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1958/03/31 第31回国会 参議院 参議院会議録情報 第031回国会 地方行政委員会 第23号
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1958/03/31 第31回国会 参議院

参議院会議録情報 第031回国会 地方行政委員会 第23号

#1
第031回国会 地方行政委員会 第23号
昭和三十四年三月三十一日(火曜日)
   午前十時二十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月二十八日委員後藤義隆君及び三木
與吉郎君辞任につき、その補欠として
西郷吉之助君及び本多市郎君を議長に
おいて指名した。
本日委員本多市郎君辞任につき、その
補欠として平島敏夫君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     館  哲二君
   理事
           大沢 雄一君
           小林 武治君
           占部 秀男君
           鈴木  壽君
   委員
           郡  祐一君
           小柳 牧衞君
           田中 啓一君
           成田 一郎君
           平島 敏夫君
           加瀬  完君
           成瀬 幡治君
           松澤 兼人君
           森 八三一君
           白木義一郎君
  国務大臣
   国 務 大 臣 青木  正君
  政府委員
   国家消防本部長 鈴木 琢二君
   国家消防本部総
   務課長     横山 和夫君
   自治政務次官  黒金 泰美君
   自治庁財政局長 奥野 誠亮君
   自治庁税務局長 金丸 三郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○地方税法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○消防組織法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(館哲二君) これより委員会を開きます。
 委員の異動を報告いたします。
 三月二十八日三木與吉郎君、後藤義隆君が辞任されまして、西郷吉之助君、本多市郎君が補欠選任されました。また本日本多市郎君が辞任されまして、平島敏夫君が後任として選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(館哲二君) 地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案、地方税法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 質疑はいずれも前回の委員会で終局いたしておりますから、これより三案を一括して討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。なおまた、修正案、附帯決議案等がありましたら、討論中にお述べを願います。
#4
○占部秀男君 日本社会党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案に対して修正案を出したいと思うわけでございます。お手元に配ってありますのがわが党の提出いたしました修正案でございまして、この内容はもうお読み願えば簡明でございますが、御存じのように、大衆飲食その他の三百円を五百円に、旅館等における宿泊及びこれに伴う飲食については八百円を千円に免税点を引き上げる、かようなのが本案の内容でございまして、最近におけるこれらの場所の大衆飲食、旅館の利用等の実情を考慮いたしまして、本年の十月一日からかような改正をいたしたいというのがその趣旨であります。その他の点については領収書の交付を必要としない限度の引き上げ、罰則に関する経過規定等、この引き上げに伴う所要の修正をこの中に含めておるわけであります。この問題はすでに今国会だけでなく、前々国会以来問題になっておる問題でありまして、当委員会においてもたしか二度この点については決議がなされておるわけでありまして、わが党の修正案に対し御賛成をいただきたいとお願いを申し上げます。
 なお、地方交付税法の改正の問題につきましては、政府原案によりますと、一%の引き上げということであります。わが党といたしましても引き上げをすること自体には、現在の地方財政の現状から見て必ずしも反対ではないのでありますが、しかし、引き上げの率が一%であるということについては、わが党としては納得のできないことであります。特に今回の国、地方を通じての税制の改正に伴うところの地方の減収、あるいは地方財政計画上に盛られたところの政府の積極施策に伴う地方負担分の増加、これらに見合うところの財源措置が非常にゆるがせになっておる現状からして、本年の各都道府県、市町村の運営面を考えましたときに、これは三〇%まで、すなわち現在の二七・五%を二・五%引き上げ、三〇%まで引き上げることが妥当である、かようにわれわれは考えておるのでありまして、この点については、政府の原案に対しては反対の意向を表明するものであります。以上。
#5
○大沢雄一君 私は自由民主党を代表いたしまして、社会党の修正案に対し反対するとともに、議題となっておりまする三案に対しましては、最後に申し上げる附帯決議を付しまして賛同いたしたいと考えるものでございます。
 社会党の修正案の主要な内容は、遊興飲食税の免税点を引き上げんとするものでございまするが、この点のみをとらえて論じますれば、私どももあえて反対ではないのであります。しかしながら、本委員会における前回の地方財政の審議において明らかにされました通り、明年度の地方財政は百億をこえる地方税の減税の反面に、公共事業等の大幅な拡充による地方負担の増加、給与費その他事務的経費の増加によりまする歳出の増加と相待ちまして、きわめて窮屈な状態にありますることは、もはや疑いを入れないところでございます。ことに今回の減税の影響は府県に集中されている傾きがありまする際に、さらに遊興飲食税の免税点の引き上げを強行いたしますることは、補てんの方途も講じないままに平年度にいたしますれば三十三億円に上る税収入の減を府県財政にかぶせる結果となりまして、財政運営の見通しの立たない窮地に追い込むおそれがあることが明らかでございます。一方、今回の七百億減税によりまして、国税、地方税の両面におきまして、関係業者も一般国民も相当減税の恩恵に浴することになることを考えあわせまするときに、府県財政保持の立場から、修正案に対しましては、遺憾ながら賛成することができないのであります。
