くにさくロゴ
1947/07/28 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第6号
姉妹サイト
 
1947/07/28 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第6号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第6号
  付託事件
 海運組合法を廢止する法律案(内閣提出、參議
 院送付)(第一七號)
―――――――――――――――――――――
昭和二十二年七月二十八日(月曜日)
    午後一時三十七分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 佐伯 宗義君 理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    佐々木更三君
      重井 鹿治君    島上善五郎君
      館  俊三君    成重 光眞君
      志賀健次郎君    原   彪君
      堀川 恭平君    矢野 政男君
     小笠原八十美君    田村 虎一君
      木下  榮君    前田 正男君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 苫米地義三君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   有田 喜一君
    ―――――――――――――
七月二十五日
 海運組合法を廢止する法律案(内閣提出、參議
 院送付)(第一七號)
の審査を本委員會に付託された。
同月二十六日
 寶積寺、市塙間鐵道施設の請願(山口好一君外
 一名紹介)(第四號)
 戰時中強制買上の建物等を舊所有者に優先拂下
 の請願(山口好一君紹介)(第五號)
 黒松内、靜狩間省營バス竝びにトラツク運輸開
 始の請願(小川原政信君紹介)(第一三號)
 井野信號所を一般驛に變更の請願(小峯柳多君
 紹介)(第二三號)
 各縣縣會議員にその縣内無賃乗車券交付の請願
 (山口好一君外三名紹介)(第二四號)
 海運國家管理法制定に關する請願(正木清君紹
 介)(第二七號)
 嬉野、川棚間國營バス運輸開始の請願(西村久
 之君紹介)(第二九號)
 柳井驛よりの三路線に、及び田布施驛よりの二
 路線に國營バス運輸開始の請願(中嶋勝一君紹
 介)(第三一號)
 沼宮内驛改築促進の請願(山本猛夫君紹介)(
 第三二號)
 葛巻、落合間及び沼宮内、盛岡間國營バス運輸
 開始促進の請願(山本猛夫君紹介)(第三三
 號)
 御堂信號所を一般驛に昇格の請願(山本猛夫君
 紹介)(第三四號)
 長岡鐵道買收に關する請願(清澤俊英君外三名
 紹介)(第四九號)
 古樋、上礼鶴間鐵間敷設の請願(飯田義茂君紹
 介)(第五一號)
 大畑、大間間鐵道速成の請願(山崎岩男君外二
 名紹介)(第五三號)
 福知山、舞鶴間竝びに福知山、宮津間國營バス
 運輸開始の請願(大石ヨシエ君紹介)(第五七
 號)
 人吉市よりの三路線に國營バス運輸開始の請願
 (福永一臣君紹介)(第五九號)
 要田村に停車場設置の請願(山下春江君紹介)
 (第六三號)
 鐵道運賃値上を國會に付議その他に關する請願
 (相馬助治君紹介)(第六四號)
 濱田、今福間鐵道速成の請願(木村小左衞門君
 外三名紹介)(第六五號)
 南廣信號所を一般驛に昇格の請願(世耕弘一君
 紹介)(第六七號)の審査を本委員會に付託さ
 れた。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 海運組合法を廢止する法律案(内閣提出、參議
 院送付)(第一七號)
    ―――――――――――――
#2
○正木委員長 これより會議を開きます。
 去る七月二十五日に正式に本委員會に付託になりました海運組合法を廢止する法律案を議題といたします。まず政府より提案理由の説明を聽取いたします。
#3
○苫米地國務大臣 海運組合法の廢止法に關する法律案提出に對しましての理由を御説明申し上げます。
