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1947/11/01 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第27号
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1947/11/01 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第27号

#1
第001回国会 鉱工業委員会 第27号
昭和二十二年十一月一日(土曜日)
    午前十時四十七分開議
 出席委員
   委員長 伊藤卯四郎君
   理事 大矢 省三君 理事 岡田 春夫君
   理事生悦住貞太郎君 理事 澁谷雄太郎君
      今澄  勇君    衞藤  速君
      金野 定吉君    松本 七郎君
      萬田 五郎君    村尾 薩男君
      生越 三郎君    岡部 得三君
      庄  忠人君    長尾 達生君
      西田 隆男君    三好 竹勇君
      有田 二郎君    神田  博君
      深津玉一郎君    淵上房太郎君
      前田 正男君    高倉 定助君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
 出席政府委員
        商工事務官   渡邊  誠君
        商工事務官   平井富三郎君
        商工事務官   石坂善五郎君
 委員外の出席者
        專門調査員   谷崎  明君
        專門調査員   保科 治朗君
    ―――――――――――――
十月三十一日
 新庄町に國立亞炭研究所設置の請願(圖司安正
 君外三名紹介)(第一〇三〇號)
 東北地方鐵鋼振興に關する請願(海野三朗君紹
 介)(第一〇四〇號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 臨時石炭鑛業管理法案(内閣提出)(第六四
 號)
    ―――――――――――――
#2
○伊藤委員長 これより會議を開きます。
 前會に引續き臨時石炭鑛業管理法案を議題とし、質疑を繼續いたします。この際委員諸君の御了解を願つておきたいのは、前會をもつて一通り各黨代表質疑は終了いたしましたから、本日以後の質疑について、理事諸君と打合せいたしました結果、質疑の順位は政黨順とし、日本社會黨、民主黨、日本自由黨を二まわりしたとき國民協同黨ということとし、その際小會派の發言をあらためて決定するということといたしました。各委員諸君の質疑の時間は、委員全體の審議權を尊重して、その含みの上で行うことと相なつておるのであります。以上を御了解を得、一層御精勵のほどを願つておきたいと思います。それでは疑質を許します。生悦住貞太郎君。
#3
○生悦住委員 過日來より各黨からの代表質問は、一應一順はいたしましたが、質問の論點は、大體において同一方向に向つているのであります。この點においては、伊藤委員長より注意がありまして、なるべく重複質問にわたらないようにとのことでありますが、政府側の御答辯が釋然としないため、再三同一箇所の質問が發せられるのではないかと思うのであります。そこで私もまたなるべく重複しないように質問いたしたいので、その趣旨に從つてやるつもりではありますが、過般わが黨の西田君の質問に對して御答辯がありましたが、私どもの納得のいかない點について、さらにお尋ねいたしたいこともありますので、お許しを願いたいのであります。
 商工大臣の本法案に對する最近の御答辯は、實に躍如たるものがあり、非常に御明快に、かつ多少自信のない強がりも、たまには拜聽いたしますので、抑揚があつて結構だとは思いますが、元來私は非常に頭の惡い方でありますので、なるべくわかりやすい言葉でお答えくださいますよう、特に商工大臣に懇願いたします。そうして誠に恐縮ですが、坊主の頭や、きのうのバイブル等の形容詞は、私の場合あまり必要といたしませんから、率直にお答えを願いたいのであります。まず第一に、臨時石炭鑛業管理法案を通過させることによつて増産となるか、ならないかの問題について、商工大臣は、國會の最終決定を見た曉は、企業者も勞働者も心から協力してくれるものと思つている、との御答辯でありますが、私はそんなに簡単なものでないと思います。去る十三日より向う四日間にわたりました公聽會においても、勞資はまつたく完全に對立をいたしております。世論必ずしも水谷商工大臣の言わるるごとく、我田引水的な解釋はできないと思います。現内閣成立以來、いち早くこの國管問題を取上げ、安本案、商工省案、民主黨案、本案等々、幾變轉の今日、半歳近い日子を經過いたしまして、なぜこの長い期間において、勞資双方の對立関係を、政府は積極的に誠意をもつて解決に乘出してくれなかつたのでありましようか。これほど重大な問題をよそに、商工大臣は黨勢擴張に遊説し、あるいは九州方面の炭鑛へ視察されても、勞働組合の方々とは膝を交えて懇談をするが、事業主とは話合わない。先日この點について西田委員の質問に答えて、私は故意に懇談しなかつたのではない、懇談するの機會を與えてくれさえすれば、喜んで會見するのであると。何という無責任な御答辯でしようか。私は與黨の一員です。私たちの水谷商工大臣を決して誹謗いたくはありません。また増産になる國管法ならば、私ども萬難を排してあなた方に協力を惜しむものでは決してないのであります。しかし今の原案では、遺憾ながら全面的な協力は、絶對不可能であることを、はつきり申し上げておきます。なお本法案成立後、所期の成績をあげるに至らざるときの責任は、一國の商工大臣みずから、その責任を負うものであると言明されましたことは、まことに重大なる發言である。水谷さん自身の主観から言えば、まつたくその通りであると思いますが、率直に私どもに言わしむれば、大臣の一人や二人がおやめになつても、石炭の増産ができないで、基礎産業復興の目的達成の及ばざることの方が重大事なのであります。はなはだ失禮なことを申しまして、まつたく申譯がありませんが、これというのも、何とかして眞にこの増産だと納得のいく御答辯をいただきたいと念願するものにほかならないからであります。どうかこの意味におきまして、的確な御答辯を希う次第であります。
 一、新鑛開發計畫も石炭五箇年計畫も、これは計畫にあらずして計畫目標にあらずや。
 一、二十三年度出炭計畫を三千三百萬トンと勝手にきめているが、最小限度三千五百萬トン確保せざれば國管の必要なしと思うがいかん。
 一、資金関係については、一應商工大臣の御答辯によつて見込みが立つたように思うが、資材について十分な自信があるように受取れぬが、この點いかん。
 一、科學技術の動員方策いかん。
 一、石炭カロリー責任制の方途いかん。
 一、二十二年度内四千萬トンを確保し、本法案解除の意思なきや。
 右六項目にわたる質問と、ほかに商工大臣は本法案にイデオロギツンユなにおいのするものは全然ないと言われるが、黨勢擴張にわたる質問に際し、さいわいに滿足なる御答辯を得ることができますならば、喜んで私ども賛成協力するものであることをお誓いするものであります。そこでまず新坑開發計畫も、石炭五箇年計畫もこれは計畫にあらずして、計畫目標ではないのか。こういうことに對して、水谷商工大臣の御答辯をお願いします。
#4
○水谷國務大臣 私はこの法案に對しまして、終始一貫政府、經營者竝びに勞働者の三位一體の協力態勢を唱えておる關係上、この法案成立にあたりましては、できるだけ勞資双方の圓滿なる了解を得たいと種々努力いたしましたが、私の努力の足らない點か、あるいは政府の誠意の足らざる點か、遂にその努力がある程度失敗に歸したことは、これは、言までもございません。しかしながら、その努力の失敗に歸したということは、私は率直に申しますが、私一人の責任では斷じてない。このように思つております。さらに申し上げますが、今の五箇年計畫案竝びに二十三年度、これは…。
#5
○生悦住委員 ちよつと待つてください。一つ一つきりをつけて言つていただきますように。まず新坑開發計畫も、石炭五箇年計畫も、これは計畫にあらずして、計畫目標でなかつたのかという質問に對して、はつきり御答辯を願いたいのであります。
#6
○水谷國務大臣 新坑開發計畫、石炭五箇年計畫というものは、これは計畫にあらずして計畫の目標にあらずやという御質問でありますが、その五箇年計畫の一部は計畫であり、一部は目標であるということは、これは五箇年計畫の性格上當然であり得るべきことであろうと思います。これは淵上さんのときにも申したのであのますが、いかなる國の五箇年計畫、四箇年計畫と申しましても、最初の計畫の達成に、また次年度の計畫が賽の河原の小石のように積み重ねられていくのでありますがゆえに、最初のときはつきりした計畫というものは立ちません。すなわち初年度は計畫であり、次年度以下は計畫の目標という點は、ある程度これはやむを得ないものであろうと思います。さらにまた新坑の開發におきましても、初年度は計畫であり、あるいはそれ以後は計畫の目標という度合が相當強いということは、これはやむを得ないものである。このように御了察を願いたいと思います。
#7
○生悦住委員 それでよくわかりましたが、この間中聽いておりますと、全部が計畫かのように言つておりますが、そういうふうに率直にお答えを願う方が非常に結構だと思います。
 その次に二十三年度の出炭計畫を三千三百萬トンと勝手にきめているが、最小限度三千五百萬トンを確保しなければ、國管の必要なしと思いますが、この點について商工大臣の御答辯を願います。
#8
○水谷國務大臣 昭和二十三年度の計畫を勝手にきめるというようなお言葉でございますが、これは大體昭和二十三年度の日本經濟の情勢とにらみ合わせて需給計畫を立てまして、これだけが必要であるということを、大體中央で作業いたしまして、この國管法に明記されているような順序を經て、ずつと下の方へ浸透していく。またそれからはね返しがありまして、ほんとうのいわゆる計畫ができるということになつておるのでございますが、この三千三百萬トンというものは、五千六百カロリー平均になつておるのでありまして、實際におきましては、ただいま御指摘のようなところまで出炭量が増していかなければ、五千六百カロリー平均の三千三百萬トンというものはできないのではないか、このように考えております。
#9
○生悦住委員 ちよつとはつきりいたしませんが、次に移ります。資金關係については、一應商工大臣の答辯によつて見込みが立つように思いますが、資材について十分な自信があるように受取れませんが、この點はいかがでしようか。
#10
○水谷國務大臣 ただいまの御質問の要旨が、私のみこめないのですが、これまで資金資材の點に關しては、和田君にも出ていただいたときに、三千三百萬トン確保のための必要なる資金資材は安本で出す、そして私もそれに對して交渉しているというその關係をとらえられて、それは商工省が責任を負えるように、資金資材が獲取できる自信ありや否やという御質問ですが、それは安本長官もこの間申しましたように、三千三百萬トン、これはもちろん商工省だけできめるのではなしに、安本も協力してきめ、それが下の協力を得まして、こういうことになりました場合においては、安本竝びに商工省を全責任をもちまして、それに必要なる資金資材というものを供給せねばならぬということは、自信があるかないかということを通り越した絶對至上命令である。このように考えております。
#11
○生悦住委員 絶對至上命令と申されますが、資金はなるほどつくることができるでしようが、資材というのは、そんなに絶對命令であるから必ず整うというふうに考えられません。なおまたこの炭鑛に必要なる資材といたしましては、まず鐵鋼が本年度の生産も思うようにない。殊に來年度における見透しがはつきりしていない。その他の資材にいたしましても、やはり同じようなことが言えると同時に、まずモーターをどうするか、あるいは坑木關係をどうするかというようなことで、非常にめんどうな問題が次から次へ起つてくる。その石炭のみに傾斜しておつても、なおかつ資材が足りないという現状を打開する自信があるかどうかといふことをお尋ねしておる次第であります。
#12
○水谷國務大臣 これは最近の政府の方針によりましても、絶えず確認しておりますように、石炭に對して最重點主義を續けていくということは、少しも變更しておりません。從つてこの方針でいきまするが、しかし生悦住君も御案内のように、日本の今日の經濟状態というものは、最重點主義と申しましても、それにはある一定の限度があるのでございまして、あるいは百パーセント以上に資材が十分にいくということは言えませんが、少くとも經營者竝びに勞働者がくふう奮發していただければ、三千三百萬トン達成に必要な資材は、責任をもつて給供するというぐあいにひとつ御了解を願いたいと思います。
#13
○生悦住委員 どうもわかりましたようなわからないような點がありますが、次に移ります。次は科學技術の動員方策いかん。これは現在の状態をもつてしては、石炭の増産は不可能である、全力を結集して科學技術の動員をして、技術的な方向に進んでいく方途について、政府は今日までどういう手を打たれたか、現在やりつつあるこの方面の方策はいかがであるかということについてお尋ねをしたいと思います。
#14
○渡邊(誠)政府委員 ただいまのお尋ねは、昨日の御質問に大體申し上げたと思いますが、炭鑛關係の技術の結集による増産をはかりますのには、炭鑛の作業自身を科學的に分析をして、科學的な經營ができるような方向にもつていくというのが一つ。それから現在の機械あるいは採炭方法、運搬方法等の生産技術を指導向上いたしまして、またこれの新らしいくふうを發見するというようなことが、最も大切な二つの要點だと思います。これに對しまして、昨日も申し上げましたように、炭鑛關係、鑛山關係の技術、あるいは器機に関する――電氣あるいは機械、土木等の、こういう技術の實務の經驗者竝びに學術的經驗者、それと資材その他の状況、あるいは機械関係の能力というようなものを知つている技術者、あるいは技術者のうちには、もちろん官吏もはいると思いますが、そういうものたちの力を結集した日本の全體的な炭鑛技術會、またそれぞれの炭鑛地蔕に地方の技術會というものがすでに結集されておりまして、これを一層強化して、同時にこれらの方々の協力を求めまして、各炭鑛の調査團あるいは指導團というものを結成して、親しく現地でただいま申上げた二つの目的を達成するために御活躍を願う、こういうことにきめまして、片山總理から直接その技術界の首腦者に對して協力方を要請され、技術界もまたこれに對して全力をあげて協力する。なおその立場としては勞資いずれにも偏せず、純粹の科學技術の立場から透明かつ公平な立場から炭鑛というものを分析判斷して、ただいま申上げましたような指導あるいは向上、缺點の指摘あるいは分析というようなことをする。これに對して必要なる經費を國費をもつて出していくというふうに進めております。この豫算につきましては、目下大藏省に提出し、大藏省と折衝中であります。
#15
○生悦住委員 今の御答辯は構想でありまして、私のお聽きしている點は、具體的にどういう人員構成で、どういう技術者を動員してやつているのかということに對する質問なのでありますから、具體的におつしやつていただきます。
#16
○渡邊(誠)政府委員 どういふ技術者、どういう人員構成、すでに具體的に實行いたしておりますのは、北海道に對し三班の技術班を送つております。その一班の班長は、帝大の工學部の教授をもつていたし、他の一名は炭鑛の經驗竝びに炭鑛と直接離れてから總括的にそれをみている經驗を約三十年ほどもつておられる、これは工學士の炭鑛技術者、これを班長にいたしております。他の一名はやはりただいま申上げたとほぼ同様の經驗をもつている現在三菱會社に籍をおいている技術者でありますが、もちろん會社の籍と何らの関係なく、技術界の一メンバーとしてそれに参加している。それに配しまするに、ほぼ十年ないし二十年くらいの炭鑛に關する經驗をもちました鑛山關係の技術を修めた者、及び機械または電氣の技術を修めた者、これは一名。それから鑛山關係の技術を修めた者が二名、そのほかに資材關係の實務の經驗者、そのほかに現地でやはり同様の經驗を修めているような鑛山の炭鑛關係の技術者を加えまして、七名をもつて三班それぞれ組織いたしまして、去る二十七日東京を出發いたしまして、昨日三十一日札幌ですでにその準備を整えて炭鑛に入山を本日いたしておるはずだと思います。この調査の目的は、昨日も申上げましたが、はたして現在の炭鑛の設備力、あるいは資材の供給に應じた施設の力というものは、現在の炭鑛の出炭量よりも多いものであるか足りないものであるか、あるいはいかなる改善と補給を加えなければいけないか、あるいは勞働關係の方がもつと一層の能率を發揮し得る餘地ありや、あるいは坑内外の比率のバランスが適當であるかどうか、不適當ならばいかなる形に改善し得る餘地ありやというような點、なお在庫の資材の状態等、そのほかに大つかみにはその炭鑛としての將來約三箇年くらいに及ぶ計畫、もちろん先にいくに從つて正確度は薄らぎますが、一應炭鑛としてはもつておるべき大つかみな出炭計畫と申しますか、採炭計畫と申しますか、いわゆる生産、計畫を檢討する、それに對して忌憚ない意見を經驗者と現地側の人と交換するというようなことによつて、それの適否というような點についても報告をすることになつておりまして、それに基いて即刻可能な必要な機器、あるいは資材につきましての充足をはかつて、わずかな資材または機器の隘路のために、十分な生産をあげ得るものがあげられないでおるものがあれば、それはただちに解決する準備ををもつて、その調査團のそういう調査の權限と申しますか、調査團の調査結果を尊重いたしまして、それに對して信頼いたしまして、改善を加えるというようなことを計畫いたしておる次第であります。
#17
○生悦住委員 大體わかりましたが、科學技術の動員につきましては、非常に遲々として進んでいないように、今のお話でも受取れますので、もう少し急速に擴充をしていただきたいことをお願いいたします。それから次に石炭カロリーの責任制の方途いかん。これは先ほど商工大臣が言われましたように、來年度は五千六百カロリーである、次々に上つていつて、昭和二十七年には六千カロリーの目標だといいますか、計畫といいますか、この六千カロリーを將來は目指してやるのだというのでありますが、現在の炭質は非常に低下いたしておりまして、平均してみますと、大體五千カロリーを割るのでないかというような杞憂さえあるのでありますが、いくらトン數がたくさん出ましても、カロリーの低い炭、いわゆるボタがたくさんはいりましても、何も役に立たないものでありますので、トン數の目的を果し得ても、カロリーが高くなければならないということは、これは論をまたないことでありまして、これについての責任制とか、あるいはこれに對する試驗方法とか、こういう點について詳しくお話を願いたい。それからこのカロリー計算をし、この責任をいかなる方法によつてはつきりとさせ得るかということが、非常に重大な問題でありますので、詳細御説明を願いたいと思います。
#18
○渡邊(誠)委員 カロリーの低下いたしておつた事實は、御指摘の通りでございまして、良質炭を出さなければならない、これは議論の餘地のないことだと存じます。そこでただいま五千カロリーより下つておりはしないかという御心配もあつたようでございますが、もちろん數多くの石炭の中には、三千カロリー臺のものがあるわけでございますが、これを全體的に平均いたしますと、五千四百カロリー程度に現在なつている。それでちようど本年の三月ごろは五千二百カロリー程度であつたように考えます。そこでカロリーの點から見た炭質の向上という點が中心でございまするが、もちろん需要とのにらみ合いにつきましては、炭種、すなわちガス發生爐炭とか、あるいは粘結炭とかいう炭種の關係も、併せ考えなければならないと思うのでありまして、改善をいたしました一つの點は、去る七月に炭價が改訂されるときに、從來の炭質と炭價との關係を改善いたしまして、ただいま御指示のような、よりよき炭質のカロリーのものを出す。惡いものをたくさん出すよりも、はるかによい炭質のものを、それよりある程度少くとも、カロリー差だけの數量が違つても、その方が有利であるというように炭價の仕組みを改訂いたしまして、その結果また同時に一方そういう改訂を加えると同時に、各炭鑛の選炭ということにつきまして、炭質向上運動というものを開始して、七月から九月までを實施しております。各炭鑛の經營者はもちろん、經營者がいかに努力をしようとしても、下部の方の係員あるいは勞務者がそれに協力しなければ、なかなかむずかしいというような點から、相當の炭質向上に對する啓蒙宣傳のパンフレット、あるいはポスター等も用いまして、あるいは言論機關の方からの新聞その他による宣傳もいたしまして、炭質向上運動を開始し、その結果まだ九月の實績はわかつておりませんけれども、炭質の上つてくる傾向になつたことは、はつきりわかつておけるわけでございまして、これは私非常に喜ばしい現象だと存じております。そこでいかなる方法でこのカロリーのきめ方をするか。これについては、ちようど本年の七月ころを機會として、トン數主義のほかに、炭質主義を加えなければいけないというので、ちようど轉向の時期に相應するような出炭力に日本の出炭が足りないために、そういうことを實施いたしまして、そしてカロリーの分析能力というようなものその他を檢討いたしましたところが、いささか分析能力に不足を認められるものがありましたので、これの擴充をはかつておりました。これは配炭公團の能力の問題の充足をはかるまでの不足をはかるまでの不足の間は、鐵道の分析能力、あいは地方の商工局における分析能力、あるいは各學校の分析能力というようなものの御援助を求め、かつその分析をもつてある程度のカロリーの目途をつけていくやり方等を加味して、分析の根本的擴充のできるまでの間を現在凌いでおるわけでございますが、近くの増設設備が年内には順次できると思います。そういうことによりまして、取引の際サンプルをとりまして、そして必ず取引には價格にカロリーの問題がからみますので、配炭公團において一手に取引をいたします際、全部分析をされる。從つてそのカロリーというものと出炭を總合いたしてみますと、全國の數字がはつきりする。しかし從來のトン數を調べるだけならば、ただちに翌月はすでに先月のことが當然わかるわけでありますから、それを炭種別に分析をいたしまして、全體のトン數を平均したりすると時間もかかりますから、カロリーの分析ということは、いささか報告がずれてわかることになつておる状態であります。
#19
○生悦住委員 ただいまの御答辯は、非常に要を盡されました、結構であります。次に二十四年度四百萬トンを確保し、本法案は解除せられる意思なきや、これを商工大臣にお尋ねいたします。
#20
○水谷國務大臣 この問題はなかなかむずかしい問題でございまして、これまでいろいろ論議を重ねてきた問題でございます。われわれといたしましては、大體今度の議會が終了いたしました直後におきまして、日本の現在の經濟状勢とにらみ合わせまして、大體五箇年程度の長期計畫を策案中であるのでございますが、その點から考えまして、何と申しましても、石炭の生産増強がある程度にまでいきませんと、國内的における産業振興とまた國際的における貿易の振興も不可能でありまして、大體われわれといたしましても、いろいろな含みをもちまして、これを二年三年に限らず云々という考えもありましたが、閣議でいろいろ檢討した結果、滿三箇年ということになつたのであります。しかしながら、この石炭の生産増強を中心にいたしまして、日本の經濟を國際的にも建直すには、大體五箇年程度が必要であるのではないかと、われわれは考えておるような次第でございます。すなわち現在の惡性インフレーションのもとにおきます基礎産業の生産を囘復するがためには、大體この程度の年限が必要であると考えたのでございますが、閣議の結果、これが三箇年ということになりましたので、この五箇年計畫はできるだけ三箇年にやるようにひとつ努力をしたい。そのためには、マツカーサー元帥の書翰にも、この法案が通れば生産の目標をレベル・アップせよというようにもなつておるので、そういうぐあいに努力したいと思います。從つてこの法案を二年三年で打切るという考えはございのせんのでもしこういうような基礎産業に對する國家管理というものを、二年とかあるいは短い期間で試驗的にやるということは、いろいろの基本的な弊害があるのでありますので、政府といたしましては、この三箇年間というものは、大體一番短くきめられた期間でございまして、これより短くされるということは、絶對に、なかなか考えられないのではないかと考えております。
#21
○生悦住委員 ただいまの御答辯は納得がいたし兼ねるのでありますが、これから臨時石炭管理法案の總則から始めまして、その納得のいかない點につきましてお尋ねをしたいと思います。國家が企業に對して健全なる民主主義を確立する合理的機能である以上、本法案に對して國家みずから石炭事業の經營に深入りせんと企てるよりも、商工大臣しばしば言明せられております三位一體の實をあげるということが眞實ならば、組織的に強力なる監査監誓方策を用うべきであると思います。すなわち國家の機能は事業の直接經營に鞅掌するよりも、それを監督し、調整し、かつ權力の濫用を保護することが原則であると思います。しかしてまた國家直接の機關によつてその活動を遂行するとすれば、國家自身の主要の義務たる監査及び監督竝びに保護規能を往々にして怠り、また不完全な實行結果を生ずる以外に、何ものも得られない結論に到達するのであります。そこで第一章總則について質問いたします。第一條にこの法の目的を「産業の復興と經濟の安定に至るまでの緊急措置として、政府において石炭鑛業を政府において石炭鑛業を臨時に管理し、」とうたつておりますが、新坑は別といたして、既存の各炭鑛は、それぞれ開坑のときにおいて二十年あるいは三十年の長期計畫は、經營者において決定している以上、臨時に管理するという意味は、右の長期計畫のうちの一年ないし四半期の事業の運營だけを管理するものと解してよろしいか。もししかりとすれば、私たちの見解をもつてすれば、新坑の開發計畫のごときを政府が調査審議批判し、国家の綜合計畫の立場よりこれに對し必要なる指示命令を與えることは適當と思われるが、一年ないし四半期の事業の運營のごときを、全國の有出炭炭鑛約四百五十、これは企業中のものを加えれば六百五十になると思いますが、これに對してわずかに四石炭局が管理に當ることは、組織の點で不備きわまるものと考えるのであります。この點について御答辯をお願いいたします。
#22
○平井(富)政府委員 第一條におきまして「産業の復興と經濟の安定に至るまでの緊急措置として、」というこの法律の根本の性格をはつきりいたしました関係上、臨時に管理するというふうにいたした次第であります。從いまして、この管理法の目的は主として全體の生産計畫――たとえば來年度における三千三百萬トン計畫、その翌年度における三千五百萬トン計畫というような、計畫の達成を主目的にいたすのは當然であります。しかしながら、炭鑛の性格上あるいは新坑の開鑿につきまして五年を要するというものも當然出てまいると思いますが、石炭増産のために必要なものでありまして、しかもこの法律施行中に著手しなければならぬというようなものにつきましては、その計畫もやはり管理計畫の中に入れましてこれを決定し、指導援助していきたいと考えておる次第でございます。なお管理の主體といたしまして、全國に四局を設置してやるのは、少し管理機構として貧弱ではないかという御質問でございますが、各地區のそれぞれの特性と、ある程度各地區の總合性を生かすために、四地區に石炭局を設けた次第でありまして、大體主要な産炭地に石炭局を設けております。なお九州北海道のごときにつきましては、一石炭局のみでその地區全體の管理をいたすことが不適當な點もありますので、この地區につきましては、さらに必要な地區に支局を設けまして、それぞれそこにスタッフを置きまして、なるべくその支局において處理し得るものは處理していきたい。そうして石炭局全體の動きを現場に即して敏速に處理し得るような仕組をしていきたいと考えておる次第でございます。
#23
○生悦住委員 それならば第一條の「管理」を改めて組織的に強力に監査すると改めることが妥當だと思いますがいかがですか。
#24
○平井(富)政府委員 管理の目的といたしまして監査ということも管理の一部分になるかと存じますが、この管理法にもつてあります事項は、單に監査のみではございません。監査の結果に基づいて必要な計畫を指示する、あるいは命令することも含めまして管理という言葉を使つておる次第でございます。
#25
○生悦住委員 その點については疑問の點がありますから留保いたします。二十二年度第三・四半期全産業の資金百億圓の中で、住宅建設及び設備資金のために、石炭鑛業に四十五億を配當しております。政府みずからの手によつて國民に對して具體的に政府の重責を負わんとするならば、組織的にして強力なる石炭鑛業經營の監査制度を樹立すべきであつて、二十年、三十年の既定の長期計畫の中の特定の一年ないし四半期の炭鑛經營そのものに、石炭局をして口をさしはさましめる事由に至つては、實に薄弱な根據と言わなければならぬと思います。
 第三番目に、第一條に「石炭鑛業を臨時に管理し、以て政府、經營者」云云とありますが、第三章の指定炭鑛の管理の條章の各所に、炭鑛の事業主の活動能力を減殺する點が明らかであります。これらの點は、全部炭鑛の事業主、すなわち經營者を政府が直接に相手とすることに修正する考えはありませんか。この點について商工大臣に御答辯を願います。
#26
○水谷國務大臣 その點に關しましても、これまで非常に論義を重ねたのでございますが、現在の私企業の長所を生かし、また現場の即決主義を調和いたしますために、このような規定をしたのでございまして、われわれといたしましては、現在の經濟事情のもとにおける石炭産業の生産増強のためには最も適當な形である、このように考えておりまして、ただいま御指摘のような方向に修正する考えは、ただいまのところもつておりません。
#27
○生悦住委員 第四番目に、第一條「政府、經營者、及び從業者がその全力をあげて石炭の増産を達成することを目的とする。」とあり、第二章以下の條章には、政府の指示または命名が各所に掲げられておりまして、これについては罰則規定がそれぞれあるが、そもそも政府自身の手足である係官の事務澁蔕による増産阻害を排除するための制裁規定を設ける御意思が全然ないようであります。また從業者とはこの場合勞働者を指すものと了解いたしますが、勞働者の發言權を生産協議會の制度によりまして法制化しながら、その發言に對する責任をとる體制を確立されていないのはどういう意味でありましようか。
#28
○平井(富)政府委員 この法律におきまして從業者とありますのは、もちろん勞働者を含む從業者でございます。
 それからこの法律におきまして、生産協議會を設定いたしまして、勞働組合の推薦する勞働委員と業務委員を同數参畫させて、業務勞働その他の生産に關する事項について審議をする地位を與えておるわけであります。それに伴いまして、從業者につきましても、大體において生産に對する責任をはつきりさせるというのが、この制度の趣旨であります。これをなぜ法制化しないかということでありますが、勞働者の生産責任ということは、これは經營者の生産責任についても同様でございますが、具體的の監督命令、たとえばかりに資材を非常につまらない用途に使つたというようなことがございまして、再三指示等が出ましても、それを修正しないというような場合に、具體的な監督命令が出ます。それに違反したものと違いまして、いわゆる生産責任につきましては、これを法的に罰則にかけるということは、なかなか實施上むづかしい點が出てくるわけであります。いわゆる經營者の生産サボとか、いろいろ言われますけれども、具體的にこれを何が經營者の生産サボかということを考えてみると、これを法的にとらえるということは、なかなかむずかしいじやないか、從業者の生産サボということにつきまして、いわゆる勞働組合というようなものを抑えましても、生産サボというものを理由にして、法律上の刑罰を科していくということは、なかなか困難な點じやないか、かように考えておるわけであります。從つてこの法律で經營者、炭鑛管理者に對しまして、法律上の罰則がかかります點は、いわゆる直接生産責任というものに關連して罰則を設けるということは考えておりませんで、やはり今申し上げましたような具體的命令、たとえば先ほど申し上げました例のようなこと、あるいは設備の譲渡に關する具體的な條項に違反したような場合というように、はつきり具體的命令に對する違反という點だけをとらえておるわけであります。それから行政管理に對しまする責任でございますが、事務澁蔕、その他の原因によつて増産に障害を起すというようなことも、もちろん想像されるわけでございますが、それに對しまして、炭鑛の管理委員會、地方、中央の管理委員會、あるいは行政刷新委員會というような制度によりまして、行政上の運營につきまして、常に觀察を加えまして、商工大臣といたしまして、はつきりとした措置をとつていくということが、やはり必要であろうかと思うのであります。これはただいま申し上げましたいわゆる業務の行政上の執務の問題というような、全般的な責任でございますので、常時これを監査して、行政上のはつきりした措置をとつていくということが適當ではないか、かように考えておる次第でございます。
#29
○生悦住委員 頭が惡いのでわかりにくい點がありますが、これは留保いたします。
 それから五番目に一條に「臨時」とありますが、その内容は附則に成文化されておりますが、六十八條による各規定の施行期日がいつまでに終るかが不明であります。また六十九條にいう期間滿了の際における經濟事情の政府認定いかんでは、いつまでも延長できることになりますので、臨時の立法である點を明らかにしていない、これを明確にする意思がないか。先ほど商工大臣が御答辯になりましたが、非常に矛盾する箇所が多いと思います。最初の規定を施行されたときより二年なら二年、三年なら三年とすべきであつて、「期間滿了の際における」云々は、新らしい法律を國會に提出すれば足りるはずであります。御答辯を願います。
#30
○水谷國務大臣 お答えいたします。この六十九條は、政府が勝手に一方的な認定によつて、期間の延長ができるのではなしに、國會の決議によつてやらねばならないことになつておりますので、今生悦住さんか申されましたような、そういう獨斷的な行為はできないことになつておるのでございます。さらにまたたとえば安定本部の存續期間なども年限がきまつておりますが、何と申しましても、ああいう客觀的な經濟情勢できまるのでありますから、含みのある法律は多々あるのでありまして、ただわれわれといたしましても、そういう期間の點は、一々國會がきめるということになりますれば、その點はきわめて明確になつておりまして、政府のそのときの都合によつて、それが勝手に引き延ばさせるというようなことは、絶對にできないようになつておるのでございます。
#31
○生悦住委員 どうもはつきりいたしません。しかしこれは留保いたします。次に移ります。第二章の炭鑛管理についての質問でありますが、第五條の二項に、石炭局長の事業勞働に對する變更命令は削除する意思がないかということについて。前にも申し述べました通り、すでに稼行中の炭鑛の毎四半期の事業勞働のごときを、當該炭鑛を所管區域にもつにすぎぬ全國にわずか四つの石炭局長が命令をすることは無意味である、かように思うのでありますが、この點について御答辯を願いたいのであります。
#32
○平井(富)政府委員 石炭局の構成及びその實力の點から、第五條の二項が實施をいたしても意味がない、こういうような御質問の御趣旨と考えますが、先ほど申し上げましたように、石炭局は主要な、たとえば九州の福岡に設置いたしますが、これは九州全體をひつくるめてやはり一つの地區として總合的に扱つていくという點から、福岡に石炭局を設置いたした次第でございますが、あるいは筑豊炭田であるとか、佐賀の炭田であるとか、長崎の炭田であるとか、各主要な炭田地區にはさらに支局を設置いたしまして、この支局がその分身としてその監査及び監督に必要な事項はこの支局において片附け得るものは片附けるというようにして、一々全部の事項が石炭局に集つてからいくということではなくして、支局を十分に活用してまいりたい。それに伴いまして、地方管理委員會等についても、地區部會を設置して、この支局の活動がやはり炭鑛管理委員會の地區部會というものと一體化して運用されていくように考えている次第であります。從つてこの運用によつて十分必要な場合におきまして、特に石炭増産上必要のあります場合に變更の命令を出すということは、やはり一般の炭鑛にしても必要性が起り、またそれをしなければならぬというふうに考えている次第であります。
#33
○生悦住委員 それでは次に移ります。第五條に事業勞働の作成に關し「命令の定めるところにより」とありますが、これを命令に委任せず、具體的に出炭高、使用勞務者、所要資金、所要資材、所要運送手段等を明示するに止める等、簡單化する意思はありませんか。
#34
○平井(富)政府委員 この「命令の定めるところにより」というのは、今指摘になりましたような點について、どういうフオームでこれを出させるか、いつまでに出させるかという事項を命令に讓つた次第でありまして、この命令の内容につきまして、現在私どもが考えております事項は、第一囘の配付資料の中に、施行令の要綱として御配付申し上げた次第であります。大體におきまして、提出の時期、提出すべき書類の作成の要領、こういうようなものを命令で規定していく、實體的な規定はこれに入れないというような點でございますので、むしろ法律に書くよりは命令で書くことが、運用上やはり便宜ではないかというように考えている次第であります。
#35
○生悦住委員 現在の日本の官廳は、計畫を聽き返してもこれを消化し得る組織になつておりませんから、單に計畫を机上に積重ねるだけでは無意味と思います。これについては留保いたします。
 それから八番目に、第十條に石炭廳長官または石炭局長は、全國または地方炭鑛管理委員會に諮つて監督に必要な命令をすることができるとありますが、この管理委員會について、第七章に一應の構成が規定されております。それは一商工省または石炭局におく、これは第五十四條にあります。それから二としましては、商工大臣または石炭局長の監督に屬する。これは五十四條にあります。三として、委員は商工大臣または石炭局長が命ずる。これは五十七條、五十八條にあります。この三點は經營者、從業者、さらに消費者、關連産業代表者、學識經驗者を活用するゆえんではない。これを官廳のそとにおいて、官廳の監督とは無關係に、しかして委員の任命は内閣で行うというふうに、三點を修正する意思はありませんか。
#36
○水谷國務大臣 この法案が通りますると、これは國家が石炭の生産に對して責任を負わなくてはなりませんし、具體的の點から申しますれば、これは商工大臣が責任を負わなくてはなりません。そういう場合におきましては、やはりこういう委員會をつくる場合におきましても、商工大臣が責任を負える形態を崩されるということになりますと、私どもといたしましても、非常にその點が困るのでございます。從つて、これをば内閣に置ないで、商工省に置くということにしたのでございます。しかし運用の面におきましては、商工大臣または石炭局長がそれぞれの委員會の會長を兼ねるといふことになつておりますので、委員會の意思に反して商工大臣が獨善的な行動をとるということはないようにしておる次第でありまして、條文をかえなくても十分達することができるように、運用の點におきまして、十分考慮を拂つたつもりでございます。
#37
○生悦住委員 私のお尋ねしておりますのは、商工省あるいは石炭局の局外に置くことは必要とする、こういう議論でありまして、百歩譲りまして、内閣で行うのを商工大臣においてこれを行うというふうに訂正しても差支えないのであります。つまり商工省または石炭局に置く。商工大臣または石炭局長の監督に屬する。委員は商工大臣または石炭局長が命ずるとあります。この最後の商工大臣または石炭局長が命ずるという點はよろしいが、こういう組織を石炭局あるいは商工省内に置くというのでなくて、外部に置くべきである。という問いでありまして、この點について、再度御答辯を願います。
#38
○水谷國務大臣 この法案は私らがいろいろ檢討いたしまして、やつと閣議で決定した法案でございますので、各委員の御熱心なる御質問であつても、修正する考えはないかと言われるときに、それは修正する考えはあるというようなことは、私の立場から言えないのでございまして、この條文にかかわらず、商工大臣に一々この箇所は修正する意思ありやなしやと問われることは、非常に迷惑でございますから、その點はよろしく御了承願います。
#39
○生悦住委員 九番目に、第五十八條の地方炭鑛管理委員會のうち、石炭局員をあげているのは無意味であると思います。また指定炭鑛の鑛炭管理者である者、生産協議會の業務委員である者の代りに、指定炭鑛の事業主そのものを直接に選任しなければならないと思いますが、この鑛はいかがでありますか。經營者と從業者の發言權に均衡を保たしめることを目的に、私はこの質問をいたすものであります。
#40
○平井(富)政府委員 五十八條の地方炭鑛管理委員會につきましては、中央の管理委員會と違いまして、石炭局員という官吏あるいは政府職員を委員にいたしましたことは、先ほど申し上げましたように、石炭局の下部機構として、石炭支局が各重要炭田地區に設けられ、その支局長が支局内の監査、管理の仕事を實施してまいるのであります。從いまして、この支局長は、石炭局長が民間から選ばれたという趣旨に從いまして、やはり大體原則として民間人が支局長になるということに相なると思うのでありますが、支局長が地區部會の部會長を兼ねるということが、この法律の構成から當然豫想され得ると思うのでありまして、その點は別にいたしましても、やはり各支局長が、地方の炭鑛管理委員會には参加して、その地區全體の状況把握のために出席するという一つの例外措置をとることが適當であるのではないかというように考えまして、石炭局員というものを入れた次第であります。
 それから指定炭鑛の事業主を委員に入れるという點につきましては、この法案を作成いたしました趣旨は、炭鑛管理者は現場の實施について責任をもつて、しかもそれが經營者によつて選任されるという點に鑑みまして、經營者の立場も代表している者という意味合いにおいて、特に事業主ということを規定しなかつたのであります。
#41
○生悦住委員 十番目に、第六十一條には炭鑛委員會の議決方法その他を命令に委任しておりますが、これは法に明記する考えはないか。すでに第五十九條には決議という字句を明らかにいたしております。
#42
○平井(富)政府委員 この炭鑛管理委員會の運営につきましては、構成その他の主要な點は法律に規定されておりまするので、むしろ命令に讓つた方が適當ではないか、かように考えた次第でございます。その理由といたしましては、この炭鑛管理委員會の運営について、命令で規定するような事項につきましても、炭鑛管理委員会の意見もやはり聽きまして、それの意見に合うように命令を作成していくことも、炭鑛管理委員會を尊重していく、しかもその運用上に應じまして適宜な措置をとり得るという點から、命令に讓りました次第でございます。
#43
○生悦住委員 それでは次に移ります。第十條の監督上必要な命令を發する際、「炭鑛管理委員會の決議に基き」と修正すべきであると思います。石炭局長にこの種の命令を發せしめる場合があれば、せいぜい炭鑛管理委員會が責任を負うべきで、そのために委員會の構成運營は八で述べた通りであると思います。これに對する御答辯を願います。
#44
○平井(富)政府委員 炭鑛管理委員會の性格につきましては、大臣からも申し上げましたように、行政上の責任といたしましては、商工大臣がこれを負うという建前をとりました關係上、その地區の行政上の責任については、石炭局長がこれを負う次第であるという理由から、「諮つて」という言葉を使つたのでありますが、これの運營につきましては、事實上は決議によつてということに相なると思うのであのます。ただいまお話の行政上の責任は、最後の行政上の責任はどこにおくかという一つの觀點からいたしまして、「諮つて」という言葉を使つた次第であります。なおこの問題は、石炭局の構成にも關係するわけでありますが、石炭局の構成につきましては、この法案に規定されますような特殊な構成をとりまして、石炭局長が從來のいわゆる官僚の悪い點を發揮するということがないような、特殊な措置を講じてございますので、それと併せ讀みまして、こういう「諮つて」というような規定にいたした次第であります。
#45
○生悦住委員 今度は第三章に移ります。指定炭鑛の管理についての質問でありますが、第十四條は指定炭鑛なるものを特定し、しかもその指定を炭鑛管理委員會に諮問するのみで決定することに規定しているが、そもそも能率の惡いものとか、生産費の非常に高いものとかを選ぶのか。目標を法に明記せざる點は、どういう意味でありますか。どうして炭鑛を刺戟増産せしむるかの炭鑛の對象の判定基準を明らかにせずして、法案そのものの審議を國會に對して提案する政府の政治的責任を明らかにしたいものであると私は思うのであります。この點について御答辯を願います。
#46
○水谷國務大臣 これは政府の政治的責任に關する御質問でありますから、私からお答えいたしますが、指定炭鑛の標準というものは、法案の説明に申し上げましたような、生産増強ということを中心にして考えたところに線を引きたいと思つておりまして、あるいは最初には年間○○トン以上の山であるとかないとか、あるいは解體財閥の炭鑛を指定するとか、いろいろの議論も出たのでありますが、しかしながら、政府といたしましては、大體その緊急増産を達し得るという物指でこれをやりたい。從つて全部がその大炭鑛に集中するということでなしに、あるいは中小炭鑛におきましても、緊急増産に間に合うもの、あるいはまた特殊の炭を掘つておるものというようなものの例外もありまして、それらは現實に即して炭鑛管理委員會に諮つて決定する方が、實情に即するのじやないかというようにきめたような次第でございます。
#47
○生悦住委員 多少見解を異にいたしますから留保いたします。次に第十五條は削除するか、少くとも「災害その他の事由により」は不穏當の限りであると思いますが、この見解について御答辯を願います。
#48
○平井(富)政府委員 指定炭鑛の指定につきましての方針に關しまして、ただいまお話がございましたが、要しますのに、指定炭鑛の管理ということは、増産ということをねらつて指定炭鑛といたして、これに管理を加えるのであります。從いまして災害その他の理由によりまして、長期にわたりまして生産が續行できないというような場合につきまして、むしろ日常の生産の管理は結局なくなるわけでありますから、この山の復興をどうはかつていくか、どう援助を與えるべきかという點が重點になつてまいりますので、一應指定炭鑛からこれを解除するということが適切ではないかと考えておる次第でございます。
#49
○生悦住委員 次に移りますが、第十七條にいう指定炭鑛ごとに、その業務計畫案の作成上基準となるべき事項を石炭局長が定めることは困難と思われます。國家計畫上必要とする生産量の目標數字のごときものに、明記修正しなければならないと思います。この點について御質問いたします。
#50
○平井(富)政府委員 御指摘のように、石炭生産の計畫を立てます基準になります資金資材、あるいは炭鑛の關係、賃金の取扱い等につきまして、これを中央で決定して、各地方に通達をいたす次第であります。石炭局長はこれをさらにその地區別の特性、あるいは山別の特性に應じまして、でき得る限り具體的な指示をしてまいりたいという意味におきまして、石炭局長がきめる。こう書いたのでありますが、もちろんその基準になります地區別の全體的の資金、資材その他の基準となるべき事項は、中央から移牒されましたその決定に基きまして、これをさらにその地區別、あるいは炭田別、あるいは山別に、でき得べくんばなるべく具體的の指示によりまして、炭鑛に通知をするという意味で、「定めて」という言葉を使つたのであります。
#51
○生悦住委員 これはわかりました。次に業務計畫について事業主がその責任において炭鑛管理者を指揮して案を作成し、生産協議會をかりに法制化するとすれば、業務計畫案の作成に關する限り、諮問機關とすることが妥當であると考えますが、この點について御答辯を願います。
#52
○平井(富)政府委員 この生産協議會は、性格といたしまして、炭鑛管理者の一つの補佐をしていく機關であります。炭鑛管理者が計畫を設定いたします場合に、この生産協議會の議に對しまして、きめていくということになると思うのであります。その際これを單純な諮問機關ということよりも、むしろやはりきめてやるというはつきりした計畫をもたしていくということが、性質上適當ではないかというように考えまして、こういうような構成をとつた次第であります。なお生産協議會において議がまとまらない場合には、企業主といたしましては、企業主の考える案に生産協議會ではまとまらなかつたという意見の具申をつけて、石炭局長に報告するわけであります。單純ないわゆる決議機關、たとえばそこで議事に付しまして議がまとまらなかつたというときに、その企業主の意思が決定できないかというとそうではございませんで、企業主といたしましては、その案に自分の案に生産協議會でまとまらなかつたということを附記して、石炭局長に提出いたす次第であります。いわゆる御心配の點は大部分これでなくなるのではないかというように考えます。
#53
○生悦住委員 經營と勞働とは、おのおのその分野を劃然とわかつておりまして、おのおのの立場において責任をもつべきであつて、十九條の業務計畫の決定は、炭鑛管理委員會が行うべきであり、局長はこれを指示する役目をもてばよいと思うのであります。第二十條の變更命令第二十一條の監督上必要な命令、いずれも委員會の決議に基いて局長が執行すべき建前にすべきであると思うのでありますが、別に御答辯は要しません。
#54
○生悦住委員 緊急質問があります。
#55
○伊藤委員長 生悦住君に…。
#56
○生悦住委員 これを許さないと議事進行はできない。
#57
○伊藤委員長 生悦住君の質疑の繼續中でありますから、適當なときに委員長はこれを許すことにいたします。
#58
○伊藤委員長 委員長は適當のときにお許しいたします。
#59
○生悦住委員 もう少しですから待つてください。
#60
○伊藤委員長 どうかひとつ質疑者からの希望でもありますから、御清聽を願います。
#61
○生悦住委員 次に炭鑛管理者選任、解任關係の質問をいたします。第二十三條第二項は削除すべきではないか、第四項の生産協議會の「議」は「諮問」とすべきではないか、五項は削除すべきではないか、これを要するに、經營者の責任において選任、解任をせしむべきであると考えるのでありますが、この點について政府の御答辯を願います。
#62
○水谷國務大臣 その點は生産協議會の性格といたしまして、あるいは炭鑛管理者の性格といたしまして、非常に根本的な問題でございまして、政府といたしましては、いろいろ論議を重ねた結果、ただいま提出して御審議を願つておるこの方法が最適なものであるという考えのもとに提出したのでございまして、そのような考えはもつておりません
#63
○生悦住委員 その點については留保いたしますが、それから炭鑛管理者の職能でありますが、第二十四條は根本的に修正して、事業主が實施の責に任ずるようにすることが妥當であると思いますが、同じようなことを繰返すのみだと思いますから、これは答辯を要しません。私の意思だけを申し上げておきます。本日はこの程度に質問を打切ります。
#64
○伊藤委員長 この際生越君から議事進行について發議を求められておりますので、これを許します。生越君。
#65
○生越委員 十月三十一日の午後九時のラジオ放送におきまして、この石炭國管法案に對して、一箇月かかつて審議をやつておる。その状態は非常に混沌たるものである。しかしながら、これを明日の委員會において社會黨及びその與黨は、緊急動議を出してこの質疑を打切るという放送を行われておるのを私は聽いたのでありますが、この放送はいずこから出たか、かくのごときことが、もし與黨の間において出たとするならば、これはゆゆしき問題だと思うのであります。かくのごときことを、このラジオ放送において全國にこれを呼びかけ、そうしてやることは、一面この委員會のいわゆる面目というものを蹂躙した問題であり、われわれ委員がまじめにこれを國家再建のために審議しておるその審議權を無視したものであると思うのであります。この點に對して、委員長におかれましては、このラジオ放送の材料がいずこから出たか、何人から出たかということを調査をして、そうしてやらなければ、われわれはまじめにこの法案を審議する意思をもたぬと申し上げて過言でないと思うのであります。委員長において善處されんことを要望したします。これがやがてこの委員會を運營する上においても重大な問題になると思うのであります。委員長の誠意のある善處方を要望いたします。
#66
○伊藤委員長 ただいま生越君から、本委員會にとつてきわめて重大なる發議がありましたので、私も生越君と同一に考えております。さようなことがもしあつたとするなら、それは本委員會の審議の權能を冒涜するものであると委員長も考えております。私といたしまして、政府の方からもちろんさようなことを聞いたこともありません。また同僚議員の中からも、さようなことは聞いたことはありません。それはまつたく夢のような話を今聞いておるのでありますが、委員長においては、どういうところからさような放送をしたものであるかということをただちに取調べをして、御報告をすることにいたします。
#67
○生越委員 お願いいたします。
#68
○澁谷委員 ただいまの説はごもつともだと思いますが、この問題は非常に重大な問題でありますから、その問題の判明するまでの間は、委員會を休會されてはどうですか。あまりにこの委員會を侮辱するような氣がいたしまして、はなはだけしからぬと思います。
#69
○伊藤委員長 委員長の方で、先ほど申しましたように、取調べまして、お知らせいたしますから、ひとつ御承知を願います。
#70
○前田(正)委員 その放送が事實であるとするならば、委員長の方から取消しの放送を要求したらどうかということをお伺いいたします。
#71
○伊藤委員長 承知いたしました。そのようにいたします。
 午前中の會議はこの程度に止めまして、本日は本會議もないのでございます。從いまして、午後一時半より會議を開くことにいたしまして、暫時休憩をいたします。
    午後零時十五分休憩
    ―――――――――――――
ソース: 国立国会図書館
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