 しかしながら、私どももいつまでもこれを放置をしている考えは毛頭ないのでございまして、過日本委員会における青木自治庁長官の三十五年度において一そう地方財政の充実強化をはかって、必ずこれを実現するとの言明を信頼いたしまして、後に申し上げるような明確な附帯決議をすることとして、三十四年度からの免税点の引き上げに対しては、これに賛成することはできないということを申し上げたいのでございます。
 次に、地方税法等の一部改正案についてでございまするが、本案は国税の減税と合せて平年度七百億をこえる、さきの衆議院総選挙におけるわが党公約を誠実に実現せんとするものでございまして、零細負担の排除と負担の均衡化を期せんとする公約の基本線が十分生かされておりまする点、基本的に賛意を表するのでございます。内容につきましては、これは時間の関係上省略させていただきたいと思います。
 次に、地方交付税法の一部改正案でございまするが、減税によりまする減収補てんの施策として、税率一%の引き上げを行わんとするものでございまして、減税額に対しまして幾分引き上げ率が少いきらいもないではございませんが、三十二年度の決算によりまする積算額百四十四億円を合せますれば、交付税の増額は対前年度二百四十六億円の増加で、総額二千四百八十六億円に達しまするので、国家財政の現状とにらみ合せますときに、増率としてはひとまずこの程度で忍びまして、あとは配分の問題に持っていかなければならぬことと考える次第でございます。この税法の改正案のその他の部分は、地方団体間の財源の均衡化を漸進せしむるため、今申し上げましたこの配分の方法を適正化せんとするものでございまして、賛意を表する次第でございます。
 第三の地方税法の一部改正は、国税徴収法の全面的改正と並んで、わが国租税徴収制度の画期的な改正の一環をなすものでございます。税務行政の民主化、地方秩序の尊重の見地から、租税徴収権と私債権の間における徴税、納税者相互間の取扱いの均衡等、慎重なる考慮がめぐらされておりますので、賛意を表するものでございます。
 最後に附帯決議案について申し上げます。
   地方税法等の一部を改正する法律案附帯決議(案)
 地方財政の現状と税負担の実態をみるに、地方税制には尚改革を要するものが多い。政府は、地方財源、特に自主財源の実充による行政水準の維持向上を目途とし、この際、国と地方の間における税減の再配分を検討するほか、特に左の事項の実現を期すべきである。
 一、遊興飲食税の免税点は、飲食店等については五百円、旅館については千円とすることとし、昭和三十五年度より実施すること。
 一、所得税法の改正に伴う昭和三十五年度以降の住民税の減収補てんは、たばこ消費税率の引き上げ等をもって措置すること。
 一、固定資産税の制限税率引下げに伴う財源補てんに係る起債の特例の実施に当っては関係市町村の財政の実状に適合せしめると共に昭和三十五年度以降についても適切な補てん措置を講ずること。
 一、非課税の特例措置については根本的に再検討し、課税の合理化と負担の均衡化を図ること。
 一、住民の税外負担は極めて多額であり、且つその多くは公費負担とすべきものが多いから適当な財源措置によりその解消を図ること。
  右決議する。
   地方交付税法の一部を改正する法律案附帯決議(案)
 地方財政はようやく好転のきざしありとはいえ、財源措置の適否は再建の将来に至大の関係がある。政府は交付税制度の本旨にかんがみ本法の実施に当っては、特に左の諸点に留意し遺憾なきを期するべきである。
 一、基準財政需要額等については算定方法の簡素合理化を計るとともに行政水準の維持向上に必要な財源を附与し得るよう、関係諸施策の内容と併せてこれを検討すること。
 一、「地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律」の廃止により三十四年度以降、公共事業の増大に伴う地方負担の激増は、事業の実施に多大の困難を生ずるおそれあるにかんがみ、本法による一般財源附与の適正化と併せ、補助負担率の引上、地方債の増額等、必要な財政上の諸措置に努めること。
 一、直轄事業に係る公付公債については、本制度が暫定的特例措置たるの性質にかんがみ、将来、これが廃止を目途として根本的に検討を加えるとともに、既発行分に係る利子負担の免除等については速かに実現をはかること。
 一、地方自治体の職員の給与に関しては、常に実情を調査し、その適正化に格段の努力をすべきであるが、特に国家公務員の水準に比し均衡を失する新市ならびに町村の職員については、すみやかに次の如く措置すること。
  (1) 新市町村において給与条例ならびに、初任給、昇給昇格基準のないところは、その自治体の実情に応じ、国家公務員の例により制定するよう指導すること。
  (2) 右の整備にともない、職員の給与水準を改善するよう適切な援助指導をすること。
  右決議する。
 趣旨につきましては、連日の御審議中、委員各位並びに本員より質疑し、また政府当局からの答弁等によりましてすでに御承知のことでございますので、説明を省略さしていただきます。何とぞ御賛同あらんことをお願いいたします。
#6
○森八三一君 私は、ただいま議題になっておりまする三案に対しまして、原案に賛成の意を表しますと同時に、提案されております社会党の修正案には、遺憾ながら反対の意を表するのであります。
 社会党の提案されておりまする修正案のねらっておりまする点につきましては、必ずしも賛意を表し得ないというわけではありませんが、昭和三十四年度の十月一日からいわゆる大衆遊興飲食税の減税を実施せんとする内容を持っておるのでありまして、地方財政が非常に困難な度を加えておりまする現況にかんがみまして、これが減収に伴う対策を講ずることなしにこの措置をいたしますることは、きわめて地方財政に悪影響を与えることになりますので、そういう趣旨において賛意を表しがたいのであります。
 なおこの機会に、特にそういうような観点に立っております立場から申し上げておきたいことは、昭和三十四年度の税法なり地方財政の計画を拝見いたしまするのに、前年度に比べまして交付税率を一%引き上げるということで、おおむね一千十八億円程度の財政規模を膨張せしめて、行政水準を引き上げるというような措置がとられるのでありまするが、その内容を検討して参りますると、おおむね国の事業に伴うひもつき的な支出にこれを充てなければならぬというような内容を持っておること。さらに自主財源として計算されておりまする約四百億円程度のものも、これまたしさいに点検いたしますると、国の事業との関係において支出をしなければならぬというような、やむなき状態に追い込まれていることが想像せられるのでございます。そういう結果といたしまして、地方が自治体という性格を持っておりましても、財政の面等からいたしまして、自治体の本質を失なって、国の出先機関というようなことに堕していく危険がないとは申されません。このことにつきましては、昭和三十四年度に新しく調査会を設置いたしまして、中央、地方を通ずる税の配分等につきまして、抜本的な策を講ずるということでありまするが、少くともその趣旨が正しく、早急に実現せられませんというと、問題が、申し上げますように自治体の本質を失うようなことに追い込んでいく危険がございまするので、中央、地方の税の配分に関する調査の結論をすみやかに出されまして、地方の団体に対する財政の堅実を期せられたいのであります。このことは、国政の運行の上にほんとうに重大なポイントになるのでございまするので、格別に留意を喚起しておきたいと思います。
 なお、大衆飲食税の改正につきましては、過日委員会で青木国務大臣に質疑をいたしました結果、きわめて明確になったのであります。本件につきましては、すでに昭和三十二年度の予算の審議の際、さらに本委員会における地方税法の改正の審議の際、昭和三十三年度からこれを実施するというような公約もあった次第であります。今回も大臣の言明によりますれば、昭和三十五年度には、他のあらゆる条件にかかわりなしに、必ずこれが実施をするという決意を表明されたのでありまするが、このことは一片の空文に終りませんように、説明に終りませんように、必ず昭和三十五年度にはこれが実施をせられるということを強く要望しまして、私の賛成の討論を終る次第であります。
#7
○委員長(館哲二君) 他に御発言もありませんければ、討論は終局したものと認めて直ちに採決に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(館哲二君) それではこれより採決に入ります。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案について採決をいたします。
 討論中、占部君から提出されました修正案をまず問題に供します。占部君提出の修正案に賛成の諸君の挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#9
○委員長(館哲二君) 少数と認めます。よって修正案は否決されました。
 次に原案、すなわち衆議院送付の原案全部を問題に供します。
 本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#10
○委員長(館哲二君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中大沢君から提出されました本案に対する付帯決議案について採決いたします。
 大沢君提出の決議案を、本委員会の付帯決議とすることに賛成の諸君の挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(館哲二君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#12
○委員長(館哲二君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中大沢君から提出されました本案に対する付帯決議案を議題といたします。
 大沢君提出の付帯決議案を、本委員会の付帯決議とすることに賛成の諸君の挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#13
○委員長(館哲二君) 全会一致と認めます。よって本決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#14
○委員長(館哲二君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
#15
○国務大臣(青木正君) 連日本三案のため、いろいろ御審議願いまして、まことに感謝にたえぬ次第であります。ただいま御決議のありました税法に関する問題並びに交付税法に関する問題につきましては、いずれも自治庁当局といたしましても全く同感の点でありますので、私ども御決議の趣旨を尊重いたしまして、これが実現に最善の努力を尽す覚悟であります。
 次に、遊興飲食税の問題につきましては、先般も申し上げた通り、当委員会の再度の御決議の趣旨もありますので、私どもこの御決議の趣旨に沿いまして、この実現方に全力を尽す覚悟であります。
 第二の所得税の減収補てんの点につきましては、当然私どもも三十五年度におきまして措置しなければならぬと、かように考えておりますので、この線に沿いまして関係方面とも折衝を進めていきたいと思います。
 交付税関係等の問題につきましては、いずれも年来自治庁側としても考えております問題でありますので、この線に沿いまして最善を尽す覚悟であります。
  ―――――――――――――
#16
○委員長(館哲二君) 次に、消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、前回の委員会で終局いたしておりますので、これより直ちに討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて、直ちに採決に入ります。
 消防組織法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案を原案、すなわち衆議院送付通り可決することに御賛成の諸君の挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#17
○委員長(館哲二君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、ただいま可決されました四案につきましては、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、慣例によって、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(館哲二君) 御異議ないと認めまして、さように決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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