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1947/10/15 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第28号
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1947/10/15 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第28号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第28号
昭和二十二年十月十五日(水曜日)
    午後二時五十四分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 高瀬  傳君 理事 佐伯 宗義君
   理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    佐々木更三君
      島上善五郎君    館  俊三君
      志賀健次郎君    原   彪君
      堀川 恭平君    矢野 政男君
     小笠原八十美君   岡村利右衞門君
      田村 虎一君    飯田 義茂君
      木下  榮君    前田 正男君
 出席政府委員
        法制局次長   井手 成三君
        運輸政務次官  田中源三郎君
        運輸事務官   郷野 基秀君
 委員外の出席者
        專門調査員   岩村  勝君
        專門調査員   堤  成威君
    ―――――――――――――
十月十四日
 穴吹、白地間國營バス運輸開始の請願(岡田勢
 一君外四名紹介)(第八四五號)
 姫路市より新宮、山崎を經て曲里に至る間に國
 營バス運輸開始の請願外五件(佐々木盛雄君紹
 介)(第八六〇號)
 神戸市長田區に停車場設置の請願(佐々木盛雄
 君紹介)(第八九九號)
 桃ノ川、彼杵間鐵道敷設の請願(中村又一君外
 一名紹介)(第九〇三號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 道路運送法案(内閣提出)(第四七號)
    ―――――――――――――
#2
○正木委員長 會議を開きます。
 これより前會に引續き、道路運送法案を議題として質疑を續行いたします。質疑はこれを許します。高瀬傳君。
#3
○高瀬委員 私は、社會黨としての道路運送法案に對する大體のわれわれの考え方を申し述べたいと思うのであります。われわれとして問題にしておりますのは、大體四つの點であります。つまり第四條の「政令に定めるところにより、」という點と、第八條のいわゆる中央道路運送委員會及び地方道路運送委員會の性格に關する點と、第十二條の妥當なる基準を法律によつて明記するかどうかという點と、附則第一條の本法施行の期日を法律で明定するかどうか。こただけがわれわれとして意見を述べたい點であります。
 まず第四條の「この法律に規定する主務大臣の職權の一部は、政令の定めるところにより」こういうふうにございますが、「この政令の定めるところにより」というのを、委任する官廳と委任事項を明らかに法律で定めるかどうかということが、一つの問題であろうと思います。この點についてわれわれといたしましては、委任事項は政令に任してもよかろう、その代り委任する官廳を明らかにしてもらいたいというのが、われわれの意見であります。しかして委任する官廳をどういうふうにするかという點については、あるいは府縣知事のみとするか。あるいは鐵道局長、府縣知事、市町村長とするか。あるいは鐵道局長以外の特別の官廳をつくつておくかどうか。たとえば道路運送監理局であるとか、あるいは道路運送事務所長であるとか、こういうものをつくるかどうか。いろいろ考えられますが、われわれといたしましては、委任事項は政令に任せて、委任する官廳を自動車事務所長――現在あります自動車事務所でありますが、それと府縣知事と市町村長、こういうふうに指定していただいたらどうか。かような見解をもつておるわけであります。これが第四條に對するわれわれの大體の考え方であります。
 なお第八條の中央道路運送委員會及び地方道路運送委員の性格については、私は時々意見を述べましたが、結局社會黨全體の考え方といたしましては、政府當局の答辯の次第もありますし、できるだけ道路運送委員會を民主的に構成して、その意見を尊重して形式上は諮問機關であるけれども、實質上は決議機關のごとき十分なる權能を附與するという、政府當局の答辯にもわれわれは敬意を表しまして、結局この最初の字句を修正して、その意味合いを濃厚に出したいと思うのであります。それから八條の「行政官廳は、左の事項で重要なものは、道路運送委員會の意見を徴してこれをしなければならない。」という點を「道路運送委員會の意見を徴し、これを尊重してしなければならない。」つまり「尊重して」という言葉を私どもは入れていただきたい。かように考えておるわけでありまして、この道路運送委員會を決議機關にする、しないという問題については、黨全體の意向としてはその意味合いを濃厚に出す意味において、諮問機關であつても決議機關に近いような性格をもつたものとして、これを實際に執行する運輸當局の裁量に任せる。しかしこの條章の點で「道路運送委員會の意見を徴し、これを尊重してしなければならない。」という字句を挿入したいと考えておるわけであります。
 それからこの條章に關連しまして、この委員會をどういうふうにするか。たとえば中央委員會あるいは地方委員會、そういう場合に委員會を中央、鐵道局、府縣の三段階とするか。あるいは中央、府縣の二段階とするか。あるいは原案のごとく中央と鐵道局と、この二つにするかというようなことが考えられますが、われわれとしては中央と鐵道局というふうにしたい。鐵道局という言葉は語弊があるかもわかりませんが、結局中央と政令をもつて定める地域ごとに地方委員會を置く。こういうことにいたしたいという希望をもつているわけであります。
 なお委員の數でありますが、この點は各黨の御意見を伺わないと社會黨としても強く主張できませんが、中央委員會は十人以内、地方委員會は若干人、しかも希望條件といたしまして一縣三人くらい候補者を選んで、その中から一人、こういうふうにしたらどうか。かように考えるわけであります。
 それから委員の任期であります。二年にするか、三年にするか、あるいは六、七年にするか、いろいろ考えられると思いますが、この委員會の諮問機關としての性格を強化する意味において、委員はいつでも再選をして妨げないという意味合いを附加いたしまして、大體三年くらいでいかがかというのがわれわれの意見であります。その他地方委員會をどこに置くか、あるいは委員の資格、兼職禁止等いろいろな問題があると思いますが、やはり道路運送委員會の性格を明らかにする意味において、委員の資格なり、兼職禁止に關しては政令で何らかの規定をしていただいた方だいいように私は考えるわけであります。
 それからなおこれに關しまして、五十一條の補償の問題がありますけれども、これはすでに現在の運輸省において補償の點は事務的に運用ができておると思いますので、特に五十一條の事業者が受けた損失を補償することができる云々の點に關しまして、法律で補償するかどうかということをきめる必要はなかろう、從つてこの點はわれわれといたしましては、別に觸れないようにいたしたいと考えているわけであります。
 なお中央、地方委員會の諮問事項の區分を法律に明定するかどうかという問題でありますが、第八條に列記されました五項目の點は、實際上地方に起る問題と中央に起る問題はおのずから性質を異にしてまいると思いますので、中央、地方とも原則としてはこの項目でよくはないか。かように考えているわけであります。
 なお第十二條の條章でありますが、「主務大臣は、自動車運送事業の免許に關し妥當な基準を定め、これを公示しなければならない。」こういうことがあります。この妥當なる基準を法律で定めるか、あるいはどうかという點でありますが、この點は結局全部委員會で決定してもらうということで、やはり法律で明記した方がいいようにもわれわれは考えるのでありますけれども、これは各黨の御意見にまたなければならないと思います。あるいはそれを委員會で決定していただく。こういうことに相なりますか。われわれとしては委員會で決定していただければ、それが一番穏當な方法でないか。こういうふうに考えます。
 それから最後に附則第一條に「この法律施行の期日は、各規定につき、政令でこれを定める。」とありますが、本法施行の期日はぜひ法律で明定していただきたい。政令でなく法律で明定していただきたい。なぜかと言いますと、現に新しく自動車運送業をやるような場合、たとえばトラックの場合を例にとつてみますれば、約三十臺トラックが整備されなければ、新しい營業は許可されないという規定があります。それで結局この法案の實施期が遲れれば、いわゆる既得の營業者のみが運送業に關する營業權を享受して、新しく運送業をやろうとする業者はなかなか不確定な状態に置かれて、營業權をもつている者と、新しく出願した者との間に非常な差等ができます。從つてこの法案が實施にならぬ限りは、おそらく新規自動車の營業は許可にならない。なぜかというと、この中央、地方道路運送委員會がその許可、免許あるいは取消という重大なる諮問に應ずることになつておりますから、既設の營業者とそうでない者との間に非常な差等ができる。これは民主的でないと思いますので、結局本法施行の期日を法律で明らかにしていただきたい。かような意向をわれわれはもつているわけであります。まず大體社會黨といたしましての意向竝びに希望要項はさような次第であります。
#4
○正木委員長 前田郁君
#5
○前田(郁)委員 私は日本自由黨の意見を代表いたしまして一言申し述べたいと思います。
 大體自由黨といたしましては道路運送法案はこれを認める。しかし政令その他におきまして修正を願いたい。こういうわけであります。先般道路運送に關する事務所を監督官廳別に設置したらどうかということも述べられましたが、これはあまりにまた役所が殖えたり官廳が混雜するから、こういうことはこの際あらためて研究したらどうか。こういうふうに考えております。とにかくこれには反對するという意見が多かつたのであります。
 それから道路運送委員會ですが、これには最も意見が集中いたしまして、先ほど高瀬委員からこの性格についていろいろお話がありましたけれども、自由黨といたしましては、原案通りやはり諮問機關にしたらよからう。こういうわけであります。
 それから構成であります。これにつきまして今高瀬委員からもいろいろ御意見がございましたが、自由黨としては知事の推薦する委員の數を五名にしたらどうか。五名の中から二名を各縣からとつていただく。こういうことにしてもらいたい。そうすると、各局の管内で倍數になるわけであります。さらにまた委員長、副委員長というように二人できるだろうと思いますが、委員長が病氣であるとか、その他いろいろ事故があるから副委員長を置かなければならぬ。それですから委員長、副委員長が中央委員として出ていく。こういうことにした方が運用上非常にいいのではないか。こういうわけでございます。
 それから任期の問題でございますが、任期はやはり二年が一番適當であろう。現に鐵道會議の委員も二年であるし、先ほどお話の通り再選を妨げないわけでございますから、大體二年にしていただきたい。こういうわけでございます。
 それから中央委員會と地方委員會の權限でありますが、これがどうもはつきりしないのでございます。これだけは少くともはつきりして、中央の委員會にかける問題と、地方の委員會にかける問題とは區分していただきたい。こういうわけであります。それから車體の檢査であるとか、あるいは整備であるとか、こういうこまかい問題はやはり府野知事にしていただいた方がいいのではないか。これを一々鐵道局の方でやるということは非常にめんどうな問題ではないか、こういうわけであります。それから輕車輛の問題でありまするが、これなんかも鐵道局長ということでは非常にめんどうくさい問題であるから、やはりこれも縣または市町村長に一任するということにしていただきたい。こういうのが大體われわれ自由黨で練つた問題でありますが、その他のことはわれわれ常任委員に一任するということになつておりまして、常任委員が委員會において皆様と御協議して、その結果まとまつたものにこれを任していくということで承認を得たわけであります。皆様の御意見を伺いまして今後協議を進めていきたいと思います。
#6
○正木委員長 民主黨はいかがでしよう――國民協同黨、木下榮君。
#7
○木下委員 大體において問題の重點は道路運送委員會にあるようですが、この權限はやはり諮問機關で十分だろうと思います。ただ私の方としては、地方自動車事務所というものが地方鐵道局の所屬になつておつて、これが一切監督をやり、資材の配給をやつていく。これが根本に間違つておる。こういう持論をもつておりますから、この道路運送委員會を各鐵道局單位に置くのは間違つておると思う。これは府縣單位に置くのがほんとうである。いかに現在の運輸省の方がお考えになつても。地方の鐵道局が手足をもたずにいて、監督なり取締りなりを一元的にやつていくことはとうていできない。すでに取締りの方は府縣でやることになつておる。業者はいわゆる二元行政というか、二重行政というか、非常に不便である。自動車事業というものはこれでは發達しないと思う。また無理がある。地方の鐵道局が鐵道の營業をしていて、自動車から輕車輛までやつていく。そうして五、六府縣のものを一切監督してやつていこうというのは非常な無理がある。過日田中次官は、經濟の現段階だから資材を配給するのは自動車事務所でやると言うけれども、われわれの經驗によると、自動車事務所より府縣單位としてやつた方がよほど都合がよい。要するに道路運送法というものが、自動車の健全なる發達を期するものであるならば、そういうふうに直していただきたい。しかしこれは問題が少し大きいのでありますから、この道路運送法に關連して、すぐにそういうふうにということも提案するわけではないのであります。だからこの運送法としては、今の委員會の制度を鐵道局單位にせずに府縣單位にすることと、それから人數その他のことは各黨の方とよく協議してきめたいと思います。
#8
○正木委員長 原彪君。
#9
○原(彪)委員 道路運送法案の各條中第八條は、この法案の生命でもあるという觀點から、先ごろの委員會の際にもこの問題については御質問申し上げ、御意見も申し上げておつたのでありますが、中央道路運送委員會と地方道路運送委員會の二つの機構の中で、地方の道路運送委員會は、各都道府縣に置くということに、黨の方にもよく諮りましてその了解を得ました。しかして各鐵道局長が主管するところの鐵道行政の管轄區域は廢止して、各府縣に置くという意向に一致いたしました。しかしてこの一番中心であり生命であるこの委員會は、政令によらず、少くとも機構だけはこの條文の中に表わすことにいたしたいと存じます。地方道路運送委員會の委員の數でありまするが、當局の御説明とは各鐵道局管内の府縣より一人ということでありまするけれども、これは大體におきまして學識經驗ある者二人、それから輸送用具の使用者四人、荷主二人をもつて組織して、これを都道府縣知事が委囑するという形をとりたいと思うのであります。
 それから任期の點は、自由黨の前田さんの御意見の通り、二年が妥當じやないかという意見に大體一致いたしております。なおその他佐伯委員からも申し上げることがございますが、ひとつこの際わが黨の意向として申し上げたいことは、この機構について、地方道路運送委員會ができますると、これと地方自動車事務所との關連が問題に相なつてまいります。わが黨としては、やはり二百萬あるいは三百萬の縣民の選擧によつて當選された知事でありまするので、知事の運送行政にタツチする點を認めまして、できるだけ地方の現在ありまするいわゆる出先官廳と言われる自動車事務所を廢止してもらいたいという意向が強いのであります。はなはだこれは遺憾なことでありますが、政務次官のこの前私の質問に對しての御答えは、地方自動車事務所は廢止せぬというお答えでございましたので、わが黨から出ている政務次官でございますから、なおよくこの點につきましては、わが黨と政務次官との御連絡をもう一層密にした上で決定していただきたい。かように存ずるものであります。
#10
○前田(正)委員 第一議員倶樂部といたしましては、まだ十分相談がまとまつておりませんが、この委員會について修正をしてもらいたい。それから府縣の事情を考慮してもらいたい。その他のことにつきましてはわれわれ委員に一任しようといような空氣でございます。
#11
○正木委員長 では委員長から、ただいま各黨のそれぞれ御發言がありました點で――皆さんお聽きですから、あらためて申し上げる必要はありませんが、整理の都合もございますから申し上げまして、意見の一致を見た點、意見の相違している點についてお諮りして、整理していきたいと思いますので、御了承を願いたいと思います。この第八條については社會黨と自由黨、それから民主黨、國協黨とも原則的には意見の一致を見ているやに私はお聽きいたしたのであります。ただ字句の點で、社會黨ではこの運送委員會の意見を徴さなければならないという點を「尊重して」という字句を挿入する。この點が違つているようでありまして、原則的には一致を見た。それから委員の數であります。これまた二人と言い、三人と言いますが、自由黨、社會黨の委員の數においては大した開きがないように考えられます。ただ民主黨としては委員の數が六名でございまするから、この點あとで十分御協議を願いたいと思います。それから附け加えておきますが、自由黨としては委員長のもとに副委員長を置くという點であります。この點が若干食違いがあるようでございます。なお自由黨と社會黨で一致いたしました點では、この地方委員會はやはり原案通りのような御意見のように拜聽いたしました。國民黨と民主黨では都道府縣ごとに置く、こういうように承つたのであります。それから自由黨から特に御發言のありました點で、各黨との間に違つておると思いました點は、車體の檢査であります。これは自動車もそれから輕車輛も府縣知事に御一任したらどうか、前田さんこうですね。輕車輛は市町村長ですか。
#12
○前田(郁)委員 縣あるいは市町村長です。
#13
○正木委員長 重要な事項で若干意見の間に食違いがあつたところは以上で申上げたつもりですが、これに基いて委員會としては最後にこれを整理をいたすわけでありますけれども、整理にはいる前に政府になお質問したい點があるとすれば質問を許したいと思いますし、また委員長としてもこの機會に政府に聽いてみたいと思う點がありますが、さように取計らつて議事を進めてよろしいですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○正木委員長 ではこの機會に政府委員に質問される方の質問を許します。
#15
○島上委員 三十三條の輕車輛に關するところですが、命令の定めるところにより事業計畫を具えて届け出なければならないとなつております。その命令の定めるところによる事業計畫とはどの程度のものでありますか。
#16
