ、千五十円という措置を講じたことを申し添えておきたいと思います。
#24
○島本委員 わかりました。そうすると、私ここにどうもふに落ちない点が一つあるわけです。ここにあるのは、社会労働委員会の会議録の参議院の分です。これは十二月二十日火曜日、午前十一時十一分開会の参議院の社会労働委員会の会議録によると、堀さんが、就労日数の問題で、これは拡大いたしました、そしてこれは現行二一・五日でございますが、私どもは一応二三・五日として二日増という予算を組みましたと言っているが、そうすると、これはどういうようなことですか。参議院のことだから衆議院は関係ないということですか。
#25
○石田国務大臣 そういうことでないので、それは参議院で、労働省が大蔵省に出しました予算要求書の説明をいたしたのであります。その予算要求書の中には、ただいまおっしゃったような要求をいたしました。従って、予算要求の過程におきまして賃金の単純増、それから就労日数との関連、それから、そのほかのいろいろな問題との折衝過程においてただいま申しましたような結果に落ちついたのであります。相手のあることでありますから、予算要求通り予算が獲得できなかったことは私どもとして遺憾に思うのでありますが、日本じゅう、また過去の歴史を通じて、予算要求通り予算が決定した事実がございませんので……。
#26
○島本委員 大臣、私は不敏にして、政府というものは一つであって、政府の中にはいろいろ労働省、大蔵省、厚生省、その他それぞれあって、大臣の言うように、そのときの立場であって、いつでも何かの情勢によって変わってもいいものであるというふうには信じないわけであります。自分の所管している部門につきましては、最高の責任者として権威ある発言をいつもなさるのが大臣であり、その発言のためには責任を持って、水火の中でもいとわず、いかなる状態でも責任をとるというのが、やはり大臣としての責任じゃなかろうかと私どもは考えているわけです。何かの事情によって、これはやむを得ないと言ってもいいのはわれわれの場合であって、大臣の場合では、国は一本ですから、すると、これは言葉が過ぎるかもしれませんが、さほど無能な労働大臣というふうにはわれわれは考えないわけです。従って、このときはっきりはっきりやると言った以上、いかに参議院であろうとも、ここで、事情でこれはできませんでしたというのは、われわれ並びに他の末輩の人たちの言う話であって、大臣としてはそういうようなことは少し私は不謹慎じゃなかろうかと思うのですが、この言ったことに対しては責任を持てないということなんですか。これだけは持てないであと持てるという意味なんですか。どういう意味ですか。
#27
○石田国務大臣 予算要求をいたしたものを各閣僚がそれぞれ突っぱり合ったら、いつまでたっても予算ができません。従って、これは前の方をお読みいただくとわかるのでありますが、予算要求の政府部内における折衝の過程ですから、こういう席上で説明すべき性質のものでないということをわれわれの方は申し上げておったのであります。しかし内々でいいからどれくらい要求したか言えという話で――政府部内の予算折衝の過程で、みんなが予算要求を突っぱったら予算というものはいつまでたってもできません。やはりそれぞれ相互の関連、国全体の関連からものをきめなければならない。私は労働大臣として労働省の予算の要求をいたしますけれども、同時に国務大臣として予算案全体の調整という責任も持つわけであります。従って、相互の関連の上に立ちまして私どもは予算に賛成したのであって、ただいま申しましたほかに、失業保険の受給金額の増加というものを含んでおりまして、それはあとで事務当局から説明させますが、あとで法律案を出しますけれども、そういうものを含んでかなりの上昇になっているわけであります。こういうものは上をいえば切りがございません。要求がその通り成立しなかったからだめだということになれば、みんなだめなんでありまして、結局全体の関連の上で決定をいたしました。私は労働省の予算が、現在の本年度予算編成中におきまして特に不利な取り扱いを受けたとは決して思っておりませんし、世間の評価もそうでないと確信いたしております。
#28
○島本委員 大体大臣の言わんとするところはわかりましたが、私はそれでは了解できない。私の方では、やはりその場合には一つの注釈をつけておいてもらいたい。(石田国務大臣「初めについている」と呼ぶ)ついておりません。これを見て下さい。これを読んだ場合には、参議院のやつですからそういう注釈は私は発見できませんけれども、これを見たばかりでは、なるほどこれだけの確信を持ってやり得るのだな、またこれはやったのだな、こういうふうに思っていたほどです。しかしこれが出た以上、大臣としては現情勢ではやむを得なかったと言っている。やむを得なくて予算が出た以上、修正する以外にはありませんし、こういうことに対しては、大臣の意向をわれわれとしては将来のために伺っておきたいのですが、上を見たら切りがない――切りがないかもしれませんが、要望として二十三・五日を組むのだということに対して――それは少ないから上げろといっても、百日分を組めとはだれも言っていないと思う。休みが入って二十五日または二十六日ぐらい、せいぜい二十三・五日、これだけ組むなら、これでけっこうなんだと思わないまでも納得しておったと思う。切りがない問題でない、限度がある。こういうことに対しては、切りがないんだからということで済まさないで、努力の跡はわかるような気もしますけれども、大臣としては現在のこれで満足するのか、またはあらゆる機会に責任を持ってでもこの問題に対しては努力し改善して、この議事録に沿うように自分として努力する意向なのか、この点を一つ将来のために承っておきたい。
