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1947/08/22 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第6号
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1947/08/22 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第6号

#1
第001回国会 電気委員会 第6号
昭和二十二年八月二十二日(金曜日)
    午後一時五十八分開議
 出席委員
   委員長 前田榮之助君
   理事 金子益太郎君 理事 櫻内 義雄君
   理事 村上  勇君
      石野 久男君    本藤 恒松君
      八百板 正君    東  舜英君
      小平 久雄君    根本龍太郎君
      加藤隆太郎君    本田 英作君
      堀江 實藏君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
 出席政府委員
          商工事務官 古池 信三君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 電力行政の關する件
    ―――――――――――――
#2
○前田委員長 これより會議を開きます。
 本日は電力行政一般に關する件を議題とし、質疑を繼續いたします。
#3
○石野委員 私は今日電力の非常に逼迫した事情から、本冬季におけるところの渇水期に際しまして、電力危機突破という問題を考えますときに、いろいろとその考え方がありますけれども、とにもかくにも當面の國民の生活という面から考えまして、燃料對策というものは非常に重要であると思うのでございます。そういう意味から燃料對策につきまして今當局がどういうような對策をとつておられるか。總合的な燃料對策についての現在當局の考えておられることにつきまして御説明を願いたいと思います。
#4
○古池政府委員 ただいまの御質問に對しまして、お答え申し上げたいと存じます。
 御承知のように戰後電力の需用が著く増加してまいりまして、供給力これに伴わず、殊に渇水期におきまして著しい需給の不均衡を來しております。その原因の一つは、從前に比べまして家庭等におきまして電力を熱源として使用し始めたことが、大きな影響を來しているような次第でございます。全國平均してみまして、全體の需用の三〇%以上、特に大都市を包容しております關東、關西方面におきましては、おそらく四〇%に近いと考えられます需用が、家庭その他における電熱によつて占められておるという事實は、これを明白に物語つているものと考えるのであります。從いまして今後わが國の産業再建のために、最も緊要なる方面に電力を十分に供給いたしますがためには、この需用の大なる部分を占めておりまする家庭等の電熱使用を、でき得る限り抑制しなくてはならぬと考えております。しかしながら一面から見ますと、この電熱使用もまことにやむを得ざるに出でたる點が多々あるのでございます。それと申しますのは、戰後一般家庭における燃料が非常に逼迫してまいりまして、從來のごとく炭、薪あるいはガスの使用が極度に困難となつているがためであります。從いましてこの電熱に使用さております電力を抑制して、産業方面に向けるがためには、どうしても家庭等に對しまして電熱に代るべき燃料、すなわちガス、薪、炭というようなものをでき得る限り配給いたしまして、電熱の使用はそれでもなおかつ萬やむを得ない場合にのみ、限局すべきものであろうと存ずるのであります。さような見地からいたしまして、經濟安定本部が中心になり、農林當局及び私どもが集まりまして、家庭用の燃料の總合對策を立てるべく、協議を進めている次第であります。本日これが詳細なる數字はここにもつておりませんので、申し上げることはできませんが、大體の構想といたしましては、日本の家庭におきまして一年間に炊飯用に使用いたします熱量を計算しまして、そのうちで薪炭によつて賄い得る量はどれだけであるかということを計算し、なおかつ足りないところはガスあるいは電氣をもつて充てるという趣旨のもとに、計畫を立てているような次第であります。全國におきましても農村あるいは漁村でありますとか、都會地以外の場所においては、比較的薪炭の利用の可能性が多いのでございますから、さような所には本年度は電熱の使用を禁止する豫定でおります。大都會でありますとか、あるいは薪炭事情のきわめて惡いような都市につきましてのみ、しかもある程度の制限を設けた上で、最小限度電熱の使用を認めるという方策を進めていきたいと考えておるような次第でございます。
#5
○石野委員 ただいまの局長の説明で、大體の方向はわかつたのでありますけれども、それの詳細なデーターをただいまお持合せがないというお話でございますから、その點については後日安本のその筋の關係の方々の御説明を承りたい。こういうふうに思つておりまするが、ただいまのお説によりますると、都會地における燃料確保の非常に窮屈な場所に對しては、本冬季においても制限を附して電力は使わしたい。こういう御意圖のようであります。まことに結構なことだと存じておりますが、他方日本の冬季におけるところの電力が非常に不足して、そのために工業用の動力が非常に足りないという事情にあることから考えますると、その點についても制限された數量といえども、家庭用電熱として十分に行きわたるかどうかということを、憂うる次第でございます。私これらの總合燃料對策を當局が考えるにあたりまして、熱效率としての石炭あるいは電氣というものの換算というような點から、火力發電を冬季において使用しようという場合に、石炭を使う場合と、その石炭の幾部分かはむしろ直接に家庭用の燃料として配給する。その點から石炭のもつ效率のいい點から、家庭用の熱源というものを確保いたしまして、石炭を電力に使うということからくる效率の低下する面を、カバーするような御配慮があるのかどうかという點についても、お聽きしたいのでございます。
 また現在薪炭關係の生産が、戰前または戰時中の状態と比較して、どんな状態になつておるのかというようなことも、お聽きしたいのであります。戰前または戰時中におけるところの薪炭の生産量と今日との比較が非常に低減しておるのかどうか。電力は不足しておるにもかかわらず、電力の發生量というものは案外に少くないというような事實から見ましても、薪炭は決してそう生産が劣つておるというふうに片づけられない問題ではなかろうか。むしろ生産されたところの薪炭が、相當違つた面へ利用されるためにくる困難さが、今日あるのではなかろうかというようなことを考えますると、そういう點もにらんだところの御囘答を實はいただきたかつたのであります。そういう點について本日もし電力局長の御説明がいただければ結構でございますが、なければ次の機會にそういう點についての當局の御説明を承りたい。こういうふうに存じております。
#6
○古池政府委員 お説のごとく石炭の效率、これは十分に考えなくてはならぬと存じます。同じ量の同じ質の石炭をもちまして、これを火力發電としてたきました場合と、直接に石炭をたいて熱源として使用いたしまする場合と比べますと、電氣に使用する方が能率から言いまして、半分あるいはそれ以下に低いのであります。從いましてその點から申しますると、火力發電をするのを抑制いたしまして、それだけの炭があれば家庭その他に配給して、直接に石炭をたく方が能率的にはよいと考えますけれども、しかしながらこれは他面におきましては、一般家庭に對する配給機構、その他輸送機關の問題等もございますので、能率の點からのみ簡單に片づけるわけにはまいらぬと存じます。しかしながら私どもの趣旨といたしまするところは、かような乏しい石炭の利用にあたりましては、でき得る限り熱效率をあげる方法をもつて使用していきたい、かように考えておるような次第でございます。
 次に薪炭の生産量の問題でありますが、これは私ども所管も違いまするので、いずれ後日農林當局から御答辯があつた方がよろしいかと存じます。ただ仄聞いたしまするところによれば、生産されました薪炭のうち、相當な部分が一般家庭に對する正式のルート以外の方面に使用されておるといううわさも聞いておりまするけれども、しかし正確なることは私としては申しかねるような次第でございます。
#7
○石野委員 ただいまの御説明で、大體石炭の熱效率は、電氣に使用する場合よりも、熱源として使う方がより有效でということについては、一應認められるけれども、配給機構あるいは輸送關係からなかなか困難なように承つたのでございますが、それらの點につきましては、機構的に、あるいは輸送の面から困難だということにおいて、それを考えないような方向にもつていつておられるのであるか。あるいはまたそれを配給機構、あるいは輸送面から何とか解決しようという努力をしておられるのかどうかということについて、ちよつと御意見を聽きたいと思います。なお薪炭の件に關しましての御説明は、ただいま局長からのお話もありますから、後日當局の御説明を承りたい。かように存じております。
#8
○古池政府委員 石炭をできる限り能率よく使用したいという私どもの考えにつきましては、御了解を願つたようでございますが、實際問題といたしましては、眞にやむを得ない方面に電力を送るがために、渇水期に必要とします發電用の石炭の入手に、私どもとしてはもつぱら努力をいたしておるような次第でございまして、これが良質炭を必要なる量入手するということ自體が、非常に困難な状態にあるのであります。從いまして一般の家庭に石炭そのものを配給するという問題につきましては、電力當局としては現在考えておらぬのであります。ただ先ほども申しましたように、かように苦心をして入手した石炭をもつてできます火力發電が、能率の惡い方面、すなわち熱源として好ましくない方面に使われることを、できる限り抑制しなくちやならぬという見地から、もつぱら家庭用の電熱でありますとか、あるいは電氣ボイラーでありますとか、さような方面に使われることを極力抑制することに目下努力をいたしておるような次第でございます。
#9
○石野委員 大體局長のただいまの御説明に對しましては了解いたしました。しかしなお自分としましては、後に疑議を殘しておる點もあるのでございますが、これは統合燃料對策という問題が次の委員會で取上げられます場合に、また御質問いたしたいと存じます。
#10
○櫻内委員 私のお聽きしたいのは、先日非公式に配電會社の方から現在の配電状況を承つたのでありますけれども、やや局部的なお話でありましたので、全般的な目下の電力不足の状況、配電状況について局長から承りたいと思います。
#11
○古池政府委員 ただいまの御質問に對しまして、やや詳しくお答え申し上げたいと存じます。われわれの豫想によりますと、來月におきまして需用電力は、全國合計いたしまして平均電力で示しました場合に、約三百九十三萬キロワツト程度であろうという考えをもつております。これに對しまして水力の供給力は約三百七十六萬キロワツト、火力の供給力は十六萬キロワツト、從いましてその水力及び火力の合計の供給力は三百九十二萬キロワツトという豫想でありまして、これに對しまして不足が約一萬キロワツト餘り出るという豫想になつております。但しこれは全國おしなべての數字でございまして、地域によりまして非常に逼迫度合の多い所とそうでない所が出てまいるのであります。
#12
○櫻内委員 次にお聽きしたいことは、電力の配電状況は、休電日等を設けまして、相當計畫制をもつておられることは認めるのでありますけれども現状におきましては、たとえばただいま場所によりますと、隔日配電というのが、連日四日ぐらい續いて休電しておるという状況があるのであります。そこで私ども議員といたしましては、これをもつと間違いのない、計畫性をもつたものにしてもらいたいと考えておるのでありますけれども、この配電に對する計畫についてのお考え方をちよつと承りたいと思います。
#13
○古池政府委員 本州中央部におきましては、大體夏の渇水期にはいりまして、一週二囘の休電日をもつてしのいでいくということにしていく豫定であつたのでありますが、一週二囘と申しますと、そのうち一囘は日曜日の休業をやりくりしていただく。あとの一日は電力を使用せざる方面の仕事、たとえば工場内の整理整頓というようなことをやつていただくという方針のもとに進んでまいつたのでありますが、八月の中ごろ以來、水のぐあいが非常に惡くなつてまいりまして、御承知のように降雨もほとんどありませんので、やむを得ず去る十八日から隔日送電ということを實施いたしておるのであります。しかしながら相當の降雨があり次第この制限はただちに緩和いたしまして、一週二日の休電にもどるつもりであります。先般中央氣象臺の豫報によりますと、二十三日ごろには相當の降雨があるという話でございましたので、一應十八日以後一週間の豫定で緊急的な制限をいたしたのでございますが、本日中央氣象臺と打合わせてみますと、二十三日の降雨は大したことはない。八月一ぱいはおそらく相當の降雨はないであろうという豫報に變つてまいりましたので、私どももやむを得す今年一ぱいさらにこの緊急的な制限を繼續せざるを得ない事態になつておるのであります。しかしながら例年の例によりましても、九月にはいりますれば二百十日の臺風もまわつてまいりますし、相當な降雨があることは期待できますので、九月にはいれば大體一週二日休電ぐらいの程度に緩和はできる見込みをもつて進んでおるようなわけであります。
#14
○櫻内委員 休電日を設けることによりましても、電力の基本料金は引續き同じようにおとりになつておりますけれども、この點につきましては、何かお考えはないものでございましようか。
#15
○古池政府委員 この點は制限の度合が相當強く、また長く繼續いたしました場合におきましては、基本料金の割引ということも考えたいと存じております。しかし一週間ないし二週間程度に隔日休電をやる場合は、おそらく基本料金の割引は困難であろうと存じますが、なお今後の事態に應じまして、十分研究考慮をしていきたいと存じます。
#16
○櫻内委員 最後にもう一つお聽きしたいのであります。甲の「ろ」に屬する事業者からの話なのでありますけれども、具體的に申しますと、城東區の大島町一丁目大島變電所の管轄内であるそうでありますが、同じ甲の「ろ」でありながら、三菱とか東都製鋼が電氣の供給を受けて、一面城東製鋼であるとか、東京伸鐵であるとかいうような會社は、電力の供給を受けなかつた場合がままある。こういう點はどうであるのか。かくいう尋ねが私のところにあつたのですが、こういう場合について、どういうわけであつたかということは何か心當りはございませんでしようか。
#17
○古池政府委員 お答え申し上げます。ただいま御指摘になりました具體的工場につきましては、追つて調査をいたしませんと、私から責任あるお答えはいたしかねるのでございますけれども、大體甲類の「ろ」になつております工場でありますれば、原則としまして必ず同一程度の制限をするということはもちろん定められておるのであります。但し場合によりまして、專用線をもつております工場と、專用線をもたないで一般の需用と一緒になつております工場との間においては、技術的に非常に制限の仕方の困難な場合がございますので、さような場合においては、眞にやむを得ざる措置として多少取扱いが異になることがあるかとも思いますけれども、そうでない限り、技術的にいやしくも送電し得る場合においては、その取扱いを一、二にすることは絶對にないつもりでおります。なお設備上さよう不公平があることは好ましくありませんので、さようなものについては、資材その他事情の許す限りはできる限り專用線をつくるなり、その他の方法をもつて公正に扱い得るように取計らつていきたいと考えております。
#18
○前田委員長 櫻内君に申し上げます。商工大臣が御出席になりましたから、商工大臣に對する御質疑をお願ししたします。
#19
○櫻内委員 大臣にお伺いしたい。第一點は電力行政に對して、あるいは一般電力問題に關して、經濟復興會議の關係についてどういうふうにお考えになつておるのかということをお聽きしたいのであります。それは先般經濟復興會議において十箇年計畫電力二千萬キロワツト開發案というものを出されまして、これを政府に申し出ている。また經濟緊急對策の第五項に「經濟復興會議と緊密に連絡して、合理的な産業別整備計畫を確立實施し」というふうに經濟復興會議を非常に重要置視されておるのでありますけれども、これに對する大臣のお考え方をお聽きしたいのであまりす。
#20
○水谷國務大臣 經濟復興會議問題に關しましては、ただいま御指摘のような緊急經濟對策の中においてもうたつておる點でございまして、今後わが國經濟民主化の上から申しましても、さらにその線に沿うて日本の經濟を再建していく場合におきましても、經濟復興會議というものを重要視し、これと協力しなければならないことは言うまでもございません。しかしそのことと、經濟復興會議の水力開發に對する十箇年二千萬キロワツト開發計畫をそのままわれわれがのむということとは別個の問題でございます。われわれといたしましては、もちろん經濟復興會議で立てられました十箇年計畫をむげに退けるものではございませんが、日本の經濟の状態、さらにまた日本の今置かれている占領下の特殊状態をいろいろ考えまして、經濟復興會議の十箇年計畫をどのようにとるべきか、これは愼重に考慮せねばならない。そのように一つ御了承願います。
#21
○前田委員長 本藤恒松君。
#22
○本藤委員 日本再建には電源開發をしなければならぬことは當然なことでありますが、電源開發をいたすにいたしましても、第一に戰爭前に日本の電源開發をいたした外債の處理の問題をどのように政府が解決なさるか。日本が最も外國に對して信用を得るために、民間團體から外債として借りてあるもの、これを實際どういうようになされるか。それを具體的にお聽きをしてわれわれ納得したいのであります。十八年の處理法によつてやられたときは、一ドルにつき四圓二十五錢とか、英の一ポンドにつき十六圓八十四錢とかいうように政府はやられたようであるが、現在のドルと日本の圓との換算でいくと、非常に隔りもある。またこれに對してどのような支拂方法をやられるか。こういうことも一應お聽きしたい。實體財産、これに對しては相當のそれに關係のある信託會社なり、また政府の方へいろいろな書類において追究されておるようであるが、これは日本の貿易上に對しましても、今後の日本國民のあらゆる産業を再建する以上においても、どうかぜひこれを早急にひとつ解決願いたい。これに對する御意見をやはり明確に伺いたいのであります。なおまた戰爭中に信託證書によつて發電所であるとか、配電線であるとか、いろいろな向うの抵當になつていたものが抵當權を抹消されておる。なおまたこれに設備してある機格一切も相當に移動されておるようにも聞いておるのでありますが、終戰當時の實態をやはり調査して、これを向うの關係の銀行、またはその信託會社へ報告することも必要ではないかと私は思うのであります。こういうことも速やかに政府はなされてはどうかというように思うのであります。次に、やるべきことは十分した後に、日本のわれわれとしての再建すべき電源の開發をしたい。やはり今までのやるべきことをした後に、われわれとしては、米國に十分お願いして、資材資金面の應援を願つて電源を開發したいのであります。なお農村工業の振興であるとか、日本産業の再建ということに對しては、どうしても電力が必要なのでありますが、これを今までの日本發送電株式會社だけに一切を獨占というか、日本の電力管理法だけにおいて、一會社だけに任せておくというようなことでは、とうてい日本のほんとうの電力の民主化というものはできませんから、これは各縣におきましても、縣營電氣を起したいという希望が相當あるのであります。なおまた町村電氣を起したいとか、組合電氣を起したい。なお個人なり會社なりで、ところどころにおいて大小河川を利用して、電氣を起して、いろいろ農村工業におきましても、いろいろな産業におきましても、やりたいという聲が一般國民の間に大きいのであります。どうかこういうような點から見まして、電力管理法の改正をひとついたして、自由に簡單に發電事業をさせるように願いたいのであります。これに對する商工大臣の所見はどうか、ひとつお聽きしたいのであります。
 次に昨年の十一月から本年の三月までに超過使用した要するに超過使用量の罰金として、十倍だと思いまするが、これから特にあげた罰金、つまり料金の高の總計が約三億三千三百萬ほどになつており、現金收入が二億八千五百萬圓ほど、未納四千八百萬圓というように聞いておるのでありますが、この多額の金はどういうように使用されるか。その用途も承りたいが、私どもといたしましては、この電源を起す一番もとの森林、實は戰爭中非常に森林の濫伐をいたしたために、かりに長野で申すならば、千曲川の東京發電所の大瀧の取入口のダムやなんかにおいて、一昨年の洪水におきましては、下水内郡の常盤村、岡山村、下高井郡の瑞穗村、また犀川線の水内發電所におきましては、水内村の新町のごときは、非常なる浸水をいたしまして、その土地の住民は非常なる迷惑をしておるのであります。これはみな發電所のダムの問題できておるのであるから、こういう資金があつたら、どうか水害豫防工事を速やかに願いたいのであります。どうかこれを早急にやつていただくということをお願いしたいのであります。以上三點に對しまして特に商工大臣の御答辯を願いたいと思います。
#23
○水谷國務大臣 ただいまの御質問の第一點は外債の問題でございますが、これは前にこの委員會で大藏大臣から本藤さんに相當詳しく御答辯があつたと思います。從つてこの問題に對する具體的な答辯といたしましては、商工大臣がやるべきでなしに、これはもう當然大藏大臣がやるべき問題であろうと思いますが、ただわれわれといたしまして言うことができる點は、仰せの通り信託契約をあくまで尊重いたしまして、債權者の權益を損わないように、大藏大臣とも連絡を保つて、萬全の措置をばとらねばならないということは言うまでもありません。將來も私らといたしましては、事情の許す限り外國の資本――と申しましてもこれは大體アメリカの資本でございましよう。アメリカの資本を利用いたしまして、わが國産業の再建に寄與せしめたい。また電力の開發にも寄與せしめたいということは、私も同感でございます。日本の經濟再建のためにおいては、あくまでも自力でやらなくてはなりませんが、全力を自力で盡しまして、その足りない點は、外國資本の援助を仰がなくてはならないという事情にあるのでございます。從つて前の溝をさらわなくてはなりませんので、從來の信託契約は十分尊重する。從來の信託契約を尊重しないで、今日におけるそういうような外資の導入ということは絶對不可能でございますから、これは仰せの通りです。しかながらその從來の外債の處理の方法はどうするかという點は、これは大藏大臣の前の御答辯で不十分でございますならば、また機會を得て大藏大臣かひとつひ十分なる御答辯を得ていただきたい。商工大臣といたしましては大體以上の答辯で御勘辨を願いたいと思います。
 さらに第二の水力開發の問題ですが、これは私も先般常磐の炭坑にまいりましたときに、福島縣の知事などからも、ああいう農村の工業開發のために、少しの水の落差を利用して、水車程度で電力を起してやりたい、それをやつてくれれば非常に便利だという意見を聽きました。私も實地を見てみますと、なるほどそれはもつともであると思います。從つて商工省といたしましては、その電力が國家管理されております、これはいい惡いは別といたしまして、現實の姿はそうなつておりますので、その電力の國家管理上支障のない、差支えのない程度におきまして、比較的小規模の水力開發は今後十分研究してみたい。このように考えておる次第でございます。
 さらに第三の點として、超過加算料金の問題でございますが、これは電産方面その他の方面からも、――今三億三千萬圓と數字を指摘されましたが、大體その通りでございます。その金の使途は一體どうなつたか。一體商工省は何に使つたかというようなことを一般の人々、あるいは電産方面からも盛んに追究されておるのでございますが、はつきり言えることは、その金はそのままちやんと殘してあります。少しも使つておりません。一厘の金も使つておりません。ただこの省令におきますると、こういうような料金の使途は電氣事業に關する公益的な方面に使うことができるということになつておるのでございますが、現在の政治情勢のもとにおきましては、こういうような料金の使途方法に對しましては、いろいろと交渉せねばならないのでございまして、これは目下交渉中でございます。その交渉がつきますれが、公正な使途にこの三億數千萬圓の金を充てたいと思います。重ねて申しますが、俗に言われておる罰金、この金額三億三千萬圓というものは、今日におきましても一錢も使つておりません。從つてこの使途方法に關していろいろのうわさがございますが、それらは全然とるに足らないところのデマであるということを斷言してはばかりません。
#24
○本藤委員 第一の點は商工大臣からの説明で大體了承いたしまして、これはまた必要あらば大藏大臣にいろいろな點をお伺いいたしますが、第二點に對しては、どうも商工大臣のお言葉ではまだ消極的で、日本の再建というものは、資材がない日本でありまするし、電力以外においては日本の國民に與えられた天惠はないのであるから、これを開發する以外にはないのでありますが、おそらくこれは眞正面の電源開發となると、いろいろなまた問題がありますが、民主化という一つの問題で一般農村の人たちにたやすく五十キロ、百キロの小さい發電を自由にやらせるというならば、簡單にたくさんの資材もなくしていくのでありまするから、これは相當大臣も今後いろいろな角度から御研究になつていただいて、積極性をもつていただきたいのであります。
 次の第三の問題は、その金はどこへも使つてないという御答辯でありますが、私は、近年にない洪水で、發電のダムの問題で非常に困つておる國民に對しては、その金にかかわらず、日本發送電株式會社へ申し出るか、または國土計畫の方の内務省關係でやるか。いずれかひとつこれは發電に對するダムの關係の災害でありますから、商工省としてぜひ積極的に水害豫防工事を施していただくようにお願いしたいのであります。以上この二點をお願いいたします。
#25
○水谷國務大臣 御質問者のように一つの農村なら農村を例にとつて、資材もそう要らないで水力開發をやつていくというなら何でもないのですが、それを日本全國の農村がやりますと、小さいものも積り積れば大きくなりますのでそういう點は電力の國家管理上、程度によりまして非常に愼重に考慮せねばならぬと思います。しかしながら仰せの通り程度いかんによりますれば結構だと思いますので、その點は具體的に問題といたしましてひとつ十分に考究をしたいと思います。從つてその地方々々の必要の度合、あるいは程度問題、そういうような問題によつて一つ一つ具體的に解決すべきであつて、原則的に比較的小規模の水力開發は許すというわけにはまいらぬので、具體的に一つ一つの問題を解決するというような行き方でいきたい。このように思つております。
 第三の問題でありますが、なるほど仰せのごとき點もきわめて必要なことでございます。從つてこれは省令においても電氣に關する公益的な方面に使えるという規定になつておりまして、これをばその方面に使いたいと思つておりますが、あるいはまた一方においては、こういうような金は一般會計に編入すべきだという議論もありまして、なかなか結論に達しないのであります。はたしてその交渉の結末でつきますれば、十分その點はだれの眼から見ましても公正なりと思うような使い方をいたしたいと思つております。ただいま商工省當局の考えとしては御指摘のような植林事業費にこれを使うことは考えておらぬので、大體われわれの頭に浮んでおるのは、電力の規正制限に使うリミツターとか、そういうものに使いたいというふうに考えております。植林事業ということにつきましては、これは商工省がやるべき問題ではなくして、むしろ農林省がやるべき問題ではないかというふうに考えております。
#26
○本藤委員 第二の問題の、その地方地方で起きたりする問題について、これはひとつ商工當局とも十分連絡をとり、いろいろな方面に運動して電力の民主化ということで進みたいと思います。
 第三の問題はちよつと今答辯されたことは私の言うことと違つておるので、私は決してその金を植林に使つて、治山治水という方面に振向けてもらいたいというのではなく、現在のダムで水害をこうむる、そのダムのところに水害豫防工事をしていただきたいというので、決して永久の治山治水の問題にその金を使つてもらいたいというのではありませんから、ちよつと今の御答辯は方向が違つていやしないかと思います。
#27
○水谷國務大臣 ただいま繰返して申しましたように、その使途方法もきまつておりません。從つてただいま仰せのこともそういう使途方法がきまりますれば、ひとつ考究してみますが、ただいまここでそういう方面に使うということはお約束ができぬと思います。
#28
○根本委員 商工大臣にお伺いいたします。今囘の東北を襲いました水害は、各般にわたつて相當深刻なのであります。特に發送電に對しましてもかなりの被害あるごとくわれわれは推測しておるのであります。これに對する政府の調査はどの程度の被害と見ておられるか、またこれに對していかなる對策をもつて臨まれるかこれを端的にまずお伺いいたしたいと思つております。
#29
○水谷國務大臣 これは數字にわたりますので、電力局長から答辯いたさせます。
#30
○古池政府委員 ただいまお尋ねの東北及び北海道地方の水害状況につきまして、私からお答えいたしたいと思います。東北地方は七月二十一日及び八月一日、北海道地方は八月十五日に豪雨がありまして、これによりまして電氣施設にも相當の被害があつたのでございます。現在までに判明しております被害状況は大體次のようでございます。
 まず東北地方の七月二十一日の分としては、水力發電所が日本發送電所屬のものが十一箇所、東北配電所屬十箇所でございまして、送電線は日本發送電の鐵塔の被害が五基、東北配電の電柱の流失が二十八本、次に配電線としては、東北配電の被害電柱が千二百三十七本、流失の柱上變壓器が三十箇以上でございます。なお第二次の東北地方の八月一日の場合におきましては、水力發電所としまして、日本發送電所屬のものはこのときは一箇所もない見込みであります。東北配電所屬としては五箇所ございます。送電線路といたしましては、日本發送電の所有に屬するものは被害がない見込みでございまして、東北配電のものは被害電柱百十一本という數字が報告されております。北海道地方の八月十五日の分としましては、水力發電所が、發送電四箇所、北海道配電は今調査中でございまして、まだ報告は届いておらぬのでございます。なおその詳細なる内譯もございますが、現在におきましては大部分復舊いたしております。なお未復舊のものについては、極力商工局及び關係會社が一體になりましてその復舊に努力をいたしているようなわけでありまして、日ならず囘復する見込みでございます。
#31
○根本委員 ただいまの報告は大體了承いたしましたが、次にわれわれが非常に心配しておりますのは、ダムの基礎が非常にぐらついてきているという現状です。そのために今囘の水害中にあたりましても、ダムの決壞の危險があつたために、放水を命じて辛うじてそれを保持しているという現状でありますので、こうした小さな現われたものよりも、秋に出る水、あるいは明年度豫想されるところの水の危險性――これに對しては政府は水力發電を保護する以外に、その決壞より起るところの農村に對する被害が非常に甚大になる危險性がありますので、水陸施設の保持以外に、農村水害の豫防的な意味において、このダムの補強を十分に全面的にやつていただかないと、非常な危險に襲われて、農村はこれに對して非常に汲々として心配している。こういう現状でありますので、この點をひとつお願いいたします。
#32
○古池政府委員 ただいまの御意見の御趣旨はまことにごもつともと存じます。私どもも極力御趣旨に副うように努力いたしたいと思います。
#33
○根本委員 次に水害復舊につきまして、政府當局も御存知のように、現在土木工事には非常に莫大な金額とまた厖大な資材を要するのであります。特に現在の時局としてやむを得ず、木材を多く使うのでありますが、これが現在現地において製材あるいは加工をする場合、現在の電力制限のためにほとんど動かない。こういう現状で、秋田その他被害地區における業者が製材竝びに復舊關係の加工業については、電力制限の特別措置をもつてぜひ緩和してもらわないと、本年中に行うべきところの緊急工事がほとんどその成果をあげることができないというのであります。これについて政府の處置をどうなされるか、御答辯を願いたい。
#34
○古池政府委員 電力は非常に逼迫した状態にございますので、これが緩和はなかなか容易ならぬことと存じますけれども、ただいま御指摘のような緊急復舊しなくちやならぬような重大なる要求を含んでありまする方面につきましては、電力の供給についても相當考慮を拂うべきであろうと存じます。なお電力は地域的に非常な需給の状況が違つておりますので、私どもは原則方針は本省においてきめまして、ある程度地方の商工局の權限に任しているところがございます。從つてただいまのお話の秋田縣におきまする製材の關係等については、仙臺の商工局長にお話くださいまして、商工局長の裁量内においてでき得るような方法を御相談願えれば非常に結構だと存じます。なお私の方からも御趣旨の點は仙臺の方に申し傳しえたいと考えております。
#35
○根本委員 ただいまのことは緊急的な水害に對する問題でありますが、先ほど他の委員からも申されましたが、この電力の配給の民主化という問題を簡單に政府にお願いします。それは御承知のように從來の電力規正というものは主として戰時經濟時代において立案されたものであります。從つて從來の戰時經濟を主として根據において、配電の集中的な分配が行われたものと見ておる次第であります。その後あまり大きな變化がない。ところが東北のごとき發電能力は相當にありますが、現實に發電しておるうちの多分のものは關東配電その他にもつてきておる状況です。しからば東北において産業の資源がないかといえば、木材のごときその他農村加工のごとき、あるいは鑛山開發のごとき、幾多重要資源があるのであります。しかるにもかかわらず、動力がこつちにもつてこられておるために、資源の開發ができないというぐあいで、現在の日本からすれば、資源動力があるにもかかわらず、その配分計畫が總合的の見地に立つ健全化されていないのであります。かえつてちぐはぐな状況になつておる。これは速やかに政府において是正していただかないと、日本の産業復興は行政の措置のまずさのために遅れておるようなことになると思うのであります。その意味におきまして、今後は配電の合理化をはかる場合において、資源と勞力と、さらには現在の發電能力、こういうものを勘案していただかないと、從來は都市集中的な工業電力にあまりに重點をおかれておつて、地方の發達、開發が全然ないという現状であります。これについて商工大臣の所見を承りたいと思います。
#36
○古池政府委員 ただいまの御質問の御趣旨全く私ども御同感であるのでありますが、戰時中と現在とはわが國における産業の規模、種類がすつかり變つております。從いましてこれに即應した動力の供給の仕方というものもおのずからそこに出てくると思います。ただ電力は一本の送電線によつて東西南北いかようにもいくのでございます。これは多少送電ロスがございますけれどもそれを度外視すれば、どこにでももつていかれる性質がございます。從つて東北の電氣であるから東北にのみ使うとか、あるいは北陸の電氣だから北陸にのみ使うというような、封建的な、ブロック的なことは私は贊成できないと思いますけれども、ほんとうに合理的にある地點において原料もあり、また勞力、設備その他が備わつて、しかも電源もあるというような場合だつたら、そこに産業を起すということは自然であろうと存じます。しかしながら現在の日本の産業經濟のあり方は、經濟安定本部が中心になりまして總合的な計畫のもとに行われつつあり、また今後も行われんとしております。從つて私ども電力關係者といたしましても、總合的な計畫に即しまして、この動力を供給する方面に萬全の措置をとりたい。かように考えております。
#37
○根本委員 ただいまの趣旨はその通りでありますが、しからば具體的に政府はこれに對してどういう措置をとるか。たとえば現在のところは安本を中心として動いておるということでありますが、實際知事公選竝びに新憲法に基くところの地方自治制度の確立の結果、各地方ともおのおの産業開發計畫をもつておるのであります。しかるところ商工省その他に連絡していろいろ資材を集め、工場ができたという時になつて、これは全然配電關係でだめだ。こういう實例が多々あるのであります。これではせつかく一年半ないし二年間の準備したものが全部だめになつてしまう。電力一本で動かなくなつてしまう。これではどうにもならぬ。地方の産業立地計畫と中央で考えておるところの綜合開發計畫というものを、どの線において具體的に調整するか。この點をもう少しはつきりしていただきたいのであります。縣の方ではどうにもならない。商工局に行つても、どうもこの點は困ると言う。商工省に行つても、われわれは君たちに非常に同情している。やつてもらいたいけれども、われわれの方にも權限がないと言う。安本に行くと、そういうことはわれわれとしては非常に重要な問題として考えておるけれども、現在あまりわれわれの方に資料がないとか、その點聞いてないということである。現在はむしろ地方産業に基礎を置いた中央の政策でなければならないはずです。安本が現在非常に非難されておるゆえんは、經濟の實態、地方自治體の實態に即しない計畫を頭ごなしに組むからであります。どうかその點は是正して、商工大臣はぜひ早急に電力の、先ほど言われた民主化の問題を、機構の問題においてただちにやつてもらいたいのであります。現在日本の産業危機あるいは貿易再開といつたような場合に――主として動力に依存し、しかもこれは從來の戰時工業のごとき大工業ではありません。みな中間都市あるいは農村に基礎を置いたところの工業なのであります。その意味において、貿易再開を控え、さらに農村工業を發達しなければならぬ現實におきまして、速やかに電力配給の民主化について商工省が具體案を立てて、國民にこたえていただきたいと思います。これに對する商工大臣の御意見を伺いたいのであります。
#38
○水谷國務大臣 御質問に對する御答辯になるかどうか存じませんが、ただいま御指摘の、たとえば一年半なら一年半、二年なら二年やつた計畫が、電力だけの點に關してふいになつたという事實があれば、これはまことに濟まないことであると思うのです。そこで私らの立場からいたしますならば、これは安本の仕事であるとか、商工省の仕事であるとか、そういうような責任逃れはいたしません。ただ地方におきまして一年半、二年もかかるような大きな計畫を立てられるときには、大體關係筋と連絡をつけてやつていただくというぐあいにしてもらいますれば、電力一本のことでそういうような御迷惑をかけるということはないと思います。しかしながらそれは過ぎ去つたことでありますから、實際上もしそういうようなことがあるとすれば、よく地方の出先機關に調査を命じまして、濟んだことは濟んだことといたしまして、できるだけのことはさせていただきたい。このように考えております。從つて具體的な問題でどうだということを、直接私の大臣室へ來ていただいても結構です。あるいは地方商工局長に言われても結構ですが、それをやつてもらえば、できるだけのことはいたします。しかし希望といたしますれば、そういうような大きな計畫を立てられるときには、十分前もつて御連絡を願いたいということだけはひとつ希望として申し上げておきます。
#39
○根本委員 今の答辯は個々の問題についての御答辯と思いますが、私が特に政府に對して要望する點は、今後の地方産業の立地計畫と政府の總合計畫との調整のために、電力配給についてどういう行政上の措置をもつてこれを合理化するかということであります。
#40
○水谷國務大臣 商工省はあくまでも實施官廳でありまして、ただいまのような綜合計畫を立てるのは安本であります。ただ安本は御存じのように、これまで出先機關をもつておりません關係上、あるいはその地方の實情に暗かつた點があつたかもしれませんが、最近機構の擴充によつて出先機關をもちましたので、その點は相當調整されるのではないかと思います。しかしこれまでのいろいろないきさつから見ると、私どもは實施官廳でありますけれども、たとえば電力なら電力の問題に對して安本が計畫を立てるというときには、その事前において商工省と十分の連絡をとつてやつておるのでありまして、今後出先官廳との連絡、さらに實施官廳の連絡を密にいたしまして、安本の計畫というものをきわめて地についたような計畫をさせるように、實施官廳のわれわれの立場からいたしましても十分協力したい。このように考えております。さらにまたその出先機關の問題に關しましては、これは最近の知事會議などにおきまして、安本、商工省あるいは農林省、それぞれがそういう出先機關をもたずに、知事のもとに統合すればいいのじやないかという御意見がありましたが、これは内閣全體の問題として今考究中でありまして、そういう點からもよくいろいろ考慮していきますれば、それらの問題が大體解決できるのじやないか。このように考えておりますから、さよう御了承を願います。
#41
○前田委員長 東舜英君。
#42
○東委員 時間がありませんから、ごく簡單に大臣にお伺いしたい。先ほど櫻内君から經濟復興會議で二千萬キロワツトの電力開發の計畫があるが、政府はそれにむろん反對ではないけれども、今必ずしもそれを公面的にきめて、どうこうという考えはないというお話でありました。その十箇年計畫とか、二十箇年計畫とかいう遠大なことはとにかくといたしまして、來年、再來年、この差迫つた危局に處して、電力に對する政府の所見を伺いたいのであります。いつまでもやはり節電を續けていかれるのでありますかどうか。少くとも今貿易が再開されて、來年、再來年は實に重大なときになつておると思うのでありますが、この間に處する政府の電力に對する根本の對策がなければならぬはずだと思うので、それを伺いたいと思います。
#43
○水谷國務大臣 ただいま東君の御質問まことにもつともでありまして、われわれといたしましても十分その點は考えておる次第でございます。しかしながらいろいろの事情がございまして、現在われわれとしてなし得べき點はどこかと申しますと、さしずめ來るべき冬を控えまして、火力の發電の設備に對しましては、戰爭中のオーヴアー・ワークによつて相當設備が傷んでおります。それをできるだけ今修理をいたしまして、冬に間に合わせたいと思つております。さらにまた水力の問題に關しましては、水路その他いろいろな點で傷んでおりまして、それらの修理を今一生懸命やりつつあるのであります。しかしわれわれがやれる力というものは、これまでの既存設備の水力、火力の補強工作、そういうものしかやれないような状態であります。從つて來るべき冬に對しましては、電力の規正というものは相當行われるのではないかと思つております。われわれは安本その他といろいろ連絡をいたしまして、できるならば家庭では電力というものを使わないで、限られた電力を全部有效な産業方面に流したいというくらいに考えております。しかしどうしても薪炭その他の事情においてやむを得ないという場合においては、家庭にも相當の電力が流れなくちやならぬのではないかと思つております。從つてきわめて不徹底でありますが、いろいろな諸般の事情に拘束されまして、たとえば今度の四半期におけるセメントの割當量などから考えまして、水路の問題についても、やはり既存設備の補強しかできないのであります。火力水力ともそうなのであります。ただ今われわれがそれによりできないということと、われわれが將來にわたつて一定の計畫を立てねばならぬということとは別でございますが、來るべき冬を前にしてはそれを力一ぱいにやつておるというのが現状でございます。
#44
○東委員 今の大臣の御答辯を伺つておると、非常に心配されておることはよくわかるのでありますけれども、要するに現在においてできる程度の仕事というものは限られておるのである。從つてどうも思う存分に仕事が運べないのだというお話でありますが、しかしこれはやはり大臣の熱意いかんによつてある程度まで解決できるのではないかと思うのであります。電力は今さら理窟を言うまでもなく、これは一番基本のことなのでありますから、何としてもこの一、二年の間このままでいけば、いかに貿易が再開されても、どうにもしようがないと思うのであります。これに對しては非常に強い決心をもつて相當の處置を講じられんことを希望するのであります。同時に、最近はずいぶん電力が家庭燃料に使用されておることはわれわれも承知しておるのでありますが、大臣として家庭燃料の問題については電力と直接關係のあることでありますから、よほど眞劍にやつていただかぬと、この冬はたいへんなことが起るだろうと思います。これは政府の熱意いかんによつてできることなのであります。木炭などは山へ行けばいくらでもあるのですけれども、今の政府が必ずしも惡いというわけではありませんし、役人のやり方が惡いかどうかも知りませんけれども、とにかく出てこないという現状なのでありまして、何としても燃料の問題については、電力と直接關係がありますから、政府において緊急に徹底した處置を講じられんことを切に希望する次第であります。
#45
○水谷國務大臣 どうも電氣委員會その他電氣關係者から、商工大臣は石炭ばかりに血道をあげて、電氣のことは少しも考えないというお叱りをこうむつておるようでありますが、決してそういうことはございません。電氣の經營者に對してもその點は考えておりまして、たとえば今度の日發の最高人事をきめる場合におきましても、總裁は日發からとり、副總裁は配電の實力者をもつていくというぐあいに、一應私の電氣に對する考え方も人事に映しておるつもりであります。さらに國會におきましても、電氣に對する根本策をこの電氣委員會で案をつくつていただくことを心から期待しておるものでありまして、今後基礎産業に對する重大問題は、政府がイニシアテイーヴをとるよりも、こういう電氣委員會でそういう點を十分研究していただけば、政府もこれまでもつておる案も資料も全部お出しいたしまして、皆様方に御協力を願いたいと思います。私自身も日本のいろいろの事情におきまして、電力さえ開發されれば石炭一千萬トンというような點までいくこともよく事情を知つておりまして、その點は十分考えておりますから、この問題に關しましては、ひとつこの委員會が積極的に電氣事業に對する恆久策を出して、一つの案をつくつていただくことを心より期待する次第であります。
#46
○前田委員長 本日はこれで散會いたします。次會は公報をもつて通知いたします。
    午後三時十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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