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1947/08/30 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第16号
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1947/08/30 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第16号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第16号
昭和二十二年八月三十日(土曜日)
    午前十一時二十四分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    重井 鹿治君
      島上善五郎君    館  俊三君
      成重 光眞君    志賀健次郎君
      原   彪君    矢野 政男君
      山崎 岩男君   岡村利右衞門君
      田村 虎一君    増田甲子七君
      飯田 義茂君    木下  榮君
      前田 正男君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   伊能繁次郎君
        運輸事務官   郷野 基秀君
    ―――――――――――――
八月二十九日
 日本通運株式會社の現業を解放の上舊關係業者
 にその營業權竝びに設備返還の請願(山崎岩男
 君紹介)(第二四七號)
 宇和より三瓶を經て八幡濱に至る間に國營バス
 運輸開始の請願(高橋英吉君外八名紹介)(第
 二五二號)
 九州、四國間連絡國營航路開設の請願(高橋英
 吉君外十三名紹介)(第二五三號)
 常呂、中佐呂間鐵道速成の請願(飯田義茂君紹
 介)(第二六〇號)
 八幡濱からの三路線に國營バス運輸開始の請願
 (高橋英吉君外八名紹介)(第二六一號)
 五條、新宮間鐵道速成の請願(前田正男君紹
 介)(第二六三號)
 柏崎驛附近鵜川鐵橋等の徑間擴張工事施工の請
 願(田中角榮君紹介)(第二六四號)
 山陰線餘部鐵橋補強修理施工の請願(庄司彦男
 君外三名紹介)(第二六七號)
 鐵道運賃の學生優待に關する請願(佐々木更三
 君紹介)(第二六八號)
 幸崎、中判田兩驛間に國營自動車運輸開始の請
 願(安田幹太君紹介)(第二七三號)
 博多、壱岐對馬間國營連絡航路開設の請願(本
 田英作君外一名紹介)(第二八二號)
 鐵道運賃の學生優待に關する請願(正木清君紹
 介)(第三〇七號)
 愛冠簡易停車場を一般驛に昇格の請願(伊藤郷
 一君紹介)(第三一七號)
 足寄、阿寒湖畔間國營バス運輸開始の請願(伊
 藤郷一君紹介)(第三一八號)
 松戸、土浦間電化促進の請願(原彪君紹介)(
 第三二四號)
 北陸線電化促進の請願(坪川信三君外二名紹
 介)(第三二六號)
 松戸、水戸間電化促進の請願(原彪君外二名紹
 介)(第三二七號)
 納田終、鶴ヶ岡間の道路を國營バス運行路線に
 認定の請願(坪川信三君紹介)(第三三〇號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 鐵道營業法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)(第三四號)
    ―――――――――――――
#2
○正木委員長 會議を開きます。
 これより鐵道營業法の一部を改正する法律案を議題として質疑にはいります。質疑はこれを許します。山崎岩男君。
#3
○山崎(岩)委員 お尋ね申し上げます。東北六縣は大體において同じような環境にありますことは、御當局も御承知の通りであります。從いまして今次の災害におきましても東北六縣は協調せるところの態度をもつて政府にいろいろな施策についての要望をいたしておるわけでありますが、それにつきましても運輸省の關係で私のまだ不審に思うところがあるのであります。それは鐵道局の關係が、東北におきましては仙臺の鐵道局、それから秋田、山形方面は新潟の鐵道局、こういうふうに鐵道局が二つにわかれておるのであります。また話によりますと、福島方面におきましては鐵道の管理部のごときは三つもある。東京の管理部、仙臺の管理部、新潟の管理部というふうに三つもあるということであります。東北六縣が同じような環境にあつて今まで非常に遅れておつた殊に鐵道の方面におきましては、あの大北海道を抱えておりながら、非常にこれが輕視されておることは遺憾にたえないのである。大北海道のあの關門を控えております東北六縣が、鐵道におきましては他の地方と比較にならぬほど今日まで輕視されておる。しかもその鐵道局のごときも新潟の鐵道局の管内、あるいは仙臺の鐵道局の管内というふうに二分されておるということは、私にはどうもふに落ちかねるのであります。これはどういう事情でありましようか、これを一つにしまして仙台臺の鐵道局の管内にしてもらいたい、東北六縣を一つにして、そうしてお互いに連關せるところの仕事はお互いに協調して仕事ができるように取計らつてもらわなければならない。その意味におきましても、私は新潟の鐵道局が東北地方にはいつておるということは、仕事の上においても、あるいは業務上の關係においても、あるいは行政面の關係においても、不都合があるのではなかろうかと考えるのでありますが、御當局はこれに對してどういうお考えをもつておられますか、お尋ねしたいと思います。
#4
○伊能政府委員 お尋ねの點につきましてお答えを申し上げます。國有鐵道の運營と地方鐵道の監督の兩方の面から今御指摘の點を申し上げてみますると、地方鐵道の監督行政につきましては、御承知のように各府県ごとに行政の単位がきまつておりますので、運輸省の地方鐵道に對する監督行政その他につきましても同様な方法で處理いたしておりますから、特段な支障はないとさしあたり考えております。しかしながら國有鐵道の運營の面につきましては、ただいま山崎さんが御指摘になりましたような點がないとは私どもも申し上げかねるのであります。沿革的に申し上げましても、昭和十年以前におきましては、東北六縣につきましては仙臺鐵道局の所管のもとに運營が處理せられておりました。ところが業務量が全體として逐次増大をいたしてまいりまして、あまり大きな鐵道局として全體を處理することは鐵道局自體、鐵道の運營、作業の能率化から考えましてもかえつて支障もございますし、事務の處理上非常に圓滑を缺くというような關係に相なつてまいりましたので、先般昭和十六年に新潟鐵道監理局を新設いたしまして、鐵道運營事務の強化合理化をはかつたような次第でございます。ただいまいろいろ東北六縣の重要性竝びにこれが將來の開發、整備の觀點から、鐵道の使命等につきまして、いろいろと御鞭撻のお言葉もございました。私ども東北に對する現在竝びに將來の鐵道整備の問題につきましては、御指摘の通りの考え方で著々強化をいたしてまいりたい、かように考えておるような次第でございまして、當面の問題として今御指摘に相なりまするような事情のないように、でき得る限り措置はいたしたいと考えておりますが、さしあたりただちに東北六縣を一括して、一鐵道局で處理をするという件につきましては、何分にも仕事量も相當厖大に相なつておりますので、今ただちにそういつた方向にははたしてできるかどうかということは十分研究をいたしませんと、ここでお答えをいたしかねると存じますが、御指摘のようなご不便の點その他につきましては地方鐵道局の連絡を十分緊密にいたしますとともに、中央におきましても東北六縣全般の施策に對しましては、常に中央として一貫した方針をもつて處理いたしております。殊に列車運轉の關係竝びに施設整備の關係等につきましては、中央としての一貫した政策方針のもとにこれが整備をはかつておりますので、そういう點につきましてもし過誤なり、あるいは粗漏がございました節は、御遠慮なく御指摘をいただきまして、私どもこれが強制是正はいかようにもいたすつもりでございます。その點も御了承を得て將來の問題としてわれわれもこれについては十分検討いたしてみたい。かように存ずるのであります。
#5
○山崎(岩)委員 鐵道の新設していかなければならぬ路線がたくさんあるのにかかわらず、それができないということは、最も重要な問題としましてレールが大變不足であるということは私どもわからなかつたのでありますが、それが過日新聞を見ましたとしろ、レールの再生に關して特許をとつたものがある。それは今までのレールというものは、レールとレールとのつなぎ目がすり減るためにたいへん事故が起きるので、そのすり減つたところの面を何かの機械でまた角立てることによつてレールの再生ができる。それによつて今までの古いレールを相當量更正せしむることができるということを新聞紙上で見たのでありますが、その研究はどのような程度になつておるかお尋ね申し上げたいと思います。
#6
○伊能政府委員 御指摘のようにレールが最も磨耗いたしますのはレールの接着點であります。從まして現状におきましてわれわれ運輸省鐵道總局としては、東海道線、山陽線、東北線のような輸送力の非常に高い線區におけるレールに對しましては、まだそれが盛り金の可能であるものにつきましては、レールの接着點に盛り金をいたしております。また盛り金のきかなくなつたようなところに對しましては、接着點を十センチ、あるいは十二、三センチ程度切斷いたしましてやや短いレールとして使用をしております。また電車線あるいは特殊なカーブ、勾配區間のような、レールの磨耗が正常でない線路につきまして、ときおり波状磨耗と称しまして、でこぼこ型の磨耗を生ずるようなところが、最近旅客の非常な滿員状況によりまして、殊に電車線等においては起つております。これらに對しましても、目下レールを再生し直す研究を試驗的にいたしまして、大體成功の域に達しておりますが、それは波状磨耗をいたしております箇所を、ずつとグラインダーでならしまして、もう一遍再生する。一番ひどいところは一センチ程度高低が生じております。この再生の方法は、何分にもレールは十年、十數年使いますと――普通の箇所では御承知のように三十年平均の命數でありますが、電車區間等のごときはとうていそんなに長い期間もちませんので、電車の通過、列車の通過によりましてレールが鍛造したかのごとく非常に堅くなつておりますので、これをグラインダー等にかけることについても技術的に相當困難がありましたが、目下試驗的にやつているものはかなり成功の域に達しましたし、またさいぜんお尋ねの接着點の再生、あるいは盛り金、あるいは切斷等につきましては運輸省自體といたしましてはその特許のことにつきましては實は寡聞にして新聞を拜見いたしませんでしたが、研究を進めてもう實施の域にはいつておるような状況であります。
#7
○山崎(岩)委員 近頃地方に自動車事務所というものを設けられました。これはまことに結構なことでありますが、過日青森に参りまして自動車事務所でいろいろ事情を聽いてみたのであります。ところがこれは鐵道の特別會計でなくして一般會計からいろいろな費用が支出されておる。中央といろいろ連絡をとりたいと思つてもほとんど旅費さえもないような始末である。八人世帶のところが何でも千三百圓の旅費しか與えられていないという話である。鐵道の一般從業員の方は給料も非常に圓滑に支拂われれておるにかかわらず、自動車事務所の分に關しては二箇月も三箇月も遅れておるような状態で、ほとんど旅費等もなく、中央に連絡に参るのに非常に困るような有様であるという話を聽いたのでありますが、これはどういうわけで一般會計の方になつておるのでしようか。またその方の豫算の關係はどういうふうにして支出されて、今後そういう不便のないようにするためにはどんな處置をとればよいか、これらの點について當局はどう考えておられるか承りたい。
#8
○郷野政府委員 自動車事務所は今年の三月二十五日に設置せられました。自動車事務所は當初の仕事としては、臨時物資需給調整法によりまして、指定生産物資竝びに指定配給物資につきまして、資材の割當配給の事務を取扱うことになつております。この物資の割當配給の仕事につきましては、經濟安定本部におきまして、その關係の仕事、各廳で取扱いますものを、豫算關係の面におきましても一括してこれを處理してまいりたい、こういう方針をとりました。從いまして自動車事務所において取扱います關係の業務につきましても、一般會計で取扱うことにきまつた次第であります。年初の豫算といたしまして早速豫算の決定した關係の方面、すなわち經濟安定本部のその事務を總括處理しておりますところと交渉いたしまして、とりあえず臨時物資需給調整の費用のうちから、自動車事務所に關するもの總額二千六百二十七萬圓ばかりのものを決定してもらつたのでありますが、現實にこれを支拂つてまいる上において、第一・四半期竝びに第二・四半期を區切りまして一々豫備費の支出についてその手續をとらなければならないのでございます。私どもの方も自動車事務所の關係につきましては材料を早くとりまとめ、その手續をとつたのでありますが、各省の方面をとりまとめるために豫算の事務が遅れたような模様であります。從いまして自動車事務所に關するものはとりあえず便宜の處置によりまして、特別の手配で早く豫算を決めて早く支給をしてもらうようにいたしたような次第でございますが、その決定がやや遅れておりまして、その關係で豫算の令達が遅れましたために、支出が遅れたこともございまするけれども、これもさいわいに手續が完了いたしまして、ただいま御指摘のように給料が何箇月分も遅れるというような状態は現在のところございません。なお豫算全體といたしましては、もちろんこういう時代のことでございまするから、極力切り詰めまして、必要の最小限度の經費に抑えております。從いまして旅費その他の面におきまして窮屈なことは免れないのでございまするが、現在きまつておりまする豫算では不足することは明からかでございますので、ただいまの豫算の増額につきまして、關係の官廳方面と事務の打合せをいたしておりまして、必要な額の追加は認めてもらえるつもりでおります。
#9
○山崎(岩)委員 鐵道の工事關係についてちよつとお尋ねを申し上げたいことがございますが、鐵道の工事關係は競爭入札をもつてやつております。これはまことに結構なことであります。ところが鐵道の競爭入札は最低の入札者に對して落札しているわけです。これは私はたいへん時宜に適しているようでございますけれども、問題があるのじやないかと思う。それは特別建設局等におきまして、進駐軍の工事等の入札をするにつきましても、このごろのやり方は豫算額の三分のニ以下の入札者に對しては落札せしめないことになつている。豫算額の三分の二以下の者に對しては落札していない、なぜそういうことをさしているかというと、やはり當局におきましても、それぞれ擔當者があつて、技術面からも研究を遂げ、またその當時におけるところの價格とかあるいは労働賃金とか、諸般の状況を參酌した上でもつて豫算というものを立てる。しかるにその豫算からまことに遠い三分の二以下といつたようなきわめて低廉な入札をするものに對してこれを落札せしめるということになれば、從つて事業の面に非常な不都合が生じてくる、仕事が粗雑になつてくる。セメントのごときであつても、その配合のごときまことに悪いやり方をしないとも限らない。また事業をやつていく上においても手抜りというものが必ず生じてくると考えなければならない。そこで特別建設局等におきましては、三分の二以下の入札者に對しては落札さしていない。府縣の状態においてもその通り。また建設局におきましては、きわめて高い價格をもつて入札した場合においては、懲罰としてその次には入札の指名をしない。そういうやり方をしておる。ところが官廳の關係では、私の聞くところによると、鐵道の關係だけが最低の入札者に對してこれを落札しているのだという。現にこの間東京からある一つの建物をほぐして青森にもつて行つて建てる、その一つの事業の入札があつた。それに最高の入札者は百三十萬圓入れている。ところが最低の入札者は三十七萬圓である。百三十萬圓に三十七萬圓ですから、その開きは百萬圓からある。これはどうしたものかと私は考えた。おそらく當局におけるところの豫算というものはその中間でありまして、九十萬圓から百萬圓程度の豫算をつくつたのじやないでしようか。しかるにそれに對して三十七萬圓でもつて競爭入札の結果落札をしているのであります。こういう時世において百萬圓からの開きのあろうはずがないと僕は思う。當局の立てました豫算關係は知る由もありませんけれども、最高の者が百三十萬圓入れて、最低の者が三十七萬圓ということになれば、その開きはもう百萬圓近くの開きである。そうするとこういう時代においてはたしてまじめな仕事ができるであろうか。ほんとうにまじめな仕事をやつていかなければならぬということになれば、やはりそれ相應の豫算を立てて、そして競爭入札をするにしましても、豫算面から私は業者が必ずいろいろな方法を講じて入札するのじやないかと思う。ところがただひとり運輸省だけがこの仕方をやつておるということを私は聞いたのでありますが、こういうやり方でもつて、まじめな、ほんとうに堅牢な工事が仕上るものであろうかどうか。この點について當局はどうお考えになつておるか承りたいと思います。
#10
○伊能政府委員 たいへん適切な御注意をいただきましてありがたい仕合せでございます。具體的な案件につきましては、寡聞にいたしまして私ただいま山崎さんの御指摘になりました案件を承知いたしておりませんので、その問題を直接にお答えいたしかねるのが残念でございますが、一般論といたしましては山崎さん御指摘になりました通りでございまして、最近特別調達廳あるいは建設局等において中庸適切を得た入札者に落札させるという話も聞いております。また同時に山崎さんもすでに御承知と存じますが、最近の土木業界は仕事が非常にでこぼこがございまして、終戰當初の混乱した時代と異なりまして、土木關係工事も逐次おちついて少なくなつてまいつたような状況で、土木業者間において不當な競爭が行われる可能性が多いということもとくと御承知のことと存じます。從いまして、私どももそれらに對處いたしまして、公正自由な競爭をさせることが工事遂行上、竝びに工事の完成上最も適當であると考えまして最近におきまして中央で五百萬圓以上の工事を扱いまする大きな土木業者、竝びに地方の施設部あるいは鐵道局自體が入札をいたします五百萬圓以下の入札土木業者、さらに監理部等で行いまする百萬圓程度の入札の土木業者、これらを大體本省、鐵道局、施設部、監理部別に區分をいたして、しかもその内容は過去において鐵道工事に十分な經驗をもつておる者をできる限り集め、それによつて自由公正な競爭をさせるという建前をとり、目下その準備をいたし、また業界も協議中でございますが、この點につきましては私どもも將來の問題として御指摘のような點について研究をしてみたいと思つております。實は特別調達廳あるいは建設局の進駐軍關係の工事につきまして、最低のもので入札されないで中庸を得たもので入札をされるということが、官廳の入札方法に適正であるかどうかという法律上の問題も、私どももまだ十分なる檢討を遂げておりません。これは會計検査院その他におきましても當然問題になることと存じますので、これらの點につきましては別途法制的な研究もいたしまして、御指摘のような點について工事の完成、竝びに將來の健全な土木業の發展の上に萬遺憾のないような措置を實は私どももとりたい。かように考えておるような次第でございます。御趣旨の點については十分よくわかりますが、今まででも私ども最低者以外に落札をさせるということが適法であるかどうかに多大の疑問をもつておるわけです。しかしながらあまりに安い工事に對しては、御指摘のような心配もございますので、再入札、再々入札の措置はとつております。こういう點についてはとくと法制上の點も研究して工事の萬全を期したい。かように存じております。御注意はほんとうにありがとうございました。
#11
○前田(郁)委員 私も一言質問したいと思います。それは鐵道營業法の一部を改正する法律案に對してでございますが、先般の七月の大幅の運賃改正でございます。これに對しまして、國民から國會は一體これを知つていたのか、また運輸交通委員會はそれに對してどんな處置をとつたのか、私どもはあらゆる機會においてその質問を受けておるのでございまして、今囘またこうい案が出まして、いかにも近くまた運賃が値上りするのではないかというような感じを受けておるのであります。公告期間が短縮されるということが、私どもはただいまの一箇月というものは非常に公平なきめ方であると實は考えていたのでございます。運賃の値上げというものは、各種の業者が影響を受けるわけでございまして、私どももある事業の關係上、ただちにこの問題が非常な影響を與えると考えておるのであります。ただ國有鐵道ばかりでなく、すべての事業を營む者が運賃の値上りによりましていろいろな影響を受けまして、その準備というものも相當しなければ、事業の經營上に差支えが生ずるという場合が多々あるのでございまするので、これらをわずか一週間ばかりの公告で、はたして日本國のすべての鐵道運賃によつて影響のある事業をやつておる人が、これに滿足せられるかどうかということを私どもは非常に懸念をいたしておるのでございます。そこでこの書類を拝見いたしますると、國有鐵道に對しては、今後運賃改正の場合は國會の議決をば經ることになるから、その過程において國民がこれを知ることができる。それで一週間くらいに短縮してよいという御趣旨のように承るのであります。私どもは未だ不幸にして、この國有鐵道の運賃値上げに對して國會の議決を經るという點に對しましても詳細のことをば承つておりませんが、おそらくこれは財政法の關係などでこういうことになるのではないかと思うのであります。この點も一應御説明を政府當局からお聽きしたいと思います。そうして眞にこの運賃値上げが必要であるということを、國會で十分に論議されてから公告されるならば、これは短時日でもよいと思うのであります。ただいま私どもはこの七月の運賃改正に對しましても、ようやく四、五日の期間において、鐵道白書について質問をしたいという状態であります。發表になつた後に國民の代表であるところの國會議員がようやく質問をするという状態でありまして、一般の大衆というものは、まことに國會なんというものも案外杜撰なものである、粗漏なものであるというような感じを相當私は受けておると思うのであります。今後こういうことは國會を中心として、しかも運輸交通委員會というものがございますから、ここであらかじめ御相談をしていただきたい。そうでないと、やはり政府が、主になつて、國會議員、國民代表はいつも後囘しだという感じを受けまして、この民主憲法の時代におきまして、すこぶる私は遺憾に考えておるような次第であります。かような意味におきまして政府當局の意圖を十分にお聽きしてみたいと思うのであります。なおこういう案を出されるわけでございまするが、近くまた運賃値上げの意思でもございまするか。この點もごく簡單でよろしうございますから、ちよつとお聽きいたしてみたいと考えております。
 それからこれはちよつと本問題とはかけ離れておりまするが、伊能長官にちよつとお聽きしたいと思います。地方の私設鐵道の監督というものに對しましては、十分各方面に向つて監督をされていることと考えておるのでありますが、私どもがただいま地方をいろいろ歩きますると、まだ電燈もついていないというような私設鐵道があるのであります。まことに私どもは不愉快というか何というか。もう終戰後相當期間も經つておりまするのに、今日依然として電燈もつけず、まつくらやみの中で運轉しているという私設鐵道が東京近在にあるのであります。こういうことは私どもまことに遺憾千萬に感じます。鐵道省は何をされておるかとは言わないまでも、これが九州のはてとか、北海道のすみというような所ならば、中央から事情がわからないで放擲されているということもあるかもしれませんが東京の近くでそういう鐵道が今現在あるのでございまして、私どもはまことに遺憾に感じておるのであります。こういう點も資材のないときでありますから、そうやかましく言えないかもしれませんが、電燈くらいはつけてほしいと思います。
#12
○伊能政府委員 たいへんごもつともなお尋ねをいただきましたが、本法案の改正につきましては、先般政務次官から改正の趣旨について申し上げた通りでございます。私どもも過般の運賃値上げが、手續上その他においてまことに申譯ない次第でありましたことについては、重々お詫びを申し上げた次第でございますが、今後におきましてはああいう事態の起らないように、かおうな法案の提出をいたした次第でございます。御承知のごとく財政法第三條におきまして「租税を除く外、國が國權に基いて収納する課徴金及び法律上又は事實上國の獨占に属する事業における專賣價格若しくは事業料金については、すべて法律又は國會の議決に基いて定めなければならない。」この法律の實施が遅れておりましたことと、なおさらに今囘の運賃改正は新物價體系の一環として、米、石炭、麥その他の重要物資と同時に實施をせよといういろいろな交渉の結果とし、ああしたはなはだ不手際な事態を惹起いたしまして、皆様初め國民に非常な御迷惑をかけた次第でございますが、今後におきましては、財政法第三條の實施も早急に政府としていたさなければならぬ。かように考えております。その關係上本案の提出をみた次第であります。また從いまして先般ポツダム宣言の受諾に伴う勅令に基きました政令も、本法案の成立見ますると同時に、これは當然廃止されなければならぬ關係と存じます。ただいま御指摘のように、一箇月くらいが適當でないか。かようなお話もございました。從いまして私どもも營業法第三條の二項の一箇月という期間は削除する意圖は毛頭もつておりませんので、原則論としてはあくまでも一箇月以上の公告が必要であるということは認めている次第でございます。但し最近のような經濟事情の變革のきわめてはげしいときにおきましては、今囘の運賃値上げのような事態が惹起いたしませんでも、どうしても一箇月の公告期間を待てない。それは鐵道自體の事情ではなくして他の各般の經濟事情との關連において待てないような事態が發生するおそれがあるのではないか、緊急の事態が起るおそれが多分にありはしないか、かようなことも考慮せられますので、そうした事態におきまして、立法事項の内容を政令によりましてある程度短縮をする。しかしその短縮は最小限度一週間を超えてはならない、かような本來の立法事項の内容をでき得る限り明確にして、政令の定むる範圍を限局するという趣旨で私ども改正案を出したつもりでございます。しかもなおただいま御指摘のございましたように本件につきましては財政法第三條によりまして十分國會で御審議を得ることに相なつておりますので、それがはたして七日が適當であるか、二十日が適當であるか否かの問題については、そのときの經濟事情は立法府におきましても、とくと御承知でございますから、これを幾日にするかということにつきましては、國會において十分御檢討を願つて少しも差支えないことでございますので、それらを彼此參酌いたしました上で、萬一の場合緊急の事態がかような經濟事情のもとにおいては當然豫想されるというように考えまして、本法案の御審議を煩わすことに相なつた次第でございます。
 次にこの法律改正を出して最近の機會にまた運賃値上げでもするのではないか、かようなお尋ねもございました。しかしながら政府といたしましては御承知のように新物價體系の實施を強力に推進せしめております。また流通秩序の維持確保によりまして物資の流通、生産、配給、消費の適正化竝びに生産の増強につきましては萬全の措置をとつているので、現在の新物價體系を堅持いたします限りにおきましては、鐵道運賃のみを値上げをするということはとうてい考え得られないことではなかろうか、かように存じます。一部におきましては、石炭と木材、その他の海陸運輸の調整の觀點から、鐵道運賃の再値上げという問題を考慮してはいかんというようなこともあつたのであります。しかしながらこの問題は運賃の問題で解決することは現下の經濟情勢に徴して適當でない。運賃の問題で解決せずして、輸送分野の畫定、鐵道は石炭竝びに木材、例をもつて申上げますならば、北海道材、九州の石炭等につきましては、青函連絡あるいは關門連絡を通すものは最小限度もしくは禁止的な措置をとつて、若干海運賃が高くても海上輸送によつてこれを運んでいただく、かような措置でもとろうか、こう考えておるような次第であります。現状におきましては、政府部内におきまして最近の機會に鐵道運賃の値上げをするというような點については、考えておらない次第であります。
 最後の點につきましては、私からお答え申し上げることは所管の關係上適當でないと存じますし、こちらに郷野陸運監理局長も出席しておりますが、問題が簡單でございますから、御指摘の私から代つてお答え申上げます。さような地方鉄道軌道がございますれば、後刻具體的な名前等も伺いまして、それらに對する資材の援助竝びに監督等につきまして、でき得る限り適正を期してまいりたい、かように存ずる次第であります。
#13
○前田(正)委員 ただいまの長官の御説明にもありましたことでありますが、この公告期間については、十分に國會において審議していただいてもいい。こういうことでございますけれども、私から見ると、運賃の値上げということが國會の議決を要する以上は、これをいつから實施するという實施の時期については、國會として當然相當重要に考えなければならぬ問題でないかと思います。また今申されたごとく、當然審議してもらいたいということであるならば、この改正にある政令をもつて規定するということは必要でないじやないか。賃金の値上げをやる以上、國民の生活に關係もあり、また經濟の運轉にも非常に重大なる關係のあることでありますので、當然國會といたしましては運賃の値上げだけでなしに、いつから實施するかということも審議しなければならないじやないかと思う。從つて今度の營業法の一部の改正のうち「政令ヲ以テ」という言葉は除く必要があると私は思うのでありますが、その點についてお答え願いたい。
#14
○伊能政府委員 ちよつと速記をやめて……。
    〔速記中止〕
#15
○成重委員 ただいま審議されておりまするこの法律案とは關連はしておりますが、この前の鐵道實相報告に關連してお尋ねしたときに、當局より調査の上お答えするということになつておりました鐵道運賃値上げに關連する私設鐵道の運賃値上げ、たとえば九州における西日本鐵道のごとき甲地と乙地にある一本の會社が、甲地の經理内容においては非常な利益を見ているが、乙地の經理内容においてはその土地の市との交渉關係等によつて値上げをせずストツプして非常な大きな赤字を出している。從つて甲地が黒字を出しているような經理内容でありながら、甲地の運賃はべらぼうに上げて、乙地の運賃は上げないというような不均等が行われているために、地方的ないろいろの問題を惹起していることに對して御調査の上お答えするということでありましたが、この機會にそのお答えを願いたいと思います。
#16
○郷野政府委員 地方鐵道の運賃の値上げにつきまして、全體といたしましては大體御承知の通り平均約四倍、少い所で二倍半、最大が四倍半という目途で旅客運賃の値上げをいたしております。この旅客運賃の値上げの率をきめる上におきましては國有鐵道と同じ賃率をとつておりまする關係上、三倍半の値上げを地方鐵道にも適用しなければならないということで、その點を最初に押えまして、あと最近行われました新物價體系によりまして、また新しい給與の基準によりまして、どれだけの營業支出を要するかということを想定いたしまして、この貨物運賃の改正によりまして増収を期待し得る金額、貨物の収入を差引きまして、そのあとを一應旅客運賃で補うという方針をもちまして、各地方鐵道について算定をいたしまして、おおむね先ほど申し上げました率で運賃の値上げの具體的なものを決定いたしたのでございます。從いましていろいろ急いで實施いたしました關係上、各地方鐵道の内部につきまして路線ごとの營業収支につきまして、必ずしも詳細な檢討を經ていなかつた部分もございまするが、大體これらにつきましては現行の運賃を基準にいたしまして、これに對しましてその地方鐵道の旅客運賃に對して決定いたしました値上げの率を乗じまして、新しい運賃の額を決定いたしましたから、大體におきまして均衡はとれているものと承知いたしているのでございまするが、ただいま御指摘になりました北九州の地方鐵道につきまして調べてみますと、その市内線につきましては、その會社に對して認めました平均の運賃の値上率よりもやや低い運賃をきめております。これは他の大都市、中都市、などにおける軌道の運賃との關係もございまして、大體その常時均一性のところは一圓に抑えるという方針でございましたので、これで均衡上抑えました關係上、値上げの率が抑制されるような結果になつたのでございます。從つて都市間の交通を目的としております線區の最初の一區二圓、次の一區一圓という運賃の率に比べて、新しく設定せられましたものがこれらの都市内における運賃におきましては、相當に低いものになつております。從つてこの市内線だけについて収支を檢討してみますと、おそらく収支の均衡は得られないような状態にあるのではないかと存じます。實は今囘六大都市、このうちから大阪を除いた他の五大都市については、新しい物價の水準による、また給與體系による運賃の改正が七月に間に合わなかつた關係上、九月一日からこの改正を實施することにして、市内二圓ということにいたしまして、今度また改正することにしておりますが、これとの關連におきまして、これらの中都市の運賃についても御指摘のような収支計算などを改めていたしまして、今後の運賃修正の機會がございましたならば、それらの點についても、この部分について無理のない運賃の率をさらに研究の上設定いたしたいと考えております。いずれにいたしても地方鐵道はその會社全體といたしまして、一應収支の適合が得られるように努力いたしますと同時に、ただいま御注意のございましたように、各線區につきまして著しい運賃の設定の不均衡のございませんような注意は、今後とも十分に私どもといたしましては努力してまいりたいと考えている次第でございます。
 なおただいまお話の北九州の會社につきましては非常に赤字の多い會社でございまして、二十一年度の下期におきましては半年間に二千三百萬圓ばかりも赤字を出しております。從いまして今度の運賃値上げにつきましても、市内線の運賃値上げが足りなかつたという結論は出ましても、その他の都市間の交通につきまして運賃率が上げ過ぎであるというふうには私ども考えておらないような次第であります。
#17
○正木委員長 では本日はこの程度にいたしたいと思います。なお散會後打合會を開きますから、そのままでお殘りを願います。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後零時二十二分散會
ソース: 国立国会図書館
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