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1947/12/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第50号
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1947/12/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 財政及び金融委員会 第50号

#1
第001回国会 財政及び金融委員会 第50号
昭和二十二年十二月八日(月曜日)
    午後二時十九分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君
   理事 梅林 時雄君 理事 塚田十一郎君
   理事 吉川 久衛君
      川合 彰武君    川島 金次君
      河井 榮藏君    佐藤觀次郎君
      田中織之進君    西村 榮一君
      林  大作君    松尾 トシ君
      八百板 正君    栗田 英男君
      後藤 悦治君    原   彪君
      松田 正一君    泉山 三六君
      島村 一郎君    苫米地英俊君
      宮幡  靖君    井出一太郎君
      内藤 友明君    石原  登君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
 出席政府委員
        大藏事務官   前尾繁三郎君
        大藏事務官   舟山 正吉君
 委員外の出席者
        大藏事務官   原  純夫君
        專門調査員   圓地與四松君
        專門調査員   氏家  武君
    ―――――――――――――
十二月七日
 物價預金制度竝びに物價證券制度採用に關する
 陳情(電氣試驗所技官關壯夫)(第七一七號)
 非戰災家屋税免除に關する陳情(鳥取縣西伯郡
 境町長足立民一郎外一名)(第七二三號)
 非戰災家屋税に關する陳情(大阪市東區北濱五
 丁目住友ビルデイング内接收建物協會理事長竹
 下隆雄)(第七二四號)
 徴税機構改革に關する陳情(広島縣西條税務署
 中谷溜外三百九十一名)(第七二九號)
 中小企業の金融對策に關する陳情(東京都港區
 商工協同組合中央會會長豐田雅孝)(第七四三
 號)
 戰死者遺家族に對し非戰災者課税免除に關する
 陳情(北海道北見市加藤敬太郎外三百四十四
 名)(第七五九號)
 自給製鹽制度存續に關する陳情(宮崎縣自給製
 鹽連合會長川野芳滿)(第七六三號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
議案
 會計檢査院法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)(第三八號)
 財政法第三條の規定の特例に關する法律案(内
 閣提出)(第九九號)
 財閥同族支配力排除法案(内閣提出)(第一一
 四號)
 酒類配給公團法案(内閣提出)(豫第一號)
  請願
 一 賠償税新設に關する請願(坂東幸太郎君紹
   介)(第八號)
 二 船岡町所在元第一海軍火藥廠敷地拂下の請
   願(庄司一郎君紹介)(第二〇號)
 三 國分町に煙草工場設置の請願(的場金右衞
   門君紹介)(第四一號)
 四 舊滿鐵社員の對會社請求權確保その他に關
   する請願(根本龍太郎君紹介)(第五二
   號)
 五 家賃の適正化に關する請願(坂東幸太郎君
   紹介)(第一二〇號)
 六 非戰災家屋税を財産税不課税者に課税の請
   願(坂東幸太郎君紹介)(第一二一號)
 七 鹿児島縣揖宿郡に税務署設置の請願(上林
   山榮吉君紹介)(第一四三號)
 八 印判業に對する製造課税撤廢の請願(小峯
   柳多君外一名紹介)(第一五五號)
 九 フイルムに對する物品税撤廢の請願(福田
   繁芳君紹介)(第一六〇號)
一〇 電氣税撤廢請願(前田榮之助君紹介)(第
   一六二號)
一一 映畫館入場税輕減の請願(福田繁芳君紹
   介)(第一六三號)
一二 休業料理飲食店に對する課税の減免及び延
   納等に關する請願(本多市郎君紹介)(第
   二〇四號)
一三 元指宿海軍航空隊跡敷地魚見嶽地區拂下に
   關する請願(井上知治君紹介)(第二四〇
   號)
一四 會計檢査人法制定に關する請願(前田榮之
   助君紹介)(第三〇四號)
一五 元軍馬補充部十勝支部用地の一部拂下の願
   請(高倉定助君外二名紹介)(第三四四
   號)
一六 煙草配給制度是正の請願(河井榮藏君紹
   介)(第三九〇號)
一七 自給製鹽制度存續の請願(福田繁芳君紹
   介)(第四〇八號)
一八 日精式製鹽窯普及助成の請願(野溝勝君紹
   介)(第四七一號)
一九 増加所得税額再審査申請即時處理の請願(
   林大作君紹介)(第四八八號)
二〇 新制中學校敷地に官有地拂下の請願(山口
   好一君紹介)(第四九一號)
二一 望遠鏡等に對する物品税輕減の請願(福田
   繁芳君紹介)(第五五〇號)
二二 指宿海軍航空隊跡敷地魚見嶽地區拂下に關
   する請願(上林山榮吉君紹介)(第五五九
   號)
二三 羅臼村所在國有林拂下の請願(伊藤郷一君
   紹介)(第五六五號)
二四 九州地方森林組合に製腦事業認可の請願(
   金光義邦君紹介)(第六三二號)
二五 元霞ケ浦海軍航空隊建物及び土地拂下の請
   願(葉梨新五郎君紹介)(第六三六號)
二六 麹類の製造を一般人に許可の請願(清澤俊
   英君紹介)(第六八二號)
二七 曽根村の元海軍用地拂下に關する請願(受
   田新吉君紹介)(第六八八號)
二八 戰時中強制買收をされた鹿屋市下谷所在の
   家屋竝びに宅地拂下の請願(的場金右衞門
   君紹介)(第七二三號)
二九 廣島市及び長崎市の復興助成の請願(北村
   徳太郎君外七名紹介)(第七六七號)
三〇 自給製鹽制度存續の請願外一件(山崎猛君
   紹介)(第七七五號)
三一 徳島專賣支局昇格竝びに同煙草工場復興の
   請願(三木武夫君外四名紹介)(第八四七
   號)
三二 北海道の元御料林拂下に關する請願(坂東
   幸太郎君紹介)(第八四九號)
三三 企業再建整備法の一部を改正する請願(稻
   村順三君紹介)(第八五〇號)
三四 自給製鹽制度存續の請願(仲内憲治君紹
   介)(第八五九號)
三五 理髪營業税撤廢の請願(梶川靜雄君紹介)
   (第九〇八號)
三六 元軍用施設竝びに敷地等拂下の請願(萬田
   五郎君紹介)(第九四七號)
三七 在外私有財産國家補償等の請願(村瀬宣親
   君外五名紹介)(第九六九號)
三八 引揚者の國内諸債權取扱に關する請願(齋
   藤晃君外五名紹介)(第九七〇號)
三九 曽根村の元海軍用地拂下の請願(守田道輔
   君紹介)(第一〇二二號)
四〇 漆器の物品税輕減の請願(原孝吉君紹介)
   (第一〇二五號)
四一 業務用酒類販賣許可の請願(中野四郎君紹
   介)(第一〇二九號)
四二 燒酎製造許可の請願(伊瀬幸太郎君紹介)
   (第一〇四二號)
四三 庶民金融機構整備確立に關す
   る請願(川合彰武君紹介)(第一〇四五
   號)
四四 自給製鹽制度存續の請願(石原登君外九名
   紹介)(第一〇六四號)
四五 關係方面使用の土地家屋の課税基準に關す
   る請願(櫻内義雄君紹介)(第一一一四
   號)
四六 滿洲からの引揚者持歸金増額許可の請願(
   並木芳雄君紹介)(第一一二四號)
四七 伊勢崎市の罹災民に對する減免税の請願(
   鈴木強平君外三名紹介)(第一一三八號)
四八 休業料理飲食店に對する課税の減免及び延
   納等に關する請願(庄司一郎君紹介)(第
   一一六一號)
四九 仙臺市に東北證券取引所設置の請願(庄司
   一郎君紹介)(第一一六二號)
五〇 大藏省税務講習所名古屋支所の建物及び土
   地拂下の請願(河野金昇君紹介)(第一一
   六四號)
五一 酒粕配給割當その他に關する請願(松本眞
   一君紹介)(第一二八八號)
五二 同(伊瀬幸太郎君紹介)(第一二八九號)
五三 在外私有財産國家補償等の請願(根本龍太
   郎君紹介)(第一二九一號)
五四 引揚者の九州海運局寄託預金の支拂又は貸
   付の請願(根本龍太郎君紹介)(第一二九
   七號)
五五 引揚者に官有地等拂下その他に關する請願
   (根本龍太郎君紹介)(第一三〇〇號)
五六 引揚者更生金庫創設の請願(根本龍太郎君
   紹介)(第一三〇二號)
五七 美術展覧會十割入場税撤廢の請願(鈴木里
   一郎君外二名紹介)(第一三〇九號)
五八 公共用として使用する元軍用施設の無償拂
   下に關する請願(秋田大助君外一名紹介)
   (第一三七四號)
五九 地方團體に獨立税創設許可の請願(秋田大
   助君外一名紹介)(第一三七五號)
六〇 鹽賠償價格引上の請願(岡田勢一君外二名
   紹介)(第一三七六號)
六一 酒粕配給割當その他に關する請願(松本眞
   一君紹介)(第一四〇〇號)
六二 酒粕配給割當その他に關する請願外一件(
   伊瀬幸太郎君紹介)(第一四〇一號)
六三 同(水野實郎君紹介)(第一四〇二號)
