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1947/10/11 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第26号
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1947/10/11 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第26号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第26号
昭和二十二年十月十一日(土曜日)
    午前十一時開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 高瀬  傳君 理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    佐々木更三君
      島上善五郎君    成重 光眞君
      志賀健次郎君    橘  直治君
      原   彪君    矢野 政男君
     小笠原八十美君   岡村利右衞門君
      田村 虎一君    飯田 義茂君
      木下  榮君    前田 正男君
 出席國務大臣
        運 輸 大 臣 苫米地義三君
 出席政府委員
        經濟安定本部生
        産局長     野田 信夫君
        商工事務官   和田 太郎君
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   郷野 基秀君
 委員外の出席者
        商工事務官   今井  博君
        專門調査員   岩村  勝君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 道路運送法案(内閣提出)(第四七號)
    ―――――――――――――
#2
○正木委員長 會議を開きます。
 前會に引續き道路運送法案を議題として質議を續行いたします。質疑はこれを許します。高瀬傳君。
#3
○高瀬委員 實はこの道路運送法について私は概括的な質問をいたしたいと思いますが、この道路運送法を審議する前に、實はこの附則の方にあります自動車運送事業組合法とか自動車交通事業法とかいろものをなぜ廢止されたか、それについてはつきりした御意見を伺いたいと思います。特に去年の九十二議會でありましたか、自動車事業組合法案が議に上りまして、鐵道省は非常にその必要性を力説されておりましたが、今囘突如としてこれを廢止される。その廢止される理由についてわれわれは確然たる御説明を受けていないように思いますが、その點について何ゆえに自動車交通事業法を廢止したり、あるいは自動車運指事業組合法を廢止したりして、この道路運送法をつくらなければならぬか。これについてはつきりした當局の御意見をまず伺いたいと思います。
#4
○郷野政府委員 御質問の要點は、自動車交通事業法を本法の實施に伴いまして廢止をする、これはなぜかという點と、自動車運送事業組合及びその組合の連合會の解散を規定いたしておりますその理由、この二點かと存じます。自動車交通事業法は昭和六年に公布せられまして、八年から實施せられましたが、その後昭和十五年と十八年、二囘にわたつて戰爭中に改正をいたしております。從つて自動車の交通事業全般についての法規が、新しい時代に即しないものがございますと同時に、戰爭の關係で直した部分については、戰時色も相當に強いのでございます。特にただいまお話のございました自動車運送事業組合及びその連合會についての規定にはそういう點がございます。今囘道路運送法案を立案するについては、特に行政の民主化と事業の民主化、この二點について重點をおいております。舊自動車交通事業法によりますと、運輸大臣は職權に属する事項を處理するにあたつて、ほとんどすべて自由裁量でこれを行うことができるような建前になつております。この點を行政民主化の立場から訂正いたしまして、道路運送委員會というような民主的な機構を設けまして、これに諮つて、實質的には、その道路運送委員會の意見に從つて重要な事項は處理をしなければならぬということを取入れることにいたしましたし、また事業の民主化については、運送約款とか、いろいろ事業運營の内容についての規定も設けましたが、特にただいま問題になつております事業組合及びその連合會が、戰時の統制會方式の組合で殘つておりますので、これを解散させることにいたし、今後はこういう統制會方式のものによらないで、まつたく任意的な自主的な組合の自然の發達に任せたいという考え方から、この點を直すことに重點をおいて考えております。從いまして事業及び行政の民主化、また道路運送に關する總合法規として舊自動車交通事業は足りない部分がございますので、事業に限らず、自家用なども包含して、車輛の整備、檢査に關する規定なども取入れ、總合法規として新らしい法律をつくることにいたし、自動車交通事業法は新らしい法律によつて全面的に置きかえられるということになりましたので、これを廢止することにいたしました。なおお話のございました自動車運送事業組合及びその連合會につきまして、昨年この規定を修正することにいたしまして、自動車交通事業法の改正案を提案したことがございますが、これはただいま申し上げたような趣旨で、戰時色を拂拭するという意味から解散をすることにいたして、あらためてこの運送法案を提案することにいたした次第でございます。
#5
○高瀬委員 ただいまの郷野政府委員のお話では、自動車運送事業組合というものは戰時色が非常に濃厚であるから全然解散したと言われる。そしてその代りの仕事は中央道路運送委員會とか、地方道路運送委員會を擴充強化して、それによつて自動車運送事業組合のやつておつたようなことをカバーする。そういうお話ですか。
#6
○郷野政府委員 その點は違うのでございます。道路運送委員會は行政關係の諮問機關というのでございまして、實質的に行政運營の中核となつて重要な行政處分について意見を立てる、運輸大臣その他行政官廳に、その意見によつて行政事務を行つてもらうような方向で、行政の中核になるのでございます。この自動車運送事業組合及びその連合會は、現在の交通事業法にきめられておるいろいろな統制事務を行うことになつておるのでありますが、現實に、事統制事務に關する限り、昨年からこういう事務を行う點につきましては、これを改めまして、まつたく民主的な機構で實際はその仕事をいたしております。從いまして現在におきましては、先ほど申し上げましたように、戰時色は一應拂拭されているのでございますが、法規の上におきまして、やはり戰時的な規定が殘つておりますので、これをこのたび法律の關係におきましても、はつきりさせたい、かように考えておるのであります。私どもいたしましては、自動車運送事業につきまして、こういう組合が法律の規定などによりまして、權力的な統制をもつてでき上るということは希望いたしませんが、業者の自主的な、任意的な組合といたしまして組織せられまして、業界のいろいろな今後の健全な發達につきまして、組合員がこれを盛り立てて運營に當られるということは、むしろ希望するのでありまして、そういう意味におきまして、今後におきましては、法律の根據はこれを取除きますけれども、自主的な、任意的な組合としての健全な發達は希望いたしておるのであります。現にアメリカにおきましても、こういう種類の事業につきましてナシヨナル・アソシエーシヨンというものもございますし、りつぱな自主的な業界の組合としての成續をあげておるというところもございますので、そういう點は十分に今後參酌してまいりたいと考えております。
#7
○高瀬委員 ただいまのお話によりまして、大分はつきりいたしましたが、ただこの自動車運送事業組合というものが自主的につくられた場合に、資材の配給とか、その他について、現在非常に日本の政治力も衰え、資材もない今日、この組合とこれを督監する運輸省との關連性はどういうふうに考えておりますか。
#8
○郷野政府委員 今後できます自主的な任意的な組合におきましては、いろいろ自主的な立場におきまして調査もし、また資料も集めまして、官廳方面に對しましても意見を述べられるだろうと思います。こういう點につきましては、もちろん十分にその資料も酌量いたしまするし、意見も聽いてまいりたいと考えておりますが、これを特に法律の規定の上におきまして、そういう事務を組合に對しまして命じたり、あるいは強制加入で組合を組織し、また組合にはいつていない者に對しては資材の割當ができないというふうな制約などは、もちろんこれを取除きまして、まつたく業者の間におきまして自然的に組織せられました國體として、その意見もそれに應じて十分に參酌して運用に當るというような考え方から取扱つてまいりたいと考えております。
#9
○高瀬委員 そうなると、地域的にこの自動車運送事業組合をつくつた所と、あるいは全然そういうものができていない所とでは、自動車業者を保護する點で非常な差等ができてはなはだまずい。だからわれわれは非常に民主主義的に自動車組合法というものがつくられるならば、必ずしも反對はしなかつたのでありますが、これを一擧に、今のような資材の少いときに、ある組織された組合と、組織されない所とある非常な不均衡な状態において、はたして運輸省は完全な自動車運送事業の發達を企圖することができるか、その點についての見解を伺いたいと思います。
#10
○郷野政府委員 組合が、全事業者につきましてこれをすべてを包含する形におきましてでき上ることは、理想として希望するのでございますが、組合の發達の方法といたしましては、そういう點をまつたく自主的な、任意的な方向にもつてまいりたいと考えております。しかしながら事實問題といたしまして、大多數の業者の方はそういう方向に向われることであろうと期待いたしております。なおこの組合にはいられない業者の方もあるいはできるかもしれませんが、そういう場合におきましては、またその組合にはいつておられないということから、特に差別的な待遇をするというようなことのないように心掛けてまいりたい、かように考えております。
#11
○高瀬委員 私はこの點について非常な疑問をもつているものでありますが、あまりこれを詳しくお聽きしてもどうかと思いますから、實際上こういう自動車運送事業組合というようなものを任意に組織させ、政府が何らこれに關連性をもたない状態において發達させることが、はたしてほんとうに自動車事業の發達に貢献することになるかどうか、今後の實際上の成行きを見ることにいたしまして、私はこの點についての質問を打切ります。
 それからこの道路運送法という名前についてでありますが、私はこの法案を全部見まして、これは大體において自動車に對する一つの運輸省の保護規定だろうと思うのであります。たまたまそこに輕車輛、荷車とか馬車とかいうものがはいつたために、自動車という名前を冠するのはぐあいが悪いというので、道路運送法という名前を大きく冠しておられるのだろうと思います。そういうことを言つてまいりますと、たとえば、これは非常に妙な例でありますが、自轉車でもやはり交通機關だろうと思います。むしろスピードの點では自轉車の方がよほど早い。こういうものを全然無視して、これらにつては何ら規定がない。それから、たとえば路面を走る電車にしても、それから地下を走る地下鐵にしても、全然ほかの規定でこれを取扱つている。道路運送法という以上、あらゆる交通機關を包含して、これを規制する法律案でなければ意味がないように思うのでありますが、そういう點について政府當局の御意見はいかがでございますか。
#12
○郷野政府委員 この法律案の對象といたしましては、お話のように自動車に關する事業、すなわち自動車運送事業、自動車道事業というもののほかに、輕車輛の運送事業というようなものも取上げておりますし、また事業でない自家用の自動車でありますとか、自家用の輕車輛というようなものも、一應對象として取上げられているような形になつております。しかしながら輕車輛につきましては、ごく輕易なものにつきましては命令をもつて除外することを考えております。從いましてこの法律の建前といたしましては、道路運送に關しまする限り、事業として經營せられますもの以外につきましても、また自動車につきましても、その他のものにつきましても、すべて包含しているという建前でございます。しかしながら實際の必要に應じて法律上の取扱方を異にいたしまして、場合によりますと命令で除外して、これを適用しないという建前もとるようにいたしております。從つてその意味から道路運送に關する總合的な法規でありまして、道路運送法ということが法律案の内容から申してふさわしいのではないか、かように考えて道路運送法ということにいたしたのでございます。なお御承知の通り英國においてはロード・トラフイツク・アクトというのがあつて、これではやはり輕車輛運送事業というようなものも、自動車と一緒に法律の對象として取扱つております。かような例も參酌した次第でございます。
#13
○高瀬委員 ただいまの御説明でありますが、私は自動車は自動車、輕車輛は輕車輛、あるいは路面電車は路面電車、地下鐵は地下鐵、こういうふうに別々に規制する法律をつくるべきではないか。これは見解の相違でありますが、道路運送法というと非常に誤解を受け、いわんや地方長官の取締りの對象になるような輕車輛までこの中に入れて、單にそれがはいつていたために、道路運送法という名前をつけることは、はなはだ妙な感じをわれわれはもつわけであります。かえつてこの前の自動車事業法の内容を民主的に改正する方が直載簡明でよくはないか、こういう意見を私はもつておるのであります。この點についていかがでありますか。
#14
○郷野政府委員 お説の通り、地方鐵道法竝びに軌道法については別の規定を設けて、おのおのその法律の對象とする地方鐵道、軌道の取扱方をきめてまいつておりまするが、この行き方は今後においてもとつてまいりたい、かように考えております。なお地方鐵道法、軌道法についてもやはり行政の民主化、事業の民主化というような點から考えまして、近く改正の必要があるのではないかと考えております。なお道路の運送に關して、軌道に非常に密接な關係があるのでございまするが、これは別の軌道法があるので、ここに取入れないことにしました。また性質上から申しても、やはり鐵道と同じようにレールの上を走るという關係において、自動車、輕車輛の類とは非常に性質を異にいたしておる點もございます。從つてやはり法律の體系としては別にこれを取扱つて、相互關連する部門については、その關係を十分に考慮していつたならばいいのではないか、かように考えております。
#15