#29
○石田国務大臣 それは速記録を私は見ているわけではありませんが、元来各省が予算要求したものの内容というものは議会で説明するものでない。そういう慣例はございません。しかし参議院の人たちが内々でぜひ聞きたいとおっしゃるので、これを御説明申し上げたのであります。従って、内々という話でしたけれども、速記録に参議院がお載せになるのは、参議院がその責任でお載せになったのでしょう。
 それから、私どもの方で予算要求いたしましたものは、一ぺんに到達しないとしても、それは理想、目標でありますから、当然その目標に向かってあらゆる機会に努力することは言うまでもないことであります。従って就労日数の増加ということは、やはり失業対策事業の中のわれわれの努力目標の一つでありまして、これは賃金と同様考えていかなければならぬ問題と思っております。ただ本年の予算折衝の場合に、就労日数の方で妥協いたしまして、賃金の方に重点を置きまして、賃金は現行法規内におけるほとんど最大限に近い計算をいたしておりますが、その最大の理由は、今民間就労等の機会も多いものでありますから、むしろ働いたときの賃金を多くした方が現実に失業対策事業に働いている人のために有効だという判断の上で、賃金の上昇に重点を置いたのであります。
#30
○小林(進)委員 関連して。これは非常に重大な問題でありますから、特に大臣にお伺いしておきたいのでありますけれども、この就労回数の増加の問題は数年来の懸案でございまして、こういう事業に関係いたしております者の二十五日間をどうか獲得していただきたいというのが数年来の悲願であったのであります。重要なる要求のポイントであった。大臣の御説明では、賃金にウェートを置くか、就労日数の増加に重点を置くかというウエートの問題について、何か就労日数を譲って、賃金の五十二円の増額を獲得したというふうな御説明がございました。これは最大限の成功であるかのようなお話がありましたが、五十二円の増額、ことに地域差がありますから、実質は五十一円でありますから、これが大臣の言われるごとく、そうありがたい上昇賃金であるとはわれわれは解釈いたしておりません。この問題はしばらくおくといたしましても、この多年の関係者の悲願でありました二十五日の要望であります。この要望がありますゆえに、労働省もその折衷案をとって二十三・五日というものを予算折衝に組まれたものとわれわれは考えておる。それに配するに石田労働大臣であります。われわれの信ずる限りにおいては、自民党内における労働行政のエキスパートでございます。心臓も鉄のごとくであるとわれわれは解釈しております。この機会にこそ、二十五日の要望は不可能であるとしても、二十三・五日ぐらいは大臣の力でとっていただけると、私は非常に期待しておったのでありますけれども、あっさりと従来通りにかぶとを脱がれた点はどうしても了承できないのでありまして、この点をいま少し親切にして、まあ将来の見込みのある、明るい希望を持たせるような具体的な答弁をこの機会にお伺いしておきたいのであります。
#31
○石田国務大臣 第一にお断わり申し上げておきますが、あっさりとおったわけではありません。あとう限りの努力はいたしました。それからもう一つは、就労口数の増加は、確かにおっしゃった通り多年の希望でありますが、この数年来ほっておいたわけではありません。三十四年度の予算では〇・五日増加させております。それから、就労口数と賃金の上昇と、最終段階においてどちらをとるかという場合に、結局最終段階になりまして、現在の状態では民間就労の機会が多い、そこでむしろ働いた日の賃金上昇に重点を置いた方がいいと私は判断いたしました。五十二円が最大限であって、ありがたいか、ありがたくないかということは主観の問題でありますが、私は別にありがたいと思ってもらおうとは思いませんが、現在の段階におきましては最大限の予算獲得であったと私はひそかに自負いたしております。
#32
○小林(進)委員 関連でございますから、私はきょうのところはこれで終わりますけれども、就労日数の従前通りということはどうしても了承できませんので、いずれ私に与えられた質問の時間にもう一度大臣に伺いたい。これで終わります。
#33