六四 衞生櫛の物品税撤廢の請願(山崎道子君外
   一名紹介)(第一四一五號)
六五 鹽業對策確立の請願(橘直治君外三名紹
   介)(第一四三〇號)
六六 金融緊急措置令による融資順位引上げ方に
   關する請願(小野孝君紹介)(第一四四五
   號)
六七 海産物移入に要する金融措置變更に關する
   請願(金野定吉君紹介)(第一四六四號)
六八 社會事業共同募金に關する請願(山崎道子
   君紹介)(第一二二三號)
    ―――――――――――――
#2
○早稻田委員長代理 これより會議を開きます。
 第一に財政法律第三條の規定の特例に關する法律案を議題といたします。政府當局の説明を求めます――まだ政府委員が見えておらないようでありますから、これはあとへまわします。
    ―――――――――――――
#3
○早稻田委員長代理 次は會計檢査院法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案については附則をいかにするかということが問題でございまして、保留になつておりましたが、この場合委員長から發議いたしまして、左のごとく附則を修正いたしまして、本案の討論採決に入りたいと存じます。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○早稻田委員長代理 それでは採決いたします。
 本案の修正部分に對して御贊成の方は御起立をお願いします。
    〔總員起立〕
#5
○早稻田委員長代理 起立總員。殘餘の政府原案に對して御贊成の向きは、御起立をお願いします。
    〔總員起立〕
#6
○早稻田委員長代理 起立總員。よつて本案は修正通り可決せられました。
    ―――――――――――――
#7
○早稻田委員長代理 次は、本日酒類配給公團法案が本委員會に正式に付託されましたが、本案の説明は豫備審査ですでに聽取をいたしておりますので、ただちに質疑に入りたいと存じます。御質疑はありませんか。
    ―――――――――――――
#8
○井出委員 本案は豫備審査で長い間たなざらしに相なつておつて、今會期餘すところ今明日というこの議會に審議をいたさねばならぬのでありまして、實は私こまかく質疑をしたいと思うのでありますが、事情も事情で、なるべく簡單にいたしたいとは思いますが、しばらくの間ひとつお許しを得たいと思います。
 最初にお伺いしたいのは、提案の趣旨説明で伺いましたところ、本案の目的とするところは、大體二つあるかと思うのであります。その一つは、現在の酒の配給を適正化せしめたいということにあると思います。他の一點は私的獨占の禁止法に伴いまして、一手買取、一手販賣をやつております現在の日酒販、あるいは都道府縣酒販會社、この府縣に代置すべきものを公團という方式でこしらえる。かように了解いたしております。
 その第一點の酒類の配給の適正化でありますが、私は現在の機構をもつてして、大體において酒類に關する限りは、適正にいつておる。他の商品目に比べまして、酒類の場合は、まず流通秩序の適正化に伴いまして、ぐあいよいよいつておるのだ。こう思うのでありますが、大藏當局は、この點酒類配給は一體うまくいつていないとでもおつしやるのかどうか、それを伺つておきます。同時にあとの方の問題でありますが、獨占禁止法のあります限り、これはどうしようもないものである。現在たとえば酒造組合というような組織もあり、あるいは酒販組合というような組織もある。こういつたものを何とかまとめ上げて、一つの運營委員會のようなものでもこしらえることによつて、あえて公團という方式にしなくてもやつていけはせぬか、こんな氣持がするのでありますが、この點をひとつ御説明いただきたいのであります。
#9
○前尾政府委員 ただいま御質問の第一點でありますが、これは私參議院でもしばしば申し上げてしかられておるのであります。現在の酒類の配給は、他のものから比べますと、確かに一番適正にいつておる適例だというふうに申し上げておるのでありまして、もちろん消費者にまいりましてから、それが方々に流されるというような事例はありますが、とにかく消費者までは適正にいつているということについて、自信をもつておる次第であります。ただ政府の責任におきまして、また政府職員として、公務員と同樣の罰則等を受けます點におきまして、從來より重くなるというようなつもりではありますが、現在もし獨占禁止法がないとすれば、また現在の機構が許されるとすれば、現在の機構でもさほど痛痒を感じていないというくらいに考えておる次第であります。
 それから第二點は、要するに一手買取、一手販賣機關が、どうしても必要であります。ところが一手買取一手販賣の機關は、獨占禁止法によりまして、どうしても民間の事業としては許されない。統局政府がその責任に當られなければならないという獨占禁止法の面から、何としてもこれを公團という方式によらざるを得ない情勢になつておる次第であります。
#10
○井出委員 ただいま農林委員會の方へ、食料品その他四公團の法案が出ておるようでありまして、これが審議において何か若干停頓をしておるというふうに聞くのでありますが、この酒類公團の方は、そういつた農林關係の公團と無關係で、こちらだけ構わず仕上げていつていいものであるかどうか。同じ公團という方式において、向うのものと關連性をもつかどうか。この點承つておきたいと思います。
#11
○前尾政府委員 現在いわゆる公團方式がいろいろ問題になつておる次第でございますが、また公團であることが必要かということも問題になつております。われわれはどうしても公團でなれけばならぬということにつきましては、酒類は特に何人も一手買取り、一手販賣機關でなければならない。殊に御承知のように非常に高い税金を課しておりますので、もし公團というような大きな信用力をもつたものが一手買取り一手販賣の任に當りませんと現在の酒造業者は、不安で酒が出せないという結果に陷るのであります。その點におきましては、ほかの公團と違いまして、業者の方は、すべて公團に贊成していただいております。私はほかの公團の點は存じませんが、よほどその點は違つておるのではないかというふうに考えております。公團方式自體については、もちろんいろいろな情勢によりまして、われわれもその方式の内容について、いろいろ檢討いたしたのであります。結局この内容でなければならないという結論に到達いたしておりますので、他の公團との關連という意味で、公團にしておるのではなしに、政府といたしまして、この公團はぜひやつていかなければならぬ。また公團内容につきましても、種々檢討いたしました結果でありますので、できるならこのままでお通し願いたいというふうに考えております。
#12
○井出委員 この公團の性格でございますが、この春第九十二議會において、いくつかの公團ができました際に、公團というものは、大體營團と專賣、その間の過程にあるものだというふうに、政府の説明に聽いたように思うのであります。酒につきましては、しばしば專賣制ということが傳えられたことがありますし、大藏當局において、ほぼ前もつての調査をされたというふうなことも聞くのでありますが、私は酒類に關する限りは、それはあえて專賣にしなくてよろしい。税金の問題だけで解決するというふうに考えておるのでありますが、ただいま公團というふうな問題が出たことについて、酒專賣に對する大藏當局の現在のお考えを承つておきたいのであります。
#13
○前尾政府委員 酒類の專賣制につきましては、ずつと以前ずいぶん檢討された問題でございます。しかし結論といたしまして、專賣にしないという決定に相なりまして、從來通りの方式でやつておるわけでございます。その點につきまして、われわれはもし公團によることができないということに相なりますと、御承知のように、酒類は敗戰國で、食糧事情の逼迫しておるにかかわらず、その重要性を認められて、限定はされておりますが、つくつておるというような状況にあるのでありまして、その配給が適正に行われないということになりますと、ドイツ等のごとく醸造禁止というような問題がもちあがるということに相なりますので、公團方式なり現在の一手買取り一手販賣を通じて適正配給をやるということができないことになりますと、それ自體が問題になりますので、專賣ということも考えなくちやならぬというふうに考えられるわけであります。公團として許されるならば、われわれは何ら痛痒を感じないのみか、現状を改正する必要がないというふうに考えております。少くても最近におきまして、專賣というようなことは考えたことはございません。
#14
○井出委員 その次に伺いたい問題は、酒類の配給制度でありますが、今囘高率な税額を背負つております自由販賣の酒が賣出されたわけであります。税收入という見地から申しまして、大藏當局の重點は、むしろこの自由販賣酒におかれておるかのごとき觀を呈しておるように思うのであります。これは酒のもつている嗜好品的な性格からしまして、非常にむつかしい問題だとは思いますが、やはりこれは一般用酒あるいは特に勤勞層に重點的に配給する。そういつた方面の酒類、これが私は基本でなければならぬと思いますが、單なる税收入を得るために、少しく本末を顛倒してきたきらいがありはしないかと思いますが、その點を御答辯を願います。
#15
○前尾政府委員 最近の特價酒及び供米用酒は、御承知のように加算税でもつて相當な税收入をあげるということに本年の四月からいたしたのでありますが、その後におきまして、お説のように營業停止というような問題が起つたために、業務用酒が全然出ないということになりました。その缺陷を補うには、どうして特價販賣というような制度を設けざるを得なくなつた次第でございます。また業務用酒をやめるために、家庭配給をいくらでも殖やすということも、財政事情からいきまして、そうでき得ない結果に相なつたのであります。依然として配給の重點は、もちろん産業用特配にあるわけであります。また酒全體の減石されました場合は別といたしまして、本年度におきましても、少い酒ではありますが、その四〇%以上は、依然として産業用特配という方にまわしておるわけであります。家庭用はやはり今まで程度ございますが、家庭用をある程度下半期におきまして削つて、業務用酒とともに大體におきまして四十萬石特價販賣の方にまわした次第でございます。これは決してわれわれは産業用特配という使命を忘れて、單に財政收入という意味合いをもたせるということは、毛頭考えていない次第でありますので、産業用特配につきましては、何ら減少されておりません。將來につきましても、同樣な方針でまいりたいというふうに考えている次第であります。
#16
○井出委員 ついででありますが、一般用、産業用及び特價酒、この大體のパーセントテージを伺つておきたいと思います。
#17
○前尾政府委員 二十二年度といたしましては、最初の豫定は百六十四萬九千石を特別配給用とし、六十九萬石を家庭用とし、八十二萬石を特殊用としておるのであります。業務用として十二萬九千石こういうような割合で配給をする豫定にいたしえおつたのであります。そのパーセンテージは特別用三九%、家庭用四九%、特殊用四%、業務用八%というような比率になつておつたのであります。しかしただいま申し上げたような關係に相なりましたので、本年下半期におきまして、配給計畫の下半期だけを見ますと、特別配給用といたしまして三十七萬二千石でありますが、その中に産業用で三十一萬二千石、それから非常用として六萬石、家庭用が十一萬石、特殊用として冠婚葬祭等に出しますものが三萬石、業務用は特價販賣と兩方入れまして三十二萬石、合計八十三萬二千石で、そのパーセンテージを申し上げますと、特別配給用が四三%そのうちの産業用が三六%で非常用その他が七%であります。それから家庭用が一六%、特殊用が四%、業務用酒及び特價販賣酒が三七%こういうような比率になつております。
#18
○井出委員 ただいまのパーセンテージをお示し願いましたので、私の疑問としておつた特價酒へ重點を置いておるという疑問が一應はれましたから、了解いたしました。
 それから續いて伺いたいのは、この公團でございますが、安本と大藏省と兩方の管轄を受けるというような形になるようであります。從來酒類關係の業態というものは、大藏省一本建てというようなことに相なつてまいつて、その間の事情は大藏省が最もよく通曉されておるのでありまするし、また從來の酒造政策というものが、大藏省を通じて一本建てに行われておつた關係を、この際大藏省の上に安定本部がいろいろ施策をして、どちらかというと、大藏大臣が安本總裁の下風につくというような感じさえあるのであります。これは公團の方式として、あるいはやむを得ないかもしれませんけれども、われわれは大藏省が從來の經驗をこの公團の上にほんとうに發揮せしめられて、その効果をあげていただかなければならぬと思うのでありす。この安本との調整の關係において、大藏省獨自の立場というものを十分に主張し得るかどうか、こういう點を一點伺いたいと思います。
#19
○前尾政府委員 酒類の配給につきましては、公團法におきまして、大體において基本的な方針というものを安本長官がきめることになつております。その後の具體的な配給、あるいは原案の作成というような點につきましては、すべて大藏省がその任に當つておるわけであります。將來の問題といたしましても、あくまで大藏省が主導權をもつ、そうでなければ實際の酒類の配給ということはできないというように考えておるのであります。ただ他のいろいろな主要物資につきましても、たとえば産業用にどういうふうな配給をするかということは、他の配給物資竝びに全體の産業等に對する計畫というようなことがありますので、その點におきましては、安本長官が調整をするというふうに實行してまいることになつておりますので、酒類の配給の主導權が別に安本に移るというふうには、兩者とも考えていないのであります。ただすべてこういうような統制の最後の責任が、常に公團方式におきましては、安本總裁であるということになつておりますので、そういう意味におきまして、法文上から考えます、と最後の責任者というような意味合で報告をするなりなんなりすることにはなつておりますが、實際の實務といたしましては、すなわち具體的な酒の配給ということにつきましては、全面的に大藏省が從來通りやるというふうに考えております。
#20
○井出委員 公團を設立するにあたりまして、從來日酒販もしくは府縣の酒販會社の役職員というものを、どの程度新しい公團に收容し、切りかえてまいるのであるか、大體從來の業界人というものは、その道におけるそれぞれのエキスパートであるはずであります。この人たちの知識經驗というものは、相當尊重せられなければならぬものでありますが、今囘の公團法式によると、一應業界人をシヤツトアウトしてしまうということになるかのように思うのでありますが、その點どの程度まで收容し得るのであるか、あるいは今後公團の役職員になつた者は、全然私的の同種の營業を別個にもつということは許されないと思うのでありますが、その點の限界をこの際お答えを願いたいと思います。
#21
○前尾政府委員 この公團法の中の十三條に規定がございまして、一切の利害關係をもつてはならないという條項がありますために、從來非常にお世話になりました製造業者の方等には、おはいりを願うことが困難な場合があると思います。しかしその名義を他にお讓りになるというような方法でまいりますれば、從來通り公團におはいり願うことも可能であるというふうに、われわれは考えているのであります。いずれにいたしましても、現在統制會社においでになる方は、できるだけわれわれとしてはおはいりを願いたい、ぜひはいつて從來通りおやりを願いたいということを要請しているわけであります。決して從來の陣容をすつかりかえるという考えはないのであります。ただ十三條の關係のために、あるいはおはいりを願えないという方があるかもしれないと思うのでありますが、それにいたしましても、別の方法を考えれば、必すしもはいれないということにはならないという意味で、私は十三條がありましても、その痛痒は感じないというふうに考えている次第であります。
#22
○井出委員 十三條の問題が出ましたが、たとえばこの中に輸送を業とする會社の株式を所有してはならぬというふうなことを表面通りに解釋いたしますと、たとえばいわゆる日本通運の株式をもつておるというふうなことさえもいかぬというような解釋さえも出てくると思うのですが、こういう點はどうですか。
 もう一つ、この酒類の公團の役職員として、大藏畑と言いましようか、役人のうば捨山とでもするような傾向が地方によつては出てまいりはせぬかというふうなことを縣念するのでありますが、この點についてお答え願つておきたいと思います。
#23
○前尾政府委員 この十三條の輸送を業とするというのは非常に狭い意味で、酒の配給を輸送することを主としておる業と考えておりますので、こういう會社は現在ございません。從つて日通等の株は差支えないというふうに考えております。またわれわれは決して現在の税務署の職員をここに入れようというような考えは毛頭ないのでありまして、先ほど申し上げましたように、なるべく業界の方からはいつていただくという意味で、われわれは切にそれを希つておるわけでありまするが、何にしても適任者がないというような場合には、あるいはこちらからまわさなければならぬということも起るかとも思つておりますが、これは決してわれわれの方で、税務署の役人を入れようというような意圖のもとにやつておるわけではございません。十分その點は業界の方とお話した上でやつていきたいというふうに考えておるのであります。
#24
○井出委員 酒類にはずいぶん變味をするとか、あるいは液體でありまするから破損をして流出するとかいうふうな場合が多いと思うのでありますが、この公團の取扱に相なつた場合に、そういうものに對する責任は公團が背負うのであるかどうかこの點を伺いたい。
#25
○前尾政府委員 酒類が亡失あるいは流出するということは、從來から起りがちであります。從いましてそれはマージンに相當な危險率というものが織りこまれておるわけでありまして、もちろん公團で取扱いまして、流出なり亡失するということに りしたならば、その責任は公團が負うことになりますが、その點はやはりマージンの中に織りこんでいくというふうにやつております。
#26
○井出委員 マージンの問題が出ましたが、この酒類の價格についてこの際伺いたいのでありますが、現在の價格はおそらく公團というものを豫定しない價格だろうと思います。そこで今度公團が設立されますれば、その方式に則つた新しい價格というものを構想なさつておられると思いますが、その場合に今までの酒販會社の方式のものをさらに壓縮し得るかどうか。あるいはかえつて公團の下級的機構が非常に煩瑣のために、消費者へよけいなものが轉嫁されていく懸念がありはしないか、こういう點お尋ねします。
#27
○前尾政府委員 われわれは公團ができましたために、特に價格が上るというようなことは考えていないのでございます。と申しますのは、公團は御承知のように政府の出資でありますので、株式の配當をしないという點、また何らの利益をあげる必要もないのであります。また現在考えております機構は、從來の會社でありましたものを公團に收容するというような考え方で、もちろん從來より大きな機構にするという考えは毛頭もつていないのであります。できればある程度壓縮していきたいというふうに考えております。公團をつくりましたために、特に公團に要する經費をただちに織りこむ必要もないのであります。また將來といたしましても、そのために特に酒の價格が高くなるというようなことは絶對にしないつもりでおります。
#28
○井出委員 酒の價格の問題が出ましたが、現在清酒の場合に例をとつて言いますと、一級酒、二級酒というふうに段階がありますが、もう現在のような窮乏經濟の時期に、高級なものを必ずしも必要としない。畫一的に同じクラスの製品だけにしてしまつたらどうか。その方が量においても殖やすことができるということにもなりまするし、一級、二級の區別を徹廢するというような點はどうお考えでありますか。
#29
○前尾政府委員 將來の問題として一級酒、二級酒の別を全然なくしていくのがよいじやないかという點もある程度考えられるのであります。ただ御承知のように、いろいろ最近は粗悪品がほかの品物には出てまいつておるのでありますが、酒についてはさいわい粗悪なものが出ないというのは、酒造業者の方が常に何と申しますか、商標なり名譽を重んじてつくつておられるわけであります。そういう方々から考えますとやはり多少コストは高くても、酒類の技術というような面において、いい製品をつくりたいというようなお考えもありますので、ただちに一級酒、二級酒の別を廢してしまつて、まつたく規格的な、同一規格の酒にするというところに向く方が、はたしていいかどうかという點につきましては、私としてまだ疑問がございますので、研究はいたしてみたいと考えておりますが、ただいままで一級、二級の區別を殘しておりますのは、やはり業者の方々にも相當そういう要望もあり、また必ず相當よい酒をおつくりになるわけでありますから、その酒に對しては一級酒というようなことで殘していきたいという氣持があつた次第であります。
#30
○早稻田委員長代理 ちよつと井出さんに御相談しますが、本案に對しての御質疑はあすまで繼續したいと存じますので、保留していただくということにまいりませんか。
#31
○井出委員 結構です。
#32
○早稻田委員長代理 それでは酒類配給公團法については、質疑を明日に繰延べます。
    ―――――――――――――
#33
○早稻田委員長代理 それではこれから財閥同族支配力排除法案に對する質疑をいたします。
#34
○泉山委員 私は財閥同族支配力排除法案につきまして、特に所管大臣に對しまして、二、三お尋ねいたしたいと思うのであります。まず第一に本法の第二條第二項についてでありまするが、すなわち右の第二項におきましては、本法の對象となる財閥會社につきまして(イ)、(ロ)、(ハ)の三つの場合を規定しておるのでありますが、(イ)、(ロ)の場合におきましては、まず時間的には、昭和二十年九月二日におきまして現存する會社でありまして、また資本的には、資本金額は一千萬圓を超える大會社に限られてございますが、(ハ)の場合には、この點が必ずしも明確ではないように思うのであります。すなわち(ハ)の場合におきまして、内閣總理大臣が財閥會社の指定をなす場合、もしも自己の判斷によつて無制限にこれを行うというがごときことでありますならば、内閣總理大臣に對して、あまりに過大の權限を附與するものでありまして、あるいは行き過ぎ等のおそれもあり、ともより適當ではないと考えられるのでございますが、そこで本項は解釋上前段(イ)の前文である「昭和二十年九月二日において資本金額が千萬圓を超える會社」という二つの條件が内閣總理大臣のなす指定の場合にも、(イ)、(ロ)、の場合と同様に、その前提となるものと解釋して差支えないのがどうか。まずこの點に關して明確なる御答辯をお願いしたいと思うのであります。
 次に私のお尋ねいたしたいと思いますのは、第六條第一項の第二號についてでありますが、すなわち内閣總理大臣に對し財閥役員でないことの承認を申請いたします場合におきまして、右第二號によつて本人の役員としての就任事情、またはその職務の執行の實情より見て、本人を財閥關係役員とみなすことが、明らかに不當であると認められる場合は、内閣總理大臣は、財閥關係役員審査委員會の審査の結果に基きまして、右申請の承認をなすというのでございますが、實際上これが運用上の限界について、あらかじめ承りたいと思うのでございます。そもそも本法は第一條におきまして明示せられております通り、財閥事業の形成維持に有力な寄與をした人的結合を切離して、もつて財閥同族の支配力の排除を目的とするのでございまして、この意味におきまして、さきに本年一月四日公布せられました一般公職追放に關する政令とは、立法の趣旨におきまして、相違いたしておるものと考えるのでございますが、本法はいわゆる好ましからざる人物を追放するという觀念よりも、むしろ問題の重點は、ひつきよう人的結合の排除ということにありと信ずるのであります。從いまして、ひとしく財閥役員中におきましても、これに對する取扱いには、右の目的を明確にして、これに副うがごとく配意して、濫りに財閥の全役員を一律に排除するがごときことなきよう、十分留意すべきものと思うのであります。今財閥の役員につきまして、その實情を見ますのに、財閥役員はこれを二種類に大別することができるのであります。すなわち一つは財閥の利益を代表して役員たるもの、他の一つはその人のメリツトをかわれて役員たるものの二つであります。前者に属する者は、會長、社長以下常務取締役以上の役員にして、それぞれ會社を代表するものを初めといたしまして、さらに財閥會社相互間の連繋を緊密ならしむるため、特に當該財閥會社代表といたしまして、同一財閥内の他の會社に役員として派遣せられたる者も、また利益代表たる性格を保有するのでございますが、他方、たとえば特定の支店長または工場長等にして、取締役を兼務いたす者のごときは、原則として後者すなわちもつぱらその人のメリツトによつて初めて取締役たるものでございまして、この種の役員は本法第三條にいわゆる財閥の利益を代表する者とは認めがたいのであります。取締役、支店長の中には、まれに特定の一地域を總括してこれが監督の任に當り、相當重要な任務に携わる者もございますが、一般にはさような廣汎な權限は與えられておりません。單にその店限りの權限を與えられておるに止まりまして、その權限は一般支店長と何ら異なるところがないのでございまして、かような意味合の役員は、本法第三條にいわゆる當該會社の重要な業務の運營に參加しておる者とはとうてい認めがたいのでございます。極端な例でございますが、ある會社のごときは、大阪にも取締役支店長があり、また京都にもまた神戸にも、名古屋にも同様取締役支店長が在勤いたすというふうでありまして、これらはまつたく財閥の利益代表等の色彩はなく、ひたすらその人の才幹と功勞とに報いるために、恩惠的に取締役の肩書を與えられたものと解釋すべきでありまして、また他の一面におきましては、同業他會社との對抗上、特に支店長の格上げをして、その店の權威と信用とを高めようとする會社自體の營業政策にほかならないのであります。
 以上申し述べましたように、取締役支店長というがごとき役員は、原則として本法第六條第一項の第二號に示されました職務執行の實情より見ましても、またその役員就任の事情に徴するも、決して財閥の利益を代表する者とは認めがたく、從つて人的結合の排除を目的とする本法の對象とはなり得ないと思うのでございますが、この點に對する御當局の御見解を承りたいと思うのでございます。
 第三にお尋ねいたしたいと存じますのは、第八條第二項の適用についてであります。すなわち當該財閥會社が國民經濟の復興上必要な場合、その運營上缺くことのできないものであり、かつ餘人をもつてかえることができないものにつきましては、一箇年以内を限つてその留任を認めるというのでございますが、同一趣旨の規定は從來一般公職追放令の規定の場合にも認められたのでございますが、その運用の實際面におきましては、あまりに嚴格に過ぎ、これが適用の實例はきわめてまれであるということを承つておるのでございます。これおそらく前法におきましては、好ましからざる人物の追放というような意味合が含まれていた當然の結果かとも思うのでございますが、本法におきましては、その目的の一半が經濟の健全なる發達を促進せしめんとする點にあることに鑑みますれば、本項の一定期間猶豫の特例は、その運用上に從來とは特段の手心を加えらるべきものと思うのでございます。すなわちその事業にして國民經濟の復興上必要なものである限り、當該事業が現に整理途上のあるものにつきましては、法の認むる期間内において、その整理の完了または整理完了の見透しがつくまでは、できるだけ當該責任者の留任を認めることは、現下わが國經濟再建途上におきまして、きわめて緊要の事項と考えるのでございますが、この點につきましての所管大臣の御見解を承りたいと思うのでございます。
