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1947/10/30 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第25号
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1947/10/30 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第25号

#1
第001回国会 鉱工業委員会 第25号
昭和二十二年十月三十日(木曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 伊藤卯四郎君
   理事 大矢 省三君 理事 岡田 春夫君
  理事 生悦住貞太郎君 理事 早川  崇君
      今澄  勇君    衞藤  速君
      金野 定吉君    松本 七郎君
      村尾 薩男君    生越 三郎君
      庄  忠人君    西田 隆男君
      三好 竹勇君    有田 二郎君
      神田  博君    深津玉一郎君
      淵上房太郎君    前田 正男君
      高倉 定助君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
 出席政府委員
        石炭廳長官   菅 禮之助君
        石炭廳次長   吉田悌二郎君
        商工事務官   渡邊  誠君
        商工事務官   平井富三郎君
        商工事務官   石坂善五郎君
 委員外の出席者
        專門調査員   谷崎  明君
        專門調査員   保科 治朗君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 臨時石炭鑛業管理法案(内閣提出)(第六四
 號)
    ―――――――――――――
#2
○伊藤委員長 これより會議を開きます。
 前會に引續き臨時石炭鑛業管理法案を議題とし、質疑を繼續いたします。この際淵上房太郎から發言を求められておりますので、これを許します。
#3
○淵上委員 議事進行に關しまして、委員長に要求いたしております來年度の五箇年計畫、第一年次における新坑は、この間聽きましたから、三千二百八十萬トンの現在鑛の山別出炭計畫を出さしていただきたい。こういう要求をいたしておきました。この次の開會のときまでに、できるだけ間に合うようにお願いしたいというふうに、併せて希望いたしておつたのでありますが、これはどうなつておりますか、ちよつとお聽きいたします。
 それからもう一つ委員長にお願いします。昨日はこの委員會は流會になつたのであります。委員會の運營につきましては、理事會で御相談があるのが正式であり、慣例であるのでありますが、昨日は委員會の御開催がなく、委員長の一方的通告で流會になつたようなことになつておるのであります。公報をもつて通知すると常に言われるのでありますが、今日の公報によりますれば、一時から經濟力集中排除法に關する三常任委員會の連合審査會があるのであります。かつまた一時から本會議もあることになつておるのでありますが、午後續行するか否かに關しましても、理事會をお開きになつて御相談あるべきだと思いますが、本常任委員會の運營に關しまして、委員長の御所見を伺いたいと思うのであります。二つとも議事進行に關する問題でありますので、併せてお伺いいたします。
#4
○伊藤委員長 第一の明二十三年度の山別出炭計畫の豫想表について、資料要求をされてありました件につきましては、政府側にただちに委員長として要求をいたしておるのであります。政府側の方は政府側としてつくるにあたつても、從來からのやり方としても、やはり各山のそれぞれの協議機關等を經まして、その山別の報告書等をまとめて、初めて出炭計畫の數量をつくるということになつておるので、明年度分を各山別にそういう通知をいたしまして、その出炭豫算表を出させて、政府でまとめなければならぬので、これはかなり實際問題として時日を要することになつているので、それに對する手續がきわめて早急にはいかないということを、政府側の方で委員長の方に申し出ておるのであります。
 それから昨日の會議の件でありますが、これは昨日の本會議がああした事情等にあつたことは御承知の通りであるます。そういう點から、各委員會とも御承知のように開けなかつた事情等もありますので、實は經濟力集中排除法の連合委員會が終りまして、ただちに理事會等を開くべく、いろいろ手配をいたしたのでありますけれども、なかなか理事各位との連絡というか、それが容易にとれませんし、そのうちに時間はきてしまいましたので、一應私の方から連絡の者をもつて、各理事の御意見を伺いにまわつたのであります。ところが、それに贊成である。それはしようがないじやないかということを、二時間も三時間もかかつてようやく連絡をとりましたところ、大體個人的に御了承をいただきましたので、お忙しいところ、きのうむりに時間までにお集りを願うということは容易でないのではないか、こういうように連絡の上から考えましたので、個人的連絡等で、大體御了承願つたものとして扱つた次第であります。
#5
○淵上委員 第一の問題は、各山との連絡をとつてでなければ出せないという理由によるのでありますが、しからば前囘私が要求したときに、なぜその理由を當局は示されなかつたか。委員長は承知いたしましたと言われたのでありまして、その理由があるのならば、そのときにお話あつてしかるべきである。しかるに何らのそういう御説明、釋明もない。この次の機會までにできるだけ迅速にお出し願いたい、それは承知いたしましたというのでありますが、その機會に政府當局と一應御相談があつて、出せるか、出せるなら、いつごろ出せるかということを御相談あつてよかつたのではないかと思います。この問題はそういう手續を經なければわからないというのであるならば、三千三百萬トン出せるか、出せないかわからないはずだ。この根本の問題にもひつかかる問題でありまして、今から調べなければ各山別にどれだけ出るかわからないというのか。積算して集計しまして、三千三百萬トンになるかならぬかの根本問題になるわけであります。ただいまの御説明は、政府の案自體に非常に空疎な、具體性がないものであるということを、みずから暴露されることになるのでありまして、この點は私今質問ではありませんから詳しく申し上げませんが、根本問題でありまして、ただいまの政府當局から御説明がさようであるとするならば、きわめておかしい問題であると思うのであります。愼重なる御反省を願いたいと思います。
 第二の問題は、きのうは本會議の開會も非常に後れております。理事會を開催する時間は十分あるのであります。將來とも理事會によらず、委員長の一方的通告によつて流すとか、流さぬとか、あるいは開會するとか、しないとかいうことがあつてはたいへんなのであります。現に昨日ああいうわけで、自由黨側におきましては反對しておるのであります。きのうは理事會を三十分や二十分、あるいは十分お開きになる時間は十分あつたはずであります。この後ともに理事會を必ずお開きになつて、そうして委員長の專斷によられないように、私は希望を申し上げておきます。つきましては、先ほどの委員長のお話によりますれば、きようの午後は一體どうされるかという問題については、まだ御説明がないのでありますが、理事會を開いて御決定になるのか、あるいは委員長專斷で、何とかおきめになるのか、この點の御説明がまだありませんから、それをお示しを願いたいと思います。
#6
○伊藤委員長 昨日の委員會開會の件は、先ほど申し上げた通りであります。淵上郡御承知の通り、大體本會議のある日は開かないということで、今までずつとやつてきておりますし、たまたまちようど昨日ああいう本會議を開かねばならないようなことにもなつておりました。御承知のように複雑にもなつておりましたので、個人的に、先ほど申し上げましたように、理事各位の方々の御意見を伺いましたところが、贊成であるということであつたのでありますから、委員長專斷でなかつたということを、本會議のある日に開かないということと、併せて御了承願いたいと思います。
 それから本日の午後からこの委員會を續行するかどうかという件につきましては、午前中の委員會が終ると同時に、理事各位と御相談することにいたしております。
#7
○有田委員 それに關連してちよつと……。
#8
○伊藤委員長 ちよつとお待ちください。一應發言については理事各位と御相談をするということになつております。
#9
○有田委員 委員長は理事會をもつと重視しなければならないということを一言申し上げますので、お聽き願います。私たちは何も言わずにおこうと思つておつたのでありますが、委員長の答辯がおもしろくないから、一言委員長に御注意申し上げます。
 一昨日の委員會におきまして、淵上君なり私の質問に委員長が答えて、理事會に十分御相談申し上げてやるということは、速記録にちやんと載つておるのであります。しかるに昨日のことは――御存じの通り、この委員會は本會議にも出席しないで委員會を續行しておるということは、委員長御存じの通りであります。しかるに昨日は社會黨の叶凸君の單なる一議員の不穏當なる言動という問題でありまして、この小さな問題に對して、委員長は理事會も開催しないで、しかも國會委員部の事務員をして各派に使いを出して、きようはやめようと思うがどうか。私のところへ來たときに、私は反對したのであります。しかしそのときには、そういう一方的なやり方でなく、ちやんと第九委員室なら第九委員室に各派の理事者を全部集めて、きようはこういうわけだから、どうでしよう、こういうお話ならいいのでありますが、昨日の叶凸君の問題は小さな問題であります。石炭國管問題と比べますならば、はるかに小さな問題であります。この問題のために流會になつたということは、まことに遺憾であります。委員長は社會黨の出身ではありますが、われわれ全體の委員長であるということをよくお考え願つて、常に理事會をお開催願つて、すべてを御決定願いたい、かように私は思うので、昨日の理事の了解を得たという委員長のおとりなしについては、私は完全な手續をとつていない、理事會が完全に開かれていない。理事各位に個人的に諮る、しかもそれが民主黨の理事が非常に遠い所におられる、大阪や横濱におられるというなら別でありますが、この衆議院の内部に民主黨も社會黨も自由黨もそれぞれおるのでありますから、石炭國管の重要性をよく御認識願つて、ああいう場合には、集まつて、どうしたものだろうかを諮るべきだと思う。もしも私が出席しましたら、斷固として反對します。叶凸君の問題のごときは、實にささいな問題であるのに、石炭國管の委員會を流すというがごときは、もつてのほかである、かように私は申し上げただろうと思うのであります。ですから、どうかそのおつもりで、委員長としては御處置願い、一昨日の速記録に載つた點を、もう一度速記録をおとりになり、再三再四お讀みになつて、肝に銘じていただきたいと念願するものであります。
#10
○伊藤委員長 有田君から、本委員會の石炭國管は非常に重要な問題であるから、大いに精勵能率をあげるという御信念に立つての鞭撻でありますから、その御鞭撻を今後一層委員長は精勵するように了承いたしておきます。
#11
○前田(正)委員 私は第一議員倶樂部を代表いたしまして、石炭の國管について質問さしていただきます。石炭の國管につきましてはいろいろな問題がございますが、特に基礎原料である石炭の増産がなければ、日本の再建は困難であると信じます。こういう點に關しまして、これから愼重に審議をさしてもらわなければならないと思うのであります。しかしながら、まず最初にお斷りしなければならないことは、經營者とか、勞働者側の方がいろいろ運動しておられるようでありますが、私たちは別にそういう點には關係がないということを、前にお斷りしておかないと、私の質問に對して、いろいろな觀點から見られると困るのであります。つきましては、私はどういう觀點から質問さしていただくかという立場を、簡單に説明さしていただきます。
 この法案を拜見いたしまして、私が從來生産技術者といたしまして、工場の管理に携わつてきました經驗から見まして、率直に感じましたことを、簡單に質問さしてもらいたいと思います。實は石炭國管につきましては、その國管の形態でありますとか、必要性であるとか、あるいはまた經營と資本の分離であるとかいつた根本的な問題がいろいろあるのであります。しかしながら、これらのことは、今まで質問もありましたし、またこの次の機會に質問さしていただくことにいたしまして、本法案が石炭の管理ということを考えておられるようでありますから、はたしてこれがほんとうに石炭増産に對する合理的な管理であるかどうかという觀點から質問をさしていただきたいと思います。
 まず總括的に私から述べさしていただきたいことは、マツカーサー元帥から、その中に書いてありますように、この法案は生産を引上げる能力を造成することが、この責任の所在の變更を肯定するものであるというような意味のお手紙をいただいております。これに對して、聞くところでは、三黨の折衷案であるとか、あるいは商工省と安本の合作案であるとかいう話を聞いておるのでありますが、この案の直接の責任者であります商工大臣としては、この法案に書いてあるような管理の方式で、はたして明年三千三百萬トンの増産ができるということに對しての確信をおもちになつておるかどうか、この點に對する御所信をまずお伺いしたいと思います。
#12
○水谷國務大臣 この法案で三千三百萬トン増産の確信があるかという御質問でございますが、これは前に淵上さんにもお答えしたと思いますが、私の政治的生命にかけても、この法案によつて來年度三千三百萬トンをたたき出す確信があるとお答えしたいと思います。
#13
○前田(正)委員 それでは、この法案のような管理の方式で増産ができる確信があるということになりますならば、私は増産をするためには、勞資ともに増産意欲の高揚が必要であると思いますが、この法案に書いてあるような管理の方式で、勞資の資産意欲が高揚できるかどうか、この點に對する大臣の御答辯を願いたいと思います。
#14
○水谷國務大臣 その點に關しましては、この法案を中心にして政府、經營者竝びに勞組の三位一體の協力體制によつて増産をやつていくということは、繰返して言うておる通りでございます。從つて前田さんがおつしやつたように、勞資双方の生産意欲を振興させねばならないということは、きわめてごもつともな御意見でございまして、三位一體の協力體制の中に、勞資双方の生産意欲の振興ということが、大きな要素として織りこまれているということを御了承願いたいと思います。
#15
○前田(正)委員 今のお話は、この法案のような管理方式で増産意欲があがるということでありますが、この間の質問に對しても、實は國家的な觀念が高まつて増産意欲があがるのではないか、こういうことを御返答になつているように思うのでありますが、過日來やかましくなつておる遞信從業員の爭議等を見ましても、國家管理にしたら、必ず國家意識が高まつて、増産意欲があがつてくるというものではないと思うのでありまして、この法案においても、國家管理にするから、増産意欲が増強できるのだというようにお考えになつているかどうか、この點もお聽かせ願いたいと思います。
#16
○水谷國務大臣 ただいま前田さんは遞信從業員の例をとられました。なるほど現在とられている形に對しては、私も非常に遺憾に思いますが、これは一時の現象でありまして、われわれが考えておるのは、全體を通じて一般的の現象として述べているのであります。從つて私企業の場合におきましても、あるいは國家管理、あるいは國營の場合におきましても、一時の現象としていろいろの問題が起つても、これは一時的の出來事でございまして、われわれは全體の立場から、さらにまた恆常的な立場から考へて述べているのでございまして、一時的の現象として、ただいま御指摘のような出來事が起つたことは、きわめて遺憾ではございますが、これはわれわれは一時の出來事であると了解しているような次第でございます。
#17
○前田(正)委員 今のお話の點につきましては、日本の遞信、鐵道の從業員の能率が、私企業の勞働能率に比べていいかどうかということは、私は他日の問題に讓りたいと思いますが、しかしながら、過般の公聽會におきまして、勞働者側の中にも、國家管理がいい惡いは別といたしまして、この法案に書いてあるような内容であつては、官僚統制が強化されるとか、官僚が無責任であるという點で、修正または反對を唱えられた方もあるのであります。また經營者側の方も、この點については、ほとんど反對しておられるのであります。その點で、商工大臣が期待されますような、勞資双方からの勤勞意欲が高揚するということは、この法案に書いてあるような内容では不十分ではないか。國家管理をやるやらぬという問題ではなしに、この法案に書いてあるような形式では不十分ではないかと思うのでありますが、この點についてどうお考えになりますか。
#18
○水谷國務大臣 もちろん前田さんが申されましたように、一部の勞組におきましては、あくまでも國有國營を前提とした國家管理を主張いたしまして、ただいまあなた方に御審議をお願いしておるような案では不十分であるという意見が行われておることも、われわれは承知しております。しかしながら、現在の資本主義經濟機構のもとにおきましては、勞資が相對立しているときにおきましては、百パーセント勞働組合、あるいは勞働者の立場を代表することも間違いであり、また百パーセント經營者の立場を代表するわけにもまいりませんので、われわれはこの法案がいわゆる勞働者竝びに經營者の立場の上において、多少不徹底である。多少行き過ぎであるという批判の起るのは當然でありまして、われわれはその兩者のいわゆる要求あるいは兩者の希望、それを國家的の立場からどこに線を引くかというところに、このたびの國家管理のいわゆる苦心があるのであります。われわれはこのいわゆる現在の資本主義機構のもとにおけるこういう國家管理に對しまして、勞働者の一部からは、これは不徹底である。あるいは資本家の立場から言えば、多少の行き過ぎであるというような、いろいろの批評が起るのはむしろ當然のことである。このように考えております。
#19
○前田(正)委員 今のお話でありますが、現在の資本主義機構のもとにおいては、多少いろいろの意見が出るのはあたりまえである。こういうお話であります。もし現在の資本主義機構におきまして、多少いろいろの意見が出て、それが先ほど私が述べましたように、經營者は全面的に反對であり、勞働者でもこれに對する修正的の意見があるということになりますと、先ほど大臣が言われました百パーセントの半分以上のパーセンテージというものは、こういう資本主義機構のもとにおいて、こういう管理をやつては増産意欲があがらない。かえつて修正の意見をなす人が半分以上起つておる。こういう現在の資本主義機構におきまして、今ここに書いてあるような管理方式というものは、先ほどから述べますように、増産に最も必要である勤勞意欲の向上にならないと、私は思うのでありますが、この點どう考えていらつしやいますか。
#20
○水谷國務大臣 昔の戰爭中の東條軍閥の時代ならば、政府が一つの案を出せばそれがすぐ通るということであります。現在の民主主義の時代におきまして、こういう産業關係における重要法案が出ました場合において、經營者あるいは勞働組合、そういうようなものから、いろいろの批判が出るのは當然で、私はそれはむしろ喜ぶべき現象であると思つております。しかしこの新憲法のもとにおいて、國會がいわゆる最終の決定をした場合においては、贊否いずれの場合を問わず、その最終の決定に從つて現在の日本の經濟危機をば打開していくというところに、私は民主主義政治の行き方があると思うのであります。從つてわれわれはこういうような重要法案が出たのに對して、經營者は一言も言わず、いわゆる面從腹背、あるいは勞働組合の方も何らの意見も言わずに、そうして政府が出す法案がするすると通つて、通つた後に心からの協力が得られないというよりも、通るまでには勞資双方が激烈なる意見を闘わせて、それによつて國會が獨自の立場から最終の決定を下して、その最終の決定に勞資ともが從うということが、私はほんとうの心からの協力體制を得られる途であり、これが民主主義政治の行き方であり、これが私のゆるぎなき政治的信念であるというぐあいに、御了解願いたいと思います。
#21
○前田(正)委員 今のお話では、私まだ多少了解しにくいところは、現在の機構によりまして、こういう管理方式で勤勞意欲が向上できるというパーセンテージは非常に少いように思うのでありますが、その點はこの邊で論議をやめておきまして、次にこの増産及びそれに必要な資材、資金、こういうものに對しましては、先ほど來この管理案の御質問に對する御返答の中で、國家が責任を負い、商工大臣は政治上の責任をとる。こういうような御返答を聽いておるのであります。まことにその確信に對しましては、私も非常な贊成を表するものでありますが、しかしながら、私はこの法案に書いてあるような方式でいきますと、大臣だけの責任ではちよつとむずかしいのじやないか。實はこの法案の中に書いてありますように、監督上の命令及び指揮をする石炭廰の長官とか、あるいは石炭局長とか、こういつた方が實際にやられる行動というものが、實は現場の生産の毎日の仕事には非常に重大なる影響を及ぼしてくると思いますので、こういう方たちの責任に對する處罰とか、あるいは罰則とかいつたものは、何らこの法案には書いてないように思いますが、これをどういうようにお考えになつておりますか、お聽きしたい。
#22
○水谷國務大臣 これは前に早川さんの質問にもお答えしましたように、大體行政上の責任と社會上の責任とを述べたのでありまして、そして現在のこういうような政治傾向のもとにおいて、一番重い責任は、社會上の責任であるということを述べたような次第であります。從つてわれわれは商工大臣が國家管理において責任をもつ以上、行政上の責任の追究ということに對しては、私自身が政治上の責任を負わなくてはならない立場といたしまして、その私の監督のもとにおけるそういうような役人の責任に對しましては、行政上の責任を假借なく遂行していきたい。このように考えております。
#23
○前田(正)委員 ただいまの行政上の責任に對して大臣がおとりになることは、まことに結構であります。しかしながら、實はこれは管理の法案でありまして、國家管理というような企業の根本的な立場でなしに、日常の生産管理に携わつておりますので、それに伴いまして、そういう意味から炭鑛の管理者というような、事業經營者というような人々でなく、事業主というものでなしに、現實に生産に携わつておる人々にまで及ぼそうということがこれに盛られております。そうなつてまいりますと、石炭廰長官とか石炭局長とかいう人々のやられることは、非常に日常の生産に影響を及ぼしてきますので、それを大臣がまた取締るということでは、はなはだこれは生産管理の方式として私は不十分な點があると思うのでありますが、それに對しては、どういうお考えをもつておりますか。
#24
○水谷國務大臣 大體石炭廰の長官、あるいは石炭局長、過半數の石炭局員、これが民間人から出ることになります。そうしてそれらの方のいろいろ協力を得て運營することになるのでありますがゆえに、もし石炭局長なら石炭局長というものに對して、この石炭局長のもとでは生産の増強ができないとか、いろいろのことがあれば、それはあるいは全國炭鑛管理委員會、あるいは地方炭鑛管理委員會においても、當然議題となつて公式に取上げられましようし、さらにまたそういうような場合に議題にならなくても、直接商工大臣なんかの方へ具申されるような場合もあろうと思うのであります。ただこの際に一部で唱えられたように、こういうような石炭局長というものに對してはリコール制というものを適用したらどうかというような意見もございました。さらにまた彈劾權というようなものを確立する必要があるだろうという様な、いろいろの意見がございましたが、これは前に早川さんのときでしたか申しましたように、選擧によらずして商工大臣の任命によつて行われる。そういう場合におきまして、そういう制度が、はたしてできるかどうかということは、研究しておるような次第であります。さらにまた石炭局長の場合におきまして、さきに西田さんでありましたか、岡田さんの御質問に對してか答えたのでありますが、大體九州なら九州地方の石炭局長を選ぶ場合においては、勞資双方協議をして、納得のいけるような者を共同推薦でやつてもらう。それを初めて商工大臣が承認するということをお答えいたしましたが、その共同推薦をやつたところの經營者竝びに勞働組合の方では、この石炭局長は見込み違いであつた、ひとつかえてもらいたいということがあれば、商工大臣としては、それを認めるという含みもございますので、今前田さんから御指摘になられたように御心配は、そういう運用の面におきまして十分達することができるのではないか。このように考えております。
#25
○前田(正)委員 今の御話で運用の面におきまして、いろいろ行政處置というようなことが出ましたが、なるほど生産をやつていきますにおいては、それでまことに結構であると思うのでありますが、この法律が實はそういう毎日の行政的なことから發してくるいろんなものに對しまして、民間側の方々にま罰則を設けられている。これは非常に不穏當ではないかと私は思います。大體この生産というものに對しましては、先ほど來申しますように、生産意欲が上らなければならないと思うのでありますが、罰則をもつてして、はたしてこれに携わつている人に生産をしていこうという氣持ができてくるかどうかということは、非常に疑問であると思います。そういう助成して、根本的にこれをいろいろ指導していくというのが、政府の使命ではないかと思います。今のお話のように、官吏に對しては行政的な處分をする、それに從わない者に對しては、民間に對しては罰則をもつてする。こういうような行き方では、増産意欲を期待しようとしている御方針に、根本的に反するのではないかと思いますが、どうですか。
#26
○水谷國務大臣 その罰則の點に關しましては、これまで繰返して申し上げた通りでございまして、われわれはそういうことが適用されないことを、最後まで願うものであつて、いわゆる傳家の寶刀として、そういうものを規定したということは、繰返し述べてきた通りでございまして、そういう罰則によりまして威かすとか、あるいは云云するような考えは毛頭もつてはおらないのでございます。ただこういうような國家管理の場合、大體各國の例を調べましても、そういう規定は程度の違いはございまするが、皆行われておりまして、さらにまたその他の公團あるいはその他の法律においても、程度の違いはありますが、それらの規定がございますので、ひとりこの臨時石炭鑛業管理法案だけに、そういうようなものを認めたということではないのでございます。從いまして、われわれとしては、罰則の規定が不適當であるとか、あるいは重い輕いという議論はともかく、そういう規定が全然不必要だ、入れてはならないという御意見に對しては、以上述べたような立場から、遺憾ながら、贊成するわけにはいかない、このように考えております。
#27
○前田(正)委員 傳家の寶刀としての罰則という御意見ならば、やむを得ないと思いますが、それと同じことがこの行政官の方の石炭廳長官とか局長に、傳家の寶刀として抜かないけれども、こういうことを命ずる人の責任上、やはり必要であるとお考えにならないか、どうですか。
#28
○水谷國務大臣 その點に關しましては、これまでの御質問において答えてきたのでありまするが、もちろんこういうような石炭局長の場合においても、單に行政上の處分だけに止まらず、間違つたことをいたしますならば、刑法一般の規定にも關係するのでありまして、しかもまたそういうような石炭局長が、いろいろ間違つたことをいたしました場合においては、それは全部商工大臣が責任をもたなくては、ならないという立場にも置かれておりますので、いろいろ考えてみました結果、前申したような觀點に立つて、石炭局長に對して、あるいはその他石炭廰長官、あるいは石炭局員に對しましては、かような規定を盛らなかつたような次第であります。
#29
○前田(正)委員 ただいまの點につきましては、私はまだまだ官民という差があるという點につきまして、官民、それから勞資一體で増産をしなければならぬという點から言いまして、非常に私は了解しにくい點がありますが、この邊でこの問題はあとに讓りたいと思います。
 次に八月一日附の衆議院の皆さんが現地に行かれた報告書を讀ましていただきますと、その第十章に炭鑛國管に對する現地の意向として、勞資とも兩者共通の意見とされて、國管實施により資金、資材、生活物資等の補給状態がただちに好轉し得るや否や疑問がある、こういうような報告を、私どもはいただいとおります。この點につきまして、大臣はこの國管をやれば、かような管理方式で行けば、明確にこの疑問に對して、そういうことはないということをお答えできるかどうか、お聽きしたいと思います。
#30
○平井(富)政府委員 國管を實施する一つの理由として、資金、資材等の供給の圓滑ということにも役立ち得るということを考えておるのであります。その方法といたしましては、まず第一に考えなければならぬのは、資材計畫というものが、現在においても、大體安本の計畫を中心にして運行されておるわけであります。その際に設定されます計畫が、現地の生産と密著いたしました機關によつて設定されることが、現場の實情をそのまま資材計畫、資金計畫に織りこんでいくという點におきまして、從來の報告はとりますが、いわゆる推定も相當入れております。資材計畫、資金計畫よりも、一段と國の責任において、現場の實情を把握した計畫ということにおきまして、正確さは増しますと同時に、それが同時に資金計畫、資材計畫を設定する場合に、強力に主張されることを考えておるわけであります。これが第一段の効果であります。第二段は、これらの資材計畫、資金計畫を、いかに實施していくか、こういう問題になるわけであります。實施の面におきましても、現在資金等の借入につきましても、資金計畫が決定いたされ、それが現實に炭鑛に流れるまでには、相當いろいろの機關の手を經てやられるわけでありますが、これらの各種の機關が、國家管理によつて一つの現場の意見等が十分に盛りこまれた權威ある計畫ということになりますれば、その計畫に對する信頼性から、當然實施上の敏速さが、數段と生れ出てくるものではないか。たとえば資金の點につきましては、國管を實施して地方管理委員會等におきまして、資金計畫、資材計畫等を設定することに相なるのでありますが、復金のたとえば支部なら支部、各地方の支部というものが、やはりこの炭鑛管理委員會の設定する計畫と密著して、從來のように國が計畫を立ててきまる。また復金がそれをあるいは査定するというような意味の折衡は、省けてくるのではないかというふうに考えておるわけであります。
#31
○前田(正)委員 今のお話の生活必需物資のことは後に讓りまして、資材、資金のお話がありましたが、資金、資材が現物の報告に基いて把握しやすい、早急に計畫が立ちやすいというようなお話でありますが、後刻また伺いたいと思いますが、現在この會社の本社機構というものが、ある程度切離されてきますと、報告が集まりにくい。ところが過日來の質問に對する返答の經過を見ておりますと、九月の實情が十月になつてもわからないというようなことが、先ほど來報告にもあつたようでありますけれども、現在の官廰機構をもつていたしまして、國管をやつた方が現状を敏速に把握できるという點については、はなはだ疑問をもつものであります。なおその計畫面の實施については、非常に早くなるというようなことでありますが、この點につきましても、實はこの計畫を指令するまでの間には、非常に事務的な手續が、この管理案によりまして殖えてくると思つております。それは後ほど逐條的に殖える點を指摘したいと思つておりますが、實はそういう點で非常に殖えてまいりますので、資金、資材がはたしてただちに好轉し得るかという點については、はなはだ疑問があると思うのでありますが、そういう點に對しまして、今のお話では、事務官廰としては確信があるというお話でありますが、一應商工大臣からも、國營にした場合に、資金、資材がただちに解決し得るように事務の連絡を期し得るかどうか、御確信を伺いたいと思います。
#32
○水谷國務大臣 ただいまの問題に關しましては、平井局長からお答えした通りでございますが、おそらくその報告の趣旨というものは、國管をやれば、百パーセント資金、資材が解決することはできないという御趣旨ではないかと思うのでありますが、それは大體比較の問題でありまして、國管をやる場合とやらない場合と、資金、資材がはたしてどちらが流れるかどうかということの比較の問題であろうと思います。その點に關しましては、平井君がただいま申しました理由によりまして、われわれは國管をやらないよりも、國管をやつた方が、資金、資材の確保がより以上できるという考え方は變りはございません。
#33
○前田(正)委員 今のことは、ちよつと私の質問を間違つておるのではないかと思いますが、國管をやつたらただに好轉し得るか否かということではなくて、現状からよくなるかどうか。百パーセントの話をしておるわけではございません。そういう疑問をもつているということが、われわれ衆議院議員の同僚の方々が現地で調べられた報告であります。しかし大臣の今のお話によりますと、御確信があるようでありますから、この問題はこのままにおきまして、次に生活必需物資の問題でありますが、國管と生活必需物資の配給については、どういうような關連性があるか、その點について御確信を伺いたい思います。
#34
○渡邊(誠)政府委員 ただいまの御質問にお答えいたしたいと思います。現在生活必需物資の中に政府が補給の數量をきめて――たとえば主食のごとくきめまして炭鑛に供給しておるものと、炭鑛自身の力によつてかち得ている物資と、二種類あるわけでございまして、國家管理にされました場合に、政府が供給を援助し、あるいは數量を規定して直接供給いたしておりますものについては、一層明確になつてぐあいよくなるという確信をもつております。なお現在炭鑛自身の力によりまして獲得いたしております物資につきまして、政府の方でめんどうを見る、あるいは力を入れる方がいいという部面については、もちろん政府が管理をしておる以上、一層ぐあいよくできるように思いますが、炭鑛自身の力によつて直接とる方が都合がいいということを別に妨げるものではなく、從來通り炭鑛の力によつて獲得できるというふうに考えております。
#35
○前田(正)委員 ただいまの點については、私は非常に疑問をもつておるのであります。しかしながら、政府のお考えがそうであるならばそれにしておきますが、實は現在の實情におきましては、政府からのいろいろな配給その他だけではなく、炭鑛の現状として、いろいろ時宜に適した處置をしなければならぬことも相當あるのではないかと思いますが、これは今申しました管理方式で計畫に對する許可、そういうもので一々縛られ、しかも生産協議會で一々會議を開いてやつていかなければならぬということでは、炭鑛自身で賄うものに對しては、時宜に適した處置がとりにくいのではないか。はたして生活必需物資等が十分はいつてくる見込みがあるかどうか、非常に疑問をもちますが、どうでありますか。
#36
○渡邊(誠)政府委員 ただいまの點は、現在でも炭鑛では生活物資委員會とか、あるいは物資配給委員會というものがございまして、勞働組合の代表者經營側の方の職員とが一諸になつて、全力をあげて必需物資の獲得をやつておるのでございますから、國家管理をされたがために、それがマイナスになることは、別に考え得られないのでございます。
#37
○前田(正)委員 この點は、私は生産協議會の性格から、あるいは計畫に對する指令であるとか、こういつた點において、まだ多少その點に非常に疑問がありますが、この點はまた後ほどに讓りますけれども、そういうふうなものは、かえつて非能率的であるように思いますが、生活必需物資についてはこの程度に止めまして、先ほどの資金資材について、政府としては確信があるようなお話でありますが、來年度の三千三百萬トンの分に對するこの間からの御質問の中で現在政府の中で安本と折衡中であるというお話がありましたが、私は少くとも來年度の計畫を三千三百萬トンとされて、そうしてこれに資金、資材を流していかなければ、各炭鑛に對してどれだけの資金、資材が出ていくのだという細かいことがなければ、この法案に書いてあるような、炭鑛自身企業計畫を立てることができないのではないか。資金、資材が現金としていくらもらえるとか、もらつた切符はいくら現物化するとか、それがいつまでにもらえるとかいうことが明らかにならなければ、こういう計畫的な生産方式はできないのではないかと思います。これに對する先ほどからの御返事は、まだ現在安本と交渉中である――これは日本の現状としてはもつともでありますが、現在のような生産状態においては、來年度の豫算のものがどの山にどれだけいくということは、そこまで日本の計畫經濟ができておるとは思いません。從つてまだ交渉中であるという規状でありながら、一方この法案に書いてあります管理方式は、まことに計畫的な經濟を實行していくお考えのようでありますが、そういうことは現實に矛盾しておる。こういうような企業計畫自身は立たないと思いますが、どうでありますか。
#38
○平井(富)政府委員 來年度の三千三百萬トンに必要とします資金、資材の計畫について、現在安本と折衡中でありまして、安本としても三千三百萬トンに必要な資金、資材の具體的な額は檢討を續けておるわけであります。實際問題としまして、年間の計畫を立てまして、それが具體的に第一・四半期、第二・四半期というように、毎四半期別の計畫が設定されます場合には、また年間の計畫に準據いたしまして、さらに詳細な具體的な資料で逐次これを實際に近いものに、あるいは殖やしあるいは減し、適宜調整を行つていくわけであります。私の申し上げましたのは、四半期別の計畫等が、この國家管理の進行に判いまして、從來よりも一層正確なものに成長していくというふうに考えておるわけであります。
#39
○前田(正)委員 この點につきましては、實は私は企業計畫の項目の點について、もう一度よくお尋ねいたしたいと思つております。時間的に言つていつ現物化されるかわからないのに、企業計畫を立てるということをやつておつては、現實に炭鑛の管理者はやれないと思います。これは後ほどまたあらためて質問さしていただきますから、よく御答辯の方を考えておいていただきたいと思います。
 次に増炭に對して、政府から一應石炭増産對策要綱が發表されておりますが、勞資ともこの問題については贊成であるということは、先ほど大臣からも御説明の通りでありまして、私もこの案に對しては、非常に贊成いたしております。つきましては、この對策を早く効果的に行うことに、私たち國會も政府も、あるいは民間も、勞資ともにみんなで協力すべきではないかと思うのであります。ところがこの對策を行うについて、私たちは協議すべきであるにかかわらず、ここに經營權の移管という問題が出てきまして、私たちはこれの論議を盡し、あるいは勞資ともこれについての論議に日を送つておりますが、はたしてこれはどちらを先にやらなければならぬかということに對して、大臣の御説明を承りたいと思います。
#40
○水谷國務大臣 この非常増産對策は、國管と別個の問題でありまして、ただちに著手せねばならない問題であると考えております。
#41
○前田(正)委員 もしこれが別個の問題であるといたしますれば、この對策を行うについて、勞資が協力することに、われわれは努力すべきではないかと思います。經營權の移管は、實效があがつてからでいいのではないかと思います。もしこの法案と緊急對策との間に關連があるというならば、どういう點について、この管理方式が必要になつてくるか。こういうような管理方式はなくても、この對策は行われるということならば、私たちは經營權の移管の問題をあとにして、この問題に先に進んでいくべきではないかと思いますが、どうでありますか。
#42
○水谷國務大臣 前田君の言われる經營權の移管とはどういうことですか。
#43
○前田(正)委員 現在の臨時石炭鑛業管理法案という法案であります。
#44
○水谷國務大臣 それは經營權の移管というようなものはありません。經營形態は原則として變更しないのでありますから、そういうものはありません。
#45
○前田(正)委員 經營權は移管しないというお考えのようでありますが、私から見ると、實はこれは經營權の移管になると思うのであります。しからばこの對策の實施の方が先決問題であると思うのでありますが、この對策と法案とは全然別個であるというお話であります。從つて、この法案を出すについて、私たちは現在の國會においても、あるいは勞資双方においても、いろいろとこのために論議に日を送つておるようでありますが、そういうことが必要であるか、あるいはまたこの論議を一應中止して、對策の方をみんなで先に協力してやつていくべきかどうか。これはどちらの方が増産になるとお思いになりますか。
#46
○水谷國務大臣 石炭増産に對しては、ペニシリンのような特效藥や即效藥はないのでありまして、あの手この手の手段を費さなければ、なかなか石炭の増産はできません。從つて、この非常増産對策を強力にやつていくことも必要であり、また國家管理を施行することも必要でありまして、あらゆる手を使つて、石炭の増産をやつていきたい、このように考えております。
#47
○前田(正)委員 その點は同時に論議すれば、まことに結構であると思いますが、大臣も現在の日本の石炭事情、あるいはわれわれの現状というものはよく御存じと思います。勞資がはたしてこの非常増産對策のために、ほんとうに日夜努力しておるか、あるいはわれわれ國會がそれに努力しておるかと言えば、そうではなしに、この國管案についてお互いに論議して、それがために精力を使つておるのであります。こういうものがお互いに兩立し得るかどうか、よく現状を見ていただきましたならば、おわかりになると思うのでありますが、どうでありますか。
#48
○水谷國務大臣 この臨時石炭鑛業管理法案に對して、いろいろの意見があることは、前田さんの御指摘の通り、私もよく知つております。經營者の方が、現地における非常に重大なるお仕事があるにかかわらず、東京へ來ておられることが、生産の増強にはいい影響を與えないということもよく知つております。しかしながら、先にも繰返して申しましたように、そういうことは、この法案ができるまでのことであります。この法案に對していろいろの論議が重ねられ、國家意思の最終決定機關がきめたならば、私はこれに服從していくということでありまして、もし前田さんのような論議を推し進めていくと、國會も別に政府と反對黨は要らない、一緒に仲よくやつていけばいいということになるのでありまして、これは兩々相切磋琢磨してやつていくというところに進歩があると私は考えております。
#49
○前田(正)委員 その最後の問題はまた別にいたしまして、本案ができるまでの論議であるというお話でありますけれども、現在の日本自身は、石炭が一トンでも欲しいのであります。しかも本年は三千萬トンという目標をもつておりますが、この目標通りに生産ができているとは思われませんのに、この本案ができるまでの間何箇月間というものは、實にむだな努力が勞資双方によつて拂われることになります。先ほどの大臣の御説明では、經營者の人たちだけ上京しているようでありますが、勞働者も來ているのであります。この人たちがこういうことにむだな努力を使わずに、勞資双方ともに贊成して、この對策の方を行うべく努力すべきではないかと思いますが、どうでありましようか。
#50
○水谷國務大臣 七月一日、片山總理が施救方針の演説で、石炭に對しては國家管理の斷行をやるということを言われました。それから前田君の御心配のような、石炭の生産は少しも落ちておりません。七、八、九月みな生産が上まわつておるような状態であります。この問題のために、勞資双方が責任者としていろいろ御心配になることはごもつともです。またお互いに論議されることも、ごもつともでありますが、そのために生産が前田さんのおつしやるようにがた落ちになつておるとか何とかいうことはございません。勞働者の方も生産者の方も、論議はするが、することはするという立場の上に立たれて、七、八、九月というものは生産が増強しております。從つて、この國家管理の問題に對して意見が一致しておらない最中においても、このくらいの生産の増強ができますから、もし國會において最終決定ができて意見が一致しましたときには、生産の増強は期して待つべきものがあると考えております。
#51
○前田(正)委員 今のお話ではなるほど七、八、九月は毎月向上しておるようであります。われわれの一番初めの委員會で、石炭復興會議の勞資双方から、増産運動を展開するのだというお話を聽きまして、その御苦心を私は非常に涙ぐましく感じたのであります。ところがその後の經過から、生産はたしかにあがつておりますけれども、これで三千萬トンが必ずできるかどうかという問題であります。たとえ三千萬トンできましても、私たちに一トンでも二トンでも石炭が必要である今日、三千萬トンできたからこれでいいのだということではないことは、よくおわかりと思います。つきましては、勞資双方がこういうところに出ているより山におつた方が、一トンでも二トンでもよけいできるのではないか、これが事實だと私は思いますが、どうでありましようか。
#52
○水谷國務大臣 それはこれまで繰返して申し上げた通りでありまして、こういう法案が出る場合に、ある程度意見が戰わされるということは必要であろうと思います。ここに植原さんもおられますので、戰爭時分の議會政治をよく御存じであろうと思いますが、ああいう場合には、どんな法案が出ても、議會にも論議され、贊成反對がないのがいいか、それとも現在のように一つの法案が出て贊否兩論にわかれて、そして一たび國會が決定すれば、それに對して釋然として贊成反對論者がそれに服していくということは、どちらがよいかということは、植原さんも十分了解してくださることと思います。
#53
○前田(正)委員 なるほど今のお話で、この法案に對して贊否兩論を現わすのはまことに結構でありますが、私はその時期が問題だと思う。この法案について、管理委員會とか、經營協議會の問題について、あるいはいろんな問題についていろいろと私も考えておりますが、しかし私はそういうことを申し述べておるのではなしに、この法案自身が能率的であるか、時宜に適しておるかということであります。私たちは今一トンでもよけいの石炭を掘らなければならぬというのに、かえつて減産になるのじやないか。私は今ここに出ております非常増産對策を一刻も早く、一日も早く實施しなければならぬことだと思います。またこれは勞資とも御贊成だと思いますし、私たちも全幅をあげて贊成いたしておるのであります。でありますから、これを一日も早く實施して増産の實效があがり、ある程度日本の經濟に餘裕ができてから、こういう管理方式を考えてもよいのではないかと思うのであります。これがために勞資が職場を離れておることは一刻もならぬと思います。もちろんこの方式に對しまして、私は戰爭中のように、贊否兩論を闘かわさねというやり方はけしからぬと思いますから、根本的に私たちは國家管理の問題について、いろいろとその形態とか時期につきまして、大いに論議いたしたいと思つておりますが、しかしながら、現在といたしましては、日本の現状といたしましては、一トンでもよけいに石炭を早く出す。しかもそれに對する政府の方針を示されて、私たちも、勞資ともみな贊成しておることは明らかでありますから、これを早急にやることが必要だと思いますが、どうでありましようか。
#54
○水谷國務大臣 この問題は前田さん自身も數次繰返し、私もこれまで繰返しておるので、あるいはこれ以上私が何遍誠意を披瀝して御説明申し上げても御納得いただけぬかもしれませんが、石炭の増産は前田さんが言われるように、今日も大事です。今日も一塊の石炭を出すのも大事であるが、さらに二年、三年、五年の向うを考えて、恆久的な増産をはかることも大事なのであります。われわれはいわゆるその急場をどうしていくか、さらにまた二年、三年、五年の先をどうしていくかということを考えて、ここに臨時石炭鑛管理法案と、さらにまたこの度マツカーサー元帥の書簡に應えて内閣が決定いたしましたあの非常増産對策要綱を掲げて、急場も石炭をよけい出す。さらに二年、三年、四年、五年先には、また石炭をよけい出していくという二本建の立場から、こういう案を出しておるのでございます。この點はひとつさよう御了承を願いたいと思う次第であります。
#55
○前田(正)委員 これは今私はこのマツカーサー元帥の手紙を參照しようと思わなかつたのでありますが、今大臣から言われましたから參照したのであります。この問題に對するこの手紙の最後の方を見てみますと、「政府は必要かつ可能なるあらゆる手段を講じなければならない。政府は最大限の熱意と決意をもつて、次のごとき手段によつて、あらゆる角度から本問題をとり上げなければならぬ。」こういうふうに書いてあると思います。私はこれがまず第一問題じやないかと思うのであります。手紙の内容におきましては、今の大臣のお話とは大分違うと思うのでありますが、私はしかもこの問題は非常に重大なる問題であると思いますので、この法案が時期的にはたして今提出するのがいいかどうかという問題にかかつてくると思うのであります。はなはだしつこいようでありますが、私は今手紙の引用がありましたから、その手紙の解釋に對する點から、もう一遍質問さしていただきます。
#56
○水谷國務大臣 手紙の内容は、あなたが今お讀みになつた通りであります。その解釋は遺憾ながらあなたと私とは違つております。
#57
○前田(正)委員 それではこの問題はこれで打切ります。勞働能率の尚上、また作業條件の合理化は、これからの日本産業のためには、ぜひとも必要なことであります。これがためには、技術的な向上であるとか、改善であるとか、こういうところに問題はありますが、これはいつやるかということであります。これを實際にやる人はだれか、今までの炭鑛の經驗者、あるいは生産の經驗者がこれをやらなければならぬと思うのであります。ところがこの法案を讀んでみると、そういう人たちは現場を離れ、會議に日を送らなければならぬ。第一計畫を立てるにしても、一一會議の承認を得なければできない。しかもこれは非常に勞資對立的な措置をせられておる。私は今までの經驗から見て、相當勞資が對立しておるように思うのであります。そのため相當の日子を要する。私は自分の經驗で、作業の合理化をやらなければならぬと思つておるときに、こういう人が現場を離れて會議で日を送ることが、はたして生産的であるかどうか、この點をまず伺いたいと思います。
#58
○平井(富)政府委員 この管理方式において、實際山に働く勞務者あるいは技術者、經營者等が、管理委員會、あるいは生産協議會等の會議で日を暮していくのではないかというお話であります。生産協議會の性格は、商工大臣からるる申し上げておりますように、結局全山一致して一つの計畫を設定して、その共同の責任で遂行する、こういう態勢に基礎ずけるものでありまして、會議にかける勞力と、その會議によつて得られた成果と、これらの天秤の問題だと考えます。それから地方炭鑛管理委員會は、この炭鑛自體の資材資金を決定する重要な會議であります。從つて經驗者がこれに出席いたしまして、十分に國の設定いたしまする資材計畫であるとかいうものを適正にすることが、ただちに鑛山生産状況を好轉させる途である。かように考えておる次第であります。
#59
○前田(正)委員 その問題は天秤の問題でありますけれども、今のは天秤というだけではなくて、こういうような體制のために、現場の人が現場を離れるのが増産ができる管理方式であるかどうか、それに對してどちらが天秤として效果があるかどうかということについて、あなたの御返事を承りたい。
#60
○平井(富)政府委員 生産協議會にしても、管理委員會にいたしましても、一つの炭鑛經營というものを、國の行政とも密接させまして、そこに國家の計畫、炭鑛の計畫ということにいたしますことが、増産し得る途であると考えておるわけであります。
#61
○前田(正)委員 その點につきましては、私ははなはだ議論があるのでありますが、先きに讓つて、次に對策要綱の中に書いてある職場規律を確立することは、まことに必要なことであると思うのであります。ところが職場規律の確立は、各鑛山の現場においては、職制というものが從來からあるのではないかと思います。その職制に對するおのおのの人の配置方は、その人の採鑛力とか經驗によつて、おのおの適當の人を配しておる。それだからこそ初めて山の運營ができていくのではないかと考えます。こういう職制を得ることが能率的であり合理的であると思うのであります。この法案を讀んでみますと、あまり管理の經驗者、採鑛の經驗者でない方が會議に出ましても、各鑛山の管理權の一部である重要なる問題を審議することは、能率的に下つてくるのではないかと思います。勞働協約などによつて、經營協議會その他によつて、勞働問題その他について、十分に審議する機關があるわけでありますから、この經營の一番重大なる生産協議會をもつて、この山の職責と職制を活用しないで、別の未經驗者の人がこれをおやりになる。あるいは未經驗者だけではなくて、經驗者もおはいりになるが、そういうところに決定權が委ねられておることは、ほんとうに能率的な管理方式であるか、また職場規律の確立と矛盾しないかどうか、この點について伺いたいと思います。
#62
○平井(富)政府委員 職場規律の確立につきましては、現在就業規則等を制定いたしまして、職場規律の振肅をはかつていくというように考えておるわけであります。これは一つの經營をやります上において、經營自體において就業規則ができて、それによつて指揮を受けていくことは必要であろう。これは絶對に必要であると考えます。但し業務計畫全體につきまして、山のそれぞれの勞働者の部門、それぞれ職場の者、それがさらに一つの經營面から出た計畫というものに對して檢討を加えて、それに全幅の信頼を置いて、一切の生産に當つていくということも、また必要であろうと考えておるわけであります。
#63
○前田(正)委員 今のお話の職場規律の確立については、まことにその通りかもわかりませんが、私の今考えておる職場規律は、本法案に關係しておる職場の話をしておる。炭鑛の管理者、すなわち部長とか課長とかいう人は、管理に對する職責をもつておるわけであります。その職責と、こここに書いてあります生産協議會のいろいろの決定權と相矛盾するようなことになつてくると思うのですが、どうでしようか。
#64
○水谷國務大臣 ただいまのお話ですが、これは勞働組合を法的に確認し、そして經營協議會というもので山の運營をやつていくという現状におきましては、ただいま前田さんがおつしやるようなことは、私は非常に相反した考え方ではないかと思います。職場規律というものは、戰爭時分のように、上から憲兵政治のバツクで一本に專制的に通していかなければ職場規律は保てぬというものではないのでありまして、現在のような時勢には、どういうふうにして職場規律を保つていくか。ただ現在職場規律の遺憾な點は、戰爭時分のああいうような專制的な職場規律と、終戰後の一部行き過ぎたる勞働運動によつて釀された職場規律の弛緩という過渡期がある程度ありまして、いろいろ御心配をかけたことと思いますが、それは月日の經つに從つて、徐々に囘復されてきておりまして、われわれはやはり勞働組合を法的に確認し、經營協議會で山の運營をやつてきたという場合においての職場規律というものは、この法案に盛られておるような生産協議會を通じてやるのが一番適當した方式である、このように考えております。
#65
○前田(正)委員 今のお話のように經營協議會を認めておるということは、まことに私もその通りと思います。現在において勞働協約、經營協議會をぜひとも活用していきたいと思います。ところがその經營協議會の性貿と、生産協議會の性質は、大分私は違うと思います。この山の職場規律を確立しようといいましても、山の職場規律を確立するためには、その山に應じた職制を活用していかなければなりません。その職制の中心になつておるものは、炭鑛の管理者である。またそれに伴つてくる部課長以下のいろいろな職制問題があるわけであります。その人たちのやろうとしておる實務は、經營協議會とはもちろん相反するようなことはありませんが、ことに書いてある生産協議會とは、多少食い違いができてくるのではないかと思います。實際この仕事をやつていこうということになりましたときに、いろいろ表面的な計畫とか運營だけでは、實際に資材資金等も十分にはいつてこない。從つて管理者の方々がどうしても自分の職責に應じた範圍内でいろいろに仕事をしていかなければならぬ、適宜な處置をとつていかなければならぬと思うのであります。それは經營協議會の場合においては、別に相反することではないと思います。しかしこの法案に書いてあるような生産協議會になつてまいりますと、私はその議を經なければならないことになつてくると思いますが、どうでしようか。
#66
○水谷國務大臣 經營協議會は大體分配問題を中心にして運營され、生産協議會は生産増強を中心にして運營される。從つて生産協議會に經營協議會をレべル・アツプさすことによつて、三位一體となつて協力態勢ができるというのが、私の考えであります。
#67
○前田(正)委員 その點は私が今申しました職場規律の確立という要綱と、それから經營協議會を生産協議會までもつていこうとした氣持と、相反してくるのではないかと私は思うのであります。經營協議會を生産協議會にまでもつていかれたならば、このために行うところの、職場規律の確立の根本をなしておるところの炭鑛の管理者の職責というものが、十分に果し得るかどうか、この點が私は先ほど來申しましたように、現状においてはそれが許可を得ただけの範圍の仕事しかできないと思うのであります。私は經營に對してお互い勞資協力してもらうためには、經營協議會で結構である。それをなぜ生産協議會までレベル・アツプしていくことを認めるか。職場規律の確立というものに對し、炭鑛管理者のもつておる職責というものが、生産協議會のために制限されてきて、仕事がしにくくなつてくる、そういうように思うのでありますが、どうでございますか。
#68
○水谷國務大臣 もう少し臨時石炭鑛業管理法案をお讀み願うと結構なんですが、生産協議會というものは、そういうこまかいことをきめるということになつておりません。これは一般的な基本的なことをきめるということなんです。ところが前田さんの今のお考え方は、生産協議會はこまかいすみのすみまできめて、現場管理者とかそういうものを拘束するというふうにお讀みになつておるのですが、これは私は非常に遺憾であると思う。生産協議會というものは、きわめて荒筋の基本的な問題を定めるに止まつておるのでございまして、前田さんが繰返し繰返し言われておるような御心配というものは、私は御無用である。このように考えております。
#69
○前田(正)委員 ただいまのお話でありますが、私もこの法案はよく讀ましていただきまして、私の率直なる意見を述べておるのであります。しかしながら、今こまかいことまでは規定されてないということでありますけれども、生産協議會の議を經たことは指令になつて出てくる。その後ろには先ほど申したような罰則がついている。こういうことになりますと、商工大臣の言われるような、そういうこまかいことまで影響してこないというふうには、私は思わないのであります。これは實際にやろうと思われる管理者自身が、非常に行動の自由を束縛されてくるのじやないかと思うのであります。自分の職責の範圍で、ある程度やりたいと思うことに對しても、どうしてもそこに一つの制限されたものができてきまして、適宜な處置がやりにくくなつてくるのじやないかと思うのでありますが、どうでございましようか。
#70
○水谷國務大臣 その點に關しましては、ただいま私が申し述べました通りでありまして、まつたく前田さんと御意見が一致しないことを、きわめて遺憾に存ずるのでございます。われわれといたしましては、やはりその生産協議會におきましては、大筋をきめまして、お互いに勞働者あるいは經營者側におにても責任をもたして、その責任を當事者双方がもつたその大筋に從つて、現場管理者がやつていくという方が、ほんとうに現場管理者の立場からやりいいのでありまして、ここに私は全山一致の態勢が生れるのじやないか、このように考えておりまして、この點は遺憾ながら前田さんとは反對の解釋でございますが、私は私の解釋の方が正しいのではないか、このように考えております。
#71
○前田(正)委員 その點は見解の違いでありますけれども、そういう勞資協力を得るということは、私は經營協議會というものは、それがためにあるのじやないか、勞働協約というものは、それがためにあるのじやないかと思つております。しかしその點につきまして、なおつつこんでおりましても、見解の相違だというお話でありますから、その邊でやめますが、實はこの計畫があつて、いろいろと論議しておりますが、實際になかなかむずかしいから。これができないときには前年度の計畫をもつてまつていこう、前年度の計畫を踏襲するというふうに、この法案に書いてあります。とこがろ前年度の計畫を踏襲することは、はなはだ結構のようでありますけれども、私は前年度の計畫自身が改善しなければならないと、勞資とも思つておつても、それがやはり案がまとまらない。そういうふうな意見がまとまつてこないから、仕方なしに前年度の計畫を行つておる。こういうことは、實際増産のためには不十分である。それはなぜであるかと申しますと、やはりそういう管理者の職務というものは、經營協議會を經なければならぬというような問題が出てきて、どうしてもお互いに勞資とも改善というようなことを思つておつても、前年度の計畫をそのまま踏襲していかなければならぬ、こういうことでは、私は増産にならぬと思いますが、どうでしようか。
#72
○水谷國務大臣 その點でありますが、前田さんの御質問は原案執行のことと思うのですが、これは理論としては非常に論議される問題であります。しかし運用面におきましては、時間のづれというものほとんどないじやないか。大體生産計畫は御案内のように、石炭局長がその山に指示いたしまして、その指示に基きまして、そういうことが行われるから、石炭局長はその推移に鑑みて裁定を求められたときには、ほとんど時間のずれなしに裁定をやることになつておりますので、前年度の踏襲が一月以上も二月も三月もなされていかなくてはならぬというならば、前田さんのごときお議論が出ますけれども、これは實際上の問題といたしますれば、そういう御心配はないのでありまして、ほんの二、三日の問題だけで、生産に對しては何らの影響を與えないものである。このように私らは解釋しております。
#73
○前田(正)委員 その問題につきましては、二、三日だけというようなお話でありますが、私が今まで實際民間で働いてきた經驗から申しまして、官吏のおやりになつたことを言つては濟まぬけれども、二、三日くらいのことでは、そういうふうなことはできない、何箇月かの時日を要するということは、私は自分の體驗から、そう思つておるのであります。今の日本の現状は、スピード・アツプしてやつておりません。從つてその間の時間的なずれというものは……。
#74
○伊藤委員長 靜肅に願います。
#75
○前田(正)委員 何箇月かは確かにかかると思うのであります。そういう點につきましては、もう少しお考えを願いたいと思います。理事會があるというお話ですから、大體この邊でやめます。
#76
○伊藤委員長 本日の會議はこの程度で散會することといたします。
   午後零時二十四分散會
ソース: 国立国会図書館
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