○島本委員 これは事務的な問題になりますから、大臣でも事務当局でもけっこうですが、現在の予算はいろいろな意味で満ぱい予算であるとか、いろいろ言われておりました。それで、二十三・五日にすると従来よりも何億ふえるのか、この計数を明らかにしてもらうほか、二十五日にすると幾らになるのか、この点を明確に発表していただきたい、大臣はその計数に基づいて、現在の総予算の中でこれだけやったら、おそらくは国の事業は遂行できないというほど膨大な予算であるのかどうか、その見解、所見を承りたいと思います。
#34
○石田国務大臣 予算折衝のときは覚えておりましたが、今はその数字が幾らになりますか正確に覚えておりませんから、数字は事務当局から説明をいたさせます。ただその部分だけとらえて、それが直ちに国の財政に破綻を来たすという性費のものでは当然ないでしょう。しかし、それぞれ各省各般にそれぞれの要求があるわけでございますから、そういうものの全体の調整、バランスを当然考えなくてはならない。従って大蔵省との折衝の過程において、現在の段階においては賃金の上昇に重点を置くべきであるというふうに私は判断をいたしたのであります。
#35
○堀政府委員 ただいま正確な計算はちょっと手元にございませんが、大体一日増といたしまして一年間に十二億円、二日増といたしますれは二十四億円の増と考えられます。
#36
○島本委員 二十四億くらいと申しますと、これは一部分であるからといっても、これはおそらくは日本の日の当たらない部分ではまことに重要なパーセントを占める金額になることは御存じの通りなんです。これによって云々というようなことにはならないと大臣はおっしゃいますが、二十四億ですから、これはどういうふうにひねっても、これくらい、大臣の能力と心臓をもってすれば、私は可能じゃないかと思う。今後はやはり、これが膨大な予算であってできないならば問題でございましょうけれども、しかしこの二十四億の問題で全体の調整がうまくなったというほどの数字でもなさそうにも思うわけです。これは今載っていないのは事実ですから、これによって予算全体の構成が、一部分なんだからどうのこうのという問題でないと大臣は言いますけれども、あえてこの際明確に言っておきたいのは、二十四億のこの問題でもまことに重要であるという階層が大臣の所管の中にあるということをはっきり知っておいてもらいたいことと、今後この問題に対してはあらゆる機会に、また大臣の在任の間に二十四億くらいの予算をとって、これを何とか補正する方法もあるのじゃないかと思いますが、大臣のこれに対する明確な所信を一つ承りたいと思います。
#37
○石田国務大臣 いつ百になるかわかりませんから、在任中という条件をつけられましても、はなはだ困るのでありますが、労働者としての立場からいいますると、賃金増とともに就労日数の増ということを並行して要求して参るつもりであります。そういうことの増加のために努力いたしていきます。しかし二十四億という数字をとらえて、それは失業対策事業だけでいえば二十四億はわずかでありますが、前年度の予算の上に直接二十四億をプラスされるのではなくて、賃金増だけで約三十億円ふえた、さらに臨時就労の今まで八百五十円を今度千五十円にしたり、あるいは失業保険の給付率を上げたり、あるいは先ほど局長から説明をいたさせましたようなものを含めて参りますと、相当な金額の増加になります。その上の問題であります。それから同一種類のことが私の方の役所の要求の中にもいろいろあるわけでありますから、二十四億だけをおとらえになっても、ちょっと議論の全体としてのバランスがとれないのじゃないかと思います。しかし、もちろん私どもは厚生省とともに日の当たらない部面の行政を担当しておるのでありますから、その日の当たらない部面の行政については、さらに全力をあげて努力をすることは当然であります。
#38
○島本委員 それで、先ほど言いましたように五十一円の値上げになり、それが大体一五・六%の率を示すものであるという点はわかりました。この一円は石炭手当の方へ回したのである、こういうような点であったようですけれども、間違いなら、あとでこれは修正してもらいますけれども、そうすると、大体石炭というようなもの、これは一部北海道またはそういうような方面に対して加給になる部分じゃないかと思いますが、これは一日一人幾らの額になるのか、またそれによって石炭はどれほど買える額になるのであるか、総体的に幾らになるのかという、この全貌を一つ示してもらいたいと思います。
#39
○石田国務大臣 石炭手当という名前を付するのにはきわめて少額であります。石炭手当というものではありません。石炭手当は要求いたしましたが、その一種の政治的妥協とでも申しますか、最終段階において話し合いのついた経過的な措置であります。石炭手当というふうな言葉でいわれるのは、私自身も将来のために、こういう程度のものが石炭手当ということで呼ばれますることは、将来石炭手当を要求するための障害になりますので、そういう名前で私の方では扱いたくありません。ただそれがどれだけの金額になるかということはお答えをいたさせます。ただし繰り返して申しますが、石炭と関連を持たすのには少額であって、われわれの方からこれを石炭と関連を持たすことは、将来影響がありますので、石炭とはあくまで関連のない考え方であります。
