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1947/11/06 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第29号
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1947/11/06 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第29号

#1
第001回国会 鉱工業委員会 第29号
昭和二十二年十一月六日(木曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 伊藤卯四郎君
   理事 大矢 省三君 理事 岡田 春夫君
  理事 青柳 高一君 理事 生悦住貞太郎君
   理事 今村長太郎君 理事 澁谷雄太郎君
      今澄  勇君    萬田 五郎君
      村尾 薩男君    生越 三郎君
      岡部 得三君    庄  忠人君
      長尾 達生君    西田 隆男君
      三好 竹勇君    有田 二郎君
      神田  博君    平島 良一君
      深津玉一郎君    淵上房太郎君
      谷口 武雄君    前田 正男君
      高倉 定助君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
 出席政府委員
        石炭廰長官   菅 禮之助君
        石炭廰次長   吉田悌二郎君
        商工事務官   渡邊  誠君
        商工事務官   平井富三郎君
        商工事務官   石坂善五郎君
 委員外の出席者
        専門調査員   谷崎  明君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 臨時石炭鑛業管理法案(内閣提出)(第六四
 號)
    ―――――――――――――
#2
○伊藤委員長 これより會議を開きます。
 前會に引續き臨時石炭鋼業管理法案を議題とし、質疑を繼續いたします。この際有田二郎君から議事進行について發議を求められておりますので、これを許します。
#3
○有田委員 一昨日十一月四日の鑛工業委員會におきまして、委員長から、十月三十一日の夜の第一放送のニユースにおきまして、與黨側から質疑打切りの動議が提出せられるのではないかとも見られておる、こういう放送があつたという報告に接したのであります。「その出所は單なる放送記者の觀測でありまして、別にその根遽と稱すべきものはないのでありまして、同放送が事實を傳えたものでないことは、本委員會が引續き質問を繼續しておる現状に照して明僚であります。」かような委員長の御報告があつたのであります。すなわち委員長の報告によりますと、單に放送記者の觀測である。かようなお話でありますが、私の調査いたしましたところによりますと、社會黨の岡田理事が、北海道の某新聞記者に對して、その前日に社會黨は動議打切をやる。かように申されたのでありまして、おそらくそれが他に傳えられて、こういうラジオの放送となつたのであろうと、私は觀測するものであります。すなわち岡田委員は、當委員會の理事でありまして、私どもは理事會において、かような動議打切のことが採擇されたのかどうか、かような點を非常に私は懸念するものでありまして、單に委員長の言われる放送記者の觀測であるということは、當つていない。しかもその新聞記者は岡田理事がもしも言わないということであるならば、斷固として自分はそれに對してあたる。かようなことを私どもは公開の席上で承つておるのであります。どうか委員長におきまして、十分岡田理事を御調査願いまして、かかる言動があつたかどうか。この點についてもしもあつたといたしまするならば、ゆゆしき問題でありまして、本委員會の權威のためにも、委員長として十分な御處置をおとり願いたい。かように考えるのであります。
#4
○伊藤委員長 ただいま有田君からの發議の件に關しましては、去る十一月四日の委員會等において委員長報告を申し上げた通りでありまして、さらに新たに岡田委員等の云々ということもありますので、本日岡田君がまだ見えておりませんので、そういう事實の點につきましては、委員長の方で、岡田君等に十分聽きました上で、御報告をいたすことにいたします。質疑を繼續いたします。深津玉一郎君。
#5
○深津委員 一昨日私が全國炭鑛別の出炭豫想表をお出しをお願いしたいということを申し上げましたのですが、この點につきましては、石炭廰としては、あくまでお出しになつていただけないですか。念のためにもう一應御答辯を要求しておきます。
#6
○水谷國務大臣 ただいまの深津委員の御言葉でございますが、その點に關しましては、これまで繰返し繰返し御了解をお願い申し上げましたような事由によりまして、ひとつ御了承を願いたい。このように考えております。
#7
○深津委員 それでは先般の委員會のときに出しました新坑の計畫の中の、第一小倉地區の二萬トンの資金計畫を、ひとつお承りしたいと思います。
#8
○平井(富)政府委員 新坑の計畫につきましては、先般の御要求によりまして提出いたしました資料につきまして、大體出炭の豫定、所要の人員、それから所要の資材につきまして、現在考えておるところを御提出いたした次第でありますが、資金の問題につきましては、全體の百二十八億の一環といたしまして、炭鑛側において、具體的に要求してまいる資金計畫によりまして、具體的にそれを決定していきたい。また全體のわくからいいまして、この資金につきましては充足し得るということに、別段この新坑の一つ一つにつきまして、資金の計畫というものは現在豫定しておりません。炭鑛から具體的に出ましたものにつきまして、全體のわくの中から支出していきたい。かように考えておる次第であります。
#9
○深津委員 それでは全然それも炭鑛から出てくるまでわからないという御意見でございますね。
#10
○平井(富)政府委員 資材につきましては、ある程度豫想がつきませんとむずかしい問題も起りますが、資金につきましては、御承知のように、本年度の下半期につきましても、四十億程度の擴充資金を豫定しておりますので、それにつきまして、炭鑛から具體的に數字が出てまいりまして、決定して十分やつていける。こういうような目途のもとに、具體的に資金の豫定というものを、個々には立てていない。こういうふうに申し上げた次第であります。
#11
○深津委員 そうしましたならば、その第一小倉地區の炭坑につきましては、いつごろ坑口をつける豫定でございますか。
#12
○渡邊(誠)政府委員 小倉地區の新坑開發につきましては、當初計畫いたしまして進めてまいりました後に、新しい鑛區の關係その地の新事情が起りましたので、その事情の處理が濟みましてからでないと、はつきりしたところがきめられないという状態にございます。
#13
○深津委員 それではボーリングなんか、もうやつてあるのですか。
#14
○渡邊(誠)政府委員 現在もボーリングをいたしておりますし、なお物理採鑛もやつております。なお現在の小倉炭鑛の側から海底の方へ向いまして採炭坑道の掘進中でございます。
#15
○深津委員 むろんいろいろな關係がございましようが、坑口をつける日時もわからぬ。それから芝はぐりとか、掘進していくのはいつごろから始めるか、これも炭鑛側でなにしなければわからないのでございますか。
#16
○渡邊(誠)政府委員 一應の考え方をもつておつたわけでございますが、新たに鑛區の關係の新事實がございますので、その方の折衡を目下地方商工局の方でいたしておりますので、ただいまのところ、鑛區の關係が明確になりませんと、當初の計畫通り實行できないかもしれないということを憂えている次第でございます。
#17
○深津委員 それでは最初に思つておつた計畫で結構でございますから、ひとつ御説明していただきたい。その鑛區のは別として、一日に何メートル掘進していくという計畫はおもちだろうと思いますから、それをひとつ御發表願いたいと思います。
#18
○渡邊(誠)政府委員 ただいまは掘進をいたしております坑道と、新たに通氣、運搬の坑道を開けようという、その新たに開けようという地區が、ただいま申し上げた鑛區の關係が錯雜いたしておりますので、どの位置に開けるか、あるいはそれを變更せねばならぬかという點は、今決定しておりません。
#19
○深津委員 それでは今掘進されているのですね。新しいところが掘進せられていないで仕事を始めているわけでございますね。ただ鑛區の點だけ…。
#20
○渡邊(誠)政府委員 ただいま小倉炭鑛の鑛區内から水平坑道で、海底の方へ向つて掘進をしつつあるのでございます。しかしながら、あまりに距離が長くなりますと通氣の關係も心配であるし、同時に運搬の點から申しましても、極力近いところから運搬をするようにする方が合理的でありますので、新たにその坑道とぶつかるような地點に、新たな斜坑を卸したいということを考えておりますので、その斜坑の地區が今申し上げました鑛區の錯雜している地區で、ただいまのところ決定いたしておらぬ次第であります。
#21
○深津委員 説明はよくわかつたのですが、こういうものを急いで計畫の中にお入れにならないでも、もつとはつきりしたものをお入れになつて計畫をお立てになるということが、石炭廰のお役目ではないかと思つて實はお聽きしたのですが、そういう曖昧な鑛區がどうなつているかわからぬようなものから二萬トン出すということを先般もおつしやつておつたが、これでは私たち委員を侮辱しているとしか考えられない。繪に書くようなことならだれにでもできます。實際できるようなものでなかつたら、來年の三千三百萬トンに狂いがくるということを憂えるから、先ほどよりくどく申し上げているのです。以後こういう點は、はつきりしているものを計畫に入れていただくように、商工大臣から御注意願いたいと思います。
#22
○水谷國務大臣 ただいまの鑛區の問題は、早急に解決できる見透しがありますから、それによつて計畫が狂うということはございません。
#23
○深津委員 よくわかりました。それからこれは前に申さなければならぬ問題でございましたが、三千三百萬トン掘るということをおつしやつておりますが、しかしこれについては、御承知のようにカロリーの問題があります。石炭鑛の御意向といたしまして、どれだけのカロリー以上にするというはつきりしたことはおわかりにならぬと思いますが、大體カロリーの點について、カロリーを制限――つまり不良質の炭はとらないとか、あるいは良質のものは炭價を上げるとか、そういう點についてお考えをおもちになつていらつしやいますか、いかがでありますか。
#24
○渡邊(誠)政府委員 カロリーの點の御質問でございますが、カロリーにつきましては、先般他の御質問のときにお答え申し上げたと思いますが、去る七月の炭價の改訂の際に、從來の炭質、すなわちカロリーに應じた炭價というものの不適正な點を改訂して、品質の優秀なものを出せば、炭價をそれに應じただけの増加をするというような改訂をいたしましたので、すでに現在のところ、私の方の推定によりますと、當時より炭質の改善が相當はかられてきているということを認めております。炭質の問題は、掘る場所の炭の生れと申しますか、元炭の變化にも應じて、ぴつたりしたことはできませんけれども、それを目標にして炭質の改善をする。價格の點につきましては、前に申し上げたように、大體現在のところでも炭質の向上に即したように價格體制になつていると思います。もちろん情勢によつて、今後それを一層よいものにかえていくという研究は進めるつもりでありますが、現在は一應價格面からはできている。あとは勞務者の炭質向上に對する熱意と申しますか、あるいは注意力と申しますか、そういう點を向上することと機械選炭をやるところの補修というようなことをいたしたい。なお選炭場のないところの炭を、他の選炭能力のゆとりのあるところで、しかも外部からの炭を受け入れるのに適當な場所で、他の山のものもそこで引受けて選炭をしていくということについて、現地について今研究に當つております。
#25
○深津委員 それからこの炭質はむろんよくしていただかなければ困るという點をはつきり申し上げておりますが、その次に山によつて粘結炭であるとか、いろいろ種類がございますが、たとえば粘結炭は本年度どれだけ要る。これをこの山からこういうふうに出すというような計畫もお立てになつていらつしやいますか、いかがですか。
#26
○渡邊(誠)政府委員 現在出ております炭のカロリー以外の、ただいまお説の發生爐用炭、粘結炭、あるいは塊粉の率とか、無煙とか有煙の違いとか、弱粘結炭とか、いろいろな炭種の關係がございますが、これは現在でその内譚を常に著目して配炭をいたしておる次第でございます。お話の一つの點として出た強粘結炭につきましては、日本の國土内から出る強粘結炭というものは非常に少いのであります。また埋藏も非常に少いのでございまして、急速な増加をはかるというようなことは、現在稼行しております炭鑛の範圍内では、急激な増加はできない状態にある。現に終戰前まで他の方面からの粘結炭を仰いで製鐵をいたしておるというような次第でございます。從いまして、強粘結炭は需要に對してどれだけとれるかという點は今申し上げたようにはなはだ殘念な姿に資源がある。そういうふうに考えております。なお發生爐用炭とか塊炭、粉炭の率につきましては、現在決して滿足な姿にはないのでございますけれども、特に發生爐用炭は不足をいたしておりますので、これが増加ということについては、すでに極力力を入れておる次第でございます。
#27
○深津委員 大體において渡邊政府委員の御説明に、私は納得できるのですが、これ以上にもう少し御注意をして、計畫とか何かすぐにでも發表のできるように將來お願いしたいと思います。
 それから計畫によつて數字をはつきりつかんでいただきたいということを私ひとつ御忠告しておく次第でございます。こういう大きい計畫をやろうとするにあたつては數字をはつきりつかまないで、ただこれをすればこうなるというのでは困る。ただふろしきの中に何か立派なものを入れておいて、ふろしきの外だけを見せてこれを買え買えと言つても、私たちは買うことはできない。中味はこうなつておるというころまではつきり見せれば、私たちは納得がいくというわけでありますが、この點については、私は政府のお答えは要求いたしません。これで結構でございます。
 次に七月二日に衆議院の本會議におきまして、水谷商工大臣は、勞務省が國家的地位に目ざめて働くならば、三千萬トンの炭をたたき出すことは容易であるとおつしやつておられたのですが、この炭をたたき出すというのはどういう意味がわからないのです。たたき出すというのじやなかろうと思いますが、水谷商工大臣はたたき出すとおつしやつたように速記録にありますけれども、どうしてもたたき出すのですか。
#28
○水谷國務大臣 言葉の使い方を一々言われますと、私も非常に野人で、あまり上品な言葉をよく使わぬのですが、たたき出すという意味は、別にたたいて出すという意味邁言うたのではないのであつて、生産増強に邁進するという意味で言うたと思つております。もしそういうような字が使つてありますれば、さような御了承を願いたいと思います。
#29
○深津委員 もしそうでないとすれば、掘り出すということに訂正していただきたい。炭はたたき出すものではございません。掘り出すものであります。いくらたたいても動物か何かだつたら、たたき出すということが言えますが、炭だけは掘り出す。これは永久に掘り出すということにしていただきたい。
 それから商工大臣は經濟再建の方策として採用したいわゆる傾斜生産方式の中心が石炭であり、石炭の増産を確保するために、國家管理が必要である、こういうふうに説かれておりますが、私もまたこの點については、商工大臣と同じ意見でございます。この石炭の増産が救國のかぎであるということは、ここにいらつしやる議員諸君も同じだと私は思いますが、しかしこの法案には何らこの増産のために具體的の施策が示してない。單なる機構組織の改革、つまり規定をかえるというばかりしかこの法案の中に含まれていないような感じがするのですが、商工大臣いかがでございますか。
#30
○水谷國務大臣 その點に關しましても、繰返し私から、あるいは平井局長からも御説明申し上げておりますように、この法案はいわゆる増産の組織法でございまして、この組織法を中心にいたしまして、これまで私らが絶えず發表いたしました具體方針、たとえて申し上げますならば、マツカーサー元帥の總理にあてられた書翰に答えた増産方策要綱、さらにまた最近閣議で決定いたしましたその施策の推進機關、あるいはまた炭鑛に對する臨時金融問題、そういうものが絡み合つていくのでございまして、この法案というものは總論と申しますか、組織法であるのでございまして、ただいま御指摘のその點は、各論であるべきところの諸般の施策に現われてくるものでございまして、それらを一體といたしまして、ひとつ石炭の増産というものになるかならないかという御判斷を願わなくてはならぬのではないか。このように考えております。
#31
○深津委員 およそ増産のために、機構組織の大變革を行わんとする場合におきましては、まず増産を可能とする具體的施策が用意されて、その施策を實施するにあたつて初めて役に立つと私は思いますが、しかるに政府の増産のために具體的施策を、ほんとうに用意していないということは、ただいまも商工大臣がおつしやつたように、これは總論である。總論があれば、各論も一緒に出していただくわけにはいかないでしようか。
#32
○水谷國務大臣 その點はあなたと私の考えの相違か知りませんが、前申しましたものが、いわゆる各論でありまして、そういう具體的な生産増強對策を推進するために、いわゆるこの國家管理法案という組織法が要るのだ、このように考えております。すなわちこれまで傾斜生産の最高政策のもとにおきまして、政府が終戰以來やつてきたものは、みなそれぞれ各論の一つ一つになつているのでございまして、われわれはこれまで歴代内閣が終戰以來やつてきたこと、さらにまたわれわれが今後やろうといたしまして、閣議で随時決定いたしましたそれらの問題が、全部具體的な政策で、そういう具體的な政策を強力に、いわゆる政府經營者竝びに勞働者が三位一體の協力態勢を整える體制といたしまして、こういうような組織法が要るのだ、このように私は解釋しておる次第であります。
#33
○深津委員 先ほども商工大臣はおつしやつたのですが、この對策もある。しかしこの石炭非常増産對策要綱は、九月二十七日のマツカーサー元帥の書翰によつて、あわててこれはつくられたのであつて、この前に私はつくつていなかつたと思うのですが、いかがですか。
#34
○水谷國務大臣 石炭のことはむしろ私よりもあなたの方がお詳しいと思うのでございますが、いわゆる増産對策要綱というものは、これまで政府がやつておつたありのままの姿をば明文化したものでございまして、マツカーサー元帥の書翰に答えて、突如として政府があわててつくつたものではありません。それはマツカーサー元帥の書翰を一つの喫機といたしまして、これまでやつてきました點をば、はつきりと明文化したというのでございまして、その點は深津さんは私と違つて専門家であられますから、十分御了解願つておるのではないかと考えております。
#35
○深津委員 この傾斜生産による石炭の増産に、他産業も、また一般國民も、この方式に協力されるということは、一日も早く、一日に一トンでもよいからよい炭をたくさん出していただこうと思うがために、こういうことになつてきたものだと、私は考える次第であります。從つて炭鑛側から申しますれば、あるいは企業利潤を度外視する、あるいは經理の困難を冒しても増産第一に全力をあげておることは、私はよくわかつております。もしも商工大臣のおつしやるように、犠牲を云々するということであつたならば、民生安定に缺くべからざるところの食糧生産を擴當する農業、または全産業の血液となるというべき金融機関にも、國家管理が適用せられるにあたつてこそ、初めてこれは納得ができるが、石炭業者の分ばかりの傾斜生産によつて、これを國家管理とする御意見を承りたいと思います。
#36
○水谷國務大臣 臨時石炭鑛業管理法案の目的といたしますところは、これまで繰返し述べましたように、第一は石炭の増産に對する各般の施策を石炭生産に關與するものに十分浸透徹底せしめることでございます。第二は行政と經營と勞働の三者か渾然一體となつて、増産第一主義を實行し得る民主體制を整備することでございます。そうして第三は、資材資金等の生産諸要素の最も効率な活用をはかることでございます。このとき私はただいま仰せになりましたように、政府は從來より石炭超重點主義を採用して、乏しい國力の中から、他産業及び一般國民生活に相當の犠牲を強いつつ、最大限度の生産諸要素を導入してまいつたのでありますということを言つたのを、深津さんは御指摘になつたと思うのでございますが、もちろんわれわれは御指摘のように、遠い目で見ますれば、石炭の生産の増強というものが、全部のほかの産業竝びに國民生活に對して、非常に明るい面を與えるということは、これはあなたのおつしやる通りでございます。しかしながら、近い目で見ますれば、他産業及び一般國民生活に相當の犠牲を強要していることは、これは私が説明するまでもないことでございまして、その點はひとつ御了承願いたいと思います。
 さらにまたこの石炭に對して、國家管理をやるならば、金融の面はどうするか。あるいはまたほかの基礎産業はどうするかということでございますが、この點に關しましては、この委員會で片山總理大臣も明確にお答えになりましように、政府は石炭に關してのみこういうような非常措置をとる、しかもそのとる理由は、こういう點であるというふうに總理が御説明になつた點でございます。もちろん深津さんのおつしやつたように、ほかの國家管理になつておらない金融機關、基礎産業との矛盾はどうかという點でございますが、それはこの法案に盛られておる協力命令、あるいはその他のいろいろの臨時措置において、それらの矛盾は十分解決できるものであり、また解決せねばならない、このように考えておる次第でございます。
#37
○深津委員 要はこの増産が目的でありまして、國家管理はこの増産のために實施する手段にすぎないのでありますから、具體的な増産施策との結びつきが、はつきりできるようにならなければならぬということを、私は強調する次第でございます。この具體的な施策が、商工大臣はあるようにいつもおつしやるのですが、私はこれは意見の相違じやない、私の頭が惡いのかわかりませんが、どうも具體的の施策がないように、私は考えるのでございます。そしてこの機械組織のみを規定するところの本法案自體についても、從來の私企業の能率的組織を破壊するということはあたりまえでございましよう。また經營者の經營權をたな上げにして、政府がみずからこれの經營とか、指導に當りながら、しかもなお最後に企業經營者に責任を嫁しておるという點が、多分にこの法案に盛りこまれているように私は思いますが、そうでないですか。
#38
○水谷國務大臣 その點に關しましても、これまでたびたび私の立場を述べさしていただいたのでございますが、この法案は、いわゆる資本と經營との分離というような立場に立つているものではございません。經營形態は原則として變更されておらないのでありますがゆえに、この企業の最終責任は、言うまでもなく、これまでの企業家にあることは、當然でございまして、そういう最終責任を負われるところの企業家が、また相當の責任を感ぜなくてはならぬことも、言うまでもないことと思うのでございます。いわゆるこの私企業と公企業の長所を、能率的に加えましたものが、この法案でございまして、この法案によりまして、御指摘のような、いわゆる企業をたな上げにしたとかせぬとか、そういうことは、この法案の内容には少しも盛られておらないのでございまして、それはあくまでも、この法案を中心にいたしまして、政府、經營竝びに勞働の三位一體の協力態勢を實現するというところがねらいでございまして、そういうような一方に偏するというような目的も、また内容も、この法案には少しもないということをひとつ御了承を願いたいと思います。
#39
○深津委員 私は商工大臣が、いつもこの三位一體ということをおつしやつておられるのをよく聞くのでございますが、しかしこの法案の内容を檢討してみますと、本來の經營者の經營權は、事實上官僚に代位されて、經營者はほとんど機能を發揮する餘地がないように仕組まれておると、私は思うのでございます。これでは三位一體は單なる名目にすぎないと私は思います。しかも經營者に代位するところの官僚は、前にも述べましたように、専門の石炭行改の實施においてさえ、たびたび失敗をなさつておる人が多いのでございます。いわんやこの官僚の經驗に乏しい人が企業經營者を自分に掌握することは、どうしても増産にならない機構だと思いますが、この點はいかがでしようか。
#40
○水谷國務大臣 深津さんも御案内の通り、この國家管理法案が出ない前におきましても、現在の經濟情勢のもとにおいても、石炭企業において、炭價の先ぎめは政府がしております。さらにまた資金、資材も、政府がわくをつくつておるのでございまして、このわくの中におきまして、企業家が創意、くふうを働かしていただくことになつておるのでございます。從つてこの國家管理法案が實施されない前におきましても、資本主義經濟の原則に則つた企業家のいわゆる創意、くふうというものは、現在の經濟事情のもとにおいては、ある程度制限されておるということは、深津さんも十分御案内の通りであろうと思うのであります。それらのいわゆる傾斜生産に伴いまして、これまで政府がやつてきた實情をば、このたびこの國家管理法案において、ある程度明文化されるという違いはございますが、現状は私は少しも變らないものであると了解しております。從つてこの國家管理法案ができましたがゆえに、これまで企業家に許されておりました經營の自由であるとか、創意くふうとかが抹殺されるというような考えは、私はごうももつておらないのでございます。さらにまた官僚統制云々と申されましたが、これも繰返し申し上げましたように、石炭廰の長官、石炭局長、あるいは石炭局員というものは、從來の官僚機構の構成分子と根本的に違つた人が、これを構成されるのでございまして、私はこの石炭局というものは、從來の官僚機構というものと、本質的に違つた形で現われてくるというぐあいに期待しております。私の心を率直に申し上げますれば、むしろ深津さんのような、いわゆる事業にも經驗あり、また國會議員として政治界にも經驗のあるような方が、ひとつこの際石炭局長なら石炭局長というようなものになつてやられるのが、私の非常に希望する點でありまして、そういうような點を十分に御了示を願いたいと考えております。
#41
○深津委員 私はそういうものにならうとも思つておりませんが、ただこの法案をめぐつて、もう少しはつきりして、今商工大臣がおつしやつた點なら、むしろこの法案を出さぬでも前からこれをやつておる。このようなものを出さぬで増産をやれ、これが商工大臣のとるべき最もりつぱな御手腕であると私は思いますから、できるならそこまで法案を出さずに増産のできるように、水谷商工大臣の腹と頭でやつていただきたいと私は思います。この石炭鑛業の特殊性といたしまして、長期經營ということは、どうしても必要でございまして、三年とか五年とか、あるいはここ當分とかいうことでは、石炭はなかなかうまくいかないと思うから、この點についてもう少しはつきり、永久ということをやつていただきたいと思いますが、その御所見はいかがでございますか。
#42
○水谷國務大臣 その點に關しましては、先日大矢委員長にお答えいたしましたように、この法文の第一條と第六十八條を讀んでいただきますならば、大體どいうことであるかということは御了承が願えるのではないかと考えております。
#43
○深津委員 今のこの三年計畫でありますとか、五箇年計畫をやると、戰爭中と同じように、むしろ濫掘になる。特にまたこの法案によつてがしがし官僚が頭から責めてやつたならば、將來日本の國のために石炭がどうなつていくかということも、私は考えるのでございます。これは決してこの官僚だとか何とかいう意味でなしに、急いで物事をやるということは、今の日本の經濟状態としては、石炭がなければならぬことはよくわかつておるが、しかし計畫の數字もつかまぬで、とにかく三千萬トン、石でも何でも構わない。とにかく不良炭のものでもよいからというような勢いで、三千萬トンとか、三千三百萬トン出してもらうということは、これは大いに慎んでいただかなければならないと、私は信ずる次第でございます。ゆえに少くもこの石炭を計畫するにあたつては、永年の計畫にわたつて、ぜひ御遂行していただきたいと思います。御所見いかがでございますか。
#44
○水谷國務大臣 さつき六十八條と申しましたが六十九條の間違ですが…。これはひとり石炭企業に限らず、當面の對策と恒久の對策と、二つを兼ね合わして考えていかなくてはならぬことは言うまでもございません。ましてこの石炭企業のような重要な基礎産業におきましては、特にそういう感を深くするものでありますがゆえに、われわれといたしましても、深津さんがただいま御指摘になりましたような二つの目標を、いかに調整してやつていくかというところに苦慮しておるのでございまして、御趣旨はまことに同感でございます。
#45
○深津委員 實はこの石炭鑛業に限りまして、資金の約八割というものは地下に固定されてあるということは、これは大臣もおわかりのことで、私が説明するまでもないのですが、萬一のことがありましたならば、あるいはこれが爆破とか、あるいはいろいろな水のため非常な危險を全部地下にもつておるのでございますが、その經營にはすなわちこの地下にたくさんの資材をもつておる關係上、その山に育つた人においては、その山の性格もよくわかり、またほかの所の山からほかの山へ行つた人が、すぐこの傾斜生産によつて技能を發揮することは、私は不可能な問題と信ずるのでございます。この山によつて子飼からできたりつぱな人を重用しておるということは、はなはだ結構だと思いますが、これによつて組織をばらばらにするようなことがあつては、たいへんな問題が起きると思いますが、水谷商工大臣は、石炭に關係しておる人であれば、あるいは北海道の人が九州に行つて、九州の炭鑛に行つても、すぐその技能を發揮することができるとお考えになるのでございますか。
#46
○水谷國務大臣 山にはその山々に特殊條件があります。またその特殊條件に即應しなければ、生産の増強ができないということは、御趣旨きわめてもつともでございます。ただ御指摘の點、北海道の人が九州へ行つて云々ということは、この法案にはそんなことは少しも書いておらぬのでありますがどういう點でそういう點を御指摘されたか知りませんが、私はやはりその特殊な山にこれまで永くおつた人が、今後も事情の許す限り、その山で働いてもらうということは、これは私が心から望む點でございまして、そういうことを斷ち切つたり、あるいは妨害するということは、この法案のどこにも書いておらないつもりでございます。
#47
○深津委員 その點を私はばらばらにされると困ると思いましたからお聽きしたのでございます。もしそうでないならば、私は結構だと思うのです。それからまた官僚々々というと、あるいは語弊があるかもしれませんが、官僚と生産協議會の間に挟まれたところの地位におかれる炭鑛管理者というものは、その人は力を出すことが非常にできないと私は思うのであります。この點につきまして、おそらく官僚の人がその經驗者にしても、それではそういう人を民間人から官僚に登用すればいいと、先ほど商工大臣はおつしやいましたが、この難局を切抜けるために、そういう所へはいつていく人は、私は今の世の中では、よほど神様か佛様のような人とか、あるいは農業で申しましれば、二宮尊徳のような人が今ありと假定すれば、こういう人の登用は結構でございますが、おそらく登用してくれといつて頼みこんでいくような人を登用する幣が非常に多いと思いますから、この點を商工大臣は、どういうふうに人の登用をしていくおつもりですか。
#48
○水谷國務大臣 その點は西田委員の御質問にもお答えいたしましたように、たとえば九州なら九州の石炭局長というものは、九州地區の勞資双方の納得してくださる方を共同で推薦していただいた人をば、商工大臣がそれを承認しよう。石炭局員の場合いおいても、そういう方式をとろうと言つておるのでございまして、私個人が個人の物指でそういうことをやつていくということはできないと思います。
#49
○伊藤委員長 靜肅に願います。
#50
○水谷國務大臣 もしそういう石炭局長というものも、勞資が納得して推薦するということができなければ、私はもつと根本的問題において、日本の石炭生産増強もできないと思います。私は日本の石炭生産増強は、いわゆる政府、經營者、勞働者の三位一體の協力態勢によつて、初めて生産増強ができると思うのでございまして、そういう點もできないということは、私は日本國民の現在の經濟の危機、さらに民族發展の危機を防止しようとすれば、危機だけは食い止めるという觀點に關しましては、政府、勞働者、あるいは經營者、みんな人後に落ちないものでありますがゆえに、私はそういうようなことは、絶對にできないという御説には絶對に賛成するわけにはまいりません。
#51
○伊藤委員長 靜肅に願います。靜肅に願います。
#52
○深津委員 本委員會におきまして、政府の答辯辯の中に、本法案は組織法である、これは先ほども商工大臣がおつしやつたのでございますが、これによつて一つの組織をつくる。これを本法案でいくら増産ができるかという數字はできない。これもさつき私はお聽きしたのですが、それは本法案提出理由の説明になつた言葉の中に、石炭生産を急ぐための方法、あるいは採鑛の能率をあげるためだ。いささか矛盾があるように私は考えるのでございます。また考え方によると。理屈に合うようでありますが、しかしこれも理屈に合つていない。どうしても私ははつきりしないということを考えるのでございます。また本委員會においても、その點に多大の疑問を皆様がおもちになつておるということは、この間の大矢さんの質問の中にもあつたと思いますが、從來政府が明瞭に言わないので、本委員會を通じてどうしてもはつきりとさせなければならないと、私は信ずるのでございます。この法案を増産前提のもので、そうして組織法であるということを今明瞭に言われたのであるならば、この法案だけでは増産ができない。すなわちこの石炭對策の非常對策と兩方にらみ合わせてやるとおつしやつておるのでありますが、そうしますと、この石炭非常増産對策要綱の第二の點でございますが、この間同僚の淵上委員からお聽きしたときには、この第二項の、「我が國經濟の實勢に鑑み、現在の物價竝びに賃金水準は飽く迄これを堅持するものとし、炭價の引上は當面之を行はない。從つて經營の収支均衡、勞働賃銀の増収は専ら炭鑛經營の徹底的改善及び生産効率の向上による生産の増大によることとする。」と書いてございますが、しからば和田安本長官に淵上君から尋ねられたときに、これはどうしても千八百圓ベースを堅持するということをはつきり申されましたし、また水谷商工大臣はこの點につきまして、點分ということをおつしやつたように私は記憶しております。この炭價の問題、あるいは千八百圓ベースというようなこの大きい問題につきまして、あのとき水谷商工大臣と和田安本長官との御一緒の席で、どうも意見が違つておるように感じたのですが、この點商工大臣とぴつたり御意見は同じだとおつしやいますか。
#53
○水谷國務大臣 この點は經濟安定本部長官と私の意見とは別に矛盾はございません。ただ、しかし同じことを申し上げたのも、計畫官廰である安本長官が言われることと、生産を擔當する實施官廰である私の立場で言うことは、響きが多少違うように受取られるかもしれませんが、原則は少しも變つておりません。從つて原則に對しまして何らかの矛盾というものは、兩者にないというぐあいに、ひとつ御了承を願いたいと思います。
#54
○深津委員 それでは大體同じだということに了承して、どうしても上げないということでございますね。――わかりました。それからこの前の資料としていただいた中にありましたが、あの資料に間違いはないでしようね。資料の點でございますが。
#55
○平井(富)政府委員 資料のどの表でございますか。
#56
○深津委員 資材の火藥の點でございます。間違いないでしようか。
#57
○石坂政府委員 大體間違いないつもりであります。
#58
○深津委員 大體私は倍になつていると思いますが、間違いないですか。
#59
○石坂政府委員 最近の炭鑛の火藥の使用の實績が相當増加いたしておりますので、あの程度必要じやなかろうか、こういうふうに考えたのであります。
#60
○深津委員 私の計算だと大體倍くらいの數字になつているのです。いかになにしても、あれだけの數字は、私は要らぬと思いますが…。
#61
○石坂政府委員 昭和十五六年當時におけるトン當りの使用の實績から考えますと、約倍近くになつております。しかし最近は火藥の品質も相當に低下たしておりますし、また熟練工も大分減りました關係、さらに掘進の方法が大分ハツパ採炭に變更いたしておる。こういう情勢から聞えまして、多少餘裕をとつたらば、こういうふうにも聞えますが、その程度の火藥を用意いたしておきたい。こういうつもりで、安定本部に要求いたした數字であります。
#62
○深津委員 しかし計畫をおやりになつた責任者が、そういうふうにおつしやればやむを得ないですが、私は大體あれだけの火藥を使わなければならぬとは信ぜられませんから、ちよつと附言したのでございます。今度この法案を出すにあたつて、私はくどいように商工大臣に申上げるのでございますが、この法案をお出しになつた以上は、この法案の基礎となる、これと一緒に進んでいくところの石炭非常増産對策要綱とこの法律の説明も私は聽きましたし、この間閣議で御決定になつたのを私はまだはつきり聽いていないのですが、あれはプリントにでもして、せめて委員にだけでも出していただけるでしようか。
#63
○水谷國務大臣 今御指摘のなには、炭鑛特別運轉資金融資要綱ですか。
#64
○深津委員 そうです。
#65
○水谷國務大臣 それは至急出します。
#66
○深津委員 そういうふうにひとつお願いしたいと思います。それからこの事業計畫の未定の場合に、この事業計畫の未定の場合というと、はなはだ筋が違うようですが、實際事業計畫が未定であつて、そしてこれを協議會にかるというようにとれるのですが、企業計畫というものは、山と山と持ち寄つたものをまた石炭廰へ寄せて、これをまた向うにもつていくのですか。
#67
○平井(富)政府委員 指定炭鑛につきまして申し合げますと、業務計畫は炭鑛管理者がまず原案をつくりまして、それを生産協議會に付議いたしまして、そこで一應の結論を出すわけであります。それを事業主に出しまして、事業主が各山の總合調整的な見地から、これをそのまま採用すれば、それは問題ございませんが、事業主の立場におきまして、こうした方が増産になるというよな場合につきまして、事業主の案というものができ上るわけであります。その場合におきまして、事業主はこれを生産協議會にさらに付議いたしまして、ここで各山の現場の意見というものとも十分打合せをいたしまして、石炭局長に提出するということになるわけであります。その際に、生産協議會におきまして、事業主の原案通り決定いたしますれば、これは問題ないのでありますが、事業主の出しました案と、生産協議會における意見が合いませんというような場合につきましては、合わないということを同時に石炭局長に申し出るわけです。
#68
○深津委員 それは實際平井さんのおつしやるように、説明は私はわかるのですが、運營の下に非常に無理が來わしないかと思います。それは御説明を聽けば確かに説明は私もわかるのですよ。これを實施する場合に、非常に無理が私は來ると思う。それですから、私は机上の空論のようなことになると困るから、この運營をうまくできるようにしなければならないと思つて、その點を平井さんに今もお聽きしたのですが、どうしてもこれはなんですから、もう少し簡單にできるようないい方法をひとつおつくりになる必要がある。これは將來のことですから、今ここに差迫つた問題ではございませんが、實際この計畫通りやるということは、御承知の通り、私はむずかしい問題だと思いますから、これは運營にあたつて、石炭長官竝びに平井さんあたりの、ほんとうの運營の妙味を出せば、これはいけるかと思いますが、その運營をうまくするまでに、これは私はおそらくここ一年か二年はかかりわしないかと思つております。そうしますと、その間に石炭増産が食い違いを生ずる點がないかどうかということを、私はちよつと説明していただきたいと思います。
#69
○平井(富)政府委員 現在の生産計畫につきましては、やはり山におきましては、それぞれ經營協議會等にはかつておる山が多いのでありまして、生産協議會の制度は、從業員がやはり全山一致の態勢で業務計畫を實施していくという一つの態勢を整えまするためでありますが、同時に現在經營協議會で行つております機能も、これに繼承いたしまして、生産増強という立場から、業務計畫等についても参畫をする。決定についても参畫をするという體制をとつた次第でございまして、生生協議會制度を設けたことが、ただちに今までと格段の違いが出てくるというふうには考えておらないのであります。むしろ從來の經營協議會というものでやるよりも、はつきりいたしました増産第一という生産協議會におきまして論議をいたすということが適當ではないか。從來の經營協議會の運營の關係からいきまして、この點は十分やつていけるものと私どもは確信しておる次第でございます。
#70
○深津委員 前に商工大臣が、國家管理を行うために必要であると説かれた具體的の理由につきましては、私は大體承りまして納得はできておるのですが、しかしこれは商工大臣と私との意見の違う點だと思いますが、まず私はこれを國家管理にするということよりも、むしろこの生産實情――つまりこの國家管理の草案は通過はしていないが、このときでもどうしてもやらなければならない問題がたくさんあるから、どしどしこれを實行していつていただいておるということも、多少はわかつておりますが、私はどうも今の經營者と、勞務者と、それから政府と、三位一體になるように、もう少し協力と言うと語弊があるかもしれませんが、もう少し打開面があるのではないかと思いますから、この法案を審議中でもよいですから、どうか水谷商工大臣におかせられましては、この三位一體にもつていくのにどの點がどう、この點がどう――これは三つものが寄つておるのですから、どうしてもうまくいかないということは何ですが、今のこのままでもつていくということは危險ですから、もう少し勞資、あるいは政府のお方が力を合わして、そうして十分検討していただきたいと思います。その點は今までの商工大臣の御説明の通り三位一體でいける、またやらなければならない、これは國民としてはむろん私も同感でございますが、これをもう少し圓滑に、手を振らぬでも、あるいはどうしなくても、この三位一體ということを把握ができるようにやつていただきたい。これはよけいなことのようでございますが、いかに商工大臣ができると思つていらしても、とんでもないことが、あるいは起つてくるかと思いますから、どうかその點十分御注意をなさつていただきたいと思うのでございます。
 それから私はこの條文にはいりたいと思うのですが、委員長これはどうでございますか。
#71
○伊藤委員長 なるべくお話合いの點を御考慮の上で…。
#72
○深津委員 なるべくそういうつもりでおりますが、しかしもう少しお願いします。
 この第一條に、「産業の復興と經濟の安定に至るまでの緊急措置」とありますが、この産業の復興と經濟の安定に至るまでの緊急措置ということになりますと、一體どういうふうに解釋ができるのですか。
#73
○水谷國務大臣 「産業の復興と經濟の安定に至るまでの緊急措置」もちろん、どこまでいけば産業の復興か、どこまでいけば經濟の安定かということは、これは非常にむづかしい問題であろうと思います。從つて今深津さんといたしまして、その意味をはつきりせよと言われることはもつともでございますが、われわれといたしましては、大體の目安といたしまして、日本の經濟が、生産カーヴも上昇いたしまして、これならば將來に對して見込みが立つのではないかというような期間を目安といたしまして、大體産業の復興と經濟の安定に至るまでの臨時措置というぐあいに考えておるのでございまして、その點は正確に定義を下すことは、なかなかむづかしいのでありまして、一應の目安として、そういうような文字を使つておるのでございます。
#74
○深津委員 何かそれは具體的におつしやれないように私は聽きましたが、これは具體的に言える問題だと、私は思うのですがね。
#75
○水谷國務大臣 これはまあたとえば、それでは深津さんはこれに具體的にどういうぐあいに御答辯になるかということをお考え願いますならば、なかなかむづかしい問題であると思うのです。こういうような、たとえば産業復興と経濟の安定に至るまでを、それでは貿易の面においてどうなればどうだ、あるいは石炭がどうだというぐあいに言つていきますと、これは見る人によつて違うと思うのであります。たとえば石炭がこれだけのカロリーで四千五百萬トンなら四千五百萬トン出さなければ産業の復興と經濟の安定に至らないと言う方もありましようし、貿易の面においてはこうならなければならぬということも言われるでありましようし、その點は見る人によつて物差が違つてくるのじやないかと思います。從つて各人といたしましても、大體の目安という以人には、私は答えるわけにはいかないのじやないかと思います。
#76
○深津委員 では、石炭は計畫數量に達しても、一般の産業の復興と經濟安定ができなければ、それができるまで、國家管理を續けるというのですか。
#77
○水谷國務大臣 その點は第一條と第六十九條とが關連してくるのでございまして、たとえば、私ら個人の考えといたしましては、大體六千カロリーで四千二百萬トンから四千五百萬トンというものが出てこないと、國際的における貿易のバランスという點からも考えられません。しかしながら。さいわいにいたしまして、三年馬力をかけてそういう目安がついた場合におきましたならば、これはあえて五年もやる必要もないと思うのでありまして、それらは、この法案が通過いたしましたときには、全部が協力して三年間を努力いたしまして、その三年經つたときにおきまして、はたしてこれで産業の復興と經濟の安定に至つたかどうかということを判定すべき問題であろう。このように考えております。
#78
○深津委員 それでは、第一條の經營者というのは、どれを意味しておるのでございますか。
#79
○平井(富)政府委員 經營者と申しますのは、事業主を含めました經營のスタツフを大體指釋しておるのであります。事業主を含めた經營に從事しておる者、大體を言えば取締役會というようなものが經營者というものに當ると思います。
#80
○深津委員 そうしますと、商法上の會社の重役、すなわち社長とか取締役、監査役、この程度ですか。
#81
○平井(富)政府委員 商法上の取締役の中には、いわゆる各目上の取締役というような者もはいつてくると思いますが、第一條で經營者といいますものは、現實にその山に經營にタツチしておる者を、太體指しておるわけなのです。
#82
○深津委員 そうすると、本店の經營者、竝びに各鑛業所の經營者という意味ですか。
#83
○平井(富)政府委員 大づかみに言いまして、本社のスタツフ及び山のスタツフで、経營に當る人、あるいは鑛山長というようなものであります。
#84
○深津委員 それでは、會社の部長、次長、事務長とか、あるいは技師長とか、課長なんかはいつていないのですね。
#85
○平井(富)政府委員 ここで經營者という範圍を考えておりますのは、役員を大體考えておる次第であります。
#86
○深津委員 そうしますと、鑛業所の所長以下係長までですか。
#87
○平井(富)政府委員 役員と申しましたのは、商法上の言葉で申し上げましたので、大體取締役で經營に實際参加しておる者というような者を、經營者と指摘した次第であります。
#88
○深津委員 そうすると、それ以外の人は含まれていないですね。
#89
○平井(富)政府委員 これはむしろ從業者にはいるものというふうに考えております。
#90
○深津委員 そうすると、課長なんかも從業員ですか。
#91
○平井(富)政府委員 課長、係長は從業者であるというふうに考えております。
#92
○深津委員 そうしますと、この從業者とはどういうものでございますか。
#93
○平井(富)政府委員 大體經營者に對する從業者でありまして、具體的に申し上げますれば、現在勞働組合法におきまして、從業者と指しておるものが、大部分これに該當するものであります。
#94
○深津委員 そうすると、會社の職員竝びに工員全部を意味しますか。
#95
○平井(富)政府委員 おつしやる通りでございます。
#96
○深津委員 そうすると、商法上の會社の役員以外の、高級職員、すなわち部長、次長、課長なんかもこれにやはり含まれていますね。
#97
○平井(富)政府委員 會社と雇傭關係にございます者を、從業者という言葉で、總括的に含めて考えております。
#98
○深津委員 そうすると、勞働組合の關係とは全然違いますね。
#99
○平井(富)政府委員 勞働組合とは若干違つてまいりますが、ただいま申し上げました役員に對しまして、會社と雇傭關係がある者、これを總括的に從業者というふうに考えております。
#100
○深津委員 そうすると、勞働組合に加入しておるとか、しておらないということは關係ないですね。
#101
○平井(富)政府委員 それは關係ありません。たとえば、勞働組合におきましては、會社の利益を代表する者ということで、あるいは秘書課長とか、會計課長というような者が、從業者でない取扱を受けておるわけでありますが、この從業者と申しますものは、そういう會計課長とか、あるいは秘書課長というような者も、從業者という觀念に含めておるわけです。
#102
○深津委員 そうしますと、この條文の第三十三條の第一項をちよつと見ていただきたいと思います。生産協議會の業務委員の資格、この業務に從事する者をどういうふうに區別するのですか。私頭が惡いのでよくわかりませんから、納得のいくように説明していただきたいと思います。
#103
○平井(富)政府委員 業務委員は當該指定炭鑛の業務に從事する者の中から炭鑛管理者がこれを選任するということになるのでありまして、これは從業者の中から選ぶということと大體同意でございます。
#104
○深津委員 大體同意でございますね。そうすると私法案を出した者ではないのですが、この法案をもう少しよくわかるように、はつきりさせる書き方はないのですか。
#105
○平井(富)政府委員 ここで從業者という言葉を使いませんので、「業務に從事する者」、こういうふうに書き方をかえましたのは、先ほど申し上げましたように、實際上は大部分が從業者という範圍と同一になるわけでありますが、炭鑛の規模によりましては、役員である者がその山の坑長なり、技術部長になるというようなことも考えられますので、從業者というふうにいよしますと、雇働關係にある者と限定されるおそれもございますので、「業務に從事する者」というふうにやや廣く含める意味におきまして、言葉をかえた次第であります。
#106
○深津委員 そうしますと、第二條にある「炭鑛」という言葉の意味でございますが、炭鑛というのはどういうことを言うのですか。
#107
○平井(富)政府委員 炭鑛はこの法律には規定しておりませんが、石炭を採掘する事業場一般を指すわけであります。
#108
○深津委員 そうすると、地方商工局において、從來單位制をとつて、單位としてありましたところの炭鑛を言うのですね。たとえば九州におきましては三菱の筑豐鑛業所というような所を炭鑛というのですか。
#109
○平井(富)政府委員 從來のいろいろな關係におきまして、商工局等において炭鑛という單位で扱つておりますものと、大體同様のことに相當なると考えております。
#110
○深津委員 そうすると鑛業所の下のものですね。
#111
○平井(富)政府委員 鑛業所の下の炭鑛、いわゆる一單位として一事業場と見得るものを炭鑛というふうに考えているわけであります。
#112
○深津委員 わかりました。次に第三條は何を目的とする規定でございますか。
#113
○平井(富)政府委員 第三條は、この規定によりまして必要があります場合には、あるいは監督命令、その他命令が發せられるわけでありますが、この規定の趣旨といたしますところは、この管理にあたります行政官廰の管理、商工大臣以下のその他の官吏、及び炭鑛管理委員會の委員というものが、この管理を實施いたします場合におきまして、炭鑛の企業者と從業者との團體協約というものは、これを尊重していくということを規定いたした次第であります。すなわち現在、たとえば勞賃につきまして、全國的な勞資それぞれの團體におきまして、賃金協定ができるという場合におきまして、これが實際賃金をきめます場合において、生産協議會においては、その賃金水準というものを具體化していくという方向において、これが行われていくと考えるのであります。そういうような點で、企業者と從業者との團體協約というものは、企業者及び從業者として團體協約をする權限があり、またその結果というものは、これを尊重していかなければならないという一般的な一つの考え方を、ここに宣言的に表わしたわけでございます。
#114
○深津委員 第四條は、當然のことをあえて一箇條を設けて規定しているのは、これはどうなんですか。私は一箇條を設けなくてもいいように思いますが…。
#115
○平井(富)政府委員 第四條は、この法律の規定に基いて發しました命令その他の處分がその事業主の承繼に對しても、その努力を有するということでございまして、あるいはおつしやるような、當然の規定という解釋も成り立ちますが、念を入れて、はつきりここに明確に規定したという次第でございます。
#116
○深津委員 それでは、これは炭鑛事業の承繼を豫想せざるというような理由もあるのですか。
#117
○平井(富)政府委員 そうではございませんで、炭鑛事業の承繼というものもあり得ることを豫想いたしまして、事業の承繼人に對しても、その効力を有するというように、明確に規定いたした次第でございます。
#118
○深津委員 それから第五號に、事業計畫の内容を命令に讓つておりますが、その内容は具體的にどういうものでございますか。たとえばこの點を法文に明記することはできないのですか。
#119
○平井(富)政府委員 第五條におきまして命令に讓りました點は、大體いつまでに提出すべきかという問題と、どういう内容の事業計畫を出すかということでございまして、事業計畫の内容といたしましては、生産計畫及びそれに伴います資金、資材等の需要計畫が、これの骨子になるわけでございます。
#120
○深津委員 そうしますと、第五條の二項でございますが、届け出をした事業計畫は、必要があると認めるときは、政府の一方的命令で變更せられるというのですか。
#121
○平井(富)政府委員 事業計畫の變更をいたします場合の運用といたしましては、事業計畫が提出されまして、その檢討に當りまして、これを變更することが必要であるという場合におきまして、實際の運用上、炭鑛事業主とと十分その點において事前の打合せが行われるものと考えられます。そういう事前の打合せをやりまして、なお意見が相違する、しかし計畫を變更しなければならないというような場合におきましては、地方炭鑛管理委員會に諮つてから命令を出すということになる次第でございます。
#122
○深津委員 これは、はつきりできますか。
#123
○平井(富)政府委員 從來の行政上の運用を見ましても、いきなり監督命令が出たということはございませんで、事前に十分事業主とも打合せをいたしましてやつているのが普通であろうと思います。この法案におきましても、十分そういう點については、注意してまいりたいと考えております。
#124
○深津委員 第六條の炭鑛の事業主は、事業計畫の責に任ずるという、この法律的の内容はあるのですか。
#125
○平井(富)政府委員 これは一般炭鑛の管理につきまして、計畫が決定されまして、その計畫を遂行していくという一つの責任というものを規定した次第でございます。これは一つの宣言規定、あるいは道徳規定と申しますか、そういうような規定でございます。
#126
○深津委員 そうすると、この責任には罰則の適用もなく、また民法の損害賠償も起り得ないという意味であつて、道徳的の責任ばかりを言つておるのでございますか。
#127
○平井(富)政府委員 事業計畫の實施の責に任ずるという一つの宣言規定でございます。
#128
○深津委員 宣言規定というと民法の規定でございますね。
#129
○平井(富)政府委員 一般炭鑛の管理につきまして、届出ました事業計畫というものは、一つの増産計畫になるわけでありますので、それを事業主としては、あらゆる努力を拂つて實施をしていくというために、法律的な構成をここに書いた次第でありまして、これによつて、ただちに罰則の規定の適用とか、そういうようなことはございません。そういう意味におきましての一つの宣言規定であり道徳規定であり、一般炭鑛の管理の構成というものをここにはつきりいたした次第であります。
#130
○深津委員 ちよつともう十二時ですから、まことに恐縮なわけですが、しばらく休ませていただきたいと思います。
#131
○伊藤委員長 午前の會議はこの程度に止めることにいたしまして、午後一時から會議を開くことにいたします。本日は本會議等もありますので、それを考慮の上に、會議を午後續行することにいたします。暫時休憩いたします。
    午後零時十一分休憩
    ―――――――――――――
    午後一時三十一分開議
#132
○伊藤委員長 休憩前に引續き會議を開きます。
 深津君の質疑を繼續いたします。
#133
○深津委員 第六条の責任の定義という點でございますが、第五条第二項の政府の一方的變更命令は問題であるが、この解釋をどういうふうにしたらいいですか。大體政府の一方的の命令のようにとれるのでございますが…。
#134
○平井(富)政府委員 第五条第二項の變更の命令は、さきほど申し合げましたように、變更命令が出る前に事實上の問題としては、石炭當局と炭鑛の事業主との間に打合せ、檢討が行われると存じます。それに基きまして問題が片付かぬという場合に、石炭局長が地方炭鑛管理委員會に諮りまして、變更の命令を出すわけであります。その場合において、その山の事業計畫は、その命令によつて變更されました事業計畫を實施していくということに相なると考えております。
#135
○深津委員 それでは炭鑛の事業主が、たとえば二百萬トンの出炭計畫を立てまして、そうして事業計畫を提出します。それから地方炭鑛管理委員會も二百萬トン出炭計畫を妥當としたときに、石炭局長が必要があるとして二百五十萬トンの出炭命令を出すというような場合は、本條の責任の内容はどういうものですか。そういう場合がなけらねば結構ですが、あると假定する場合が私は多いと思う。
#136
○平井(富)政府委員 この命令を發しまする場合に、「地方炭鑛管理委員會に諮つて」と特に明文でうたいましたのは、地方炭鑛管理委員會において、石炭局長の意見のみでなく、炭鑛管理委員會としての意見をそこで確立するということでございますので、炭鑛管理委員會において、二百萬トンが妥當であると認めました場合は、石炭局長はそれに反してまで命令を出すことは事實上ないというように考えている次第であります。
#137
○深津委員 字句から言えばそういうふうにいけると思いますが、どうしても三千三百萬トン出さなければならないという場合には、第一・四半期には、それでよかつたが、急にお前の山でこれをやれというような命令は絶對に出しませんか。
#138
○平井(富)政府委員 この法制の立て方が、いわゆる政府の一方的意思によつて生産計畫をきめるということでなく、指定炭鑛においてごらんになるように、生産協議會等の制度を設けまして、山の考え方、山の特性というものを十分に考慮に入れて、事業計畫を設定いたす運びになつているので、この法制の建前全體から見まして、石炭局長が一方的な意思によつて二百萬トン計畫を、さらに濫掘を冒してまで、五十萬トン掘れということは考えられないと思われます。
#139
○深津委員 ところが、今はこの國管がされていないからそういうふうでしようが、今は實際問題としてそういうことをおやりなつているようですが、どうですか。今確かにおやりになつている。ただ法文をつくるだけだと商工大臣はおつしやいましたから、法文をつくるだけなら結構だ、ところが、今現在急にこれだけ掘れといつていく問題がある。渡邊さん御存じでしようが、九州の炭鑛あたりでこの間殖やした問題、あの點はどういうふうになつておりますか。現場からも來たように私は承つております。
#140
○渡邊(誠)政府委員 ただいまの話は、この管理法案と別個の問題で、現在のことについての御質問だと思いますが、炭鑛の生産能力竝びにあらゆる手段を講じてもこれ以上出ないという結論に達した場合には、それ以上の出炭を指示することは、非常に無理なことになると存じますけれども、まだ炭鑛に力がある、同時にそれを殖やし得る手段がまだ殘つているという場合には、その手段を講じて、そこまでいくようにという目標を、現在より多いものを指示する場合が現在あるわけです。それは具體的に申し上げますと、たとえば現在八時間拘束の勞働をしておる。これは現在の八時間の状態から申しますと、この程度の出炭であろうというふうに考えられるかもしれないが、もしそれが九時間なり、十時間の作業をやるというふうに、生産能率を現在より上げることができ得る手段が殘つている場合には、その手段を講じて、現在の状態では無理であるというものを、そこに達するようにということを、指示しておるわけであります。
#141
○深津委員 しかし説明は私はわかるのですが、實際問題としては、こういう場合が往々起きてくると思いますから、この點もよく御熟慮願いたい。それから第六条の一般の炭鑛に對します政府の監督の内容というのは、どの程度までいくものですか。たとえばそれは法文の解釋によりますと、商工大臣のことか、あるいは石炭廰長官のことか、あるいは第三者の全部という意味か、この點はもう少しはつきりいかないでしようか。
#142
○平井(富)政府委員 第二章に規定いたしましたことは、一般炭鑛の管理に大體關することでございまして、條文によりましては、指定炭鑛に對しても適用する條文もございますが、一般炭鑛の管理につきまして、政府が増産上必要と認めて命令を發する場合におきましては、それぞれ炭鑛管理委員會の議を經ておるわけであります。まず第一に先ほどの第五條の第二項の事業計畫の變更に關する事項であります。第二が八條にも關連してまいりますが、監督上必要な命令をなし得るというふうに第十條に規定してございます。これは石炭廰長官、あるいは石炭局の局長が、炭鑛管理委員會に諮りまして、事業主に對し監督上必要な命令をなすということに相なつておりますが、この監督上必要な命令という意味は、前の委員會において申し上げましたように、第一にこの法律において抜打的に出るものでなく、報告または檢査に基きまして、十分調査した上で、必要があると認めたときに、これを出すということと、監督上必要な命令という意味は、積極的な命令、たとえばあとにありますような新坑を開發するとか、設備を増設するとか、積極的な命令ではございませんで、むしろ命令の種類から言いますれば、消極的にやるべきことをやらぬということに對して命令が出るということを豫想しておるわけであります。しかもこの際には、炭鑛管理委員會に諮つて命令を出すというふうに、慎重な手續を經まして、誤りなきことを期しておる次第でございます。その次には第十一條の石炭鑛業の休廢止の問題でございまして、これは經營全般に關する問題でございますので、商工大臣の許可にかかわらしておるわけであります。十二條につきましても、同様の趣旨で、商工大臣ということにいたしておるわけであります。十三條につきましては、各炭鑛におきまする各種資材、機器の偏圧というものを、この規定によつて是正してまいりたいと考えておりまするが、この關係もやはり生産に密接な關係がございますので、炭鑛管理委員會に諮つてやるというようにいたしまして、石炭廰長官、石炭局長、それぞれ事案の内容によつて命令を出すというようにいたしておる次第でございます。
#143
○深津委員 そうすると、そのほかの各省の大臣には關係がないということですね。
#144
○平井(富)政府委員 管理法に基きまして、各省大臣が命令を出しますのは、第四章の協力命令でございまして、この協力命令につきましては、その主管の各大臣が命令を出すというように考えておりまして、一般炭鑛におきましては、商工大臣、石炭廰長官、石炭局長、このラインの行政官廰から命令が發せられるように相なつております。
#145
○深津委員 そうすると、先ほどの監督の話になりますが、必要と認めたら、監督に名をかりて強引にやるということは、絶對にあり得ない問題ですね。
#146
○平井(富)政府委員 そのために特に炭鑛と密著いたします石炭局の局長、局員というものに、特殊な構成をとりまするとともに、炭鑛管理委員會に諮つて命令を出すというように、特殊の措置をとつておる次第でございます。
#147
○深津委員 そうしますと、その目的がはつきりしないようです。そうしたらそこに協議會にかけさえすればいい、そうすると協議會で妥協してしまえば、それで何もそこで發動するようなことはないですな。
#148
○平井(富)政府委員 これは運用の問題と存じますが、地方炭鑛管理委員會というものは、勞資それぞれの適當な方が委員になるわけでありまして、これによりまして、いわゆるこの管理法が上からの命令をただ炭鑛に押しつけていくということを防止いたしますとともに、その國の要請と同時に、山の事情、山の意思というものが、最も合理的に調整されるということをねらつておるわけでありまして、それによつて國家管理の施行が、二つの要請を適宜に組合せていき得るというふうに考えておる次第でございます。
#149
○深津委員 そうしますと、その監督だけでなしに、指導とか、あるいは助成というようなこともやるわけでございますね。
#150
○平井(富)政府委員 もちろんこの監督命令が發せられる場合というものは、商工大臣から申しましたように、いわゆる傳家の寶刀式なものでございまして、よくよくのことでなければ、監督命令が發せられることはないと存じます。實際上は炭鑛の事業主との話合いで片がついていくかと思うのであります。特に石炭局の職分といたしましては、炭鑛に對する資金資材の入手その他については、強力な斡旋をしていく義務があると思うのであります。
#151
○深津委員 そうしますと、この法案の第二十四條の炭鑛管理者が受ける所轄石炭局長の監督と、實質的はどういう差異があるのでございますか。
#152
○平井(富)政府委員 第二章の監督命令は、いわゆる大體において指定炭鑛以外の一般炭鑛に對する規定に相なるわけでございます。指定炭鑛につきましては、現場の事務處理のために、炭鑛管理者という制度を設けますので、炭鑛管理者が即決し得る事項については、所轄の石炭局長の監督を受ける、こういうふうにしておる次第でございます。
#153
○深津委員 ちよつと條文をあとにしまして、私は、私ばかりじやないと思いますが、十月分の石炭の出炭の實績がもしおわかりなりましたら、どういうふうになつておるかということを、生産局長がいらつしやいますから、この際御説明願いたいと思いますが、委員長いいですか。
#154
○渡邊(誠)政府委員 十月の出炭實績は、ただいま印刷をいたしておりますが、明日お手許にお届けいたすつもりでおりますが、御参考のために概數をただいまお答え申し上げます。十月北海道地區の出炭は、豫定が七十二萬四千トンに對して六十三萬六千トン、八八・一%東北、目標二十萬七千トンに對しまして十七萬九千トン、八六・七%東部地區、月標七萬八千五百トンに對しまして、六萬五千六百トン、八三・六%西部地區、目標八千トンに對しまして六千九百トン、八六・三%山口地區、目標二十萬五千トンに對しまして、實績は二十萬四千五百トン、九九・八%、九州は、目標百三十七萬七千トンに對しまして、百三十二萬四千トン、九六・二%全國を合計いたしまして、目標が二百六十萬トンに對しまして、實績は二百四十一萬七千トン、遂行率が九三・一%概略の數字はこういう状態でございまして、二十四十萬トンを超えたのは、終戰後初めての出炭高でございます。
#155
○深津委員 北海道は特に落ちておるようですが、何か隘路になつておるような點はないのですか。
#156
○渡邊(誠)政府委員 ただいま北海道に對しては調査團を派遣いたしておりまして、科學技術的の分析をやつておりますから、その結果によりませんと、いろいろ詳しい内容的な點はわかりませんが、北海道の方から報告してまいつておりますのは、勞働意欲の振わないということを、報告いたしてまいつております。
#157
○深津委員 それでは先ほど條文の點にまたもどります。第七條に「炭鑛の事業主は、命令の定めるところにより、事業計畫の實施状況を所轄石炭局長に報告しなければならない。」とありますが、一般炭鑛が義務づけられる報告の内容は、どの程度のものでございましようか。
#158
○平井(富)政府委員 この命令で定めます事項は、提出の時期及び提出すべき事項でございますが、これは事業計畫と裏腹をなしますいわゆる生産計畫の遂行の状況、あるいは擴張計畫を實施いたしましたその状況等を、石炭局長に報告するということに相なるのであります。
#159
○深津委員 そうしますと、事業計畫の全般にわたつて詳細なる實施状況を報告するということですか。
#160
○平井(富)政府委員 一般炭鑛につきましては、指定炭鑛と異なりまして、その報告の内容も指定炭鑛におきましては、事業計畫という言葉を使いまして、事業計畫と別な言葉を使つておりますように、一般炭鑛につきましては、いわゆるその山の生産計畫をつかみ得る程度のものを、事業計畫と考えておるのでありまして、いわゆる生産計畫及び資金資材の計畫、擴張工事がありますれば擴張工事に對する計畫、これを事業計畫として報告を求めるのでありまして、それの遂行状況でありますので、その遂行状況がどういうふうになつておるかという點をつかみ得る程度の資料、こういうように考えております。
#161
○深津委員 ここまで報告をするということになると、實際仕事が複雑過ぎてくるような感じがするのですが、やはりここまでしなかつたならば、目的を達することはできないのですか。
#162
○平井(富)政府委員 この報告は、大體におきまして、たとえば生産量というようなものは、これは毎月現在でも出しておるわけであります。あるいは勞務の移動の状況等については、毎月出しておるのでありますが、その他の問題につきましても、事項によつては事業計畫はここにありますように、四半期別に出すわけでありますので、四半期別に報告を求めるということで、十分實情も把握でき、その把握した實情が、次の資材なり資金なり、あるいは生産計畫に役立ち得るというものでありますれば、四半期ごとにこの状況の報告を求めるということになるかと思うのでありまして、一般炭鑛につきましても、資材資金の計畫は、的確につくります必要がございますので、その資金計畫なり、資材計畫なりを有効ならしめるに必要な程度の資料というものは、やはり一般炭鑛からも徴するということは、必要であると考えております。
#163
○深津委員 そうしますと、第二十二條の指定炭鑛における業務計畫の實施状況の報告と、どういう差異があるのですか。同じようなふうにとれます。
#164
○平井(富)政府委員 業務計畫は、これも前囘の委員會におきまして申し上げましたように、生産の數量、あるいは送炭の數量、それに關連いたします資金資材計畫、格勞者の需要計畫等、事業計畫よりも指定炭鑛については若干詳しいデーターというものをとつてまいることになるのであります。しかし目的は一般炭鑛について報告をすると同じような目的でありますので、業務計畫の實施状況が明確になり、それによつて資金資材に有効な手が打ち得るような程度の資料というものを要求する次第であります。
#165
○深津委員 御説明によりますと、ほとんど二十二條と同じようなものでございますね。
#166
○平井(富)政府委員 指定炭鑛については事業計畫の報告を出すということはございませんで、二十二條の業務計畫の報告があるわけでございます。
#167
○深津委員 第八條の一般炭鑛の事業主の業務の状況に關する臨時檢査の範圍というのは、どの程度でありますか。
#168
○平井(富)政府委員 大體におきまして、第八條において一番問題になりますのは、たとえば資金資材の入手状況がどうなつておるかというような報告を徴し、あるいは現場においてその入手の状況を實際に見る、あるいは使用の状況を見るというような點がおもになることかと考えております。
#169
○深津委員 そうしますと、この臨時檢査をやつて、たとえば行き過ぎという語弊があるかもしれませんが、要するに行き過ぎですが、それをどういうふうにして防止するのですか。それからまた石炭廰長官と石炭局長との權限の區分というのは、どこでわかるのですか。
#170
○平井(富)政府委員 大體において炭鑛の業務監査というものは、石炭局長がこれを實施するのが原則であります。しかしながら、石炭廰の職員も、必要に應じてこれに参加をいたしまして監査を行うということも豫想いたしまして、石炭廰長官というものも檢査し得るというふうにいたした次第であります。この條文の運用につきまして、行き過ぎその他の問題についてでございますが、そのためにまず根本的には、石炭局という一つの行政機構に特殊な規定を設けまして、その構成に非常なくふうを拂つたということが、まず一つの點でありますし、それから炭鑛の管理の全般につきまして、炭鑛管理委員會というものがございまして、石炭局の動き、その他についても、これを見ておるわけでありますから、これらの機構の運用によりまして、石炭局が非常な乱暴なことをする、行き過ぎなことをするということは、十分防止し得るというふうに考えております。
#171
○深津委員 第九條の條文は、これは當然のことだと私は思うのですが、これをことさらに一箇條を設けて規定しておるのは、何か理由がございますか。
#172
○平井(富)政府委員 一般炭鑛の管理の主體は、前會にも申し上げましたように、監査というものが主になるわけであります。從いまして、そのために帳簿、書類その他一切の記録を整然としておくということが、事業の經營につきましても必要であり、また事業經營を容易ならしむるための各種の資金資材等について、行政的な手段を講ずる場合においても必要でございますので、監査に重點をおくという趣旨からいたしまして、第九條の規定をおいた次第であります。
#173
○深津委員 第十條の第一項に、「監督上必要な命令」という言葉がございますが、必要な命令というのは、どういう命令を指すのでございますか。
#174
○平井(富)政府委員 この規定の「監督上必要な命令」と言いますことは、事業計畫の遂行上必要な命令ということになるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、その際に設備を増設するとか、新坑を新しく開發するとかいうような積極的な命令は、これにははいつておりません。特に「監督上」とこうかぶせました意味は、實施に關しまして、たとえば當然なすべきことをしないというような消極的な面を是正するということを、大體監督上必要な命令というふうに考えておる次第であります。從つてたとえば資材の譲渡、あるいは設備の譲渡というようなことが、石炭増産上必要であるという場合におきましては、十三条の規定によるというふうになつておる次第であります。
#175
○深津委員 この石炭廰長官と石炭局長との本命令をなす場合の權限の區分は、どういうふうになつておりますか。たとえば二重に報告を要求されるようなこともあるだろうと思うし、その報告に基いて、二重に命令を受けるようなことがあるようなことはないでしようか。
#176
○平井(富)政府委員 ただいまの重複關係は、極力これは當然避くべきものと思います。從いまして、石炭局長が報告を徴しました事項につきましては、石炭廰長官は、石炭局長に報告を求めるということに相なると思うのであります。ただ第八條等につきまして、先ほど申し上げましたように、石炭局員の監査のほかに、これに石炭廰の職員を加えて監査するというようなこともございますので、ここ石炭廰長官、石炭局長というふうにいたした次第であります。從つて大體におきましては、石炭局長が炭鑛と密着しておりますので、これによつて發動する場合が相當多いと思いますが、ただ炭鑛によつては、各地區にまたがつて炭鑛をもち、東京に本社があるというような場合に、石炭局長から出すか、あるいは事業主に、東京にあります石炭廰から直接出すかというような問題もございましようし、あるいはまた資材の調渡の命令の點におきましては、その石炭局長の管内におきます炭鑛間の譲渡につきましては、石炭局長はこれを行いましようし、九州の炭鑛から、あるいは宇部の炭鑛に資材を引渡すというような場合には、石炭廰の長官がこれを行うという場合もございますので、兩方の石炭廰長官と、石炭局長とだぶつて書いておる次第でありますが、それぞれの規定の性質によりまして運用してまいりたい。特にこの命令あるいは報告というようなものは、重複しないように、十分運用上避け得るというふうに考えておる次第であります。
#177
○深津委員 第十條には、命令に對して不服の申立の規定が書いてないように思いますが、この點はいかがでございますか。
#178
○平井(富)政府委員 指定炭鑛に對する命令は、業務の實施全般にわたつて命令がなされるのでありますが、一般炭鑛に對する監督上の命令というものは、ただいま申し上げました消極的な間違いを質すという程度のものでございますので、特に不服の申立ということも、必要がないのではないかという點から、十條について不服の申立の規定を書かなかつた次第であります。
#179
○深津委員 しかしこの不服の申立がないように考えられるのが、むしろあなたの見解の誤りでございまして、事業主に對して必ずしも納得がいくものでないというようなこともあるから、やはりこの場合には不服の申立も必要じやないかと、私は考える次第ですが、いかがでございますか。
#180
○平井(富)政府委員 特に指定炭鑛の各種の命令というものと、質的幅の點から申しましても、先ほども申し上げますように、非常に消極的な事項に限定されて運用されるというような關係上、特にこれを置かなかつた次第でありまして、炭鑛管理委員會に諮つて、しかもそれを出すということで、十分これは保障し得る問題であるというふうに考えておる次第であります。
#181
○深津委員 管理委員會に諮つてするからとおつしやいますが、實際これをやる上にはそれがなかなか不可能なことであつて、押しつけなければならないような問題ができてきたときには、どういう處置をされるか。その場合には事業主とか、あるいは管理者にしても、上からの命令をぱつとやるようなことは絶對に起きないものとあなたは推察できますか。
#182
○平井(富)政府委員 指定炭鑛に對する管理、第二章の一般炭鑛に對する管理、これと竝列いたしまして、不服申立の規定の有無、及び監査の規定が主になつております關係、及び石炭局の構成、地方炭鑛管理委員會の活用というような點から見まして、この十條の命令というものが、不必要に、いわゆる押しつけ的にこれに發動されるということは、まず起らぬというふうに、私どもは考えております。
#183
○深津委員 それは見解の相違でありますが、たとえば命令に違反したものは處罰をするとがつちり書いてある。そうして不服申立を認めぬということになると、どうしてもいろいろな問題が起つてくると思うから、この問題が絶對に起り得ないとあなたはお考えになるというのは、私はむしろあなたの御病氣じやないかと思います。
#184
○平井(富)政府委員 それは見解の相違に相なるかと思いますが、一般炭鑛の管理と、指定炭鑛の管理との本質上の違いと、特に一般炭鑛については監査が主であり、消極的な事項、たとえば資金、資材というものを所要の用途に投じなかつたというような、だれが見ても明白なことについて命令を出すというのが、この十條の規定の解釋でございますので、いわゆるこの命令に對しまして不服の申立をしていくというようなことは起らない。但し指定炭鑛につきましては、業務計畫の實施に關しまして、各種の命令、指示というようなことが考えられますので、これにつきましては、積極的な命令、あるいは積極的にこうしろ、ああしろというような事項もあるかと考えられますので、特に不服の申立の規定を置いた次第でありまして、これらの規定の相違によりまして、第十條の發動というものが非常に消極的な、限られた面について出し得るということが、かえつてはつきりするというふうに、私どもは考えておる次第であります。
#185
○深津委員 しかしあなたはそうおつしやつても、實際はそうじやないのです。たとえば命令に違反したものは罰する。そうすると、その罰則にかからないように、何か申立をすることができればいいのですが、實際罰則にかかつてもかまわず命令を受けて、そうして申立できぬという、いわば無實の罪に陥れて、そしてたとえば片山總理大臣がうんとやつたように、ああいうような問題はこれは政治的の問題と違いますから、決してそういうことは起らぬと思いますが、しかし實際あることですよ。たとえばあなたが品物に對してこれは高いとか、安いとかお言いにならなければいいですが、これはおそらくお言いになります。この點買う人だけで、あとは知らぬ。それは何も受けつけない。これに從わなければするということは、これは民主主義國家の踏んでいく點じやないですよ。この點をひとつ何とか納得いくようにつくり直す意思はないですか。
#186
○平井(富)政府委員 この命令の内容については、るる申し上げたように、非常に限定されました、しかも消極的な範圍であります。從つて石炭局長がこれに違反したような積極的な命令をこの監督命令で出す。たとえば何萬トンに増産せいということをむり押しして出す。あるいはこの新坑を開鑿せい。この設備を新設せいというような命令が出ました場合には、その具體的な命令が、この法律の趣旨、精神に反しまして違法であると明らかに認められます場合は、行政訴訟という途が憲法上當然開かれておるわけであります。この法律におきまして、不服の申立というのは、特に指定炭鑛につきましては行政訴訟という制度をとらずに、一つの炭鑛管理の行政内において片づけ得るという途を開いたのでありまして、一般のいわゆる法律に違反した命令を國家で出したということについての最終的な措置ということは、憲法の規定にもあります行政訴訟というふうに相なるかと考えております。
#187
○深津委員 そうすると、實際的には不服の申立ができると解釋してようございますね。
#188
○平井(富)政府委員 いわゆるこの法律に基かない、憲法の規定に基く、違法な國家の命令に對する不服の申立ということになるかと考えます。
#189
○深津委員 わかりました。これはやはり違法の場合には不服の申立ができるわけですな。
 第十一條におきまして採算がとれず、そうして石炭鑛業の全部または一部を廢止または休止しようというところの事業主が不許可になつて、そうして繼續をしなければならない、これによつたところの損失は、第五章の損失補償を受けるものでございますか。この點をひとつ…。
#190
○平井(富)政府委員 この第十一條の許可ということにつきましては、第五章の四十四條の「この法律の規定に基いてした命令文は指示」というものにははいつておりません。從いまして、この許可、不許可ということによつて、ただちに損害賠償の問題が起るということには相ならないのであります。この理由は、炭鑛の事業主が事業の休廢止をいたすという場合におきまして、これが採算がとれないために休止をするというような場合におきましては、具體的なる事項に對する命令等によつて生じました損害の補償という觀念よりも、むしろこの許可、あるいは不許可をいたすという場合におきまして、この採算がとれないという事情が、現存の炭價において當然なものであり、しかもなおかつ生産は維持させなければいかぬという場合におきましては、その經營が成り立つような措置を合わせ講じて、不許可の處分を當然とつていくべきもので、いわゆる一つの法律命令あるいは指示というふうな具體的な事項から發する損失の補償ということよりも、經營全般に關する國の見方、炭價の面、あるいは損失の補給金の制度とか、あるいはその經營を復興公團なら復興公團で行う。あるいは必要に應じては國が行うということもありましよう、そういうような經營全般に對する大きな措置によつて處理すべき問題であるという考え方から、その許可という問題につきまして、損失の補償ということをおかなかつた次第でございます。
#191
○深津委員 それでは事業主の意思に反しまして經營を繼續して生じたところの損失、救濟するという途はないのですね。
#192
○平井(富)政府委員 その際に、ただいま申し上げましたように、あるいは炭價の面において調整を行いますとか、あるいは補給金の制度を考えるとか、あるいは經營自體を國あるいは産業復興公團というようなもので引受けるとか、そのときの適當な措置によりまして、これを救濟していくというように考えておる次第であります。
#193
○深津委員 そうすると、實質的には損失補償ができると解してようございますな。
#194
○平井(富)政府委員 事業主が合理的に經營を續けていけるというような線にもつていくことに相なるわけであります。
#195
○深津委員 線にもつていくという、そこなんですよ。あなたはそうおつしやるのだけれども、實際これはなかなかむつかしい問題でございますよ。事業主とそれからこの問題とは…。そうすると炭價の保證をして幾分補助でも與えて、そうして損失補償の形にはしないが、それがやつていけるように國家として處置をとる。そうしてこの場合に商工大臣があるいはその形をとつてくれろと解釋してよろしゆうございますね。
#196
○平井(富)政府委員 そういうふうに考えておる次第であります。
#197
○深津委員 そうしますと、重要鑛物増産法というのがございますが、この三條においては、政府は必要ありと認めるときには事業の繼續を命じ得ることになつておるが、それとこの第十一條とは、どういう關係がありますか。
#198
○平井(富)政府委員 この管理法を制定いたします際には、他の法令によつて片づき得るものにつきましては、その法令によつておる次第であります。すなわちこの法律の中には、鑛區の収用、使用というような問題は、鑛物増産法によつておるわけであります。この法律に規定いたしましたのは、特にこの石炭鑛業の休廢止につきましては、商工大臣の許可を受けしめるということにいたした關係上、繼續をさせるという場合には、ただいま申し上げました一つの企業に對する全般的な措置をとつて行うことを、運用として考えておる次第であります。
#199
○深津委員 第十一條に「石炭鑛業の全部又は一部」とありますが、これは、どういうことですか。
#200
○平井(富)政府委員 炭鑛の全部、この場合には、一つの炭鑛全部が休むということは比較的問題がございませんが、一部と書きましたのは、たとえば三坑口がありまして、各坑から出炭しておる、そのうちの第一坑だけ休むという場合を想定しておる次第であまりす。
#201
○深津委員 そうしますと、炭鑛の事業主に属する數箇の鑛業所があると假定します。その場合に、鑛業所または一部の鑛業所の意味ですか。坑口のことですか。
#202
○平井(富)政府委員 たとえば三つの炭鑛、九州、北海道、宇部にもつておると假定いたしまして、石炭鑛業の全部と言えばこれは石炭鑛業と書きました關係上、三つ全部休むというように考えられます。それから九州だけの炭鑛を休むと言えば、事業主の經營する石炭鑛業の一部ということに該當することになると思います。それから九州だけで一つの炭鑛を經營しておるという場合に、その炭鑛を休みます場合は、もちろん全部が休むということになりまするし、その炭鑛に先ほど申し上げましたように三つの坑口がある。第一坑、第二坑は休んでおる。第三坑のみ出炭しておるという場合に、その炭鑛については一部というふうに考えておる次第であります。
#203
○深津委員 それから第十二條の「石炭鑛業の全部若しくは一部の賃貸、」この賃貸というのはどういう意味ですか。斤先掘とか、そういうような意味ですか。
#204
○平井(富)政府委員 使用權を設定いたしまして、その一部の炭鑛を他人に經營せしめるということを考えておるのでありまして、斤先ということは考えておりません。
#205
○深津委員 それではその企業權を他人に譲渡してやるということは、認めておるのですね。
#206
○平井(富)政府委員 一つの使用權を設定いたしまして、他人に經營せしめるというのが、この賃貸に當りますし、鑛業權を譲渡してしまうというような場合は、石炭鑛業の譲渡というようなこと、あるいは經營の委任ということに當つてくるかと考えられますが、斤先ということについては、第十二條の對象にはならないというふうに考えております。
#207
○深津委員 しかし鑛業法の第十七條を見ますと、賃借は認められていないと書いてありますが、そうすると鑛業法を改正する用意がありますか。
#208
○平井(富)政府委員 この石炭鑛業の一部の賃貸鑛業權につきましては、使用權の設定、設備につきましては賃貸、これをひつくるめまして、賃貸というふうに實質的な意味で書いた次第であります。
#209
○深津委員 しかし鑛業の法の十七條には、貸借は認められていないですよ。
#210
○平井(富)政府委員 繰返しますが、石炭鑛業の一部の賃貸ということでありまして、石炭鑛業の賃貸をした場合を考えてみますると、鑛業權につきましては、使用權が設定され、設備については賃貸ということになりまして、それ全體をひつくるめまして、鑛業の賃貸というふうに實質的に考えておる次第であります。
#211
○深津委員 第十二條の會社の合併または解散の場合の商工大臣の認可は、資金調整法の合併解散等の手續のほかに、さらに本條の手續を必要としますか。
#212
○平井(富)政府委員 この規定で認可いたします場合には、資金調整法の主務當局との協議で進みまして、あらためて資金調整法の許可は要らないというように考えております。
#213
○深津委員 そうすると、資金調整法の廢止を豫想しておるのですか。
#214
○平井(富)政府委員 資金調整法の主務當局と、認可をいたします場合に協議をいたすわけであります。それによつて資金調整法の許可があつたとみなして、あらためて資金調整法の許可の手續はとらなくてもよろしいというような運用になるのであります。
#215
○深津委員 これは運用の點ですが、大體そこまで話が進んでおりますか。
#216
○平井(富)政府委員 これは資金調整法の規定にそういう規定がございます。
#217
○深津委員 第十三條の第二項の「他の法令」ということは、具體的にどれを指摘しておりますか。
#218
○平井(富)政府委員 たとえば物資調整法の規定に基きまして、命令が出ておつたというような場合を豫想いたしまして、この規定をおいた次第でございます。
#219
○深津委員 そうすると、設備または資材の内容には、鑛業權も含んでおるというわけですね。
#220
○平井(富)政府委員 これは設備資材でございまして、鑛業權は含んでおりません。
#221
○深津委員 第十三條における長官と石炭局長の命令あるいは規定の權限の區分は、どういうふうになつておりますか。
#222
○平井(富)政府委員 先ほど申し上げましたように、石炭廰長官が事業主に對して資材の譲渡しまたは貸渡しを命じます場合には、たとえば九州の炭鑛の事業主に宇部の炭鑛の事業主が資材の譲渡を命ずるというような、いわゆる石炭局の所管事項とまたがつた場合において、石炭廰長官が命令を發する。同一石炭局の管内にありまする炭鑛間の資材の状況という問題につきましては、石炭局長がこれを行うというように考えております。
#223
○深津委員 第十四條の指定炭鑛の指定をなす基準はどこにあるのですか。
#224
○平井(富)政府委員 十四條の指定の基準につきましては、大臣からもお話がございましたように、まず原則といたしましては、大炭鑛より逐次これを指定していくというように考えておるわけであります。この指定をいたします場合には、その事業上の規模というようなものも考慮しなければならぬと思いますし、さらにその炭鑛の現在の能率というものも考慮の要點になると思います。さらにまたその炭鑛が増産をする餘地が非常に多い炭鑛であるかどうかということも考えなければなりませぬし、さらにまた新坑その他相當大規模な開發を行つていかなければならぬものであるかどうかという點も、考慮しなければならぬと思います。これらの基準によつて指定炭鑛を指定していくというふうに、ただいま私どもは考えておりますが、この指定炭鑛の指定基準及び具體的の炭鑛の指定というものにつきましては、全國炭鑛管理委員會に諮つてこれをきめたいというふうに考えておる次第であります。
#225
○深津委員 そうしますと、能率のいいとか惡いとか、採算のいいとか惡いとか、出炭の状況とか、あるいは企業意欲に燃えておるとかどうとか、そういうようなこととは關係なくして、その管理委員會にかけてするのですか。
#226
○平井(富)政府委員 ただいま申し上げましたように、その炭鑛の規模でありますとか、能率の點でありますとか、増産の餘力の問題でありますとか、あるいは山として新坑に手をつけなければいかぬというような點等を考慮いたしまして炭鑛を指定するということは、適當かと考えております。ひつくるめて言いまして、増産の見地ということから指定炭鑛を指定していきたいというように考えております。この點については、なお全國炭鑛管理委員會においても、指定炭鑛の基準及び具體的な指定について、その際の状況によつて檢討をして、最後的な決定をしていくように考えております。
#227
○深津委員 そうすると、指定炭鑛を指定する目的というのは、どういう目的であるか。
#228
○平井(富)政府委員 指定炭鑛の目的は、要するに増産上必要があるという點から、一くるめに言いますれば、増産をせしめるために指定をしていくというように考えております。
#229
○深津委員 そうすると、指定資材を重點的に注入するためですか。あるいは經營の困難なる炭鑛を救うためですか。どういうのですか。兩方ですか。
#230
○平井(富)政府委員 經營の困難を救うという面においては、指定炭鑛にいたすということよりも、むしろその經營自體をどうしたらこれが成り立つていくか、もしこれが經營者のやり方が惡いという點、あるいは從業者はもしやれば出るのだというような點になりますれば、指定炭鑛にいたしてやつていくということも考えられまするが、本質的に能率が惡い、本質的に經營上の採算が合わぬという點につきましては、さらにこれを産業復興公團において行う、あるいはそういう一連の措置をとることが先決である、かように考えておる次第であります。
#231
○深津委員 これをやつたら、實際私は増産どころじやない、減産になると思います。あなたのおつしやつているように、そういうふうにおやりになると、それは産業復興公團でやるとか、あるいは復興金融金庫が貸出をするというのですが、業者からしてみれば、むしろ地方銀行でも融通して、ばりばりやつていきたいというのが、業者なり勞務者の熱意だろうと思います。あまり手を入れ過ぎてかえつて――昔の例で言いますと、大事な子供を寝かせるのに米の中に寝かして子供が死んだ。大事でない子供はもみがらの中に寝かしたら、もみがらの中の子供は助かつて、米の中に寝さした子供は、冷えて死んでしまつたということがありますが、あまりこういうことをやりますと、むしろ大事過ぎて重大な増産ということにもつていけぬと思うのですが、所信をひとつ…。
#232
○平井(富)政府委員 それは炭鑛の能率が上らない事情によると思います。要するに金融さえつければ、その炭鑛がいいということなら、金融をつけるというふうに考えられます。しかし炭鑛の能率が上らない、あるいは經營上やつていけないというような問題については、單に資金、資材がないからというような場合のみではなくして、經營全體についてもつと本質的な點を考えなければならぬという場合もあり得るという點を申し上げた次第であります。
#233
○深津委員 そういう意味ですから、この指定炭鑛を指定するその目的が、怪しくなつてくる。どういう點のものをやるということを、はつきり御説明願いたい。
#234
○平井(富)政府委員 この指定炭鑛の指定がいわゆる不能率炭鑛の救濟のために指定をしていくということは考えておりません。
#235
○深津委員 そうしますと了承できませんが、これはおそらく主觀の相違だと思いますから、第十五條にはいりまして、災害その他の事由による場合指定取消を行うと書いてありますが、その意味はどういう意味ですか。
#236
○平井(富)政府委員 今の炭鑛の指定は、増産の見地から炭鑛の指定を行つていくわけでありますので、災害その他の事由によりまして、生産の續行が不可能になつたというような場合におきましては、指定炭鑛として炭鑛の管理を行うということよりは、むしろ別途の復興措置というものについて、政府としては手を打つべきであるという觀點から、指定の取消を行うというふうに考えておる次第であります。
#237
○深津委員 この點につきまして、この災害をこうむつたときには、どこかでそれをやつてくれるのですね。
#238
○平井(富)政府委員 災害を受けます炭鑛の復興ということが、現在の状況から申しますれば、石炭の増産上必要であるわけであります。從つてそれに必要な資金のせわであるとか、資材のせわであるとかいう點は、十分政府としては考えていくというように考えております。
#239
○深津委員 ぼくはむしろこの災害をこうむつて減産したときこそ、國家の強力なる援助をして、資金資材の注入をしていただきたいと思いますが、この點は見解の相違と言えば何ですが、ここらはやはり減産になるからめんどうくさいから指定を取消す、こういうような氣持でないようにしたいと思いますが、その點をひとつ。確かに條文から見ると、こんなものはめんどうくさい。ついてくればじやまになる。今までは出ておつたからよいが、もう出なくなつたからこれは要らぬというような趣旨ではないでしようか。
#240
○平井(富)政府委員 そういう趣旨ではございません。つまり指定炭鑛の管理というものは、御承知のように、炭鑛の生産の増強という點につきましての管理が主體になりますので、災害を受けました炭鑛の復興に對する政府の援助というものは、指定をしたかしないにかかわらず、これは行うべきものであり、行い得るという點から、指定を取消すというように考えておる次第であつて、災害を受けて炭が出ない。もうお前の物は要らぬというような意味で、この指定の取消をするというふうには考えておりません。
#241
○深津委員 しかしこの點はなかなか御替えがむずかしいのですよ。たとえば閣僚にしても、要らなくなればお前はやめろ、こういうような問題があるから、特にこういう條文をつくる場合には、それよりもつとひどいのです。役人でさえそういうことがあるのです。またあつたということを新聞紙上でごぞんじの通りです。また今沸騰しているのじやないですか。それですから、こういう點をよくお考えにならないと、實際火事になつて手も足も出ない、復興することができぬ、もうお前の山は出ないからもう要らぬと言われるのです。平井さんあたりは、役人におなりになつて何十年もやつていらつしやるから何ですが、私ら民間の者から見ると、ちよつとでも政府の援助が惡くなると、がつかりしてしまつて、生産意欲どころではない、やめてしまうような氣分になります。この點十分ひとつ、まだ餘裕もあるのですから、直せるか直せぬか知らぬが、これは平井さんあたりが商工大臣におつしやつて、こういう點は間違つていますよと、反對にあなた方から商工大臣を引張るようにしなければ、官僚のいいところはない。官僚々々と言うが、ぼくは官僚のいいところを見せてくれれば、官僚でなければならぬということを力説できる。決して官僚が惡いとは思わない。官僚というものはよい。むしろ大臣を引張つていく。それができないような官僚ならだめだと思う。この點は別問題にはいりますが、要するに私の強く言うのは、こういうときにあたつて、なお一層努力をしてやろう。いわゆるこの山は前によかつた山だから力を入れて、指定炭鑛を取消すでない。もつと廣く指定してやろうというくらいな腹を見せないと、石炭は出るものでない。政府の組織とかなんとかいうようなものではない。ほんとうに政府が熱意をもつて夜でもなんでも飛んでいつてやつてやるというなら確かに炭は出ると思う。今出なくて國家管理をしなければいかぬというところまで到達しているが、出ないというのは政府の熱意が足らないからと思うし、また各鑛業所の炭鑛長に熱意がないから出ないと思います。とにかく掘るという熱意でいけば、山の炭というものは、思つたよりは出るものだということを、私は確信をもつておりますから、それで強く申し上げるのですから、こういうときこそ、あなた方はかばつてやらなければいけないと思います。その點どうですか。
#242
○平井(富)政府委員 災害を起しました炭鑛の復興を援助するという熱意においては同じだと思います。私どもも災害を受けました炭鑛に必要な資金、資材というものの斡旋につきましては、萬全の努力を續けていきたいと考えております。ただ指定炭鑛にいたしまして、いわゆるこの條章にありますような管理自體を行う必要がないという意味から指定炭鑛からはずすのでありますから、炭鑛の復興と指定炭鑛からの取消というものは、全然別の問題であると考えております。
#243
○深津委員 第十六條に詳細なる業務計畫と書いてありますが、この詳細なる業務計畫というと、やはりさつきお聽きしたと同じ意味ですが、もう少しこまかく出すのですか。大體今やつている程度ですか。
#244
○平井(富)政府委員 この詳細な事業計畫として書きました意味は、一般炭鑛の事業計畫と異なりまして、それよりも詳細なという意味で、ここに言葉を書きわける必要上こうしたわけであります。この業務計畫の内容につきましては、前囘の委員會においても申上げたように、當然炭鑛としても作成すべき程度の業務計畫というものの作成をして、これを石炭局長に提出するというふうに考えております。
#245
○深津委員 業務計畫のことについては、各炭鑛ともやつておりますし、また採算の合うように業務計畫をつくるということはあたりまへですが、この業務計畫をあまり官僚式にこまくやると、むしろそのためにたくさんの人が要る、あるいは調査に要するというような點がございますから、その點を私は指摘してお聽きするのです。
#246
○平井(富)政府委員 その點は十分注意して運用してまいりたいと考えております。ここで業務計畫をとりますのは、その指定炭鑛の業務計畫の内容というものを、石炭局長としてつかみ得るという必要の限度においてとるわけであります。從つてこれによつて不必要に會社の事務手續を煩雜にするということは、毛頭考えておりません。
#247
○伊藤委員長 深津君にちよつと御相談申上げますが、御承知の通りに、全質疑者の審議權を尊重する意味におきまして、大體の御承知の申合せの時間があるのであります。深津君にはその三倍の時間を大體せつていただきましたのでなおまだ質疑が長引かれるという何がありますか。
#248
○深津委員 私も最初に申上げたように、なるべく私は言葉を少くしてやつておるつもりですし、また簡單にやりますから、もう少し私に…。
#249
○伊藤委員長 御繼續願います。深津君。
#250
○伊藤委員長 大體本會議のある場合におきましても、議長の許可をとつておりますし、なお深津君の質疑を大體今日で終了するまでやろうという大體申合せをしておりますので、なお繼續中に理事のお方御相談を願います。暫時休憩して理事會を開きます。
    午後二時四十七分休憩
    ―――――――――――――
    午後三時十分開議
#251
○伊藤委員長 休憩前に引續き會議を開きます。
 岡田春夫君から議事進行について發言を求められておりますので、これを許します。岡田春夫君。
#252
○岡田委員 それではお許しを得まして。有田君がおられるとたいへん都合がよいのでありますが、有田君がおりませんので…。
#253
○岡田委員 それでは有田君がおりませんので、明日有田君がおるところでお話をいたします。
#254
○伊藤委員長 それではただいまの同田君の議事進行に對する發言は、明日適當な機會に委員長これを許すことにいたします。
 本日はこの程度に止めまして、明七日午前十時より會議を開くこととして、これにて散會いたします。
    午後三時十三分散會
ソース: 国立国会図書館
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