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1947/08/21 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第9号
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1947/08/21 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第9号

#1
第001回国会 鉱工業委員会 第9号
昭和二十二年八月二十一日(木曜日)
    午前十一時十九分開議
 出席委員
   委員長 伊藤卯四郎君
   理事 大矢 省三君 理事 岡田 春夫君
   理事生悦住貞太郎君 理事 早川  崇君
      今澄  勇君    衞藤  速君
      萬田 五郎君    岡部 得三君
      生越 三郎君    庄  忠人君
      西田 隆男君    有田 二郎君
      平島 良一君    山口六郎次君
      谷口 武雄君    高倉 定助君
 出席政府委員
        經濟安定本部生
        産局長     野田 信夫君
        商工事務官   三木 秋義君
        商工事務官   始關 伊平君
 委員外の出席者
        總理廳事務官  谷村  裕君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 化學肥料工業に關する件
 鐵鋼業に關する件
    ―――――――――――――
#2
○伊藤委員長 これよう會議を開きます。
 本日は本委員會の國政調査に關しまして、鐵鋼業に關する件と、化學肥料工業に關する件を議題に付することといたします。
 まず鐵鋼業に關する件を議題といたします。本件に關しまして、金屬鑛工業小委員長より調査報告書が提出せられております。これは印刷物として諸君のお手もとに配付をいたしております。これにつきまして小委員長より發言を求められております。生悦住貞太郎君。
#3
○生悦住委員 鐵鋼業の調査に關する金屬鑛工業小委員會の中間經過報告について申し上げます。
 本小委員會は、鐵鋼業に關する調査について、主として鐵鋼問題を取上げ、政府及び民間各方面より資料の提出を求めまして、説明及び意見を聽取して、あらゆる角度からこれを檢討した結果、大體次のような結論に到達したのであります。
 政府の生産計畫につきましては、今年度普通鋼鋼材七十萬トンの生産計畫は、原料炭二十八萬トン、重油十五萬六千トン、鉄鐵四萬九千トンの輸入と、電極八千トン、電力十五億キロワツト・アワーの確保をその前提條件としておるのでありまするが、これらの確保については現状においては至難であり、見透しはきわめて悲觀的であります。すなわち原料炭の輸入は頓挫の状態であつて、銑鐵については豫定量の三分の一以上の輸入は困難と豫測されております。電極に至つてはきわめて悲觀的で、電力事情もまた電氣炉製鋼に多大の障害を來すことを覺悟しなければならないと思うのでございます。なお良質鑛石の確保についても、不安なしとは斷言できません。石炭の入荷状態がさらに改善されない限りは、事態の悪化は免れない。勞務者の食糧及び住宅、經營上の金融問題等につきましても隘路があり、このまま推移するとすれば、本年度七十萬トン普通鋼鋼材の生産達成は至難であると斷ぜざるを得ないのであります。これが打開の方策は積極的かつ効果的處置を講じ、萬難を排してその生産に邁進すべきであります。すなわち具體方策としては、第一に、銑鐵輸入の不足量は、國内電氣銑の増産及び屑銑の蒐集によつて充足し、次に電力については深夜電力、その他降雨地區、時期的餘剩電力の徹低的活用を策して、電極に對しては極力消費を規制し、不足量は急速に輸入を懇請し、所期の計畫を促推貫徹し、豫定の通り七十萬トンをひとまず確保することが現下の急務であります。
 その次には需給關係についてでありますが、かりに政府の生産計畫が百パーセント達成されたといたしましても、普通鋼鋼材の供給は在庫分を合わせて七十二萬トンにすぎないのであります。一方各部門における要求量は、普通鋼鋼材百九十六萬八千トン、鑄物用銑鐵五十五萬三千トン、鐵鋼二次製品三十萬四千トン、計二百八十二萬五千トンでありまして、供給率はわずかに二六%にすぎないのであります。昨年の供給量は百二十萬トンでありまして、本年度はさらに需要が増大しているにもかかわらず二百八十二萬五千トンの需要量に對して、わずかに七十二萬トンの普通鋼鋼材をもつて本年度を乘切らんとする政府の計畫は、鐵鋼の需給關係と、その與える影響について無關心と言わざるを得ないのであります。この需給關係において一率に配當を壓縮するとすれば、石炭三千萬トン出炭は不可能となり、鐵道の一部運轉休止、海運及び小運送は最低限能力の三分の一前後に低下いたしまして、化學肥料の増産にも影響いたします。特に主食の不足を一層深刻化する等、經濟再建上致命的な打撃を與えられ、こと鐵鋼に關しては、わが國を實に明治三十九年の昔に逆行せしむるにひとしい結果となるのであります。
 そこで第三番目に増産對策でありますが、連合國の好意による輸入鋼鋼材によつて現状を救うことは最後の方策でありまして、國内資源によつて現状を打開する方途を講じ、全能力を發揮して増産達成に邁進すべき見地から、大體次のような増産對策を樹立する必要があると思います。
 (イ) 生産方式の改善(銑鋼一貫方式を最小限度に止め、平炉、電氣炉、壓延を中心とする製鋼方式に轉換すること。)
 (ロ) 屑銑の活用。
 (ハ) 死藏不要鋼材、沈船引場、廢船不要設備とその再壓延。
 (ニ) 不要特殊鋼鋼塊の處理。
 (ホ) 電氣鋼塊の増産。
 (ヘ) 技術の向上(製鋼壓延用石炭原單位の切下げ、竝びに惡質炭、亞炭の活用。)
 (ト) 勞働能率の高揚(原燃料の不適使用及び過剩消費の節約。)
 大體以上の諸點が全きを得るならば、現在計畫量の燃料をもつてして、三十萬トンの増産となり、基本の七十萬トン計畫とを合わせて百萬トンの生産を可能ならしめることになるのでありまして、日本經濟を崩壊の寸前において防止することができると確信する次第であります。以上のような結果を中間報告としてここに報告をいたします。
#4
○伊藤委員長 ただいまの生悦住小委員長の御報告を承認することに御異議はありませんか。
#5
○伊藤委員長 別に御異議もないようでありますから、ただいまの御報告を承認することに決定いたします。
#6
○生悦住委員 昨日もこのことにつきまして、小委員の方々に御相談を申し上げたのでありますが、きわめて重大な問題でありまして、この鐵鋼問題は、議會及び政府におきましても、一段と努力を願いたい。そうして朝野の注意を喚起すると同時に、これが百萬トン達成に向つて必ず推進をする。こういう建前から扱い方といたしましては、本會議におきまして緊急質問の形式をとる。そうして一方におきまして必要に應じまして關係各省あるいは民間業者をさらに招致いたしまして、大いにこの隘路その他について十分の檢討を加えていきたい。この二つの方法をもつて百萬トン達成の線までもつていくことが必要と考えておりますので、この二つの方法を御採用願いたいと思います。
#7
○伊藤委員長 ただいま生悦住小委員長からの鐵鋼増産に關する扱い方について御希望がございました。その御希望は一つは本會議等において、鐡銅増産に關する緊急質問をいたしたい。一つはさらに調査等を十分權威のあるものを作成いたしまして、政府との間に密接なる關係をもちまして本鐡鑛増産の目的を達成いたしたいという扱い方の御希望でございます。以上の御希望のごとく本件を取扱いすることに御異議はございませんか。
#8
○伊藤委員長 別に御異議はないようでありますから、以上のごとく決定いたします。
    ―――――――――――――
#9
○伊藤委員長 次に化學肥料工業に關する件を議題といたします。これにつきまして化學工業小委員長より報告書が提出せられておりますが、これは後刻印刷物として諸君の御手もとに御配付いたすことと相なつております。なお小委員長より發言を求められております。今澄勇君。
#10
○今澄委員 化學肥料の増産に關しては、先般來より關係業者並びに各擔當方面と折衝して、當面の緊急増産對策を研究いたしておりましたが、先般一應當面の緊急打開策は、まず硫化鑛の増産にあることを議決しましたが、さらに今般應急對策として、經營資金難克服のために、速やかに價格差補給金を交付すべきであるとの結論に達しました。けだし昨年三月改訂せられた化學肥料價格は、昨年末限り廢止せらるべきものであるが、これに代るべき新價格か内定のまま公表せられるに至らず、ついに去る七月新物價體系による現行價格が發表せられるまで、そのまま留保せられたのであります。これがため業者は赤字經營による極度の資金難に陥り、去る六月末における運轉資金借入額及び材料費その他の未拂金額はそれぞれ十五億千八百八十四萬七千圓及び七億四千百四十八萬五千圓合計二十二億圓を突破するに至り、なおこれら赤字に對する政府補償未決定のため、今後の金融もまた至難な状態であります。人件費あるいは原料代金の不拂による關係方面への影響も、すこぶる深刻なものがあるのであります。ついては本年一月にさかのぼり實施せらるべく内定しておつた新價格と、昨年三月公布せられた價格との差額、竝びに當該期間の出荷量より算出した補償金及び叺、紙袋などの包装資材、硫化鑛、コークス、木炭などの原料その他電力費等、人件費の諸費目中、内定價格査定後における値上りした金額と當該期間の出荷量とから算出せる補償金とを、この際政府において一時に交付し、もつて終戰後今日まで各種工業中最も顯著な復興成績をあげつつある化學肥料工業が、資金難のために頓挫することのないように措置すべきものであると思料するのであります。委員長におかれましては、この實情を御了察せられ、石炭、鐡鑛等同様問題に惱む他産業との關係をも勘案の上、價格調整費の合理的な配分に均霑するよう、急速に善處せられたいのであります。
 化學肥料工業の當面の緊急對策としては、なお電力その他資材關係の問題が残つておりますが、一應硫化鑛の増産、この補給金の支拂をもつて、當面の化學肥料工業の隘路を打開するに足ると信ずるものでありまして、恆久的な化學肥料増産の對策、竝びに化學肥料の今後の行くべき大方策に關しては、後ほど問題を提示するとしまして、一應當面の緊急對策は、これをもつて打切りたいと存ずるものであります。以上御報告申し上げます。
#11
○伊藤委員長 ただいまお聽きのごとく、化學肥料工業に關しまして、今澄小委員長よりの報告を、報告のごとくこれを承認することに御異議ございませんか。
#12
○伊藤委員長 それでは別に御異議もないようでありますから、報告を承認いたすことにいたします。
 さらに化學工業小委員會におきまして、硫化鑛の問題等につきまして調査をされましたその結果につきまして、小委員長より發言を求められておりますので、これを許すことにいたします。今澄さん。
#13
○今澄委員 先般鑛工業委員會におきまして、皆さん方の満場一致の御贊成によつて決定いたしました硫化鑛特別増産期間實施に關する化學工業の小委員會報告に關して、關係當局の方々に質疑をいたしたいと思います。鑛工業委員會としては、一應肥料の生産は目下のところ硫化鑛の生産高でその生産が抑えられておるという現状であります。燐鑛石、アンモニア等は、硫酸の不足する分については、他に流用あるいは放置しつつある現状であります。かかる實情に鑑みて、硫化鑛の増産を恆久的な増産ということでなく、當面肥料の最も必要とする部分だけは、どうしてもこれが増産をはかりたいという意味から、ここに全國的な硫化鑛特別増産期間の實施を要望したような次第であります。この實施期間中は、各鑛山の硫化鑛生産機能を最高度に發揮せしむるために、關係方面の總力を結集することに結論いたしました。かようにして當面の増産目的を達成するとともに、これを契機として從來よりも一層緊張し、かつ合理化された増産態勢を整備確立することもできるし、なおこの種の徹底的な増産對策を強行することによつて、現に生産を阻害しつつあるあらゆる隘路を的確に把握して、今後の肥料生産に備えたいと思うものであります。
 なお硫化鑛の問題に關しては、あらゆる立場からこれが檢討され、行政當局においても硫化鑛増産對策が設けられたということは、一部局だけではこの硫化鑛の増産が思うようにいかないということで、こうした問題が取上げられたと思うのであります。よつて鑛工業委員會の總會の決議による硫化鑛増産特別期間を關係當局においては實施される意向ありや否や、かつまたこれが實施にあたつては、いかなる方策を要望せられるや否やということを承りたい。なおこの硫化鑛の増産にあたつては、非常にこういつた増産期間を設けるということも數々の支障を來し、あるいは銅板を一緒に製造しておるようところにおいては、いろいろな問題も生ずると考えられるのでありますが、そういつたあらゆる紛爭困難を押切つてこれを強行するところに、硫化鑛の増産がなり、また今日まで硫化鑛の増産が非常に低調であつたということは、そうした根本的な問題を取上げるのに常に逡巡しておつたということが、大きな原因であるということを感ぜざるを得ないのであります。よつて先般の化學工業小委員會における商工省化學局の報告のごとく、硫化鑛に關しては、恆久的な對策とは別個に、當面少くとも肥料の増産に必要なだけのものを希望したいということを取上げて、この増産對策が決定されたような次第であります。よつてこの増産對策が、もし増産期間の運動を行わないということであるならば、ほかにさらにりつぱな硫化鑛増産の具體的方策ありや否やも、併せて承りたいと思うものであります。
#14
○伊藤委員長 ただいま今澄小委員長から硫化鑛の増産問題に關しまして、報告を兼ねて御意見等が發表されておりますが、この問題は未だに化學工小委員會等におきましても、その結論を得られていないようでありますから、本委員會等におきまして、硫化鑛の増産問題等に關する件を議題に供したいと思います。本日本問題等のために安定本部生産局長、商工省化學局長、商工省鑛山局長等を初め、關係政府委員の御出席を求めておりますので、本問題に關しまして、ただいまから質疑を許すことにいたしたいと思います。御質疑はございませんか。
#15
○今澄委員 それでは先ほど私の申し上げました硫化鑛特別増産期間の全國的な運動に關する問題に關して、關係當局の方々から、ひとつ御囘答を得たいと思います。
#16
○始關政府委員 硫化鑛の當面の増産對策としまして、硫化鑛の増産強調週間というものをやる意思があるかないか、それをやるについてどういう要望があるか、こういうお話でございましたが、私どもの方から申しますと、いわゆる要望なるものが充足せられますれば、硫化鑛増産週間の設置をなし得るとにう逆の關係になると思うのであります。ただいま今澄さんからお話がございましたように、増産週間をやる、増産期間を設定いたします趣旨は、二つございまして、當面硫化鑛の増産がきわめて緊要であるということを各方面、これは行政廳あるいは鐡道というように關係方面が非常に廣いのでありますが、そういうような方面にまで徹底させるということである。それから企業の内部におきましても、經營者はもとよりでありますが、勞働者等にいたりますまでに、その重要性を徹底させるということが一つのねらいであろうと思います。もう一つのねらいといたしましては、經營者勞働者ともに、この刻下の要請にこたえるために増産意欲を燃え上らすということが大きいであろうと思います。そういうような意味におきまして、この増産期間を設定いたしますことが、きわめて適切な處置であろうということは、私もまつたく同感でございますが、ただこれをやるにつきましては、少くとも政府といたしましては、勞働意欲を盛り上らすことを政府の責任とし、物的な施策の面においてこれを裏づけるということがございませんと、政府がせつかくかけ聲をかけましても、だれも踊つてくれないということになると思うのであります。最も大きい問題となります點は、要するに食糧の確保の問題であろうと思うのであります。北海道等では五、六十日、それから比較的少い所でも三、四週間くらいの遲配あるいは缺配になつております。しかもこの遲配缺配の状況に應じまして、生産能率がだんだん下つてきているということも、統計的に明らかでございますので、この問題を何とかいたしませんと、政府といたしましては、増産運動をやつたらどうかといつても、政府の主催でやるということは、ちよつと不適當であると思うのであります。そこで實は商工省といたしましても、前から食糧の量を殖やす問題はしばらく別といたしましても、遲配缺配がございませんように、これをいわゆる政府の直配の形にしていただきたいということを考えておつたのでありますが、昨今の状況は、ちようど時期も熟してまいつたように存じますので、この勞務加配の政府直配というものを速やかにきめていただくことを一つの前提にいたしたいというように考えております。でこの問題につきましては、御承知のように閣議の決定が要るのでありますが、その前に安定本部竝びに農林省とよくお打合せをいたしまして、至急閣議決定をやつていただくことにいたしたい。その勞務加配の問題といたしましては、ただいま硫化鑛鑛山は全體で五十ぐらいございますが、そのうちの主要鑛山は二十三ございます。それで生産量の九〇%を占めておりますので、とりあえずこの邊を對象にしたらどうかというふうに一應考えております。この勞働者は約二萬九千人ばかりおりますので、一人一日あたり二合五勺といたしまして、一日に七十五石、月千五百石ということになろうかと思います。これは新たに殖やすのではなくして、その配給を確保するという上におきまして、これを農林省の直配の形にしていただいて、必要な勞務加配は必ず確保するという前提を至急にきめていただきまして、その上で各鑛山に働きかけて、ただいまお話の増産期間の設定ということを考えたいと存じます。やり方といたしましては、先ほど申し上げましたように、勤勞意欲の高揚という點が主たる目的でございますので、やはり各鑛山の經營者、勞働組合等の自發的な發意による運動の形をとりまして、それに對して政府は物的の裏づけその他によりまして、極力應援するという形をとりたいと思います。なお食糧以外にその他各方面から出し得る勞務關係物資等の特配ないしは繰上げ配給というようなことも、一緒にやる必要があろうかと存じます。
 それからもう一つ、ちよつと關係が違うのでありますが、せつかく増産運動をやりまして、勞働意欲を向上させようと思いましても、掘り出しました硫化鑛が輸送ができないために、いつまでも鑛山にそのままおかれているという状況では、勞働意欲の同上になりませんので、輸送の促進ということが非常な問題であろうと思います。現に松尾鑛山ではその貯鑛の能力が一萬トンしかありませんで、現在すでに七、八千トンの貯鑛になつておる。これを野積みにいたしますと、今年の初めにも例がありましたように、雨が降るとたちまち發火してしまうというようなことにもなりますので、輸送の促進、これは増産運動の一つのねらいでもありますけれども、非常に根本的なむずかしい問題もあるようでございますから、こういつたような方面も合わせてひとつ對策を講ずる。もう一遍繰返しと申上げますが、少くとも食糧の直配ということを政府で決定を願いまして、それに基いて政府がこれを進めて、かつ關係政府機關の協力を求めまして、主體としては鑛山の經營者竝びに勞働組合等を主體にしてこれをやつていきたいというふうな形にもつてまいりたいと存じますが、ただいま申し上げましたように、一つの條件がございます。その條件がすらすらかなうということを前提にいたしまして、お話のようなこの運動をやつてもらうということにつきましては、私もまつたく同感でございます。
#17
○今澄委員 なお今の食糧直配の問題でありますが、重點産業部門は、いずれも政府の直轄管理米を勞務加配として出しておられます。だがこの硫化鑛に關しては、關係方面の意向も、スキヤツプ・バイデイレクテイヴの九百六十二號には、肥料と同等の取扱いをせよということが出ておるのでありますが、しかも閣議においても肥料と同じく取扱うということが四月の十一日に決定せられておるのであります。にもかかわらず、現在までこうして放置されておつたということが、今日の硫化鑛の問題を惹起してきた根本的な原因であり、肥料と同等の水準におくということであれば、當然直配米は硫化鑛山に對しても勞務加配として出さなければならぬということになつております。よつて私は政府においては、今の硫化鑛山に對する直轄管理米の勞務加配としての支給は當然であると考えるものであります。よつて鑛山局長の言われるように、この直轄加配米が一應硫化鑛の鑛山に對して出されるということは、われわれは考えてみて當然でありますので、これを推進するとともに、これができれば即刻この増産期間をやつていただきたい。一應九、十、十一の三箇月をわれわれは希望したいのでありますが、場合によつては期間はちよつと遲れても、少くとも當面最も必要としておるところの三箇月間をやつていただきたい。なおこの問題に關して、商工省化學局長竝びに安本の生産局長の御意見も併せて伺いたいと思います。
#18
○野田(信)政府委員 ただいまの御質問に對しましてお答え申し上げますが、安定本部といたしましても、今鑛山局長からお話がありましたような硫化鑛増産運動につきましては協力したい、そういうふうに思つております。できるだけやるつもりでおります。以上簡單でございますが……。
#19
○三木(秋)政府委員 化學肥料の生産は、最近比較的順調に増強されておるわけであります。今後これがはたして今のままの状態でさらに増強されていくだろうかどうかということが、ほとんど一にかかつて硫化鑛の問題にあるのであります。なお電力等の問題もありますけれども、當面としましては、硫化鑛の増産が第一に取上げていただかなければならぬと考えるのであります。當委員會におきまして、その問題をまつ先に取上げていただきましたことは、われわれ擔當官といたしまして、まことに感謝にたえない次第であります。ただいま今澄小委員長のお話にもありましたような、増産期間を設けて、一應硫化鑛の増産の緊要であるということを關係方面に認識せしめるとともに、また硫化鑛増産を軌道に乘せていくその一つの契機として、こういう増産の期間をつくつたらどうかという御意見は、まことにごもつともでありまして、われわれは全面的にこれに贊成いたしたいと考えるのであります。ただこれを直接擔當しておられますところの鑛山局におかれまして、鑛山行政全般の一つの問題といたしまして、これを一時に全鑛山について行うということが、あるいは困難な事情があるかもしれないということが考えられるのでありますが、ただ硫化鑛につきましては、御承知のように主要鑛山としては柵原と松尾だけなんでございまして、これがほとんど全部が硫化鑛の專門の鑛山でございますから、少くともこの主要鑛山について、そういうふうな増産の運動を一時にやつていただくということが、非常に有效ではないかということを考えるものでございます。この増産運動期間を設けて、この期間内にあらゆる増産の隘路の打開に努力するとともに、また勞務加配米、あるいはその他の配給物資の特配を行いまして、勞務者の勤勞意欲の高揚をはかる。これによつてほんとうの増産の基盤をつくつていくということが、まことに結構なことではないかと考えるのであります。なおそれらの具體的な方法等につきましては、さらに關係部局とも十分折衝いたしまして、その實現に努力いたしたいと考える次第であります。
#20
○今澄委員 關係當局の方々の御贊意を承つて、まことに同慶にたえないものであります。よつてこの硫化鑛増産期間の實際的な運動は、行政部の關係の方々に強力に推進していただくということで一應私の質問を打切ることにいたします。なおこれまでいろいろと硫化鑛の問題に關しては手が打たれておりまするが、その現實的な效果のあがらなかつたということは、非常に問題が複雜であつたということもこれに合わせて考えられをのでありまして、今後のこの増産期間に關しては、一應の食糧解決の根本的な對策が今のところ肥料であるという觀點から、大いに熱意ある施策を強力に推進していただきたい。なお輸送に關しては、先般輸送當局の方々より自信ある旨の答辯も承つておりますので、業者とも懇談して、この輸送方面の實績をもあげるべく、關係方面にも折衝いたしたいと考えております。これをもつて硫化鑛に關する質疑を打切ることにいたします。
#21
○伊藤委員長 ただいま物價廳價格課長等が出席をいたしましたから……。有田君。
#22
○有田委員 ただいま官廳の方でこの硫化鑛の増産に對する一つの會合ができておるそうでありますが、そういつたものができてどういう活動をしておられまするか、今日までの活動状況を御報告願いたい。
#23
○始關政府委員 御質問は役所の方につくりました委員會がどういう活動をしておるかということですか。
#24
○有田委員 いつごろできて、今までどれだけの活動をしておるか。
#25
○始關政府委員 それができましたのは約二週間ばかり前でございます。これはこの前の鑛工業委員會小委員會でも申し上げたのでありますが、たとえば生産用の資材といたしましては、鐵鋼材、あるいはセメント、カーバイド、その他の必要なものを政府が切符を出しまして、その現物は業者がそれぞれの物質の配給方法によりまして獲得する。それから勞働者用のたとえば作業衣とか、地下たびとかいうものにつきましても、まつたく同じ方法でございまして、必要な切符を業者に出しまして、業者はこれを現物化するという建前になつておるのでございます。なお輸送等につきましても、輸送の計畫に從いまして、それぞれ實際の輸送が行われることになつておるのであります。そういう建前でありますので、たとえば地下たび等にいたしましても、切符を切ります鑛山局がこれを現物化して現地まで届けるということではございませんので、切符を出したが現物化さないというような問題が、しばしば起るのであります。それから出した切符がかりに現物化するといたしましても、鑛山の實情からして、それが十分であるかどうかという點等についても、非常な問題もあるわけでございますので、政府のやつておるいろいろな方策が、鑛山の現場でどういうふうに具體化されるかということを確かめまして、うまくいつたものについては、現物化についての有效な手を打つ。それから配當切符の量の少いものにつきましては、安定本部等に交渉をいたしまして、その切符を殖やしてもらう。大體こういう趣旨でつくつたのであります。從いまして、輸送の關係、それから鑛山に關するいろいろな物資を主管いたしております商工省内の各課、それから需要者としまして最も大きい關心をもつておられます各省、そういう方面と交渉をいたしております。ただいまのところ、各鑛山別に設定いたしました生産目標達成のリストがわかつておりますが、達成いたさないものにつきましては、主なる事情がどういうふうになつておるか、どういう理由で達成しないのかという調査もできておりますので、それにつきまして、具體的に一つ一つを片づけていきたい、こういうふうに活動をしております。そういう方針であリます。なお各省の關係があるわけでございますが、各省の關係につきましては、安定本部にそういう委員會がございまして、商工省だけでは片のつかないものは安定本部に持ちこむ。こういう體制でございます。
 なお地方的に縣廳その他鐵道局等との折衝がございますので、これは商工省の出先機關である地方商工局に、本省の方はこれは本省だけでございますので、各省との關係は安定本部を通してやるという建前でございますが、地方におきまましては、それぞれ各省の出先機關としまして、府縣廳に御参加を願いまして、ただいま申し上げましたと同じ方法で、地方で解決のつくものは地方で解決をはかつていく、こういうことであります。それでありますから、業者等が、たとえば切符があつてもちつとも現物化されぬというような問題をお聞きになりましたならば、ひとつ直接鑛山局の方に資料を整えてお申込みを願うように御指導をいただいたらたいへん結構かと思います。
#26
○有田委員 第二にお尋ねいたしたいことは、硫化鑛の價格の問題であります。増産をいくらやかましく言いましても、採算が合わなければ、なかなかできないのです。これについて物價廳の方面ではこういうことはスピーデイーに御解決になつておられることだろうと思いますが、その點についての御意見を拜聽さしていただきたいと思います。
#27
○谷村説明員 小笠第三部長が司令部の關係で出席いたしかねますので、私代つてまいりました。硫化鑛の價格の問題でありますが、實は私の擔當しておるものではございませんで、物價廳の金属課と申します一般の鑛山關係の價格を扱つておる所でやつておりますので、私からは十分な御説明は申し上げかねますから、もし御必要がございましたならば、連絡をいたしましてお答えいたすようにいたしたいと思います。
#28
○有田委員 硫化鑛の價格の問題につきましては、質問を留保して、次の機會に御報告を承りたいと思います。ただいま安本の生産局長から、大いにやるという力強いお言葉を拜承いたしまして、まことに意を強くするのでありますが、一體われわれの鑛工業委員會で決定されました硫化鑛の増産週間の問題、あるいはまた増産に對する問題について、いつごろから増産週間になつて、こういうようになるのだという日にちをお廳かせ願いたい。私は關西出身の代議士でありまして、關西方面では、特に硫化鑛がないために、非常に困つておる現状を、私は目撃してまいつたのであります。この點について單に大いにやるというお言葉だけでなく、いつごろまでに大體の成案をこしらえて當委員會に報告するという日にちを、お聽かせ願いたいと思います。
#29
○野田(信)政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。始めます期間については、今のところまだ決定していないのであります。これは御承知の通り、非常に範圍が廣く、各方面が調子を合わせてやり出しませんと、かえつて混亂を生ずるおそれがある。たとえば掘つても運び切れぬというような不均衡が起つては、かえつて混亂に陷るおそれがあります。そこで運輸方面と密接な連絡をとつてやりませんと、滑り出しがあぶない、そういうような關係がありまして、非常に範圍が廣いものでありますから、各方面と打合わせまして、それではいつからやろうということをきめなければならぬと思います。安定本部として、今まだその點をきめておりませんが、先ほど鑛山局長からもお話がありましたように、安定本部の中にも、かねてから委員會がございまして、この問題を取上げておるわけでございます。この委員會は今度の機構改革以來、まだ機構をかえておりませんので、多少これをかえまして、この問題をその委員會にかけ、各方面各省とも連絡した上で、期間をきめたいと存じております。しかし遲くとも十月からならば實行ができはしないかと考えております。しかしもつと早くできるようにならぬかどうかということを、いまの委員會にかけて審議した上で決定いたしたいと存じております。
#30
○有田委員 生産局長の御説明はごもつともでありまして、私どもも納得するのでありますが、しかし相當緊迫いたしております。特にこの流化鑛の場合におきましては、今化學局長から御報告がありました通り、岩手縣の松尾、岡山縣の柵原、この二つが大體重點的なものである關係上、やり方によつてはスピーディにやれるのではないかと考えるので、船頭が多くて船が山へ上つてしまうというようなことで、十月からというのんびりしたことでなく、ただいま今澄小委員長から御希望がありましたように、なんとか九月からやれるような方法を一つお考え願いたい。
 さらに化學局長にお願いいたしたいことは、工場がいろいろありまするが、そのうちで特に硫化鑛が焦げついておるというような状態のところについては、特に柵原、松尾、それらの方面から一日も早く輸送をして補つていく、そうして増産期間にはいるまでの間の應急措置をおとり願えれば幸甚だと思うのであります。大體私の質問はこの希望條件を申し上げまして終ります。
#31
○今澄委員 今の經濟安定本部政府委員の御發言で、ちよつと私の硫化鑛に關する質問をなお補足しますが、輸送力の強化竝びに關係方面との連絡が非常にあるというようなお話でございますので、私はこの硫化鑛増産期間の主催者は、政府主催がやはりいいのではないかというふうに考えますが、なぜならば輸送力をマッチさせ、あるいは配給物資を配つてやる、さらに現場の勞働者、經營者等の状態を全部握り合わせているものは、現下のところ政府をおいてないのでありまして、この點に關して、最後にいま一言鑛山局長の御見解を承りたいと思います。
#32
○始關政府委員 關係機關を總動員するという點から申しますと、政府主催というただいまのお話にもごもつともな點がございますが、どうも増産運動という觀點からいたしますと、やはり世府はこれはバツクするので、現場から燃え上つてきたような形になることが望ましいと、私は今のところ考えております。現に松尾、柵原兩鑛山につきましては、松尾は八月九日から柵原は九月十八日からということで、ただいま自主的な増産運動をいたしております。これを先ほども申しましたような食糧の確保その他輸送の確保等で政府がバツクしていくということで必要かつ十分ではなかろうかと今のところ考えております。こはれ安定本部等ともよく相談をいたしまして、主催がどういうことになるのか、そういう點は十分に險討いたしたいと思います。政府の關係機關を總動員するという點に重點をおいて、御説のように勤勞意欲の點を主體に考えれば、政府の方の主催ではどうかと思うのでありまして、それらの點を勘案いたしまして、安定本部の方ともよく御相談申し上げたいと思います。
#33
○今澄委員 それで柵原、松尾における自主的な増産運動は、われわれもすでに聞いておりまして、すでに勞働者、經營者は増産意欲には燃えておる、政府の命令がなくてもやろうと言つておりますので、その方面の意欲については、われわれとしては十分期待し得べきものがありますので、できれば政府のそういつた強力な政策の力によつてこれを推し進められるように希望いたしておきます。―なお肥料工場の補償金について質問いたしたいと思いますが、よろしゆうございますか。
#34
○伊藤委員長 どうぞ……。
#35
○今澄委員 それでは物價廳の政府委員の方にお尋ね申し上げます。肥料の値段は今年の一月から七月までずつと去年のままで推移しておりまして、ために肥料工場全般は二十二億からの赤字を出して惱んでおるのでありますが、この肥料の價格未決定によるところの赤字に對しては、物價廳としてはどの程度補填し、かつ政府補償の金額は總計どの程度になるのが至當であるか、御見解を承りたいと思います。
#36
○谷村説明員 先ほど申し上げましたように、小笠政府委員は司令部に行つておりますので、物價廳第三部價格課長から御説明申し上げます。
#37
○今澄委員 私の質問を留保して次の委員會に……。
#38
○谷村説明員 私の御説明でよろしければ聽いていただきたいと思います。
#39
○今澄委員 それではどうぞ……。
#40
○谷村説明員 本問題に關しましては、實は内部的に國内手續といたしまして、豫算關係で大藏省と折衝の問題が殘つております。また外部關係といたしまして、いわゆる關係方面に對する了解を得るという問題が殘つております。從いまして、私がここで申し上げますことは、ただ物價廳内における一つの作業としてどの程度に考え、どの程度に進行しておるかという程度のことでお許し願いたいと思うのであります。なお數字の點に關しましては、關係方面と關係がございますし、十分まとまつたものとも申し上げられないので、必ずしもそれだけの金額をどういうふうにどうするということについてのはつきりした方針が、今政府部内として最終的にきまつたものというふうにおとりいただかないようにお願いいたします。それだけ前提として申しまして、時間の關係もございましようから、概略のことを申し上げたいと思います。
 ただいま委員が申されましたように、肥料價格、すなわち硫酸アンモニア、石灰窒素、過燐酸石灰、この三つの價格は、本年の一月から新價格にすることに準備をいたしまして、物價廳内においていろいろ作業を進め、かつ一應の成案を得まして關係方面と交渉してまいつたのであります。その際大體において昨年度の値段よりは、硫安について申し上げるならば、平均生産者價格が二千六百圓でありましたものが三千二百圓見當まで上るというとここで案を立てておつたのであります。しかしながら、いろいろな事情がございまして、特に今年一月以降しばしば重大な原價要素の改訂がございました。たとえば昨年の十二月の末に石炭の値段が變りました。それから今年にはいりまして四月に電力料金、またコークスの價格、五月にはいりまして硫化鑛の値段、こういうように相次いで變つてまいりました。その間また勞務費その他の經費等においても非常な變動を起してまいつております。それで一月から七月までの價格をどういうふうにきめるかということにつきまして、關係方面との間にもなかなか話が進捗しなかつたという状況で、心ならずも物價廳といたしましては、ついに新物價體系を設定するまで、一月、七月の肥料の生産者の價格は設定し得ない状況に相なつた次第であります。そこで新物價體系で、一應硫安で申し上げますならば八千圓という平均生産者價格がきまりましたけれども、七月十五日に改訂をみます間、約六箇月半というものを、二千六百圓ベースの硫安の平均生産者價格で各工場にすえおいたということに對しては、どうしても何らかの手段を講じなければ、この際は肥料工場の生産の點から考えましても、それからただいま委員が申されましたように、いろいろな赤字生産を強行されておつたというような點をカバーしてやらなければならない状況になつてまいりました。それでただいま物價廳としてはいろいろな物資の價格改訂が遅れておりましたり、またうまく改訂が進捗しなかつたりいたしてはおりますけれども、特に肥料工業と申しますものは、ただいま非常に重要な國造産業であるというようなこと、また肥料工業はその製品をほとんど全面的に公定價格でもつてすべて出しておるということ、その他いろいろな工業の重要性から考えまして、石炭、鐵鑛というようなものと竝びまして價格未決定による工業の過去の經營者あるいは生産者の損失の補償ということをいたそうということに決定いたしておるのであります。その金額をどのくらいにするか、またどういうふうな形で補償をしてやるかというようなことにつきましては、關係方面なりまた内部的には大藏省なりといろいろ話合わなければならないのでありますけれども、一應物價廳といたしましては、ただいまのところ、本來今年の一月に一月、七月の値段というものを立てたならばどうであつたろうかという形において、實質的には價格を遡及せしめるという方法において處理いたしていきたい、こう考えておるのであります。各社、各工場の經營實績を檢討いたしまして、そしていくら収支決算の結果、損が出ておるかという損質の實體をつかんで、それに對して補償いたすといたしますことは、非常に時間もかかり、かつむずかしい作業でありますので、一應ただいまのところは、もし一月に價格が物價廳が検討いたしましたような程度においてきまつたといたしましたならば、どの程度に補償しなければならないのかという形において、損失補償の實をあげていきたいと思つておるのであります。そしてそれを數学的にやや申し上げますならば、硫安を例にとりますと、當時平均二千六百圓ベースの價格でありましたものが、私どもの方で一月から七月までの價格といたしましては三千二百十九圓ベースという、平均三千二百十九圓という價格を一應立てたわけであります。しかしながらその後におきまして、先ほど申し上げましたような電力料金の改訂、コークスの値上りあるいは硫化鑛の値上り、さらに勞務費等の値上り、そういつたようなものが逐次上つてまいりましたものを三千二百十九圓のベースに加えまして、トンあたりいくらかづつ増してまいる。たとえるならば電力料金が上つたことによりまして、硫安トンあたり百七十圓ならば百七十圓、これは數字は假定でありますからそのつもりでお聽き願いたいのでありますが、電力料金が上つたから四月以降はさらに百七十圓加えるとか、カーバイトが上つたから五月以降は硫安五百何がしかを加えるとか、なわかますが三月十日以降なおまた値段が上つたからそれに對してトンあたり七圓何ぼを加えるとかいたしまして、總體といたしまして硫安關係でもし一月七日の價格をみてやるという形にすればいくらになる、石灰窒素におきましてはいくらになる、化燐酸石灰におきましてはいくらになる、こういう計算をただいま立てておるわけであります。ただこの問題は非常にむずかしい關係が關係方面とありますので、今後どの程度にわれわれが今庶幾しておりますものが實現するかということにつきましては、必ずしも樂觀されないのでありますが、大體そういう計算をいたしまして、大ざつぱに申し上げて六億圓以上の金額を三肥料價格の未決定による補給金としてただいま考えておるわけであります。何ゆえに化學工業特に化學肥料に對してかような補給金を、豫算に組んでまで、國庫から出すことにいたしたかということについては、物價廳としては、いろいろの來歴がありまして、お許しを得ますならば、その間の經緯を若干御説明申し上げたいと思いますが、實は昨年の十一月に、米の生産者價格を決定いたしたことがあります。その際の閣議決定では、米の生産者價格は、こういうようにきめるけれども、そのためには硫安、石灰窒素、過燒酸石灰の値段を大幅に引上げてやろうということをいたしております。そのための補給金というか、引下げに要する金額として、約八億圓程度の金額を考えておつたのであります。しかしそれはその後關係方面との折衝その他の關係からなかなか實現いたしませんで、かえつてその後の状況においては、肥料の生産者價格はどんどん上つてきそうな傾向になつてまいりました。その際たとえば八億圓の金を使つて一應消費者價格を引下げる方がよろしいが、また生産者價格がポンと上つては、豫算がよけい要るわけであり、あるいは逆戻りになるしいたしますので、いろいろ考えまして、今年一月價格を立てる際には、一應肥料の生産者價格は二千六百圓ベースから三千二百十九圓ベースくらいまで上るかもしれませんが、しかしできるだけ消費者價格は二千六百圓ベースのままにすえおいて、少くとも春肥くらいは舊價格のままでできるだけやつていきたい。そのために生産者價格が上つても、消費者價格をすえおく費用として、八億圓が使えるならば使いたい。そういう考えで一月七月の價格形成を考えておつた次第であります。結果ははからずも肥料の價格をずつとすえおいてきた結果になつたのでありますが、前年十一月にさような經緯がありまして、一應八億圓なにがしという金が肥料の生産者價格は上るが、消費者價格を抑えておくために、このくらい豫定しておりますという話がありました。だからこの際硫安の生産者價格を補償するために、八億圓の範圍内で、その程度の金を用意することは、國庫としてもできることではなかろうか、そういうような經緯があるわけであります。大體いまのところで申しますと、補給金がどれくらい出るか、また出るとすれば、いつごろ出るかということで、その時期は、いろいろな折衝の關係がありまして、どうしても九月にはいることになろうかと思います。はなはだ雜駁なことでありますが、説明を終ります。
#41
○今澄委員 了承いたしました。
#42
○伊藤委員長 他に質疑はありませんか――他に質疑がなければ、本日はこの程度に止めます。硫化鑛増産に關する件は、化學工業小委員會等においても、いまだ本問題の最終的な結論を得ていないようでありますので、本問題に關しては本委員會はこれを繼續することとしておきたいと思いますが、御異議ありませんか。
#43
○伊藤委員長 それでは本日はこの程度に止めまして、次會は公報をもつてお知らせいたします。
   午後零時三十分散會
ソース: 国立国会図書館
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