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1947/10/06 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第24号
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1947/10/06 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第24号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第24号
昭和二十二年十月六日(月曜日)
    午前十一時十六分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 高瀬  傳君 理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    館  俊三君
      成重 光眞君    志賀健次郎君
      橘  直治君    原   彪君
      堀川 恭平君    矢野 政男君
      山崎 岩男君   岡村利右衞門君
      田村 虎一君    中野 武雄君
      飯田 義茂君    前田 正男君
 出席政府委員
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   郷野 基秀君
 委員外の出席者
        專門調査員   岩村  勝君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 道路運送法案(内閣提出)(第四七號)
    ―――――――――――――
#2
○正木委員長 會議を開きます。
 これより前會に引續き、道路運送法案を議題として質疑にはいります。本日は第二章の各條項の審査を繼續いたします。
#3
○前田(郁)委員 私は先般道路運送委員會と當委員會との關係についてお尋ねいたしたのでありますが、もう一つ進めてお話を承りたいと思うのであります。それは今後のいろいろな陳情、請願等の問題でございます。相當の數の陳情、請願がありますし、また種類においても多岐多樣でありますが、當委員會においてその請願を決定いたします。その場合に、道路運送委員會というものがありまして、これにもその問題を付議されることになるわけでございますが、その場合におきまして、この委員會の採擇したものに對して重點を置れるのでありますか。また道路運送委員會の決定したものをば重點的に取上げていかれるのであるか。そういう點をよくお聽きしておかないと、將來この委員會の請願に對しての決定が何らの權威がないということになります。そうなると將來においてこれが非常な禍をなすことになりはしないかと思いますが、將來この道路運送委員會が設置された場合に對する政府の取扱方を一應お尋ねいたしたいと思います。
#4
○郷野政府委員 道路運送委員會は、前囘も御説明申し上げましたように、これは行政部の諮問機關でございます。從つて、ただいまお話のございました國會で御審議になりました陳情、請願等の取扱方につきましての御意見は、關係の行政廳といたしまして、行政運營の面におきまして、特に重視してこれに從つて行政運營をやるべきことは當然でございまして、從つて道路運送委員會が行政府の諮問委員會といたしまして意見を述べまするにあたりましては、やはり同じ立場におきまして、國會の意見というものは十分に道路運送委員會におきましてもこれを承知いたしまして、意見を行政官廳に述べるということになるべきものと考えております。
#5
○前田(正)委員 先ほどと關連した質問でありますが、縣會におきまして、いろいろやはり交通關係の委員會があるようであります。そういう方面の地方の小委員會と、この道路運送委員會との關係はどういうふうにいたしておりますか。實はいろいろこういう行政あるいはまた立法上の問題につきまして、委員會はさらに殖えて、國會でありますとか、地方の常任委員會との間にいろいろと意見が異なるというような場合が生じてくるのではないかと私は考えられるのでありますが、そういつたものに對して一體當局はどういうふうにお考えになつておるか、お伺いいたします。
#6
○郷野政府委員 道路運送委員會と、地方の府縣會等の交通委員會があるといたしますれば、こういう機關との關係につきましては、法制上は、形式上直接のつながりはもつておりません。しかしながら道路運送委員會はこの諮問事項に對しまして意見を述べるにあたり「事件關係人又は參考人に對し、出頭を求めてその意見又は報告を徴しなければならない。」という規定もございまするし、これらの問題につきまして意見を述べるにあたりましては、廣く各方面の意見をできるだけ徴しまして、公正な意見を述べることに相なつております。この場合におきまして、特にただいまお話の府縣會の交通委員會というようなところの意見につきましては、道路運送委員會としてはこの點に顧慮を拂いまして、その意見は十分參酌すべき職務上の義務が一般的に申してあるものと考えます。從つて特にこれらの府縣會等におきまして御意見があるようでございましたならば、道路運送委員會はそこの御意見を徴しまして、これを答申の際に參考にすることは當然努めてまいらなければならないものと考えます。
#7
○前田(正)委員 これに關連したことでありますが、このうしろの章に當る十二條の第六項の「公正の福祉の反する結果を生ずるような競爭がひきおこされる處のある」ということは、これは大臣が認定されるようになつております。これはやはり道路運送委員というものができた場合には、多少ここに相談する必要があるのではないかと思います。これは大臣が認定をする場合には「左の場合を除いては」となつておりますが、このおそれのあつた場合には、地方の委員會とかの意見を聽かなければならないと思いますが、どうですか。
#8
○郷野政府委員 第十二條の第二項に「主務大臣は、前項の基準に適合する申請があつたときは、左の場合を除いては、事業の免許をしなければならない。」というふうに規定されておりますが、具体的に事業の免許をするかしないかという場合につきましては、道路運送委員會の第八條の規定によりまして、主務大臣は諮問をしなければならないことになつております。從つて道路運送委員會がこの諮問に應じまして意見を述べるにあたりまして、この十二條の規定によりまして、ここに第二項に掲げられております六つの場合に該當するかどうかということにつきましても、道路運送委員會は自分の意見を立てまして、これに基いて大臣その他行政官廳に意見を申し述べるということになるべきものと考えております。
#9
○田村委員 この條文は、道路運送委員會というものをつくつて民間の聲を聽き、民主的に道路運送をやつていこうという趣旨が、この法案の上によく現われておるのであります。そこでこの道路運送委員會というものの職責が非常に重要になつていく。その道路運送委員は知事が推薦をするということになつておるのでありますが、この法案の各種の下級官廳の責任と、それから施行令、政令の要網案と對照してみますと地方長官、府縣知事の權限が非常に縮少されておるのであります。たとえば輕車輌を用いて貨物の運搬をなす。いわゆる牛車、馬車のごときものまで鐵道局長であつて、こういうふうに民主的にやるということは非常によいことでありますが、結局府縣知事は國道を管理する當面の責任者である。道路その他橋梁に對する施設の管理に缺陷があつた場合には、そのために事故が生じたときた國家賠償法案によつて縣自體が第一の損害賠償の被告になつてくるわけでありますが、こうしたような重い責任をもつております道路管理者、いわゆる府縣知事の立場になつてみると、何か缺點があれば、ただちに損害賠償を受ける。そうしておいて事業に對する權限は非常に縮少されておると思うのであります。それは結局府縣知事の推薦する道路運送委員會において、その意見を十分述べられるからという御答辯が先般あつたのでありますが、そうしたことでは不完全で、この政令案の内容と、この法案の各種の下級官廳との仕事とを對照してみますと、少くともこの道路管理者の府縣知事の權限をもう少し擴大して、これに對して廣範圍の委任行政をする必要があると思うのでありますが、當局はその點はどういうようにお考えでありますか。
#10
○郷野政府委員 現行の自動車交通事業法におきましても、道路管理者との關係におきましては、その施行規則におきまして、免許の申請書を行政官廳が受付けました場合には、都道府縣知事に對しましてその寫しを添え、一般の道路及び一般通行の用に供する道路に關しまして、期限を指定して管理上の意見を徴するということになつております。從いまして今後において新しい法律によりまして、これらの事務をとつてまいります上におきましても、もちろん道路管理者に對しましては、その管理上の意見を徴しまして、道路管理者の道路管理上の意見と、事業に關しまする免許などの行政行為との關係におきまして、相互の關係におきまして、相互の關係は十分に保つてまいりたいと考えております。從いまして同樣に施行規則におきましてはこういう規定を設けたいと考えております。なお一般的に申しまして、道路管理者といたしまして、御指摘のごとく道路を使用する者に對しまして、安全な使用ができるようにこれを保守維持いたしますることは、道路管理者の責任であろうと存じます。從いまして自動車の交通に對しましても、一たび道路管理者の意見を徴しまして免許をいたしました上は、道路管理者といたしましては、この上を運營いたしまする自動車の交通に對しまして、その安全を維持していくように保守すべき責任があると存じます。從いまして道路管理者の意見というものは、實際これらの事務の取扱いの上におきましては十分に重きを置いて連絡をとつてまいるつもりでございます。
#11
○田村委員 この輕車輌による旅客運送の場合で、たとえば馬車のごとき――自動車は八人以上と以下によつて行政官廳が違うのでありますけれども、馬車は八人以上十人、十五人も乗れる場合が多いと思うのであります。しかし馬車は人數が多くても、自動車の取締りとよほど取締方針が違つておるのでありまするが、將來この大型の馬車と申しまするか、八人以上の定員を有するところの輕車輌の旅客運送に對しましては、やはり施行令にあるような方針でお進みになるつもりであるか。そこに自動車のごとく區別をつける必要はお認めにならぬのですか。
#12
○郷野政府委員 乗合馬車につきましては、自動車におきまするがごとく、特に大型のものの出現も豫想されないのでございます。おのずから乗合馬車につきましての大きさいうものも、現状におきましては一應の想像がつくのでございます。從いまして乗合自動車におけるごとく大型のものの出現も豫想されませんので、乗合馬車につきましては定員によりまして、これを區別するというようなことは考えないで參りたいと存じます。なお乗合馬車の行政につきましては、府縣知事にこれを委任してまいりたいと考えております。