#40
○堀政府委員 基本的な考え方は大臣から御説明いたした通りでありますが、なお補足いたしまして私から申し上げます。北海道におきまして冬季いろいろな費用がかかりますことは御指摘の通りでございます。そういうような見地からいたしまして、私どもといたしましては、従来の失対の労力費の地域的配分の作業にあたりましても、北海道の賃金は、大体全国で一番高い東京に準じて計算をしておるところでございます。しかし最近の状況にかんがみまして、さらにこれを増額する必要があるということで、全国平均いたしまして五十一円という労力費のアップがあったことはただいま御説明した通りでございますが、しかし、それに加えまして、さらに北海道ではいろいろな金がかかるであろうという見地からいたしまして、特に一日一円というものを北海道における冬季加算金として予算上計上をした次第でございます。これを一人一日にしてみますると、大体二十円くらい、これは正確な計算は目下やっておりますが、大体一人一日二十円くらいさらにアップになる、全国的なアップのほかにさらにアップになる、こういうことになるわけでございます。もとより、これをもって石炭手当といえるかということになりますれば、われわれはそういう考えではなしに、北海道においては、他の地域に比べてさらにいろいろな雑費がかかる。そこで今回、従来も東京に準じて賃金は規定してありましたが、それにさらに全国的なアップの金額を加え、そのほかにプラス・アルファとしてさらに一日一人二十円程度を特にアップするような考え方をしたいということで予算に計上したわけでございます。
#41
○島本委員 ただいまの大臣並びに政府委員の答弁で、大体方針としては了解されましたが、その考えにまだ同調できません。そうすると以前、これまたはっきり申されている。この議事録にも残っているわけですけれども、北海道の失対労務者の石炭手当の問題については、北海道の現地においての民間労働者の実情と、その他の物価の状況とにらみ合わせて考えたいということを明確にしてあるわけです。二十円くらいではどことつり合いをとってやったのか、実際これでは私どもとしては了解に苦しむほどの額ですが、あえて加算であって、これは石炭手当と言われては困るという、大臣のまことにへりくだったお答えがございましたから、そうすると前に述べた、この石炭手当というのは現在のこれと別に将来考えるという含みなんである、こういうふうに了解してもいいのかどうか伺いたいと思います。
#42
○石田国務大臣 そういうことをいたしたいために、そういうことをいたすためには、二十円で大蔵省その他に石炭手当が終わるというふうに思われては困るから、これは石炭手当ではないのだというお答えをしておるわけで、石炭手当さらに引き就いては寒冷地等に対する措置も私どもとしては要求していきたい、こう考えております。
#43
○島本委員 そうしたら、将来はこれと別にこの問題については考えるものであるというふうに了解してもよろしゅうございますね。
#44
○石田国務大臣 それはその通りであります。ただこの場合に、先ほどの局長の説明で御了解いただいたと思うのでありますが、ただし、確かに北海道における物価その他の情勢を勘案してという中には、今の石炭の問題その他も入っておるわけであります。従って北海道の単価計算の基礎の上にそういうことを含めて、先ほどから繰り返して申し述べておりますように、東京並みの計算をしております。そういうことで、あとう限り今までも北海道でやって参りましたその上に二十円を追加したのでありますが、しかしその二十円が石炭手当というようなことでありますと、今後の予算要求上困る。従って先ほどあなたのおっしゃった通り、私どもは石炭手当の予算要求は今後も続けて参ります。そういうことは先ほどから繰り返して言っているつもりでありますが、現在でもそれを全く放置しているかというと、単価計算上相当考慮いたしておるということをあわせて申し上げたいと思います。
#45
○島本委員 将来その実現に対して、大体今大臣が申されました線に沿って石炭、寒冷地給の制度化の問題も研究の題材にして、十分この問題については自信と確信を持って一つ臨んでもらいたいということを私は要望しておきます。この点は大臣は十分今までの答弁で、速記録にも残っておることでしょうから、一つこの点では十分の努力をお願いしておきたい、こういうふうに私は考えますから、その点もお賄いしておきます。