 以上三點につきまして御答辯をお願いいたします。
#35
○栗栖國務大臣 泉山委員のお尋ねの三點についてお答えをいたしたいと思います。まず第一は第二條の二項の(ハ)にございます。「その他財閥の事業の形成維持に有力な寄與をし又は財閥の經濟的支配力の行使に有力な手段となつていたものとして内閣總理大臣が指定する法人その他團體をいう。」とあるのであります。お尋ねは「法人その他團體をいう。」というところにあると思うのであります。これが(イ)の所ではこの資本金額が千萬圓を超える、そこで自然(ハ)についても資本金千萬圓という意味が含まれておるかどうかというのでございますが、これは(ハ)はいささか特例でありますが、立法者の考えとしましては、前は會社とあるのでありますが、「法人その他團體」と書いてありまして、法人はその他の團體の例示的な意味になつておるのであります。これはたとえば日生關係で義濟會というものがありましたが、こういうものを含むのではないかというような豫定のもとに、立法者としてはつくつた意味であります。そこで資本金その他をはつきり明示することができないのでありますが、しかし趣意としては、前の一千萬圓の資本金ということを言つておりますし、そういうような資本金額も指定する材料となると思います。それから資本金額はなくても、また少くともその働きその他について、この條項にあたるものは、やはり含むと思うのでありますが、義濟會のごときものがその一例ではないかというように、立法者は豫定いたしておるつもりでございます。それから六條の一項の二のところでありますが、私も長く民間におりまして、今泉山委員のお示しのような實例を多々存じておるのであります。この立法の趣意としては、個個の問題は個々に審議をして、そして審査委員會でこれをきめるわけでありますけれども、しかし立法者が豫想しております立法の趣意というものは、今お尋ねのような點とまつたく同じであります。たとえば就任の事情あるいは職務執行の實情から見て、本人を財閥關係役員と見ることが不當であるというようなことは、しばしばあるのであります。あるいは大阪に本店があり、東京に支店があるとか、あるいは東京に本店があり、大阪に支店があり、名古屋にも支店がある。あるいはそういうような主要地の支店で、工場長とか、あるいは支店長というようなものが肩書上必要であるけれども、かりに必要として取締役、役員になりましても、實際業務執行の實情は、單に支店長の地位に止まつているというようなものも多々あつたと思うのであります。それからまたこそ財閥の利益を代表するというよりも、實に忠實に長く勤めて、今メリツトというようなお話がありましたが、メリツトをかつて、一つ功勞の意味において取締役にしておこうというような就任の事情もあると思うのであります。そういうような事情で、本人を財閥關係役員、財閥の利益を代表する役員と見ることは妥當でないという場合もあると思うのであります。そういう場合には、この二の規定によつて、この審査を付議してきまるわけでありまして、そういうことを豫定して二を入れました。
 それからさらに八條の二項の點でありますが、國民經濟の復興上やむを得ない必要がある場合、その他運營上缺くことのできない、やむを得ないものは、一年間を限つて役員の職に止まらす、こういう趣意でありますが、從來追放その他でこういう適用が嚴格であつたというのでありますが、これは追放その他という意味ではないのであります。趣意も違いますけれども、規定をごくあまくするということは、政府は考えてはおりませんが、國民經濟の復興上必要の場合とか、その運營上缺くことのできないという條件を完全に具備するものに對しては、この法の運用は當然するように相なると思うのであります。
#36
○泉山委員 ただいまの大藏大臣の御答辯によりまして、私は滿足の意を表するものでありますが、ただ第一の質問におきまして、なるほど第二件の第二項の(ハ)の場合について、資本金額に對しましては、お示しの通り、法人のほかに團體がございますので、さように御説明を承りまして、釋然といたしたのでありますが、時間的に昭和二十年九月二日、この點につきまして、やはり(ハ)にある場合に別に關係がないことに相なるのが、この點一言お答え願いたいと思うのであります。
#37
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この條文をそのまま解釋いたしますと、文字通りならば關係がないことに解されるのでありますが、實際は文脈をごらんになり、またこの適用の趣意から言いますと、重大なる特例がない限りは、同樣に解していただいて差支えないではないが、かように存ずる次第でございます。
#38
○早稻田委員長代理 本案に對する質疑は、明日續行することにいたしまして、次に移ります。
    ―――――――――――――
#39
○早稻田委員長代理 この場合御報告をかねて御同意をいただきたいと存じますが、ただいま參議院から通告がありまして、前に本委員會において可決をいたしました會社利益配當等臨時措置法案中改正法律案でございますが、その中第一は、第四條第一項中「又は經濟力集中排除法第三條第一號乃至第三號の規定により指定された會社(以下法定會社という)及び「又は經濟力集中排除法の決定指令の内容」これを削ることになつたのであります。第二は、第四條第二項を削る、第三は、第七條第一項第一號中「第四條第一項」を「第四條」に改める。かような參議院における修正可決の通告があつたのであります。從つて衆議院において同意を求むることに相なるわけでありますが、本委員會においては、これに對して御同意をいただきたいと存じますが、御異議ありませんですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○早稻田委員長代理 御異議はないようでありますので、同意したことに決定をいたします。
#41
○川合委員 ただいまの會社の利益配當臨時措置法案に關連して、大藏大臣にお尋ねいたしたいのですが、本案は言うまでもなく、昨年四月のポツダム勅令によつて、果實の配當を最高五分までに限定されたのであります。結局それは單に配當制度を撤廢されただけでは證券の民主化ができないと考えるのですが、證券の民主化については、證券の擔保、證券に對して金融をされなければ、效果がないと考えるのでありますが、その點について、大藏大臣はどういうふうにお考えになつておりましようか、この機會にお尋ねいたしたいと思います。
#42
○栗栖國務大臣 この證券、殊に株式が企業再建整備を行う現在において、非常に重要性を浮び上げてきたわけであります。それがために、證券殊に株式が今までいろいろ十分の保護を受けなかつた、あるいはいろいろな制限を受けておるその制限を撤廢して、この證券整備に必要な新資本の形成をするということが大事で、それがために證券の民主化運動も、ただいま展開されておるような次第であります。それにつきましても、配當の制限を撤廢するというのも、その一つの現われであります。また證券金融を促進するということも一つの現われであります。證券金融につきましては、いろいろの問題があり、また證券取引所その他の開設までに至つておらぬ點もあるのでありますけれども、現在のようにそれが杜絶しておるというのでは、新しい企業再建整備に必要な新資本の形成、あるいは持株整理委員會から放出される株の消化というような點も、ほとんどできなくなつておるのであります。政府といたしましては、この邊は十分考えまして、疏通の途を講じたいと思うのであります。なお年末その他をも控えまして、殊に持株整理委員會その他から放出される株の消化、あるいは企業再建整備のために必要な株の消化等に差障りがあるような場合には、證券金融的措置をも十分考えたいと思う次第であります。
#43
○早稻田委員長代理 暫時休憩いたします。
    午後三時十二分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後三時二十四分開議
#44
○早稻田委員長代理 休憩前に引續いて會議を開きます。
 これより請願の審査に入りたいと存じます。請願につきましては、第一囘審査の折申し上げましたごとく、特に愼重に取扱つてきたのでありますが、本委員會におきましては、法案の付託件數五十二という多數でありますために、請願の審査を十分に行い得ないことを遺憾に存じております。明日は會期終了日で、本議場において請願の審査報告をすることになつておりますので、本日をもつて請願の審査を大體打切ることにいたします。
 なお日程五七、美術展覧會十割入場税徹廢の請願は、紹介議員竹尾弌君より取下げ届が提出されておりますので、御了承をお願いいたします。それでは逐次請願を議題として紹介議員の御説明をお願いすることにいたします。
    ―――――――――――――
#45
○早稻田委員長代理 日程第四二、五一、五二、六一、六二、六三右各請願に對する紹介議員松本眞一君。
#46