#13
○館委員 簡單なことでありますが、第十一條で「自動車運送事業を經營しようとする者は、命令の定めるところにより、事業計畫を定め、主務大臣の免許を受けなければならない。」「前項の免許は、前條に掲げる種類ごとに、これを受けなければならない。」となつております。これは一つの會社がこの前條の各條項を二つ以上あるいは三つ以上というふうに二重免許が受けられるのでありますか。
#14
○郷野政府委員 その必要のありまする場合におきましては、二種以上の業種につきまして免許を受けられることになります。
#15
○館委員 その場合に、これは政令できめるだろうと思いますが、業者の所有する、たにえばトラツクならトラツクを會社が二重の免許をとつた場合に、トラツク個々についての使用に對する、區別してトラツクを使うというような指示が何かを與えますか。それとも同一のトラツクが二重の仕事をやれることになりますか。その邊を伺いたい。
#16
○郷野政府委員 ただいまお尋ねの問題につきましては、事業計畫を定めまして主務大臣の免許を受けるということになつておりますので、この事業計畫におきまして、どういう仕事に對し、どれだけの車輌を配置して、どういう運轉系統、どういう運轉時刻、あるいは運轉囘數を設定して事業をやるかということにつきまして、具體的にこれを事業計畫に定めまして免許をすることになりますので、お話しのような點は事業計畫において明らかになつております。
#17
○館委員 少いトラツクをもつていろいろの免許をとつているために、その會社が非常に能率が上らないという場合が往々にしてみられるのじやないかと思いますから、その點について十分な御注意を願いたいと思う。たとえばトラツクが區間營業をやる都合、あるいは區域營業をやる場合に、少いトラツクで兩方とももつている場合が生じてくる。その場合には事業計畫をもちろん省において檢討されることであろうと思うが、そういう場合についての危惧をここで申し上げたわけであります。免許をせられる場合に、やたらに能力以上の路線を獲得させるという意味において、從來は悪く推量されておつたのでありますが、現實にまた業者としては、路線獲得という問題が重大な問題でありまして、なるべく多く獲得しようということが營利事業から見れば當然なことでありますけれども、その能力というものにいかなる條件をこしらえられるか、そこに質問の重點をおいたのであります、その邊十分御注意を願います。
#18
○矢野(政)委員 簡單にお伺いいたします。特定自動車運送事業の中に第三にありまする特定積合貨物自動車運送事業、この點であります。過日來の御説明のときに伺つたのでありますが、この項目にほとんどこの事業は該當するものがなかろうというような御説明であつたのであります。もし該當する事業がないといたしますれば、この項目は必要ない。こういうふうに考えるのでありますが、この點をお伺いいたします。
#19
○郷野政府委員 お話の通り、この特定積合貨物自動車運送事業につきましては、こういう例は今後におきましてもさしあたりのところ、多くはなかろうと考えます。しかしながら今囘第十條におきまして自動車運送事業の種類を規定いたしまするにあたりましては、各種の今後豫想せられまする業種に對しまして、包括的にすべてが含まれるような規定を設けまして、自動車運送事業の今後の自由な發展を期待いたしたいという考え方から、こういう分類をとつたのでございます。從いましてこれらの業種のものの一部につきまして、現在あまり發逹してないというようなものがございましても、あるいはこれが將來發逹してまいるというような可能性もないわけではないと存じまするので、こういう點、一應全部包括できるようにいたしたいと存じます。なお現在におきましても、郵便の輸送につきましては特定積合はあり得るものと考えております。
#20
○正木委員長 第二章については、質疑もないようでありまするから、第三章自動車運送事業の各條項の審査にはいります。質疑はこれを許します。矢野政男君。
#21
○矢野(政)委員 ただいまの特定積合貨物自動車のことにつきましてお伺いいたします。そういたしますと、現在これに該當いたしますものは、郵便車は該當いたすことになりますか。なお將來この類に屬する事業といいますと、どういう點をお考えになりますか。
#22
○郷野政府委員 お話のごとく郵便遞送につきましては、この業種に該當するものであると考えます。なお今後におきましては、具體的にはつきりいたしました豫想を立てておりませんけれども、こういう面におきまして、旅客の乗合のごとく、貨物におきましてもこの業種の發展し得るべき一つの素地をつくつておきたい。かように考えおる次第でございます。
#23
○前田(郁)委員 第十條の特定自動車運送事業というのでありますが、これはどんなものを指すのでありますか。
#24
○郷野政府委員 特定自動車運送事業につきましては、二號の特定自動車運送事業の下に、括弧の中にこの事業の説明をいたしておるのでございまして、特定の人の需要に應じまして、特定の旅客または物品を運送する自動車運送事業と言うという定義でありまして、運送契約の相手方を特定する必要がありますると同時に、運送の客體であります旅客または物品につきましても、一應これが特定されておるという必要があることにいたしております。こういうふうにいたしまして、運送契約に、仲介者を設けることによりまして一般の旅客または物品を運送するというようなことのないようにいたしたいと考えております。具體的の例といたしましては、これはアメリカで非常に發逹しておるようでございますが、學校のバス――スクール・バスというのがございます。こういうものでございますとか、あるいは工場のバス、これは工場の通勤用のバスでございまするが、こういう種類の事業について考えられると存じます。この特定事業を特に一般の事業と區別いたしましたのは、前に御説明申し上げましたように、一般事業におきましては一般人の需要に應じまして自動車運送事業を行うということになりまして、特に公益性も強いということになりまするので、特定事業とこれを區別いたしまして、特定事業につきましては、一般事業に對すると多少規定の適用の面におきましても、差を設けていいのではないかということを考えられまするので、一通りに區別をいたした次第でございます。
#25
○前田(郁)委員 そうしますと、これは以前に各デパートなんかでお客樣を送り迎えしておりましたが、ああいうものも含むものでございましようか。またこの特定自動車というものは、やはり最近のうちに免許される意思があるわけでございましようか。ただこういうわくをおこしらえになるというわけでございましようか。その點をちよつとお伺いしたい。
#26
○郷野政府委員 お話のようなデパートの客を送輸いたしまする事業というようなものも、この觀念のうちにはいると考えます。具體的にこれらの業種のものにつきまして免許するかしないかということにつきましては、今後の資材などの需給の情勢なども考えまして、實際にそういう輸送需要に對しまして、これを輸送する機關を設ける必要があるかどうかということもよく考えまして、今後その情勢に應じまして考えられる問題だと存じます。現状におきましては、あまり多くこういうものを急激に認めていくということはとうてい困難ではないかと考えております。
#27
○前田(郁)委員 次に第十二條でございますが、十二條の「自動車運送事業の免許に關し妥當な基準を定め、これを公示しなければならない。」ということがございますが、妥當な基準というのは大體どんなものでありますか。それをお尋ねします。
#28
○郷野政府委員 ここでは妥當な基準といたしまして、基準につきましては、結局公益事業といたしまして、その公益性を十分に滿たしてまいることのできる力をもつということが基準になるのであります。從いまして車輌の數でありますとか、從業員の數でありますとか、資本でありますとかいうものにつきまして、考慮がされることになると存じますが、結局各事業につきまして現實に行われます場所における運輸數量、交通需要というようなものと關連がございますので、これにつきましては、各地區ごとの交通事情、またその業種の特殊の事情というようなものが考慮せれまして、數種の段階が用意せられるものと考えるのでございます。しかしながらこの基準につきましては、第八條の規定によりまして、道路運送委員會が諮問を受けまして意見を述べ、これに基いて行政官廳がこれを決定するということになつておりますので、今後道路運送委員會ができましたならば、これらの事情につきまして、詳細な資料も整えまして、道路運送委員會の意見によりましてきめてまいりたいと、かように考えているのでございます。
#29
○前田(郁)委員 そうしますと、妥當な基準が大體道路運送委員會できまりますと、これを公示するとなつておりますが、どういう方法において公示なさるのでありますか。
#30
○郷野政府委員 これは運輸省の告示といたしまして、官報に公告いたしたいと考えております。
#31
○前田(郁)委員 次に第二十五条の、私的獨占の禁止及び公正取引の確保に關する法律の適用除外という問題でありますが、これを少し詳しく説明していただきたいと存じます。
#32
○郷野政府委員 二十五條の規定を設けました趣意は、獨占禁止法の二十二條の規定によりまして、私的獨占の禁止及び公正取引の確保に關する法律の適用除外につきましては、別に法律をもつて規定しなければならないということになつておりますので、二十五條の規定を設けまして、ここに規定されておりますような正當な行為につきましては、この獨占禁止法の適用を除外することにいたしたのでございます。ここに掲げてございます二十三條の認可を受けて行う正當な行為と申しますのは、連絡運輸、あるいは共同經營その他運輸に關する契約ということになつておりますが、これらの内容につきましては、主務大臣におきましてその正當なものであることを確認いたしまして認可をするのでございます。從いましてこれらにつきましては、獨占の弊害ということは考えられませんので、これを除外いたしております。その次の二十四條の第二項にあります「他の運送事業者又は通運事業者と設備の共用、連絡運輸、共同經營又は運輸に關する協定」でございますが、これにつきましては、特に事業改善の命令として指示をされる事柄でございます。從いましてこれが公益に反する理由はないのでございます。從いましてこれらにつきましては、獨占禁止法の規定を適用しないという建前にいたしましても、何ら實際において差支えないものと考えております。
#33