 海運組合法は昭和十四年四月公布されまして、同年十二月に施行されたのでありますが、海運事業に關する統制を目的とし、同業組合的な特殊法人たる組織と事業について規定しておるものであります。すなわち同法によりますと、組合の強制設立、組合員及びアウトサイダーの組合統制への強制服從、組合の統制規定の設定等について規定が存するのでありまして、組合といたしましては、統制事業として具體的に申しますると、輸送統制のための船腹の割當、配船、または貨物の割當、燃料油その他の資材の割當、配給、その他の業務を行う權能を有するものでございます。海運組合は、一方におきましてはもちろん同業者の福利施設とか、事業に關する調査研究のような統制事業以外の事業も行うものでありまするが、以上申し述べましたようなアウトサイダーの統制とか、運輸契約の制限とか、あるいは資材の割當等の諸行為は、私的獨占禁止法の趣旨から考えますると、今囘私的獨占禁止法の施行を見るに際しまして、このような團體は解散させることといたし、根據法たる海運組合法を廢止しようとする次第でございます。なお海運組合法で運營しておりました輸送統制や資材の割當等の業務は、すべて官廳が直接にこれを行うこととなるのでありまして、事業者の團體的な組織という點につきましては、同業者の單なる親睦機關といたしまして任意組合をつくることにいたし、業界の意見のとりまとめとか、官廳や他の團體との連絡というような、事業に關する調査や研究等を行うことは適當かつ必要なことと存じまするので、かように指導していきたいと存じておる次第であります。そのような事情でありまするから、御審議の上御決定を願いたいと思います。
#4
○正木委員長 これより質疑を許すことにいたします。小笠原八十美君。
#5
○小笠原委員 本案はきわめて簡單な問題だということでありますが、ただいまの御説明の内容を伺いますると、法的な組合法というものは廢止になりまするけれども、任意組合としてこれと類似な運營にもつていこうという政府の御方針であると承つていいでありましようか、その點を明確にしておくために伺うのであります。
 それからもう一つただいまの獨立禁止の問題ですが、運輸方面としての大きな部分である通運の關係、いわゆるマル通と稱するもの、あれの獨占の影響は將來相當大きなものになり、世間はこれに對して大きな注目を拂つているわけであります。大臣はこれに對して將來いかなる措置に出られるか、これを明確にしておく必要があると思いますから、この二點を伺います。早く言えば、このマル通を廢止してどういうものに肩代りするか、現在のまま存續するかどうかということを明確にしておきたいと思うのであります。
#6
○有田政府委員 ただいま小笠原委員からお尋ねの第一の點でございますが、組合法廢止後、任意組合をつくつてそれを活用するのかどうか、こういう御尋ねのように拜承いたしました。實はこの組合法を廢止いたしましても、やはり海運の輸送の統制ということは必要でございます。從いまして、先ほど大臣から説明いたしましたごとく、統制は政府の責任においてやるつもりでありまするが、しかし任意組合というものを行政措置によつてつくりまして、可及的に任意組合を活用していきたい。要するに任意組合の意見のごときも、相當政府の方において尊重して、政府の責任において輸送統制をやつていきたい、かように考えておる次第であります。
#7
○田中(源)政府委員 小笠原委員の第二の質問にお答えいたします……。
#8
○小笠原委員 ちよつと答辯中ですが、第二の問題は大臣がおられますし、これは重大な問題ですから、大臣から御答辯願いたいと思います。
#9
○苫米地國務大臣 私からお答えいたします。マル通その他戰時中に統制を強化しましたものにつきましては、近いうちにその種類のものを改正することになつております。別に成案を得まして皆さんにお諮りするつもりであります。
#10
○小笠原委員 ただいま第一點の問題で長官から、任意組合を行政方面の責任においてなさるというような御答辯がありましたが、政府の責任において任意組合というものをいかにするかということがはつきりしません。下から任意組合がお互いに盛り上つたところを、政府の方でそれを利用しておやりになるということでありますか。行政部門においてという意味が私にはわからぬので、それをひとつ明確にしてもらいたいのであります。
