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1947/10/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第12号
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1947/10/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 電気委員会 第12号

#1
第001回国会 電気委員会 第12号
昭和二十二年十月八日(水曜日)
    午前十一時二十四分開議
 出席委員
   委員長 前田榮之助君
   理事 村上  勇君
      石野 久男君    境  一雄君
      成瀬喜五郎君    本藤 恒松君
      八百板 正君    東  舜英君
      栗田 英男君    根本龍太郎君
      石山 賢吉君    大内 一郎君
      加藤隆太郎君    廣川 弘禪君
      本田 英作君    川越  博君
      堀江 實藏君
 出席政府委員
        商工政務次官  冨吉 榮二君
 委員外の出席者
        議     員 庄司 一郎君
        議     員 川野 芳滿君
        商工事務官   森  誓夫君
    ―――――――――――――
十月二日
 製粉業者に電力供給増加の請願(山崎猛君紹
 介)(第七七四號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 一 内川尾袋川普通水利組合使用電力料金輕減
   の請願(庄司一郎君紹介)(第一號)
 二 都於郡村に電燈線架設の請願(川野芳滿君
   紹介)(第三八號)
 三 浴場に對する電力制限撤廢の請願(前田榮
   之助君紹介)(第五九八號)
 四 神島村に電燈及び電力線架設の請願(石原
   圓吉君紹介)(第六七七號)
 五 製粉業者に電力供給増加の請願(山崎猛君
   紹介)(第七七四號)
    ―――――――――――――
#2
○前田委員長 これより會議を開きます。
 本日は請願及び陳情書を審議いたします。まず請願より始めます。日程第一、内川尾袋川普通水利組合使用電力料金輕減の請願、文書表第一號を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。紹介議員庄司一郎君。
#3
○庄司一郎君 本請願は宮城縣伊具郡角田町に事務所が所在しております内川尾袋川普通水利組合管理者より、組合の總代會を開催して總代會における滿場一致の決議のものに、本年六月三十日に第一囘國會に請願第一號として提出をされ、ただいま議題としていただきました案件でございます。簡單に請願の趣旨を申し上げます。なおこの請願の大樣を申し上げる前に了解を願いたいことは、この請願の直接の關係は宮城縣伊具郡角田町ほか數箇町村の地域内における内川尾袋川普通水利組合關係地域の請願のようでございまするけれども、直接にはその通りでございまするけれども、ただちに全國の電動力を使用していわゆる農村電化をやつておる、用水において、あるいは排水において、動力機關をもつておる全國的なこの種の事業の請願であるというお心持をもつて、政府當局において聽き取りを願いたいし、賢明なる委員諸君におかれましても、さようなお心持をもつてお取扱い、御檢討をお願い申し上げたいと思うのであります。
 本請願の趣旨は、昭和二十二年度の本組合の電力料金は昨昭和二十一年度に比べまして約十一倍の増額となつております。しかし十一倍の増額と相なりましたこの電力料金は、本組合總豫算の四〇%に該當しておるのでございます。まことに當組合にとりましては、莫大なる電力料金の支拂いをなさねばならない状態に相なつております。その理由は電力料金の約四倍に當るところの値上げの結果からで、さような結果においてこの請願が提出されました。結論は、昭和二十一年度程度の電力料金に輕減を願いたいということが最後的の要點でございます。その理由は、本組合の區域、すなわち宮城縣伊具郡角田町、櫻村、西根村及び北郷村の耕地は、その地勢がおおむね窪地でございまして、阿武隈川の西方に當る原野地數千町歩を多年にわたつて開墾懇干拓した地域でございます。從いまして大體の耕地が低地でございます。そのために湛水のおそれが多分にある地方でございます。さような關係上、水害をこうむるおそれがきわめて多いこの一町三箇村の耕地を安全に保持するために、昭和三年、宮城縣營事業として國庫補助を仰ぎまして、いわゆる用排水幹線改良工事の法律規定に基きまして、國庫補助を頂戴し、六箇年の歳月を閲してこの用排水の工事がようやく竣功を見まして、その結果灌漑用水の不足の場合は、阿武隈川より揚水するのであります。またこの地域一蔕の低地の水が湛水をいたしまして稻作に害をなす場合においては、この地域より阿武隈川に水を排水するのでありまして、用水と排水とこれを竝び行うております。この組合の事業用の電動機は一千三百二十馬力を用いております。その内譯は四百馬力のものが三臺、百二十馬力のものが一臺、デイーゼル機關一千五十馬力、内譯は三百五十馬力のものが三臺、合計いたしまして二千三百七十馬力の用排水機關を設備いたしまして、その後數千町歩のこの一町三箇村の耕地が年々美田と化しつつございまして、食糧増産に勵み、もつて政府の供出に應じてまいりましたような次第であります。しかるに他の諸物價の高騰等によつて、電力料金もまた著しく増額を命ぜられまして、昨昭和二十一年度における配電會社との電力量の契約高の基本料金は一キロ一圓四十錢、電力量料金は一キロ一錢三厘六毛、一箇年のうち七ケ月が契約期間となつております。從いましてこの七箇月の基本契約一萬三千八百八十圓に對しまして、本年度契約内示額――配電會社と當組合との内示的契約、基本料金は一キロ十六圓九十七錢五厘、電力量料金は一キロ十一錢二厘と相なりまして、一箇年――正味七箇月――金十六萬三千圓、實に十一倍と相なつております。さらにこれを一昨年の昭和二十年度の契約金の五千圓に比べますと、三十倍強という驚くべき電力量料金の數字が現われております。かような状態でありますので、本組合の組合員でございますところの農家の諸君の負擔というものは非常に過重され、一昨年よりは昨年は十一倍、本年は三十倍という組合費を、電力料金の支拂いに關するだけにおいて、賦課徴收をしなければならないという状態に相なつております。一方政府の食糧増産の御獎勵の趣旨から言いましても、農民がかくのごとく多額の負擔を電力料金として當組合を通して拂わなければならない。かような農家收入經濟の状態と相なつておりますので、政府におかれましては配電會社等とよく御懇談あるいは御指示をいただきまして、できるだけ格安なるところ電力料金にこれを改正せられ、もつて農村電化の積極的普及、普遍化をおはかりくださることを願つてやまないのであります。要はこの地域は前申し上げたように、阿武隈川の堤外地を長い間努力して農民が開拓あるいは開墾してまいりました數千町歩の土地でございます。決して元來が上田でも美田でもございませんでした。それを農民の驚くべき努力によつて美田化しつつあるのであります。しかも用水において乏しい、しかも排水においてとき折――本年に入りましても、七月以來二度の水害によつてこの地域一帶というものは非常なる水害をこうむつております。排水のためにこの組合は多大なる電力量が必要でございます。また排水の效果も相當あつたのでございます。結論といたしましては、いろいろの御事情もございましようけれども、配電會社當局等によろしく御懇談御内示をいただきまして、ひとり宮城縣の伊具郡におけるこれら一町三箇村の組合の電力料金の問題のみならず、宮城縣十萬三千町歩のうち、こういう電力あるいはデイーゼル機關でもつて用水や排水をやらねばない段別數は三萬五千町歩でございます。うわさに聞けば千葉縣あるいは長野縣、琵琶湖關係の各町村においても、かような厖大なる電力料金を拂つておるやに聞いております。全國でかような電力の用水、あるいは排水の機關をつかつておやりになつておる統計は承知しておりませんけれども、これはひとり宮城縣の一地方問題だけじやございません。これが全國の厖大なる農家を眞に保護し、農家の收入經濟を助けられるゆえんであると思うのであります。また積極的に農村電化を普及獎勵される意味においても必要なことであると思いますので、請願の趣旨の結論は、でき得るならば昭和二十一年程度電力料金にこれを改訂していただき、もつて農家の經濟を御援助いただきたいというのであります。委員長及び委員各位におかれましては、十分政府の御説明等をもお聽き取りを願いまして、願わくばこの請願が本委員會においてお取上げいただいて、負擔の過重に泣いておる農民諸君を、ある意味において御救濟あらんことをお願い申し上げてやまない次第でございます。
#4
○前田委員長 本請願に對する政府當局の所見をお伺ひします。
#5
○冨吉政府委員 ただいま庄司委員からの御紹介の御請願は、本來物價廳の方の權限に屬しまするので、物價廳からお答えするのが至當でございますが、便宜上電力の行政は商工省にございます關係上、私どもの方からお答えすることにいたしたいと思います。すでに御案内の通り、灌漑用水用の電力料金は、舊來農事用といたしまして、政策的にすこぶる低廉な料金で供給いたしてまいつたのでございます。その料率はとても原價を補い得ないものでございます。前囘の昭和二十一年の一月一日に實施いたしました料金改正の際に、動力は約二倍半の値上げといたしたのでございまして、從前よりの特別取扱いは廢止することにいたしましたが、そうなつてまいりますと、農業用が從前の料金に比しまして五、六倍の値上りとなりまして、負擔に耐えないという御陳情がございましたので、きわめてごもつともであると考えまして、漸定的に昭和二十一年の九月、十月、十一月の三箇月の平均支拂いを、料金の三倍の値上りに止めることによつて今日に至つたのでございます。かくのごとくいたしまして、既往の料金はまつたく原價を割り、原價を無視していたしたものでございまして、今囘の料金決定に際しましては、原價主義を建前といたしたのでございまするが、しかも農事用に對しましては、政策的に十分需用の種別を考慮いたしまして、他種の料金に比しましては低位に定めておるつもりでございます。しかしながらこれ以上に電氣料金の値下げは、電氣事業の負擔においてはとうてい不可能であると思うのでございまして、まことにやむを得ない事情でございます。從いまして、この電力事業そのものの根本について何らかの方法が加えられない限り、現在の状態におきましては、はなはだ困難だと考える次第でございます。しかし實施にあたりましては、一年間を通ずる契約というようなことにしないで、特にその短期の需用の契約ということを實施勵行いたさせることにして、農家の御負擔が重くないような取殊いをいたしておることを御了承願いたいと思うのでございます。なお資材等その他の經濟事情の變更と、前に申し上げました電氣事業それ自體の根本的改革がなる機會が得られましたならば、必ずや御希望に副い得るときがあることを信ずるものでございます。以上商工省といたしましての立場と考え方を申し上げまして、御了解を得たいと思います。
#6
○前田委員長 本請願について御質疑はありませんか。――御質疑がないようでありますから、本請願の可否は、愼重を期する意味におきまして、追つて協議の上決することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
#7
○前田委員長 御異議なしと認めます。そのように決します。
#8
○前田委員長 日程第二、都於郡村に電燈線架設の請願を議題といたします。紹介議員川野芳滿君。
#9
○川野芳滿君 請願の詳細な點につきましては、先般議長あて提出いたしました請願書の中に詳細記入しておきましたので私は簡單に御説明を申し上げてみたいと考えます。
 本請願は、宮崎縣兒湯郡都於郡村大字鹿野田字坂ノ下一二二七竹崎博俊ほか三十七名の請願でございますが。請願書に書いてあるような、まことに同情すべき方々が全國にも多數あるかと考えますので、實はかかる方々の將來の救濟等もお考え願つて、そうして委員各位におかれましても、御同情を賜わりたいと切に懇願する次第であります。ただいま請願申し上げまする部落と申します所は、宮崎縣兒湯郡都於郡村の僻遠の一部落であります坂ノ下部落と申しまして、實は大正六年高知縣よりの移民者によつて開拓創始されましたところの部落であります。戸數三十七戸でございまして、この三十七戸にお住いの方々は一致團結されまして、そして農耕に努力されておるわけであります。ところがこの部落に實は電燈がついていないのであります。ちようど一キロ先の部落には電燈が煌々としてついておりまするが、この坂ノ下部落には電燈がついていないわけであります。部落といたしましても、いろいろ點燈問題については協議もいたしたわけであります。殊に都於郡村の村會におきましても、この點燈問題を取上げていろいろ論議いたしたわけでありまするが、しかし非常に費用がかかりますので、村會においても實施困難のまま今日に至つたわけであります。しかしどうしても點燈していただかなければならないというので、部落の方々でもいろいろ調査いたしました結果は、これは昭和二十年三月の調査でございまするが、工事費が二十數萬圓くらい要するわけであります。三十七戸の貧困な部落から二十數萬圓を投じて點燈するということはなかなか困難なことでございます。それでどうしても國家の御同情によつて點燈していただきたいというのが實は本請願の趣旨でございます。「すべて國民は、健康で文化的な最低限度の生活を營む權利を有する。」ということが憲法第二十五條の條文にあるわけでありますが、文化的な最低の生活を保つ上において電氣が必要なことは、ここに私が申し上げるまでもないことであります。私は今日電氣は生活必需品であると申したいのであります。この生活必需品である電氣がついていないということは、部落民といたしましても非常にお困りであると私は察するわけであります。それで部落といたしましても、あらゆる犠牲を拂つてその費用を生み出し、また村會におきましてもできるだけの御援助を申し上げて點燈問題について努力する、こういうわけでございますので、どうか國家におきましても相當の補助を願いまして、この問題の解決をしていただきたいと懇願する次第であります。何と申しましても宮崎縣は御承知のように水電國でございまして、宮崎縣の水力電氣が一つの線を通して北九州に流れていることは皆さんも御承知の通りであります。かくのごとく豐冨なる電力を有する宮崎縣において、しかも一キロ先は煌々として點燈を見ているにもかかわりませず、坂ノ下部落は電氣が來ない。こういうことは坂ノ下部落民の立場になりますると、まことに御同情すべきものがあると私は考えますので、どうぞ國においても應分の補助を願つて、この問題を解決していただきたい、これが請願の趣旨でございます。はなはだ簡單でございまするが、御説明申し上げました。
#10
○前田委員長 本請願に對する政府當局の所見を質します。冨吉政府委員。
#11
○冨吉政府委員 川野委員の御所見まことにごもつともであり、また實情まことに御同情にたえません。特に僻村に生を享けて常にその苦痛をなめました私は、まことに身につまされてその感を深くいたすのでございます。電力の需用量、普及徹底の度合は文化のバロメーターと言われておりますだけに、電力の普及徹底に對しては、私どもといたしましても非常に關心と熱意をもつておるのでございます。のみならずまた農村の生産増強の建前からいたしましても、喫緊のことかと存ずるのであります。また國民文化推進の上から、申しましても、生産力増強の面からいたしましても、農村に電力が豐富に供給されるということはきわめて重大で、まつたくお説同感でございます。しかしながらすでに御案内の通り、現在電力は非常な危機に當面いたしておるのでございますが、その資材の面におきましても、まことに不自由な状態にございますことは御承知の通りでございます。ただちに現在の今お申出のような地理的状況にあります部面に、十分に配電いたすということは、相當困難だと考えるのでございますが、今後の資材状況の推移その他を勘案いたしまして、地方商工局竝びにその出張所及び配電會社等と連絡をいたしましまして、でき得る限り速やかに御希望を達成するように努めたいと考える次第でございます、さよう御了承願います。
#12
○前田委員長 本請願について御質疑はありませんか。――御質疑がないようでありますから、本請願も前の請願と同樣に、可否については追つて協議の上決することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
#13
○前田委員長 御異議ないものと認めます。
    ―――――――――――――
#14
○前田委員長 日程第三、浴場に對する電力制限撤廢の請願、これを議題といたします。紹介議員は私となつておるので、この際この席から御説明をさせていただきたいと思います。
 終戰後各都市におけるところの浴場が、戰災その他によつて破壞されたのをいろいろ囘復いたしたのでございます。その際における燃料は、從來石炭等によつて經營をいたしておりましたが、入手が困難な状態になつた際に、配電會社等から、電化の最も合理的であることを慫慂され、從つて浴場業者は社會衞生の立場から急に復舊を要するものといたしまして、相當の犠牲を拂つて電化設備を行いまして、社會衞生のために浴場經營をいたしたのであります。最近の電氣事情からいたしまして、電氣を浴場に使用することが非常に困難な状態になり、また近く電氣の使用調節令等が出ますると、浴場は第一に電氣の使用不可能な状態になるような形勢になつておるように聞いておるのであります。現今電化されたる浴場は、大體どういう全國的な事情になつておるかと申しますと、東京におきましては、七百五十の浴場の中で五百二十四はすでに電化の設備ができて、電氣による經營をやつておるわけであります。大阪が九百七十のうち二百六十三、京都が四百五十のうち八十、名古屋が四百三十のうち百三十、兵庫縣は五百のうち百、横濱は三百六十八のうち七十八、かような状態になつておるのでありますが、もし電氣の使用が禁ぜられまして、石炭その他の燃料がかりにはいるといたしましても、すでにボイラーの設備をかえておる際に、これが石炭使用のボイラーにすることになりますと、他の資材、その他の關係でまた非常な困難な立場にならなければならぬという實情なのでございます。從つてただ營業をして利益を求めるという立場で考えますと、これは個人の商業を擁護するということは、今の時代に不適當だということになりますが、この浴場だけは一般大衆、殊に勤勞者がほとんど公衆浴場を利用いたしておるので、産業發展のためから申しましても、絶對的必要な條件だとわれわれは考えるわけなんでございます。それで今囘の使用調節につきましても、社會公共の施設、あるいは學校等々と同じ少くともこれと同列なところに制限を引上げてもらうことが今次最も緊急必要な問題だろうと思いまして本請願を出しておるわけであります。何とぞその點御了察をいただきまして、電化風呂の使用が十分できるようにお願いいたしたいと思います。以上簡單でございますが、御説明申し上げます。本請願に對しましても政府當局の御意見を質します。
#15
○冨吉政府委員 公衆浴場の電化は、終戰後において著しい燃料不足と、當時餘力がございました電力事情からいたしまして、餘剩電力を利用して燃料の節約をはかる目的をもつて企圖せられたのでございます。最近におきましては、虚脱状態から起ち上りました事業における電力需用量と、これに反して電力供給事業の方の逼迫の度合からいたしまして、電力の供給が公衆浴場に對してはなはだ不十分になりつつありますことは、私どもまことに遺憾とするところであります。熱源といたしまして使用せられる電氣ボイラーにつきましては、商工省といたしましては燃料經濟の點から、水力に餘裕があるときに限つて供給するものとして、一般工場等の電氣ボイラーは特殊電力として取扱つておるのでありますが、公衆浴場についてはその事業の公共的な性質に鑑みまして、豐水期間における供給を可及的に確保する趣旨からいたしまして、特に期間の常時電力として容認しておる次第でございます。期間外でございます十月中旬から翌年の三月に至る期間は、いわゆる渇水期でございまして、多量の火力發電を必要とすることも御存じの通りでございます。燃料の合理的な使用の見地からいたしまして、電氣ボイラー用の電力は供給しないという方針をとつておるのでございます。しかしこの間の電化浴場の操業につきましては、石炭その他の正常の燃料の配給によりまして、維持せらるべきものと考えておるのでございまして、これら燃料の手當につきましては、浴場の主管省である厚生省等に對しまして、早くから要望せられておつたところでございます。もつとも新しく設置しました浴場で、石炭ボイラーの併置のない浴場につきましては、資材、資金等の關係上、急速にことしの冬の他種熱源への切替が間に合いません。これがために地域的には一般公衆に多大の御迷惑を及ぼし、衞生上もよくないと考えられますので、これらの對策につきましては、目下經濟安定本部においてせつかく考究中でございます。さよう御了承を願います。
#16
○前田委員長 本請願に對して御質疑がありませんか。――成瀬君。
#17
○成瀬委員 この浴場に對する電力制限につきましては、いろいろ物議を釀しておるのでありますが、聞くところによりますと、今も政府委員のお話がありましたように、終戰直後虚脱状態のときに、總合的の燃料關係からいたしまして、獎勵をしたというようなわけでございますが、ああいう日本の産業再建のいろいろな點の見透しがつかないときにもかかわらず、なぜそういつた無責任な指導をしたか。またやがて來るべき日本産業再建のためには、いくばくの電力が必要であるかというくらいの見透しがなくてはならないにもかかわらず、終戰直後におきまして、かように浴場に對する電化の獎勵をいたしたということは、あくまでも政府の責任であり、また日本發送電會社における無責任な、營利的な觀點に立つた行為であると斷ぜざるを得ないのでありまして、かような點については、政府の責任において、會社の責任において、浴場業者の立ち行くように取扱つていただきたい。殊に東京は七〇%まで電化されておる。大阪においても二五%は大體電化されておるというわけで、六大都市におけるこれらの電化浴場關係者の脅威たるや、非常に大きいものがある。かように考えております。しかしながら、こういつたことは六大都市を中心にして考えてみた場合でありまして、そこで私のお尋ねしたいのは、六大都市以外の都會においては、こういつたことを宣傳しておるのぢやなかろうか。もしそういうことが現われておるとして、六大都市以外の都市に、どれほどの電氣浴場があるかということを、この際明確にしていただきたい。
 またこれに關連してでございますが、目下食糧の非常な收穫期にあるのでありまして、この收穫期における電化による脱穀調製は非常に重大であります。過般福井縣においても――大體福井縣の脱穀調製の七割までが電化によつてやつておる。あるいは全國各方面の農村において電氣の制限をしておりますが、こういうことが少からず供出の方面に悪影響を及ぼしておるということを傳えておるのでありまして、かような點は特に農村事情に明るい冨吉次官から、食糧確保の見地に立つた電力行政のあり方につきましてひとつ御意見を承りたい。かように附加えて御質問いたしたいと思います。
#18
○冨吉政府委員 この電力行政に對する商工省の責任追究、まことに痛入みるのでありますが、私どもの力で今からいかんともできないことをお許し願いたいと思います。なお今後はそういうことに對しましては大いに見透しをつけまして努力すべきである。こういうふうに考えております。
 六大都市を除く他の地方においての實情いかんというお話でございますが、これは現在の電力制限によりまして浴場として困りますのは、大體六大都市でございまして、まだその他の方面から的確な御意見を承つておらないので、正直のところ、これに對する十分の調査もできておりません。追つてできるだけ速やかにそういう方面も調査いたしまして、お答えさせたいと考えております。
 それから農村電化に對する御意見でございますが、これはまことにごもつともなお説でございます。私どもといたしましても、農村電化の問題には非常な關心を有しておるのでございまするし、さらに現在の食糧情勢の實情から申しましても、農村の供出意欲を殺ぐがごときことがあつてはならない、さらにまたその能力を減退させるようなことがあつてはならないと考えておりますので、商工當局といたしましても、これらの方面にも、苦しい中からできるだけ優先的に電力を配給するよう、手段を講じつつあることを御了承願いたいと思います。
#19
○成瀬委員 簡單に附加えて御參考に申し上げておきますが、地方の都市における浴場業者の先覺者は、こういう意見をもつております。六大都市はその燃料の入手が非常に困難であるがため、電化もやむを得ないだろう。しかしながら、全國各地の都市における浴場の電化はこの際一日でもよい。いわゆる電化することによつて一人分の勞力が節約されるし、相當有利であるという、宣傳のもとにやつているけれども、六大都市以外の都市においては、おうむね燃料を得ることが容易である立場にあるので、この際浴場の電化は、各般の電力情勢から、六大都市だけを認めていくようにという浴場關係方面よりの獻言もあつたのであります。ただいま承るとことによりますと、これらの調査ができておらないようでありますが、以上のような意見も考慮に入れられまして、浴場については六大都市中心に、かつまた農村の食糧増産のために、その作業上の支障なからしめないような方法を講じていただきたいと思います。
#20
○冨吉政府委員 お説きわめてごもつともでありまして、まず大體においてその通りいたしたいと考えております。
 なおこの際一言申し上げまするならば、電力あるいは石炭をできるだけ節約いたしまするために、燃燒器具の製作を私ども獎勵いたしつつあるのであります。この燃燒器は御承知の通り、いわゆる木くずをたくのでありますが、いろいろ不十分な器械等もありまして、能率その他經濟上はなはだよろしくなかつた點もございますので、これらの優秀なものに對しましては、特にコークス等その他の資材をできるだけ配給いたしまして、こうした熱源の供給に遺憾なきを期するように努力を拂つていることを附け加えて御説明を申し上げます。
#21
○根本委員 ただいまの浴場の電力問題は、先ほど紹介者から申された通り、まことに重大問題だと考えます。特に今度の水害によりまして、從來の燃料の供給地が、本年はまつたく見透しがつかない、こういう状況になつておると私は存じます。特に東北地方、山梨方面もその通りであります。こういう際でありまするので、これはただ單に、政府當局が電力危機の時代であるから、原則としてそういうものを認めがたいのでその通りというような輕い問題として私は取扱うべきではないと存じます。それでその判定はどこにあるかと言うならば、しからば六大都市において、特に東京を問題にしたいのであります。浴場のためにどれだけのパワーを使つておるか、これがまず問題だと思います。それを節約することが他の産業にどれだけの貢獻をするかということと、それから浴場に電力をやらないことによつて起るところの社會的な、あるいは衞生的なこれらの諸條件を考えて、電力については非常に困ることであるけれども、社會的に見て、あるいはまた衞生的な關係から見てどうしても電力確保しなければならぬ。特に冬季になりますると、夏季と違いまして行水はなかなか困難だ。こういう點から見て、私は六大都市におけるところの浴場のためにどれだけのパワーを使つておるか、全體の出力に對してどれだけのパーセンテージをもつておるか、これをまず聽きたいのであります。そして私はその次に自分の意見を申し上げたいと思います。
#22
○森説明員 東京都の例について申し合げますると、浴場用の電力がどれでけのパワーを占めておるかという、はつきりした數字はここですぐお答えすることはできませんが、大體二萬キロワツト内外ではないかと思います。これはあとで具體的な數字を提出いたしたいと思います。關東地方で非常に電氣が少かつたときと言いますると、九月の上旬ごろがひどく、毎日のように緊急遮斷のあつた時期で、そのころは大體六十萬キロ・ワツトぐらいの電力であつたわけです。そして浴場もほとんど深夜間の送電をするというほどの、きわめて少い電力の供給を受けることになつておりましたのですが、これをもう少し大ぴらに晝間も送るということになりますと、專用線をもつておりまする工場の生産を相當ひどく切らなければならないということになります。當時の状態で言いますると、專用線をもつておる工場でも、保安電力として必要な程度のものしか送れないという状態であつたのでありまするが、これをそれ以上切るということにしないと、その當時としましては浴場の電力を殖やすことができないという状態でありました。もちろん一般の中小工場、あるいは民家の電力は全部切れる所は切つております。そしてただ病院とか、進駐軍とかいうふうに、絶對に切れない重要線の送電をするのに電力がほとんど使われておつた。それ以外の電力の餘裕は、ただ專用線をもつておる工場に送るにすぎないという状態でありました。こういうときに、さらに浴場の電力を殖やすということになりますると、專用線をもつておるような重要工場にも相當停止をしなければいけないのじやないかということが言えるわけであります。これは大體電力の需給事情が九月上旬程度であればという前提のもとに申し上げることであります。そういうわけでありまして、われわれといたしましても、浴場に供給する電氣を殖やすためには、相當産業に思い切つた打撃を與えることを覺悟しなければできない状態であります。そうしてなお夜間でも送ればよいじやないか。夜間は工場用の需用がないから、夜間だけでも送ればほかに迷惑はかけないのじやないかという考えもあるわけですが、實はそのころになりますと、貯水池の水を使つて電力を相當補給しておるわけでありまして、夜間電力を補給いたしましても、その貯水池の水を使うことになりまして、晝間の電力の供給がそれだけ減るということになるわけでありまして、夜間といえども電力はできるだけ供給を愼まなければ晝間の電力に困る。こういう状態になつてくるのであります。それでこの冬の見透しといたしましては、これはいろいろな要素がありまして一概には申し上げられませんが、大體二月の一番ひどい状態は、九月上旬程度に似たものになるのではないかというふうに考えられます。從つてわれわれといたしましては、公衆衞生保持のために、浴場用の電力を相當供給するということになるならば、重要産業に相當な打撃を與えることを覺悟の上でやらなければならないということを考えておりまして、こういう點につきまして、安定本部とただいまいろいろ打合わせておるわけであります。大體事情は以上の通りであります。
#23
○根本委員 ただいまの政府當局の説明でたいへん問題の重點がわかりました。私も大體現在の電力の状況から、そういう深刻な状況にあるために、にわかに取上げられない、そういう態度であると私は信じておつたのであります。しかしながらここで考えなければならないのは、御承知のように大阪方面では二十何パーセントかそれくらいでよいのでありまするが、東京ではすでに八十パーセント近くが電化されておる。しかも一般の都市住民も現在の燃料状況においてはほとんどふろをたけない、こういう現状です。ほとんど大部分の者が公衆浴場に依存しておる。こういう現状において、これはわれわれは詳しいデーターはもつていないからなかなか論評はできないところでありますが、産業ももちろん大事であります。これはわれわれは痛切に感じておるのであります。また一方において産業それ自體においても、はたして緊急必要があるところに電力が全面的に使用せられておるとも私は考えません。かなり怪しげな、いわゆるやみ工場なるものが相當電力を使つておるということもこれは否定できない事實だと私は思います。そういうものもただいわゆる重要産業だ。今動いておるものは全部重要産業だという概念のもとにこれをたな上げしてしまつて、現實に本年の燃料對策に深刻な惱みをもつておるところの都市住民に對して、しかもこれは公共事業に屬すべきものだと私は思います。それをただ單に電力が足らない。非常措置をとらなければいけないというて、やらないというような考えではなく、この問題については私は非常措置をとるべきだと確認します。他の地方においてはそれほどではありませんが、私は東京の住民ではないけれども、特に東京において、私は全般的な見地に立つてそう考える次第であります。どうかそういう意味において、電力の大綱はもちろんよくわかつておるのでありますが、現在の東京におけるところの電力の配分を眞劔に檢討の上、できるだけこれを直していただきたいと私は念願するものであります。その結果現在たとえば二萬キロなら二萬キロ、その全部はいけないとしても、少くともその七割でも八割でも行くということになりますれば、ここに都市住民の生活の安定がなされ、衞生の保持ができてくると思います。こういう意味においてどうか政府においてより一層綿密なる御研究の上、少くとも東京都においてはこの問題の趣旨が取上げられて、何らかの具體的な對策として現わして、國民の要望にこたえるところの態度をお示し願いたい、こうお願いするわけであります。
#24
○冨吉政府委員 ごもつともな御意見だと承ります。先ほどのお話の中に、やみ製品等をつくつておる工場が重要産業の名に隠れて云々というようなお説がありました。あるいはそういうことが絶對にないとは言いがたいと思います。そういうことは從來とてもあつたことでありますし、ありがちなことであるので、十分注意しまして、できるだけそういうことのないようにいたしたいと思つております。ただ電力の割當をいたします際には、生産計畫とよくにらみ合わせまして、嚴重な調査の上に立てた電力割當をいたしたつもりでありまして、大體の本筋といたしましては、そう誤つた配電はいたしておらないつもりでありまけれどもそこは人間のすることでありまして、なお十分に注意をいたしまして、そうしてまた公衆衞生の建前からできるだけ御希望に副うように努力いたしたいと思つております。
#25
○栗田委員 先般の電力の割當 畫を見てみますと、電化浴場の割當順位が、映畫館とか劇場というものよりもさらに低い地位になつておる。これは公衆衞生の見地からいつても、浴場は少くとも映畫館と同等、あるいは映畫館以上の事業として優先的に與えなければならないと私は考えておるのですが、これに對するところの當局の御見解を承りたい。
#26
○冨吉政府委員 私は實際問題をよく知らないので、今電業課長に聽いてみますと、映畫館と同等の取扱いをいたしておると申しておるのでありますが、さようになつていないのでございましようか。
 なお優先順位の問題につきまして、映畫事業と浴場とはなかなかその順位はきめ兼ねる問題だと私は思うのでございます。私は何ら映畫事業に關係はもちませんけれども、やはり文化方面のことも非常に重大たと思いますし、また公衆衞生も重大でありまして、いずれも弟たりがたく兄たりがたくというように考えておる次第、要は電源を培う方面にわれわれは力を注がなければならないのではないか、こういうふうに考えておりまして、目下それらについても、ここで發表はできませんけれども、この關係方面とも折衝いたしまして、できるだけ日本の電力を増強し得る態勢を整えるべく努力いたしておるということで御了解を願いたいと思います。
#27
○栗田委員 それから先ほど電化浴場に對するところの電力を必要とする量が、二萬キロだということを仰せられましたが、これはどうも數字が間違つておるのではないかと思うのです。ちよつとこの數字が出た大體の根據をお聽きしたいと思います。
#28
○森説明員 先ほども申し上げましたように、ここで正式に申し上げる程度の數字ではありません。私が仕事をしておる間に、浴場組合の人々から話に聽いていた數字を、ちよつと記憶をたどつて申し上げた程度でありまして、正確なものではありません。それはお斷りいたしておきます。
#29
○前田委員長 ほかに質疑はありませんか。――質疑がないようでありますから、本請願は前の請願と同じように、可否は追つて協議の上決定することにいたすに御異議ありませんか。
#30
○前田委員長 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
#31
○前田委員長 次は日程第四、神島村に電燈及び電力線架設の請願、石原圓吉君紹介、文書表第六七七號、紹介議員の説明を求めます。
#32
○石野委員 神島村に電燈及び電力線架設の請願を九月十九日に提出しております。紹介議員であられる石原さんは今御都合で參られませんから、私實はこの土地の出の者でありますので、しばしばこの趣旨については承つております關係上、この請願の趣旨を説明いたしたいと存じます。
 御存じのように三重縣志摩郡神島村というのは、伊勢灣をやくするところの鳥羽から離れた所にある孤島であります。この村は大體に戸數二百二十九戸、人口千三百餘人でありまして、この村の主たる生業は漁業でございます。漁業以外にはほとんど業がないのでございます。この島は航路上からいいましても、外國航路の要路になつておりますし、また内外船の要路にもなつております。こういうような島が、特に三重縣におきまして水産業の要點であるということは土地のの者はよくわかつておるのであります。しかしこの土地には未だに電燈の架設がございませんので、從來と同じように燈火をもつてその日その日を過しておる。ところが航路上の要點竝びに水産業の非常に重要なる土地である所に電氣のない關係上、しばしば海難上の事故も頻發しておるというような状態でございます。しかしそれよりももつと切實にこの土地の人たちの問題になりますのは、やはり産業をもつて文化的に、科學性をもつた方向に發展させていかなければならないということであります。日常の生活が燈火をもつてしおる、菜種油、石油というようなものが、今日の物資不足の状態からいたしまして、非常に調達困難な状態にあります。のみならず、生活樣式自體も非常に古い形に殘されておるような状態であります。こういう意味からしばしばこの架設の請願というものは從來からもされておつたのでありますけれども、いろいろの事情で十分にその趣旨を達することができなかつたのであります。このたび神島村の村長小久保三郎氏ほか二百一名の連名書をもちまして、この請願書が提出せられたのであります。これは明らかに憲法がわれわれ國民に高度な文化の生活を保障しておりますように、私たちといたしましても、この村における電燈線の架設をぜひ急速にやつていただきたい。しかしながら孤島であります關係上、その架設はとうてい村費をもつて賄うことはでき得ませんような状態でありますので、いろいろと物資の面からしても、今日非常に急迫の時代ではありますけれども、何とぞ政府當局におかれましても、この村の置かれておる非常にみすぼらしい状態を十分に御配慮になつて、この請願の趣旨を達成していただきたいと存ずるのであります。なお本委員會におきましても、この問題につきましては、未だに電燈をもたないこうした孤島がある、しかしそのためにいろいろと海難上の事故が頻發しておる、また重要なる産業の開發が遲れておるというようなことから、御考慮になつていただきまして、何とぞこの請願の趣旨に御協力くださいまして村の人々の願いをかなえてやつていただきたいと存ずる次第であります。以上簡單でありますが、請願の趣旨を御説明いたしました。
#33
○前田委員長 本請願に對する政府當局の御所見を質します。
#34
○冨吉政府委員 神島村の隣接島答志島と菅島には中部配電株式會社の配電設備がございますけれども、神島村にはどちらからも海上四十キロ以上の距離がありまして、海底ケーブルを新設しなければ連絡は困難な所であると考えております。海底ケーブルを新設いたしまする場合には、詳細な技術調査をいたさなければなりませんし、また現在の資材、資金の事情等から見まして、すぐという實現は考えられないかと思うのであります。それでこれらの點に關しましては、中部配電等をいたしまして、できるだけ速やかに實施調査を行わしめて決定をいたしたい。こう考えておりますから、御了承をお願いいたします。
#35
○前田委員長 質疑はありませんか。――質疑はないようですが、本請願の可否については追つて協議の上に決することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
#36
○前田委員長 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
#37
○前田委員長 次は日程第五、製粉業者に電力供給増加の請願を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。石野久男君。
#38
○石野委員 本請願は、水戸市黒羽根町の織田という方から出ているのでございます。紹介議員は山崎さんになつております。私は茨城縣の出身でございまして、特に縣の農業會からこの種のことはしばしば承つておりますし、この請願を出すにつきましても、同樣にやはり趣旨を承つております關係上、趣旨を説明さしていただきます。
 すでに今日食糧問題が非常に緊迫化しておりまして、特に從來の食生活というものに對して、重要な考え方をかえなくちやならないのじやないかというような事態に、今日日本の實情が置かれていると存じます。食糧に對する機械加工、加工食糧を特に取上げまして、今日の日本の食糧事情を緩和しなければならないという事態になつていることは、すでに皆さんも御存じの通りでございますが、茨城縣は御承知のように、農業縣でございまして、特に今日の都市における、食糧の補給縣といたしまして、重要な役割をしてきているのでございます。ところが戰爭中竝びに戰後におきます茨城縣下の農業の重要度は、從來にも増して切實なものがございまして、特に加工製品というものについての重要度は加わつてきでいるのでございます。殊に縣が甘藷の特産地でございます關係上、甘藷というものの性質から、急速に加工が必要であるということは、もうすでに昨年、一昨年の食糧對策の面から十分皆さん御存じの通りだと存じます。ところがこの食品の加工方面におきます電力事情を考えてみますと、非常に全般的に電力の供給不足の今日においては、どうも置き去りになつているような形があるのでございまして、もちろん司令部當局においても、十分御配慮になつておられることとは存じますけれども、事實業者の實態から見ますと、やはり十分にこの加工製品というものに對する電力が配分されてないという事態になつているのでございます。毎年々々藷を腐らしているという實態から考えても、茨城縣の農業會といたしましては、何とかこの食糧加工というものに對する電力配分を、重點的に考えていただく必要があるのではなかろうかというふうに存じているのでございます。どうかこの方面に對する電力の配分につきましては、特に食糧問題が今日必要であるという意味からいきましても、重點産業と同樣な意味合いにおいて電力の配分をしていただきたいというのが本請願の趣旨でございます。何とぞこの趣旨を諒とせられまして、この方面に對する電力當局の御施策を行つていただきたいと存ずるのであります。附け加えて申しますが、本請願はひとり茨城縣の業者の要望だけではなくして、これは全國的なこの種の業者の切實な願いであろうと存ずるのでございます。何分とも本委員會におきましても、その趣旨を十分おくみとりいただきたいと存ずる次第でございます。
#39
○前田委員長 本請願に對する政府當局の所見を質します。
#40
○冨吉政府委員 澱粉加工用の電力の確保につきましては、從來しばしば農林當局よりの要望もございましたし、そのうち重要なものにつきましては、商工局長が電力需用種別を甲類の乙と指定いたしますほか、新増設分についても可及的優先扱いを認める等の措置をとつてきたのでございます。しかしながら實情は該當工場が十馬力から二十馬力程度のきわめて規模の小さい工場で、一般の配電線によつて供給されております關係上、十月から三月の冬季間におきましては、電力事情からしてやむを得ず制限を課せざるを得なかつた事情でございます。本年度におきましても、從來の方針で實施面においてある程度の緩和方法を講ずるよりほか、適當な方法はないかと思われるのでございますから、電力事情がきわめて窮屈である現状を御認識いただいて、制限の範圍内で極力生産能率を上げていただくように、ある程度の制限は御了承を願わなければなりません。なお御參考のために申し上げますならば、二十一年度の調べによりまして、甘藷澱粉工場は全國の機械臺數が千八百八十九臺ございまして、そのうち茨城縣は百五十臺でございます。この機械の馬力數にいたしまして全國で一萬四千四百三十九馬力ございまして、茨城の方は千四百五十七馬力、一臺の平均馬力數が全國が七・六五馬力、茨城は九・七馬力、こういうことになつております。甘藷の加工用の全國の工場數は五百六十七軒でございまして、そのうちに茨城は百八十五軒ございます。同馬力の總數が全國では八千九百八十五馬力ございまして、うち茨城は二千四百十七馬力ございます。これで一工場平均の全國平均が一五・八馬力、茨城の方は十三馬力、こういうことになつております。このように馬力數が小さいので、一般の配電用の電線を使わざるを得ない。こういう關係から相當の制限もやむを得ない實情にあることをどうぞ御了承願います。
#41
○前田委員長 御質疑はございませんか。――御質疑はないようでありますから、本請願の可否は追つて協議の上決することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
#42
○前田委員長 御異議なしと認めます。
 なお陳情書が殘つておりますが、午後參議院の電氣の會との打合會もありますので、本日はこのくらいで散會したいと思いますが、御異議ありませんか。
#43
○前田委員長 それでは次の會議は公報をもつて通知することといたしまして、本日はこれをもつて散會いたします。
   午後零時三十九分散會
ソース: 国立国会図書館
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