 あわせて現在の状態では、どうしてもこの二十円程度のものでは、おそらくは石炭のかけらをどれほど買えるかわからないような状態のものであって、これはおそらく石炭手当のせの字にもならないものである。一日二十円もらって、石炭を袋に一ぱい買って一つくべたらなくなるのだ、こういうような状態で、あとの日は石炭をたかないでいていいというお考えなのかどうか、それは出ない日には当然もらえませんから、その考え方にすれば、残りの約三分の一カ月は石炭をたかないでいなければならないような現状に失対労務者はさらされるような現行のやり方ですから、こういうような点においては十分考えていただかなければなりません。従ってその制度化の問題等もあわせて、また支給の方法なんかは分割したならば価値がないものであって、まとまってこそようやくこれは価値の生ずるものですから、将来これを正式に支給されるようなことになります場合には、その点等も十分に考慮してもらいたいということを、私はくれぐれもこの点はお願いし、要望しておきたい、こういうふうに思います。おそらくこれでいいのじゃなかろうかと思いますが、今の要望に対して大臣は率直によろしゅうございますか。
#46
○石田国務大臣 原則的にはおっしゃったことの通りであります。ただその一括払いということまで含んで承知したということになりますとちょっと困りますので、その点は留保いたしておきます。なぜ留保するかと申しますと、これは賃金でありますから、賃金という性質から申しますと、一括払いということは現在の態勢からいえば困難であります。ただそれが石炭の購入のお金ということになりますと、一括で買った方が価値があり役に立つということは、私も寒国の出身でありますからよく知っておりますが、それを含んで承知いたしておりますということは、今の段階では申し上げられません。
#47
○島本委員 ただいま大臣の方から申しましたが、くれぐれもこの問題については、一つ困っておる人、これを要望しておる人が多いという面から見て、もう一つ大臣の善処を心から要望しておきます。
 先ほどから大臣として、早く帰りたいから早くやめてくれというような要請がきておるようで、ございます。私は一つ大臣が行く前にどうしても聞いておかなければならない問題がありますので、今度は別な角度から大臣の所見を承りたい、そういうふうに思っておりますから、一つよろしくお願いいたします。
 それは、昭和三十二年の七月の十九日でございますが、「港湾労働対策に関する意見書」というものが出されて、それに基づいて、これが労働省を通じてはっきり行政措置に載っておる問題があったと思います。その大要は、港湾労働者の労働対策を確立して、港湾労働者の就業の安定と労働条件の向上をはかり、あわせて港湾の発展と貿易の振興に寄与することがきわめて重要な課題であり、この本協議会は昨年以来重要港湾の実情視察を行なうとともに各方面の意見をも聴取して、とれが対策については種々検討を加えた結果、左記の措置をとることが最も重要であるという結論に達した。よって政府及び関係者はこの措置を早急に実施して港湾労働対策に万全を期するように要請する。これは港湾労働対策協議会の会長、石井照久氏から昭和三十二年七月十九日に出された意見書でございます。それに基づいていろいろと、労働調整の問題であるとか、また労働基準の問題であるとか、港湾運送事業の関係であるとか、またはその他厚生、福利施設の問題、港湾労働協議会、こういうふうな問題についてそれぞれ手続を進めておられる問題でなかろうかと私は考えておりますが、その後この問題はどういうふうに進捗しておりますか。また将来この問題とあわせて港湾労働立法をお考えになっておられるものであるかどうか、この点について大臣の所見を承りたいと思います。
#48
○石田国務大臣 この意見書に基づいたいろいろな具体的な施策は検討ないし実行しつつある状態でありますが、詳細については職業安定局長からお答えいたします。
#49
○堀政府委員 ただいまお話のありました港湾労働対策に関する意見書、これが昭和三十二年の七月に労働大臣あてに提出されたわけであります。そこで労働省といたしましては関係各省とも協議の上、これに基づく諸般の措置を促進しつつあるのが実情でございます。なおその間におきまして港湾労働協議会、これは御承知のように公益並びに港湾の関係労使からなるところの協議会でございますが、これも大体一カ月ないし二カ月に一ぺんは開催されまして、熱心な審議が逐次なされております。それにも御報告をいたしながらこの措置を、推進しておるところでございます。この中にあります職業紹介業務の拡充等につきましては、これは昨年から本年にかけまして各主要港湾につきまして、職業安定所から独立さしたところの労働安定所を設置することにいたしております。それから職員の増員、紹介機能の整備改善等につきましても、この趣旨に沿いまして実施をいたしておるわけでございます。特に登録の問題につきましては、各主要港湾に港湾労働協議会を設けまして、それと御相談をいたしまして、港湾労働者に対する登録制度と、手帳制度等も実施しているところでございます。
 それからその次に福利厚生施設等につきましても、これは労働福祉事業団、それから来年からは雇用促進事業団の経営になるわけでございますが、簡易宿泊所、労働者住宅等の施設を主要港湾に逐次設置いたしたいという考えでございます。
