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1947/07/30 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第7号
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1947/07/30 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第7号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第7号
昭和二十二年七月三十日(水曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 高瀬  傳君 理事 佐伯 宗義君
   理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    重井 鹿治君
      島上善五郎君    館  俊三君
      成重 光眞君     原  彪君
      矢野 政男君    山崎 岩男君
     小笠原八十美君   岡村利右衞門君
      田村 虎一君    高橋 英吉君
      木下  榮君    前田 正男君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 苫米地義三君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   伊能繁次郎君
        運輸事務官   有田 喜一君
    ―――――――――――――
七月二十八日
 海運經營方式竝びに船員管理に關する陳情書(
 全日本海員組合組合長小泉秀吉提出)
 小運送復數制反對の陳情書(全日通勞働組合代
 表者大野健三提出)
 高崎、熊谷間鐵道電化に關する陳情書(熊谷市
 長鴨田宗一外五名提出)
 鐵道運賃値上反對等に關する陳情書(物價引下
 運動中央懇談會世話人會提出)
 野岩羽鐵道延長工事豫定線變更竝びに速成の陳
 情書(栃木縣鹽原町長代理佐治洋之介外二十名
 提出)
が本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 海運組合法を廢止する法律案(内閣提出、參議
 院送付)(第一七號)
    ―――――――――――――
#2
○正木委員長 會議を開きます。これより海員組合法を廢止する法律案を議題として質疑にはいります。成重君。
#3
○成重委員 最近のいろいろな政府の行政面において、私どもは國民からいろいろ質問を受け、また非難を受けておるのであります。特に運輸交通委員といたしまして、鐵道の運賃値上げに關連いたしまして、國民からいろいろな意見を聞き、また質問を受けておるのでありますが、鐵道運賃の三倍半の値上げをいたしましても、なおかつ依然として――詳しい計數は私は存じませんが、最近の新聞等の發表によりますと、年間において百七十餘億圓の赤字を出すということは、最近の新物價體系のいろいろの鐵道關係の諸物資の値上げによりまして、あるいはそういう赤字を生ずることも、内容がわかつた者におきましては一應うなづけると思いますが、國民は今囘の値上げに對しましては相當の意見をもち、また非難をしておるのであります。いろいろな鐵道の利用します物資の値上げによりまして、一應私どもといたしましては了承いたしまして、この値上げに對しましては、すでにこれを承認しておるものでありますが、なおそれでも百七十億という赤字を出すということは、國民といたしましては、一體どういうことであろうかと考える。殊に最近の輸送關係の面を見ましても、各列車とも、あるは各貨車とも、常に滿員の列車を運轉しておりながら、その上サービスはまつたく昔とは比較にならないような状態にありますので、鐵道に對しまして、それほど深い認識のない國民は、あるいは巷間傳えるとごとく人員が過剰であると考える、あるいはまた特に鐵道、全遞に對しましては優遇いたしまして、特別加配米等もやるというような、いろいろその優遇面におきましては、十分とはいかなくても、他の勞働者に比較しますと、比較的これは重要視せられておるにもかかわらず、これらの點を前後比較いたしまして、相當國民に對して、鐵道の經營の内容についての理解を求める必要があるのではないかと私どもは考えるのであります。最近の發表をみますと、鐵道從業員は五十七萬一千人で、昭和十一年の二十二萬七千人に比較しますと、約二倍半の人員が殖えておる。しかしながら鐵道當局にこれを説明させますならば、あるいは旅客の輸送において、あるいは貨物の輸送において、その當時よりも、人員の増加に比例して輸送力も増強しておるということを申されるでありましようけれども、しかしながらこういう點についてもつと國民に對して深い認識を求める必要があるのではないかと考えるのであります。この旅客の輸送力、あるいは貨物の輸送力等につきましても、私
もといたしましては一應理解しておるのでありますけれども、こういう點をもう少し何かの方法によつて、ひとつ國民にとくとこの際理解を求める必要があるのではないかと思うのであります。と申しますのは、すなわち鐵道の經營の内容について、あるいは新聞でも、あるいはその他の何かの報道によりましても、もつと具體的に私は國民に對して理解を求める必要があるのではないかと思うのであります。私ども運輸交通委員の一人といたしまして、われわれと直接意見を交す者に對しましては、私どもとしては十分現状を説明もしまた理解を求めている次第でありますけれども、行く所行く所、どこに行つても私どもが意見を聽きますことは、三倍半に値上げをし、なおかつ大きな赤字を出している。その經營の内容において、いい所は國民は言わないけれども、いろいろな點を指摘して言われますので、もう少し鐵道自體が積極的にこの經營の内容について直接國民に對して一般の理解を求める必要があるのではないかということを私は考えるのであります。殊に鐵道の經營の内容につきましては、私どもとしては、技術あるいは經驗というものが、他の産業に比較して比較的重要視せられているということも十分承知しているのでありますが、しかし最近における從業員の質的教養につきまして、もう少し重きを置く必要があるのではないかと考えるのであります。代議士諸君なり、あるいはその他一般人からもいろいろ聞きますことは、最近における若い鐵道從業員の一般旅客に對する態度、言動、あるいは驛あるいは列車内における旅客に對する態度等につきましても、もう少しこの教養面に對しまして積極的に、これらの國民の非難を打開する意味において、やる必要があるのではないかとも考えるのであります。私どもは、赤字の原因が主として人件費によるものでないということもよく内容わおかついおりますけれども、しかし一般におきましては、主として人件費の増加により赤字が大きくなるのではないかというような誤解をもつておる國民すら多いことに鑑みまして、これらの點に對するところの、鐵道の實際の經營面における赤字の内容というものは、人件費がおもでなくして、いわゆる資材の面において多く生じてくるところの赤字の原因も具體的に指摘いたしまして、これを發表する必要があるのではないかと考えております。なお、この大きな赤字となつております原因がその資材面にあることも私どもはよくわかつております。三倍半の値上げは新物價體系の樹立以前にきめられたことでありまして、諸物價の點につきましては、この三倍半の値上げをきめました後においてまた物價の上つたことも、私どもよくわかつております。こういう點が大きな赤字を生ずる原因であることも、われわれはもちろん理解できておるのであります。