○高瀬委員 大體この法律案の趣旨とするところは、自動車に對する保護規定、あるいは育成發達の規定であると私は解釋いたします。それでこの第八條の道路運送委員會であります。御承知のように大分今まで議論を闘わしておられたようでありますが、私は實際この道路運送委員會のいわゆる意見を聽くという項目のうち、ここにあげられた五つの項目はほとんどみな重大なことでありまして、これは自動車運送事業を指導監督する地位にある官廳の全面的な責任と創意で、これを決定すべき重大な事項であろうと思うのであります。從つてこれを民主主義的な方法でこの委員會に聽いて、中央委員會なり、あるいは地方道路運送委員會に聽いて、こういうことを決定するという御趣旨については、非常に私は結構であろうと思すますけれども、一體はたしてこういう委員會の運營が、今の日本の民主主義の段階において完全に行われるかどうかということについて、私は非常な疑問をもつのであります。私は去年から鐵道會議の議員に任命されて、會議にしばしば列席いたしましたが、あの會議にしたところが、結局それの大多數の意見を參酌して、あの會議に運輸省の責任を轉嫁するというような傾向もなきにしもあらず、こう思うのであります。從つてかくのごとき運輸省として自己の責任と創意で決定しなければならない重大な項目を、このいわゆる道路運送委員會に任すということは、一體はたしてほんとうの意味の民主主義であるかどうか。もしかような委員會が必要であるとするならば、しかるべき方法で民間の有識者をその組織の中に入れて、運輸省自身の組織としてかくのごとき委員會をもつ方が、より民主主義的ではないかと考えるのであります。この間われわれが審議しました法律案、たとえば鐵道の運賃を改正する場合に、一週間のプレヴイアス・ノーテイスでできるというようなことを規定いたしました。これは財政法の第三條の趣旨に從つて、たとえその財政法が實施されようとされまいと、今後議會にかかるものとわれわれは了解しておるのでありますけれども、法規上の巖正な建前で言うと、あの財政法が實施されない限りは、運輸省はどこにも相談せずに、自己の財政的破綻を解決するために、三倍値上げをした運賃を、また一週間の豫告で値上げを斷行することができる。片方で國民生活に重大な關係のある運賃値上げなどを、かくのごとくあいまいな状態にしておいて、しかもこの自動車の問題については民意を尊重して、かような委員會をつくるというようなことは、非常に矛盾しておるではないか。それほど民主主義的方法で運輸省がこの自動車事業の育成發達をはかりたいとするならば、むしろこの委員會は運輸省自體の組織として、しかもこれから公務員法も改正され、自由任用の範圍も擴まるわけでありますから、民主主義的方法でその民意が反映するような行政運營をやられる方が妥當ではないか。そういう點でこの道路運送委員會なるものはこれを政府の組織として、政府の責任と創意においてこれを運營し、しかもその運營に携わる人をもつと民主主義的方法で自由任用の途を開かれ、公務員法の趣旨にも照らして、これを政府の責任と創意においてやるべきではないか。中央委員會しかり、また地方委員會もさように運營されなければならぬと思います。從つて片方で運賃値上げなどは、正式に議會にかかるのか、かからないのか、その點をすこぶるあいまいにして、やろうと思えばできるのであります。だからそういう國民生活に重大な關係のあるものをあいまいにして、かような問題についてのみ民意を尊重するという建前を運輸省がとられても、われわれとしてはその點非常に納得ができないのであります。むしろかようなことをこんな――といつてははなはだ語弊がありますが、委員會にかければなかなかきまらない。そういうことで一體責任の歸屬はどこにあるのか。それから自動車業者がたとえば運送事業の免許に關する出願をした。その他ここに五つ書いてある項目を運輸當局に願い出た場合に、非常にその決定も遅れる。一體責任のあり方はどこにあるかということになると非常にあいまいである。從つて私はかくのごとき道路運送委員會の設置というものについては贊意を表しかねる次第であります。その點についての運輸當局の御意見を伺いたいのであります。
#16
○田中(源)政府委員 委員會の構成竝びに性格につきましては、過般來政府委員よりたびたび質疑にお答えしまして、もはや御了承のことと存ずるのであります。運輸省においては企業の合理性という面から、監督行政と運輸行政を二つにわけたいという心持をもつて今鋭意研究いたしております。從つてこれは當省所管の運輸行政全般にわたる機構の上において、監督行政と現業とを區分していきたいと考えておるのであります。從つてこの監督行政を現業から區分いたしました場合において、中央と地方との二元的な縦のつながりをもつスタツフにおいて運營をしていきたい。その地域は大體本法において規定いたしておりまする地域をもつていたしていきたいと思つておりまするが、そうなりますと、ここであるいは皆さんにお諮りをいたして一部本法案の修正をいたさなければならぬかとも考えておるのであります。そういたします場合に、監督行政と運輸現業とが分離いたしますならば、從來の鐵道局管内における地域をもつていたしますけれども、自然鐵道局の現業と監督行政というものとは全然ここに分離されることになります。この分離されていきましたものは――ただいま高瀬委員からるる御意見もございまして、まことにごもつともな點も首肯いたします。しかしながら今後のあり方といたしましては、ただいま申しましたように、その區域内における一つの監督面のスタツフ、地方を總合するスタツフが、それがすべての面においてその府縣より選出されたところの――本法に規定しておりまするのは各府縣に一人となつておりますが、これは私はいろいろ御議論もございましたけれども、アメリカにおきましては水産試験場の場長が鑛物學者であつたり、醫學博士であつた例もたくさんあります。現にそういう例もあります。與えられたる任期間におきまして、有能にして達識である、人格のある方が選ばれまするならば、必ずしもその人がテクニカルな知能を有しなくても、またスペシヤルな知能をもたなくても、その人が委員會におけるところのりつぱな委員としての使命を果し得られることと考えるのであります。從つて適材適所の人たちが各府縣からセレクトされまして構成されたるその委員會が――これは諮問をすると申しまするけれども、實質においては決定をいたすべき力のある委員會であります。またその委員會の決定されたることは尊重しなければなりません。そういうわけで、事實上決定をすると見てよろしい。そこでこの委員會の運營については、おそらくそれらのメンバーの人たちは廣く公聽會も開き、あるいは専門家の意見も徴されまして、過ちなきところの意見を決定されるものと考えますので、この委員會を置きますことは、決して私は運用面におきまして、またその委員會の構成の主體及び構成の權限そのものは、今後の日本――現在においてはあるいは過渡的な處置としてもう一歩高瀬委員の御意見のような點も考えられる向きもあるかもしれませんが、いつまでも過渡的だいつてそう考えておるべきではない、將來というものを考えて、日本の自動車運輸、いわゆるこの道路運送に關する小運送まで入れましてすべての面がどういうあり方でいくか、またこれをどう助成をしていくか、またそれが民主的で正しく機能的な働きを現わしていくというふうに仕向けていくのには、やはりこの委員會というものは設置を見ていく方がいいのではないか、こういうふうに考えるのでありまして、お考え方を今一歩を進められて考えていただきまする場合におきましては、中央の行政機構の變革と相まつて、この委員會は非常に有意義なかつ民主的な、かつ機能的な委員會の運營を構成し得るに至るであろうと想像しておるのであります。同時にこれをかくあらしめるということは、民間各位の強力なる御援助によつて初めてこの委員會というものが完全になり、機能を發揮していくであろうと考えておる次第であります。さよう御了承をお願いいたしたいと思います。
#17
○高瀬委員 ただいま田中政務次官から御答辯がありましたが、もちろん將來の問題としてはかくのごとき委員會制度も結構でありましようけれども、少くとも自動車事業の育成強化をはかる最も必要なる段階にある現在においては、もしほんとうに運輸當局がいわゆる自動車事業の健全な發達をお考えになつておるのであれば、この道路運送委員會なるものは政府の機關として、そうしてそこに民間の有識者を入れて、政府の責任を創意によつてまず解決をはかつていくべきものである。かように私は考えておる一人でありまして、もちろん將來かくのごとき委員會を設立することについて反對するものではありませんが、まず第一段階としてはそういう手順をとるべきが至當であろう。かように私は考えておるものであります。特に先ほど申しましたように、財政法の趣旨に從つて運賃の値上げというものを必ず議會にかけるということも、はつきりしていないで、非常に國民に重大な關係のあるものを片つ方にそつとしておいて、こういうものだけ民意を反映させて委員會をつくるんだと言われても、私は――一見關係のないようでありますけれども、鐵道省の根本的なものの考え方をはつきりしないでは、こういうものを簡單に審議するのはどうかと考えておる一人であります。從つて根本的に運賃の値上げその他について財政法を早く施行して、そうして民意に問う、議會にかけるんだということだけでもきまつておれば、われわれはこれをすぐ、あるいは通すかどうかしりませんけれども、まじめに考えてもいいですが、片つ方にそういう重大な問題をほつたらかしておいて、ここだけ民意を尊重する、しかもこれはほとんど自動車の指導あるいは自動車事業の發達についての技術的な面が非常に多いのでありまして、そういう點について何ら責任のありかがはつきりしないような、こんな道路運送委員會というようなものは私は價値がないのぢやないか。從つてただいま觸れました財政法と鐵道の運賃の値上げの關係については、ぜひ私は本日でも運輸大臣に御出席をいただいて御答辯を願つて、それから問題を審議したいと考えておるわけでありまして、御懇篤な政務次官の御説明はありましたが、その點は私は意見が違うわけであります。
 それからもう一つ第二十九條の中に「主務大臣は、事業區域の東京都の區の存する區域内又は政令の定める市の區域内に限られる乗合旅客自動車事業につき」云々(都知事又は當該市長の意見を徴しなければならない。」こういうことがあるのであります。これはどういう趣旨で立案されたものかしりませんが、もし東京都なり大きな市で都知事または市長の意見を聽かなければならないというならば、地方の自治體において民主的に選ばれた縣知事の地位というものは、大きい小さい、あるいは交通が頻繁であるかないかということは本質的に大した相違はないと思うのでありますから、こういう規定を設けるならば、やはり地方長官、民主主義的に選ばれた地方長官にも相談しなければならぬというわけで、何がゆえに大都市においてのみ自動車事業について意見を徴しなければならないか、地方長官にも當然これは聽くべきが正當ではないかと思うのでありますが、この點についての當局の御意見を承りたいと思います。
#18
○田中(源)政府委員 お答えいたします。お尋ねの第二點については郷野政府委員からお答えいたすことにいたしまして、第一點について申し上げます。高瀬委員は、財政法が確實に施行せられないために、こういうことの審議の上においても非常な疑義があるということを申述べておられますが、また反面、過渡的な現在の段階において、自動車事業の健全なる育成發達の面から見て、政府機關としてもいいじやないかという御意見もあるようでございます。先ほど私が申し上げました通りに、政府の現業と行政を二つに區分する、そうして現業は獨立採算制がとれるようにその運營をはかつていきまして、しかる後に十分に公共性、國家性をこれに加味していく。監督の面におきましても、公共性をもつことは申すまでもないことで、公共の福祉に副うべき監督の行き方といたしていかなければならぬのであります。しかし、かように行政面が二つにわかれます場合に、最近におきましては出先政府機關を整理せよというような陳情も種々參つておりますし、御論議が出ておるのであります。地方分權の確立のためには、政府の出先機關を整理しろというような意見も多數出てきており、われわれは地方の出先官憲をいたずらに殖やそうという考えはもつておりません。行政の合理的な運營の面におきまして、必要なるものはこれを強化し、不必要なものは統合改廢していくことは當然のことであります。この點については、私ども各方面からの陳情、または御意見等を十分參酌いたしまして、將來に備えていきたいと考えておりまするし、かつ政府におきましても、行政調査會におきまして一部この面に觸れて研究いたしておるようなわけであります。そこで自動車の總合的堅實なる發達の面から考えてまいりまするならば、現段階にある日本の自動車を、將來どういうあり方にもつていくか、しかも大量輸送機關である鐵道及び軌道との連繋をどういうふうにしていくべきであるか、これを育成していきます上においての資材その代のものに向つてどういくべきか、考えなければならぬと思うのであります。從つて、まず日本の現段階におきまして、現行の政府機關は別といたしまして、民間の機關におきましては、旅客といわず、貨物といわず、各私企業がもつております車輛數量、及び實稼働數量、竝びに運行キロ數と經營の内容等を調査いたしまして、これを將來どの程度まで育成發達いたすべきか、あるいはまた改廢いたすべきかという點につきまして、それぞれ各地方の自動車部を通じまして詳細なる調査をいたしておりまして、いずれ來月上旬に至りますれば、この問題は總合的なる數字的な面が現われてくると思うのであります。これが現われてまいりましたときに、將來日本の自動車をどうもつていくかという問題は、資材の面については、今後内地における國内生産の面と國外生産の面とにおいて、どれだけのものを輸入しなければならぬか。それと同時に、國内製造工業はどの程度までこれらの關連工業を發達さすべきであるか。また一歩進んで、これを輸出にもつていくべき工業の形態を備えせしむべきであるかどうかということを併せ考えまして、一定の標準を置いて、漸進的なる手段によつて、この自動車を健全なる合理的な企業のもとに成育せしめていきたいと考えて、目下その調査をいたして對策を立てつつある状態であります。徠つてこの面から考えていきました場合に、先ほど申しましたいわゆる行政上の出先機關等の整理、問題も出ておりまするので、最も民主的なる、また能率的な委員會、自主的な委員會を設置しまして、それが用運の面において大きな働きをもつていくということである方が、民意にもこたえるではあるまいか、こういうような考えから、私どもはこの委員會を構成いたしたようなわけであります。企業の面において最も重大であり、國家といわず、私企業といわず、企業の基礎をなす賃金の問題の決定につきましては、私企業に對しては、われわれは公共の福祉に副うべく、また企業の内容を檢討いたしまして、おのおの適正なる監督の面に立つた許可を與えておるのであります。國家の問題に對しましては、憲法によつて財政法が明かにされ、財政法の施行によつて、これらの國家企業に關するところのものは、すべて國會の承認を經るということになつておるのであります。しかしまた財政法は施行されておりませんが、されておらないからといつて、われわれが現在においては何時たりとも自分たちの企業の面における運賃改正等をなし得るということは、なるほど理論的に申せば高瀬委員のおつしやる通りでありましようが、良心的に考えまして、われわれは國會の存在を無視したような行動をとることはでき得ないのであります。當委員會におきましても、大臣竝びに私より、今後の改正等については國會の御承認を經るということはしばしば申しているようなわけでありまして、前囘の運賃の値上げにおきましては、他の産業との關係のため、一定の重要物資の價格決定のために、まことに餘儀なくわれわれの方で單獨なる處置をとつた。そうしてこれによつて國會の承認を經ることを得なかつたことはまことに遺憾でありまするが、その後においては、先ほど申しました通りに、常委員會におきましても大臣竝びに私より、今後においてはさようなことはないということを繰返し申し上げておるようなわけであります。
 ただ私どもはここに一つの御了解を得ておきたい點があるのであります。目下われわれは占領下にありまして、いろいろな關係というものがここに存在しておるということをひとつお考えを願いたいと思うのであります。しかし私ども政府として、當該主務官廳として取扱います方針としては、あくまでもここで大臣竝びに私どもが聲明申し上げました線に沿つていきたい、かように心得ておりますので、財政法の施行も近くあるべきはずでありますから、その點をお考えくださいまして、協力的な御意圖のもとに、本法案の御審議をお願いいたしたいと存ずる次第であります。
#19
○正木委員長 この際高瀬君にお諮りいたしますが、實は矢野君より要求がありまして、本委員會に商工省と安本の方がお見えになつておるわけです。この點だけ矢野君が質問を留保されておりますので、この機會に矢野君に發言を許したいと思いますが、いかがですか。
#20
○高瀬委員 結構です。
#21
○郷野政府委員 二十九條の問題につきましてお答え申し上げます。二十九條を設けました趣旨は、地方自治體といたしまして市町村は最も團結の強固な家族的なつながりをもつ團體でございまして、地方自治體の基盤をなしまする團體でございます。從いまして、この市町村につきましては特別の考慮をいたしまして、その市域内に限られたバス事業につきまして、特に都知事または當該市長の意見を徴しなければならないという規定を設けました。府縣はこの市町村の集まりました集合體でございまして、市町村のごとくそれ自體といたしましては、強固なまとまりはいくらか薄いのではないかというふうな點も考えまして、なおアメリカのこの種の立法例におきましても、市町村を特別に取扱うという例もございますので、これを參酌いたしましてこの規定を設けたのでございます。
#22
○正木委員長 矢野君に發言を許しますが、商工省總務局財務課長と安本の生産局長が見えておりますから、この點に關する限り質問を許します。矢野政男君。
#23
○矢野(政)委員 私は商工省の財務關係につきましてお尋ねをいたしたいと思います。わが國今日の小運送は、特に自動車のタイヤの不足のために今や重大なる危機に瀕しておる次第であります。國家再建のために、さらにまた東北關東におきますところの水害の應急對策等につきましても、陸上小運送業者の責任は非常に重大なるときであります。このときにあたりまして、この自動車用タイヤの生産はまことに微々たるものでありまして、とうてい現在の要求には應じ得ないというような状態であります。運輸當局におきましても、また商工省におきましても、さらに安本におきましても、この問題については非常なる熱意をもつて増産に努力をされておるということにつきましては、過日來當委員會におきまして、政府委員から伺つたのでございますが、このタイヤの増産については、どこに隘路があるのであるかということにつきましても議論を闘わせておりまして、この點につきましては、まずもつて生ゴムの輸入、あるいは綿糸の關係、あるいは工場設備の不足の關係というような點をあげられたのでありますけれども、私はこの點につききまして生産工場に向いまして研究をいたして見たのでありますが、まずもつてこの際一番問題となつておりますのは、資金の問題であるということを聞されたのであります。この製造會社が、配給された生ゴムあるいはその他の資材につきましても、これを入手いたしますのに、資金が十分でないために、せつかく配給されましたその資材を引取ることができませんので、非常にこれが生産を阻害しておるというような現實の状態を聞いたのであります。これに對しましては、商工省の財務關係の方面に向いまして、全國の製造會社がこぞつて、その資金の融通を何とかしてほしいというような總意をまとめまして、數日前からこの資金の借入れ等につきまして商工省にお願いをしておるということを聞いておるのでありますが、これに對しまして商工省は、いかようなるお考えのもとにこの資金の面につきましてはお進めになられておりますか。この點につきましてお尋ねをいたしたいと思います。
#24
○今井説明員 本日御質問の内容等につきまして、實は十分なる御連絡をちよつと中間に立つた者が缺きましたので、數字的な點につきまして多少不滿足な答辯に終るかもしれませんが、その點あらかじめ御了承願いたいと思います。いずれ數字等につきまして御要求がございましたら、詳細調査した上で御答辯いたしたいと思います。ゴム、タイヤの増産につきましては、われわれもかねて、實は閣議で決定になりましてから、この資金の問題をどうするかということについて檢討を續けてまいつた次第でございますが、實は最初は、御承知のように、タイヤの關係につきましては、ゴム統制組合――現在はゴム統制協議會と名前が變つておりますが、いわゆるゴム統と稱する一手販賣買取機關というものがすべてゴム關係の資金というものは賄つておつた次第でございます。それでわれわれとしては、最初は、いわゆるゴム統と略稱して申しますが、ゴム統を通じて資金を流していくというような方法でこの問題を考えようかと思つた次第であります。それでこの資金の斡旋につきましては相當實は骨を折つた次第でございます。ところが御承知のように、この一手販賣買取機關が閉鎖されるとかいうふうな問題がいろいろうわさされまして、金融機關がこれに對してなかなか金融しないというふうな情勢もありまして、なかなか骨が折れたのでありますが、これも大體何とか行くというふうなところへもつてきて、また公團問題がいろいろ論議されてきまして、將來の問題が非常に不安だというふうな傾向もございますので、ゴム統としてもなかなか積極的に動きにくいというふうなまた新情勢になつてまいりました。そこで今度は、やる方なくゴムとかタイヤをつくつておるゴム會社に直接融資の方法を講じたい、こう思いまして、過般來、日本タイヤ、横濱ゴム、中央ゴム、東洋ゴム、大津ゴムの五社の資金計畫を實は出していただきまして、會社別に檢討を加えた次第であります。現在第三・四半期の資金計畫を安定本部が中心になつて作成中でございますが、この安定本部の資金計畫の中に、タイヤの増産に伴う増加運轉資金、すなわち値上りによる増加運轉資金及び増産による増加運轉資金、これを兩方合わしまして、運轉資金として現在われわれの要求しておるのは約一億圓程度かと思つております。さらにタイヤ増産に伴う設備がまだ若干不足でございますので、設備資金を若干、合わせていくらになりますか、ちよつと記憶が判然といたしませんが、それを現在資金計畫の中に織りこみまして安本に要求中でございます。間もなく、この十月半ばごろにはこの資金計畫は決定を見ることと現在考えております。ただ、先ほど申しましたように、現在資金が非常に不足であるという點はわれわれも實はかねてから拜承いたしておりますが、この事情を説明申し上げますと、今まではゴム統というものが中間にありまして、實は資金的な緩衡地蔕であるというふうな點において、ゴム會社は資金の點については今まで融資をあまり實は必要としなかつた次第であります。ところがこの緩衡地蔕であつたゴム統制組合というものが今後はいわゆるそういう資金的な方面において行詰りを來してきました始末、タイヤ、ゴム關係の會社が非常に資金が苦しくなつてまいつた。從つて第三・四半期の資金計畫の策定をまたずに、とりあえずの運轉資金というものが必要であらうと考えまして、これは資金計畫と並行しまして、現在日本銀行に市中銀行の資金の斡旋方を依頼中でございます。これは二週間ほど前から取運び中でございますが、現在の状況では、まあ市中銀行がこれを引受ければ別ですが、それがいかないときには、復金の支拂保證というようなことをも考えまして、支拂保證というふうなことでもやつて運轉資金の點については充足していきたいというふうに考えております。從つて設備資金は若干遲れるかもしれませんが、増加運轉資金につきましては、間もなく目鼻がつくのではないか、こう考えております。ただこの際御參考までに申し上げたい問題は、こういうダイヤの増産に關連しまして、これに便乗する資金というものの要求というものの要求が實は相當にあるのであります。これはタイヤの問題のみならず、いろいろな事業の増産計畫に伴いまして、今まで實は手控えておつたのを一時に必要なる資金として出してまいる。從つてこのトータルを押えますと、非常に厖大なる資金の要求に實はなるのでありまして、このゴムの關係につきましても、最初われわれがこの五社の資金計畫を見ましたときには、相當厖大なる資金計畫であつて、現在非常に資金が詰まつておる現状におきましては、相當これに對しては、やはりいろいろセレクシヨンしていかなければならないというふうな意味において、やはり若干日にちを要したのでありますが、とりあえずの資金についてはそういうふうに考えて現在取運び中でございます。
#25
○矢野(政)委員 重ねてお伺いいたします。ただいま御説明のありました増加運轉資金でありますが、これにつきましてはどの程度の資金の融通をお考えになつておられますか、その點をお伺いいたします。なお設備資金といたしましても同様にどの程度の資金の御計畫でありますが、その點をお伺いいたします。
 さらにもう一點お伺いいたしたいことは、聞くところによりますと、タイヤの製造會社が五つございまして、いずれも毎月の生産數字をあげていない。殊に現在倉庫にある手持品がどの程度にあるかということも商工省においてこれを知つておらぬというようなことを聞いておるのでありますが、過日の東北竝びに關東の水害におきましても、非常に緊急を要しましたのは自動車のタイヤでございまして、そのときに運輸省に業者が陳情いたしまして、運輸省もこの際こそほんとうに緊急對策用として相當な数數を出さなければいかぬというようなことになりまして、商工省と打合せの結果、至急にれは出すべきであるというようなことで奔走されたのでありますが、商工省におきましては現在の一箇月の生産數量についても正確な數字がわからぬ、あるいはどこの倉庫にどの程度のでき上つた製品があるのか、そういう點についてもはつきりしておらぬという現状を聞いておるのであります。こういうことではせつかく少い資材によりまして生産をされましても、このでき上つたタイヤを速やかに配給をするというようなことについて、どうも非常に手ぬるい點がある、かように考えるのであります。何ゆえにその月々の生産を業者が報告できないのか、あるいはこの少いタイヤのでき上りました製品が數字的に何ゆえに上つておらないのかという點を非常に深く考えるものでありますが、さらにまた一方業者間の方の立場を考慮いたしてみますと、すでにもう數箇月前から、非常に資材の値上り、あるいは人件費の暴騰によりまして、タイヤの値上げを要求しておる。ところがそれが一向目鼻がついておらぬ。殊に自動車のシヤシーにおきましても、今年の二月、三月のころにおきましては普通の程度でありましたものが、六、七月ごろになつて約十五萬圓、それがさらに現在におきましては十九萬一千圓というような値上りを認めておりますのに、タイヤのみがひとり依然として同様でありまして、この値上りを認められていない。こういうところに非常な缺陷があるのではないか、かように考えるのであります。このタイヤの値上げということにつきましても、すでに相當御考慮を拂われておることとは思いますが、現在どのような状態になつておりますか。またさらに値上げにつきましても、どの程度の値上げをお考えになつておられますか。あるいはその時期はいつごろに實施されるのでありますか。この點につきましてお伺いをいたしたいと思います。
#26
○今井説明員 先ほど冒頭に申し上げましたごとく、實は御質問の内容につきまして、私今日資料を持合わせてきませんので、數字的な點につきまして多少不滿足な點がおありかと思いまして御了承願つたのであります。從つてほぼ概數的な數字を申し上げる程度に止めまして、必要がございましたらもう少し詳細に調べまして御答辯いたしたい、こう考えます。
 最初の増加運轉資金の要求はどのくらいの數字を考えておるかという御質問につきましては、先ほども申しました、タイヤの五社につきまして、増加運轉資金としての要求は一億九千七百萬圓程度、約二億の運轉資金の要求がございますが、われわれの方でこれはもう安本と協議中でございます。この必要なる資金をざつと當りましたところの結論としましては、八千五百萬圓程度をとりあえず必要とするというふうな、これは漠然とした數字でございますが、一應の結論を得て、今安本と連絡してこの數字について檢討中でございます。これを資金計畫の中に織りこむと同時に、日本銀行を通じて斡旋を願う、こういうふうに相當これは進んでおる状況でございます。
 設備資金につきましてはトータルで四千八百萬圓、約五千萬圓の要求が實はございますが、この内容につきましても、これは資金調整の手續を必要といたしますので、その際に詳細に檢討をいたしたいと思つております。ただこの内容を實は過日から檢討中でございますが、ほんとうにこのタイヤの増産に必要なる資金というものと、これに關連してこの際にいろいろと建物を修築したり、あるいは社宅を建てたりする點も相當實ははいつておるのでありまして、これだけの資金というものが全部賄えるかどうかにつきましては、まだはつきりとお答えする状態にはなつておりません。この設備資金の中には相當削減し得る餘地があると私は考えております。これは大抵の場合にこういうことがよくあるのでありまして、相當これに便乗して、いろいろ追加される資金が私はこの中にはいつておると思いまして、この點は目下檢討中でございます。それと水産對策の問題につきましても、水害につきましてはこれは別途水害についての必要なる復舊資金としまして安本と現在協議でございます。これも第三・四半期の計畫の中に水産對策の資金として織りこみたい、こう考えております。
 それからタイヤの増産につきまして、的確なる數字を握つておるかどうかという御質問につきましては、これは私直接この生産の方を擔當いたしておりませんので、實は答辯ができかねるのでありますが、このタイヤの増産につきましては、どうもタイヤに對する認識が非常に淺くて、たとえばゴム統制協議會でございますが、この中でタイヤの關係をやつておる課が非常に小さくて、その中においても非常に無視されておるというような状況が大分前からあつたというようなことはかねて聞いております。これは全體のゴム統制、ゴムの生産機構の中においてタイヤがある程度虐待されておつたというふうな關係が一方にあると同時に、もう一方においては、これは先ほど御指摘になりましたごとく、實はタイヤの値段が非常に低くて、このために業界の方の生産意欲が出ないというふうな點があつたことは御指摘の通りでございます。このタイヤの値上げにつきましては、われわれの方から物價廳に現在實は再三要求をいたしておる次第でございまして、もう間もなくきまるというふうに聞いておりますが、その點についてはまだはつきりした確かめはいたしておりません。ただわれわれが聞いておるところでは、この五社の生産原價を全部洗いましたところ、今度の新改訂を豫想される値段において全部収支は十分償ういとうことは聞いておりますので、この値段の點につきましては、今度の改訂値段によりまして十分採算は償うではないかと考えております。生産關係につきましては、實は直接タツチいたしておりませんので、この點につきましては、あるいは必要があれば他の方からお答え願つたらどうかと考えております。
#27
○矢野(政)委員 大體了承いたしましたが、ただいまの數字的問題などにつきましては、後日お伺いいたしたいと思います。なおただいまお答えにありましたように、非常に自動車タイヤの生産につきましては冷淡なる扱いをされておるというのは事實であると思うのであります。なぜそういうような状態になつておるか。殊に現在のあらゆる産業の面におきましても、あるいは國家再建の建前からいたしましても、陸上輸送が非常に重大なる責任をもつておることは承知しております。しかもこのタイヤの増産に對しまして、一部の考え方によつて非常に冷淡なる扱いをされておるというような事實は、ただいま御説明になられた通りであります。私はこのときにあたりまして自動車タイヤの扱い、あるいは生産等につきましても、運輸省が直接これを擔當すべきではないかと考えるのであります。と申しますのは、先ほども申し上げたように、緊急に必要でありましても、その數字がどこにあるのか一向わからぬ、あるいは一箇月にどの工場がどれだけの生産をしておるのか、はつきりした數字が出ておらぬというようなことでありましては、いかに聲を大にいたして申しましても、今度このタイヤの増産につきましては、期待できないと考えるのであります。それは何ゆえかと申し上げますならば、商工省のやつております仕事の範圍が非常に廣い、從つてこのタイヤの面は一部の關係の仕事でありますので、そういうふうな結末になることを考えますと、ここで陸上輸送の大半を處理し、握つております運輸省は、この際運輸省の立場においてタイヤの生産、あるいは配給等につきましては、これをやるべきではないか、かように考えるのでありますが、この點につきまして商工省竝びに運輸省としてのお考えをこの際お伺いしておきたいと思います。
#28
○田中(源)政府委員 お説ごもつともでございます。御承知のごとくに、タイヤ、チューヴの生産には長原綿も必要でありまして、これはエジプト綿を最も良といたすのであります。從つてこの喚産原料は輸入にまつべきものでありまして、ただいま三・四半期、四・四半期におきまして、各二千トンの生ゴム原料を先般來安定本部、商工省、運輸省と合根をいたしまして、この資材を確保いたしました。エジプト綿につきましては、まだ適當な入手の手當できませんが、これは比較的長綿を利用いたしますならば、あるいは印綿の一部も將來はいつてまいると思いますので、これを利用いたしまして、できるだけ良品の製造に努めたい、また業者の製造の上からできるだけ商工省、安定本部と協力いたしまして、原料の確保と同時に生産資金、運轉資金等についても、十分併せて援助し考慮していきたいと思つているのであります。根本は今後におきまする日本の自動車を一體どの程度にしていくか。現在の稼動自動車數量を各車輛について見透しをつけて、これに要する一定の生産量というものを確保していく方針をとつていかねばならぬわけでありまして、自然今後におきましては私企業である民間企業におきましても、休止路線等の復活をいたす場合もありますし、また省營自動車におきましても新規路線の開業をいたします場合もございまして、自然これが所要量は増加いたすものと思います。それに加えましていわゆる特定量――ある一定の保育量、豫備量を考慮していかねばならぬのであります。災害によつて火急のものは火急に從來のストツクを放出し、これを補填するような事態も生じますし、あるいはその他の天災、火災等によります一般災害のため、ただいま申しましたようにある一定の保有目標を考えていかねばなりません。これらの點を織りこみまして、將來輸入の原料確保の上において、日本の貿易の調整上に一定のわくを與えてもらうということが必要であろうと思います。これを今私の方もその基礎的數字をつくり出しておるようなわけであります。さしあたりただいま申しましたような三・四半期、四・四半期におきましては、二千トンの生ゴムの原料を手配しておりますが、今後の見透しについては、右様の處置をとつて、安定本部竝びに商工省とも相談し合とつて御趣旨の通りいきたい、かように考えております。
#29
○小笠原委員 ただいま矢野君の御質問、田中君の答辯がありましたが、御答辯の通り、自動車の御計畫を今後立てられる、これが重要な問題だということを言われたが、その通りに相違ない。ただ私はこの法案を審議する上において、この法案が通過したとして、これを運用するにあたりまして、一番大事なのは運用ができるかできないかという問題を心配する。この取締りはだれがやるかというと警察がやる。この法律が生れれば警察はその方に向つてのみ取締りを巖重にする。こういうことになるのでありましようが、一體今日ある自動車であつても圓滿に運輸できておるかどうかということについては、御承知の通りであります。これは何が原因かというと、タイヤが一番問題です。これに對し未だにタイヤの生産の方におきまして資金の計畫も確立しておらぬ。また價格の點も物價廳に今連絡しておつてまだ未定である。こういうことになりますと、一體何によつて圓滿なる運行ができるか。一方取締りの方は規定によつて罰金をとる。いろいろな制裁を加えられる。今までも例がある通り、警察などというものは、その根本的計畫などということには無關心で、とにかく第一線において、違法をするならば必ずこれに對して制裁を加える。あなた方の運輸關係の方々は、それは無理であるとか、法に關してあてはまらぬということは言わないのが今までの例になつておる。そうしますと、今あなたの言われるような、これからすべての計畫を立てられる。タイヤの問題も今二千トン云々と申され、これは商工省關係あるいは物價廳關係、安本關係と連絡をとつてからと申されるが、今矢野君の御質問になつておることは、そういうことがあるから、複雜してなかなか運用關係でうまく配給ができなかつたり、生産と運行というものとの連絡がうまくとれないじやないか。言いかえれば、こまいかことになりますと、先だつて申上げたように、一體タイヤの壽命というものはどのくらいあるか、鋪装道路ならばどのくらいの壽命があつて、東北、北海道のような悪路ではどれだけの壽命があるか、どれだけの計畫のあるところへどれだけの配給があつて、それで計畫運行が圓滑にやれるというようなことになつておつてそれで怠けたものを取締るというならよくわかるが、資材を與えずして、取締りの方面のみを警察に與えるということで、はたして今日この法案を通過せしめて不安がないかということに私は相當の疑問がある。こまかい委員會とか何とかいうことは別にして、矢野君の質問に對してもつともだと思うから、私は伺うのであるが、そういうところに不安がなくてこれをおつ放してやつてしまつて、運用に當つてどうなるかということに對して、不安をもつておるけれども、運輸當局の方は御心配がないのか。物價廳の生産局長、商工省の方も見えておられますが、そういう人人はこの法案を協議されたでありましようか。自分の方に確たる供給し得る資材の計畫なくして、法のみ先に行つてしまつて、あとの法の運用に御心配がないか。警察の連絡はどうするか、地方廳との連絡はどうするかという點を、もし御心配がないのならばないと、ここに明確にしておく必要があると思うのであります。この點をちよつと伺つておきます。
#30
○田中(源)政府委員 お答え申し上げます。現行タイヤ・チユーブの面におきまする原料ゴムは、四・三半期、四・四半期に各二千トンづつの原料を確保いたしまして、本年度はその通りの手配いたしております。その生産面においては私は減退しておらぬと思つております。漸次増産に向いつつある。過般來も郷野政府委員から、爾後の新車配給に對しては、前の四本を六本にして配給するという計畫であるということも、この委員會でお答えいたしておつたとことと記憶いたしておりまするが、漸次増産に向いつつあると思います。
 しかして私の後段に申し上げました今後の資材確保においては、基礎的數字の上に立つて、どの程度まで現行の自動車の運行キロ數から見てタイヤの耐久力があるかということをきめます。もつとも過去における一級ゴム原料において製造しましたものと、現行における二級程度の原料ゴム、竝びに現行のように、原綿においても、エジプト綿の優秀なるものはいらざる現在の耐久力は、おのずから違つてまいると思います。從つて來年度見透しをつけて、運行キロ數と對比して、民間企業にいくら要る、政府企業にいくら要るということを確保してまいりたい。これを先ほどお答え申したのでありまして、その基礎的な方法を現在の運行キロ數、及び將來運行せんとする民間及び政府の企業の車輛の運行總數から見まして確保していきたい。その上で來年度分は安本なり商工省との間において原料ゴムを確保するのみならず、原料綿の確保をしていきたい。もちろんこれは輸入の關係もありますので、その方との關係も考えていたさなければならぬ。特定必要量がそれより増すという場合においては、どうしても為替囘轉資金の上においてできるだけの御考慮を願わなければならぬと考えておるような次第でありまして、現在はまずその上においてやつておるわけであります。それでその資材面から起る警察行政の取締りということについて、小笠原委員から御質疑がありましたが、現在においては、現在の資材をもつて運行可能なりという範圍において營業が續けられるものと私どもは考えております。從つて古い事、あるいは古いタイヤを用いまするならば、あるいははからざる事故を生じ、あるいはこの事故によつて運轉休止のやむなきに至るということも、現實の面において生じるということは私も承知いたしております。その場合における警察の取締りというものは、かような無謀な取締りをいたすこともあるまいと思いますし、あるいはまた地方にありますところの自動車部においても、さような無法な取締りなどをすることは全然なからうと存じております。從つて各民間企業會社における資材難も承知しておりますので、できるだけこれには資材の配給を行つて、堅實なる營業を行わしめるように、私どもは努めていつておるのでありますが、何分とも今日かような戰後における情勢でございまして、一擧にして工場の機能もすべてのものがフルにまいるというわけにもいきませず、しかもまた物價の關係、從業員との關係もございまして、いろいろそこに經濟的な條件が伴いまして、生産上に支障を生してくるおそれがあるのであります。さいわいに國家輸送の面に最も緊要なる資材生産の面としまして、ゴム製造に關するところの從業員諸君にも協力願いまして、今日のところでは生産が上向きつつあるような状態と見ておるのであります。つとめて御貴意に副うようにいたしておる次第でございますから、どうかその點は御了承を願いたいと思うのであります。なおもし資材の面において最も窮屈なる實態に立と至りまする場合において、從來の自動車運送事業法等によりますれば、運行囘數の變更をお届け願うことも結構でございますし、あるいはその事業計畫の一部變更を願つても差支えないと思うのであります。この點は決して無謀な取締りによつて企業を壓迫しようとか、企業の堅實を粗害しようというような意圖はもつておりませんし、また出先においてもさようなことは絶對にいたさしめない所存でございますから、さよう御了承願います。
#31
○正木委員長 皆さんにお諮りいたしますが、商工省關係、安本關係で他に質疑がありますれば、もう時間も十二時半でありますから、午前中はこの程度で打切りまして、午後續行したいと思いますが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○正木委員長 それでは午前中の會議はこの程度にして、午後一時半まで休憩いたします。
    午後零時二十八分休憩
    ―――――――――――――
    午後二時十五分開議
#33
○前田(郁)委員長代理 再開いたします。
 正木委員長がよんどころない用がありますので、しばらく私が委員長を代理いたします。
 午前の會議に引續き質疑を續行いたします。
#34
○井谷委員 議事進行で意見を申し述べたいと思います。この道路運送法案につきまして、總論ですでに二囘以上も質問をしたのに、またこれをむし返して平生缺席をしておられる人が新たにやられ、われわれのように精勤している者は何囘も同じことを聽く、答辯をせられる方も御苦勞と思うが、聽くわれわれの方も實際つらいし、またそれならこちらも出て行くということになつて、行きつもどりつでなかなか進行しないので、これはわれわれも考えなければならぬと思うが、委員長の方にも何かよい方法を考えてもらいたいと思う。こういうことを痛切に感じさせられるのであります。
#35
○前田(郁)委員長代理 議事進行について、――ただいま井谷委員から御意見がありましたが、實は私もしよつちゆう休んでいる一人ではなはだ申譚ないと思うのですけれども、私の休んでいるのは實は自分の選擧區の方に大水害がありまして、その方でしよつちゆう用事があつて休んでおるようなわけです。私の午前中からの質問が、今まで相當論議されたことと重複している點があることは、はなはだ恐縮に存じております。午後からの質問は、なるたけ重複しないように直載簡明にいたしますから、どうぞその點委員各位においても御了承を願いたいと思います。
#36
○前田(郁)委員長代理 それでは高瀬君に質疑を許可いたします。
#37
○高瀬委員 實は午前の質問の際に、この道路運送委員會と關連いたしまして、最も國民生活に重大な關係がある運賃の値上げについて、一體政府はどういう形式で今後運賃値上げをするかということについて私は政府の所信を質しました。その際に田中政府委員からるる御説明がありましたが、田中政府委員のお言葉によりますと、運賃の値上げは各方面でもいろいろな意見があり、あるいは法規の改正にしたところがそうだというような意味合の御答辯のように――私は間違つているかもわかりませんが、了解いたしました。ところが實際の話が、この委員會もさることながら、國有鐵道が異常な赤字に惱んでおつて百何十億の赤字が出ているという今日、おそらく何かの方式をやらなければこの赤字は解決できない。經營の合理化にしたところが、一體どのくらいの内容で經營が合理化されておるのか、そういう點についてもわれわれにあまり了解していないのであります。從つて運賃値上げになるかどういう形になるかしりませんが、少くとも運賃値上げということはまた考えられる問題であります。ところで財政法の第三條の趣旨によりますと、議會には必ず諮ることになつておりますが、遺憾ながらこの財政法はいつ實施されるかわかつておりません。この間、運賃値上げついては約一週間の前もつての豫告でできるという法律案をわれわれは當委員會において可決いたしましたが、もし運賃値上げが鐵道財政上必要であるということになると、財政法が實施されておらない今日いつでも抜打ち的に議會の意見も聽かず何もせずにできる。そういつた場合に、議會は一體國民生活に重大な影響を及ぼす運賃値上げについて、いかなる發言權があるかということを考えますると、これはどうしても政府に財政法を早く實施していただくということが一つと、財政法を實施しないうちは鐵道省では國民生活に影響を、及ぼす運賃値上げのごときことは絶對に取上げない。またその際には、財政法の根本趣旨に從つて何ら運賃値上げに關しては特例を設けない。この三つの點について、私は鐵道大臣にはつきりした御答辯を願いたい。こういう趣旨で質問いたした次第であります。
#38
○苫米地國務大臣 お答えいたします。ただいまの御質問は、前にこちらの審議を終りました鐵道營業法第三條の改正に關することだと思います。當時私どもがここで説明をいたした際におきましても、財政法第三條が施行されるということを前提として御説明申し上げた次第でありまして、この財政法第三條が實施されますると、運賃に關する限り國會の審議を經なければならないということになりまするから、そういう審議中におきまして、すでに世間にその全貌がわかる。從つて三十日の期間が、かりに七日に短縮されましても、世間が納得できるような相當の期間がある。こういうふうに實は説明を申し上げまして、皆様の御了解をいただいたわけであります。この財政法第三條がそれならばいつ施行されるかということにつきましては、私どもの了解いたしましたところでは、實はこの會期中にできると考えておりますし、大藏大臣もそういう意味にたしか答辯されたと思うのでありまして、そういう説明のもとに御審議を願つたことは事實なのであります。ところが最近の情勢になりまして、大藏省がしきりにこの點に對して準備をいたしておりまするが、なかなか運びが遲いのでありまして、實は私どもも焦慮いたしておるわけでございます。この遲れております事情は、いろいろまだ關係方面等の連絡も十分に參つておらないようであります。從つてどうか一日も早く實施のできますように、せつかく大藏省を中心として運んでおりまするから、もうしばらくその形勢を見たいということで、實はあの法案も參議院にかかつて今審議中でありまするが、さような意味を含めて、この決定を延ばしておいてもらうような状態になつておるわけであります。このことは實は御質問がなくとも私どもから御説明を申し上げまして、審議を盡していただいた方々の御了解を得たいと思つておつたのでありますが、さいわい今御質問がございましたから、どうかさような事情になつておるということを、御了承おき願いたいと思います。
#39
○高瀬委員 われわれといたしましては、ただいま運輸大臣の御答辯がありましたが、とにかく財政法が實施されない前に、この前のような運賃改正が行われるといたしますと、議會のいわゆる民意を代表した意味も全然没却されますし、結局財政法が實施されないうちは、運賃値上げその他の國民生活に影響のある問題については手を觸れない。こういうふうに運輸當局はお考えになつておるかどうか。その點について一應はつきりした御見解を伺いたい。
#40
○苫米地國務大臣 運賃の値上げにつきましては、物價體系と一環をなしております關係上、非常に重大なる影響がございますから、ただちにこの運賃の値上げを考えることはできないと思います。しかしながら財政法が施行される前に、これを考えざるを得ないというような事情が、あるいはあり得るかもしれないと思うのでありますが、この財政法の三條の實施がいつになるかということに、結局歸著するのでございます。從來のように長く何年も實施ができないということになれば、あるいはその間に――經濟上の變化が急激であるから、そういうことも起ろうかと思います。そこでこれは不可分的な關係をもつておりますが、しかし法文の上から申しますと、必ずしも切り離して考えられないこともないのであります。その場合にはこの間七月にとりましたような抜打ち的な、あるいは議會の審議機關に一切諮らずにやるというようなことはしないで、必ず國會の皆さんの御了解を得るような方法をとつてやらなければならぬ。こう考えております。その具體的な處分方法はいかがと思つておりますが、これは何かと適當な方法が見つかるのではないかと考えますので、今は一日も早く財政法の三條の施行を、取運んでいきたいと思つております。
#41
○高瀬委員 そういうことになりますと、結局この前われわれが審議して通した、あの運賃改正の豫告を一週間でやるということは、いかにも財政法が通らないということ、なかなか實施にならぬということを豫想し、しかもその前提でいつ運賃値上げをするかもわからぬということを政府當局が考えて、事を簡單にするためにああいう法案を一應出しておくというふうに、われわれには解釋されないでもないのです。そうなると、ますます議會の運輸交通委員會の權威その他というものは、地に落ちてしまうというような感じが私はいたします。從つて政府としては、どうしてもこの財政法を急速に出すということ、それからそれが通らなければ、絶對に運賃の値上げについては取上げないという、はつきりした態度をおきめになつておかないと、相當うるさくなると私は思うのです。いかにもこの間の法律案は、政府の運賃値上げの下心のように解釋する向きもありますし、その點について私ははつきりした運輸大臣の御意見を伺つておきたいと思つておるわけであります。
#42
○苫米地國務大臣 先ほど申し上げるような状態で、財政法の三條が施行されるということを、實はほんとうに前提としてわれわれは考えまして、あの法案を提案したわけでありますが、さつき申し上げるような事情で遲延しております。そこで何とかこれを促進する方法を考えるとともに、もしそれがどうしてもいけないということであれば、少くとも運賃に關する點については、適當な審議の可能な方法をも研究してみているわけであります。そこでもうしばらくその時期をお待ち願いたいと思う次第であります。
#43
○高瀬委員 その點については、私はこの財政法をはつきりと施行しない以上は、この運賃値上げその他については取上げないという原則を、鐵道大臣もとつておられというふうに了解して差支えありませんか。
#44
○苫米地國務大臣 いや財政法の三條が施されなくとも、國會の意見を無視しないような方法で、適當な方法が見つかればぜひそれをやりたい。しかしながらなるべくならば財政法三條の施行を取急いでいたしたいということに、盡力しておるわけであります。第二段の方法としてはそれによらずに、いかにして國會の了解を得られるかという點に對しては、今せつかく研究しております。
#45
○高瀬委員 たいへんにくどいようでありますが、おそらくそういうふうになると、この前の四月の運賃値上げのように、議會の意思というものは無視されて、議會は民意を代表しておりながら、こういう重大な問題を何ら取上げず、運賃値上げになつたという批判を受けますから、非常に重大だと思うのであります。しかも片方で、この道路運送委員會のごときものについてまで民間の意向を反映すると言つておりながら、國民の代表である議會の意向は、ある程度を売なければ略式にやつてしまうというのでは、はなはだ心もとないと思いますが、その點についてどうもわれわれははつきり了解できないのであります。鐵道財政自體から言いましても非常に困つておる。各方面の意見もありましようが、われわれの立場だけはつきり主張する必要があると思いますので伺つておきます。
#46
○苫米地國務大臣 ごもつともな御意見でありまして、私どももできるだけ立憲的な方法によつて、あの社會性を蔕びた運賃の取扱いをいたしたいという考えについては、高瀬委員と意見が一致しておるわけであります。その方法をいかにするかということについては、せつかく苦心研究中でありますから、しばらく時をおかし願いたいと思います。
#47
○高瀬委員 それではこの問題はこのくらいにして、私はできるだけ早く財政法を通して、それが通らない前は運賃問題には手を觸れないというふうに、善處していただくというように政府に要望いたします。
 なおこの道路運送法の五十一條の點でありますが、これは今まで運輸省でとつておりましたいわゆる一路線一營業主義の原則を變革した一つの大きな點であるように私は思われるのであります。私個人といたしましては、五十一條のように「自動車運送事業を國において經營したため、これと路線を共通にする自動車運送事業者が、その部分につき事業を繼續することができなくなつたとき、又は著しく収益を減少するようになつたときは、政府は、政令の定めるところにより、その事業者が受けた損失を補償することができる。殘存路線のみにつき事業を繼續することができなくなつたときも同様とする。」こういう條項がございますが、これは今までは、路線をある營業者に許可して運行させておつた際には、原則として運輸省としては省營その他國の事業による運送業は行わない、こういう原則に對する一つの變更であるというふうに私は受けとれるのであります。この前の議會において自動車事業組合案が審議されましたときに、平塚運輸大臣の意見をたびたびわれわれは質しましたが、運輸省としはこの省營自動車については今後廢止する方針である、これを行わない方針にもつていきたいということをたびたび言われたように私は記憶しております。そうなりますと、ここに一路線一營業主義の原則を破つたような條項を掲げてある。しかもたびたび各委員から質問のありましたように、民間の自動車事業は非常にタイヤその他いろいろな點で材料難に陷つて、なかなか完全な運行ができない。そうなれば、設置されるかどうかしりませんこの道路運送委員會というようなもので審議して、この民間營業に許可した路線が不適當だから省營でやる、その場合はこの五十一條を適用して賠償をきめるというようなことになるわけでありまして、省營に對する根本方針をわれわれがはつきり伺つておきませんと、この五十一條の條文ははなはだ重大な影響を民間の營業に及ぼす、かように私は考えるわけであります。私自身の意見としては必ずしも省營はいかぬ、全部民間にやらせなければいかぬ、こういう議論ではありません。必要とあればほんとうに地方の要望を反映して省營をやる場合もある。この點について運輸省がどういう點は省營にすべきか、どういう點は民間に譲るべきか、そういう根本方針をはつきりきめていきませんと、われわれはこの條文だけではなはだ了解に苦しむわけでありまして、そういう點についての省營と民間の分野、あるいは今まで運輸省がとつておる一路線一營業主義というような方針の變革であるかどうか。そういうような點について運輸大臣のはつきりした御意見を伺いたい。特に前大臣は、省營は今後だんだん廢止していくつもりであるというようなことも言われております。しかし地方の實情から言いましても、必ずしも省營は絶對やつちやいかぬというような状態にもない、かなり省營をやつてほしいという所もあるわけでありまして、これは運輸省のはつきりした原則の上に立つて善處されないと、大きな問題になつて困ると思いますので、一應大臣の御意見を伺いたいと思います。
#48
○苫米地國務大臣 ただいまの質問とほぼ同じような質問は、從來とてもございましたが、私どもの今の方針といたしましては、省營自動車をやるべき所の大體の性質はいわゆる鐵道の先驅をなすものであるとか、もしくは補助的なものであるとか、もしくは奥地の開發に資する所であるというような、大きな目的のためにやつておるのでありまして、その他の道路の交通運輸につきましては、大體民間の企業を奨勵してやつておるわけであります。もし民間の業者が十分に民間の需要を滿たすことができないということであれば、できる限りこれに助力を與えまして、そして企業の健全なる運營をさしていきたいと考えるのでありまして、これはおそらく從來とも變りはないのであります。ただ戰時中に企業の面におきましても非常な變化がございまして、地方の民衆に不便を與えるというようなことが、施設その他の經營の變化から起つておるような所もございます。さような所は地方の輿論と、それからその企業との間に適當な調整を加えまして、もし省營をもつて民衆の輿望にこたえる方が適當であるというような所に對しましては、できるだけ圓滿に協調を遂げてやる。こういうことでありまして、大體の方針としては、現在許されている民營を助長してやつていく、こういうつもりであるのであります。しかしながら將來自動車交通の使命が非常に大きくなるというような場合におきましては、あるいは一線路に二つのものを竝行的にやるというような事態もあるかもしれない。もつともその場合はやはりその地方とその企業との間に圓滿な話合いができた上でなければ、それは實施されないと思うのであります。ここに書いてあります五十一條は、實は今囘初めて規定したのでなくて、舊來の規定をそのまま存置して、かような場合には補償するということを規定してある條文でありますから、條文の上からは當然こういはざるを得ない規定だと思います。大體の方針として、今高瀬委員のお述べになつたような方針であります。
#49
○高瀬委員 ただいまの大臣の御答辯でありますが、運輸省としては、今進んで省營をおやりになる、あるいは場合によつては、こういう場合はどうしても積極的に省營をやるべきであるという場合も私はあろうと思うのであります。そういうことについてやはり原則としては民營を尊重する。しかし場合によつては、そういう場合をこれで規定するというのではなく、もつとはつきりした將來の省營に對する方針、それから民營自動車とそれとをどう調和するかということについて、もつとはつきりした方針をおもちになつておられるべきではないかと思うのでありますが、その點いかがでしよう。
#50
○苫米地國務大臣 今お返事申し上げましたのは、從來の方針、及び從來の方針とただいまのところは變つておらないという點をお答えしたわけでありますが、將來日本の交通運輸の使命として、陸においては、汽車と、そうして大動脈になるような自動車、こういう大きな面がとられる場合があるかもしらぬと思うのであります。すなわち國の大きな幹線は、自動車道路に適當した構造にかえるとか、あるいはそうした計畫をもつとかいうようなことで、ほんとうに國の大動脈としての一つの自動車政策が確立する場合におきましては、これは省營にした方がいいか、あるいは民營にした方がいいかという點は、その場合にとくとその利害を考えまして、それに善處しなければならぬと思うのでありますが、このことは今すぐ豫定されている計畫になつておりませんので、ただいまお答えいたしましたのは、從業の通りの方針でやつていく、こういうつもりでいたしたわけであります。
#51
○高瀬委員 それではこの問題はこの程度で打切りまして、私がたびたび陳情を受けている問題でありますか、昭和十八年か昭和十九年ごろだと思います。小さな地方鐵道を、軍事上の目的であるかどうか私はよく存じませんが、買収され、非常にその人たちは事實上困つているようであります。たとえば鶴見臨港鐵道であるとか、あるいはその他の小さな鐵道を再び民間の方に返してもらいたいというようなことを、たびたび私は非公式に陳情を受けております。それでそういうことについて、特に運輸當局の意向を聽いてもらいたい、こういう話もありまして、率直に申し上げればそうでありますが、事實その當時は登録公債で交付されて、財政的にも非常に困つておる。普通の買収の方式にもよらずに、極端に言うと、ほとんど没収に近い状態で取上げられた。戰爭が濟んで現在のような状態になつたときに、國有鐵道を運營する方針からいつても、小さな地方の鐵道は再び民間に返した方がいいのじやないか、しかも地方民も非常にそれを要望しているというようなこともありまして、こういうような點について運輸當局の御意見はどういうふうなものでありましようか、一應伺いたいと思います。
#52
○苫米地國務大臣 ただいまの御質問は、當時の各企業會社から頻々として陳情がございまして、實はよく承知している問題でありますが、これを現在の鐵道政策から考えますと、ことごとくそういう希望に應ずるわけにも參らぬようであります。またある地域に對しては、必ずすも國有としておかぬでもよろしいという點もあるようであります。これらの判斷が相當めんどうでありまして、殊に萬一還元いたすにしましても、その評價をどうするかというような點に相當問題があるのであります。これは鐵道會議にでも諮つて意見を聽いて、そういう一つ材料をもつてこの委員會にお諮りして最後の方針を決定したいと考えて、實は今準備中でございます。なかなかいろいろな複雑な事情もございますので、少し手間はとりますけれども、慎重な態度をもつて臨みたい、こう考えております。
#53
○高瀬委員 ただいまの點はその程度に止めて質問を打切りたいと思います。
 なおこれも多少重複していると思いますけれども、いろいろ鐵道の企業の合理化とか、資材の運營について相當運輸當局は苦心されていると思いますが、特に鐵道の經營白書の中の資材の面で、戰時のストツクと特殊物件の活用その他云々という言葉があるのであります。この特殊物件というのは、今問題になつている隠退藏物資、そういつたものと關連性があつて申し上げるのではありませんが、運輸省に終戰直後いろいろな資材が流れてきておつて、いわゆる陸海軍用の資材が相當鐵道の復興に役立つていると思うのですが、この資材が復興にどんな風に役立ち、どういうふうに處理されているか、われわれとしても一應伺つておいた方がよいように思うのであります。その點について當局に伺いたいと思います。
#54
○苫米地國務大臣 資材の詳細な具體的なことは私お答えができませんが、この間新しい計算によりまして、手持ちの新物價による差益がいくらあるかということを計算いたしましたところ、約二十億あるということになつております。本年度の赤字約百七十億のうち、そういう手持資材の値上りをたしか二十億と見たと思つております。どんなものがどれくらいあるかということはわかりませんけれども、差益だけでそれくらいのものがある、こういうふうに御丁察願いたいと思います。もし具體的なものが御必要であれば、他の政府委員からでも申し上げますが、あるいはきようはその材料はないのではないかと思います。
#55
○高瀬委員 適當な機會に、その全貌をわれわれが一應承つておけば參考になると思います。事務的にひとつお願いいたします。
 なおこれは私は最近運輸省に行きましてときどき見受けるのでありますが、勞働組合と運輸省當局との關係、特に千八百圓ベースの問題をめぐつてこれから相當いろいろな問題が起きてくると思うのであります。この間運輸省へ參りましたが、聲明書のようなものが出ておりました。これは別に運輸大臣の個人的な問題に觸れるという意味では毛頭ないのでありまして、ただ運輸省當局と勞働組合との關係がどんなふうになつておりますか。それから一般勞働組合の人たちの考え方が、また去年起きましたゼネラル・ストライキのような状態にはいつていくと、はなはだ憂慮にたえないと思うのであります。勞働組合と運輸省當局との關係はどんなふうになつておりますか、その點についてもわれわれとしては一應伺つておいた方がよいと思いますので、その點を伺つておきたいと思います。
#56
○前田(郁)委員長代理 ちよつと高瀬君にお諮りしたいと思いますが、實は最初この法案について總括的の質問をしまして、そうしてただいま逐條審議にはいつて、その逐條審議の中で本法に關係のあるもののまた總括的質問、こういうことになつているわけでありまして、勞働組合とか、そんなものは他日に譲つていただきたいと思います。しかし今のことは運輸大臣から御答辯を願いますが、なるべく議事の進行上、そういうことにしていただきたいと思います。
#57
○苫米地國務大臣 勞働組合と省との關係でありますが、お説のように、賃金問題を土臺といたしまして相當要求が熾烈でございます。ひとり本部からのみならず、各地域から同じような問題を別々に要求しておるというような様相もございます。ところがこの國鐵の要求は、全官公、全遞、その他諸所方々の要求と大同小異なのであります。そこで政府の全面的な施策と調整をとらなければならないのでありますから、今本部の問題は中勞委に提訴いたしております。それから二、三、地方の勞働委員會へ提訴しておるものもございますが、性質が同じでありますから、なるべくは中勞委でとりまとめまして、そうしてこれに對する政府の方針を調和させるようにいたしたいと思いまして、せつかく努力いたしておるのであります。國鐵の分の中勞委の第一囘の折衡は、たしかに一昨日あつたと思います。これは慎重にやになければならぬのでありまして、千八百圓ベースの苦しいことは、まつたくわれわれも認めざるを得ないような情勢でありまするが、しかしこれを堅持しようという努力の過程でもありますから、ここをもうしばらく食いしばつたならば、ほんとうに流通秩序の上に載る物品から、生活を安定させることができるのではないだろうか。なるべくはそうさせたいということで、政府もこれを勤勞者側に了解を得たいという努力を拂つております。しかし現實の問題は必ずしもそう行つておりませんから、その點に對しましては勞働組合員の立場をも十分尊重いたしまして、私も省の主務大臣とし、また國務大臣としての努力を拂つていきたい。こう思つております。詳しいとことは、實はまだ進行中でありますから申し上げられませんが、大體の傾向がそういうふうになつておりまして、かなりむずかしい情勢になつておることだけを申し上げておきます。
#58
○高瀬委員 ただいまの御説明のように、できるだけこの前のような大きな騒動が起きず、しかも從事員諸君が滿足するような状態で、今後起きるであろうと想像されるいろいろな問題を解決されんこと希望いたしまして、私の質問を終ります。
#59
○前田(郁)委員長代理 小笠原君。
#60
○小笠原委員 午前中に田中政務次官から雄辯な御答辯があつてそのままになつておりますから、實は大臣が見えておるから、先刻高瀬君から御質問の運賃の値上げ關係のことを、ちよつとお伺いしたいのであります。運賃の値上げ問題は、先刻申し上げた財政法三條とか二條とかによらずして、そんなことに關係なく、今日の情勢において運賃を値上げしなければならぬ情勢にあるか、あるとすればその時期はいつごろであるかというようなことの見透しがあるならば、この點だけでも先に明確にしておかぬと、これは非常に重大な問題で世間もまた大きな關心をもつておるわけですから、これを明確にしていただきたいと思います。
#61
○苫米地國務大臣 國鐵の獨立採算制をどこまでも堅持するという建前から申しますれば、その赤字の補填は經營合理化のみによつてあるいは不可能かもしれぬ、しかる場合には、あるいは運賃ということを考えなければならぬかもしれぬ。しかしながら現在のように、社會情勢がほかの物價と賃金とが密接不可分な關係にありまする際に、國鐵の獨立採算制を堅持するという建前のみによつて運賃を考えることは、これは必ずしも妥當であるとは思わない。ほかの物價のつり合い及び生計費の影響等を考えまして、輸送の赤字は一般國民の負擔において當分やつていくということも、鐵道、交通の社會性に鑑みて、必ずしも不當であるとは考えられないと思うのでありまして、これは今後の經濟情勢によることであると私は思う。それでありますから、今赤字を決濟するために運賃を必ず上げるということも申し上げられませんし、それから他の物價情勢その他の社會情勢に應じて、またこれを考えなければならぬという情勢もあり得るかと思うのであります。ただ、どうもかような變態的な動亂經濟のときには、ちよつと今當局として方針をはつきり立てておくということが困難な状態にありますから、今御質問のようにはつきりせいということは、少しできかねる状態であります。
#62
○小笠原委員 いやその社會情勢や經營問題については、しばしばいろいろな方面で伺つておりますから、その計畫的な問題がどうあるかなど云々と今さしあたういうよりも、動亂渦中にある今日であればあるほど、何かそこに赤字補填の關係の計畫が早急に立つておらなければならぬ。また立つておらなければ鐵道行政の運營に非常に大きな支障があるだろう。私らはそう想像するので、動亂渦中にあるから、一番大きな問題のこの赤字補填の計畫が立てらるべきではないかいうふうに、大臣の御答辯があることを――鐵道行政そのものが無計畫のもとに進んでいつて、社會情勢をこれの對象にしながら、あぶないところを渡つていつて、その式期に到達した場合には運賃の値上げもしよう、あるいは一般の國民の負擔にしよう、いずれかをとるのだ、というようなことに御答辯が伺われるのでありますが、無方針なままでいつて、これからおきめになるという御答辯ですか、あるいはまた何か計畫は立つておるが、實際の今の情勢においては行われないというふうに政府では見ておられるのですか。今はつきりそれを申されぬというけれども、何かそこに赤字補填の計畫の見透しを政府全體としてもつておらなければならぬように思われるのですが、どうでしようか。
#63
○苫米地國務大臣 これは鐵道經濟白書を出しまして、國民の前にその實相がはつきりいたしておるわけであります。從つてこの赤字に對する國民の認識はすつかりできておる。これを獨立採算制によつて運賃の値上げをし、一方には經營の合理化をやつていくことも一つの點であろうと思います。しかし運賃の方は重大な關係を他に及ぼすから、このまま國民全部が負擔していつて、しばらく情勢を見るということもこれは確かに一つの方法だと思うのです。しかしそれに對しては國民の代表である國會がこれを研究されて、これをどちらにするかということの最終の決定は皆さんの間でされるのがしかるべきだと思います。鐵道當局といたしては、この赤字のあるなしはともかくとして、經營の合理化に今邁進しておる。そして經營の合理化も短期間でなしに、五箇年くらい先を見て、どうしたらいいかということを獨自の見解によつて立案をしておるわけであつて、これらに對する成案ができますれば、これを皆さんの前に提供して、御批判なり、御審議をいただいていきたいと考えております。
#64
○小笠原委員 そうすると運輸省で考えておる經營の合理化という御方針も立つておらぬ。赤字補填はともかく、鐵道行政の運營に對して經濟部門や一切の問題は議會できめるべきであつて、議會の方でこれを決定するまで、政府の方としては獨自の立場で經營合理化の方針を立てるのだ。それがまだ立つておらぬ。こういうことにわれわれは伺つていいのですか。
#65
○苫米地國務大臣 經營合理化の方針は立つておらぬということでなくて、今せつかく研究中なんです。その具體化したものはむろんあります。ありますけれども總合しなければ――こういう大きな企業でありますから、總合することによつて初めて結果が現われてくるのだから、立つておらぬというのではない。今立てつつあるということです。
#66
○小笠原委員 立つておらぬということと、立てつつあるということの限界はめんどうでありますが、とにかく少くとも運輸行政につきましては、經濟部門に對しては相當に立案があつてしかるべきだと思います。殊に重要な問題の赤字補填やら値上問題に絡んで、この鐵道の經理というものをいかにすべきかということは、議會の制定にまつのだというようなことは――それはいかにも今日の場会議會の制定も必要でありましようが、しかしながら根本的に政府の方で何か立案があつてしかるべきではないかと思うのであります。しかしまだそれはせつかく研究中という仰せであれば、これはいくら申し上げてもわからぬでありましようからやめますけれども、それは特に苫米地さんも御研究なさつて、議會に向つて御方針を早急にお示しにならぬと、われわれの審議の上においても支障があることと思うのであります。總合的に決定しなければ立派にならぬ、こう仰せになれば、いずれにしてもわれわれに示すべきものですが、その問題は非常に重大であろうと思いますから、早い機會においてその經理の問題、御方針をお示しあらんことを希望いたしまして、その點はこの程度でやめます。
 先刻田中君の御答辯でしたが、私ははなはだ奇怪に聽いて――田中君が非常に雄辯であるから私も少し迷いを生じたのでその内容を伺いたいのであります。今商工省の方から伺いましても、物價廳の方からの御答辯でも、まだ資材の中で最も大事なゴムの問題、資金の問題も決定しておらぬ。生産もまた今おいでの方はこの問題にタツチしておらぬから、はつきりわからぬと言うけれども、あとで生産の問題もはつきり數字的にお示しを願いたいのであります。一體自動車は今日根本が足にあるので、ゴムが一番大切なわけであります。その計畫が立つておらぬで、そうしてこの法案が生れた結果、取締法が警察の手により地方の手によつて行われるならば、絶對に計畫運行が不可能なことが生ずるのではありませんかという質問に對して、田中君が、今日の社會情勢からいつて、また資材が不足な状態から、それを滿足するようにはいかないだろう、いかぬから取締面も緩和させるということの御答辯と、もう一つには、いよいよ資材がなかつたら計畫變更もできるではないか。こういうふうに私は伺いましたが、それは田中さん、あなたが事情を知らぬ話だ。計畫變更ができるではないかといつても、今日でもこの道路運送法の目的に合致するような輸送ができないでいる。それを計畫變更をして、資材がないから三臺の自動車を一臺にしろといつて、民衆が承知しますか。そういうことができるか。それをまず考えてもらいたい。そんなことはできるものじやない。警察の取締りを恐れるために、計畫變更をしようといつたつて、それではなかなか事業はできない。それをあなたは計畫變更をすることもできるじやないか。また警察に命令して云々と言うけれども、あなた方運輸省が警察に命令するとか何とかいつても、なかなかうまくいくものじやない。口には商工省、物價廳その他とよろしく連絡をとつて云々と言うけれども、そのよろしく連絡がとれてないから、先刻矢野君から質問されたのです。それは商工省もゴムがどれほど生産されたかということに對して監督不行届だ。またゴム生産者の方は價格がきまつておらぬから、生産しようと思つてもできない。先だつて御承知のように、大きなゴム會社がやみをやつて警察につかまつている。やみをやらなければ生産ができない。それでどうして第一線の自動車の運行ができるか。實際問題にあつたつて、どうすれば資材を獲得できるか、あなた方の方でどこまでそれを研究されておるかということを伺つておるのであります。それはただ計畫變更をせよ、やめたければやめてしまえばいいじやないかというような話では収まりつこない。そこで私がこの委員會で伺うのは、雄辯會みたいにいい御答辯を得て澄ましこんで滿足するというわけにはいかない。實際にこれを運行するにあたつて、いかにすれば實行できるかということを伺つておるのであります。あなたがもし經驗がないなら、説明員でもいいから、わかつた人に答辯していただいて、それが問違つていたら、説明員が間違つたと言つてもいい。どうかあなたも實際問題として運用問題として運用のできる問題を研究なさつて、それにはどうすればいいかということの御答辯をしていただかないと――實際問題としてこの資材、殊にゴムの關係は運輸省がもつていなければだめだということを、どなたかが質問しておる。私もそれを思つておる。それをあなた方はただ連絡をとると言われるが、田中君なども前には各省が連絡がとれていなければだめじやないかということを言われた。私らと同じです。あなたも當局になつたら、一番そこから攻めることに重點をおいて御答辯をいただかないと、あなたがそこにいて、連絡をとると言つたつて、とれるわけがない。現在とれない。そこでとれないのはそのままにして、各省とも協議して法案だけは話がついたが、いざ實行となると、これはできない状態になるので、これを私はおそれるのであります。從つてこれは具體的に言うならば、あなた方運輸省の方でこのゴムの部門、資材の部門を全部集めて、この監督のもとに配給させる機構のようなことにする、その連絡をとるというお考えはないのか。またとらなくても、連絡がうまくとれるような状態に、從來の連絡より今は移り變りがあつて、何かよい方法でもできたのでありますか。政府の方でそういうことが特別にできておれば別ですよ。その點は田中君が内容をよく御承知ならば、ほんとうの具體的なことについては御説明を願えればよいのでありますが、その點をひとつ簡單に御答辯を願いたい。
#67
○田中(源)政府委員 小笠原さんからいろいろ御意見を伺いましたが、かつては私も自動車を經營いたしておりましたし、鐵道も經營いたしておりましたから、多少事業の實際の方面については存じております。今日は申すまでもなく日本の國に資材がないことはわかりきつた話でありまして、いずれの部門においても滿足な經營ができず、占領下において、いずれの部門においてもまだ賠償も決定されておらない日本の國が、滿足に資材をもつてやつていけるという、自由經濟や戰前のことを思つて今日ものを考えるということは、はなはだ間違いであろうと思つております。現在の與えられた資材を確保して、有効適切に連絡をとつていこうといたしましても、先ほど申しましたように生産の方におきましても、電力の問題もございますし、資材を確保しても燃料の問題がございます。石炭もございますれば、電力もございます。あらゆる面においてその物が揃うてこなければ、今日すべての企圖するだけの生産浩でき得られない。第一線の方の面のことはわかつておりますが、まずこの點において眼を廣く、客觀的な常識の上において國内情勢を見て、しかる上に私はその根據に向つてお考えを向つてお考えを願いたいと思うのであります。ゴムの問題にいたしましても、前吉田内閣の當時におきましても、政府も非常に心配をいたしまして、星島君から私に相談があつて、そうしてこれは何とかひとつやろうじやないかというので、建議案を提出いたしまして、この建議案が國民の聲なりということをもつてGHQの方に輸入を促進しようじやないか。こういうような觀點からして當時建議案を出して、私が各派の代表といたしまして、建議委員會において説明をいたした次第であります。おそらくそのとき九千トンくらいのゴムが殘つておつたかと思います。もしそれがなくなりました後におきましては、國内におきましては、隠匿されておるゴムでもありまするか、どこからか出てこない限りは、國内の正式のルートにおきましては、一トンのゴムの原料もないという結論に到達するのであります。そうして政府が交渉いたしました結果、大體三萬トンを輸入するということに相なつた次第であります。しかもゴム原料は農村用には、水産用にも、各種工業用にも廣く使われておるのであります。いわんや自動車の面におきましては、主たる原料たることは言をまたないのであります。さようなわけで日本の戰前において使つておりました數社と、かくのごとき事態に制約されてきた現在においての事態を考察して、小笠原委員もひとつ私の申し上げることを御理解をお願いいたしたいと思うのであります。實際戰前におきまして、昭和十七年度までには一萬トン以上であつたのが、十九年度に至りまして急激に減少して、二十一年度においてはわずかに三千六百六十八トン――タイヤ製造品のゴム使用量の問題でありますが、約二十萬本であつたのであります。タイヤ、チユーブというものがかような状態で、新車もできがたくなつてまいりまするし、需給上におきまして非常に逼迫してきている現状でございまして、補修用のタイヤはわずかに一五%しか確保し得ないという状態に立ち至つております。かようなわけで、たしか五月でございましたか、工業クラブで商工省と運輸省と、そうして經濟安定本部と、三者の會合をいたしまして、かようなことではとうていやつていくということはでき得られませんから、安定本部と運輸省と商工省と三者寄つて、チユーブ、タイヤ用の原料ゴムを確保するということについて相談をいたしたのであります。當日私も參りました。商工省から冨吉政務次官も參りまして、その後事務當局が三省の連絡協議をいたしました結果、四・四半期、四、三半期には各二千トンずつタイヤ、チユーブ用にまわすということになり、それが今生産されつつあるのであります。物には生産の期間というものもお待ちを願わなければなりません。先ほど申しましたように、最近のごとく電力制限もございますし、口で言うように物は生産できませんけれども、連絡をもつてこれだけのことはいたしております。しかし價格の面は物價廳もございます。その方の面にも私は言つております。また商工省、安定本部においても、一旦契約した以上は、それぞれの所管事項におきまして相當の働きをしていただかなければならぬのでありまして、當該の私の方としては、あなたが申されるまでもなく、實際はゴム原料も製造工場ももらつて監督したいくらいの氣持をもつております。しかしそれは現實においてできません。だから御説のように、できるだけの連絡はとつてやつていつておるわけであります。そこで今もらつておるだけのタイヤでは、民間にしたところで省にしたところで滿足はできないから、先ほど申したように、できるだけ全國の營業状態を、私企業といわず、省といわず、これを調べて、どの程度増すか。將來の運行キロ數、車輛の整備と相まつてどのくらいタイヤが要るかということを調べて、それだけのものは來年度の分は來年度の分で別途に連絡して確保していきます。そうしてあなた方民間企業に對して迷惑をかけないように、できるだけ多くのものを供給していく方針である。その根本數字は今調べておりますが、現在の面におきましては、この四・四半期と四・三半期に二千トンずつの原料ゴムを配給して、これに對する使用燃料も今私の方から商工省にやかましく數囘交渉いたしております。この上はいかに私の方からやかましく言つても、生産の擔當省である商工省がもう一歩それらの面において積極的にやつていただかなければ、これ以上の連絡はとり得ないのであります。この點はあなたが私の立場に代つて、部下を監督なさつて御連絡なさつても、私と同じ立場になられると思う。この點は口で責めるよりも、現實に物を供給することを殖やしていかなければならぬ。殖やしていくことについては、私どもは一生懸命やつております。だからこの點はひとつ、永年議會におきましての行政面において經驗をもたれるところの小笠原委員におかれましては、特に私どもの立場も御了察願つて、われわれがまじめに一生懸命に今日やつておるということで、われわれのとつておりまする事柄については御理解を願いたいと私は思うのであります。
#68
○小笠原委員 いや、前議會の田中君の活動や、今日の物資の不足な客觀情勢については、御説の通り私もわかつておりますが、ただこの法の運用のことについて伺つたのでありまして、あなたがいかに連絡をとつても、あなたのお言葉にあるように、商工省にもう一歩進んでもらわなければ、この連絡のとりようもどうにもならない。こういうお話と同様に、商工省竝びに物價廳においても、先刻御答辯があつたように、この運用關係も運轉資金も實際の問題はまだ未決定のままで、こういうこともあなた萬事御承知でしようと思うのです。從つてゴムの方の五會社が運賃の値上げや資金關係が四苦八苦で、いかに二千トンのゴムが獲得でき、それを生産しても、今日の情勢では經濟がとれないということをあなたの方にも一般社會にも、業者の方にも訴えていることは御承知でありましよう。しからばこれの生産能力というものは、あなたが言われるようになかなかいきはしない今日の状態にあるのじやないか、こういうことを考える。あなたは、自動車の方もおやりになり、鐵道もおやりになるという體驗をもたれておいででありましようが、しかし現在民間の自動車、省營の自動車でありましても――省營の方は相當によくやつておりますが、民間のごときは今日第二級ゴムに指定のタイヤは鋪装道路でどれだけもてるか、あるいは悪路でどれだけもてるかということを計算しますと、現在動いている自動車はむしろふしぎでありましよう。あなたがその經驗者ならばふしぎでありましよう。ふしぎなはずだ。配給で運行ができない。みなやみで獲得してやつておる。從つて計畫運行ができておるのはやみだ、計畫運行ができないのは正直者だという状態である。ここにもつてきて、これが舊取締法によるから警察の方も緩和して見ているでありましようが、今日この新法を通過せしめてこれに基いて取締ることになつたならば、あなたの言うように緩和されぬ。こういう今の客觀情勢だから、それを考えろなどということは、今私とあなたの話としてはいいが、實際においては非常に問題である。現に今横濱ゴムでも、やみ行為として取締られて、みな縛られて大騒ぎをしているために、タイヤがちつとも出なくなつたという現状にある。やみをやらなければ生産ができない。この點をどうするかということを伺つたのでありまして、立場をかえて、あなたが私の立場になつたら同じことじやないか。先はどうなつてもよいから、そのときその場面によつて質疑應答を重ねておきさえすればそれでよいというなら、何をかいわんやでありますが、實際において、今この法案の運用にあたつて支障ができるのじやないかということを申し上げておるのであります。社會情勢とか、過去の問題とか言われるが、あなたのおやりになつた問題でなく、そういうことを心配したあまり簡單に言つたのでありますから、どうぞあなたも簡單に御答辯願いたいのであります。できるとかできないとか、どういう方法になつておるのか、それだけでよろしいのであります。
    〔前田(郁)委員長代理退席、委員長著席〕
#69
○田中(源)政府委員 この法案の運用については、先ほどから小笠原委員は、かりに法案ができても、實際の面における必要なる資材ができなければ、法に運用において取締りとの間に食い違いが生じるじやないかとおつしやいますが、法の運用という意味におきましては、しからばまた逆の意味から言つて、法案をつくらなければ、一體資材の確保もできず、ほつたらかしておいて、自動車の健全なる發達ができるかというようなことも、また一面言い得るようなことになつてくるのでありまして、社會秩序の上から考えてみます場合には、一定の生産を確保し、經濟秩序を確保していくに必要な立法としてこれを提出しておるようなわけであります。しからばこの立法が運用の上において可能なりや否やということを今申されますが、しかし物の生産をいたしますについては、すべての國内におけるところの國家經濟が、ある程度それを裏づけていかなければ、法の運用はできないことは當然であります。やみが行われますのも、結局國家秩序と國家經濟がそれだけに滿足なる正常な状態にいつてないために起るのでありまして、これは申すまでもなく經濟上の原則であります。すべてのものがその原則の流れに影響を受けますことはあたりまえでございます。從つてそれがまた法の運用の上に支障を來すということも御説の通りであります。しかしながら現行政治の上におきましては、やはり正しき立法を立てまして、この經濟を立て直していく、殊に國家秩序を立て直し、すべての經濟を健全にさせていくということが、これが政治の根底でございます。私はあなたが今その根底を話せとおつしやいますから申しますが、できるできぬというのも、根本はそこにあるのであります。從つて今の問題にいたしましても、タイヤ、チユーブの生産というものの裏づけをしていかなければならぬ。いわゆる經濟的の物資の裏づけをしていかなければならぬ。この物資の裏づけに對しましては生産をやつておるのであります。現に今まではタイヤ、チユーブに必要なるゴムの原料は、總合的に裏づけされてきておつただけのものであつて、これが確定的に可分的にわけられてきておらなかつた。それを今度は可分的にわけてきたのであります。確保したのであります。確保して製造していくということは、裏づけを強固ならしめるためにいたした手段であります。そうしてこれは今製造をやつておるのであります。實際に製造業者に至りましては、あるいは御説のごとくに、價格がきまらぬためにやみ流れもございましよう。しかし、そのやみ流れを止めてまいりまして、できるだけ早く適正な價格をあてる。資金面におきましても、先ほど商工省が、まだ未決定であるが、大體において五會社に對しては八千五百萬圓程度というものを融資しようという、復金の融資を考慮してこれに向つて進んであるということを答辯いたしておるのでありまして、大體において、普通平地でございましたなら一萬五千キロ、山地でありますなら一萬キロくらいのいわゆる耐久力を從來もつておつたのであります。午前中にお答えいたしましたように、ゴム原料の粗悪になりましたために、從來よりはその耐久力は落ちておりましよう。從つてそれだけの使用量は殖えるということ考えていかなければなりません。それに對するやはり輸入原料竝びに原綿の手配もいたしていかなければならぬのでありまして、これは私は、現在の制度を一面において強化していくと同時に、業者自體にもその點を了承願いまして、なるべくやみ買をすることをやめてもらう。運行上差支えるから、背に腹はかえられぬからやみ買をするのだ、やみ買をすれば品物があるじやないか、と言われるかもしれませんが、いつまでもやみ買をするよりも、むしろそれを指摘していただいて、いわゆる流通秩序の確保の上に、やみを撲滅して、正當のルートから流れるものを多くしていくということに業者自體も覺悟して、それがためには私は、あなたは亂暴だとおつしやいますけれども、もしどうしても資材がなくて、一路線に對して一日十運行いたしておつたのが、それができないということならば、それは五運行になりましてもやむを得ないのであります。それは國家の資材がないためにそういうことになることはしかたがないのでありまして、それは五運行になつても、民間になるほど不便は與えますけれども、そこにやみを防いで、正常なものを多く供給し、漸次正當なるルートによつて、五運行に減つたものが七運行に囘復し、八運行に囘復していくという行き方をすることが、正當な國家秩序の上における企業じやあるまいかと思うのであります。從つて、ただいま申しまい通りに、製造というものはおのずから一定の時間という階段も經ていかなければなりません。今資金面も至急に商工省に御考慮を願うことになつており、大體において原料を確保しております。問題は私が先ほど申し上げました長原綿、エジプト原綿でありますとか、インドの長綿がはいりますならば――現在ここへはいつておりますような米綿の細い綿ではそれは無理であろうと思いますので、これを早く確保してやることにいたしまして、優秀なる原料をつくり出していくことに裏づけを早くいたしていくよりいたし方がないということを、私は申し上げたのでありまして、この點は、どなたが今現實に政治をおとりになりましても、これは皆さんの協力でこの方面に強力に手を染めていくよりいたし方がないということを私は申し上げたのでありますから、その點は御了承をお願いいたしたいと思うのであります。
#70
○小笠原委員 資材の確保の裏づけをなさる、それの見透しによつてこの法を立案したのだと言われることは、それはまあ當然なことであります。しかしながら、資材確保に缺陷があつてはならぬ。こう思うのであります。現に先刻苫米地大臣から申された通り、せつかく財政法の實施にあたつても第三條はなかなか實施にならぬという關係があつてみたり、殊に資金の問題がせつかく物價廳の方で案を立てても、それが何かの問題によつて缺陷を生じて實施ができなかつたようなことで、これまでも政府の方でもしばしば變更があつたように伺つているのであります。從つて、あなたが言われるように、裏づけもできたし、二千トンのゴムも確保ができた。それによつて今まで投げられておつたタイヤ、チユーブの生産の方も一應個々に各省との連絡もまとまつた。これからの増産の見透しがついたのだということは一應もつともでしよう。しかし、それだけでは私は滿足できない。あなたもその方に御經驗があるように、今日全國の業者がやみ買しなければどの自動車も一臺も運行ができないという状態にあると思うのであります。磨滅數量から配給數量を計算するなら、必ずそれが出てくるのであります。ところが、やみといえども、今日はゴムがないので、やみも不可能な状態にあるのだからこれが運行ができなくなる。あなたは、七臺のものを五臺、五臺のものを三臺としても、國家に資材がなければそれでいいじやないかと、こう言われるけれども、先刻あなたがおられないときに大臣にも私質問いたのでありますが、輿論がそれを承知しません。五臺でまだ不足で、あの通り人間だか荷物だかわからないように、山見りになつて運行する場合に、それを三臺に計畫を變更せよというても、なかなかこれは容易なことではありません。しかしながら、なければやむを得ぬことになるのでありましよう。全部がそういう状態ならできるけれども、それが民間の業者の方に影響されて、それが輿論化されて、省營バスの要求なんかしたりしている。それに對して政府のある連中が、よし、省營バスを通してやるからといつて、名刺を渡して運輸省を騒がしているような連中もあるということで、これは官營にする目的ではないかといつて、私つつこんでそのとき聞いたのであります。それだからこの法というものが先んじて出ても、どなたがやつてもそれしかできぬといえば、これは意見の相違になります。少くともこの資材の確保ということは、この二千トンのゴムの確保ができて、それを自動車の方に振り向けたんだということだけでは、實際の製造元の方に對してどういう連絡をとつて、製造能率はこれで増産ができるんだという、その見透しがつかなかつたならば、ただあなた方の常に言う、官僚の空論に終るのじやないかということを私はおそれるのである。どうしても田中君のようにそれだけの體驗のある人が、業者の實際の製造する方までつつこんでそれをやらなかつたかということを私は考えますので、あなたにお尋ねしたのでありますが、あなたの方では、とにかくだれがやつてもこの程度しかできぬといえば、これは議論の相違になりますから私はこれ以上申し上げません。しかしながら實際の運行としては、あなたも考えておられる通り、また他の各局長、課長あたりも實際において今日の運行状態がどういうことであるかということをよくお考えになりましたならば、このタイヤ、チユーブ――その他の資材もありますけれども、主としてゴムの問題でみなへたばつているのでありますが、これが製造能率ばかりでなく、現在ある物の配給機構といえども、どれだけを配給し、どこに行つているということは、あなたは連絡をとつたとおつしやるが、おそらく商工省でもよくわかりますまい。運輸當局のあなたの部下の方でもよくわかりますまい。こういうことをせつかく改善をして見透しをつけるくらいのことは、どの人がこの立場になつても同じじやないかということは言われますまいと思うのであります。でありますから、こまかい點にはいつて何でもありますけれども、こういうことを緑じきたつても、あなたの方では、だれだこの立場に立つても、資材不足の占領下の國家としては、これ以上できないというようなことを申される以上は、これは議論になりますから申し上げませんが、とにかくもう少し實際において自動車の運行できるようにせんければ、いたずらに資材不足のために、輿論というものは、民間の利用者というものは、ただ勝手な所だけに省營バスを望んだり、あるいはそのバスを望んだり、あるいはそのバスを倒して自分がさらに新しい會社をつくろうとしたり、あるいは政治的に動いたりする。あなた方の方面では監督上云々言つても、監督の方面では、法規の上、罰則においては司法がやり、警察がやり、あるいはその他資材の方面においては商工省があり、金融方面においてはまた別の方面でやるというようなことで、いろいろわかれておりますから、あなたの方で、これは今のところこれだけしかどなたがやつてもできぬじやないかと言うけれども、こういう場面であればあるほど、すべての者が大事をとつてやるべきだと私は考えておるので、その方面であなたにお尋ねしたのでありますけれども、もう意見の相違になるからこれで私は打切ります。なお内容につきまして、あとで商工省の方で自動車の關係の生産數量や何かのこまかい點を御説明あつたあとにおいて、なお今日の情勢をあなたはわかつておるとおつしやるから、わかつただけでなく、なおあなたも研究して、實際の運行はいかにやつておるかということの連絡をとりまして、理論でなくして、ほんとうに業者なるものが、一般民衆の交通運輸に對して安定を確保するようにできるかどうかということをよくお考えおき願つて、それからひとつまとめることはまとめてお話をせんければ、結局ただ議論をしておつては意見の相違に終つてわからないのであります。いずれ小委員會も設けられるでありましよう、そのときにまた、意見の交換をしてまとめようと思いますから、これで私は打切ります。
#71
○正木委員長 矢野君に申し上げます。先ほどあなたの質問の殘つておりました點で、商工省の生活物資局長竝びに安本の生活物資局から説明員が見えております。矢野君に質問を許します。矢野政男君。
#72
○矢野(政)委員 それでは簡單にお伺いいたしたいと思います。まず午前中に質問いたしました商工省のタイヤの關係のことについてですが、この點につきましては午前中お尋ねしたのでありますけれども、擔任いたしておりませんお立場から、私の聽かんといたしました點につきまして御説明をいただき得なかつたのであります。この點についてはさらに後日の委員會においてお伺いをいたしたいと思うのでありますが、二十二年度におきまして、タイヤの製造會社におきまして月別生産をされましたタイヤ數、これに對しまして商工省が配給割當をいたされました生ゴム、あるいはその他の資材等についての詳細、なおこの生産いたされましたタイヤにつきまして、運輸省を通じて配給をいたされましたその數、こういう點の資料をいただきまして、あとの委員會においてお尋ねをいたしたいと思います。
 さらに安定本部の關係につきましてお尋ねをいたしたいと思いますが、先ほど來伺いますと、安定本部の生活物資局の木村次長さんがお見えになる、こういうふうなお話しでありましたが、御都合がおつきにならなくて總理廳の事務官の伊藤さんがお見えになつた…。
#73
○正木委員長 間違つておりました。安本からは野田生産局長が見えております。
#74
○矢野(政)委員 それでは私がただいまからお伺いしたいと思いますことは、自動車用の代用燃料でありす薪炭と、それから家庭用燃炭の割當配給等に關しましての質問であります。これに對しましてお答えを願えるものでしたら御質問申し上げたいと思いますが、もしそれが擔當が違いまして、お答えを願えませんものでしたら、あとの機會に譲りたいと思います。
#75
○正木委員長 ただいまの矢野君の質問のうち、薪炭關係は生活物資局關係だそうで、本日は見えておりませんから、次の委員會に委員長の方から要求いたしておきます。
#76
○矢野(政)委員 それではその關係はそれだけにいたしまして、商工省につきましては、ただいまお願いいたしました資料をいただきまして、次の委員會にお伺いいたしたいと思います。
#77
○成重委員 運輸當局にお尋ね申し上げたいのですが、私は道路交通法案をだんだん審議してまいつておりますと、取急いでこの法案を制定して施行しなければならぬという根本の要點をだんだん遠ざかつていくような氣持がします。何がためにこの法案を取急いで本國會に提出しなければならぬか。その必要性についてわかりやすい御説明を願いたいと思います。もし現行の自動車運送事業に關する自動車交通事業法というようなものが、戰時中に制定されたもので、これが非民主的な、あるいは時代に合わないような法案が有ますならば、これを是正するなり、または廢止するなりいたしまして、資材の見透しもつかないし、また自動車運送に對しては燃料等の見透しもまつたくつかない今日において、強いてこの法案を制定して施行しなければならぬという、根本の方針、目的はどこにあるかということをわかりやすく御説明願いたいと思います。もしこれを強いて行うといたしますれば、道路運送法第八條の委員會の點でありますが、これと從來あります鐵道會議とは大體どういう關係になるか。それから國會における本交通委員會との關係についてもどういう關係になるか御説明願いたい。その際鐵道會議というものはあるいは廢止する御意思があるのかどうか、こういう點についてもお伺いしたいと思います。それからこの委員會の構成について、道路管理者たるところの府縣知事との關係はどういうふうになるか。大體の法案の趣旨によりますと、地方道路委員會は鐵道局單位にこれはできるようになつているのではないかと思います。これはせんだつても、どなたかの委員から質問があつたようでありますが、それでは實際の面において運用上大なる支障があるのではないかと思います。これは府縣單位に地方委員會は置くべきが妥當ではないかと思いますが、こういう點に對する御見解を承りたい。最初に申し上げました通り、強いて今こういう法令を出さなければならぬという趣旨についてわかりやすく御説明を願いたい。
#78
○郷野政府委員 道路運送法案を取急ぎ第一囘の國會に提出いたしました理由につきまして御説明申しあげます。御承知の通り、現行の自動車交通事業法は昭和六年の立法でございますので、相當にその當時と經濟情勢も變つておりますし、また戰後のいろいろな政治、經濟の民主化という點から見ましても、前の法律の中に盛られております考え方で是正を要するものが多々ございます。特に現在の自動車交通事業法は、昭和十八年に戰時の考え方からいたしまして改正をいたしております。すなわち統制會法式によります事業組合、その連合會というようなものをこの中に取入れておりまして、法規の體裁から申しますと戰時色も多分に盛られているような状態でございます。從いまして、道路運送は經濟の基盤でありますので、國民生活の維持、日本の經濟再建という見地からいたしまして、道路運送についてのいろいろな制度を、新しい點から急速に整備する必要がまず認められるのでございます。そしてこの現在の自動車交通事業法のただちに改正すべき點として認められますものは、先ほど申し上げました統制會方式によります自動車運送事業組合、この關係の法規を改めまして、自動車運送事業組合を解散させるということにいたさなければなりません。また輸送秩序の確立という點から申しまして、戰後非常に殖えてまいりました自家用自動車につきまして、この規定は從來なかつたのでございますが、これを取入れる必要があるのでございます。その次に行政の民主化という點から考えまして、從來の自動車交通事業法におきましては、主務大臣が行政處分にあたりまして、法規の上では自由裁量で取計らえるということになつておりますが、これは行政の民主化という見地から考えますと、このままで今後行くべきであるかどうかという點につきまして大きな疑問があるのでございます。行政の民主化をはかる方法といたしまして、外國の立法例などにもならいまして、實質的に行政運營の實態を諮問いたしまして、その意見によつてきめてまいります道路運送委員會という制度を設けることがよかろうということになりました。この制度を急速に取入れたいという考えをもつて、なおまた免許の基準につきまして一定の基準を明らかにして、特別の支障のない限りこの基準によつて、新規の事業を免許していくという建前もとりたいと考えたのでございます。なおまた事業自體の民主化という點から考えて、その企業の會計を明らかにするとか、あるいは運送約款の制度を確立して業者の義務を明らかにきめるとか、あるいは運送の引受義務、その他民主的な味を全面的に盛るということ等も、必要であると考えたのであります。
 また次に道路運送については事業法というだれでは足りないので、自家用の關係も取入れたのでありますが、また自動車の事業のみならず、輕車輛の運送事業についてもこれを取入れて、總合的な法規として、道路運送全般の健全な發達をはかりたい。かように考えて、輕車輛については從來府縣令によるという形で、これが法律に基礎を有しておりませんでしたが、今後新憲法實施下において、新しく法律の規定を設けるという必要も認められることになつたので、この點も急速に解決しなければならぬ必要に迫られたのでございます。それから道路運送について車輛の檢査、整備、登録というような問題については、これは道路運送の基本的な事項でございますので、新しく道路運送法規として、これを取入れることにいたしたいと存じておるのでありまするが、從來の自動車取締令、また道路取締令の關係から、新しく内務省の關係として提案になつております道路交通取締法、この關係において車輛の取締りの部分がそちらに移されることになつておりますので、この法律との關係も考えて、急速に道路運送法にこれを取入れた以上、實施しなければならないという事情もあるのでございます。
 なおただいまお話のあつた資材その他が非常に窮屈であつて、自動車の今後の運營には大きな支障が考えられるのではないかというお話でございますが、この點については私どもも資材の見透しについて、非常に憂慮しておるのであります。しかしながらこの點については、私どもでもきるだけの努力をして、なお連合軍司令部の好意ある御援助もいろいろ得たいと考えておりますが、この困難な事態のもとにおいて、新しい法律のもとに今後の道路運營のあるべき行き方を規律して、これによつて今後の發展に備えていくということが、必要であろうかと考えます。また非常に困難な情勢のもとに事業を經營するとすれば、やはりこういう新しい民主的な諸制度を取入れた法規のもとに、常にこれを利用する國民大衆の公正なる批判と鞭撻のもとに事業が運營せられるということは、特に必要でないかと考えておる次第であります。
#79
○成重委員 その程度で説明は大體わかりますが、しかしこの自動車交通事業法のごときは、昭和六年か七年にできたと思いますけれども、この戰時中にいろいろ自動車運送事業組合とか、戰時統制にならつて出たものが不必要であるならば、解消してもよろしいし、あるいは行政の民主化、あるいは事業自體の民主化等については、法令の内容に多少遺憾な點があれば、これをかえてもいいと思いますが、強いて私は――運輸省自體の事業ですら今日非常な難關があり、現業方面は困難な事業を擔當してやつておるにかかわらず、こうした行政方面まで擔當して――おそらくこの委員會の各位でも、この法案を實施してうまく行くだろうかと大部分の方は疑念をもつておられるだろうし、今日でこれを審議してみて、これならばなかなか民主的ないい結果になろうと思うような自信のついた方は、おそらくないだろうと思います。こうしたような大きな疑問をはさみながら、私どもは審議を進めておるのであります。ただそうした過去における自動車交通事業法等の中に、戰時中多少戰事色を蔕びた、あるいは戰時統制によつていろいろなむりな條文が加えられておるならば、そういう點を是正するなり、あるいは削除するなり、殊に將來は、警察等をまわつて承りますと、その筋の指示により、警察も非常に地方的に分權されて民主化されるようであります。おそらくそういう取締りなり、許可、認可等についても、民主化された行政が行われるものと私どもは信じますが、運輸省自體がこうしたようなこまかいことまで握りこんで、はたして――また非常に民主化された、民主化を目的とした法案であるとおつしやるけれども、この委員會制度のごときも、はたしてわれわれが期待するような運用の効果を期待し得るかどうかという點についても、私どもはだんだん審議を進めるに從つて、深い疑問をもつようになつておるのであります。われわれ普通ならば、法案の審議を進めていけばいくほど自信を得るのがほんとうであると思うのに、この法案に限つて審議を進め、日を經るに從つて、疑問がだんだん大きくなつてくるような氣がいたします。この際強いて運輸省が、これが審議を進めなければならぬという點については、ただいまに郷野局長の説明では、私は十分納得はいきませんけれども、いずれまたこれは小委員會等に付記されるものと考えますので、その機會において各派の御意見を伺つて、私どものむかのまないかの腹をきめたいと思つております。これに對しては、別にお答えを得るに及びません。
#80
○前田(郁)委員 私は議事進行についてちよつと皆さんに御相談申し上げたいと思います。本日は最初から聽いておりましたが、ほとんど今までに各委員から質問されたことでございまして、ほとんど毎日この席で聽いておつてまことに迷惑な答辯のように思えるのであります。これは井谷委員からもこの説があつたのですが、大抵、質問も出盡したように思われますので、どうか小委員會なり適當なものを設けていただいて、さらに掘り下げてこの問題の完結を見るようにしたらどうかと思います。この點皆さんに諮つていただきたいと思います。
#81
○正木委員長 前田君のただいまの議事進行に對する御意見でありますが、このことを皆さんに御相談申し上げる前に、この議會に委員長からもお願いをしておきたいのですが、本法案に對する質疑を十分いたしますことは當然議員としての最高の權限であり、義務でありますけれども、委員の諸君が委員會を開きましたときに御出席になりません等もございまして、このことが實は繰返され、ここで質疑をされているわけです。しかしこれは、委員の諸君といえども各般のいろいろの事情がございまして、御出席にならないような方があろうかとも思いますので、實は委員長としてはあと一、二囘委員會を開きまして、あとは皆さんと御相談をいたしまして、どのようにするかということをそのとき御相談申し上げたい。かように考えておりますから、前田委員もその點ぜひ御了承願いたいと思います。
 本日はこの程度で散會したいと思いますが、御異議はないでしようね。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○正木委員長 では次會の日程は公報をもつて御通知申し上げます。本日はこれにて散會いたします。
   午後四時二分散會
ソース: 国立国会図書館
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