○松本眞一君 ただいま委員長から御紹介をいただきました日程四二、五一、五二、六一、六二、六三は同一趣旨の請願でありますから、一括して簡單に御説明いたします。主食の逼迫に伴いまして、酒造米も本年度は三十三萬石強に減少されたのであります。これは米の不足の現状から見まして、きわめて當然なことであります。酒類の減少は必然的に密釀酒を招來いたしまして、かつまた財源の減少ともなりますがゆえに、何らか他の方法で酒類をつくることが必要であります。これには今清酒の粕を用いて燒酌の製造が行われているのであります。この種の燒酎は最上品でありまして、また税の對象物となるのであります。約四億圓の財源が得られ、また蒸溜粕は作物に好適の有機質肥料となるのでありますが、この粕取燒酎製造の最も缺點となつておりますのは、酒粕の入手難であります。酒粕は重實なもので、種々に利用されますが、これは從來業者統制となつております。大體酒粕の一三%が燒酎業者に配給されることになつておりましたが、實際は全部やみに流れていた次第であります。かつまた公定は一貫目四圓五十錢でありますが、やみ市場の販賣價格は、一貫五、六百圓で、近畿四國地方では、中央價格の五、六倍の例外價格が各縣できめられている實情であります。かかることでは酒粕の不正はインフレの激成となり、かつまた燒酎の減産となり、財源の困窮となりますゆえに、國家的見地から、この酒粕に對しまして、何か強力な法の制定及び適正價格の制定が必要とされますがゆえに、關係御當局におかれまして、何とぞ御善處されたいというのが、本請願の要旨であります。愼重御審議の上、速やかに可決して、内閣に送付せられんことを希望申し上げる次第であります。
#47
○早稻田委員長代理 政府の意見を求めます。
#48
○原説明員 御發言の御趣旨非常にごもつともな次第でありまして、われわれも公然同感であります。御指摘のように、一三%というものを燒酎用にまわすようにということになつているのでありますが、實際問題として、これが完全に行われない向きが多々あるように見受けられます。本年度は酒造原料が大幅に削減されざるを得ないという日本竝びに世界の食糧事情からきました結果になりましたので、財政收入を確保いたします上からも、さらには酒の需給というものの權衡を保つ上からも、こういう粕を利用して燒酎をつくるということは、一段と努力いたさなければならぬというつもりで、ただいまそういう具體策を進める段取りにいたしております。なお御指摘のありました價格の點につきましても、御趣旨を十分取入れまして、妥當なる措置をいたしたいという考えでおります。
#49
○早稻田委員長代理 本請願の採澤は留保いたしまして、最後に採澤することにいたします。
    ―――――――――――――
#50
○早稻田委員長代理 次は日程第五〇、大藏省税務講習所名古屋支所の建物及び土地拂下の請願、第一一六四號、紹介議員河野金昇君。
#51
○河野金昇君 大藏省の税務講習所名古屋支所の建物及び土地拂下の請願でありますが、名古屋から約二十里ほど離れた一ノ宮市の郊外の今伊勢町というところに、この講習所の建物があるのであります。この今伊勢町は、戰爭中二囘にわたり戰災を受けて、町の大半を失つております。その小學校の建設も、今まだ復興途上にありまして、完成を見ざる今日、すでに數百萬圓の負債を町當局は負つておるのであります。その上にこのたび新制中學をつくらなければならぬという段階に至つております、この今伊勢町に戰時中、乙種の商業學校があつて、この乙種の商業學校を建てるためには、今伊勢町の當局が、經濟的にも精神的にも、非常な負擔を拂つておつたのであります。こいつを戰時中の學校の整備に伴つて、町當局へ返す話が進行しておる最中に、大藏當局と申しますが、名古屋の財務局が、横合からこの學校竝びに敷地を買收してしまつのであります。新制中學をつくるために、非常に惱んでおる町當局といたしましては、この際、この大藏省の税務講習所は、地理的にいつても、いろいろな意味から不便でもありますし、聞くところによると、不便だから名古屋に引揚げようというようなうわさもされておるような折柄でありまするから、町當局の財政の窮状を了とせられまして、どうせ名古屋へ引揚げられるならば、この戰時中にある程度むりやりにお買上げになつた建物竝びに土地を、この町の當局に拂下げていただきたい、こういうのがこの請願の趣旨なのであります。新制中學建設のために、お互い地方でいろいろな問題を起しておるときでありまするが、どうぞ本委員會においては、この小さな町が、特に二囘の戰災を受けて、町の大半を失い、小學校の建設、新制中學校の建設に困つておる現情に對して、御理解をくださいまして、何とぞこの請願を御採擇の上、大藏當局をしてこの請願の趣旨に副うように、皆さん方の本委員會において、この請願を御採擇あらんことをお願いしたいと思います。
#52
○舟山政府委員 税務講習所を設置いたします問題は、大藏省といたしましても、税務行政の刷新上、非常に力を入れておるところでございまして、各地にこれを増設することを考え、名古屋地區におきましても、その敷地を用意したとのことでございます。新制中學の問題で、地元でその敷地及び建物を御利用したいという御趣旨は拜聽いたしましたが、大藏當局といたしまして、税務講習所の設置の問題も緊急を要するように考えておりますので、はたしてこれに代替し得る場所及び建物があるかどうかということを調査いたしまして、ほかに移り得るものがあるならば、これは町の方におまわしするといつたような措置を考えてもよろしいのではないかと考えておる次第でございますが、なお名古屋税務局あたりにつきましても、實情を調査いたしたいと考えております。
#53
○早稻田委員長代理 本請願も採擇は後に保留いたして次に移ります。
    ―――――――――――――
#54
○早稻田委員長代理 日程第四九、仙臺市に東北證券取引所設置の請願、紹介議員庄司一郎君。
#55
○庄司一郎君 ただいま議題と相なりました仙臺市に東北證券取引所を設置されたき旨の請願でございますが、きわめて簡單に要項を申し上げるならば、證券の民主化運動に即應して、東北六縣のあらゆる農漁山村の殖産工業の勃興とともに、また今後新たに新設される諸會社はもとより、即設の會社にして分離獨立する傾向にある會社等においても、その證券、その株式が、東北六縣農漁山村にあまねく普遍化し、普及化する、證券の社會化、證券の民主化の上から、また半面においては、多年國策としておつた東北振興の確立の面からも、何とか證券取引所を仙臺市に設置し、大にしては東北の振興、また株式、證券等の徹底的な民主化を促進するために役立てられたい。かような趣旨のもとに、今囘仙臺商業會議所會頭竝びに宮城縣有價證券業協會理事長等よりこの請願が提案をされましたような次第でございます。昨年成立した證券取引所法により、今や從來の株式關係じやなく、會員組織に限定をされておりますることは、輕少なる經費をもつて取引所の經營せらるる形態であり、從來の株式會社組織とは大いにその趣きを異にするものであることを認識すべきは言うまでもございませんが、今や講和會議の開催も接近し、各方面とも國内態勢の整備を急がれておる折柄、ここに東北六縣の證券民主化のために、公正なる取引が行わるるように、東北證券取引所を仙臺市に設置さるるよう、特段の御配慮をいただきたい、かような趣旨が請願の要諦でございます。
#56
○舟山政府委員 お答えいたします。證券取引所につきましては、再開の機運が近くなつておりますが、これをどの地域に設置するかということについては、目下研究中で關係方面とも協議いたしておるような状況でございます。請願の御趣旨はとくと拜聽いたします。
#57
○早稻田委員長代理 本請願の採擇も保留いたしまして、次に移ります。
    ―――――――――――――
#58
○早稻田委員長代理 次は日程第七、第一三、第二二を一括議題といたしまして、紹介議員上林山榮吉君を煩わします。
#59
○上林山榮吉君 まず第一に鹿兒島縣揖宿郡に税務署を設置せられたいという請願の趣旨を拜明いたしたいと思います。鹿兒島縣揖宿郡はちようど人口が約十五萬人を有しておるのでありますが、現在は知覺税務署の管轄に屬して非常に不便を感じておるのであります。知覺町までこの郡民が行くには、遠い所は交通機關の不便なために、二日間もかかるというような非常な不便を感じておるのであります。ひいて納税上に非常なる不便を感ずるばかりでなく、當該税務署職員にいたしましても、揖宿郡内の事情に通じないために、しばしば納税の適正を缺く憾みがあるのであります。こういうような事情でありますので、郡民は一致して新たに税務署を設置せられたいと要望しておるのでありまして、ひいて政府當局がそういうような意圖をもつてやつてくださるならば、敷地等のごときものなどについても、協力をしてよろしい。あるいは場合によつては政府に寄附してもよろしいというような、非常な熱意をもつて本税務署の設置を要望しておるのであります。なおこれが來年度中に實現すべく希望するのでありますが、もし萬一諸般の事情から言いまして、これが實現をし得ない状態にあるならば、ただちにこの所管を鹿兒島税務署の所管に移して、暫定的處置を講ずると同時に、本請願の要望する新税務署の設置を來年度に實現するように取計つてもらいたいという趣旨であります。どうかこの點もお含みの上、本委員會において採擇あらんことを切望するものであります。
 次に元指宿海軍航空隊跡敷地魚見嶽地區拂下に關する請願でありますが、これは當該町長である吉滿敬勝ほかの請願、並びに當該町農業會長有馬喜五郎の請願になるものでありますが、その要旨を簡單に御説明申し上げますならば、指宿航空隊跡魚見嶽地區は本町民、主として尾掛及び田良の所有地であつたのでありますが、昭和十七年元海軍省に買收せられたまま、今日に及んでおるのでありまして、該土地所有權獲得の諾否は、關係民の生存上にも多大の支障を與えるばかりでなく、各學校の試驗用地として、あるいは企業會社の進出により、生活に脅威を及ぼすに至つたような状態も考えられておるのであります。でありますからして、該土地は元所有者であつたこれら關係町民に拂下げを願いたい。特に當町の特殊事情といたしましては、他の町村に比較いたしまして、耕地面積が非常に狹隘な所であります。そういうような状態でありますから、關係町民のその土地下拂げに對する熱望は、非常なるものがあるし、また當然そうしてしかるべきものだと考えられるのでありますから、この點本委員會におかれましては、賢明なる御判斷を賜わりまして、御採擇あらんことを切望するものであります。
#60
○前尾政府委員 揖宿に税務署を設置する件につきましては、御承知のように、今囘相當の税務署を増設いたしたのでありますが、大體におきまして、課税物件の分布状況その他の點から考えまして、その選にはいらなかつたのであります。また來年度として税務署を増設するかどうかという問題は、ただいま檢討中でありますが、人の配置の關係で、非常に困難であるというふうな考えをもつておる次第でございます。なおわれわれとしては、檢討するつもりでありますが、ただちに揖宿におき得るかどうかということは、ただいまのところ何とも申し上げられないのであります。第二の手段として、鹿兒島税務署に管轄を移すかどうかという點につきましては、早速檢討いたしまして、必ずしも從來の行政區畫のみを考えずに、最も便宜な方法で管轄をきめていくということに、最近方針をかえてまいつておりますので、ただちに檢討して、善處いたしたいと、こう考えております。
#61
○舟山政府委員 御質問の後半の魚見嶽地區拂下に關する件でございますが、同地區が零細農家が多いという事情も了承いたしましたし、また買收當時の事情も考えまして、農耕地はできるだけ自作農創設の線に沿うて處理する。また山林、森林、備蓄林等は、關係町村に開放するのが適當であると考えておるのでありまして、これらは現地の農地委員會の手によつて、具體的に處理する方針でございます。ただ大學の試驗用地の點でありますが、これの復舊も國家として全然無視するわけにはまいりませんので、必要最小限度において、これを認めなければならないのじやないかと考えておる次第であります。
#62
○上林山榮吉君 大藏當局から揖宿税務署に關する所管外の問題について御答辯があつたのでありまするが、參考のために附言いたしておきたいのは、鹿兒島市にある税務署になりますと、一日で日歸りができるのであるが、知覧税務署になると、二日間以上を要するというような、交通上の關係があるのでありますから、この點はできるだけ急速に實現をおはかりになることが、關係町民の利益であるばかりでなく、國家の事務能率の上から言つても、私は當然のことと考えられますので、この點は特に御留意を願いたいのでありますが、さらに聞くところによりますと、税務署の設置はできるだけ市もしくはこれに準ずる所を、優先的に扱うかのごとく承つておるのでありまするが、これを設置せんとする場所は、地方事務所の所在地であり、有名な揖宿温泉の所在地でありまして、近く場合によつては市制を施行してもいいというような土地でありまして、この點から言いましても、地理的に見ても、私は當然研究して實現をせられることが、これまた關係町民の利益ばかりでなく、今日納税事務が非常に澁滯しておるこの實情から考えても、私どもは必要な場所だと考えるわけでありますが、この點特に御留意くださるばかりでなく、ひとつこれを實現するように、熱意をもつていただきたいものと要望したいのであります。なお元海軍用地の揖宿町關係の拂下げの問題に對して、非常に理解のある御答辯を得たのでありますが、この問題について、一點御注意を願わなければならぬことは、該土地が温泉地帶に關係をもつておるので、いろいろ新設の會社、そういうものが非常に猛運動をしておる状態にありますので、先ほど政府委員の答辯のごとく、その本旨について、できるだけ實現するようにひとつ要望いたして、これらの採擇を委員各位にお願いいたしておきたいと思います。
#63
○早稻田委員長代理 本請願の採擇も留保いたしまして、あとで採擇することにいたします。
    ―――――――――――――
#64
○早稻田委員長代理 次は追加日程、社會事業共同募金に關する請願、山崎道子さんの紹介をお願いいたします。
#65
○山崎道子君 終戰後のわが國の情勢は、戰災者、引揚者、遺家族、傷病者その他生活の保護を要するものを激増せしめ、生活保護の適用を受ける者だけでも本年七月末現在において二百六十五萬餘人にのぼり、戰災孤兒、浮浪兒、不良青少年等、近き將來において、制定公布せらるべき兒童福祉法の對象となるべき者もまた數十萬を算し、これらはいずれも社會事業の對象として、早急に救濟援助をしなければならない状態にあるのであります。しかして國は生活保護法の施行その他全力を傾けて、これらの救濟援助に努力されてはいるが、國の行う救濟にはおのずから限度があり、私設社會事業團體の急速な充實こそは、現下瞬時もゆるがせにすべからざる緊要な事柄であります。しかるに私設社會事業の現状は、戰前六千七百餘を算えた團體が、戰後三千五十に激減し、しかもその大半が、戰災により致命的損害を受けております。加うるに昨今の對象者の極度の貧困は、施設自體の負擔の過重を來し、反面インフレによる物價の驚くべき騰貴、物資の入手難、その他諸經費の増嵩等により、私設社會事業施設は、深刻な經營難に陷りつつあるのであります。しかるに社會事業法に基く國庫扶助を受けることも困難な状態となり、現状のまま放置せば、重大なる事態に立ち至るやもはかりがたい實情でございます。ここにおきまして、これら三千五十の私設社會事業團體の窮状を打開し、私設社會事業家として、專心して本來の使命遂行にあたることを得しめ、もつて社會公共の福祉を増進し、民生の安定を期すべく、過般來社會各方面の同憂の者相はかり、社會事業共同募金、コムミユニテイ・チエスト運動を取上げ、これを近く全國的に毎年一囘繼續して實施せんとして、すでに中央においては、本協會内に社會事業共同募金中央委員會を設け、總裁に高松宮殿下をいただき、各都道府縣に地方委員會が發足し、準備を整え、別紙要領の通りに、全國的に展開しつつあるのであります。しかして右運動實施に際し、左に揚げる諸項目は、本運動の成否に重要なる關係を有する諸點なるについては、これが解決に特別の御配慮を賜りたい次第であります。
 なお慈善興行(免税興行)を主催すること、あるいは富籖の發行を委員會がなし得るよう法律を改正したい。それから臨時資金調整法第十條ノ二によると、都道府縣は戰災復興その他の公共事業の資金を調達するために富籖を發行し得ることとなつております。都道府縣が直接實施する公共事業たる社會事業のためには、これを發行して、益金をこれに充當し得るが、これを私設社會事業團體に補助することは、現在においては不可能でございます。そこで都道府縣の次へ公共募金委員會を追加して、發行できるよう改正を願いたいのであります。免税の點におきましても、個人が共同募金委員會に寄附したとき、相續税法第二十八條第一項第一號によると「國、都、道、府、縣、市、町、村その他命令で定める公共團體に對してなした贈與にかかる財産」は課税されぬこととなつております。共同募金委員會を右の市町村の次に挿入するか、またはその他命令で定むる公共團體として同法施行細則第五條に共同募金委員會を加えるか。または相續税法第二十八條第一項、第三號の「慈善その他の公益を目的とする事業を行う者」に對する贈與として、免税點の引上げをしていただきたいのでございます。
 法人が共同募金委員會に寄附したとき、租税特別措置法第十條但書によれば「法人のなした寄附の中……命令で定める寄附金については命令の定めるところによりその一部を損金に算入する」とあります。大藏大臣はその命令を「昭和二十二年三月二十六日大藏省令告示第六十號」をもつて「都道府縣又は市町村に對する寄附金の金額」と定めております。そこで共同募金委員會を、右の市町村の次へ挿入することをお願いしたいのであります。かようにいたしまして、個人及び法人が社會公共福祉のためになしたる寄附については、課税を免税していただくか、または免税點の引上げを願いたいと存じまして、ここに請願いたしたような次第であります。何とぞ本委員會におきまして、慎重審議の上、御採擇あらんことを切にお願いいたす次第でございます。
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#66
○早稻田委員長代理 續いて日程第六四、衞生櫛の物品税撤廢の請願、これについての山崎道子んの御紹介を願います。
#67
○山崎道子君 御承知のように、衞生櫛を私たちが申しておりますのは、木櫛、竹櫛でございます。しかるに、この木製のもの竹製のものに對しまして、装身具として、奢侈品として税金が課せられているのでありますが、この請願の主體たる木櫛、竹櫛は、ここに實物を持つておりますが、こういう物でございまして、私どもはこれが奢侈品とは斷じて考えられないのでございます。しかもこの櫛は、ふけや、あかや、あるいはしらみを驅除するのが目的でございまして、製造も簡單で、資材も竹と木以外には何らの副資材を必要といたしません。木櫛や竹櫛を頭に飾つている婦女子は、一人として市中に見受けることができないというような點から考えましても、これは實用品であり、衞生品でございまして、これに奢侈品同樣の税金がかけられているということは、まことに不當と考えるのでありまして、しばしばお願いをしてまいりましたけれども、この免税が今日なおお取上げが願えないのでございます。つきましては、御承知のように、奢侈品と申します櫛は、およそべつこうとか、蒔繪の櫛であろうと存じますので、この明らかに衞生品であり、實用品でありまする本品に對しましては、速やかに免税をお願いいたしたいのでございます。殊に今日セルロイド製品に押されまして、今や全國の一千名に及ぶ業者、またこれに從事いたしまする從業員を加えますると、八千名に及ぶ人たちが、この税金のため――殊にセロルイドに押されまして、その値段はマル公を下まわつておるというような現状にあることも、御考慮が願いたいのでございます。また農村へ參りますると、ほとんど木櫛、竹櫛によつて頭髪の衞生手入れがなされておりまするので、この點もぜひとも御考慮が願いたいのでございます。また木櫛、竹櫛は、その小賣價格はセルロイド製品に比べますると、ほとんど四分の一ないし五分の一でございます。この點十分御考慮を願いまして、木櫛、竹櫛を身邊用細貨類及び化粧用具という條項の中に、櫛という條項がございまするけれども、このところへ但書を御挿入くださいまして、「但し木櫛、竹櫛を除く、」このように御考慮くださいまして、速やかに税金の撤廢方をお願いいたすものでございます。
#68
○前尾政府委員 ただいまお話になりました請願の中で、税に關係のありますものについて政府の考えを申し上げます。第一は慈善興行に與する免税でありますが、この點は該當するものとして免税いたすことに最近通牒を出しております。それから第二の相續税竝びに法人税に現在のコンミユニテイ・チエストでありますか、それを入れるかどうかという問題は、これは簡單にまいらないのでありまして、結局免税ということは、補助金を出すことと同樣であります。結局金額のきまらない補助金を出すということに相なるわけであります。從いまして、慈善事業に御寄付をされる場合には、完全に納税の義務を履行されてしかる後にやつていただくというのでなければ趣旨が通らないというふうに考えるのであります。しかし相續税におきましては、五千圓までは免税いたしておりまするし、五千圓を超過する場合には、十萬圓までは半額で課税標準に織りこむというようなことにいたしておりますので、これは當分その點で御辛抱願いたいというふうに考える次第でございます。
 次に木櫛、竹櫛に對する課税の問題でありまするが、別に装身具、ぜいたく品というので課税いたしておるわけではございません。身邊細貨類として課税いたしております。その課税の率から考えましても、文房具などと同樣に取扱つておるわけであります。將來現在のような歳入歳出が必要だというような事情が變れば別でありますが、御承知のような財政状況でありますれば、物品税につきましても、現在の物品税はみそ、醤油、米等に課税していないだけで、ほとんど全部の品物に課税しておるのであります。また當初はなるほど奢侈品に課税するという考え方であつたかもわかりませんが、奢侈品に對しては重課をする。しかしそれ以外のものにつきましても、ある程度の課税をするというような、賣上税を一歩進化さした形態でしておるわけでありますので、これをただちに免税にするということについては、他のものとの課税の權衡から考えまして、われわれは適當でないというふうに考えておる次第であります。
#69
○山崎道子君 ただいまの御答辯ではございましたけれども、この仕事は、戰爭中には非常に國のためにむりにやらされたというような状態において狩り立てられ、戰後はこの氣の毒な状態に押しひしがれまして、まつたく營業が成り立たないような實情にある。しかも日本人の頭髪にとりましては、どうしても必要なものである。殊に石けん等がございませんので、これがもしございましたならば、ふけをすくことができる。それによつて頭を洗う囘數も相當少くて濟むのでございます。ことにこのごろしらみ等を驅除いたします藥もないというような立場からも、これが唯一の衛生具となつておりますとき、わずかな税金でございますので、いろいろ國の税金のこともわれわれも承知しておりますけれども、この税金の一箇年の額からみましても、私はそれほど無理なお願いではないと考えておりますので、特に御考慮方をお願いいたしたいのでございます。
#70
○早稻田委員長代理 請願の紹介議員の方でほかにお見えの方はございませんか。――ないようでございますので、請願の紹介を終了することにいたしたいと存じます。
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#71
○早稻田委員長代理 なお陳情書が五十五件送付に相なつておりまするが、これらはいずれもその趣旨は本委員會において、他の議題と關連して審議せられたものが多いので、この際本委員會においては、五十五件の陳情書はいずれも了承しておくということにしたいと存じまするが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○早稻田委員長代理 御異議はないようでございますので、さよう決定をいたします。
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#73
○早稻田委員長代理 これから各請願の採擇を定めたいと存じまするが、委員以外の方は御退場を願います。
 たくさんの請願がありまして、御紹介を願つたのと、紹介議員の御出席のないのがありますが、御出席ないのは延期することにいたしまして、御出席の上御紹介を願つたものについて採否をきめたいと存じます。
 日程請願の第一、賠償税新設に關する請願。紹介議員は坂東幸太郎君でありまするが、先般紹介がありました。いかにすべきや御意見を伺いたいと思います。
#74
○宮幡委員 賠償税新設に關する請願は本委員會で採擇すべき時期でなからうと思います。租税の體系全般を考えまして、追つて考慮する時期もあろうと思いますが、すでに戰災者、非戰災者等の經濟格差を調整する各種の税目も出ておるわけであります。この際は一應採擇でも結構だと思いまするが、何か議員の面子を傷つけないような程度において、委員長の御名案のもとに採擇をしないということにしていただきたい。
#75
○早稻田委員長代理 ただいま宮幡さんから採擇しないということの御動議がありましたが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○早稻田委員長代理 御異議はないようであります。
#77
○塚田委員 大體請願を採擇した場合のあとがどういうことになるのか。どうも私は承知しておらぬのであります。今までの國會における請願の採擇されたのと、新國會おいては多少違うのだという一般に疑問を抱いておるのであるのでありますが、採擇された結果、政府に送付して、必らず政府において實現せよというものでなけれけ採擇できない。こういう考えも一應もつともであるから、考える場合の参考にせよというものは、委員會において採擇できないか、その邊をひとつ伺つてから、是非を決したいと思います。
#78
○早稻田委員長代理 塚田さんの御説はごもつともでありますので、暫時休憩をいたしまして協議をいたします。暫時休憩をいたします。
    午後四時十一分休憩
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    午後四時二十六分開會
#79
○早稻田委員長代理 休憩前に引續きまして會議を開きます。
 先ほど來紹介のありました各請願のうち、日程第二、日程第五、日程第七、日程一三、日程第一六、日程第二二、日第二九、日程第四二、第四三、第四八、第四九、第五〇、第五一、第五二、それから日程第六一、第六二、第六三、以上の各請願はいずれも採擇いたしまして、議院の會議に對し採擇すべきものと議決したいと存じまするが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○早稻田委員長代理 それでは以上は本委員會において採擇の上、内閣に送付するを適當と認めることに決定をいたします。
 さらに日程第六四と、追加社會事業共同募金に關する請願、この二つは採擇いたしまして、追つて處置することにしたいと存じまするが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○早稻田委員長代理 御異議ないそうでございますので、さよう決定をいたします。
 殘餘の各請願は採擇しない、不採擇にいたしたいと存じまするが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○早稻田委員長代理 御異議はないようでありますから、さよう決定をいたします。
 なお紹介のなかつた各請願はいずれも延期とすることにいたします。
 本日はこれをもつて散會いたします。明日は午前十時より委員會を開會いたします。
   午後四時二十八分散會
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ソース: 国立国会図書館
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