 労働基準、災害の防止等につきましては、基準局長の方から後ほど申し上げますが、要するにこのようないろいろなことをこの意見書の趣旨に沿って逐次実施いたしております。まだ完全に実現できないものもございますが、それはこの協議会にそのつど御報告をいたしております。実は今日におきましても、ちょうどこの港湾労働協議会が開かれておりまして、目下この状況についても中間的にさらに御報告を申し上げて御意見を伺っているという状況であります。われわれといたしましては、この港湾労働協議会をさらにフルに活用いたしまして、ここにおける御意見を今後の施策に取り入れて実行に移していきたい考えであります。
#50
○大島政府委員 意見書の中にございます港湾労働についての基準監督の強化の問題でありますが、私どもの方では三十三年度から基準監督の重点として港湾監督を指定いたしまして、大体年間八百余の事業所を監督いたしております。この監督率は一般産業に比べて非常に高率であります。ことにこの監督の結果顕著に現われておりますことは、安全、災害防止の問題であります。この点につきまして、港湾に特有の安全、災害防止の規則の制定の必要があると思いますので、港湾についての特殊の安全規則を現在基準審議会において検討していただいております。それができますれば、それによって新しく規則を制定いたしたいと思っております。なお、来年度の予算では港湾労働基準監督のために、御承知の通り船内荷役を監督いたすためには船が必要でありますので、舟艇の借り上げ費を特に組み入れまして、これによって三十六年度においてもさらに基準監督を強化して参りたい、かように考えております。
#51
○島本委員 大体この協議会が運営されている状況についてはわかりました。それで、大臣に、時間のないところまことに申しわけないのですが、これに対して明確な考え方を一つお聞きしたいと思うのですけれども、七・一九答申、こういうようなものが行なわれておりますことは今も御報告があった通りです。しかし、これは第二十四国会の決議に基づいて設置されたものであるということも聞いており、これは全港湾の労働組合の港湾労働法の制定に関する請願に基づいて行なわれたということも私聞いておるわけであります。そして一九四九年の第三回ILO内陸運輸委員会で採択された港湾労働者の雇用値常化に関する決議と同趣旨であるということも聞いておるわけです。そういたしますと、将来こういうような問題については法的に措置を誠ずる必要があるのじゃなかろうかと考えられるのですが、との問題について大臣はどのように考えますか、お伺いしたいと思います。
#52
○石田国務大臣 港湾労働者の問題につきましては、先ほど職業安定局長から御説明をいたさせた中にありました港湾労働者のための特別の宿舎、これは実は私が前に労働省におりましたとき初めて予算要求なして建設したものでありまして、これは一つの事例でございますが、港湾労働者の諸条件の向上についてはあとう限り努力を払うし、また関心を持っているものであります。全港湾労働者に対して、特別な立法というお話がありましたが、今両局長から説明をいたさせましたように、港湾労働対策については御指摘の意見書に基づいて諸般の施策を実行中であります。行政指導をやっているところであります。私は、総合施策が必要であるという前提は認めますが、その総合施策を意見書に基づいて順次行政的に指導いたしておる段階でありまして、それによって私は順次所期の成果が上がるものと期待をいたしております。従って、今日のところ直ちに特別立法の制定を考えてはいないのであります。
#53
○島本委員 現在のこの運営されている港湾労働対策協議会のこの問題の中には、今報告があった点は完全に一致した部面に対しての報告であって、まだまだ、会長さんの報告並びに要請、また労働省の方からはこのような方法が妥当なんじゃないかというこの考え方に基づいて審議された結果、業者側ではまだ受け入れられないような諸問題、しかしながら国際的にはどうしても日本としては水準を上げなければならないような労務条件もこういうものが加減されているのが事実でありまして、その問題についての報告がまだないわけです。ないから現在それでいいのだという考えに安易に立たれては、大臣、これは困る問題です。日本としては、まだまだこれだけでいいというものじゃなくて、このILOの内陸運輸委員会の決定に基づいて、もっと雇用条件を初めとしていろいろな労働条件を上げなければならない、港湾労務の面には重大なる責任もあるはずです。そこを考えまして、現在のままでいいのだという考えは、これはあまり安易じゃなかろうか、重ねてお伺いいたします。
#54
○石田国務大臣 協議会で運営をするしのは、やはり協議会で話がまとまって運営をしていくのが適当なんでありまして、そのために労、使、公益三者構成のものを作っているわけであります。従って、御指摘の問題等については、協議会自身には審議をさせて御納得をしていただきつつ実施していくことが一番効果を上げ得る問題じゃないかと考えておるのでありましても今のままで、報告されただけでいいというのじゃなくて、協議会中心の運営の成果を期待するということを申し上げたのであります。