 それから第二點の大臣の御答辯でありまするが、戰時中の強制加入や、戰時中の必要で政府の方で多少無理のあつた統合的な問題に對しては改正をする、こういうことの簡單な御答辯がありましたけれども、私は今日民衆において騒がれている點について、一刻も早く方針を明らかにしたいと思うので、御答辯を求めているのでありますが、しからばこれを廢止をなさるというのか、あるいは統制を解除してもとの部門に移すというのか、そこの點を明確にされたいのであります。ただ改正をすると言い放しで大臣の答辯として流しておいて、ますます世論がこれに對して迷いを生ずるということがあつては今日よろしくないことであります。また本委員會の權威にも關する問題でありまするがゆえに、その點を明確にしておいていただきたいのであります。
#11
○有田政府委員 先ほどの私のお答えが少しお聽取りにくかつたので、誤解を生じたかと思いますが、政府の責任においてやると申しましたのは、輸送統制を政府の責任においてやると申したのであります。任意組合はあくまで政府の行政措置と申しましようか、業者と懇談して政府が獎める、すなわち勸奨をいたしまして組合をつくりたい、かように考えているわけでありまして、政府が責任をもつて任意組合をつくるというわけではありません。行政措置によりまして任意組合をつくつて、そうしてその任意組合を活用し、任意組合の意見を尊重しながら、政府の責任において輸送の統制をやる、かように申したのであります。
#12
○苫米地國務大臣 ただいま重ねての御質問でありますが、今囘提出しましたこの法律案によつて海運組合法はこれを廢し、マル通その他に關することは他の法案がございます。たとえば小運送業法というものがございますが、その法律を廢止するか改正するかということは、せつかく今研究中でございまして、そのうちに皆さんの前に必ず御提案をいたしまして御審議を願いたいと思つておる次第であります。どうぞその機會にはよろしくお願いをいたします。
#13
○小笠原委員 ただいまの局長の御答辯、大臣の御答辯によると、政府の方で任意組合をつくることに深く關與しておる意味にもとれる。政府がそれをつくるように行政面でそれをまとめるというふうにも聞えるのでありますが、一體任意組合をそういうふうにつくらせる、つくつたら政府が總合的に指導する、あるいは連絡をするというのが私は本當の任意組合だと思うのであります。絶對にこれに肩代りする任意組合でなければならぬということで、初めから政府の方で干渉をするということは、本當の今日の民主主義でなかろうと考えるのであります。しかしながら官僚臭がとれないで、實際のところ局長の言われるような腹ができるておるかも知れませんが、それはどうも今日の時勢に合わざるような、聞き苦しいような感がいたすのであります。その任意組合という點は、一體今日この法案を廢止するとともに、各部面に對し任意組合を絶對つくらなければならぬというように御指導なさるお考えでありますか、その點を明確にされたい。
 それから第二の點は、大臣の御答辯でよくわかりましたが、それは今議會中に御提案なさるお考えであるか、それを明確にしていただきたいと思います。
#14
○有田政府委員 任意組合は御説の通り、もちろん任意でございまして、業者の發意によりまして組合をつくるわけであります。ただ私どもとして考えておりますのは、この組合というものがあまりたくさんできますと、ここに濫立の弊が起ります。また大きな範團でできますと、またその間に弊がございます。できるならば現在やつておる程度の組合を維持していきたい。これはただ希望でありまして、その組合發起人なりわれわれとの相談によりまして、適當にやつていきたい。さように考えておる氣持を申し上げたのであります。もちろん政府が統制をするとか何とかいう、そういう意味では決してございません。
#15
○苫米地國務大臣 小運送業法の改正につきましては、なるべく今度の議會に提案したいと思いまして、現在それぞれの關係方面ともせつかく打合せ中であります。でき次第提案したいと思つております。
#16
○正木委員長 前田君
#17