○前田(郁)委員 地方のバス業者あたりで非常な廣汎にわたつて獨占的に營業權をとつているのがあるのでありますが、そういものに對する取計らいは今後も引續いておやりになるのでありましようか。一縣下にわたつて相當大きいのもあります。全國的の問題では、大分組合なんかにも獨占禁止法で牴觸するものがあるということになりますが、こういう部分的の一ブロツクに限つたものは、獨占禁止法から言つて何ら差支えはないのでありますか。その點の御意見を承りたいと思います。
#34
○郷野政府委員 交通事業につきましては、程度の差はございますが、多少業務の性質上、いわゆる獨占的な性質をもつことは當然のことと考えております。またそれだけに公益事業といたしまして、公益の増進、事業本來の使命逹成という點につきまして、重大な使命をもつているものと考えます。現在トラツク業者、あるいはバス業者について經營の規模が相當に大きいものもございまして、お話のように全縣一つの會社になつているというような事例も、全體から見ますと少ないのではございますが、やはりございます。しかしながらこれら事業につきましては、現在におきましても法律の規定によりまして、資材その他經營上の困難は非常にございますが、公益の確保につきましては十分に業者にも努力をさせ、またその努力を監視してまいらなければならないものと考えております。けれども實際の營業の模樣を見ますと、非常に經營上の困難がございまして、資材の不足などの關係から、なかなか急に事業の改善もできがたいという點もございます。しかしながら獨占禁止法に言う私的獨占というような獨占の弊害は、現状においては現われていないと考えます。またそういう事態がありましたならば、即刻その改善を命じなければならないはずでございます。方針といたしましては、企業の公益性という點から考えて獨占の弊害が現われるというようなことにつきましては、十分に取締つてまいらなければならないのでありますが、獨占禁止法にいわゆる「私的獨占とは、事業者が、單獨に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法を以てするかを問わず、他の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競爭を實質的に制限する」というような獨占禁止法にあてはまるような弊害はないものと信じております。
#35
○館委員 前委員の質問と關連しているのですが、今の二十三條及び二十四條、二十五條から判斷して、現在の日通事業というようなものに對する影響、これについての御説明を願います。
#36
○郷野政府委員 日本通運の事業につきましては、それが獨占禁止法のいわゆる獨占に該當するものではない、かように考えております。しかしながら御承知の通り日本通運の小運送業におきまして擔當しております仕事は、その全體の業務量の約九割を一社において擔當しております。こういう點から考えて、この企業形態を、新しい産業の民主化という見地から、どういうふうに今後やつていつたらよいかということにつきましては、前議會におきます獨占禁止法についての衆議院の附帶決議、こういう方律の規定、または行政措置によりでき上りました企業形態についても、企業の民主化という觀點から、政府において檢討を加えていくことが望ましいという御決議もございましたので、この趣旨から檢討を加えなければならないものと考えております。しからば日本通運の今後の處置につきましてどういうふうにするかということでございますが、これにつきましては御承知の通り、日本通運が現に小運送の取扱いをいたしておりまするのが全體の九割で、鐵道の輸送とも表裏一體になつておりまして、鐵道輸送に對しまして寄與いたしているところもはなはだ大きいのでございます。また取引の面から申しましても、鐵道を介します各地の商取引に對しまして、いろいろとこの小運送業は關連をもつているのでございます。また重要な統制物資の輸送という點におきましても、相當重要な役割を果しております。これらの點を考えますときに、現に日本通運株式會社が國民經濟輸送の面において擔當いたしております重要な任務はいかなる形態において今後日本通運を考えてまいるといたしましても、これを無視して取扱うことはできないのでございます。これらの點についてただいま詳細に檢討いたしております。從いまして現在においては、この問題についてのはつきりした結論にまた到逹いたしておりません。しかしながら經濟民主化の要求と日本通運の現在果しておりますこれらの重大なる使令、また國有鐵道の輸送、この小運送を介しての商取引というような點を總合的に考えて、結論を出したいと思いまして努力をいたしておる次第でございます。
#37
○館委員 日通がその九割の仕事をやつている小運送というものは、道路運送業法の事業の内容として十條に掲げている仕事、つまりトラツクの荷物輸送に全部該當するものである。そう考えてみますと、日通の問題はなかなかめんどうなことになると思います。從つてこの第二十四條に連絡運輸あるいは共同經營または運輸に關する協定をすることなどが大臣命令で出ることになつておりますが、このうちの連絡運輸、共同經營ということが出ていることは、道路運送法によつて日通の事業から小運送の面が獨立しなければならないという立場において、こういうことが考えられるのですか。その邊を伺いたい。たとえば小運送の事業は道路運送業法によつて獨立させ、單に日通の實際後に殘る事業だけを別に考える。兩方の建前によつて日通が分解されるかどうかという點です。
#38
○郷野政府委員 この法律が施行せられることになりますると、道路運送事業等につきましては、なお現在ありまする小運送業法竝びに日本通運株式會社法が、そのままで、この道路運送法が實施せられることになりますれば、日本通運の仕事の、道路運送につきましては道路運送法、また小運送業につきましては小運送業法、また日本通運株式會社法というようなものがそれぞれ適用せられるのでありますが、會社の企業といたしましては、一つの企業でございます。これがおのおの會社の業務といたしまして、道路運送をやりまする場合に道路運送法、小運送業につきましては小運送業法、これが適用になる。かように考えておるのでございます。
#39
○館委員 そういう形がいわゆる共同經營という言葉をもつて現わされておる形でありますか。
#40
○郷野政府委員 共同經營と申しますのは、そういう場合ではございません。これは企業體が二つ以上ございまして、それが一緒になつて事業を經營するというのでございます。日本通運におきましてはいろいろな仕事をやつておりますが、企業體といたしましては日本通運會社が一つでございます。
#41
○正木委員長 委員長からも聽いておきたいと思います。この第二十四條の第二號の「通運事業者と設備の共用、連絡運輸」という點ですが、この點詳細に具體的に御説明を願いたいと思います。
#42
○郷野政府委員 ただいまお尋ねの「他の運送事業者又は通運事業者」との第二號にありまする、設備の共用その他の場合でございまするが、連絡運輸、共同經營等の事例はあまりこれは考えられないと存じます。しかしながら設備の共用という面におきましては、たとえば店舗を一緒に使いまするというふうな點におきまして、その例は考えられなるのじやないかと存じております。
#43
○正木委員長 もう一つお尋ねいたしますが、こういう場合はどうなりますか。現在日本通運が小運搬量の九割を占めていて。しかも現在の日本通運は、この通運に關する限り全國的に獨占的な形態をもつていることは事實であります。そういたしますると、この法律が效力を發生して、この十條によつて規定されたこれに基いて、かりに免許をとるようなことがあつた場合でも、この鐵道に關する限りの荷物の取扱いというものは、必然的に現在の日本通運にあらざればその經營が實際問題として成り立たないようにも考えられまするが、この點に關する御所見はどうか、伺つておきたいと思います。
#44
○郷野政府委員 鐵道の小運送、すなわち鐵道貨物の集配の輸送でございまするが、これは現在におきましては小運送業者が行うという建前になつております。從いましてただいまお話のございました今後鐵道の集配貨物を日本通運以外のものにも取扱わせるかどうかという點につきましては、これはむしろ道路運送法の問題ではなくて、小運送業に關する法律の問題になると存じます。私どもといたしましては、通運事業法につきましても、ただいまこれを、できれば今囘の國會に内閣より提出いたしたいと存じまして、用意をいたしておるのでございまするが、結局この小運送あるいは通運事業についての今後の取扱方の問題にかかつてまいると存じます。今後鐵道の貨物の集配につきましては、新しい小運送事業法の構想におきましては、これを道路運送事業に開放いたしまして――小運送業者が一應鐵道貨物の集配を行うということになると思いまするが、これにつきましても道路運送の運送事業の免許が要る。また一般の道路運送事業につきまして免許を得ましたものは、當然驛の集配の貨物も取扱えるという建物にいたしたいと考えておりまするが、今後通運事業法、あるいはこれが間に合わぬといたしましても、小運送業法の運用におきしまして、この點につきましては御趣旨の點十分に考慮してまいることができると存じております。
#45
○正木委員長 お諮りいたします。午前の審査はこの程度にして、午後は一時半より再開して、第三章の各條項に對する質疑を續行したいと思いますが、いかがでしよう。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○正木委員長 では午後一時半まで暫時休憩いたします。
    午後零時十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十一分開議
#47
○正木委員長 再開いたします。
 午前の審査に引續き第三章の各條項に對する質疑を續行いたします。質疑はこれを許します。矢野政男君。
#48
○矢野(政)委員 第十四項の自動車運送事業の運賃に關連いたしまして、今囘自動車の車輌が今年の三月、四月當時五萬一千圓程度でありましたシヤシーがさらに六、七月配給分になりまして、十四萬五千圓、さらにまたその後十九萬一千圓という、大體本年の三、四月當時の四倍に近いところの値上りに相なつたのでありますが、一般自動車業者はこの非常に極端な値上りのために、今後の運營に相當支障を來すのではないか。かように考える次第でありますが、これにつきまして、現在きめられてあります運賃より相當値上げを認められるお考えでありますか。この點をお伺いいたしたいと思います。
#49
