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1947/09/29 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第21号
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1947/09/29 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第21号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第21号
昭和二十二年九月二十九日(月曜日)
    午前十一時十六分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 高瀬  傳君 理事 佐伯 宗義君
   理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    重井 鹿治君
      島上善五郎君    館  俊三君
      橘  直治君    原   彪君
      堀川 恭平君    矢野 政男君
      山崎 岩男君   小笠原八十美君
     岡村利右衞門君    高橋 英吉君
      増田甲子七君    木下  榮君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   郷野 基秀君
 委員外の出席者
        專門調査員   岩村  勝君
    ―――――――――――――
九月二十七日
 兵庫縣宍粟郡における省營自動車開設促進の陳
 情書外七件(兵庫縣宍粟郡魚谷村中田淺治外二
 百四十七名)(第三三五號)を本委員會に送付
 された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 道路運送法案(内閣提出)(第四十七號)
    ―――――――――――――
#2
○前田(郁)委員長代理 會議を開きます。委員長が特別の用事がございますので、午前中私が委員長の代理をいたします。
 ではこれから道路運送法案を議題といたしまして質疑を續行いたします。なお本法案に對する總括的の質問は大體本日で終了いたしまして、次會から逐條審議をいたしたいと思います。では井谷正吉君に發言を許します。
#3
○井谷委員 道路運送委員會の問題でありますが、前會の私の質問に對しまして、自動車運送事業者は、これが知事の一名の推薦に該當する場合に、知事の考慮に期待するというような意味の御囘答を得たように思うのであります。しかし法律というものはそこをはつきりしておきませんと、これをこしらるときにお互いの含み合いで了解しておりましても、實際にこれを實施する場合には、違つた人が各方面でやるのであるし、法文通りに解釋してまいりますから、私どもはここで氣持はわかつていても、實際の面においては、これが文字の通りに行われていくだらうと思うのであります。先般も申し上げましたように、知事の推薦の一名ということが、私はどうも實際の上にむずかしいと思います。というのは、かりにこの運送事業者が非常な政治的な力をもつていて、これが知事の推薦に當つたということになると、この委員は運送業者の委員であるということも一面に言えると思うのでありますが、どう考えましても、これは一名でなくて、二名ないし三名にするとか、あるいはこういう人のはいつた場合と考えても、他の關係のない人を置くという上からも、増員の必要があるのではないかということを私に考えざるを得ないのでございます。
 それからあとお尋ねいたしたいことは、旅客及び貨物の輕車輛の範圍でありますが、これはどういうものを指すのであるか。人力車とか、厚生車とかいう具體的な名前をひとつ承りたいことと、それから一般乘客合旅客自動車運送事業、あるいは一般貸切旅客自動車運送事業、これに當ります者の八人以上というこの八人にいう數字、八人以上とか八人以下になるということの限界でありますが、どういう意味で八人ということをうたつてあるのかということと、それからいろいろな禁止事項に關して、公共の福祉に反する行為の禁止ということがありますが、これはひとつ具體的に、どういう點が公共の福祉に反する行為であるかということを承りたいと思います。
#4
○郷野政府委員 道路運送委員會の委員の資格の問題でございますが、自動車運送事業者を、何ゆえに除外しないか、こういうお尋ねでございますが、これは前會申しました通り、私どもの氣持といたしましては、自動車運送事業者のみならず、この法律實施の關係から見まして、利害關係をもつておる者を、その利害關係の厚薄いかんにかかわらず、全部除外するということになりますと、相當廣範圍になつてまいります。またその程度も非常に差があるだろうと考えまして、現に自動車運送事業者のほか、自動車道路關係の事業者もございましようし、輕車輛の事業者、自家用の自動車事業者も多少の利害關係をもつてまいると存じます。また製造業者、修理業者、また販賣業者というものも利害關係がないわけではないと存じます。從いましてこういうように利害關係の範圍が非常に廣く考えられてまいりますことと、また利害關係の程度につきましても、非常に、厚薄の問題もあろうと思います。從いまして法律あるいは政令によりまして、これを除外するということになりますると、相當にその關係の規定は詳細な點まで考慮いたしましてきめなければならないことになりましようし、なお法律または政令で詳細にこれを規定いたしましても、個々の場合にあたりまして、必ずしもそれが適正であるかどうかということについても、疑いなきを得ないのでございます。從いまして私どもの考えといたしましては、それらの點をすべて知事の御判斷に任せまして、實際に多少そういう事業に御關係なさつておられる方がありましても、公正妥當な御意見のお述べを願えるような方で、知事がぜひ推薦したいと言われるならば、形式上はこれを除外しない、但しそれらの點については、實際に知事がよくお考えくださいまして、こういう利害關係者以外の人を出してくださる場合の方が多いじやないか、かように期待をいたしておるのでありまして、實際の運用でうまくいものと存じておる次第であります。
 なお委員の數の問題でございますが、これはアメリカあたりの立法例を見ましても、この種の委員會がやはりあるのでございます。その委員會の構成を見ますと、ごく少數の專門的な知識經驗の深い方、ほんとうに公共の福祉を代表して仕事を處理していただくに適當な方が、ごくわずかの人數で責任をもつて仕事をやつておるというのが委員會の通常の例のようでございます。アメリカにおいてはこの種の委員會はむしろ行政官廰のようなものでありまして、この委員會ですべてのことを決するというような建前をとつておりますので、その委員の數はごく少數でございます。なおまた候補者數人を知事に推薦願いまして、そのうちから主務大臣が選擇いたしまして、委員をお願いするというような建前につきましては、一應研究してみたのでございますが、かえつてこの道路運送委員會の機能から鑑みまして、そういう行き方をとるよりも、主務大臣と一應關係のない形において、府縣知事が最後の決定すべき人をはつきりきめまして、御推薦願つた方が、委員會の性質上適當である。かように考えまして、その方法をとらないようにいたしたいと考えた次第でございます。
 次に輕車輛の問題でございます。輕車輛と申しまする新しい觀念、これはまだあまり一般的に少しておる用語でもごいませんので、他にいろいろと考えてもみたのでございますが、結局この用語によるのほかはない、かように考えましてこれをとつたのでございます。從いましてこれが何を示すかということにつきまして、多少疑念を懷かれる餘地もあるわけでございますが、私ども考えておりますのは、荷馬車、牛馬車、人力車、それから人を運びます自轉車、厚生車というものがございます。そういうものを考えております。なお車輛と申すものにおきまして、あるいはすぐに車輛の概念にはいりにくいかと思いますが、そりのようものはやはり同様にこの觀念の中に入れて考えてまいりたいと思つております。それから乘合馬車のようなものももちろんこの觀念の中に含ませるつもりでございます。ただ、ごく小さな車輛でございまして、たとえば普通の自轉車でありますとか、乳母車でありますとか、それからごく小さな手車のようなもの、こういう種類のものにつきましては、命令で除外をいたすつもりでおります。それから旅業自動車の定員八人以上と七人以下のものを區分いたしておりますが、これは八人以上のものはバスを指すつもりで考えております。大體におきまして、普通の乘用車は定員七人以下でございますので、ここに限界をおいて考えている次第であります。
 なお、その次にお尋ねのございました公共の福祉に反する行為とはどういうことを指すのかというお話でございますが、これは抽象的に書いてございまして、この法律に要求いたしておりますような事柄、これをしない、あるいは免許の際つけられております條件でありますとか、あるいはその際事業計畫その他できめられております事柄を行わないというような場合などが、これに當るわけでございます。最も卑近な例といたしまましては、事業計畫通りの運行を理由なく怠る、あるいは運賃を不當に請求いたしますとか、禁制品を輸送するとかいうようなものがこれに當ると存じますが、規定自身は非常に抽象的に廣く書いてございます。結局個々の場合につきまして、法規その他行政措置に付せられましたいろいろな條件、その他この内容になつております事柄、こういうものを基準にいたしまして、一般の觀念の上から個々の場合について最も適正な運用のできるように解釋してまいりたいと考えている次第でございます。
#5
○井谷委員 今の知事の一任推薦でありますが、これが一般的に見て非常に不適任だと思われる方でも、任期が五年ということになれば、その間辛抱しなければいけないということになるのであります。こういうふうな場合に、非常に非難があるとか、不適任とかいうことが明らかになつた場合における身分に關しまして、どういうお考えであるか、これは任期中やはりその人に勤めていただくのか。何かその邊に制裁はないのであるか。
#6
○郷野政府委員 實際の問題といたしまして、この委員の方が特に不適任だということで、これを推薦せられました都道府縣知事もこれを認め一般の方もかように廣く考えられるということになりますれば、この委員の方におやめを願わなければならないようなことに相なるかと思いますが、一應これは實際の運びに任せまして、政令の建前としては、その委員の方が安んじてその職務を執行できますように、本人の辭意の表明がない限り、これを辭任するというような規定を考えておらない次第でございます。
#7
○井谷委員 よろしゆうございます。
#8
○山崎(岩)委員 道路運送委員會の問題につきましては、だんだんと御意見を承つたのでございますが、ちよつとこれからかけ離れているようではありますけれども、この委員會に關運しましてお尋ね申上げたいことは、從來鐵道に鐵道會議というものがあつたように存じております。その會議なるものは今までどういう形で運營されておつて、しかも運輸のいろいろな計畫面にどれほどの貢獻をしているのであるか、非常に役に立つておつたのであろうかどうか、というような點についてお尋ね申上げたいと思います。
#9
