くにさくロゴ
1947/10/22 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第21号
姉妹サイト
 
1947/10/22 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第21号

#1
第001回国会 鉱工業委員会 第21号
昭和二十二年十月二十二日(水曜日)
    午後一時五十一分開議
 出席委員
   委員長 伊藤卯四郎君
   理事 大矢 省三君 理事 岡田 春夫君
   理事 青柳 高一君 理事 澁谷雄太郎君
   理事 早川  崇君
      今澄  勇君    松本 七郎君
      萬田 五郎君    村尾 薩男君
      生越 三郎君    庄  忠人君
      西田 隆男君    三好 竹勇君
      有田 二郎君    深津玉一郎君
      淵上房太郎君    山口六郎次君
      前田 正男君    高倉 定助君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
 出席政府委員
        石炭廳長官   菅 禮之助君
        石炭廳次長   吉田悌二郎君
        商工事務官   平井富三郎君
        商工事務官   石坂善五郎君
 委員外の出席者
        商工事務官   千葉 弘毅君
        專門調査員   谷崎  明君
        專門調査員   保科 治朗君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 臨時石炭鉱業管理法案(内閣提出)(第64
 號)
    ―――――――――――――
#2
○伊藤委員長 これより會議を開きます。
 ちよつと速記をやめて…。
#3
○伊藤委員長 ただいま有田君から委員長に對して、昨日の審議中における委員長の發言に對して疑義の点が發言されておりました。それは後刻速記を見ました上で、國會法を尊重する意味において取扱いたいと思います。
 それでは淵上君に發言を許します。
#4
○淵上委員 一昨日資料の提出をお願いいたしておきましたが、どうなつておりますか。それはすぐ出せる資料が大部分であると思います。第一に二十二年度及び二十三年度の生産見込調で、十一品目にわたつておりますが、二十二年度の生産見込調は、もう當然できておるはずであります。それがなぜ今日まで出てこないか。二十三年度については、待つてくれと言うのならば話はわかるが、二十二年度の分がなぜ提出されないか。それから二十二年度の炭計畫画の問題、あるいは二十一年度の坑内事故による死傷者數の調、こんなものはすぐ出せるのに、なぜ出されないか。委員長にお尋ねしておきます。
#5
○伊藤委員長 先般淵上君から政府に對して資料を要求されてありましたので、それを政府の方に、それぞれ順次速やかに提出するようにということを命じております。
#6
○淵上委員 速やかに提出するように命じてあるだけでなく、出してもらうのが必要なんで、命じてもらうことは私の目的ではありません。なぜ出さないのかということを、委員長に聽いておる。
#7
○伊藤委員長 資料要求によりまして、政府側でつくつておりますから、ただ御發言を願います。
#8
○淵上委員 特定産業向け配炭豫定數量の資料はいただきましたが、これに關連しまして、さらにお伺いしたいのです。昨日も申しますように、特定産業向けは、ガス、コークス、鐵鋼、硫安、ソーダ、海運この六部門じやない、もう少しあるのじやないかと思いますが…。
#9
○平井(富)政府委員 ちよつとこの資料につきまして御説明します。特定産業向けの資料の表をお配りしましたが、備考から先に御説明申し上げますと、一はこの通りでございます。二の昭和二十二年十二月二十一日以降二十二年五月三十一日までの實績としてありまして、七月六日までは、ここに(イ)に掲げてあります國鐵、及び私鐵、海運、電力、製監、ソーダ、セメント、化學肥料、鐵鋼、コークス、ガス、この十部門が特定産業と指定されまして、値引をされておつたわけであります。七月六日新炭價の決定、その他一般の新物價體系によります價格の改訂がありましたのを機會に、そのうちから電力とか、化學肥料のうちの過燐酸石灰とかいうようなものが抜けまして、現在におきまする特定産業は、この一に書いております六部門になつておるわけであります。
#10
○淵上委員 わかりました。そこで續いてお尋ねいたしますが、四百四十萬トンという數量は二十二年七月六日から二十三年の三月七日までという期間になつております。二十二年の四月一日から二十三年の三月三十一日までの數量を至急にお知らせ願いたいのであります。
#11
○平井(富)政府委員 ここに掲げました二十二年七月六日、二十三年三月七日、これを豫算の關係でこういうことを區切りましたのでありまして、大體七月から三月までの數量は五十萬トンくらいが加わつた數量であろうかと思います。それから去年の十二月から五月三十日までの數量が、六百三十三萬トンでありまして、大體去年の十二月から三月まで通計いたしまして、特定産業向けの補給金制度が布かれまして、約一千七十萬トン、これにただいま申し上げましたような數量が累加されることになるわけであります。
#12
○淵上委員 しからばお尋ねいたしまするが、本年度の三月から六月までの期間は確かに私の記憶ではちよつと今探してもわからないのですが、四百四十二萬トンだと思つております。しかしてこの三箇月分を一年間に推算してみまするのに、一千七十萬トンくらいあるのじやないかというふうに、私は計算しておりますが、政府委員いかがですか。
#13
○平井(富)政府委員 十二月二十一日から値引制度が実施いたされまして、五月三十一日までの約五箇月十日分になりますか、その間の數量が、六百三十三萬トンであります。七月以降は運輸關係が除かれまして、これが毎月大體六十萬トン程度平均配炭されておるわけでありまして、それが年間に直しますと、七百萬トン程度になるわけでありますが、それが除かれますと、大體ここにあります九百萬トンから一千萬トンという程度の數字になるのじやないか、かように考えるわけであります。
#14
○淵上委員 一千萬トンですか。
#15
○平井(富)政府委員 この制度が實施されまして約一千萬トンであります。
#16
○淵上委員 本年度の見込數量はどのくらいのものでありますか。二十二年度の配炭數量であります。
#17
○平井(富)政府委員 二十二年度の配炭數量は全體において三千萬トンをベースにいたしました配炭計畫が組まれておるわけであります。
#18
○淵上委員 三千萬トンベースでやられておるということはわかりますが、配炭の數量はどのくらいになるかということを、私は聽いておるのであります。私が今申しますのは四月から六月までの實績が四百四十二萬トン、なるほど今の御説明でわかりましたが、これを通年に計算しますれば、千七百萬トンくらいになると私は思つておりましたが、今の御説明によりますと、多少變るような感じがするが、しからば本年度の配炭數量はどれくらいになるか御答辯を願います。
#19
○平井(富)政府委員 七月から變りましたので、七月から大體今年度の終りまでの豫想が四百四十萬トンであります。從つて三月から七月まで約四箇月、これは前の六百三十三萬トン一箇月分を除いたものでありまして、約五百萬トン程度と考えられるわけであります。これに四百四十萬トンを加えますと、九百四十萬トン、それにただいま申し上げました三月分の残りと七月分の初めの若干の日數を入れますと、おおむね千萬トン程度になるのじやないか。途中で七月からただいま申し上げましたように私鐵その他が抜けましたものでありますから、表といたしましては、區別して書いたわけであります。
#20
○淵上委員 續いてお尋ねいたします。しからばセメントは一體どうなつておるか。これはひとつわかりませんか。
#21
○平井(富)政府委員 セメントは七月六日以降は特定産業部門から抜けたわけであります。
#22
○淵上委員 これはひとつゆつくり時間をいただきますが、そういうことで、一體セメントが豫定の通りはいる見込みでおられるのですか。今數字をあげて、私の方から申し上げてもいいのですが、特定産業からセメントを除いて、セメントにつきましては、いろいろの情報から推斷して、相當の需要が必要ではないか、かように思うのであります。今セメントの問題が出ましたから、セメントについて聽きますが、さつき私が要求している資料の問題に關連するのですが、本年度一體どれくらいできるお見込みでおられますか。
#23
○平井(富)政府委員 二十二年度におきまして、大體配炭計畫をベースといたしまして百三十萬程度のものが生産されるのではないか。かように見込んでおるわけであります。
#24
○淵上委員 一應百三十萬程度と伺つておきます。
 それからきのうの企業設備資金、それに關連して、もう一つお伺いしたいのですが、増加運轉資金十六億という數字を提出いただいております。これは十五億五千七百萬圓の四捨五入だろうと思うのですが、これはどういう基礎で十六億と見積つておられるのかを伺いたいものであります。
#25
○吉田政府委員 ただいまの資金の問題は經理課長が参りまして御説明申し上げます。ちよつと資料の關係で覺えておりませんので…。
#26
○淵上委員 去る九月八日の日の石炭復興會議に、石炭廳からお出しになつております資料の中で、炭鑛の方に現物化される九月の豫定といたしまして、一萬四百三十トンという豫定されておりますが、これは九月にはいりましたかどうかお尋ねいたします。
#27
○石坂政府委員 まだ炭鑛側から報告がまいりませんのではつきりいたしておりませんが、七月に價格の改訂がありまして、その後入手状況が非常に好轉いたしておる。こういう程度の報告は受けております。
#28
○淵上委員 きのうもお尋ねしたときに申しましたように、政府御提出のこの資料によりますれば、たとえば二十一年度の銑鐵、あるいは普通鋼材についての數量を申しましたが、たいへん少ない。私の聽きます要點骨子は、政府の計畫されております三千三百萬トンが、はたして達成できるかどうかということを、唯一の目標にいたしまして、それがための資材も、資金も、勞務も必要だ。續いて私はずつと伺いたいのでありますが、その資材部門にきのうからはいつておるのであります。ただいまのような状況では、たとえばセメントならセメントにつきましても、きわめて心細い状態であつて、そういうものができなければ、ただ空念佛で、いくら出すとおつしやつても、なかなか出るものではない。それゆえに、私は三千三百萬トンを達成せしめたいために、その資材面がどういうふうになつておるのかということを聽いておるのであります。どうぞ政府の方におかれましても、そのつもりで、もう少し、勉強して、できるだけ早く資料を取り集めていただきたい。九月にはいつたかはいらぬかというようなことが、きよう二十二日になつてもわからぬというようなことですが、電報を出して問合せて、至急出していただきたい。そういう方法はないのでありますか。これは今セメントの場合についてみましたが、入手ははたして九月にできましたかどうかにつきまして、各資材がどういう状態であるか、やがて二、三日すると一月經ちますが、いつごろわかりますか。大體役所の事務取扱い状況について、根本的にお伺いしなければならぬのでありますが、大體至急に取り集めれば、いつごろまではいつたか、たとえば八月末までにどの程度はいつたか。九月末までにどの程度はいつたか。何日くらいしたらわかるお見込みでありますか。それを伺いたい。
#29
○石坂政府委員 實は主要の物資につきまして、各炭鑛から受拂いの月報を要求いたしておるのでありますが、それがどうも集まりが悪いものですから、集計が順繰りに遅れてまいつておる。かういう状態であります。セメントに關しましても、先般御配付いたしました八月末までの月報が、ようやく各炭鑛から集まつてきておる。こういう状態でありまして、九月分の各炭鑛からの報告が非常に遅れておる。こういう關係から集計が遅れておるのであります。
#30
○淵上委員 どうもそういうことでは話にならぬですが、ちよつとこの機會に關連しますので一口お尋ねしたいのですが、鑛業協同組合というものがたしかあるように聞いております。これは話を聞けば、炭鑛資材の約十五%くらいの斡旋をしておつたらしいのです。これは存續されるものであるかならぬものであるか。もし存續されないといたしますならば、これに代るべきものを何かつくる必要があるかないか。どういう御方針であるか。それをお尋ねいたします。
#31