 それからILOの決議でありますが、私はもとよりILOの精神は尊重すべきでありますけれども、しかし、これはどこでもいかなる場合でも取り上げられる、ことでありますが、やはりわが国の特殊事情を当然加味して了解をしてもらうべき性質のものでもあります。しかし、特殊事情に停滞をすることを私は決して本旨といたしておりませんから、協議会の御審議を待って協議会中心の運営の成果を期待していきたい、こう考えておる次第であります。
#55
○島本委員 この問題については、港湾労働者の雇用恒常化に関する決議が一九四九年第三回ILO内陸運輸委員会でもう採択されているものであって、関係加盟国としての日本もこの決議の内容に沿うて責任を持つものである。ことにこの協議会では、私の申し上げましたように、今一般的に納得された面についての報告はその通りですけれども、まだまだ基本的な問題について意見の一致を見ないままに放置されている問題もたくさくある。こういうようなことでは決議の趣旨に沿わないから、従ってこれを早く改善し、この趣旨に沿うようにするのが、日本の港湾労働者の運営行政として正しいんだということを私はくれぐれも申し上げておきたいと思いますから、この点、大臣においても善処されるように要望したいと思います。
 時間が来ましたので、私はこれで終わります。
#56
○小林(進)委員 大臣お忙しいようでありまするから、ほんの一点だけ一つ、緊急問題の賛同をいたしたいのであります。
 それは、きのうの夕刊にも出ておりましたが、米労組の日本製品排斥という問題で、アメリカでは日本の製品の排撃運動が非常に果敢に起こっているようでございます。きのうの夕刊のは、合同衣料労組の日本品ボイコットの運動で、司令関する報道でございまするが、そのほかにも電気関係労組がやはり日本製品のために労働条件が非常に切り下げられて人員の整理を招いたということで、これも激しいボイコット運動を続けているようでございまするが、これはきのうだけの夕刊ではございません。これはもはや去年の暮れからことしの春、正月にかけて、アメリカの各地で、日本製品の不買大会あるいは不買運動が燎原の火のように行なわれていることをわれわれはしばしば耳にするのであります。その運動の根底に流れているものは、それはもちろんドルの防衛という問題もございましょうけれども、やはりわれわれに一番関係のある低賃金国の製品を排撃をする、こういうことが基本に流れているようでございまして、低賃金国の低水準品を防ごうとするという、こういうスローガンを麗々しく掲げておりました。その他、低賃金の製品に対する排撃、排斥運動は徹底的にこれを行なわなければならないというふうなポスターが張られたりしているということを聞いているのでございます。これは私も去年の八月、アメリカから各地を回りまして早晩こういう連動がアメリカから生まれてくるということを、私は察知をいたして参りました。この連動には、実にわが日本の低賃金に対する根強い排撃運動があって底の深いものであることを私は感じて、察知いたしておりまするが、もう時間がありませんから、私は結論を急ぎますけれども、大臣は、この問題に対して、応急に手を打たなければならないと思う。それからまた応急対策と恒久対策と、二つの対策をもっていかなければならないと思いまするが、当面するこのアメリカの日貨排斥運動に対して、どういう手を打たれるか、あるいは恒久対策としていかなる処置、手段を持っておられるか、お伺いをいたしておきたいと思うのであります。
#57
○石田国務大臣 アメリカの日貨排斥運動に対する貿易上の施策は、直接的には私の所管ではありません。ただその原因が日本の低賃金労働にあるという範囲においては、やはり貨金施策の問題に当然なります。これは実は私も一昨年アメリカへ参りましたときに、これは非公式に私人として参ったのでありますが、やはり合同労組あるいは既製品の労働組合等の中で、日本の低賃金労働による商品に対する排撃の決議というものが上げられたことがございました。当時私はそういう労働組合関係の人々と接触をいたしまして懇談をいたした結果でありますが、決議が出されたことは事実でありましたけれども、そのときはその決議を採択せずして抑えることができました。現在も具体的にそういう決議というものが上げられる形にはまはだなっておりませんけれども、しかしそういう空気がまた上がってきていることは事実であります。これに対して労働行政としてやるベきことは、一つはILO等の批准を早めまして、日本の労働条件を国際水準に近づけていく努力を払うことによって、そういう非難を避けていくことであります。