こういり點も指摘して、十分國民に納得を求める必要があるのではないかと考えております。なお經營合理化の面につきましても、私どもといたしましては一應理解しておるのでありますけれども、こういう點をもう少し何かの方法によつて、ひとつ國民にとくとこの際理解を求める必要があるのではないかと思うのであります。と申しますのは、すなわち鐵道の經營の内容について、あるいは新聞でも、あるいはその他の何かの報道によりましても、もつと具體的に私は國民に對して理解を求める必要があるのではないかと思うのであります。私ども運輸交通委員の一人といたしまして、われわれと直接意見を交す者に對しましては、私どもとしては十分現状を説明もしまた理解を求めている次第でありますけれども、行く所行く所、どこに行つても私どもが意見を聽きますことは、三倍半に値上げをし、なおかつ大きな赤字を出している。その經營の内容において、いい所は國民は言わないけれども、いろいろな點を指摘して言われますので、もう少し鐵道自體が積極的にこの經營の内容について直接國民に對して一般の理解を求める必要があるのではないかということを私は考えるのであります。殊に鐵道の經營の内容につきましては、私どもとしては、技術あるいは經驗というものが、他の産業に比較して比較的重要視せられているということも十分承知しているのでありますが、しかし最近における從業員の質的教養につきまして、もう少し重きを置く必要があるのではないかと考えるのであります。代議士諸君なり、あるいはその他一般人からもいろいろ聞きますことは、最近における若い鐵道從業員の一般旅客に對する態度、言動、あるいは驛あるいは列車内における旅客に對する態度等につきましても、もう少しこの教養面に對しまして積極的に、これらの國民の非難を打開する意味において、やる必要があるのではないかとも考えるのであります。私どもは、赤字の原因が主として人件費によるものでないということもよく内容わおかついおりますけれども、しかし一般におきましては、主として人件費の増加により赤字が大きくなるのではないかというような誤解をもつておる國民すら多いことに鑑みまして、これらの點に對するところの、鐵道の實際の經營面における赤字の内容というものは、人件費がおもでなくして、いわゆる資材の面において多く生じてくるところの赤字の原因も具體的に指摘いたしまして、これを發表する必要があるのではないかと考えております。なお、この大きな赤字となつております原因がその資材面にあることも私どもはよくわかつております。三倍半の値上げは新物價體系の樹立以前にきめられたことでありまして、諸物價の點につきましては、この三倍半の値上げをきめました後においてまた物價の上つたことも、私どもよくわかつております。こういう點が大きな赤字を生ずる原因であることも、われわれはもちろん理解できておるのであります。こういり點も指摘して、十分國民に納得を求める必要があるのではないかと考えております。なお經營合理化の面につきましても、私
し、また一面資材その他の不足によつて保線竝びに修理、その他輸送力の増強に對しましては、實に容易ならぬ様相を示しておるのであります。それゆえに、ただ經理面の問題ばかりでなしに、國鐵全體に對する國民の認識をもつと深めていただいて、そうしてこの國民全體の上にある鐵道というものをはつきりと御了解を願い、しかして今後の方針を立てていきたいと實は考えておるのでありまして、いわゆね國鐵實相掛告なるものを目下作成中でございます。大體草案もできましてまとまつておりますが、まだすつかり整備をいたしておりませんから、ここで皆さんの前にお配りをする段階にまだ達しておりませんが、大體の構想その他方針につきましては、後ほど鐵道總局長官から詳しく御説明を申し上げたいと思います。さようなぐあいでこの國鐵のありのままの姿を國民の前にはつきりと示して、そうしてそれに對する當局の方針なるものを同時に今計畫しております。これは大體五箇年計畫で、經營合理化及びこの難局打開の方策をとるように計畫しております。これはもう少し遲れると思いますが、成案ができますれば早速皆さんの前にお配りをして、またいろいろ御審議を願いたいと思つております。
 それから今お話の、鐵道從業員に對して加配米が二千五百石あつたというので、とかく世間の誤解を受けておるようでありますが、元來鐵道に對しましては業種によつて特別加配米があつた。これが從來一萬八千四百四十石と覺えておりますが、毎月それだけ特配があつた。ところが六月からそれが減つて一萬六千石になつた。そればかりでなしに、その特配が非常に遲れて、重勞働者側の生活が非常に脅かされた。そこで何とかしなければならぬというので、せめてその減つた分でも應急にやつてもらわなければ困るというようなことをよく話しておつたわけであります。これはあるいは皆さんの方にも御了解が得られることと思いますが、まつたく悲痛な叫びがございまして、どうなるかという心配をいたしたのでございますが、それこれを斟酌して、とりあえず二千五百石もらう。農林省からそれをわけてくれる。こういうことに妥協ができて、そうしてあれは二千五百石毎月もらうというのではなくて、とりあえずもらうということでこの急場を凌いだ。從いましてほかのものと非常に公平を失するとかいうお話がありますが、元來打切られたものを一箇月分だけ補充した。もらう方から言いますとそういうことになつております。この點も一つ御了解を願いたいと思うのであります。そういう事情でありまして、詳しい事情は、國鐵實相報告を近いうちに皆さんのお手もとに配りますから……。
#4
○成重委員 大藏大臣の發表しておる關係はどういうようになりますか。
#5
○苫米地國務大臣 大藏大臣の五箇年計畫というようなことは、今われわれがその線に沿つて研究しておるということを聞いてお話になつたのだろうと思うのであります。具體的に大藏省でそれを考えておるということじやないと思うのであります。どうぞさよう御了解願います。
#6
○成重委員 私がそういう質問を起しましたのも、實は大藏大臣あたりから鐵道五箇年計畫による黒字政策等の意見の發表があつたものですから、私ども同じような運輸交通委員會の衝に當つておる者が、實が外貌も知らないうちに、そういうことが政府の大臣から發表になるということは多少不可思議に思つておりましたので、それに關連して本日のような質問を生じたわけであります。ただいま大臣の御説明を得て大體了承いたしました。
#7
○前田(郁)委員 私はまず第一に、海運組合法の發止後の問題についてちよつとお尋ねしまして、あとから一般のことについてお伺いしたいと思います。この組合法が發止になりますると、資材の割當であるとか、あるいは配給とか、こういう方面のことは任意組合、あるいは商工協同組合法による同業者の組合を結成せしめるというようなことが書いてありますが、こういう團體にやらせることになるのであるか、この點を承つておきたいと思います。