○前田(郁)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、海運組合法を廢止になるということは、私は贊成でございます。その動機でありますが、私的獨占の禁止及び公正取引の確保に關する法律、これはこの海運組合法の廢止ばかりでなく、今後たくさん影響を受けるものがあると思うのであります。それで私はこの際これを見ますと、單にその精神に鑑みて、このような統制團體を存置することは適當でないと書いてございます。精神ということはもちろんわかつておりますが、どういう點が抵觸するか。これはほかの問題ともいろいろ關連がございますので、この際お伺いいたしたいと考えます。
 それから海運組合法の廢止された後は、任意組合、あるいは商工協同組合法による同業團體を結成せしてめ、業界の有益かつ合理的な意見を大いに尊重して、その結成を促進せしめていく意思である。ただいま商工省と折衝中であると書いてございますが、この内容はどういうものであるか、それもちよつと承りたいと思います。
#18
○有田政府委員 現在の海運組合法には、その内容に輸送統制あるいは資材の割當配給に對する機能が與えられておる。それからなおかつ組合に強制加入する、あるいはアウトサイダーを強制的に服從さすというような強行規定がある。さような點はいわゆる私的獨占禁止及び公正取引の確保に關する法律の精神に鑑みまして穏やかでない。要するに輸送統制なり資材の割當は、政府みずから責任をもつてやるべきものでないか。また強制加入あるいはアウトサイダーを組合統制に強制的に服從さすということは、民主的なやり方でないと考えまして、從いましてかような内容をもつた海運組合法はこの際廢止した方が適當であろう、かような考えから廢止する次第であります。
 なおもう一つの質問の商工組合法につきまして、商工省との折衝はどうかというお尋ねでございましたが、實は商工協同組合法には運輸關係の規定がはいつておらない、從いまして商工協同組合法を適用していこうと思えば、その商工の協同組合法を改正してもらつて、運輸關係もその中にはいれるようにしなければならぬのでありますが、それについては目下關係方面と折衝を重ねておるのでありまして、まだ未決定であります。われわれといたしましては商工協同組合法が改正にならなくても、協同組合的組合と申しますか、さような意味の組合をつくりたいと考えております。
#19
○前田(郁)委員 私は今の獨占禁止法のどの條文にこういう場合が牴觸しておるという、そういうこまかい研究はしなかつたのでありますが、ただこの精神に鑑みておやりになつたというわけでございますか、實はほかにたくさんこれに關連するものがありますので、ちよつとその點を詳しくお伺いしたいと思つて、御質問申し上げたのであります。
#20
○田中(源)政府委員 大臣に代りまして私から御説明申し上げます。御承知の通り獨占禁止法に關する法案は、議會にも提案されておるアンチ・トラスト・ローによりまして、企業獨占の禁止の觀念、つまり戰時中に行われた獨占的企業に對する一つの解散命令といつていいことから生じておるのでありまして、本案のごときは、たとえて申しますならば、地區機帆船でも全國三十六地區に機帆船組合があり、その他タンク船の組合にいたしましても、あるいは船主の組合にいたしましても、ほとんど大きな七つの組合等によつて獨占的な企業形態が行われているのであります。從つてこのたび出されたアンチ・トラスト・ローの形態とこれがまつたく一致するものでありまするし、またその企業形態が獨占的形態になつているのでありまして、それを眞の民主的な企業形態に移すために、本法案の廢止をいたすことを考えて、本法案を提出いたしたようなわけであります。さよう御了承を願いたいと思います。
#21
○館委員 私考えますのに、今前田委員及び小笠原委員から出た質問は、要するに私的獨占禁占法というものができたので、戰爭中における、あるいは戰爭前における獨占事業というものが云々されるような事情になつてきた。その云々されるような命題が非常に多い。その一つ一つがどうなりやという心配でありまするが、この私的獨占禁止法というものは、ちよつと生かじりにかじつたところによりますと、自由主義經濟における私的獨占がはなはだしくなるということは、非常に困るということから出ておるのじやないかというふうに考えられる。戰爭中にできたところの獨占形態というものは、私的獨占形態でありやなしやという疑問が多分に起きてくるわけです。これはそのときの必要性によつて、いわゆる私的獨占形態というものが生れてきたのである。