 それからいま一つは、非常な誤解があります。たとえば繊維等の労働賃金等につきましても、一般的に日本の労働賃金はアメリカと比べますると、日本を一〇〇としてアメリカは九五〇くらいになる。一ドルを三百六十円と換算をしたときであります。ただし西ドイツあるいはイギリス、フランス等と比べると、その数字はかなり違って参ります。日本を一〇〇といたしました場合、イギリスは二八七、アメリカは九二四であります。それから西ドイツが二三四、フランスが一六四、イタリアが一四八、こういうことになります。そこで、ただしこの場合に二つ考えなければならぬことがある。一つは円の実質購買力の問題であります。もう一つは日本の賃金外支出であります。米ドルあたりの円の実質購買力は、一九五九年の外務省で訓育をいたしました日本の労働条件についてという調査によりますると、二〇六という、つまり一ドルが二百六円という換算になります。それから各国間の消費者物価指数の比例を出してみますると、日本を一といたしました場合アメリカは一・八、イギリスは一。六、西ドイツは一・四、フランスは一・三、イタリアは一・四、こういうことになるのであります。これは一九五九年の数字であります。それからもう一つ諸外国におきましては、特にアメリカ等におきましては、御承知のように勤労者諸君の福祉施設その他は、勤労者諸君が賃金の中から拠出いたしました労働組合費によって運営されておるのであります。従ってここに出されておる賃金の中にそういうものは含まれております。ただ日本の場合はこれは会社がやります。これはいろいろな数字のとり方がありまして一がいには言えないと思いますが、私の知識では、これはかなり大きな企業の平均でありましょうが、一月当たり七千円くらいに上る。特に紡績関係ではそれくらいに上っておると記憶しております。そういうことと相関連いたしますと、もちろんアメリカの九二四という数字と比較することが困難であることは申すまでもございません。しかしイギリス、西ドイツあるいは特にフランス、イタリア等に比べますると、日本は今日低賃金国として特別に攻撃を受けるような条件には私はないように思うので、こういう点の誤解の一掃にやっぱり努力いたさなければなりません。ただ根本的にはやはり先ほど冒頭に申しましたように、ILOの批准を通じ日本の労働条件の向上に努力することは、これは申すまでもございません。しかしこういう円の実質購買力あるいは賃金外支出、その他を関連をいたして考えますると、アメリカに誤解が多い、というよりは過大に宣伝をされつつあるということも、やはり、この際アメリカの実情を打開していく、そういうことを理由とする運動を打開していくためにはよく説明をする必要があると思います。
#58
○小林(進)委員 十二時半で大臣もお帰りになる時間でありますから、これで終わりますが、ただいまの答弁の中にありました資料は、一つ私どもにも早急にちょうだいさせていただきたいと思います。
 それから御答弁の中の一番目の、ILOを批准して日本の労働賃金の水準を高めるように努力するというこの御答弁は、私ども非常に敬意を払ってちょうだいいたしたいと思います。これは非常にけっこうだと思いまするが、ただ第二番めの、他の先進国と日本との労働賃金の比較対照の問題は、これは結局石田労相の新説として新聞等でも方々に批判がありましたが、私どもは残念ながらまだこの御意見には承服することはできません。私も昨年もちょっと回って参りまして、特に賃金問題には興味を持って参りましたから、これほど正確な数字をつかむまでには至りませんでしたけれども、私なりに資料を集めて参りました。結論としては、後進国は別であります。野蠻国は別でありますが、中進国以上の一般文明国といわれる中では、日本ほど人間の安い国はないという結論を持って参りました。この私の結論に基づいていつか大臣のこのお考えと私の考えとを比較対照させてもらって、後刻一つ御高説を承りたいと思いますが、ともかく当面するこの諸外国からの日本の低賃金に対する排撃は、ここで大臣とわれわれとが勝負をつけて、大臣がお勝ちになってもいいし、私が負けてもいいが、この勝ち負けによって、この世界からの日本に対する低賃金排撃の運動が阻止できるような、押えることができるような、そういう底の浅いものではないということを私は御警告申し上げておきたい。私はこれはアメリカだけじゃなしに、やがて英国にも、フランスにも、ドイツにも、欧州各国に燃え上がってくる火の手のほんの一角であるというふうに考えておりますので、どうか一つ、この低賃金を担当しておられる大臣、これはわれわれの尊敬する大臣であります。手腕、力量ありと自他ともに許す大臣でありますから、この点は一つ真剣に取り組んでいただきたい。そうして、日本の賃金問題を本格的に解決をしていただきたいということをお願いいたしまして、きょうだけの質問を終わりたいと思います。
#59
○柳谷委員長代理 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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