 それから第二には、私は國營自動車のことにつきましてお尋ね申し上げたいと思います。國營自動車は國有鐵道網と一體になりまして、陸上交通計畫の根幹をなすものであるということは、これはもう一般にわかつておることでありますが、昭和二十一年度の鐵道會議の議事録を拜見いたしますと、その諮詢事項の第一に「昭和二十一年度以降特に本年度輸送力整備に關し考慮すべき事項」というのがありまして、これに對す答申の省營自動車に關するものに對しまして、答申書の第四項において次のようなことが書いてある。「省營自動車については車輛の新造及び輸入の計畫とにらみ合わせ、休止路線を檢討して必要なるものを復活することと、鐵道建設線の代行、先行、資源地の、開發竝びに重要な觀光路線の實施を目途として新線の計畫をするの必要を認めるが、なお民營自動車の助成をはかり、これとの調整を十分に考慮する要がある」こういう答申ができておりまして、そうして九線の新線を適當と認めて答申されておるようであります。私どもただいま終戰後におけるところの地方の民營バスの状態を見ますと、なかなかりつぱにおやりになつておるところの業者もたくさんございますが、一部におきましては形だけの營業をやつて、一日一囘、はなはだしきに至つては二三日に一囘というような、全然交通機關としての機能をなさないようなものがあるのであります。そうしてそのサービスというものはまつたく人道を無視しまして、獨占事業のために、人間をまるで荷物扱いにして積めるだけ積む。そうして車體は壞れほうだいで、ガラス戸が一枚もないというようなものがあるのでありまして、これでどうして破局にある日本の混亂せるところの交通事情を救濟することができるだろうか、こう考えておる次第であります。殊に地方民の生活安定はもちろん、産業の開發、資源地の開發などということもとうてい思い及ばぬところであります。民營業者といたしましてまことに完全な、りつぱな營業をおやりになつておる方もありまして、そうして地方民の要望にこたえておるようなものもありますが、ただいま申し上げるようなものも現在あるのであります。私どもはこの國民生活に重大なる關係のある國營バスというものに對しましては、地方の世論というものは非常な重大なる政治問題として論議をされておるのであります。
 先ほど申し上げました通り、必要なものは復活し、重要なる路線には新線の計畫をすべしというようなことが、斯界の權威者とか、あるいは業界の代表者をもつて構成されたところの鐵道會議において、すでに二十一年度にも決定されておるわけでありまして、私どもはこの問題に對しましてはどうしても積極的にやつていただきたいと思うのであります。しかるに運輸當局の方は、ややもすればこの民間のある一部の自己防衞の陳情、あるいはまた壓迫と言つては失言かもしれませんが、一部の法律などのために躊躇逡巡されて、そうしてせつかくの計畫を斷行するということに對しましても、非常に消極的であるということを一般に言われておりますので、私どもは國家のためにまことに悲しむべきことでないかと考えておるような次第であります。ゆえに私どもは民營を壓迫するということは、これは決してよいことでありません。むしろ政府としては今後助長してもらわなければならぬと思いますが、しかしながら日本はただいま非常に人口が殖え、そうして各方面、食糧問題であるとか、その他資材の問題におきましても、これから開發してそれを日本全國にもつていかなくてはならぬというようないろいろな問題もあるのでございますから、日本のいわゆる國土計畫とか、その他の點から總合的に考えていただきまして、そうして地方の非常に弱い業者によつて運營されておるような所は、これを國家の力でもつて國營自動車を通していろいろなことをやつていただきたい、こう考えておるのであります。殊に私の方の九州の南におきましては、ただいま未開發の土地が多いのでございまして、そこへ國家としてもいろいろな開發計畫をやるといつておるのでありますが、殘念なるかな、この交通問題に對しまして非常に惠まれておらない、殊に省營バスというようなものも、もう數年前から猛烈に陳情もし、政府にも了解を求めておりますが、何しろ遠いためにそういう點がずいぶん遲れておる所もあります。この日本の敗戰國を立ち上らしめて、そうして少しでも物資の豐富な所から開發していこう、この線から考えましても、この省營自動車というものは、單なる一部の弱い力の業者に任せておくことなくして、そして國家の力によつていただきたい。こう考えておる次第でございまして、この二十三年度に對しまして、國營自動車につきましてはどういう御計畫がありまするか。このことを一つお伺いいたしたいと思います。
 それから第三に承りたいことは、運輸省の方では國營自動車は一路線一營業主義をとつていられるという點でございます。これは戰爭前にようやく自動車一臺もつて、そこで運轉手が營業をやつておるというような所は、それを統合されたので、そうなつたという話も聞いておるのでありますが、現在そこを通つておるところのバス業者だけではとうていやりきれぬ、省營とともにやつてもらわなくちやならぬということもありまして、現に自分の方ではすでに統合しておる所もあるのであります。そういう所は私どもは何も一路線一營業主義でなくてもいいのじやなかろうかと思いますが、これもどういうお考えでありますか、一應承つておきたいと考えますす
 第四には道路行政の問題であります。これは内務省と運輸省でいろいろやつておいでのようでございますが、現に私どもの所では省營バスがある一箇所が壤われておるために、一年有餘の間、通つておりません。わずかな所でありますが通つておりません。それが縣の方に行くと、運輸省の方といろいろな話合いがつかぬというようなことであり、また運輸省の方に承りますと、これは地方長官の權限であるというようなことになりまして、わずかな地點のために、せつかくの省營バスが運行していないという状態であります。これは要するにこの道路行政というものが整備されていないというためじやないかと思いますが、今や内務省は解體されるという時期でありまして、私どもはこの機會を利用して建設とか、あるいは管理とかいう權限を運輸省に移管されてはどうかと思うのであります。これらの點當局の御意見を承つてみたいと考えます。
 それから最後にいろいろな書類で拜見いたしますと、鐵道會議の官制がいよいよ改正になるというお話であります。まことに結構でございまして、國民を代表せる國會において運輸交通の常任委員會ができたのでありますから、これに對して鐵道會議の官制を改正されるということはまことに結構と思いますが、もし今後改正されるならば、本委員會との關係はどういうふうにされるつもりでございまするか。その點を承つておきたいと考えておる次第でございます。以上の四點をひとつお伺いいたしたいと思います。
#8
○正木委員長 關連質問ですから高橋英吉君に發言を許します。高橋君。
#9
○高橋(英)委員 前田君の今の省營自動車の問題について關連質問をしたいと思います。前田君の適切な御質問中、弱體な民營自動車の運營についてお話がありましたが、私どもの地方もそういう状態でありまして、前田君のお説によると、前田君の地方も同様である。おそらく弱體の民間業者の自動車運營面における弊害と言いますか、弱點と言いますか、そういうものは全國到るところに現在現われておるのだらうと思います。これを省營によつて何とか救濟してもらう、是正してもらうということについて、しばしばわれわれども陳情するのでありますが、これはどうも取上げてもらえない。どうしても民間業者に既得權がある所は、既得權を侵害することができない。既得權に對して一キロの侵入も許さないという建前のように聞いておるのでありますが、鐵道會議の決議によりますと、省營と民營との間に調整をとるという非常に幅の廣い政治的な言葉を使つておりますけれども、實際においてはそれが行われていない。民間の既得權がある路線に對しては、絶對に省營は許さないというふうに私どもは聞いておる。民間業者を壓迫してはいけませんし、民間の業者を助長するのは、これは今日の社會組織上當然でありましようけれども、しかし現實に即してどうしても民間業者ではやつていけないという所がありますならば、それはあらゆる點からいわゆる總合的に考えて、省營がよければ省營で、省營でいけない所は民營を助長するというのが當然だと思う。私どもはこの省營自動車、民營自動車というものについては、地方民の世論というものを相當尊重していただくというふうに考えておつたのでありまして、これは當然だと思つておりましたから、昨年も自動車業改正法の委員會の論議の内容なんかに對しても、そう大して心を使わなかつたのでありますが、あとから聞いてみますと、どうもこの委員會には專門家がたくさんはいつておる。專門家というのは結局民間の自動車營業に關係しておる人がはいつておつたそうであります。そういう人がたくさんはいつておつたから、自然に委員會の空氣が省營反對であり、民營壓迫絶對反對だというふうな空氣になつてしまつた。それがあたかも前議會の空氣であるかのごとく運輸省方面がおとりになつて、民間業者の既得權のある所に對しては、過去の歴史から言いましても、現實の面から言いましても、省營にやつてもらわなければならないということがきまつておる所に對しても、なおかつ民間業者の既得權があると稱して、開店休業、有名無實であつて、前田君の言われるように、ガラスは破れ、人を動物扱いにするくらいの程度でも、運轉しておればいいが、全然運轉せぬところがたくさんあるのであります。そういうものに對して、既得權があるとして、少しも顧みておらんのであります。しかも民間營業者が相談して話がついたら何とか考えてやろうというようなことになつておるのでありますが、これを民間同士に任しておいて、話がつく道理がないことは言うまでもないことなのであります。從つて私は今度この委員會に代つてはいることになりましたについては、この問題についてあらためて昨年の自動車關係の委員會の空氣を是正していただきたい、再檢討していただきたい。鐵道會議にありまするように。眞に民營と省營との最も理想的な調整をはかつてもらわなければならない。現實に即して民營ではどうしてもやつていけないような所、また省營を地方が要望し、省營によつてのみ地方に實施されることになつておるような所は、どうしても省營にやつてもらわなければならない。既得權のごときは何とでも解決のしようがあると思うのであります。そういう意味において今度の委員會で根本的にこの問題、この原則――民間業者の既得權のある所は絶對省營は許さないというがごとき昨年の衆議院の委員會の空氣というものは、決して全議會人の空氣ではない、全議會人の空氣でもなく、いわんや全國民の空氣でもないというように、この際はつきりとさしていただきたいと私は考えております。そういう意味におきまして、この鐵道會議における調整という意味がどういうふうにとられておるか、しかも現に實施面においては、既得權をもつておる所に對しては絶對にこれを許さない。要するにわれわれが關係しております重要な問題については、既得權の侵害ということから、少しも顧みられておりません。しかも言うところは、われわれがたまたま陳情に來るのは、理論も通つており、いいと思うが、しかし業者の方が直接死活問題であるし、利害關係もあるし、また中央へ陳情することが便利であるし、常に來てやかましく言うから、自然業者の方の主張が通ることになる。地方からの要望は間歇的であるから弱いということを聞いておりますが、もつてのほかだと思うのでありまして、この點については、私どもは自由主義を奉ずる自由黨に席を置いておるが、決して民間業者萬能論を唱えるものではなく、そういう意味で現實に即して、省營のよいところは省營にしてもらわなければならぬし、しかも省營以上の能率を發揮するというものについては、そういうように進んでもらわなければならぬ。すなわち省營という意味については、政治的に大巾に解釋して、國家民衆のために取計つていただきたいと思います。昨年の自動車關係の委員會の、民間業者壓迫絶對反對というふうな、非常に片寄つた聲が運輸省に反映されておつたといたしますれば、決してこれは國民の聲ではない、議會全體の聲ではないと確信いたしまして、この點について再檢討していただきたいと思うのであります。前田君のお説に關連してこの希望を申し述べます。われわれいろいろな陳情をするときに、省營だつたら贊成だというので、あらゆる人が贊成者になつております。これを見ても一般の空氣がわかると思います。いずれまた適當な機會に申し上げたいと思いますが、ちよつと便乘して申し上げておきたいと思います。
#10
○有田政府委員 前田さんからお尋ねの第一點、すなわち海運組合法廢止後、資材の割當は政府でやるのか、あるいは任意組合でやるのかどうかというお尋ねでございます。實はこの組合法廢止の動機は、御承知の通り獨占禁止法第五條によりまして、個人、業者あるいは組合團體が資材を一定割當をするということは禁止されておるのであります。これも海運組合法廢止の大きな動機の一つであります。從いましてこの組合法廢止後、任意組合において資材の割當をやらすということは考えておらないのであります。政府みずからの責任においても燃料その他資材の配給もやりたいと考えておるのであります。ただしかしこの資材の割當ということは、非常に愼重にしかも公平適切に行われなければなりませんので、政府みずからの責任において資材の割當はやりますが、この場合は輸送實績、輸送計畫というものとよくにらみ合わせまして、たとえば輸送協議會というような、そこに官民一緒の委員會をつくりまして、そして十分民間の意見も尊重し、輸送計畫と輸送實績というものとにらみ合わせながら、あくまで公平適切に資材の配給を行いたい。かように考えております。なお任意組合はつくりますが、その任意組合の意見もその委員會において十分尊重してまいりたい、かように考えておりますから御了承願います。
#11
○田中(源)政府委員 前田さん竝びに高橋さんのお尋ねの、民營企業に對する官業の壓迫、あるいわ既得權の侵害の問題、いろいろお説明になりましたが、國鐵といたしましてとつております方針は、いたずらに民營の路線を壓迫いたさなくても、民營の企業が完全に遂行され、それで運輸行政の目的が達せられると認めた場合においては、國家財政も今日のごとき状態でありますし、資材の點から考えましても、すべてを國家がやらなければならぬということはないのであります。その既得權をもつて、自己の業務の遂行を行わないという場合にありまして、監督官廳といたしまして、でき得る限りその既得權遂行に關する注意を與えまして、つまり一般民營企業が、與えられました公共的性質を帶びる運輸事業を遂行しておるかどうかということを、監督行政の上から見まして、會社に監督上の指示を與えておるのであります。もしその政府の警告に對して完全にしないという場合におきましては、その既得權というものは取り消して差支えないと考えておるのであります。今お示しのような事例に關しては、日本の現状として國鐵といわず、民間の一般企業團體といわず、戰時中にすべてそのもちごまを使い果して、いわゆる生産資材、消費資材の缺乏から、非常な經營難に當面しておることは言うまでもないのであります。これからうまくやれるかやれないかということは、一にかかつて、今後の日本の資材面が解決するものと思います。しかし現實において、お示しの通り、決して國鐵が民營を壓迫するということはない、一路線、一營業主義などというものにとらわれていないということを御了承願いたいのでありまして、一路線一營業主義にとらわれず、あくまでも民營を尊重し、既得權を尊重しておりますが、實際の現實に即しない状態を政府がそのまま放置しておるということは斷じてありません。さような事例が全國に多々ある場合におきましては、それぞれの監督行政方面から徹底的にこれを精査して、廢止さすべきものは廢止させ、企業合同をいたし、堅實な運營をいたさせるべき面はそういたさせる、それに反して國家的路線を要すると認める部面においては、進んでその線に代つて政府が代行していく、かように考えておる次第であります。さような意味で考えておりますから、從來どういう委員會において、あるいはこの議會において、高橋さんのお示しのような決議が出ておるかどうか存じませんが、現實に即して正しいかどうか、國家的見地においてやつていきたい。しかしひとつお考え願いたいことは、現實に政府におきましてもやりたい希望をもつ線も多々あります。