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1947/09/25 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第19号
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1947/09/25 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第19号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第19号
昭和二十二年九月二十五日(木曜日)
    午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 佐伯 宗義君 理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    佐々木更三君
      重井 鹿治君    館  俊三君
      成重 光眞君    橘  直治君
      矢野 政男君    山崎 岩男君
     小笠原八十美君   岡村利右衞門君
      田村 虎一君    高橋 英吉君
      木下  榮君    前田 正男君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 苫米地義三君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   郷野 基秀君
 委員外の出席者
        運輸事務官   志鎌 一之君
        專門調査員   岩村  勝君
    ―――――――――――――
九月二十三日
 羽後鐵道災害復舊費國庫補助の請願(根本龍太
 郎君紹介)(第六六六號)
 久慈、白山間及び久慈、玉ノ脇間國營バス運輸
 開始の請願(山本猛夫君紹介)(第六六七號)
 滯貨亜炭の輸送増強に關する請願(庄司一郎君
 紹介)(第六七二號)
 角館、阿仁合兩驛間鐵道速成の請願(根本龍太
 郎君紹介)(第六七三號)
 沿岸荷役業者に貨物自動車營業認可の請願(八
 並達雄君紹介)(第七一五號)
 新制中學校生徒の通學鐵道運賃減額に關する請
 願(西山冨佐太君紹介)(第七一九號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 道路運送法案(内閣提出)(第四七號)
    ―――――――――――――
#2
○佐伯委員長代理 本日は委員長の都合がありまして、指名によりまして私が委員長を代理さしていただきます。ではこれより會議を開きます。
 これより道路運送法案を議題として質疑にはいります。なお念のため申し上げますが、きようは總活的に質疑したいと思います。質疑はこれを許します。重井鹿治君。
#3
○重井委員 この法案はまことに時宜に適した法案だと思います。ただ一、二點質問してみたいと思います。第八條に道路運送委員會というものが設けられるということになつております。この道路運送委員會というものが重大なる役割を果すことになるように思われます。そこでこの道路運送委員會の構成に對して、當局でもつておられるところの構想について承りたいと思います。なおこの道路運送委員會が今後やろうとするような事項を、今日まではどういうような組織機構によつてやつてきているかということもお聽きしたいと思います。
#4
○郷野政府委員 從來も自動車關係の監理行政につきましては、自動車交通事業法によりまして、運輸大臣がこれを擔當してまいつたのでございますが、道路運送委員會に今囘諮問しなければならないように規定せられておりますような事項につきましても、原則といたしまして、運輸大臣竝びにこの行政を擔當いたします行政官廳におきましては、これを自由裁量によりまして、實施してまいつたのでございます。しかしながら、もちろん運輸大臣が自由裁量でこの行政處分を行うと申しましても、たとえば一路線一營業の從來とつておりました方針のごときは、帝國議會におきましてそういう方針によつて行政を行うべき旨の御要求もございましたので、そういう點は十分に考慮せられておつたのでございます。なおまたこの第五十號にございます國營自動車の運營につきまして、重要なる路線の選定にあたりましては、鐵道會議の諮詢を經るべきことに相なつておりましたので、鐵道會議の諮詢を經まして、その答申に基きまして處理をせられておつたような次第でございます。ところが今般行政の民主化という點からいたしまして、ここに掲げてありますような事項は、いずれも重要なる行政處分でございますので、特にこれらの處分につきまして重要なものをきめます場合には、この委員會の意見を徴してしなければならないという規定が設けられることにこの法案においてはなつております。從いましてこの委員會はすこぶる重要な委員會でありますので、その構成につきましても、それにふさわしい構成を考えてまいらなければならないと存じまして、ただいま私どもの手もとにおいて研究しております案につきまして、御參考までに申し上げてみたいと存じます。委員會はこの法律の規定によりまして、中央道路運送委員會と地方の道路運送委員會とができるのでございます。地方の道路運送委員會は、鐵道局の所管区域別に鐵鉄局の數だけできるものと考えております。そしてその委員は各地の都府縣知事の推薦による委員をもつてこれに充てることにいたしました。ただ北海道は一つの道に相なつておりますので、これを大體現在の支廳を基本にいたしまして、經濟圏などをよく調査いたしまして、大體七つくらいの区域にわけまして、道知事から委員を推薦していただいてこれを構成する。こういうふうに考えてまいつたらどうかと存じております。なお委員長はその委員の互選によるものといたしまして、この委員長が中央の道路運送委員會の委員になるというふうな構想を考えております。そして委員の一度に迭りまするようなことのないために、第一囘に就任せられます委員につきましては、大體その半數につきまして任期を五年と豫定いたしますると、その半數は五年以下三年というような任期を考えまして、全委員が一時に交替するようなことのないような用意も考えてまいりたいと存じております。そしてこの委員會には、ここに掲げてございまする事項につきまして諮問がございまして、意見を徴せられることになるのでございまするが、大體重要な事項と認められますものにつきましては、廣く委員會に諮問をせられる方針がいいのではないかと考えております。そして道路運送委員になられます方の資格といたしましては、特に刑餘の人でありますとか、破産者でありますとか、特殊の缺格條件のない方にお願いすることにいたしました。なお民間の意見を主として聽くという建前から申しまして、官吏あるいは吏員は委員に推薦いただかないような規定を設けるのがいいのではないかと考えております。その他の選任につきましては、都道府縣の知事に全部お任せするという考え方でまいりましたならば、よかろうと考えております。なお道路運送委員會におきましては、委員會としまして決定をせられるにあたりまして、その關係人あるいは參考人に對しまして出頭を求め、その意見または報告を徴するということになつておりまするが、必要に應じまして公廳會も開いていただく。また委員會として獨自の立場から調査もし、報告も徴して意見を決定する資料を調製していただくというようなことにつきましても、根據の規定を設けております。
 なお道路運送委員會の委員の方につきましては、旅費その他委員會に出席せられましてこの職務を執行せられまする上において必要な實費を支給するというような規定も、政令で定めなければならないものと考えております。なお先ほど都道府縣知事の推薦によりまして委員を任命するということを申し上げましたが、この法律に書いてありまする通り、特に重要な職務を滯びました委員でございまするので、任命の手續といたしましては、知事の推薦によりまして、運輸大臣の申出により内閣總理大臣がこれを命ずる建前をとつております。
#5
○重井委員 ただいまのでその意義はわかつたのでありますが、地方に置かれる委員會は各鐵道局單位に置かれるのでありますが、各縣に置かれますのか、なほその員數はどのくらいであるかということをお聽きしたいのであります。
#6
○郷野政府委員 地方の道路運送委員會は鐵道局の所管区域別に一つ一つ置く考えでございます。從いまして各部道府縣知事の推薦せられまして委員は、北海道を除きまして都府縣につきまして一人ずつでございまして、この一人ずつの推薦を得ました委員が鐵道局別に一つの委員會を構成していただく、かように考えいおります。
#7
○重井委員 各地方におきまして現在トラツクの事業竝びに旅客事業は、大體縣一會社となつて獨占的な企業になつておると思いますが、この法律によりまして、自由に、その資格があれば事業の免許が許されるということになつたことはたいへん結構だと思います。しかしながら十二條にあります自動車運送事業の免許に關して妥當な基準を定める、これはもちろん運送委員會できめることでありましようけれども、往々にいたしまして今日までは關係業者、あるいは關係團體というものが常にその推進勢力となりまして、ややもすれば獨占的な事業を守ろうとする傾向があいたのであります。そこど私はその妥當な基準という、この基準に對する現在本省の考えておられることを一應聽きたいと思います。
#8
○郷野政府委員 免許の基準につきましては、この法律が實施せられることになりますと、道路運送委員會に諮問をいたしまして、その意見を徴して運輸大臣がこれをきめる、これによりまして大體今の考えでは告示をするというふうに考えております。從いましてこの告示せられました條件を滿たしております場合には、特にこの法律第十二條に掲げておりまする缺格條件のある場合、あるいは事業を經營しようとする者が、資力信用が不十分であるために事業の確實な經營が著しく困難であると認められまするとき、またはこの事業の經營によりまして、公共の福祉に反する結果を生ずるような競爭がひき起されるおそれのあるとき、こういう場合を除きまして、原則といたしまして運輸大臣は免許をしなければならないことになるのでございます。從いましてこの基準を定めまするにつきましては、はなはだ重要な問題でございまするので、道路運送委員會におきまして、各種の事情を考慮に入れまして、愼重な檢討の上基準についての意見を述べてもらいたいと考えておる次第でございます。大體免許基準につきましては、資本でありますとか、車輛、從業員數等が考慮せられることになると思いますが、これは運輸數量に關連性をもつておりまするので、各地区の交通事情に應じまして數種の段階が用意せられるものと考えております。それからまた、經濟情勢の變化などに應じまして、必要がありますれば修正せらるべきことも當然かと考えております。ただいまこの免許の基準につきましては、終戰後時に經濟情勢も渾沌としておりまするし、資材の關係から申しましても、車輛、燃料、タイヤ、各種の事情が非常に逼迫いたしておりまするので、新しい免許につきましては、ただいままで、むしろ差控えるような方向で處置をしてまいりました。從いましてただいまのところ、はつきりいたしました免許基準というようなものは、行政方針としてもこの委員會の決定を待つてきめたいと存じまして、現在明らかにきめておるようなものはございません。しかしながら、先ほど申し上げましたように、現在におきましては、新しい免許をむしろ消極的な態度で進んでまいつておりまするが、この法律の實施とともに、この面につきまして道路運送委員會の意見を聽き、免許基準も定めまして、また免許基準に一應合いました場合の實際の運用につきましても、個々の免許にあたり、道路運送委員會の諮問を經ましてこれを進めていくという方向で、この法律の實施に伴いまして修正をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
 なお、先ほどお話がございましたが、現在トラツク、バス事業につきましても、統合をいたしまして、各地に統合の企業體ができ上つておりまするが、一縣一會社となつておりますものは全體から見ますと、數は少いのでございます。これらの現在の經營のやり方につきましては、資材、資金その他の面におきまして十分に思うように參らない時代でございまするが、公益事業本來の使命達成のために、できるだけの努力をいたしまするよう私ども官廳側におきましても、そういう意味合いにおきまして協力指導をいたしておるような次第でございます。
#9
○重井委員 今後道路運送委員會がやらうとしておることを、これまでは鐵道會議で大體やつてきておつたというように伺つたのでございますが、なおこの鐵道會議は、私鐵その他國鐵に對しまして、ほとんどその運營の實權があるといつてよい強力な組織であると思います。この鐵道會議を今後いかにするかということは運輸行政に對してかなり影響があると思いますので、鐵道會議に對する本省の御意見を伺いたいと思います。
#10
○田中(源)政府委員 過般來當委員會におきまして、私より、あるいは鐵道總局長官かにもしばしば申し上げております通り、現行法規の存置する限りにおきましては、鐵道會議なるこの諮問機關を廢するわけにはいかない。これは國會におきます法規の改廢に基いて行わるべきものでありますから、今後における鐵道會議のあり方及び運用は、一にかかつて國會におけるところの議決に基くものと私どもは考えておるのであります。ただ現行におきましては、この法律の改廢せられざる限り、やはり一定の諮問機關として何等かの方法によつて存置することは必要であろうかと心得えております。しかし自動車の問題に關しましては、本法が國會において御承認を得まするならば、本法に基きましてこれの運營を行つてまいるのでありまして、鐵道會議とはおのずから別個の問題でございますから、その點は御了承をお願いいたしたいと思います。
#11
○郷野政府委員 先ほど私が御説明申し上げましたときに、從來國營自動車の路線の選定にあたりまして、鐵道會議に諮問せられておつたことを申上しげたのでございすが、鐵道會議には、自動車關係といたしましては、省營自動車の、しかも重要なる線路の設定が必要な諮問事項として規定せられておつただけでございます。
#12
○佐伯委員長代理 井谷正吉君
#13
○井谷委員 私は總括的な御質問を申し上げまして、あとは逐條審議のときに聽いてみたいと思いますが、前に御配付くださいました道路運送法要綱案という中の二の六に「企業獨占の排除竝びに不當な競争及び協定その他公共の利益に反する行為の禁止」ということがあります。この企業獨占を排除する上について、どの程度の餘裕性を認められるのであるか。海運の任意組合のような方法にお認めができるのでありますか、あるいは一縣にいくつというおよその基準を考えられておるのであるかということを承りたいのであります。それから第五の「國營自動車の開設に伴う民營自動車運送事業の廢止または減益の補償、國における沿線自動車運送事業の開設に伴う民營自動車運送事業の廢止及び減益に對しては、從來の廢止補償及び減益補償の制度を採用すること」とございますが、戰時中から線路權はもつていても、現在自動車を運行していない、ほとんど廢線の状態にありますが、これが近く省營でやられはしないかということで、最近これを復活するというような實告を出しておる向きもありまするし、またそれがほんとうにやるのであるかどうかということについては、大分疑義がございます。またその會社に關係のある人が議員候補者になるという場合に、選擧中だけ運轉をして、あとまた止めてしまうということも事實あるわけです。實際としては沿道の人は利益を受けていないというような路線が、かりに省營になつた場合に、これに對する補償が十分に行なわれるのであるか、あるいはそういうふうに差別を設けられるのであるかということを知りたいと思います。
 それから道路運送法案第四條の終りに「下級の行政の委任する」とありますが、下級の行政廳というのはどういうところを指すのであるかということと、最近できました地方の自動車事務所とこの下級の行政廳との關係はどういうことであるかということも知りたいと思います。
 それからこの法案は路面使用だけの問題のように思うのでありますが、將來内務省の解體に伴いまして、私はこの路面使用だけなくして、道路そのものに對する事業は當然運輸省でやるべきものじやないか。そうしなければ完全にならないと考えるのでありますが、將來のこういう方面についてのお考えを承りたいと思います。
#14
○郷野政府委員 企業獨占の排除竝びに不當な競争その他公共の利益に反する行為の禁止の問題でございまするが、この規定を道路運送法に取入れまして、こういうふうな企業獨占の弊害が起るような場合については、公共の利益を維持いたしまするために、この法律によつても行為の禁止その他必要な行政の處置がとつてまいれるようにいたしたいと考えております。現在のトラツク事業者、あるいはバス事業者については、一應統合によりまして、その地区々々についてはその營業を獨占的に擔當しておるような形になつておるのでございまするが、この統合はかつて商業濫立、不正競爭の状態がございましたので、こういう點すら脱しまして、企業の公共性確立のために行われたものでございまして、現在資材その他いろいろな條件の悪い情勢のもとにおいては、大多數の業者は、おのおの公益事業の本旨に則りまして、鋭意この困難に状況下においてその命令を遂行いたしておるのでございます。從いまして現在業者の分布の状態につきましても、この産業經濟の状況下においては、一應大體適正なものであると考えております。なお場合によりまして業者の中に、あるいは公益上ふさわしからぬような經營の面があるとすれば、その面については、私どもとしても十分にこの是正に努力をいたしておるのでございまして、特に今後においては道路運送委員會などの意見も徴しまして、また道路運送委員會においては獨自の立場で十分調査せられることもございましようし、こういう點の是正は一應進められることと存じます。また獨自にゆる弊害が起りまして、公共の福祉を害するような場合におきましては、主務大臣はその行為の取止め等を命じ得まするし、またこの命令に違反したときは、免許を取消し得るということにもなつておりますし、罰則も適用せられることになつておりますので、この面において業者が公共事業としてその社會的使命を遂行していく上においての監督は、十分にできるものと考えております。
 それから國營自動車の開設の場合において、從來路線を同じくしておりました民營自動車の事業が、經營の廢止をいたしました場合、及び省營自動車と竝立して經營を繼續してまいり、著しく收益が減るというような場合に對しましては、それぞれ廢止補償及び減益補償の制度がありまして、これを運營してまいつたのでありますが、大體において減益の補償の事例はあまりございません。なお現在民營自動車につきましては、免許の路線のうちその約半分くらいが營業を休止しておるような状態でございますが、これは先ほど來申し上げましたように、わが國の經濟力が自動車の車輛、燃料その他の資材というような面につきまして十分にまわりませんので、特にバス事業につきましては、戰爭中から新車の補充がほとんどできなかつたような事情もございまして、現在バスの最も多かつた昭和十五年ごろと比べましてバスの輛數は半減いたしております。しかもその當時せいぜい四年前後の車齢でありましたものが、現在は七、八年あるいは十年以上というような状態になつております。從いまして事實この休止の路線を復活する力がないというのが大體におきまして事實であると信じております。從いまして私どもといたしましては、今後車輛、資材その他の配分につきましても、できるだけ重要なバス路線の復活もできまするように鋭意努力をしてまいりたいと考えておりまするが、また全般的な觀點におきまして、當分經營できないような路線につきまして、これを國の全體の見地から考えまして、交通整備の見地からいかに取扱うべきかという問題も、私どもといたしましてさらにつつこんだ研究もしてみたいと考えております。なお休業休止をいたしておりまする路線の補償につきましても、現在の建前といたしましては補償につきまして考慮が拂われる建前になつております。
 道路運送法實施につきまして下級行政廳をいかに考えるかという問題でございまするが、地方機構につきまして自動車運送事業、貨物自動車運送事業、自家用自動車の使用竝びに自動車の檢査、整備及び登録に關しましては、第一次の下級廳といたしまして鐵道局長がこれに當するという考えでございます。しかも實際の補助機關とといたしましては、運輸省官制第十七條によりまして設置せられております鐵道局の事務を分掌いたしまする自動車事務所長が、これに當ることになるものと考えております。
 次に旅客輕車輛運送事業竝びに旅客輕車輛の檢査及び整備に關しましては、東京都の区の存する地域にありましては都知事、その他の地域にありましては市町村長というふうに考えております。また自動車道路事業に關しましては鐵道局長、すなわちその補助機關として自動車事務所長が利用せられることに相なりまするが、これと道路の關係がございまするので、都道府縣知事が下級廳としてこれに當るというふうに考えております。それから道路の問題につきましては、はなはだ重要な問題でございますので、政務次官に御答辯を願います。
#15
○田中(源)政府委員 お答え申し上げます。路面使用と道路法との關係でありますが、御質疑の各趣旨のように進むのが當然のあり方かと考えております。しかしながら現在のこの法規の上から考えてみますならば、まず自動車事業道としてのいわゆる專用道路をもつていきますものと、一般路面を使用いたしますものて、さらに最も危險と申しますか、最も狹隘なる地域に緊急のために許可いたしまする場合等の道路とを考慮いたしまして考えてみました場合は、今後におきまする國土計畫とどうしても相關連をもつていかなければならぬものと思うのであります。しかし現在の行政機構としては路面と道路に關しては、當該大臣と内務大臣との間におきまして、相協議をして行つていくということになつておりまして、眞實の道路行政の面につきましては、當該大臣の權限というものでは現行法規から見てこれをなすことができないことになつておりますので、やむなく現行法規の上に立つたものとして、この法案による道路使用というものについてのみここに現わしたのであります。しかし將來國土計畫、あるいは建設省でありますか、建設院でありますか、行政機構の改革が行われてまいるだろうと思います。その場合には趣旨のごとくに當然この問題がどう取扱われていくかということについて議題になるべきはずりものと思いますので、そのとき關連いたしまする各省の上に、一定の道路行政とマッチしたものを決定いたしまして、さらに國會にお諮りいたす順序になつていくだろうと思います。當面はまだそこに行政機構の改廢が行なわれませんので、現行のままの法規の上に立つて内務大臣と協議の上に進めていく、こういうような情勢でありますから、御了承願いたいと思います。
#16
○井谷委員 もう一遍お尋ねをしたいのでありますが、先ほどお尋ねしました中で、お答え願つてまたちよつと不足な點がありますが、今の第五の補償問題、私のお伺いしたのは、たとえば現在十分に動いている路線に對して、省營を行う場合の補償がかりに百とすれば、現在やつていない、そうしてやる見込みもない、こういう所に行われる場合にもやはり百をお出しになるか、ならぬか、そこに差別的な等級があるかということをお伺いしたい。
 それからもう一つは企業獨占の排除のことであります。ここで企業獨自の排除をすれば、自然一本建でなくして數本のものが認められるということになりますが、それが一地方縣においてどの程度のものを認められるか、三本でも四本でも認めるか、任意的のものができていいのかというようなこともお尋ねしたい。
#17
○郷野政府委員 從來補償につきましての法令の實際の運用にあたりましては、現在ほとんど運行をしていない、あるいは運行を休んでいるというような路線につきましては、大體におきましてその實情に應じまして、普通に運營をいたしております路線の半額以内におきまして、この補償の金額を査定いたしております。今後につきましても大體ただいまのところそういう考え方でまいりたいと存じておりまするが、さらに研究をいたします。
 それから新規免許の問題でございます。これは先ほど申し上げました免許の基準の問題及びその運用の問題に關連してまいるのでございますが、交通企業の公益性を強調いたしまして、これを重視してまいる上から申しますると、みだりにあまり不當な競爭を惹起し、その路線の運營につきまして、事業經營者が共倒れになるというようなことは十分に注意してまいらなければならない點だと考えております。從いまして實際の今後の免許の基準竝びに免許の行政處分の實施につきましては、道路運送委員會の意見によりましてきまつてまいる問題であると考えまするが、私どもの考えといたしましては、從來の經驗から申しましても、また今後事業の健全な發達をはかり、同時にこれを利用いたしまする國民大衆の福祉を考えてまいりますとき、おのずから新しい事業の免許につきましては數の制限はできるものと考えております。
 なおトラツク事業にいたしましても、バス事業にいたしましても、免許の基準が考えられます場合に、適正な基準のできることを希望してやまないのでございますが、免許事業であり、公益を増進してまいらなければならないという立場から考えまして、あまりに基準の程度の低いもの、すなわちあまりに小規模の經營であるということは、性質上避けなければならない點であろうかと考えております。この一路線一營業の主義につきましても、これは行政方針といたしまして從来とつてまいつた方針でございます。その當時帝國議會におきまして委員會の御要求もございまして、こういうものを參酌いたしまして從來とつてまいりました方針でございまするが、道路運送法の實施に伴いまして、この行政方針につきましても、道路運送委員會の答申に基きまして適當に修正は加えられることと存じますけれども、實然の現實の交通事業なども十分に參酌いたしまして、個々の路線につきましてあまりに多數の業者が營業を開始するというようなことのないように、最も適正な運營ができ、しかもなおある程度競争によりまする事業經營の改善、刺激という面も取入られまして、その路線の實情に應じて企業體の配分ができるように考えていかれるものと存じておる次第でございます。
#18
○田中(源)政府委員 ちよつとこの際申し上げますが、先ほどからの井谷さんの御質疑の要點は、いわゆる獨占企業というものに對して今後どういうふうな取扱いをするか。こういつたようなことが質疑の主眼點になつておると思います。その企業體そのものが獨占企業であつて、いわゆる獨占企業のアンチ・トラスト・ローに牴觸するかどうか。そういつた一點と、また私企業が公益性を失つておるか、いないか、こういつた二點の見方があると思います。現在のこの自動車事業をやつております企業體が、きたして現行の、稱えられておるところの獨占企業法に牴觸するかどうか、また集中排除法案の見地から考えてみてそれが適合するかどうか、こういつた見方がここに行われてくると思う。
 それからもう一つは、今申しましたように、私企業としてであるが、それが公益性を失つておる、私企業自體の營利のみに汲々として經營をいたしておつて、本來の交通使命を失つておるというところに、輿論の反撃が高まつておる。こういつたような點があめかどうか、この二つの見方をしていかなければならぬ。從來の自動車事業法というもので統合をいたさしめて、企業體の健全なる發達をはかるとともに、それがいわゆる公的性格を帶びた企業としての使命を達成せしめるように、政府が過去において指導してきた。ところが戰爭において、戰爭のためにすべての面を制約されて、続々とその企業體というものの機能が失われてきた。そうして現實においてそれが今日一縣において統合されたるものが一つの獨占的な企業體のような形態に見える。それがある一部の方の營業はやつておる。また一部の方の營業はこれがために休止しておる。こういつた戰爭から來た影響による面そのものを、ここに正しく一應見なければならぬと思うのであります。今後日本の國の經濟状態がそれらの私企業に對して援助していつて、できるだけのことができるかどうかということを、ここに考えてみなければならぬと思うのであります。そういつた廣い觀點の各方面から見て、はたしてその企業體が私企業として公的の性格を失い、私利にのみ走つているという點があります場合、あるいはまたそれがはたして獨占的なる企業運營を行つておつて、公的性質を失つておると認めたる場合には、それぞれの機關に諮問し、それぞれの處置をとつていくことが當然であろうと思いますが、いたずらに過去のそういつた面のみを見まして、その企業體が、實際自分がやりたくてもやり得ないという立場におかれてきたということも、正しく國家は見てやらなければならぬ。いたずらに民營を壓迫する必要もない。できるだけこれを育てていくべきところは育て、またその企業體そのものはいわゆる獨占的な行為であつても、私企業の營利のみをやつておらぬというならば、できるだけ援助すべきであるのが當然であろう。しかしながら逆の結果を現わし、獨占的であり、私企業として公共的なる性格を帶びないというときは、これは當然警告を與えて、それぞれの機關にはかつて整理すべき問題であろうと思う。ただいまはそういつた二面の見方で、はたしてこれが私企業として取引委員會にかけるべき性質のものかどうかという面も考えていく必要があるのではなかろうと思われる。ただその會社全體の私企業としての動き方を見て、またその形態が獨占的な形である場合には、これはある程度是正する必要がある。それは一縣においても一つの會社である場合もありましようし、一縣内において多數の合同體による私企業が、六つにも七つにもわかれておるということについては、局部的に獨占的な傾向を現わすかもしれませんが、縣自體から見て、いわゆる獨占的傾向を現わしていないというような場合には、これは是正する方法があると考えられる。これはこの法案通過と相まちまして、十分に檢討して御趣旨の點に副うようにもつていくとともに、業者自體も健全なる營業方針をとつて、公共性を確實に行わしめるやうにわれわれが導いていくことが、かえつていいのではなかろうか。そうしてそれによつてまだできないという場合には、國家の資力をもつてことを補い、國家の資源を開發していくということが、かえつていいのではあるまいかというような考え方をもつておるわけであります。
#19
○井谷委員 やはりこれに關連してでありますが、東京灣沿岸の運送業者、つまり船から物をおろして運ぶもの、これが戰時中マル通に統制されてしまつた。最近この問題で起きておるのでありますが、あれは特殊な仕事でありまして、夜中でも荷物をおろさなければいけない。そういう場合に自動車を頼みますと、朝出てくる。途中でそれがえんこして來ない。結局仕事を始めるのは十時か十一時、場合によれば晝飯を食つてからやらなければならないという現状で、能率の上にも大變な支障があるように聞いております。この人たちがまた元通り一つの組合をつくつて、再發足をしたいという希望があるのであります。こういう從來の例があり、また相當な力をもつておるし、殊に將來これはたいへん大きな役割を果していかなければならない人たちであると思うのでありますが、これらについても一つ御考慮を願いたいと思うのであります。
#20
○郷野政府委員 この問題につきましては、現實に關係業者の方からも御要望がありまして、私ども、ただいまこれにつきまして調査もいたしまして、對策を立てたいと考えております。これらの業者につきましては、戰爭中――ただいま日通というお話がありましたが、これはトラツクの運送業者の會社でございます。そちらの方にもつております車が統合せられたというような事情もございまして、現在實際に仕事をやつていきまする上において、トラツクの援助を借りなければならないというのが、現實に毎日起つているようでありますので、とりあえずトラツク運送事業組合に対しまして、これらの關係者の方とよく仕事の上の打合せをいたしまして、不自由のないように、必要に應じまして敏速に適切な配車のできるような方法をお互いに打合せをいたしまして、講ずるように私ども指示いたしまして、現にそういうやり方で、さしあたりの問題は解決の方向に向つております。なお今度の取扱い方の點につきましては、お話のような點も十分に取調べまして、實情に應じ、またトラツク運送事業全體の建前から申しまして、調和のできるような對策を立てるようにいたしたいと考えております。
#21
○佐伯委員長代理 この際お諮りいたします。委員長は引續き續行する御意向でしたが、午前中はこの程度にいたしておきまして、午後一時より再開いたしたいと思いますが、いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○佐伯委員長代理 それでは午後一時より再開することにいたして、それまで暫時休憩いたします。
    午前十一時五十四分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時十七分會議
#23
○正木委員長 再開いたします。
 午前に引續き質疑を續行いたします。館俊三君。
#24
○館委員 前に重井委員から質問の第八條に關連しての問題でありますが、この第八條の道路運送委員會の構成、これがやはり第八條の末尾で「この法律に規定するものの外、道路運送委員會の組織及び運用、委員の資格及び任期その他道路運送委員會に關し必要な事項は、政令でこれを定める。」ということなんですが、この政令は内容としてどういうことをおきめになるつもりであるか、ちよつとお伺いしたい。殊にこの委員會の構成についてお伺いしたい。
#25
○田中(源)政府委員 お尋ねの政令に關しましては、大體腹案をもつておりますので、志鎌説明員から説明させることにいたします。
#26
○志鎌説明員 道路運送委員會の組織、運用、委員の資格、任期、その他道路運送委員會の運用に關しまして、必要なことは午前中陸運監理局長から大略御説明があつたようでございますが、その内容をいま一度御説明申し上げてみたいと思います。
 この政令の内容といたしましては、第八條の第八項に掲げてありますような組織、運用、委員の資格、任期、その他會議をどういうぐあいにして開くというような事務的なことを規定したものでございまして、かりの名前といたしましては、道路運送委員會というような政令を規定していただこうかと考えております。その項目といたしましては、中央道路運送委員會はだれがお世話する、地方の道路運送委員會はだれがお世話をするかということがまず第一に書かれるかと存じます。中央道路運送委員會は運輸大臣がお世話をする。地方道路運送委員會は鐵道局長がお世話をいたす。情報を提供したり會議の通知を發したりするというお世話をする。次の事項といたしては、中央道路運送委員會は一體何名でできあがるか、地方道路運送委員會は何名でできあがるかという人数についての規定をされると思います。ただいまのところは、中央道路運送委員會は鐵道局の數だけ九人をもつて組織いたしたらどうかと考えております。地方道路運送委員會は同じく鐵道局の中にございます都道縣の數、大體五ないし七つの府縣を包藏しておりまするので、鐵道局の委員の數は五名ないし七名というようにならうと存じます。北海道の特殊性につきましては、午前中陸運監理局長から御説明申し上げましたような考え方で參りたいと思つております。それから委員はだれが任名するかということが書かれるだろうと思います。各都道府縣知事の推薦によりまして運輸大臣の申出によつて内閣總理大臣が命ずる。これが地方の道路運送委員會の委員でありまして、さらにこの地方道路運送委員會の委員の互選をもつて委員長をきめていただきます。そしてその委員長がただちに中央の委員になるわれであります。中央の委員會も同様に互選で委員長をきめていただく。こういうぐあいになりまして、中央及び地方の委員が任命され、また委員會が構成されるということが次に書かれるだろうと考えております。
 しからばどういう人が委員に任命されても構わないかということでありますが、大體において局長の話された通りでありますけれども、一年以上の懲役または禁錮の刑に處せられた者でその執行を終りまたは執行を受けることがなくなつてから二年經たない者はどうも適當ではないであろう。それから禁治産者、準禁治産者も適當でないであろう。それからこれは見方がまつたく違うのでございますが、いわゆる行政の民主化をはかるという角度から見まして、官吏及び吏員はやはり遠慮していただいた方がよくはないかというように思いまして、この三種の方々だけは委員になつていただかない方がよかろうというふうにただいまは考えております。それからその次の項目は、こまかいことですが、中央道路運送委員會は運輸大臣が招集するというのが一つ、それから委員長が必要があるときに招集することが一つ。要するに運輸大臣、委員長兩方で招集ができる。それから地方道路運送委員會は鐵道局長竝びに地方道路運送委員會の委員長、それが招集できる。だれが招集することができるかということをきめてございます。
 次になおこまかいことでありますが、委員長の任務は何かということを規定したいと思つております。委員長は當該委員會の會務を總理いたします。また委員長に事故がある場合に代理ができますように、委員長の代理の規定をおいておく。委員長の會議は委員長及び委員の定數の半数以上が出席しなければ開くことができない。あるいは委員會の決議は出席した委員の過半數をもつて行う。可否同數のときは委員長の決するところによるというようなことでありますとか、または委員會は議事の概要を記録して、一般の申出があつたときは、特に秘密を要する事項でない限りは、これを閲覧に供しなければならぬというようなことでありますとか、普通の會議にありきたりのことを規定さしていただこうかと考えております。なお委員長及び委員の任期はどうであるかという問題も規定をすべきことだと考えております。大體五年といたそうかと考えております。もとより再任されることを妨げるものではございません。それから委員長及び委員はただ働きかということでございますが、大體この仕事の性格等から考えまして、旅費その他の實費の支給だけは確保してまいりたい、報酬なり月給なり年俸なりというものは考えない方が適當であるまいかということから、この程度にいたしたい。
 最後に經過的の規定といたしまして、いつからこの委員會を開催するかといいますと、そういうふうに政令できまつた委員會がいつから施行されるかという問題につきましては、やはり本法の第八條の規定と同日に施行してまいりたいというふうに考えております。これはこの法律がきまつてまいりますと、骨になる委員會でありますので、各本條の規定の中で最も早くこの規定は施行してまいりたいというふうに考えております。なおまた先ほども局長からお話がございましたように、八年の任期の方が一遍に中央も地方も送つてしまうと、前の事情が切断されて非常にわからなくなつてしまうということから、初めて任命される方は、その道路運送委員會の任期はその半數は三年に短縮する。なおだれが短縮されるかといふことは、各委員會における委員の抽籖できめてもらいたいというようなことが、ただいまのところ政令で書かれるだろうというふうに豫想してございます。
#27
○正木委員長 皆さんに御了解を得たいと思いますが、午後二時から常任委員長會議がありますので、前田理事に代つていただきますから、どうぞ一つお願いします。
    〔委員長退席、前田(郁)委員長代理著席〕
#28
○館委員 この道路運送法案の一番大事なところは、第八條の道路運送委員會にあるのでありますが、この道路運送委員會の最も大事なことは、委員會の構成にあるのじやないかと思う。それについてただ府縣知事の推薦する者といふ範圍になつているのですが、この構成を九人なら九人というものをどういうふうな階層から選び出すかというようなことについてのお考えを伺いたいと思います。
#29
○田中(源)政府委員 いずれの階層であろうとも、最もその府縣において人格識見、かつこれらの行政面において知識及び經驗を有せらるる方々を、知事から推薦を願いたいと考えております。それでもしその候補者について知事の推薦が一人以上二人もしくは三人というような、第一、第二、第三の候補者をあげて推薦をされるようなことがありましたならば、本省において最もその適當なる方に御一任することに考えてはいかがと思うのであります。知事が推薦をいたしますことについては、縣民から公選された知事が最も公正に、最も適材なる人を推薦するものと信じて、一應知事に推薦方を依頼することが妥當であろうという見地からいたしたようなわけであります。
#30
○館委員 實はそういう質問をいたしましたのは、大體自動車營業などにおきましては、國營にしてほしいという民間の意見、あるいはそれは民間を壓迫するものであるという業者の意見というようなものが非常に錯綜いたしまするので、道路運送委員會がそれらのことについて審議される場合には、道路運送委員會の決定事項が非常に重要な關係を生じてくるということになるのであります。それでこの委員會の構成ということが大事だということを考えるのであります。これについてまだ現在立消えのようになつておりますけれども、そういうような事柄について鐵道省の方で何か經營委員會というようなものをこしらえてみるというような話があつて、それがまだ實施されたという話は聞いておりませんが、そういうものをこしらえて、その地方民の總意をどうまとめていくかというために、自動車に關する經營協議會のような形のものをこしらえるということでありました。今度道路運送委員會ができるわけでありますが、これが經營協議會というような肌合をもつておるかどうか。從つてその構成委員というものは民間業者、あるいはまた一般道路利用者というような階層を含めての委員會をこしらえられるのかどうかということを質問しておるのであります。
#31
○田中(源)政府委員 大體委員會はその地方の鐵道局長が主宰をいたします。あるいはまた委員長が主宰をいたすのでありますが、資料に關しては、鐵道局にあります各縣の自動車部の方からその資料を提出いたすほかに、さらに民間の方々でこれらの事業に利害を有しない最も公正なり人を選任いたしていただくことが適當であろうと考えるのであります。今御説の經營協議會というような點につきましては、考えておらないのでありまして、一つの業務に關係のある者が寄つて、最も公正なる、最も適切なる企業の運營を行うためにやるのが經營協議會の主體でありますが、これらのごときものは、國家的見地から見まして、最も適切妥當なるところの運營に關しての行政面における一つの考え方も織りこまれていくことでありますから、ただいま申し上げましたような、最も公正なる、かつ各方面に該博なる經驗と知識を有するところの人たちでありまして、何ら利害を伴わない人が公正なる立場に立つて御意見を述べられて、この委員會における結果を得られるということの方が正しいものではないかと考えるのであります。さように解釋いたしておるようなわけでございます。
#32
○館委員 ところが八條の「左の事項で重要なものは、道路運送委員會の意見を徴してこれをしなければならない。」というその次の項目の中に、たとえて申しますと、「道路運送委員會は、その職務を行うため必要があるときは、公務所又は道路運送事業者著しくはその組織する團體その他の關係者に對し、必要な報告、情報又は資料を求めることができる。」という項目があるのであります。またその次の項目にいたしましても、これは直接自動車業者に對していろいろな調査を行う場合でありまして、こういう項目を置かねばならぬということは、實際の運營をどうするかというようなことに、どうしても關係せざるを得ないことになるのじやないかと考えられますが、そういう點も考えてみまして、道路運送委員會というものは、地方的に非常に大きな力をもつことになり、たとえば小さな運輸交通委員會のような形のものが、地方にでき上つて、これをどうするかということによつて、その地方の交通事業者、あるいはまた一般利用者というものに關心をもたせるという形に實際問題として動いていくのじやないか。そう考えられるのであります。それから一、二、三、四、五の問題についても、自動車運輸事業の停止及び免許の取消とか、あるいは自動車運輸事業の免許というものを運輸省から諮問されたり、またその委員會が考えたりする場合に、どうしても地方のものと關連せざるを得ない立場になつてくるということがずいぶん考慮されるのでありまして、從つて道路運送委員會の仕事というものは非常に重大性をもつてきて、そこに一つの勢力を加えるのじやないかという氣持をもつのでありますが、そういう點については、運送委員會の委員その者が相當に責任をもたされることになるのか、それともこれは單に運輸省の諮問機關という程度において終るのであるか、この權限がどれぐらいのことであるかということを質問しておきたいと思います。
#33
○田中(源)政府委員 まず委員會を構成いたしまするにつきましては、各鐵道局内で五府縣もしくは七府縣等の數縣にわたつておる所があります。中には一縣が二つの鐵道局にわかれておる所がございます。たとえば島根縣の一部などは、廣鐵局あるいは大鐵局の二つになつておるような例外の所もございますけれども、大體これは調和がとれると思う。そこで各府縣から出ていただきまするところの委員は、あるいは交通學に關するところの權威者もございましよう。あるいはまた過去における警察行政をやつておられた權威者も出ておられましようし、土木行政に關するところの權威者ま出ておられるでしようし、おのおのそういつたような學識經驗を有せられるところのりつぱな方々によつて委員會が構成されるものでありまして、そしてその委員が討論された上において、公正なる意見を見出され、そこに意見の一致を見るものと思うのであります。從つてその委員會は相當權威ある委員會とならざるを得ないのであります。また委員會に對しましてある程度の權威を認めることが當然でございまして、各府縣の事情等についてもまたおのずからそれらの資料等が自動車部から提出されるし、またそれらが非常にめんどうなことでございますならば、各關係者及び第三者との公聽會において廣く意見を求めて、そこに公正なる意見の一致を見出されるだらうと思うのでありまして、一にかかつてその費用は委員長竝びに局長であり、そこにおいて公正なることがなし遂げられると思うのであります。またその權権の範圍でございますが、これはその委員會において決定されましたことは、中央におきましても別段の法規上の間違いがあるとか、あるいはその他重大なる過誤がそこに存在せざる限りにおきましては、できるだけそれを尊重していくということが最も公正なる途を歩むものであろうと考えておるのであります。大體おおまかに申し上げたようなわけでありますが、右様御了承を願いたい。
#34
○館委員 そういたしますと、一つの鐵道局内に含まれている數縣から一人ずつ委員が出ることになるのですが、その委員は業者にも關係なく、また一般人にも關係のない立場において、その縣あるいはその局内における交通行政というものに對する公正な意見を述べるという形になるのだろうと思いますが、どうも問題は實際問題に直接タチツするのでありまして、たとえて申しますと、運輸省が各地方の交通行政に直接タツチするということは現實の情勢においては非常に困難であり、また皮肉なものの言い方をいたしますと、たとえば民間のとの折衝をいちずに運輸省でやるということはなかなか困難であるという觀點から、これを多少地方局あるいは地方の組織體に轉換してしまうという形になるだろうと思います。從つて運輸省まで來て、あるいは民營自動車を言い、あるいは國營自動車を言うということが、少くとも地方の委員會においてまとめられてくるという形になりますので、これは運輸當局として、うるさい經驗をもたれたことを地方委員會に相當任せてしもうという結果ができると思います。その結果が、民主的に經營されるという名のもとにおける道路運送委員會ということになりますと、その局内における委員會の構成というものは、その局に含まれている一縣から一人くらいの委員であつて十分であろうかどうか、ということを非常に危惧するのであります。一縣から一人の委員ではその一人の委員の責任が非常に重いということから、これはこの構成の員數についても十分檢討する必要があるであろうと私は考えます。
 もう一つ、たとえばこの第七條、第六條にありますところの車輛檢査官とか、あるいは事業場その他の事務的な檢査をする檢査官の規定がありますが、この檢査官の規定に對しては、そのうしろ盾として一つの罰則がきまつているけれども、この道路委員會の決定なり、あるいは調査なり、その他公聽會を開き、また必要によつては土地の人、あるいはその業者に對して出頭を命ずることがあるという場合が生ずるだろうと思いますが、それに對する命令という形に委員會はならないために、とかくそりのうしろ盾となるところの罰則というものがついておらない。そこで事實委員會というものの地方民營自動車なり、あるいはその他の自動車道路業者に對しての威力というものが非常に少いじやないか。たとえば運輸省から來る車輌檢査官とか、他の事務的な檢査官については相當愼重に構えるだろうが、委員會の權威が地方的にこういう状態では、非常に稀薄なものであるという感じをもつのであのますが、その點についていかにお考えになつておりますか。
#35
○志鎌説明員 少し詳細に御説明さしていただきたいと思います。第八條の第三項に「行政官廳は、左の事項で重要なものは、道路運送委員會の意見を聽してこれをしなければならない。」こういう言い方で規定してございます。これについて館さんの御質問の第一點の委員會は單なる諮問機關にすぎないのではないか、あるいはもつと大きな力のものにしたらどうかということに對するお答えを申し上げたいと思う次第であります。普通の書き方で言いますと、主務大臣あるいは行政官廳は道路運送委員會の意見を徴することができる、こうあるのが普通でございます。ところがこれは法律でわざわざ義務づけましたので、先ほど政務次官からお答えのありましたように、大臣が非常に義務を負うことになり、あるいは鐵道局長が負うことになるので、これは明らかに今まで考えておられるような諮問機關できない、非常に拘束力のあるものであるということが法律上當然言い得ることだと考えております。從いましてその委員は御説のように非常に重大な任務をもちますし、それから今まで運輸關係では見ませんでしたまつたく新しい性格の、しかも相當事務的な委員會を私どもは構想している次第でございます。その趣旨は、先ほどおあげになつた第八條第五項、第六項、殊に第七項というものをごらんいただけば、その間の消息が御判斷いただけると思いますが、從來の委員會でございますと、大體その方の永年の御經驗や知識、こういうものから、別にこれといつた科學的の調査なり、あるいは資料なりの御提出をいただかないで、その方の御意見で一日もしくは二日、三日というようなことで處理をしていつたのでございますが、この法律の規定によりますと、それが今度は許されないのでございます。永年の御經驗に基く結論なり、あるいは御意見なりがありましても、それは全部この五、六、七各項の手續を經ていただいて、そして自分は永年の經驗でかように結論を下す、しかもそれは現場で各團體なり、事業者なり、あるいは公聽會を開いた結果である。こういうふうに御提示をいただきまして、そしてそれが委員會の意見になるというような構想ででき上つております。それから民營省營というような問題が出ました曉には、當然この第七項によりまして、地方で衆議院の議事規則にありますような、あれをモデルにしたような公聽會、あるいは意見を聽く機會がつくられるだろうと思いますが、そういうようなことで、書面なり、あるいはみずからそこに出頭していただきまして、はつきりその議事を聽いていただいて、その結果を大臣に報告する、あるいは鐵道局長に報告して委員會の意見とされるわけでございますので、かなりこの委員會の意見とされるわけでございますので、かなりこの委員會の行き方は、私ども平素扱つている委員會以上に強い、また相當事務的なものになるように考えているのでございます。
 なおお尋ねの中にありました、あるいは業者が出てしまうのではないか、あるいはまた國營だけをやりたいものが出てしまうのではないか、あるいは運輸當局が裁き兼ねるような問題が地方の委員の方に下つていつてしまうのじやないかというようなお話でございますが、これはただいま申し上げましたように、事務的にあらゆる角度から資料も整え、調査もし、現地に行つて聽きもして、その結論を積み上げて結論を出していただくことになるので、政治問題は別問題でございますが、事務的にはかなりこなせるりつぱな委員會になりはせぬだろうか。まあ見方によりますれば役所の一つの人間みたいなかつこうになるのでございます。もちろんこれは身分は公務員になられるわけでありまして、さような角度から官と表裏一體となつて働いていただけるというようなふうに私どもは期待しております。
 なほ第七條の車輛の檢査竝びに第六條の臨檢檢査というようなものについて罰則があるが、この道路運送委員會の報告を出さない者に對しての罰則がないのは、權衡上まずいのではないか。また場合によると、道路運送委員會が非常に働きにくくなるのではないかこういうお尋ねでございました。これはそこまで罰則をかけることは少し行き過ぎではなかろうかというふうに考えまして、二、三の方面に當つてみましたが、同様にやはりそこまではいかない方がよいじやないだろうか、こういうふうな御意見がありましたので、實は罰則にまではかけなかつた次第でございます。
#36
○前田(郁)委員長代理 ちよつと館君に御相談があります。先刻木下君より、大臣に對して質疑がいたしたいとの申出でありますから、今運輸大臣が見えましたので、時間の都合がありますから、その質問を先にしていただきたいと思います。
#37
○館委員 よろしうございます。
#38
○前田(郁)委員長代理 それでは木下君に發言を許します。
#39
○木下委員 國營自動車のことについて大臣にお聽きしたいのであります。「國において自動車運送事業又は自動車事業を經營しようとするときは、當該官廳は、主務大臣に協議をしなければならない。」こういうようにありますが、これは第八條の運送委員會の規定で、第五に、五十條第一項の協議に對する承諾を與える。こういうふうにありますから、當該官廳すなわち運輸省が國營をやらうとするときにも、道路運送委員會の承認を得なければならぬ。こういうように解釋しておりますが、さらにこれについて見ますと、ただ國において自動車運送事業を始めようというだけでありまして、どういう場合にそれをやるという規定はございません。こういう規定は法律では定められないものと思いますが、大體において國營をするということについては、基準とか、あるいは條件、あるいは方針とかいうものがあるのじやないか。國家が省營自動車を經營する、こういう場合は、省營バスを經營するその基準になり條件といいますか、それをはつきりこの際運輸大臣からお答えを願いたいと思います。
#40
○苫米地國務大臣 國營自動車を行つていきます大體の方針は、從來鐵道の補助機關としての性格を多く備えております、たとえば鐵道を敷こうと思いますが、その前にまず自動車をこしらえるとかいうなこと、あるいは鐵道を敷くには非常に不便で、それに代行するような意味においてこれを行う、もしくは新しい開拓地帶を特に目標として、新規な道路の上に國有鐵道を走らせるというような、いろいろ採算的に合わないでも、國の全體の上から、どうしてもここに交通運輸の途を開かなければならぬという場合に、主として限られておるようなわけでありまして、現在でも從來の方針通りそういう方向をたどつておるのであります。從いまして民營自動車が經營しておつて都合よく行われておるというような所は、國營自動車を走らせることは今考えておらぬわけであります。ただ民營會社がやつておりますその交通の成積が、非常に地方民に對して滿足を與えないという場合があつて、何とかこの關係を緩和をしてくれという地方的に一致された世論が出ますれば、それに對して國は考慮を拂うという考えをもつて今やつておりますが、これもすでに民營でやつておつて、そこへ國營自動車を走らせるということは、それがややもすると非常な民營壓迫を起すという場合には、むろん差控えなければならぬと思うのでありますけれども、今までの方針はそういうことになつております。但し日本の將來の大きい意味の國營自動車、これはちようどアメリカにおけるごとく、鐵道と並行して自動車輸送が大きな役割をするというような時代が來まして、日本の國の幹線道路が非常にりつぱになる。そうして自動車をもつてこの鐵道と並行して輸送任務を果すという場合には、これはまたそのときにはおのずから變つてくると思いますが、現在のところでは、從來の方針を踏壞いたしておる次第でございます。大體そういうことで御了承願いたいと思います。
#41
○木下委員 ただいまお伺いいたしたところによると、われわれが從來主張しておつた點と同じように考えます。つまり鐵道の補助として、あるいは鐵道を敷く豫定であつたが、それが敷けなかつたからその代行として、あるいは開拓地帶、そういうところをおやりになる。また民營でやつていて滿足できないという世論のはなはだしいところ――これは非常に程度問題でございまして、御承知の通りバスは戰時中極度に規制を受けまして材料から何から、殊に並行線などは命令的にやめさせられまして、なおまた鐵鋼なども二分の一ぐらいしか來ないのであります。それで資材が足らないとか車輛が足らないとか、また資材の配給も來ないので、仕方なく廢車にすべきものを修繕して今運營をやりつつあることは御承知の通りであります。ただいまは、とうてい一般大衆の滿足いたすような營業はおそらくなし得ない。こういう場合に民營では滿足し得ないから省營でやるということにもとれるのでありますが、これはよくお考えを願わなければならぬと思います。それからすでに御承知の通り、近來この省營を開始しろという非常にやかましい聲があり、一方においては省營反對の聲があるのであります。これはなぜかというと、一體省營というものはどういう所にやるかということを國民一般が承知していない。ただ省營をやつてくれといえば、省營ができるじやないか、おそらく日本全國で道路のある所省營を希望しない地方はないと思います。道路は改修してくれ、橋梁は直してくれ、そうして省營バスが來るようになれば、全國の道路のある所ほとんど省營を希望しない土地はないと思う。殊に近來はなはだしくわれわれが遺憾に思うのは、省營自動車といふものは、現在の日本においては地方民が一番關心をもつておられ、また要望するものでありますが、ややもすると政治的に使われる。殊に選擧に使われる。われわれの地方でも代議士が顧問となつて期成同盟會をつくつて、そのために市、町の公費を非常にたくさん使う。しかもそれは省營などの通すべかざる所をつくつてやるというような言葉のもとに、今非常にその住民が苦んでおる所がある。これはいくらでも實例をあげたらあるかもしれませんが、代議士各位の中には、あるいはこういう所は、省營はできないということがわからないで、地方の國民の聲だけを聞いて、省營を敷くことに骨を折つてやる。そうして期成同盟會をつくり、地方の鐵道局や本省に出てくるというようなことで、地方費を濫費しておる所がある。この際こういう所は省營をやる、その他の所はなかなか省營はできないということを、はつきり國民に知らしめる方法をとつていただきたいと思うのであります。これはすべての國民のためにもいいことであるし、またそうでなければならぬ。御存じの通り全國各地方で、今に省營ができる、あるいは政務官が來てこう言つた、代議士がこう言つたから、もう省營ができる、期成同盟會をつくけ。諸君のお手もとにもはがきが何百枚も來ておる。非常な運動をして連判状をとつたりしておりますが、要するにこういう所に省營をやる、こういう所は省營ができないということがはつきりしないから、こういう結果になつておると思うのでありますから、でき得るならば、もう少し具體的に、こういう所は省營をやるが、こういう所は省營は不可能だというようなことを、何とか御發表願いたいと思うのでありますが、その點について、大臣はいかなるお考えをもつておられますか。お伺いいたします。
#42
○苫米地國務大臣 ただいまのお話は、至極ごもつともだと思うのでありますが、これは實際問題になりますと、現在やつておる線路がいかにも弱體で、地方民が非常に困つておるという所もたまにはあるのであります。そこで申し上げましたような、國の自動車は、原則としてはさつき申し上げた通りでありますけれども、現在國民の便宜のために、どうしてもやらなければならぬという所も、實際問題としてはあり得るわけですから、そういう所はよく愼重に調査いたしまして、地方民の輿論はむろんのことでありますが、そういう營業會社に一應の警告を出しまして、改善されるのものであればそれでよろしいし、それでもどうしてもうまくいかないという所に對しては、省營をやはりやることになると思うのです。これは地方々々の具體的な問題になりますので、はつきりこれをあらかじめ公示することは困難かと思うのであります。その邊は愼重にやりたいと思いますから、どうぞ御了承を願いたいと思います。
#43
○木下委員 よくわかりました。われわれもただ民業壓迫とか、事業者が困るとか、利益が少なくなるとか、そういう意味で申しておるのでありません。當該官廳は絶對の監督權をもつているのでありまして、資材の斡旋をするとか、賃金が高ければ下げさせるとか、適當な方法を講じられるのでありますから、業者がまじめに、しかも公共の機關であるという自覺のもとに經營をしておる所を、むやみに省營をおやりになることは避けていただきたいと思います。
 それから八條の道路運送委員會のところで、第五の項目に「第五十條第一項の協議に對する承認」とありますから、今後この法律が發布されて、道路運送委員會ができてからは、省自身が省營自動車をやろうとしても、道路運送委員會の承認を得なければできない、こういうふうに承知してよろしうございますか。
 それからそれならば、この法律の發布以降にそれによりますが、その以前に計畫された路線があります。つまりこの法律の發布以前に、ただいまどこどこはトラツクをやろう、どこどこは省營バスをやろう、そういう所がもしありますならば、お差支へなくば發表していただきたい。
#44
○苫米地國務大臣 今お尋ねの省自身がやる場合に、それをこの委員會にかけるかどうかということでありますが、それはかけるのです。
 それから現在未決定の分の發表は、これはずいぶんたくさんありますので、一遍に發表していくことはどうかと思うのであります。將來やることは必ずこの委員會にかけるのですから、どうぞそういうふうに御了承願いたいと思います。
#45
○木下委員 今すぐ發表していただこうというわけではありませんが、この法律の公布前にすぐに著手しようというものだけは、いつでもよろしゆうございますから、御報告願います。これで私の質問は終ります。
#46
○高橋(英)委員 ちよつと關連して――今の國營自動車の運轉をするか否かといふ標準問題についての木下さんの質問と御答辯に對して、私の意見を申し上げたいと思います。
 私は今の御質問のように、運輸當局が非難されるような態度をとつておられるのではないか。かえつてあまりに民間業者に對して遠慮し過ぎているのできないか、愼重過ぎるのではないか、臆病過ぎるのではないかとすら思われるのであります。民營で現在やつているものを、一定の御方針で助成する必要のある所は助成し、具體的現實問題として、どうしても民間業者でやつていけない、現在やつているものもいけない、省營自動車が最も妥當だというときには、もつと積極的に、もつと勇敢にやつていただきたい、省營自動車を運行する必要があるという場合にも、民間業者の聲に御遠慮になつて、しかも現實に即し妥當な決斷をやつておられない傾向があるのではないかと思われるのであります。從つてただいまの質問は、質問としては私は非常に適切な御質問と思います。御答辯もしかりと思いますけれども、あの御質問の表に、ややもすれば、運輸省が省營の方に力を入れて、省營自動車に重點をおいて、民間業者を壓迫する傾向があるから、それを是正してくれるというような御注文がもし含まれておるとするならば、現在の運輸省の態度はかえつて逆だと思う、もつと民間業者に任しておいていいかということを御檢討の上に、結論を得られたならば斷固として省營をやつていただきたいと思うのであります。代議士は選擧運動云々と言われますが、代議士ばかり集まつていないので、これはできるか、できないかくらいの見透しがつかないことはないと思います。一期半期でがまんする代議士ならともかく、死ぬまで代議士として國政に參與し、祖國再建に協力しようという代議士なら、すぐ化けの皮が現われるような、そういう運動はいたしません。できぬことがわかつておつて、むだな費用を使わしたり、もしくは自分の顔がつぶれてすまうようなことは絶對しないのであつて、要するに可能性があり、地方民の要望が識烈であるからこそ、代議士はその代表として國民の聲を取次ぐというようなことになつておるのであります。もし單なる選擧運動とか、そういうようなことで省營自動車が叫ばれておるということが、かりに今の御質問に關係者の地方なり、關係の所にあるといたしますならば、おそらくそれは日本のうちのごとく特別な例にすぎないのであつて、われわれの知つておる限りにおいては、眞に省營を叫んでおる所は、現在の民營にあきたらない、また日本の交通機關の不完備から生ずるところの、國民の眞の腹の底から叫ぶ熱望であると私どもは信じておるのです。そういう意味において多少弊害がありましたけれども、それもまた別個にこれは解決できる問題と思うのであります。要するに私どもの望みますところは、現在の運輸省がもたれておるこの民營と省營の問題に對しては、もつと大膽率直に、民間業者の聲もちろんお聽きにならなければならいけれども、國民の熱望もお聽きになつて、そうして省營斷行という線にもつと強く進出されたいというふうに希望しております。結局これはいろいろ話しますれば、結論は同じことになりましよう。現實に委員會その他衆知をあつめて檢討しますなら、民營がいいか、省營がいいかということは、おのづからわかると思いますけれども、どうぞ民業壓迫というような聲におびえずに、臆病にならずに、最も適切妥當だと思われるところの結論に勇往邁進されることを私は希望しておきます。それに對する大臣の御答辯を願いたいと思います。
#47
○苫米地國務大臣 高橋委員のお話は、大體同じ事柄を強い言葉でおつしやつておるように私は思うのであります。現在許しております民營も、民衆のために便宜をはかるということが基本でやつておるのでありますから、それがたまたま豫期の目的を達することができないという場合に、初めて省營を行うということが起るのでありまして、もし民營が完全に地方民の要望を滿たし得るならば、その必要はない。但しその實際問題は、先ほど申し上げるような事情がございます。それゆえに要は明快なる斷定を早くきめて、そうして迅速にこれをやるべしということに高橋委員のお氣持があるのだろうと思うのです。私どももまたそれに對しては、できるだけそういうつもりでやりたいと思います。お言葉はいろいろ違いますが、先ほどの木下委員と高橋委員のほんとうの筋は同じであつて、われわれのとるべき態度も同じでよかろうと思うのであります。どうぞよろしくお願いいたします。
#48
○前田(郁)委員長代理 速記を止めていただきます。
    〔速記中止〕
#49
○前田(郁)委員長代理 これから道路運送法案に對しまして質疑を續行いたします。館君。
#50
○館委員 今の道路運送委員會では局長が主宰なさるのでありますけれども、これは委員會の官制でどういう位置を占められるかということをお聽きしたい。
#51
○志鎌説明員 局長は別に委員の中にはいりません。從つて委員長でももちろんございません。委員でもございません。ただお世話をやくというだけでございます。
#52
○館委員 それからさきに質問した項目ですが、車輛檢査官その他の事務檢査官に對する裏づけとしての罰則があるのに、委員會に對する裏づけとしての罰則がないということは、それほどまでに考えなくてもいいのではないかというお話でありました。とかくこのごろのいろいろの法案の中に現われてくる要綱の中に、民主化という問題に對して取上げておるのは、常にこの委員會――どの法律でも委員會という項目でもつてすべての民主化が成り立つておるように、必ずはさめてある。ところがこの委員會を見ると、どれも法的な根據をもつておるようであり、もつていないようでもある。非常に性格が弱いものになつておるのであります。これは非常に遺憾なことと思うのでありまして、殊に自動車業者その他を相手にする場合におきまして、地方におけるボス連中の根強く組織しておる自動車業者の強さということに對して、この委員會が法的根據をもつていないということになると、非常に委員會の重大性が裏づけされにくいのではないかと私は考えるのであります。志鎌君の話では、この第八條の運輸大臣がこれをしなければならないと義務づけられておる點については、この項目をそのまま受取つて、これの答申がなければ運輸省がものができないというところは非常によくなつております。さて地方にはいつてみますと、民營自動車業者、あるいはその業者の連盟なるものは、相當の政治的背景ももち、非常に根強くがんばつております。それがためにさつき高橋委員が言つたように、非常にめんどうな問題がいつも起きてくる。それに對してこの委員會の調査なり、招集なり、その他についての裏づけがないということになつては、この委員會は不確かなものであるというふうに、地方のたかを括つておるような顔をしておる業者から、輕んぜられるようになると私は思う。一檢査官が法律の裏づけをもつておるのに、もつと大事な、大臣がこれの答申を得なければならない委員會が、法律的の裏づけをもち得ないというのは、私ども非常に殘念だと思つております。殊にさきにも申しました通り、民間業者の誠實性が疑われる箇所が非常に多い。殊にまたそれらが全國的に全貨連なり、全旅連なりをもつて、中央に向つて強力な運動をし、壓力を及ぼしておるという現在、民間の、要望する方の一般大衆がそういう組織をもつておらないということから、その土地における民營事業の改良を民衆が言い出す場合に力が弱い。まして國營自動車がぜひ必要であるという場合においては、殊に組織をもつていないがゆえに、非常に情ない状態になつておるのが現實であります。そういうことを考えまして、それを十分に勘案しながら、地方交通行政というものの大綱をきめていく重大な立場にあるものが、法律的な罰則の裏づけを背中に背負ておらない。車輛檢査官も背負つておらないというならばともかく、片方が背負つておらないということは、私は非常におもしろくないと考えざるを得ないのであります。
 それからもう一つ專用自動車事業というものが別にあるらしいのですが、この專用自動車道路のことについてはこの委員會は關係しておらないのでしようか。
#53
○田中(源)政府委員 先ほど志鎌説明員から御説明申し上げましたごとくに、委員會の委員に對するいわゆる拘束力をもつ罰則規定をもたないということにつきましては、いやしくも一縣におきまする人格識見、さらに知能において、經驗においての優秀なる人が出られるのであります。その人が私どもの信じます上において、ただいま申しましたごとく、あるいは一つの事業的組織をもつ勢力によつて威壓されるというようなことは信じられないのであります。かりにそういうことがありましても、いやしくもそういつたように委員會に選考されました方々は、その御信念におきまして、人格におきまして、そういつたようなすべての外部的壓力に迷わされるような方々でないと私は思うのであります。かような人格の人に對してここに罰則をもつてこれを拘束するということは、檢査官が檢査をいたしまする場合とおのずから異なつてまいります。檢査官はその業務の機能が國民に對して與える影響が非常に重大でありまして、その性能いかんによつて、國家的損失を除去するために與えられたる一つの大きな監督權を行使いたしまして、もしこれを拒否いたしました場合においては、その監督權に基くところの權限を行使するということになつておりますが、かりに今反面に委員が、しかもりつぱな社會的の地位のあるそうした方々が選任された委員會が、答申をしないで放りぱなしにするというようなことは、どうも常識的に考えられないのであつて、さようなことを杞憂することは、かえつて委員の人格を毀損するのではあるまいかと考えているようなわけであります。一面館さんの御深憂にありまする點はごもつともと存じますけれども、この點につきましては私はそこまで心配しなくともりつぱに役割を果していただけるものであろう。同時にまたこの委員會というものは、中央において最もこれを重視しているということを立法の中にうたつているのでありますから、この立法全體を通ずるところのその流れをお考えくださいますときにおきましては、はつきりと法の效力は現われているのじやなかろうか、かようにも考えるのであります。かように一應見方をかえてお考えくださいますることも、いかがかと考えるのであります。私どもはかように考えておりますので、萬一館さんの御深憂になりますような點につきまして、當委員會の御意思が一致いたしますならば、あらためてまたそのように委員會において御決定を願えば結構と存じます。ただ私どもの考えといたしましては、そこまで人格を尊重するということの方が、かえつて委員會をして強いものである、偉大なる力を出さしめるというふうに考えたのでありまして、この點も併せて御了解願いたいと存ずるのであります。
 それから專用道路については、もちろんこれは專用道路といいますものは御承知のごとくに、自動車運輸事業の特別なる道路を設置するのでありまして、この問題に關しての事柄は運輸大臣と内務大臣との共管事項になつているわけでありまして、當然この中にすべての規定は含まれるのでございますから、これはさよう御了承願つて差支えなかろうと思います。
#54
○館委員 田中政務次官のお話でよくわかりましたし、私もこの委員會が、それほど大きく大臣をも義務づける仕事になつておりますから、その點はその反面から十分お話を聽かない先に考慮しておつたのであります。しかし人格識見にまつという人間の選び方、これはきわめて實質的には困難なことでありまして、單に一人のゼントルマンを選んだだけでは、こういう問題はなかなか結著のつかない問題ではないかと思うのであります。それと同時に、そういう重大な委員會が業者その他に報告を求めたいというときに、それが出さないということはないだろうと思いますけれども、私は出さなかつた場合には、現在までの業者というものの姿を見て非常に危惧するのでありまして、委員會が答申を出さないということを罰するのじやなくして、委員會が業者その他に出頭を求めたり、あるいは調書を依頼したり、あるいはもし間違えば、そこへ出かけていつて調査するというような事柄が起きるだろうと思いますが、それを業者が拒み得ないというようなところがなければなるまいというふうに考えておるのであります。もちろん人格識見のすぐれた人であつて、しかも法的にこれだけの根據を與えられておる委員會でありますから、そういうことは萬々起きないだろうと思います。業者もすなおにその要請に應じ、要求に應ずるだろうとは思いますけれども、しかしその單に人を選ぶということこそ最もめんどうな問題でありまして、そういう理想的な人が得られるかどうかということが、抽象的には言われましても、具體的にはたしてという氣持がありますので、どうしても業者側に對する、あるいは地方協に對する法的なうしろづけというものが必要ではないかということを今のところ考えておるのであります。これで質問を打切ります。
#55
○前田(郁)委員長代理 皆さんにおはかりいたします。本日はこの程度で散會いたしたらいかがでありますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり」〕
#56
○前田(郁)委員長代理 それでは次會は大體二十七日の午前十時ということにいたしまして、なお公報でお知らせ申し上げます。次會には鐵道營業法の一部を改正する法律案に對する討論採決を行ないまして、その後に道路運送法案に對する質疑を續行いたしたいと思います。
 本日はこれにて散會いたします。
   午前三時三十分散會
ソース: 国立国会図書館
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