海運組合にしろ、機帆船組合にしろ、マル通の統制にしろ、あるいはいろいろの小運送業の統制にしろ、全部はたして私的であつたかどうかということを本質的に考えてみますと、決して私は私的でなかつたと思う。その當時の情勢に應じて、半官僚的に、官廳的に統制されてきた、これが戰時中であつたがゆえに、その組合というものは今から考えて非常に無理なところもできておつたけれども、もし戰後、經濟が非常に自由な、現在のようでなく、潤達であつた場合には、そういう形態はただちに崩して民主的な自由經濟に移すことができたのでありますが、しかし御承知の通り物資すべてが不自由している世の中には、どうしても統制經濟というものは避けられない。統制經濟をある程度まで徹底しなければならない。戰時中にできた獨占形態というものは、ある點を省いたならば、現在の統制經濟としていろいろ公團などをこしらえている精神に合致する面が多分にあるのじやないかと思う。そういう基本的なものの考か方から、いろいろな海運組合のものについての質問も出てくると思いますが、そういう基本的なものの考え方を私は今聽いておくべき必要があると思う。この考え方から今後における陸運統制なりその他の問題とキヤツチしていくべきものではないかと考える。その場合、これらの統制團體を私的獨占禁止法によつて處分するものか。あるいはその移り變りをどうされるのか。そういうことになつた場合、この統制經濟を非常に必要とする現段階において、いかに運輸關係の統制をうまくやつていくか。輸送の重要面をうまくつかんで、いかに統制を十分に發揮してこの活用ができていくか、そういう面について非常に不安を感ずるのであります。
 それからもう一つ、現在の運營會は海運組合との間にどういう立場にあつたか。これらの問題がどうなるのか。運營會の問題なり、あるいは日通の問題なり、その他の輸送面から見る現在の統制諸團體というもののわくを極端にはずしてしまつた場合には、非常に現在の輸送行政にちぐはぐなものができるのじやないかという心配が出てくるのであります。そういう點についての基本的なお考えを明らかにしていただきたいと思います。
#22
○苫米地國務大臣 ただいまの御質問の根本は、統制強化の必要のある現在において、どういう方針を將來に對してとるかというふうに伺いますが、現在提案されました海運組合の廢止は私的獨占禁止法に、條文は私はつきり覺えておりませんが、たしかに牴觸する面がございます。そこでこの強制加入、強制割當等、一切の自由をここで束縛しておつたわけでありますから、これを解放するということに基本があるのであります。しかしながら現在のこの不足な經濟において、これを自由に放任するということになりますれば、非常にそこに經濟上の混亂が起り、能率が上らぬということになりますから、どうしてもこれはある程度の計畫統制が必要であるのであります。從いましてそのやり方に對しましては、あるいは公團をもつてやるところもございましよう。しかし、この場合におきましては政府みずからこれに當る、こういう建前でまいりますので、政府がやりますけれども、これを民主的に活用するには民間の相當の強力なる意見を聽く。そのためには、もしできれば任意組合でそれらの方々の意見を十分參酌してやりたい、こういうつもりでこれが考えられているわけでございます。
#23
○有田政府委員 第二のお尋ねは、海運組合法の廢止と運營會の問題はどうなるかということであつたようでございます。現在海運組合法を適用しまして輸送統制あるいは資材の割當というようなことを直接やつておりますのは主として機帆船方面であります。すなわち戰時中つくりました百總トン以上の大型機帆船その關係のものが十九社集まりましたところの近海機船海運組合が一つ、それから先ほど政務次官が申しました全國に三十六ありますところの各地區の機帆船海運組合、あるいはその各地區の機帆船海運組合を一つにしました全國機帆船海運組合連合會、あるいは全國沿岸タンク船海運組合というような、現在の海運組合はかような機帆船を中心とした行き方をやつております。運營會は御承知の通り汽船關係を扱つているのであります。從いましてこの海運組合法廢止によりましてただちに運營會が改變されるということにはならないのでございます。ただいつかもこの席でお話したと思いますが、ともかく日本の海運のあり方というものは、やはり國際海運ということを基調としてやらなければならぬ。