また民間の陳情にも非常に同感の點がありまして、これを實施いたしたいと考えましても、悲しいかな資材の面において制約されております。また財政の面において制約されております。いろいろ事情もありますので、この事情を打開いたしまして、資材、財政の面とにらみ合わせて、でき得るだけ輿論にこたえていきたいと思います。ただここで申し上げたいことは、省營と民間の旅客、貨物の自動車運送業との關係は、日本は國鐵中心に陸上大輸送の機關が發達してきたのでありますが、民間のバスの方が、國鐵が著手いたすよりも先に發達してきた現状であります。そこにあとから國鐵の方が省營バスなり、省營トラツクをやつてきた形で、その間に多少のギヤップができております。それがいろいろ民間との間に摩擦を起すもとであります。從つて今後におきまするいわゆる一つの合理化經營の面から考えてみまして、陸上の補助機關であるバス竝びにトラツクの問題に對しての根本的成案を合理化經營とにらみ合わせて立てて、お示しのような點のないように、十分にその面を考慮していくことが必要であろうと考えておる次第であります。大體以上の點をもちまして御了承願いたいと思います。
 なおあとの問題につきましては、それぞれ關係の政府委員から答辯をいたしますし、私の答辯で足らざる點は、監理局長からお答えいたすことにいたします。
#12
○高橋(英)委員 ただいまの田中次官の御答辯は、やや物足らない點もありますけれども、今後の新しい行き方としての原則をお示しになつたものとすれば、一應了承したいと思います。ただ私どもは近い機會において、當委員會でこの省營か民營かということに對する一つの原則的な申合せをしてもらいたいと思つて、それを提議したいと考えておりますが、そういう意味の將來に對する今の御答辯でしたら、また考え方があると思います。しかし從來の運輸省の態度もそうであつたということをお含みになるものであつたならば、それはただいまの御答辯と絶對違つております。從來の現實面の行政は、先ほど申し上げました通りのことでありますから、もしそういうふうな行き方が誤つておつたのだということならば、どうぞ頭の切替を今後してもらわなければならぬと思います。これはいずれ委員會で原則が確定しました上で、強く要望したいと思いますけれども、とにかく今の次官の御答辯、お心持が、過去はどうであつても、これからそういうふうにするというお心持が含まれておるとしまするならば、從來は全然違つておる、從來は不在地主のような既得權でさえも擁護されておるのですから、その點に對する運輸當局關係者の頭の切替について、一つ御懇談を願いたいということを強く要望しておきます。
#13
○正木委員長 井谷君
#14
○井谷委員 前囘の任意組合のお話の中で、ちよつとわからない點がありますからお尋ねしたいと思います。政府は行政措置において任意組合をつくらすということを言われておるのでありますが、この任意組合という意味がどの程度のものであるか。ほんとうに自由な氣持に出た任意組合であるか。先般はある程度までこれに干渉せられるような意味にとれる點もあつたようでありますが、どういうほどあいのものであるかということと、もう一つは任意組合にはいらないものがあつた場合には、どういうお考え方をせられるか。この二つをちよつとお伺いいたしたいと思います。
#15
○有田政府委員 任意組合の性格はその名の示すごとく、まつたく任意組合であります。いわゆる民法上の任意組合、かように解してくださつて結構であります、ただこの數について別段制限するわけでも何でもありませんが、實際の任意組合と政府の直接統制と言いますか、その間におきまして、できるだけ圓滿に諸般の事務を遂行したい。かような見地から見まして、あまり任意組合が濫立されても困ります。また任意組合が全國的に一つというような大きなものができましても困ります。その邊のところは政府と任意組合の發起人との間におきまして懇談を遂げまして、適當にやつていきたい。私が「かんしよう」と言いましたのは、いわゆる勸めるという意味で、業者の了解のもとにやつていきたい。かような考えであつたのであります。なお任意組合にはいらないものはどうするかということでありますが、これははいらなければしかたがないのであります。任意組合にはいらなくても政府からの配給はその消費者に直接あるわけであります。ただ願わくば――殊に機帆船のごときは一般船主がたくさんありますので、あまりに煩に流れないように、できるならば組合といういわゆる親睦團體にはいつていただいて、そうして圓滿にやりたい。こういう趣旨でございますから、法的には決して強制はいたしません。
#16
○前田(郁)委員 先ほどお尋ねいたしました道路行政のことに對して、それから鐵道會議の官制の問題について御答辯をお願いいたします。
#17
○田中(源)政府委員 鐵道會議の問題は、これは現行官制でありまするから、現行官制が存措されておる以上は、やはりその官制に基いてすべての會議を開いて、それに諮問し、あるいはその決定を見なければ、鐵道省においても實施することは困難であります。從つてこの議會が鐵道會議なるものは不要であるとして、その官制に關するところの一般的の法律の改正が、國會において行われた場合におきましては、自然その立法の趣旨によつて、鐵道會議等のごときものも、これは發止される結果になりまするが、現在においてこれを發止すべきところの法案が國會において出ない以上は、これはいかんともいたし方がないのであります。一にかかつてそれらの問題は國會の當委員會において御決定を願わなければならぬと存じます。
 なお道路問題に關しましては、お示しのごとくに二元的になりまして、ごもつともな點もあると存じます。この問題につきましては――元來道路行政の根本は内務省に屬しておりますが、自動車を使用いたす場合において、過去の行政の一部の改革に基いて、二元的なように行われる場合が生じてくるために、お示しのような問題が起きてくるのであります。でありますから、この問題に關しては目下内閣の行政調査部におきまして考究中でありますので、それをできるだけ早く御決定を願いまして、その決定によつと處理していきたい、かように考えております。
#18
○前田(郁)委員 ただいまの説明で大體わかりました。ただ鐵道會議の問題でありますが、これはこの委員會にとりまして非常に重大な關連があるわけでございまして、鐵道會議が存續していろいろなことを御協議になり、政府がまたこれを取上げていくということになりますと、どうもこの委員會というものは結局權威のないことになる。政府に對してもやはり鐵道會議というものが重要視されてくるということになります。私どもはこの間御配布になりました資料を見ましたところがその中に、今度運輸交通委員會というものができたから、それでこの鐵道會議の官制も内部的に改正をしなければならぬというようなことが書いてありましたが、どの程度まで御決定なすつておるのか、その點を實はお聽きしたいと思つておるわけでございまして、また政府の考えいかんによりましては、この委員會の皆様とも御相談申し上げまして、そうして運輸交通委員會というものを權威あるものにしなければならぬ、こう考えております。その參考ともなる次第でございますから、一應お伺いしたいと思います。
#19
○田中(源)政府委員 鐵道の行政はなかなかむづかしゆうございまして、現在におきましては日本のエキスパートに集まつていただいて、そうして一つの運輸行政の上におきまする諮問機關として、これにいろいろのサジエストを得てやつていくということが適當であろう。現在の鐵道會議と言いますものは、私は日本の鐵道行政の上において相當貢獻されてきておる、こう考える。そこで議會に鐵道の問題についてすべての調査機構なり、あらゆる面におきまするところの機能ができまして、そうしてこれが行政の面の上にいろいろサジエストしていただくということができれば結構ですが、現行におきましては先般來高瀬委員からもお話がありましたが、これをかりに發止したと假定いたしましても、なお私はそういつたエキスパートの方々に集まつてもらつて、運營上一つの協議會のようなものをつくつていくことは必要であろう、こう考えておるような次第であります。これはつまり現状が議會との關係においても議會の機能と組織それからの二つの調査機關のできる、できぬというものとの關連もありまするし、またひいては行政面の問題ですから、これは行政を與えられた運輸省が、その運輸行政の上においてつくつていくということは、これは差支えないと私も考える。この點は一つかみわけて御了承を願いたいと思います。あとのことはまた伊能長官からお答えすることといたします。
#20
○伊能政府委員 ただいま政務次官から根本的な問題について御説明申し上げましたが、議會との關連につきましては、先般國會法の改正によりまして、衆議院、參議院の議員は國會の議決もしくは法律に基くためにあらずんば政府の委員その他の公職につくことができない、かような法律改正に基きまして、鐵道會議も當然その影響を受けまして、衆議院議員八名、參議院議員三名は鐵道會議の議員からただちに御辯退を願うことになりました。從いまして今後政府全體といたしまして、政府の行政遂行の上における諮問機關といつたような形のものに衆議院、參議院の方々に御參畫を願うかどうかということは、議會對政府の問題で、いずれ決定されることだらうと思つております。ただ現在の鐵道會議におきましては、御承知のごとく鐵道敷設法によりまして、新線の建設、路線の變更は鐵道會議の諮詢を受くべしという敷設法の條項がございます。これにつきましては、私ども當然將來法律改正があるものと實は豫想いたしております。議會の方から御提案がございませんでも、われわれ自身もあの條項は當然議會によつて決定せらるべきものであつて、鐵道會議が法律によつて議會の審議權の一部を拘束するようなことは適當でない、かように考えておりまして、今囘實は法律改正を出そうかとも考えておつたのでございますが、これは今囘の會期の都合上、ああいう簡單なと申しますか、比較的明確な法律案、しかも今期の國有鐵道におきまして新線の建設、もしくは變更というような事態は、現在の資材、現在の豫算上からほとんど不可能になつておりまするので、議會の審議權に抵觸するような行政上の豫算の上にそういつた内容が全然盛りこませておらないという關係から、次の通常議會に提案する方が適當であろうというような意向に基きまして、實は法律改正案を延期いたしました。ただしこの條項は國會法の改正の精神に基いて、私ども行政上の面からも、ああいつた適用を受けることのないようにという行政措置をとつております。從いまして將來新線建設その他の問題につきましては、當然豫算と新線建設とは議會の議決に基いて決定せらるべきものとかように考えておりますが、ただ、ただいま政務次官からも御説明がございましたように、運輸省のごとき國民生活と密接不可分な、非常なつながりをもつた交通の業務を預かつておりまするところでは、運輸大臣に與えられました權限に基く行政を運用いたします場合にも、各方面の意見を徴することが適當ではなかろうか、かようは觀點から、將來においてもああいう形で、内容についてはこれはいろいろ從來のような構成メンバーでなく、さらに各界の人を入れた、ほんとうに各方面の意向を參酌し得るようなメンバーに改正をして行政運用上の指針とするということはあくまで必要ではなからうか、ただしそれは議會との關係におきましては、議會の審議を要する事項、その他一切議會に關連ありまする事項については、たとい建議もしくは意見の答申がありましても、當然議會にかけらるべきものと私ども確信しておりますので、議會との關係におきましては、將來敷設法の問題を除いては、紛淆もしくは審議の重複を來すやうなことは萬なかろう、かように存じております。
#21
○前田(郁)委員 わかりました。
#22
○正木委員長 前田正男君
#23
○前田(正)委員 まず第一に質問したいことは、學生の定期のことにつきましては、現在相當考慮されておられるようでありますけれども、さらに學生の諸團體からこれに對する優遇の陳情が大分出ております。この點につきまして當局のお考えをお聽きしたい、これがまず第一點あります。
 それから第二點につきましては、從來とも學生の割引は二割しておられると思いますが、學生の希望通りさらにこれに對する割引の率を引上げるかどうかということについてもお尋ねをいたしたいと思います。この點につきましては、一般の郷里を離れておる學生は、非常に困つておるように思うのであります。ぜひこの點もう少し優遇されることをお願いしたいと思います。
 その次にお聽きしたいことは、今囘の運賃の値上げ等につきましては、こういうような國民大衆の生活に非常に重大な影響を與える事柄を國會に提出しないで、そうして一般の國民にわかるように詳細な説明をしないで、これを行つたということは、國民から非難の出るもとではないかと思うのであります。從いまして今後こういう問題については、一體どういうふうな措置を當局としてはとられる御方針であるか。國會に諮りまして、國民に十分納得のいくよう説明をされるかどうか。この點に對する當局の御方針をお伺いしたいと思います。なお國民大衆から盛んに鐵道の從業員の數につきまして、いろいろ疑惑と非難の聲が各地で起つております。この點につきまして過般の委員會で説明を聽きましたところ、いろいろ特殊の事情があるように私はお伺いしたのでありますが、國民はそういうこまかい事情については知らないのが大半であると思います。つきましては鐵道當局から從業員の必要數につきましても、また現在員についても詳細なる御發表を願つたらどうかと思います。たとえば私の考えますところでは、戰前と終戰後、あるいは現在における鐵道現業員の數、それからその他の一般從事員の數、あるいはまた特に必要な特殊從業員の數を、詳細に發表して、國民の納得を得るようにしたらどうかと思うのであります。私たちは郷里その他に歸りましても、鐵道の委員として必ず聽かれることは、鐵道從業員の數の多少ということでありまして、當局としてもこの點に對してもつと十分な説明をされるよう措置を講じていただきたいと思う次第であります。以上四點について當局の御方針を御答變いただきたいと思います。
#24
○田中(源)政府委員 ただいま御質疑の四項目中、先般の運賃値上げに對する政府の處置に對して、國會を無視したやり方ではないか、なおかつ將來政府はいかなる方針をとるかというような意味に拜承いたしました。この點についてお答えいたします。先ほど大臣からこれに關連したお答えをいたしたのでありますが、御承知のごとくに鐵道の財政面におきましては、戰時中にいろいろと自分のありつたけの力を出して輸送をやつて來たわけであります。從つてそれに對する一切の修理、補強等も十分に行われていない上に、且つ敗戰の結果はあらゆる資材の生産、消費資材の缺乏、通貨の膨脹から物價の高騰を來し、生活賃金の増額要求に加えまして、今日のごとき經濟状態に到達いたしておりまする過程におきましての鐵道の状況は、いわゆる支出面は増加されまして、收入は依然として運賃値上げをしない舊來のままにおかれた財政面でありまするから、二十一年度より引續き今日まで赤字の状態を續けて來ておるような状態であります。これに對して先ほどのいわゆる經營の合理化的の面から考えますならば、獨立採算制をとるべき一國家企業形態といたしましての安をつくりまして、これに對する必要なる科學的、機械的の意味を加味した合理的の營業政策の面と、賃金の引上げの面とがプラスされて、初めてその經營面におけるところの收支の採算ということを考慮していかなければならぬのであります。そういう假定にもつていきます上において、運賃の引上げのごときことは、御承知の通り現行鐵道營業法におきましてこれを國會に諮り、この承認を經て實施期間を一箇月置いていたすのが當然であります。しかるに先般來千八百圓のいわゆる安定ラインを政府が布きましたために、先ほど大臣からお答えいたしましたように、次々と物價の折返しの増額になつて赤字は殖えてまいりました。そういうようなわけで、この安定帶をこさえますについては主食――米麥、石炭というような、いわゆる國民生活の基礎的な物資の價格を形成いたします新物價體系の面から考えまして、運賃というものが重要なる役割を果す、これを新物價形成に對する一貫性から運賃のみを切り離してそこに決定することはできない。われわれの考えはむしろ切り離してほしい。先ほど申し上げたように國鐵自體がじつくりと考えて、合理的の獨立採算制のとれる一つの案を立てて、これに必要なる運賃が、かりに三倍半でありましようとも、四倍、五倍でありましようとも、そのときに初めて運賃の値上率を決めて、そこに國家の企業性を考えて、機會に提出していきたかつたのであります。それがただいま申しましたように、この安定帶を新物價體系の一貫性からこれを切り離してやることができなかつた。われわれ運輸省獨自の立場においてやらなかつたために、いきおい安本において政令に基いてやらなければならなかつたような事態に至つたのでありまして、この點はまことに私どもとしても遺憾に考えておる次第でありますが、今後におきましては、ただいま申しました通り、先ほど大臣の御答辯にもありました通りに、近くしつかりとした國鐵の白書を出しまして、ほんとうに國鐵の事態はこういう姿である。こういう姿のありのままを國民の前にさらけ出して、國民の批判と同時に、これに對する將來の建設的の協力を願う、併せて合理的の、そこに獨立採算性のとれるような一つの案を出していく。そうして國民の批判と協力を受ける、その批判と協力というのは、この委員會を通じて國會の批判と協力を受けなければならないことだと考えまして、將來においてはこの委員會、すなわち國會を除いてかようなことはあり得ないと思う。今囘の場合に向つてのみかような特段の措置をとつたということを御了承願いまして御安心を願いたいと思う次第であります。他の點については伊能長官よりお答えいたすことにいたします。
#25
○伊能政府委員 第一點の學生定期の割引につきましては、毎日いろいろ御質問もありまして、私からお答えもいたしておきました。特に今囘の學生定期の割引につきましては、從來の割引率に比較いたしまして六箇月において九割二分三厘というような、未だかつてわが國有鐵道においても類例のないような高度の割引率をいたしました關係で、現在のところ私どもといたしましてはこれ以上の割引をするということについては考えておりません。また世界全般のいわゆるシーズン・チケツトの割引については、六割以上というようなところはあまりないのでございます。アメリカ方面でもこの問題については、日本の定期券の割引はいかに沿革的に長い事情があるにせよ、かくのごとき割引率はおかしい、現に定期の乗車員と一般の乗車員との乗車比率は五十三、四パーセントに四十六、七パーセント、一般乗車の方が少いにもかかわらず、收入においては一般乗車の方が八九%、定期乗車の方はわずかに收入においては一一%しか占めておらぬ。今囘の運賃値上げにおきましても、實費はただいまのところの計算では一人キロ當り二十六錢かかつております。そのうち今囘の三倍半二十五割増しの値上げによりまして、私どもが豫想しております一人當りの定期、普通券を合算いたしました平均收額は二十四錢。そうすると二錢すでに赤字を來しております。その赤字は定期の赤字でありまして、普通乗車券においては、平均において二錢でございますれば十分何とかペイし得る料金でございます。定期においてはおそらく十一、二錢でございますか、かような状態で定期券としては今日以上に割引をすることは困難ではないかと考えられます。また學生の一般割引の問題は社會政策あるいは教育政策としてはたいへんでもつともな面もありまして、私どもいろいろ檢討いたしたのでございまするが、戰災者でありますとか、引揚者でありますとか、これに關連してもし從來の割引率に再檢討を加える時期におきましては、各般の日本の現状から考慮しなければならぬものもございますので、今ただちに學生の問題のみを取上げるということは適當ではないと考えまして今囘はすえ置いた次第であります。
 それから從業員の數につきましては、私どもあらゆる機會に新聞その他報道機關の格別な御援助を得まして實情を明らかにいたしておるのでございますが、不幸にして努力至らずして、なお大方の御認識、御理解を解け売る程度に至つておりませんのは、はなはだ殘号に存じておりますけれども、さいぜん大臣からお話がございましたように、近く輸送實相報告書を公にいたします。もちろん政府機關として決定いたしました際には、公にする前に衆議院、參議院の方へは當然提出する豫定になつておりますが、これらの方法によりましてでき得る限り國鐵の現状というものについて、ひとり從事員の状態のみならず、財政の面におきましても、また輸送の實態におきましても、資材施設等各般の面につきまして、實情を明らかにして大方の御理解を得たいと考えております。實は來年の二、三月ごろには實施に相なります勞働基準法の關係からも、私どもの方は五萬人以上の勞働基準法の適用を受ける年少女子從事員がございまして、これは現在から準備いたさないと勞働基準法に抵觸するならば所屬の監督官吏は刑罰を受ける。かような嚴格な法令になつておりますが、私ども最近の情勢に鑑みまして、現在の從事員で何とかやればやつていけるものを、ある程度習熟した從事員を排除いたしまして、この上三萬人以上の新規採用をすることによつて一層鐵道財政を窮迫ならしめるような事態、竝びにすでに働いております者に不平を惹起せしむるような事態は適當でないと考えまして、政府部内におきましても勞働基準法の國鐵に對する適用方についてぜひ善處を願いたい、しからずんば三萬數千人の人間お新しく採用して、働き得る人をしばらくその業務から離れさせて再教育をしなければならぬ。ところが今日から採用いたしましても、機關助手のごときは七箇月や八箇月で一人前の機關助手にはとうていなり得ない。そうしますと採用した者も中途半端であり、はみ出された友は非常な不平を起すということで、この間の勞働基準法の適用――あの終戰後における勞働情勢の影響を受けてできた勞働基準法、現在の日本の國情においても、勞働者側も管理者側も双方が受入れ態勢のできていない今日、ただちにこれを適用することは少し適當でないという見解のもとに、人員の増加については極力制限しておりますが、何分にも終戰後復員、外地派遣、應召等の人員が約十九萬近く歸つてまいりました。私どもとしてはこれはすでに新聞にも公にしておるのでありますが、昭和二十年の十一月と二十一年の二月とに、女子もしくは挺身隊等の年少職員を二囘にわたの總計約九萬人の退職もせしめておるのでありますが、十九萬人近い外地派遣、應召、復員等の人が歸りましたために、六十萬人近い人員になつております。これらの實情につきましては御説のようにとくに實情を明らかにして大方の御理解を得たいつもりでおりますから御了承を願います。
#26
○正木委員長 佐伯君。
#27
○佐伯委員 今までいろいろのお話を承りまして私どもも二、三お聽きしたいことがあるのであります。何しろ鐵道問題は國民生活と切り離すことができませんために、いろいろ矛盾した現象が無限に起つてまいると思うのであります。しかしそのよつて起る根本がどんなところにあるのであろうかということを、私ども委員が政治的に考えることは困難なことであろうと思つておるのであります。ところで鐵道當局におかれては先般たいへん詳しい状況を經濟實相報告書の中に御報告になつておりますし、その以外にもさらに特に鐵道白書を出して、實際をわれわれにお示しくださるということなので、實はそれを拝見してからいろいろお聽きしたいと存じておつたのであります。しかし現實の實相を承りたいと申しますことは、大體に崩壤した日本の國有鐵道をどういうふうに再建せられるであろうかということのためにお待ちしておつたのであります。ところで私は鐵道當局におかれて國有鐵道をどういうふうに再建せられるかという點につきましては、われわれ委員として全力をあげて研究もいたしますし、また御質問もしなければならぬと待機しておるのであります。元來わが國家の再建はいろいろの方面もありましようけれども、私の見るところでは、それを押し詰めていきますと、結局經濟の動脈と申しましようか、國有鐵道の厖大な經營をほんとうに獨立できるような組織に再編成なさるということができ得ましたならば、私は日本の行き詰まつた經濟を打開することができ得ると信じておるのでございます。でありまするから、鐵道當局は一日も早く經濟状況を明らかになさいますとともに、新しくこれを再建される方策をお示し願いたいと思つております。ただあとでお伺いしてみたいと思う點がございます。先ほど大臣も言われましたが、鐵道再建をなさるにあたりまして一番大きな問題は、物價の値上りと鐵道運賃との値上りに差額がございます。この差額がありますために鐵道財政は實際は物價の指數まで賃金を値上げする餘裕がある。かように聞くことが多いのでありますが、私はこれは非常な誤りと思つているのでございまして、もしさような考え方をもつて鐵道再建の方策をお立てになると、根本的な誤ちを犯す、と申しますのは物價指數と運賃の指數との間におきまして、大きな開きを生ずるということは當然なことであろうと思うのであります。それはどういうわけかと申しますと、經營の能率が戰前より非常に低下して、その低下の比率が物價と運賃との差分になつていると私は思うのでありますから六十八倍か七十倍の物價と二十三倍くらいの運賃とはつり合いがとれるのでありまして、その上に運賃を値上げいたしますと、必ずや物價が先走りいたしまして、決しておおうことのできない現象を來す、かように私は思つております。そういう點も御參考にしていただきたいと思います。なお先ほど前田さんがお聽きになりましたが、結局省營の問題につきましては、國有鐵道再建におきまして、どんな企業形態をおとりになるか、もちろん現在は純國營をとつておるのでありますが、おそらくこの純國營というものに何らかの新しい方策を講ぜられなかつたならば、再建は困難ではないかと私は思うのであります。なんとならば、從來わが國は國家權力をもつ政治面と同樣に、經濟面におきましても、國家の權力をもつて經營の指導力としてまいつたのでありますが、敗戰後、新憲法の精神に基きまして、全然民主主義と相なりましたので、經營の基本問題、經營の原則的な原動力というものに大きな變化が來なければ、國有鐵道の再建は困難だと思ひます。そこでこれを押し詰めていきますと、結局は、現運輸大臣が國民から信託せられたる企業の經營というがごとき根本問題に觸れるのじやなかろうか、かように考えます。從つて現在民間において運營いたしておりまする自動車路線に對する省營との優劣等のごときものも、結局はそういう根本問題にさかのぼりまして論議されるところに、初めて解決せられるものがある。私はかように思つております。ただいま鐵道當局か非常に御深切なお話もあり、また國民から申しますれば、三倍半の大幅な運賃の値上げをなさつて、なお大きな損害を受けておるというようなことは、ゆるがせにすべからざることでありますとともに、國民は非常に脅感を感じております。私ども運輸委員といたしましては、一刻も早く國有鐵道の再建問題、この政治的、政策的な面に私どもは全力を盡さしていただきたいと思つておるのであります。私どもといたしましては、十二分に納得いたしましたが、どうか今後一日も早く鐵道經營實態と再建の方策をお示しあらんことを切にお願い申し上げる次第であります。
#28
○正木委員長 では別に通告もござませんので、これをもつて海運組合法を廢止する法律案に對する質疑は終了いたしました。
 これより海運組合法を廢止する法律案を議題としまして、討論に付します。討論はこれを許します。高瀬傳君。
#29
○高瀬委員 本會へ付託せられました海運組合法を廢止する法律案の審議にあたつて、私は日本社會黨を代表いたしまして、その廢止に贊成の意を表する次第であります。御承知のように、昨年の議會においてやはり自動車事業組合法案が審議されましたが、獨占法業禁止法の趣旨に從いましても、あるいはその條項の内容につきましても、たとえば海運組合法の第十四條にありまする、主務大臣が必要と認めたる際は組合員にあらざる事業團體もこの組合に加入させるというような條項のごときは、やはり自動車事業組合法案の内容においても、われわれは昨年の議會において強く反對した點でありますが、今囘同樣な趣旨によつて盛られております海運組合法廢止の提案を見ましたことは、われわれとしてまことに欣快にたえないところであります。その法案の廢止によりまして、日本の海運がますます民主的に運營され、かつ國家再建に寄與する角度に役立つならば、われわれは幸これに過ぐるものはないと存じます。別段意見を申し述べる必要はないと思いますが、私は日本社會黨を代表しましてその廢止に贊成をする次第であります。
#30
○正木委員長 矢野政男君。
#31
○矢野(政)委員 ただいま議題になつております海員組合法の廢止につきましては、連日にわたつて委員各位の熱心なる御質問、さらにまた政府委員のこれに對する熱心な御答辯がありまして、了承いたしました。ただいま高瀬委員からもお希望の件がありましたが、私も同感でございます。この海運組合法の廢止にあたり、任意的海運組合の組織を速やかに見まして、今後海運の民主化による發展に寄與せられんことを希望いたしまして、私は民主黨を代表がして、海運組合法の廢止に贊成するものであります。
#32
○正木委員長 前田郁君。
#33
○前田(郁)委員 私は日本自由黨を代表いたしまして、本案の廢止に對しまして贊成の意を表明いたします。この海運組合法を拜見いたしましたところ、實に今日から見ますと、驚くような法制もとにあつた組合でありまして、こういうようなものが一日も早く廢止されるということは、私どもは實に國家のために喜ぶべきことと考えております。なおただいま私が申し述べてました通り、本法の廢止に伴いまして、任意組合あるいは同業者の團體を結成させられるということでございまするが、せつかく私的獨占の禁止及び公正取引の確保に關する法律の精神に鑑みまして本案が廢止されるわけでございますから、今後任意組合を組織される場合におきましては、民主的に、官製團體みたようなものにならんように、今後ともこの精神を體得して育成されるようにお願いする次第であります。
#34
○木下委員 私は國民協同黨を代表して本案に贊成いたします。別に理由は申し述べません。
#35
○正木委員長 討論は結局いたしました。
 これより採決いたします。原案に贊成の諸君は起立を願います。
#36
○正木委員長 起立總員。ようて本案は原案の通り可決いたしました。
 次會は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散會いたします。
   午後零時二十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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