○吉田政府委員 炭鑛資材の協同組合の問題でございますが、これは遠からず解散になると存じます。閉鎖機關になると存じます。從いまして從來非常に重要な資材を、この組合が扱つておつたのでございますが、これがなくなることによりまして、資材の入手が困難になるおそれがございますので、中小炭鑛のためには、各地方別に協同購入の機関をつくつていただきまして、これが御斡旋をする。大きな炭鑛につきましては、直接メーカーとのつながりを昨日申し上げましたように斡旋を政府の方でいたしまして、資材が入ることを御斡旋をする。こういう豫定でおります。
#32
○淵上委員 鋼材の入手状況の最近の模様でありますが、本年度の第一、四半期の鋼材が、炭鑛用が一萬四千百二十一トン、これは四月から六月までの分でありまして、しかもこれが六月の下旬にようやくクーポンが出て、九月までの大體の豫定としては、石炭廳でお出しになつておる資料によりますれば、九月までの入手豫定は、七割八分しか豫定されていない。しかもそれが豫定通りはいつて七割八分であります。一萬四千百二十トンの割當であつて、八月入手の豫定が五千九百五十五トン、九月入手豫定が五千四十五トン、この比率が、七割八分弱になつております。まだ三千百十九トンというものが残つておる。これはどういう状況かお尋ねいたします。
#33
○石坂政府委員 實は私の方の集計では、八月末までの分しか報告を受けておりませんのですが、これによりますと第一・四半期の割當に對して、・四半期に入りました分が八八%、それから第二・四半期の割當に對して、第二・四半期の八月末までにはいりました分が五〇%、こういう程度に相なつておりますが、引續いて順次はいつてくるものと考えております。先ほどセメントについてお話いたしました通りに、炭鑛側からの入荷の報告が八月分までしかとれておりません關係上、八月分で締切つて話をいたしました。
#34
○淵上委員 ちよつとお尋ねいたしますが、私が今聽いておりますこの資料は、九月八日の石炭復興會議に、石炭廳から提出された資料であります。今の御答辯によれば、私の方からとか何とかおつしやいますけれども、あなたの方の資料で、私は聽いておるのであります。これは間違つておるなら、間違つておると言つていただけばいいのであります。
#35
○石坂政府委員 後刻調査いたしまして、正確に御説明申し上げます。
#36
○淵上委員 それでは石炭廳から提出された資料を一應讀んでみます。
   鋼材現品化見込
 政府における傾斜増産方式に基き、二十一年度第四・四半期鋼材割當は、一月上旬に二萬五千五百八十トン(内譯炭鑛用二萬一千三百六十五トン、機器製作用四千百八十五トン)決定し、日本石炭鑛業協同組合において一括現品化を直ちに開始し、一月から三月中二萬八百七十三トン、四月から六月中五百二十二トン、七月から八月中三千九百三十トン、殘二百五十五トン、(特殊寸法にて近日完納)の現品を確保し、現品化後地區により一箇月ないし二箇月中には炭鑛に著いたはずである。この地區別、品種別、の所要量、割當量、入手量は別表第一號の通りである。なお薄板の特に薄物は――マル炭は完納した。
 鋼管についても――鋼管割當量四千七百トンのうち、八百九十トンは出荷止めに遭いたるも、八方手を盡し適宜これを現品化した。二十二年度第一・四半期分二萬千トン(内譯炭鑛用一萬四千百二十一トン、機器製作用その他(亞炭も含む)六千八百七十九トン)は、指定生産資材割當規則の實施により割當が延引し、六月下旬になりようやく證明書が發行せられ、七月上旬にメーカー連繋ができ、七月中旬より八月上旬にわたり各連繋のメーカーと折衝の結果、現品化豫定は別表第二號の通りである。第二・四半期分は現在(九月上旬)炭鑛別品種別に決定し、所要量に對する割當量は別表第三號の通りであり、目下發券竝びにメーカー連繋の手續き中であるが、第一・四半期の現品も目下製作積出し中の關係上、これが現品化は十月以降來年二月ごろまでに跨がる豫定である。第三・四半期は總量二萬二千五百トンの豫定で、これが品種別割當量決定は九月下旬の豫定であり、炭鑛別割當は當然十月中旬と豫想せられ、これが現品化は翌年になる見込みである。
 かようにあなたの方からお出しいただいております。これによつて私は大變いい勉強になつておりますが、今讀みましたような状況であるのであります。一體そういうことで、本年度の三千萬トン、あるいは二千七百萬トンの石炭が出るかどうか。今讀みましたように、第二・四半期の分は、九月上旬の現在において目下發券竝びにメーカー連繋の手續中である。第二・四半期というと七、八、九月です。第一・四半期分の現品も目下製作または積出中であると書いてある。第一・四半期というと四、五、六月です。こういう状況で、大體今年の石炭はどうして出せるか。どういうつもりでおられるのか。今大臣はおられませんから聽けませんが、商工省は一體どういうお考えでありますか。第三・四半期割當總量二萬二千五百トンの豫定で品種別割當量決定は九月下旬の豫定であるとあるが、これはうそ八百であつて、十二月下旬の誤植ではないかと思う。十月から十二月までの第三・四半期分の割當すら、まだできてはいないではないか。こういうことで今年の石炭は一體どうなります。マツカーサー元帥に對して、總理大臣は一體どういう顔をもつてまみえるか、私は日本國家のために深憂にたえない。これを一つずつ各品目別に出しますと時間がかかりますが、今は鋼材の問題だけ聽いておるのであります。政府は一體どういう方針でおられるか。これが根本問題であります。
#37
○石坂政府委員 資材の物動の割當は、大體期の半ばに決定いたしますので、それをさらに品種別に、各炭鑛別に發券するという手續が相當遅れまして、第一・四半期、第二・四半期におきましては、期末においてようやく發券した。こういう状態だつたのであります。これは實は物動が始つてから、順繰りに遅れてまいつておるのでありますが、今囘第三・四半期からは、とにかく早く發券いたしたい。從つて物動の決定も極力早めよう、こういう各所の協力體制の結果、第三・四半期におきましては、十月の初めに物動が決定しております。そこでこれを品種別に、さらに炭鑛別の發券は目下極力急いでおりますが、もう二、三日中に各炭鑛に發券できる、こういうふうに考えております。順繰りに資材が流れて遅れてまいつておるのでありますが、その間のつなぎといたしましては、何とか炭鑛の現在の手持ちの約三箇月ないし、二箇月分、鋼材關係がありますので、できるだけそれでやつていただく、こういうふうに考えております。