ついては日本だけの關係において企業形態を考えるのはふさわしくない。世界各國がいかなる企業形態をやつているかということを前提として、わが國の海運のあり方も考えなければならぬと思います。從いまして現在の世界各國の行き方というものは、あの勞働黨内閣ですべてを國家管理にやらんとしておるイギリスにおいてでさえ、やはり海運事情の特性から見まして、自營體制をとつておるのであります。從いまして日本の海運の將來のあり方というものは、やはり自營體制と申しますか、國際海運としてのあり方でいかなければならぬと考えられるのであります。しかしただいま御指摘になりましたように、現在の日本の段階といたしましては、なかなか一擧に統制をはずすわけにはいかない。從いましてわれわれの氣持といたしましては、現在必要なる配船統制ということはやはり斷固として行いながら、しかし一方におきまして業者を極力活用していくというような行き方が適當でなかろうかと考えておるのであります。しかしこの問題は、御承知の通り現在百總トン以上の船舶は全部連合軍司令部の管理下に置かれておるのであります。しかし私どもの氣持から申しますと、先ほど申したような氣持でいくのが日本海運のあり方ではなかろうかと考えておる次第であります。
#24
○館委員 戰時中の獨占計畫と、現在行われておる輸送統制の上の統制形態というものについての基本的な考えをどうお考えか、面倒なことなんですが、そこを私は考えておきたいのであります。そうしませんと、今後いろいろ――戰時中できたに違いないが、非常に現段階において矛盾しておる部面のものがあるんじやないかと考えられるのであります。非常に自由主義形態がはなはだしくなつてきて、トラストとかいうものができたときに、そういうものを仰えるという意味においてこの私的獨占禁止法というものは考えていかなければならぬというように思つておるのですが、現にそういうものが解體さるべき必要時に臨んでおり、從つてそれを解體した後において、國家要請に基いて統制が必要であるというものには、十分考えていかなければならぬと私は思う。そういう場合にその點を深く吟味していただかないと、今後の日通だとか、その他の面に改正を要する場合にも、ちよつと重要物資輸送の面においてちぐはぐができるのではないか。そうすると現在もつと強く統制が要求せられなければならない場合において、それが手ぬるくなつて、それを企業者の自由に任すというような惡い面が出てくるのではないかと見られるのであります。
#25
○苫米地國務大臣 今のお話は大體こうだと思うのであります。戰時中に私的自由を拘束して、それで強制しておつたということから、私的獨占禁止法によりましてこれを改正するということにまづ根本があると思います。しかしながら一方に公正取引委員會というものができまして、公正なる取引についてのまた規正を設けていく、こういうことになるのでありますが、今の場合は、その前の戰時中に強制されました自由を一應解放するという建前になりますけれども、先ほども申し上げましたように、現在の國情から申しますれば、船も足りませんし、輸送も無計畫のままにやるわけにはいかないというようなことで、その必要に對しては、國家みづからこれに當つてその統制計畫をする。そうして自由は認めまして、國家の力においてこれを統制する。こういうことであると思います。
#26
○重井委員 今の館君の質問と似ておるのですが、問題は具體的です。先ほで話がありました獨占禁止法による廢止の問題で、日通もやがて解體を命ぜられる危險性があります。ところが日通の場合におきましては、現在の日通を解散しますと、かつて昔のような運送店の親方制度というものが復活する形勢がある。そうなるとわれわれの關係しておる從業員の四十萬というものの生活が脅威されるような状態になるのであるから、でき得れば、日通はここのままおいてもらいたいというのが日通四十萬の從業員の聲となつておるわけであります。このような團體でありますけれども、それを解體することによつて、かえつて非民主的な、かつての封建的な制度へ戻る危險性があるのであります。私はそういう意味におきまして、この海運組合法の廢止によつて、その結果そういうような多くの從業員に對して影響があるかどうか、竝びに日通のごとき現在の組織を運用することが民主的であり、そうして多くの從業員の利益幸福のためである、こういうような團體に對しましては、政府といたしましてはその實際の状態を關係方面に訴えて、現在の形態を殘してもらうというような御運動をなさる決意があるかどうか、その點をお伺いしたいと思うのであります。
