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1947/08/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第5号
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1947/08/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第5号

#1
第001回国会 電気委員会 第5号
昭和二十二年八月八日(金曜日)
    午後一時三十一分開議
 出席委員
   委員長 前田榮之助君
   理事 金子益太郎君 理事 櫻内 義雄君
      石野 久男君    成瀬喜五郎君
      本藤 恒松君    八百板 正君
      東  舜英君    栗田 英男君
      小平 久雄君    石山 賢吉君
      加藤隆太郎君    本田 英作君
 出席政府委員
          運輸事務官 伊能繁次郎君
 委員外の出席者
        議     員 菊池 重作君
        運 輸 技 官 鳥井 惟喜君
        商工事務官   中川 哲郎君
       商 工 技 官 三ツ井新次郎君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 鐵道電化に關する件
    ―――――――――――――
#2
○前田委員長 これより會議を開きます。
 本日は前會に引續き商工大臣に對する質疑を行う豫定でありましたが、大臣の都合によりまして他の機會に延期し、鐵道電化の問題を議題とし、これより關係政府當局より説明を聽取することといたします。本日出席の政府當局は、政府委員として鐵道總局長官伊能繁次郎君、委員外として運輸省電氣局電化課長鳥井惟喜君、商工省電力局電政課長中川哲郎君、この三名の御出席を得ております。質問の通告がありますからこれを許します。金子益太郎君。
#3
○金子委員 現在石炭の國家管理案をめぐりまして、問題が非常に重大化しております。こういつたような石炭事情が非常に重大化しているときにあたりまして、石炭を最も使うものが國鐵であります。この國鐵の石炭を使う部面から見ましても、國鐵の電化を早急にいたしまして、石炭不足を補うばかりでなく、輸送その他の點についても、十二分に所期の効果をあげるようにするのが、現在の日本のとるべき途ではないかと考えております。そういつた意味から申し上げまして、今政府は國鐵のうち、どの程度に電化を進めておられるのか、あるいはまた計畫中のものはどの程度のものかという點について、詳細に御説明願いたいと存じます。特に今進行中のものは、大體いつごろ仕上るものか、さらにまた最近においてこれが竣工でき得るという計畫のものはどの線であるかというような點を十二分に御説明願いたいと存じます。また今計畫中のものが完成いたしますれば、どの程度に石炭が節約できるものかという點も、加えて御説明願いたいと思います。
#4
○伊能政府委員 ただいまのお尋ねにつきまして、鐵道電化の現状竝びに今後私どもが考えておりまする問題の一端につきまして、御説明を申し上げとう存じます。御承知のごとく現在國有鐵道が電化竝びに電車化をいたしております區間は一千三百七十八キロ、お手もとへ差上げました資料によつて御了得願えることと存じますが、一千三百七十八キロメーターでありましで、現在國鐵が約二萬キロメーターの営業キロを有しておりますのに對しては、誠に心細い電化の状況でございます。平和時代から國鐵の電化を大いに促進したい。これは單に旅客、荷物に對するサービス増進の觀點からのみでなく、輸送力増強の觀點からも、また經營經濟の觀點からも、國鐵は鐵道電化を常に促進の方向に進んでおつたのでありまするが、戰時中いろいろの制約を受けまして、そのことが當初の考え方と違いまして、あまり十分な進展を見せずして、今日に至りましたような次第でございます。そこで今後の問題といたしましては、ただいまお尋ねのございましたように、現在わが國が當面いたしております最大の問題である石炭の節約、これは現在の國有鐵道の經營經濟の面に、同時に重大な影響をもつております。また輸送力の増強の上にも、電化は急速に促進しなければならぬ。かような經營上の問題、サービスの問題、輸送力の問題という點から、私どもとしてはあらゆる努力を國鐵電化に傾けておりまするが、何分にも資材關係竝びに資金の關係等から、全面的にこれが推進をなすことが許されない状況にありまして、はなはだ遺憾な次第でございます。昨年度におきましても、私どもは、現在著工いたしております上越線の北部區間、長岡・石打間、南部區間、水上・高崎間竝びに福島・米澤間、静岡・沼津間、大阪・米原間、各方面にわたりまして、これが著工の計畫を出したのでございますが、遺憾ながら議會の承認竝びに豫算上の措置を得ましたものは、わずかに米澤・福島間、上越線、それから大阪・米原間、これだけに終りまして、しかもその内容が議會協贊後、關係方面との折衝によりまして、さらに縮減を受ける、かような事態に立ち至りまして、現在水上・高崎間はすでに竣工をいたしまして、長岡・石打間に取りかかつておりまするが、これにはこの秋には完成をいたしまして、長岡から高崎までは電化が全部完成するわけでございます。殘りの大宮・熊谷間は遺憾ながら、關係方面その他との折衝が整いませず、本年度は著工ができないというような状況であります。また東海道線大阪・米原間につきましても、いろいろな制約がありまして、豫算上認められておりまするが、著工いたしかねるということで、實は來年度の豫算にこれを計上いたすべく、われわれとしてでき得る措置につきまして、あらゆる準備をいたしておるような状況でございます。これらの點につきましてはでき得る限り皆様方の御援助によりまして電化を促進させたい、かように考えております。現在私どもが當面の問題としてどの程度のものを電化したいか、さしあたり計畫といたしましては、お手もとに差上げました資料の最後のページに掲げてございますように、東海、山陽線といたしましては沼津・米原、米原・媛路、媛路・下關、東海山陽は全線を電化をいたしたい。東北線はさしあたり大宮・白川間を電化いたしたい。高崎線につきましては殘る高崎・上野間、常磐線につきましては上野・平、山手線の貨物船、福島・米澤間の繼續工事の完成、石打・長岡間、これはこの秋に完成をいたしますが、これだけのもの合計約千六百キロ近いものを完成いたしたい、かように考えておりまして、さしあたり石打・長岡間がこの秋完成いたしますると、本年度といたしまして約三萬トンの石炭が節約できる。平均年間全部を通じましては五萬四千トン程度の石炭節約ができる。これらの全線の千五百九十七キロ、約千六百キロの電化が完成いたしますと、約二百六十萬トンの石炭が節約できる。かような状況にあるわけです。現在國有鐵道におきましては年間約七百五十萬トン程度の石炭を消費いたしておりまするので、その三分の一が節約し得るということに相なりますのみならず、この七月までに私どもは石炭を一トン百八十五圓で購入いたしておりましたものが、今囘の物價の改訂によりまして千三百四十圓でなければ石炭を購入することができない、かような非常に高い炭を買わなければならぬという状況に相なるわけでございます。さしあたりの問題といたしまして本年度著工のできない大阪・前原間、上野・高崎間、静岡・沼津間等につきましては、來年度は豫算上の措置を何とかつけましてこれが實現をはかりたいという氣持をもつておりまするが、目下豫算の折衝中でございまして、今から確定的にこれが整備についてここで御報告を申し上げることができないような次第であります。御承知のごとく國有鐵道におきましては事業費、營業の面で多大の赤字を出しております關係上、かような電化の資本投下の面におきましても、資金、財政のわくの制約を受けまして、必ずしも私どもの希望通りにはなかなか豫算の計上が困難でございます。かたがた電氣關係につきましてはセメント、鋼材、銅等重要な資材を多量に必要といたします。また現在の電力の需給状況におきましては、これを一般電力に期待することがきわめて困難な状況にございますので、何としても運轉用電力のごとき確實な電力の供給は、ある程度自家發電にまたざるを得ないような状況でございまして、從來信濃川水力發電所におきまして第一期、第二期においてすでに八萬五千キロ、最大十萬キロを完成いたしました。今第三期、第四期に著手をいたしましたばかりでございます。これが完成の曉にはまた八萬キロ程度の電力を確保することができるのであります。また朝夕のラツシユ・アワーにおける電車運轉上の支障を緩和いたしますために、赤羽、川崎の火力の發電所の電力によつて、ラツシユ・アワーのピークの際に、これが調整をとつております。殘念ながら川崎の發電所は戰禍によりまして、三基いずれも損傷を受けましたが本年に至りまして一基は囘復いたしました。他の二基につきましてもつぱら修理を急いでおるような状況であります。これを要しますのに、私ども鐵道電化によりまして石炭を多大に節約し得るのみならず、經營上におきましても非常な經濟に相なり、また單位當りの輸送量も蒸氣機關車に比しまして、勾配區間、平坦區間いずれも輸送力を非常に増大することができるというような利點、また一般的な旅客サービスの面から参りましても、きわめて快適な御旅行を願えるという考え方のもとに何とか電化を促進してまいりたい。かように考えております。
 また電化の問題に關連いたしまして、最近各方面から御要望のあります電車化の問題でございますが、これも併せて私どもとしては研究實施をいたさなければならぬ。たとえば東海道線の平塚、小田原までの電車運轉の延伸、常磐線の我孫子、土浦までの延伸、また關西地區における電車化の延伸等につきましてもいろいろと準備を進めておりまするが、何分にも電車の製造がモーターその他の關係から意のごとくなりませんで、戰時中約六百輛近い電車を燒失いたしまして、これが復舊にも非常に困難を感じております矢先、新製車輛を急速に増備いたしまして、新たな電車運轉區間を設定するというところまでには、なかなか力が延びかねておりますので、これらの問題につきましても、電化の計畫と歩調をとりまして、電車化につきましても、でき得る限り急速な實施をいたして、もつて國民の皆様の御期待に副いたいと考えておる次第でございます。一應概略の御説明を申し上げまして、さらに御質問でもございますれば、お答えをいたしたいと思います。
#5
○東委員 私ちよつと地方的なことでお伺いをして恐入りますけれども、鐵道電化のサービスという點について、われわれは今旅客の立場から非常に關心をもつのです。今御計畫になつておる線は、私どもむろんわかりますが、私ども旅客の立場からトンネルが實にやつかいでありまして、このトンネルの多い所は一日も早く電化してもらいたいという感じがするのですが、親不知はこの計畫の中にはいらぬのでありますか。何か御計畫があるのでありますか。ちよつとそれを伺いたいと思います。
#6
○伊能政府委員 隧道の多くありまする區間につきましては、私どもも電化をしてまいらなければならぬと考えております。たとえば福島・米澤間のごときはその典型的なものであります。また第二段といたしましては、米原・敦賀間、あの山の隧道線は非常に激しい。また勾配と隧道の激しい九州の人吉附近というような所につきましては、われわれも將來電化の計畫をいたさなければならぬと考えておりますが、當面の問題といたしましては、輸送力の増強と石炭經濟を主眼といたしまして、これらの長い區間を一貫した電化運轉をやることにつきまして、運輸省としてサービスの點からも、また客の輸送量、荷物の輸送量から言いましても、最も多い所から手をつける、こういう考え方で、北陸線につきましても、第二次の計畫といたしまして、逐次電化してまいりたいと考えておりますが、當面の第一次の計畫には一應入つていない、かような状況になつております。
#7
○東委員 この第一次の計畫は、この頃の事情ですから、なかなか期待通りにまいらないであろうと思いますが、いつ頃までにこれを完成なさる御計畫でありますか。それから第二次計畫については何か案ができておるのですか。私ども北陸人として、何とか北陸の方を早く開發してもらわなければ、どうにもあの汽車に乗るたびに息が詰るような思いがするのですが、何かその邊のことについて當局に案があるかどうか。地方の問題ではなはだ恐縮ですが、お伺いしたいのであります。
#8
○伊能政府委員 第一次計畫につきましては、ここに掲げました程度のことは、資材、資金等が許しますれば、私どもは五年間くらいで完成をいたしたいという希望をもつて折衝を續けておるのでございますが、實情はなかなか困難でございます。從つて五箇年でこれだけのものができ得るかどうかという點につきましては、現在のわが國の國力の關係等から考えまして、かなりの困難がある。從つて第二次の問題についてどこを取上げるかという點は、まだ確定はいたしておりません。
#9
○本藤委員 私もちよつと、東さんと同じようなことでありますが、中央線の塩尻、長野間は、これは明治の末頃から電化問題が長野縣としては叫ばれて、その當時からたびたび鐵道省に向つて運動されたように聞いておる。また現在も地方民は相當に鐵道省に運動しておるようであります。殊に一昨年だと思いますが、冠着トンネルで汽車が立往生して、窒息して死傷者まで出たという問題があるのであります。鐵道の輸送量という問題も一つは考えなければならないけれども、やはり旅客のサービスということをおつしやる點からみても、ああいう隧道の多い、また長い隧道に對しては即時何とかやつていただきたいということを當局にお願いするのでありますが、これらに對して御意見を聽きたいと思います。
#10
○伊能政府委員 ただいま東君にお答いたしましたと同様、私どもも資材、資金が許しますれば、かような隧道區間の多い箇所につきましては、旅客の衛生上の見地、職員その他の衛生上の見地からも一刻も早くやりたいと考えておるのであります。全體として、電化の問題等について制約を受けておりまするし、またどこから著工するかということこついては、國の主要幹線をまず先にやるべきだというような意見もございます。米澤・福島間のごときも現在、長い間の地盤の移動から、隧道のごときも正規の形をとつておらないで、何としても手をつけなければならなくなつておる。また機關車は御承知のように、あの勾配線とか、人吉の勾配區間には四一一〇型の特殊の機關車を使つております。こういう關係で、新しくああいう機關車を作製することがいかにも不經濟であり、各般の見地から、福島・米澤間というようなものを選定いたしましたが、第二次にはお説のように柳ヶ瀬隧道、具冠隧道、親不知附近でありますとか、そうした隧道區間につきましても、許しますれば、私ども本線區間の輸送力の電化の問題と並行して實はやつてみたい、かように考えておりますが、現実の資金、資材のわくでは、なかなか關係方面その他豫算上、認許可の折衝もつきかねておるような次第でありあます。今のところは第二次にそういうものも考えたい。さように思つております。
#11
○本藤委員 ただいま申されたように第二次には一つ早急に中央線塩尻・長野間をやつていただくことを強く要望しておきます。
 なおその次に伺いたいのは、石炭の三千萬トンということが今日國をあげて問題になつております。石炭というものは戰争中は勝つか負けるかということで相當増産に勵んでおつたのでありますけれども、その當時より今日は能率が上らない。今日日本の再建は石炭によるというように叫んでおるが、これも年々われわれは落ちると。見ておるのであります。要するに炭層というものは一定してきまつておるのであります。この層というものはだんだん減つていくのであります。むろんこれに對して今後の輸送方面を實際問題として考えるならば、これはどうしても運輸省において。また國をあげてこの電化を促進する方向にやはり進まなければならぬと思うのであります。また日本の將來は、觀光日本として世界のあらゆる外國の人達を招いて、そうして日本經濟をこれによつて立てなければならぬのであります。觀光日本として立つ以上は、觀光客の輸送の問題を考える。また地方でも、山間僻地で輸送力は少いが、觀光地としては相當適しておるというような所は、やはり日本の一つの經濟面からいつて、外國から金を取入れるという點のおいては、これを電化し、そうしていろいろの設備をしなければならぬ。そういうような面から見ても、今までの、ただ日本的送電の電力をいかにして電源開發をして殖やすかというようなことも一つの考え方であるけれども、運輸省としても日本永遠に對する根強い、やはり一つの電源の開發ということを考えていただきたい。これに對するいろいろの點のお考えを承りたい。
#12
○伊能政府委員 鐵道電化の問題が今後の觀光事業と重大な關係があるという點につきましては御指摘の通りであります。ちようどスイツツルの鐵道がほとんど九〇%まで電化をされておるということに徴しましても、單に主要幹線のみでなく、國内の觀光、資源地帶に對しても電化を促進することにつきましては、私ども毛頭異議のないところでございます。ただ當面の國力の觀點から、どの程度に推進し得るかというところが問題だと存じております。自家用發電の問題につきましても、ただいま信濃川の三期、四期の計畫のほかに、天龍川につきまして計畫を進めております、また關西地方におきましては、十津川につきまして自家發電の計畫を進め、さらに山口縣廳におきましては山口縣における電力開發の問題も進めておられるやに伺つておりますので、私どもはそういう方面を鐵道電化にもぜひとも利用させていただきたいということで、現在のわれわれの力ででき得まする限りの電力開發につきまして、官民一體となつてこれを推進してまいりたい。かような考えをもつております。
#13
○本藤委員 いろいろ御説明を聽いて、大體の筋道は御説明の通りでありまするが、日本の今までのあらゆる經濟の見透し、また政治の動きというものは、いずれも行詰れば、そこでいろいろな問題を叫んだり、またいろいろ積極的にやるのでありますが、今までの日本の政治はすでに叫んだり、また問題にするときは、事がいつも遅くなつている。どうしても日本の今後の超ち上りというものは、おそらく觀光日本としていかなかつたなら、日本のこの八千萬の國民は、とうていほんとうの生活の安定という途ははかれないのであります。物資はなし、何か日本で加工しようとしても外國から原料を入れようと思つても、その資金、船もないという現状であります。これを觀光でもつて、軍人にいたしましても、また視察團にいたしましても、一度日本に來てみたら、いかにも日本というものは世界の一番の觀光地である。世界の觀光地でどこがよいか。スイツルであろうか、フランスであらうかは知らないが、それらよりも日本の方が世界ではるかに優秀な觀光地であるというように、今から宣傳していただかなければならぬ。いつでも日本は行き詰つて、さあ觀光だなんていうことを國民全體が叫ぶようになつてから、觀光事業の方を考えられるというのでは遅いのであるから、敗戰した今日は觀光で立つ、また工業で立つ、いかにして立つかということは日本においては相當各方面でわかつております。私は觀光でどうしてもいかなければならぬということはすでにわかつております。この觀光に對する一つのサービスというか、設備としてはむろんケーブル・カーも各山々ではやらなければならぬということもわかつておりますから、どうか運輸省においては、ただ數字や事務的ばかりでなく、向うの見透しをつけて、そうして日本の立ちいく途をやつていただくということを運輸省の皆さんは積極的にやつて、この觀光ということを取入れて、電化にしていただく。なおまたこの電源開發というものもこの點からどうか進んでいただきたいのであります。とかくただ産業のために電力開發をするというと、これはまた戰争をするのではないかという誤解を受けるかもしれないが、觀光のために電源を開發するというならば、構わない。石炭もどんどん少くなる。日本はまた觀光で行くというなら、實に平和な行き方であるから、どうかこの點は強く考えられて、運輸省竝びに政府の方でこれを電化するなり、電源開發をこの方面からやつて、石炭が少くなるのを補つて、なお日本の永遠の經濟の確立のために進んでいただくことをぜひ切望するのであります。
#14
○前田委員長 特に委員外の發言を許可いたします。菊池重作君。
#15
○菊池重作君 常磐線の電化につきましては、計畫が出ておるのであります。實は昨日も常磐線の沿線の筋の方が陳情に参つたのでありますが、最近の常磐線の混雑は実に言語に絶するものがあります。そして最近東京から疎開した人たち、あるいは家のない人、あるいは海外引揚の人たち等がこの沿線に住宅をもつておつて東京へ通つておるわけでありまして、そのためにかくのごとき混雑を呈しておるのであります。かような状態にありますので、この常磐線の電化は最も急を要すると考えられます。特にほかの幹線、路線に比べまして、常磐線の電化が一番後れておるやに聞いておるのであります。昨日もいろいろ調査報告を聽きますと、現在の設備電力によつて我孫子までは完全にやり得る。土浦までは我孫子の變電所を完成することによつて確實にでき得るという報告があつたのでが、現在の運輸省の計畫においてはどの程度の計畫が立つておるか、その點をお聽きしたいと思います。
#16
○伊能政府委員 常磐線が他線に比較して雑沓を極めておることについては、私どもも承知いたしております。われわれの手で許し得まする措置はいろいろととつておるのでございますが、遺憾ながら私どもの手當よりも、あの方面の輸送量の増大の方がはるかに上まわつておりまして、乗客の方々に非常に御迷惑を煩わしておる點はまことに申譯ない點でございます。常磐線の電化の必要性につきましては、ただいまお話の通りでありまして、私どもも毛頭異議をさしはさむものではございません。ただ私どもといたしましては、單に日本政府だけの關係でなく、いろいろな制約を受けております。今日常磐線の電化が延伸を見ないので、當面の問題といたしましては、電車化の問題でありますが、これは電車の數が、さいぜん申し上げましたように、モーターの破損、燒損その他各般の資材的な不足、新製車輛が意にまかせぬということで、電車化の延伸が現在のところ非常に困難を極めておる。既設の路線を囘復するのにも追われがちであるというような關係から、電車化を促進することが、國内的な問題としても私どもの力のみではなかなか思うようにかませない。かたがた常磐線を平まで電化することの問題についても、いろいろと各般の案を出して私ども討議いたしておるのでございますが、それがお説のようなお期待になかなか副いかねております。われわれとしては、ここに掲げてもありますし、關係方面その他と打合わせいたしまして、でき得る限り早くやりたい希望をもつて、實は努力いたしておるような次第であります。
#17
○菊池重作君 先程ちよつと申し上げた通り、現在の變電所の設備だけでも我孫子まではでき得ると聞いておるのですが、その點はいかがですか。
#18
○伊能政府委員 それは私どもできないとは申し上げません。ただし電車區の施設、車輛の施設がこれに伴いませんと、運行は可能でございますが、それでは車がありませんから、今よりもサービスが落ちるわけであります。そうすると、一層の雑沓を招くようなことに相なりますので、電車の製作の見透し、電車區派出修繕機關の整備をともに考えまして、なるべく早い機會にやりたいと私どもは考えております。
#19
○菊池重作君 そうしますと、土浦までの電車化の見透しは、何年ごろまでにでき得るかという豫想をお聽きしたい
#20
○伊能政府委員 ただいまのところ、それのみの問題でございますれば來年、再来年もかかればできると私は思いますが、全體の電化の關係がございますので、私どもが全體を考えますと、さいぜん本藤さんからもお話がございましたが、遺憾ながら國有鐵道に對しましての現在の資材の配當の現状では、私がここで五年でやりたいと申しましても、千六百キロの電化は十年でもできない。遺憾ながらセメントも非常にわずかしか配當がございません。銅のごときもきわめて少量で、こういう状況では千六百キロ程度の電化でも今の日本の國力では十年以上かかる、かように申上げざるを得ない状況でございます。いろいろ國内的にも安定本部との協議、豫算上の措置、竝びに各方面との關係を申し上げますと、土浦までの電化がいつごろまでにできるかということは、今のところ責任をもつてはつきり申し上げかねるのであります。
#21
○石山委員 ちよつと伺います。一番しまいの表にあります鐵道電化計畫第一期というのが千六百キロ、これは、ただいま十年くらいかかるだろうというお見込みということでありますが、この中に必要なる資材の銅線などは、大體内地産で入手できるお見込みでしようか。またそれと同時に機關車などの製造能力もやはり五年じやいかず、十年くらいというお見込みなんでしようか。いまひとつ伺いたいことは、ごく概算で結構なんですが、この計畫が全部完成いたしますには、今日の物價として計算いたしまして、概算どれくらいの投下資本が必要か。それから質問が少しわきにそれて恐縮ですが、鐵道の混雑は大體どれくらいになると緩和されるお見込みですか。議題外でまことに恐縮ですが、ついでにお聽かせ願いましたならばと思います。
#22
○伊能政府委員 車輛關係まで含めますと、銅全體で約三萬トンが必要でございます。石山さん御想像くださればわかると存じますが、五箇年間に三萬トンの電氣銅竝びに電線を確保することは決して困難ではございません。しかしながら現在の状況においては國有鐵道に對する配當は非常に少ない。ちよつと速記を止めていただきます。
#23
○前田委員長 速記を止めて……
#24
○前田委員長 速記を始めてください。
#25
○伊能政府委員 以上のようないろいろの制約がございますために、私どもとしては五箇年ではなかなか困難だということを申し上げたのであります。
 次に全體の總費額がいくらになるかと申しますと、電氣機關車、車輛を含めて、本年五月の物價水準で百五十四億七千萬圓であります。從つて新物價體系によれば倍程度を豫想しなければならないと考えております。
 最後にお質問の旅客輸送緩和の問題でございますが、これは端的に私をして申し上げることをお許しいただきまするならば、現在の石炭配當量は、今月のごときは五十五萬トン弱でありますが、石炭配給量をわれわれの希望するように三割殖やしていただけますならば、客車は昔のように一日當り平均二百キロ走る程度までは運行ができる。ただいまは百二十キロくらいしか走つておりません。なぜと言いますと、昔はローカル・ラインの枝線であつても六、七往復よりも少い區間はなかつた。それが現在一番少い所も多い所も枝線は大體三往復という状態になつておりますから、一つの車が、六囘行つても八囘行つても同じであるのに、それを三囘しかやらないということで、車がいたずらに寝ている、効率が悪くなつているということでございます。車輛も客車は二千二、三百輛燒失し、また特殊の輸送車千輛近くが特別管理になつておりまして、現在八千輛足らずの車を運用しておりますが、これでも石炭が十分に與えられれば昔の五〇%サービス――五〇%サービスと申しますと、全列車平均いたしまして朝のラツシユのときから終列車の一番ひまなときまで平均して五〇%の乗車効率でございます。この五〇%乗車効率までは参りませんが、八〇%程度には引下げられるのではないかと考えております。現在は全列車を平均して遺憾ながら定員をはるかに上まわつております。と申しますことは、昭和十一年十一月の旅客輸送の最盛期でありましたときは一日當り四十三萬五千キロメートルの旅客列車を運轉しておりました。今日は明後十一日から殖やしますローカル列車も加えてわずかに二十一萬キロメートル、五割に達しておりません。しかもお客は昭和十八年度の最盛期を、最近ではやや上まわつております。一日當り九百五十萬人くらいの乗車人員がございます。列車は五割以下になり、車は約二割六、七分減つておる。かような状態でございますから混雑は四倍近くなつておる。從つてもし石炭がわれわれに自由に與えられるといたしますれば、私どもは八〇%サービス程度までは緩和し得る。かように考えております。石炭につきましては私どもが昭和一五、六年ごろ、大東亜戰争當時までいただいておりました炭は、六千四百ないし六千五百カロリーの炭でございましたが、現在は五千二百程度、これだけカロリーが落ちますと、御承知のようにあの狭い火床の中では、蒸氣機關車の特質上、非常に熱効率が落ちるわけでございます。それでアツシユの關係上、どうしてもまだ燃えているやつでも落さなければならぬ、このロスが非常に多い。それともう一點戰時中、戰前におきましては塊炭が六〇%で粉炭が四〇%でございました。現在は粉炭が七〇%で塊炭が三〇%、これで粉炭のうちの二割程度は蒸氣に入れますときに眞黒な煙となつて飛んでしまうのではないかということで、私どもは目下粉炭の固形化、れん炭化を急いでおりますが、ピツチがない關係上、なかなかこれができない。ピツチさえありますれば完全燃燒ができますが、ピツチがないためにできない。やむを得ずピツチレスれん炭でいこうと思いまして、ドイツへ人が行つて戰時中から研究したのでありますが、日本の炭はドイツの炭と違つて、熱と壓力を加えてピツチなしで固める際において、あまり熱を加えますと、石炭自體が燃えますから、燃えないところで壓力をうまく合致させなければならぬ。ドイツがドイツだけで成功しておりますのは、世界中でドイツの炭が非常に適しておるからということであります。私ども目下固形化を逐次やつておりますが、この問題が鐵道の石炭節約の根本的な問題と考える次第であります。
#26
○前田委員長 小平久雄君。
#27
○小平委員 鐵道の電化につきましてはその必要なること、またこれをできるだけ早くやつていただきたい、これは異論のないところであります。またそれの所要の電力につきましては、この説明によりましても、運輸省自體において電源を開發してやるというような御方針のようでございますが、現在のように非常に資材の逼迫しておる際におきまして、一般用の電力については商工省の主管のもとに發送電をして行わしめておる。特に運輸省關係の電化用電氣は運輸省自體でこれをやつておりますと、非常に少ない資材を分散して使うために、國全體として考えますと電源開發の工事等も、ややもすれば遅れるという結果になるのではないかと思われますが、その邊のことはどう連絡しておやりになつておりますか。また將來どんなふうに考えるかそれを承りたいと思います。
 もう一つは現在のような蒸氣機關で走る場合と電化した場合では人件費等はどういうことになりますか。
#28
○伊能政府委員 ただいまの民間電力開發について、國全體として不經濟な點、總合調整の不十分な點がありはせぬかという御質問でございましたが、この點は常に國全體としての計畫の一環として、國有鐵道の電力開發が實施されておりますので、御指摘のような點はなかろうかと考えております。それから經濟比較の問題は、現在一キロワツト、アワーの電力量は石炭三キログラムの力に相當しております。これに對して現在の炭價千三百四十圓でございますと、一キロワツト・アワー當り約一圓というような費用がかかります。三キログラム當り一圓、一方一キロワツト・アワーの電力料金は三十四錢くらい、かようによほど電力の方が低廉である。殊に從來鐵道がつくりました信濃川の電力、これは第一期、第二期は非常に安いときに完成いたしております。また第三期、第四期の目下計畫中のものでありましても、すでに水は第一期、第二期の水をそのまま使用いたします關係上、今後の發電についても相當安くつくのでないか、但し目下調査しております天龍川の水力開發については、今後の電力開發の問題として、一般電力開發と同様、相當高額なイニシヤル・コストが要ると考えられます。それから本線區間は石炭の炭質が非常に悪くなりましたためと、從事員の年齢低下による勞働力との關係上、機關助手を二人乗務させております。これが電氣機關車になれば一人に節約できる。また電氣機關車においては線路にアスがらその他が散逸することが全然ございませんので、非常に保安上も經濟になります。また當面の人の問題といたしましても、給炭、給水の役目の者は今後一切要らない關係で、電氣の方が運轉上相當人件費の上でも節約になります。その意味から私どもとしては電化を促進したいと考えております。
#29
○小平委員 かりに第一期の計畫が完成したとすれば、現在の人員は具體的におよそどうなりますか。
#30
○伊能政府委員 まだ詳細な内容を研究しておりませんから、ちよつとお答申し上げかねます。
#31
○石野委員 私途中から参りましたので、あるいは前の方の質問と重複するかもわかりませんが、二つのことをお聽きしたいと思います。鐵道の電化という趣旨については私たちも滿腔の贊意を表しているものであります。このパンフレツトにも書いてありますように、主要幹線電化用として最小限度の自營電力を確保する必要がある。運輸當局におきましては、電化に對してどうしてもその電源は自家で確保する必要があるという御趣旨で、大體進んでおられるように見受けられるのでありますが、この問題について今後ともやはり電化についてはどうしてもこれは自家で確保する御方針であり、またその必要があるものであるかどうか。いわゆる一般との關連性においてこの電源を確保するということについての考え方、それが一つ、それからいま一つ電化を促進するについていろいろと計畫をもつておられます場合に、その幹線を選ぶ選び方についての大體の骨子になる御方針でございますが、そういうようなものはどういうところに重點を置かれてその幹線を選擇せられていくのであるかということについて、二つの質問をいたします。
#32
○伊能政府委員 第一點につきましては、私どもといたしたして鐵道輸送自體の特殊性からも、完全、正確、敏速に輸送を確保してまいらなければならぬという觀點から、最小限度の電力は自營でいかなければならぬ、かような考えのもとに信濃川の電力を計畫いたしました。このことは東京附近における電氣運轉と、關西の電氣運轉とを比べますときに、ややその關係がはつきりしてまいります。しかしながらこれは最小限度の電氣運轉でありまして、もちろん鐵道全部の電氣を自營電力によつて賄うものであるというような原則を私ども決して立てているものではございません。また今後東海、山陽を電化いたしますに際しまして、とうてい自營電力をもつてしては賄い得ないだろう、殊に西の方についての電源開發は非常に困難な問題があると存じますので、これらの點につきましては政府部内におきまして十分協議の結果、信濃川の第三期、第四期をやるか、天龍川についても國有鐵道が自力開發をやるか否かということは、總合的に決定をいたしておる次第であります。第二點はさいぜん御説明申し上げましたが、現在の國鐵の經營の現状に鑑みまして、輸送量の最も負擔の多い所、換言いたしますならば、石炭消費量のきわめて多い所、竝びに既設電化區間との關連において車輛竝びに施設が比較的少なくて濟む箇所、かような考え方からまず主要幹線に手をつけよう。かように考えている次第であります。
#33
○石野委員 第一の自家保有ということについての觀點につきましては大體わかりました。第二の、この電化選擇に優先順序を決定するにつきまして、輸送量の多い所、すなわち石炭を多量に使う所それからもう一つは既設電化區間との關連性において、車輛その他負擔が非常に輕くて濟むような所という御趣旨はわかるのでありますが、他の一面から言いまして、第一項になつております石炭量を多く使う所ということとも關連するのだろうと思いますけれども、その區間を開發することによつて、むしろ石炭とか、あるいは生産資材というものがより多く運輸の線上に出てくるということが考えられるのではないかと思うのであります。ある所によりますと、そういうようなことも相當――開發する場合においてただ輸送量が多いだけだというような考え方では私は選擇するに不十分ではないか。言いかえればAの土地では人員の輸送だけが非常に混雑している、そのために石炭量を食うのだということからとられる。ところが他の面においては非常に區間も短かいとか何とかいうことはありますけれども、その所では非常に人員も多いが、むしろそこでは資材の動きが頻繁に行われている。集約すれば輸送量が多いということになると思います。ある幹線よりは他の所においてはそういう面が非常に強い。結局そこを開發することによつて生産資材がぐんと動く、人員の輸送よりはむしろ資材面の動きが非常に多いということが相當程度考慮されなければ、今後開發の面に寄與することが少くなりはしないかと考えるのであります。そういう點についてのお考えはいかがでございますか。
#34
○伊能政府委員 私がただいま御説明申し上げました理由の輸送量と申しますのは、旅客と貨物を通じての問題でございます。殊に石炭の消費量から申し上げますと、旅客列車よりは貨物列車の方がはるかに石炭を消費いたします。從いまして輸送量の多い所は最も鐵道經營の觀點からも經濟的である、かように考えて申し上げた次第であります。今お説のような點につきましては、さいぜんそのほかに國民衛生保健上の關係からも、隧道區間等その他については優先的にやるべきではないか、かような御意見も出まして、現にそういつた方向にについては福島・米澤間のごとき特殊な勾配隧道區間も電化を實施中でございます。いろいろな觀點もございますが、原則論としては、輸送量の最も多い主要幹線ということを私どもは原則論として立てているのであります。今お説のようにある區間、隧道とか特殊な區間について開發をやる、ある區間について電氣運轉をやる。これはある區間が輸送力を増大すれば、その區間を通じて全般の輸送力が増大しませんと、區間的な輸送力の増大だけでは、全體の力の上ではあまり大きな貢獻をいたさない。從つて隧道とか、勾配とか、特殊な事情のあります所では、そこで輸送力が著しく制約を受ける、從つて電氣運轉によつて制約が除けるという利點もございますが、今御指摘の點については具體的にどういう所であるか、私思い當らないのでございますが、電化、あるいは輸送力の増強という鐵道本來の立場から申しますと、常にある程度の長距離を考慮に入れる必要があるのであります。
#35
○石野委員 ただいまの點につきまして、前に常磐線の問題がちよつとありましたが、他の幹線と比較しましていろいろ常磐線の特質という問題が出ております。この地區におけるところの電化が今松戸まで行つておりまして、あと土浦までとか取手までとかいうように考えられるのでございますけれども、この區間が特に石炭の問題と非常に關連性をもつております。おそらく常磐炭の動きというものが、相當關東地區におけるところの石炭需給については大きな利益をもつものだと思います。こういう點は他の幹線と比較いたしまして、むしろ私は石炭を動かせるということを相當程度重視して考える必要があるのではないかと思いますので、こういう點についての電化促進の問題の優先順位というものに關しては、相當程度高く買われてしかるべきではないかと考えているのでございます。ところが今までの状況を聽いていると、案外に常磐線については順位がそう早急ではないというふうに私は聽き及んでいるわけでございます。こういう點を勘案しまして、むしろ常磐線などが相當優位にあつてしかるべきではないかと思うのでございます。
#36
○伊能政府委員 御指摘の點につきましては、原則論として私どもも異議がございません、そこで私ども現在の電化區間と緊密な關係をもち、資材、車輛等の比較的少くて濟む所も併せて考慮に入れなければならぬ、かようにお答え申し上げましたが、常磐線等につきましては、上越線と比べて常磐線の輸送力が必ずしも下まわつているとは存じておりません。上越線につきましては、上越の清水隧道の關係は御承知のように昭和六年に完成いたしました。戰爭中東北本線、常磐線の輸送力が行き詰りましたために、そういう角度から上越線の方面をまわすということが、下り勾配で非常に輸送力上の經濟になるという觀點で極力あの路線の開發をいたしました。そうして今日におきましても、裏日本との最近の食糧その他の交通關係等から、上越を水上を中心とした前後に延伸をするということが大きな問題となりまして、上越線の電化開發をいたしました次第であります。私ども將來の問題として東北本線の電化、常磐線の電化につきましては同様なウエイトをもつて目下研究いたしております。
#37
○石野委員 電化促進の問題につきましては、ただいま承りましたいろいろな原則論があるわけでございますが、ただこうした國内的な原則論だけで順位が決定されるというふうに、われわれはただそういうふうに思つていてよろしいのでしようか。もし差支えがございませんでしたらその點についての御意見をお漏し願いたいと思います。
#38
○伊能政府委員 ちようと速記を止めて……
#39
○前田委員長 速記を止めて……
#40
○前田委員長 速記を始めて、金子益太郎君。
#41
○金子委員 一點お伺いいたします。信濃川の電力開發の第三期、第四期の豫算はすでに決定しているものでしようか。これから政府に要求して決定されるものでしようか。
#42
○伊能政府委員 第三期の本年工事分は認められたのでございます。しかしながらこれが使用につきましてはいろいろと制約がありまして十分にその力を發揮し得ないというような状況でございます。
#43
○金子委員 それからもう一つはトンネルのたくさんある所を電化する場合、今まで蒸氣機關が通つておつた所は電化によつて上を上げるとか下を下げるとかいうようなことが起り得るのですか。
#44
○伊能政府委員 今囘の福島・米澤間の隧道のごとく非常に古くつくりまして、殊にあの隧道は地盤が動いておりまして正規の施工軌道がよほどゆがんでおりますから、ああいうふうなものにつきましては特別な改修工事を講じております大體バンを比較的低くつくれますから、何とかいける隧道が大部分でありますが、どうしてもいけない隧道につきましては、もちろん改修をいたしましてやつていきたいと思います。
#45
○金子委員 もう一つお伺いしたいのは、大體講和會議が來年中に結ばれるのではないかというような豫想もされております。その前になるか後になるか存じませんが、當然日本産業再建のために對外クレジツトの問題が必ず起つてくると思うのであります。その際に向うの國に對する擔保物件として若干の國有鐵道が出されるのではないかというような話を最近ちよくちよく聞くのでありますが、そういう問題に對して一體どういうふうなお考えをもつておられるかそれを伺いたい。
#46
○伊能政府委員 巷間よくさようなお話を耳にいたしますが、現在の國有鐵道につきましては、そういうことがあるようにも聞いておらないのであります。これは國全體の問題として相當大きな問題だと思いますので、私ここで明確なとお答辯をいたし兼ねます。
#47
○本藤委員 現在までに鐵道でもつておられる發電所は何箇所であつて、なおまた何萬キロぐらいの出力ですか。そういうことやら、なおまだ未完成のものは何箇所でどのくらいできますか。これにありますかどうか。なお電力と關係しておりますが、この石炭不足の際、亞炭は開發すれば、日本でも將來相當有望なものがある。亞炭には四千五百カロリー程度から惡いのは三千五百カロリー程度ありますが、これは汽車に對しては十分ではないけれども、どの程度まで運轉し得る可能性があるか。そういうことを今まで試驗されたかどうか。それをちよつとお聽きしたいと思います。
#48
○伊能政府委員 運輸省所管の發電所につきましてはお手元に差上げました水力、火力いずれも明示いたしております。水力につきましては千手發電所の第二期の信濃川のものと小千谷も目下計畫中の第三期、第四期の發電所が最大八萬キロ、それから目下調査中でございます天龍川につきましてはそこに掲げてございますように、最大四萬四千キロ、第二期工事が最大の二萬六千四百キロ、こういうようなものを計畫いたしております。
 それからお尋ねの亞炭の問題でございますが、亞炭は新潟鐵道局竝びに仙臺鐵道局等、亞炭地帶においおては焚火を試驗的にやらしております。四千三百以上のものについてはたけるという結論が出ておりますが、何分にも亞炭は木質亞炭その他いろいろ質が異なりますることによつて、機關助手の焚火技術に非常にいろいろな影響をもつてまいります。かたがた保存が、御承知のように現在の機關車はことごとく野積みでございますので、野積みについては亞炭は非常にぐあいが惡いというような點等もございまして、一部石炭とまぜるというようなことで、仙臺鐵道局等でなお試驗的にたいておるというような状況でございます。
#49
○前田委員長 ほかに御質疑はございませんか――私から一つ政府委員にお尋ねいたしますが、水力開發の問題と鐵道電化の關係については、ただ單に鐵道電化のみに限らずして、總合的な計畫が必要だと思うのであります。これについてはすでに御説明がありましたが、セメント、ケーブル、あるいは鐵鋼等、重要な資材が十分まわらないのを、これをただ單に鐵道だけに考えずに、一般發電と總合的に考えての御意見を承りたいのであります。これはどういうことかと申しますなら、電氣消費の部面では最近電熱に三六%以上使つておりますが、この消費を節約して電氣の餘剰力を出して、この電氣の餘剰力を火力發電の節約に利用する。そうして石炭の節約部面を銅の電解等に利用する。あるいはまたセメントの方の生産にその石炭を使う。電力の節約によつて石炭を生み出し、その石炭をセメントの生産に向け、その電力の節約によつて起つたところのセメントの生産をプールして、電力開發のためのダムその他の工事に使うというような一つの施策が總合的に必要なんじやないかと思いますが、こういう點に對するお考えが鐵道當局には今まであつたかどうか。またそういうお考えがあるかどうか、お尋ねいたします。
#50
○伊能政府委員 問題が私どもからお答えを申し上げる問題ではないのでございますが、商工省から三ッ井技官も見えておりまするので、三ッ井技官にお尋ねいただいた方が結構かと思います。
#51
○三ツ井説明員 私からお答え申し上げます。ただいまの御質問の點でございますが、現在電氣の需用が非常に殖えておりますことは、先日局長からここで詳細に御説明申し上げた通りであります。これを今すぐにどの程度に切り下げることができるかということは相當問題だと思います。目下この冬の對策といたしまして安本を中心にして、家庭の電熱に對してどういうような方策をとるかということを考えておるのでありますが、ただいまの御質問は、この冬の問題としてよりも、むしろ將來の問題としてのことかと拜聽したのであります。將來の問題といたしましては、ただいまお話のようなふうに、電力を家庭の電熱等非常に熱効率の惡い方面に使うということは、もつと日本の經濟状態がよくなつてかろにすべきものであううと思うのであります。そういう時期が來るまでは、できるだけ家庭の消費を、國民生活の許す限りにおいて壓縮いたしまして、ただいまお話のような方面に向けなければならぬと思うのであります。ただそういたしますといたしましても、日本の現在のいろいろな資材的その他の關係から、これを急速にやるということには、相當國難があると思うのであります。先般經濟復興會議の方でこの問題を取上げられまして、將來の計畫に非常に大きな示唆を與えておられるのでありますが、それらの問題につきましては、商工省電力局といたしましても、經濟安定本部と一緒にその線に沿う研究を現在いたしておるのであります。安定本部の今後立てるであろう長期計畫につきましては、それをどの程度に織りこむかということについて目下檢討しておられる次第であります。
#52
○前田委員長 鐵道當局にお尋ね申し上げますが、鐵道電化に關するもつと詳しいことをひとつ御報告を願いたいと思います。速記を中止願います。
#53
○前田委員長 では速記を始めて……小平君。
#54
○小平委員 鐵道の電化と關連しまして、でき得ればわが國の鐵道を廣軌にしたらどうかというふうにも考えられます。もちろん國力等の關係もありまして、一擧には參らぬかと思いますが、先ほどもお話のように、特に今後觀光日本をつくるためには、できるならばぜひ廣軌鐵道にしたい、この機會にやつていただきたいという氣持がありますが、これについて當局としてはどのようにお考えになりますか。
#55
○伊能政府委員 鐵道幹線廣軌の問題は、昨年の夏新聞で御承知のごとく、相當大きな問題に相なりました。東京・下關間彈丸列車の計畫の復活ということにつきまして、かなり世上の議論になつたことがございますが、私どもは戰爭遂行の問題に關連しまして、昭和十二年に鐵道幹線廣軌の問題が具體的に取上げられ、そうしてその後國力これに伴わずして、遂に中絶をして今日に至つたのであります。今日の輸送力を率直に觀察いたしますならば、さいぜん石山さんにお答えを申し上げましたように、資材を國有鐵道に許すならば、私どもは昔の「ふじ」、「さくら」、「かもめ」、「つばめ」を動かすことにつきまして、何ら心配はないのであります。また現在の輸送状態の見透しを率直に申し上げますならば、私は今後當分の間は旅客の増加を來すことはあまりあるまいという見解を運輸當局としてはもつております。その理由といたしまして、今日のごとく戰時中の最高時と同様な運送量を負擔しております根本の原因は、食糧の問題、住宅の問題竝びに信用取引がかなり支障を受けておる。また通信その他の機關が疎通を缺いておる。かような事情で交通事情が非常な混雑を來しております。これは食糧の問題、その他全般の日本經濟が平靜に歸りました曉におきましては、旅客輸送は今後十年を見込みましても、あまり進展はしないで、逆に地方的には減る。もちろん都市における電車の通勤交通等はこれは別でありますが、全體の交通としては平靜に歸るのがまず常態ではないかと考えておりますので、ここ十年程度の問題とては、私ども昨年民間において取上げられました彈丸列車についての計畫はいたしておりません。なお將來の計畫として、しからば廣軌幹線列車の計畫を捨てたかと申しますと、熱海のトンネルにいたしましても、日本坂のトンネルにいたしましても、また東海道、山陽の主要都市における用地買収の問題にいたしましても、これは繼續をして實施いたしておりまして、將來の問題として捨ててはおりませんが、ここ十年程度は國力として問題にならぬのではないか。かような考え方で既設線の輸送力の整備に全力を注いでおるような状態であります。
#56
○前田委員長 本藤君。
#57
○本藤委員 發電所の開發に對してでありますが、日發の力と、運輸省の電力を起す發電所の水源、これはどういうふうになつておりますか。
 日發で日本中の權利をもつておつて、それは運輸省と何か話合いでやるのですか。何か自由の權利があるのですか。水利權に對する點をちよつと……。
#58
○三ツ井説明員 日發が水利權全部をもつておるわけではございません。日發は現在電力管理令によりまして、建設命令を受けてやるのでありますが、その場合に既許可ののものがありますから、それについては水利權がなくとも、法案上日發が管理權を讓り受けることができることになつております。從つてまた鐵道の方と、それについて問題が起つておることは今までにもありません。今後新しい地點について、たとえば今天龍川の地點についてやつておりますが、私詳しいことは知りませんけれども、そういう方面において、すでに日發のできる前に電氣事業の許可を受けておる地點がありますが、そういう地點で日發が開發するとすれば、それは讓り受けることができることになつております。ですから鐵道の方は別に、水利權がどういうことにはなつておりますが、まだ確定はしておらぬだろうと思いますから、その意味において、日發の關係はないものと思います。
#59
○本藤委員 例で言えば、かりに福島縣の只見川の開發の水利權は日發にある。これをもし鐵道省がまた計畫したいという場合には、それは自由にできるものであるか、それと長野縣の犀川の中にもやはりそういう發電があるが、これはやはり鐵道省でやるのか、日發でやるのか、どういうことになりますか。
#60
○三ツ井説明員 ただいまお話になりました只見川の問題でありますが、あの川筋につきましては、すでに日發のできる前に水利權の許可になつておる地點がございます。從つてそういうすでに許可になつておる地點については、鐵道がさらに水利權をとるということは、また別個になつて、その權利をやめさせなければ、とれないだろうと思います。
#61
○前田委員長 本日はこれをもつて散會いたします。次會は公報をもつてお知らせいたします。
   午後三時十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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