#38
○淵上委員 發券を急ぐ、切符ばかりあつても物がはいらなければ何もならぬ。しかもその切符は、まず割當ができなければならぬ。それすらきのうから申しますように、非常に遅れておる。手持ちが一體どれだけあるか。手持ちによると言われるが、今各炭鑛は手持ちの鋼材の數量はどれだけありますか。
#39
○石坂政府委員 主要二十炭鑛のそれぞれの使用量竝びに次ぎの期への繰越しの報告を集計いたしておりますが、これが出炭から申しますと、約三分の一程度にあたるかと考えております、その主要二十炭鑛の第三・四半期末の在庫、つまり第二・四半期に繰越した分の在庫について御説明いたします。鋼材に關しましては、八千八十七トンという程度になつておりまして、これは全炭鑛の出炭の約三分の一程度でありますので、おそらく全炭鑛におきましては、二萬三、四千トン程度の鋼材が次期に繰越されておるのではなかろうか、こういうふうに考えておるのであります。
#40
○淵上委員 第一・四半期の鋼材の所要量は二萬五千五百八十トンであります。第二・四半期の所要量も同じく二萬五千五百八十トン、併せて第一、第二・四半期で五萬一千百六十トンが所要量だと、私は見ております。しかるにただいま讀み上げましたように、八月中の入手豫定が五千九百五十五トン、九月の入手豫定が五千四十六トン、合わせて一萬一千トン、これが豫定であります。現實にはいつたといたしましても、わずかに需要量の二割が現品化される。しかもそれが豫定である。手持が八千八百七十トンぐらいある。これは伺つておきます。さらに調べたいと思いますが、こういうことでしかも今はいるとかはいらぬとかの資材は、石炭をとるために第一線のそれが効果を發揮するのは何月になるつもりでおられるか。これも聽きたい。そういうわけで、今年の資材は一體どうして出されるか、これを私はさつきから聽いておるのであります。
#41
○石坂政府委員 たとえば今の期に割當てた鋼材料が約半年以後におきまして、それぞれ生産に役立つていくだろう、こういうふうに考えておりますが、結局過去、數年來順繰りに遅れてまいつておるのでありますから、いわゆる流れ作業式に順繰りに資材關係竝びにその資材をもつて炭鑛側から機械その他を注文する。作業におきましても順繰りに流れてまいつておる。從つて途中で資材の割當を中斷いたしたという結果がない關係上、大體それで間に合つていつておるのじやないかと考えております。
#42
○淵上委員 たいへんなお間違いだと思います。昨年の資材の平均の入手は第一・四半期において八五%である。こういうことではだんだん特殊物資も底をついてくるので、とうていこれは石炭が出せないというので、たしか十月四日に當時の内閣は、石炭増産のために特別の閣議を開いて、ある程度の手を講じた。しかるにその後だんだん模様が惡くなつてきて結局十二月何日かに、また特別の閣議決定をやりまして、一切の資材を石炭増産のために集中する。その當時御同様記憶にありますように三月危機、三月はとても乗り越せないという國民の一般の心配は、昨年の暮から起つたのであります。しかもその時の第一・四半期の入手量は十月初めの閣議決定で、特別の措置を講じたにもかかわりませず、平均入手量が六〇%に下つておる。第一・四半期から第二・四半期が六〇、八〇に下り、第三・四半期においては、六〇%に下つておるのであります。こういうことでは、とてもやりきれないというので、いわゆる傾斜生産方針を確定してそうして各メーカー、各産業團體各關係官廳から、珍しく戰争の時のような擧國態勢をとりまして、資材結集の一大運動をやつたので、昨年の第四・四半期におきましては、比較的よくはいつたのであります。しかしながら、今申しましたような情勢で、順次資材の獲得は下つてきておる。これで何とかなつておるのじやないかというようなことで、もしほんとうにそれで樂觀されておるということになると、私はきわめて危險な思想だと思うのであります。
 この問題は保留にしてさらに續いてお尋ねいたしますが、來年度の鋼材は、生産確實の十二萬二千トン及び新鑛九千四百トン、合わせて十三萬一千四百トン、これだけの鋼材が必要であるという資料をいただいておりますが、鋼材なり、銑鐵なり、あるいは鐵鋼の二次製品をつくります工場につきまして、おそらく賠償で撤去される分がいくつもできてくるであろうと思います。これはどのくらいに見てあるか。これを見た上での計畫をお立てになりつつあるのかどうか。賠償によりまして撤去さるべき鐵工場がどれくらいあるか。これは必要があれば秘密會をお開きになつても結構であります。鐵鋼の生産力はどれくらい減つてくるお見込みであるか、お尋ねしたいのであります。
#43
○石坂政府委員 その問題に關しましては、安定本部とよく打合わせいたしまして、御説明いたしたいと思つております。
#44
○淵上委員 安定本部と打合わせして御説明するでは、はたして來年度にどれだけ鋼材が入手できるか確定しない。それがきまらなければ、三千三百萬トンが掘れないということになりますので、本案の審議をやめなければならないということになります。同じことですが、もう一つお尋ねいたします。
 その問題で昨日の平井政府委員の御答辯を、私の耳にはつきり殘つておりましたけれども、速記を移してまいりました。「この數字が供給できるかどうかということは來年度の各種の資材の生産計畫などとも照合することになりますが、ただいま安定本部におきまして、これら三千三百トンベースにおける供給計畫を立案中でありまして、安定本部に對して、この供給量を提示いたしまして今折衝いたしておるわけでありますが、できるだけこの線に沿つてやつていきたいと考えているわけであります。」こういうことで安定本部と折衝ができて、そうして閣議でしつかり決定しなければ、獲得できると決定しても、閣議決定通りに入手ができないことはもちろんでありますが、閣議で決定して、來年度は鋼材なら鋼材、銑鐵なら銑鐵が、どれだけはつきり入手でき、また炭鑛に確保できる方針で政府は全力をあげてやつていくということがきまらなければ、三千三百萬トンが出せるとか、出せないという審議ができなくなりますから、まず安定本部と話がきまらなければ、本案の審議はこれで中止する以外に方法はないと考えるのであります。安定本部と折衝中だとか、交渉中だ、どういう結果になるかわからぬでは、和田安定本部長官をここに來てもらつても、まだきまらぬことを聽いたところでしようがないでしようが、これがきまらなければ資材がはいらなければ、三千萬トンもとれるわけはない。まず安定本部との折衝が早くできて、來年度はこうやるのだ。銑鐵はいくら、鋼材は鋼材でいくら、必ず政府としては確保するから、これを資材にして、その資材で石炭は何千何百萬トンを出すという計畫を立てなければ、三千三百萬トン出すのだと言つても空念佛で何にもならない、從つてこの法案の審議は進行できないと思うのであります。これは平井政府委員の言葉であるが、こう言つておる。「これら三千三百萬トンベースにおける供給計畫を立案中でありまして……」きわめてぼんやりした話でありまして、「大體安定本部に對してこの供給量を提示いたしまして、今折衝いたしておるわけでありますが、でくるだけこの線に沿つてやつていきたいと考えておるわけであります。」これがほんとうに正直な御答辯であろうと、私は思つております。こういうぼんやりしたことで、この國家管理法の審議をやれと言われても、審議ができぬではありませんか。ただ出す出すと言つて商工大臣ががんばつても、片山さんががんばつても、必要な資材がそろわなければ、石炭が出ないことははつきりしておる。これがそろわなければ、この法案の審議の進行はできないと思います。大臣はおられませんが、政府當局ではどういうふうにお考えになられますか。
#45
○平井(富)政府委員 ただいまお讀上げになりました昨日の委員會で私の申し上げましたのはその通りでありますが、現在のところ、安定本部におきましても、來年度の計畫を立てますについて、三千三百萬トンの配炭計畫をまず設定して、各物資の供給力を算定いたし、その際にあるいは輸出の關係がどうなるか、あるいは輸入の關係がどうなるかというような觀點からいたしまして、大體において全部の計畫がおそらく同時に決定してくる相關連した總合的な物資の需給計畫でありますので、來年度の各物資の需給計畫は、最後的にはそれらの關係もやや具體的になる見透しの立つ時期において、全部一つにきまつてくる、こういう過程をとるものと考えております。從いまして、私どもとしては、三千三百萬トンということが、技術的に見て可能であり、しかもその資材として要求いたしましたものを、現在安定本部に提示いたしまして折衝し、説明要求をいたしておるわけでありまして、從つてこの線に沿つて、石炭廳、商工省、安定本部におきましても努力しておるわけであります。しかし今申し上げました各種要因によつて、全體の物資の需給計畫が設定されますので、これらが最後的にきまりますには、やはりそれら要因に對する決定がなされるときにおいて最後に決定されるのではないか。そういう意味において、安定本部に折衝をし、交渉を續けておるわけであります。
#46
○淵上委員 これは大臣に聽きたいと思いますから、大臣がここにおいでになりますまで休憩していただきたいと思います。
#47
○伊藤委員長 商工大臣はやがて見えると思いますから、それまで暫時休憩いたします。
    午後二時五十八分休憩
    ―――――――――――――
    午後三時三十八分開議
#48
○伊藤委員長 休憩前に引續き、會議を開きます。淵上君。
#49
○淵上委員 商工大臣おみえになりましたから、特に二、三商工大臣にお尋ねいたしたいと思うのであります。
 去る九月八日石炭復興會議が開かれたそうでありますが、そのときに石炭廳から豊富な資料を出されております。その中で、いろいろ先ほど來お尋ねいたしておるのでありますが、所要資材現品化状況調というのがあります。これによりますれば、壓延鋼材は本年度の第一・四半期における入手量が八八%、銑鐵が八〇%、釘が一一一%、針金、鐵線が一六六%というふうにあげてあるのであります。きのうも申しておりますように、割當量と入手量だけ比較してあるのだあります。それは非常な間違いの起るもとであります。二十二年度の第一・四半期における銑鐵の所要量は七千五百八十八トンでありまして、それに對して四千四百トンはいつておるのでありまして、そのパーセンテージが五八%である。たとえば針金鐵線の一六六%と書いてありますのが、所要量三百八十三トンに對して三百六十トンははいつておるのでありまして、これは九五%が正しいのであります。一六六%などという數字をお出しになることは間違いであるのみならず、非常な弊害がある。なぜかと申しますと、この間も公聽会――非常にいい公聽会であつたのでありますが、委員長自身非常な感謝の言葉を捧げておられたのでありまして、これに商工大臣はもちろんおいでにならなかつたのでありますが、あの機會でも勞働者側の公述人は、經營者は資材を横流しをやつておる人があるというようなことを言つておる人もありました。こういうふうに資材をたくさん經營者に渡してあるのだと、こういう數字を復興會議にお出しになつて、資材はうんと出してあるという印象を勞務者側に與えている。しかるにどうも炭鑛では資材があまりこないじやないか、やはりこれは經營者が横流しをやつておる、こういう不信の念を經營者に抱くのであります。これは勞資溝をつくる一つの原因になるのであります。こういう數量をつくらせられる場合には、そういう點もひとつ商工大臣としてとくと大局からお考えを願いたいと思うのでありますが、また先ほど來ここで質疑應答を繼續しておるのでありますが、資材もだんだん減つてくる。しかるに切符の發行は遅れる。あるいはその前の割當がたいへん遅れる。經營者側ではほんとうに乏しい資材で心身を打ちこんで石炭の増産に挺身敢闘しておるのであります。しかるに業者が出さぬ。出さぬ原因は、お役所側のいろいろな遷延、あるいは非能率のために、結局資材がまわつてこない。經營者はほんとうに苦心惨憺して日夜敢闘挺身しておるにかかわらず、なかなか石炭が出ないのは、これは決して經營者側の罪ではない。やはりお役所側にいろいろな事情もあるということも十分お考えを願いたいと思つておるのであります。ただいま特に商工大臣の御答辯を得たいと思つてお待ちいたしておつたのでありますが、きのうから伺つておりますたとえばこの普通鋼材が來年度は十二萬二千トン必要である、これがなければ三千三百トンの石炭は出ないのだというその必要な數字であります。その數量の普通鋼材がはたして確保できるかどうかということを伺つておるのであります。私は特に商工大臣にお尋ねいたしたいと思いますのは、いずれ賠償施設で製鐵關係の工場もある程度取られるのじやないかと思うのでありますが、それは何割ぐらい製鐵能力が減るかということをお聽きしたい。
#50
○水谷國務大臣 ただいま淵上委員のお尋ねの點でありますが、なるほどそれは能力の上に對しましては、ある程度の影響を與えるものであることは、私も認めますが、しかしただいまの段階におきまして、賠償においてどれだけ取られて、それがどういう影響を與えるということは、これは私の立場から言えないということはひとつ御了承願いたいと思います。
#51
○淵上委員 それは商工大臣の立場から言えないとおつしやるのは私もよくわかります。その製鐵能力を低下する率をみて、この數量が見積つてあるということでありますか。
#52
○水谷國務大臣 大體ただいま御指摘の點は豫想いたしまして、この數字をあげておりますので、ただいまの御指摘の問題に關しまして、ここにあげました數字が動くということは絶對にございません。
#53
○淵上委員 その點は今大臣のお言葉として私伺つておきます。經濟力集中排除法というものが、今國會で審議中でありますが、これは見透しといたしまして、必ず成立するのだと思つております。これによります製鐵能力の低下は、いかようになつておりますか、大臣にお伺いしたい。
#54
○水谷國務大臣 御指摘の點に關しまして、影響はないものと考えております。
#55
○淵上委員 次にお尋ねいたしますが、私先ほど來お尋ねしているのであります。昨日の平井政府委員からの答辯は、大臣に代つての御答辯だと思つて、私は拜聽しておつたのでありますが、各資材の問題につきまして、今經濟安定本部と折衝中であるという御答辯に接しているのであります。經濟安定本部と話がきまりまして、來年度三千三百萬トンの石炭を確保するために所要各品目につきまして、各品目ごとに最低限度これだけの資材が要するということは、少くとも閣議ででも決定なさいまして、國の官民一致の總力をあげてこれが確保を期さねばならぬ、こうならなければ、三千三百萬トンの出炭はとうてい不可能だと、私は思うのでありますが、しかして單に折衝中である、どんな話になるやらわからぬ、それでただ三千三百萬トン出すのだ出すのだと言われても、これは出ない。從いまして、この話がきまらなければ、私は御提案になつている管理法案は審議ができない。法文だけ審議したつて、資産、また資金、勞務の面につきましては三千萬トン出すだけの裏づけを確保しなければ、ただ法律の條文だけ審議したつて何もならぬ。私はこの話がまず閣議決定でもなさつて、しつかりきまつたあとでなければ、この法案審議は無用だと思つているのでありますが、大臣はいかようにお考えになつておりますか。
#56
○水谷國務大臣 なかなかむずかしい御質問でありますが、御案内の通り、事務當局から正直にこれは安定本部と折衝中ということを申しました。安定本部は單に石炭だけでなく、貿易その他の點から策定し、そうして關係筋の承認を得て、本ぎまりということになるのであります。しかしながら、これまで石炭に關しては、大體あらゆる方面におきまして、日本經濟危機打開の重要性を認められまして、われわれの主張が大體通つているような次第でありまして、われわれが三千三百トン要るがために、このくらいな資材が要るということは、これは私の政治的生命にかけて確保するつもりでありますから、決して御心配なく、大體三千三百萬トン必要なための資材は確保できるということを前提として、御安心して審議を進めていただきたい、このように考えております。
#57
○淵上委員 商工大臣の政治力によつてやるというふうに承つたのでありまするが、いつまでおやりになるかわかりませんが、私はしからば本年度の出炭はどうなさるかということをお伺いいたします。本年度は申すまでもなく三千萬トン目標で、年度初めから官民一致して努力しておるのであります。きのうも申しました本年度の四、五、六の所要資材たとえば鋼材について申しますれば、ちつともはいつておらぬ。第二・四半期の切符が九月の末ごろから、ついこのごろまでに動いておるというような状態であります。これも先ほど讀み上げたのでありまするが、先ほどの御説明によれば、第一・四半期分の鋼材は九月の初旬の話であります。七月中旬より八月上旬にわたる各連繋のメーカーと折衝の結果、現品化の豫定は別表第二表によれば、九月中旬までにはいる豫定が七割八分弱である。豫定がそのままはいりましても、割當の七割八分であつて、需要量の二割にしかすぎない。第二・四半期の七月から九月までの分は、目下發券竝びにメーカー連繋の手續中、第一・四半期の現品は、目下製作中だというようなことも書いてあります。第一・四半期の現品も目下製作積出中の關係上、これが現品化は十月以降來年二月ごろまでにまたがる豫定だ。第一・四半期というと四、五、六月、それから第三・四半期分は九月の初めのこの書き物によれば、翌年にまたがるというような状態、こういう状態で、はたして今年度の三千萬トンはどういうふうにして確保ができるか。先ほどの説明を聽きますると、手持ち鋼材は八千いくらかあると言われておる。それは申すまでもなくトン數はあるかもしれぬ。しかし數量は八千何百トンにすぎない。この數量についても、非常に大きな問題があるのですが、殊に製品については、型やサイズいろいろありまして、すぐそのまま役に立つということが言えないのであります。要するに本年度の當面の出炭は、どういうふうにお考えになつておるか。來年度以降の五箇年計畫は、もちろん愼重に周到に考えなければならぬが、當座の本年度の三千萬トン目標の達成は、そういう資材状況で達成できないと私は思うのでありますが、大臣はどういうお見込みでおられるかお聽きしたい。
#58
○水谷國務大臣 淵上さんの資材その他の點に關しまして、具體的にいろいろ檢討されておる御努力に對しましては非常に敬意を表するものでありますが、御案内の通り、現在の日本の經濟状態というものは、石炭最重點主義でやつていくといつても、そこに一つの限度があるということを御了承願いたいと思います。從つてことしの三千萬トン出炭の資材の點につきましても、あるいはただいまの淵上さんの御心配になるような點は、一部にはあるかもしれませんが、政府はそのようなことを考慮して、このたび石炭非常増産對策要綱を決定して多少資材で心配の點がありましても、この非常増要産網をば強力に推進することによりまして、ぜがひでも三千萬トン出してみせるという決心であります。
#59
○淵上委員 五箇年計畫所要資金というものですが、きのうもお尋ねしておりますが、増加運轉資金の十六億の見積りは、どういう根據でそういう計算をされておりますかを御説明願いたいと思います。
#60
○千葉説明員 増加運轉資金につきましては、過去の實績から申しまして、大體今までの實績によりますと、一箇年について原價の三月相當の運轉資金を必要とする状況に相なつておりますので、出炭増の分に對しまして、原價の三月分を計算して數字を調整しまして、約十六億を計上した次第であります。
#61
○淵上委員 三月分というのが年四囘囘轉するというお見込みであろうと思いますが、これは私は大分現實と離れた御計畫ではないかと思つておりますが、ここでは保留いたしましよう。あとでさらに伺います。
 炭鑛住宅資金はきのうはいつておるとか、おらぬとかお話がありましたが、大體二十三年度の炭鑛住宅資金は、どのくらいのお見込みでありますか。私が要求しております資料がまだ出てまいりませんが、どのくらいのお見込みでおられるか、お伺いします。
#62
○千葉説明員 ただいまのところ約九十七億ばかりの見當をつけております。
#63
○淵上委員 さつき増加運轉資金の御説明では年四囘囘轉するとして三箇月である。これが一應の見方であろうと思いまするが、實際現在は石炭の炭價は七月に九百五十六圓八銭ときめられておる。これは今としてはまず千三百圓かかるというふうに、業者の方では非常に惱んでおるようであります。そうすると九百六十五圓を引くと、ここに三百四十四圓の缺損になる。これを三千二百八十萬トンにかけますと、百十二億八千三百三十萬圓という缺損が出るのでありますが、商工省ではやはり今九百五十八圓で石炭が出せるというお見込みでおられるのか。それを伺つておきます。
#64
○水谷國務大臣 ただいまの炭價に關する淵上さんの御質問でございますが、御案内の通りに、現行炭價は、原價主義によりまして、過去の物品費、經費の實績を基として、これを新しい炭價を基礎とする新物價水準に合うように修正したものでございまして、新しい物價體系におきまする各種の物品の改訂價格は、すべて織りこみ濟みであります。たとえて申し上げますならば、勞務費につきましても、本年五月に行われました日本石炭鑛業連盟と炭全協との協定による平均賃金額に、さらにその一二%を加えた額をもつて一人當りの賃金としておる次第であります。また操業度は月産二百五十萬トンと想定して計算したものでございます。實際は本年七月ないし九月の生産實績は、二百二十萬トンを相當上まわつておりまして、さらに本年の下期千六百七十四萬トン計畫が達成されますと、この面からだけでも現在の炭價はトンあたり六、七十圓の餘裕を生ずるものと考えております。從つて現行炭價は、決して淵上さんのおつしやるように、無理な炭價ではないと考えております。このような合理的な炭價を前ぎめいたしました以上、經營者といたしましては、當然この炭價を基礎として、合理的な經營をしていただきたいと思います。現在赤字といわれておりまする炭鑛の多くは、生産効率が著しく低い炭鑛でありまして、經營者、技術者、勞働者が一致して生産効率をあげるならば、優に収支の均衡が得られるものであると考えておりまして、政府といたしましては、特に經營者が經營の合理化、生産効率の向上に、さらに一層努力していただきたいと考えておりまして、當面炭價を引上げる意思は全然ないのでございます。但し地域別の炭價ないし炭鑛別の炭價につきまして、もし著しい不均衡がありますならば、十分檢討いたしまして、相互の調整については將來の問題として善處したいと思います。
 なお附加えて申しますが、政府は最近九州竝びに宇部に對して、各山について炭價の檢討をいたしました。さらに常磐、北海道においても、この點を十分檢討いたしたいと思います。こういう觀點に立ちまして、最近發表いたしました石炭非常増産對策の要綱の第二に、「我が國經濟の實勢に鑑み、現在の物價竝びに賃金水準は飽までこれを堅持するものとし、炭價の引上は當面之を行はない」。というぐあいに規定しておりまして、炭價の問題に關しては、さよう御了承願いたいと考えております。
#65
○淵上委員 御方針はよくわかりました。ただ私が心配いたしますのは、九百五十六圓で地域別にきめるようになつておるといたしますれば、一トン出せば三百四十四圓の缺損になるとすれば、現實の問題として、出せば出すほど缺損になる。そういう状況では肝腎の石炭が出ないではないかという點を私は心配するのであります。商工大臣はこの問題があることを豫想されて、たいへん御準備された御説明でありまして、まことによくわかりましたが、私の心配しますのは、そういう實情であるならば、出なくなるのではないか。これを實際心配しなければならぬ問題ではないかと、私は思つております。
 なおこの問題につきましては、せつかくの體系を堅持されることは當然でありますけれども、出炭という立場からは、これはどうして直すということは、私は今案をもたないから言えないのでありますが、これは何かよほど愼重に考えなければ、出炭の方に影響してきわしないかと考えております。とくとこの點も御考慮を願つておきたいと思うのであります。
 この機會に政府委員の方にもちよつとお聽きしたいのですが、企業設備資金の百二十億という金は、これはどういうふうな金繰りをされるべきものか、私一向門外漢でわかりませんが、どういうふうな資金繰りをされるのか、教えていただきたいと思います。
#66
○千葉説明員 大體設備資金につきましては、長期資金と相なります關係上、われわれの方といたしましては、復興金融公庫からの融資にいたしたいと存じております。
#67
○淵上委員 それでは先ほどの十六億の増加運轉資金も、さように考えてよろしゆうございますか。
#68
○千葉説明員 運轉資金につきましては市中銀行で賄い得るものにつきましては市中銀行、困難なものにつきましては、同じく復金というふうにただいま考えております。
#69
○淵上委員 大藏大臣はお見えになりますか。
#70
○伊藤委員長 今出席を求めて、もうやがて参りますから、御繼續を願います。