○田中(源)政府委員 從來の鐵道會議のあり方及びその機能についての御質問でありますが、御承知の通り現行法規のもとに鐵道會議を設置することが認められておりまして、これによつて定められたる鐵道會議員は、日本の交通運輸上における、陸上におきまするすべての面におきまして、政府の諮問をいたします上において、それぞれの堪能なる經驗と知能をもつておられる、いわゆるエキスパートのお集まりと解釋してもいいわけであります。これらの方々が個々に眞摯なる意見を述べられまして、その會議によつて提出され、まとめられました意見は、現在までにおきまして、日本の交通運輸の發達の上に相當貢獻されているものと存ずるのであります。なお現行法規の存する限り、現在におきましてもこれはやはり嚴存いたしておりまして、その專門委員會によりまして、各種の鐵道の各部面を精細に分類いたしまして、これらの技術面、あるいは技術の研究の面、あるいは經營の面、その他の面におきまして本日からも會議が始まるようなわけであります。これは本委員會におきまして、いろいろと御論議がございますが、要するに現行法規の存する限りは、やはりこれをおいていかなければならぬ。しかしその法規を本委員會において改廢修正されましたならば、それによつて今後運營をいたしていきたい。かように考えているわけであります。
#10
○山崎(岩)委員 ただいま政務次官からお話を承いまして、運輸交通に關するところのエキスパートが參加されまして、いろいろりつぱなる案を立てて、それが實施されていつておるというお話しありますが、私はただいま青森におりまして、東北地方の交通事情から見ますると、この鐵道會議の議員の方々は、東北竝びに北海道に關しては非常にへんぴなやり方をやつておる。東北、北海道というような所は未開の地でありまするので、何をおいても道路を開發しなければならぬ。運輸交通を徹底していかなければ、開墾することはできないという實情にある。しかるにもかかわらず、今日まで東北、北海道というものがすこぶる投げやりにされておる、この實情を勘案してみるならば、この鐵道會議の議員というものは、これはへんぱなやり方こそすれ、決して國家の上から重大なることを進言して、政府をしてりつぱなる誤りのない機能を發揮せしめたとは斷じがたい。そういう點が今日まで非常にたくさんある。われわれは投げやりにされてきておるのであります。そこでこの委員會の點につきましても、地方にもこの委員會を設けて、そうして運輸省に對して地方的な事情を具申して、誤りのない施策をやらすために設けたものであるならば、私はまことに結構なものであると思う。ただ中央に一つしかないものであつて、日本國中のいろいろな政策を實行する上においても、へんぱなやり方をされるよりは、地方的にこういう委員會を設けて、地方の事情をよく研究され、誤りのないところの方策を具申させ、それによつて政府が一つの案を立てて實施されていくというのならば、この委員會を設けることは期宜に適した處置でありましよう。だが委員にその人を得なかつたならば、かえつてこれは障害にこそなれ、私は仕事の上に澁滯を來し、あるいは手續の上における非常な遲滯が生じ、非常なやりにくいことが生じてくるということも考えられるのであります。要は人であります。人にりつぱな人を得ることができますならば、間違いはないのであります。たとえて言うならば地方においても地方事務所というものを設けた。その地方事務所を設けて、しこうして郡市における仕事をてきぱきとやろうとして設けてきたんだが、あの機能の點においても、まことにややこしい仕事が多く加わりまして、決して仕事の點において圓滿、敏速に行われていない節がある。地方廳におきましてはまことにこれは困る。ただ今のところ地方がこれを利用し、政府がこれを利用しておるのは、食糧供出の問題においてやむを得ないものがあればこそ、あれが必要だと考えておるけれども、その他の行政上の部面から考えますれば、むしろじやまでこそすれ、私はいい結果ではないと考えておる。地方事務所に行つたつて仕事ができない。どうしても縣廳まで出ていかなければならぬ。しかし縣廳だけでは仕事ができない。地方事務所を經由してこなければならぬ。そこで地方の町村長の人は、一つは地方事務所に行つて陳情しなければならぬ。また縣廳にも行かなければ仕事が解決をしない。まことにややこしいやり方をしておるのであります。そういうことを考えてきますと、まことにこの運送委員會というものも、地方的には役に立つようなことが見える、また役に立たなければならぬのでありますが、しかしながら、これまたいろいろ繁文縟禮が重なりまして、むしろ中央において地方の状況をよく調査されて、がんと方策を立てた方がやりいい節があると思う。そういう點から考えて、政府ははたしてどういう考えをもつておられますか。このことによつて、非常に仕事が圓滑迅速に解決してそうして地方的にも恩惠を與えるきわめて重大なるものであるとお考えになつて、ここに提案されたものであると思うのでありますけれども、仕事の部面において、このためにかえつて澁滯することがないか、まわりくどいことになりはせぬか。この點についての見透しをお伺いしたいと思います。
#11
○田中(源)政府委員 お答えいたします。本法案に關連いたしましてるる御意見等を拜承いたしたわけであります。この委員會は中央と地方とに置きまして、兩建となつておるのであります。地方におきましては、ただいま山崎委員のお述べになりました眞實地方の實態に即した對策が講じられまして、そうしてそれに即するような意見を委員會が御決定されることだろうと思うのであります。これを中央一本にいたしまするならば、先ほど山崎委員のお話にありましたように、中央からよく調べてということもございますが、さいわいにしてこの委員會は、かりに北海道におきましては北海道の札幌の鐵道局を中心といたし、また東北におきましては仙臺の鐵道局を中心といたします。なおそれが新鐵と關係もございますけれども、大體におきましてその地方の各府縣から代表者がおいでくださいまして、よくそれらの實情に即したる交通運輸政策をお考えになると思いますので、むしろ山崎委員の御説に副うていくのではなかろうかと私は思います。しかしてそれらの委員會の足らざるところ、またそれの不當なる點が見受けられましたる場合においては、中央の方からその點を是正いたしますればいいのでありまして、先ほど鐵道會議において、非常に地方の實情に即していないやり方をしておるという御意見がございましたけれども、この行き方によりまするならば、むしろ山崎委員の御趣旨に副うていく行き方ができるのではないか。かように考えておる次第であります。
#12
○山崎(岩)委員 わかりました。
#13
○前田(郁)委員長代理 島上善五郎君。
#14
○島上委員 ただいま山崎委員の御質問もございましたが、私かつて鐵道會議の議員をいたしておりまして痛感したのですけれども、ただいま鐵道會水が非常に民主的なりつぱな構成であり、交通運輸に關しまして相當の功績をあげておるという御答辯でございましたが、それについては、私は疑義をもつておるものであります。特にその議員の選出の方法に至りましては、一應民主的な方法がとられておるかのごとくに表面的には見えますけれども、實質的には必ずしもそうではない。各界のエキスパートと言われましたが、會社の社長であるというような人が多數占めておつたり、もしくはかつてそういう方面の事業をやつておつたというような人、あるいは官僚の古手と言つては失禮な言分かもしれませんが、そういう人たちが多數を占めておる。特にかんじんな國鐵からは、構成に不滿があつて參加してなかつたというような事實等もございまして、私は今御答辯されたように、實質的にはそう大した效果をあげておるとは考えられぬ。今度設けられますところのいわゆる道路運送委員會につきましても、よほどそういう點について考慮して委員を選ばないと、民主的な委員會ができてそこに諮問したとか、もしくはその建議によつてやつておるという形は整いますけれども――最近往々にしてそういう形だけを整えるというやり方、私はこれを形式民主主義と言つておりまかが、そういうやり方が非常に多い。それであつてはならないと思うのであります。そういう點について、今までの鐵道會議のようなやり方であるならば、大いに考え直さなければならぬ。道路運送委員會の構成、その運營についても私はそう考えておるのです。その點に對する政府のお考えを承りたいと思います。
#15
○田中(源)政府委員 委員會といいますものは、もちろん人によつて構成されるのでありまするから、先ほど各委員から御議論がありましたように、その人によつて委員會の機能が非常に公正かつ十分に發揮されますのと、またその人によつて、委員會においてただいまお述べになつた御議論の出るような結果を生ずることと二通りありますことは、これは申すまでもないことであります。しからばこの委員會の委員を一體どこに選任さしたらよいかという問題になつてくるのであります。つまり委員會の構成分子である、一番基本的な分子の、人というものの選擇方法であります。これはまず公選されたる知事に、最も公平なる見地に立つて推輓をしていただくという方法をとる。政府が一々これを一般關係者から公選によつて選ぶということはとうてい至難なことでございまして、まずこの點において、公正なる委員の選任方を知事に一任したわけであります。しかしその選任につきましては、まず一人の選任をいたしまする上においては、あらかじめ知事も豫備的に數人の方を候補者にあげて、その中から最も優秀なりつぱな方を選ぶことであろうと思うのでありますが、まずそういうことによつていい人が各府縣から代表されてこられると思うのであります。これを多數の人間をもつて委員會を構成いたしますとか、あるいは職能別に出すということになりますならば、おのおのの立場によつて、その職能によつて意見が左右される。實に公正なる意見を吐いておられても、また逆にその人たちに疑いをもつというような點がございますから、むしろそういう職能的な代表の意味をかねる人を選ぶよりも、知事に一任いたしまして、公正なる人を選ぶということにいたした方がいいという點から、ここに推薦方を決定したようなわけであります。もちろん各知事が選ばれるところの人は、われわれの期待に副うような人を選ぶことでありましようし、またもしそういう人が選ばれたる後におきまして、缺格の條項がありますならば第二の人を選んでいただけばいいと思いまして、この點については十分に愼重に知事において取扱いをいたされるように依頼をいたしまして、推薦方をお願いいたしますならば、大體において滿足し得られる人が得られるのじやなかろうか。かように考えるわけであります。なおその他の選任方法につきまして、委員各位の中に御意見等もありまするならば、十分拜承いたしまして、その選任の上に過ちなきを期したいと考えておるわけであります。
#16
○島上委員 この機會に鐵道會議のことをもう少し承つておきたいのです。現行法規の存する限り、鐵道會議はそれによつて存續しておるということでしたが、この鐵道會議に對して國鐵の從業員諸君が參加し、協力しておるかどうかということ。もう一つは、最近たしか經營協議會というものが勞働組合と運輸省、それに第三者を入れてできたはずです。この鐵道會議と經營協議會との關係、屋上屋を架するものでないかどうか。私はこれを一本にしてもつと民主的な、もつと實際に役に立つような組織にすべきではないかということを考えておるものですが、それらの點に關してお伺いいたします。
#17
○田中(源)政府委員 鐵道會議のあり方につきましては、過般來、國會議員の各位は兼ねることができないという規定になりまして、御辭任を願つて、まだ新しき人の推薦をいたしておらないのであります。要するに鐵道會議を將來おくか、おかないかということは、法規の存する限りその法規によつて行政面において私はやつていく以外に途がないと思うのであります。しからばこれを存置するか、法規の改廢をするかということは、國會がこの法規をいかようとも御修正をくださいますならば、その法規の面において私どもはいたしていくのでありまして、これは一にかかつて國會の仕事にあるのではなかろうかと思います。從つて鐵道會議のあり方なり、鐵道會議について御議論がございまして、當國會におきまする參衆の兩院の委員會が鐵道會議が不用なりとお考えくださいますならば、その法規を廢止する法律をおつくりになるのも結構であります。またこの法規の修正をいたすというお考えであるならば、その御趣旨によつて、今後の運用をいたしていきたいと考えております。その點一にかかつて、現行法規を存置して將來のあり方を論ずるか。あるいはこれを存置しないでおいてやるか、この二面におきまして、委員會におきまするところの委員諸君のお考えを定められました上において、御質問をくださいますならば、私どもはそれによつてお答えをいたしたいと思うのであります。しかし現行法規をかりに存置するものとして、鐵道會議の今後の運用の上につきましても、御趣旨の點を十分參酌して運用していきたいと考えておるわけでございます。
 經營協議會と鐵道會議とはおのずから性質が違うと思うのであります。經營協議會とは、現業の勞働者と經營面に當つていく者が、これの運營に向つて一定の定められたる範圍における協約によつてやつていくことがその性質でございます。鐵道會議なるものは、この經營面ばかりでありませず、技術の面もありまするし、なおまた外國とのいろいろな參考資料等の上におきまして、その專門的なる意見を徴する點が相當あろうと思うのでありまして、私どもはこの鐵道會議の經營協議會とについては、經營協議會なるものは行政面における運營上の一つの契約をした強力なる協議團體である。鐵道會議なるものは、この協議團體、たとえばいわゆる勞資の間における一つの協議團體とは違つて――この鐵道に限らず。他の會社でもよろしいし、つまり各方面のいろいろなる意見を參酌したるもの、あるいはまたその會社における諮問會議とでもいうものがありまするならば、そこで意見を聽き取つて、お互いがこの經營の面においてよいことを實施していきさえすれば、それでいいのではなかろうかと思うのであります。おのずからその性質の上において異なつておると考えておりますので、その點を一つお含みおき願いたい。
#18
○島上委員 ただいま、國會參衆兩院の委員會において鐵道會議無用であるということになればやめるし、また改正するということになれば改正するという答えでしたが、それはなるほどその通りですが、私のお伺いいたしたいのは、政府當局がいかなる思意をもつているかということです。それを今後必要なりと考えているか、廢止すべしと考えているかという政府の御意思をお伺いしたい。實際ただいまの御答辯にも明らかでありますように、今日鐵道會議は開店休業であるというのが偽りのない現状であります。過去の鐵道會議もまた運賃の値上げの必要が起つたときちよつと鐵道會議をやつて、少し悪口に當るかもしれませんが極端に言えば、運賃値上げのだしに使うという觀があつた。そういうものであつてはならないと思う。國鐵は國民の多大なる關心をもつておるところでありますし、これの再建と十分なる運行については、大きな期待をかけられておるものである。そのような鐵道會議が必要であるとすれば、常時活發な活動をするものでなければならぬ。運賃値上げのときだけやるような鐵道會議、もしくは法規があつて現在開店休業しておるような鐵道會議というものは、大いに考え直さなければならぬと考えるので政府がいかなる考えをもつているか、これについて積極的な御意思をお伺いしたいのです。
#19
○田中(源)政府委員 鐵道會議は今開店休業とおつしやいましたが國會に席を有せられる方は法規に從いまして御辭任を願わなければならぬということで、まだその後任は選任いたしておりませんけれども、實は本日も鐵道會議を開催いたすことになつているようなわけでありまして、現行法規のありまする以上は、從來における悪い面はこれを是正いたしまして、できるだけりつぱなる人を後任に選任して、お説の通り活發にこれを諮問機關として運用していきたい。また鐵道運賃の引上げでありますとか、あるいは重要なる法規等はすでに國會においていたすことに定められておるのでありまして、これの運用面におきまして、おのずからこの定められましたる、國會において與えられましたる法律のもとにわれわれが運用いたます上において、必要ありと認める場合には諮問をいたし、またあるいは今後の行政面において參考になる意見を活發に出していただくという上におきましては、鐵道會議というものはかりにやめるといたしましても、何らかの形において、かような會は存置いたしておく方が、行政面の運營上におきまして、いいのではないかという考えを私たちはもつておるのであります。
#20
○島上委員 今度は直接道路運送法に關係して二、三お伺いいたしたいと思います。先ほど井谷議員の御質問がございましたが、運行を怠る等の事實が公共の福祉に反するという御答辯でありました。私未だ具體的な事實をはつきりと調査してここで申し上げる域に達しておりませんので、聞いた範圍のことですが、ある會社が營業權だけをもつておつて、非常に必要な路線に運轉をしないという事實、もしくは申譯に一臺か二臺バスを働かしているという事實、そういうような事實を聞いておるのです。これなどまつたく公共の福祉に反する行為と思うのですが、それについてはいかようにお考えでありましようか。
#21
○郷野政府委員 私からお答え申し上げます。たびたび申し上げまするように、現在バスの車輛が戰前に比べまして非常に減つております。また車體も古くなつておりまして、故障も多い。また修繕にも非常に努力を要するという状態になつております。なおその上にタイヤ、ガソリンの事情も相當窮迫いたしておりまするし、代用燃料――大體バスは代用燃料で運轉いたしておりまするが、その入手につきましても非常な制約がございます。そういう關係からいたしまして、バスの路線につきましては大體五十%が休止をいたしておる状態でございますが、營業を休止するにつきましては、むしろ官廳側の慫慂によるものもございます。なお會社が自分の經營の實情から申しまして、路線の輸送需要の點もよく考えまして、監督官廳にそれぞれ認可を申請いたしまして、正規の手續を經て休んでおるのが一般の状況でございます。從いまして何か突發的な事故、その他やむを得ない事柄で、随時一日、二日休むというようなことは例外的にあることもあるかと存じまするが、原則といたしまして、休止の路線につきましては、全部認可を得ておるはずでございます。もし認可を經ないで休んでおるものがありますれば、もちろんこれに對しましては措置をとらるべきものと考えます。
 なおバス運行の囘數の問題でございます。これは事業計畫できめられておりまするが、今申し上げました車輛その他資材の事情からやむを得ず減らしておるものもございます。しかしながら、これまた減らすにつきましては、それぞれ認可を得まして、認可を得ました範圍内で運行囘數の減少をやつておるのでございます。かような次第でそれぞれ營業休止、あるいは運轉囘數の減少につきましては、手續を經てやることに相なつておりまするし、これが全般的には守られておるのでございます。
#22
○島上委員 それではその問題をもう一遍重ねてお伺いいたしますが、御承知のように、東京驛を中心として都バス、私バス、いろいろの變つたバスがたくさん入りこんでおつて壯觀を呈しておりますが、そういうバス會社が、認可になつた路線を休止して、東京都のバスと競爭しているということは、私には、車輛がない、ガソリンがない、資材がないという理由とはちよつと別だと考えられるのです。つまりあの競爭に割りこんで、東京驛から都外へバスを運行しているバス會社が、私が先ほど質問いたしましたように、認可になつた、しかも非常に必要な路線を休んでおり、あるいは申譯に少ししか運轉しないという、こういう事實がはつきりいたしました場合には、政府はどういうふうにお考えになりましようか。
#23
○郷野政府委員 東京驛を中心といたしまして、都バスのほかに私營のバスも運行をすることになりました。これにつきましては東京都と各會社との間におきまして運輸の協定をいたしまして、認可を得て實施をいたしたのでございます。これは東京都の郊外から都にはいります間におきまして、朝晩の特に通勤時間におきまする交通が輻湊いたしまして、電車の輸送も都營のものも省營のものも非常に行き詰まつておりまして、これが救濟をいくらかでもはかりたいという考え方から、さいわい連合軍から拂下げを受けました車輛を、これに充當することの許可を得まして、實行をいたしたのでございます。從いましてこれを實施する上におきまして、各私營バスの業者も、現に運行を休んでおりました路線、また運行同數へ減つておりまする路線につきましては、同時にまた別の方法でできるだけ運行囘數を殖やし、また休止路線を復活するという努力は、その路線の交通需要に適應いたしまして、資材の調達の點ともにらみ合わせまして、今後において努力をするという前提のもとに進めているのでございます。この東京驛への乘入れにより、これがために休止路線が殖える、あるいは運行囘數が減るというような事實は絶對にないのでございまして、これが増加につきましては、むしろ別の方法で今後におきましてもできるだけの努力を拂い、私どもといたしましても、またこの業業の經營に當つておりまする業者の面におきましても、努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#24
○島上委員 第二十六條に、主務大臣は、旅客または物品の運送を確保するため必要あるときは、業者に運送を命ずることができるという規定がございます。これはもちろん今度の水害のような非常時の際にも適用されることだと思いますが、私は今度の水害について、最初現場へ行つてみました際に、食糧の配給が非常にうまくいつていない。その理由は何かと言うと、輸送機關がないというためです。輸送機關といえば船が特に重要な輸送機關であるわけですが、しかし船以外にトラックも必ずしも十分でなかつたという事實があつたのです。この二十六條はああいう非常時の場合にも適用すべきものであるかどうかということと、この法律は現在はまだ施行されておりませんけれども、今度の水害について、そういうような處置を主務大臣がとられたかどうかという二つの點を御説明願います。
#25
○郷野政府委員 この規程は現行法にも同種類のものがあるのでございまして、現在におきましても、主務大臣が公益上必要と認めまする場合におきましては、運送の命令ができることになつておりますので、この規定の實施をすることの必要がありますれば、できるのでございます。しかしながら今囘の水害にあたりましては、各地におきましてトラックの業者の方も進んで輸送に協力するという申出をされ、またその態勢をとつてまいりました。なおまた自家用の車についても、そういう申出も受けております。私どもといたしましても關係の各省、また現場におきましては、自動車事務所が各都府縣と緊密な連絡をとりまして、その手配をいたしましたので、特にこの條文によりまして輸送命令を出すという處置をとらないで、輸送の確保が一應できたのでございます。またこれからもそういうつもりで、今後の復舊その他必要な資材の輸送に當るつもりでございます。從いまして今後この二十六條の運用に當りましては、もちろん今囘の水害のごとき場合に對して發動できるものと考えて、運用に當るつもりでございます。
#26
○島上委員 最後にもう一つお伺いいたしたいのですが、政令に「左に該當する者は、道路、運送委員會の委員となることができない」というところの第一に「刑餘者」というのがある。この内容についてですが、刑餘者と言いましても、いろいろ犯罪の性質もありますし、刑期の長短もありますし、現に戰時中あつた不當なるいろいろの法律廢止によつて、以前には刑餘者となつておつた人々が、嚴格な意味では刑餘者ではなくなつた者もあるわけですが、そういう刑の性質とか、長短とかいうことを、その内容として考えておるかどうかという點を伺いたいと思います。
#27
○郷野政府委員 この刑餘者の場合につきまして、實際規定いたしますについては、一年以上の懲役または禁錮の刑に處せられた者で、その執行を終り、または執行を受けることがなくなつた日から二年を經過しない者、かような規定を設けまして運用してまいりたい。かように考えております。從いまして刑の重さによりまして一應の基準を設けているわけでございますが、犯罪の性質その他につきましては、ただいまのところそこまで考えておらないのでございます。この規定の運用によりまして、大體一般論としては差支えないのじやないか。かように考えておるのでございます。
    ―――――――――――――
#28
○田中(源)政府委員 ちよつと颱風の被害状況からその後開通いたしましたもの、及び開通の豫定を御報告申し上げます。上越線におきましては澁川・敷島間が九月二十七日十五時に開通いたしました。敷島・津久田間は十月三十一日の豫定であります。津久田・岩本間も同日開通の豫定であります。岩本・沼田間は十一月十五日開通の豫定でございます。東北本線の久喜・栗橋間は十月十五日開通の豫定であります。栗橋・古河間は十月一日の豫定であります。奥羽線の湯澤・十文字間は九月二十九日すなわち本日の午前中に開通いたしました。常盤線の龜有・金町間は九月二十七日二十時十五分に上り線が開通いたしました。總武線の新小岩・小岩間は九月二十七日から下り線を開通いたしましたが、列車は全線開通しております。そうして三十日には大體復線上り下り兩線とも開通する豫定であります。それから金町線の新小岩・金町間は十月五日の豫定であります。長野原線の澁川・長野原間は九月二十八日の十五時に開通いたしました。中央線の大月・初狩間は十月十日ごろ開通の豫定であります。身延線の甲斐上野・東花輪間は十一月一日開通の豫定であります。兩毛線の足利・桐生間は十月十五日、伊勢崎・駒形は十月二十日ごろ大體開通する豫定てあります。小本線の岩手苅屋・押角は九月二十八日すなわち昨日開通いたしました。釜石線は十月一日開通の豫定、山田線は大體同様であります。陸羽東線の北浦・陸前古川は九月二十五日に開通いたしました。また陸前古川・中新田は九月二十八日に開通いたしました。岩出山・池月は大體において十月八日の豫定であります。足尾線は十一月五日の豫定でございます。以上復舊状況を御報告申し上げます。
#29
○前田(郁)委員長代理 皆さんにお諮りいたします。午前の質疑はこれで打切りまして、殘餘の質疑を午後にまわしたいと思いますが、いかがでありますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○前田(郁)委員長代理 それでは午後一時半より再開いたします。
    午前零時二十分休憩
    ―――――――――――――
   午後二時三十二分再開
#31
○正木委員長 再開いたします。これより質疑を行います。矢野政男君。
#32
○矢野(政)委員 ただいま上程になつております議案につきまして、まず關連いたしております問題につきましてお尋ねいたします。
 去る十六日の夜半の水害によりまして、關東地區が數縣にまたがりまして、豫想もいたしません大きい水害に遭つた次第であります。私ども十九日に命を受けまして、出水縣であります栃木縣に參りました。十九日に私ども參りますときにはさほどの水害ではない、かように考えて現地に參つたのでありますが、現地に參つてみますと、意外にも大きい水害でございまして、栃木縣といたしましては足尾町を初め足利郡、市竝びに下都賀郡の部屋、生井を初めといたしまして宇都宮市、田沼町あるいは小山町、那須郡にまいりまして馬頭、烏山町方面、あるいは喜連同時あるいは矢板町、ほとんど全縣下にまたがりまして堤防の決壞、橋の流失、あるいは土砂の崩壞というような現状でございまして、非常に大きい水害の現状を見まして、いかにしてこの水害に對する緊急對策を立てるかということにつきまして、縣當局とも協議をいたしまして、縣といたしましては、緊急縣會を招集いたしまして、その水害に對する對策を協議いたしました。まずもつて中央にこの實情を報告し、さらに縣は縣としての緊急對策をとりつつあるわけでありますが、そこで一言申し上げておきたいことは、栃木縣といたしましては被害當時の状況が通信機關、あるいはその他の機關の故障によりまして、全然その連絡を絶たれまして、その結果非常に栃木縣の災害は僅少に報告されておりました關係上、私どもかけつけまして、意外なことに驚いた次第であります。關東地區と申しましても、この地區の緊急對策につきましては栃木縣は非常に遲れておつた。こういう實情を見てまいりまして、水害者あるいはその他の橋、堤防決壞あるいは土砂の流失ということにつきましても、その處置が非常に遲れていたようであります。ただいま申し上げましたように中央にその實情を報告し、さらに中央からの指示もいただきまして、緊急對策に當つているわけでありますが、これにつきまして、まず第一に食糧の輸送、あるいは流失されました家屋、あるいは死者その他の取片づけ等につきまして、まずもつて緊急を要しますのは、自動車でありますが、御承取のように最近に至りまして、まず陸上輸送で一番問題となつておりますものはタイヤ、いわゆる足の問題であります。トラツクにつきましても、バスにつきましても、この足の問題で非常に悩んでいる。そのところに參りまして、この豫想いたしません大きい水害にぶつかりまして、殊にただいま申し上げましたように、その地區その地區の橋の流失、あるいは堤防の決壞というような状態でありまして、いずれもこの區間の連絡は自動車によつてやらなければならぬという状態であり、殊に足利市内のごときは、非常な大量なるどろを市内にもちこみまして、このどろ、あるいは砂利を處理いたしますには、相當なる自動車を要するというような状態になつております。これに對しましては運輸省にその實情を申し上げ――現在自動車が非常に急速に、しかも非常に多くの臺數が必要でありますことを申し上げまして、これに對する運輸省の處置を仰いでいる次第であります。この點につきましては、私非常に考えさせられたのでありますが、運輸省におきましては、この水害に對する跡始末ということにつきましては、その處置に對しましても、あるいはこれに必要とする資材に對しましても、その急を要することはよく承知されまして、それに對してある程度の處置はお考えになつておられると思うのであります。しかしながらこれに關連して商工省あるいは安本というような關係がございまして、たとえばただいま申し上げたタイヤについても、運輸省は當然緊急用として、これを特別な配給をもつて出させなければならぬというようなお考えでおられましても、さらにこれに對して商工省の同意を得なければならぬ。あるいはさらにまた安本の了解を得なければならぬというようなことで、タイヤ一つの問題についても、商工省、安本というような方面に、殊に業者がその實情をしさいに言つてまいりませんければ、これに對しての商工省の案が立たない。さらにまた安本としての了解を求められないというような現在の状態でありますが、私はこういう際におきましては、實際の實情を一日も早く知り、また緊急の問題については、運輸省において實際にこれを處置して緊急對策をとるべきであると考えておりますけれども、遺憾ながら現在の状態を見ますると、それまでに行つておりません。從つて運輸省は非常に共鳴し、これに對して同情をよせられましても、ここに商工省、安本の了解を得なければならぬというような、實に手ぬるいような現在のやり方に實情であります。この水害地にかけつけました方々はよくその實情をお知りになつておりますが、その實情を知らない方におきましてはそうでない。緊急の用であるということを知りながらも、書類においてあるいは調査をして、あるいは案を立ててという、非常になまぬるい考え方をされ、また處理されておるような現状であります。こういう特別なる緊急なる際であり、殊に人民を一日でも早く救わなければならぬ。あるいはこれが一日遲れれば人命に對してこういう問題が起きるということは承知しておられるのでありまして、こういう際においては、運輸省として絶えず緊急的な對策は運輸省の立場においてこれを處置し、取上ぐべきではないかと考えておる次第でありますが、この點につきまして運輸省當局のお考えを伺いたい。
#33
○郷野政府委員 水害の應急救助、また應急復舊という點からいたしまして、自動車が重要な輸送の使命を擔うことはお話の通りであります。私どもといたしましては、中央に設置せられました應急救助對策委員會におきましても、自動車の輸送上の使命から考えまして、中央において應急的に急いでこれに必要なガソリンの手配をいたすとか、なおまた輸送上の必要に應じまして車の集中をいたすというような輸送の手配を講ずるとか、こういうことにつきまして打合せをいたしまして、なお現地に對しましては、ただちに各都府縣にございます自動車事務所に對しましても、地方の當局と緊密なる連絡をとりまして、地方にあるさしあたりの手持の資材竝びに車輛を使いまして、應急の措置、できるだけの處置を講ずるようにいたしまして、その結果として各自動車事務所においては、それぞれ關係の方面と密接な連絡をとりまして、さしあたりできます應急の措置は、一應とつたことと信じております。ただしかし、だんだんと輸送も廣く、また旅客貨物の數量におきましても多く輸送しなければならぬような状態になつてまいりますると、わく外で臨時に措置をいたしましたガソリンの問題につきましても、ただいま御指摘のように、現物がこれに伴いかねるという問題が起るような氣配も見えてまいつたのでございます。それに對して、すでに當初からガソリンにつきましては、それぞれ所管の官廳において現物を確保して、これを切符のわく外發行と表裏いたしまして、必ば現物の支給できるように努力してもらうことにいたしておつたのでございますが、一部、場所によりましてはこれが思うように參らぬように求もできていやしないかと思いまして、非常に憂慮いたしております。この點はただいまも關係の方面とそれぞれ連絡いたしまして、鋭意努力いたしております。
 なおタイヤの問題でございますが、實はタイヤは特に最近生産の事情が悪くなつておりまして、現物が不足いたしておつたので、特に應急の輸送に對しまして、この不足が輸送の増強、あるいは確保の支障になつた點があつたことと存じまして、この點ははなはだ憂慮いたしております。しかしながら御承知の通り八月十五日の閣議決定によりまして、タイヤの生産は重點生業といたしまして、目標も新たに確立いたしまして、生産に努めておりますので、最近は事情もいくらかよくなつてまいつておつたところでございます。從いまして九月十五日以降におきまして割當配給せられまする新車に對しましては、從來のタイヤ四本が六本になつて出せるという状態になりました。また、それ以前に本年度配給いたしました車に對する部分も、タイヤは修繕用のタイヤといたしましてこれを考慮するような手配も講じております。從いましてこれらのタイヤの生産事情の好轉と相まちまして、これからもタイヤの増産の實績を上げてまいりまして、この水害の應急救助、また復舊の作業の面におきまして、必要なタイヤの確保を十分に努力してまいりたいと考えております。商工省、經濟安定本部、それぞれの向きとは緊密に連絡をとつておりますが、これらの物資につきまして、必要な方面にこれを割當てるという仕事は私どもの責任で取計らつております。現物をこれに裏づけいたしまして、必ず供給できるような態勢に、關係の所と一層緊密な連絡をはかりまして、努力をしてまいることにいたしたいと考えております。
#34
○矢野(政)委員 さらにお尋ねいたしますが、ただいま御説明がありましたタイヤ及び資材の問題であります。今度の水害地に對する割當の計畫を伺いますと、まず定期配給の前渡しというようなことによつて配給をするというようなことに伺つておるのでありますが、先ほど申し上げましたように、未曽有のこの水害に對しましては、定期配給の前渡しというようなことでなく、いわゆる水害に對する緊急對策の特別配給というようなことで、當然これは配給さるべきである。かように考えるのでありますが、この點に對しましてひとつお考えを伺いたいと思います。
#35
○郷野政府委員 お話の通り結局この問題は、水害の應急救助竝びに應急復舊の仕事に對しまして、特別のわくを設定いたしまして手配すべきものと考えております。またそういうつもりで努力いたしておりますが、とりあえず水害の直後の現地における手配といたしまして、ただいまお話のように維一應手持のわくの範圍内におきまして繰上げて支給をするというふうなやり方を一應のつなぎといたしまして、臨機の措置としてとつた次第でございます。
#36
○矢野(政)委員 私栃木縣の水害實情を見てまいりましたので、栃木縣の實際に見ました状況によつて意見を申し上げますことをお許し願います。御承知のように栃木縣で今囘の水害の一番大きかつたのは足尾町、足利郡市でありましたが、足尾町においては非常なる不便な地帶でございまして、あの鐵道路線一つによつて足尾町の物資の輸送、あるいは足尾町との往復がなされておる状況であります。この足尾線がほとんど流失されてしまつたというような現状になつております。從つて現状の食糧の輸送、あるいはその他の人間の輸送については、日光町より足尾町に至ります非常な山間道路一本だけでございまして、この道路を應急補修をいたしまして、現在この道一本によつて足尾町との連絡をいたしておるような次第でありますが、十一月の初旬に相なりますと、道路は雪のために通行が杜絶するというような年々の實情でございます。足尾線の鐵道の開通の見込みを伺いますと、ほとんど本年度中にはむつかしいのではないかというような現在の状況のように伺つておるのでありますが、從つてもしこれが降雪時期になつて足尾線が開通できないということになりますと、足尾町との輸送關係、あるいはその他の連絡關係が絶たれるというような状況に相なるわけであります。これに對しましてはどのようなお考えでおられますか。もし私の希望を申し上げますならば、關東地方の水害によつて非常な大きい被害がありまして、どこから手を出してよろしいかというような現状にあると思いますが、殊に降雪期になりますと、ただいま申し上げましたような足尾町の状況でありますので、この際、何らかの特別なる計畫をお立てになられまして、足尾線の復舊を少くも十一月初旬に何とか連絡がつきますような施策をお願いいたしたい、かように考える次第であります、これについて數日前足尾町の代表の方、なお足尾銅山の代表の方に會つたのでありますが、この際足尾町としてどうしても雪の降らないうちに足尾鐵道を開通してもらわなければ、足尾町の二萬數千の人間が實際孤立の立場になるというような状態でありますので、足尾町としてもできるだけの犠牲を拂うことは決していといません。さらにまた足尾銅山としては、現在でも毎日三百人ないし五百人の人夫を出して鐵道の復舊に協力するというような状態でありますが、これに對して、もし運輸省方面において、かような計畫をもたれまして、足尾町あるいは足尾銅山より、必要としますならば、一日三百人ないし五百人の人は出しましてもこの復舊に努力したい、こういうような希望の意見もありますので御參考までに申し上げます。これに對する運輸省の御計畫を承つておきたいと思います。
#37
○田中(源)政府委員 矢野委員からるる栃木縣の水害状況に關連いたしまして、その特殊的なる立場にある足尾地方の交通に關しての御意見を拜承いたしたのであります。これは午前中の委員會において申し上げたように、大體足尾線は十一月には開通する豫定で鋭意努力いたしております。なお督勵をいたしまして、一日も早く足尾線の列車運行をいたすようにいたしますし、萬一冬季期間に至りましてもそれが遲れますようなことがありますならば、地方當局とも連絡をとりまして、一部省自動車をもちましてでも、臨時一定の區間の運行交通量を確保するような方法を講じてみたいと考えております。よつて一應復舊状況と相關連いたしまして、それらの實情を考慮いたしまして、御趣旨に副うようにいたしたいと存じております。
#38
○堀川委員 省營自動車の開設に對して、いろいろと地方においてとりざたされておることは、運輸省として御承知の通りと存ずるのであります。ところで省營自動車の開通、すなわち省營トラツク、省營バスこれらの開通に對しましては、その地元の住民竝びにその運行しておるところの業者との間には、相當考えの開きがあると思うのであります。そこで運輸省といたされましては、大體本年度においてどの路線をやりたいというような何かはつきりとした計畫があることと私は思うのであります。そこでそれに對していろいろな反對の陳情、また開通してもらいたいというところの陳情があると思うのでありますが、これに對して運輸省としての御計畫を立てられておるとすれば、その陳情のいかんによつてぐらぐらすることはないのではないかと私は思うのであります。運輸省はそれに對してどういうお考えをもつて計畫を進行なさるのでありましようか。また業者がいろいろ反對すれば、それはとりやめる。あるいはまたそこの所の町村長なり、あるいは郡民そろつて陳情すれば、またやろうかというような薄弱な意思でおやりになるのではないかと私は思うのであります。そこである一つの例をあげますと、省營トラツクをやつてもらいたいという陳情があり、またそれをやつてもらつては業者は當然つぶれてしまうのだ、であるから、これは何とかいろいろな事情によつてこの省營トラツクの開設はやめてもらいたいというような陳情がある所においては、一つの郡において七十所もの自家用のトラツクがある。その自家用トラツクの持主全部が、省營トラツクができてその會社に迷惑をかけるとすれば、われわれ自家用は全部廢止してでもその會社に御迷惑はかけない。こういうような陳情がある所もあるそうであります。かような場合に全國到るところにこの省營自動車の開設を希望し、反對し、いろいろまちまちであろうと思いますが、運輸省としてすでに計畫を立てられておるその路線に對しましては、運輸省は、その路線の開通に一路邁進せられるのであるかどうか。一應お伺いしたい。かように存ずるのであります。
#39
○田中(源)政府委員 運輸省といたしましては、できるだけ地方の業者との間に摩擦を防ぎまして、圓滿なる解決の上に、一旦決定いたしましたるは、斷固これをやりたいと考えております。しかしながら本問題につきましては、非常に重大な問題でございまして、本年度計畫につきましても目下各鐵道局を中心として、いろいろ開設に伴う條件その他につきましての折衝をいたしておりますし、省といたしましての根本的なる方針につきましても、過般來から協議を續けておるような状況でございますので、堀川代議士に對する答辯を暫時保留さしていただきまして、大體省營の本年度の實施の見込みがつきましたならば、それの一覽表等もつくりまして、當委員會にお諮りもいたしたい。かように考えておりますので、暫時――長いこととは申しませんが、ある一定の期間まで御猶豫をお願いいたしたいと思うのであります。
#40
○堀川委員 今政務次官が御答辯になりました通り、その中には省營の計畫をしたものに對しては、一路邁進いたしたいと思う所であるというお考えの點をちよつとお話になつたようでありますが、なおこの點に對しては一應答辯を保留して、できるだけ省の確立した路線をこの委員會に發表して、それに對して省として斷行いたす。こういうことでありますので、まずそれを一日も早く提示されんことを要望いたしまして、それまで保留いたしておきます。
#41
○山崎(岩)委員 水害の問題については、先ほど矢野さんからも質問があつたのでございますが、いろいろ水害復舊について運輸省で御苦勞なすつていることは、私ども認めておるのでございます、それで政府の事業といわず、地方の公共團體の事業と言わず、いろいろ復舊事業の點についていて成績をあげて進捗しておりますものは、ひとり運輸省の事業關係であると私は斷定することができる。ますもつて地方廳におきましても、いろいろ橋をかけるとか、あるいは護岸工事をやるとか、いろいろ仕事をやつておるけれども、その仕事はなかなかはかどらない、ところが運輸省においてやつておる仕事こそは、まことにてきぱきとやつておる。そうしていろいろな難事業もありましようけれども、ともかくも鐵道を通して、あまたの人々に對して運輸上における便利を與えていることは、まことに感謝にたえないのであります。こういう運輸省における復舊事業に働いてくれるところのあの人々、あの人々のような考えをもつておつたならば、日本の經濟再建のごときは、もう言うまでもなく明朗に行われるものであると思う。たとえば石炭の増産のごときでありましても、運輸省におけるところのあの心構え、あの仕事をやつておる人々の考えでやつたならば、どんなことでもできるということを考えております。
 そこで私はちよつとお伺いいたしたいのでありまするが、これらの人々、こうして働いておる勞務者の方々に對して運輸省としては特別に何らかの手當をやるとか、あるいはめんどうを見ておるか。運輸省においては直營でやつておる所もありましよう。あるいはまた請負でやつておる所もありましよう。これらの人々が眞摯敢鬪して水の中で働いておる状況、この人々に對しては、私ども委員としても何かの特別なこれに報いる途がなければならないと考えておるのでありまするが、これについて運輸省はどういう處置をとつているか承りたい。
#42
○田中(源)政府委員 たいへんな眞摯な激勵のお言葉をいただきまして、まことに恐縮にたえないのであります。運輸行政は一日も休止を許さない状態のものでありまして、機械と人力をもつてすべてのものを完成して、交通行政の上に御迷惑をかけないようにするのが本來の使命でございます。しかるに資材も制約されまして、かつまた勞力その他の條件の不足のために今もつて開通に至らない。午前中に御報告申しましたような實態で、かえつて私ども恐縮いたしておるような次第でございます。しかしながら、あらゆる努力を傾注いたしまして、國民の期待に副うように一日も早くこれを開通したい。冬季を氣構えて林産物等は各驛とも非常に滯貨いたしておるのであります。これを何とかして早く輸送したいと考えております。さらに食糧の出廻り時期を氣構えておりますので、一刻もこれを待つことができないというので努力をしております。これらの人に對しましては、特別時間外その他の手當は規定もされておりますし、それらにつきましての手當は出しております。また食糧その他の面につきましても、政府の方におきまして、できる限りの援助をいただきまして與えておるのであありまして、ただいまのところではこれらに從事しております人たちから、これに對する不滿はあるまいと心得ておりますが、なお一應現場を調査いたしまして、足らざるところは十分にこれを補つて、できるだけのものを早く差上げたいと心得ておるようなわけであります。
#43
○山崎(岩)委員 ただいまの政務次官の御説明でございますが、これらの人人に對しましては、本省としてやらなければならぬ處置は何分ともとつていただきたいと思うのであります。
 次に戰時中自動車交通事業に伴うところの、てとえばトラツクの會社であるとか、あるいはまた乘合自動車というようなものを統合いたしまして、大きな會社にしておる。縣によりましては單一なものになつておるものもありますが、それがただいまのところ車が足りない。その他の資材が足りないというような關係で、全面的に運行を休止しておる所があるのであります。またこれからの運行の見込みの立たない所もある。そういうようなものは本省といたしましては、一日も早くこれに手を入れまして、やれないものはこれを他の會社なり、あるいは個人なりに讓渡して、一日も早くこれらの仕事をやれるようにしてやらなければならぬと私は考えるのであります。その點についてどうお考えになつておりますか、承りたいのであります。
#44
○田中(源)政府委員 現在の各路線の休止状況は、過般來當委員會におきまして郷野政府委員よりしばしば説明しております通り、約五〇%ほど休止いたしておるのであります。戰時資材の保有の點から考えまして、鐵道竝行線等のごときは、政府みずから休止を命じたるものもあります。またこれをお互いに協定もしくは統合して、一緒にやらしておるような状態の路線もあります。そういつたような状態、あるいは戰時中におけるトラツク及びバスの徴用等によりまして、それらの運輸機關が漸減をいたし、かつまた副資材の缺乏からしまして、やむなく休止しておる路線もあるのであります。かような實態が戰時中續きまして、戰後における現實の姿になりますれば、ここに日本の經濟事情等が國民生活に與えますと同じような影響が、業界にも與えられてきておるのでありまして、この休止路線は會社の法的なる義務を怠つて休止しておるものもありましようし、あるいはただいま申しましたような條件のもとに、休止しておるものもあるのでありまして、これをただちに復活をいたしますにおきましては、相當なる車輛竝びに資材の整備をいたしていかなければなりません。しかし現状におきましての車輛の製作、その他の資材というものは、まことに寥々たるものでございますし、その主たる燃料竝びにゴム等におきましては、一に輸入にまつほか仕方がない状態であります。燃料の輸入の限度もございますし、ゴマの輸入に至りましても、御承知のごとくに前議會におきまして、建議案によつて政府を督勵し、約三萬トンの生ゴムの輸入を見るに至り、自動車のチユーブ、タイヤに對しては第三・四半期、第四・四半期に二千トンの原料ゴムを特別に確保いたしているような状態でありまして、これまたただいま申し上げました通りに、非常に資材に制約されている現實でございます。從つて今後これをいかにするか。一面においては民間の要望は非常に強うございまするし、一面においては資材の面において非常に制約されておりまして、また道路行政上の關係等によりまして、まことに民間の要望にこたえられない状態に現實あるのであります。しかしながら車輛の生産を増加し、またできるだけゴム製品等を確保いたしまするとともに、燃料におきましても國内といわず、國外からの輸入につきましても貿易囘轉資金等にできるだけ依頼して輸入を増加いたしまして、漸次休止路線に對しては車輛及び燃料の補給をして、これを復活せしむ方針をとりたいと思いますが、その半面におきましては、これらの營業の實態を實際に調査いたし、また先般も申し上げましたように、各鐵道局竝びに自動車事務所において現行各會社の既許可線に對する營業の實績を調査いたしまして、戰後の經濟上の變化に伴いまして、交通量の變化の來しておると思いますから、その運行状況等をも十分に精査いたしまして、不要の路線はこれを廢止し、新たにまた必要なる路線はもちろん、業者もしくは省において必要と認めるものは、いずれかにおいてこれを開設し、同時に民間企業會社の企業状態が悪ければ、これを統合または他の適當なる業者に代らせる等お説のごとくにこれを漸次改良していきたいという方針をもつているわけであります。右よう御了承を願いたいと思います。
#45
○山崎(岩)委員 もう一點お尋ね申し上げたいと思います。青森縣下北郡の大畑町から大間という所まで、あの半島の鐵道路線は約八割くらいでき上つている。ところがただいまのいろいろな事情によりまして、未だにこれに對してはレールを敷設することができない。それからまた機關車が足りないとか、その他のことによつて未だ鐵道の營業に從事することができない状態であります。ところが路線はちやんとできている。そこで私はお尋ね申し上げたいのでありますが、あの地方におきまして軌道を準備して、そしてきわめて簡單な、あれはちようど營林局あたりで使います森林鐵道用の機關車と思いますが、あの程度の機關車で客車をひつぱれば、相當役立つようなものが準備してあるのであります。これは二十キロや二十五キロの距離においては、これでりつぱな敷設することができる程度に準備しているものがある。そういうものに、運輸省でつくりましたあの鐵道の敷設を貸して、一年なり、二年なり利用せしむる。そうすると地方民はこれによつて非常な惠澤を受けるわけであります。せつかくああいうふうにトンネルもでき上つて、りつぱに鐵道を敷設し得るような準備ができている道路敷と言いましようか、鐵道レール用の敷地がある。それに對して軌道を通しさえすればいいのだから、それを貸してもらいたいのです。とにかく一年でも二年でも、今の下北の大間鐵道が完成するまで貸してくれればいい。そうすればそこに軌道をひつぱつて役に立てることができる。そういうことはできないか。それくらいの便宜をはかることも、まことに民主主義的な經濟再建のやり方でないかと思います。それくらいの勇斷が運輸省にあつてほしいと思うのでありますが、いかがですか。
#46
○田中(源)政府委員 お答え申し上げます。まことに山崎委員のお説のごとくに、申譯ない路線は全國に多々あります。せつかく路線ができておつても、また戰時中わざわざ敷いた路線でも、引續き今日まで放棄してある。こういう路線は全國に多々あるのであります。そこで今考えておりますことは、山陽の鐵道路線か非常に悪うございまして、殊に水害等による恆久對策を考えて災害防止等を考えまするならば、相當の鐵量が要るのであります。今ある必要な路線を運輸省が暫定的に改良し、まず敷設いたそうといたしますれば、その補修をするだけでも十數萬トンの鐵量を要するのであります。完全にやるならば十萬トンも要ります。さしずめ第三・四半期、第四・四半期に國鐵に與えられる鐵量は、約三萬トン程度だろうと想像するのであります。かようなことでは、とうてい今日の危機に瀕している老廢した國鐵の現状維持すら困難でありますので、目下安本とも相談いたしまして、鐵量において十萬トンの輸入を受けるか、レールにおいて少くとも十萬トン近いものを輸入を受けるか、いずれか最後的交渉を今日いたしておるのであります。この輸入が參りますれば、たとえば五十キロのものをとりかえるなら、三十キロだけとりえる。そういうふうにして浮き上つてきたものを新線路にまわして一部開通していきたい。萬一そういうことが運輸省において見透しがつかない場合には、その線路の上にトレーラーバスをひつぱることも一つの手段である。それも燃料なり、ただいま申しました資材の制約からいけないという場合には、最後にお説のごとき手を考えてもいいのではないか。そういう場合には一定の見透しをつけて――地方鐵道に國鐵の敷地を貸すのは、これは一應われわれの方でも檢討してみなければならぬ立場もございますが、こういつた三段階のやり方においても、要するに鐵量の輸入の結果にまつほかない。しばらくこの點をお待ち願いますならば、大體において安本等の交渉も片づくものと存じますから、おそらくは今議會中にある程度の見透しもついて所見を申し上げ得る機會があるのではないか、實はこちらもそういう機會の早く參るようにいたしたいと思いまして、取急いでおるような次第であります、さよう御了承を願います。
#47
○山崎(岩)委員 ただいま政務次官からまことに御親切なるお話を伺いまして意を強うするものがあるのであります。下北郡のこの路線は、函館との交通上非常な便益をもたらすものでありまして、大間と函館の間は機帆船でわずかに二時間で行くのであります。ところが連絡船で行くと七時間もかかる。これが機帆船でなく、もつとよい船なら、もつと時間が短縮される。それで地方民の要望は最も大きいものがあるのであります。どうか地方民の要望をお認めくださいまして、何分の處置を講じてくださいますなら、まことに仕合せに存じます。
#48
○正木委員長 高橋英吉君。
#49
○高橋(英)委員 新たにできた制度のこの委員會のことについて、ちよつとお聽きいたしたいと思います。委員會は地方委員會と中央委員會の二つにわかれておりますが、その權限と言いますか、管轄と言いますかそういう區別はどこにあるのでありますか。條文を見てみると、地方委員會と中央委員會との權限の區別というものがないようですが、どういうところで區別をつけられますか、職務權限の範圍について伺います。
#50
○郷野政府委員 中央の委員會は、主務大臣であります運輸大臣の諮問に應じまして意見を述べることになりますので、運輸大臣の權限に屬する事項につきまして意見を述べることになるものと考えております。なお地方の委員會につきましては、鐵道局長の所管の仕事につきまして諮問に應ずることになりますので、鐵道局長の權限に屬する事項につきまして調査をし、意見を述べることに相なります。そうしていかなる事項が主務大臣の職權であり、いかなる事項が鐵道局長の職權に屬するかということにつきましては、お手もとに差上げてございます政令案におきまして、一應その點を明らかにいたしております。鐵道局長の權限に屬することにつきましても、運輸大臣の職權に屬することの委任もございまして、相當重要な事項もございますので、當然これらにつきましては、地方委員會の意見を徴されることに相なるのでございます。なおまた實際の運用におきましては、中央の委員會が運輸大臣の諮問に對しまして意見を述べます場合に、おそらく委員會の内部におきまして、地方の委員會の意見を徴しまして、これを綜合して大臣に意見を述べるということもあると存じます。從いまして地方の委員會も、中央の委員會が諮問を受けましたことにつきましても、委員會内部の連絡といたしまして、意見を中央委員會に述べることもできると存じます。特にこの委員會の構成といたしまして、地方の委員會の委員長か中央の委員會の委員になる、こういう考え方をいたしておりますので、その點は一般に地方と中央との連絡におきまして、はつきり實行できるものと考えるのでございます。
#51
○高橋(英)委員 そうしますと、この實議の目的の事案というものは、中央と地方では大分程度において違いができてくるのではないかと思います。中央委員というのは地方委員の委員長九名によつて構成するということになつているように思います。むろん地方で委員長に選ばれるような人でありますから、中央に參られましても、日本全國の問題についてまた運輸關係の高度の事案についても、十分判斷をせらたるところの良識をもつておられようとは思いますけれども、しかし地域が地方に局限されておりその局限されたうちから選ばれた委員長であつて、その委員長のみが中央委員會を組織するという建前になつていることは、中央と地方との審議の對象がそれほど違つている以上は、そこに何らか缺陥が生ずるのではないか。中央からも、地方から選出された委員以外のもつと中央的なと言いますか、そういうふうな委員が選出される必要があるのではないかと思いますが、その點いかがでしよう。なるほど中央と地方との連絡は、地方から出た委員長が中央委員會を構成することによつて十分連絡はとれますけれども、地方のそういう選出された人以外に、中央により高いというか、とにかく中央から全貌が判斷できるような人、そういう人を必要とするのではないか。その點についての御意見を伺いたいと思います。
#52
○郷野政府委員 地方の委員會の委員の方は、都道府縣知事からこの委員會の重要な任務に對しまして、最も適任である方を御推薦願うという建前にいたしております。從いまして地方の各都道府縣におきまして、そこの陸上運送の問題につきましては、適正な意見をもつて委員會に臨んでいただけるものと考えております。こういう方がまた中央に地方の委員長として出られます場合におきましては、中央において取上げられますような重要な全國的な問題にいたしましても、結局各地各地の行政をやはり對象といたしましたものがございますので、地方の實情によく通曉しておられまして、公正妥當な判斷を下していただけるような方でございましたならば、中央における案件につきましても、やはり同様に適正な御意見を述べていただくことができるのではないかと存じます。そういう方は中央委員會の意見の開陳につきましても、よく地方の實地の實情に適した御意見が立て得られるのでありまして、そういう考え方が全國の問題を取扱つていただく上においても適當ではないか。かように考えておる次第であります。
#53
○高橋(英)委員 この點についていろいろ考え方があると思いますから、私どもなおこの點よく考慮してみたいと思いますが、當局においてもなお一段と御考慮を願いたいと思います。
 それからこの委員の任期が五年というのは、長きに失するのではないかという説が盛んでありますが、この點に對する御意見、それから委員會の權限のうちに補償關係、この省營の自動車の關係でいろいろ補償する場合がある。路線の買上げその他補償という條項があるようでありまして、あの補償關係の事項が審議の對象になつていない。委員會の審議權限のうちにはいつていないというふうに見られるのでありますが、この點についてもどういうことになるか。もしこれは審議することになつていない。あの何とかいう施行令、前の法律、規則のみによつて審議され、この委員會にかからない、審議の對象にならないというのでありましたならば、補償問題は大きな問題でありますから、委員會設立の趣旨に反するのではないかと思うのでありますが、その點に對する御意見を伺いたいと思います。
#54
○郷野政府委員 道路運送委員會の委員の任期についての問題でございますが、これにつきましては最近設けられましたほかの委員會の委員の任期などを調べてみますと、やはり重要な委員會で五年の任期になつておる例があるようでございます。たとえて申せば公正取引委員會の委員のごときは任期は五年になつております。交通の問題につきましても、非常に專門的な事項でございまして、かつまたいろいろこういうお仕事につきましては御經驗も必要ではないかと考えまして、私どもは任期を五年にすることが、ほかの委員會の事例などに比較して研究いたしましても必要ではないか。かように考えておる次第でございます。
 なお補償につきまして、この委員會の意見を徴してきめるようにしたらいいじやないかというお話でございまするが、この委員會に諮問をすべき事項といたしましては、この法律の實施に要する政令、命令というものがかかることになつておりまするので、補償の問題につきましても、どういう建前でどういう補償のやり方をするかという基礎的な事項、補償の基準、やり方というような問題につきましては、もちろんこの委員會の意見を徴してきめなければならないことになつております。從いまして補償についての政令も出ますし、またその政令をもとといたしました命令も、委員會に諮問せられまして出ることになるものと考えております。しかしながら、これに基きまして實際に補償を計算して事務を取扱いまする仕事は、原則といたしまして特に重要なものというふうにも考えられませんので、一般の官廳の事務としまして取扱つていいのではないか。かように考えておる次第でございます。
#55
○高橋(英)委員 そうしますと、今の補償の問題は、何らかの形において委員會にかかることになるというふうな御説明のようにとれたのですが、最後にかけなくてもよいのではないかというふうにもとれたのであります。私は補償というのは非常に大きな問題であるから、やはり委員會にかけるべき制度にしていただきたいと思うのでありまして、もし委員會に何らかの形でかけられるということになり、それに御異議がないのでありましたならば、この法律に對しましても、法律の審議事項の一項に、やはり追加事項として補償の件を挿入して追加したらいいと思いまするが、それに對する御意見は、強いて御反對にならぬのでありますかどうでありますか、お聞かせを願いたいと思います。
#56
○郷野政府委員 私がただいまお答え申し上げましたのは、補償につきましては補償のやり方、この基準につきまして政令を設けなければならないということになりまするので、これは當然第八條の第一號によりまして、委員會に諮問せられることになるのでございます。そして委員會の諮問を經てきまりましたやり方によりまして、實際の補償の計算をして、この事務を取扱いますのは、委員會にかけなくてもいいのではないか。またその方が、もう單なる事務でございまするので、事務の取扱い方も迅速に、簡易にできる。かように考えておる次第でございます。
#57
○高橋(英)委員 そうすると、第八條の四の「自動車運送事業の停止及び免許の取消」というところです。補償の問題はここで審議ができますか。補償というのは、何か命令によつて動きのとれないような基準が與えられて、審議する必要がない。一マイルに對していくらとるというような――一等地とか、二等地というような階級でもきまつており、もしくは平等であつて、一マイルいくらということで、審議の餘地のない、すなわち伸縮性のない、幅のないというふうな規定でもできると必要ないということになるのですが、それでもこの四號あたりで自然その點に對する審議ができるというふうなことになるのですか。
#58
○郷野政府委員 今申し上げましたように、補償の規定につきましては、この第一號の「この法律に基く政令案の立案竝びにこの法律に基く命令の制定及び改正」これで補償に關する規定ができまするので、これを一號の規定によつて委員會にお諮りしなければならないものと考えておるのでございます。第四號の規定は、これはまた別の行政處分といたしましての事業の停止、免許の取消でございまして、補償の問題とは關連がないのでございます。なお補償のやり方でございますが、現在の自動車交通事業法におきましても、やはり補償につきましての勅令が出ております。これによりまして實際に計算をいたしておりまするが、補償のやり方は、やはりその路線の運輸事情、またそれに基きまして現在の業者の方がどういう收入をあげておるかというような點を基準にいたしまして、その實情に應じまして多い少いというような計算が出てくるのでございます。これは營業廢止の場合の補償と、また營業を繼續いたしまして利益が減少する場合の補償と、二通りございますが、この場合の補償のやり方につきましては、現在におきましても勅令で規定がございます。大體今後におきましても、補償のやり方自體につきましては、現在の規定を踏襲いたしたい。かように考えております。
#59
○高橋(英)委員 くどいようですが、それならこうなるのですね。補償に關する政令などは、一號でむろん委員會が審議することになる。諮問を受けることになるのですが、その政令が出たならば、その政令の施行については行政部が、この委員會に諮問せられずに、補償額なんかを決定する。こういうことになるととつていいわけですね。補償額はむろんのことですが、補償するかしないかということも、大體そういうような方針についても委員會はタツチしない。委員會には諮問がないというふうなことになるのですね。さよう了承してよろしいですか。
#60
○郷野政府委員 補償するかしないかということは、この法律に基きまする政令で、こういう場合は補償するということをはつきりきめておりますので、これに該當いたしまする場合、補償をしないということはできないのでございます。從いましてこれに該當する場合であるか否かということの判斷に基きまして、省營自動車が開通いたしましてそれがために營業を廢止する。あるいは收入が減るという場合におきましては、法律に基く政令の定むるところによりまして、原則として補償をしなければならないということになるのでございます。なおこの政令に基きまして實際の事務を施行する場合におきましては、この委員會にお諮りしないで、官廳の事務といたしまして處理をさしていただきたい、かように考えておる次第でございます。
#61
○高橋(英)委員 よろしゆうございます。
#62
○正木委員長 前田郁君。
#63
○前田(郁)委員 私は道路運送委員會に對してお尋ねいたしたいと思います。この道路運送委員會というものはなかなか重要なものでありまして、いろいろと諮問をされるように書いてございますが、どうもこの委員會と道路運送委員會と重複するような問題があるのじやないか。たとえばこの第一項に「この法律を改正する法律案及びこの法律に基く政令案の立案竝びにこの法律に基く命令の制定及び改正」と書いてありますけれども、こういうことはこの道路運送委員會にかけなくちやならないものでございましようか。すでに法律の審議というものは運輸交通委員會がやることになつております。それをさらまた道路運送委員會におかけになつたり、あるいは立案すると言いますと、これはちよつと運輸交通委員會が二つあるように私どもは考えられるのであります。この道路運送委員會というものは、むしろこの法律を適用される場合に、いわゆる行政面においていろいろ民間の情勢であるとか、いわゆる民主化するという意味から諮問をされることが多いので、こういう法律の立案をするとか、あるいは政令をどうするとかいうようなことは、本委員會が主としてやるべきものであつて、これまで道路運送委員會にかける必要があるかどうか。これはまことに重大な問題じやないか、私はかように考えるのであります。またこれから推してみますと、將來道路運送委員會と運輸交通委員會とが法律の立案趣旨においてまつたく相反する考えをもつこともあると思います。そういう場合にはどういう立場に立つて政府はこれをとつていくか。運輸交通委員會においては右の考えで、これを解決する、しかしながら立案者は道路運送委員會において左の方の考えでやつたという場合がありますならば、ここにただちに政府がお困りになる問題が出てくるのじやないか、こういうことを考えるのであります。私どもはむしろこの法律の立案であるとか、政令案とかいうものは、まつたく運輸交通委員會一本建でおやりになるということが本筋ではないか、かように考えておる次第でございます。この點についてさらに政府側の御意見をお伺いいたしたいと思います。
 次に先刻島上委員から詳細にわたつてお尋ねでございましたが、鐵道會議の問題であります。鐵道會議というものは鐵道敷設法の第何條かに鐵道會議にいろいろなことを付議しなくてはならないというようなことのために、鐵道會議があつたわけでございますが、その鐵道會議の本質的の問題は、ほとんど今日はこの運輸交通委員會に移つておるのじやないか、私はこう考えるのであります。それで前に田中政務次官は、もし運輸交通委員會において鐵道會議を廢すべしという決議をなされば廢してもいいということでありましたが、しかし私どもは鐵道省においていろいろな委員會があつて、相當重複を極めておるようにも聞き及んでおるのでありますから、この際むしろ政府としては、こういう重複するような無用の官制をお改めになることが能率増進の第一歩である。また人員淘汰という上から、いわゆる行政整理をやる上からも必要ではないかまた屋上屋を加えていくというようなやり方は、日本の行政をますます複雑ならしめるゆえんであると思いますので、今後新憲法の實施とともにそういう方面も思い切つてやつていただきたい。むしろこの際鐵道會議のごときは廢して――もしあの鐵道會議の中に行政面において必要なものがございますれば、また特別な委員會をおつくりになることも必要であると思いますが、運輸交通に關する法律案の制定その他重要問題に對しては、運輸交通委員がすでにでき上つておるわけでありますから、なるべくこれを中心としてやつて、すべてのまぎらわしいものはこの際整理をするようにやつていただきたいと私どもは考えておるのであります。この點についても政府の御意見を承りたいと思います。
#64
○田中(源)政府委員 お答えいたします。第一の御質疑でございますが、國會がいかなる法律をここに改廢なさろうとも、あるいは立法なさろうとも、最高機關でありますから、これは憲法の條章によつて明らかであります。もし政府部内において立法をいたす場合、あるいは政令等を改廢いたすようなことが起つてまいりました場合には、とりあえずこの委員會に諮問をするという意味でございまして、決して御説のような考え方をもつておらないのでありまして、別個のものであります。この點は御了承を願いたいのであります。
 それから運輸省内部における各種の委員會とか會議でございますが、御説のごとくに財政法によつて賃金とかあるいは立法的な事柄は國會に移つておるのでありますが、行政面についての必要なことだけ存置していけばいいと思います。これは御説の通りであると思います。從つてその面について私どもは政務官としてできるだけの努力を今拂いつつある實情でございますが、要するに鐵道會議なるものも現行法規がございまして、その法規によつてこれはおかれておるのでありますから、やはりこれには多くの非難もございましようが、午前中に答辯いたしましたように、日本の運輸行政の面におきましては相當貢獻をしてきておると思います。しかし鐵道會議存置の可否という問題については、その法を存置するかしないかという問題でありまして、これらは國會においてきめていただく方が、運輸省自體で決定するよりも立憲的があろうと思うのであります。なおまた私どもにおきましても、行政面においては先ほどの御説のように、行政に必要なる緊急諮問機關であるとか、委員會、あるいはその他の會議はこれを存置しても民間のエキスパートに絶えず研究してもらい、またすべてのものを交流して、行政の上の資していきたいと考えておるようなわけでありまして、立法の面におきましては御趣旨のように、漸次そういうふうに改廢をしていきたいと思います。ただこの鐵道會議なるものも存置せしめるか否かという立法の改廢は、一にかかつて國會において御決定を願う方が妥當かと考えております。
#65
○前田(郁)委員 私がお尋ねいたしました第一の問題でありますが、なるほど今次官からおつしやつた通り、民間の意見を聽いたりすることは、必要なことでございまするけれども、すでに政府において法律案であるとか、あるいは政府案の原稿というようなものは十分見られるわけでありまして、それをやはり道路運送委員會にかけ、さらに本委員會にかけるということになりますると、どうもこういう法律問題に對して二つの委員會があるように思われるのであります。それほどまで、この法律の改廢というようなことに對して二つの委員會を利用しなければならぬほど必要なものかどうか。私どもはむしろこれはこの委員會に任して、この道路運送委員會にかける必要のないものである。こういうふうに考えるのでありますが、その點に對してはどういう考えをおもちですか。
#66
○田中(源)政府委員 大體御承知の通り、國會における立法は行政府が提出すべき筋合のものではございません。それは今の内閣においても、一部提出し得るという解釋はもつておりますけれども、新憲法におきましては、立法そのものは國會がするものであつて、行政府が立法するところの權限は全然ないわけであります。これは三權分立の憲法の建前からいけば明らかにそうである。從つて當委員會において必要なるところの立法をなされ、國會を通過いたしたものをその立法に從つて行政をいたすということが建前である。かりにここで今この法案に書いておりますことが、私の申すこととあるいは矛盾しておるのじやないかというお叱りをこうむるかもしれませんが、行政面において立法をいたす、あるいは今の政府の一部の解釋からいたしまして、あるいは政令等をつくるという場合におきましては、一應道路委員會に諮問をいたしまして、これに諮つてそれによつてできたものを立法府の承認を經る。こういう順序になつていくということになる。その經るまでに、こちらがつくつた場合においては、まずこの委員會にかけて、最後は國會の承認を經なければならぬということになるのであります。いずれの立法にしても、國會が立法することでなければ、今後は成り立たない、いわゆる憲法に副わないということになりますから、行政府が立法とか、あるいは政令等を改廢する場合において、國會が開かれざる場合において、一應この委員會に諮り、そのできたものをまたあらためて國會の承認を經なければならぬという結果になると思います。この點をひとつお含みを願いたいと思います。だから國會が立法なさる場合においては、行政府のこの法律の改廢、また政令というものは、憲法の條章から言うたら出すべからざるものだと私は思う。ただ便宜上政令を施行しておるのでありますが、憲法上の解釋から言えば政令ということはこれは違法である。いわゆる委任立法になりますから、違法になる。こういうことは言て得るのでありますが、まずそういつた見方で、一應現在においても内閣が法律を提出するというような建前でありますならば、お説のような意見も出てくることは免れないと私は私は思つております。
#67
○前田(郁)委員 田中政務次官のお話を承りますと、ちようど私の言うことをおつしやつておるようで參成のようであります。國會がすべてをやる。政府がやらないという私どもの今の考えでお話をされておるのであります。まつたく私の意見に參成していただいたように思うのですが、これはむしろこの條項を削つておいた方がいいのではないか。こう考えておるわけであります。いかがでありましようか。
#68
○郷野政府委員 私より事務的な立場から、この法律案の條項につきまして提案の趣旨を説明さしていただきたいと存じます。この道路運送委員會の性格といたしましては、行政機關の諮問委員會でございまして、もちろん國會の立法の權限を浸すものでも何でもないのでございます。今後におきましては、政務次官がおつしやいましたように、法律案の立案も國會で多く取運ばれるということになるのではないかと思いまするが、政府において法律案の立案をする場合もあるのでございまして、その立案をいたしますときに、道路運送についての權威のある委員會の意見を徴しましてできるだけ完全なりつぱな案をつくりたい、そうして政府として國會に法律案を提案いたしまする場合に、その立案に當つてこの委員會の意向を反映して、いい案をこしらえたい。こういう趣旨に基くものでございまして、これが國會に提案せられました場合に、國會のお立場からまた御自由に御審議を願いますることは、憲法の建前から見まして當然のことと考えておるのでございます。
#69
○前田(郁)委員 ただいま郷野局長のお話によりまして、ここへ書かれました趣意はよくわかりました。立案のときの參考に道路委員會の意見も聽いてみたいというお話でございますが、ただ私がここで申しますのはそういうことはこの委員會の最も重大なる責任ではないか、また仕事ではないか、これまでもダツチして、この道路運送委員會がやる必要があるかという根本問題を申し上げておるわけであります。この問題だけは少くとも私どもは政府の方でも再考願いまして、もう少し筋の通つたものにしていただきたい、こう考えておるわけであります。
#70
○田中(源)政府委員 これは憲法の解釋にもよると思いますが、三權分立の建前からいつて、立法府がすべての法律をつくられる場合においては、こういうものは出てこないはずである。また今ポツダム宣言によるところの政令によつて委任立法に變つておりますが、大體政令が今議會においても問題になつております。政令というものは大體委任立法である。ほんとうに國會が三權分立の建前をとつて立法府として當る場合におきましては、前田君の御異論は正當であると私は思う。しからば國會がその通りに機能を廢揮しておらなければいかぬ。ところが現在においては二通りの型ができておる。内閣は立法することも可能なりということを過般來本會議において總理は説明されておる。私は、われわれは行政府だから、たとえわれわれが立案をいたされて、委員會が決定されたるものとして國會の承認を得る、その手段をとるべきが正當なり、こう考える。私どもは今日までの事務的な扱いをいたしてきておるわけであります。從つてかりにこういつたような政令を改革する必要があるとか、あるいは今後においてこういう立法をすることが必要であるとかいう場合に、國會の開會のない場合には、この委員會に一應諮問をして委員會の意見を聽取する。しかしその徴された法律案が、ただちに法律として公布され、その效力をもつのではありません。必ず當國會の承認を經なければ、その法律は效力をもたぬわけであります。そこに行政的な面と立法的な面との限界があると思います。從つてこの成文化がありましても、決して國會を掣肘することもないと思う。その點において私は差支えないものと解釋しているようなわけでありまして、むしろ進んで前田君の御意思のごとく、すべての點において國會でおやりになることを希望しております。それがいかない場合に、これを行政面において立案するというときには委員會に諮問をする。しかし諮問したものの、それが當委員會にかけられなければ、立法的の效果なない。そこに國會と委員會との相違があるということを法律的に御解釋願つて御了解願いたいと思います。
#71
○高橋(英)委員 ちよつと前田君の御質問と御答變との間にはつきりしていない點があつて、前田君が了解しにくいのではないかと思いますが、われわれがかようにとつて考えてよいのではないかということをお尋ねしたいと思います。
 すなわち次官が言われたように立法權の問題ですが。これはよほどの問題です。憲法に問題のときに手前みそのようですが、私だけは政府に法律案の提出權がないのではないかということを質問しております。また私は兩院法規委員にもなつておりますが、先日來議會に法制局のごとき強力なる法律關係の立案機關を設けてはどうかということになり、おいおいそういうことになるのではないかと思います。從つて法律案と提出權がいずれにあるかということはまだ未解決の問題でありますが、現在においては政府にもあり、議員にもあるというふうに現實にはなつておるのであります。この委員會に對する諮問は、結局現實に即して政府に法律の提出權、廢案權があるということを前提として、從來のように、政府の行政内部だけで立案して議會に出し、委員會にその審議を請うというやり方にやるか、政府の行政部以外に、道路委員會のごとき、民間より選出したところの民主的な機關を設けてあらかじめ議會に廢案する場合に、その民間の意見を取入れて、どういうふうな立案にしたらよいか、どういう法律案の原案をつくつたらよいか、そういう諮問をする點にこの立法の趣旨があるのではないか。すなわち從來行政部内だけでやつておつたものを、道路委員會に相談をかけて原案をこしらえるというところにあるのではないかと思うのであります。そうすれば結局行政部だけでやつておつたものを道路委員會にも協議することになりますから、一面においてほ民主的だということにもなりますけれども、われわれ運輸委員がせつかくありますし、また將來は國會において立案するという傾向になり、しかもその機關が備わるということになりますならば、おいおいこの法律は空文化するのではないかというふうにもとられるのであります。そういう意味において、この空文化せられるものを、將來また削除するという手數を省いて、現在において省略しておいた方がよいのではないかという御意見も成り立つのでありまして、原案をつくるのに、國會に出すまでに、道路委員會に相談するということが適當であるかどうか。これをわれわれは考えてこの案に贊否を表明したらよいのではないかと思うのでありますが、さよう考えてよろしいのですか。
#72
○田中(源)政府委員 高橋さんの御解釋の通り、お考えいただきまして結構です。
#73
○前田(郁)委員 この問題はなかなか重大な問題でございますが、いずれ逐條審議のときに、あらためてまた御説明をお伺いしたいと思います。これで打切ります。
#74
○正木委員長 皆さんにお諮りいたします。他に質疑の通告者もあるのでありますが、時間も相當經過いたしましたので本日はこの程度で打切りたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○正木委員長 では本日はこれで散會いたします。次會の日程は公報をもつてお知らせいたします。
   午後四時七分散會
ソース: 国立国会図書館
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