○郷野政府委員 御承知の通り自動車の運賃につきましては、今年の七月の新しい物價體系ができますにあたりまして、一應その當時豫想せられるいろいろな事情を取入れまして、これをもととしまして、自動車の旅客、現在これを實施いたしているのでございます。その際お話のように自動車の車輌の價格の改訂につきましては、値上りが一應豫想せられたのでございますが、この點につきまして、當時計算上十分に値上りの金額も確定いたしておりませんので、これを見込んでおらないことは事實でございます。從いましてこの點からいたしましても、運賃と再檢討をしなければならないのでございます。新しくきまりました自動車の車輌の價格によりまして、計算してみました結果、價格の改訂が原則償却の點から見まして運營費にどれだけ響くかということを見たのでありますが、今きまつております一キロ當り八十五錢の運賃が、ほぼ實費を賄える程度の運賃であつたのでございまして、これに對しまして四、五錢程度のものじやないかというふうな計算が出た次第でございます。從いまして自動車の經營につきましていろいろその後悪條件も加わつておりますが、一應現在の八十五錢の運賃を基礎にいたしまして實施しながら、さらに具體的に實績を檢討いたしまして、運賃修正の必要があるかどうかを、これから見てまいりたいと考えている次第でございます。從つて運賃引上後の現在の實情について實績をただいま調べております。これによりまして考慮いたしたいと考えます。
#50
○矢野(政)委員 なおシヤーシーの値上りのことでございますが今年の三、四月ごろ五萬一千圓でありましたシヤシーが、現在配給に相なつておりますものは十九萬一千圓、これにトラツクの場合は架装をいたしまして、さらにまたこれに代燃をつけることに相なりますと、まずトラツクが二十五、六萬圓、バスにいたしますと、まず三十五、六萬圓の價格に相なるわけであります。今囘のシヤシーの十九萬一千圓は約四倍に近い値上げでありますが、私ども考えといたしましては、あまり製造業者の立場を考えて上げ過ぎているんではないかというような氣がいたすのであります。この點をお伺いいたしたいと思います。なおただいま申し上げましたようなトラツクにして二十五、六萬圓、バスにして三十五、六萬圓というようなことに相なりますと、その資金の面が各事業の部門とも困るのではないかと考えるのであります。これに對しまして運輸當局はこの資金の面についてどうのようなるお考えをもつて今後業者に對して援助の方法をお考えでありますか。この點をお伺いいたしたい。
#51
○郷野政府委員 自動車の新しい價格の決定におきまして相當大幅の値上げを見ることになつたのでありますが、この點については、現在のメーカーの實際生産に要する原價を、いろいろな角度からそれぞれ擔當の管廳において檢討をいたしました結果、その値上げはやむを得ないという結論に到逹いたしたのであります。現在の自動車のメーカーは、やはり資材の不足、施設、勞務員の點からしまして、十分に能力を發揮していないという事情がございまして、今度の價格の値上げによりましても、相當今後經營の合理化に努力をいたしません限り、メーカーといたしましても收支はとりにくいというようなところで、この決定をみたのでございます。私どももこの點につきましては事情まことにやむを得ないものではないかと考えておりまするが、それにいたしましても、御指摘の通り自動車運送事業の經營の面から見ますると、いろいろな點で經營が困難になつております際、車輌の値段が急激に上つたということは、ますます負擔を重くすることになりまするので、この點につきましては、御指摘の通りまことに憂優慮をいたしておる次第でございます。なお車輌の購入費の資金の點でございまするが、これにつきましては、この値上げに伴いまして、購入資金も從來に比較いたしまして相當多くの資金を別に調逹する計畫を立てなければならなぬことになりまして、この點におきましてもはなはだ困難な問題が加わつてまいつたのでございます。つきましては私どもといたしましては、各自動車運送業者の車輌の利用に對しまして、一應今年の生産の最近の事情も考慮いたしまして、配分の計畫も立てております。さしあたりこの第二・四半期に對しましても配分の計畫を一應立てておりまするので、これに對應いたしまして、必要な資金の需要をとりまとめまして、關係の大藏省とも相談をいたしまして、日本勸業銀行の手を通じまして、この新車購入の資金といたしまして――各業者に割當てらるべき新車の三分の二の車輌に對しまして、これの購入に要しまする資金の六割を目途といたしまして計算いたしました金額が一億二千萬圓、バスの關係におきまして五千萬圓、トラツクの關係におきまして七千萬圓の資金を、國全體の産業資金のわくから振り向けてもらうことに話をきめて、ただいまこれで進めることにいたしております。今年の第一・四半期におきましては、全體の割當の資金が六千五百萬圓でございまして、これに對してまして第二・四半期におきましては、できるだけの増額をしてもらうようにいたした次第でございます。
#52
○矢野(政)委員 次にボデーの點でありますが、バス・ボデー、トラツク・ボデーにいたしましても、製造會社によりまして價格が一定いたしておらないようであります。殊にトラツク・ボデーにつきましては、製造會社が適當な理由をつけて單價をきめておるというように聞いておるのでありますが、このボデー製造會社に對しましてはどのような御指示、あるいは公定等についての指導を考えておられますか。その點おお伺いいたします。
#53
○郷野政府委員 ボデーのメーカーにつきましても、御承知の通り車體の製造工業組合がございます。この組合にメーカーは加入いたしておるのでございますが、この組合を通じまして、私どもといたしましては商工省とも連絡をとりまして、價格、製造技術の點につきましていろいろとその會社の運營について指導をいたしております。また公定價格の問題につきましては、ボデーにつきましてもそれぞれはつきりきまつておるのでございまして、やはり公定價格を明示させ、その範圍内におきまして、できるだけ技術的の改善、また品質の改善をはかるように努力をいたしておる次第でございます。
#54
○矢野(政)委員 次に第二十五條にありまする「共同經營」の問題でありますが、この共同經營と申しますのはどういう方法でこれをやらせておられますか。今後また指導されていくのでありますか。この點についてお尋ねいたします。
#55
○郷野政府委員 共同經營の問題につきましては、具體的の實例といたしましては、結局プール計算というようなもので二つ以上の事業者の方が經營をやつていくというような場合が豫想せらるるのでございますが、現在かような例はほとんどないと考えております。しかしながら、今後この法律の實施に伴いまして、業者の數が殖えいくというような場合のことを考えますると、その業者相互の間におきまして公益の増進ということを目標にいたしまして、かような經營の方法がとられる場合におきましては、公益増進という目的に反しない限り、その條件いかんによりまして許されるものと考えておるのでございます。
#56
○矢野(政)委員 次に第二十七條に「自動車運送事業は、これを貸借してはならない、」という條項がございます。現在全然車輌をもたない、さらにまた輸送に關係のない者が、他人の車輌を借り受けまして、そうして區間事業、あるいは區域事業として運轉をされておる現状を見ておるのでありますか、こういうものに對しましてはどのような方法によりまして今後お扱いになつていかれるのでありますか、その點を伺います。
#57
○郷野政府委員 自動車運送事業につきましては、免許の前提といなしまして、その事業者が、公益事業である自動車運送事業を完全にその公益性を確保して運營ができるということを認めて、免許せられているのでございますから、その名義を他人に貸したり、あるいは事業經營を他人の計算においていたしたり、貸借していくというようなことは、公益事業であり、また免許制度を實施しております自動車運送事業の建前からして、巖に取締るべきは當然でございまして、この點については現在の法律においてもこれを禁止いたしております。從いましてただいまお話のように名義の利用、あるいは貸借というようなものが現に行われているといたしましたならば、現行法においても處罰せられることになるのでございます。新法におきましても、この點をやはりはつきりさせて、同樣に名義利用竝びに貸借を禁止することを明らかにしてまいりたいと考えております。新法の實施に伴つて、これに對する罰金刑も一層重くいたしているような次第でございます。
#58
○矢野(政)委員 自家用自動車の營業行為でありますが、終戰後自家用自動車の許可が非常に多くなりまして、自家用自動車が殖えてまいりました。從いまして自家用の輸送だけではとうてい採算が合わぬということから、半分は營業行為をやらなければ收支採算が合わぬというような状態で、ほとんど各縣とも自家用自動車が營業行為をやつているということで、非常に騒がれている問題でありますが、先日來もこの點については巖重に取締るというようなお話でございましたけれども、その後何らそれに對して善後處置がなされていないという状態であります。これに對して現在どういうような方法をおとりになつておられますか。さらに今後營業行為に對してはどういう方法でお取締りになつていくか、この點を伺います。
#59
○郷野政府委員 終戰後自家用自動車が特に數におきまして殖えてまいりました。この自家用自動車が自家用本來の目的を逸脱いたしまして、營業類似の行為をする場合につきましては、その事實を私どもとしてもたびたび報告も受けますし、話も聽くのでございます。これにつきましては各府縣の警察において巖重に取締るようにお願いもいたしております。現に各地方においてこの點について摘發し、あるいはこれについて檢擧せられたというような報告もいただいておるのでございます。私どもといたしましては、重要な生産確保、または重要な食糧その他の配給の輸送においてその使命を果しますよう、この面における發逹助成はできるだけしなければならないと存じますが、今後自家用車のこの目的外の使用については、十分取締りもやつていかなければならないと考えておりますし、現にただいまお話申し上げましたように、各地方においてこの取締りを巖重にやつていただいております。なお、新法におきましては、自家用車のかような營業類似行為をいたすような場合におきましては、その使用の停止、禁止というようなことまでできますように、法律の規定を明らかにいたしていただく用意をいたしておるのでございます。なお自家用車がかように營業類似行為をいたす場合についていろいろ言分を聽いてみますと、一面現在の運送業を經營している人が、この自動車の實際の運用にあたつて、自家用自動車が現に進出しておりますような方面において、十分業者自體が努力をしてくれないという點があるのだというようなことも聽きますけれども、この點については、現實に各場合々々にあたつて重點的な輸送について、現在の運送事業者の車で運送事業者が十分にこの方面の輸送の確保をしてまいりますよう、同時に併せましてその方面の注意も喚起いたしておりますし、現在運送事業を擔當しておられる方々の、この方面における奮起も促しておるような次第であります。この點につきましては、今後重要物資についての輸送證明制度というようなものも實施せられることになつてまいりますので、一層重點輸送の確保ということは、自家用また營業用を通じ非常にはつきりしてまいると存じますが、おのおのその本來の性質によりまして、輸送分野を守りまして、輸送の秩序を保ちながら、國民生活の維持發展のために輸送をやつていくというふうにありたいものと考えておる次第であります。
#60
○正木委員長 他にありませんか。――他になければ第四章輕車輌運送事業の質疑にはいります。質疑はこれを許します。――第四章については質疑はございませんか。――なければ第五章、自動車道及び自動車道事業について質疑にはいります。質疑はこれを許します。質疑はございませんか。
    〔「進行々々」と呼ぶ者あり〕
#61
○正木委員長 なければ第六章、國營自動車運輸事業及び國營自動車道事業について質疑にはいります。質疑はこれを許します。
    〔「進行」と呼ぶ者あり〕
#62
○正木委員長 第七章、自家用自動車の使用について質疑にはいります。質疑はこれを許します。
#63
○成重委員 第七章に關連してちよつと運輸當局にお尋ねいたします。具體的に申し上げますと、戰爭中公共の自家用自動車といいますか、市役所等の官公署に備えつけてあります自動車等の木炭車であつたものが、これをガソリン車に切りかえるという場合における手續等について、私は詳しいことを知りませんが、われわれのところでもつて最近これをガソリン車に切りかえるために、縣の方でも許可にならないし、何か特別な手續を必要とするようなことを言つておりましたが、大體從來の木炭車をガソリン車に切りかえるようなことは、これは個人でなくして、そういう官公署、公共用の自動車についても、そういうような手續があるかどうかという點をお尋ねいたしたい、
#64
○郷野政府委員 ただいまガソリンの自動車用配分につきましては、できるだけこれを増加してもらいますように、關係當局にもいろいろ實情を具して懇請をいたしておるのでございますが、その使い方につきましては、私どもといたしてあらゆる努力を拂いまして、ガソリンをほんとうに國民生活の維持、また經濟再建のために、ガソリンでなければならない方面に重點的に割當てて使用するという努力を、まず拂わなければならないことになつておりまして、この趣旨によりまして現在ガソリンの使用割當をいたしておるのでございます。なおこれに關連いたしまして、現在代燃車で運行をいたしておりまする車につきましては、これを引續きやはりガソリンでなく、代燃車のままで使つていく方法を考えるようにという關係方面の指示もございまして、私どもといたしましてはその車がどこの所屬であるとを問わず、代燃車で從來やつておりまたものにつきましては、特別の事情のない限りすべて代燃車としてこれと引續いて使つていく方法で事務を處理いたしております。從いまして、代燃車のガソリン切替は困難な状態にあることを御了承を願いたいのでございます。
#65
○成重委員 具體的に申しますが、實は先だつて商工大臣が九州を視察するというので、私どもは地元の關係で自動車を一臺用意しておいてもらいたいということを市長あてにお願いしておきましたところ、市長の方では、ただいまその代燃車をガソリン車に切りかえるために手續中であつて、それができない。縣においても、それからその筋においても、それができなくて今日まで來ておるのでありますか、少くとも今日二十萬なり三十萬の都市の市長あたりが、公の用事として利用する自動車一臺くらい――從來戰爭中は、もちろんガソリンが、貴重であつて少かつたために、ほとんど全部九州地方においても代燃車に切りかえておつたのであります。私ども考えますのに、そういう大きな都市の市長が利用する車が――それ以下のものがガソリンの使用ができて、それらのところでどうしてもそれの切替ができないというようなことは、多少矛盾しておるじやないかと考えるのであります。あるいはこれが何か個人の營業用であるとか、あるいはその他一般の何かの用であるならばとにかく、そういう地方における官公署用の自動車等について、しかもたつた一臺しか自動車をもたないために、代燃車では早急の場合の用に間に合わない。おそらく今日においては、その利用度は他に比較してより以上重要視さるべき價値のあるものか、ガソリン車に切りかえられないということに、多少矛盾があるのではないかと思うのですが、いかがでありますか。
#66
○郷野政府委員 お話のような場合について考えてみますと、お事情につきましては、私どもといたしましても相當考えてみなければならないような場合であるというふうな氣はいたすのでございまするが、ただいま申し上げましたように、その車をそのままでガソリン車にすることは、關係方面の指示がございまして、事務的な手續といたしましてとりかねるような事情もございます。その邊の、ただいまお話になりましたような事情と、これらの事務の手續上の問題とを、どういうふうにして併せて考えていつたらいいかというごときなかなか重大な問題でございますが、一應私どもの立場といたしましては、事務的に取計らいかるねという事情がございますので、その邊につきましては御了承願いたいと存ずるのでございます。
#67
○成重委員 日本政府がそういう官公署で使う自動車一臺ぐらい、代燃車を必要に迫つてガソリン車に切りかえるという事務的な處理ができないというのは、私は合點かいきません。そうむつかしいものでしようか、何か個人がぜいたくに使うとか、個人の營業に使うとかいうのではなく、たとえば今度でも私が來るときに北九州方面でも高松宮がおいでになるというので、各市が自動車を用意しようということも言つておりましたが、いずれもそれができかねて困つておるのです。東京あたりみたいに代用燃料自動車が多數にある所はよいですけれども、あんな所などは一市に一臺ぐらいしかない。警察署長と市長と日鐵の社長がもつておるくらいなもので、地方には自家用の自動車をもつておる者はないので、そういう緊急やむを得ざる場合には、代燃車では間に合わない。まことに今日非文化的な状態にあるのですが、そういう點までできないのでしようか。その點を一つお伺いしたい。
#68
○田中(源)政府委員 先ほど郷野政府委員からお答えいたしたのでありますが。今成重委員の御質問の趣旨の通りに、實際と事務的な手續という點ではまことにちぐはぐな――一見こういうようなことは事務的の處置ができるのじやないかということもごもつともでありますが。總合的において代燃車は代燃車たる一つの籍を有しておるのであります。そういう場合には市役所等においても、珠に北九州等においては皆大きな市役所でありますから、新たに自動車を一つ増加していただいて、その増加されたものをガソリンで初めから使用するならば、初めからその籍がそれによつてあることについての手續を認めていくことはやりよいのであります。そういうふうで、はなはだ一見矛盾しておるようでありますけれども、そういう場合がありますならば、あらためて籍を設けるような手續にしていただく方がやりやすいということが事務的にあるのであります。この點も御質問の意味から申しますと、政府としてまことにおはずかしいようなことでございますけれども。事務的の面を御考慮願いまして、そういつた取扱方にお願いしたいと思います。
#69
○田村委員 自家用自動車の使用についてお尋ねするのですが、私ども、他の古い規則の條文等は知りませんけれども、この法案と聽いたところと對照してみますと、どつちがほんとうかわかりませんのでお尋おをするのです。よく自家用自動車、つまり土木業者その他の請負業者が、あるいはオートバイ、三輪車等を自家用自動車として荷物を運ぶ。そうした場合に自動車の使用は許可が要るのだというふうに聞いておる。そうすると自家用自動車は許可、許可が要ることになるわけでしようが、この條文を見ると、ほかの事業はみなその事業計畫を定めて免許を得るということが必要だとなつておる。この自家用自動車だけについては、使用についての認可というか、届出というか、そういつたことは要らないことになつておるのですが、そうすると今度の法案においては免許も許可も認可も要らないのですか。後の「車輌」のところで登録しなければならぬということになつておるが、この點でそれを幾分取締るというような方法があるのか、あるいは車輌の製造面において、物資面おいて、とてもだれも彼も皆もつというわけにいかないから、その點において自然に按制されるという御意見なのでしようか。その點はどうなのでしよう。
#70
○郷野政府委員 今おつしやいました通りでございます。自家用自動車につきましては第八章の「車輌」におきまして規定がございます。これによりまして檢査を受けまして、なお指定されました車輌番號の登録を受けてもらいますれば、これによりまして使用ができることになるのでございます。なおそれと同時に資材面におきまして、やはり資材の配分の面から、事實上の制約は受けることに相なります。
#71
○田村委員 そうすると許可とか、認可は必要ないことになるわけですね。あとの八章はただ車輌の檢査とか、届出は車輌を得た後に届け出ればいいということなのですから……。
#72
○郷野政府委員 お話の通りでございます。
#73
○正木委員長 委員長もちよつと質問したいのですが、自家用自動車の定義です。たとえば今國會にかかつております農村協同組合であるとか、いろいろと各種の團體で出てくると思いますが、そうした團體でもちますものを自家用自動車と解釋してよろしいか。その點お伺いしておきたいと思います。
#74
○郷野政府委員 その自動車が五十二條に書いてございますように、對價を得て運送の用に供せられる、すなわち營業の關係におきまして使われておるということでございません限り、これは自家用と考えていいと存じます。
#75
○正木委員長 もう少し具體的にお伺いします。あるいは委員長がわからないのかもしれませんが、中小工業者が集まつて一つの團體をつくる。そうすると資材の共同買入れをやり、共同加工をやり、共同販賣をやる。これは同時に農村の場合にもあるし、漁村の場合にもある。こういう場合の自家用自動車というのはどういうことになりますか。わかりやすく御説明を願いたいと思います。
#76
○郷野政府委員 お話のような場合につきまして、現に農業會などにおいてそういう種類の使い方をいたしております。從いまして自家用と考えて差支えないと存じます。ただしかし、その際五十二條の規定にございます通り、對價を得てこれを使う、從つて運送の營業に使ういとう實質竝びに形式をとられないようにいたしますれば、差支えないと存じます。
#77
○正木委員長 他に質疑はありません。――なければ第八章車輌の質疑にはいります。質疑はこれを許します。
#78
○井谷委員 五十四條であります。「自動車及び旅客の運送の用に供する輕車輌は、命令の定めるところにより、使用に適する構造、装置及び性能を有するかどうかについて、行政廳の檢査を受けなければならない。」となつておりますが、以前お尋ねいたしましたときに、下級行政廳は地方の鐵道局というように承つたように記憶いたしますが、ここの行政廳はどれに當るのでありましようか。たとえば輕車輌の檢査を受ける場合に、鐵道局にもつて行くわけにもいかないし、どこの邊でこの計らいがつくものかということをちよつとお伺いをしたいと思います。
#79
○郷野政府委員 旅客の輕車輌につきましては市町村長に檢査を委任することになります。從いまして各市町村におきましてこの檢査が受けられることになります。自動車につきましては私どもの考え方によりますると、この事務を鐵道局、自動車事務所長が行う。かように考えております。
#80
○館委員 その點ですが、どういうわけで客輕車輌と貨物車輌の行政廳を市町村と局長に區別したのですか。荷物の輕車輌と言つても、ごく輕徴な輕車輌に市町村長でいいのじやないかというようにも考えられるような輕車輌がたくさんある。局まで出かけるのはたいへん煩雜じやないかと思う。
#81
○郷野政府委員 輕車輌につきましては、檢査の關係におきましては、旅客輕車輌だけを對象にいたしております。從いまして貨物の輕車輌は、檢査の場合にはこれを檢査の對象から除きまして、これは各自使用する者が自主的にやればいいという考えでございます。
 なお營業届出その他營業の面についての行政でございまるが、これは貨物につきましては、現在の輕車輌が輸送を擔當いたしておりまする現状から考えましても、大運送、小運送と相當密接な關係ももつております。また貨物の輸送の量も非常に多いのでございます。なおその働きまする範圍も、比較的旅客の輕車輌と違いまして、地域を限定せられること少く、自由に出るというような關係もございます。從いましてこれを鐵道局長の關係の權限においております。
#82
○館委員 北海道の函館あたりの、殊に特殊輕貨物運搬で、ほかにないかもしれませんが、函館市には、荷車を引張つて貨物の運搬をやつておる者が約三百人くらいおります。警察あたりで戰時中これを総合して、馬車組合に合併してやつておつたものがある。荷馬車は別ですが、手車式の運搬そういうものは營業許可なり、あるいはまた車輌檢査というものはどういう扱いになるか、伺いたいと思います。
#83
○郷野政府委員 そういう荷車によります輕車輌の運送事業でございますると、車輌關係の檢査は、先ほど申し上げましたように、受けなくてもいいのでございます。營業の關係におきましては、届出を要することになつておりまするので、所要の事項を書きこみまして、これは必ずしも自分でもつていかなくてもよい、郵送で差支えございませんから、鐵道局、自動車事務所に届け出てもらう、かように考えております。
#84
○館委員 その場合に、輕車輌が組合をつくつている、というときには、組合名義で届け出ればいいということになりますか。また組合にはいらないで、個人々々にそれを營業しているという場合には、個人々々で自動車事務所へ届けんければならぬということになるのですか。これははなはだ手數なことがたくさんある。
#85
○郷野政府委員 組合が組合の仕事といたしまして、所屬の組合員でありまする各事業の人々の届出をとりまとめまして處置をいたしますることは差支えないと存じます。しかしながら組合でとりまとめて出すということは、届出につきましての要件ではございませんから、個人としまして届け出ることも差支えないのでございます。
#86
○館委員 その場合に、自動車事務所というものは各管理部にもあるので、そこへ出すということは差支えないわけですね。――よろしゆうございます。
#87
○矢野(政)委員 車輌の整備の點につきましてお伺いいたします。現在車輌整備につきまして一番大きな問題として困つておりますのはタイヤの問題であります。おそらく全國を通じましたならば、相當臺數が足がないために運行ができないというような状態になつていると思うのでありますが、これに對しまして今後の見透しはいかようになつておりますか、なおこれに對しましてどのような對策をおとりになつておられますか、この點をお伺いいたします。
#88
○郷野政府委員 タイヤにつきましては、たびたびお尋ねがありまして、その都度お答え申し上げておるのでございまするが、お話のごとくタイヤの事情が、ただいまの自動車輸送の點から見まして、最も緊迫いたした重大な問題でございます。このタイヤの事情の打開につきましては、どうしてもまず生産を上げまして、必要な數量を確保するという努力をしなければなりません。それと同時に、また使用の面におきましても、できるだけ合理的にこれを使しまして、タイヤの壽命を長くもたせる努力もしなければなりません。從いましてこの二つの面から對策を講じておるのでございまするが、御承知の通り、八月の十五日に閣議の決定を經まして、タイヤの生産につきましては、これを石炭、鐵鋼などの重點産業と同樣に取扱つてもらいまして、資材の配給、電力その他生産に必要な要件を滿たす上におきまして、できるだけタイヤ生産につきましても重點を置いて、國家的な考慮を拂つてもらうように段取りができたのでございます。なおタイヤの生産に必要な生ゴム、綿花、カーボンブラツク等の資材につきましても、それぞれ關係方面に懇請いたしまして、その輸入確保という點につきましても御考慮を煩わすことに相なりまして、これによりましてタイヤの生産も不十分ではございまするが、漸次成績は向上しつつあるような状態でございます。さしあたりこの九月までは月五百トンを目標にいたしまして、下期のになりますると、一四半期二千トンの目標で、月六百六十トン、これを目標にいたしまして生産に邁進をするということに計畫を立ててもらいまして、ただいまその實績を確保いたしまするよう、官民協力いたしまして努力をいたしております。從いまして生産事情もやや上向いてまいりまして、今年の七月のごときはタイヤ、チユーブの生産は二萬數千本に上つております。八月、九月と實績はまだはつきりつかめておりませんが、さらに上つているはずでございます。從いましてこの九月の十五日から、從來新車には四本のタイヤしか使わなかつたのでございまするが、タイヤは六本にするということにきめまして、新しい車も一應六本のタイヤで、すぐに使えるという状態で配給ができるようになりました。また從來切符がややもしますれば空切符になりまして、割當の切符をもらいましても、現物の入手ができない状態でございましたが、この點も最近非常に改善されてまいつております。なお今年全體のタイヤの要給について見ますると、理想的な立場で申しますれば、八十萬本以上のタイヤが欲いのでございまするが、現状におきましては約三十萬本くらいのタイヤが確保できるにすぎないのではないかと存じます。しかしながらこの三十萬本ばかりのタイヤ、チユーブにつきましても、できるだけ輸送の實情に應じました配給をいたしまして、なおかつ一面におきまして、今のタイヤは非常に品質が悪くなつておりますが、これをうまく使いまして、できるだけ壽命を延ばして、有效に使うという方法も併せ講じまして、とにかくこの急場をしのいでまいりたい。なお來年になりますれば、さらに一層生産の面におきまして實績を上げていく方法を同時に用意してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#89
○矢野(政)委員 九月十五日より六本をつけて配給することに相なつたことを、ただいま承つたのでありますが、それ以前に四本つけて配給した車輌につきまして、あとから不足分は配給するという御答辯があつのであります。このタイヤについてはどういうふうなことになりますか。お伺いいたしたいと思います。
 なお現在もタイヤの配給は商工省でやつておりますが、非常にこの配給の方法が手ぬるいやり方であると考えるのであります。今囘の水害の特別配給の場合等にあたりましても、運輸省では一日も早くこれを配給しようというようなことで、非常に至急に配給の方法をとられたのでありますが、さらに商工省に行とつてみますると、現在どの程度の生産ができておるのか、あるいはその生産されましたタイヤがどこに、どの程度に、どう置いてあるのか、それすら全然わかつていないというような現状を聞いたのであります。私はこの際に自動車のタイヤに限りましては、運輸省が直接それを配給すべきだ。かように考える次第でありますが、現在商工省がやつておるようなわけでありまして、商工省としては全部を取扱つておる關係上もありましようけれども、今囘のような場合に緊急の需要が足りないというような状態でございますので…。
    〔委員長退席、原(彪)委員長代理著席〕
この機會に自動車用のタイヤにつきましては、運輸省が直接これを配給をされるというようなことにでき得ないものであるか。できるならばぜひともこれを運輸省直接に配給していただきたい。この點を伺います。
#90
○郷野政府委員 最初にお尋ねのございました九月十五日以前に配給になつた新車のタイヤの問題でございますが、これは新車用のタイヤが十分に生産ができるような事情になりますれば、これを一般の修繕用のわくに組みかえまして、實状に應じて前に配給を受けた車に對する分も、さかのぼつて修繕用のタイヤとして配給をいたしたいと。かように考えております。
 なおタイヤの配給の事務について御意見がございました。お話の通りタイヤの製造竝びにこの製品でありまするタイヤの配給の仕事は、商工省の所管でございまするが、タイヤの自動車運送の面に使われまするについて、輸送擔當管廳として、配分方については私どもの意見を十分容れられる建前になつております。從つてこの配給の計畫に、私どもが商工省と協力いたしまするこの立場を利用して、御指摘のような面においても實際に送輸という面が十分に考慮に入れられ、またそれが的確に確保できるような能勢で、ぜひ努力してまいりたいと存じておりまするが、現在の配給のやり方、これがかえられるかどうかという點については、ここでただちに御囘答申し上げるわけにも參りませんけれども、現在の體制下におきましても、輸送の面におきまする實情が、できるだけこの面に反映されまして、配給も輸送の實情に合うように努力をしてまいりたいと存じておる次第でございます。
#91
○矢野(政)委員 次にカーバイト、輕油、こうしたものは整備のためにどうしても必要であります。殊にカーバイトの問題でございます。整備をいたしますのには一日もなくともならぬのでありますが、この製品が少いために製備に非常な支障を來しておるわけであります。そしてたまたま出てまいりますものは、やみからやみへと傳わりまして、非常にやみの價格で取引をされておるというような状態にあるのでありますが、何とかこの點もう少し生産の方法がないものでありますか。なおまた生産工場に對しまして、何とか正式のルートによつて、これを速やかに配給を願うような方法はないものでありましようか。この點についても御意見を伺い、さらにまた今後も運輸省として格段の御盡力をお願いするものであります。
#92
○郷野政府委員 車輌の整備を考えてまいりまするとき、カーバイトというようなものにつきましても、これが不足いたしておるのでありまして、整備の面におきまして、遺憾な状態でありますることは御指摘の通りでございます。私どもといたしましては、現在自動車の運送事業を經營しております者のもつておる修理施設、また自動車の整備修理事業を業としておりまする業者の方のもつておる修理施設について考えてみましても、いろいろな資材の關係から、著しく能力の不足しておりまするような現状でございまするのでカーバイトその他必要な資材につきましてはさらに一般の努力をいたしまして、皆さん方の御支援を得まして、修理整備の能勢を本法實施とともに一層強化してまいりたいと考えております。
#93
○矢野(政)委員 次に燃料問題でお尋ねしたいと思います。本年の木炭、薪の生産が非常に少いと言われておるのでありますが、このときにあたりまして安定本部の生活資局におきましては、本年度の下半期の家庭燃料確保對策として、冬季間の電力及び石炭の不足に基く電熱及びガスの供給不足を考慮して、家庭用燃料として薪炭を供給しなければならない。しかし薪炭の供給力は限度があるので、從つて自動車の燃料薪炭を家庭用にまわさねばならない。その代りに自動車用燃料としては、自動車本來の燃料たるガソリンを引きあてるという計畫を立てておると聞いておるのでありますが、はたして安本の計畫通りガソリンの今後の見透しがついておるのでありましようか。現在ガソリン車として使われておりますものは、ほとんど全車輌の一割ないし二割程度ではないかと考えておるのでありますが、このときあたりまして安本におきましては、この自動車用の薪炭を家庭用に振り向けることがはたしてでき得るのでありましようか。この點につきましてお尋ねいたしたいと思います。
#94
○郷野政府委員 お話の冬季の木炭對策と關連いたしまして、自動車燃料の問題はただいまいろいろと議論はされておるのでありますが、この點につきましては、まだ最後的に決定をするという段階には至つておらないものと私は承知しております。お話のごとく木炭、薪は自動車の代用燃料といたしまして、現在自動車輸送を維持していく上において重要な役割を果しておりますので、これを減らして輸送に悪影響を與えるようなことがあつてはたいへんでございます。從つて木炭、薪というようなものにおきまして割當の量を減らすということになりますれば、當然この代りに相當大巾にガソリンを殖やしてもらわなければならないものと考えております。しかしながらガソリンの今の輸入の事情その他から考えまして、この點も相當困難ではないかと考えます。從つて私どもといたしましては、この冬季の燃料對策という問題はすこぶる重要な問題でございますが、やはり自動車の輸送確保ということは國民生活維持の點から見ても、國の再建の面から見ても、すこぶる大事でございますので、いかなる燃料對策がとられるといたしましても、自動車の燃料問題も同時に解決し、確保できる状態におきまして、この問題の解決をはかつていきたい。かように考えましてただいま努力をいたしておるところでございます。今お話のような點につきましては、はつきりした結論は出ていないものと承知をいたしております。
    〔原(彪)委員長代理退席、委員長署席〕
#95
○山崎(岩)委員 お尋ね申し上げます。本案が國會の協贊を經て實施されることになりますと、自動車運送事業についても諸法規が整備されることになるのでありますが、そこで自動車を運轉する運轉手に關する資格の問題はどういうふうになるのかお尋ね申し上げたい。今までは自動車の運轉手に對する免許は、府縣廳警察部において試驗の上これを許可しておつたが、今後どういう處置をとられますか。今まで通りの處置をとつていかれるのか、それとも他の別の方法を講ぜられるか。また自動車の運轉手の養成に關して運輸省は何か考えをもつているかどうか。その點についてお尋ねを申し上げたい。
#96
○郷野政府委員 自動車の運轉免許については、從來自動車取締法に基いて各府縣でこれを實施してまいつたのでございます。今囘道路交通取締法案が別途内閣から提案になつておりますが、この法律案によりますと、やはり都道府縣知事の運轉免許證を携帶しておる者でなければ、自動車は運轉してはならないという規定がございまして、都道府縣知事が運轉免許を與えるという建前になつております。從つて自動車の運轉免許については、道路運送法案におきましてはこれを取上げておらないのでございます。自動車の運轉免許については、その試驗は當然車輌の構造にも觸れますし、車輌の運轉は構造、性能に十分の理解を必要といたします。こういう點から見まして、車輌の檢査と運轉免許の試驗のようなものは、實施上併せて行うということが便宜であるとも考えられまするが、一面交通取締りの點から見ますると、車輌の運轉は特に交通取締りの對象といたしまして對人的な問題でもありまして、交通取締りからの深い關連もあるという見地から、今回の法案におきましても道路運送法案の方にこれを入れませんで、道路交通取締法案の方に規定を設けまして、各都道府縣において運轉免許は行うというような建前にいたしておるのであります。
#97
○山崎(岩)委員 先ほど、館委員から御質問がございまして、旅客の運送の用に供せざるところの經車輌をもつて運送事業を營む者は、地方事務所の方に届出ればよいというお話でありましたが、これは届出主義であつて、認可制度ではないのですね。届出主義でいいのですね。
#98
○郷野政府委員 届出で足りるのであります。
#99
○山崎(岩)委員 了承いたしました。
#100
○正木委員長 第八章について他に質疑はございませんか。――なければ第九章罰則について質疑を行います。質疑はこれを許します。
#101
○成重委員 第九章罰則について總括的にお尋ねしてみたいと思います。それに關連して多少すでに御審議を進めておりましたことにさかのぼるかもしれませんが、この道路運送法令の目的は公共の福祉を確保するにありということになつております。こうして各條項を逐條審議してみますと、まことにこの法令は複雜多岐にわつておりまして、殊に最近の各法令の立法の精神は、どういうお氣持で立法せられておるか、私はその點も伺いたいのでありますが、殊にもう少し法令が多少簡素化される點があるのぢやないかと考えるのであります。たとえばただいまの第八章のごときも、五十四條、五十五條、五十六條のごときも、要約すればもう少し簡單になるのぢやないかと考えられるし、先だつて占領軍關係の自動車關係の方と懇談したときも、アメリカ等における車輌の取締り等についても承つたのでありますが、この法令の各條項を見てみますと、多少文化的な公共の福祉を増進する目的に副わない、進歩を妨げるような節も法令の中に含まれておるように考えられますので、私はむしろこれを要約して、車輌の規格とそれから車輌の許可、認可と、それから罰則、この三章ぐらいに分割して、この法令はできていくのではないかと考えるのであります。從つて罰則の點についても、もう少し私は、九章の罰則に重點を置いて立法いたしますならば、それ以前の八章までの點は、多少省略できるようにも考えられるのであります。アメリカ等においては許可、認可に對しては非常に簡素化され、簡單である。しかし罰則の點については非常に重きを置いておるということも私どもは承つておるのでありますが、九章罰則の點についてみますと、もう少し罰則を重く見れば、この八章までにあるところの各條項は、これを省略してもよくはないかと考えられる點が多く見受けられるのであります。第五條の許可、免許の點に關しましては、六條七條等に示してありますように、きわめて複雜にして、曲解しますと、脱法行者をあえて慫慂するかのごとき節もないではないと考えるのであります。この法令を見ますと六十七條で附則が九條からなつておりますが、その内容については、今申し上げましたように、私どもとしてこういう點をわざわざ條令にうたわなくてもいいのではないかという點も、多く見受けられるのであります。それでこの罰則の點について御意見を伺いますが、第五十七條のごときは、第十一條に「自動車運送事業を經營しようとする者は、命令の定むるところにより、事業計畫を定め、主務大臣の免許を受けなければならない。」とありまして、これに違反した者はこの五十七條に一萬圓以下の罰金に處するとありますが、そうすると一萬圓を覺悟してやれば、別に許可も認可も受けなくとも營業をやつていいじやないか、こういうふうに逆に、あえて脱法行為を考えるならばできるんじやないかとも考えられますし、あるいはまた第五十八條のごときも五千圓以下の罰金ということになつておりますが、これは二十八条に第一項に「自動車運送事業の讓渡は、主務大臣の認可を受けなければ、その效力を生じない。」とありまして、この認可を受けないでやつた場合でありますが、これも最初からこの五千圓の罰金を覺悟してやれば、別にこんな五十八條も顧慮しないでもいいんじやないかとも考えられます。その他五十九條には三千圓以下の罰金とか拘留または科料とかありますが、私どもはこういう許可、認可を受けずにやつたような場合、あるいは讓渡をしたような場合には、むしろ永久にその許可を剥奪する、あるいはその營業を停止するというような、もう少しはつきりした罰金を附することにすれば、前にたくさんうたわれておりますような條項も、あえてこれを示さなくても、もう少し簡素化された、簡易な法令になるんじやないかと思います。それでこれに附屬されますいろいろの内規等を考えますと、これは單なる道路運送法でありますが、わが國の法律は過去において主としてこうしたような考え方で、いたずらに複雜多岐にわつて殊に罰則等の點については輕きに失する點があるために、違反者が多く出ているんじやないかと考えるのであります。いたずらに法規を複雜にしてむずかしくするから、こういう公共の福祉を増進しなければならないものが、逆にその進歩を妨げているというような點も考えられるのであります。そこで第九章の罰則について、私の問わんとする精神に關してこの立法をされましたお考えをひとつお尋ね申し上げるのであります。
#102
○郷野政府委員 從來日本の行政につきまして、法律の規定は非常に巖格にできているのでございますが、これに違反した場合の處置につきまして、法律に定められているような處置が巖重にとられているかどうか。また罰則がきわめて巖格に適用されているかどうかという點につきましては、どうも物足りないものがあつたのではないかというふうな批評は、私どもアメリカの專門家などの御意見にもうかがわれるのでございます。從いましてただいまお話のありましたように、法律の規定はもちろん筋をたてまして、必要な規定はこれを設けますと同時に、これに違反しました場合の處置につきましても、いわゆる刑罰に限らず、行政上の處分にいたしましても、巖格にこれを實施していくということは、公益確保の見地から、今後におきましては特に氣をつけてまいりたい、かように考えております。從いましてこの點についても御趣旨に副うように、私どもといたしましては、今後十分に法律の運用をはかつてまいりたいと考えているものでございます。なお法律の規定の内容につきまして、全體の規定が非常に煩瑣ではないかというお話でございますが、この點については、やはり當初これをいろいろな角度から研究いたしまして、規定すべきことを、必要のあるものは取入れ、また必要のないものはできるだけ削りまして、整理をいたしたつもりでございます。從いまして私どもの考えといたしましては、この法律に規定いたしております事柄は、この御指摘になりました免許などの規定にいたしましても、必要な點についてその限度のものを規定として取り上げたつもりでございます。なお具體的な問題につきましては、さらに御意見を伺いまして十分に檢討は加えたいと存じますが、大體の考え方としては、そういう見地からすでに相當に取捨をいたしまして、必要なもののみを殘した考えでおります。なお罰則の點でございますが、先ほど申上げましたような見地からできるだけ罰則の規定につきましては、個々の罰則を適用いたしまして、今後罰則の適用を巖重にやつてまいります場合に、おのおの罰則を發動すべき場合に、おのおの罰則を發動すべき場合を明らかにするという考え方から、まずこの罰則は規定いたしているつもりでございます。從いまして、從來の自動車交通事業法の罰則に比べますと、罰則の規定がややこまかくなつております。そして具體的に罰則を適用すべき場合が、明瞭に各本條に照らしまして掲げられているのでございます。なお罰則の罰の程度でございますが、これにつきましては、やはり最近經濟情勢の變化などもございますから、金刑につきましては金額を殖やすという必要も認められましたので、いずれもこれを増額いたしております。なお罰則に關しましては、一般的な方針といたしまして、類似の場合の罰則が他の法規にも規定がございまするので、これとの振合いも考えなければならないのでございます。そこでこの振合いの點につきましても、十分司法當局と打合せをいたしまて、均衡を保つようにいたしたつもりでございます。從いましてここに掲げられておりまする罰につきましては、他のこれに類似しました場合の罰とその程度を同じくいたしておるのでございます。たとえて申しますると、五十七條の無免許の營業でございまするが、これにつきまして一萬圓以下の罰金というのは、他の事業法規と均衡をとつておるのでございます。なおまた先ほどお話のございました、ただ單にこの罰則の適用發動のみでなく、他にも處置をとるべきものがないかというお話でございまするが、それはもちろん各本條できめられておりまする行政處分、これもおのおのその場合にあたりまして、適用すべきものは同時に併せてこれを行うつもりで考えております。
#103
○田村委員 この六十七條に「左の各號の一に該當するときは、これを三千圓以下の過料に處する」とあつて過料としてあるが、特に過料とした理由を伺いたい。
#104
○郷野政府委員 六十七條の各號に掲げておりまするような場合におきましては、これは司法當局とも十分に打合せをいたしたのでございまするが、これをいわゆる刑罰にしないで、行政罰として處置をするのが、ほかの法律におきましても建前になつておるというような意見もございまして、特にこれを行政罰として取扱うことにいたしたのでございます。從いましてここに掲げてございまする場合、これを一つ一つ當つてみますると、一應この三千圓以下の過料という行政罰で目的は逹せられるのではないか、かように考えまして、他との振合いもにらみ合わせまして、かように規定をいたした次第であります。
#105
○山崎(岩)委員 六十一條についてちよつとお尋ね申し上げます。第六十一條の「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者がその法人又は人の業務又は所有し若しくは使用する車輌に關し」とあるのですが、「その法人又は人の業務又は所有し」という意味は「業務上所有し若しくは使用する」ということのミスプリントじやないか、そうでないとするならば、ここの文章はどういう意味であるかわかりませんので、お答えを願いたい。
#106
○郷野政府委員 お答え申し上げます。この六十一條のつながりは「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者が」そこにボツをおいてお考えを願いたいのでありまするが、「その法人又は人の業務」その次の「又は所有し、若しくは使用する車輌」そこまで續くのでございまして、「又は」から「所有し、若しくは使用する車輌」ここまでにかかるのでございます。從いましてこの間を抜かして申し上げますると、「その法人又は人の業務又は車輌に關し、」その「車輌に關し」というのに「所有し若しくは使用する」という條件が加わるのでございます。
#107
○山崎(岩)委員 そうなればその言葉がわからないのですが、「使用人その他の從業員がその法人又は人の業務」そうするとその人の業務というサブジエクトはどこにかかるのですか。「人の業務又は所有し、若しくは使用する車輌に關し」で、人の業務について車輌に關することなのですか。「法人又は人の業務又は所有し」でなく、業務上所有するとか、あるいは業務について所有する車輌に關しとかいうことならば私は語呂がわかると思いますが、そうでなくして「使用人その他の從業者がその法人又は人の業務」その業務とは何でしよう。「法人又は人の業務」とあつて、人の業務というのはこれが一つの主體になるわけですね。そうすれば人の業務というのは、どこに一體かかり結びつくのでしようか。
#108
○郷野政府委員 お話の點につきましては「法人又は人の業務に關し、第五十七條乃前條の違反行為をしたとき」を「その法人又は人の業務又は所有し、若しくは使用する車輌に關し、違反行為をしたとき、」かようにお讀み願いたいと思います。
#109
○山崎(岩)委員 どうもここが少し言葉が足りませんね。文章の上からいつてなつておりません。ここだけあとで御研究願います。私の方でも考えますが……。
#110
○正木委員長 他に質疑はございませんか。――なければ附則について質疑にはいります。質疑はこれを許します。
#111
○田村委員 ちよつと前にもどつて伺います。六十三條の罰則のところで「人の現在する乗合旅客自動車」云々とありまして、人の現在する場合を指してあるのですが、人の現在せざる場合、つまり車庫へ入れてあつた自動車というようなものについては、これは刑法の一般規定によることになつておると思うのです。あれはたしか毀棄罪は親告民ではなかつたかと思うのですが、普通の個人の所有と違つて、こうした公共用の交通機關として車庫に入れてあるところの機械を破損する、あるいは車體を壞すといつたようなものは、はつきり私は記憶しておらぬのですが、刑法の一般規定ではたしか親告罪になつておると思う。そうすると、こうした公共の用に供するところのものの毀棄罪は、親告罪としてでなく、やらなければならぬ必要があると思う。人の現在せざる車庫の機關に對しては、今の毀棄罪だけで處分するということになるわけですか。
#112
○田中(源)政府委員 大體お説のように親告罪になつておると思います。しかしながら親告罪でなくともやり得られる。これは立法上から考えまして、公共用のもの、また私有物、公共用にあらざるものも、これを犯罪と見なす場合においては、親告罪でなくても地方警察がみずからそれを罰してやり得るのであります。但しその刑罰に付する場合に、公共用なものを破棄した者場合と、私有物を破棄したる場合との刑の量定において、おのずから懸隔があるのではないか、私は兩方ともいけるという解釋をしております。
#113
○田村委員 その點ちよつと私解釋が違うのです。親告罪というのは被害者の告訴がなければ訴追ができないわけです。もし刑法の器物毀棄罪でいけば、告訴がなければ訴追ができないことになるのだから、結局刑にすることができなくなつてくるわけです。この點私もよく調査研究してみますが、これはそうした車庫に入れてあるようなものは――他の営業を妨害するといつたような意味でやつたのなら、これは營業妨害で別に刑法の規定がある。けれどもそうした目的がなくして、機械を壞す、車體を壞すといつた場合には、刑法の毀棄罪によつて罰せられるということになつてくると、普通の個人に對するものとこうした公共用の交通機關に對する問題とが同じ取扱いを受けるということになつてまいると思う。その點、私今條文をもつておりませんからはつきり記憶にありませんが、ちよつと缺點があるのではないかと思います。
#114
○館委員 六十二條、六十三條というようなこの條項は、道路交通取締法案ですか、まだ私よく見ておりませんが、そういうところと關連しているというのか、重複しているというのか、その間の關係はどうなつておりますか。
#115
○郷野政府委員 六十二條、六十三條の規定につきましては、これは一般刑法の特別法規といたしまして、規定を特にここに掲げたものでございます。そしてこれらの罰につきましては、道路運送に關係いたしまするものといたしまして、便宜ここに掲げたのでございます。道路交通取締法の關係におきましてはこういうものを取上げてございません。
#116
○井谷委員 この道路運送委員に地方長官が兩院の議員を推薦したというような場合には、委員の身分とこれとの關係はどういうふうなことになりますか。
#117
○郷野政府委員 道路運送委員會は行政の諮問機關でございますから、ただいまの現行の法規におきましては、國會の議員の方は法律の規定または兩院の議決がなければ、こういう委員會の委員になられるわけにはまいらないのでございます。從いまして兩院の議決がない限り、委員になられるわれにはまいらないものと存じております。
#118
○正木委員長 他に質疑がなければ本日はこの程度で散會したいと思いますがいかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○正木委員長 ではこれにて散會いたします。
   午後四時二十二分散會
ソース: 国立国会図書館
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