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1947/09/30 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第12号
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1947/09/30 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第12号

#1
第001回国会 鉱工業委員会 第12号
昭和二十二年九月三十日(火曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 伊藤卯四郎君
   理事 大矢 省三君 理事 岡田 春夫君
  理事 青柳 高一君 理事 生悦住貞太郎君
   理事 澁谷雄太郎君
      今澄  勇君    衞藤  速君
      松本 七郎君    萬田 五郎君
      村尾 薩男君    岡部 得三君
      生越 三郎君    庄  忠人君
      長尾 達生君    西田 隆男君
      三好 竹勇君    有田 二郎君
      神田  博君    平島 良一君
      淵上房太郎君    山口六郎次君
      谷口 武雄君    前田 正男君
      高倉 定助君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
 出席政府委員
        商工事務官   松田 太郎君
        石炭廳長官   菅 禮之助君
        石炭廳次長   吉田悌二郎君
        商工事務官   平井富三郎君
 委員外の出席者
        專門調査員   谷崎  明君
        專門調査員   保科 治朗君
    ―――――――――――――
九月二十七日
 纖維生産に關する陳情書(纖維生産業者大會)
 (第三二二號)
 炭鑛國家管理實施に關する陳情書(山口縣防府
 商工會議所内防府自由企業同盟)(第三五〇
 號)
 石炭生産損失補償金支拂促進の陳情書(日本石
 炭鑛業會長貝島太市)(第三五八號)
 金屬鑛山業に對し經濟力集中排除法適用除外に
 關する陳情書(全日本金屬鑛山勞働組合連合會
 中央執行委員長生田龍作)(第三七二號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 臨時石炭鑛業管理法案(内閣提出)(第六四
 號)
 臨時石炭鑛業管理法案審査のための公聽會開會
 に關する件
    ―――――――――――――
#2
○伊藤委員長 これより會議を開きます。
 前會に引續き臨時石炭鑛業管理法を議題といたします。
#3
○淵上委員 冒頭にあたりまして、ここに緊急質問をお許し願いたいと思います。去る二十七日の新聞で私どもは拝見したのでありますが、九月十八日附のマッカーサー元帥から總理大臣あての書翰につきまして、この際本法案を審議する前堤といたしまして必要がありますので、二、三商工大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。
 この書翰を拝見しまするに、積極的に日本の内政には干渉しないという態度がはつきり現われておりまして、ただ辺却するということはきわめて異例に屬するのであります。日本再建のために、今まで非常に懇切なる指導援助を賜わり、それに對して感謝しております國會といたしましては、實は異様の感を抱いておる次第でありますが、問題の生産目標の改訂ということにつきましては、政府は最大の熱意と決意をもつてやれという激勵を受けておりますし、また本法案は國會において審議しろということに指示を受けておるのでありますが、生産があがるかあがらないかという問題につきましては、國會も責任の一半をしよわされておるという意味におきまして、本法案審議にあたりて、われわれはますますその責任の重大なるを痛感する次第であります。
 まず前堤としまして二、三お伺いしたいと思いますのは、生産目標の改訂の問題であります。「このような能力の造成のみが責任の所在の變更を肯定する」と言われておるのでありまして、この生産目標の改訂ができなければ、この法案の意議はないという意味でありまして、この法律によつて新たに附加せられた能力に相當する水準に引上げられるというのでありますが、その引上げにつきましては、これができなければ本法案はあるいは解釋によつては撤囘しなければならぬのじやないか、かように解釋できるのであります。この法案がかりに通過後、實施の月は何月になるか存じませんが、その月から向う一箇年間、月別の出炭計畫はどういうお見込みであるかお示しを願いたいと思います。この書翰は十八日附であり、政府においては、すでに十日あまりにも御研究になつているはずでありますから、大體の目標はお立ちになつていると思うのであります。
 第二は、資材は十分に國内で入手し得ると書いてあります。われわれは今日まで勞資双方から資材が足りないで非常に苦勞しているということを聞かされておりまして、まことにそうだろうと思つて、その意味において苦心して研究しつつあるのでありますが、この點は商工大臣としては、そのまま御承認になるかどうか、もし現實と違うというお見込みでありまするならば、現状の認識について、司令部をして理解せしめる何らかの方法を講じておられるかどうかという問題であります。この點につきましても、商工大臣のお答えを願いたいと思うのであります。
 次に生産目標を上げるという方法としまして、六項目をあげてありまするが、技術能力結集の方法につきましては、どういうふうにお考えになつておりますか。炭鑛技術の指導方法なり、あるいは各炭鑛別の作業漂準量の決定なり、あるいはまた炭鑛技関者會議などの技術部門を結集するについて、どういう方法をやつておられるか、これらの點に關して具體的の御方針を伺いたいと思います。
 第二の二十四時間作業態勢の確立ということにつきまして、これはきわめて重大なる問題でありますが、現在各炭鑛が三番交替をやつておるだろうと思いますけれども、多くは坑口交替で、切羽交替ではない。切羽交替にすればまた資材等にいろいろ研究する點があるのではないかと思うのでありますが、この問題は政府筋のお話になつた新聞を拝見しますに、生産協議會がきめることというふうに言われておるように拝見するのであります。この問題は法文のあとの問題になりますけれども、生産協議會がきめなかつたならばどうするかという問題があるのであります。この書翰を見まするに、石炭業は一般的に二十四時間作業態勢にするということ、というのでありまして、絶對至上命令だと見るのであります。それゆえに生産協議會なんかに任せるのでなくして、この際勞働基準法の改訂絶對必要になつてくるのでないかと思われるのでありますが、商工大臣の御所見はどうでありますか。お伺いしたいと思うのであります。
 次に住宅、食糧の供給につきましても、これは必要な住宅及び食糧を供給することということでありまするが、自信があるかどうか。
 第四番目に、新鑛脈及び新坑開發、これは地質學上妥當なときは、地質條件が摘當であり限りは、開發しろということになつておるのでありまするが、これらの新鑛脈竝びに坑開發をされることによつて、出炭總數量竝びに所要資金の總額及び各年次別御計畫、これらにつきましても、今日わかる限りにおいてお示しを願いたいと思うのであります。横流れの防止につきましては、現在相當やられておるのでありまするが、さらに嚴重にやれという指圖が來ておるのであります。この防止方法の強化方策については、どういうことをお考えになつておりますか。
 最後に、この事業達成を阻害するものに對する取締りにつきまして、どういうお考えをもつておられるか、これは本日もしこの席でお答えができない問題がありましたならば、やむを得ません、きわめて最近の機會にお示しを願いたいと思うのであります。
 以上の各項は、本法案を審議する前提として、まずお伺いすることが必要でありますので、特に緊急に質問する次第であります。
#4
○水谷國務大臣 ただいまのマッカーサー元帥より片山總理にあてられた本法案に關する書面というものは、きわめて重要なる問題を含んでおりますので、政府といたしましては、目下片山總理を中心にいたしまして、各關係閣僚が寄りまして、石炭非常増産對策要綱というものを審議しておる次第であります。あるいはここ一、二日の間に大體の結論がつくと思つておるのでありますが、ただいまところでは、御質問の各箇條につきまして、具體的に御答辯するところまでまいつておりません。しかしながら、非常に問題が大きな問題でありますので、またこの法案の審議される上におきましても、重大なる影響がある法案であると思いますので、できるだけ早く成案を得まして、皆様方にお諮りいたしまして御協力を願いたい。このように考えておる次第であります。
#5
○伊藤委員長 本日より質疑に入るにあたつて、質疑は去る二十六日の理事會の決定によりまして、一應各黨一名ずつ、但し第一議員倶樂部と日本農民黨は、兩黨のいづれからより一名とし、その順序は日本社會黨、民主黨、日本自由黨、國民協同黨、第一議員倶樂部または日本農民黨ということに相なつております。それではこれより質疑を許します。岡田春夫君。
#6
○岡田(春)委員 この法案につきまして、いろいろの點から御質問を申し上げたいのでありますが、あまり詳細に入りますことを避けまして、その要點のみをお伺いいたしておきたいと思います。
 まず第一に、法案の目的といたしまして、第一條におきまして、「この法律は、産業の復興と經濟の安定に至るまでの緊急措置として、」云々と書いてありますが、政府がこの法案をつくられます場合において、産業の復興と經濟の安定に至る場合において、この場合における石炭の所要量は、大體どの程度に見込んでおられるかということを、まずお伺いいたしたい。
#7
○水谷國務大臣 政府といたしましては、大體石炭の五箇年計畫というようなものを考えておるのでありますが、それによりますと、昭和二十三年度は出炭高は三千三百萬トン、現在設備によるものがそのうち三千二百八十萬トン、新坑開發によるものが二十萬トン、カロリーは大體五千六百、このように考えております。
 それから二十四年度は出炭高は三千六百萬トン、現在設備による出炭高は三千五百五十萬トン、新坑開發によるものが五十萬トン、カロリー五千八百。
 二十五年度は、出炭高は三千八百萬トン、現在設備によるものが三千六百五十萬トン、新坑開發によるものが百五十萬トン、カロリー五千九百。
 二十六年度は出炭高が四千萬トン、現在設備によるものが三千六百八十萬トン、新坑開發によるものが三百二十萬トン、カロリー六千。
 それから二十七年度は、出炭高は四千二百萬トン、現在設備によるものが、三千六百三十萬トン、新坑開發によるものが五百七十萬トンで、カロリーは六千。
 大體この程度をもちまして、ただいま岡田委員の申されましたことを考えておるようなわけであります。
#8
○岡田(春)委員 ただいまの御説明で大體五箇年計畫といたしまして二十七年度に四千二百萬トンを目標にしておるというお話であつたように伺いましたが、そこでこの法案がもしこの國會を通過いにしました場合に實施される豫定は、大體いつからおやりになるのか。それでもう一つは二十七年度が安定の時點といたしまするならば、この三箇年期限という有效期間が六十九條にございますが、これとの關係はどうなるかということをお伺いいたしたいと思います。
#9
○水谷國務大臣 この法案がさいわい國會を通過いたしたといたしますならば、馬力をかけまして來年の二月の一日か、遲くとも三月の末には全規定を實施したいというぐあいに考えている次第であります。
#10
○岡田(春)委員 もう一つ御答辯が落ちておりますから、もう一度お伺いいたしますが、先ほどの第一條によりますと、産業の復興と安定に至る場合の時期といたしまして、政府が二十七年において四千二百萬トンの石炭を必要とするというお話が御答辯としてあつたのでありますが、ただいまの御答辯の來年二月から實施いたしました場合において、六十九條の有效期間三箇年間という點と一致しないように思うのであります。増産のために、安定のために、この國管法案をお出しになる限りにおいて、少くとも先ほどお話の政府が目途されております四千二百萬トンの線にまでもつていく二十七年までが有效期間にならないと、この増産を目途といたしまする管理法案の意義が失われると思うのでありますが、この點につきましては、もう一度御答辯を願いたいと思います。
#11
○水谷國務大臣 この法律案の施行期間につきましては、その目的が經濟の再建に直接關係を有するものでございますので、緊急措置といたしまして、期限を限定せず、彈力性ある運用をはかることが適當であると、私らは考えたのでございます。そしてもし期限を限定するといたしますれば、さきに述べました五箇年出炭計畫にもよりまして、大體五年くらいが適當であると商工當局としては考えておる次第でございますが、諸般の事情によりて三年を限定されたのでありますから、われわれといたしましては、五年のところを三年でやるというぐあいに、全努力をできるだけ石炭の増産にその施策を集中いたしまして、經濟の安定を企圖するつもりでございますが、三年經過いたしましたそのときにおける状況によりましては、あるいはさらに施行を延期する必要があるかもしれないと考えておる次第でございます。五年を必要とすると考えておるのは、經濟の安定及び自立を可能ならしめるために必要な石炭の生産が四千萬トン臺を相當に上まわつて、貿易收支が均衡に至るのがおよそ五年を要するのではないかというように考えておる次第であります。しかしながら、法案によりまして三年ときめられました以上は、全力を集中いたしまして、五年かかるところをできるだけその期間内でやりたいというぐあいに考えておる次第であります。
#12
○岡田(春)委員 それでは大體今のお話で一應政府の考えております四千二百萬トンを安定點といたしまして、この目標達成のために國管實施によつてあらゆる努力を行つていきたい。そうなつてまいりますと、その場合において、三箇年間でこれをでき得る限りやつていきたいが、できない場合には、當然有效期間の延長が議會において諮られまして、延長されなければならぬことになると思うのであります。この點につきましても、もう少し詳しくお伺いしたいと思いますが、いずれあとで時間がありましたならば重ねてお伺いをいたしたいと思います。
 その次に、土曜日の商工大臣の提案の御説明の中において、本法案は増産のためにつくられました一つの組織法であるということを言つておりますが、先ほど淵上君からのお話にもありました通りに、マツカーサーからの書簡を見ましても、われわれは國管の實施によつて、私企業よりもより附加されました能力がプラスになるであろうという意味において、マツカーサーの書簡の中にもさように書いておるのでありますが、しからば商工大臣がこの法案を提出されました場合において、現在の私企業よりも、この法案によりますところの國管を斷行いたしますならば、増産が可能であるという確信について、具體的な御説明を願いたいと思います。
#13
○水谷國務大臣 ただいま岡田委員から國家管理を實施することが、私企業の經營に任せるよりは、石炭増産上有利になる理由はどうかというような意味の御質問があつたのでございますが政府が今般臨時に石炭鑛業を管理いたしまして、増産を達成しようとするのは、大體次の理由に基くものであります。
 第一は石炭の生産及び増産に關します計畫が、國家の要請に應じた國家計畫の性格を有するものであるとともに、生産現場の實情に應じた計畫たらしめんとすることでありまして、現在石炭の生産に關する從來の一般方式を見ますと、その方式は生産の直接の機能と責任とをすべて企業者に一任いたしまして、政府は資材、資金等の統制によりまして、側面よりこれを援助するに止まりまして、政府みずから直接に石炭の生産に關與いたしまして、強力にこれを推進するというものではなかつたのでございます。これがために石炭の生産に關する實際の措置がすべて石炭企業の意思と能力とに左右せられまして、政府の意圖が確實に生産の現場に徹底實施せられることは保證さなかつたのでございます。反面政府におきましても、石炭生産に關する詳細徹底した實態把握をなすことができず、生産計畫、資金計畫、資材計畫等、現實に即し、適正かつ具體的に確立することが困難でございまして、その實行についても、必ずしも關係者の全面的協力を得ることができず、その間にそご不圓滿の生ずることを免れなかつた次第でございます。ここにおきまして、政府は石炭の増産に關しまする資金等の從來の諸政策を一層強化實施することはもちろんでございますが、右に述べましたような從來の方式のみでは、根本的に不十分であると認めまして、これより一歩前進し、政府が直接に石炭の生産に關與し、石炭生産の現場を把握して、これに對しまして積極的に必要な統制を行い、政府の意圖とするところが、ただちに現場に實施されることによりまして、石炭の増産をはからんとすることを決意するに至つた次第でございます。これによりまして大體次のことが可能であるとわれわれは考えておる次第でございます。
 一つは石炭生産に關する政府の實態把握が、的確に詳細にされることができる。その結果、政府は確實な基礎に基きまして、適正な生産計畫、資材計畫、資金計畫そその他の計畫を定めることができまして、またこれらの計畫の實施を強力に推進することもできることになるのでございます。從來は不確實な資料に依存いたしまして、推定によつて計畫を策案する場合もございまして、實情と食い違つたこともしばしばひき起されたような次第でございます。
 第二には石炭の生産に關する政府の意圖が、増産第一主義によりまして、確實に生産の現場に實施されることができるのでございます。
 第三におきましては、政府の定めまするもろもろの計畫と、炭鑛における業務計畫とが、直接につながりまして、相互にそごを來すことがございません。その結果政府も炭鑛も、統一した計畫に基きまして、一致した努力をすることができるようになると思います。
 第四には政府の定めまする計畫の基礎に、企業の經營者、勞働者も參加いたしまして、これらの者の意思も尊重せられるのでございまして、計畫はおのずから公正になり、かつ計畫は實現に對するこれらの者の政治意識を喚起することとなるのでございます。
 第五番目には、石炭の生産に密接なり關連をもつ事業部門の協力を得る途を開きまして、所要資材の現物化、設備の修理、建設、貨物の輸送等につきまして、強力なる措置を講ずることができる等でございます。
 次にわれわれが期待しておるのは、從業者の經營參加によりまして、その生産意欲を向上することでございます。申すまでもなく、石炭鑛業は、一般の鑛業部門と異なりまして、その生産要素としての勞働力の占める割合は、きわめて大きいのでございます。生産實績は勤勞意欲いかんによつて、決定的に左右されると言つても言い過ぎではないと思う次第でございます。終戰後勞働者の大量離山によりまして、生産が崩壊した事例は、未だわれわれの腦裏に生々しい記憶がございまするが、その後極力勞務者充足の措置を講じました結果、勞働者といたしましては四十萬を超え、戰前の水準を凌駕する状態となつたのでございます。しかるに一箇月一人當りの生産量をとつて見ますと、最近は大體五・五トン程度でございまして、戰前の約二分の一の水準に沈論しておる次第でございます。これはもとより設備の不完全な稼働状態、熟練坑内夫の總體的不足、勞働者の生活不安等によるものと言わねばなりませんが、率直に申し上げまして、勤勞體制こ關係するところなしとは言いがたいのでございます。すなわち戰時中のような強制勞働による能率増進方策は捨てられまして、新たに民主的な勞働關係が生れつつありますが、經營者側にも勞働者側にも、この新しい關係をいかなる具體的形態において運用すべきかについて、十分なる確信がないということが勞働不安をもたらし、能率低下に至る要因の一つをなすものと考えられる次第でございます。増産の見地から國家管理を行う立場にある限りは、勞働者の生活不安を除去するためのもろもろの方策を、強力に實施することを前提といたしまして、炭鑛の生産現場における勞資關係の生産をめぐつての新しい制度を、國家管理方式に織りこむ必要があるのでございます。經營者と勞働者が、互いにその立場を生かしながら、納得ずくで生産計畫を設立いたしまして、その實施について積極的に責任をもつて協力する組織を設定いたしまして、これによつて勤勞體制の過渡的な不安と、能率低下を克服する必要があるのでございます。管理法案におきましては、生産協議會に重要な地位を與えておるのは、かような要請に應えようとするものでございます。
 さらにまたその次に重大な問題は石炭鑛業の行政及び經營の民主化をはかることでございます。すでに述べましたように、石炭増産のためのもろもろの施策の實施は、國民の犠牲の上に行われるものでございまして、石炭増産のためにこそ、國民の耐乏生活における希望がつながるのでございまするから、石炭増産のために豊富な智識經驗をもつ人々は、野に一個の遺賢なく、行政上その知識を活用せらるべく、またその縦横に手腕が經營上の制約なく發揮せらるべく、從來の行政上の慣例または個々の企業の利害關係は、すべて國民的感覺において、合理的に調整されなければならないと信じておる次第でございます。このためには、まず行政と經營との關係におきましては、監督するものとを監督を受けるものとが、直接に對立しておる状態が捨ておかれてはならず、石炭の生産に關する技術、勞働、經理、それぞれの面における民間企業のエキスパートが、生産行政に溶けこむよう措置するとともに、從來のような形式的な委員會制度と異なる、行政民主化のための實のある組織の設定を考慮しなければならないのでございます。管理法案におきます石炭局の人的構成と、中央地方におきますところの管理委員會の組織は、この必要に副うものであると考えております。また企業内容の關係におきましては、企業がその經理上の不安ないし將來の危險負擔を恐れて、生産増強について、意識的、無意識的な制約を與えぬよう施策することを前提條件といたしまして、生産現場である炭鑛が、その經營者によつて推薦され從業者によつて支持せられる人物を中心に、生産第一主義によつて運營されることを保證しなければならないのでございます。管理法案におきまして、このことは指定炭鑛における炭鑛管理者の選任、及びその職務に關する規定として、相當詳細に示されているのでございます。世上とすれば、これを企業形態の變更であるという人がございますが、法案は中央のいわゆる本社に業務計畫の決定權を認め、このわくによる現場の日常業務を現場行政機構と炭鑛管理者に委ねるようにするのでございまして、現實に即した生産の彈力性ある運營を求める以外に他意はないのでございます。
 大體この理由によりまして、政府は今般の臨時石炭鑛業を管理することによつて、所期の増産を達成しようとするものであり、また達成できると信じている次第でございます。
#14
○岡田(春)委員 大分長い御説明だつたので、要がわからなくなつたのでありますが、要するに先ほどからお話を伺つておりますと、増産のために政府が現場を直接に把握していこう。そうして計量の浸透をはかり、石炭増産の計量化をはかろうという點がまず第一點であり、いわゆる生産現場第一主義をとろう。第二の點では、要するにその増産のためには、炭鑛における勞働力のいわゆる勤勞意欲の増加がぜひとも必要であるが、これをするためには經營協議會を法制化して、經營の民主化をはからなければならぬ。第三には資金と資材を有效に使うためには、資本の企業權を認めてまいりますが、經營に對しては、直接國家がタッチをしていきたい。大體こうにうような意味じやなにかと思うのですが、そこで少々話ははずれてまいりますが、ちよつとお伺いをいたしたいと思いますけれども、ただいまの經營の民主化ということにつきまして、まず第一にお伺いをしたいと思うのでありますが、生産力の中心であります經營者と勞働者が増産に全力をあげるためには、當然ここで對等の立場に立つて、生産のために邁進しなければならぬと思うのであります。この點につきましては、私はほかの例を取上げる必要はないと思いますけれども、鑛業連盟の早川勝氏自身におかれましても、明らかに經營の新しい方式は、双方が互格の立場から對等の立場に立つて、そうして合理的な妥結點を見出すことでなければならない、かように鑛業連盟の會報に述べておられますが、まず第一にお伺いしたいことは、經營の民主化という場合において、當然勞働者と經營者の地位というものは對等でなければならぬという點について、これはきわめて原則的な點でありますが、まずお伺いしたいと思います。
 もう一點は、先ほどからお話の經營の民主化という點が、ここで確實に認められるとするならば、當然産業民主化の前提でありまするところの資本と經營の分離というものが確立されなければならない。この資本と經營の分離について、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。この法案の先ほどの説明によりますと、資本というものの存在を認め、經營というものの實在をもちろん認めておるのでありますが、しかし少くとも今の經營の民主化の線から申しまするならば、資本と經營との分離が確立されなければならない。かように思いまするが、御意見を伺いたいと思います。
#15
○水谷國務大臣 第一の問題でございますが、これはこの法案をよく読んでいただけばわかるのでございまして、今度の法案の特色はいろいろございまするが、その特色の一番大きなものの一つは、言うまでもなく、ただいま岡田委員が申されましたように、勞働者を經營の面まで引上げてまいりまして、政府、經營者竝びに勞働者が、對等の立場においてやつていくということが、一番大きな特長の一つでございまして、それは岡田君の言われておる通りでございます。
 さらに第二の産業の民主化の問題として資本と經營との分離の點に關して商工大臣はどういう考えをもつておるかという點でありますが、滿洲事變以來、資本と經營との分離ということが、いろいろ論議されたのでございますが、この法案におきましては、資本と經營の分離ということは考えておりません。すなわち本社機構というものに對しても、従來の權限を認め、あるいは大つかみの點は全部本社に殘つておりまして、われわれは緊急經濟對策のうちにおきましても、企業の形態は原則として變更せないということをうたつておるのでございまするがゆえに、この法案において、われわれは資本と經營との分離を企てたというようなところは、毫末もないということは、ひとつ御了解願いたいと思います。
#16
○岡田(春)委員 そこでお伺いたしたいと思うのですが、資本と經營との分離を考えたことはないというお話でありますが、資本と經營とが分離されるということは、企業形態の變革になるとは必ずしも考えられないのであります。事實において、たとえば資本と經營との分離が行われておらないとするならば、先ほど例を引いて申し上げました石炭鑛業連盟の會報を見ましても、現在において石炭鑛業においては、少くとも資本と經營とは分離されておるということを、明らかに指摘されておるのであります。その實例をあげるならば、また申し上げてもよろしいのですが、その煩瑣は省くといたしまして、現實の問題といたしまして、資本と經營との分離というものは、鑛業連盟のいわゆる資本家代表の言葉ですら、明けかに現實の事實として認めており、そうしてまたこれをそうしなければならないということまで言つておられるわけであります。
 そこでもう一つ私はこれに關連してお伺いしたいのですが、現在の産業の民主化、經營の民主化というものをはかりまする場合においては、少くとも今申し上げたような、資本と經營の分離というものが前提にならなければ、完全なる經營の民主化、産業の民主化、これが行えないと私は確信いたします。この點につきましては、もう一度本案を通じまして、商工大臣の御意見をお伺いしたいと思うのであります。
#17
○水谷國務大臣 鑛業連盟の早川君がどういうことを言つておられるか知りませんが、この法案においては、さきに申しましたように、資本と經營との分離というものの前提に立つて、この法案はつくられているものではないということは、繰返しはつきり述べておきたいと思うのであります。ただ世上では、よく資本と經營の分離ということを簡單に申す人があるのでございますが、やはり物事を正確にするためには、資本と經營との分離というものはいかなるものであるかという、その定義からはつきりさせなくてはならないと思うのであります。そういう點におきまして、私らといたしましては、これはやはり一番大きな原則である緊急經濟對策にも、私企業に關してその目的を達せられないときにおいては、國家が直接責任をとれる形態をとるということは言つているが、しかしその際におきましても、いわゆる經營形態は原則として變更しないということを、はつきりうたつているのでございまして、今度の法案も、その基本的な立場の上において立案されたものでございますがゆえに、たびたびの御質問でございますが、この法案は資本と經營との分離の上に立つて作案されたものでないということをはつきり申し上げたいと思います。
#18
○岡田(春)委員 たいへんしつこいようでありますが、もう一點だけお伺いしてみます。それでは資本と經營の分離を行わないで、經營の民主化、あるいは産業の民主化というものが確立されるかどうか、この點についてお尋ねしたいと思います。そうしてまたもしそういう法案を資本と經營との分離というものを考えないでつくられた法案であるとするならば、産業の民主化、あるいは經營の民主化との關係はどうなるか、この點をお尋ねしたいと思います。
#19
○水谷國務大臣 資本々々と言われますが、資本にも長所があり短所があるのであります。國家管理の特色は、いわゆる私企業の長所と公の企業の長所とを結び合わすところに、國家管理の途があるのでございまして、この法案は資本のいいところはいいところとして生かして、そうして私企業のいいところ、そうして公企業のいいところを結びつけて作案したものでありまして、從つて御質問のように、資本と經營とを分離しなければ、産業の民主化、經濟の民主化というものが行われないということは、私としてはとうてい承服できないのでございまして、資本と經營とを分離しなくとも、産業の民主化、經營の民主化は行われる途があるというのが、いわゆる國家管理の根本的な建前であるというぐあいに御了承を願いたいと思います。
#20
○岡田(春)委員 ただいまの問題につきましては、私は實はもう少し追究をいたしたいのでありますが、しかしあまり時間をこればかりに使うということもいけませんので、かの問題については、具體的な問題からあとで取上げてまいりたいと思います。要するに私の考え方から申しまするならば、現在の生産を押えているのは、いわゆる資本の私的獨占にある、この點が問題なのである。經營と資本、先ほど資本の定義をお話になりましたけれども、要するに私の今取上げております資本と經營における資本という言葉と、それから一般の通念におきまする資本と經營の分離における資本という言葉は、これらは少くとも現在の經營機構のもとにおける資本を意味するのであつて、いわゆる具體的には資本の私的獨占を問題にしているものであるということを、ここでつけ加えて申し上げておきたいと思います。この點につきましては、あとで法案を具體的に質問いたしてまいります場合に、この點を具體的に取上げてまいりたいと考えます。
 その次に、それでは指定炭鑛の指定につきまして、土曜日の提案趣旨の御説明によりますと、指定炭鑛の範圍は、増産の見地からこれを決定して、現在石炭生産の大半を占める大炭鑛より逐次管理の範圍を擴大してまいりたい、かように述べておられるのでありますが、大炭鑛と書いておられますが、この大炭鑛とは具體的に大體どういう炭鑛を意味するものであるか、もしお許し願えるならば、何萬トンと具體的な御指定を願えれば結構であると思います。
#21
○水谷國務大臣 これは私が申すまでもなく、初め商工省の案、安本の案として傳えられたものにおきましては、前期の下半期を中心といたしまして、年産○○トン以上の山をやるということになつた。その○○トンというのは、あるいは五萬トンといわれ、あるいは十萬トンといわれたことは事實でございます。その後社會黨の案を見ますと、解體財閥の炭鑛という御議論も出ました。さらに民主黨の方の案から見ますと、それと異つた考えも出、また國民協同黨からも、いろいろの有益なる案が出たのであります。そこでわれわれといたしましては、これらの問題は、一切そういうようなこれまでの立場にこだわらないで、全國炭鑛委員會に諮つて、商工大臣がこれをきめるということにきめたのでございますが、何と申しましても、この法案の一番大きなかなめは増産のためでありますがゆえに、いかなる山をばまず第一次的に狹い意味の指定炭鑛にすべきかということは、増産の見地から、これを決定しなくてはまらないと思うのでございます。從つてそういう問題に關しましては、ただ一概に解體財閥の炭鑛と申しましても、それによつて指定炭鑛にすべき適當なものもありますし、あるいは適當ならざるものもありまして、今一律にこれをきめるよりは、全國炭鑛委員會に諮りまして、具體的にきめていく方がいいのではないかというような考えをもつております。しかしながら、そのきめ方は具體的にきめていきたいと思いまするが、その原則は、繰返しましたように増産の見地に立つてそれをばきめていくというぐあいにひとつ御了解を願いたいと思います。
#22
○岡田(春)委員 増産の見地に立つて具體的にきめていく、こういうお話でありましたが、その次に逐次管理の範圍を擴大していくと、かように書いてありますが、この管理の範圍を擴大していくということであるならば、將來全炭鑛を指定するというようなことを考えていいと思うのでありますが、この點についてはどうでありましようか、それからもう一つ現在國家管理の指定炭鑛といたしまして、大炭鑛のみを増産の見地からとりあえず指定しようというお考えのようでありますが、そうなるとはたして増産の見地から、大炭鑛だけの指定で國管の意義を十分に果し得るかどうか、こういう點についてお伺いしたいと思います。
#23
○水谷國務大臣 この法案にもありますように、國家管理の對象は、全部の山であるということを、この法案にうたつております。しかしながら、増産のためにこれをやる場合においては、現在の日本の經濟その他諸般の事情を考えまして、全部の山を一律的に指定炭鑛にするか、あるいはまたそれをばわけて指定炭鑛にするかということが議論になろうと思うのでございます。從つてわれわれは、そういう點から一應對象は全部の山でありまするが、とりあえず急速に増産のできるものは、大小を問わず指定をせねばならないというような含みをもつております。從つてさきに私は大きな山あるいは解體財閥、そういうようなものを一律的にやるというようなことはいかないということを言つたのはそこであるのでございまして、とにかく急速に増産のできるものを、大小を問わず指定していこうというぐあいに大體考えております。しかし原則は大きな山からやつていくということは、一つの原則でございますが、その原則を實際にはめて考える場合におきましては、やはりただいま申しましたような、いわゆる例外と申しますか、そういうような考えをもつて臨んでいかなければいけない。このように考えております。
 さらにまた今の岡田君の御質問は、指定炭鑛に國家の援助が集中される場合において、非指定炭鑛は不利な立場に立つのじやないかというような御質問だと思うのであります。この點に關しましては、指定されない炭鑛につきましても監査を行いまして、できる限りその生産増強を明確に把握いたしまして、その必要といたしまする資金、資材等についても、非指定炭鑛なるがために特に不利益を受けるというようなことはないように、十分運用したいと思います。これがために地方管理委員會におきまして、指定炭鑛の代表者だけで、この地方管理委員會というものを構成しないで、指定されない炭鑛の代表者も参加せしめまして、公平な運用を企圖しておるような次第であります。
#24
○岡田(春)委員 それでは先ほどの御説明によりまして、大炭鑛ばかりではない、増産の見地からみて具體的に必要とありば、大炭鑛以外においてもこれを指定する考えである、こういうような御答辯でございましたが、そうなつてまいりますと、増産の見地からという決定は、當然これは一應全國炭鑛管理委員會に諮るのでありまようが、しかし最後の決定権は商工大臣にあるわけなのでありまして、大炭鑛以外の具體的な増産の見地から見て、中小の炭鑛があるといたしまするならば、こういう所を増産の見地から今指定なさるというお考えならば、この點についてお伺いをしたいと思います。特に私がかように申し上げた點は、簡單な一般原料用その他の石炭と違つた特殊用炭の場合に、ぜひともこれは國家管理、あるいは一歩進めて國營にまでもつていかなければならないということを、われわれは考うておるわれでありますからして、特にこういう意味においても、今の御發言はきわめて重要であると考えますので、その點についての御答辯を願いたいと思います。
#25
○水谷國務大臣 ただいまの御質問は、大體さきにお答えしたこで御了解願えると思うのですが、さらに重ねて申されましたのは、非常に特殊な炭であるが、しかし私企業では採算がとれないものについては別個に考えるという御意見だと思いますが、それはお説の通り特別に考えなくてはならぬ。このように考えております。
#26
○岡田(春)委員 ただいまお話の特殊な炭鑛につきましては、實はこういうことを申すとなんでありますが、國管反對を盛んに誇張運動されておりまするいわゆる經營者側においてすら、この特殊の採算の合わない炭鑛につきましては、國營までを實は望んでおるのであります。この點につきましては、石炭鑛業會が聲明書を發表いたしましたときにも、明らかにこの點を述べておるわけであります。こうなつてまいりますと、ここでお伺いしたい點は、このような特殊な炭鑛あるいは新鑛開發、これらの問題について、從來新聞紙上の報道によりまする場合において、政府は炭業公團の新設を行うということをお話になつておられます。ところが提案の御説明によつて、諸種の事情によつて炭業公團法を提出しないで、それに代るべきいわゆる代案を御提出になるというお話でありますが、この炭業公團の代案とも言うべき内容について、ぜひともここで明らかにしていただきたいと思います。特に大臣に提案の説明において、この國管法案の肉づけとなるべきものは、炭業公團代案でなければならないというふうの御説明をなすつておられるわけでありますから、この點を特に明らかに、ひとつお話を願いたいと思います。
#27
○水谷國務大臣 ただいま岡田君の御質問の炭業公團の代案の點でございますが、これは本日の閣議で決定いたしました。しかしいろいろの關係でまだそれをばそのまま發表はできませんので、多少の修正がまた行われるだろうと思いますから、本ぎまりになりますればそれを正確に發表したいと思います。しかしながら、商工省として、大體どういうことを考えておるかということを、ひとつお聽きを願いたいと思うのでありますが、大體新鑛の開發ということが問題になつておりますが、この新鑛の開發のうちで、調査と建設と經營、この三つにわかれると思います。新鑛の開發の調査は大體石炭廰においてこれおばやりたい、このように考えてあります。それから建設は民間企業がみずから實施せんとするものは民間企業でやつてもらう。開發を要するもので、民間企業がみずから實施することができないものは、とりあえず産業復興公團でやつてもらうというぐあいに考えております。それから經營の問題でありますが、いわゆる産業復興公團の建設いたしました新鑛の經營、これはどうするかと申しますと、原則として民間企業に拂下げまたは貸しつけて經營をしてもらうというように考えております。しかしながら、民間企業者が經營することを希望せず、また不適當とするものは、政府において經營する、このため將來特別會計というようなものを石炭廰に置きたいというぐあいに考えております。
 次に福利の施設でございますが、これは單に福利施設ではなしに、地上の福利施設以外の施設も含むのでございますが、これはそれらの施設で炭鑛が建設することが困難なものは、産業復興公團をして建設させる。しかしながらたとえば病院を建てた、その經營は炭鑛に拂下げ、また貸付けて運營をしてもらうというぐあいに考えております。
 それから資材の調達斡旋でございますが、これは大體炭鑛向資材、勞務者用品につきまして、手に入れることを容易ならしめるてめに、石炭廰は炭鑛用機械の例にならいまして、これらの物資の生産及び配給の指導斡旋を行うというぐあいに考えております。右の石炭廰の斡旋事業に應じて、中小炭鑛業者は、各地に自發的に共同購入の組織を設けてもらうというようなことを、大體考えております。今日の閣議では、これよりもはるかに詳しいことが決定になつたのでございまして、いずれできるだけ早く發表できるようにいたしまして、皆さん方の前に御發表申し上げまして、法案審議の御參考にしていただきたい、このように考えております。
#28
○岡田(春)委員 今の御説明で新坑開發、あるいはその他の特殊な炭鑛の場合においては、石炭廰がこれをやる。こういうお話でございましたので、その前の質問とにらみ合わせて大分はつきりいたしてまいりましたが、そこで國家管理のこの法案におきましても、今後の増産のためには、どうしても經營の民主化をはからなければならないということは、先ほどから再三強調をされておるわけでありますから、當然石炭廰が直營をいたしてまいりまする炭鑛におきましては、これは當然民主化が徹底的に行われるであろうと、われわれは期待をいたしております。この點につきましては、特に反對をする資本家側もないわけでありますから、はつきり民主化をやり得ると重うのであります。これについてはどういうようにお考えになりますか。
#29
○水谷國務大臣 石炭廰竝びに石炭局の民主化の點に關しましては、この法案に御説明しておる通りでございます。ただ一口に申しますならば、從來の官僚機構と、今度われわれが考えておる石炭局というようなものとは、本質的に違うのでございまして、あるいは法案で石炭局長、さらにまた石炭局員の過半數は民間人でこれをやつていかなければならないというぐあいに規定しておるのも、そういう點であります。さらにまた私自身の考えといたしますれば、たとえば九州なら九州の石炭局長、これは商工大臣が選任することができることになつておるのでありますが、私自身の考えは、運用の面においては、これは資本家團體の鑛業面、勞働者團體の勞働組合が共同推薦して、勞資双方の納得ができるような人にひとつ石炭局長になつてもらう。石炭局員においても、單に商工大臣が勝手にきめるということでなしに、そういうような方法をやりまして、その點は十分法文の上から申しましても、また運用の面から申しましても、できるだけのひとをやりたい、このように考えております。
#30
○岡田(春)委員 今御答辯の趣旨がちよつと違つておつたようですが、私のお伺いしたのは、新坑開發になつた場合のその炭鑛の經營は、當然民主化されていかなければならないということをお伺いしたいので、石炭局その他のいわゆる官僚機構の民主化につきましては、實は今日時間がございませんので、明日徹底的にひとつお伺いしたいと思つております。
#31
○水谷國務大臣 私企業が經營できないいわゆる新しい山をば、石炭廰なんかが經營する場合においては、それは經營の民主化をやらなくてはならぬ、これは言うまでもないことでありまして、その點は十分留意したいと考えております。
#32
○岡田(春)委員 先ほど炭業公團に代るべき代案としての内容を大分御説明願いましたので、だんだん明らかになつてはまいりましたが、特に最近問題になつておりまする資材の問題につきまして、この際具體的にお伺いをしたいと思うのであります。この提案趣旨の中にも詳しくお述べの通りに、資材資金の入手が不十分であるということが、生産不振に大きな原因を與えておるということは、これはもう言うまでもないひとでありまして、これについてしからば國管の斷行によつて、資材の入手方法をどういうようにして具體的に確保する途を考えておられるか。この點について、ひとつお話を願いたいと思います。
#33
○平井(富)政府委員 資材の入手につきましては、ただいま大臣から概括的に申し上げましたように、直接國が資材の供給者と需要者たる炭鑛の間におきまして、強力にこれを斡旋していきたい。たとえば鋼材等につきましての發注の仕方等につきましても、鋼材のメーカーに對しまして一括發注し得るような途を斡旋する、あるいは生産されました製品の優先的な積出輸送というような點につきまして、國が直接これを斡旋していくという方向にもつていきたいと考えております。なお大きな炭鑛につきましては、契約その他個個に直接資材の供給者と契約を結ぶことも考えられますが、中小の炭鑛につきましては、もし希望する場合におきましては、地方的な共同購入の機關を設置いたしましては、これによつて中小炭鑛の購入便宜をはかつていきたいというふうに考えております。
#34
○伊藤委員長 岡田君にちよつと了解を得たいと思います。十一時五十分には商工大臣は關係方面との所用のために退席されますので、その點御了解願います。
#35
○岡田(春)委員 それではこのあとの點につきましても、資材の面でいろいろお伺いしたいのですが、これは一應延期いたいまして、ちよつとこれに關連することですから、一つだけお伺いしておきたいと思います。
 この法案の中で十六條でありますが、「指定炭鑛の事業主は、第十八條の規定により、當該指定炭鑛につき、毎日半期の事業計畫(業務計畫)の案を作成し、云々とありますが、この業務計畫あるいは詳細な事業計畫、この點について、實はこの法文だけでは明らかでありませんし、提案の説明でも明らかでないわけでありますが、今後の審議上ぜひともこれは重要でありますので、この内容をひとつお伺いいたしたいと思います。それだけをひとつお伺いしておきます。
#36
○水谷國務大臣 業務計畫の内容でありますが、これは命令で大體定める豫定でございますが、その内容といたしましては、大體五つのことを豫定いたしております。第一は出炭、送炭、山元消費及輸送の計畫というようなことを考えております。二番目には、設備の新設増設、もしくは變更の計畫、三番目には資材、資金、勞務及び動力の取得の計畫、四番目には勞務用物資、及び施設の需要の計畫、五番目には生産費及び支拂賃金の豫定計畫。
#37
○伊藤委員長 この際質疑の途中でありますが、本案の審査のための公聽會開會に關する件にきいてお諮りいたします。去る二十七日委員長より提出いたしました公聽會開會承認要求書に對しまして、昨二十九日議長より承認をいただきました。つきましては、このたびは正式に公聽會を開くことを決議する順序と相なつておりますが、これにつきましては、公聽會開會の日時を決定いたさなければなりません。この日時の決定に關しましては、公聽會に對する申出、公述人の選定、公述人への通知及び公述人の出頭等の時間的餘裕を考慮いたしますとともに、本案の審査の進行状況とにらな合わせて決定することか妥當であると考えられます。これにつきましてお諮りいたしたいと思いますが、公聽會開會の日時は、各派においていろいろ御意見もあることと存じますので、委員長及び各派の理事諸君に御一任を願うこととし、本委員會散會直後の理事會において、その日時を決定することといたしまして、その日時に本案審査のために臨時石炭鑛業管理法についてという案件について公聽會を開くことにいたしたいと思います。御異議ありませんか。
#38
○伊藤委員長 異議なしと認めます。よつてそのようにいたします。つきましては、後刻理事會におきまして日時が決定いたしましたならば、衆議院規則第七十九條によりまして、委員長において公聽會開會報告書を議長に提出するとともに、その日時及び公聽會において意見を聽こうとする案件を公示することといたします。本日はこれから議院の會議において本委員會が審査中の管理法案につきまして自由討議がありますので、委員會はこの程度に止めまして、次會は明十月一日午後一時より開會いたし、岡田君の質疑を繼續することといたします。
 本日はこれにて散會いたします。
   午前十一時五十四分散會
ソース: 国立国会図書館
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