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1947/11/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第34号
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1947/11/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 運輸及び交通委員会 第34号

#1
第001回国会 運輸及び交通委員会 第34号
昭和二十二年十一月八日(土曜日)
    午前十一時三分開議
 出席委員
   委員長 正木  清君
   理事 高瀬  傳君 理事 佐伯 宗義君
   理事 前田  郁君
      井谷 正吉君    佐々木更三君
      島上善五郎君    館  俊三君
      原   彪君    矢野 政男君
      田村 虎一君    高橋 英吉君
      飯田 義茂君    木下  榮君
      前田 正男君    成重 光眞君
 出席政府委員
        運輸事務官   加賀山之雄君
        運輸事務官   秋山  龍君
        運輸事務官   郷野 基秀君
        運 輸 技 官 岡田 信次君
 委員外の出席者
   議員 山口 好一君 議員 松浦 東介君
   議員 長野 長廣君 議員 村上  勇君
        運輸事務官   石井 昭正君
        運輸事務官   川村 二郎君
        專門調査員   岩村  勝君
        專門調査員   堤  成威君
十一月六日委員中野武雄君辞任につき、その補闕
として同日内海安吉君が議長の指名で委員に選任
された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 一 寶積寺、市塙間鐵道敷設の請願(山口好一
 君外一名紹介)(第四號)
 二 戰時中強制買上の建物等を舊所有者に優先
 拂下の請願(山口好一君紹介)(第五號)
 三 黒松内、静狩間省營バス竝びにトラツク運
 輸開始の請願(小川原政信君紹介)(第一三
 號)
 四 井野信號所を一般驛に變更の請願(小峯柳
 太君紹介)(第二三號)
 五 各縣縣會議員にその縣内無賃乗車券交付の
 請願(山口好一君外三名紹介)(第二四號)
 六 海運國家管理法制度に關する請願(正木清
 君紹介)(第二七號)
 七 嬉野、川棚間國營バス運輸開始の請願(西
 村久之君紹介)(第二九號)
 八 柳井驛より三路線に、及び田布施驛より二
 路線に省營バス運輸開始の請願(中嶋勝一君紹
 介)(第三一號)
 九 沼宮内驛改築促進の請願(山本猛夫君紹介
 (第三二號)
 一〇 葛巻、夫落合竝びに沼宮内、盛岡間省營
 バス運輸開始促進の請願(山本猛夫紹介)(第
 三三號)
 一一 御堂信號所を一般驛に昇格の請願(山本
 猛夫君紹介)(第三四號)
 一二 長岡鐵道買收に關する請願(清澤俊英君
 外三名紹介)(第四九號)
 一三 古樋、上札鶴間鐵道敷設の請願(飯田義
 茂君紹介)(第五一號)
 一四 大畑、大間間鐵道速成の請願(山崎岩男
 君外二名紹介)(第五三號)
 一五 副知山、舞鶴間竝びに副知山、宮津間國
 營バス運輸開始の請願(大石ヨシエ君紹介)(
 第五七號)
 一六 人吉市より三路線に國營バス運輸開始の
 請願(副永一臣君紹介)(第五九號)
 一七 要田村に停車場設置の請願(山下春江君
 紹介)(第六三號)
 一八 鐵道運賃値上を國會に付議その他に關す
 る請願(相馬助治君紹介)(第六四號)
 一九 濱田、今福間鐵道速成の請願(木村小左
 衞門君外三名紹介)(第六五號)
 二〇 南廣信號所を一般驛に昇格の請願(世耕
 弘一君紹介)(第六七號)
 二一 三國線を三國港まで運轉延長の請願(坪
 川信三君紹介)(第七四號)
 二二 武生、上池田間國營トラツク運輸開始の
 請願(坪川信三君紹介)(第七八號)
 二三 村崎野信號所を一般驛に昇格の請願(高
 田彌市君外三名紹介)(第八一號)
 二四 大野、白鳥間國營自動車運輸開始の請願
 (長谷川政友君外一名紹介)(第八四號)
 二五 高知縣下における三路線に國營バス運輸
 開始の請願(長野長廣君紹介)(第九三號)
 二六 浦幌、本別間國營バス運輸開始の請願(
 森三樹二君紹介)(第九八號)
 二七 稲荷山、姥捨兩驛間に停車場設置促進の
 請願(坂東幸太郎君紹介)(第一一八號)
 二八 古江・佐多間、大根占・田代間及び鹿屋
 ・大根占間に國營自動車運輸開始の請願(前田
 郁君紹介)(第一一九號)
 二九 岩川、古江間國營バス運輸開始の請願(
 前田郁君紹介)(第一四五號)
 三〇 鹿屋、岸良間國營バス運輸開始の請願(
 前田郁君紹介)(第一四七號)
 三一 稚内驛から抜海驛の間に鐵道連絡工事施
 行の請願(坂東幸太郎君紹介)(第一四八號)
 三二 貝田信號所を一般驛に昇格の請願(庄司
 一郎紹介)(第一五七號)
 三三 川棚、有田間國營バス運輸開始の請願(
 西村久之君外一名紹介)(第一五八號)
 三四 湯本、石川間國營バス運輸開始の請願(
 關内正一君紹介)(第一六五號)
 三五 白石、上ノ山國營バス運輸開始の請願(
 庄司一郎君外十名紹介)(第一七二號)
 三六 高瀬村に停車場設置の請願(松浦東介君
 紹介)(第一七三號)
 三七 山陰線經由東京下關間直通列車運轉の請
 願(庄司彦男君外三名紹介)(第一九〇號)
 三八 新庄より金山・眞室山・酒田・餘目・清
 川・八向を經て新庄に通ずる國營トラツク運輸
 開始の請願(圖司安正君紹介)(第二〇〇號)
 三九 久栗坂に停車場設置の請願(山崎岩男君
 紹介)(第二〇七號)
 四〇 木原線全通工事施行促進の請願(片岡伊
 三郎君紹介)(第二二七號)
 四一 舊鶴見臨港鐵道外三鐵道拂下に關する請
 願(金光義邦君外二名紹介)(第二三〇號)
 四二 大垣、垂井兩驛間に簡易停車場設置の請
 願(武藤嘉一君紹介)(第二三七號)
 四三 日本通運株式會社の現業を解放の上舊關
 係業者にその營業權竝びに設備返還の請願(山
 崎岩男君紹介)(第二四七號)
 四四 宇和より三瓶を經て八幡濱に至る間に國
 營バス運輸開始の請願(高橋英吉君外八名紹
 介)(第二五二號)
 四五 九州、四國間連絡國營航路開設の請願(
 高橋英吉君外十三名紹介)(第二五三號)
 四六 常呂、中佐呂間鐵道速成の請願(飯田義
 茂君紹介)(第二六〇號)
 四七 八幡濱から三路線に國營バス運輸開始の
 請願(高橋英吉君外八名紹介)(第二六一號)
 四八 九州、四國間連絡國營航路開設の請願(
 井谷正吉君外八名紹介)(第三九七號)
 四九 九州、四國間連絡國營航路開設の請願(
 村上勇君外六名紹介)(第四〇九號)
 五〇 四國循環鐵道の全通竝びに九州、四國間
 連絡國營航路開設の請願(井谷正吉外二名紹
 介)(第八一六號)
 委員派遣承認申請の件
    ―――――――――――――
#2
○正木委員長 會議を開きます。
 これより過日本員員會に付託になりました請願、五十件を議題として審査にはいりますが、その議決は後日に譲りいたい思います。なか議事の進行をはかるため日程の順序を随時變更して議事を進めます。
 日程第一、寶積寺、市塙間鐵道敷設の請願、山口好一君紹介、文書表番號第四號、第二、戰時中強制買上の建物等を舊所有者に優先拂下の請願、山口好一君紹介、文書表番號第五號。第五、各縣縣會議員にその縣内無賃乗車券交付の請願、山口好一君紹介、文書表番號第二四號を一括議題といたします。これよります紹介議員山口好一君の説明を聽取いたします。山口好一君。
#3
○山口好一君 本請願は栃木縣の寶積寺驛及び市塙驛間の鐵道敷設の請願であります。これは第九十議會に私がやはり紹介者となりまして請願をいたしまして、すでに採擇になつておりますものであります。箇單にこの請願の趣旨及び理由を説明いたしたいと思います。栃木縣の鹽谷郡南部及び芳賀郡の北部地方は、地圖でもわかりますように交通が非常に不便でありまして、ほとんどそのよるべき交通機關がないのであります。しかも栃木縣においてはこの地方は農産物などが非常に豊富でありまして、栃木縣のウクライナと稱すべき地方であります。請願書にも書いておりまするが、この地方の米の産額というものは相當な量になつています。鹽谷郡の阿久津村では米の供出量は六萬俵、高根澤村は九萬俵、芳賀郡の南高根澤村は米が五萬俵、芳賀郡の祖母ケ井町で米が五萬俵、芳賀郡の市羽村で米が一萬俵、その他それに次ぎましてわら加工品が豐富に出ております。かますなども非常に豐富にこの地方は出るのでありましてその他果物、雜貨、相當に物資の豐富な所でありまするが、この物資の輸送關係につきましても非常に困難を來しております。從いまして供出なで早く出しましても、この輸送の關係から他の地方よりも非常に供出の實際の輸送關係が遲れておるのであります。その他官廳、會社、學校などの通勤にいたしましても、非常な不便を來しておるのであります。さらに農家といたしましては肥料、農機具、そういうものを移入移出いたしますのにも、極度の混亂を來し、ひいてはそれがために生産意欲の減退を招來しておるというような次第でありますので、九十議會におきましても熱心な請願者が參りまして、陳情もいたして、この鐵道敷設をお願いしたわけでありました。そこでこの鐵道敷設につきまして特に申し上げたいことは、戰時中に東北本線の寶積寺から芳賀郡の清原村大字鐺山という所までも、そこに宇都宮の航空工廠ができましたので、軌道が敷設せられたのであります。ところが終戰になりましてこの鐵道は不要になりまして、そのまま計畫は立ち消えとなつて、現在その軌道は腐蝕しつつあるような次第であります。さらにこの鐵道を殘しておきますることは、戰時の面影を留めておくというようなことになりまして、今後の日本社會にも悪影響を及ぼすということでありまするから、この軌道を取りはずしまして、そうしてこの計畫に用いていただきたいのであります。すなわち栃木縣の鹽谷郡阿久津村、同縣鹽谷郡北高根澤村、芳賀郡の南高根澤、村同じく芳賀郡の祖母ケ井町を經由いたしまして、芳賀郡の市羽村の市塙驛に通じますこの鐵道をつくつていただいたのであります。そうしますれば、これが八キロほど離れまするが眞岡線にも連絡が可能であります。茂木驛から茨城縣の北部地方の山岳地帶にも連絡がとれるようになります。常磐線の海岸地帶にも連絡をいたしまして、山の産物と海の産物とを交換いたしますることにも非常な實效を奏することになるのであります。以上のすべての點から申しまして、この鐵道は栃木縣におきましてはすでにまつ先に計畫せられなければならなかつたものであります。何とぞ本委員會におきましても、この事情をおくみとりくださいまして御採擇の上、速やかにその施設運轉のなれるんことを請願するという趣旨でございます。何とぞ速やかに御採擇あらんことを願う次第であります。
 それから第二の戰時中鐵道におきまして強制的に買い上げたものを舊所有者に優先的に拂下げをしてもらいたいという請願でありまして、この請願者は栃木市の栃木驛前に住居をいたしておりまして、戰時中は旅館業を營んでおつたのでありますが、昭和二十年の七月運輸省よりの申込みがありまして、どうしても軍事的な問題からこれが必要だというので、旅館業をやつておりましたのを廃止しまして、その使用しておつた建物百七坪餘りと、電話、これは栃木の百五十五番でありましたが、これが運輸省の方へ強制的に買い上げられておつたものであります。ところが請願者の場合ではすでにこの建物はただいまでは不要に歸しております。他にまた鐵道員の寄宿舎なども建てられましてほとんど不要になつておる。そこでこれが拂いもどしをしてもらいたい、これを買い受けたいという願いをしておるのでありますが、今日までなかなかそのことが進みませんで、特に請願をいたしたのであります。さらにその他におきましても、こうした例が相當多いようであります。そこでそういう一般の場合も考えまして、請願者といたしましては、速かやにさような不要に歸した建物なり電話なりは、自分の方へもとしてもらい、そうして今職がなくて非常に困窮いたしておりますので、再びこの旅館業、もとの仕事を始めたい、こういう希望でおるのであります。これも何とぞ事情をおくみとりくだすつて、本委員會におきましては、この請願者のために、また他のこうした立場におります人のために、この請願を御採擇あらことんを願う次第であります。
 それから次の請願は、各縣の縣會議員にその縣内だけでも結構ですから、無賃乗車券を交付してもらいたい、こういう請願であります。これは栃木縣の縣會議員から出たのでありますが、他の縣においてもまた同じく希望するところであります。請願の理由を申し上げますと、從來の縣會議員においても同樣に考えられるのであるが、特に新憲法下におきましては地方制度の改革も行われて、各縣選出の縣會議員は、眞に縣民を代表する公僕として絶えず民情を視察し、常に縣内各地の現状を踏査しまして、國家國民のため、また縣民のため、現實に即する最も適切安當なる政策を行うべき責任があることは申すまでもないのであります。しかしてこの責任遂行のためには、よろしくこれを容易ならしむの方途を講ずべきは論をまたないところであります。この意味において、今日まだ各府縣會議員にその縣内の無賃乗車券が與えられておらないということは、まことて奇怪のことであります。諸外國においてもこのことはつとに實行いたされておる趣でありまして、わが國においても、すでに國會議員には全國フリー・パスが交付せられておるのである。速やかに縣會議員に對しても、せめて當該縣内の無賃乗車券はこれを交付せらるる必要があるというのがこの請願の趣旨及び理由であります。これも本委員會におきまして十分その意のあるところを御了承くだすつて、速やかに御採擇あらんことを希う次第であります。
#4
○正木委員長 本請願に對する政府側の御意見を聽取いたします。
#5
○岡田(信)政府委員 それでは一番初めの寶積寺、市塙間鐵道のことについて申し上げます。この鐵道は敷設法の豫定練になつておるのでございまして、ただいまお話の通り沿線には農産物その他の資源が非常に多いのであります。從つてこの鐵道が完成いたしました場合には、資源の開發あるいは地方の利便を増すことの非常に大なることは、ただいまお話のあつた通りでございます。しかしながら目下國有鐵道の情勢といたしまして、本年度はレールがわずか二萬數千トン、セメントが三萬トン足らずしか得られないのでありまして、この關係上、ここ一兩年はまことに遺憾ながら、こういう新しい線路の建設というものを中止せざるを得ない状態に立ち至つておるのであります。こういう關係で、寶積寺、市塙間鐵道、これにつきましても早急に建設し得る運びに至つておらない。またお話のございました寶積寺からの戰時中敷設いたしました專用路線を利用してやつたらどうかという御意見でございますが、この線路は目下のところ占領軍の管理に屬しておりまして、私どもといたしましては、これを寶積寺、市塙間鐵道に使う使わないは別といたしまして、ほかにぜひ使いたいというので、いろいろ努力しておるのでありますが、未だ今日までその目的を逹し得ないのであります。目下のところ手のつけられないというような情勢にも相なつております。先ほど來申し上げましたように、今日の資材の状況その他では急速にこの鐵道を敷設することができないということは、はなはだ遺憾に存じておる次第でございます。
#6
○山口好一君 ただいまのお答え一應ごもつともとも思うのでありますが、しからば栃木縣におきまする本年度の計畫にはいつております線はどういうものでありましようか、御發表を願いたい。
#7
○岡田(信)政府委員 栃木縣に本年度といたしまして新しく線路を建設するのは一つもないのであります。
#8
○山口好一君 そういうことでありますれば、請願者としてできるだけこの栃木縣の、こういつた食糧方面から見まして、非常に必要なこうした土地が顧みられないでおりますことを特に注意してもらいまして、そうして少くとも來年度には計畫の中にぜひとも入れてもらわなければならないと考えるのであります。
#9
○岡田(信)政府委員 私が申し上げましたのは、今日の情勢で早急に實施ができぬということを申し上げたのでありますが、これらの鐵道の必要性につきましては、十分承知いたしておりますので、これが調査なり、あるいは計畫設計はすでにやつておりまして、時機を得ましたならば、速やかにやりたいという準備萬端整えておる次第であります。
#10
○加賀山政府委員 第三番目の問題に對してお答え申し上げます。縣會議員各位にパスを發行したらどうかいう御請願でございます。仕事の重要な點につきましては申すまでないことでございますが、實を申しますと、現在におきまして發行しておりまするパスが、相當數に上つております。これを仕事の重要性に應じてどこまで延ばすか。これは非常に問題になるところだろうと思うのであります。從來運輸省といたしましては、できるだけ制限主義をてつてまいつておるのであります。最近獨立採算制の問題などが言われてまいりまする場合には、特にこの問題は非常にデリケートな問題として考えなければならないのでありまして、御便宜をはかりたい、しかしパスはたくさん出せないというような非常なジレンマに陷るわけであります。本問題に關しましては、そういう見地から、バスの發行ということは、ただいま考えておらないのでございます。むしろわれわれとしては、消極的に考えておるわけでございます。ただわれわれがただいま努力いたしておりますことは、戰時中、あるいは終戰後、特に昨年の冬のごとく、非常に旅客輸送の制限をいたさなければならないというような場合には、必要な御旅行をつい乗車券購入ができないために、抑えなければならないというような事態が起きてはたいへんである。かような見地から、重要旅行を確保するためには、どうしても旅客列車の數をある程度、最低限度確保しなければならない。これは石炭の生産を見合いになつておるわけでございまして、石炭の割當がどうしても確保されなければ、旅客列車のわれわれの考えておりまする最小限度の確保も、むつかしいのでございますけれども、この點を皆樣方の御努力、御盡力を得まして、何としても確保いたしまして、旅客列車は最低限度を確保する。それによつて乗車券が自由に買えるようにするということが、われわれの第一に考えておりまする、また實施いたしておりまする點でございます。現状を申し上げますと、急行列車を除きましては全部自由發賣の態勢をとつておりまして、各地方の交通についてはただいまのところとしては、御旅行に御不便をかけていない。乗車券購入の面からはかけていない。もちろん囘數が少い關係で、非常にこんだりいたしておりますので、この面からは非常に御不自由をおかけしておりますが、さような状態なのでございます。
 もう一つ、これはただいま申し上げる域にははいつておりませんが、われわれといたしましては選擧のときにとりましたような手段、つまり一定區間を自由に乗れるような―現在の定期券は一定の驛から一定の驛ということになつておりますが、ある地域を自由に乗れるようすパス、これを有料で考案してみたらどうかというようなことも、よりより研究いたしておる次第でございます。まだこれは具體的にこうしたらいいという結論に到逹したおりませんが、そういうようなことも考えておるということも申し上げておきたいと思います。この問題に關してはたいへん遺憾でございますが、運輸當局としては消極的に考えておるというふうに御承知を願いたいと思います。
#11
○山口好一君 ただいまの御意見は、一應の御意見としては了承できるのであります。それでは現在の運輸省關係の從業員の無賃乗車の件については、どういう現状になつていますか。またそれをどう考えておられるか。御質問いたします。
#12
○加賀山政府委員 パスの問題については、實を申しますと私はその責任者でございませんので、こまかなことを申し上げかねるのでございますが、詳細につきましては、その責任者から御説明なりお答え申し上げることといたしまして、ただいま職員に對して發行いたしておりますものは、通勤パスと、非常に精勤した者に月に何囘というふうに發行いたしております精勤パス、そのほかに公務上旅行いたします者に對して發行しております公務パスと、もう一つはその家族に出しております家族パスと、大體において四通りでございます。そのうち最後の家族パスに至りましては、戰時中、あるいは旅客運送の非常に窮屈になつてきました時期から極度に制限いたしております。それから精勤パスのごときも職員がどうしても行かなければならぬという事情がある場合のほかは、極力制限的に出しております。ただいま職員が主として利用しておりますものは、通勤パスが一番大きな問題であるような状態であります。このパスの問題はいつもわれわれ運賃制度と結びつきまして天下から御批判を仰いでおるのでありまして、われわれは先ほど申し上げましたような一般の部外の方々のパスの問題と併せて、あるいはこれ以上に職員のパスの問題につきましては、今後とも自粛いたしまして、できるだけこれを必要な最小限度に詰めていくという方策をとつていかなければならないものと考えておる次第であります。
#13
○山口好一君 ただいまの説明である程度わかりますが、しからばやはり縣會議員の責賃乗車券は、鐵道事業に關係しております職員、その他の人以上にこれを利用すべき必要性があるとも言えるのでありまして、むしろこの方を制限しておるというならば、先ほどいろいろな考案もあつたようでありますが、一歩進んで無賃乗車券を發行してくださるというふうにもつていただきたいと切望する次第であります。
#14
○正木委員長 本請願に對して他に質疑はありませんか。
#15
○成重委員 當局にお尋ねいたしますが、今請願の出ております縣會議員の無賃乗車券の件については、私聽き漏らしましたが、旅客緩和のためにできないというのか、それともどういう趣旨ですか、もう一度その點を御説明願つて質問いたしたいと思います。
#16
○加賀山政府委員 言葉が足りなくてたいへん恐縮でございますが、われわれとしたいましてはただ緩和のためにということではなくて――パスを重要な公務についておられる方に出そうということは、根本の問題といたしまして非常に私どもは結構なことだと考えます。考えますがその限度をどこまでもつていくかということがまず第一の先決條件だろうと思います。何が重要だ、何が重要だと言い出しますと、どこまでもとめどがなくなるのがほんとうの問題じやないかと考えるわけであります。從つて運輸省といたしましては、パスの發行は現状程度に止めておく、むしろこれを縮小していくという方緑にもつていくのがほんとうではないかと考えておるわけでありまして、現在以上に擴張いたしますことはできるだけ避けるべきである。と申しますことは、これは私の任務の範圍外でありますので、少し商賣氣が出過ぎるかもしれませんけれども、ただいま獨立採算制ということが非常に言われておりまして、特別會計は特別會計の中で赤字を出さないようにしなければならない。そうしますと、この重要な事柄に對して維特別會計の負擔になることを澤山やるのでは、企業の獨立採算制はどうしても立ち得ないのでございます。たとえば社會政策に行います運賃の割引というようなものにつきましても、そういうことが言えるわけでありまして、これは一般會計の豫算とにらみ合わせ、特別會計の獨立採算制がとれるような方式をとつてまいりませんと、ますます基礎があぶなくなる。かように考えますので、パスの問題もそういう觀點から申しまして、できるだけ詰めていく方向にもつていくことが私どもとしていいのではないか。もちろん先ほど申しまたしように、これを各個人の負擔にするとか、あるいは一般會計がそういうものを負擔するからいいではないかという問題になりますれば、これは先ほど申しました有料パスというか、そういうものの變形になるわけでございまして、單に今重要な職務をもつているから無責にしろ、あるいはこういうものはもつと割引をしろと言われましても、現状といたしましては、これをできるだけ現状に止める。むしろ現状よりも縮少していく方向にもつていくのが、われわれとしては當然ではないかと考えられるのであります。單にそうすると、旅客交通が非常にこみ合うようになるからということではないのでありまして、パスという問題にはいります場合には、運賃の問題よりは、むしろ乗ろうと思うときに汽車に乗れるということがおもであると考えまして、先ほど申しましたように、まずわれわれの務めは旅客列車の數を殖やして、いつでも汽車に乗れるようにする。いわんや切符はいつでも買えるようにすることがわれわれの務めである。かように申した次第であります。
#17
○成重委員 わかりました。そこで私どもといたしましては、こう解釋したいと思うのであります。この請願に對して大體當局ができないという御意見は、要するに縣會議員としての職責の重要性について、その限度をどこに置くべきか。すなわち縣會議員の職責がどの程度に重要と認めるかということについて考慮される點が一つと、それから鐵道そのものが獨立採算制であつて、商賣的に言うと、でたらめに多くのパスを發行すれば經理に關係する。この二點が大體考慮なさつている主眼點であると考えます。ところが縣會議員の職責は、こうして制度が變るにつれて、だんだんその重要性を増してきていることは私が説明申し上げるまでもないのであります。われわれも十數年間その職にあつてよくわかりますが、一番困るのは縣會のときである。あるいは縣會以外のときにも、縣會議會は最近縣廳に對して特に所用が多くなつているのを私どもは見受けております。おそらくどこの縣においても、縣會議員が定期券を要望することは同じであろうと思いますので、私どもとしては、できるならば何とかして御研究を願つて――この請願にあります點で見ますと、そういうことを申し上げると請願者の御趣旨に反するかもしれませんが、どうしてもそういう點で難點がありますならば、せめて居住地からいわゆる所在の官廳までの間でも、常に自由に、あるいは時間的に最も有效に、活動のできるようにするには、先ほどおつしやつた言葉の中にもあるように、最近においては切符は自由に買えるということになつたが、やはり實際においては切符一枚を買おうとしますと、三十分なり一時間、多くは二時間も費さなければならない。自分が費さなければだれか人を立てて買わせるとか、縣廳の小使を走らせるか、役人がその世話をするか、たいへんな手數を煩わしていることは実實であります。縣會議員の職責の重要性を經視しているとは思いませんが、むしろ私どもはその目的からいつて、定期券をやる點については、縣會議員の職責は當然やるべき職責にあるものと考えます。それから獨立採算制の收入の點からいうことになりますと、いずれにしても縣においては縣會に對する旅費でありますとか、いろいろな點がありますから、おそらく縣會議員の中には、多少金を出してもいいから乗車券が欲しい。常に自由に乗れる便利なものが欲しいという御希望の方もあると思いますから、一應考え直して、この點についてはできるならば、請願者のひとつ御趣旨に副うように、おそらくこれは全國縣會議員の要望であろうと考えますので、一應再考願いたいと思うのであります。
#18
○原(彪)委員 縣會議員にパスを與える問題ですが、先ほど成重委員からおつしやられましたように、要點は縣會議員の職責がいかに重大であるかという識識にかかつていると思うのであります。ところがこれは結局は比較の問題ではないかと思います。現在鐵道に協力會というものがありまして、協力會の委員には皆全國の二等パスを與えている。そうすると協力會の委員と、縣會議員とどちらの職責が重大であるかという比較論にもなつてくると思います。協力會の委員というのは、地方的ではそれぞれの各官署の長とか、地方の有力者がそれにあてられているようでありますが、協力會など開くのは、年に數囘しかないと私は承つております。その協力會もなるほど重要でありまして、これをけなすわけではありませんが、そこに解決の點が見出されるのではないかと私は思うのであります。先ほど政府委員からの御答辯もありましたが、要は獨立採算制から無賃乗車を制限することは最も必要でありますが、十分これは檢討されまして――ほかにもまだ檢討する點がたくさんあるのではないかと思うのであります。たとえば鐵道の從業員は三十五年勤續すれば無賃乗車券を與えられる、その家族までにも與えられるというような問題もありますが、なるほど御本人は三十五年勤續で、これは鐵道として功勞者でそれに與えるのは當然だと思います。鐵道にはいるとき自分の親父も鐵道にはいつておつたのだから、自分も鐵道を愛する氣持で鐵道にはいり、三十五年も勤めた、そういう人に對して私は決してけなすのではありませんが、その家族に與えることに對しては、檢討の餘地がたくさんあると思います。いろいろな面で縣會議員の現在の地位が上がつたと申しては語弊があるかもしれませんが、民主主義の世の中に轉換されまして、要するに選ばれた者が最高であるという状態に照らしてましても、しかも縣會議員が縣内だけの縣政のための用事で無賃で自由に活動ができるような趣旨なのでありますから、全般的なそういう無賃乗車に對して、さらに一段の御檢討を願つた上で、おきめ願うのが當然ではないかと思いますので、一言意見を申し述べておきます。
#19
○正木委員長 井谷君、ちよつと御注意申し上げますが、意見の開陳でなく、一應質疑ですからそのおつもりで、あとで委員會として御請願の取扱方をどうするかという最終的決定をするわけですから……。
#20
○井谷委員 私は以前に無賃パスのことがどういうふうに出されているかということをお尋ねして、政府の方から内容を答えるということでありましたのが、今にそれがないわけであります。ただいまの御説明でその種類がおよそわかつたが、縣會議員と鐵道職員の家族をどういうふうに比較をされておるかということについは、私は腑に落ちない。また一面これと事實かどうか存じませんが、マル通とか、そういう方面には、おもな人に出ているというような話も聽いたことがありますがそういうことがありましようか。それで縣會議員と、ただいま申しましたような職員の家族、こういつた比較をどういうところにおかれるのかということを聽きたいのであります。
#21
○加賀山政府委員 先ほど申し上げましたように、パスの關係につきましては、私實際上の責任者でございませんので、お答えすることはどうかと考えますけれども、今の御質問に對しましてお答え申し上げますならば、重要性ということからだけで判斷いたしますと、確かにただいまの状態といたしましては、不自然なものが出てきやせぬかと考えます。たとえば職員關係、あるいは退職者等に關係いたしますものは、これは重要性という見地よりは、一つの待遇として實は沿革的にやつてまいりましたものでございまして、これを重要性の問題として比較いたすことは、ちよつとできないのではないかと考えるのでございます。しからば待遇の問題としてパスをどうするのか。これは特別會計なり、鐵道經營の合理化の線から大いに檢討しなければならない。かように私は考える次第であります。
#22
○正木委員長 委員の各位にお諮りいたしますが、この請願第二、それから第五の關係は、鐵道總局の伊能長官が御出席にならないと明確な政府の答辯ができんようです。從つて政府の答辯を留保いたしておきまして――これは山口さんにも了解を得たいのですが、政府の答辯を留保いたしておきまして、日程を變更して議事を進めたいと思いますが、いかがですか。山口さんよろしゆうございますね。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○正木委員長 さよう御了承願います。
 日程を變更いたしまして次に移ります。
    ―――――――――――――
#24
○正木委員長 第四、井野信號所を一般驛に變更の請願、文書表二三號、紹介議員小峯柳多君。第三六、高瀬村に停車場設置の請願、文書表第一七三號、紹介議員松浦東介君を一括議題といたしまして、松浦東介君より説明を聽取いたします。
#25
○松浦東介君 山形縣東村山郡高瀬村に停車場設置の方から先に申し上げます。山形縣には高瀬村が二つあります。ここの高瀬村というのは、山形縣東村山郡高瀬村であります。仙臺市と山形市を結ぶ仙山線の山寺驛と楯山驛との中間にありまして、人口五千餘、戸數約八百の農山村であります。山形市近郊ではここほど交通に惠まれない村はないのであります。停車場なく、バスの便なく、縣道も名ばかりのもの一本あるにすぎない。本村の人の多くは山寺驛の方は利用しないで、もつぱら楯山驛を利用しておるのであります。その楯山驛には遠い部落からは三里以上あるのであります。山形市の官廰、會社、學校、工場等に通勤する勤勞者及び學校の生徒が非常に多い、それで楯山驛の乗降者の數の三分の二は高瀬村民であると言われております。春や夏はまだよいが、御承知の通り東北には秋から冬にかけて大量の雪が降り、これが積る。日中は短かいので、朝は未明に起きて雪道三里を歩き、夕方は暗い道を冷たい雪を踏んで歸らなければならない。しかも自分の村を毎日鐵道が通つているのですから、村民が停車場を欲しくなるのは當然のことと思います。高瀬村の小・中學校の教官は、大部分他町村からの通勤者でございますので、この地方で一番不便なこの村に奉職勤務することを喜ばない、教育上のゆゆしい問題も交通不便なここに原因するのであります。この村は木材約三萬石、木炭二十萬貫、薪二十萬束、青果蔬菜五千貫、米九百石、鑛石七千トン、石炭また無盡藏にありますので、大量に出しております。何とぞ格別の御詮議をもつて御採擇の上に、いくら小さくてもよろしいから停車場を設置していただきたいのであります。委員各位によろしくお願いを申し上げます。
 もう一つ、これは紹介議員小峯柳多君に代つて御説明申し上げますが、井野信號所を一般驛に昇格の請願であります。井野信號所は上越線の高崎と新前橋の間にあるのでございますが、きわめて利用價値が高いのであります。戰爭中にはガソリン・カーがここに停車をしておつたのでありますが、戰爭の犠牲となり、またガソリンの不足のために今の信號所に變つた場所であります。この信號所の附近の利用者が非常に多いので、現在は一般の乗客はまだ利用するのは至つていないのでありますけれども、鐵道の關係者竝びに驛員等は停車をしてもらつてこの信號所から乗り降りをしているそうであります。これを一歩進めていただきまして、一般の乗降客のためにも開放していただきたい、こういう請願であります。事情が非常に窮屈でむつかしいならば、ある特別の汽車だけでもよろしいから、ひとつ停めていただきたい、こういう請願であります。
#26
○加賀山政府委員 お答え申し上げます。仙山線の山寺、楯山間の高瀬村に停車場設置の御要望につきましては、すでに昭和十年、同十五年、二囘にわたりまして省にお話がございまして、ちようど戰爭に向つておりましたので、調査もいたさないで今日に至つたのでありますが、議會における請願は今回初めて承る次第でございます。一般的に新しい驛を設置することに關しての状況をお話申し上げますと、現在日本全國で汽車が停まらないというために、何とかしてここに停めろという請願をされている何きが現在百六十數件ございます。非常に多いのでございまして、われわれとして實はこの問題をもてあましていると言つては語弊がございますけれども、どういたしたらいいか、非常に苦慮いたしておる次第でございます。われわれといたしましては、もちろんできるだけこれを御便利にしなければならぬ當然な義務がございますが、一方におきましては列車の運轉上、あるいは國有鐵道の資材、資金の面でこれを一遍にいたしますことはとうてい不可能でございます。また驛といたしましては、當然そこへ相當の驛員も配置しなければならないということになつてまいりまするので、人員をだんだん縮小して合理的にやつていくという見地からも檢討しなければならない。かようなことで苦慮いたしておる次第でございます。それで方針といたしましては、非常に區間が長くてほかに何も交通機關がないというような所は、何としてもたとえ假りの乗降場でもつくつて、そこで乗り降りだけはできるようにでも、せめて努めなければならないのではないかというふうに考えております。本件に關しましては、實は設備上から申しまして、驛の設置には、相當の急勾配線の連續した區間でございまして、非常に困難な地點でございます。もちろんこれはまだ非常に詳しい調査はいたしておりませんけれども、われわれの見解といたしましては、驛の設置の地點がむつかしい、かようなことがあるのでございます。たとえば、そういう急勾配があるような場合には、どうしても勾配を變更するために、線路のつけかえをするというような非常にむつかしい工事を伴いますので、こういう所につきましては、たとえ驛はつくらなければならぬと思つても、そういうことから現在といたしましてはできないようなことがあるのでございます。この山寺、楯山間の高瀬村附近につきましても、そういうことで非常に困難ではないかと考えておりますが、なおよく細目調査をいたしまして、他の箇所と合せて調査して、つくらなければならないという結論が出ますれば、どうしてもつくらなければならない、相當工事が困難でもつくらなければならないと存じますし、現状といたしましては先ほど申しましたように、資金、資材の方が非常に窮屈な點で非常に困難であるという事情を、御了承願つておきたいと考えております。
 次の井野信號所を驛にする問題に關しましては、これは御説のように昭和十二年から十五年十月まど簡易な設備で濱尻、日高というような二つの停車場を設けまして、旅客の取扱いをいたしておつたのでありますが、昭和十五年に運轉營業を休止いたしまして現在に至つておるわけであります。今度御提出の案件の井野信號所は上越、高崎県、兩線が並行しておりますところでありまして、その上越線の方に設置された信號所でございます。高崎からは四キロ、新前橋驛からは三キロ三分という位置にございまして距離の點から申しますとちようどよいようなあんばいになつております。それで距離といい、信號所が設置されておるという點から見まして、先ほどの高瀬村の驛と比較しますれば、われわれの方といたしますれば、比較的容易に驛とし得る所なのでございますが、なおよく地方情勢その他を調査いたしました上で採否を決定いたしたい。これも先ほどのどれが重要かというあのバスの問題と同じように、全國的に比較した場合には、どれが先か非常にわれわれ決定に困難を來すのでございます。それならば百六十全部ずらりとやつたらいいじやないかというように考えられますが、これも先ほど申しましたように、一度にそういうことをすることはとうてい考えられない。資金、資材の面でとうていできないというような状態でございますので、よくわれわれが調査してそれをまた御報告いたしまして、そうしてこの問題に關しましては、十分本委員會その他におきましても檢討いたしまして、決定いたしたい、かように考えております。
#27
○正木委員長 本請願に對して質疑はありませんか、――なければ日程を變更いたしまして、次に移ります。
    ―――――――――――――
#28
○正木委員長 日程第二五、高知縣下における三路線に國營バス運輸開始の請願、長野長廣君紹介、文書表番號第九三號を議題といたします。長野長廣君。
#29
○長野長廣君 高知縣はすでに御配心をいただいおります通り、全國でも最も鐵道及び省營バスに惠まれていない所であります。しかるにあるいは木材、薪炭、それから食糧、製紙原料等の生産をなすのは、そのほとんど七割を占めておる山林地帶でありまして、この山林地帶の交通を改善することが最も急務であるということで、縣民も非常に待望いたしておる次第であります。しかし鐵道問題はまたいろいろ困難もありますので、とりあえず現在の道路を改良しまして、これに對して省營バスを走らせていただく、またトラツクももちろんこれに伴うて動かしていただきまして、この急務の問題を解決していただきたいというのがお願いの本旨でございます。なおこれについて具體的に申し上げますと、上讃線の大杉驛から地藏寺村までの線、これはすでに縣といたしましては本山町までは縣費をもつて道路の改良をいたすことにいたしておるのであります。それから大栃線もこれは土佐山田驛から大栃驛、ここは現に省營バスがありますが、これから一線は大栃から五王堂という所に左へわかれておる。いま一つの線は岡の内という所に右へわかれておる。この二路線をひとつ何分にお願いをしたいというので、もう數囘請願をいたしておるわけでございます。
 それからいま一つは豫土線佐川驛から松山市に至るバスが、現在別府村の縣道にかかつております橋がありますが、そこまどは何でも十一時ごろまで時間をきめて一囘だけ折り返しをやつているそうであります。それからわずかに半里というところに別府村の森という所があります。せつかくあそこまで行つておるのでありますから、そこまで走らしていただきたいというお願い、これが二つでございます。
 それから大栃線の大栃より岡の内まで、大栃より五王堂まで、この延長の二線、この二つは先年運輸政務次官が四國鐵道局の關係官竝びに本省の關係課長を御同伴になりまして、御視察をいただいて、私も立會いの上で、知事に對して道路の改良をすればこれはやることにするから、その方に早く手をつけてもらいたい、こういうことでございました。爾來縣費を傾倒いたしまして調査を進めておりまするが、おそらく最近にこの二つの路線はそれぞれ改良が終るのではないかと思うのであります。つきましてはさような行きがかりになつておりますし、さき申しましたような高知縣の特殊の事情をおくみいただきまして、道路ができましたならば、またできる限りはひとつ本省の方からも正規の豫算援助をいただきまして、速やかにこれを完成いたし、この地方的實情をおくみとり願つた上でひとつ實現していただきたいというのがお願いの趣旨であります。
#30
○正木委員長 本請願に對する政府側の意見を聽取いたします。
#31
○郷野政府委員 ただいまお話のございました高知縣下の三路線につきまして、私どもの從來調査いたしまた結果に基きまして、一應考えておりますところを申し述べたいと存じます。大杉より地藏寺村に至る路線につきましては、さきに議會において請願の御採擇もございましたので、地元の鐵道局に實情をいろいろ調査してもらいまして、私どもといたしましては詳細現地の事情は承知いたしております。しかしながら現在この路線につきましては、民營の高知縣交通會社が運營に當つておるのでありまして、その會社の自動車運營につきましては、相當力もあるものと考えております。從いまして現在資材その他の關係におきまして、いろいろ制約は受けておりまするが、できるだけこの高知縣交通の事業を助長育成いたしまして、さしあたりこの高知縣交通の運營によりまして、地元の御要求を容れるようにいたしたらばどうか、かように考えておるのでございます。
 次に大栃線の大栃から岡の内及び五王堂に至る路連の延長についてでございます。この路線につきましても、實情は鐵道局におきまして調査いたしたのでございますが、この路線につきましては、一部道路の幅員が非常に狭くて、自動車の運轉については相當困難な箇所がございますので、この改修につきまして一應考慮しなければならないものと存じております。ところがこの改修工事は相當の難工事が豫想せられておりますので、ただいま關係の部署といろいろ協議をいたしまして、今後の對策を研究いたしておるのでございます。しかしながらただいまお話のごとく、この路線につきましては現在民營のバス事業もないようでございますし、省營の大栃線もあるのでありますから、將來道路の改修がありました曉において國營自動車を計畫いたしますることが、適當な處置ではないか、かように考えて研究をいたしておる次第でございます。
 次に豫土線の關係の區間延長の問題でございまするが、これにつきましても、やはり民間の業者と關係はございませんので、實情を調査いたしまして、できるならば考慮いたしたいと思いまして、ただいま研究をいたしております。
#32
○長野長廣君 御親切な御答辯をいただきまして感謝いたします。ただちよつと、大杉驛から地藏寺村に至る線は現在私營バスが走つておりますが、實はこれがたびたび故障をして、現に私も本年滿員のバスに乗つておつて、二十間ほどの斷崖で轉覆をされまして、實は九死に一生を得たわけであります。同時にそのときには十數名の死傷者を出しましたが、地方民としましては、私營よりは省營バスの方が非常に安心である。事實全國的にその率を見ましても、故障の率というものは省營バスの方が少いのであります。今まで實はあまり交通に對しては關心をもつておりませんでしたが、この間二週間ほど前も小さな故障があつた。やはりこれは交通機關における一つの缺陷だと思いますので、私營についてはこれは相當全實的に考慮を拂われる必要があるのではないかと思います。しかしいろいろ關係方面との問題もありまして、官廳の御事情も萬々わかつておりますが、高知縣のような所は省營バスと言つても一線か二線しかないのであります。鐵道はわずかに一線しかない。しかもあらゆる文化、産業方面におきまして要望せられておる所へは、特にひとつ御研究をいただきまして、何本關係方面ともひとつお打合せの上で、しかるべく御高配をいただきたいというのが地方民の熱望でありますから、どうぞよろしくお願いいたします。
#33
○正木委員長 本請願に對して質疑がありませんか……。
    ―――――――――――――
#34
○正木委員長 御質疑がなければ日程を變更いたしまして、四四、宇和より三瓶を經て八幡濱に至る間に國營バス運輸開始の請願、高橋英吉君外八名紹介、文書表番號第二五二號、四五、九州、四國間連絡國營航路開設の請願、高橋英吉君外十三名紹介、文書表番號第二五三號、四七、八幡濱からの三路線に國營バス運輸開始の請願、高橋英吉君外八名紹介、文書表番號第二六一號を一括議題として、紹介議員高橋英吉君の説明を求めます。高橋英吉君。
#35
○高橋(英)委員 四四のバス運輸開始の請願の件でありますが、これは四七のバス運輸開始の件の一部であつて、四七のうちに包含されておるのでありますけれども、特に四四の請願は、四七の請願のうちでも特殊な事情があるとして、別に請願しておるような次第であります。これは簡單に申し上げますが、愛媛縣の東宇和郡の坂石という所から宇和町まで現在省營バスが運行されております。その宇和町から三瓶町まで、それから三瓶を經て八幡濱の方へ來る間が、當然省營運行をされるべき性質のものであるにかかわらず、これは今日までその實現を見ていない、元來坂石から宇和まで省營バスが開設されましたときに、もうひさ足ですから、進んで三瓶まで延長されることになつておつたのです。ところがその途中にトンネルがあるのでありますが、當時鐵道省としては、トンネルを利用して三瓶まで延長するということに決定し、その工事に着手しようとしたのでありましたけれども、すこし高いからもつと根本的に隊道の堀下げをやつて、運行の圓滑を期さなければならないという議が起つて、せつかく鐵道省の方から三瓶まで延長してやろうというふうに決定して實施に着手されておつて、この坂石から宇和町のときに同時に三瓶まで延長されることになつておつたのを、お斷りして、根本的な隊道開鑿を要望しておつたのでありますが、戰爭を始まりましてとうとうその隊道工事ができなくなつた。今日に至つみれば、當時鐵道省の勸告に從つて運行しておつたならば、どのくらい地方のために有益であつたかと、後悔しておるような次第であります。從つてもう大きな隊道とか何とか、そういうふうな望みは捨てて、運輸省がかつて御勸告になつて實施されようとしたその計畫通りでいいですから、ぜひ三瓶まで、また八幡濱まで延長していただきたいということになつております。この要望は、當局においてもむろん切實な要望であつて、妥當なものとしてお取上げくださつて、事情の許す限り速やかにこの實現をはかつていただくということになつておるように承つておりますが、そういうような關係から、とりあえずこの重要性を認めていただいて、トラツクの開設が最近實現することになつております。しかしこのトラツクばかりでは、とうてい地方の要求を滿たすわけにいかないのでありますから、ぜひこの路線を速やかに實現していただきたいと思うのであります。ただこの路線に宇和島自動車という私設自動車會社がありますが、これは有名無實な、不在地主的なものになつているのでありまして、この既得權を活用して運行いたし、地方民の要求を滿たすということになつていないのが現状であります。これは御調査の結果おわかりになつていることと思いますが、根本的には對民間業者との問題にもなりましようけれども、こういう有名無實な民間業者の既得權というものは、これは適當に是正していただかなければならないと考えております。そういう事情でありますから、この宇和から三瓶を經て八幡濱に至る間に國營バス運輸開始の件は、ぜひ速やかに今年度から、それができなければ來年度に、ぜひ着手していただきたいと思うのであります。何とぞ御採擇をお願いいたします。
 それから四七のバス問題ですが、これはただいま説明しました分も含んでいるのでありまして、すなわち八幡濱、三崎間、これは十一箇町村を包含しております。それから八幡濱、卯之町間は八箇町村を含んでおりまして、これはただいま申し述べた路線のことであります。それから八幡濱、長濱間、これが七箇町村を含んでおりますが、これに對して省營自動車の運行をお願いしたいという趣旨であります。その理由は、愛媛縣西南部地方の地形的特異性をよく認識せられ、永年縣案の四國循環鐵道の完成、九州四國省營連絡航路の開設等、御配慮中であることは地方民ひとしく感謝しているところであります。昭和十四年二月、國鐵豫讃線、松山、八幡濱間が開通し、地方民多大の利便に歡喜したのでありますが、これに随伴してその培養線とも稱すべき、八幡濱、三崎間、八幡濱、卯之町間、八幡濱、長濱間の省營自動車運行方を懇請し、その實現の一日も遠かならんことを念願していたのであります。しかるに戰爭その他の關係上、實現を見ず、爾來地方民は耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、極度の不便不利と戰いつつ今日に及んでおるのであります。特に八幡濱より川之石、磯津を經て長濱間の省管間の省營自動車運行については、豫讃長濱、八幡間の海岸迂囘の代償的補助線として、すでに當局において御決定濟のように聞き及んでおり、これが開設の要はいまさら贅言を要しないところで、現在道路も完成している現状であります。八幡濱より佐田岬の先端に位する三崎村に至る四十六キロの間は、十一箇町村人口約六萬を有し、水産物、青果、その他農産物等海陸資源に惠まれた所でありますが、現在陸上交通機關さらになく、わずかに沿岸小型船をもつて一日一囘、あるひは隔日便によりその交通を滿たしつつある状態で、天候不良の際は杜絶し、まつたく孤島化する状態であり、地方民の不便は想像に餘りある現状であります。八幡濱より川上村、眞穴村、二本生村、三瓶町を經て卯之町に至る約二十キロ間は、現在陸上交通機關皆無でありまして、地方民の不便はまつたく言語に絶する有樣、殊に近時とみに活氣を呈しつつある三瓶町における紡織工業その他平和産業の發逹に伴い、確實なる交通機關の運行を要望する聲切なるものがあるのであります。
 以上のごとき現状でありますから、地方産業の發展、文化の向上並びに現在急迫せる食糧事情打開のため、地方民多年の待望を諒とせられ、右事情御賢祭の上、何とぞ特別の御諒議をもつて願意を相かなえくださいますよう、地方民最大の熱意をもつてひとえに懇願する次第であります。この二路線の中の二線も、先ほど説明しました路線と同樣にその必要性を認めていただきまして、トラツクだけは現在諸般の準備が完了してまさに近日中に運行を開始するということになつておりますから、ぜひトラツクばかりでなく、バスも同樣なことにしていただきたいと地方民は熱望しているのであります。
 それから四五の、九州、四國間連絡國管航路開設の請願でありますが、これは運輸省關係の請願中では最も運輸省當局が御苦慮になつている問題であろうと思うのであります。詳細は後ほど井谷、村上兩代議士から御説明があるかと思いますが、私は簡單にこの問題について大局的にその説明の補充というような意味で申し上げて御參考に供し、御採擇を得たいと考えるものであります。
 すでに九州と四國の連絡の問題は、數十年以來からの問題でありまして、四國の循環鐵道が完成すれば、必ず九州と四國の鐵道幹線をつなぐところの省營連絡船ができなければならないというので、地方民は數十年來にわたつて四國循環鐵道の完成と並行してかねてお願いしておつたのであります。ところがそれが實を結んで、また諸般の情勢が四國と中國間の連絡船の開設を妥當とするということになりましたために、昨年の議會におきましても、昨年の議會におきましても請願したと思いますが、その請願議會において採擇されました結果、昭和二十二年度においてこの連絡船路開設のための豫算が運輸省豫算として計上されているというふうに私は承つているのであります。ちようどあの宇野、高松の連絡船が新造船の就航によつて現在就航しているのが要らなくなり、それを九州と四國の連絡船路にまわして、この國家の要請に應じようということになつて、その豫算が二十二年度に計上されていると承つております。しかるに、豫算が計上されているにかかわらず、これが一向實現しようとしないというのが今日の現状であります。これはどういうところからそういうふうなことになつておるかというと、ほのかに承りますと、民間業者の反對がある。また運輸省内において、海運總局の方でこの實現をお好みなにならない。そういうふうな關係があつて、これは行き惱んでおるということであります。せつかく豫算に計上せられながらもこれが實現しないということは、私は大きな問題であると思います。議會がすでに必要であると信じて、協贊した豫算のある事業が、實現しないということは、たいへんな問題であると思うのであります。要するにただいま申し上げましたごとく、省内における幾多の問題、それからまた民間業者との問題、民間業者が有力でありますがために、これに對する強い反對運動によつて、いろいろな隘路がここにできておるというふうに聞いておるのであります。從つてこの問題は現在運輸省内においては非常に重大な惱みの種の問題であると思われるのでありまして、この癌を切開することが――私が運輸省内の空氣を見ますと、運輸省内の空氣もしくは鐵道總局と、海運總局との關係の不圓滑さを解消するに役立つのではないかと思すのであります。そういう意味におきまして、ぜひ運輸委員會における請願關係において、最も意義ある仕事をされるということになりますならば、この問題の解決以外にはないと思う。この問題が御解決になるならば――運輸委員會の手によつて、この重大な問題が、運輸省内においても最も惱みの種になつている、癌となつていると言つてもよいこの問題が、解決されることになりますならば、これは非常に國家、地方のために有益なことになると思うのであります。そういうふうな意味におきまして、私はかねて各委員、また委員長ともいろいろ御懇談申し上げ、當局の意見もお聽きしまして、この問題を解決するために當委員會から代表を現地視察調査のために派遣せられて、その愼重な調査の御報告をお聽きになつた上に、この問題の解決に當つていただきたいという希望をもつておる次第であります。どうせこの問題につきましては、そういうふなことを後ほど正式にお願いいたしますが、詳しいことは井谷、村上兩代議士から説明があろうと思いますから、私はこの程度にしてお願いする次第であります。
#36
○正木委員長 お諮りいたしますが、ただいま議題となつております四五號は四八、四九とも關連がありますので、政府からの説明はあとに讓りまして、四四、四七の二件について政府側の意見を徴取いたしたいと思いますが、いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○正木委員長 異議がなければさよう取計らいます。
#38
○郷野政府委員 八幡濱を中心とするただいまお話がございました省營自動車の運營開始を要望せられますことにつきまして、私どもの考え方を御參考までに申し上げてみたいと存じます。卯之町、三瓶、八幡濱間の路線の問題につきましては、ただいまお話のありましたようないろいろな沿革のありますことも私どもとしては詳細承知いたしております。この路線につきましては、すでにお話のごとく卯之町、三瓶間につきまして一度計畫を立てたこともあるのでありますが、實行を見ずに終つてしまつたのでございます。最近の事情から申しまして、この路線の自動車の輸送力を整備強化しなければならないという實情は、十分に私どもとしても認識をいたしておるのでございます。ただ國營自動車の開設につきましては、豫算また資材などの關係からいたしまして、やはり相當の困難な立場にございます。また民間のただいま運營に當つております事業につきましても、できるならば十分にその發逹助成をはかりまして、省營に代るだけの輸送を擔當させていくということも考えてみなければならぬものと存じておるのでございます。從いましてこの路線の貨物の營業につきましては、地元におきまして種々詳細な調査を遂げて、關係の業者の方々の實際の運動の實情などにつきましてお打合せをいたしました結果、大體省營で近く始める方針を立てまして、圓滑にその實施の準備を進めておるのでございますが、バスの問題につきましてはなお問題が殘つております。從いましてこういう點についてさらに十分の調査をいたしまして、今度の對策を立てたいと存じております。
 次に八幡濱、長濱間の路線でございますが、この路線につきましても現在中間一部連絡はいたしておりませんが、既設の民營のバス事業がございます。從いましてこのバス事業との關係におきまして、なお私どもとしても十分に考慮すべき問題が殘つておるように存じております。しかしながらこの路線の重要性につきましては、十分に承知しておりますので、何らかの方法によりまして、なおできるならば省營ということも十分に考えまして、今後これに對じて對策を立ててまいりたいと存じておりますが、この路線についてもさしあたりトラツク事業についてはその計畫を進めております。
 なお川之石から三崎にまたがります間につきましては、これまたただいまお話のような事情で、この間の陸上交通を自動車によつて整備いたしますことの必要性は十分にこれを確認いたしまして、對策を立てなければならないものと存じておりますが、ただ現在におきましては非常に道路の状態がこの區間は悪いようでございます。從いまして道路の改修計畫も今後關係の箇所と十分打合せをいたしまして、これから立ててまいらなければならないものと存じております。ただこの區間につきまして、トラツクの運營につきましてはできるだけ早くこれを實現いたしたいものと考えておりますが、バスにつきましてはこういう事情からいたしまして、多少時日が遲れるのではないかと存じております。なおこの區間については現在民營のバス事業はございません。全線トラツクの運營についてはこの三線ともただいま準備を進めているのでございますが、バス事業については今後資材、豫算その他いろいろな面から、省營自動車自體のもつて行き方についても研究しなければならぬものがございます。と同時に私どもの立場としては、民營事業の發逹助成という點、また省營自動車を開始するにあたり民間の事業とできるだけ磨擦のないように處置をしてまならなければならないという點から、研究すべき問題が殘つていると存じますので、この點さらに解決に努力をいたしたいと存じております。
#39
○正木委員長 本請願に對しては質疑もないようでありますから、日程四八、九州、四國間連絡國營航路開設の請願、井谷正吉君紹介、文書表番號第三九七號、日程四九、九州、四國間連絡國營航路開設の請願、村上勇君紹介、文書表番號四〇九號を一括議題とし、井谷君竝びに村上君より説明を求めます。
#40
○井谷委員 九州、四國連絡國營航路開設促進に關する請願の趣旨を説明いたします。
 最近新國土計畫では、陸上輸送交通の全國一元的強化が緊急重要國策の一つとなつておりまして、しかして陸海船車の連絡をよく調整し、その最短路県を選び、これが施設の完備をはかり、迅速に低廉から平易に輸送交通機關の使命を果し、もつて大衆の利便と産業の開發に協力せしめることが、國策本來の目的であることはいまさら贅言を要しないところでございます。由來わが四國はこれらの機關に惠まれず、從つて地方産業竝びに文化の方面においてきわめて低調であつたのでございますが、政府は前に資源開發に着目をせられまして四國循環鐵道を企圖せられ、歴代政府の努力によりまして着々これが實現を見、今やまさに完成の域に逹せんとしているのでありまして、これがために交通は一段と頻繁を加え來つたのでございます。四國と他との連絡は、わずかに東都の宇高線のみに依存しておりまして、九州、四國の連絡が未完成のため、その眞價をあげるに至つておりませんことは、國家的見地よりするもまことに遺憾の極みでございます。四國の西南部と一衣帶水、まつたく指呼の間にあり、經濟的にも交通最も頻繁なる對岸の九州との連絡が舊態依然としておりまして、ただ私營の獨占會社の、打算的で缺陷の多い不規則なる連絡に委ねている現状でございまして一般大衆の不利、不便は筆舌に盡しがたいものがございます。殊に本線は飽和状態にある山陽本線の副線を意味する重要線でありまして、利潤を目的とする私營會社に任せることは絶對に許されないのであります。以上の精神に基いて、過去幾十數度にわたり、四國循環鐵道促進運動と並行し、關係官廳へ嘆願陳情を重ね來つたのでございます。仄聞するところによれば、本件に關してはすでに建議案も通過しており、さらに今囘宇高線に使つておつた船を、新造船の竣功とともに他へまわし得られる餘裕を生ずるということも、われわれの耳にいたしておるところでございます。この好機會においてぜひこれを九・四連絡の方にまわしていただきましてこの實現をはかりたい。ここに請願をいたす次第でございます。なお愛媛縣會におきましても、滿場一致をもつてこの九・四連絡省營實現促進の件を議決したような次第でございます。これが九・四省營連絡促進に關するわれわれの請願いたしました理由の大要でございます。
 なおこれに續きまして提出いたしておりまする四八號、文書番號三九七でありますが、これは宇和島市に設けておりまするところの豫土西南部鐵道期成同盟會、豫土西南部市町村民代表として出ておるわけでございます。この四國循環鐵道が、現在高知縣の久禮という所から愛媛縣の吉野生という所の間が未完成になつておるのでございます。これを早くひとつやつていただきたいという請願であります。この高知縣の南の方、また愛媛縣の西南部は物資が非常にたくさんございまするが、この連絡ができていないためにこの滞貨というものがたいへん不利益を來しておるのでございまして、ぜひともこの實現を急いでいただきたい。こういうのがこの四國循環鐵道促進の請願であります。
 なおこれに附随いたしまして九・四連絡の請願が加えられておりまするが、この九・四連絡の起點と申しまするものが、いずれを起點にするかということは今日地方において問題になつておるのであります。最初の請願にありまする通り、八幡濱から出しておりまするこの請願については、起點の指定は當局にお任せをする、こういうことにおいて決定をいたしておらないのでありますが、この宇和島市の方におきましてはすでに八幡濱に決定されるのではないかというような臆測から、ぜひともこの宇和島にこの船をつけていただきたい、かような考えからいわゆるZ線航行の請願をいたしておるのであります。私は過般ちよつと歸つてまいりましたが、このZ線航行の請願の熱は相當強いのでございます。でありまするから、先ほど高橋委員の申されましたように、地元にそうした輿論があるのであつたならば、ことさらにこれは愼重な態度をとる必要がございますので、ぜひとも當委員會からこの實地に委員の出張をなさしめようにお願いをいたしたいと思う次第でございます。なおこの五〇號の……。
#41
○正木委員長 五〇はまだ日担に上つておりません。
#42
○井谷委員 これもやはり關係しておりまするから申し上げることはないと思うのでありますが、以上のような成行きでございます。何とぞ各位におかれまして愼重御審議の上、この委員の出張ということについて御贊同を得るようにお願いをいたしたいと思う次第であります。
#43
○正木委員長 日程四九について村上君。
#44
○村上(勇)君 九州四國省營連絡實現促進につきまして請願いたす次第であります。九州四國省營連絡熱望の聲は、多年にわたつてただいま高橋代議士のよ話の通りに、兩島民間に充滿いたしていたのでありますが、特に敗戰による新國家發足の今日、運輸、交通、産業、文化その他各方面より檢討してみまして、新國土經營上及び國民大衆の便益のため、これが實現は焦眉の急務であると確信するのであります。由來厖大なる九州の資源、殊に石炭、鑛石等を四國に輸送するにあたつては、關門トンネルを經て山陽線を經由し宇野より高松に入る一大迂囘によるのほかなく、四國の物資またしかりでありまして、これがために生ずる關門竝びに山陽線における輸送の混亂、輻湊、運賃の嵩増は實に想像以上の現状あります。しかるに翻つて地圖を見ますれば、九州東海岸部と對岸四國西南部とは、波靜かなる内海を隔てて一衣帶水、指呼の間にありまして、その間わずかに四十マイルにすぎないのであります。ここに省營航路を開き、日豐、豐肥、久大の幹線と對岸香川、愛媛兩縣にわたる國鐵豫讃線を直結連絡し、貨車の航送、旅客の送輸を開始するに至りますれば、その惠澤はただ單に兩島のみならず、再建新國土交通運輸の一大活路として、國民大衆のひとしく享受するところとなるのであります。今、試みにこれが實現後の利益を列擧いたしますれば次の通りであります。一、飽和點に逹しておる關門トンネル竝びに山陽本線の輸送を緩和する。二、貨車の偏在を防止する。三、距離の短縮に伴い運賃の低下が大幅に行われる。四、貨車航送により貨物の破損がなく、運賃の低下はコストの高騰を防ぐ。五、産業文化の開發向上に貢献する。六、正確安全なる輸送及び旅行ができる。
 以上簡單に申し述べましたが、さらにこれが實現を容易ならしむる理由としましては、次のような好條件をあげることができるのであります。一、遊休せる可動橋の利用、これは關門隊道開通以來不用となつております門司、下關の可動橋をそのまま活用できるということであります。今囘先ほど申し上げました宇高連絡航路用新造船竣工によりまして、餘裕を生じたる舊船舶をそのまま活用できるということであります。聞くところによりますれば、右のごとき遊休設備を活用すべき場所はこの九・四の間を除いてこれをほかに見ないということであります。すでに條件においてかくのごとき優位を占めるのみならず、わが大分縣におきましても、對岸愛媛縣におきましても、これが實現促進に對しては過日縣會において滿場一致の議決を見、さらに縣民大會に開催をするに至り、速やかなる實現熱望の聲はちまたに滿ち、輿論はまさに最高潮に逹しておる實情であります。しかしてこれが實現を阻害するものとしては、民間に傳うるところによりますれば、從來主としてこの間の旅間輸送に從事いたしておりまする一民間營利會社の擁護に存すると聞くのでありますが、もしはたしてしかりとするならば、これは申すまでもなく一營利會社の營利のため多數大衆の利益を犠牲に供し、その輿論を無視するものでありまして、最も明朗なるべき民主政治に一大汚點をしるすものというべく、識者のひとしく遺憾とするところであります。申しまでもなく、敗戰日本の生くべき道は、殘された四つの島をいかに高度に活用するかにかかつております。それがためには從來比較的忘れられておりました地方の資源を開發するとともに、それを最も圓滑なる輸送のルートに乗せて、速やかなる交開を行い、物資の偏在を防ぐことにあると思うのであります。九州と四國を直結することは、殘された資源の開發と圓滿なる輸送の兩面において、再建國土經營上唯一の活路であると確信するのであります。願わくば國民大衆の輿論に聽き、これが便益の擁護と、國家百年の大計とも言うべき公共的施設の急速なる實現のために、絶大なる御支援を賜わりたいのであります。ここに地方民の熱意を代表して請願者に代わりまして、よろしく御採擇あらんことをお願いする次第であります。
#45
○正木委員長 この際お諮りいたしますが、日程四五、四八、四九については政府委員よりの意見を聽取いたすことになりまするが、政府委員よりの意見聽取は午後にいたしまして、午前の會議をこの程度にいたし、午後二時より再開したいと思いますが、いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○正木委員長 異議がなければ午後二時半まで休憩いたします。
   午後玲時五十五分休憩
    ―――――――――――――
    午後二時四十一分開議
#47
○正木委員長 再開いたします。午前の會議に引續き請願の審査を續行いたします。
 先ほど政府側の意見を留保してありました日程第四五、日程を第四八及び日程第四九の各請願については、都合により日程第五〇の請願の紹介説明を聽取した後、一括して政府委員より意見を聽取したいと思います。
 では日程第五〇、文書表番號第八一六號、四國循環鐵道の全通竝びに九州、四國間連絡國營航路開設の請願、井谷正吉紙の紹介であります。紹介議員井谷君の説明を聽取いたします。
#48
○井谷委員 四國循環鐵道は現在高知縣久禮から愛媛縣の吉野生まで約八十キロの間が軌道未設のため開通していないのであります。それが開通いたしますれば、この高知縣、愛媛縣の地域の年産三億圓を突破する魚獲物と、山間部から産します年産六千萬俵に逹する木炭及び五百萬石を超える素材の搬出ができると思います。多年これは地方民が要望しておるところでありますので、何とぞ早急に軌道が敷設されますように御考慮願いたいと思います。
 なお九・四連絡の問題につきましては、午前中に申し上げたことと同一のことでありますから、省略いたします。何とぞよろしく御審議をお願い申し上げます。
#49
○正木委員長 本請願に對する政府側の意見を聽取いたします。
#50
○岡田(信)政府委員 九州、四國の連絡航路でございますけれども、實は私擔當ではないのでございますが、ちよつと擔當の政府委員がおりませんので、私代つて御答辯申し上げます。九州、四國間の連絡輸送を強化することはきわめて必要でありまして、運輸省といたしましても、事務的竝びに技術的な多方面の調査をただいまやつておる次第であります。しかしながらこの航路に計畫を具體的に立てますにつきましては、いろいろの關係、たとえば既存の船舶の關係をどうするか。あるいは基地をどこにとるかというようないろいろな關係がございますので、これらの點を今後十分檢討いたしまして、具體的の計畫を立てたいと考えておる次第でございます。
 なお四國循環鐵道の全通につきましては、ただいまお話いたしましたように、目下宇和島側では吉野生、高知側では影野その間約七十一キロばかり鐵道がないのでございます。この鐵道を敷くことが、あの地方の資源の開發にきわめて必要なことは申しまでもないのでありまして、そのために戰後工事を一部續行しまして、去る十月二十日に土佐久禮、影野の間が開通した次第であります。それ以外の地につきましてぜひ速やかにやりたいと考えてはおりますけれども、先ほど申し上げましたように、今日の情勢では早急着手の運びに至らないので、おそらく今年、來年度はそれを續行するわけにはいかぬと考えておる次第であります。しかしながら情勢が變りまして、資材その他の面が潤澤になりましたならば、まず第一にこの線に着手いたしまして、速やかに竣功せしめて、この地方の資源の開發その他、交通の利益に資したいと考えておるのであります。
#51
○秋山政府委員 九・四連絡航路につきまして海運總局の側で考えております事務的な考え方を、若干御説明さしていただきたいと思います。
 交通の要點確保ということは、申すまでもなくきわめて必要なことでありまして、できるだけこれが改善充實のために、われわれも一生懸命努力しておるのでありますが、何分資材その他の面が思うようになりませんので、各方面に御迷惑をかけておることもなしとはしない、かように自覺はいたしておるのでございます。問題になつております四國、九州間の連絡航路でございますが、すでに御案内のこととは思いますけれども、重複を避けまして、若干現状を申し上げてみますと、現在宇和島別府間に關西汽船の航路がございまして、これが一日二往復いたしております。八幡濱・三崎・別府線といたしまして、青木石油が經營しております航路が毎日出帆しております。そのほか宿毛・宇和島・宇和島運輸が三日に一囘航海しておるのであります。この航路のサービスその他につきましては、いろいろと問題がありまして、われわれといたしましても、これが施設の改善その他には極力努力してまいつたのでございます。われわれの見るところによりますと、これは各方面非常な輻湊はいたしておりますけれども、この航路の状況は現在のところ非常にお悪いとも申し上げかねるのであります。實は少しく長い實績を見ましても、今年の一月ごろは大體定員に對して平均八八%程度の状況でございます。二月が七〇%、三月が一二二%、これは少し殖えております。四月が九四%、五月が一〇四%、六月が七七%、七月が七九%、八月が六六%、九月、十月は多少旅客の減少を呈しておるようでありまして、具體的なこの航路の數字は持ち合わせておりませんが、關西汽船全體といたしまして、非常な旅客の減少を見ておるようであります。この三月と五月の一〇〇%を超えておる部分につきましては、いろいろと原品を探究してみたのでございますが、最も致命的でありましたのは、この月の石油の配給が思う通りにまいりません。切符は出してあつたのでございますが、現物化ができませんために、相當缺航があつたようでありまして、この點はまことに遺憾に存じております。しかしその後七月ごろになりまして、石油がかなり缺配であつたということは、公衆の利益にならないことでありますから、四國高松の海運管理部も、當該航路に從事しておる關西汽船も、あるいはその他の會社も、十分協力して石油の遲配による缺航をなくするようにせよということを巖重に申し渡すと同時に、關西汽船では多少航路の配船の入替をいたしまして、從來就航しておりました第二十三宇和島丸、それから攝州丸のほかに、大衆丸というものを、他の航路へ抜きまして、これに充當いたしまして、それからその他に郡山、早鞆といつたような汽船を配して極力缺航のないように努力いたしました結果、遂に完航したいておるのであります。それから九月、十月も同樣な手配を命じてございますので、まず缺航はないものと確信いたしておる次第でございます。それからなお鐵道とこの航路との連帶切符の問題がありまして、非常に不便であるという聲がございましたので、鐵道當局ともいろいろ話しました結果、八月からは國鐵の方でも切符の販賣の制限が緩和されましたので、それに應じまして連絡切符の自由發賣を實施いたしております。それから八幡濱の驛と港との間の連絡、これが約二キロ半ほどございまして、非常に不便でございますが、この點は關西汽船に命じまして、宇和島汽船會社と連絡いたしまして、定期船をまわす、かような措置を講じた次第であります。それからなお今後の改善計畫でございますが、關西汽船としては特別に最近許可をもらいまして――これは全國各地の交通線についてでありますが、二十八隻新造いたしておりますうちに九隻は關西汽船が新造いたしております、しかし豫定よりは資材の關係で遲れておるのは遺憾でありますが、遲くとも本年度いつぱいにはできてくると思います。そうなれば他の航路との配船の調整をいたしまして、一千トン級の船が二隻配船できる豫定になつておりす。かような状態でございまして、この航路は非常に歴史が古うございまして、明治十七年以來民間の會社において營々とこれが改善に努めてまいつた航路でございます。從つてわれわれとしては會社のいたりませんところはできるだけ督亂をいたしますが、今急に民營をやめるということはできも少い酷なような氣持もいたします。鐵道當局ともいろいろと相談をいたしておるような次第でございます。もちろん鐵道が幹線計畫と申しますか、あるいは貨車運用の計畫と申しますか、そういつた方面から一つの貨車航送のようなサービスが必要であるというような立場であると、問題は別であると思いますが、單に旅客線の經營ということでございますとやはり餅屋は餅屋というようなこともございまして、長い間やつておりますものをむげに退れるということも、これは困難ではないかというような見解にあるわけでございます。
#52
○正木委員長 本請願に對して質疑はありませんか。高橋英吉君。
#53
○高橋(英)委員 本問題について運輸省内の海運當局が非常に張り切つて出席せられて、各答辯をせられたことに對しては敬意を表しますが、かんじんの鐵道總局の當面の御責任のある方が御出席になつていないということは、はなはだ遺憾に存じておるのであります。これは出席されてこの難問題について答辯せられること囘避せられるのではないとは思います。そういうふうな卑怯なことはないと思いますから、何か非常に重要な差障りがあつて御出席にならないと思いますので、質問をしまして滿足を得るかどうかわかりませんが、一應質問いたしまして、もし滿足なる御説明ができませんようでしたら、また次の機會にこれを留保して質問させていただきたいと思います。第一に昭和二十二年度の豫算に九州と四國の連絡線の實現に關する費用が計上してあるそうでありますが、それがどのくらいの金額になつておるか、それからその規模とか構想、すなわちどういう連絡の方法をとられるのであるか、それについて説明を承りたいと思います。
#54
○岡田(信)政府委員 九・四連絡に關しまして二十二年度に豫算を計上いたした事實はないのでございます。計畫といたしまして、もしやるとすれば、このくらいというような事、かつどの程度の船が要るということは計畫としてはいたしましたが、具體的なものとして豫算に計上いたしたことはないのであります。
#55
○高橋(英)委員 岡田政府委員としてはつきりそれを言明されますか。それは間違いありませんか。私は現に豫算審議にも立ち會つておりますし、この問題については私の代議士として出ておりますその使命の大部分を占めておるのではないかと思うほどの重要な問題でありますから、從つてしじゆう運輸省内と連絡とつておりますが、伊能長官は今年になつても幾たびか言明されておる。先日も政府委員室においてこの豫算次官と伊能長官との三人の間に談を交換したのでありますが、田中政務次官は豫算の計上がないというふうなことを言われたのに對して、私がそういうことは絶對にない。豫算の計上があるはずなんだと申しましたところが、伊能長官はそれは豫算には計上してあるのですとはつきり言明されて、二十二年度の豫算にはある程度の費用は計上してあるということであつたのです。ところが田中政府次官は、自分の調査によるところの航路を完全にするためには一億圓かかるから、この豫算の計上というふうなものはなかなかできるものではないというふうな説明であつたのでありますけれども、伊能長官は自分の方の計畫としては、それほど厖大な金を必要としない。從つて二十二年度分についてはそれほどの豫算は計上してないけれども、ともかく豫算を計上してあるのだということをはつきり言われておるのであります、それはあなた間違いじやありませんか。そうはつきり言い切ることができますか。
#56
○岡田(信)政府委員 五箇年計畫等には計上をいたしてあつたのでございますが、昭和二十二年度の豫算には計上をいたしてございません。私は當面の責任者ではございませんけれども鐵道總局の同じ局長といたしましてはつきり申し上げます。
#57
○高橋(英)委員 伊能長官がはつきり計上してあると言つたのですが、そうはつきり言明されてもいいのですか。それの責任をおとりになりますか。大事な委員會において……。伊能長官が二枚舌を――虚偽の事實を説明されたとも思えませんし、田中次官に對してすらもさようにはつきり言明されておるのですから、これはあなたがこの問題にどのくらい深い關係をもたれておるかもしれないけれども、先ほど私が申し上げたごとく、私とこの問題については實に重大な關係があります。私はこの問題の推移については、おそらく運輸省の大多數人のよりも深い知識をもつておると思うのですがどうですか。それをはつきり言えるのでありますか。それとも伊能長官がそういうことを言つておるとすれば、一應調査されて御答辯を他の機會に讓るというふうなお考えにはなりませんかどうですか。
#58
○正木委員長 委員長から高橋君に御相談申し上げますが、擔當局長の伊能君も出席されないのでありますから、この件に對しては海運總局を除いたほかは、伊能長官の出席の後にあなたの質問をする。また政府からの答辯も留保する。こういうことにして議事を進めたいと思いますが、いかがですか。
#59
○高橋(英)委員 それではそういうふうにしていただきましよう。
#60
○正木委員長 他に質疑がございますか。――今お聽きの通りです。海運總局からは局長の秋山政府委員が來ておられますから、質疑があるならばそれにしていただいて、他は伊能長官が出席されてから質問をしてもらいたいと思います。伊能長官はその筋との關係で向こに呼ばれておるので、出席できないそうです。
#61
○岡田(信)政府委員 高橋さんにもう一遍申し上げたいのであります。二十二年度に上つておらないことは確かでありますが、ただおそらく伊能長官はほかの一般の豫算、先ほどお話がございましたように、復興その他あいた施設の船をまわせば、新たに項目をあげなくてもやり得るという見解のもとに、言われたのだと想像いたすのであります。
    ―――――――――――――
#62
○正木委員長 この際お諮りいたしますが、本請願に關連して九州、四國間の國營連絡航路の實地調査の必要のため、本委員會より委員を派遣したいという意見がありますが、委員長一任に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○正木委員長 衆議院規則第五十五條により、委員派遣承認を議長に求めることになりますが、派遣の目的は九州、四國間に國營連絡航路開設の請願審査に關して、實地調査の必要のためであります。派遣委員の指名も委員長に御一任願えますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○正木委員長 では委員長より御指名申し上げます。
   井谷 正吉君  堀川 恭平君
   前田  郁君
 以上であります。派遣の期日は一週間、派遣地名は愛媛縣八幡濱市、宇和島市及び附近町村、大分縣大分市、別府市とすることに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○正木委員長 ではこれにて委員派遣承諾申請の件は決定いたしました。
    ―――――――――――――
#66
○正木委員長 では續いて日程二八、文書表番號一一九號、古江、佐多間、大根占、田代間及び鹿屋、大根占間に國營自動車運輸開始の請願、前田郁君紹介、日程第二九、岩川、古江間國營バス運輸開始の請願、古江間國營バス運輸開始の請願、文書表番號第一四五號、日程三〇、鹿屋、岸良間國營バス運輸開始の請願、前田郁君紹介、文書表番號第一四七號を一括議題といたします。紹介議員前田郁君の説明を求めます。
#67
○前田(郁)議員 この請願を御説明申し上げます前に、日本の最南端ございます九州の鐵道豫定線の地圖をごらんを願いたいと思います。古江という所から川北附近、ここは鐵道豫定線になつておる所であります。それから國營自動車の線でありますが、鹿兒島の右側の大隅の所をごらん願います。鹿兒島は薩摩、大隅にわかれておりますが、この際は各線とも大隅を貫通する線でございます。このうち古江、佐多、大根占、田代及び鹿屋、大根占の間の國營自動車となつておりますが、ここは鐵道豫定線になつておりまして將來鐵道を敷いていただかなければならぬ地點になつております。それから鹿屋でございますが、鹿屋は戰爭中皆さん御承知の通り、日本の最南端の基地といたしまして、日本一の大きな航空基地でございました。そこを中心として走つている路線でありまするが、私どもはこの大隅の線に對しましては、昭和十六年以來熱心な懇願を續けてまいつておるのであります。御承知の通りこの大隅という所は非常な寶庫でございまして、九州のうちでも一番物資に恵まれた所であります。その面積は香川縣一縣よりも大きいのであります。そうして人口も五十萬以上でありまして、土地の廣いこと、田地の多いこと、それから南には千古斧鉞を入れずという大森林がございまして、木材とか、木炭は非常に多いのであります。しようのうのごときは、日本のほとんど八%を占めておるという産地であります。それから牛馬とか豚とか、そういうものも非常に多いのでございまして、皆樣がよく言われるところの神戸牛と言いますか、あの神戸牛というものはほとんどこの大隅で生れたところの牛がつぶされておるのであります。それから熱帶地特有の植物が多いのでございまして、藥草なども非常に栽培されておるというわけであります。ただいま政府におきましては、この大隅開發を日本の國土計畫の一つといたしまして、大きく取上げているような次第であります。なお鹿兒島縣におきましても、こういうような大きな大隅、熊毛總合開發計畫という白書を出しまして、縣廳の中に一課をば置きまして、縣民の總意によつて大隅、熊毛の總合開發をいたしまして、わが國の國土開發の一助にしたいといつて、非常な努力をしておるような次第であります。しかるにこの大隅地方は、由來大きな政治家がいなかつたという點もございまして、薩摩の方に比べますと、すべての方面におきまして開發が遲れておるのであります。そのために鐵道もわずかに大隅の方は、ごらんの通り志布志から古江まで行つておるというわけでありまして、ほかには省營バスが古江から隼人まで通じておりますが、これも中間で道路が壞れてほとんど通えない。鹿兒島市に行くにも鐵道を利用することはほとんどできない。これを都城の方にまわりますと、一日がかりで行かなければならない。こういうわけで、非常に不便な土地になつておるわけであります。そうして今日、木炭のごときは年々七、八萬俵の滞貨をば見ておるというわけでありまして、まことに燃料不足の今日において、私どもはもつたいないことであると考えておるような次第であります。なおこの圖面で岸良となつておりますが、この内之浦は九州一の漁場と言われるような所でありまして、ここでとれた水産物を大阪方面にどしどし送つておるような状態でありまして、とにかくこの九州におけるところ未開發の寶庫というようなことになつております。ただいま北海道を非常に開發問題として國家が取上げてやつておりますが、北海道の方は、冬になりますると雪のためにいろいろなことができませんが、ここは非常に山水の利に惠まれまして、一年中いろいろなことができますので、ただいま入植する人も非常に多いというようなわけでございます。なお最近國土計畫の一端としてダムをこしらえまして、そうして一萬町歩の水田もつくろうということをば政府で計畫をいたしておるというような次第でありまして、とにかく政府各方面において、大隅開發ということは認められているわけであります。ところがここの交通状態は非常に不便でございまして、鹿屋から大根占を通りまして佐多まで行く樣でございますが、以前には一日に五、六囘行つておつたのであります。それがただいまは大根占と鹿屋だけが三囘通りまして、ほかは一往復しかないというような状態でありまして、ここの住民はほとんど毎日、中心地であるところの地方事務所のある鹿屋あるいは鹿兒島というような所にも行かれないというような状態になつておるのであります。そうしてその運ぶところの車といいますると、今は三州バスでやつておりますが、ほとんど車の體をなしませんで、ガラスなんか一枚もはいつておりません。そうしてガタガタで壞れたり、また一往復でございますから、ほとんど大根を詰めこむようなふうにやりまして、人道の問題からいつても、ほとんど忍ぶことができないような状態にまでこの問題が進んでおるのであります。それで實は今年の四月にもこの大隅地方の方々が陳情に參りましたが、そのときは、八十有餘になるところの先輩が、實に大隅の交通地獄の状態を見るに忍びぬから、たとえ死んでもよいから私を上京されてくれと言つて上京して、運輸省において陳情されましたが、そのとき列席の人が皆もらい泣きしたというぐらい、非常な交通地獄にあるのであります。それでこの計畫は運輸買の方でも御同情くださいまして、すでに二十二年度の計畫にはいつていたそうであります。ところがちようど山野線というのが薩摩の方にございまして、その線をやるために、この線は遂に二十二年度に實行を見ることができなかつたのでありまして、私どもはまことに遺憾に考えておるのであります。それで先般來大臣に對しまして、省營自動車をばどういう目標をもつてあなた方はおやりになるつもりかと聽きましたところが、とにかく鐵道の先行線であるとか、開發線であるとかいうものは、どうしてもわれわれはやるつもりであるということをば運輸大臣も答辯されたのでありますが、これは鐵道の豫定線の先行線であるとか、あるいは開發線と大臣の言われその趣旨にまつたく合致した線でございまして、まず日本にたくさんの線がございますが、そのうちでも最も力を入れてもらわなければならぬ線ではないかと考えておるような次第であります。そこで運輸省の方でも、業界の民間の方が――現在の營業者がこれに反對するとぐあいが悪いというようなお話でございまして、大隅の有力家の方々が三州自動車の重役とたびたび會見されました結果、遂に會社側も民間の輿論に對しまして十分にこれを納得いたしまして、そうして先般は重役會議にもかけてこれをば認めるというところまでなつており、いわゆる民間業者の方の了解も十分につきまして、近く文書をもつて運輸省の方にも會社側から提出するというところまで行つておりまして、まつたく民間側との軋轢もこれで解消いたしたわけでございますから、どうかこの線は日本の最南端にあり、しかも日本の寶庫を開くためにどうしても交通機關が先行しなければならぬわけでございます。そういう意味からいたしましても、ぜひとも委員各位の御同情と御了解を得まして、御採擇の上、一日も早くこの線が實現されるようにお願いいたしたいと考えるのであります。なおこれは門司鐵道局におきましても、二十二年度にこの線をやらなかつたことは本省のミスだということを、門司鐵道局の有力な方も言つておられるくらいでございますから、どうかこの惠まれない大隅のために、皆樣の御同情をお願いいたしたいと考える次第であります。
#68
○正木委員長 本請願に對する政府側の意見を聽取いたします。川村説明員。
#69
○川村説明員 ただいま詳細にお話がありましたところの現在の營業自動車の現状と、私どもの調べましたところを簡單にお答え申し上げます。まずバスでございますが、バスの業者は三州自動車株式會社、代表者は池田亭、資本金は四十九萬圓、保有車輌は三十二輌、實動車輌が三十輌、免許路線は六百四十四キロ、現在の運行路線は三百七十一キロになつております。現在の運行囘數は、鹿屋・内之浦間、四十六キロ三分、一往復、大根占、佐多間、二十四キロ、一往復、大根占、田代間、十キロ、一往復、鹿屋・大根占間、二百三十三キロ、一往復、鹿屋・古江間、十キロ、一往復となつておりまして、運賃はそれぞれキロ當り八十五錢になつております。次に貨物自動車の點でありますが、事業種別は區域事業になつておりまして、營業範圍は縣下一圓になております。業者の名前は鹿屋貨物自動車株式會社、代表者上松營吉、資本金四十八萬六千圓、保有車輌、普通四十五輌、實動車輌二十九輌になつております。鐵道の未成線との關係は、高須、川北附近の鐵道線に該當しておるものがありますが、そのほかは豫定線に該當しておりません。地方鐵道軌道との關係もございません。ただいまお話がありましたように、本路線については第九十議會において請願が採擇されておりますので、門司の鐵道局において、調査いたしたのでありますが、お話のように非常に該當路線としての重要性をもつておりまして、一應實現をはかるべく計畫いたしたのでありますけれども、わが國の目下の情勢から豫算、資材において極端に制限を受けており、本年度はもちろん、來年度においても急速に全路線の實現をはかることは非常に困難だろうと思いますが、豫算、資材の許す限度内において部分的にでも實現をはかり、御要望に副いたいと考えます。
#70
○前田(郁)委員 ただいま川村部長からお話を承りまことに感謝いたす次第であります。これだけの路線を一遍にやつていただくことはなかなか今日の財政上困難なこととも考えますが、なるべく財政の許す限りにおいて、少しでもよけいにやつていただくように地元住民を代表してさらにお願い申し上げる次第でございます。
#71
○正木委員長 他に質疑はございませんか。――なければ他の請願につきまして、紹介議員がお見えになつておりませんので、後日に延期いたします。
    ―――――――――――――
#72
○正木委員長 この機會に前田委員から東京、鹿兒島円急行列車連絡の件について、質問を要求されておりますので、許します。前田郁君。
#73
○前田(郁)委員 戰爭前に東京から鹿兒島まで直通の急行列車が出ており、私どもも非常に利便を感じていたわけであります。ところが戰爭中にいつの間にかこれが發止となり、しまいには急行もほとんどないという状態でございましたが、最近ようやく東京、門司間、門司、鹿兒島間の急行が出ている次第であります。ところが最近鹿兒島の縣會、鹿兒島市會竝びに熊本あるいは長崎の縣會、あるいは市會から陳情が參りまして、どうしても東京から鹿兒島までの急行を連結してもらいたいという陳情であります。なお最近鹿兒島の方から、ぜひとも一日も早くこれをやつていただきたいと、やかましく言つてきているわけであります。また門司で連結いたしますが、門司驛へ急行が著きますと、旅客を全部驛前に出して一時間、一時間半もまた驛の外に竝ばせて急行に乗せるという状態で、それもただちにプラツトホームからすぐ鹿兒島行の列車に乗せるというのならまだよいのです。今日は旅行に米とかその他旅行用の品物を背負つていかなければならない。そういう人が雨の降るときに門司で降ろされて、また驛外から鹿兒島行に乗るということは非常に困ることであります。どういうわけでああいうことをやつているのか、この際お聽きしたいと思います。それでむしろああいうことをしないで、特急で東京から直行で行けるということになりますれば、非常にいいわけでございまするが、もしどうしてもこの際まだできぬということでございますならば、あの驛のやり方をば、もう少し改善してもらうことはできないか。こういうことも實は考えているような次第でございまするが、第一にはひとつ東京から鹿兒島までの直行をやつていただきたい。こういうことをお願いいたしたいのであります。どうかひとつこれに對する政府側の同情のある御返答をお願いしたいと思います。
#74
○石井説明員 戰前鹿兒島まで通つておりました急行が通らなくなつたために、九州の、殊に南九州の方々にたいへん御迷惑をおかけしていることと存ずるのでございます。御承知のように、ただいまでは東海道、山陽線には急行が二往復、九州の鹿兒島本線には一往復を辛うじて動かしておりまする状態でございます。東海道、山陽線の急行が門司で止まつておりまするのは、客車の事情等もございますので、何とかしてこれを博多まで、あるいはもつと先まで延ばしたい、かように考えておりますが、客車の事情あるいは旅客列車等、全體の上から申しまして、今日の配炭その他から見て思うようにまいらないのでございます。しかしながら山陽線の急行が門司止りとなりますことは、九州地方の方々に非常な御迷惑をおかけしていることは十分承知しておりますので、特に東海道、山陽の急行のうち、ごくわずかな車輌だけは、進駐軍軍用列車の餘裕を利用して、博多までは直通が通つておるというようにやつておるのでございます。しかしこれも進駐軍の專用列車が博多までしか參つておりせん關係上、それもごく少數の車輌しかできない。かようなわけでございまするので、ただいまのような御要望に十分副い得ないことを殘念に思つておるわけであります。しかしこれを鹿兒島まで直通いたしますことは、先ほど申し上げましたように、現在の急行の本數から見ましても、客車の運用から見ましても、また旅客列車等から見ましても相當困難な問題だろうと思うのであります。九州線内の急行は、やはり九州地内の相互間の旅客の便宜のためにも十分考慮しなければならないというようなこともあるかと思いますが、直通列車をそのまま延ばすというわけにも技術的にはまいらない點も相當ございますし、途中驛の作業等につきましても困難な點があるように思つておるのでございます。しかしながら、ただいま御指摘のありましたような門司驛におきます取扱いなどにつきましては、できるだけさような御不便のないようにいたすのが至當ではないかと私どもも考えるのでございまして、はなはだ迂濶でございまするが、御指摘の點はよく現地に確かめまして、改善すべきものは改善して、直通の旅客の方々の御便宜に少しでも資するようにいたしたい、かように考える次第でございます。
#75
○前田(郁)委員 大體わかりましたが、そうしますと結局客車が足らぬということとか、何か技術的の關係でできぬのでございますか、私どもよく聽かれるのでございますが、そこをもう少しわかるように御説明願えないでしようか。
#76
○石井(説)明員 ただいまの御質問にお答えいたしますが、ただいまの許されておりまする列車の本數でもつてこれをつなぐといたしますと、ただいまより以上のたくさんの客車を必要とするわけでございまして、現在の客車保有状況から見ますれば、最も困難なことじやないかと思います。
#77
○正木委員長 それでは本日はこの程度にして散會したいと思いますがいかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○正木委員長 それでは他の請願は後日に延期いたしまして、本日はこれにて散會いたします。
   午後三時三十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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