○郷野政府委員 お答え申し上げます。事業計畫といたしましては、運賃、料金、事業區域、營業に使います車輛の輛數でありますとか、車輛の構造でありますとか、定員あるいは積載量、營業所というようなものをこれに規定いたしまして、届出の書類にいたしまして出してもらいたいと考えておりますが、自動車と違いまして輕車輛につきましては自動車よりもできるだけ簡易に取扱いたい、かように考えております。
#17
○島上委員 今東京都内もしくは地方にも輕車輛で人を輸送している事業があるのです。その事業計畫がどのようなものであるか存じませんが、その會社と、使用している勞働者の間の關係は、單なる貸車とでも申しますか、車の料金をとつて貸しておるというような状況で、普通他の事業會社に見られるような雇傭關係がまつたく存じていない。これを別の言葉で申しますと、非常に封建的な状態のもとに置かれているということが言えるのでありますが、そういうことは御承知になつておられることでしようか。つまりもつとはつきり申しますと、車の一日の料金をいくらだと言つてきめて貸しておるだけで、その他はまつたく雇傭關係がない。勞働基準法の實施ということもありませんし、その他健康保險法とかいうような、勞働者を保護するような施設や條件が何らないのですが、そういうことを御承知になつておられるかどうかをお伺いしたいと思います。
#18
○郷野政府委員 そういう會社と從事員との間の關係になつておるものもあるということは、承知いたしております。
#19
○島上委員 それからそういう勞働條件と言いますか、それに原因する一つの結果としまして、料金のやみ行為が半ば公然と行われている。むしろ會社が從業員に對して、それを慫慂してやらせておる。從業員はそれをしなければどうにもやつていけない状況にある。そのために、料金のやみが半ば公然と行われておるという事實がある。もし必要とあれば、私はいつでもその證據をもつてまいりますが、そういうことに對して、御承知であるかどうか。またもし御承知になつていないとすれば、今後それに對して、どのような取締りをされるかということをお伺いしたい。
#20
○郷野政府委員 現在におきましては、輕車輛につきましては大體府縣令がございまして、これによりまして府縣の知事が監督をいたしております。運賃、料金につきましてのやみが行われておるということも、あるいはあろうかと考えます。しかしながらこの監督につきましてももちろん十分に方法を講じまして、公定の運賃、料金が守られるようにいたさなければならないものと考えます。またその公定の運賃、料金が守れまするように、資材その他の面におきましてもこの事業の助成に努めてまいらなければならないものと考えます。今後この新しい法律が實施せられることになりますれば、その關係におきましても届出によりまして十分監督をしていく方法を漸次整備強化いたしまして、お話のような點につきましての指導に遺憾のないようにいたしたいと考えます。
#21
○島上委員 それでは最後に一言御希望申し上げておきますが、そのような運賃のやみということも、今私が申し上げましたように、雇傭主と從業員との間に正常なる庸傭關係がないというところに起因しておるのであつて、從業員を責めるわけにはいかないのが現状でありますから、今後この新しい法律によつて許可される場合には、會社と從業員との間に正常なる庸傭關係、勞働基準法に規定されているような條項が當然守られるようにお進め願い、もしくは監督されるように御希望いたしておきます。
#22
○正木委員長 高瀬君に申し上げます。御要求のありました法制局次長井手政府委員が出席されておりますので、この際高瀬君の發言を許します。高瀬傳君。
#23
○高瀬委員 先ほど實は非公式に法制局次長と意見の交換をいたしましたが、政府當局の考え方をわれわれはつきりと把握するために、重ねて公式に質問させていただきます。實はこの委員會において、第八條の道路運送委員會の性格について、私はこれを獨立官廳にしろというような建前で大分主張をいたしましたが、社會黨の意向を先ほど述べた通りで、私自身の主張とは異なつておりますけれども、一體この第一囘國會において、各種の法案について民意を尊重するという角度で各種の委員會が取上げられております。しかもその委員會の性格は、實際は諮問機關であるけれども、ほんとうに民意を尊重するという建前において、非常に強力な諮問機關になつて、實質上は、決議機關に近いようなものが各種の法案に見出されるわけであります。從つて私はこの點について、眞に民意を尊重するならば、將來おそらくこの各種の委員會なるものは一種の獨立官廳化するものでないか。そうなると、大臣のいわゆる議會に對する責任、あるいは内閣の行政權の行使に對して議會に共同責任を負うというような性格、いろいろな點が變つてきはしないか。從つてここに各種の委員會を獨立官廳化することは、はたして憲法違反にならぬのかどうかという點について、まず第一に法制局次長の御意見を一應承つておきたいと思います。
#24
○井手政府委員 行政實施にあたりましていかなる機構をつくるかということにつきましては、それぞれ事の種類に應じまして、最も適當な制度が打立てらるべきであらうと思つております。從つて私どもの態度といたしまして、一つの型にはめるとか、または從前の形をできるだけ踏襲するという考えは、できるだけ避けております。ただ先ほど來申されましたごとく、新しい憲法におきまして、内閣が行政權の行使について責任を負う。そうして内閣は法令を誠實に執行する。すなわち國會か定められました法律のわく内において、内閣を構成しておる各大臣がそれを誠實に執行する。自分の良心の命ずるところに從いましてみずから處分し、また指揮監督してこれを實施する。すなわち行政につきまして、主務大臣の意向が透徹するということが最も普通の形であつて、そういう形によつて行政が行われることを、憲法はおそらく内閣制度においても期待しておるものと考えます。これは普通の形でありまして、特殊な場合といたしまして、たとえば公務員法の試驗を實施して點數をつけるとか、あるいはまた海員の懲戒の審判をやる。これなんかはその時その時の政府の政策をそこに現わすというようなことでなく、むしろ中正に、技術的に問題を處理する。從つて主任大臣がこれは處罰してくれとか、あるいはこの人間は及第させてくれというような注文をつけないで、むしろその試驗委員なら試驗委員に公正にやつてもらう。その報告を受けてそれを所轄していくというような建て方があると思います。そういうものはいわゆる獨立的な機關になつてまいりますが、こういうものもあえてまた憲法は禁じていないところだと考えております。しからばどのようなものが獨立的に動いて、主務大臣のいわゆる指揮監督からはずれてくるか。これも段階があろうと思いますが、大體任せきりにされるということになりますと、今申し上げましたような特殊な行政を憲法は許しており、禁じていないのでありますが、一般の行政全體をついて、あちらにもこちらにも各大臣の指揮命令が行き届かないようなものができることは、これがたび重なつてまいりますれば、あるいは内閣制度に對する憲法の精神に反するようなことになるのではあるまいかと私どもは考えております。本案の問題についての御質問はなかつたように思いますが、この道路運送法で考えておるようなものは、大體私どもとしては諮問機關の程度に止めていただきたいと考えております。しかしさきほど申されましたごとく、民主的に物事が行われなければならない。すなわち國會が決定されたわくの執行であつても民意を十分に取入れてやる、それに副うてやるということは重大な要件でありますから、諮問委員會といえどもその答申は十分に尊重されなければならぬと思います。そしてその答申が正當であるにかかわらず、これを無視していくようなことがあれば、これは國會の政府に對する監督、世論その他政治的な處置によつてその内閣のやり方を改めていく、指導していくというやり方でやつていただけるということが、大體行政機構としては妥當なところではあるまいかと考えまして、私ども法制局側といたしましても、どうか皆さんに本案の程度で御賛成をいただきだいと考えておる次第でございうす。
#25
○高瀬委員 ただいま法制局次長の御意見によりますと、結局この委員會を獨立官廳化するということは必ずしも憲法違反にはならない。しかしながら委員會を獨立官廳化するということは、特殊な委員會のみに限る方が望まないという御意見で、たとえばわが黨としては今度公務員法の改正について、人事委員會を一つの官廳化する。あるいは獨占禁止法の公正取引委員會を一つの獨立官廳化する。こういう特殊なものであつて、そういうものに限つて官廳化することは差支えないけれども、一般の委員會を獨立官廳化することは望ましくない。しかし委員會というものを獨立官廳化することは、必ずしも憲法違反ではないというような御答辯のように伺いましたが、いかがでしようか。
#26
○井手政府委員 重ねての御質問でございますが、今申し上げましたごとく、特にそのときどきの内閣の政策が浸透するというようなものでなく、むしろ中正に技術的に行われるということを確保しなければならないというような要求があるものに限つて、憲法は許しておるだろうと思います。普通の行政につきまして、そういう委員會でほとんど主務大臣の指揮命令、その意圖が行われないというようなものができることは、憲法はおそらくこれは認めてないと思うのであります。この運送法案につきまして、その特殊性がかりに説明されるということになれば、それは憲法違反でないということになろうと思いまするが、そういう特殊性があれにもこれにも主張される、そして結局は主務大臣はただ座つておるだけで中味は人さま任せということになれば、これは憲法が禁じておるといいますか。憲法に違反するということになるであろうと思います。具體的に一つをつかまえてどうかということになつてまいりますと、これの判定は非常にむずかしいものでありまして、私の答辯がややぼやけておりまするが、その邉で御了承願いたいと思います。
#27
○高瀬委員 ただいまの御答辯でありますが、結局委員會を獨立官廳化することは必ずしも憲法違反でないけれども、これがあちらにもこちらにも簇出してくると、總括的に言つて、それがたとえば憲法六十六條かの、内閣は、行政權の行使について、國會に對し連帶して責任を負うという條章にはずれてこないか。こういう御意見のように伺うのであります。ところでもしこういうような各種の委員會が獨立官廳化したときに、主務大臣の指揮監督というものは十分行えないような状態になる、こういう御意見のように思うのでありますが、はたしてそれに對する法制局次長の御意見はいかがでしようか。
#28
○井手政府委員 これは一つなら構わないか、いくつかできてくるといかぬだろうというような面を申されましたが、さらに先ほど申しましたごとく、特殊な内容をもつているということが立證されなければ、私どもは憲法の精神に反すると思います。普通の行政であれば主務大臣がその意圖のもとにこれを實施する。そうしてその主務大臣がその構成員となつている内閣が、國會に責任を負うということに貫かれなければならぬと思うのであります。
 もう一點の御質問は、指揮監督が十分できなくなるという點でありますが、獨立性をもたせるということは、すなわち主務大臣の意向が反映しない。主務大臣の意向にかかわらず獨自の判定をするということになる、ましてこれはおそらく主務大臣としての責任を申すに困るだろうと思います。また委員會がせつかくきめましても、それにして主務大臣が相當なる程度に委員の罷免ができるとか、あるいはまた委員會の議決の方法を拘束するとか、あるいは委員會が決定したことをすつかりやり直すことができるというような處置がとられますれば、從つて獨立性をせつかく要求した委員會としての目的は、その面から消えてなくなるのではあるまいかと考えます。
#29
○高瀬委員 ただいまの御説明で大體了解いたしましたが、將來おそらくこの委員會というものは、相當に民主化されてくればくるほど、獨立官廳化する傾向が濃厚になつてくると存じます。從つて私はこの問題は將來の問題として相當に研究を要すると思いますので、私自身もなお今後この問題について研究してみたいと思いますが、大體において法制局次長の御答辯に滿足の意を表しまして、私の質問を打切ります。
#30
○正木委員長 佐伯宗義君。
#31
○佐伯委員 私どもの方は今民主黨の意見として原さんが述べられたのでありますが、實はいま少しく皆さんと協議した上でもう一度まとめようじやないかというような内輪の話があつたのであります。實はこれから申し上げることはちよつと矛盾したようなことになりますが、その點は御了解おき願いたいと思うのであります。前囘の委員會に私缺席しておりましたので、いま一度お聽かせ願いたい。私はこの道路運送法案の骨子となつておりますのは、第四條、第八條の運送委員會、行政權の執行という點であると思います。それを最も民主的に組織するということが中心になつて民主的な運送法案として提案になつたことと思うのでありますけれども、實は第八條の運送委員會の構成のみが民主的組織になるのであつて、私は反對にその他は全部官僚統制の強化ということに歸一せられるのである、かように考えられる點を指摘してみたいと思うのであります。それは第四條の、「この法律に規定する主務大臣の職權の一部は」云々ということになるのでありますが、ここに起つてまいりまする問題は、この道路運送法の第四章の輕車輛運送事業の運用というものを圓滑徹底化しますためには、どうしてもこれは運輸省の強力な地方組織が必要であろうと考えられるのであります。現に自動車運輸事務所というものができているのであります。そこでわれわれ政治的に最も重要なる變化を來しまするものは、從來運送方面から監督を行われておりました都道府縣というものの行政以外に、このたびは運輸省の獨立官廳の統制に服從していかなければならぬことが起つてまいると思うのであります。さような關係からどういうことになるかというと、この内容によつて、御承知の通り山間僻地にあります人力畜力による、ほんとうの現在は運送事業というようなものでないものですらもこの統制規則に羈絆されましたり、いろいろ複雜な手續を要することになつてまいるであります。今ですら警察に行つてちよつと認可をとるのでもやかましいのであります。これがこのたびこの法案が通過いたしますと、私は相當複雜な業務が起つてまいると考えます。從つてやはりこの業務を執行する上におきまして、運輸省はどうしても出先官廳が地方に必要であるということが起つてくる。いま一つは地方都道府縣知事の行政業務と、今度中央の直轄ということがさらにまた複雜化してまいりまして、どうしてもこれは地方鐵道局を中心にした中間的に行政代行機關がなくてはならないということが必然的に起つてくると思うのであります。そこが私ども今度の問題の政治的に一番重要な點であらうと考えるのであります。それに派生的に起つてまいります問題は、私この前に申し上げました通り、運輸省の現在の業務と申しますのは、ほとんど現業業務が大部分を占めておる。監督業務は一部にあるのみであります。このように運輸省は厖大なる國有鐵道の現業組織をもつておるのでありますから、どうしてもこの現業組織に行政が支配せられる。要するに經濟面に政治が支配せられるということは爭われない事實であると信ずるのであります。これはそんなことと關係があるかないかは別問題でありますが、よく鐵道驛員が官僚化しておるというようなことを聞くのであります。別にあれは官僚化したわけではありませんが、鐵道現業員が監督行政權をもつておる省の中にあるという一つの感じが、六十萬從業員をして民衆乘客に對して一つの威壓の感を與える。六十萬從業員の教育をするということは、ただ一つ現在の監督行政の中にいることを切り離したら言わずして、何らの教育をせず民主化することができると信じておるのであります。現在ですらしかるにかかわらず、なおこの上に行政權を、現業員で兼ねられ得る地方鐵道局に置かれるということは、政治の根本といたしまして繼じて御再考を願わなければならぬことであると考えておるのであります。要するにこの問題は行政の簡素化よりも、むしろ複雜化となり、また行政の民主化ということよりも官僚化となる。と申しますことは、第八條の運送委員會は、ただ中央において九人、地方府縣において一人ずつ出るのであります。ところがそれ以外にほんとうに業務を執行するところの組織が、このたび大きな強力なものとして現われておるのであります。こういうことがこの法案の根底をなしておりますために、遺憾ながら本件に對してはなお了解しがたい點が多々あると思うのであります。それで私の考えますのは、今度の法案は、運送上の法則とか手續とかで取締つておるよりも、むしろ輸送具ということを對象にした法律の精神のように思います。現に自動車運送という運送用具を對象としたものを一つ――輕車輛と申しますものは人力と畜力によるという定義が下された運送方法であります。大體におきまして運送上の取締りはやはり運輸省でなさることは當然と思います。現在もやつておられるのでありますから矛盾がない。ところがなぜこれだけ複雜になつてきたかと申しますると、この運送におけるところの對象たる輸送具ということをこの運送法の中心にしておいでになる。ごらんの通り今度の輕車輛の對象は人力、畜力によるものである。一體今日におきまして、原始的な、輸送するのに自分一人の力、勞働力によりまして、ほんとうの輕車輛をもつて一人づつ輸送するものを對象とし、あるいはまた牛馬車というものも對象になるのでありまするが、それがこの用具の整理ということになりますがために、どうしても複雜な業務がたくさん起つてまいるのであります。私どもも考えますのに現在におきましてこれは都道府縣知事が最も地方の事情に疎通をしてもおりまするし、これらの免許というようなことも都道府縣知事にお渡しになつて、運送上における免許は統一されたらよかろうと思います。そうして運送上の免許から車輛の取締りに及ぶということは當然だと存ずるのであります。從つてもちろん上級の監督官廳といたしましては運輸省で統一なさることはよろしい。かりに言えば都道府縣知事が運輸省の意見を徴し、またその指示を受けて免許するというようなことになつて、山間僻地の小さいところのその地方々々の情勢に應じて起つた輸送の發明にほかならぬものまでも統制なさるということは、せつかく困難な輸送状況を何とか切り拔けていく山間僻地における勞働力をして、私はさらにまた閉鎖せしめるようになつてしまうというように考えられる。われわれ政治的に考えた場合におきましては今度の法案の一番大切なところは何か、從來と異なる點はどこかと申しますれば、地方の行政官廳にあつた輕車輛、人力、畜力によるところの輸送方法というようなものまでも中央官廳に統一なさるというような結果が生じてくることでありまして、私はこの點に關して當局から意見をお伺いしてみたい。なおこの委員會の組織につきまして、第八條でございますか、いろいろな社會黨の案もございましたが、私はこの委員會の組織も、輸送の對象となりまする根本問題が現在のごとき人力、畜力による輸送具を對象とした輸送事業の取締りでありますと、このような大規模の中央地方の組織はまつたく實情から離れてしまう。何となればこんな人力畜力による、馬車を引いてみたり、荷馬車をつくつてみたりするようなものを判斷するのが一縣に一人の人間である。その一縣に一人の人間が高い政治政策を定めるというような考え方であるならば、實際その下の方の實情がわからない。少くとも一縣から一人の委員を選任せられるというならば、大きな眼識をもつた者でなければならぬと思いますが、そういう者でありますと、小運送を對象とするのは、實際あまりに小さすぎて判斷がつきにくいと私は考える。われわれはやはりどこまでも民主的でなければならぬと考えますので、ほんとうにこの法案のごとく輕車輛を對象にして、人力、畜力による輸送擁護という面から輸送の取締り方法をお考えになりますならば、この八條の委員會の構成組織というものがかような厖大なものであつては、實情から離れて、遂に官僚のお手傳いをするものとなつて、決して民主化になり得ない、そういうことは幾多の例をもつて證明できると私は信じます。かような見地におきまして、當局の御意見をいま一度お聽かせ願いたいと思います。
#32
○田中(源)政府委員 佐伯君にお答えをいたします。御質問の趣旨は、事業の民主化につきましてはごもつともな點はありますが、先般私がお答えいたしましたときに、佐伯委員が御不在でありましたので、重ねて右様の御質疑が出たのではなかろうかと思うのであります。
 まず第一にこの委員會の構成でありますが、將來委員會が役割をもつていきますことについて、これから私が申し上げる點を重點としてお考えを願えば、自然御判斷がいくだろうと思います。現在の機構上から申しますと、運輸省内におきましては、鐵道というものは現業一本でやつておる。また監理局の方面は、申すまでもなく自動車部と、私鐵、軌道、索道、小運送面の監督をいたしておるわけであります。かようなわけでありまして、從つて監理局――監督面におきますものは、地方鐵道の局の中にこれが包含されて、監督もしておれば、現業の方の運營もいたしておる人が包含されているわけであります。こういつた行政の面を、今後におきましては、私鐵その他を監督いたしております監理局というものが、宿借りをしないで、まつたく別箇のものになる。從つて監理局の内部にあります國營自動車というものと監督權というものとを分離する。ここにおいて、鐵道は現業でありますから、特別會計にしておいて、行政面における一つの現業としての單位のある今の監理局の機構を、二つに分けまして、國營自動車の中央が統率いたしておりますものと、現業とのつながりだけを、縦の二本の面に分離して、現業というものを置くのであります。そうして今度監督面におきましては、いわゆる私鐵竝びに軌道、索道、小運送の監督というものは、地方鐵道局の地域内において、その行政區域を地域としたところのスタッフをおきまして、中央と地方とを二元的に結んでいきます。大體地方鐵道局は氣候、風土、人情、交通の系統等はほぼ似ておりまして、さまで大した懸隔はないのであります。北海道のごときは、北海道を一單位にいたしておりまして、本州におきましても、四國は四國で一單位にいたしております。本州は本州でわかれておりますが、氣候、風土、人情、經濟というものは、交通の上におきましてもほぼ似通つておるわけであります。從つてその地域を一單位にしたのであります。この地域内で選ばれる委員が、一人で少なければ、あるいは二人程度に増しても、數の上では私はよろしいと思う。その人が必ずしも業者でなければならぬという理由は存在しません。むしろ業者であるならば、そこに弊害が起ります。人格、識見、經驗のある人ならば、りつぱにこれをこなせます。これから、先の運營は、委員會が公聽會を開き、専門家を呼んで、民主的に十分に行い、その委員會の意見を決議同様に尊重していきますならば、りつぱにいけます。またその委員會は、實質上において決議權をもつた委員會と見て差支えないのであります。かようにいたしまして、各府縣單位の地方から選出されました人が、今度行政面の事務において、一つの縣に監理局關係の自動車部を設置していきますならば、過去における弊害を打破ることができる。官僚統制、官僚の温存――いわゆる中央が主權を把握するためにかような出先をつくるのであろうという御意見も一部ありましたが、そうではありません。現在の經濟事情と、民主化をしていきます段階に必要なものとして、これはどうしてもやらなければならぬ。なるほどお説のごとく地方長官に委任いたしましても、今後警察機構のごときものが民主警察になる場合において、從來のごとき知事の權限ではたしていけるものかどうか。今後の自治體の權限のあり方、知事のあり方、警察機構のあり方、こういつた將來の見透しをつけて、獨自の輸送を對象とした監督面をそこにもつていきます。將來におきまして、地方分權を確立いたして、その點が安心となつた場合においては、行政面の上の煩雜なる手數はどしどし省いて、地方に今唱えられておる面よりももつと多くの委讓が行われてしかるべきだと思うのであります。こういう面から考えて、こういう機構にいたしておきましたならば、決して私は皆さんが唱えられるようなお懸念はないと思います。現にそうした線においてやつていきたい。つまり現業と行政というものははつきりと區分されなければいけない。從つて今後におきましては――この法案には鐵道局長が監督することになつておりますが、私どもの考えにおきましては、鐵道局長は、一切この面にはタッチさせない。鐵道局とはまつたく分離して――從つてこの原案に對する矛盾がそこに生じてくるのではないかと抑せられるだろうと思いますが、この點は一部當委員會において御修正を願つてもいいと思う。また御修正願わなければそれはできないと思う。かように考えて、鐵道局長はこの問題にタツチさせない。委員長及び副委員長をおつくりになるというお考えがあるそうでありますが、これは委員會の運營において適宜そういうことができてきても、それは差支えないことじやないか。こういうわけで、この法案につきましては、今私どもの機想としてもつております上からいきましたならば、この面で進みますから――まだ將來私どもが行政と監督を區分していくについて、こういう點からお考えになつていただきますならば、佐伯さんのお懸念になつておる點は解消していくのではなかろうかと考えております。
 以上大體私どもの今後とります點を申し上げて、御了解を得たいと思いますが、ただここでこの法案にはいつております鐵道局の局長の行政面は、今私が申しました構想でいきます上においては、この原案の中に食違いが生じてくる。この面だけは修正しなければ私の申し上げました現業と監督との面において鐵道から切り離す、こういう點は成り立たない。私はこの點はこの委員會において修正されて差支えない、またこの點は修正しなければ行けない。こういうふうに考えておるわけであります。
#33
○佐伯委員 ただいま政務次官の最後のお話で、御提案になつた運送法施行令の權限の委讓につきまして、御訂正になるお考え方を率直に述べられたのでありまして、私どもの主張とほぼ同じゆうしておるように考えられますが、これはただいま承つたことでありますので、そうなりますと、事務當局といたしますと、簡單に變更するということは業務執行の上において基本的ないろいろな問題に觸れると思われます。でありますから、立案者、當局とよほど愼重に御研究願わなければならぬと思います。
 なおいま一つ、政務次官のおつしやいました自動車地方事務所を民主化してというようなお説は、なお御再考の餘地がないものかと考えられます。舊來の日本の都道府縣知事という性格と、民主主義の今日におけるところの知事の性格とは全然異なつておるという現實をごらんにならなければならぬ。地方の都道府縣知事が昔のごとき官僚の知事でありますれば、それはまつたく民主主義でありませんが、今の知事はまさに民主化しております。しかして反對に、出先官憲たる自動車事務所長は完全な官僚であるということを御認識になるならば、いずれが非民主であり、いずれが民主かということは、これは爭われない嚴然たる事實であると私は思う。この點は見解の相違かもしれぬが再考をお願いしたい。
 次に起る問題は、先ほど申し上げたのでありますが、道路運送法案としまして、運送上の行政取締りをするという建前で、どこまでも立案せられなければならぬと私は考える。しかるに先ほど申し上げた通りに、輸送具を對象にしてあくまで行かれるということになりますから、ここにいかに複雜化を來しますかということについて一言申し上げますならば、この對象といたします人力、畜力による輸送具というものは、都道府縣あるいは市町村にこれがための行政官がいなくて濟むのです。日本全國にこれだけまでに發達しているのです。しかるにこのたびは對象になります一つの輸送具でも、鐵道の命令に從つて檢査を受け、調査には書類を出さなければならぬというがごとき取締りを受けるのです。これが非常に大きな問題である。運輸省におかれては資材が不足であるから、これらの人力、畜力による輸送具の資材を供給して、國の力において發達せしむるのであるというお考えであつたならば、これはとんでもない話で、發達を阻害する行為である。せつかく各自の創意を働かして、そうして自分のほんとうの勞働力で、ちよつとした馬力ぐらい、荷車ぐらいつくります。それらのものまでも一定の規格に從つた法則のもとに複雜な手續をしなければならぬということはどこから起る問題であるか。私は今日機械力によつておりますところの軌道、自動車程度のものであればこれは別問題といたしまして、かかる人力、畜力による輸送のごときものを――輸送具を對象とした輸送法案をおつくりになるということは策の得たものではない。もちろん輸送上の統制ということは非常に必要でございますから、運輸省において御統制になることは異議はございません。しかれども、この規定にございます通り、必要あるときは、ちようど昔の馬政局がわれわれの馬を檢査する、一朝事あるときには動員する。それと同じようなことになつて、これらの日本の原始的な畜力、人力による輕快なる輸送が國家の統制のわくにはいらなければならぬということは、はたしてこの發達上とるべき手段であるか、ないか。この一點に觸れる。かようなことはほんとうに國民がよく知りません。またこういう問題は國家的に考えられて――簡單に考えられたことが、長い月日の間、國の發達を阻害する現象ともなり、發達する現象ともなるのです。行政なり、監督なり、政治なりというものの必要はここから起つてまいるのでありまして、この點はたといこの委員會が日を費しましても、かような問題は政治問題としてよく再考を願わなければならぬと同時に、今日これだけに行き詰つておるところの輸送状態におきましても外國から輸入ができないで、自動車のごときものは、もうほとんど荒廢しておる。それにもかかわらず、日本の天然の資源と勞働力をもつてある程度發達してまいりましたこの人力、畜力による輸送を、この際に國家がこれを統制していくことが發達をせしめることであるという觀念のもとにおくことは、私は反對の現象としか考えられぬ。またこれは、私は自由主義の見地に立つて申し上げるのではございませんが、かような程度の輕快な一つの生産用具、かような小さい原始的な生産用具というものは、これはなるべくは、ある程度自由にお任せ願うことがよいのではないか。この法案がこの重要なる點に觸れることを私はまだ合點がいぬのでありまして、この點をなお一應お伺いしてみたいと思うのであります。
#34
○郷野政府委員 ただいま最初にお話のございました、監督行政の機構と現業の機構と地方においてわけることにつきましての事務的な研究に關しましては、私ども大臣、政務次官の指示を受けまして、ただいま詳細に事務的な檢討は進めております。御指摘のごとく、制度の改正につきましては、愼重な調査も必要でございますし、できるだけ事務的に完璧を期したいと思いまして、鋭意この點につきましては調査を進めております。
 次に自動車事務所の問題でございますが、自動車事務所は今年の三月に設置いたしまして、資材の行政の事務から輸送の行政の事務も漸次これに移管を受けまして、ただいま地方における自動車の行政事務につきまして、この設置の趣旨によりまして、専門の行政官吏を配置いたしまして、交通の特色でありまする大運送機關と關連、また地方の各種産業行政との密接な關連につきましても、國有鐵道との連緊をはかりますると同時に、十分にこの點につきましても考慮を拂いまして、密接に地方廳とも連絡をとりまして、今後十分にこの設置の趣旨でありまする自動車の専門官廳といたしまして、その今後の發達に對しまして重大な使命を果してまいりたいと考えて、鋭意努力をいたしておる次第でございます。今後におきましても、この道路運送法案を運用するにあたりましては、やはり必ずしもこの府縣の行政區域にとらわれず、交通經濟實態に即しまして、しかも地方の各種の行政と密接な連絡を保ちつつ、從いまして府縣廳、また場合によりましてはその長でありまする都道府縣知事の地方自治法によりまする指揮監督も受けるという建前におきまして、密接にこれと連絡をとり、この道路運送法に規定されておりまする諸般の事項を、立法の精神に則りまして十分に實現していく努力を拂いたいと考えておる次第でございます。
 なお輕車輛運送事業につきましての、この法律案の取扱い法につきまして、御意見がございました。御指摘のように輕車輛運送事業につきまして、その特殊性を十分に反映いたしました行政をやつていかなければならない點につきましては、私どもも同感でございます。この法律におきましては、輕車輛運送事業につきましては届出の制度をとることにいたしたのでございます。從來都道府縣におきましては、戰時中は御承知の通り企業許可令によりまして許可をいたしておりました。企業許可令の廢止後におきましては、大體において現在府縣令があるのでございます。これもやはり認可制をとつております。從いまして届出の制度にいたしましたことは、行政の運用の實體におきましては、むしろ簡易な扱いになるものと考え願うことができるものではないかと存じます。しかしながら届出におきましても、特に重要なる事項につきましては、これをはつきり記載いたしまして届け出てもらいまするので、これらの事項につきまして、届出をいたしまして事業を經營する人は、それぞれ十分責任をもつて營業の實施をやつてもらえるものも期待いたしまして、この點におきまして大なる效果が期待できるものと考えております。なお現在小運搬業を經營しておりまする業者の人々の組織しておりまする小運搬業の組合などの意見も十分に參酌いたしましたが、輕車輛運送事業につきましては、――特に貨物關係の事業についての御意見があつたのでありますが、法律に基礎をおいた事業といたしましてその重要性を道路運送法の建前においてもこれを明らかにいたしまして、今後のこれらの事業の公益性を確保し、健全な發達をはかるような方向にもつていつてもらいたいという意向でありまして、それはこれによりまして達成できるものと考えておるのであります。
 なお運搬具の檢査の問題でありますが、お話の通り輕車輛につきましては、必ずしも自動車と同じように取扱う必要はないのでございます。從いまして貨物の輕車輛については、特に規定も設けませず、まだ檢査も省略いたすつもりでございます。旅客の輕車輛については、やはり人の生命にも影響するというような點もございますので、特にその檢査はこれをする必要を認めておりますが、その檢査事務も市町村長に委任するつもりで、できるだけ簡易取扱いたいと考えております。
 なお届出あて先、またこの事業の監督につきましては、貨物の關係におきましては鐵道局長、これがただいまお話のございました點で、修正せられることになりますれば、監督行政を擔當いたします地方の特別官廳になりますが、その系統におきまして届出を受け、監督をすることになります。この點は現在地方の貨物の小運送が、特に輕車輛によりまして果されておるという特殊の事情も考慮いたしまして、大運送との關係、一般小運送との關係などを考えまして、かようにいたしたのでございますが、旅客の關係は檢査と同様に、この監督もすべて市町村長に任せるというつもりでおります。
#35
○木下委員 ちよつと關連して……。
#36
○正木委員長 委員長から、簡潔に質疑の殘つております點を要點だけ質疑をいたしまして、あとは先ほど打合せの通りに進行したいと思いますが、政府委員も答辯を要點をつかんで簡潔にお願いしたいと思います。
#37
○木下委員 先ほど田中次官は委員會がやるので、鐵道局長はタツチしないということを繰返しておられたのでありますけれども、これは何かのお間違いではないか。
 それから自動車の運輸事業を經營しようという場合に事業計畫を定めて、主務大臣の許可を受けるとなつておりますが、これは地方長官を經由するのですか、地方の鐵道局長を経由するのですか。
#38
○田中(源)政府委員 それは私の先ほど申しましたように、監督という點からいきますと、鐵道局長というものは現業の面だけでありますから、委員會には關係をもたなくなる。こういう意味であります。
#39
○郷野政府委員 もう一つの免許申請の經由の官廳でございまするが、これは自動車事務所長を經由して取扱つております。鐵道局長の指示でございます。
#40
○木下委員 そうすると、自動車事業というものを各府縣で經營する場合には、地方長官というものが一つも關係がないわけですね、先ほど郷野局長は自動車事務所のことをたいへん效能があるように言われた。また地方鐵道局長のことも、行政區畫にとらわれずにこれをやると言うが、これはたいへんな間違いである。たとえば大阪鐵道局としても、京都、大阪、神戸、厖大なこの三都市と二府四縣にわたるところの自動車事業や輕車輛を、一鐵道局長が鐵道の營業をやりながら、これを監督していく。それで自動車事業がうまくいくということは、私は夢にも思えない。鐵道局の單位に委員會をつくると言つても、その委員が三人とか五人とかいう話である。和歌山、奈良、兵庫のはしはしに起つたすべての問題をこの委員會で協議しようと言つても、私はなかなかうまくいかぬと思う。殊に鐵道事務所に専門の官吏を置いて地方廳と密接なる關係をもつ、また産業界とも連緊をもつと言つておりますけれども、これは自動車事務所があの廣い範囲の一府縣の産業を見ることはとてもできない。地方廳の役人などは大反對で、むしろ兩方がそつぽを向いておる。全國的にそうなのである。地方の自動車事務所が神戸なら神戸にできて、あの廣い兵庫縣の産業とかいろいろなものを見るという、地方長官ならできる。警察もあれば地方事務所もある。命令一下すべての材料が集まつてよくできるけれども、自動車事務所なんかはそんなことができるものではない。それをむりに地方の鐵道局長にあの廣大なるところの區域の、しかも自動車と輕車輛の行政をやらせるということは間違つておると思います。どうしても運輸大臣は運輸大臣として中央にあつて、大きな監督と指導をやる。けれどもその下のことは地方長官に委任して、そうして運輸大臣の適當なる信任のできる、たとえば輸送官とか何とかいうものをその地方廳に置いて、これをやれせなければ、とてもできない。またわれわれは實際それで困つておる。それをむりに鐵道局長にやらせて、餘分な自動車事務所なんかというものをつくる。自動車事務所は兵庫だけでも五、六十人の人が要るだろうと思います。それで仕事ができるかというとできない。殊に中央集權のやかましいときにわざわざそれに反した行動をとろうとすることは、運輸省として間違いであると思う。特に強調しておきます。
#41
○小笠原委員 私は田中政務次官にちよつと伺いたいのだが、先刻もこの前のときも、しばしばこの重要な委員の指名にあたりまして、業者であれば特に弊害があるということを繰返して申されたのであります。政令の原文を見ると、初め業者を除いておつて、今度ははいつている。これは修正してとつたように見受けたのであります。あなたがそういう立場におられて、業者が弊害があるということを言われて、これを速記に殘しておかれるというならば、これはかりに奨來修正すれば別ですが、今このままでいけば、知事がこれを選任しようというときに、業者に相當の學識經驗のある人があつても、選任できないということになるのであります。あなたは今も業者というものは弊害があるようにお考えのようでありますが、業者でも人格、識見兼ね備わつた方ならば、かえつてその方が便利がよいと思います。それで私は一旦拔いたのをまた入れたのだと思いますが、業者業者といつてここにあなたの方から發言をされて速記に殘されておるということは、將來において非常に大きな影響があると思います。あなたは業者は弊害があると申されたのですが、これを一つ明確にしていただきたい。
#42
○田中(源)政府委員 簡單に私はその要旨を申し上げます。私の申しました言葉が足りなくて誤解を與えたかとも存じますが、私の申しました意味は、業者諸君の中にもお説の通りりつぱな人格、識見、經驗をおもちの方がございますことはもちろんでございます。けれども何分自分の業務に關係しておることでありますと、正しい見解をもつとしても、えてして社會の疑惑を招くこともありますし、かつまたいろいろなる問題において業者自體に御迷惑のかかるような意見も出てくるかとも存じまして、相なるべくは業者以外の關係の方、かような意味で申したつもりでおつたのが、言葉の足らざるところであつたかと思うのでありますが、その邊はひとつ御了承を願いたいと思います。
#43
○小笠原委員 そういうお考えであるならば、こういう政府の激しい時分に政黨關係の人はどうなるか、それは誤解を招きませんか。それも一つある。政黨に籍を置く者は委員として不適當と見られますか。そういうことはいろいろな關係についてこだわつておると思うのでありまして、そこに業者が自分の業務云々ということになれば、政黨の方も同じような考えをもたれるように思うのであります。先般の大臣の御答辯ではこういうことを言われまた。われわれとしては白紙で何ら關係のない地方廳にこれを委任して、そうして委員の選定を任せるということが、かえつて便利だと思つて、その方面について何もわれわれは考えていないのだということを申されたのであります。今田中君の言われるような御答辯を聽きますと、その點がまだ業者があまりに變なことに見られるように考えるから申し上げたのて、そうなれば政黨人も變になつてくるし、もうひとつ碎いて言えば、委員になる人間がなくなるということにもなります。それは別として、ちよつともう一言申し上げたいのは、田中さんでも郷野さんでもよいですが、先ほど輕車輛のことについて、佐伯君の質問に對して詳しく申されたのでありますけれども、輕車輛の方は鐵道の三倍も五倍も輸送する。この連絡がつかんということは――人間の方でなく貨物の方で、その點は監督官廳が監督するということが必要でありましよう。從つてこの法文の中にはいつておりませんが、ただ私の疑問とするところは、自動車の方はタイヤとか、部分品であるとか、何かの形で監督ができる。ところがこの飼料はあなたの方にちよつとも縁故がない。飼料を供給せずして監督ばかりするということは動けないことになる。現に都市輓馬がどうなつておるかと言えば、地方において七年間生命を保つところの輓馬は、都市に來ると今一年半しかもたない。これはその方の統計官廳はよく知つておるはずである。そういうことで地方において一トン二分の一輸送できるものが、こつちでは五分の一トンしか輸送ができない。そういうようにやせ衰えておるのでありまして、もう都市の輓馬のために馬の種が絶えるというくらいまで今大騒ぎをしておるのであります。そこで飼料問題というものは大きな問題になるのでありますが、その關係で何かこの法案をお考えになる場合、輓馬組合というものは從來からやつておられたのですが、飼料關係で、あるいは農林省の方と何か打合せがあるか、將來はどうするかという關係について、簡單に承つておきたい。
#44
○郷野政府委員 飼料の取扱方につきましては、中央においては運輸省の陸運監理局の關係と、農林省と打合わせまして、中央配給のわくをきめ、またこれを府縣にわけて實施をする手配をいたしております。地方におきましては、中央できめられましたそのわくによりまして、自動車事務所と府縣の方で相談いたしまして、府縣の方でその配給の事務を取扱つてもらうという取扱方にいたしております。從いまして業者の方の御要求などをとりまとめまして、私どもの方からよく連絡をする建前をとつておりますが、配給の仕事自體は、農林省竝び、府縣の仕事という建前になつております。今後におきましても、實際の仕事のやり方といたしましては、こういう行き方を多分とることと存じますが、實際の連絡にあたりまして、十分に飼料の確保という點につきましては、この形式によりまして努力をしてまいりたい、かように考えております。
#45
○小笠原委員 今申された機構のことはわかつております。實際問題として今までもそれでおやりになつておる。ところが馬糧でも燕麥から米ぬかに至るまで、全部食料であります。そこで飼料の配給數重も不足であるし、カロリーも非常に減退しておる。それを何とか補充しなければ、ほんとうの輸送の圓滑を期することができない今日の現状であります。それをいかにして向上せしめるか。その努方について從來と變つた連絡が農帰省とあつたか。その邊を承りたいと思います。
#46
○郷野政府委員 自動車事務所の設置を機會にいたしまして、輸送の實情に應じました調書をこしらえまして、これによつて要求をいたしまして、府縣へ配給の手配をしていただくことに最近打合せをいたしました。その線に沿いまして努力をいたしております。
#47
○小笠原委員 それはいかに努力をされても、今の程度ではとうていその目的を達することはできないようであります。この間も食糧管理局長官に、燕麥、米ぬかは幾分主要食糧のわくからはずすようにしたらどうかと交渉したら、相當に動いておるのでありますが、これはわれわれがやるよりも、運輸當局から強くその點を主張されて、何かそれに對して解決をつけなければ、たとえどういう計畫があつても、實際のものとは相當の距離がある。牛馬車の飼料は、外國から輸入できない今日である。木下さんの言われたように、ほんとうに昔の有様そのまま立ちかえる今日の状態であればあるほど、牛馬車によらなければならぬものがたくさんあるだろうから、どうかその邊の飼料關係は相當考慮に入れまして、強く主張されて解決されないと、實行できないということを申し上げておきます。
#48
○木下委員 ちよつと關連して……。馬が飼料が要ると同じように、自動車が今動いておるのは薪と炭ですが、これに關してどういう考えであるか。また自動車の走るのは道でありますが、この道路の改修、修繕ということに關して、どういう抱負と考えをもつておられますか、簡單にお伺いしたいと思います。
#49
○郷野政府委員 お話の通り、燃料と道路の問題につきましては、ただいまの現状ははなはだ自動車輸送の圓滑を阻害しておるような状態でありまして、非常に憂慮しております。木炭と薪の問題につきましては、やはり最近特にまた家庭燃料の關係におきまして、重大な問題が起つておりますので、これに對しましてただいま政府部内におきまして、關係の方面といろいろ折衝をいたしておりますが、今の模様でまいりますと、家庭燃料の確保のために木炭や薪の確保が、豫定の數量通りまいりにくいという事情にありますので、この點に對しまして私どもといたしましては、自動車輸送の確保の見地から申しまして、必要の數量を確保する建前で、その數字の削減に對しましては極力實情に合いますよう、これを措置いたしたいと考えております。なおこれが液體燃料との關係におきまして、一部置きかえられるという見透しがつきますれば、その點につきましての減少は、これは差支えないのでございますが、この點につきましての見透しもつきにくいという事情にありますので、鋭意輸送量の確保を從來通りの量をもちまして努力してまいりたいと存じて交渉を續けておるのでございます。
#50
○木下委員 今のお話では、將來こうしようとか、ああしようとか、觀念的な話でありますが、われわれは現實に苦しんでおる木炭を今どういうふうに増産するか。薪をどういうふうに増産するか。これを伺いたいと思つたが、お伺いしてもむだと思いますので伺いませんけれども、道路の問題にしてもあるいはその他の問題にしても、運送業はどうしても地方廳と切つて切れない關係にあるのであります。それを自動車事業をやるのに地方廳を出し拔いて、できたての自動車事務所を通し、鐵道局長を通して主務大臣が認可して、手足のない、連絡のない自動車事務所に監督をやらせようと思つても、それはだめです。私はこの點を強く主張しますが、とくと御熟考を願いたいと思います。これで質問を打切ります。
#51
○佐伯委員 私もちよつと關連して……。大分時間も過ぎましたので、この問題は委員でもあげて、もう一度御研究を願うような機會をお考え願いたいと思います。その根本理由は、この法案の第一條の骨子は、車輛の整備が重大問題になつておる。實際行政に當られる方は觀念で現實を支配しようとする傾向があるが、今聽かれる通り、木炭にいたしましても、輕車輛のごときものの資材、その他方面からいつても、何を苦しんで、何らの經驗もない運輸省が今これにタツチしてやる必要があるか、先だつてのマツカーサー元帥の書簡を引用するわけでありませんが、この難局に國家を頼らず、どうにかこうにかして地方おのおのそれぞれの資材難を克服しつつ切り開いておるにもかかわらず、その責任の所在を國家に切りかえようというときには、よほど確固たる根據がなければならぬ。輕車輛にしましても、資材にいたしましても、今言われる通り、畜力、人力における資材なんかというものは、馬にいたしましても、馬の資材は必ずしもこの輸送の面だけではありません。その他のものを考えてみましても、これは複雜で、地方において經濟局がもう一つできております。これは私は容易ならぬ問題だと考えておりますが、私どもはこのことに關して時間をあまり費すのはよくないと考えます。私はこの前からこの法案はちよつと見れば道路法案でありますけれども、國民經濟に對する點は大きな問題として、われわれは哀心からもう少し大きく檢討しなければならぬ、かような考えをもつてまいつたのであります。當局におかれましても今日はたいへん御修正なさつた點もございますし、またわれわれの意見を聽取くださつて、さらに參考にしてくださつたことも多いようでありますが、少し時間がかかるようでありますけれども、急いでこれは施行されますと、ほんとに國民經濟に及ぼす影響の甚大なることを考えられまして、なお御再考願われれば結構だと考えるのであります。從つてわれわれ委員におきましても、いま少しく餘裕を與えて、今度は何か委員制度でも設けられて、もう少し深くこれを御研究願うか、またそうでなければこれでひとつお打切り願つて、そうして今政務次官の言われた通り、この行政官廳の内容をかえるとおつしやつておられますし、これに伴つていろいろ手續が變つてくるものと思います。またその手續を開放して私どもにこれを見せていただければ、簡單に濟むのではないかとも考えられますし、この點はひとつ御再考を願います。
#52
○正木委員長 では委員長から各黨の間からいろいろ御意見が開陳された、それを要約いたしましてあらためて政府當局から御答辯をいただきたいと思います。委員長も最も簡潔に質問をいたしますから、答辯に當つても簡潔に要點だけの御答辯を願いたいと思います。問題は第四條の各行政官廳に委任することであります。このことに關してはしばしば御質問があつたのですが、結論から言うと、自動車、輕車輛に關する運送行政については、全般的に府縣が一般行政の責任者である。しかも道路の管理者である都道府縣知事に取扱わしめても何ら差支えないではないか、こういうのでありますが、これに對する政府の御所見いかん、まずこれを伺います。
#53
○郷野政府委員 自動車の地方の行政機構といたしましては、先ほども申し上げましたように、これを府民の地域にとらわれない實際の交通經濟の實情に合いました行政をするという必要もございます。また今後の發展に對しまして專門的な官廳を設けましてこれを擔當させるということが必要であると考えまするので、自動車事務所を置きまして、地方の特別行政官廳といたしまして、これに行政を擔當させる。なお鐵道局を使うということにつきましては、先ほど政務次官からお話のございましたような趣旨によりまして、別にこれを檢討いたしまして、自動車事務所の筋で、別途に監督行政機構を地方におきましては設けまして、行政を擔當してまいるということにいたしたいと存じます。
#54
○正木委員長 そういたしますと、府縣内の一般行政の責任者でもあり、道路の管理者でもありまするところの都道府縣知事と十分協議して、その意見を徴していかなければ、完全な運用はできないと思いますが、これに對する政府の所見いかん。
#55
○郷野政府委員 府縣との連絡につきましては、權限の上におきましては、原則といたしまして府縣知事に委任する面は自動車運送事業につきましてはございません。しかしながら實際の運用に當りましては、十分に連絡をとつていくという考え方を實行してまいりたいと存じます。特に地方の道路運送委員會におきましては、委員は地方長官の推薦によるという機構を考えておりますので、この面からも連絡は十分にとれると考えます。なお道路管理者との關係でございますが、この點につきましては、實際の行政職務を行いまする場合に、事業の免許といつたような場合におきましては、必ず道路管理者の意見を聽いて取扱つてまいるという建前にいたしたいと存じております。
#56
○正木委員長 次は第八條でありますが、委員會の組織その他について御所見を承りたいと思います。この道路運送委員會、特に地方委員會の任務も非常に重大だと思いますが、府縣單位ごとに委員會を設置すべしとの強い要望がありますが、政府の所見をお伺いしたいと思います。第二には中央委員會で取扱いまする事項と、地方において取扱いまする事項を本法案の法文上に明確にすべしという強い意見がありますが、政府の御所見いかん。第三にはこの委員會の任務の重大性に鑑みまして、地方委員會の各縣から選はれまする委員は、二人もしくは三人の委員を出すべしとの強い要望がありますが、政府の御所見いかん。第四には委員の任期でありますが、二年または三年を適當とするという強い要望がありますが、政府の所見いかん。またこの委員の半數交代制というものも考えられるのでありますが、これに對する政府の御所見いかん。以上お伺いします。
#57
○郷野政府委員 自動車の行政その他道路運送の行政の單位といたしまして、府縣の區域に必ずしもよらず、交通經濟の實情に應じて、廣域におきまして必要な行政を取扱つてまいりたいという建前からいたしまして、地方の行政官廳の區域におきましても、これを府縣よりも廣くいたしたいと考えております。從いまして道路運送委員會におきましても、地方の委員會はこれに併せまして、府縣よりも大きな範圍におきましてこれを設置いたしたいと考えております。それから次に權限の問題でございますが、これは道路運送委員會を諮問機關といたしておりまする建前上、諮問をいたしまする行政官廳の權限に應じまして、道路運送委員會に諮問すべき事項が中央地方等にわかれるということになりますので、行政官廳の職權を明らかにすることによりまして、道路運送委員會の權限を同時に明らかにいたしてまいりたい、かように考えます。
 次に委員の數でございますが、道路運送委員會は、實質的な意味におきましては決定機關と同じような意味におきまして、できるだけその運用をはかつてまいりたい、かように考えておりますので、その委員の數は、實際にその責任を明らかにして委員の職責をつくしてもらうという考え方からいたしまして、これをできるだけ少くいたしたいという考えでございます。從いまして各都道府縣から御推薦を願います委員の數は一人ということにお願いいたしたいものと存じております。
 次に任期の點でございますが、任期は、専門の仕事を擔當せられまして、御經驗を相當長く積んでいただきたいという意味からいたしまして、できるだけ任期を長くしていただくことを希望いたしたいのでございます。從いまして、二、三年という御意向でございますが、それにいたしましても、長い方をできるだけとつていただきたいものと存じます。
 次に半數交代の考え方でございますが、この御趣旨は非常に結構であると存じます。
#58
○正木委員長 次は委員の任務ですが、これは非常に重大なものでございまして、これを遂行するに支障あると認められる兼職を私は禁止をいたさなければならないと思うのです。從つてこれに對しては相當額の俸給を支給せねばならぬと思いますが、これらの點についての政府の御所見いかん、これをお伺いしておきます。
#59
○郷野政府委員 これは道路運送委員會の性格を、實質的に決議機關というような運用にしてまいりたいという考え方からいたしまして、そういう結論に到達いたしますことが筋道ではないかと考えます。從いましてただいまの御意見に對しましては、十分私どもといたしましても考究いたしたいと思います。
#60
○正木委員長 次は本法第二十三條、第二十四條、第二十五條中に通運事業者という字句がありますが、これはこの現行法令の用語としては、むしろ小運送業者とする方が妥當ではないかと考えますが、政府の御所見いかん。
#61
○郷野政府委員 別に小運送業法を改正いたしまして、新しく通運事業法案を提案いたしたいと準備をいたしているのでございますが、あるいは時期的に遲れる場合も考えられますので、ただいまの御意見のように、現行法に合わせまして小運送業者ということにしていただくことは、ただいまの場合といたしましては結構じやないかと存ずるのでございます。
#62
○正木委員長 次は本法施行の期日についてでありますが、本法施行の期日は法律に定めておく方が適當であると思うが、道路運送委員會に關する規定、自動車取締令廢止の關係から車輛に關する規定、その他の規定と區別して、施行期日について政府の腹案を明確にこの際承つておきたいと思います。
#63
○郷野政府委員 法律の施行の期日につきましては、この法律案が脇贊を經まして公布になります時期が問題でございますが、大體道路運送委員會に關する規定もできるだけ早く實施いたしたいと考えておりますので、早く實施いたしたいと考えておりますので、少くともこの間一箇月半ぐらいを豫定していただきたいと存じます。從いましてかりにこの法律が十月中に決定公布せられるということになりますと、道路運送委員會につきましては十二月十五日ごろに、次に車輪の第八章の關係でございますが、この關係においては道路交通取締法との關係がございまして、この法律の施行期日が一月一日となつておりますので、これは一月一日となつておりますので、これは一月一日にしたいと存じます。その他の事項につきましては、道路運送委員會に政令案、命令案などにつきまして意見を求めて、その上で決定しなければなりませんので、多少時日を要しますから、三月十五日を目標にいたして考えたいと存じております。
#64
○正木委員長 ではいかがでしよう。先ほどの打合せの通り、本日はこの程度で散會いたしまして、引續き委員各位の打合會を開いて、各黨各派の修正箇所を種々檢討いたしまして、本委員會としての本法案に對する態度をまとめておきたいと思いますが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○正木委員長 それではさよう取計らいます。
 次會の日程は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散會いたします。
   午後五時十分散會
ソース: 国立国会図書館
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