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1947/09/23 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第9号
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1947/09/23 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第9号

#1
第001回国会 電気委員会 第9号
昭和二十二年九月二十三日(火曜日)
    午後一時三十七分開議
 出席委員
   委員長 前田榮之助君
   理事 櫻内 義雄君 理事 村上  勇君
      成瀬喜五郎君    本藤 恒松君
      東  舜英君    田村  豊君
      根本龍太郎君    吉田  安君
      石山 賢吉君    大内 一郎君
      加藤隆太郎君    廣川 弘禪君
      本田 英作君    川越  博君
      堀江 實藏君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 和田 博雄君
 出席政府委員
        總理廳事務官  岡部 邦生君
 委員外の出席者
        農林事務官   安孫子藤吉君
       商 工 技 官 三ツ井新次郎君
        商 工 技 官 中川 哲郎君
        專門調査員   落合 高次君
        專門調査員   大石 主計君
    ―――――――――――――
九月十三日
 浴場に對する電力制限撤廢の請願(前田榮之助
 君紹介)(第五九八號)
の審査を本委員會に付託された。
九月十三日
 富山縣に於ける元縣營水力電氣事業復元に關す
 る陳情書(富山縣會議長前田治吉君)(第二五
 一號)
 電力制限實施に關する陳情書(東京都葛飾區柴
 又町山本榮藏)(第二七八號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 電力行政に關する件
 電力危機突破に關する決議案(石野久男君外四
 名提出)(第一一號)
    ―――――――――――――
#2
○前田委員長 これより會議を開きます。
 最初、過日九州の火力發電所の修理の状況、發電の状況等を調査するため、落合専門委員を派遣いたしましていろいろ調査を遂げ、なお私もその方へ參りまして、ともに調査をいたしたのでありますが、落合調査員からその事情の御報告をしてもらうことにいたします。落合調査員。
#3
○落合專門調査員 九州の電力關係を調査いたしますために、委員長から命令を受けまして、五日に東京を立ちまして十三日に歸著いたしました。委員長とともに視察いたしました發電所は大門、小倉、戸畑、港第一、港第二各發電所及び九州支店におきまする日發の本社の首腦部も出ておりまする補修對策會議に列席いたしまして、九州の諸所の状態を詳細に承つたのであります。その御報告をきわめて簡單に、約二十分程度で申し上げたいと思います。
 電力問題は地方關係のように考えられますけれども、これは全般的に影響を及ぼすものであり、九州地區の電力におきましても、同様に九州地區だけの問題でなく、これは日本全國の電力問題に影響することが非常に多いのであります。まず九州の電力關係の地位を申し上げますと、詳しい數字は省きますが、日本全國の水力設備、火力設備の比率は大體六對四のようになつております。九州地區におきましてこれが逆になりまして、水力四に對する火力六というような状態になつております。九州の發電所で今問題になつておりますのは火力發電所でありますが、火力發電所が七箇所ありまして、その補修の難點はボイラーにあるのであります。そのボイラーの數は全體で五十七箇ありまして、發電所一箇所平均八箇ということになつております。これによつてみましても、ボイラーが非常に小さいものが多いことがわかります、ボイラーの種類といたしましては、微粉炭装置が二十九、ストーカーが二十八、そして微粉炭装置が設備總計といたしまして四十二萬八千五百キロ・ワツト、ストーカー設備がわずかに三萬七千キロ・ワツトであります。從つて大部分が微粉炭装置の設備になつており、機構が複雜化しておるために、補修がなかなか困難であるという原因になるのであります。またストーカーはごく小さなものがたくさんありますので、この點において補修が困難であるということになるのであります。賠償關係とそれ以外のものにわけますと、賠償關係がボイラーからいいますと二十箇約三十一萬キロ、賠償の指定以外が三十七箇、十五萬二千キロ、合計四十六萬五千五百キロが現状であります。九州の電力關係の特徴といたしましては、火力が非常に多いということはただいま申し上げましたのですが、そのほかにサイクルが五十と六十とが約半々ありまして、兩者の融通ごとに相當數の損失をなし、融通に相當の困難な事情があります。それから水力につきましては塚原、岩屋戸の貯水池が二つありますが、九州としては大河川がないので、河川の性質及び降雨量の關係で出力の變動はなはだしく、この不安定な状態が常に火力の負擔を増すのでありまして、從つて下椎葉の貯水池というような非常に大きな問題が、九州の電力安定の中心問題となつておるのであります。それから火力には自家用火力が非常にたくさんありまして、石炭事業、製鐵事業、化學工業事業等は、日發のもつております火力装置に對して、それの約四〇%の自家用の設備をもつておるのであります。それから需要の面の特徴といたしましては、石炭事業、それから進駐軍用、官廳用、第一種甲、こういうふうに、九〇%以上、もしくは一〇〇%どうしても送らなければならないという設備がたくさんありまして、割合から申し上げますと、五三%がどうしても送らなければならない般備になつておりますので、一朝水力關係に不調を來して、火力を全體的にフルに動かしましても、一般電力關係の制限というものは非常に強化される特徴があるのであります。最近の電力の需用状態は、戰爭中の最大の需用のありました昭和十八年六月の四十六萬六千四百五十キロ・ワツト、これに接近いたしておるのであります。二十二年の七月においては四十四萬二百八十五キロ・ワツトと、ほとんど戰時中の最大の需用に相當するような増加を示しております。しかしてその需用のうちには、本州に見るような家庭電熱がほとんどないのでありまして、この點電熱利用などによつて餘力を囘收しようとしても望みがないわけであつて、結局重要産業の使用電力を合理化するほかに、九州電力の合理化はないように考えられるのであります。
 補修工程としましては、ボイラーが一番傷んでおりますのと、ボイラーに石炭を供給いたします微粉炭措置が壞れておりますのと、この二つの點が補修の目的になつておるのであります。タービンの方はほとんど健全でありますから、ボイラーさえ速やかに補修ができるとすれば、九州の火力はきわめて安定なものになり得るのであります。私どもが參りましたうちで最もひどく感じましたのは、港第一、これはボイラーをたいておりますと、わきから火が出てまいりますので、進駐軍の視察員は、いつ爆發するかわからないといふ危險状態にあるということを言つて驚いておつたそうであります。そのほか戸畑、小倉等のボイラーも相當に傷んでおりました。これは大體において戰時中に酷使したという理由をいつも聞くのでありますが、そのほかに日發に吸收する場合に、多く修理が怠けられておつた點がありましたので、修理關係は昨今の問題だけではないであろうと私は考えるのであります。そこで現在補修をどうしても急がなければならない電力事情になつておりますが、普通の場合なら今がちやうど補修の時期でありますから、これから補修の最盛期を經まして、十一月末、十二月中に補修を完成すればそれで結構なのでありますが、なかなか資材、資金、勞力等の難點が多い現在におきましては、適當な時期までに補修ができるかどうかということが懸念されておるのであります。しからばどういう點において遲れておるかということを二、三申し上げまして、私の報告を終りたいと思うのであります。
 第一は資材關係であります。資材關係は第一・第四半期は完全に現物を入手しております。第二・四半期は九月上旬に見透しがつきまして、十月中には完了の見込みでありまして、これは電力局の努力も非常に與かつて力があるのであります。第一、第二・四半期に割當られなかつた重要資材は、ことごとく第三・四半期に包含いたしまして、多分十一月中には、大部分手もとに届くだろうということが考えられるのであります。最も困つておるものの一例をあげますと、コークス約一千トンを要求いたしましたのに對しまして、從來ただの二十四トンしか入つておらないというようなことで悲鳴をあげておる所があります。今度は資材關係各方面非常に努力をいたしまして、コークスばかりでなく、銑鐵とコークスと組み合わせしまして――これをひもつきと呼んでおりますが、これで第三、第四・四半期に相當するものは全部割當てられることになつておりますから、資材關係は、早くさえはいれば差支えないと思うのであります。ただ第一・四半期、第二・四半期に配給が遲れておりました關係上、これが補修にどういう影響を及ぼしますか、相當懸念されるわけであります。
 第二は資金問題であります。日發が今最も困つておりますのは資金問題の行き詰つておる點であります。資金關係は、本年の三月一日に大藏省の告示第三十七號によりまして、電力事業はBクラスに規定されておるのであります。これが石炭、製鐵、肥料などのごとくにAクラスに取扱われておりますれば、資金關係も樂なのでありますが、Bクラスなるがゆえに、なかなか資金關係で直接補修に影響を及ぼす點が多いのであります。資金に行き詰つている一例を申し上げますと、九州地方では最近はちようど石炭費に相當程度の金額が毎月不足しておるのであります。その金額は現在においては約月一億圓であります。資材配給順位は、結局は、この大藏省の告示の金融機關資金融通準則に則りまして、資金の手當もBクラスなるがゆえに、資材の割當も大體Bクラスに取扱われておりますので、資材が遲れておる結果になるのであります。これをどうしてもAクラスに上げなければならない點は、この委員會でもよく御了承になつて、最近の決議案でも優先獲得ということが中心の問題になつておるわけだろうと私は考えるのであります。
 次に勞務能率、これが補修遲延の中心問題であると言われておりますし、われわれもそれを痛感しておるのであります。勞務能率のうちの一つは食糧問題、現在においては政府の直配といたしまして、一日一人當り約二合の加配米が出ておるのでありますが、これは日發に籍のある者に對してだけ出ておりますので、直雇の人夫などに對しては出ておりませんから、各發発電所で毎日顔を竝べて仕事をしております場合には、不公平を來しますので、その二合を兩方にわけ合いまして、職員の方は一合五勺程度、人夫は一合程度のものを現在配給しておるのであります。しかし今後修繕が盛んになつてまいりますと、人夫をたくさん入れなければなりませんから、これではどうしても賄きれませんので、各方面とも委員長に對しまして、食糧關係を確保していただきたいという依頼があつたのであります。それで福岡縣知事にお願いし、數日前農林省の政務次官にもお願いをいたしまして、できるだけいろいろの方法でこの希望を滿たしてやりたいと思うのであります。食糧關係の加配米の二合の内譯を見本をもつてわれわれ説明をしてもらつたのでありますが、大體米は一割見當でありまして、そのほかは雜穀、雜粉などであります。けれども内容のいかんということに對しては、あまり文句は言わないので、ただ量さえいただければ、それで勤勞意欲を高揚することができるというお話でございました。そのほかの作業衣、住宅問題などもいろいろ希望があつたのでありますが、勞働能率のうちの最もわれわれの注意しなければならない點は、作業能率いかんということでありまして、これは遺憾ながら、はなはだ低下しておると考えるのであります。これを計數で申し上げますと、最近日發でとりました統計によりますと、これは今後は半期ごとにとることになつておりますが、現在ある資料は本手の四月分だけでございます。その全國平均は出勤率九三・五%になつておりまして、最高は北陸支店の九六・一%、最低が九州の八九・二%となつておりまして、九州の勞働率が全國中最も悪いということになつておるのであります。しからば九州の支店の中にある火力發電所について、どんな状態になつておるかと申しますと、一番よろしいのが名島の九四・二%、一番悪いのが小倉の七五・六%、これを戸畑發電所の實例について見ますと、實働出勤率が四月が七〇・四%となつて非常に低下しておるのであります。日發の休日というものは毎週日曜、祝祭日、地方祭が年に二日、公休が年に二十日間、このほかに食糧事情の惡い所は食糧休暇として月に二日、女子は生理休暇、これは家事休暇と呼んでおるようでありますが、これが月に二日、休暇が非常に多く、そうして出勤した人が資材その他の關係で實働率が低くなつておりますので、これが補修遲延の最大原因であるよう私は考えたのであります。
 次に石炭事情はきわめて良好でありまして、量におきましては相當準備しております。質におきましては、なおはなはだ惡く、これを改善すれば、現在設備を百パーセントに増加することは差支えなしという状態になつておるようであります。
 要するに補修工程は、九州産業、殊に石炭問題をどう解決するかということにつきましても、電力殊に火力の補修關係が急がなければならないのでありまして、今まではほとんど順調に進んでおりますが、これから先の約二箇月半というものが、これが補修の可能かどうかということを決定するわけでありまして、その中心をなす勞務關係の能率を上げることが、今一番の必要なことじやないかと考えるのであります。はなはだ不備な點もありますが、大體こんな状態であります。
#4
○前田委員長 今の説明に對して何か御質疑でもあれば、簡單な御質疑なら許可いたします……。
    ―――――――――――――
#5
○前田委員長 別に御質疑もないようでありますから、本日は前會に引續いて電力行政に關する件、電力危機突破に關する決議案、二案を一括して上程することにいたします。二時から安定本部長官が御出席になることになつておりますので、それまで水害に關する質疑の申出がありますから、それを許可します。村上勇君。
#6
○村上勇委員 今日の利根川を中心とする大水害は、再建途上にある國家として、まことに遺憾にたえない次第であります。特に利根川の本流の沿線にある大小各所の發電所が、非常な被害をこうむつたということを聞いておりますが、この中において日本で有數の發電所、佐久發電所は出力六萬六千キロというような優秀な發電所でありますが、これの放水量約二、三十萬立米というものが埋められて、その餘勢を駈つた濁流が發電所の中までも滲透して、發電所ことごとくが水浸しになつておるということを聞いております。この修復について今日のこの電力危機、平時でありましても電力危機を叫んでおる今日でありますが、これに對し政府には修復の御計畫が立ておりますかどうか、お伺いしたいのであります。
#7
○三ツ井説明員 ただいまの御質問にお答えいたします前に、利根川方面の水害について大體のことを申し上げたいと存じます。ただいまお話の佐久發電所、これは利根川の最下流にあります相當大きな發電所でありますが、これの被害が一番大きいのでありまして、そのほかの發電所としては同じく利根川の支流の片品川にあります伏田の發電所、これは一萬二千キロ・ワツトでありますが、これがやはり佐久よりも輕微ではございますけれども、相當ひどい被害を受けておるのであります。その他利根川に日發として數千キロから一萬數千キロ程度の發電所が十ばかり被害を受けておるのでありますが、これらは大體において比較的輕微でありまして、應急の手當をいたしまして發電を開始したものもありますし、近く一臺は運轉ができるような状況でありまして、本月中には前申しました佐久と伏田とを除いては、不十分ではありますが、運轉できると思うのであります。
 なお利根川以外の川といたしましては、やはり相當に被害を受けたのはございますが、いずれも復舊にそう時間を非常にとるということはないのでございます。全體といたしまして復舊に一箇月以上を要すると考えられますものが、日本發送電といたしましては十萬キロ程度あります。關東配電といたしましては一萬キロ・ワツト程度のものが復舊に一箇月以上を要すると考えるのであります。ただ佐久の發電所は、ただいまお話のありましたように、放水路の土砂埋没が非常な量でありますので、これをどれだけの期間で掘り返すことができるかというのがこの囘復のめどになると思うのであります。發電機は約三分の一以上水につかつたのであります。これが乾燥をやればおそらく使えるのじやないか。こういうふうに考えておるのであります。なお發電所の外にあります變壓器は全部助かつておるのでありますが、送電線に結びつけるところに遮斷器というものが數箇流失いたしましたので、これは一時的にはそれなしにでも運轉できるのかと思いますが、新しくつくらなければならないものであります。そういうようなわけでありまして、この佐久の發電所の復舊は、ただいまのところまだ的確にはいつ發電できるかという見込みは立たぬのでございますが、昨日もいろいろ關係の者が集まりまして相談をいたしました結果では、どうにかしてこの冬には間に合わしたいというので十二月を目標に、ここ二、三箇月はかかるのではないかというふうに考えておるのであります、伏田の發電所の方は約一箇月間で發電できる見込でございます。
 なお水力發電所の關係は以上の通りでございますが、送電線につきましては、その佐久發電所へ引込んでおります上越線の支線がございます。これは十五萬ヴオルトの幹線でございますが、これの引込みの第一號鐵塔が非常に川に近いところにあるので、これが水流のためにひつくり返つたのであります。しかしこの復舊は發電所の復舊に比べれば非常に樂でありますので、問題はこの發電所の復舊と足並を揃えて復舊すればよろしいと思つております。それからそのほかの送電線としましては、日發及び關東配電におきまして數箇所鐵塔が倒壞したり、あるいは木柱の倒壞流失等がございますが、送電線の關係からは現在送電に支障を生じてはいないのであります。どこかまわり道をして供給をやつておるような状態でございます。
 それから變電所といたしましては、浸水をいたしました變電所が相當數多いのでございます。日發といたしましては現在東京の小松川にあります小松川變電所が浸水しておるのでありますが、これは浸水いたしておりましても、送電には支障がない見込みでございます。從つてあの方面の電源としては小松川及び龜戸が中心になつておりますが、送電には差支えないのでございます。その先の方の關東配電の西龜有、東龜有といつた二次變電所以下の浸水地域が廣汎にわたつておりますために、現在はこの變電所はほとんど送電をしておらぬような状況でございます。この浸水地域復舊は相當廣範圍にわたりますので、特に配電線等の流失、あるいは屋内設備の浸水等がありまして、配電を十分にやるためには、相當時間がかかると思うのでありますが、現在は浸水地域はほとんど停電いたしております。大體そういうような状況でございまして、最初約六十萬キロ・ワツト程度の水力發電活の減退がございましたのですが、現在はそれが水害以前から停止しておるものを含めまして、二十六萬キロ・ワツト程度のものが、送電停止または出力の制限をいたしておるような状況でございます。
#8
○村上(勇)委員 私は水害直後プライヴエートでありましたが、發電所の調査に人をやつて、それが先ほど歸つてまいりました。それの話によりますと、佐久發電所の水車はもちろん乾燥しなければいけないが、油を相當やられておる。修復用のタービンとか、絶縁油とか、あるいはモビル、洗い油、グリス、その他の資材、この資材の中には相當國内でちよつと求められないようなものがある。こういう點に對しては、この資材が來なければ、とうてい何ともできない。こういうことを非常に憂慮しておつたのでありますが、その資材が現地にスムースに送られるかどうかについてちよつとお伺いしたいのであります。
#9
○三ツ井説明員 ただいま復舊資材のことを申し上げませんでしたが、御質問の油類が一番問題でありまして、實は昨日もこの油の問題について相談をいたしておつたのであります。佐久發電所におきましては、相當餘分にもつておつた油がみんな流れてしまつたのであります。タンクにはいつたまま流れてしまつたような状況でございまして、この佐久發電所に限りませず、大體浸水いたしました發電所は、現に使つておりましたタービン油その他の浸潤油は、一遍に使いものにならなくなつてしまいますので、これの補給が一番問題であります。これはお話のように日發といたしましても、現在手持ちがほとんどない。横からまわしていくのがないのでございます。これはどうしても大部分を米國の方にお願いしなければならぬのじやないかと思つております。早速資料をとりそろえまして――今日實は内閣の方で災害對策委員會がございますので、これに資料を提出し、特に安本の方にも連絡をとりまして、何とか手當をしていただきたいというので、今手配中でございます。現在の場合國内でこれをすぐに補給できるか、相當問題だと實は心配しておる状況であります。
#10
○村上(勇)委員 安本の動力局長にお願いしたのですが、これらの資材がそろいましても、緊急に修復するために從事する勞務者に對して、これから冬にも向いますし、地下たびとか、あるいは軍手とか、また特に食糧の加配米につきましては、一段の御考慮を願いたいと思います。この點お願いしておきます。
#11
○櫻内委員 經濟安定本部の動力局長お見えでございますので、ちよつと御所見を伺いたいと思うのでございます。それは本日の朝日新聞の社説に、電力不足の實情と對策というのがございます。この中に電熱器の使用を防ぐために、これに薪炭を餘計配給したい。それには薪炭が相當運輸事業に使われておるので、石油を確保したらどうかというような社説なのでありますが、石油に對するお見透し、また石油を含んだところの總合燃料對策につきまして、御見解を承りたいと思います。
#12
○岡部政府委員 御答辯申し上げます。今の御質問の通りにわれわれも考えておりまして、現在薪炭の約三〇%でございましたか、それくらいを輸送用に使つておる。これをぜひ、そういうようにやりたいと考えておりますが、ただいまの油の輸入の見透しから言いますと、これは非常に困難なことでございます。殊に輸入資金の問題及び米國内における油の缺乏状態から見まして、代燃車をただちにガソリン車に代えるということは非情に困難のように存じます。しかしながら、そうなりますことが家庭の燃料對策を確保することになります關係上、われわれはそういう目的のもとにずつと懇請を續けていきたいと考えております。今度の總合燃料對策も大體そういう方向で考えておるのでございます。從いまして輸送用の薪炭というものはある程度減りましても、家庭に供給するという考えでつくり上げられるように考えております。
#13
○東委員 昭和二十二度下半期總合家庭燃料確保對策要綱というものを、われわれに配付して、いただきたい。
#14
○前田委員長 ただちに要求いたしまして、配付することにいたします。
#15
○櫻内委員 先日商工省の電力局長から御囘答を承つたのでありますが、先般渇水に際しまして江戸川區の西小松川、あるいは葛飾區の下小松地區におきまして、發表以外に極度に電氣を制限されたという問題についてのお答えの中に、緊急制限というものはどういう趣旨のものであるか、もう少し詳細にわたつて承りたいと思うのであります。
#16
○中川説明員 緊急制限についてのお尋ねでございましたが、大體法令に基きます正規の制限に對しまして、緊急状態におきまして、電氣の供給のサイクル、電壓等を確保いたしますために、供給者側におきまして送電の遮斷をするという處置を緊急制限と申しておる。現在法令に基く制限と申しますと、電氣需給規則に基きまして、商工大臣が告知を出しまして、現在の冬季の渇水期になりますまでは、休日制という制度によりまして、主として一日のうちの最高の負荷を抑えます目的から、週に二囘とか三囘の休電日を設けて電氣の使用を停止してもらつておるのでございます。これが現在における法令の制限でございます。これは一應ある期間の電氣の需給状態を見て、大體それに對應して制限階段を指示しておるのでありますが、現實問題になると、制限の實效が十分あがらない場合もございますし、まだ豫定以上に出力、給力が減るというような事態もございまして、法令による制限のみでは供給の維持ができないという場合が生ずるのでございます。しかしてかような場合の現象としては、サイクルが落ちてまいるのでありますが、關東地區であれば、正規の五十サイクルに對して四八・五サイクル程度まではこれをぜひ保持しなければならぬ事情におかれておりますために、これ以上にサイクルが落ちそうな状態になると、中央の給電所を通じて各變電所に指令して、それぞれ豫定の段階というか、あらかじめきめられておる標準に從つて、やむを得ず送電の停止の措置を講ずる。こういう措置を講ずることを緊急制限といふのでございます。先般來の八月中旬以降九月上旬までの間におきましては、非常に渇水して、大體平年の七割ないし五割六分程度まで水の状況が惡化したのでございます。こういう事態に對處して、法令の制限のみでは維持できず、緊急遮斷の措置を講じたような状態でございます。この緊急制限の方法としては、現在では關東配電の區域で申しますれば、配電線の状況に應じて、大體第一種線、第二種線、第三種線というふうに配電線の種類を區分しております。進駐軍需用、公共事業、電鐵とか病院とか、そういうものを第一種線として優先的に確保する。さらに、それに次ぐ需用として準公共的なもの、それから重要工場等、こういうものを第二種線にして、その他の一般需用を第三種線と稱しておるのでございますが、この第三種線を最先順位に遮斷するわけでございます。これについてもなるべく一般に、迷惑が可及的にかからないように、かつこれらの線の間では公平に行くように留意しておりますけれども、第一種線に便乘しておりますようなものもたくさんございまして、現實の事情から申しますれば、需用によつては同じ需用でありながら、第一種線に屬しておるものは緊急遮斷を受けない。逆に第三種線の需用ではしばしば制限を受けるという不公平な事態が生ずるのでございますが、これについては資材の許す限り、できるだけ、この第一種線に乘つかつております一般の需用を第三種配電線に切りかえるというような措置も講じておりますけれども、急に全部を切りかえるということは不可能な状態にあるのでございます。しかしながら同じ第三種線の中では、可及的公平に制限ができるように地方商工當局が中心になつて、緊急制限の具體的方法等についても一定の基準をつくつております。それに基きまして、配電會社は緊急制限措置を講じておるのでございます。
#17
○櫻内委員 そうしますと、この緊急制限というのは現在行われておる階段のほかに、もう一段階あるということになるのでございましようか。
#18
○中川説明員 法令的には現在の制限に一段とか二段とかいう段階がございまして、現在では第三段の制限をいたしておるのでございます。法令上の制限としてはさようなものでございますが、需給調整規則の第一條の但書と存じましたが、緊急の場合にはこの制限によらないことがあるということも法規的はうたつてございまして、この條項に基いて、緊急事態として、その制限を超えて地方商工局の指示でかような處置を講ずる、こういうことになつております。
#19
○櫻内委員 御囘答の中に、東京商工局においては、緊急制限についても可及的にこれを計畫的ならしめ、傍らその豫定時刻の公表に努力するというようなお答えを賜わつておるのでありまするが、これは豫想せられます各期の渇水期においては、もしかかる事態が豫想され、また緊急制限をしなければならない場合には、ぜひこれは實行していただきたい。われわれとしては行政上に明るい政治を要望しておるものでありまして、何が何だかわからないうちに電氣が切られるという事態のないように――そういうことが結局いろいろな陳情となり、不平、不滿になつて現われておることだと思いますので、ぜひこの御囘答の通り計畫性をもたれ、あるいは公表せられて御實施になられんことを切にお願いして私の質問を終ります。
#20
○前田委員長 次に村上勇君。
#21
○村上(勇)委員 企業の民主化を叫ばれておりますときに、去る日商工大臣が九州に旅行せられまして、勞働組合や、あるいは新聞記者團に語つたところを聞きますと、電力の國營化を考えておるというようなことでありますが、この點に關して和田安本長官はいかなるお考えをもつておられますかお伺いいたしたい。
#22
○和田國務大臣 今水谷んが九州で電力國營をやると言われたと、新聞に書かれたということですが、水谷さんがその後私たちに話された點から考えますと、水谷さんの言われたのが新聞に誤傳せられたのであります。それはただ水谷さんが、九州におけるある會社と會社の關係を、一つにした方が便利だというようなことを言われたのを、あたかも國營にした方がいいと傳えられたのであつて、水谷商工大臣自身もそのことについては迷惑をされ、憤憾されておつた次第でありまして、私どもとしては電力をすぐ國營にするということは考えておりません。
#23
○村上(勇)委員 わかりました。
#24
○櫻内委員 最近傳えられるところによると、長期經濟再建計畫が大分問題になつておるのでありますが、これについて私が調べたところによると、本年の七月五日附の新聞紙上には、この立案委員會は經濟安定本部において設け、委員長には稻葉秀三氏を推すというようなことが傳えられておりました。また九月十四日附の首相談の中にも、長期經濟計畫の問題が取上げられておるのでありますが、これは私自身の見解といたしますと、經濟安定本部のあり方というものは、經濟安定の緊急施策ということが根本になつておると思うのであります。そういたしますと、長期計畫が經濟安定本部で取上げられるということは、どうかと思うのであります。この點につきまして、長官の御意向を承りたいと思うのであります。
 この長期計畫に附隨いたしまして、もう一つの私のお尋ねしたいことは、日附は忘れましたけれども、長官が新聞記者團との一問一答中に――これは當時は經濟緊急對策の問題に關連してのことでありましたが、經濟復興會議の協力を求めて、具體的な施策の立案や審議を共同してやつていくことを考えておるということを言われたのであります。そうしてそういうことが言われましたあとに、經濟復興會議より、水力電氣開發計畫として二千萬キロ十箇年案が發表されましたが、この長期計畫についての御見解と、水力電氣の開發計畫として二千萬キロ十箇年案というものが經濟復興會議で取上げられて、しかもこれはややもすると經濟安定本部においてもこれと同意見であるかのごとく思われておる節があるという點につきまして、長官の御意向を承りたいと思います。
#25
○和田國務大臣 長期計畫につきましては、これは經濟安定本部は日本の經濟安定に對する總合立案官廳であります關係上、長期計畫といいましても十年、二十年の長期計畫ではありませんで、まあせいぜい長くても五年くらいになるだろうと思いますが、そういう先の見透しのことをやはり緊急對策で立てていくことは必要と考えまするので、われわれの方といたしましては、内部的に研究をいたしておる次第でございます。
 それからこれはちよつと速記を止めてもらいたいのですが……。
#26
○前田委員長 速記中止。
#27
○前田委員長 速記を始めてください。
#28
○和田國務大臣 經濟復興會議のことでありますが、私が經濟安定本部に就任いたしました後――またそれ以前からであつたと思いますが、經濟復興會議の電力部會か何かで、進藤君なんかが主になりまして、またその他の技術の方が寄られまして、水力開發の二十年計畫というものをつくつておられたのであります。それで私が長官に就任して間もなく、案をもつてこられまして、こういう案があるが、長官がいろいろ經濟復興會議とは十分連絡をとつて仕事をやつていくということもあつたので、こういう問題も考えてもらいたいということでありました。それを私は受取りまして、研究して使うということでかかつたのでありまして、經濟安定本部がその案をすぐにそのまま採用したというわけではないのであります。ただ水力開發の問題につきましては、經濟復興會議の水力開發計畫とは別段關係なく、關係方面において日本の水力開發について一つの意見をもつておるのであります。しかし御承知のように、日本の動力源として電力、石炭は基本的に大切なものでありますので、われわれの方といたしましても、できるだけ向うに十分了解してもらつて、とにかく電力の開發については摩擦なく進めていきたいというふうに努力をいたしておる次第であります。何とぞ御了承をお願いしたいと思います。
#29
○櫻内委員 長官の立場からのお話はよくわかつたのでありますが、少くとも經濟安定本部の官制というものがあるのでございますから、どうしてもこの官制に則つてお仕事をやつていただきたい。そういうことをされないと、とかく輿論であるとか、あるいは各政黨の間におきまして、經濟安定本部が、ややもすると獨善に流れておるのではないかというような疑いが出てくるのではないかと思います。本年の五月一日に改正されました勅令によりましても、最も根底をなす「經濟安定の緊急施策について」ということが前段にありまして、そうしてこれに基く企畫立案の基本に關するものであるとか、各廳事務の總合調整、推進であるとか、施策の實施に關する監査及びこれに關連する經濟統制の勵行であるとか、そういうことに經濟安定本部の使命というものは限定されておると思うのであります。しこうして電力行政の上から見ますと、私は經濟安定本部の存在は、少くとも今までの商工省の存在というものを無視してはならないと思うのであります。あるいは農林省であるとか、大藏であるとか、その存在は無視できない。その存在を肯定して、そうして今の官制に基く經濟の業務を行くべきものではないかと思うのであります。たとえば電力調整方策にいたしましても、これは當然、私の考えといたしますれば、商工省がこの原案を立てて、そうしてもし各省よりこれに對して異議の申立があつたり、あるいはその間に調整の要がある場合には、經濟安定本部がその間に介入すべきものであつて、初めから電力行政の大事な部面である電力調整方策を經濟安定本部が取上げていくのはどうかと思うのであります。
 それから大臣にもう一つお尋ねしたいと思いますことは、この經濟安定本部が發足いたしますときに、御承知のごとくその存續を一年間限定せられておる。そういう面から見ますと、どうも長期計畫をお立てになりましたことがおかしいのじやないかと思われるのでありまして、特に安定本部の官制ができる前に、昨年の五月三十一日に渉外局と新聞記者團との公式の會見におきまして、安定本部のもつ強大な權限の非民主的な方向に行使される危險があるため、從つてさしあたりこれは無期限に存續すべきでなく、これを一年に限定する、その後における存否は議會によつて定められるべきだというような見解が發表せられたということを考えますと、どうも現在長官のおもちになつておる御見解は、私には腑に落ちないのであります。特にこの際お聽きしたいことは、本年の五月一日に、改正勅令をもつて明年の四月三十日までの期限になつておりますので、明年五月一日以降におきましては、經濟安定本部の存在については長官はどういうふうなお考えをされるか。當初における通り當議會内の論議によつて決定されるのか、あるいは單に一つの政令か何かをまつてさらに存續を續けられお氣持でおられるのか、この點についてお聽きしたいのであります。
#30
○和田國務大臣 私は多少あなたの御意見と一致しない點があるのであります。かりに經濟安定本部が一年ときめられておるからといつて、長期計畫を立ててはいかぬということにはならないと思うのであります。私たちは經濟安定本部をただ役所としてのみの立場から考えるのでなくして、ほんとうにわれわれは日本の國を再建していく、經濟を安定させていくということには何をやつたらいいかという點から考えておるのでありまして、長期計畫ができ、安定本部がかりになくなつても、その經濟安定本部の基礎的に研究したものが次に來る人の一つの大きな礎石となり、その上にいろいろなことが建てられていきますなら、われわれはそれをもつて滿足すべきであつて、ただ役所が一年の期間であるからといつて、暫定的な事柄のみしかやれないというように、われわれとしてはそう狹く解釋いたしていないのでありまして、緊急對策をやると同時に、長期計畫について役所の内部において研究をいたし、またその案についての作業をいたしておるということにつきましては、私は緊急對策そのものを立てる上から言つても、むしろ必要ではないかと考えておるのであります。今の一瞬といえども、これまた永劫に續く時間でありまして、ただ一瞬々々に區切つてのみものごとを考えることはできないのであつて、やはりわれわれは長い時間の連續ということを考えざるを得ないからであります。
 それから今の電力調整の點なんかにつきましても、なるほど商工省なり農林省というものがあることをわれわれも理解いたしておりますが、むしろ商工省なり農林省の存在を前提としてわれわれは考えておるのであつて、電力調整などにつきましても、商工省その他の關係省と十分なる協議をとげて立案をいたしておるのでありまして、それらの點につきましては傳えられるがごときことはないのであります。もちろん總合的な官廳である經濟安定本部と、個々の實施官廳との間において、ある事柄について案が出まするまでに多少の意見の違いがあるということは、人間の顔が違うように意見の違うこともあるのでありますが、しかしそれらの意見も、やはりこちらの意見も言うと同時に向うの意見も聽いて、そこに適當なところに結論が出、そうして閣議で決定されますならば、われわれは喜んでそれに從つて、閣議の決定としてやつていくのでありまして、その根本的な態度においてはわれわれとしてはちつとも變つていないのであります。どうかそういふうに一つお考えをお願いしたいと思います。
 經濟安定本部の存續いかんにつきましては、そのときの事情によつておそらく決定さるべき事柄であると考えます。
#31
○櫻内委員 長官の御意思はよくわかりました。しかし私が最後に申し上げておきたいことは、もし長官のような御意思でありますならば、率直に經濟安定本部の官制を御變更になつてしかるべきではないかと思うのであります。この點につきましてはこれで止めまして、次にお尋ねしたいことは、現在行政整理ということが非常に問題になつておるのであります。これにつきましてはたしか齋藤國務大臣の御擔當であるとは思うのでありますが、經濟安定本部の機構は、十局二部四十八課という厖大なるものでございまして、しかも地方經濟安定局まで設けまして、どちらかと言いますれば、屋上屋をなすような組織であります。こういう場合に、經濟安定本部こそは各省に超越したところの立案機關であるとするならば、行政整理に範を示されまして、率直にもつと敏活に動けるような機構に變更せられる御意思はないか。どうしても私どもの考え方からいたしますれば、經濟安定本部の組織というものは不必要とは申しませんけれども、先ほど申した屋上屋の感を與えておるような氣がするのであります。この點につきましての長官の御意思を承りたい。
 それからもう一つは、現在國會の中におきましても、各政黨におきましていろいろ批判もあり、また自由討議において、あるいは各黨の代議士會なり政務調査會におきまして、經濟安定本部についての批判があるということは、おそらく長官はお耳にされておると思うのであります。考えてみますと、各省はすべて國會から政務官を送りまして、各省と衆議院の間の調整をはかつておるのでありますが、經濟安定本部にはこういう一つの役割を果す機關がございません。これについて安本長官はどういうふうなお考えをされておるか、この點を承つておきたい。
#32
○和田國務大臣 お答えいたします。安定本部の機構は實は前の内閣のときにこの官制ができたのでありまして、それをわれわれが受け繼いだ形になつておるのであります。經濟安定本部の内部の課のいろいろな相互の連絡――あるいは屋上屋というようなお話もありますが、屋上屋という點はいかがかと思うのでありまして、われわれとしては十分この機構を動かしていくために、あるいは幹部會を開くなり、各省との連絡會を開くなりいたしまして、それぞれの間がスムースにいくように實は考えておる次第であります。それから政務官の問題でありますが、これはなるほどお話のようにほかの省は政務官を置いておりますが、私のところには政務官を置いておりません。それは經濟安定本部のやはり一つの中立性を保つという意味からなのでありまして、政務官を置くときに經濟安定本部の政務官も問題になつたのでありますが、やはり一つの中立性という點から政務官を置かないことにいたしたのであります。しかし各黨との間の關係等につきましては、各政務調査會その他等とも十分連絡をとつて、われわれの方としては現に仕事をやつておるのでありまして、そういうような經過から政務官を置いていないのであります。さよう御了承をお願いしたいのであります。
#33
○東委員 安定長官が初めてお見えになつたものですから、少し緒論的なことを伺うのですが、まず簡單に二三點だけ伺いたいと思います。第一にこれはたしか本會議でどなたか質問されたかとも思いまして、あるいは重複するかもしれませんが、現内閣の經濟緊急對策要綱に電力に關する事項を加えてないのは、いかなる理由であるか、これを伺いたい。
 第二に、電力の百年の大計のことは別といたしまして、この問題をこの間水谷商工大臣にも伺つたけれども、さつぱり要領を得ぬのであります。電氣は現状においてきわめて貧弱な状態でありまして、國民は實に迷惑をしておるのであります。私ども三年、五年先のことは申し上げませんが、一體今年の冬から來年にかけて、また貿易再開を前にして日本の産業を急激に――と言うと、言葉がおかしいようでありますけれども、大いに積極的に産業を起さなければならぬときに、このままの電力でよいのかどうか。この一、二年の緊急處置として、政府はどういう對策をおもちであるかということを伺いたいのであります。まず政府に御方針があるだろうと思いますから、簡單にして明瞭な、しかも詳細な御説明を願いたいと思うのであります。
#34
○和田國務大臣 經濟緊急對策に電力を除いたというお話でありますが、石炭の増産をはかるということによりまして、動力源の根本に一應觸れた次第であります。電力の問題の緊急對策として項目に、はつきりと載つておりませんけれども、それは何も電力對策を輕視したわけではないのでありまして、緊急對策はいろいろやるべきことがあるのでありますが、そのうちで一應項目を八項目に限つて、それに一應の重點をおいて、この危機を乘り切ろうという考えから書いたのでありますから、こまかい點その他について多少落ちているところもありまするし、また意を盡さなかつた點もあるかと思いますが、電力問題等につきましても、動力源として一應石炭という問題は取上げておるのであります。もちろん電力そのものについての重要性を政府が認識しなかつたわけでは毛頭ございません。
 それから電力對策でありますが、これはただいま櫻内さんにお答えいたしたわけでありますが、やはり日本の電力の需用が戰爭前に比べましても今非常に殖えておるわけであります。それにはいろいろの原因がありましようが、われわれとしては動力源として、あるいは石油であるとか、石炭であるとか、その他の燃料としての木材、これを總合的に考えましたときに、やはり戰前の經濟がもつておつたバランスというものが失せられている點が多々あるだろうと思うのであります。一面においてはそういう點を直していくことももちろん必要でありまするが、電力の供給の方といたしましては、われわれとしては經濟安定本部または商工省その他でもつておりまする電力開發の仕事は、連合軍の了解を得まして、ぜひ續けてもらいたいと考えておりまするのと、いま一つは、やはり發電設備の修理、復舊ということが相當大きな重要性をもつことだろうと思うのであります。戰爭中からの酷使と、補修資材その他勞力不足のために、發電設備は水力、火力ともに能率を低下しているので、これらの發電設備の修理、復舊をしていきたいと思います。それから工事中の發電所の竣功を促進していくこと、もう一つは、やはり動力源としての然料を總合的に考えますると同時に、また片方家庭燃料との關係も十分考えまして、消費の面も規正をしていきまして、電力の需給の均衡をはかるようにいたしてみたいと思うのであります。先般總合燃料對策の中にも、その思想を盛りこみまして、あの對策を立てたような次第でありますが、さしあたつてはそういう形でやりたいと思います。何をいたしますのにも、たとえば電力の開發を促進しますのにも、また電力の補修を一つしますのにも、根本になるセメントとか、鋼材とかいう資材の生産自體が、今の状態では非常に低いので、やはりこういう面を殖やしていつて、こういう日本經濟からいえば將來長く價値をもつ設備の増設なり補給なりに、われわれとしてはぜひ當つていきたい、こう考えているような次第であります。
#35
○東委員 和田長官のただいまの御説明は、決して惡口を言うわけではありませんが、私どもそういう御答辯は、ただその場を逃げるような答辯であるような氣がするのでありまして、はなはだ意に滿たぬのであります。この經濟緊急對策要綱の中にこれをお入れにならなかつたということは、今の御説明でははなはだあいまいで、動力の關係で石炭の方に關連しているからというようなことをおつしやつたようでありましたが、石炭であり、石炭と水力とは一體どちらが緊急であるか、またどちらが先でありどちらがあとであるか、これはおそらく爭えない大きな問題であると思うのであります。それをただ石炭増産だけで、動力源の中へ水力もはいるのだというような御説明は、私どもははなはだ意に滿たないのでありまして、少くとも政府が電力をお入れにならなかつたということについては、私ども非常に不滿をもつているのであります。何かそこに政府は入れたかつたのだけれども、ある方面の力があつてどうも入れることができなかつたというのであれば、それもやむを得ぬと思いますけれども、そうでない限りにおいて、この際電力というものについてもう少し熱意があれば、おそらくこれは見逃すことのできない項目だろうと私は思うのであります。
 それから、今非常に電力の重要性を認めているから、それに對して緊急の處置を考えているとおつしやるけれども、それの具體的のことについては――むろん今日は資材その他の關係で非常にお困りであるということはよくわかるのであります。しかしながら、この困る中から緊急對策を講じなければならぬのでありまして、それだから緊急對策ということが起るのだと思います。從つてわれわれは、政府はどういうことをやりたいのだ、少くとも今年の冬の切り拔けはこうするのだ、來年はこの程度のことをやりたいのだ、それについてはこれだけの資材が要るのだということについて、何か政府に具體的の案があつてしかるべきだと思うのでありまして、そのうちに石炭が掘れたら、おいおい何か考えてみようということでは、私どもははなはだ心もとないのであります。これについて電氣をいつまでも休電させておいて、このままでこの冬もやはりお進みになるつもりであるか。また家庭燃料をただむやみに規正して、消極的に消費の節約だけを考えて、少しも積極的な面が現われていない。われわれはこういう點について――むろんこの際でありますから、家庭の燃料について極力規正することは當然であります。これには決して異論はないけれども政府から積極的に殖やすという面について、私どもは少しも伺うことができないのでありまして、これをもう少し何か具體的に、來年になれば、これだけの點はこうなるのだということについての、計畫があつてしかるべきだと私は思うのであります。
 それから木炭のことで、これも燃料に關連し、動力に關係することでありますから、それについて伺いたいと思うのであります。ここで家庭燃料に對して政府が積極的に規正をされるということは、むろん異議はございませんが、しかし政府はこの際どういう手を打つて、木炭の供給のもつと圓滑と言いますか、今現に山にたくさん木炭があるにもかかわらず、それが一向出てこない。これがために、おそらく今年の冬は、また家庭燃料にはみな非常に困らなければならないようなはめに陷るに相違ないと思ますが、木炭に對する政府の處置を伺いたいのであります。何でも私ども伺つておるところによると、このごろ山で五十何圓で買上げて、これを消費者には八十何圓で配給するのだ。その間の三十圓か何か、政府が手數料をとるのだというような――手數料をとるわけではないけれども、いろいろな役人の手を經たり、いろいろな手を經たりするものだから、それだけ經費がかかるというのでありますが、それがために木炭を燒く者はばからしいと言つて、なかなか出さないというようなことも聞いております。その邊のことについてはつきりした御答辯を伺いたいのであります。
#36
○和田國務大臣 電氣の點につきましては、政府としては古い發電設備の方の復舊を、今のところおもにいたしております。そこで經濟安定本部でやつておりまする資材の配給計畫等につきましても、発電所の修理復舊には實は最重點をおいておるのでありまして、今年の電力用の資材としては、鋼材の二萬八千トン、セメント二十四萬トンというものが、かりに割當てられておるのであります。補修用としては鋼材が水力で五百トン、火力で八千トン、計八千五百トン、セメントが水力で四萬トン、火力で一萬トン、計五萬トンというものを豫定しております。現に第三・四半期等におきましても、十一萬キロ・ワツトの補修については、これは優先的に必要な資材を割當てておるのであります。われわれといたしましては、資材の割當面において、この電力設備の補修ということについては、非常な重點をおいてやつておる次第であります。
 それからもう一つは、工事中の發電所の竣功の促進ということに努力いたしておるのでありまして、これについては當初、本年度は渇水期までに水力發電所十一地點その最大出力十一萬二百キロ・ワツトというものを豫定しておつたのであります。このうち水力の三地點の最大出力は三萬四千キロ・ワツト、火力については二萬キロ・ワツトがすでに完成しております。ところが御承知のような理由で、第二・四半期以後において必要なセメントの配當が不可能になりましたので、今年度においては殘りの八つでありますかについては、非常に望み薄くなつたのであります。しかし經濟安定本部としては、これらの點について、最全の努力を拂つて、豫定通りにやつていこうと努力いたしておる次第であります。
 また發電用の用炭等につきましても、火力發電設備の發電可能の範圍内まで、かりに石炭を供給するとすれば、二百五十萬トンからの石炭を必要とするのであります。しかしこれは下期の石炭生産状況から言つて、現在において第三・四半期七十五萬トン、第四・四半期六十六萬トン、計百四十一萬トンの割當を大體見込んでおります。これはどうしてもこの程度しか石炭事情から言つても割當ができませんから、今の電力事情から言いまして、不足分はどうしても需給調整にまたなければならぬのであります。政府におきましては、もちろん生産を殖やしていくことを根本においておるのでありまして、その線に沿つてわれわれとしては今の與えられた條件のもとにおいて、できるだけのことをいたしておる次第であります。
 木炭についてのお話でありますが、木炭はただいま大體八百萬俵という滞貨があるのでありまして、これが積出しについては特に鐵道方面と十分連絡をとつて、積出しをぜひやつてもらうように督促しておるのであります、もつとも最近の水害等で非常にその點がまた困難になつてきたように思うのでありますが、これについてはそれぞれの實施官廳において、適當な手配をしておると思うのであります。
 價格の點についていろいろなお話があつたように思うのでありますが、この點はわれわれとしては、生産地の生産價格と消費地の消費價格が非常に違つておりますので、何かその點については調整していきたいと、ただいま研究しておるのであります。木炭の増産につきましては、これは今までも木炭の炭燒きに對して、いろいろな手を打つてきておつたのでありますが、問題はやはり輸送關係、特に小運送等において大きな隘路をなしておるのであります。それらの點については、ぜひひとつ運輸省その他と連絡をとつてやつていきたいと考えておるのであります。なお木炭の詳しい事情は、あとで政府委員から説明さしても結構であります。
#37
○東委員 木炭のとこでございますが、今長官からの御説明では、一生懸命に輸送のことを心配されておるようでありますけれどもとにかく役所の仕事はなかなかおつしやる通りにはいかないのでもう寒さも非常に切迫してまいりまして、私はなはだ失體なことを言いますけれども、おそらくこのままで行けば、今年の冬は、またたいへんな燃料危機に遭遇するだろうと思うのであります。どうかこの點につきましては、私は非常に政府のおやりになることを危んでおるが、私どもの危みが杞憂に終るように、ぜひひとつ萬全の處置を講ぜられんことを、切に希望する次第であります。
#38
○前田委員長 成瀬喜五郎君。
#39
○成瀬委員 この際長官に對しまして簡單にお尋ねいたしますが、長官は經濟安定本部長官として就任される直前において、電氣委員を辭職された。間接な話でありますが、日本において殘されたところの資源は鐵道と電氣よりほかにない。この電源の開發こそが、日本の民主國家の建設のため最も重要な資源であるというようなことを間接的に承つたのでありますが、賢明なる長官のこととて、非常に私ども期待いたしておりました。しかし日本再建の最も重要なる電氣産業に對して、いかほどの關心をもたれておるかということについて、私は最近非常な疑問の點をもつておる。なぜかと申しますと、この電氣委員會をどれほど認識されておるか、この電氣委員會に對しまして、政府からするところの諮問的ないろいろな案が何らない、立法上におけるそれぞれの提案がない。もちろん政府の方からそういう提案がなくても、この委員會におきましては、獨自の立場から、最高の權威といたしまして、立法すべきものはすべきものであるということで、今せいぜいやつておりますが、かような點におきましても、今日發あるいはその他電氣協會等々の、他に權威あるところの組織があるので、そういつた方面には力を入れるが、しかしこの委員會に對しましては、國會法成立によるところの常任委員會の一つとしてできておるために、なすがままに置いておくという見解であるとするならば、私どもその意を得ないというふうにも考えるのでありまして、かような點は重要基礎産業の順位におきましても、石炭、鐵鋼、肥料等々のそれぞれの中においてこの電氣が下位の方にあるということは、政府がこれに對してどれほどの關心をもつておるか。最近は石炭ベースを電氣ベースに切りかえるというような考え方も、各黨間において相當まじめに研究されつつあるのでありますが、こういつた點におきましても、この際國民なり一般の輿論を高めるために、石炭ベースにまで電氣の方を引上げるという熱意があり、そうしてこの委員會に對しまして最高度の能率を發揮せしむるように、政府みずから働きかけてくるというような熱意があるかどうかということをお聽きしたいのであります。
 それから電氣行政のことであります。政治なり經濟なり、日本の國家建設は民主主義の方にだんだんと進んでおることは非常に喜ばしいことでありますが、ひとり電氣行政の點につきましては、單に一部官僚とまた財閥の一部の獨占的な行政によりまして、需用家及び國民が大いなる不便を感じておるということが考えられますし、再々私どもに對する東京都あるいはその他の方面からの陳情等におきましても、そういつた不滿が、十分盛りこまれておりますので、この際何とかしてわれわれ民衆の納得のいく電氣行政をやつてもらいたい。それは浴場の關係におきましてもその通りでありますが、あるいは東京都その他における中小工業、これらに對する電氣行政におきまして公平を缺いておる。それらが勞働者の生活に對しましても暗影を投げかけまして、この冬期における勞働者の生活はその面から極度に脅かされるものでなかろうかという眞劍なる陳情があるのでありますが、かような點と、また一面それを組合わせて考えてみる場合において、電氣の發電それ自體が、自家用の場合におきましては政府の何らの制約も受けずに、十分なる電氣をそこに保有し、そうして工場經營をやつていく。他の同等、あるいはより以上の重要なる工場におきましては、それらの自家發電がないために、政府におけるところのいろいろの制約によりまして、その能率を上げておられないというようなことが、この電氣行政におけるところのきわめて不公平な點である。かように考えてまいりますと、電氣發電と工場の經營とは別に切り離して考えていくことなくして――ひとり自家用の發電等による場合の行政のみにおきまして獨占的な立場にあるということは、今日の時代において許されないような場合もあるわけでありまして、こういつた點も考えられまして、中央におきましては中央電氣委員會、あるるいは縣におきましても、町村におきましても、さような電氣委員會の機關をもちまして、民衆から公選によつて選ばれた人々によつて納得のいく方法をとられたらどうか、これは一つの例でありますが、地方におきまして人口わずかに一萬數千の所であります。それに對しまして電燈が非常に暗い。何とかして明るくして、ラジオだけでも聽けるふうにしてもらいたいというようなことで、末端におけるところの配電會社と交渉いたしまして、最近話がまとまりつつありますが、驚くなかれその人口わずかな町村に對しまして、五十四萬のこれらの金を要求いたしておる。こういうことは各所にあるのでありまして、まつたく山間、僻地、その他山間僻地でなくとも、中央から離れておる所におきましては、かような電燈會社の送電はきわめて不十分であつて、それによつて起るところの不自由に對しまして、十分に何とか配電してもらいたいというような普通の電氣を要求する場合におきましても、過大な金を要求いたしておる。かような點も民衆の不滿といたしまして強く叫ばれておる。かような點を防止するために、さいぜん申し上げましたような電氣委員會をこの際に町村、縣、中央においてやるということが最も望ましいのでありまして、これらに對するところのお考えはいかがであるか。
 またさらに、私は十九日以來本日ただいままで、社會黨を代表いたしまして茨城縣の方へ見舞なりまた調査に參つておりましたが、あの大利根川をほんの目の前に控えたところの猿島郡あたりにおきまして、本年は大旱魃によるところの被害を受けております。かような點及び林森地帶等の平坦部においてはまだまだ未墾の土地が放圖もなくあるのでありまして、東北方面、またこういつた方面における農地の開發及びそれらの方面におけるところの旱害を防止すにるは、これは電力によるところの農村電化にまつところ多いのでありまして、それによりまして、大いに増産が期待されるわけであります。かような點におきましては、日本が單に軍需産業の復活のごとき誤解を招くような十年計畫であるとか、あるいはその他の計畫によりまして、誤解を招いておるというようなことも聞いておりますが、そうでなしに、すでに今日原子力時代にはいりまして、そうして日本におけるところの電源の開發がどれほど世界の平和を脅かすことになるであろうか、私どもは今日武力なき國家としてのはつきりした憲法をもつております。國民もその線に向いましてまじめに進んでおるのでありまして、おそらく日本の食糧問題の解決は、農村電化によりまして、一面三百三十萬町歩、そのうち大よそ二百萬町歩くらいの一毛作田があると考えておりますが、これらを二囘、三囘つくるところの農村電化、またさいぜん申し上げましたような旱害の方面におけるところの電化等によりまして、優に日本は食糧を自給し得るものであるという觀念をもつておるのであります。かような農村電化に對しまして、大いに今日及び將來につきましては、電源を開發すべき必要があると考えられておりますが、經濟復興會議あるいは電氣局等におきましても、これらの納得し得るような資料がいまだ整つておらないことははなはだ遺憾に考えております。さいわい前農林大臣であり、農村問題の權威者といたしましての長官におかれましては、私は今日得心のいく、傾聽に値すべきところの答辯を期待いたしておるのでありまして、かような點等を考えまして、この電源の開發は食糧問題の解決のために、また今日のこういつたあらゆる日本産業の再建のために最も必要なばかりでなしに、さらに世界的に最も急峻な山を控え、六百數十の川を有しておるところの日本の國は戰時中における濫伐の結果、かつて見ざるところの東北の水害、また今日の關東の水害を招いておるのでありますが、一部無理解なる、無批判なる人々におきましては、農地調整法等の行き方に對し、何とか難くせをつけていきたいというところからいたしまして、開墾による被害であるというふうに言われておりまするが、はたしてどれほどのものが利根川の上流において、あるいは東北方面の上流において開墾されて、こういう影響を來しておるか。今囘の雨量は御承知の通り過去の最高の三倍半に達しておりますし、また戰時中における濫伐それ自體が大きな原因をいたしておるのでありますが、かような點等も考え合わせて、植林にしても十年、二十年の歳月を要し、十分なる洪水の防止ができないというような點も考えますと、この電力發電計畫において、山間部にダムをつくつてこれを防止することも考えられますが、こういう方面についての御見解を承りたい。
 またこの際もう一つ簡單に申し上げますが、災害復舊用として勞務者に對する加配米を強く要望されてまいりました。今日における災害復舊は、皆が精魂を打込んで最高度の能率を上げなければなりませんけれども、腹が減つてはそれらのことができません。從つて農林省等との關係もありますけれども、災害復舊の勞務者に對しては、この際思い切つて勞務加配米をやつていただきたい。これにつきましても御見解を承りたい。またこの薪炭等における總合計畫においても、八百萬俵の滯貨というお話が先ほどありましたが、これらの木炭の滯貨は急速に……。
#40
○前田委員長 和田長官は他の委員會に行かれる都合がありますから、その程度で……。
#41
○成瀬委員 それでは木炭の方はこれで打切りまして、以上の點について一つ御見解を述べていただきたい。
#42
○和田國務大臣 お答えいたします。私ども電氣委員會を非常に尊重しておりまして、私自身としては電氣の問題が將來非常に必要であるので、電氣委員を志望したのであります。しかしただいま私お答えしたように、將來の水力電源の開發については、いろいろな意見がありますので、われわれの方としては全力を盡して納得いたしてもらうようにしておるのであります。その點は私はちつとも變つておらないのでありまして、あらゆる材料を整えて行つて、少くとも日本の電力開發についての支障は取除きたいと考えてやつておるつもりです。
 それから農村の電力化の問題は、お話のように、農政上からいうと非常に必要な問題でありまして、それにはやはり小さな發電を許していくということも一つの方法でありましようし、また將來の大きな電力開發と關連して、その問題を考えていくという二つの途があるかと思うのであります。ただ資材等の點からいうと、今の状況においては、實はわれわれが長期の計畫を立てる點から見ましても、一番その點で惱みが多いのでありまして、その點についてはわれわれとしてもお話のように御趣旨を十分くみまして、具體的問題の解決にはぜひ當つていくつもりでやつております。
 委員會の點でありますが、この電氣の割當委員會につきましては、實は今度の電力調整をやりますときに、電力割振りについての諮問委員會の案をもつておつたのであります。われわれとしてはどうしてもそこに需用者を加えた委員會があつて、その委員會で割當をしていくということが、公平を保つ上からいつて適當であろうと思つて御意見のような意見をもつていつたのでありますが、ただその點については、この前の公團の運營委員會の場合も同じであつたと存じますが、委員會ということでなくて、行政官廳がやればいいのではないかという意見であります。委員會ということで行政をやるのでなくて、行政はやはり官廳自身がやるべきではないかという意見で、實は委員會にいたしませんで、それぞれの權威者の意見、關係者の意見を聽くということにおちついたのであります。しかし私はもしもその諮問委員會のようなものができますれば、これは一番適當な方法であろうという考えに變りはないのでありまして、そういう點については理解を得たいと思つておる次第であります。
#43
○前田委員長 前に東君から薪炭等のお話がありましたが、それについてこの際林野局林政部長安孫子説明員の答辯を求めます。
#44
○安孫子説明員 先ほどの御質問の要點は、本年度の薪炭の増産について、政府はいかなる方策をもつておるかというような御質問であつたと存じます。大體薪炭の生産竝びに供出は、御承知のように漸次惡い状態に陷りつつある。この原因はいろいろあるのでありますが、一つは食糧の問題、いま一つは金融の問題、あるいは先ほどお話のございました價格差が非常に大きいという點、こういうことがおもなる理由であろうと存じます。從つて對策もこれに應じた對策が必要となるのでありまして、私どもとして現在考えております對策は、この國會に提出豫定になつておりますが、薪炭需給調節特別會計の改正をして、現在借入限度が約五億圓程度でありますが、薪炭價格も上りますし、また相當早く支拂いをする關係上、囘轉資金も必要といたしますので、これを三十億圓程度に増額することについて、御協賛を得たいと存じておる次第であります。また薪炭生産者に對する繊維製品その他出見返り物資、これを關係方面と折衝して、相當の物を確保しておるような次第であります。また價格差の問題ですが、これは實は端的に申し上げますと、當初薪炭の買入價格はレール渡し價格であつたのであります。それが生産者を保護するという建前から、順次これを奥地の方で買い上げるという方向をとつてまいりました。ところが當時は重要物資について價格補給金があつたのであります。從つて消費者價格の方はそう上げないで實は濟んでおつたのであります。ところが終戰後大體この補給金制度を整理するという方向になりまして、薪炭の補給金も實はなくなつたのであります。從つて生産者のために奥地へ奥地へと買上げ地點を移しました。それに補給金がなくなつた關係で、生産者價格と政府の販賣價格の差が非常に大きいことになつて、これが非常に目立てまいつたような次第であります。この問題を根本的に解決いたしますためには、どうしても補給金制度をとるか、そうでなければ別途の價格體系を立てる以外に方法はなかろうかと思います。しかし現在の物價の體系がしばらくこの状態でまいるのでありまして、今これに根本的な改訂を加えるわけにもまいりませんし、また補給金の問題をここでもち出してみましても、財政的の見地からおそらく非常に困難であろうと存じますので、現在の許されておる價格體系の範圍内におきまして、この價格差をできるだけ縮めるという方法を考え、今おおむねその案を實はつくつておる次第であります。これは物價廳との關係もあり、この方面と折衝しておりますけれども、根本的な解決は困難ではありますが、ある程度この價格差を縮めるという點についてある程度の成案を得ておりますので、近くこれを實施いたしたいと存じております。それから薪炭供出の問題でございます。これは實は戰爭中はいろいろな登録制度等によりまして、相當末端割當がはつきりいたしておつたのでありまするが、終戰後の状況は、この關係が實は非常にルーズになつてきております。末端におきまして、はたして十分徹底した割當があるかどうかも、實は疑問のような事態もございますので、この點も實ははつきりいたしたい。かように存じております。また全國の山林原野面積の約三割三分は現在國有林になつておりますが、これから出てまいります官行製炭及び立木處分による製薪炭、もちろん地元にも相當流すことは流すのでありますが、この緊急事態といたしまして、これを大消費地向けにいたしまして、今年の冬場の薪炭の緊急状態を救いたい。かようなことも考えておる次第であります。以上申し上げましたような各種の方策によりまして、今年の燃料危機を克服してまいりたいと存じておる次第であります。
 なお一言附け加えますが、無煙炭の配給が、いろいろ折衝いたしました結果、從來よりもよくなりましたので、煉豆炭の増産をはかりまして、これを主として消費都市へ集中して配給しよう。かようなことも考えておる次第であります。
#45
○成瀬委員 燃料總合對策の立場におきまして、電氣に影響するところが非常に大きいので、かような薪炭問題を取上げましてお尋ねいたしておりまするが、附け加えて、東委員に代りまして私の立場からお尋ね申し上げたいのは、生産者は價格差の問題につきまして非常に眞劍であるのであります。昭和九年、十年、それから今日何倍の程度に決定されておるか。いわゆる政府の新物價政策におけるあの率から考えてみたならば、どういうような立場に置かれてあるかということが生産者の大きな疑問であるのであります。この點をひとつ明確にしていただきたい。
 それからもう一つは、薪炭の生産者は過日も全國大會を開き、また各縣におきましてもそれぞれの連合會をもちまして、近く農村恐慌が來るだろう。われわれ製炭者におきましても、必ず薪炭などの賣れないときが來るだろうということを豫想して、今のうちから強力なる民主團體をつくり、そうして品質の方面の改善をはかるためのひとつ運動を起こしていこうというようなこともまじめに取上げられまして、目下その運動中なのでありますが、かような點を考えまして、目下農林委員會におきましては、農業協同組合法に對していろいろな動きがあります。なかんずく昨年初めて議會において認められたところのあの林業法に基いて、農業協同組合法第九條の第三項の薪炭というものが農業の中に含まれておることを削除してもらいたい。こういう林業會からの申出がありますが、一面生産者たるところの薪炭生産者は、これはその中に含んでもらいたい。そうして別途に薪炭協同組合の組織のもとに生産の方面の能率を高めていこう、政府のこの燃料政策に協力しよう、こういうような動きがあるのでありますが、これらの點につきましては、林野局としてどういうような御見解をもつておられるか、この二點につきましてお尋ね申し上げます。
#46
○安孫子説明員 前段の御質問は、薪炭の價格をきめる際のパリティー計算が基準年度の大體何倍であるかというふうに了解いたしたのであります。問違つておりますればこれは後刻訂正いたしたいと存じますが、私の今記憶しておりますのは、大體五十五、六倍ということでなかつたろうかと存じます。この點ははつきりいたしませんが、大體その見當であつたろうと存じます。
 第二點の農業協同組合法第九條第三項の問題に關連いたしまして、林業會法との關係はどうであるか、これに對する林野局の見解はどうか、こういうお尋ねでありますが、農業協同組合法第九條第三項は、御承知のようにその次の方に農業のいろいろな指導監督でありますとか、あるいは講習でありますとか、管理であるとか、そういうような農業協同組合法の實行し得られます事業を掲げております。この農業は、普通から申しますれば薪炭生産はいらなかろうと存じます。ところが現在の薪炭、特に木炭の方でありますが、御承知のように副業製炭が全國では約八割程度であります。しかもこれは現在において農業會がやつておるのであります。この事實を見ますれば、急にこの際新しくできまする農業協同組合は薪炭ができないというような關係になりますことは、私ども林野當局といたしましても適當でなかろうという見解をとりまして、農政當局から相談のありました際に、第九條第三項を入れることについて實は同意をいたしておるのであります。しからば林業組合、林産組合その他の指導方針いかんという問題に發展すると思いますが、要するに私どもは薪炭生産につきまして、現在の法制のもとにおいて、農業協同組合法が通過いたしますならば、農業協同組合もできますし、林産組合もできますし、あるいは森林組合もできる、おのおのの團體が薪炭生産ができるという態勢になると存じます。このうちどの組合が最も實效をあげるかということにつきましては、これはお互いの組合の育成竝びに今後の發展の實力によつて決定さるべき問題でありまして、必ずしもどの組合でなければ薪炭の生産ができないというような、獨占的な傾向には私どももつていかないで、現在の農業會も實際は、薪炭生産をいたしておりまするので、これにもその能力を與えまして、今後のお互いの實力によつて、問題が解決されていくということに考えるのが、最もこの際適當でなかろうか。かような見解をもつておる次第であります。
#47
○前田委員長 次囘の會議は公報をもつて御通知申し上げます。
 本日はこれをもつて散會いたします。
   午後三時三十八分散會
ソース: 国立国会図書館
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