#27
○苫米地國務大臣 日本通運の從業員の方々の御希望といたしましては、今お話に出ました通りかも知れません。しかしその反對に、日通に獨占されるために地方民が非常に困るという聲もあるのであります。これは要するに、公共の福祉にどういう形態がほんとうに貢献されるかということを基本として考えなければならぬことだと思うのであります。今その方のことにつきましては、先ほど申し上げましたように、せつかく原案を研究しておりますから、どうかそのときにお讓りを願いたいと思います。
#28
○有田政府委員 海運組合法廢止の結果、從業員にどういう影響があるかというお尋ねが一つあります。この海運組合法によつて、現在におきましてもそれぞれ會社あるいは個人船主の業者が存在しながら、一つの組合をつくつておるのでありますから、この組合廢止によりまして今會社あるいは業者の從業員に對する影響は私は起らないと思います。ただ強いていうならば組合の職員がおりまして、その職員にある影響を與えないかという問題でありますが、この組合の職員というものは大した人数でありません。のみならず先ほど來御説明しておる任意組合というものがこれに代つてできるように私は考えおります。本件をめぐりまして從業員問題は起らないと考えておりますから、御了承願いたいと思います。
#29
○原(彪)委員 最近提出されようとしております配給公團その他の公團法案、これは私的獨占禁止法の建前からすれば、公團の組織というものもあまり感心したものではないと私は思つておるのであります。しかし今日この物資不足の折柄、しかも國民生活に重要であるために公團組織にしようとする政府の御意向であると思いまして、これはやむを得ないと思います。またこの海運組合法は重要物資と同じように重大な問題でございまするが、できるだけ多く私的獨占を解放するという趣旨から私は贊成でございます。ただ今御説明のありましたように、任意組合として發足することにつきましては、海運組合法の廢止によつて解散される早々でもありますし、從來海運組合法によつて政府がいろいろと面倒を見た點が、あるいは資材の面において、あるいはその他の面において、非常に多くあつたと思うのでありますが、任意組合として設立された組合に對して政府がどういう面倒を見られるか。これは任意組合でありますから、獨自につくるものでありますが、海運組合が解散されて新しくできた任意組合でありますので、任意組合の組合員の共同の利益のためになすことについては、政府の面倒を見てもらう面が非常に多いと思うのであります。さような點について政府は十分に留意されましてやられんことを希望いたしまして、私はこの組合の廢止に贊成するものでございます。
#30
○苫米地國務大臣 ただいまのお話の公團その他に對しての御意見はごもつともでありますが、要するに現在の經濟状態におきまして、一時的に公團あるいは政府統制ということがやむを得ない處置としてとられるのであります。從いまして公團等についても期限がきわめて短かい法案になつております。今囘の海運統制の廢止に伴いまして、政府みずからこれにあたるのでありますけれども、環境が緩和されればおのずから解消するのであります。また任意組合ができましても、これに統制の仕事をやらせるのではなくて、おのずからできてきた任意組合は、むしろ調査研究あるいは親睦というものが眼目になる團體だと思うのでありますが、さいわいにそういう團體ができまする以上、業者の意見を十分に聽くというような手續をとりまして、官廳直接にやる仕事を圓滑に進ませたい、こういうふうなつもりでおります。
#31
○正木委員長 他に御發言ありますか。――では別に通告もありませんので、本法案に對する質疑は本日はこの程度に止めまして、次囘に質疑を續行したいと思います。次囘は三十日午前十時より開會いたします。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後二時二十五分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト