くにさくロゴ
1947/10/04 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第23号
姉妹サイト
 
1947/10/04 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第23号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第23号
昭和二十二年十月四日(土曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    佐々木更三君
      重井 鹿治君    島上善五郎君
      館  俊三君    成重 光眞君
      原   彪君    堀川 恭平君
      矢野 政男君    山崎 岩男君
     岡村利右衞門君    田村 虎一君
      高橋 英吉君    中野 武雄君
      飯田 義茂君    前田 正男君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 苫米地義三君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   郷野 基秀君
 委員外の出席者
        專門調査員   岩村  勝君
    ―――――――――――――
十月二日
 横須賀市沼間に停車場設置の請願(小暮藤三郎
 君外一名紹介)(第七二七號)
 城端、西赤尾間國營トラツク運輸開始の請願(
 橘直治君外一名紹介)(第七三八號)
 古津信號所を一般驛に昇格の請願(高岡忠弘君
 紹介)(第七四一號)
 七尾、氷見間國營バス運輸開始の請願(橘直治
 君外二名紹介)(第七四二號)
 羽咋、氷見間鐵道敷設の請願(橘直治君外二名
 紹介)(第七四四號)
 若江本線を金居原まで延長の請願(森幸太郎君
 紹介)(第七五六號)
 省線電車を小田原まで延長の請願(鈴木雄二君
 紹介)(第七五八號)
 都農町に停車場設置の請願(片島港君紹介)(
 第七六三號)
 近畿日本鐵道會社線法隆寺、平端間復活の請願
 (細川八十八君紹介)(第七六八號)
 東京、鳥羽間直通列車復活の請願(石原圓吉君
 紹介)(第七七〇號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 道路運送法案(内閣提出)(第四七號)
    ―――――――――――――
#2
○正木委員長 會議を開きます。
 これより道路運送法案を議題として質疑を續行いたします。矢野政男君。
#3
○矢野(政)委員 ただいま提案になつておりまする道路運送法案につきまして、お尋ねいたしましたいと思います。私は過日の委員會を、水害地の調査のために數日間缺席をいたしておりましたので、これから質問いたしますことは、委員各位がすでに御質疑になられた點も多々あるだろうと思いますが、重複いたしまする點を御了承願つておきたいと思います。
 運輸大臣にまずお尋ぬをいたしたいと思います。なお御質問申し上げます前に、一應私の考えを申し上げておきたいと思います。私從來より自動車運輸事業に關係しておりまして、民間業者の立場にありますので、ただいまから私がお伺いいたしますことは、民間業者であるがゆえに民間業者の肩をもつというような誤解をもたれては困るということを考えますので、私はもちろん民間業者の立場ではございますけれども、ただいまから大臣にお伺いいたしますことは、われわれ運輸交通委員長として、今後こうした問題を公平に研究し、そうしてその實現をはかつていくということに、邁進いたさなければならぬ。かように多年考えておりましたので、ほんとうに公平な立場におきましてお尋ねいたしたい。こういうように考える次第であります。
 まず數年にまたがりまして問題と相なつておりまする國營自動車と民營自動車の問題であります。過日もこの問題については他の委員から御質疑があつたように思いますが、私はこの際自動車交通事業法を改正いたしまして、道路運送法というここに新たなる法案をつくるというときにあたりまして、今後國家再建のために、あるいは文化國家の建設のために、その第一線を參りますところの自動車事業に對しましては、ここにさらに新たなる檢討を加えて進まなければならぬと考える次第であります。ここにおきまして、民間業者が數十年その業に携わつてやつてまいつておりまするところに、國營が割りこんでやらなければならぬ。あるいはやりつつあるという實状によりまして、業者は非常なるそこに不安をもち、ほんとうに國民大衆の機關としてその責任を果しますのに、非常なる不安をもつて進まれつつあるというような點もあるのであります。たまたま國營自動車の方針は、民間ででき得ない所を開拓してやるというような方針のもとに進まれておるわけでありますが、今日までの現状を見ますると、從來より民間業者が多年その經營に當つております。しかもその間におきまして重要なる路線、非常に經營の合理化された、いわゆる乘客の多い、あるいは貨物にいたしましても、非常に荷物の多い所を、その一部をとつて省營が運營する。いわゆる民營を壓迫するこの省營のやり方につきましては、その指導、監督、許可、認可の權をもちますところの運輸省としてとるべき途ではないと私は考える次第であります。この際におきまして、國營自動車は、かような路線あるいは區間を運營をする。民間業者はこういう方面に向つてやらせる。こういう點に對して運輸省ははつきりした態度をここに示し、そうして今後その經營に當らしめ、また國營は國營としての獨自の立場におきまして、民間業者のできない所を開拓し、あるいは計畫してやるべきであると私は考える次第であります。ここにおきまして、この民間業者の立場を一應申し上げておきたいと思います。從來は、民間業者は、一つの路線に對しまして非常にたくさんの業者がありました。そのはなはだしい所におきましては、一路線に八營業者も許可されまして、非常に極端なる競争をしてやつておつた。そういう路線につきましては、その見苦しい競争の中に非常な問題が起りまして、これをまず從來の鐵道省の手により、あるいは地方官廳の手によりまして、買收せしめ、あるいは統合させまして、その統一をはかりまして、逐次その效果を收まして、見苦しい競爭も避け得ることになりました。そしてまつたく一般大衆の利用機關として、その責任を果しつつまいつたような次第であります。殊に日支事變以來は、御承知のように新車の配給がない、また部品の配給もない、タイヤの配給もない、ガソリンの配給もないというので、非常なる極端なる状態になりました。車は、その當時におきましては、まず新しい車を入れますと、三年ないし四年を使いますれば、もうとうてい使いものにはならない。從つてまず完全な營業をやりますためには、二年ないし三年をもつて新しい車と入れかえるというような状態であつたのでありますが、事變が始まりまして以來、殊にバスにおきましては、約十年間まつたく新車の配給はないと申してもよろしいような状態でありました。まずもつて新車は軍官の方面にこれを配車する。その殘つた一部の車輛を民間業者に配給するというような状態でありましたので、この間におきまする車輛始め部品その他の配給は、ほとんどないと言つてもよろしい状態であつたのであります。しかしだから業者は、與えられた責任を果すべく、老朽した車輛を、あらゆる創意くふうによつて整備いたしまして、まずもつて勝ち拔くために非常なる努力と協力をいたしまして、あらゆる面に對しまして、軍官の命令に從いまして、辛うじてその命を續け、その責任を果してまいつたような次第であります。從いまして、終戰と相なりましたその後の状況はどうかと申しますると、これまた御承知のような資材の不足、あるいは新車の生産につきましても、許可を得て、そうして制限された車輛の生産によつてやつていくというような状態でありますので、この間における業者の苦しみはまことになみなみならぬものがあつたのであります。しかるに終戰になりまするや、いち早く運輸省は國内に三十二路線の新規の營業を計畫して、そうして新規の國營自動車をやるというような状態でありまして、その當時におきましても、業者は、何ゆえにわれわれ業者が今日まで苦しんでやつてきたところへ、終戰になるや、ただちに運輸省はこういう計畫をしなければならぬかという業者の聲があつたのであります。さらにこれに引續きまして現在も、民間業者の經營しておりますところのバス路線に對しまして、あるいはトラツクの區間に對しまして、新しい計畫を立てまして、そうして今なお民間業者を壓迫いたしまして、そうしてここに新規計畫を實施をするというような状態になつて進んでおるのでありますが、私は、民間業者の手によつて經營できます所は、運輸省はこれを奨勵いたしまして、民間業者にこの事業を整備擴充させてやらせるべきではないかということを強く考える次第でございます。この際、ただいま全國各地方に計畫されておる路線につきまして、かような民間業者によつてできまする路線は、これを民間業者をして大いに擴充させてこれをやらせるべきである。かように考えるわけであります。なお、過日の委員會においても御意見のありましたように、またさらに非常に民間業者の經營ぶりが悪いから、これを省營でやつてくれというような請願も非常にたくさん出ておることは承知しておりますが、この點につきましては、必ずしも私は、一たび許可を受けましたならば、必ずその業者によつて經營をさせていかねばならぬというふうには考えないのでありまして、もしその現在許可を得ておる業者の營業ぶりが悪い、あるいは一般の輸送機關としてその用をなさぬという所がありましたならば、これを資本的にかえることも結構でありますし、あるいは業者をかえることも當然であります。さようにいたしまして、民間の業者でできるこの事業に對しましては、運輸省はこれを特に奨勵してやるべきではないか。殊に運輸省の現在の財政状態を見ますると、非常な赤字でもつて、今後いかにして運輸省の賄いをやつていくべきかという状態にあるとうかがつておりますときに、省營自動車を年々相當なる赤字を出してその經營に當つておるというようなことも聞いておりまして、これは過日の委員會におきまして、省營自動車の營業状態、あるいはその經過等につきまして參考書を出していただくようにお願いをしてあるのでありまして、いづれその營業状況につきましてはうかがうことができると思つておりますが、私の豫測いたしますところによりますと、この省營自動車の年々の赤字は、容易なものでないと考えるのであります。こうした點から考えてみますと、民間業者がなし得るところに對しましては、國といたしましてはこれを全面的に民間業者にやらせるという確信をここにもつべきである、かように考えるのでありますが、これに對しまして運輸大臣はどいういうふうなお考えで今後進まれるのであるか。現在まだ計畫中である路線、あるいは箇所等に對しまして、この際あらためて再檢討いたしまして、どうしてもこの路線に對しては國營でやらなければいけない。あるいは國營にあらずんばなし得ないというような路線、あるいは箇所に對しましては、これは進んで國營によつてやるべきである。しかしながら、ただいま申しましたように民間業者といえどもその業者を變え、その資本系統を變えてやるならば、完全な營業となし得るということの見透しがつきますならば、運輸省は進んでその途をとつていただきたいと考えるのであります。これに對しまして運輸省の御方針、現在計畫中である路線、あるいは區間についとどういうような御處理をお考えになつておられるか、この點を伺いたいと思います。
#4
○苫米地國務大臣 矢野委員の御質問にお答えいたします。ただいまの御質問は、民營自動車のやつておるところを壓迫して國營自動車をやることはよろしくない。それに對する大臣の意見はどうかというふうに伺つたのでありますが、先般木下委員とか、あるいは小笠原委員等の御質問がありまして、その際詳細にお答えしたつもりでございます。すなわち現在營業權をもつてやつておられる路線に對する民營自動車は、できるだけ助成をいたしまして、大衆の便宜になるようにいたしたい、こういう方針は變らないのであります。從つて都合よくやつております民營を壓迫して、それとの競爭線に國營自動車により計畫を立つてるということは大體ないと思います。ただ國營自動車は、その運營の本旨として、鐵道の先驅をなす所、あるいは鐵道の助成であるとか、もしくは開拓地帶に對する交通の便宜のためとかいうような意味でございまして、都合によればいわゆる採算的には犠性線をも考えるということになつておる次第でありまして、都合よく運營しております民營の線路にまで食いこんでやるという意思はないのであります。ただ民營で爭議とか、運營上いろいろの事情によりまして、戰時中から運行が圓滑にいつておらぬというものが相當ございます。それらに對する地方民の要求が輿論となつて、國營自動車の運行を要求してまいつておる所がございます。それに對しましてはできるだけ民營の業者に對して助力を與えまして、それでもなおかつ都合よくいかないという所がありますれば、これは輿論に從ひまして國營自動車を行わなければならぬと考えるのであります。しかしその具體的な問題につきましては、今私はわかりませんから、政府委員からお答えしてもよろしうございますが、將來の點に對しましては、道路運送委員會というものができまして、それらに對する具體的な方策はそれに諮問して決定していかなければならぬのでありますから、必ずしも運輸省の一方的に考えて民營を壓迫するような處置はとらない。どうぞその點を御了承願いたい。
#5
○矢野(政)委員 ただいま大臣の答えに、今後すべて道路運送委員會にかけて――省營の實施、あるいはあらゆる民營のものに對しては、この委員會に諮られるというように伺つたのでありますが、この點について重ねてお伺いいたします。現在計畫中であります省營のものにつきましても、同委員會を通じてこれを實施するとか、どうするというふうにお進めになるお考えでありますか、伺いたい。
#6
○郷野政府委員 この道路運送法が實施になりまして、道路運送委員會というものが設置せられるということになりますと、それからあと實施いたしまする路線につきましては、道路運送委員會に諮問いたし、その意見によつて決定しなければならないということになるものと考えております。この道路運送委員會が設置せられ、またこの法律が實施せられる以前の實施いたしまするものは、從來の方式によりましてやつて差支えないものと考えております。しかしながらこれの實施につきましても、もちろん豫算その他の關係もございますので、同委員會その他諸方面の御意向を十分拜聽いたしまして進めていく考えであります。
#7
○矢野(政)委員 そういたしますと、現在決定いたしたものはそのまま實行されるお考えでありますか。
#8
○郷野政府委員 ただいま省營自動車の路線としてきまつておりまするものには、前年度の豫算で決定いたしまして、本年度に實施せられることになつておる路線がございます。これにつきまして方針に從いまして、できるだけ早く、豫算もきまつておることでございますので、實施に移したいと思つて努力いたしておるのであります。今年度の新線につきましては、來るべき追加豫算の決定をまちまして確定すべきものもございますので、これは追加豫算の關係におきまして同委員會の御了承を得て、實施に移したいと存じております。
#9
○矢野(政)委員 なお現在業者間で騒がれておりまする進駐軍の拂下車輛の問題でございます。現在運輸省におきましては、各鐵道局あるいは地方の自動車事務所等に命じまして、各府懸にわたりまして、その拂下車輛をもつて非常に多數の省營の運轉をされておるのでありますが、現在業者におきましては非常に車輛が不足しておりまして、その與えられる責任を容易に果し得ない状態であります。このときにあたりまして、重複いたしまする、現在民間業者がやつておりまするところの路線に對して、進駐軍よりの拂下車輛をもつて運輸計畫をする。現在これは全國相當なる箇所に計畫をされておりますが、この點につきましても一應お伺したいと思います。
#10
○郷野政府委員 拂下げの自動車の配分竝びにこれの運用方につきましては、拂下げの條件といたしまして、連合軍司令部の方で示された方針に從つてこれを運用してまいることといたしまして、その後いろいろな手續を經まして、すでに連合軍の許可を得て實施に移しておる部分もございます。大都市の交通緩和のために使いまするバス、この關係の車輛はまず優先に配給いたしまして、すでに御承知の通りこれを使つておるわけでございます。なおそのほか管理經營といたしまして、農林省、商工省關係の重要な食糧の輸送でありますとか、石炭、亞炭の關係の輸送でありますとかいう方面に對しましては、すでにその配分計畫を著々進めております。なお官廰用の車に對しましても、ほぼ配分を終えまして、あと現に進行中竝びにこれから實施いたしまするものは、一般の輸送に使いまする國が直營でやりまする自動車と、普通の業者の方にその運營を擔當していただきますいわゆる國有自動車の管理經營、これに属するものがこれから實施せられることになるのでありますが、この民間の管理經營に属する分につきましても、すでにこれを著々進めております。從いまして省營の直營部分が最後になる段取になつております。そして省營の直營をいたしまする部分については、御承知の通りこの前の議會においていろいろこれについての御要求もございました、御注意もございましたので、私どもといたしましては、現にこの事業を經營しておられまする業者竝びにその國體の代表の方々とよくお打合せをいたしまして、連合軍の拂下げにつきまして示された趣旨に規きまして、民間といたずらに摩擦の起るようなことのないように、各地におきまして、業者の代表の方と鐵道局長、都道府縣知事で、具體的な實施計畫を現地についてよく御相談をいたしまして、これに基いてさらに連合軍司令部の許可を得て最後的な案を決定するということで、ただいまその御相談を各地においてほぼ終えまして、これをとりまとめておる段取でございます。從つてこれについてさらに連合軍司令部の許可を得るということになれば、今月末ごろを目標にいたしまして、早速實施に移りたい、かように考えておりますが、この段階におきまして民間との摩擦につきましては、私ども慎重に注意いたしまして、さようなことのないように自動車現地の具體的な計畫について十分に檢討いたしておりまするし、今後の運營の面におきましても、この點は十分に氣をつけてまいりたいと考えております。そうして一日も早くこれを實際の輸送力に使いまして、拂下げの趣旨に應じまして、國民生活維持のため、また經濟再建のために必要なる重要物資の確保に、官民協力いたしまして當りたい、かように考えておる次第でございます。
#11
○矢野(政)委員 御説明を伺いますと、非常に運輸省としましては親心あるお考えのもとに進まれておるようでありますが、この運輸省のお考えと、また鐵道局に參りますと、非常にお考えが違つておる點があるように思います。一例もつて申し上げますならば、私栃木縣でありますが、栃木縣におきまして拂下車輛をもちまして縣内の三十箇所に連絡所を置きまして、そうして省營自動車を運行するという計畫を立てられたのであります。そこで縣内の業者におきましては、從來業者がまず大體において一般の輸送に對してはあまり支障なくやつておるにかかわらず、さらに縣内に十數箇所の營業所を設けて、そうして三十箇所に連絡所を置いてやるのだというような計畫を特にひそかに立てまして、現在車庫においても、あるいは事務所においても、まつたく民間業者には秘密にその計畫が立てられた。そうしていよいよ從業員の採用までいたしまして實施しようというときになつたのであります。そこで業者は、もし省營でどうしてもやらなければならぬという所であり、またそういう事情があるとするならば、何ゆえに業者に一言の連絡もなくしてその計畫を立てたか、殊にその營業所、車庫の設置にあたりましても、非常に秘密を守つてその計畫を立てて想んできたというそのことを、業者が聞きまして、これではたいへんだ、現在非常に荷物は少くなりつつありますところへ、さらにここで縣内に三十箇所の連絡所を設けて、しかもガソリン車によつてこれを運營するというようなことになりましては、業者は一體どうなるのかというようなことになりまして、業者が非常にその實情を訴えまして、そうして地方の自動車事務所、さらに東鐵の局長さんに會いましてお願いをし、さらに運輸省に參りまして申し上げますと、運輸省としては、決して地方の業者と摩擦を起し、あるいは秘密にわたつてそういう計畫をするというような指示は出しておらぬのだ、よく地元の業者と連絡の上でそれを實施するように、こういうような運輸省のお話であります。さらにまた鐵道局の方に參りましてお話を再三いたしました。その結果は、まつたくそれは業者の了解を得なくてはでき得ないのだ、また業者の言うことがよくわかつたから、それでは一つこれだけをやらしてくれないか、縣内を貫きます宇都宮から眞岡、鹿沼、この間わずか三十何きろかのこの路線一本だけをやらしてくれ、こういうようなことなのであります。少くとも縣内の計畫全部をやるのだというならば、話がわかるのでありますが、とにかくそれではまず大體ひつこませよう、だからこの一本をやらしてくれないかということでありまして、最後までそうした鐵道局のお話であるのであります。なぜわずかその一本の線をやらなければならぬかというようなことで、お願いもし、實情も申し上げまして、それではひとつ全部やめようというようなことに相なりまして、圓滿に話がつきました。それで省營は全然やらぬということに相なつておるわけでありますが、私はこういう實例を見ましても、業者がぼんやり黙つておれば、いつの間にか省營は計畫をして實施をするというようなことに相なるわけでありまして、これは栃木縣だけの例を申し上げたのでありますが、おそらく近縣であります群馬、千葉、茨城、埼玉いずれも同様な問題で非常な押問答をやりまして、まず大體はひつこませようというようなことにおちついたように聞いております。ただいま御説明がありましたように、運輸省のお考えと、鐵道局あるいはまたその先の自動車事務所というような點になつてまいりますと、話が非常に違つてまいりまして、しかもそれをやることがその地方鐵道局の力であり、あるいは一つの業續を殘すようなお考えであるのではないかと私は考えるのでありますが、先ほど御答辯のありましたようなお考えのもとに、今後もほんとうに最末端までその點を徹底させられまして、少くも民營と國營がこの際摩擦を起して、そうして民營で間に合う所を省營でわざわざそこに新たなる組織、新たなる車輛をもつて計畫、經營するというようなことは、現在の國家の状態から見ましても、これは大いに反省すべきではないかと考えるのであります。どうかその點につきましても、十分全國に行きわたりまして――少くも親であり、子である國營、民營が摩擦を起して、そのために非常にそこにおもしろくない問題を起し、あるいは時日を費して、いろいろな面にこれが波及いたしまして騒いでおるような現在の状態であります。兵庫でありますか、これなども省營の問題が起つております。おそらく他の委員の方にも陳情の訴えがあるようでありますが、殊に業者、從業員、この人たちは毎日數十枚のはがきをもつて、省營をこの際何とかやらないように委員會として骨折つてもらいたい、もし不幸にして省營が實現するならば、われわれ民間業者はどうしても立ちいかぬというような非常に悲壮な訴えをされておると思うのであります。この點は私詳細を存じませんので、運輸省當局に對しましても、おそらくその悲壮なる陳情が來ておることと思いますが、この點につきまして實情を簡単に伺つておきたいと思います。
#12
○苫米地國務大臣 今の地方的な問題は、いろいろ拜聽いたしまして大分參考になりましたが、先ほどから申し上げますように、要點は民業を壓迫するという意思でなしに、大衆の便宜のために、輸送が都合よく行われているかどうか、民營によつてその目的が完成されております所は、省營は行く必要がないのであります。それゆえに、今お話のように間に合つておる所へむりに行く必要は將來ともなかろうと思います。ただ地方の輿論によつて見んに陳情がありまして、今の民營ではとうてい大衆の希望に副わないし、また輸送が不圓滑だということが實は所在にあるのであります。それでありますから、それらの地方に對しましては、もし民營が設備が足りないとか、あるいは車が足りないとかいうようなことでありますれば、國としてはそれに對してある程度の助成をいたしまして、できるだけ大衆の便宜になるようにしたい、こういうふうな考えておるのでありますが、しかしそれもことごとくでなくて、どうしても内部の改造が必要であるとか、あるいは別に國營をやる方がほんとうに大衆のためにいいのだというような客觀的な情勢がありますれば、これはこれは納得ずくで省營をやるというようなことができると思います。その點はひとつ御了承願いたいのであります。しかしそういうことに關しても、將來は道路運送委員會等ができますから、片手落ちな、抜打的なことはないとは信じますので、これもまた御了承願いたいと思います。
#13
○矢野(政)委員 この機會に委員長にお願いいたしておきますが、ただいま運輸大臣から御説明のあつたような事實、省營でやらなければならぬというような所を、まげて民營にやらせるというような考えは毛頭もつておりません。從いまして現在問題になつております省營、民營の各地の實情を、委員會として現地の參つて、そしてこれを實際にあたつて研究する。殊に今省營として實施しようといような路線については、これまた至急に委員の方が現地に參いつて、そしてその實情を研究いたしまして、まさに省營をやるべきであるという路線に對しては一日も早く實施すべきでありますが、もし現在地方民の一部の考えのもとにこの實現をしたいとか、あるいは何か民間業者に對しておもしろくない問題がありまして、そのためにそれでは省營を實現してやろう、あるいは省營によつて壓迫してやろうというような、一部の人の考えのもとに省營の實現を主張されるというような面も少くないと思うのでありまして、この點についてはひとつ至急に委員會において實際現地に參つて、現地の實情を知りまして、さらにまた省營、民營に對しましての檢討をすべきではないか、かように考えるのであります。この點いかがでありますか、委員長のお考えをお伺いしたい。
#14
○正木委員長 ただいまの矢野君の發言でありますが、委員長といたしましては、このことは相當重大な事柄でもあり、慎重を期さなければならないと考えております。從つて今後ただいまの矢野君の御意見に基くような問題の取扱方については、適當な機會に委員一同と十分相談いたしまして善處したいと考えております。原彪君。
#15
○原(彪)委員 前囘の委員會におきましての私の質問に對する政務次官のお答えについては私は滿足しないものであります。さいわい今日大臣がお見えになつておりますので、大臣から一言御答辯にあづかりたいと思うのであります。
    〔委員長退席、前田(郁)委員長代理著席〕
 それは例の地方の出先官廳の一つであります自動車事務所のことであります。政務次官の御答辯は、知事の指揮、監督に自動車事務所がもし從わない場合には、本省に適當に連絡をとつてくれ、善處しようというお話であつたのでありますが、それはまことに當然の話でありまして、さような事態が起きる場合はよくよくの問題が起きてからでありまして、日常の行政事務をやる上においては、知事も忙しいし、そう一一本省に自動車事務所がうまくないというようなことを言うことはできないと思うのであります。しかも今度道路法案が施行されますと、地方自動車事務所の權限はますます重くなつてまいりますし、また事務が官廳を通り、自動車事務所を通り、屋上屋というきらいも非常に多いのであります。この地方の出先官廳がたくさん殖えたことは、地方民はかように解釋しておるのであります。去る四月の選擧によりまして、地方の知事が公選されて、知事の權限が非常に偉大になり、本省の命令に知事が從つてこない、從來は本省からの命令によつて知事は異動もしたのでありますが、選擧によつて公選された場合には、知事の權限が偉大になつて、本省の命令に從わない。であるから本省の命令を透徹させる意味において、地方の出先官廳をたくさんつくつたのだというようなことを、地方民はみな言つておるのであります。實際この前の自由討議のときにも、できるだけ地方の出先官憲を廢止しろということが論ぜられたのでありますが、できるものならば、いやしくも運輸行政を知事に委任する形をとる以上は、私は自動車事務所などというものは、屋上屋で要らぬのではないかと思うのであります。先般の政務次官の御答辯はまだ私納得いきませんので、さいわい大臣がお見えになりましたから、御見解を承る次第であります。
#16
○前田(郁)委員長代理 この際一言申し上げます。正木委員長が運輸大臣に質問がありますので、暫時私が委員長代理をいたします。
#17
○苫米地國務大臣 原委員の御質問にお答えいたします。自動車事務所の地方移讓につきましては、一應考えられるのであります。ただ交通のことは、行政面を一貫してやらなければならぬ事柄でありますから、その地方々々の限界された範圍で區々にやつておりますと、そこに共通的な交通の不便がある、こういう點が一つあります。それからもう一つは何と申しましても、現在または占領治下でもありますし、殊に交通のことは、いろいろ關係の面もございますので、ただちにこれを委讓することには今の段階においてはなつておりません。いま少し研究した上でないといけないと思います。そういう考えであり、また事情になつておりますから、よく御了承を願います。
#18
○原(彪)委員 ただいまの御答辯では、今の段階ではさようになつていないということは、まだはつきり納得がいかないのであります。いやしくも知事に委任される以上は、知事の指揮監督が運輸行政に透徹するようにならなければ、數百萬の縣民の輿望を擔つて公選された知事の行政面の上において、支障があるのではないかと思うのであります。出先官廳を設けたために、本省との連絡はよくなるのかもしれませんが、任事がやりにくくなるのではないかと私は思うのであります。大臣はいかがにお考えになりますか。
#19
○苫米地國務大臣 ただいま申し上げたつもりでありますけれども、なお繰返して申し上げます。交通はやはり一貫性をもつて總合的にやらなければならぬという點と、できるだけ廣い範圍で運營するものでありますから、やはり各地方々々で別々な行政をやることは非常に差支えが起る、しかしもし地方の必要があれば、知事がこれを監督することになつておりますから、連絡をとつていきますと、今でもさほど不便がないのではないかと考えるのであります。とにかく先刻申し上げましたような事情で、今のところははつきり地方へ移すということにはなつておりません。その點を御了解願いたいと思います。
#20
○前田(郁)委員長代理 正木君。
#21
○正木委員 この機會に運輸大臣に一言所信を質しておきたいと思いますので、質問をいたすわけでありまするが、現在の國有鐵道が、未曾有の經營の困難に直面いたしておりますことは、過日政府から配付されました國有鐵道實相報告書においても、その概要を知ることができた次第であります。聞くところによりますると、當面といたしましては、困難なこの難局を打開いたしますのに、鐵道經營の各般にわたりまして、應急的竝びに恒久的對策を考究いたしまして、速やかに鐵道を復興いたしまするために、今囘鐵道復興會議を設ける御意思ありやに私聞き及んでおるのでありますが、運輸當局がもしつくるとするならば、これに對する構想をこの機會にお尋ねいたしたいと思います。
#22
○苫米地國務大臣 國鐵の經營困難であることはお説の通りでありまして、これに對しましては、全力を注いで合理的な經營方法を見出そうと努めております。その具體案ができますれば、國會にこれを諮りまして御審議を願いたいと思つておりまするが、その前に一般の輿論にも聽きまして、十分な成案を得ておきたいと存じまするので、諮問機關として鐵道復興會議のようなものを今構想いたしております。最近に、それをなるべくなら實行したいと考えております。
#23
○正木委員 ただいまの御答辯によつて明らかになりましたように、現在のところでは、この難局を打開するための鐵道再建に對する經營の合理化と申しましようか、この點が未だ樹立されておらない。かように承知いたしてよろしいのでありましようか、重ねてこの點をお伺いいたします。
#24
○苫米地國務大臣 今せつかく具體的は案を練りまして、いろいろな調査費料等も整えまして、ほぼその段階になつておりまするから、近いうちにさらにこれを鐵道復興會議に諮りましてこれを完成いたして、國會の方にまわしたいと考えております。
#25
○正木委員 さらに御所信を質したいと思いますることは、鐵道營業法の一部を改正する法律案が當委員會にかかりまして、八月三十日前田郁君の質問に對しまして、伊能長官がかような答辯を實はいたしておるのであります。私の手もとへは當時の伊能長官の答辯の速記録が參つておりますが、それを要約いたしますと、前田君はかような質問をいたしております。本改正法案の提案されたことは、近くまた鐵道運賃引上げの意向があるからではないか。要約いたしますとかような質問に對しまして、伊能長官は、新物價體系を堅持する現状においては、最近の機會に――最近の機會という言葉を使つておりますが、鐵道運賃を引上げる意思はない。かように實は答辯をいたしておるのであります。しかるに十月三日の日本經濟新聞により、またラジオ放送によつて大きく取上げられたのでありますが、一日の參議院の運輸交通委員會で、緑風會の小野哲君が國鐵運賃を改正するかとの質問に對しまして、運輸大臣は、經營の合理化によつて赤字を解消することができなければ、運賃を檢討しなければならないし、諸物資の價格中に占める運賃の割合は戰前に比してかなり低いので、國民生活に影響を與えなければ、貨物だけ上げても差支えないと考え、目下考究中であり、成案を得れば國會に提出したい云云、かような記事が出ておるのであります。從つて私の聽かんとする點は、當委員會においては、現政府の新物價體系というものを堅持する建前において、最近の機會においては鐵道運賃を引上げる意思はない。かように政府當局が明確に答辯を與え、かつ過日の火曜日の本會議において、委員長報告の中に強くこのことが取上げられておるのであります。一方大臣から、諸物資の價格中に占める運賃の割合は戰前に比しかなり低いので、國民生活に影響を與えなければ、貨物だけ上げても差支えない云々、かような答辯がもし事實であるとするならば、現在の政府が天下に發表いたしました新物價體系を堅持するこの方針との間に、食い違いが生ずるのではないか。この點に對して、大臣の御所信をこの機會に率直に承つておきたいと思います。
#26
○苫米地國務大臣 ただいまのお話は少し食い違つておると思います。ここ當分の間、新物價體系によつて、その一環として取上げられました運賃は、物價の安定が見られない限り、これを動かす意向はないのでありまして、その點は、伊能政府委員が囘答いたしましたのも、私がこちらで、あるいは參議院でお答えいたしておることも、變りがございません。ただ先般參議院の小野委員の質問は、しからば將來獨立採算制をとるという建前が起る。そういう際には經營合理化だけではいかないだろう。從つて運賃ということも考えなければならぬではないかという質問がございましたから、運賃ということも考えなければならないと思います。しこうしてその運賃が考えられる際に、まずもつて考慮さるべき點は貨物の方にあるかと思う。その貨物の運賃というものは、戰前物價のうちに含まれた運賃の比率から見て、現存値を上げましてもはるかに安い。三分の一ぐらいになつておる。それゆえにその點が考えられるのと、現在貨物の輸送實費は、これが運賃を償うことができない。損失がいつております。また一方では、陸運と海運との關係が、非常に陸運の賃金が安いために、あまり陸運の方に重荷がかかり過ぎておる。こういう點から考えても、貨物の運賃の方をまず考えられる時期があるであろう。こういうふうにお答えをいたしたので、今これを現在研究して、それを用意しておるというようなことは申さないつもりであつたのであります。その點をどうぞ御了承を願いたいと思います。
#27
○正木委員 大臣の答辯によりまして、私といたしましては十分了承いたしました。しかしながら新聞にこのことが具體的に發表になり、しかもラジオをもつてこのことが詳細に報道されておりますることは間違いがございません。從つて日本の一切の經濟界に與えておりまする影響は、相當深刻なものがあると私は想像をいたします。從つて當委員會における大臣のただいまの御答辯でより以上明らかになつたのでありまするから、當局に私が特に希望いたしますことは、速やかに適當の機會を見まして、大臣みずからがこのことの間違いであつた點を明確にされまするよう、特に新聞記者團等に御發表になられるようお願いをいたしまして、私の質問を終ります。
#28
○苫米地國務大臣 御注意まことに適切でございまして、そういう點に對しましては誤解の起らないようにいたしたいと思います。なおちよつと速記を止めていただきたい。
#29
○前田(郁)委員長代理 では速記を止めて…。
    〔速記中止〕
    〔前田(郁)委員長代理退席、委員長著席〕
#30
○正木委員長 速記を始めて…。午前中の會議はこの程度にいたしまして、午後は一時半より再開して質疑を續行したいと思いますが、いかがでございましよう。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○正木委員長 では午後一時半より再開し、それまで暫時休憩いたします。
    午後零時四分休憩
    ―――――――――――――
    午後二時三十七分開議
#32
○正木委員長 再開いたします。
 午前の會議に引續いて質疑を續行いたします。午前中にも打合せをいたしましたように、逐條審議にははいりまするけれども、關連をいたしまして總括的な質問をいたすことにして、逐條審議にはいることに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○正木委員長 では逐條審議にはいります。
 一章ごとにいたしまして、第一章總則について質疑があればこれを許します。
#34
○田村委員 はなはだ迂遠なお尋ねのようでございますけれども、第二條の最後の項において自動車事業とは云云とございまするが、こうした自動車道事業なんかはやはり全國で相當あるものでございますか、どうですか。その點をちよつとお伺いいたします。
#35
○郷野政府委員 お答え申します。自動車道事業といたしまして、ただいま營業いたしておりまする業者の數といたしましては、全國で十一業者ございまして、路線といたしましては十三でございます。専用自動車道といたしましてはただいま五路線、五業者ございます。これはこの定義にございます通り、事業者が自分の自動車を運行させまするために開設いたしておりまする道路でありまして、専用自動車道の方は、業者が自分でこれに自分の車を通すということになりまするし、一般自動車道の方は自分の車も通しますが、料金をとりまして一般の自動車にこれを開放している。こういうことであります。
#36
○前田(郁)委員 私は第一章の根本問題についてちよつとお尋ねいたします。先般自動車業者の代表と目される委員の方からいろいろ御質問もあり、御意見もあつたのでありまするが、どうも業界の方の話を伺いますると、民營を壓迫するということを非常に叫ばれるのでありまして、私どもは民營の壓迫ということは、これはよくないことでありまするけれども、この交通機關というものはいろいろな公共性のあるべきものでありまして、その點に主眼をおくべきものではないか、こう考えるのであります。この第一條の末尾に書いてありまするところの「以て道路運送における公共の福祉を確立する」こういうことが目的だと書いてありまするが、これが一番中心になつて秩序の確立も事業の健全な發達もある。こういうことではないかと思うのでありますが、これはよく鐵道當局にお伺いしておきます。公共の福祉ということが根本問題だ、それによつて初めて民營の問題も、また國營の問題も決定すべきものであると思うのでありまするが、この立案者でありまするところの郷野政府委員に、この點をはつきりしていただければ、私は今後ああいう問題が起きないのではないかと思います。この點をひとつ大擔率直に御意見を聽かしていただきたいと考えておる次第であります。
#37
○郷野政府委員 お話の通り、この法律の最終の目的は、道路運送における公共の福祉を確保することにあるのでありまして、すべての道路運送に關する行政は、この目的を達成いたすことを目標にいたして行われることになるのでございます。お話の民營事業の育成助長の問題でございますが、この法律によりまする行政といたしましては、公共の福祉を確保いたしまするために、道路運送の健全な發達をはかるという責任を負うことになるのでございまして、國の必要といたしまする交通需要のありまする所に對しまして、どういう方法によるとを問わず、この需要を滿たしますに必要な輸送力を整備充實することにつきましては、できるだけの努力を拂わなければならないものと考えております、ただ自動車事業の性質から考えまして、また今までの沿革から考えまして、現在においても民營の事業が非常に多いのでございます。また今後においても民營の事業が現在の情勢でまいります限り、やはり大部分の輸送を擔當してまいることに相なるものと考えます。從いまして公共の福祉を確保するということを目的といたして、この民營の事業が、公益事業でありまする道路運送事業を許されておるのでございますから、この目的達成のために必要な責任は十分果していくように、これを指導しなければならないものと考えております。從いまして民營の事業が擔當しております交通事業に對しまして、これを充足していくという點においては、この法律の各條項に從いまして、事業者自身に積極的にこの責任を果してまいる努力をしてもらいますと同時に、その點において缺くるところがございましたならば、各條項に基きまして監督指導も十分やつていかなければならぬものと考えます。なお國營事業と民營事業の關連の問題でございますが、國營事業を經營すべき場合におきましては、民營事業との關係におきましてこれを十分に檢討いたしまして、眞に國として經營すべき必要のある場合においては、道路運送委員會の意見も徹しまして、これによつて國營事業の經營すべき路線が確定せられるということになるのであります。その間の調整につきましては、いたずらに民業の壓迫となるようなことを避けまして、十分に民業の發達助成について考慮をいたすべきは當然でございますが、公正なる輿論に聽きまして、また國有鐵道との關連におきまして、國營とすべきものを十分に道路運送委員會などの意見を聽きましてこれを決定いたし、その間無用の摩擦のないように運營をはかつてまいりたい。かように考えておる次第でございます。
#38
○正木委員長 では第一章總則の各條項に對する質疑は他にございませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○正木委員長 それでは第二章監理の各條項に對する質問にはいりたいと思います。質疑を許します。
#40
○田村委員 ただいまの御答辯を承りますと、自動車道と自動車事業は全國的にかなりあるようであります。そうして第八條を見ますると、道路運送委員會の諮問事項としてないし五のことが掲げてありまするが、このうちには自動車竝びに自動車事業に對するところの諮問は掲げてないのであります。それはどうしたことから、その必要がないということになるのでしようか。
#41
○郷野政府委員 お答え申し上げます。専用自動車道の場合においては、自動車運送事業者がこれを使うのでございますので、自動車運送事業についての免許がその前提となるのであります。從いまして特に専用自動車道の開設といたしまして、ここに諮問をする必要はないように考えております。
 それから一般自動車道關係でございまするが、これも先ほど御説明申し上げましたように、一般の例は自動車運送事業者が、自分の車もその上に通す。その傍ら他にも開放いたしまして、料金をもらつて營業する場合が多いのでございます。この場合には自動車運送事業といたしまして、その上に事業が經營せられることになりまするので、この關係におきまして、自動車運送事業につきましての營業も、やはり自動車運送事業に關する限り、一應この道路運送委員會におきまして意見が徴せられることに相なります。ただ自動車事業といたしまして、施設だけ考えてまいります場合におきましては、運送事業でなく、施設を整備するということに止まるのでございますので、この道路運送委員會に諮問することとしなかつた次第でございます。
#42
○田村委員 第八條と次の十二條に關連するようになつてまいるのでありますが、第八條の方によりますと、第三號に自動車運送事業の免許がやはり諮問事項になつておるようであります。十二條によりますると、主務大臣がこの基準を定めてこれを公示して、次の一ないし六までの事項がなければ、當然許可しなければならないということになつております。自動車の免許が義務づけられておることと、免許について道路運送委員會の意見を徴して、この免許をしなければならぬという關係との調和は、一體どういうふうになりますか、言いかえれば十二條によつて企業の自由權を認めたような立場であり、八條においては道路運送委員會を通してその諮問を經なければ、かりにその條件にはまつておつても、許可ができないという状態になつておりますので、この間の調和はどういうふうにしておとりになるおつもりでありますか。
#43
○郷野政府委員 第十二條におきまして、「主務大臣は、自動車運送事業の免許に關し妥當な基準を定め、これを公示しなければならない。」ということに、第一項になつております。この自動車運送事業の免許に關して、妥當な基準を定めるにあたりましては、第八條の規定によつて、道路運送委員會にその意見を徴して、運輸大臣がこれをきめるということになるのであります。なおまたこの免許基準に適合する申請があつた場合、ここに掲げられておる第一號ないし第六號の場合を除いては、事業の免許をしなければならないということに定められておりまするが、この際主義大臣としてははたしてここに掲げられておる一號ないし六號の場合にあてはまるかどうか。またこの場合にあてはまらないとして、一般の原則によつて免許基準に合つておるということで免許をしなければならないかどうかということについては、みずから判斷をするに先立ちまして、道路輸送委員會の意見を八條の規定によつて徴しまして、これをもととしてその意見によつて行政處分をきめていかなければならぬ。こういう關係になるのでございまして、主務大臣は十二條の規定によつて免許をする。また免許をする前提としての妥當な基準を定め、公示をするというようなことを行うのでございまするが、その前提條件としてすべて第八條の規定によつて、道路運送委員會の意見を徴して、これをもととして、これらの行政行為をしなければならないということになるのでございます。
#44
○田村委員 第八條の先般參りました政令案の要綱を見ますると、道路運送委員會の委員の任期を五年とするということになつておるようでありますが、五年ということはあまり長過ぎて、實情に合はぬようなことになつてくるのじやないかと思うのです。その邊は當局で御研究になられて任期をお定めになつての、大體の御考案でございましようか。
#45
○郷野政府委員 この點についてはそのときも申し上げたのでございまするが、公正取引委員會のごときも、任期が五年に相なつております。交通の問題はやはり相當に専門的な經驗と知識とを要する問題でございまするので、少し長い期間、専門的に道路運送委員會の委員として職務をとつていただくということの方が、事柄の性質上適當であると考えまして、一應五年という任期を私どもとして考えておるのでございます。なおアメリカの洲際交通委員會、IOOというのがございますが、ここで事務をとつておりまする構成員でありまする委員は、任期が六年となつております。大體この種の委員會については外國の例を見ても、比較的その任期は長いように存ずるのでございます。こういう考え方から五年の任期が適當ではないかと信じておる次第であります。
#46
○前田(郁)委員 議事進行についてちよつと委員長にお伺いしたいのであります。ただいま逐條審議をやつておるのでありますが、これをこの委員會で一つ一つきめていつて、これが最後の決定になるものでしようか。いろいろとこのうちに、委員會で御相談申し上げて修正しなければならぬような點もあると思うのであります。委員長の方で、さらにこれが濟んでから小委員會でもつくつていただいて、こまかい點まで檢討する、こういうことになるのでしようか。その點をはつきりしておかぬと、この進行上困る點があると思います。殊にこの政令の道路運送委員會の問題を決定しますと、それに伴う政令案というものには、よほど皆さんの意見もあるようでありますから、そういう點もあらかじめ伺つておきたいと思います。
#47
○正木委員長 前田君の御發言について委員長からお答えいたします。ただいまの議事の進め方は、議事を進めるために便宜上取計らつておる方法の一つでございまして、これが終りました場合には、これをあらためて小委員會に移して再審議するかどうかということについては、皆さんとくと相談をいたします。さらに、一應全體の質疑が終りますれば、委員會としての全體の會議を開きまして、各委員のいろいろの意見を總合的に持寄つて意見の交換をしてみたい。これは當然の處置であります。なおまた諸君個人々々の間においても、當法案に對するおのおのの意見がありましようし、また諸君が各黨各派に持歸つて、黨として本法案に對する態度決定の方法もありましようし、それはあくまで各黨派竝びに委員各位の御自由であります。ただいまの各章ごとの審議というのは、委員長がただいま申した通り、これは議事を進行する一つの取扱いの方法である、こうお考えおきを願えればよろしいのであります。さよう御了承おきを願います。
#48
○成重委員 議事進行について――ただいま各條項別の逐條審議に移つておりますが、各章にわたつて關連して質問したい場合がありますので、多少質問の際に、前に審議した章について關連して質問することもお許し願いたいと思います。
#49
○正木委員長 それも、當委員會で何囘となく委員長から皆様に申し上げて打合せをいたしましたように、章ごとの審議にはいつても、總體の點で質問したいときには當然それを許す、こういうことになつておりますから、その點どうぞ御了承おきを願います。
#50
○館委員 條文についての理解を得たいという意味で質問をいたします。第五條の「免許、許可または認可には、條件を附することができる。」ということです。はなはだなさけない話でありますが、免許、許可、認可ということはどういう區別があるのかということと、もう一つは、條件を附することができるということですが、この條件というものは大體概略においてどういうことを意味しておられるか。それから、どこで、どんな機關によつてこの條件を決定されるか、ということを伺いたいと思います。
#51
○郷野政府委員 お答え申し上げます。免許は、この法律におきましては、事業經營の免許でございまして、新しくこういう權能を附與する行政行為でございます。許可は、一般に禁止しておりますことを、禁止を解除する行政行為という意味に使つております。認可は、その認可が法律上の効果を發生する條件になつておる場合におきまして、認可という用語を使つております。そうしてこれに「條件を附することができる。」というふうになつておりますが、從來條件を附した實例といたしましては、自動車運送事業を開始するにあたりまして、道路の一部が非常にぐあいが悪いというような場合におきましては、運轉の安全その他必要な營業上の條件を滿たしまするために、道路の改修を條件とするような例がございます。また道路の全面的な改修をいたさないまでも、特に待避所につきまして、何百メートルおきかに行違いができるような設備をするというようなことを條件とする例もございます。なお道路の一部補修の悪いような場合におきましては、補修の程度を高めまして、運轉の安全を確保するようにというような條件を附した例もございます。なおまたいろいろ停留所の設備その他につきましての條件を附したような例もございます。それらの條件は、それぞれ免許、許可、認可につきまして必要の最小限度において附せられるのでございますが、これを附する場合にあたりましては、おのおの免許、許可、認可につきまして權限をもつております行政廳におきまして、それぞれの手續をとります。この行政行為をいたします場合に、それに應じまして、必要な手續がとられ、またその條件につきましても同時に手續がとられることになります。從いまして、新規の事業の免許でありますと、これにつきましては第十二條によりまして、主務大臣が免許することに相なりまするが、やはりその際道路運送委員會に意見を徴することになつておりますので、條件の點につきましても同時に道路運送委員會の意見を徴することになろうと考えております。
#52
○館委員 そういたしますと、この條件というのは、十二條に規定されたもの以外における實際上の個々の問題についての條件を指しているわけですね。そう解釋してよろしいですか。
#53
○郷野政府委員 十二條に掲げられております第一號ないし第六號の「左の場合を除いては、」というのがございますが、これには關係ございません。そうしてこの條件と申します言葉は、少し性質が明瞭がございませんが、實際におきましては、免許につけられました指示――インストラクシヨン、こういうふうな意味に解すべきものと存じております。
#54
○館委員 指示ということでありますと、これは省がそのときの諸事情を考慮した上でこれから營業を開始しよう、あるいは路線を新たに開始しようというときの條件として、運輸省自身がこれに指示するということになりますか。政令という形だとそういう形でいくのでなくして、單に覺書という形でいくのですか。
#55
○郷野政府委員 この第五條の條件を附すると言いまする意味は、個々の行政行為につきまして考えられる問題でございまするので、この條件を附するということも一つの行政處分であると考えるのでございます。從いまして政令その他法規においてきめてありまする問題とは、おのずから性質が違うのでございます。
#56
○館委員 次に第五條のことですが、「必要があると認めるときは、道路運送事業者」とありまして、その次に「その他車輛を所有し、若しくは使用する者」、この意味の自動車は自家用自動車というような部面についての意味なんですか。
#57
○郷野政府委員 御説の通りでございます。
#58
○館委員 そのあとにさらに「自動車道事業者又はこれらの者の組織する團體」とありますが、これらの者の組織する團體ということについての理解を得たいと思う。これが附則第四條で「自動車運送事業組合及び自動車運送事業聯合會は、解散する。」というのでありますが、それ以外にこれらの者の組織するところの團體というものの理解を得たいと思います。
#59
○郷野政府委員 附則の第四條によりまして、現在あります事業組合竝びにその連合會は解散することになります。從いまして統制組合でありまする現在の組合は、この法律の施行に伴いまして解散いたしましてなくなるのでございます。ここで第六條に掲げてありまする「自動車道事業者又はこれらの者の組織する團體」と申しておりまするのは、現在ありまする統制組合であります組合、またはその連合會がなくなつたあとにおきまして、新しく任意的な組合といたしまして、これらの者が團體を組織するというふうな場合がありましたときにおきまして、その團體に對しまして届出、報告、書類の提出を命ずることができる。かようにいたしたいというふうに考えましてこの規定をおきましたので、現在ありまする統制組合が解散いたしましたあとにおきまして、どういうものが出てくるかということにつきましては、ただいまはつきりした豫想はいたしかねるのでございます。アメリカの例を見ましても、いろいろこういう業者の國家的な全國的な團體もございますし、任意の組合といたしまして、何ら強制力をもたない自治的な組合でありましたならば、そういう組合の出ることは、私どもといたしましても望ましいことであると考えております。
#60
○館委員 ついでに附則の四條に關連してのことで、お許しを願いたいのでありますが、連合體その他を解散せしめるということの根本意義について、ちよつと御説明を聽いておきたいと思います。
#61
○郷野政府委員 現在あります自動車運送事業組合及び自動車運送事業組合の連合會は、これは戰時中におきまして、統制會方式によりまして各種の業界が統制せられたのでございますが、その際に自動車運送事業につきましても、同じ考え方から統制會方式によります組合ができ上つておつたのでございます。これが戰爭終了の現在におきまして、存在することが許されないのは當然でございます。從いましてこの組合の解散を早くいたしたいと思つておつたのでございますが、ちようどこの道路運送法案を立案いたしまして、新しく道路運送についての法規も整備していただくというふうな機會も考えられておりましたので、この機會にこれらの組合を解散いたしまして、新しきスタートをもつて民主的に出直すというふうにいたしたいと考えておつたのでございます。しかしながら實際の組合の運用におきましては、現在自動車交通事業法におきまして、これらの組合の根擔になります法規がございまして、戰時中の規定の名殘りを止めておりますが、終戰後ただちに、この組合の從來行つておりました統制的な仕事につきましては、そのやり方も改めまして、現在すでに法律に定めておりますような運用はいたしておりません。現在の法規におきましても、實際の運用はできるだけ民主的な、自主的な、任意的な組合という心持で、すでにその運用に當つておる次第であります。
#62
○館委員 この戰時的な統制團體を第四條によつて省くということはよくわかりました。
 その次に任意的に組織する團體というものは、そういう性質を蔕びない何かの形によつてできるものであろうと想像いたしますが、それはさておいて、地方的に各自動車會社が統制されて廣範圍において一本の營業體を組織しておる。そういうのも戰時中においてのそのときの一つの國の方針として強いてやられたという場合が、個々に見ると必ずございます。また實際そうやつてみて、戰時型であつても都合のよい場所もあるかもしれませんが、個個に見て配合の悪い場所に對しては、どういうふうにお考えになりますか。
#63
○郷野政府委員 自動車運輸事業を經營しております企業の統合につきましては、戰爭前から、これを逐次實施いたしまして、専業の經營の基礎を強固にし、公益事業といたしまして、眞に公共の福祉を増進するという見地から、その使命を達成できるような形態にもつてまいりたいということで進めてまいつていたのでありますが、戰爭中資材の關係におきましても、いろいろ窮屈になつてまいりました。しかも輸送を確保しなければならぬ面におきまして、一層その使命の重大性を加えてまいつたというような状態もありまして、統合を一段と強化してまいつたということは確かに事實でございます。しかるに戰爭後の今日におきましても、資材の關係におきましては、たびたび申し上げまするように自動車の車體の面におきましても燃料、タイヤ、その他の運營に要しまする消極的な資材の面におきましても、非常に窮屈でありまして、この點におきましては戰爭中となお大差ないような状態でございます。從いまして私どもといたしましては、戰爭中統合いたしましたこれらの會社につきましても、現在戰爭の目的遂行という點におきましては全然情勢は變つてまいつております。しかしながらこの資材の乏しいときにおきまして、できるだけ會社内におきまして資材の融通をいたしまして、重點的な輸送を確保していくという面における必要はなお變りないものと考えております。從いまして特殊の事情のございません限り、一應現在におきましては、これらの企業體につきましても現在の形態をもとといたしまして、これからも經營をしていくということが現状においてはいいのではないか、かように考えておる次第でございます。
#64
○館委員 その統合が非常に無理のある場合がありまして、少い車輛を統合して、そして廣範圍にわたつて分布しながら一面からいうと全部の地域の人に輸送の均霑を與えておるのであるが、しかしこれを一局部に集中するというと非常に都合のよう場合ができてきたり、あるいはまた地域的にほとんど獨立しておるのだけれども、そういう形になつておるのだけれども、そういう形になつておるために、營業が非常にしづらいという場合も生ずるかとも思うので、これはひとつその地域ごとに――ここに論議としても始まりませんので、十分に研究していただき、一般問題でなく、そういう場合には十分なる考慮を拂つていただけるものと私は解釋したいのであります。
 次にこの章に關連してお聽きしたいのは、「都知事又は當該市長の意見を徴しなければならない。」という最後の言葉で結んである二十九條ですが、このことに關連して、「都知事又は當該市長の意見を徴しなければならない。」これは事業區域が東京都の區の存する區域内又は改令の定める市の區域内に限られての話でありますけれども、この場合に第八條の委員會の答申、たとえば東京都ならば東京鐵道局管内における委員會の答申以外に、あるいはまた都知事、そういう者の意見を求めているのでありますが、この關係はどういうふうに解釋してよろしいかという質問であります。
#65
○郷野政府委員 二十九條の規定によりまして、都知事または當該市長の意見を徴しなければならないということになつております場合におきまして、第八條の規定によりまして道路運送委員會の意見をも徴さなければならないという場合におきましては、おのおのこの條項によりまして二つの立場におきまして都知事または當該市長竝びに道路運送委員會の意見を聽くということになるのでございます。從いまして兩方の意見を聽きまして、運輸大臣をの他行政廳は、これに對しまして行政處分をするということになります。
#66
○館委員 東京都の場合でありますと、中央道路運送委員會があり、さらに東京鐵道局管内における地方道路運送委員會があつて、これに選ばれて出る委員の人たちは、東京都その他政令の指定する地域というような特殊體の條件をも十分認識した上での委員である。こういうふうに考えるのであつて、これだけの段階で差支えないかと思われるんですが、それに特別な條項を入れたという意味をどう解釋しておられるか、お聽きしたい。
#67
○郷野政府委員 二十九條の規定は東京都の區のありまする區域内竝びに特に政令で規定いたしまする市というようなものにつきましては、これが一つの公共團體といたしましては、非常に家族的なつながりをもつた緊密な關係にありまする團體でありますので、その區域内における乗合自動車の運輸營業というようなものにつきましては、特に都知事あるいは當該市長の意見を徴しまして、その家族的團體であります都あるいは市の意向を十分に參酌したいということから、二十九條の規定を設けたのでございます。すなお二十九條のような考え方はアメリカの輸送の行政におきましても考えられておるようでございまして、市内の輸送につきましては市長の意見というものが、非常に重きをなして取扱われているようでございます。その考え方をも參酌いたした次第でございます。東京都の例について考えますと、ここで二十九條の規定によりまして都知事の意見を徴しまするのは、區の存する地域内でございます。從いまして東京都全體についての問題ではございません。從つて東京都の區の存する地域内につきましては、東京都という一つのまとまつた團體の意見を特に重視していきいたというが趣旨でございます。從いまして他の行政處分につきましては、必ずしも道路運送委員會にかけませんが、免許のときというような場合につきましては、東京都知事の意見も聽き、なおまた道路運送委員會の地方委員會の意見、中央委員會の意見を聽くということになるものと存ずるのであります。
#68
○田村委員 そうすると、東京都以外の各府縣道に對するところの一般乗合自動車は、その府縣知事の意見は聽かなくてもいいということになるのでありますか。
#69
○郷野政府委員 道路運送委員會におきまして、免許に關しまして意見を聽かれます場合におきましては、それぞれ都道府縣知事の推薦にかかります委員も出ておることでございますので、これらの委員を通じまして、道路運送委員會は十分に各都道府縣の意向を反映させることができると考えます。なお實際のこれらの行政處分につきまして、特に必要のあります場合におきましては、第八條の規定によりましても、利害關係人、その他各方面の意見を聽いてこれを決するということになつておりますので、必要に應じまして、道路運送委員會は積極的に都道府縣知事の意見を聽く場合もあるかと考えます。
#70
○館委員 東京都の存するところという意味がちよつと理解できないのですが、それをお話願いたいと思います。
#71
○郷野政府委員 東京都の區の存する區域内と申しますと、現在あります二十三の區でありますが、この地域内でございます。この關係におきまして都知事の意見を伺いますのは、これらの區の區長の意見をとりまとめて伺うという意味におきまして、都知事の御意見を伺うのでございまして、東京都の管内全般に關して責任を負つておられる都知事の、全般的な問題としての御意見を伺うという趣旨ではないのでございます。
#72
○館委員 やや明瞭になりましたが、そうしますと、現在東京都というような所には、都それ自身に、いわゆる交通關係の委員會とか何とかいうものが存在しておるかもしれませんが、そういうものの意見と、今度新たにできる本委員會の意見とが、實際においては非常に重複するきらいがあつて、實際の運營の面においては非常にごちやごちやするのではないかという氣持があります。この點についてのお考えはどうでしようか。
#73
○郷野政府委員 都長官が意見を述べられる段階といたしまして、どういう手續をおとりになりますか、内部の關係につきましては直接考えていないのでございますが、この二十九條の規定におきましては、都知事の意見を徴することになつておりますので、都知事の意見を伺えばそれで足りると考えております。
#74
○館委員 その邊のことは實際問題として、殊に交通事情の複雑な大都市においてはめんどうなことになつて、道路運送委員會の仕事も從つて牽制されるというか、やりづらいというか、なかなかめんどうな問題になりやせぬかということを危惧するのであります。
 それから第八條のところですが。中央道路運送委員會及び地方道路運送委員會と二つにわけてあります。これは地方道路運送委員會に諮問した事柄が、さらに中央道路運送委員會に諮問で濾過されるのかどうか。その權限についてお伺いいたします。
#75
○郷野政府委員 この點につきましては次のように考えております。中央道路運送委員會においては、中央の行政官廳が行いまする行政處分につきましての諮問に應ずるものと思います。地方におきましては、やはり地方の行政官廳のもつておりまする職權につきまして、地方道路運送委員會に諮問されるものと考えております。しかしながら實際の運輸におきましては、中央の道路運送委員會が意見を述べまするにあたりまして、やはり内部におきましては、地方の意見も十分に聽くものと考えております。
#76
○館委員 全國の鐵道局所在の各道路運送委員會からいろいろの希望とか意見が出てきて、それが相反するものが出てくる場合の取扱方、これはどうしても中央道路運送委員會か何かで濾過しなければだめだという氣持を私は多分にもつておる。そればかりでなく、いろいろ地方においての請願事項、あるいは免許事項ということで、中央の行政官廳が始末をしなければならないものが數多く雜多に出てきた場合に、地方の委員會できめたところで、中央が何とかしなければならない。かような事柄について、中央道路運送委員會が濾過しなければなるまいと思いますが、その權限のあり方については、ここで明示していないようにも思われます。
 それからもう一つ、「中央道路運送委員會及び地方道路運送委員會とする」というあとにおいての言葉の使い方は、全部道路運送委員會と書いてあつて、中央とも地方とも書いていないが、これは兩方を含めておるかということも、ついでにお尋ねしておきたいと思います。
#77
○郷野政府委員 お話のごとく、地方の委員會におきまして、いろいろと地方地方によりまして意見の違う場合もあるかと思います。これらの問題につきましては、結局中央官廳の職權に属する事項として現われてまいりまする場合におきましては、いずれ中央の道路運送委員會に意見を求められることと存じますので、中央の道路運送委員會においては、これらをとりまとめまして意見を述べられるものと考えられます。
 なお次にお話のございました道路運送委員會と申しておりまする場合におきましては、中央、地方を含めまして考えておる用語の使い方であります。
#78
○館委員 そういうことを考えてみまして、中央道路運送委員會と地方道路運送委員會との仕事の分野を、別々に立てて考える必要がないかということを述べてみたい。たとえばこの權限です。第一番目の「この法律を改正する法律及びこの法律に基く政令案の立案竝びにこの法律に基く命令の制定及び改正」これはこの間論議になつたことでありますが、こういうような事項については、どちらかというと中央道路運送委員會に對する諮問として掲げたらば、比較的無理のないことになるのではないかという氣持もいたすのであります。これは法律の改正は國會の委員會に提出しなければならないのを、先にこの委員會に行くのは少しおかしいじやないかという發言があつたようでございます。政府はこれに對して、これは一面公聽會的な形を先にとつておいて、法案を練るために參考意見を聽くのだというお話があつた。いずれでもよろしい。とにかくこういうような事柄は、當然地方道路運送委員會よりも、もつと廣汎な力をもつておると思われるところの中央道路運送委員會の權限としておいた方が、そういうことが非常に無理のない法文の作成になるのではないかと考えられるのでありまして、當然前述べたような權限の問題が出てくるのでありますから、この第八條において全體的にお考えになつたらどうかと私は考えるのであります。さらにこの條文の中に公務所という言葉をたくさん使つてありますが、公務所というのは何を指すかということも、ついでに質問しておきます。
#79
○郷野政府委員 私の先ほどの答えは説明が足りませんので、あるいは御了解を願うのに不十分であつたと存じます。道路運送委員會とここに書いてございまするのは、もちろん先ほど申したように、中央、地方兩方の委員會を包含した意味でございまするが、おのおの道路運送委員會について規定せられておる事柄については、その事柄いかんによつて、性質上中央の委員會だけにしか問題にならないような事項と、そうでないものとあるわけでございまして、この第一號にある、この法律を改正する法律案及びこの法律に基く政令案の立案というようなものについては、性質上もちろん中央道路運送委員會のみが意見を徴せらるべきものであると考えます。これらの點につきましては、この第三項の一番初めにありまする行政官廳は左の事項で重要なものについて道路運送委員會の意見を徴するということになつておりまするが、先ほど申しましたように、行政官廳のおのおの職權によりまして、中央道路運送委員會に諮問するもの、地方道路運送委員會に諮問するものということが、次に掲げておりまする五つの事項につきまして、おのずからわかれてまいるのでございます。
 次にお尋ねのございました公務所という言葉の意味でございまするが、これは官公衛というような言葉よりはさらに廣いのでございまして、官公衛の派出所あるいは駐在員のおるところというようなものから、さらに學校のようなものまで含めました、最も廣い觀念であると御承知願いたいのであります。
#80
○田村委員 先ほどの御答辯によりますると、東京都知事以外の各府縣の知事の意見は、その府縣から出ておる道路運送委員會の委員の方でよく調査をして連絡してくれたならばというお話であつたのですが、道路の管理者に對しては意見は聽かなくてもいいのかどうか、その點をお伺いいたします。
#81
○郷野政府委員 自動車運送事業が、道路との關係におきまして密接な關係がございますので、道路の使用の點につきまして、實際に運行が可能であるかどうかというような點につきましては、行政處分をいたしまする場合に、それぞれ必要に應じて、實際に連絡をとつて仕事を處理してまいるかように考えております。
#82
○田村委員 必要に應じてということでありますけれども、これは先般衆議院を通過しました國家賠償法によりますと、管理者が損害賠償の責を負うということになつておるのであります。從つて道路の管理者、たとえば府縣道あるいは國道であつても、縣知事が管理するといつたような場合に、結局それに橋梁その他道路に何か管理上の失態があつたという場合には、ただちに乗客なりその他の人から、管理者が訴訟の一つとして損害賠償で訴えられる。そうなつてくると、そういうような自動車事業の免許の場合において、その方へは論見を徴せずして、運輸大臣その他國務大臣が免許する。何かあつたときには損害賠償の責任はその管理者が負うということになつてきますから、そういう點を考慮して、やはり一つの條件の中に入れた方がいいのではないか。殊にまた各縣から出る運送委員が一人ということになつておりますが、これも私は多少意見がありますけれども、これが運輸省の今の御構想のような事業者もはいつてもいいということになつておると、從來の業者の意見と地方民の意見というものとが對立した場合に、縣民の世論というものを地方の行政官廳の代表者たる人から聽くことができないということもありますし、また一面府縣道ということになつてきますれば、その府縣がその道路の改修費をもたなければならぬ。そうしたいろいろな意見から言つても、やはり道路運送委員というもののほかに、道路管理者あるいは府縣知事といつたようなものの意見を徴することの必要な場合が非常に多いのではないかと思うのでありますが、そうした點についての御所見を伺います。
#83
○田中(源)政府委員 ごもつともな御質疑だと思います。賠償の對象は立法上から申しますと、事業主である當該大臣と、それからその事故の發生原因にもよりますけれども、大體地方長官、道路法によりますと兩方を相手として損害賠償の對象となし得るわけであります。今お説のようにこの道路委員會の員數は別としまして、あらゆる道路管理者である府縣知事、また當該道路を改修すべきところの一般の財政を扱つておる自治體の首脳である知事というものに對しては、各般にわたる諮問なり協議は、當然その委員會が直接いたすべき筋合のものでありまして、自然運用の面においては、お説の通りに行われることが當然でありますから、さよう御了承願つて差支えないと思います。
#84
○前田(郁)委員 私は道路運送委員會について一言お尋ねしたいと思います。今後この法案が實施されるというと、最重要な立場になるものはこの道路運送委員會であると思うのであります。そこでこの道路運送委員會の運用であるとか、いろいろなことは政令でおきめになつていると思いますが、この政令についていろいろ私ども委員の仲間で意見があるのでございまして、この意見をば取入れてくださる意思があるのでありましようか、それを先にお聽きしたいのであります。
#85
○田中(源)政府委員 政令制定に關しての當委員會の各位の御意見は、委員會の決定によつて御意見を提出願いまするならば、當局としてその意見において政令の上に必要である面につきましては織りこむことに決してやぶさかでないのでございます。それを御了承願います。
#86
○前田(郁)委員 ただいま政務次官の御意見でよくわかりました。私まことに滿足に感ずる次第であります。なおこれから皆様の意見も出ると思いますが、ちよつと私この中で、本日時間がございませんが、お尋ねしたいと思いますことは、この委員推薦でございます。これは相當大きな政治問題になつてくるのではないか。御承知の通り、都道府縣知事というものは公選でございまして、各派が選擧のときは血みどろになつて闘つて當選を得るというようなわけでありまして、政黨の關係とか、いろいろな關係においてこの知事の動きは微妙な關係になつてくるのではないかと思います。このときにこの政黨を背景とする知事がただ一人の候補者を推薦するということは、なかなか困難な問題ではないかと思います。でありますから、私どもはこれに對しましては、三人くらいのりつぱな優秀な方をまず縣の代表者として推薦してもらつて、そのうちから當局が最も適當なる公平な人間であるという者を選び出すような、そういう仕組にすることが最も適當ではないか、こう考えておるのであります。その他委員の選定方法につきましてもいろいろ刑餘者であるとか、官吏はいけないとかいうことがありますが、このことはなお今日は時間もございませんので、いろいろと私ども研究してお願いいたしたいと思いますから、十分にひとつ研究していただきたいと存じます。殊に將來地方のいろいろな政治問題がこの道路運送という面に現われてくるわけでありまして、この道路運送委員會の使命はまことに重大であるから、この政令をおつくりになる場合も、將來の見透しを十分につけていただきまして、そうしてお互いが國家のためにも、また地方のためにもなるような方法で、この政令を定めていただきたいと考えます。
#87
○正木委員長 本日はこの程度にして次會に審議を讓りたいと思いますが、いかがでしよう。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○正木委員長 では本日はこれにて散會いたします。
   午後三時五十五分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト