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1947/08/06 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第4号
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1947/08/06 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第4号

#1
第001回国会 電気委員会 第4号
昭和二十二年八月六日(水曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 前田榮之助君
   理事 櫻内 義雄君 理事 村上  勇君
      石野 久男君    境  一雄君
      成瀬喜五郎君    本藤 恒松君
      栗田 英男君    小平 久雄君
      石山 賢吉君    大内 一郎君
      加藤隆太郎君    夏堀源三郎君
      本田 英作君    秋田 大助君
      川越  博君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
 出席政府委員
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        商工事務官   古池 信三君
    ―――――――――――――
八月二十六日
 都於郡村に電燈線架設の請願(川野芳滿君紹
 介)(第三八号)
 内川尾袋川普通水利組合使用電力料金輕減の請
 願(庄司一郎君紹介)(第一号)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 電力電給及び石炭行政に關する件
    ―――――――――――――
#2
○前田委員長 ただいまより會議を開きます。
 ちよつと諸君に申し上げますが、都合によりまして大臣は午前十一時ごろ見えられる豫定ですから、あらかじめ御了承を願います。
 發言の通告がございます。これを許します。本藤恒松君。
#3
○本藤委員 私の本日質問したいのは、大藏大臣竝びに商工大臣に特に聽きたいのでありますから、いづれ大臣の見えたときにまたいたしますが、その前に電力開發の問題についてお聽きしたいのであります。むろん日本の再建または文化の發展というものは電力にまたなければならぬものでありますが、電源開發に對しましてはいくつかの問題があります。私が今お尋ねしたいのは、電源開發にはむろん資材、資金が要るのでありますが、これをどうするかという問題が大體の根本であります。現在電力局において考えられていることやら、また日本發送電會社として計畫されているものを察するに、資材が要らなくて電源が多くでき得る、それを目標として電源開發をされているように私は思うのであります。これを積極的にやろうとすれば、たまたまポツダム宣言に違反の行為が生じはしないかと私は思うのであります。ゆえに私といたしましては、電源開發は最近東北に起きている水害を豫防する砂防事業として、また食糧問題を解決するために、なおまた灌漑用水、農業用水に必要なためにダムをつくる。そのダムをもつて水力を起す。一言にして言うならば、資金といたしましてはかりに内務省の國土計畫から一部を出すとか、農林省から食糧の増産のために資金を出す。そうしてなお電力會社がそれに資金を出して電力の開發をする。こういうような面でいくならば、電力の開發はいくらしても決してポツダム宣言に違反するような電源開發にはならぬと思うのであります。なおまたこの電源開發については、資金、資材は米國なり諸外國に將來負わなければならぬと思いますから、これらの點については後に大藏大臣、商工大臣に伺いたいと思いますが、さしあたり今日計畫している電源開發の行き方では、とうてい電源開發はできないと思う。そこでそういう日本の食糧問題とか最近の水害豫防問題を含めてダム式な電源開發をしなければならぬと思うのでありますが、こういう點について政府はどう考えておられるのでありますか。
#4
○古池政府委員 ただいまお尋ねになりました點は、われわれもまつたく同様に考えているのであります。發電水力の開發ということは、今後の日本が平和的なまた文化的な國としての世界仲間入りをして、その筋に沿つて發展していくためには、どうしても今後ますますやらなければならぬと考えているのであります。しかしながら現在におきましては、仰せの通り、資金の點、資材の點において非常にむつかしい隘路がございますのみならず現下の情勢といたしましては、まだ占領下にあるわが國として、國際關係の非常に微妙な點も考慮に入れなければならぬと考えております。ただいまお話のありましたように、發電のみが目的ではなく、むしろ灌漑用水とか、洪水の防止とかいうような意味を含めました河水統制計畫としてダムをつくる。さらにそのダムを利用して發電をするというようなことは、今後十分に考えていかなければならぬと存じております。これらの點につきましては私どもも關係の官廳であります内務省、農林省、あるいは經濟安定本部等と密接なる關係を維持いたしまして、具體的にいろいろ檢討をいたしましているような次第でございます。
#5
○本藤委員 それでは大臣が見えたとき、また質問いたします。
#6
○前田委員長 栗田英男君。
#7
○栗田委員 今後の北海道開發について、どういう企業形態でいくのが一番よいか。これにはいろいろ案もあると思いますが、これに對する考え方を伺いたいと思います。
#8
○古池政府委員 ただいまお尋ねの點はまことに重大なる問題でありまして、ここで私が簡單にお答え申すことは非常に困難と存ずるのであります。現在は御承知のごとく計畫は國が立てまして、その命令に基いて大體大きな地點については日本發送電株式會社がもつぱら開發に當る機構になつております。日本發送電株式會社は國の代行機關というような意味合いから、その建設をもつぱらいたすのでありますけれども、企業形態としては一株式會社でありますから、その點において國から特別なる金融關係、資金關係の援助というものは現在はないのであります。今後の建設につきましては、資材もさることながら、資金の面において非常に從來に比べてむつかしい事情があると考えます。さような意味合いからいたしまして、今後大規模なる開發をなすといたしましたならばしかもそれが發電のみではなく、洪水の防止であるとか、灌漑その他の利水方面と非常に密接なる關係をもつた地點の開發ということになりますれば、一會社でありますところの發送電會社にすべてを負擔させて開發せしめるということがいいか、悪いかということは、よほど檢討を要する問題があろうと考えます。ある場合においては國の負擔におきまして、國の責任において開發をすることも當然檢討してよろしい問題ではないかというふうに考えるのでありますが、しからばいかなる規模において、いかなる方式において國が行うのが最も適當であるかどうかという具體的な問題になりますと、今いろいろ檢討は進めておりますけれども、ここに結論として申し上げるまでには至つていないのでございます。
#9
○栗田委員 そうすると今後開發する上において現状のままでは商工省が起案をして日發に命ずるという以外に腹案はないのでございますか。
#10
○古池政府委員 ただいま申し上げました通り、今まで通りのやり方では、將來はそろそろ困難を増してくるのではないかと豫想されるのであります。從つて現在のままではなく、これに何らかの變更を加える必要があるようにも考えられますので、目下その方法について檢討を加えている、この問題は非常に重大な問題でありまして、單にわれわれ事務當局の研究している結果ばかりではどうにもなるまいと考えます。これは大きな政治力をもつてきめていただくべき時がくるのではないかというような氣がするのであります。以上お答えいたしておきます。
#11
○前田委員長 村上勇君
#12
○村上(勇)委員 敗戰後の石炭不足と、火力發電所が賠償になるとかいうようなことによりまして、今後日本における動力は水力電氣の最高度活用以外、途はないのじやないかと私ども思つております。從いまして政府は鐵道その他の陸上における動力を水力電氣に切りかえるお考えがありますかどうか、お伺いしたいのであります。
#13
○古池政府委員 鐵道電化の問題につきまして權威のある專門的な立場からの計畫は、運輸省の責任者の答辯を必要とするかと存じますが、日本の電力全體を所管しております私どもの立場から申しますならば、將來は全部とはいえませんにしても、重要なる幹線は少くとも急速に電化することが適當であるというふうに考えておるような次第であります。
#14
○村上(勇)委員 私どももこの限りある石炭を掘り盡して、これを陸上動力に充てるということは、まことに國家のためにどうかと思うのであります。從いまして、今日の場合はもちろん石炭が花形となつていかなければ、水力電氣をつくるにいたしましても、セメントその他の資材は石炭によつて求められるのでありますから、これはやむを得ないのでありますが、できる限り速やかに貯水池、あるいは電源の開發に邁進していただきたいと思うのであります。なお當面のいわゆる今明年の渇水期その他における電力危機を、政府はいかなる方法によつて突破するお考えであるか、これをお伺いしたいのであります。
#15
○古池政府委員 お説のごとく限りある石炭を年々掘りまして、その多くの部分を動力源として消費してしまうということは、まことにわれわれとしても惜しい氣がいたすのでありまして、原料としてどうしてもやむを得ない方面にはあくまで石炭をまわさなければならぬのでありますけれども、電氣をもつてかえられる方面については、將來でき得るかぎり水力電氣を充當するのが適切であると考えております。殊に日本のごとく地形及び氣象から言いまして、水力電源には領土の狹い割合に惠まれておるのでございます。そうして水力の發電設備は一度工事を行つて設備しますならば、あとは水が循環的に流れまして、ただちにエネルギーを發生するのでありますから、將來のわが國復興のためには、最も有望なる大事な資源であると考えております。從つて私どもの希望といたしましては、將來でき得る限りその開發には全力を傾倒すべきであると思うのでございます。さらに今明年の電力危機をいかにして突破するかというお尋ねでございますが、この電力の需給の不均衡を打閉する方法としましては、一方において供給力を増加するとともに、一方において需用を合理的にでき得る限り抑制するという二方面があると考えます。供給力の増加につきましては、水力電氣の増加は短期間にはできないのでありますから、その間においては、でき得る限り短期間に効果をあげるような方法、すなわち水路の補修でありますとか、あるいは堰堤のかさ上げ工事であるますとか、あるいは溪流を取入れる工事でありますとか、比較的短期間に効果のあがるような方法をもつていたしたいと存じます。火力の發電力増強は水力に比べれば時間は比較的短かくて可能なのでございますから、これについては戰災を受けました設備の復興、あるいは戰爭中いたんでおります設備を急速に補修することに努力を注ぎたいと考えます。その他送變電施設にしましても、極力復舊、補修を進まして、この一兩年の間の供給力増加は、主として手取り早い方法によりたいと考えておるのでございます。一面需用の方面から申しますると、先般も御説明申し上げましたように、年間の需用電力量は急速に戰後囘復してまいりまして、從來最も多く消費いたました年度にほとんど近づきつつあるのであります。しかもなお産業用の電力が不足いたしまして、産業の復興にわからぬ支障を與えておるということは、その原因としては、家庭及び工場内における電熱の使用が急速に増加してまいつたということにあるのであります。そこで今後この限られた電力をできる得る限り産業の復興に向けることにいたしまして、單なる消費財として消費されてしまわれる家庭、工場等の電熱用等の電力は、でき得る限り抑制をしたいと思うのであります。しかしながら現在の都會地における家庭生活の實情から申しますれば、電熱の使用を全然禁遏いたしますならば、その日その日の日常生活に非常な不便を來すのであります。そこで何とか打開策を講ぜねばならぬと考えまして、先般來經濟安定本部及び農林省と協議をいたして、家庭の總合燃料對策を樹立いたしつつあります。これによつてでき得る限り木炭及び薪を供出し、配給してもらいまして、それでもなおかつて足りない部分は、やむを得ざる措置としてある程度電熱を認める、それ以上はこれを抑えて、そうして浮いてきます部分は平和的な産業の復興方面に向けていく。こういう對策をとりたいと考えておるのであります。
#16
○村上(勇)委員 火力發電所の修復は容易であるということはまことに結構でありますが、火力發電所で電力を起すということは、石炭燃料によらなければならないのであります。しかもそれは良質の石炭でなければいけないのでありまして、これをできる限り火力によらずして、水力電氣によつて補うということが最も急務でないかと思うのであります。聞くところによると、日本發送電の五箇年計畫案ができておるそうでありますが、その初年度、すなわち約九萬キロの戰時中中止になつた發電所及び老朽發電所の修復工事をやつておるそうであります。これを本年度内に、すなわち來年の渇水期までに九萬キロあるいは十萬キロのものが間に合うとしますれば、常時に火力でこれを代用すると一年間約七十萬トンも八十萬トンも石炭を消費するのでありますから、この修復工事に力を入れて、何でもかんでも本年度内にこれを修復するという政府に強い御意見がありますかどうか、この點をお伺いしたいのであります。
#17
○古池政府委員 先ほど申し上げました言葉が足りなくてあるいは誤解を招いたかとも存じますが、私の申し上げたのもこの一兩年火力にのみ重點をおくという意味ではありませんので、もちろん火力の補修復舊に萬全の努力をいたしたいと考えております。ただ水力の新しい開發、新しい擴充ということは少くとも四、五年は要するのでありますから、まずそれよりも復舊補修に力を注ぎたいということを申し上げたのであります。なお火力につきましては現在相當ひどく疲れており、また戰災をこうむつておるのであります。殊に西日本、九州方面におきましては、水力だけでは決して賄えませんので、極力火力を復舊いたしまして、石炭のある限りは必ず消化し得るという態勢を整えたい、かように考えておる次第であります。それに今お言葉のありましたように、最近の石炭は非常に炭質が悪くなつております。量的にも少いところへもつてきて、炭質が低下しておりますので、その能率の低下はまた一倍なものがあるのでありますが、これにつきましても、できる限り適正なる品質の炭を入手するために努力をいたしておるような次第であります。
#18
○村上(勇)委員 もちろん九州方面におきましては水力では間に合いませんから、火力發電所を一刻も速やかに復舊せられんことをお願いしたい。この點に付きましては充分政府としても善處せられんことをお願いするのであります。なお修復工事、いわゆる水力電氣の増電計畫に對する私の視察その他によりますと、今日の修復工事に携つておる勞務者の食糧問題があります。この食糧問題につきましては、特に當局者の御一考を煩わしたいところでありますが、今日石炭勞働者は一日に六合の配給を受けており、なおその家族は三合配給をもらつておる。しかるに石炭勞働と何ら變らないのみか、むしろそれ以上の重勞働をしております修復工事の從業者は、わずかに二合五勺に加配米が一合、三合五勺でありますが、遲配缺配等によりましてそれさえも思うようにいかない。そのために非常に稼働率が減少している。能率が低下している。稼働率のごときははなはだしいところは三〇%あるいは五〇%というような状態であります。こういう状態では、日發の計畫あるいは政府當局の御豫定でありますところの本年度九萬キロとか、十萬キロというようなものは、とうてい私は困難ではないかと思う。しかしながら今ここでその食糧を少くとも石炭労務者と同等に、――わずか一萬五千か二萬人の從業者でありますから、これに對して石炭勞務者と同等に取扱いをしてやることはできないかということをお伺いしたいのであります。もちろん獨り者が多いのでありますから、家族の三合配給なんかは私は必要ないと思います。せめてその重勞働に從事しておりまする本人だけでも六合配給にしてやつたら、必ず本年度中に私は完成すると思いますが、御當局のお考えはいかがありますか。
#19
○古池政府委員 補修に從事されておりまする人に、できる限り加配米を配給するということは、まことに望ましいことではありまするが、現下のこの最も逼迫している食糧事情のもとにおいて、その問題は非常にむずかしいことと考えるのであります。ただ先般も私ども非常にこの點について心配いたしまして、そのうちで最も困つておりまする九州、また山口縣の火力發電所を補修する從業員に對しましては、いろいろな交渉を重ねました結果、ようやくにして一人あたり二合の加配米を配給することができるようになつたのであります。なお遲配分はこの分に限つてはいろいろな手段で囘復をいたしまして、また政府の直配制度の中にも入れてもらうように交渉をいたしたような次第でありまして、現在の食糧情勢から見ますると、それ以上にこの加配米の幅を擴げるということは、まことに至難のことのように考えておる次第であります。
#20
○前田委員長 大藏政務次官がおいでになつたので、本藤君に發言を許します。本藤君。
#21
○本藤委員 私のお尋ねしたいのは財政の問題であります。電源開發は日本の再建の、また日本文化のほんとうの基礎であるということは、これは言をまたないのであるが、これをする方法といたしまして、第一に戰爭前に日本の電氣會社が借りておつたところの外債の處理の問題をどうするか。この處理の問題は、外國の民間に對し、または米國に對する信用を高め、將來日本の電力の開發にいたしましても、貿易のいわゆる伸張にいたしましても、最も重大な問題であります。このためにちよつとお尋ねしたいのでありますが、二十一年一月ごろマツカーサー司令部からこの問題に對して照會があつたように聞いておるのでありますが、政府はどういうように取扱われたか。なおまた帝國銀行、興業銀行、三井信託これらの三團體から政府に二十二年二月六日附をもつて請願晝であるか、意見晝であるか、提出されておるようであるが、これに對して政府はどういうように處理されたか。なほまた米國の以前これに關係のあることろのギヤラテイー・トラスト、コンパニー、この向うの相手方の方から二十二年一月發送されて、およそ三月その請求が到著しておるようでありますが、これらに對しても政府はどういうように考えておられるか。大藏當局もやはりこれに關連いたしまするから、どうか大藏當局から御説明願います。
#22
○小坂政府委員 本藤さんの御質問にお答えをいたします。電力の開發が今後の日本の復興にまことに不可敏の關連をもつことは御指摘の通りであります。今後新日本の平和的な再建に關連いたしまして、政府といたしましては、電源の開發ということを一つの大きな題目に考えておるわけであります。それに關しましてただいま御指摘の舊電力外債のことでございまするが、大藏當局といたしましては、主務官廳でございまする商工當局といろいろ連絡いたして、これが處理に當つておるわけであります。ただいま御指摘の點はちよつと私もはつきり記憶いたさないのでありますが、當局といたしまして今までとりました處置は、昭和十八年の九月に全部舊電力外債を國債に切りかえました。その金額は七千九百餘萬圓ほどであります。ただいまのところそのように國債に切りかえて處理しておるというような状況であります。なお今後の外國投資の對象として電源開發をいかに考えるか。こういう御質問でありましたが、われわれといたしましては、未だ日本の經濟というものがいわゆる封鎖經濟の域を脱しておりませんので、近く貿易も部分的に八月十五日を期して再開の緒につくようになつておりますが、その機を善用いたしまして、いろいろと世界の中の日本に復歸いたしまする際に、この問題を取上げていきたい。かように考えております。
#23
○本藤委員 今政務次官の言われておることは、私の申し上げたこととちよつと違つております。電力開發に御共鳴の御説明はよくわかりましたが、第一、資金資材が今後重大な問題であります。外國から外債で、金を借りて電力開發をしたが、十三年に電力法案の改正によつて日本發送電株式會社になり、九つの配電會社になつたのであります。しかし外債はそのままで來ておつたのであるが、昭和十八年に外貨處理法によつて政府は一方的にこれを切り捨てたような感があるのであります。しかし戰爭に勝つたときには、これでよいかしれないが、敗戰した今日、要するに日本が一方的に外貨處理法によつてただ處分するということは、斷じてこれは米國政府におきましても、また米國の民間團體においても承知できないと思うのであります。その當時政府に切りかえてあるのだから、政府がりつぱにこれに對して支拂うべきであつて、その支拂方法に對する意見として私はいろいろな點をお聽きしたのでありまして、どういうようにして支拂をなさるか、またこれをどういうふうに處理されるか、こういう點を私はお聽きしたいのであります。
#24
○小坂政府委員 ただいま御説明申し上げました通り、外債を國債に切りかえまして現在保有しておるわけであります。これは國家といたしましての債權國に對する債務であります。この問題はいずれは解決いたさなければならない問題でありまするが、ただいまは御承知のように日本の國の状態が、こういつた封鎖的な状態でございますので、いずれ國際經濟に復歸いたしまする際には、日本の對外的にもついろいろな條件が順次確定されてまいります、そのときには國内の通貨と外國の通貨との比率も決定されるのであります。その決定と相まつて逐次これを處理していくという方針であります。
#25
○前田委員長 本藤君に申し上げます。商工大臣がお見えになつたから商工大臣への質問を願います。
#26
○本藤委員 商工大臣に質問いたします。私のお尋ねしたい點は、要するに今まで民間同士の借金であつたが、十八年に外貨處理法によつて政府に肩替りしたというけれども、擔保はやはりその發電所が擔保になつており、民間團體にやはりこれに對する責任があるのであります。しかしこれをただ政府がある時期、かりに講和條約のときにこれを處理するというようななまぬるい行き方であつては、國民のこれから盛り上る意氣にも關しますし、また日本の國家の信用、貿易に對しましても、あらゆる産業に對しましても、その信用というものは非常に落ちるのであります。私は講和條約であるとか、その時期ということをまたずして、向うでもこれに對しては請求をしているのでありますから、これに對してもうずんずんと進行していただいて、速やかに解決の途をつけることが、日本の電力の開發になり、また日本の貿易の發展の基礎になる、これが大きな日本の問題であると思う。日本が外國からこれだけの信用を得て金を借りたということは、またこれを利用して日本再建の途とするならば、日本の新らしい經濟の途が生れてくるのであります。これをもつて日本の國の信用をいかに高めるか、また國民の信用をいかに高めるかということに對して、國がただ時期の來るのをまつて解決するというようなことでは日本の再建はできぬと思うのであります。よくこの點は大藏大臣なり商工大臣がはつきりと方針を定めて、進んでいただきたいのでありますが、どうかそれに對する説明を願いたいのであります。
#27
○小坂政府委員 ただいまの御質問中に、これが擔保になつているというお話でございましたが、これは國債に切りかえますときに一應擔保を解除いたしたのであります。しかしながら、いずれにいたしましても、またこれを擔保としてとるということを言われました場合には、そういうふうにならざるを得ないかと思うのであります。さらに、今ただちにこちらから積極的に進んでこの問題を處理するという旗をあげるべきではないかという御意見は、まことに結構と拜聽するのでありますが、御承知のように現在は日本の通貨と外國の通貨との間には一定の為替相場が確定いたしておらないのであります。私の申し上げまする意味は、事實の問題といたしまして、為替相場の確定をまたなければ、この問題は處理できないというような考え方ができるということを申し上げているわけであります。さよう御了承願います。
#28
○本藤委員 為替相場のドルと圓との關係は、それはそろばん上の問題であるからいつでもよいと思います。しかし道行きだけはただちにこれを實行しなければならぬと思う。どういうふうにこれが支拂の途をつけるか。また元利の返還もその期日が來ているのもあるらしいように思うのでありますが、またこれを延期するのですか。道行きだけは政府なり、また錢の關係の帝國銀行にいたしましても、興業銀行、三井信託にいたしましても、政府とともにこれはこれとして、別個に早く處理しなければならぬと思う。これをただ政治的に今までの政府なり政治家のやつておるように行くならば、日本の信用というものは、絶對海外には起らないのです。これが一番重大な問題でありますから、私はその計算上の圓とドルとの問題の換算期を待つとか、それをどういうようにするとかいうことでなくて、錢を支拂うということは、かりにいつでもよいが、道行きだけはさつさとつけることが日本の信用を高めることであると思うから、今まで政府がやつておつたのかおらないのか、これからのことよりも、その點を第一にお聽きしたい。
#29
○前田委員長 その點は大藏大臣に追つて答辯を願うことにしてください。それでは商工大臣に對する質問として栗田君。
#30
○栗田委員 ただいま電力の開發問題に對してお聽きしたのですが、この場合に非常に問題になるのは、今後の電力開發を國營でやるかどうか。これに對して商工大臣の率直なる御答辯を承りたい。
#31
○水谷國務大臣 今後の電力發電を國營でやるかやらぬかという御質問でございますが、ただいまの状況におきましてはそういう考えはもつておりません。しかしながらこの事業は非常に公共性の弱い事業でもあり、また石炭企業とも併せ考えなくてはなりませんので、それらの問題に關しましては今後ともいろいろ研究はしてみたい。このように考えております。
#32
○栗田委員 そうしますると、現在の電力を開發するということが非常に國家の急務であるというのでありますが、これを國營として取上げるか、あるいは今の政府が起案をして日發に命ずるということは、現在程度より一歩も出ていないという考えですな。
#33
○水谷國務大臣 ただいまのところでは國營でやるという考えはもつておりません。
#34
○前田委員長 小平久雄君。
#35
○小平委員 私は電力事業の民主化という點で、當局の所信を伺いたいのであります。申すまでもなく、電力事業は非常に獨占的な色彩を帶びておるのでありますが、また一面非常に公共的であることも申すまでもありません。その電力事業のうち發電事業に關しましては、これは事の性質上、ある程度現實問題としてこれが遂行を民主的にやることもなかなかむずかしいかと思いますが、特に配電事業におきましては、その配電事業先が生産部門であろうと、あるいは消費部門であろうと、非常に關連するところが多く、一般國民に直接關係するものでありまするから、特にこれは民主的に行うべきであると思うのであります。この點につきまして、當局はどんなお考えをおもちか、それをお尋ねしたいと思うのであります。
 特に私の希望いたしますところは、御承知のように最近の電力不足のために、各地において電力危機突破協議會とか、あるいは電力協議會というようなものが行われまして、配電會社の各營業所に協力をいたしておりますが、これらはまつたく民間の團體でありまして、何ら法的な力をもつておらない。實は私もそういう立場に立つてやつたこともありますが、地方の配電會社の營業所等はまつたく想像外に祕密主義でありまして、われわれが直接利電をいたしておる配電會社の營業所に參りましても、その所管内に一體どれくらいの電力が來ておるかということを尋ねてもなかなか公表しない。われわれがさんざつついたあげくに、ようやく管内にはこのくらいの電力があるのだということを初めて申すような次第でありまして、これを最も民主的な機關に打明けましてお互いに頭をひねるならば、同じ規正をいたしますにしても、もつといい方法がたくさんあると私は思うのであります。ただいまのような法律だけで、ただ命令的にやるのではなくて、もつとうまい方法も生れてくるのではないかと思うのであります。かような點につきまして、當局のお考えを伺いたいと思います。
#36
○水谷國務大臣 ただいまの御質問はまことにごもつともな御意見でありまして、その事業の性質上、公共性を帶びておるものが、やむなくその經營形態が獨占的な形態をとらざるを得ないような場合になりましたときにおいて、その運營をばきわめて民主的にやらねばならないことは御説の通りであろうと思います。從つてわれわれといたしましては、たとえば基礎産業をば國家管理にいたします場合におきましても、その運營はきわめて民主的にやらなければ、從來の官僚統制に陷りまして、國民大衆が非常に迷惑することは十分留意しなくてはならぬと思います。ただいま御指摘の問題に關しましても、われわれといたしましては職員組合あるいは勞働組合の内部的な力を借るとともに、また他面におきましては、消費者代表というようなものがそういう經營に對しまして參畫できるいろいろな手をもちまして、そういうような獨占的な形態をもつておるところの事業に對しましては、いろいろの方面から民主的な手を打ちまして、消費者側から見ましても、納得ができるような行き方をやりたい。このように考えております。具體的にどういう手を考えておるかということは、これは今政府として考えるよりも、會社竝びに消費者その他關係方面の側におきまして、いろいろ機關を通して自發的に御解決していただくならば、われわれといたしましても極力側面から協力したい考えでありまするが、事柄の性質上、政府みずからが天降り的に案を示すというようなことは、この際避ける方がいいのではないか。このように考えております。
#37
○前田委員長 本藤恒松君。
#38
○本藤委員 先ほどすでに小坂政務次官にいろいろ申し上げましたが、外債の處理法によつて、すでに十八年に一方的に日本では外債は處理したということになつておりますが、實際は今日まだ解決しておらないのでありまして、これに對してマツカーサー司令部から二十一年一月ごろ、これをどうするかというような照會もあつたらしいように聞いておる。なおまた帝國銀行、興業銀行、三井信託からも、二十二年二月六日附で政府に對してこれをどうするかというような、意見書であるか請願書であるかしれませんが、提出されてあるように聞いておるのであります。なお二十二年一月向うの發送でおよそ三月だかにこちらに著いておるが、ギヤランテイ、トラスト、コンパニーという向うの相手から、こちらの帝國銀行宛にだか、どういうことになつておるかという照會か何かあつたらしいように聞いておるのであります。この問題を處理する方法によつては、日本の電力の開發にもなり、また日本の貿易上の大きな一つの、日本の國としての信用また國民の信用を高める問題だと私は思いますから、これを政治的に、また國として、敗戰したところの總固めをすべて講和條約にもつていくというようなことはいかぬと私は思う。これはやはり早急に、今までやはり民間同士の團體でできておるのだから、この今までの關係團體を通じて速やかに解決して、日本の信用を高めて、日本の再建をはかることが最もよいことと私は思いますが、これに對して、大藏省であるか政府であるか、今までどういう取扱いをされたかということをお聽きしたいのであります。なお今後に對する方針も伺いたいが、今後に對しては、やはり相當これに對しては強く、速やかに解決されることを希望するのでありますから、そのいろいろな問題についてなおよく質問したいのであります。どうかお願いいたします。
#39
○栗栖國務大臣 外貨債、殊に電力外貨債についてお尋ねがございましたので、この機會に今までの事情を申し上げたいと思います。私はつい最近まで興業銀行におりまして、そうしてその間の折衝をほとんどいたしておりましたので、併せて説明の中には、その間の折衝の材料をも織りこむことをお許し願いたいと思うのでございます。この外貨債處理につきましては、終戰以來私どもが非常に心配をいたしまして、その當時の受託會社でありますところの興業銀行、帝國銀行、三井信託、この三社がいつも集まりまして、いろいろ協議をいたしておつたのであります。そうしまして、ある一會社に對していろいろな要求が出た場合には、三社がいつも協議をして、そのきまつた方針について處理していくということを申合わせておりました。なおかつこの三社がいろいろ申合わせをいたします際にあたりましては、大藏省と密接なる連絡をとり、指圖を得ていたすということにしてまいつたのであります。大體この外貨債處理は、外貨債處理法によつて處理されたのであります。電力債もそれによつて處理されたのであります。内地において社債をもつておつたものにつきましては内債とかへてしまつたのであります。たとえば大同電力の外債を内地でもつているものがございますれば、すなわち大同電力の承繼でありますところの日本發送電というものに内債を渡したのであります。しかしながら外地にあります社債につきましては、これは政府で社債の債務を承繼いたしたのであります。そうしてその承繼に際しましては、日本の内地側の處理といたしまして、物上擔保はすべてなくしてしまつたのであります、消滅させてしまつたのであります。從つて物上擔保がなくなりましたので、受託會社の任務も終了いたした形になつております。大體そういうような處理で進んだのでありますけれども、私ども當時の三軒の受託會社としては、對内的にはその處理はできましたけれども、對外的にはたしてどういう問題があるかわからぬということを懸念いたしまして、當時大藏省に願出をいたしまして、引續き三受託會社としていろいろ問題等が起つた場合には、大藏省の方と連絡していろいろの指圖を頂戴し、國家的に同一の歩調で動くというような申入れをいたしておつたのであります。その申入れをいたしまして、物上擔保が對内的にはなくなり、受託會社の任務は終了いたしましても、なお引續き連絡をとつておつたような次第であります。そういたしまして、終戰になりまして連合國人のもつておりました財産は復活することに相なつたわけでありまして、その結果物上擔保というものも當然復活する、そのまま存續するという結果を見ることになつたのであります。しかしながら司令部の方といろいろ連絡をいたしましたけれども、長い間受託會社、あるいは發行會社と外國側の、フイシカルエージエントと申しますが、元利支拂をする代理度との間に正式の交渉ができなかつたのであります。そこで正式の問題としては何ら進展を見なかつたのであります。いろいろと直接間接に外貨に關する質問とか、その他のニユース等を得る場合には、大藏省にそれを提供し、さらに大藏省からも三受託會社に連絡をして連絡を密にするというので、一年ばかり經つてしまつたのであります。ところが最近この正式な書面が參りましたが、これは一つは宇治川電氣と當時申しました大阪にある會社が、外債を出しまして、受託會社は興業銀行であつたのであります。そういうところからもこの照會が參つたのであります。それはニユーヨークのナシヨナルシテイーからたしか照會が參つたと思います。それからそのほかにも發送電關係におきまして、いろいろ照會が參りまして、物上擔保というものはそのままであるか、そしてその擔保についてはよく保持されておるかどうかというような照會が來たのであります。それで終戰以來、戰時中の擔保の移動につきましては、外債を發行し、それを負擔しております會社、すなわち日本發送電、關東配電、中部配電、關西配電等が同一歩調でその報告をいたしておるような次第であります。
 今日までの經過はそういうような經過でありますけれども、大藏省といたしましては、過去における電力外債が日本の電源の開發に非常に效果があつたということ、及び日本發送電が昭和十四年につくりました際も、信託證書の條項によつてこれをつくつたのでありまして、それをつくるにあたりましては、ニユーヨークの方からも滿足の意味を表されておるという事實もありますので、終戰以來今日まで受託會社としましては、大藏省は十分連絡をとり、遣漏しないように、そしてやはり國際信義を重んずるという意味において動いておるような次第であります。
 今後の問題でありますが、今後の問題としましては、むしろこの擔保というようなものは十分考慮いたし、そして先方のいろいろな要求については、こちらは國際信託證書の條項によつて滿足がいくように處理したいと考えておるのであります。なお今後日本の外債につきましては、戰前でございますが戰前までは一囘の不拂もしないで、國際の信用を高めてまいつておつたのであります。またこの電力社債につきましても、やはり終戰に伴う處理としては、國際信義を高く保つように處理したいと思つております。なおそういう信用を保つことは、やがて將來講和條約もできた後に電氣の方面にやはり外債を導入する一つの大きな礎にもいたしたい、こういうようにも考えてまして、十分大藏省としては入念にこの取扱いをいたし、三軒の受託會社、發行會社にも密接なる速絡を求めるようにいたしておる次第であります。
 なお大藏省としましては、そういうような國際金融關係におきましては、次官を中心とする委員會を先ほど設くることを決定いたしまして、將來への資本の導入及び從來の外貨債の處理の萬金を期させるようにいたしておる次第であります。簡單でございますが答辯をいたします。
#40
○本藤委員 大藏大臣の説明で大體の方針はわかりましたが、その受託會社の三會社が、今後やはり向うの直接關係のある銀行なり會社へ交渉するのであるか。今までの外貨債處理法によつて責任が政府にあるからというので大藏省が直接進んでやるのであるか。この點はどういうふうになるのでありますか。
#41
○栗栖國務大臣 お答えいたします。それは先方の情勢のいかんにもよることと思いますけれども、外貨債處理については日本國政府が全責任を負うのでありますから、直接いろいろ交渉の衝に當り、また責任をも明らかにいたしたいと考える次第であります。なお受託會社が信託證書の線に沿うていろいろ交渉するということは、やはり裏表で必要でありますし、先方からも、ただいまのところは受託會社を相手にとつて交渉いたしておりますので、これもやはり國際信義の線に沿うて交渉を續けさし、政府と受託會社と一體となつて遣漏なきことを期したい。こういうやうに考えておる次第でございます。
#42
○本藤委員 これは先程から申しましたから、大體のあらましなことはわかつておりまするが、電源開發ということは日本の力だけでは今後もおそらく望みが薄いと思うのであります。ためにぜひ米國のあらゆる民間團體からの應援、またむろんマツカーサー司名部の應援ということも願わなければならぬのであります。その一歩といたしまして、どうかただいま大藏大臣が言われたように、國際信義を高めるために、ほんとうに誠意をもつてこれをりつぱに解決していただいて、そうしてこれをなおわれわれといたしましては、いろいろな角度からこれから研究いたして、電源開發をいたしたいと思うのでありますから、殊に大藏大臣は責任をもつて政府當局とともに解決の途に進んでいただきたいということを切望しておるのであります。
#43
○栗栖國務大臣 私は今の御質問とまつたく同意見でございまして、ただいまも電力外債を出しました當時の友人、その後の友人も多數アメリカにいるのでございますし、なおわれわれは電力開發のために外資を仰ぐような國内態勢をも極力整えるとともに、また連合國の支援を得て、そうして外資の導入ということも實現いたしたいと私は念願いたしておるものでございます。そのためには政府も極力その線に沿うて努力いたしたい。こう考える次第でございます。
#44
○小平委員 先ほど伺つた電氣事業の民主化について、商工大臣は、これは民間のことであるから、官廳の命令というよりも、會社及び業者等の自發的な行き方によつて、當局はこれに協力するという御意見のように拜聽したのでありますが、すでに配電事業が既成の事業として獨占されておるのでありますから、私は當局がもつと積極的にこれが運營の民主化に手を打たれたいと思うのであります。
 次にもう一つ伺いたいのでありますが、御承知のように特に水力發電の場合の水源地それの所在する地方というものは大體において非常に資源に惠まれない地方であります。縣の財政等から申し上ても非常に貧弱な縣が多い。たとえばこれが海を控えた縣等でありますならば、相當の漁獲というものもありますが、そういうようなものがない縣が非常に多い。從つてこの發電事業を通じまして、私は縣の財政という面を相當潤すように今後ひとつ當局はお考えを願えないものかということをお尋ねしたいのであります。なおまた電力の規正等につきましても、特に水源地を有するというような地方には、これがその地方の大きないわば資源なのでありますから、その地方にやはり多少ゆとりをもつて割當てるというようなことも、ぜひ考えていただきたいと思うのでありまするが、そういう點についていかがでありましようかお答え願います。
#45
○水谷國務大臣 ただいまの御質問ですが、ある縣のごときはその知事の方から、特に農村の電化のためにそういう縣に對しては便宜をはかつてくれとかいうような意味で、いろいろの御注文も聽いております。しかしただいまのところ、今あなたの御注文にすぐそのまま應ずるかどうかということは、私今ここではつきりした具體的な御答辯はいたしかねるのじやないかと思います。しかしながら、ただいまの御質問はきわめてごもつともでありますので、われわれといたしましては、そういう問題に關しましても相當考えてみたい。このように考えております。
#46
○前田委員長 石野久男君。
#47
○石野委員 私は商工大臣にお尋ねしたいのですが、政府は今日本の産業復興の動力源として、石炭問題に非常に大きな主力を注がれておるかのように一般施策の面では見られる。私の考えでは、もちろん石炭の必要なことも十分よくわかりますけれども、日本の將來というものを考えまして、特に將來の動力源――今日においてもそうでありますが、石炭の動力源に對する寄與と電力というものを比較いたしましたときに、むしろ石炭よりも電力の方がより多くのパーセンテージを占めておる。從つてまた重點を注がなければならぬではないかというように考えます。ただいま政府のとつておるこの石炭の傾斜生産という點、これについて電力に對しては、石炭と比較して水谷商工大臣はどういうふうに考えておられるか。むしろ石炭より以上に電力は必要だというふうに思いますけれども、それについてどういうように考えておられるかということをまず聽きたい。
#48
○水谷國務大臣 ただいま政府は石炭のみの主力を注いでおるが、電力に對してはどのように考えておるかという御質問でございます。なるほど仰せの通り水力電源の大規模 増加というものが、かりに行われるといたしますならば、それは優に一千萬トンカバーするようなこともできるのでございまして、石炭を主にするか電力を主にするかということに關しましては、いろいろの意見があろうと思います。しかしながら御質問者も大體事情はおわかりの通りでありますが特に水力電源の大きな増加ということは、事柄の性質上、現在急速に間に合いかねるような状態に置かれておりますので、われわれは今石炭に主力を注いでおるのでございますけれども、もし他日事情が許しまして、水力電源の大規模なる開發ということができるような状態になりますならば、御質問者の言われるようなことを政府はやらねばならぬというように考えております。
#49
○石野委員 ただいま商工大臣の答辯によりますと、電力開發の問題は非常に規模が大きく、そうして速急に今日の動力源を解決しないかのようなお話であります。しかし私たちの考えでは、もちろん電力問題についての恒久的な對策は、非常に大きな問題であり、そうしてすぐに解決せられない問題であることはよくわかります。しかしただいまの問題として、特にこの冬季に起るであろう渇水期の電力不足という問題は、今日の石炭の問題以上の切實な問題が起つてくるのではないかと考える。その場合においても、なおかつ商工大臣はそういう考えをもつておられるかどうかということについてお尋ねしたい。
#50
○水谷國務大臣 ただいま重ねての御質問でございますが、仰せは一々ごもつともでございます。從つて政府といたしましては、供給力の増加、特に水力電源の大規模な増加については、ただいま申しましたような事情でございます。しかしながら水力としては、ただいまできる範囲内におきまして、もつぱら水路の補修であるとか、あるいはまた溪流の取入れ等、早急に效果を發生するような方法で出力の増加をはかるということは言うまでもございません。政府はこれをやろうとしておりますし、また現にやりつつあるのでございます。さらにまた一方におきまして、九州地區のように火力發電設備の供給能力そのものに隘路がありまする地區におきましては、計畫的な補給をば強力に遂行することによりまして、渇水期供給力の積極的増加をはかるというぐあいにいたしまして、ただいまの日本の經濟上の力によりましてできる限りの手を打ちまして來るべき冬に對處したい。このように考えております。
#51
○石野委員 ただいまの商工大臣の御答辯はよくわかります。但しこの場合に、その考え方というものは私にとつては第二次的に取上げられるように考えられるのであります。むしろ私たちの要望したいことは、これは一次的に取上げてもらいたい。言いかえれば、動力源の問題についての政府のとる施策がどろなわ式でないようにしてもらいたい。ただいまの石炭事情は明らかにどろなわ式なやり方をされておるのであります。われわれは冬季の電力不足に對しての施策としましては、今日よりこの問題を國民的な運動にまで展開する施策を政府にとつてもらわなければならぬ。こういうふうに考えております。その場合に私たちは、やはり石炭以上に、もう少し動力源解決の問題として電力の問題をその際取上げてもらう必要がある、こういうふうに考えておりますが、その點について伺いたい。
#52
○水谷國務大臣 政策に對しましては、絶えず遠い將來をながめての恒久的な手を打たなければならぬと同じように、また間近かに迫つた問題に對する對策も併せて行わなくてはならぬので、どちらにも片寄つてはならぬことは言うまでもございません。われわれといたしましては恒久的なものも十分考えておるのでありまして、水力電源の大規模増加というものが、現在どういうような状態におかれておるか、またどういうようないわゆる支障があるかということは、あるいは電力局長がざつくばらんに非公式に述べたと思いますが――まだ述べておらなければ今後述べることと思いますが、ただ私自身の考えといたしましても、かつてあの電力の國家管理が行われましたときに、日發と配電會社というように、配電事業というものを別にわけるという考えは當時の政府も考えておらなかつた。あれは一元的にやらなくてはならぬということでありましたが、當時の議會勢力その他の關係によつてああいうように二つにわかれておる。これは私は不自然だと思います。從つて政府がこの電氣事業に對する根本的な手を打つ場合におきましても、この不自然にわかれた二つの問題をどうすべきかというようなことも、恒久對策の一つとして考えなくてはならぬという工合に考えましてので、今度の日發の最高人事をきめる場合におきましても、部内の職員組合、課長會議、あるいは勞働組合の希望を容れて日發生えぬきの人を總裁におくとともに、他面においては配電會社におけるところの有力なる代表者を入れまして、それらの二つにわかれた問題をどうすべきかということに關して、政府の一つの考え方の片鱗を示したような状態でございます。これはある適當な機會におきまして、そういうような問題に關しましては、政府の考えておることをばざつくばらんに述べさしていただく機會が必ず到來するのではないか、このように考えております。
#53
○石野委員 大體政府の意圖されるところ、特に商工當局の意圖されるところはよくわかりました。ただ問題になりますのは、先に商工大臣か答辯のありましたときに、やはり電力というものは恒久的な策としては非常に厖大な計畫をもつし、内容も大きいのですぐにはできない、それだからやはり石炭に重大を注ぐのだというふうに私は讀みとつたのでありますが、ただいまでも、その點についてはやはりそういうふうにお考えになつておられるのか。特にこの冬季の場合においては、石炭以上に電力の問題を重點的に取上げていただく必要があるんじやないかというふうに思いますので、その點について簡單にひとつ御答辯を願いたい。
#54
○水谷國務大臣 ただいまの重ねての御質問でございますが、これは先に答えた通りでございまして、また冬季の對策におきましても大體先に答えたのでございます。しかしながらこの冬季の對策といたしましては、一方におきまして電力の消費規正というものも考えております。この點に關しましては、經濟安定本部と連絡の上におきまして總合的に考えているのでございますが、今われわれの頭に浮んでいるのは、家庭用の電力の需用が、大體總需用の三割内外を占めておる現在におきまして、その家庭用の電力というものを冬季においてどうすべきかという點を考えまして、乏しい電力のうちにおきましても、産業方面に關しましてはできるだけの對策をこの冬には打立てたい。このように考えている次第でございます。
#55
○石野委員 ただいまの御答辯によりますと、この冬季におきましては、特に民間需用の電熱の電力量というものに對する規正を多くして、工業用の電力というものについては、あたかも確保できるかのごとき御答辯でございましたが、私たちまだ正式に商工當局がつかんでおります、本冬季における電力の統計上から見る不足電力というものがどれだけの量になり、そしてそれに對する對策として、どこまでカバーできるかということについては、伺つておりませんから、よくわかりませんけれども、私たちの推測では、ただ電熱の電力量についての規正を行うだけでは、おそらく經濟安定本部が經濟白書で明言しているように、全産業が痲痺するんじやないかというような臆測をもつのでございますが、それでもなおかつそんなような安易な考え方で進まれるのでございましようか。
#56
○古池政府委員 こまかいことにつきまして私から代つてお答え申し上げます。この冬の對策といたしまして、家庭用の需用をできる限り壓縮いたしまして、それによつて浮いた電力を産業の復興の方面に向けたいということは、われわれ考えておるのでございますけれども、それをもつて産業の方面に向けられる電力が十分であるということは、決して考えられないのであります。やむを得ざる處置としてさようなことをいたしましても、なおかつ産業用の電力が相當の不足を來すのは明らかであります。これに對しましては、先ほど大臣から説明がありましたように、できる限り急速に出力の増加いたしまするような方法として、水力の復舊補修に努力するとともに、一面において火力發電所を急速に整備いたしまして、なおこれに食わせる石炭も、事情の許す限り量的にもまた質的にも、多くよい石炭を入れたい。これに政府の今後の努力を集めてまいりたいと考えているような次第であります。
#57
○石野委員 ただいまのお話によりますと、政府としては足りないのではあるけれども、極力工業用の動力の確保に努めたいという御意圖のようでございます。しかし今日の冬季における水力の問題と、それから火力の發電の問題を考えますと、一方において石炭の事情が非常に逼迫いたしまして、そうした炭質は非常に低下しておるというような事情を見ますと、石炭にどれだけ重點をおいて考えてみましても、冬季におけるところの火力發電力というものは非常に少いのではないかというふうに思います。事態はむしろ今日より水力の面において、水道の補修とか、何かいろいろの對策を重點的にとることが、この冬季におけるところの火力發電力の減少をカバーし、なおかつ水力を貯水し得る能力をもつのではないかというふうに考えるのでございます。そういう意味から言いましても、もうあすの問題として、いやきようの問題として、石炭の重點主義がむしろ電力の方へ移行する、と言つてはちよつと言い過ぎでしようけれども、とにもかくにも同じように、あるいはより以上に電力問題をここで取上げていただくことが必要ではないか、こういうふうに考えるのであります。その點についての御所見をお伺いしたいと思います。
#58
○古池政府委員 ただいまの御趣旨まことにごもつともでありまして、私どもその通りに考えまして、その線に沿つて最善の努力をいたすつもりでおります。
#59
○石野委員 大體御趣旨の點はよくわかりました。ただ私たちは、これは別な御質問をしたいのでありますが、ただいままで冬季において水力が非常に渇水する場合、電力が足りなくなるという豫測はもつているのでございます、しかし商工當局のにらんでおりますところの、本冬季の渇水期において火力發電力の非常に低下してくる場合、電力の量は大體どのくらいであるか。それから、それに對して應急處置としてのいろいろな點を考えて、供給力をどのくらい見込んでおられるかという點についての數字的なものがありましたら、ちよつとお知らせを願いたいと思います。
#60
○古池政府委員 この數字的なお答えにつきましては相當やつかいなのでありまして、かいつまんで申し上げますと、水力の補給策を十分やりましても、なお需用の見透しからいたしますと、大體火力をたくために石炭を三百五十萬トンないし四百萬トンを必要とすると考えておるのであります。しかるに本年春に二十二年度の電力用炭として割當を受けました量は、年間百七十五萬トンにすぎないのであります。その後半期ごとに割當の増加を要求いたしまして、若干ずつ増加配給を認めてもらつたのでありますが、それにしましても、とうてい年間三百五十萬トン前後というような量の入手は非常にむずかしいと考えております。そういたしますと、年間を通じまして全國平均いたしますと、約二割程度の不足を來すことになるのであります。しかもそのうちで特殊の關係の需用のごときものは制限し得ないのであります。また炭鑛用でありますとか、その他絶對に必要とする公共事業方面においても制限はできないのでございますので、それらの分が、それ以外の産業用、業務用、住宅用等の電力の消費規正にかかつてくるわけであります。さような見地からいたしまして、現在の豫想といたしましては、年間百七十萬トンの石炭しかはいらないと考えますと、この冬の渇水期には北海道、九州、中國、これらにおきましてはいわゆる五段制限を實施いたしまして、なお多少の不足電力を見るのであります。四國におきましては三段制限でやり得ると考えております。本州中央部におきましては、地域によつて多少の差はございますが、四段制限ないし五段制限を最悪の場合には實施しなくてはならぬかと考えておるのであります。そこでもしこの百七十五萬トンが、あと四、五十萬トン増加配當を受けるならば、この五段制限の所も三割制限くらいに濟まし得る場合が出てくるのでありまして、かような見地から、でき得る限り良質炭を多量に入手するために、今後は努力しなくてはならぬと考えておるような次第であります。これは一に今後の降雨量によるところが非常に大きいのでありますが、きわめて正確なる豫想は困難でありますけれども、大體例年並の水量があると豫想いたしまして、これに配するに現在の火力發電所を動かしていく場合においては、ただいま申し上げましたような概略の數字が出てくるのであります。
#61
○石野委員 もう一つだけお伺いいたしますが、ただいま冬季におきましても大體不足する、困る状況がよくわかつたのでございますが、その場合にいわゆる規正制限というものをやりました場合、どの程度違つてくるのでございましようか。さようなものについての違いは、すでにもうただいまの答辯の中に含まれておるのでございましようか、どちらでございましようか。
#62
○古池政府委員 今度の制限の方法につきましては、昨年よりやや違つた方法をとりたいと考えますけれども、それにしましても、割當以外に四、五十萬トン石炭が増加されるならば、大體において三段制限、昨年流に申し上げますと、産業についていえば、甲類のイに屬するものは全然無制限、ロに屬するものは一割制限の九〇%供給、乙類に屬するものは三割制限にして七〇%供給ということにして何とかいけるのではないかと考えております。
#63
○石野委員 最後の希望を申し上げたいのであります。商工大臣お歸りになりましたので、商工大臣まで局長の方からお願いしたいのでありますが、先ほどの私の説に對して、私の趣旨に御同感であるという局長からお話がありましたが、どうかひとつ商工省におきましては、來るべき冬季に對處するための電力の問題、また恒久對策としての電力問題につきましても、やはり石炭に匹敵するだけの重要度をもつておるということを念頭におかれまして、すぐにでもこの電力對策に對する處置は重點的にとつていただくように希望したいのでありまか。これを一つお願いいたします。
#64
○古池政府委員 電力當局といたしましては、まつたくお説の通り考えております。この點は商工大臣にも十分私から申し上げまして、商工省全體としてもその線に沿つて協力してもらえるように努力をいたしたいと考えます。
#65
○前田委員長 諸君にお諮りいたします。參考資料の要求がございましたら事務局の方へ申込みを願います。
 別に質問の通告もございませんので、本日はこの程度で散會いたしたいと思すます。なお次會は公報をもつてお知らせいたします。これで散會いたします。
   午後零時十九分散會
ソース: 国立国会図書館
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