#71
○淵上委員 それでは合いの手を一つ……。出炭能率の向上の問題でございますが、これにつきましては、もうひとしくみんな考えている一つの問題は、勞働者の構成内容の問題であります。先般志免、勝田の所長に會つて、詳しく状況を聽いたのでありますが、この八月現在では、たとえば志免においては坑内夫が五七%、坑外夫が四二%、勝田においては、坑内夫が六六%、坑外夫が三三・八%というような比率になつております。その間九%あまりの坑内夫の比率の開きがあるのであります。先般來聞きますと、政府では六〇、四〇の割合で指導したい、配置轉換等をやつてそういう割合で進みたい。これに關連しまして、先般お尋ねしたのでありますが、昭和六年から十三年までの間は七〇%以上坑内夫がおつたのであります。この間から要綱をお示しになつておりますように、非常に強力に推進するという御決心でありますが、どうも勞務者はやすきにつくを求めまして、かたきにつくのはだれもいやなんです。もう少し強力なる措置をとられて、坑内夫と坑外夫の構成内容の比率を、もう少し坑内夫の率を上げるように――勞働攻勢などあまり御心配にならないで、もう少し強力に腰を入れておやりになる必要があるのではないかと思うのでありますが、重ねてこの點をお尋ねいたしたいと思います。
#72
○水谷國務大臣 ただいまの御指摘の點でありますが、このたびの石炭非常増産對策要綱の坑内夫六〇%、坑外夫四〇%は、當面の目標でございまして、行く行くは淵上さんの御指摘のようなところを目標にしていくということは、言うまでもございません。さらにまた石炭企業におきましては、生産要素として七五%程度勞働力に依存している關係上、勞働對策に關しては、萬違算なきようにやつていきたいと考えております。
#73
○淵上委員 賃金支給形態の問題につきましても、同様な問題があるのであります。志免では勝田と比較して大分模様が違うのであります。能率給が七月現在で四六%、勝田の方は七六%が能率給になつておるのであります。よその話でありますけれども、ソヴイエトの炭鑛では採炭夫と積込夫は一定出炭責任量をきめて、責任量に對して八〇%までは基準炭價で拂つて、八一%以上は基準炭價の二倍拂う。一〇一%以上は基準炭價の三倍を支拂つていると思い切つたやり方をやつておるのであります。この非常増産對策によれば、「誠實な勤勞に對しては、その熱意と効果に相應ずる報酬を與える様賃銀制度を合理化する。」という御方針を御聲明になつておりますが、具體的にはどういうふうに構想されておるか、それをお尋ねいたしたい。
#74
○水谷國務大臣 ただいまの點讀み上げられました通りでありますが、具體的な關係は、所得税の緊急措置の内容が、まだ決定的にきまつておりませんので、一々數字をあげ、また率をあげて具體的にここに申し上げかねるのでございますが、御趣旨のように生活給と能率給とを、いかに調整していかなくてはならないかという點に關しましては、御趣旨きわめてごもつともでございまして、増産の比率によりまして、賃金収入及び配給物資の増大をはかつて、生産増強に邁進していきたいという御趣旨は、政府といたしましても同感でございます。
#75
○淵上委員 經營協議會の問題についてお尋ねしたいのであります。勞務者というものは、もともと生活するために勞務者になつておるのでありまして、それが大多數であります。經營の對する野心とか意欲とかをもつた勞務者は、きわめて寥々たるものである。勞務者は勞務を提供することによつて生活しようという目的でその企業に投じてきておるものであります。從いまして、經營に關心をもつのは、要するに自分の地位の安定と、待遇の改善のためであると、私は思うのであります。國家管理が實施されまして、經營の實權があるいは大半の實權が勞務者側に握られることになつてくると、必ず私は勞務者側のうちわで派閥ができ、あるいは部内で抗爭し、相排斥するようになつてくると思う。これは現在までたとえば勞務者側のいろいろな組合についてごらんの通りであります。こういう状態から炭鑛の經營にまで勞務者間の派閥、抗爭がはいつてくることになれば――これはまた必ずそういう事態が發生すると思わなければならぬ。そういうことでごたごたしてまいりますれば、結局企業そのものがうまくいかなくなることは當然であります。勞務者自身も生活のよりどころを失つて失職の憂目を見なければならぬ時期が、必ず到來するのであります。こういうことを考えますと、國家管理で構想されております經營協會等の編成のやり方も、ひいては勞務者の生活問題な必ず波及してくると思う。聞くところによりますと、アメリカでは勞務者は經營に参加しないことになつておるということであります。しかもさらに考えなければならぬ問題は、例外はあるかもしれませんが、大體勞務者はそろばんもおけず、事務にも不慣れである。あるいは資金の方の仕事、あるいは資材の方の手當にしても、必ず不慣れであり、未經驗であると見るのが普通であります。こういう人達を参加さして、はたして炭鑛の企業が今申しますように、勞務者がはいつてくればうちわで抗爭も起るだろうし、不慣れの者が事務にはいつてきていろいろ發言するということになつてくれば、この面から言いましても、私は現在提案されております考え方というものは、炭鑛企業に非常なひびを來し、炭鑛企業を不成功に終らせる心配が多分にあると思うのでありますが、大臣はこの點についてどういうお考えをもつておられますか、重ねて承つておきたいと思います。
#76
○水谷國務大臣 ただいま勞務者と經營との關係について、るるお述べになつたのでございますが、淵上さんの申されるように、勞務者が經營の實權を握るとか、あるいは主體となるというのではなく、合法的な手續を履みまして經營に参加するものでございますがゆえに、ただいまのような御心配とは、むしろ逆ではないか、このようにわれわれは考えておる次第でございます。しかしその點は運用の而におきましても、十分に留意はしたいと思いますが、淵上さんのただいまの御議論とは、まさに私は正反對であることを、ひとつ御了承願いたいと思います。
#77
○伊藤委員長 それでは本日はこの程度に止めまして、明二十三日午後一時より會議を繼續することとし、本日はこれにて散會いたします。
   午後四時二十分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト