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1947/10/01 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第22号
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1947/10/01 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第22号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第22号
昭和二十二年十月一日(水曜日)
    午前十一時二十一分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 高瀬  傳君
      井谷 正吉君    佐々木更三君
      島上善五郎君    館  俊三君
      重井 鹿治君    橘  直治君
      原   彪君    堀川 恭平君
     小笠原八十美君   岡村利右衞門君
      高橋 英吉君    田村 虎一君
      木下  榮君    前田 正男君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 苫米地義三君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   郷野 基秀君
 委員外の出席者
        運輸事務官   志鎌 一之君
        專門調査員   岩村  勝君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 道路運送法案(内閣提出)(第四七號)
    ―――――――――――――
#2
○正木委員長 會議を開きます。
 前會に引續き道路運輸法案を議題として質疑を續行いたします。原彪君。
#3
○原(彪)委員 このたび提出されました道路運送法案につきまして、私はこの法案の根幹がどこに置いているかということについて、この案文を讀みまして疑問をもたざるを得ないのであります。當局においてこの道路運送法の根幹を民主的に運營されるという御意思がはたしてあるのかどうか、と申しますることは、この第八條に中央道路運送委員會及び地方道路運送委員會と、この二つにわけまして、その意見を徴してこれをやるということが書いてございますが、意見を徴するということは、どういう意味であるか特に第八條の中には「左の事項で重要なものは」というようなことが書いてあるのでございますが、この重要なものという意味がはつきりしないのであります。重要がある重要でないというのもその人の見解によるのであります。たれが重要であると判定されるのか、その點が非常に疑問に思うのであります。
 それから、はたして民主的に運營されるという御意思があるならば、この法案の根幹とも申すべきものは、この委員會にかかつているのではないかと思います。そうしますと、この委員會の構成については、この提出案には何にも書いてありません。先日のお話を承りますれば、政令によつてこれをおきめになるというようなお話でありますが、かような重要なこの法案の根幹ともなるべきものは、政令によらず、その機構というものも條文によつて明確にしておく必要があるのじやないかと思うのであります。中央の道路運送委員會の委員は何名にするとか、學識經驗者とか、あるいは利用者とか使用者とかいうようなものを入れるというような條項を、はつきり條文において明示するのがほんとうじやないかと思うのであります。また地方道路運送委員會におきましての地方ということも、あまり條文としては漠然といたしておりまして、府縣單位か、あるいはたとえば東北地方單位か、はつきりしないきらいがありますために、さような點もはつきり入れた方がいいと私は考えます。
 それから第八條にありますこの法律を改正する法律案等を、この委員會にかけるというようなことは、昨日の前田郁君の御發言と大體同じような考えを私はもつております。法律を改正するような問題は當然國會でなすべきものであつて、かような委員會、つまりその委員會も民間の代表を集めた委員會であります。われわれ國會も民間の代表である。その代表の差こそ大小はあつても、そこに何か齟齬するところが起きるきらいが生じやしないかと私は考えるものであります。この法律を改正する法律案については、この委員會にかけずに、われわれのこの委員會においてこれを審議するのが當然じやないか、かよう考えるのであります。昨日も政務次官から御答辯がありましたが、國權の最高機關として法律を審議するのは當然でありまして、この委員會に、しかも官廳が主になつてこの法律案を委員會で審議するという行き方は、あまりいい行き方ではないように私は考えるものであります。
 それから第八條の第二項に免許に關する基準の設定というようなことがございますが、この基準の設定は當局の御見解はどういうところにあるか、地方別にこの基準をその委員會にかけて差別のある基準をおつくりになるお考えで、かような條文をお載せになつたのか、あるいは全國的にこの基準というものをお立てになつていく御見解があるのか、その點を承りたいと存じます。
 それから第七條にあります車輛檢査官の問題でありまするが、現在車輛の檢査というものは、地方におきましては警察署が一切これを行つておりまして、交通取締り、交通の安全、その他自動車の運轉者、それから使用者、さようなものの取締りも、交通の安全性から警察の方で行う必要があるために、一切合財警察でやつておる。あるいはまた人に危害を加えるといかぬというような見地から、道路上において自動車の檢査、監視をなすというようなことを、警察が實際に行つておるのでありますが、特にここに車輛檢査官をつくるということになりますと、これは運輸省直屬の車輛檢査官ができて、この條文によりますと職權の行使を補助させると書いてございます。地方の警察官の車輛檢査に對して補助的行いをさせるというふうにも解釋されるのでございますが、そういたしますと、これは二元的になるような、屋上屋のようなきらいがある。また見方によりますと、出先官憲というような、官廳の出店をつくるというように響くきらいが、地方においては非常に多いと私は思う。この點についてこういう第七條のような立場から、車輛檢査官を置くという意味を御説明を願いたいと存じます。
 それから基準の問題になりますが、第八條に「自動車運送事業の免許に關する基準の設定及び變更」ということについて、委員會の意見を徴してきめるということがありまして、また一方第十二條には、免許に關しては妥當な基準を主務大臣が定めるというようなことがございますが、これは妥當な基準という意味がはなはだ曖昧なような氣がいたすのであります。八條の基準とどういう關連をもつておるか、これを承りたいと存ずるのであります。
 もう一つ承りたいのは、この條文を通讀いたしますと、自動車の兼營事業についてはつきりした條文がないように思うのであります。たとえば港灣荷役をする及び港灣のはしけを扱つておる荷役業者、現在は荷役業者はトラツクの輸送というものを扱つてはおりません。しかしこれは長年の間荷役業者が不便を感じておつた問題でございます。これは輸出貿易、輸入貿易にも關連する問題でありまして、はしけ荷役業者がトラツク營業をさしてくれという陳情が來ております。それはまたその請願のときにお話申し上げたいと存じまするが、さような荷役業者がトラツクを扱つていいかどうかというような、兼營の事業については、條文にうたつてないのであります。この點についても承りたいと存じます。荷役業者が本船から荷物を沖取りしまして、岸壁につけ、今までの状態ですとトラツク業者に連絡をとつて、トラツクを岸壁まで派遣を請う。河岸へすぐ荷物をあげずに、上屋に入れ、あるいは倉庫に入れますと、庫出し運賃もかさむし、あるいは保管料もかさむ。ここに荷役業者がトラツクの兼營ができるというならば、河岸からただちに荷物をあげて、輸送ができる。非常に便利だと思うのでありますが、今までのところはそれが實際に許されてないように思うのであります。つまりかような兼營事業に對する條文がはいつてないと思うのでありますが、その點をお伺いいたしたいと存じます。大體氣つきました點はさような點であります。いずれ逐條審議の場合にまた申し上げたいと存じまするが、ただいまの點について御意見を承りたい。
#4
○郷野政府委員 お答え申し上げます。道路運送委員會が、この法案の企圖いたしておりまする行政の民主化という點におきまして、非常に重要な任務をもつておりますることは、お話の通りでございます。從つて道路運送委員會に關しましては、この法律運用にあたつて重要な事項については意見を徴しまして、十分に民意を反映さして、行政運用していくという考え方に相なつております。第八條の規定に申しておりまする通り、「道路選擧委員會の意見を徴して」という意味は、道路運送委員會の意見を徴しまして、これを尊重して、特に道路運送委員會の意見が本法その他の法律の規定に違反する場合でありまするとか、重大な缺陥がございません限り、當然この意見をもととして行政處置がさられるものと考えております、かようにしてまいるべきものと考えておる次第でございます。
 それからここに掲げてあります事項で、重要なものについて道路運送委員會の意見を徴するということになつておりますが、重要なものとはどういうものであるかという點につきましては、結局各事例につきまして具體的にきめられるべきものと存ずるのであります。抽象的にこれを申しますれば、實質的に大した意味をもたないもの、經濟的に、政治的に影響の少いものを除きまして、原則といたしまして重要なものとして考えまして、できるだけ廣くこの委員會に諮問せらるべきものと考えております。たとえて申しますれば、新しく驛ができました。その驛が三百メートルあるいは五百メートル位置が變つたという場合におきまして、その間における延長の免許をいたしまするような場合におきましては、これは特に重要なものではございませんので、委員會にかけない場合もあるかと存じまするが、原則といたしまして重要なものというのをできるだけ廣く解釋いたしまして、委員會に諮つていかるべきものと考える次第でございます。
 それから重要な委員會の組織その他につきまして、政令に委任するのかどうかというお話でございまするが、起案いたしましたときの考え方といたしましては、法律に特に委任の根據を規定いたしまして、この法律のわく内におきまして、政令でこれを考えたならばいいのではないかというふうに考えてまいつたのでございます。先日前田委員からの御發言もございましたし、重要な委員會の構成に關するような規定につきましては、早速さらに研究をいたしたいと考えます。
 それから第八條の第一號にございまする「この法律を改正する法律案」の立案、これを道路運送委員會にかけることについての御意見でございまするが、これにつきましては、私どもといたしましてはこのように考えております。道路運送に關する法律案を國會に提出いたしまするまでの順序を考えてみますると、これが國會におきまして起案せられ、提出せられる場合を除きまして、行政部門におきまして立案を擔當いたしまする場合におきましては、原案をいろいろな角度から檢討を加えまして、各方面の御意見を聽きまして、できるだけ完璧を期して立案に當りたいと考えるのでございます。從いまして道路運送委員會が設置せられることになつておりまするから、道路運送委員會の性質から考えまして、當然この委員會の意見も聽きまして完璧を期したい。かように考えて、この法律を改正する法律案の立案についての意見を、この委員會に徴すべきものといたしたのでございます。なお換言いたしますれば、行政部門におきまして、國會に提出すべき法律案を立案いたしまするにあたりまして、行政部門の責任を完全に果しまする方法として、道路運送委員會の意見を聽きたいというのでございます。この法律を改正する法律案が、かようにいたしまして政府提出ということに相なりますれば、正規の手續を經まして國會に提出せられるのでございますが、國會におきまして本運輸交通委員會が、これを憲法の定むるところによりまして縦横に御審議せられるのでございまして、これは國會と、行政府の諮問機關でございます道路運送委員會の性質から申しまして、當然のことであると存じます、道路運送委員會の任務といたしましては、主務大臣と行政部門の諮問に應ずることでございまして、運輸交通委員會が國會で法律案を審議せられ、また法律そのものを作案せられるということとは、全然別個のものでございまして、性質上重複するようなことはないものと考えるのでございます。
 免許の基準の設定でございますが、免許の基準につきましては、これは今後道路運送委員會にも諮問せられまして、道路運送委員會の御意見を反映させまして、決定すべきものと考えるのでございます。免許の基準は、結局各地におきまする輸送の實情に合つたものでなければならないと考えます。從いまして運輸數量その他いろいろな輸送の實情を基準といたしまして、各地區の交通事情に應じまして、數段階の基準が當然像想せられるものと私どもは考えております。
 それから第十二條との關係でございますが、第十二におきまして「主務大臣は、自動車運送事業の免許に關し妥當な基準を定め、これを公示なければならない。」となつております。この主務大臣が妥當な基準を定めるにあたりまして、第八條の規定によりまして、道路運送委員會の意見を徴して、これをもととしてきめることになるのでございます。
 次に車輛檢査官の問題でございますが、今囘の道路運送法案におきましては、車輛の整備、檢査というような事柄が、自動車運送殊に事業經營というような面から考えてまいりますと、非常に重要な問題になるのでございまして、これが輸送力の基礎になるというような關係もございますので、道路運送法案にこの章を設けまして、車輛の檢査整備を道路運送法に取入れて、十分にこの面におきまして、今後行政運用にあたりまして努力してまいりたいと考えているのでございます。そうして車輛の檢査につきましては、從來御承知の通り自動車取締令というものがございまして、この中にこういう規定も含まれておつたのでございますが、ただいま申し上げましたような考え方からいたしまして、このたび道路交通取締法案が一面において準備され、また道路運送法案が立案されるにあたりまして、車輛檢査の規定は道路交通取締法案の方にはこれを入れませんで、從來自轉車取締令にありましたこの規定は、道路運送法案の方に取入れることにいたしまして、從來のごとくただ危險防止という警察の立場からのみでなく、これを事業經營の一つの要素として考えまして、道路運送法案に取入れさしていただくことにいたしたいと考えているのでございます。そうして、この車輛檢査官を設けました趣旨は、第八章に規定いたしました車輛の檢査、整備及び登録に關する監督指導の一切でございます。これは車輛の種類に從つて、自動車につきましては鐡道局長、補助機關といたしまして自動車事務所長がこれを擔當することになつておりますが、この自動車に關する鐡道局長の監督の職權と、旅客輕車輛につきましての東京都知事及び市町村長の職權、これを分掌させる建前にいたしております。そして車輛檢査官の職務といたしましては、この職權に關しましてこれらの行政廳を補助させるという考え方でございまして、警察官の任務を補助させるという考え方ではございません。車輛檢査官は臨檢檢査もするという建前になつておりまするし、その職權に關しまして一部警察官と似た面ももつているのでございますが、車輛檢査官はどこまでも行政秩序の保持についてこれを擔當するものでございまして、司法警察關係の秩序の保持ということはその任務ではございません。從いまして、車輛檢査官は整備不良の車輛について整備を命じ、また不都合な車輛の使用者に對しまして、使用の制限禁止等の處分をいたしますことがその本務でございまして、違反者を拘引いたしますとか、車輛を領置いたしますとかいうような權限は、警察官を通じてこれを行うべきものでありまして、みずからやるべきものではないと考えております。
 次に港灣荷役業者につきまして、今後の事業の免許をどういうふうに考えていくかという問題でございます。現状におきまして港灣荷役業者が港灣の荷さばきをいたします場合におきましては、一部自家用の自動車ももつておるようでございまするが、原則といたしまして、自動車運送事業者に車を請求いたしまして、これを使うということになるのでございます。この點につきまして最近港灣の實務等を調べてみますると、現にトラツクの事業者との關連におきまして、相互に連絡をもつて仕事をやつていくという面におきまして缺けておるような點もあるようでございます。從いましてさしあたりの處置といたしましては、トラツク運送事業者と港灣荷役業者との間におきまして、仕事の上におきまして連絡協調を十分保つようにいたしまして、この問題の解決をはかるようにいたしております。現に港灣荷役業者の方がトラツク會社の大きな株主になつておるのでございます。從いましてこの間の連絡につきましては、さしあたりはこういう面におきまして努力をしてまいりたいと考えております。なお今後の考え方につきましては、一般に新しい免許基準が設けられることになりますれば、この基準によりまして、全體の今後のトラツク運送事業をいかに處置すべきかという一般的の方針と照らし合わせまして、港灣荷役業者につきましても、その兼營のトラツク事業につきまして處置を進めるようにしたならばよいのではないかと考えております。從いまして港灣荷役業者の今後のトラツク事業ということにつきましては、その事業經營との關連における適應性、全體の事業免許の方針、こういうものと照らし合わせまして、處置を進めてまいることにいたすべく考えております。
#5
○原(彪)委員 ただいまの御答辯で、第八條の「左の事項で重要なものは」という御見解は大體承りました。ただいま例にあげられたことを基準として、重要でないものを考えていけばよろしうございましようが、ただ、ただいまの御答辯の中で經濟的、政治的に重要性をもたないものというお話でございますけれども、これは重要性をもたぬものはほとんどないと私は考へるのでありまして、これもやはりそのときどきの、その場にあたつたときの、事件の生じたときの擔當する方の見解の相違によつて、きまることじやないかと思うのであります。もう少しはつきりお聽きしたいと思う。それからただいまの御答辯の中には、中央の道路委員會、それから地方道路委員會の機構というものがここに載つていない、少くともこの道路事業法の根幹をなすところのものであるから、必要じやないかということを私は申し上げたのでありますが、そのことについて御答辯がないようであります。これを承りたいと思います。
 それからはしけの荷役業者のトラツク兼營の問題であります。これは新しい免許基準によるというお話で、中央道路運送委員會、あるいは地方道路運送委員會によつてこの基準がきめられるようにこの法案から見ると存ずるのでありますが、これから貿易再開に伴いまして非常に港灣荷役の重要性が倍加せられてまいりますので、この兼營によつて船の出帆を早くすることになるので、あるいは悪い意味においては荷役業者がトラツクをもつていない場合には―ただいま局長のお言葉ですと、業者と連絡をとつてやればいいじやないかというお話もありましたけれども、現在の實情ではなかなかトラツクを呼んでも河岸まですぐ來てくれぬ。從つて河岸にはしけが長い間待船して、出帆に時間がかかるといういろいろな悪條件があるのでありまして、これはできるだけ兼營をさせるようにいたした方がいいんじやないか、特に一般トラツク業者との摩擦のない限りにおいては、さようにした方がいいと私は思うのであります。ただいま申し上げました點について御答辯願いたいと思います。
    〔委員長退席、高瀬委員長代理著席〕
#6
○郷野政府委員 道路運送委員會に對して行政官廳が諮問いたしまする重要な事項ということの考え方でございますが、それは先ほども申し上げましたように、できるだけ今後の運用に當つては、廣く重要なるものと解釋いたしまして、實際にはこの委員會にできるだけ廣範圍にお諮りをいたして、その意見を徴して、これを行政運用のもとといたしまして、行政民主化の趣旨に副つてまいりたいと考えております。なお具體的に重要事項がどういうようなものであるかについて、私が先ほど例を申し上げましたが、そういう明らかに輕微なものについて、迅速を要するような場合に、委員會にかけない場合があるということが豫想されるわけでございまして、實際の運用に當つては、なお道路運送委員會の御意向も參酌いたして、その適正な運用を期してまいりたいと存じておる次第でございます。
 なおこの道路運送委員會の組織、その他重要な事項について、法律に規定を設けるべきではないかという御意見に對しては、私先ほど申し上げましたのは、一應この法律起案に當つては、これは法律で政令に委任をしていただいて、この法律のわく内において政令の規定で定めて、運用をはかるようにしていただいたらいいじやないかと言つたのでございますが、先日前田委員の御發言もあり、ただいまの御意向にもよりまして、さらに私どもといたしまして、早速御趣旨に副うように研究を進めてみることにいたします。
 なお港灣荷役業者の兼營いたしまする自動車運送事業の免許の問題について御意見がございましたが、現在の運送業者と十分緊密な連絡をとるようにいたしまして、さしあたり現在の港灣荷役業者が困つておりまするこの種の問題を解決するようにしてもらいたいと私は申したのでありまして、これは今の資材、自動車などの情勢からいたしまして、新しく免許をすることも、實際問題として非常に困難でございます。なおかつ今後の免許基準もことからはつきりしたものが本法の實施に伴つてできることになりますので、今新しい免許をすぐすることもできないと考えます。從つて應急の措置といたしましては、實際に現在の運送事業者との關係を緊密にいたしまして、これを解決していくよりほかに方法がないのではないかと存じます。なおまた、この方法で現在この問題の解決をはかつておりますが、相當の效果は期待できるものと存じております。なお今後一般に免許基準も確立いたしまして、新しい免許もこれによつて與えられることになりますれば、この基準によつて港灣荷役業者の兼營の問題も當然解決できるようになると存ずるのでございます。
#7
○原(彪)委員 大體御答辯は了承いたしますが、もう一つお聽き申し上げたいのは、車輛檢査官のことです。先ほどの御答辯によりますと、行政秩序の維持というようなお考えから、交通警察の面と兩立してやつていかれるというお話でありまするが、そういたしますと、地方に運輸省の自動車事務所が各府縣にあります。この前本會議においても地方の出先官廳を發せという聲が非常に強かつたのでありますが、この自動車事務所のことについては、はたして當局はどういうお考えをおもちになるか承りたいと思います。
#8
○郷野政府委員 自動車事務所は、御承知の通り今年の三月に臨時物資需給調整法に基きまして、資材の割當配給をいたしまするために設置いたしたのでございまするが、今年五月に政府部内におきまして協議をいたしまして、從來各東道府縣におきまして事務として取扱つておりました輸送行政の仕事も、併せてこの自動車事務所に擔當させるということにいたしまして、今後各府縣から自動車事務所に漸次引繼ぎを受けて、輸送の事務、資材割當の事務を一元的に自動車事務所で取扱いまして、この關係の業者の方々にも非常にこの點におきましては便宜をお與えしている状態であると考えております。
 なお今後自動車事務所をいかに運用してまいるべきかという點でございますが、御承知の通り輸送の關係の仕事は、各府縣の行政區域に必ずしも拘泥いたしませんで、さらに廣地域にわたりまして、交通經濟の實情に應じましてこれを運用してまいらなければならならのでございます。こういう點から考えましても、また大運送との結びつきという點から考えましても、なおまた、從來警察行政という立場から取扱つておりましたのをほんとうの經濟行政の面からこれを改めて見直しまして運用をはかつていくという上におきましても、自動車事務所が輸送の仕事を擔當いたしてまいりますことは、非常に實際的な效果は大きいのではないかと私どもは信じております。しかしながら輸送の行政事務が一面各府縣の總合行政の一つといたしまして、これと緊密な連繁を保つてやつていかなければならないということも、私どもといたしましては十分考えなければならない點だと存じております。從いまして自動車事務所におきまして行政事務を擔當いたしてまいります上におきまして、先ほど申し上げましたように、近接府縣の境界を越えました廣い經濟交通圈、また大運送の結びつきというような點につきましても十分考慮いたしますと同時に、府縣の行政との結びつきという點につきましても、特に府縣と緊密な連絡をとりまして、この間齟齬のないように自動車事務所におきまして注意をするようにいたしております。なおまた現在の地方自治法の百五十六條第三項によりますと、各都道府縣知事は、所管内の行政事務に關連しまして、必要のあります場合は自動車事務所等につきましても、これを指揮監督できるという規定もございます。從いましてこういう規定もございますので、必要のあります場合は指揮監督も受けさせるつもりでおります。かようにいたしまして自動車事務所の今後の運營につきましては、輸送の專門家といたしまして、また輸送擔當の專門官廳といたしましての特色を十分生かしてまいりますと同時に、府縣の行政との結びつきにつきましても、ただいま申し上げましたような見地から十分に連絡をとつてまいりますれば、この自動車事務所の存在の意義は、今後におきましても、十分發揮できるのではないかと考えておる次第でございます。なおまたアメリカ、イギリスなどの例を見ましても、交通行政につきましては、必ずしも縣のような行政區域にかかわりませず、廣い區域の行政事務を處理していくことも考えられているようでございます。こういう點も私どもといたしましては一應參考にいたしておる次第でございます。
#9
○原(彪)委員 なるほど府縣知事は自動車事務所に對して指揮監督の權限があるかもしれません。しかし實情は指揮監督ができないような立場にあつて、縣民の多數の公選によつて選ばれた知事が、縣内の運輸行政の面において一切指揮監督ができないような情勢にございます。その一つは人事權というものが本省にあつて、知事の手に握られているのではないという點にあると思います。本省の方から來る命令と、知事から來る命令と、兩者が齟齬する場合もあると思うのであります。人事權が本省に委ねられておるために、知事と衝突しても、自分はほかへ轉任になるのだというような考え方を起さない限りでもないような始末でありまして、實際公選によつた長官が困つておる實情は確かにございます。
 それからその地方の自動車事務所長に車輛檢査の權限が委ねられますと、また縣内における警察の車輛の取締りと摩擦するおそれが十分にあると思うのであります。かような點お含みくださいまして、今後の自動車事務所の組織について、十分御考慮賜わらんことをお願いしまして私の質問を終りたいと存じます。
#10
○田中(源)政府委員 先ほどから原委員の質疑に對して政府委員からお答えしたのでありますが、ただいまの御希望の點でありますけれども、資材竝びに輸送の面を考えてみまする場合には、まず第一に資材の面は今日非常に制約されておるのでありまして、日本の今後における自動車運送の上に、一定資材の確保をしていかなければならぬ。これについては今後の自動車は對するあり方はどういうふうにあるべきかをきめまして、それに對して資材の適正化をはかり、確保をやつていかなければならぬ。しかも確保いたしまするとともに、資材が公正適正に輸送とマツチしているかどうかということを見ていかなければならぬのであります。現在の日本の經濟と日本の實情、國家秩序の上から考えてまいりまして、行政面の上におきましてはやむなきことだと存じます。これに伴いまして、地方における出先官憲の問題につきましては、多々御議論もございますし、陳情等も參つておりますが、廢すべきものは廢し、統合すべきものは統合し、またこれの機能の今後におきましての能率向上の上において、各般の手段を講じていくことが肝要でありまして、ただいまも政府委員から申し上げました通りに、廢すると申しましても、これを廢しますならば、いきおい地方におけるところのこれに對する機關を設置しなければならぬことになるのであります。これはこの面において地方とマツチしてまいりまして、その運用效率をあげてまいりますならば、決して地方における摩擦は起らないと思うのであります。今申されました自動車事務所のごときものにおきましては、いわゆる經濟行政の面、資材行政の面、現在の國情から總合的な觀點をもちまして、これを有效適切に使い、地方長官との間に最も緊密なる連絡をとらせますると同時に、もしその地方の自動車事務所におきましての人々が、誤つたる行政を行うという場合におきましては、地方長官は遠慮なく本省に稟申いたされますならば、これによつて地方の民意を尊重いたしまして、適正に私どもはこれを處置いたすことができます。この點は遠慮なく地方の知事がその所見を稟申されることを希望いたすのであります。
 また地方警察の面におきましても、お説のごとくに決してその境界を侵すことなく、お互いがその與えられた行政の節度において協力をいたしまして、萬全を期していきたいと存じます。その點は出先の自動車事務所、竝びに運輸行政に關する者に對しては十分戒告いたしている次第であります。もし誤つてかような現象がありますならば、遠慮なく御指摘願いまして、これを是正し、期待に副うていきたいと考えておりますので、この點も併せて御了承を願いたいと存ずるのであります。
#11
○高瀬委員長代理 それでは午前の會議はこの程度にいたしまして、午後は一時半より再開いたしたいと思いますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○高瀬委員長代理 それでは午後一時半より再開することにいたしまして、それまで暫時休憩いたします。
    午後零時二十二分休憩
    ―――――――――――――
    午後二時十二分開議
#13
○高瀬委員長代理 午前に引續き質疑を續行いたします。質疑を許します。小笠原八十美君。
#14
○小笠原委員 運輸交通關係に對しては、今囘提案されておるところの道路運送法なるものはきわめて重大な役割をもつておるのでありますが、このうちでも一番重要なる點は、結局道路運送委員の使命で非常に重要な役割を占めるので、從つて各同僚諸君からもこの點に集中してこれまで質疑をなされたようであります。おもなる點は各同僚からお等ねがあり、大臣竝びに政務次官その他局長よりも詳細に御答辯があつたので、こまかい點は略しますが、ただ法の運用に當りまして、はたして政府の方に自信があるや否や、こういうことを私はお尋ねいたしたいのであります。第一にこの委員會なるものの委員選定を知事に一任する、公選知事なら最も公平だろう。これは理窟であります。しかしその委員なるものが業者であるならば云々と言う、そこで業者なるものを除いてみたら加えてみたり、なかなか政府の方でも迷いを生じた點があるのであります。結局しからばどういうことになるかといえば、一縣一人主義で一局九人かで委員を組織して、その委員の發言は最も重大であつて、それを取入れてこの法の運用の一番の基礎にしようということの御答辯があつたようであります。そこで私が伺いたいのは、しからば運輸省の人が一番よくわかつている、大臣といい、その他の方といい、一番わかつておるその方々は、一體どういう人が委員として適任者で、どういう人を理想とするか、こういうことをまずお尋ねしてみたい。そこでその理想に對して、その標準が立たないとするならば、それを知事ができるわけがない。それをまずひとつ政府の方のお考えを伺いたい。
#15
○苫米地國務大臣 ただいまの御説は至極適當な御質問だと思いますが、道路運送委員會の任務が非常に重大であり、これを民主的な機構にいたしまして、從來のいわゆる官僚獨善という弊害を防いで、そしてその地方の状況及び民情に副うようなやり方をするのには、やはりかような民主的な機構が必要で、こう考えるのです。ただ實際の面からいつても、今御心配になるように、政黨の知事が恣意をもつて特定の人を推薦するというような場合があるかないか、これは事實問題でありまして、原則としてはそういうことはないはずだとわれわれ考えてやつていきたいと思います。いやしくも一縣下の知事となつて、その知事の權限を公平無私に扱う關係からいたしますれば、さような弊害のない人選ができるじやないか、こう考えておる次第であります。
#16
○小笠原委員 私のお尋ね申し上げたのは、知事は公平であるとか不公平であるとか、そういう問題ではなくて、かりに知事が選任するといたしましても、なかなか知事も容易じやないと思うのですから、そこでまず政府の方で、この委員としては一體どういう人を選べば理想的か、どういう人を見越しをつけているか、こういうことを伺つているのであります。
#17
○苫米地國務大臣 私は知事は必ずやその事業に經驗をもち、また相當の學識をもち、抱負をもつというような人から適任者を推薦するだろう、こう思つておるのでありまして、具體的にどういう人がと言いましても―それはその地方々々によつて今申し上げたような條件にかなう人が必ず選任される、こう思うのであります。
#18
○小笠原委員 それはいかにも知事の方では適當な人をお選びになるでありましようけれども、先刻大臣から、民主主義であるから民選にして、官僚の獨善を排するような趣旨に出たと言われたが、こういうことはまことに結構なことであります。しかし民主主議でやるということは、たとえば知事が民選の知事でありましても、その人が一人を指定するということを民主主義と解釋するのでありましようか、私はやはり今言われた通り、相當學識經驗のある者、あるいは業者、その他多く輿論を把握して、その輿論によつて決定するものが民主主義じやないかと思うのであります。そこで私は一つ伺いたいことがある。運輸當局の言う學識經驗者というものは一體どういうものをいうのか。役人の古手を申すのか、業者を申すのか、運輸としてほかにいかなる學識經驗者があるか、ほかのものなら學識經驗者もあるでしよう。ところが一體運輸交通に關係のない學識經驗者をもつてきても、學校の先生などをもつてきても何の役に立ちますか。そこに疑點があるのであります。その學識經驗者として認めたところの標準がどこにあるか。あるいは各縣で事情が異なるというならば、運輸大臣も青森縣、私も青森縣であるから、青森縣を標準にすれば、どういう人が一番いいかということはわかると思いますが、あまりそういうこまかいことを言つてもかえつてお困りになるかしれないが、全國的に見て學識經驗者という標準がどこにあるか。それから學識經驗者と民主主義、いわゆる民衆の輿論によつて解決するということの御希望があるならば、學識經驗者の議論で民主主義であるかどうかということにも疑點があるのであります。私は理論はどうであつても、實際問題という行われなければだめだ、こう思いますから、それで念を押して伺うのであります。
#19
○苫米地國務大臣 どうも抽象論になりまして、一個の御意見のように伺うのですが、もし小笠原委員がこういうのがよかろう、こういう推薦でなければいかぬという御意見でもありますれば、そういう點についてむしろ拜聽したいと思う次第であります。私の思いますのは、機構としては民主的な機構をとつて、それを構成する人はその道の權威ある人をなるべく委囑する。その選考は、中央においては見つからない。そこで地方の各府縣知事にお願いすれば、府縣知事はこれを選考するのに、おのずからまた方法があるだろうと思うのです。たとえば縣會の議に諮るとか、あるいは何かそういう選考委員を設けるとかいうことは、知事が選考する場合にとるべき方法であつて、これはこちらの方からどうしなければならぬということを、規定する必要はないと思うのです。そういう意味でこれは立案した次第であります。
#20
○小笠原委員 そういうことを承ると、何ら政府の方に委員としての希望なくして、知事が選定さえすれば必ずや公平な人が選ばれるだろう。その公平な人が運用の機關に當つて、最も適當におやりになるだろう。こういうような意見に承れるのでありまして、政府自身としては理想として、こういう型の人がいいとか、こういう方にやらせればいいというような希望がないというように承るのであります。そうなるとますますここに疑問を懷いてまいるのであります。一體この事業を擔當しておる者、あるいは事業の經驗者等が多数あるのでありまして、やはりその道に對して明るい連中の世論というものは、今までも運輸省においてよくその點を把握するに努方してまいつたように私は承つております。しかるに今日のように民主主義だ民主主義だとおつしやるが、これが知事一人によつてきめた者では、かりに五人か七人か委員を設けて選定したにしても、その一人々々が重要な權限をつかんで、その人の言一つによつてこの運輸交通というもが左右されるということにまで至る大きな問題の委員を、たつた一人で選ぶということにおきめになるにおいては、危險この上もないことであります。それに對してまた政府の方で、何らそこに理想的な方法とか、理想的な計畫ということなくして、いわばただ抽象論であるから、どういうものを出せということになると、具體的な場合にそれに對してお答えする。こういうことになつておりますが、私はその委員を見つけかねるから伺つておる。私の方でできそうなもので、こういうものはどうですと言い得る立場だと、私はお尋ねいたしません。私はどうしてもその一人の人間によつて、この大きな重大なものを支配するということ、早く言えばその人一人が、その地方の世論を把握するということは、容易じやないだろうと思うのです。それが運輸省の方で、知事が選任したならば、必ずや間違いない世論を把握して、それをよく政府の方に反映せしめるだろう。この重大な委員の使命を果すであろうというお考えに、私は疑點があるのであります。今日この委員會にも世論となつて現われる大きな問題がまだ二つある。それは、これが自動車のことですから、自動車の方から申し上げますれば、多くの業者の方からは、既得權を侵害すべからず、必ずこれに對して援助をして圓滑な運用をやらせるべし。こういう強い主張が反映しております。民衆の方は、業者のやり方が悪いから、省營バスにしてくれという陳情が一部から起つておる。これは刻一刻進むに從つて激化するというように、私は見透しをつけておる。これはいずれも世論、いずれも理窟である。こういう時分には運輸省の方ではどちらをとるか。あるいはこうおつしやるでしよう。いや、それはその場合に當つて、その事情に應じて解決をつける。私はそう聽いておるのである。それはその通り、事情に應じて解決をつけるということはわかるが、これはだんだん激化してくるのであります。交通問題は民衆の交通、その使命を果すこと十分ならば、何の不平がないはずである。それが今日のようにはつきりと業者と民衆とが對立化してくる。これが政治問題化してきたり、あるいはときに思想問題化してきたり、いろいろなことに現われてくる。これほど危險なことはないと思う。これに運輸省の方では著眼をおかず、ただ委員を選んでいかせようというのでありますが、これがいかような原因で起つておるか。その原因を調査しておられるならば、その原因、運輸省の方で見透しをつけた點を御説明願いたいのであります。
#21
○苫米地國務大臣 私は從來とりました官僚獨善、官僚が自分の欲するままに委員をつくつて、一種の諮問機關でやるというような方法も、從來とられたのでありますが、これはややもすれば一つの弊害にとらわれて、十分に民意に副うことはできない。こういうことが言われると思うのであります。これを道路運送委員會のように、その道に堪能な、また學識經驗のあるような方々を廣い方面から求めて、この委員會に諮つてやるということが、はるかに從來よりは有效だと思うのであります。それでありますから、今御意見がありまするような、どういう人がいいとか悪いとかいうことは、主管官廳でむしろわからない方が、もつとりつぱな人が出てくるのじやないかと私は思う。それで重大な任務を滯びますから、ごく公平な人でなければ、むろんいかぬでしよう。それは官廳で選任するよりも、地方の自治的な方法によつて選任される方が、どうしてもいいと思います。それでありますから、繰返すようでありますけれども、私どもは各縣から公平な、しかも經驗もあり、學識もあるような人を推薦してくることを期待するのであります。今その例として自動車の例をおとりになりましたが、私は民衆の幸福を考える場合に、この大きな交通事業というものは、民營であつても國營であつても、要するに民衆が滿足する程度の運輸さえすれば、それでいいと思う。それゆえに、せつかく權利をもつて運營しておる私設營業者が、ほんとうに國民の利便のために副うような運用をしておれば、問題は出ないと思う。そこに多少負けておるために、世論が國營を希望するということが出ると思うのでありまして、現にその叫びの強いところにそういう缺點があるように私は思います。しかしその缺點は故意にやつておるのでなくして、戰時中から非常な影響を受けまして、そうしてやむを得ない事情のために、不自由をかけておるという所もあるようでありますが、これらの點に對しては政府がこれを助成するか、あるいはその方法が見つからなければ、じかにこれをやるかというようなことは、實際具體的にその地方の問題によつてきまるものだと思うのであります。
#22
○小笠原委員 苫米地大臣のただいまの御答辯によると、國民の交通問題、自動車についての訴えは、國民の要望する運輸に對し缺陥があるから、それだけ反感をもつて、それが世論となつて省營バスを要望してくる。こう仰せになりまして、いかにもあなた方の方で調査して悪いものは國營にとりかえ、いいものは助成してやらせるということは、それは理想論としてよくわかります。しからば何ゆえ國營をやれば、それが民營よりよくなるか、そこに疑點がある。それをなぜ國民が望むでしよう。政府がそれをまた取上げて國營をやりさえすればなぜよくなるでありましよう。そこに私はひとつ不思議がある。それをどうかひとつはつきり御答辯願いたい。
#23
○苫米地國務大臣 民營と國營との比較問題ですが、民營で十分によくいつておれば國營の必要はない。民營がどうしても都合よくいかない所であれば、國營にしようということを申し上げたのでありまして、比較してどちらがいいかということは、實際これを並行してやつて見なければわからないことであります。國營だから必ずしも悪いとは言えない。要はその運營一つにあると思うので、初めから國營であるがゆえにいけないという前提をもつての話は少しどうかと思うのです。それでありますから、具體的な問題でその邊を判斷しなければならぬと思うのであります。
#24
○小笠原委員 先刻大臣が官僚獨善を排するために、民間選任の委員として公平にやるようにするお話は、私は最もその點に贊成でありますが、大臣といい、政務次官といい、民間にいたときはわれわれとともにこの官僚獨善の攻撃に立つたお互いでありますから、今當局になられてごらんになりましたならば、官僚獨善ということの一番の攻撃の的は何であるかと言えば、ほんとうに立法をしたそのときの立法の精神に反する行為によつて、法を曲解したり、あるいはつまらんところのこじつけをやつて、その法の運營に當つて立法の精神に反する行為が多かつたので、それが一番の官僚獨善の攻撃の的になつた。あるいは役得的に利用してみたり、いろいろなことがあつたから攻撃したのであります。そこで今日の民主主義になつた官吏というものと、われわれが攻撃した戰前の官吏というものと、あなたがその衝に當つてみて部下を見る場合において、今どういうふうにして民主化として改まつておるかということを承つてみたい。今の方がかえつてやりにくくなつた、もとのように弊害が多いか、もとより改まつたなら改まつた點に對して御答辯願えれば幸であります。殊に今あなたの方で言われた國營が悪いとか民營が悪いとか、その善悪を申して比較して言つたのではありません。多くが省營バス、官營を望んできておる、それは全國的でしよう。ただ聲に大小があるが、實際問題としては民衆はそういうふうに叫んできている。たまたま民營をやつておるそこの事業に勢力をもつておる者が辛うじて聲を低くしておるというだけで、だれも彼もが今この官營を望んでおるのであります。その方がまたみなりつぱにおやりになつておる。官營の方は資材もあるし、人も整つておるし、勇敢に運營し、民營の方はひどい苦營をして戰爭中の打撃もありましたがなかなかやれない状態にある。今日の配給というものはだれがこの權利を把握しているか。一番の上は運輸大臣がその方の配給をやつておるのでありますが、これが、なかなか圓滿にいかぬ。しかるに政府の方でやつておるこの車に對してはみなこれが充實しておる。これを比較しようとするから自然輸送を圓滑化する方に民衆が向つて便利主義に民衆が乘つてくるのはけだし當然なわけだ。それを待つておつて、一面においてこれを民主化し、民間の知事に對して重要な委員の選任を命じ、一面においては少しも悪いものはこれを官營に直そうというような御希望であつたならばこれは自然官營は全部のものが整つていて、交通が圓滑にいくから、また一般民衆もそれで滿足するから、その方に傾くのは當然である。それが今刻々進みつつある。これを見逃してはならぬのでありまして、あなた方はこの法案を決定するときにまずこれを見逃してはならぬ。これを將來どう解決をつけるかということであります。この問題をひとつお願いいたします。
#25
○苫米地國務大臣 今お話によれば民營のうまくいかないのは、運輸省の資材の配給が不公平だということでありますが、決してそういう考えをもつているのではない。運輸省がやつているのはいわゆる交通行政であつて、民營であろうが官營であろうが、要するに國の交通運輸が圓滑にさえいけばいいので、そういう客觀的な行政面の處置をとつているのでありまして、ことさらに省營をやりたいために民營を壓迫するのだとかいうようなことは毛頭ないのであります。ただ民營の方では前も申しましたように、戰時中から相當困難な場合になつておりましたから、せつかく路線權利をもつておりましても、十分にいかない所があつたに相違ない。現に停車場に連絡をとるバスのごときも、どうもバスではあてにならないので、汽車の連絡が一向つかないというような苦情もよく聞くのでありますが、それも車が十分にあつて、そしてガソリンもタイヤも十分にあれば、そういうことはないであろうと思うのであります。けれどもそういう點に對しまして、改善の途は政府といたしましても十分努力したいと思います。しかしそうでない所で省營の希望のある所もこれは相當ございます。だから民營をやつていう所に全部省營の希望があるわけではありません。民營の大部分は別に今陳情が參つているわけではありませんで、特別の地滯に對して特に來ているので、決して御指摘になりましたへんぱな考えでやつているわけではございません。
 それからもう一つ、私も元は民間におりましたことは小笠原さんのお言葉の通りであります。前に私は官吏になつたことがありませんでしたから、その比較はできないのでありますが、われわれが民間におつたときの官吏というものは、明治以來培われたいわゆるほんとうの官僚精神でありますからその非常な獨善のためにわれわれが惱まされたことは事實であります。しかし今日新憲法のもとにおきましては、少くともそういうことはしないように私はいたしたいと思いますし、またわれわれの考え方も新憲法に副うような考え方でいかなければならぬと思います。もちろん省内の人に對しましても、その點は十分話合つてまいつているつもりでございます。まだ過渡時代で十分な訓練がないかもしれませんが、もしそういう點がありましたならば、御指摘を願つて、これを是正していきたいと思つております。
#26
○小笠原委員 私は官吏という者は今大臣の御答辯の通りあるべきであるし、またそうあろうと存じます。從つて官吏を民主化して、國民がもつと滿足するようにしなければならぬのは、大臣のこれからの重大な使命であると思うのであります。從つて私は官吏が委員を選定する、官吏がその任に當るということは何も不思議ではない。それをことさらに民主化の線に乘つて知事にその委員を選ばせた方がいい云々ということは、鐵道當局の大臣はじめ大物の連中の責任轉嫁だ。そして最後にこの法案を立案した人々に黒い腹がある。全部これを官營にしようとするもくろみがある。そう私はにらんでいる。それを私は言うのである。なぜならば大臣がそれをお知りにならぬからである。官營といわず民營といわず、公平な配給をやつていると言うのは途方もない話である。それはあなたがお知りにならないのである。そういうことであつたならば大臣は素人目でごらんになつてみなさい。官營自動車は地方的に見てどれほで缺陥なく運行しているか、民間自動車が滿足に動いている所がありますか、それが一つの大きな原因だ。民衆の目というものは高いものでありまして、あなた方の理窟は低い。これはどこに原因があるか。これは大臣に言うのは無理かもしれない。あなたはお知りになつておらないから答辯はできますまい。係りの者から答辯をしてもよろしいくらいのことで、これはあえて答辯を求めません。ただ公平であつたということは、理論的な理窟は立つている。いかにも公平にやつている。ところがたとえば一方にはトラツク五臺のところに十臺分、十五臺分やつている。これは明らかな事實である。民間の方はそうはいかぬ。これは官僚のやることだ。今も現にやつているのだ。一體民間の車が動いているのは合理的であるかどうか、伺いたい。一體タイヤというものは鋪装道路で何日もちものであるか。その計數はあなた方にはちやんとわかつておられると思うが、しからば何本配給して車がどう動くかということを計算したならば、おそらく民間の自動車は今日一臺でも動くのが不思議なんで、動かないのがあたりまえだ。戰爭後にタイヤを幾本あなた方は配給しているか。これはみなやみで補給している。ところが米のやみなら、これは隠匿物資もあるからよいけれども、とても今日は最後の土壇場に行つている。今一本一萬二千圓から二萬五千圓する。それでも見つけるに容易じやない。それでやつている民間の事業と、公定價格で、十分といわなくても補填できるだけ配給し得る省營自動車、それと競爭させて、輿論をもつてこの重大問題を解決しようということであるならば、それはとんでもない話である。あなた方は計數的に、どれくらいの資材がいかないと、何臺もつた會社はどういうふうにして立たなくなるということの計數をちやんと現わしておいて、それでその會社が十分やつていることに對して、悪いとかいいとか批判をせんければだめだ。こんな法案よりも、足がついて動けるかどうか、先にその方を研究して、それを委員會に全部發表しなければならぬ。こういう状態であるから民間の自動車もいかぬだろう、省營バスの方はこういう弊害があるのは改めなくちやいかぬ、これを均衡をとつてこうしなければならぬ。さいわいに昨今タイヤの方は重要物資にされて、多少ながら増産になるというお話を承つているが、その配給する機構だつてなかなか圓滑にいつていない。いろいろな弊害があるからやみタイヤというものがたくさん出ている。そういうところに重點をおかなければならぬと思うのでありますが、こういう點はどうでしよう。私はお知らせする―と言うと大きなことを言うようだが、聽いてみてあなた方はもつともと思うか。その内容を委員會にしかりと示す必要があるかないかということの御判斷だけは大臣はおつきになつただろうと思いますが、どうか部下のその方のわかつた者に對して命じて、これだけはほんとうに全國的に集つた優秀な方々で研究してみて、計數的に現わすのがこれがほんとうの理論です。そういうことをおやりにならないというと―これは贊否を決する重大な任務としてその點を明らかにする必要があると思うのですが、大臣いかがでありますか。
#27
○苫米地國務大臣 計數のことについとは政府委員から御説明申し上げます。最初の官吏はみな新憲法のもとに民主化されたものだから、その人によつて指名した方がより以上公平じやないかという議論に對しましては、私は遺憾ながらそうでなく、むろん官吏といえども公平無私な立場をとつていきますけれども、狹い範圍の人が人選をするということになれば、やはり完全な機構ができないと思う。それゆえにやはり地方の各府縣の知事によつて廣く人材を集めるということの方が、より以上機構の完備ができ、また人選のよりよい方法だと私は考えておりまして、その點は小笠原委員とは多少見解を異にしておりますが、そういうふうに私どもは考えまして、この道路運送委員會の機構及びその委員の選定方法を考えたわけであります。あとの具體的な問題は政府委員からお答えいたさせます。
#28
○小笠原委員 今御答辯による、官吏に委員を選定云々ということは、私は委員を選定するのに、官吏にやらせてもよいという話をしましたが、それはどちらでもよいのですけれども、廣く委員の選定方を求めた方がよいからというお話に對しては、私も大臣に對しては御同意しかねる。なぜならば鐵道にいる人がかりに選定するとしても、先刻は選定という意味じやなく、官吏にやらせたらという意味でしたが、かりに大臣の御答辯のように、官吏に選定させたら狹い範圍、知事に選定させたら廣い範圍、こう申されるが、鐵道の方がかりに民主化した役人だということになりましたならば、この人らが實際運輸交通に對してはほんとうに明るい方々だ、その明るい方々が全國にわたつて調査をしているその知能を合議して選定する方が、これは狹いでしよう。けれども知事は多くは素人で、鐵道あがりの人で知事になつている人はめつたにない。それを縣會なんかで委員を設けても、なかなか一人でやれるものではない。それらの人が選定してもどうにもならない。こう私は思う。特にこの道路運送の委員であります。今局長も見えられましたから、よく聽いておいてください。輕車というものが一體どれだけの輸送の役割をするか。この方が鐵道の三倍半も輸送しているということは、運輸省で現わした統計によつても明らかである。こういう小さな方面の輸送というものは國家にとつて重大な問題である。それを含んだこの道路運輸法の内容に對して、これをまた含んだところの委員を一縣に一人にするということは、これくらい危險なことはないじやないか。かりに鐵道のことはわかつても、牛や馬のことまで同じくわかるような人があるでしようか。ややもすれば鐵道といえば鐵道、自動車といえば自動車、大きなものに著眼しての論議をする癖があるのであります。實際問題の輸送というものは輓馬、輸送牛、こういうものに大きな輸送關係の場面があるのであります。これはなかなかたいへんな問題である。これはこまかく具體的に言えば、大臣も局長もおわかりにならぬだろうから、そういうことをつつこんで言うわけじやないけれども、それの委員に今のようなことを一緒にやらせるということは、これくらい危險なことはない。從つて狹い範圍内から選定するとか、廣い範圍内から選定するとかいう議論は、官吏が選定してしかるべきである、知事が選定した方が民主的だと言つたつて、誰が聽いてもどちらもおかしな話で、どうせ理想的ないい人は出ない。兩方通じている人はありはしない。だから縣から一人などときめることは、知事がきめるのだからと大臣は仰せになるが、かえつて理論とか目標というものはない方がよいので、實際えらい人物が出ると言つたつて、そんなことはできつこないのだ。そういう學識經驗者なんというのは、あるはずはないのだから、そこにも無理がある。大體この委員を選定することに無理があると私は思う。そうして私は、この立法に實際當つた人は事務官であるか何だか知らないけれども、各省の立法の方針を見ておると、だんだん將來官營化するような方針に見える。石炭ばかりではない。いろいろなことを官營化するような前提でこしらえておるのではないかという疑いが私どもにはある。これもその通りである。官營自動車の方はりつぱにどんどん走らせておつて、民營の方は資材も與えないで、へたばらせて、鐵道の方ではこしらえさせないでおいて、そうしてこれを輿論なりと言つて、あなた方の力さえ備わればいい。全部官營の目標に沿うためのものである。民主化と言つて逃げるために、知事に選任させる。知事に選任させるといつたつて、それは鐵道の方の素人である。何かつくらせれば、今までの案はごもつともだ、贊成なりと言うに違いない。多くの委員會は、これらの委員のたれも彼も、ろくに覺えているものはない。少くとも一縣から三人で、業者から一人出そう、あるいは經營者から一人出そう、また學識經驗者から出そう。こうやるというのならば、まだしも私はいいかと思うのだけれども、今のやり方を見ると、全部官營化する目標で出發するのではないか。こうにらんだゆえんはそこにあるのでありまして、また實際的にそう行つておる。現在のところも行つている。今どなたか挺身的に資材その他のことを御答辯なさると言うから、承つてもいいが、しかしそういう空念佛的な挺身隊であつても、私は實際は資材を與えていないと思う。強いて與えていると言うならば、私は計數をちやんといつてきて―實際問題として、一車も二車も渡らぬものがある。生産能力、あなた方の許可を與えた數、配給機構について、どれだけどこへ行つたかということは、末端を調べればすぐにわかる。しかしそういうものまで議論をしようと思つて私は起つたのではありませんが、少くとも大きな目標は、これは大臣でお知りにならないでも、官營化する前提の法案ではないかという疑いが非常に濃厚であるから、それを私は伺うのである。これは輿論をつくるために一番いい材料であるから、すべての問題がそこに行く。人工的に強壓的にやる。これぐらい官僚獨善のものはありはしない。多くのものは強制されて、そのまま官僚に引きまわされる。ゆだんは決してできない。大臣になれば忙しい。だから私は實際問題を伺つておるので、決して苫米地君もごゆだんなく、周圍を警戒されて進むべきだと考えております。
#29
○苫米地國務大臣 たいへんいい御注意をいただきましてありがとうございました。しかし國營を前提としてこの法案が出ておらぬということだけは、私はここではつきり申し上げます。それから委員の選定の方法及び數も、これはただわれわれの方の腹案を申し上げておるのでありまして、法律に別に規定しておるわけではありませんから、皆さんにお諮りをしているわけでありまして、もし皆さんが一致してこういう方法がいいというようなことであれば―われわれはただここで御審議の一つの腹案を材料として申し上げておるわけであります。それは法案に附滯した内容の説明を申し上げておるにすぎないので、その點は誤解のないようにしていただきたいと思います。
#30
○志鎌説明員 まず車輛の配給の實績から申し上げます。二十一年度の車輛の配給の基礎をなします生産として、當省の方にいただいております數量は一萬三千百一輛でございます。これを國營、民營、自家用というふうに、バス、トラツクにわけて配給いたしております。まず國營から申し上げますと、總計で一萬三千百一輛の中で七百二十輛の配給を受けております。その内譯を申し上げますと、バスが五百二十、トラツクが二百、合計七百二十になつております。民營の方は合計八千四十八輛の配給を受けております。そのうちバスが二千五十一輛、トラツクが五千九百七輛、自家用につきましては、バスの配給はございませんで、トラツクのみでございまして、統計が四千三百三十三輛、こういうふうになつております。それからこれをバスとトラツクの別にわけますると、バスが二千五百七十一輛、トラツクが一萬五百三十輛、從いまして大體私どもの計算では、國營も民營も、總數量におきましては現在實在車としてもつております車の二割程度を配給いたしております。この面ではお話のございましたような國營が現有車輛に比較して非常によけい車輛をとつておるというような事實はないというふうに私どもは考えております。
 それから燃料の問題について申し上げますると、燃料は、官、民、自家用を問わず、御承知のように非常に數量がございませんので、官民とも所要數量に對しまして三六%の入手しかできておりません。これは進駐軍に對しましても、非常に安本初め商工省當局から―運輸省はもちろんでございますが、必死の懇請をしております。しかしただいまのところでは、年間十一萬六千五百五十キロリツトル――大體一キロリツトル一トンとお考え願つていいと思いますが、この十一萬六千トンほどのものしか入手できておりません。所要は、私どもの方では大體三十萬一千八百トンぐらいを必要とするというふうに考えております。從いまして三十數パーセントの確保しか行かないという、やむを得ざる状態になつております。木炭はいかがかと申しますと、これは生産縣と消費縣につきまして、それぞれ若干事情は違うと存じますが、木炭の二十一年度の入手量は十三萬四千四百九十五トンでございまして、所要の二十二萬四千トンに對しまして六〇%の程度でございます。また二十一年度の薪の入手については、同じく所要の五四%程度でありまして、十一萬三千三百七十トン程度の入手であります。本年上半期の實績はなお悪くなつておりまして、木炭につきましては四九%程度の入手しかできない。薪については五〇%の入手しかできないというような状況でございます。それからタイヤ、チユーブになりましては、これは新車の場合と補修用の場合と若干比率は違いまして、新車の場合の方が若干比率はよくなつておりますが、全國的に言いますと、五十三萬三千九百九十一本の所要に對して、わずかに十二萬七千三百七十七本、二二%の入手しかできておらない。この資材は、いずれも先ほど申し上げましたように現有の車輛に比率をいたしまして、またその走行キロ、運んであります重要物資、こういうものにリンクをいたしまして配分をするのでございまして、御説のような、省だけに先取りをするというようなことはまつたくございません。
 それからなお山地と平地におけるタイヤの消耗量、殊に昔のタイヤと今のタイヤの違いというようなものにつきましても、御説までもなく、十分研究も逐げ、その手も打つておるのでありますが、タイヤは戰前のタイヤに比しまして命數で大體三分の一、いいタイヤで半分というくらいな事情にありますので、二二%の數字をもらつておりましても、今度は實際の力になりますと、これがその半分なり、三分の一なりになる。こういつた實情でありまして、先般も閣議決定を仰いだような次第でございます。なおこのタイヤの製造の詳細、それの配給のルートの問題、それの取締りという問題につきましては、商工省當局からお聽取りを願いたいと存じます。
#31
○小笠原委員 それは商工省の方にも關係があるでしようから、あなた方はおわかりがないと言えばそれまでだが、しかし少くともこの法案を出すならば、商工省の方を調べてあなた方がこれを押えておかぬと、立案したところの根本を説明するあなた方としては、缺陥があると思われる。なぜならば、この法案にもある通り、認可を受ける輸送路線というものは、計畫輸送をちやんと出して、それによつて認可されておる。その計畫輸送が出ないとあなた方は取消す。その委員を今きめるという案が出て、委員は法律じやないから各自の自由の決定にしなければならぬという大臣のお話でありまするが、これはもちろん法律であつたところで、この委員會で自由にやれることはよくわかるけれども、委員會が出す法律案ならばそれでいいが、少くとも政府が出したものに對して、われわれが審議しなければならぬので、申し上げるのであります。そこでタイヤの計畫とか資材云々とあなた方は言うけれども、現在しからばあなた方に一番わかりやすく言えば、一臺の車を配給するのに、どれだけのタイヤを附屬して配給すれば理想であつて、しかもそれである程度まで圓滿に輸送されるという目標が運輸省にはあるはずであります。ところが近ごろなくなつてから新車の二本のタイヤをはずして配給したことはもう近い事實である。これは結局資材がないということになる。ないから計畫輸送のできるわけがない。運輸省の方でも計畫輸送ができるといつてだんだん擴張していくのでありますが、それを運輸省の方だけでむりな獲得をしていないと言う。無理じやないかしらないけれどもやりくりができる、民間の方はできはしない。一社一社だけ獲つておるから、隣りの會社とかりに懇意であつて融通したところでやつていけない。そこで民間の方はどうしたつて自然に計畫輸送に缺陥で出てくることが刻々に進んでいく。これが輿論となつて現われる以上、どうしたつて皆官營を希望することはけだし當然だと思う。そういうところを見て成績の悪い所は、こうの、ああの、と言つているうちに、すべてが官營化して、民營は及ばざることになる。そうなれば、調節をとるのに、どうするかということをまず明確にしなければならぬので、その點は苫米地大臣の言われる通り、決して官營化する目的に出た法案じやない。私は苫米地大臣が官營化する方針に出たとは思わない。實際官僚が中間に濳在しておつて、この立法の上において、いつの間にか大臣、政務次官をお客さんのように考えておる。現在運輸省の停車場に行つてごらんなさい、札をかけるのに苫米地運輸大臣、次は事務次官、次は政府次官、これは全國にかかつておる。政務次官は第三番目になつておる。これは運輸省だけである。あなた方が各驛に行つたらよく調べてごらんなさい、そうなつておる。ほかの省の方では政務次官が上についておる。これはなかなかめんどうなところで、官僚が濳在していないと言つたところで、それ一つでもちやんとして證據である。實際問題としてこれでは民間は何日間ももてない状態にある。いい成績のものは援助してやらせようと言うが、とにかく悪い成績、いい成績というのは、大多數がタイヤの配給獲得とか、資材のやみ間買いが上手だとか下手だとか、やみの獲得手腕いかんによつて繼續もするし、倒れもするという状態である。賞めるのはやみを數重ねたものを賞める。それが保護されてあなた方から援助を受ける。たまたまやみをやれない會社はへたばつてしまう。そうしてこれは成績が悪いからといつて排除されて官營に移される、これが今日の状態である。そこであなた方が商工省の方から聽けなんと言つても、あなた方がそれをよく承知しておかなければだめだ、どれだけのタイヤをやれば、どれだけの運行ができるということを承知しないで、ルートに對して配給したものは、これは商工省の係だと、官僚は自分に責任があるにもかかわらず、どの省であるとかいつて自分の責任に歸するものを調査していないから、あなた方のやり方は多く間違う。とにかく關連性をもつておつても、あなた方は責任なしというようなことでやるから、なかなか民間の方はうまくいかない。そういう事情になつておる。私は民間の業者の方は全部まわつて歩いて調べておる。全部と言つてはおかしいけれども、大抵の所はみな聞いておるのです。どれもみな一致した言葉をもつて言つておるが、ただたまたまこれは運輸省の方と衝突をして、かえつて取上げられては困るというようなことでおそれをなしておる者もあるわけであります。だからこれはもうあと何箇月かの問題であつて、うまくやれといつてもやみのタイヤは全國にどれだけあるでしようか。あなた方も見込みはつかぬでしよう。ほとんどないということもおわかりでしよう。それならば、これから民間にいかに經營せしめるかという見透しがついておられるか。そこを明確にしない以上どうも疑念が晴れません。
#32
○志鎌説明員 私の御説明がちよつと足りませんので、たいへん誤解をされたように存じますが、タイヤのやみのルートがどういうぐあいになつておるかということにつきましては、遺憾ながら私どもはゴムの製造會社についても監督權をもつておりませんので、その點については商工省の方へ御質問願いたい、かように申したのでありまして、輸送の問題につきましては、小笠原さんの御指摘の通り、自分の方でやる決意をもつておりまするし、數字も御必要とあれば後刻調製して持つてまいります。
 それから將來のタイヤの見透しでございます。これは私から御答辯申し上げるのもいかがかと思いますが、ただいまのところ大臣、政務次官にも陣頭に立つていただきまして、これを閣議に持つていただく傍ら關係の筋にも數字をもつて陳情いたして、深い理解と同情を得ております。そうして民生安定のために必要な最小限度のタイヤの輸入は大體認められるのではないかという段階までに實は進みつつございます。從つて私どもの方としては貿易廳の輸入局長その他とも連絡をとりながら、タイヤの面についてはやや明るい希望を最近もちに至つたわけであります。從つてこれを一刻も早く促進いたしまして、先般閣議決定をいただきましたこの下半期三千トンのタイヤの増産ということに力をいたしてまいりますならば、大體何とか最低限度の國民へのサービスだけはできるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#33
○小笠原委員 こまかいことを承るようでありますけれども、今志鎌君から最低の民生安定の確保が近いうちにできるという見透しだということを申されましたが、それだから伺うのです。あなたの最低民生安定ということは、全部運輸省において許可しておつた路線に對して、計畫輸送するに足りることをもつて最低の民生安定と申されるのでありますか。または十臺出た所は五臺動くのだ、それでもまあ十五人乘りに三十人詰めこんでしまえばそれでいけるのだということをもつて最低民生安定という御計畫ですか。まずもついておるかどうか、この最低であるかどうかということをもう少し詳細に承りたいと思います。
#34
○志鎌説明員 これは御承知のように貨物の面と旅客の面とございまして、もう一つの旅客の面をどれだけ増強すべきかということについては、實は私どもとしてはお話のように昭和十二年程度の輸送量までぜひもつていきたいというふうに考えておるのでございますが、これは日本の今の經濟の復興の段階その他から見まして、いきなりそこへもつていつてはいかぬというような空氣が相當ございますがために、バス路線の増強という問題は、實は私ども非常に力が足りなくて恐縮でありますが、なかなか思うに任せぬ状態にあります。從つてトラツクの面については、御承知のように問題はタイヤもございます、燃料もございますが、大體最近の荷物の動き等から見まして、現況でもつてまずまず最低の線は確保できておるのではないかというように見ております。ところがバスの方はいかにしても現状では困る。どうしてもこれをもう少し増強してもらわなければ困るということで、來年度の私どもの方の必要な輸送計畫としては、大體十三億人ないし十四億人というところを目標にしております。これは人數にしてみますと、昭和十二年と比べまして大した開きがない程度まで行けるのでございますが、今お話のように一輛の車にうんと積み込まなければならぬ。車輛數がなかなか多くなつてまいらないということと、それからタイヤの問題がお話のようになかなかうまくまわらないという點から、どうしても十三億人ないし十四億人はやはり效率三〇〇%というような悲惨な輸送をしなければならない。そこを大體最低限度の線として考えております。しかしこれについても輛數は今全國でもつておる車が一萬九百輛という程度のところで、これの實動車が八千を缺けておるというような悲惨な状態であります。これはすでに増加計畫を立てまして、下期から來年にかけて少くともこの實動車を一萬輛に近いところまでは上げていきたい。そこまでもつていきますれば、それに必要なタイヤは當然それにくつつけていかなければならないというふうに考えます。しかしそれにしても、おそらくごく輸送量の少い地域については、なかなか路線の再開が最近の機會にはいかないのではないか。それから大都市で大量の輸送のある所は、やはりお客さきの積み殘しが若干できるのではないか。この點についての民間業者の不誠意に對する非難があるということは、私どもはあらゆる機會を利用して、それは民間業者の不誠意による怠慢ではないのであるということを常に聲を大にして御了解も得、説明も申し上げておる次第であります。
#35
○小笠原委員 ただいまの當局の御説明を伺いましてもそれは局長も大臣もその説明に相違ないということでありましようから申し上げますが、そこであなた方の方で許可しておる計畫輸送はできないことを認めておつて、この法案を出されておるということはきわめて明瞭である。しかもこれはタイヤのことで論議したが、先刻志鎌君の御説明によつても、今日あなたの申された木炭の配給によつて計畫輸送をし得る會社が一社たりとも全國にありましようか。全部がやみ、補給をしてやつておる。これくらいきわめて明瞭なことはない。これがいつまで續くか。從つてタイヤと言い――前途の希望は別です。現實においてこれが行われない。また燃料だつて行われない。行われないでここに委員とかりつぱな者を知事に選任させるとか、民主化させるとか、理想論にばかり走つてしまつて、實際面においてあなた方も辯明しておるでしよう。民間から攻撃される。豚みたいに詰めこんだという攻撃があるでしよう。それに對してはあなた方も辯明されるでしよう。いかに辯明したからと言つて、あなた方が配給されるとにろの自動車、それに伴うところの燃料とゴム、この點が竝行していかなければ、必ずや攻撃が來るに相違ない。そうしてみるとやはり官營自動車の方はよいと言う、官營自動車の方は現在やつておる。現在そこに疑點がある。運用のできない法案を無理して出して、それに縣から委員を一人選任して、そうしてこれは公平なりと稱して大臣に答辯せしめる。非常時で燃料といい、ゴムといい、確保ができない今日、あるのは前途のただ希望だけであるという時分にそれに副う法律を出して、法律の圓滑なる運用ができることによつて、あなた方は提案の自信があるのだと私は申さなければならない。こまかいことを申し上げますけれども、こういうこまかい點に入ると、あなた方も今申される通り自信がない。何とか民生安定が最低限定という言葉をもつて濁してしまうけれども、それは實際運用に當らざるものである。そうなると、内容において數字的に全國にどれだけの資材があり、それによつて、民間であとどれだけの運行ができるかということの見透し、これを國民によく知らさなければならぬ。それには委員が全部承知しなければならぬ。それだから今志鎌君の言われるところの計畫は、この委員會でこの點をこまかく、ゴムはこれだけあつて今これだけ進みつつある。今これをやつておる。しかし實際にやり得る點はこの點である。大臣が骨折つたとか、政務次官が骨折つたとか言われるが、大臣が骨折られるのは當然の話だ。しかしいくら骨折つたからと言つても、ゴムならゴムについては日本全體として計畫があるはずです。この點について詳細に御説明願いたい。木炭の製造能力はどれだけあるか。木炭は今年の冬は大騒ぎをすると思う。そこでバスの配給とか、地元の確保とかいうことで、問題が起きておる。計畫輸送はできないでみな取消すとか、取消すことはしないとか、これはあなた方は擁護されるだろうけれども、實際において國民の輿論化してくると、それが間違いでも勢になつて進むものだ。それが恐ろしい。それを目標にして立法したのだという疑いがそこにある。そこでなおもつとこまかく言えばいろいろあるけれども、私ばかり論議しておると、かえつてあまりこまくなつていかんから、逐條審議のとき申し上げますけれども、あなた方が不親切だというのではない。大臣といえども御答辯したいのです。局長さいえども熱心に御答辯したいのです。志鎌君もその通り、しかし實際できないのだから、聽く方がもだ承知できない點がそこにある。現にガソリンの配給と言つても、今月一ぱいで切符の期限が切れるというのに、ガソリンがない。券が無效になつておる。できないから十日は日延べしよう。これを詳細にしないと國民がいたずらに騒いで民間事業者を攻撃して、地方的に大分悪化するということは國家のとる策じやない。これをまずもつて圓滿にどうやつてゆくか、むりな世論をひき起さない方法を方針としなければ、あなた方官營にする目的で立法したのだということを疑われても―決して苫米地大臣はそういう意思じやない、大臣の意思じやないことはわかります。私はそれだけ申し上げておきますから、あとの場合に詳細に、そういう數字的な點をお調べになつてお示しくださるならば、私の方でもできるだけ調べてこれの贊否を決する重大な參考の一つにもしたいと思います。それだけ申し上げて私の質問は終ります。
#36
○井谷委員 二、三追加の質問をいたしたいと思います。第一は國營自動車も本法によつて取締られていくだろうというふうに思いますが、そうした場合に、地方の道路運送委員會で今の知事の推薦が一名というときに、これが單に民間の業者から出ておりまして、省營の運行に反對する。こういうことになつた場合に、運輸省としてはどういうふうなことをおやりになるのであろうかということから考えましても、やはり委員の一名ということが私はどうも腹にはいらない。
 それからもう一つは輕車輛の問題でありますが、この輕車輛運送事業を經營しようとする者は、命令の定めるところにより、事業計畫を備えて行政官廳に届け出ねばならないとなつておる。そうしますと、農家が片手間に、あるいは農閑期を利用して馬をひくとか、牛車をひいて運搬をする、こういうものが一々そういう届けをするということは、本人にとつてたいへんなことだろうと思うのです。また自動車事務所は縣廳所在地に一箇所ある。そこまで行つていろいろな手數を履まなければいかぬということになれば、これはまたたいへんなことでありますが、これを地方事務所なり、あるいは地方の町村なりに委任するというような、簡便な方法でもこの上に加えられる氣持があるかどうかということをも承りたいのであります。
 それからまた檢査でありますが、車輛の檢査においても、輕車輛もやはり檢査を受けるのであるか。また自動車の場合に、從來でありますと車をもつていつて、檢査を受けて、番號札をもらつて歸るということになつていたのでありますが、檢査官はやはりそういうことにも關係があるのでありましようか。五十六條では自動車を所有する者は、當該自動車につき行政官廳の登録を受ける、この登録の申請をした場合に當該自動車の眞正な所有者であると認めるときは、命令の定めるところにより、登録した後その者に自動車登録證を交付するというように、ここは簡單になつておりますが、自動車の屆出だけで車體の檢査は省略されるのであるかというようなこともはつきり承りたいのであります。
 それからこの法案にはないのでありますが、參考書類に出ておる中に旅客自動車運輸、運送事業とあるが運輸と運送との區別が先ほどちよつと伺つたけれどもわからない人も大分あるらしいから、この點も附け加えて御説明願いたいと思います。
#37
○郷野政府委員 道路選送委員會においては、國營自動車の開設をいたしまする場合に、この意見を徴することになつております。從いまして道路運送委員會におきまして國營自動車の開設に對しまして贊意を表せられない場合におきましては、國營自動車の新規の開設はできないことに相なります。しかしながら道路運送委員會におきまして、審議をせられるにあたりましては、この法律にも規定してございます通り、第三項に、諮問に對しまして意見を述べる職務を行う場合においては、事件の關係人または參考人に對しまして出頭を求めて、その意見または報告を徴しなければならないという規定もございます。從いまして道路運送委員會はその意見を述べるにあたりまして、これらの點についてすべての關係人、參考人に對しましてできるだけ廣くその意見を徴しまして、いやしくも道路運送委員會が獨斷で、また偏狹な個人的な立場から意見を述べられて、報告されるというようなことのないことを期待いたしております。また道路運送委員會の委員は少いところでも、各府縣一人づつ出していただくといたしましても、三人以上はございます。從いましてこれらの委員の方々がお互いによく相談せられまして、必ずしも一人の意見だけできまるわけのものではないと思いますし、ただいま申しましたこの法律の規定によりまして、さらに必要といたしますならば、公聽會も開いて、廣く關係人または參考人に對しまして意見を求める。その上で道路運送委員會の意見を立てて答申をするということに相なつておりますので、これらの第三項の各號に示されております事項につきましても、こういう方法で適正なる意見を述べていただくことが期待できるものと信じております。繰返して申しますが、この種の委員會は英國及び米國の立法例を見ましてもございます。さらにこの種の委員會にはもつと大きな權限ももたしております。ただ單なる諮問機關でなく、行政官廳としての職權も行わせるというふうな建前もとつております。しかるにその委員はやはり大體こういう方法によりまする構成でございまして、委員の數も非常に少いのでございます。從いまして私どもといたしましても、この委員會の今まで申しましたような構成でも、やり方いかんによつては、十分に所期の結果を收め得るものと信じておるのでございます。
 その次に輕車輛の運送事業の屆出の問題につきましてお話がございました。現在輕車輛につきましては、すでに府縣令などを施行いたしておるものもございますが、一應原則といたしまして、これは從來企業許可令またはその後の府縣令によりまして、許可の仕事となつておる例が一般でございます。府縣令によりまして警察許可を要する事業になつておりました場合に比べますと、今囘のこの立法によりまして、屆出で足りることになりましたことは、むしろはなはだ簡易化された結果になるのではないかと存じます。從いまして農家が副業に輕車輛運送事業をやりたいという場合におきましても屆出を、場合によりましては郵送でいたしますれば、それでこと足りるものと存じております。但し屆出をするにつきまして、屆出書に記載すべき事項もございますので、こういう點につきましては、一應この點が徹底いたしますまで、あるいはいろいろとまごつかれるようなこともあるかと存じますが、現在小運搬につきましての組合が各地にできております。從いましてこういう業者の團體というようなものを通じまして、その間に十分徹底いたしますように、私どもといたしましても努力するつもりでございます。
 それから車輛の檢査の問題でございますが、輕車輛につきましては、旅客の輕車輛だけ車體檢査すればいいと考えております。貨物につきましては、特に人の生命身體などに害を及ぼすというようなおそれも少いと存じまするので、旅客の輕車輛についてだけ檢査を考えております。
 それから自動車の檢査登録につきまして五十六條の關係で御質問がございましたが、お話の筋が私どもはつきりのみこめませんので、あるいは御質問の趣旨に對しまして見當はずれのお答えをするような結果になるかと存じまするが、檢査の關係とこの登録の關係につきましては、二つの事柄をおのおの各條において規定せられておる報告につきましては、竝行してやつていく考えでございます。それから現在の自動車取締令におきましても、この點は同じような立法に相なつております。
 それから運搬と運送ということにつきましてのお尋ねでございますが、現在自動車交通事業法におきましては、運輸事業、運送事業というものを區分いたしております。運輸事業は定路線の事業を指しております。これは旅客自動車の事業につきましてのみ運輸、運送事業というものをわけておるのでございまして、運輸事業は定期定路線のバス事業をやつておりますし、運輸事業はハイヤー、タクシーのような事業を考えております。それからこの法律の中におきましても、この事業の關係ではございませんが、運輸あるいは運送というような言葉を使いわけておりますが、運送と申しまするのはこれは貨物の輸送そのものを考えておりまするし、運輸と申しますると、これに附滯いたしまして驛、停車場の設備でありますとか、これに關連いたしました廣い範圍の概念をもちまして運輸という言葉を使つておりまして、この間使いわけをいたしております。
#38
○高瀬委員長代理 それでは本日はこの程度にして散會したいと思いますが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○高瀬委員長代理 それでは次會は公報をもつて御通知申し上げることにいたしまして、これにて散會いたします。
   午後三時三十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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