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1965/12/08 第50回国会 参議院 参議院会議録情報 第050回国会 本会議 第11号
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1965/12/08 第50回国会 参議院

参議院会議録情報 第050回国会 本会議 第11号

#1
第050回国会 本会議 第11号
昭和四十年十二月八日(水曜日)
   午前十一時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十二号
  昭和四十年十二月八日
   午前十時開議
 第一 日本国と大韓民国との間の基本関係に関
  する条約等の締結について承認を求めるの件
  (衆議院送付)
 第二 日本国と大韓民国との間の漁業に関する
  協定の実施に伴う同協定第一条1の漁業に関
  する水域の設定に関する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第三 財産及び請求権に関する問題の解決並び
  に経済協力に関する日本国と大韓民国との間
  の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産
  権に対する措置に関する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第四 日本国に居住する大韓民国国民の法的地
  位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間
  の協定の実施に伴う出入国管理特別法案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、この際松代地震についての政府の報告を求
  めることの動議(大矢正君外一名提出)
 一、この際日程第一より第四までの四件を一括
  して議題とすることの動議(鍋島直紹君外一
  名提出)
 一、日韓条約等特別委員長寺尾豊君問責決議案
  (藤田進君外一名発議)(委員会審査省略要
  求事件)
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) ……会議を開きます。(議場騒然)
 議員の諸君は各自の議席にお着きください。……議員の諸君は……(議場騒然)議員の降壇を命じます。――議員の降壇を命じます。――降壇を命じます。――衛視の執行を……(議場騒然)大矢正君外一名から、賛成者を得て、この際、松代地震についての政府の報告を求めることの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#4
○議長(重宗雄三君) すみやかに御投票ください。――御投票ください。――すみやかに御投票を願います。――すみやかに御投票を願います。――すみやかに御投票ください。
 ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票願います。――まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票願います。(発言する者多多く、議場騒然)――すみやかに投票をお願いします。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。(拍手、発言する者多く、議場騒然)
   〔投票箱閉鎖〕
#5
○議長(重宗雄三君) ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
   〔発言する者多く、議場騒然〕
#6
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。(拍手、発言する者多く、議場騒然)
  投票総数         百五十……
  白色票          二十八票
  青色票            ……
 よって、本動議は否決せられました。(拍手、発言する者多く、議場騒然)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      二十八名
      鬼木 勝利君    黒柳  明君
      中尾 辰義君    浅井  亨君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      渋谷 邦彦君    鈴木 一弘君
      辻  武寿君    白木義一郎君
      小柳  勇君    藤田藤太郎君
      岡  三郎君    田中  一君
      田中寿美子君    中村 順造君
      千葉千代世君    武内 五郎君
      柴谷  要君    秋山 長造君
      阿部 竹松君    大倉 精一君
      松澤 兼人君    椿  繁夫君
      藤原 道子君    岡田 宗司君
      加藤シヅエ君    松本治一郎君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百二十八名
      森田 タマ君    植木 光教君
      和田 鶴一君    中上川アキ君
      沢田 一精君    二木 謙吾君
      野知 浩之君    前田佳都男君
      伊藤 五郎君    林田 正治君
      吉江 勝保君    梶原 茂嘉君
      岡村文四郎君    木暮武太夫君
      大野木秀次郎君    草葉 隆圓君
      宮崎 正雄君    柳田桃太郎君
      山内 一郎君    山本茂一郎君
      園田 清充君    船田  譲君
      平泉  渉君    八田 一朗君
      土屋 義彦君    木村 睦男君
      高橋文五郎君    内田 俊朗君
      大森 久司君    丸茂 重貞君
      源田  実君    熊谷太三郎君
      小林 篤一君    山崎  斉君
      川野 三暁君    温水 三郎君
      日高 広為君    亀井  光君
      石井  桂君    稲浦 鹿藏君
      大竹平八郎君    柴田  栄君
      鈴木 万平君    鹿島 俊雄君
      鍋島 直紹君    大谷 贇雄君
      青柳 秀夫君    佐藤 芳男君
      平島 敏夫君    剱木 亨弘君
      古池 信三君    田中 茂穂君
      近藤 鶴代君    井野 碩哉君
      石原幹市郎君    重政 庸徳君
      笹森 順造君    平井 太郎君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      河野 謙三君    中野 文門君
      竹中 恒夫君    後藤 義隆君
      堀本 宜実君    山本 利壽君
      玉置 和郎君    内藤誉三郎君
      任田 新治君    西村 尚治君
      中村喜四郎君    高橋雄之助君
      長谷川 仁君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      黒木 利克君    栗原 祐幸君
      久保 勘一君    岸田 幸雄君
      米田 正文君    谷村 貞治君
      村上 春藏君    木島 義夫君
      山本  杉君    徳永 正利君
      大谷藤之助君    天坊 裕彦君
      西田 信一君    仲原 善一君
      松野 孝一君    森部 隆輔君
      津島 文治君    斎藤  昇君
      塩見 俊二君    植竹 春彦君
      新谷寅三郎君    迫水 久常君
      松平 勇雄君    八木 一郎君
      山下 春江君    青木 一男君
      郡  祐一君    安井  謙君
      小沢久太郎君    小山邦太郎君
      高橋  衛君    吉武 恵市君
      廣瀬 久忠君    近藤英一郎君
      田村 賢作君    谷口 慶吉君
      櫻井 志郎君    北畠 教真君
      金丸 冨夫君    青田源太郎君
      赤間 文三君    井川 伊平君
      江藤  智君    森 八三一君
      三木與吉郎君    西郷吉之助君
      木内 四郎君    紅露 みつ君
      上原 正吉君    増原 恵吉君
      中山 福藏君    小柳 牧衞君
     ―――――・―――――
   〔椿繁夫君「委員会に社会党が不信任案を出した。これを委員会でほったらかしにしている。やむを得ず本会議に問責決議案を出している。いまこの委員長の問責ということが大事な問題でしょう。あんな不当なことをやったのだから、それを取り上げない法がどこにある」と述ぶ。その他発言する者あり〕
#7
○議長(重宗雄三君) 鍋島直紹君外一名から、賛成者を得て、この際、日程第一より第四までの四件を一括して議題とすることの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#8
○議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票ください。――すみやかに御投票ください。
 ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票願います。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#9
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#10
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百五票
  白色票           百二十六票
  青色票            七十九票
 よって、本動議は可決せられました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名    百二十六名
      森田 タマ君    植木 光教君
      和田 鶴一君    中上川アキ君
      沢田 一精君    二木 謙吾君
      野知 浩之君    前田佳都男君
      伊藤 五郎君    林田 正治君
      吉江 勝保君    梶原 茂嘉君
      岡村文四郎君    木暮武太夫君
      大野木秀次郎君    草葉 隆圓君
      宮崎 正雄君    柳田桃太郎君
      山内 一郎君    山本茂一郎君
      園田 清充君    船田  譲君
      平泉  渉君    八田 一朗君
      土屋 義彦君    木村 睦男君
      高橋文五郎君    内田 俊朗君
      大森 久司君    丸茂 重貞君
      源田  実君    熊谷太三郎君
      小林 篤一君    山崎  斉君
      川野 三暁君    温水 三郎君
      日高 広為君    亀井  光君
      石井  桂君    稲浦 鹿藏君
      大竹平八郎君    柴田  栄君
      鈴木 万平君    鍋島 直紹君
      横山 フク君    大谷 贇雄君
      青柳 秀夫君    佐藤 芳男君
      平島 敏夫君    剱木 亨弘君
      古池 信三君    田中 茂穂君
      近藤 鶴代君    井野 碩哉君
      石原幹市郎君    重政 庸徳君
      笹森 順造君    平井 太郎君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      中野 文門君    竹中 恒夫君
      後藤 義隆君    堀本 宜実君
      山本 利壽君    玉置 和郎君
      内藤誉三郎君    任田 新治君
      西村 尚治君    中村喜四郎君
      高橋雄之助君    長谷川 仁君
      岡本  悟君    奥村 悦造君
      楠  正俊君    黒木 利克君
      栗原 祐幸君    久保 勘一君
      岸田 幸雄君    米田 正文君
      谷村 貞治君    村上 春藏君
      木島 義夫君    山本  杉君
      徳永 正利君    大谷藤之助君
      天坊 裕彦君    西田 信一君
      仲原 善一君    松野 孝一君
      森部 隆輔君    津島 文治君
      斎藤  昇君    塩見 俊二君
      植竹 春彦君    新谷寅三郎君
      迫水 久常君    松平 勇雄君
      八木 一郎君    山下 春江君
      青木 一男君    郡  祐一君
      安井  謙君    小沢久太郎君
      小山邦太郎君    高橋  衛君
      吉武 恵市君    廣瀬 久忠君
      近藤英一郎君    田村 賢作君
      谷口 慶吉君    櫻井 志郎君
      北畠 教真君    金丸 冨夫君
      青田源太郎君    赤間 文三君
      井川 伊平君    森 八三一君
      三木與吉郎君    西郷吉之助君
      木内 四郎君    紅露 みつ君
      上原 正吉君    増原 恵吉君
      中山 福藏君    小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      七十九名
      鬼木 勝利君    黒柳  明君
      中尾 辰義君    浅井  亨君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      渋谷 邦彦君    鈴木 一弘君
      辻  武寿君    鈴木 市藏君
      達田 龍彦君    前川  旦君
      戸田 菊雄君    竹田 現照君
      山崎  昇君    木村美智男君
      村田 秀三君    矢山 有作君
      野々山一三君    杉山善太郎君
      林  虎雄君    大森 創造君
      小柳  勇君    横川 正市君
      藤田藤太郎君    相澤 重明君
      岡  三郎君    永岡 光治君
      藤田  進君    柳岡 秋夫君
      田中  一君    佐多 忠隆君
      北村  暢君    鈴木  強君
      大和 与一君    岩間 正男君
      須藤 五郎君    森  勝治君
      鈴木  力君    中村 波男君
      川村 清一君    大橋 和孝君
      田中寿美子君    稲葉 誠一君
      吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君
      小林  武君    松本 賢一君
      佐野 芳雄君    中村 順造君
      野上  元君    千葉千代世君
      武内 五郎君    森中 守義君
      松永 忠二君    占部 秀男君
      森 元治郎君    光村 甚助君
      伊藤 顕道君    中村 英男君
      久保  等君    秋山 長造君
      大矢  正君    亀田 得治君
      加瀬  完君    阿部 竹松君
      近藤 信一君    大倉 精一君
      松澤 兼人君    小酒井義男君
      椿  繁夫君    成瀬 幡治君
      木村禧八郎君    藤原 道子君
      岡田 宗司君    加藤シヅエ君
      羽生 三七君    野溝  勝君
      松本治一郎君
     ─────・─────
#11
○議長(重宗雄三君) 日程第一より第四までの四件を一括して議題といたします。
 これより特別委員長の報告を求めるのでありますが、藤田進君外一名から、委員会審査省略要求書を付して、日韓条約等特別委員長寺尾豊君問責決議案が提出されました。
 おはかりいたします。日韓条約等特別委員長寺尾豊君問責決議案は、発議者要求のとおり、委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、本案を議題といたします。
 これにて休憩いたします。
   午後一時十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時九分開議
#13
○副議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 日韓条約等特別委員長寺尾豊君問責決議案の議事に入ります。
 鍋島直紹君外一名から、賛成者を得て、本案の議事における趣旨説明、質疑、討論その他の発言時間は、一人十分に制限することの動議が提出されました。
 よって、この時間制限の動議について採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#14
○副議長(河野謙三君) すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。
 ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
  〔投票箱閉鎖〕
#15
○副議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
  〔議場開鎖〕
  〔参事投票を計算〕
#16
○副議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。(発言する者多く、議場騒然)
  投票総数         百三十七票
  白色票           百十二票
  青色票             ……
 よって、……制限することに決しました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百十二名
      植木 光教君    和田 鶴一君
      中上川アキ君    沢田 一精君
      二木 謙吾君    野知 浩之君
      伊藤 五郎君    林田 正治君
      吉江 勝保君    梶原 茂嘉君
      岡村文四郎君    木暮武太夫君
      草葉 隆圓君    宮崎 正雄君
      柳田桃太郎君    山内 一郎君
      山本茂一郎君    園田 清充君
      船田  譲君    藤田 正明君
      平泉  渉君    八田 一朗君
      土屋 義彦君    木村 睦男君
      高橋文五郎君    内田 俊朗君
      大森 久司君    丸茂 重貞君
      源田  実君    熊谷太三郎君
      小林 篤一君    山崎  斉君
      川野 三暁君    温水 三郎君
      日高 広為君    亀井  光君
      石井  桂君    稲浦 鹿藏君
      大竹平八郎君    柴田  栄君
      鹿島 俊雄君    鍋島 直紹君
      横山 フク君    大谷 贇雄君
      青柳 秀夫君    佐藤 芳男君
      平島 敏夫君    剱木 亨弘君
      田中 茂穂君    近藤 鶴代君
      石原幹市郎君    重政 庸徳君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      中野 文門君    竹中 恒夫君
      後藤 義隆君    堀本 宜実君
      山本 利壽君    玉置 和郎君
      任田 新治君    西村 尚治君
      中村喜四郎君    高橋雄之助君
      長谷川 仁君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      栗原 祐幸君    久保 勘一君
      岸田 幸雄君    米田 正文君
      谷村 貞治君    村上 春藏君
      木島 義夫君    山本  杉君
      徳永 正利君    大谷藤之助君
      天坊 裕彦君    西田 信一君
      仲原 善一君    松野 孝一君
      森部 隆輔君    津島 文治君
      斎藤  昇君    塩見 俊二君
      植竹 春彦君    新谷寅三郎君
      松平 勇雄君    八木 一郎君
      山下 春江君    青木 一男君
      小林 武治君    吉武 恵市君
      廣瀬 久忠君    近藤英一郎君
      田村 賢作君    谷口 慶吉君
      櫻井 志郎君    北畠 教真君
      金丸 冨夫君    青田源太郎君
      赤間 文三君    井川 伊平君
      江藤  智君    森 八三一君
      三木與吉郎君    西郷吉之助君
      木内 四郎君    紅露 みつ君
      上原 正吉君    増原 恵吉君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      二十五名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      石本  茂君    中尾 辰義君
      浅井  亨君    田代富士男君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      多田 省吾君    宮崎 正義君
      小平 芳平君    渋谷 邦彦君
      鈴木 一弘君    小柳  勇君
      田中 寿美子君    中村 順造君
      千葉千代世君    秋山 長造君
      阿部 竹松君    大倉 精一君
      藤原 道子君    岡田 宗司君
      加藤シヅエ君    野溝  勝君
      松本治一郎君
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百十二名
      植木 光教君    和田 鶴一君
      中上川アキ君    沢田 一精君
      二木 謙吾君    野知 浩之君
      伊藤 五郎君    林田 正治君
      吉江 勝保君    梶原 茂嘉君
      岡村文四郎君    木暮武太夫君
      草葉 隆圓君    宮崎 正雄君
      柳田桃太郎君    山内 一郎君
      山本茂一郎君    園田 清充君
      船田  譲君    藤田 正明君
      平泉  渉君    八田 一朗君
      土屋 義彦君    木村 睦男君
      高橋文五郎君    内田 俊朗君
      大森 久司君    丸茂 重貞君
      源田  実君    熊谷太三郎君
      小林 篤一君    山崎  斉君
      川野 三暁君    温水 三郎君
      日高 広為君    亀井  光君
      石井  桂君    稲浦 鹿藏君
      大竹平八郎君    柴田  栄君
      鹿島 俊雄君    鍋島 直紹君
      横山 フク君    大谷 贇雄君
      青柳 秀夫君    佐藤 芳男君
      平島 敏夫君    剱木 亨弘君
      田中 茂穂君    近藤 鶴代君
      石原幹市郎君    重政 庸徳君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      中野 文門君    竹中 恒夫君
      後藤 義隆君    堀本 宜実君
      山本 利壽君    玉置 和郎君
      任田 新治君    西村 尚治君
      中村喜四郎君    高橋雄之助君
      長谷川 仁君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      栗原 祐幸君    久保 勘一君
      岸田 幸雄君    米田 正文君
      谷村 貞治君    村上 春藏君
      木島 義夫君    山本  杉君
      徳永 正利君    大谷藤之助君
      天坊 裕彦君    西田 信一君
      仲原 善一君    松野 孝一君
      森部 隆輔君    津島 文治君
      斎藤  昇君    塩見 俊二君
      植竹 春彦君    新谷寅三郎君
      松平 勇雄君    八木 一郎君
      山下 春江君    青木 一男君
      小林 武治君    吉武 恵市君
      廣瀬 久忠君    近藤英一郎君
      田村 賢作君    谷口 慶吉君
      櫻井 志郎君    北畠 教真君
      金丸 冨夫君    青田源太郎君
      赤間 文三君    井川 伊平君
      江藤  智君    森 八三一君
      三木與吉郎君    西郷吉之助君
      木内 四郎君    紅露 みつ君
      上原 正吉君    増原 恵吉君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      二十五名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      石本  茂君    中尾 辰義君
      浅井  亨君    田代富士男君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      多田 省吾君    宮崎 正義君
      小平 芳平君    渋谷 邦彦君
      鈴木 一弘君    小柳  勇君
      田中 寿美子君    中村 順造君
      千葉千代世君    秋山 長造君
      阿部 竹松君    大倉 精一君
      藤原 道子君    岡田 宗司君
      加藤シヅエ君    野溝  勝君
      松本治一郎君
     ―――――・―――――
#17
○副議長(河野謙三君) これより発議者の趣旨説明を求めます。(発言する者多し)
 御着席願います。――降壇をしてください。――議員は各自の議席にお着きください。――衛視の執行を命じます。(「衛視下がりなさい」「十分間で何がしゃべれるか」と呼ぶ者あり)どうか御着席願います。――すみやかに降壇願います。――衛視の執行を命じます。……藤田進君。
   〔藤田進君登壇、拍手〕
#18
○藤田進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、日韓条約等特別委員会の委員長である寺尾豊君の問責決議案が上程されましたので、ここに趣旨説明をいたすものであります。(拍手)
 まず、決議案を朗読いたします。
  本院は、日韓条約等特別委員長寺尾豊君を問責する。
  右決議する。(拍手)
    ―――――――――――――
 理由につきましては、ただいま事務局に聞きますと、お手元に配付さるべきだと思うが、ロッカーに入っているそうです。とすれば、詳しく申し上げなければ趣旨がおわかりにならないと思います。私は、今朝来の参議院本会議で、ようやく初めてこの演壇に立って、発言することができるというこの事態は、どこからきているか。ほんとうに嘆かわしいと思います。亀井君は笑うけれども、個人としてはお互いに憎しみもなければ、何の怨恨もない。集団となったところの皆さんが、時間は十分に制限するとか――そうして、衆議院以来一貫して、わが国の議会制民主主義というものは、まさに破壊されようとしている。(拍手)そのことは与野党を問わず真剣に考えるべきである。社会党はその意味で、すでに自由民主党に対して、議会のルールに沿った建設的な申し入れをした。日韓条約特別委員会においても、私が立って、総理・総裁にも尋ねた。十日に条約並びに関係協定等は議了しよう、十三日までに関係国内法案については審議しよう。社会党のみならず、公明党をはじめ、民社党、共産党、第二院クラブ、問題によっては賛否は分かれるが、この問題については完全に意見の一致を見て、自由民主党に申し入れをしたわけです。この総裁に対する質疑についての答弁は、最終的には今月の四日に――検討いたします、検討いたしますという四日の答弁であったことは、速記録を見るまでもない。斎藤さん、聞いてくださいよ。この検討をするという答弁は、その場限りのものであってはなりません。議会における答弁は法律にひとしいのです。最近はもう食い逃げ、その場限り。その回答が何でしたか。四日に申し入れをした。その検討をするという総理・総裁の答弁にこたえて何をやりましたか。聞くところによると、まず質疑の打ち切りをやったんだと。その次に聞くと、いや、あれは全部済んだんだ。これでよいでしょうか。衆議院の事態は説明するまでもない。わが参議院において行なわれた会議を主宰した委員長は、いま問責決議案を上程されている寺尾豊君であります。いまからでもおそくはない。お互いにもっと真剣に、民主主義を守り、議会政治を守るために立ち上がろうじゃないか。こういう衛視を入れて――一日は二十四時間じゃないか。十時間とは違うだろう。なぜ十分間に制限しなきゃならぬ。まあ、十分という制限は解けたようだから、私はここに会派が立てと言うから立ったけれども、「時間」とかなんとかいうやじが出たら承知しないぞ(拍手)と申し上げておいて。(笑声)
 私と寺尾豊君との関係は、これは変な関係じゃない。いまを去ること十二年前です。特別委員会の理事、いまは寺尾君の病気のあと――病気かどうかあとで申し上げるが、委員長代理を引き受けている草葉君のあとを受けて、寺尾君は当時、いまの塩見君の立場、国対委員長兼議運委員長をやっていたときに、私は社会党の議運理事をやりました。自来、ここに十何年。いま調べてみますと、寺尾さんは明治三十一年一月生れですから六十六歳ですか。当時は――私は個人のことは申し上げません――職務に対する私の認識、評価というものは、片や国対の委員長――国会対策です――片や議運の委員長、いまの田中茂穂君の立場――両者とも引き受けていた。まあ、理事もいろいろここにおられる。当時、劒木君もいましたかね。あるいは、岡山の県知事になっている加藤武徳君。千変万化だ、あの男はね。(笑声)まあ、そういう中にあって、寺尾委員長は、き然として、党籍を持った委員長ではあるが、なかなか、もののきまりが早い。きまれば動かない。私がそういう印象を持って以来、郵政大臣になられ、あるいは副議長――どちらが先だったか、まだ調べていないが――私は、今度の委員会で社会党理事として委員長に協力をしてまいりまして感じましたのは、十何年前ですから、だんだんと寄る年波で、白髪の好々爺、まあいまは染めておられますけれども――全く自主性がない。私、ここだけで言うのじゃないのです。理事会でも言いました。何べんも言った。もっと自主牲を持ちなさい。――与党が右だと言えば、右ですか、左だと言えば、左ですかと、非常に気が弱くなられた。ここに問責決議案を出さしめた理由は、あに、寺尾豊君だけにその根源があると言いがたい。しかしながら、当面の責任者であることにおいては免れることができないのであります。
 さて、日韓の特別委員会が持たれまして、私ども、同委員会における審議のいろいろ手順をきめる理事会等において、委員長のとられた点に若干触れて、満堂の御賛成を得たいと思うものであります。御承知のように、閣条第一号、閣法第一号、閣法第二号、閣法第三号の四案件が内閣から国会に提出されましたのが、十月の五日であります。そうして、あの問題の、衆議院の十一月十二日の未明、議決された、されない、というまま持ち込まれて、わが参議院は十一月の十三日の本会議、これは議長職権ですね。まず、いよいよこの日韓問題を審議するというスタートにあたって、重宗議長は職権ということで――ここに出席されたのが自由民主党並びに民社党の方々。社会、公明、共産、第二院クは欠席のまま、起立採決でこれはきまった。その後、十九日に参議院の本会議では四案件の趣旨説明を聞いております。
 こうなってまいりましたので、十一月の二十日(土曜日)、第一回の委員会に委員長の互選を行なった。私どもは、過去のそのような経過はあるけれども、この特別委員会において、これがいかに不当なものであるか、この条約というものがもたらす国民への被害がどのようなものであるか、あわせて衆議院の段階におけるあのやり方というものが正当であるか、合法であるかないかという意味では、特に特別委員長に対立候補を立てないで、寺尾豊君を――十二年前の夢を見ながら、笹森順造君が座長席につき、寺尾君を委員長に選出いたしました。所々に異議の声はあったけれども、速記録にはおそらく出ていないくらいだと思う。まあ、いわば満場一致でこの寺尾君を委員長にきめたわけであります。衆議院では委員の中に「委員長」と呼ぶ者があり、ああいう状態であった。ところが、参議院の場においても劈頭からもう議長職権による本会議である、民主主義はどこへ行ったのか、参議院の良識はどうなったかという疑いが、ほうはいとして国民の中にも湧いてきているという背景、事情のもとに、委員長は、今後委員会を主宰されるについては、強行採決とか、職権開会とか、このようなことは、よもやなさるまい、いかがでしょうか、という問いに対して、「私は、そのようなことはいたしません」と真剣な面持ちで答えられておるのであります。私どもは、その御発言を信頼しながら、十一月二十二日(月曜日)に、四案件の提案理由及び補足説明を聴取いたしたわけであります。で、そのときも、私並びに亀田得治君が、委員長に対しまして、委員会運営についての所信をただしたのでありますが、同様な御答弁があったわけであります。それから二十三日の休日がありまして、十一月二十四日、第三側の委員会にあたって公聴会の開会問題が出されました。で、自後、二十五日には、羽生さん、自由民主党の木内さんが、やはりりっぱな御質疑をなさいまして、坦々と行きつつありましたところ、青天のへきれきとはこのことでしょう。十一月三十日(火曜日)になりまして長谷川君が質疑に立つ。ところが、従来の会議の持ち方はどういうものか、今回は、予算の場合のように重要な案件で、いやしくも特別委員会をつくって、外交上の問題を――、あるいは自然成立ということもありますけれども、全体の日程をきめまして、各会派勢力に応じて時間を割り当てる、各会派の中では……。
   〔副議長退席、議長着席〕
 各会派ではそれぞれ質問者をきめ、その時間をきめて、全体の中で合理的に質疑が行なわれるように割り当てをする、そのように組もうじゃないか。――がんとして自由民主党の理事諸君はこれに応じないで、こま切れに、十二月の二日ぐらいまで組もうではないか。いま考えてみますと、十二月二日まで組んで、三日ないし四日、どうすべってころんでも五日ごろから委員会審議の打ち切りをやろう。私ども、予定どおり二日までに組んでしまっていたら大ごとだったのです。四日に、あとで申し上げるような事態が、悲しいかな、やってまいりました。そこで、日程の全体を組まず、ついに長谷川君の質疑に入る際には――これが三十日です。だれから今朝は始めて、どの辺まで――まあ午前中、十一時半、十二時半あるいは一時、どの辺まで質疑をして次の質疑者に移すかの、一切、何もきまっていないのです。これではなりませんから、公明党理事の二宮さんもいろいろ発言され、われわれも委員長並びに与党理事に、何とかきめて入ろうではないか。――がんとして委員長も、与党理事も、一体になってきめない。まさに公平中立であるべき委員長が、全面的に与党――自由民主党の戦列に入ってしまっているところに、まず問題の根源があるわけであります。かかるうちに委員長はいよいよ職権開会――二十日にお互いが特別委員会で誓い、天下に誓って、強行開会、職権開会はやりませんと言われたものが、十日もたたずに職権開会――手荒なことになった。そこで、特別委員会はかなり紛糾をいたしましたが、ついに、若くて勇気があるというべきか、あるいは分別がないというべきか、長谷川仁君がしゃにむに発言台に立たれました。おおよそ、わが参議院におきましては参議院規則並びに国会法によって運営がなされております。これは法規慣例として何びともこれを犯すことはできません。その中に何と書いてあるか、国会法のほうはもう皆さん御承知です。思い起こしていただきたいと思うので申し上げるが、参議院規則の第四十二条にどう書いてあるか、「委員は、議題について、自由に質疑し、意見を述べることができる。」、これは本会議だって同様ですよ。その次が大事なんですよ、これが。これを知らないもんだから、委員長も与党の委員さんも、悪気じゃなかったんでしょう、知らない者ほど手のつけようがない。「委員から発言を求めたときは、」だ、「だ」と書いてないけれども、「委員から発言を求めたときは、その要求の順序によって、委員長がこれを許可する。」、そうして、四十三条以下で受けてあるわけですね。ところが、どういうことを委員長はおやりになったか。これは委員長だけに罪を着せるわけにはまいりませんが、委員長が最たるものですね。まず質疑の通告が出る場合、本会議でも、けさ先陣争いでしょう、動議は先着順ですから。委員会でも――三カ月ほど前に動議を出していた、質疑の通告を出していた、おれが先だ、こんなことでは際限がないですね。ですから、正規に職権でやった場合でも、開会を宣して、それから、その時点からの先着順がこの四十二条なんであります。この国会法をつくり、あるいは改正したときには、寺尾議運委員長、私は社会党の何事で、長期間かかっているのですよ。いろいろな場合を想定してつくったのです。その順位は――長谷川君がここにおいでになるから、私は、うそは言わない。どこが一番先か。社会党は、私、亀田、森、三理事協議の結果、職権で開かれる以上、これをボイコットするわけにもいくまい。審議を深めよう。さすれば質擬者を立てる。稲葉君を用意いたしておりましたが、どの会派よりも、もちろん自民党よりも先に、文書で当日予定者を通告いたしました。これは何ぴとも否定できない。委員長も否定できない。ところが、それは文書は出しても、発言を求めなければだめだわい、こう言う向きもあるかもわからぬということで、稲葉君はいち早く発言台に着き、だれよりも先に「委員長」と言っているのです。そうでしょう。そうでしょう。そこへ長谷川君があとから来まして、先陣争いになったわけです。これは見られた方もあるでしょう、それで、それは長谷川君だめだ、あなたの人柄に合わぬじゃないか、おやめなさい、という忠告があったわけですね。ところが、さらに問題は、長谷川君のこの質疑が、何か与党の理事だったかどうか、メモに書いて、何か通訳のような質疑応答を始めようとされたわけです。「おし」ならばいたし方ないとして……。そうするうちに、委員長は――私は聞きましたが、この場合は、一長谷川君の質疑は終了いたしました」と言うのですね。本人もこれは、すなおなものです。長谷川君、何も質疑していないのだが、さっさと自席に帰る。これはほんとうですね。ところが、問題は、そのあと突如として「曾祢益君」というような声が聞こえるや、曾祢益君、稲葉君の横にこう立たれる。これはどうしたものでしょう。曾祢さんもおられるでしょう。国会法も参議院規則も、そんなものはおれは知らぬ、わが道を行くというようなことでいいんですか。あるいは、私ども社会党、あるいは公明党その他の野党が、一体どんな根性でいるか、ためしてやろうというようなことであったかもしれない。われわれがすなおなものですから、ついに、こういうことになったのかもしれぬ。
 このように、まず十一月三十日(火曜日)第七回の委員会において、まことに忌まわしい事態が寺尾委員長のもとに現出をいたしました。そうして、翌十二月一日(水曜日)は公聴会。前日、そのような事態がございましたが、国会の中のいろいろな事情、情勢、空気に通じていない学者その他のりっぱな公述人でもございますから、十二月一日は一日を公聴会に充てて、これは委員長としても法令どおりのさばきでございました。それから、さらに経過いたしまして、十二月四日、これが問題なんですね。おおよそ黒いものが白となり、なかったものが存在する、存在しているものがなかったことになるというのは、これは宇宙どこにも、この日本の国会にしかないんじゃないでしょうか。どこかにありますか。ないものをあると称して、最高権威者である議長もそれを認めるなどというような――議長の不信任案が出るかどうか、私、知りませんが、このようなことは国会以外にありますか。皆さんの家庭ではあるのかどうかしらぬけれども、あるものをないと言ったりしている人があるのかもしれないけれども……。御承知のように十二月四日(土曜日)――過去、私どもは、草葉君の提案もあり、朝は十時から、夕方は大体五時ごろまでにしようと、おおむね審議時間をきめましたが、しかし、尽くせない、疑義がある、問題点がありますから、大体八時半、ときには九時、新聞はこれを称して深夜審議という批評をせられましたが、そのような審議を続け、そうして四日の小林武委員の質疑も、もう当時議場内あるいは院外における報道、その他あわただしい状況で、ほんとうにそんなことが起こるのかいなと、いぶかりながら、私どもは小林武君を質疑者に立てた。これとても早くやめないか、いつ次に移るのかという、きつい矢の催促もある。昼食時間は三十分じゃ。三十分で食えればそれもよかろう。そうして午後、横川委員に質疑台に立っていただきました。さて、一時間余になりましょうか、横川君の質疑時間は五十分二十秒の模様で、一時間に足りないのですよ、一時間は六十秒ですから、(笑声)六十分ですから。五十分二十秒。どこにいらっしゃいますかね、植木何というのですか、あの人は。この人は京都かどっかじゃありませんか。この参議院要覧(丙)の二十五ページを参照――植木コウキョウではなく、ミツノリ、京都府選出、自由民主党、当選は三十八年と四十年の二回というわけですか。古参のほうでしょうね。この人は昭和二年生まれ――若いですね。まだ三十八才ですか、突如として「委員長」と言ったのですね。その前がまた私どもどうもおかしい。これは日高君が、からだもいいし、おそらく質疑打ち切り動議を出すんだろうなあ、どうも動きがおかしい、自由民主党の大谷藤之助君が何やら書類を持っているぞというようなことで、そこで亀田委員と私、両理事が寺尾委員長のところに参りました。一緒ではない。いま考えてみると、植木君が「委員長」と呼んだその直前でしたね。「委員長、どうなんですか」、これは何がどういうことになる――「いや、質疑打ち切りだけの採決をやります」。「それはいけませんぜ、ちょっとポケットにあるのを見せなさい」というようなことだったんですよ。質疑打ち切りの採決をやるんだということでした。思うに、日高君が動議を出すということを察知されて、どうも気をつけられると、一瀉千里にいかぬわいというようなことで、いろいろな人が出たり入ったりしまして、斎藤さんも、みんなあのときは現場におられたようですが、いまをときめく幹事長が――(「ぼくはいなかったよ」と呼ぶ者あり)いなかったですか。椿会長は、斎藤さんもいたと言っていたよ。大体、いないような無責任なことでも困るが……(笑声)そこで、私は、これは速記に載っているはずです。植木君の席というのは、あの予算委員会の部屋でしょう、委員長席から見れば、向かって一番左の端ですよ。植木光教君は、ひょいと見ると、突如として日高君の横、草葉君のうしろでしたね。これは各会派が、大体、席はこういうふうに図面をつくりまして、これがどこの会派、これがどれ、これが自由民主党、その中で、ここはだれだれと事務局がちゃんと整理して――そうでなければ発言もわかりません。立て札が立っていますね、これがほしいままに変えられてしまっている。私は、特別委員会の運営の責任の一端をになう者として、植木君どうなんだ、きょう突如として、けさは向こうにい、いまここに来ているじゃないか。ははあ、この人が若さにまかせてやる気かいなあと。しかし、昭和生まれの年代の諸君がそのような良識のないことは、よもや、しないであろうと思ったが、突如として「委員長」と言った。私は、あらっと思って、委員長の不信任案が用意されていたので、これを出そうか出すまいかと思いながら委員長のところへ行った。ところが、委員長は、それ以来、植木君が「委員長」と言ったけれども、委員長は、「植木君」とは言っていないですね。(「言っていない」と呼ぶ者あり)言ってないですよ。
 それから、まだこれは問題なんです。問責だけで済むかどうか、(笑声)よく聞きなさい。幾ら聞き苦しくても、痛くても、聞くのが雅量です。ところが、最初に飛び込んできたのが、初当選の、何という人か、よく顔を覚えておりませんが、古い議員では丸茂君ですか、鼻ひげのはえた方ですが、あの大臣が入ってこられる向こうのほうに、一隊を編成して、いまやおそしと待っているわけだ。速かったね、あれは。委員長のところへ飛び込んでくる。委員長の前へはたいへんな男が、こう、飛び込んでくる。(「だれだ」と呼ぶ者あり)あとで調べてみますが。そうして……(「まじめにやれよ」と呼ぶ者あり)まじめにやっている。そうして、ついに寺尾委員長は一言も言わないままに与党の議員に連れ去られたのです。そうして、さらに、廊下に出て、何を言っているか――飛んで出て、テレビを見ていると、一生懸命に廊下で、本人ですが、これはちゃんと映像が出ている。質疑の打ち切りをやりましたと言っているんですな、要するに要旨は。質疑の打ち切りをやりました――これは証拠がちゃんとありますからね。質疑の打ち切りをやりました。植木君またそう思ったのだから、そういう申し合わせで来たのでしょう。いや、質疑打ち切りの動議を出したのだ――ここなんですよ、問題の核心は。ところが、その後、二階の、どこということも申し上げてもいいけれども、とにかく二階に降りたところ、いや、あれは質疑だけではない。もう討論も、そうして本体の法案、条約、協定、すべてをもう議決したんだ、折り返しそういうことになった。――これを否定できる人がありますか。証拠を突きつけ、私と対決してよろしいです。問題は、ここなんです、まず第一の問題点は。理事会前置主義で委員会の運営をやっていたのであるから、当日の朝も理事会を持ち、その後は場内交渉で質疑者の順位その他はきめよう、これは、はっきりときまっていた。で、場内交渉でも、小林君、その次に横川君を立てるということがきまり、質疑者を立てるということがきまる以上、より重要である質疑打ち切りをどうしようか、いわんや討論採決をどうしようかということこそ、理事会の議題になってしかるべきものです。委員長は、さっぱりこれをかけない。かけない。事前に与党と申し合わせて、植木君が「質疑打ち切り」とも何とも言わないうちに、質疑打ち切りをやったと、こう言ってしまった。
 第二の問題点は、このような委員長の運営というものが許されるとするならば――許されないけれども、今日、わが参議院においては、会派の勢力に応じて配分して、常任委員長、特別委員長を持っている。やがて、郵便料金の値上げとか、国民が全く反対している問題も出る。それが社会党の委員長だとするならば――これは実例が将来あるかもしれない。ないかもしれないが……。自由民主党の皆さんも委員会には熱心にお出になるが、まあ定足数そこそこということは、しょっちゅうありますよね。だれかが動議を出して……。
#19
○議長(重宗雄三君) 藤田君、時間が……(発言する者多し。)
#20
○藤田進君(続) もう少し聞きなさい。ちょっと待ってください。――「委員長」と言う。そうして、何か、わっと言ったら、おりてきて、「委員長」「いや、郵便料金値上げは、あれは否決されました。あれ、きめましたから」――そんなことをしたら、皆さんは、本会議へ持ってきて、また引っくり返すわいと、こうなんでしょうが、そんな、「江戸のかたきを長崎」ではないが、論理的に見ても、実体的に見ても、そんなことをしてもよろしいということを、ここで認めることになるのです。特別委員会では、いま申し上げましたとおり、それが三階の委員室だ。二階におりたら、委員長やあるいは関係者が、「全部が済んだんだ」と……。
 そして、第三の問題点は――多くありますが、大きい点だけをここにピックアップして申し上げる。これまた、私は、委員長並びに事務局、あるいは議長、これに問題が及ぶと思いますが、あるいはこれを謀議した関係会派の人たちにも問題があると思うが、可決報告書を出しているんですね。寺尾委員長が、可決いたしましたといって報告書を出した。ところが、事務総長以下、聞いてみると、何らのちゅうちょもなしに、委員部長その他ずっと聞いてみると、「とにかく私もわからなかった。植木さんが「委員長」と害言われたのは聞いたけれども、しかし、それが何を言われたのやら、言われないのやら、その辺は全然わかりません。わかりません。」――逐次聞いてみると、そういうことなんです。それでは一体、可決されたかどうかというその認識、それはどこできめたか。きめようがございませんから、寺尾委員長に会って、「委員長、何をおきめになったんですか」、そこにいる、その会場の委員長の横にいる委員部長が言うのに、「何をきめたのかさっぱりわからなかったので、委員長寺尾さんに聞いたところが、あれは質疑を打ち切り、討論を省略し、そうして案件を全部議了したと、そのように言われましたから、可決報告書を書いて、逐次、委員部長から事務次長、事務総長、そうして議長へ、こうなっているところであります。」、これらの人にずっと会って確かめてみると、いや、委員長から可決報告書がきているから、これは適法なものだ、こう言うのですね。国家の、およそ重大な問題がきまろうとするときに、このような、意識的にです、黒を白と言い、事実がないのにあると言うのが、許されてよろしいでしょうか。私は問題だと思う。
 ちなみに、時の速記録を見ますと、植木光教君が、「委員長」と言って、あと「……」、何にもないのです。「委員長」――読みましょうか。「〔発言する者多く、議場騒然、聴取不能〕――その発言者は……。
#21
○議長(重宗雄三君) 藤田君、簡単に願います。
#22
○藤田進君(続) 「自由民主党の者多し」とは書いてないけれども、「〔委員長退席〕」、「午後三時二分」、――まあ二、三秒ですね。全然事実がないことは、これで証明されたと思うのです。以上申し上げたような第三点。
 さらに、第四の点として指摘いたしたいのは、寺尾委員長が、血圧がどうも高くて関東逓信病院に入院した。ほんとうならば、私はまことに、どれだけの見舞いをしても足りないと思っております。しかし、私は委員長に会いに、自由民主党幹事長室に、私ども三名の理事が参りましたが、たまたまそのときに血圧をはかるお医者さんがこられて、――ちょうど、こういうわけですね、ここにぱっぱっぱっぱっとやっている。まあ寺尾さんとは個人的には懇意ですから――ぼくはふだんが二百五ぐらいある。二百五十じゃないですよ、だれかそんなことを言っておったが――二百五あるが、きょうは二百六と、下は七十。お医者さんどうでしょうかと言ったら、それではだいじょうぶですよと、こう言うのですね。今朝、私は専門医に会いまして事情を聞きました。最高二百六、最低が七十、これはその人によってですね。体質その他で、即危険性と、そういうことはない。ただ、これを医学的に見れば、寺尾さんもやっぱり良識というか、良心というものがあったんでしょうねと、おっしゃる。良心があるから、悪いことをすれば、はあーという、その衝動ですね。それが労作性と言う人もあるが、そこで血圧が若干――一上がったのですね。二百五が二百六になった。だから良識はあまりないことがわかるが、まあ若干はあったんでしょうなと、お医者さんがおっしゃる。このような、その良心の苛責が血圧に影響するようなことは、実は、これは二、三日でおさまるそうです。それがあったとしても……。このように、彼をしてせしめたその背景、背後というものは、十分反省を求めなければならない。
#23
○議長(重宗雄三君) 藤田君、時間が超過しております。
#24
○藤田進君(続) なかったものをあったと言うことは、許すわけにいかない。
#25
○議長(重宗雄三君) 藤田君、結論をお急ぎください。時間が参りました。
#26
○藤田進君(続) これから漸次、結論に入ることといたしますが、さらに私は、第五の点として、その後、幹事長室で四日の夕方、委員長にも会い、草葉、大谷町理事の立ち会いのもとに、今後の事態収拾についていろいろ申し入れもいたしました。その第一は、植木君が、「委員長……」と言うそのときには、委員長不信任案が出ている。従来、不信任案を出しますと、その場で、くしゃくしゃと投げるような暴挙を行なう人があったものですから、私どもは、理事がそれぞれ持ちまして、事務局に四枚同じものを――これは結果的には効力は一通でよろしゅうございますが、委員長にはっきりと提示してあるにかかわらず、一切これを議題にしようとしない。のみならず、委員会を――理事会を開こうとしない。病気――高血圧ということになれば、当然、法規によって、あらかじめ代理者とその順位をきめる必要がある。なかなかきまらない。ようやくきのう、草葉君に委員長代理をお願いしているということを、参議院重宗議長あるいは田中議運委員長、さらに事務総長等から議長室で聞くことができました。そうして後、草葉、大谷両理事が会いたいということで、かねて要求していたところの、参議院規則の第三十八条による開会要求書を――定数を満たして委員会の開会要求をしてある。さらに理事会の要求も文書でしてある。このことについては、円満に国民の期待をする方向に事態をおさめ、日韓問題の賛成、反対は、それはそれとして、議会政治を本然の姿に立ち返らせるために努力をなさることを期待をし、三階の第一号委員室、いつも委員長・理事打合会を開く部屋です。ここで私どもは会いましたところ、具体案はない。引き続き与党で相談をして、とりあえず理事会を開くようにということで攻め寄りましたところ、与党理事から、「しからば暫時猶予をもらいたい」。「じゃあ、ここで待っていましょう」、「いや、それも困る」、押し問答があった結果、昨晩の五時ごろ、自由民主党として理事会あるいは委員会等の持ち方等を相談した結果を御連絡いたしましょうということで、私どもは期待をしながら待っておりましたら、どうです。事務局から紙切れが来まして、委員会、理事会、理事懇談会、一切必要ないと認めますと。まあこれは自由民主党がどういう答えをしたか、メモにはそう書いてありました。このような、委員長が責任をもって任命したところの委員長代理のやり方というものは、これ自体も問題であるが、委員長も、代理順位をきめる以上――御承知のように野党理事は川名、与党理事は五名、九名いるんですから、どうしても草葉隆圓君では、あれは何するかわからないということになれば、これは亀田得治君にするとか、責任の持てるまじめな者に、委員長の代理順位をきめる責任が当然ある。遺憾ながら、そのような事情で、理事会並びに特別委員会ないし理事懇談会は、一切与党の拒否のもとに開くことができなかった。委員会に差し戻せという、その後のいろいろな働きかけについても一切これは関知しない。さらに、寺尾委員長が今後どのようにこれをおはかりになるか。本日の問責決議案の趣旨説明を私が申し上げ、さらに質疑もあろうかと思いますから、事態を明らかにいたしますが、この問責の決議案が成立し、これを受けてほんとうに本来の寺尾豊、自主性のある寺尾豊先生にひとつ返ってもらいたいということを、私は念願してやみません。
#27
○議長(重宗雄三君) 時間が超過しております。結論をお急ぎください。
#28
○藤田進君(続) 議長の了解を得まして、さらに続けます。いよいよ重要な点についてさらに追加しなければなりませんが、このような事態はだれが計画をし、だれがこれを推進をしてきたか。寺尾委員長をしてだれがかくあらしめたかという点について、この問責に直接関係を持ちますから、若干触れて御賛成の資といたしたいと思います。
 私は、皆さんもそうだと思うが、集団になればまあということを申し上げた。池田内閣のときに、この演壇に立っていろいろ申し上げた。しかし、池田さんは寛容と忍耐、日韓の問題については、当時一括解決、急ぐともあせらず――聞いたでしょう。私は同じ広島ですから、いろいろ個人的にも聞いていた。確かに、曲がりなりにも、いろいろな紆余曲折はあったとしても、あの人は、天下に公約したことは、大筋は守ったと思いませんか。私は多年、予算委員会にいる、竹島問題その他――ところが、今度佐藤内閣になりまして、昨年の十一月二十一日から、ちょうど一年と一カ月足らずでしょう。まだこの間の話です。池田さんは御不幸にも、あのようなことで総理大臣を辞職されました。そうして、次のバトンタッチが佐藤榮作君であります、いまの佐藤内閣総理……。
#29
○議長(重宗雄三君) 結論をお急ぎください。
#30
○藤田進君(続) 党の大会が若干おくれて、総裁ということでは一時なかったけれども、まあいずれにしても、総理であり、総裁を予定されて、本壇上に昨年の十一月二十一日にお立ちになったのです。そのときに何と言われましたか。国会を通じて国民にアピールせられた数多くのものがあります。その中で、一々申し上げる時間を持っておりませんが、このように言っておるでしょう。「私は、」――これは佐藤総理ですよ。「私は、政治の基本的な姿勢を、寛容と調和に置き、あらゆる分野において、民主主義が正しく実現されるよう努力し、国民とともに進む政治を行なうことを信条といたします。国民の一人一人が新しい内閣に何を求めているか、時代が要求するものは何か、これを正しく把握し、それを愛情と理解をもって実践に移してゆくことこそ、政府の課題であり、政治の根幹であると思います。」、寛容と調和、池田さんは寛容と忍耐。そこで、十一月二十五日、本院本会議における第一質問者に立ちました私が、佐藤さんに尋ね、その答えをいただいております。それは、その部分だけ申し上げますと、私は、このようにこの壇上から総理に質問をいたしております。私が申し上げたのは、「次に、佐藤総理の基本的政治姿勢についてであります。今度は寛容と調和に置く、こう言われております。忍耐を忘れている、」と言ったんですよ、私は。「いや、それは寛容の中に入るということが、昨日……衆議院の本会議でも……明らかになりました。そこで、調和ということについてであります。今日きわめて重大な意義を持つであろう一国の総理が唱えるこの「調和」は、昨日の御答弁では、たとえば議会において、与野党対立の中においてはその前進進歩はないんだ、これをお互いに調和を求めていくんだという引例をされております。しかりとすれば、調和にはお互いに話し合いもあり、歩み寄りもあり得ると思うのであります。やがて十二月一日、自民党の総裁にも指名せられるのであろうかと思うのでありますが、この国会における運営の場において、従来問題になった、一方的に中央突破、強行採決あるいは単独審議というようなことは、よもや、この調和を基本とする佐藤内閣の態度の中からは出てこないと思うのでありますが、いかがでございましょうか。」と、これは聞いているのです、私が。これに対して、〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕と速記はありまして、「○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。」こうなりまして、その部分を見ますと、「寛容、これこそは民主主義の当然の姿勢だと思います。もちろん、寛容と忍耐と、かようなことを申しますが、その忍耐は、寛容のうちに忍耐が入っておると思います。」――これは入っておると言っておるのですね。逃げてはいない。「私は、さらにこれにつけ加えて、」――これは佐藤さんが言うのです。「つけ加えて、「調和」が必要ではないか。民主政治実現、その目標に向かいましてこの調和をしていく。これは個々の対立、あるいは個と総体との対立、これをなくしていくところに真の自由があり、お互いが民主的に運営し、生活を向上さすゆえんだと思います。したがいまして、この調和、これは、明るく、楽しい国民生活を実現していく上に、最も大事なことだと思います。私は、特に、調和と申しますか、あるいは積極的に調和をはかる、こう申しますよりも、不調和をなくしていくということに特に力を入れてまいりたいと思います。」――ところが、その次が重大なんです。「この意味で、まず国会の正常運営、これは当然なことであります。在来からしばしば、話し合いの場ではお互いに話し合って、そうして結論を出していく。話し合っても結論が出ないと、こういうことでは、民主主義が育たないのであります。」と、もう言い切っているんです。「私の申し上げたいのは、論議はどこまでも尽くしていく。」、こういうことを言っているんですね。そうして、さらに過去を批判して、佐藤さんは、「過去におきまして、あるいは単独審議だとか、あるいは強行採決だとか、かようなことがしばしば行なわれましたが、私は、民主政治のもとにおいて、かようなことはまことに忌まわしいことだと思います。私のとるところではございません。」と、こうなっているのです。
 そこで、まあ、これは、あとたくさんまだありますよ。ありますが、このことについては、(「もういい」と呼ぶ者あり)もういいじゃないですよ。言わしておけばいいというような考えじゃだめだ。このことをいま申し上げるのは、ほかでもない。この議場で、両院において確約し、所信として表明したことが、一年も来ないうちに、衆議院ではどうです。十一月の六日、参議院では十二月の四日、同じことが行なわれているのです。十一月の十二日未明、衆議院本会議でも、かかる事態。それを受けて、私は委員長にいろいろ申し上げ、さらに佐藤総理にこのように追及をいたしました。これは二十四日の特別委員会です。「佐藤総理は衆議院における事実認識とこれについてどのように考えるか」。「まことに遺憾と思う。」遺憾と思う。遺憾ということばが、また、いかぬということは、大宅壮一君が書いていましたね、この間。それから、「議会政治のあり方についてどう考えるか」。この辺はずっとまともに答えているんです。いよいよいま申し上げた、この読み上げたことに入りますと、ただいまでもその所信に毫も変わりはない。「毫も」という修飾語はなかったが、ただいまでもその所信に変わりはない。その所信に変わりはない。社会党の申し入れた十日採決に応ずる、検討するといいながら、一切これを地で行なっていない。このような背景というものを、これは改めてもらわなければなりません。おそらく自由民主党の中でも、参議院の良識といわれているこの参議院の皆さんは、あるいは衆議院の圧力のもとに皆さんをしてそうせしめたのかもわからない。しかし何と考えてみても、委員長がかような措置をとったというその背景には、否定できないところの、佐藤総理・総裁を頂点とする対立があるのではないでしょうか。私は、与党であり、政権を持つ政党としての十分な反省を、問責決議に関連をしてお願い申し上げたい。われわれも御批判のあるところには十分耳を傾けて、是正すべきは是正していきたいと思う。
 さらに、国会の空白についての事態収拾であります。これは何といっても大きな問題を解決するためには、まず私がいま提案、趣旨説明しているように、特別委員会というものを早く開くべきです。この特別委員会を早く開いて、そして質疑打ち切りだ、いや全部だといったような筋道を、後世にはっきりと記録で残しておかなけりゃなりません。いまのままでは記録はないのです。記録は、あるといえば、植木君が「委員長」と言っただけです。「委員長」と言っただけで一切が終わった、委員会は。これはどうしても何党にかかわらず、はっきりと筋道を立てておこうじゃありませんか。これを寺尾委員長にせしめることは無理かもしれないが、代理委員長がきまっていることだし、私は問責決議とあわせ考えてもらいたいということを、ここに提案理由につけ加えて、議長の催促もあり、非常に短時間でございまして、言い足りない点もあるが、以上をもちましてこの趣旨説明にかえる次第であります。(拍手)
#31
○議長(重宗雄三君) 質疑の通告がございます。順次発言を許します。矢山有作君。
   〔矢山有作君登壇、拍手〕
#32
○矢山有作君 ただいまの藤田議員の寺尾委員長問責決議案に対しまして、いささか御質問を申し上げたいと存じます。
 いまの提案説明によりまして、参議院における特別委員会の審議の経過というものは大体私どもわかったような気がいたします。しかしながら、まだまだ私にはわからない点がありますので、ひとつこれらの点について詳しく御説明をいただきたいと思います。それは、参議院においては、ただいま藤田議員の御説明のような経過をたどってまいりましたが、それ以前に、衆議院の段階においても、参議院におけるこの無謀な審議にまさるとも劣らないような、でたらめなことが、自民党の手によって行なわれております。衆議院の日韓特別委員会において、六日の午前中は、わが党の横路議員が質問をするということがきまっておりながら、突如として、その質問が許されないで可決されてしまったというふうに聞いております。また、十二日の未明におきましても、全く抜き打ち的に多数の力で可決されたといっております。私どもは、新聞の報道等で見るところでは、衆議院の六日の段階、十二日の段階のあの状態は、いわゆる採決とか可決とかいうようなことばには当たらない。これは、社会党が、日韓条約はきわめて重要なものであるとして、慎重に審議しようとしておるのを、いたずらに妨害をする、その行為にしかほかならぬという感じがするのですが、一体、衆議院の六日、十二日等のこのきわ立ったときの状態というものを中心にして、もう少し詳しく審議状態というものを御説明願いたいと思います。それは、参議院で行なわれたこの暴挙と衆議院で行なわれた暴挙との間には、深いつながりがあると思いますので、衆議院における審議の状態というものを、私はもっともっと詳しく説明をしていただいて、与党自民党がどんなにでたらめなことをやるのかということを、国民の諸君によく知ってもらう必要があると思うのでございます。(拍手)
 それから第二は、参議院における十二月四日のあの暴挙については、いま詳しい御説明がありました。ところが、たまたま新聞を見ておりますと、十二月六日の朝日新聞の社説にも、藤田議員のほうから言われたようなことが書いてあります。ひとつ参考のために読んでみたいと思う。(「ゆっくり読め」と呼ぶ者あり)ゆっくり読みます。
 「野党委員の質問中に、自民党所属委員のひとりが」――この「ひとり」というのは、何でも、いまの話によりますと、植木光教という、そうそうたる若手の議員だそうです。この植木光教議員が「突然、「委員長」とひとこと叫んだ。とたんに、委員会室は混乱と怒号の場となり、一分後には寺尾委員長をはじめ自民党側は退場した。これが事態のすべてである。速記録には「発言する者多く、議場騒然、聴取不能」、「委員長退席」としかない。しかも奇怪なことは、自民党内にすら、どんな内容の“採決”が行われたのかわからない者がいた。当の委員長みずからが、はじめは質疑打切りだけが可決されたといい、その後になって参院自民党幹部が協議した結果、「日韓」案件の一括可決まですんだとの統一見解がまとめられたのだという。」こういうふうに言っております。そうして、さらにつけ加えて、「十一月六日の衆院日韓特別委の採決ぶりよりも、さらに一段と乱暴さを増したようにみえる姿に終ったのだ。」と、こういうふうに書いておりますが、私は、いま御説明を聞いてみて、なるほどでたらめなことをやっているという気がいたします。ところが、さらに同日の朝日新聞を見ておりますと、何でも速記者諸君は、夜中の十二時まで二人ずつ交代交代で速記者席についている。また、委員部の諸君も帰らないで、夜中の十一時まで待ちぼうけを食っておったという話ですが、これは一体どうしたことなのか、審議の模様はわかりましたが、委員長が退席したあと、一体どういう事情にしろ、委員長が委員会をすっぽらかしにして委員会を退席したのに、速記の諸君や委員部の諸君が十二時までもじっと委員会室で待っておらなければならないというのは、一体どういうわけか。これは私の一つわからないところです。この点をひとつ詳しく御説明をいただきたいと思うのです。それから、また、ただいまの提案説明なり、この新聞を読んでおりますというと、先ほど触れられたかとも思いますが、委員長というものは、これは全くでくの坊にしかすぎぬのじゃないか。自民党・与党のでくの坊だ。何ら自主性を持たないサル回しのサルみたようなものじゃないかという気がするのですが、一体こんなことで委員会の運営というものがつとまるのでしょうか。私は、とてもそういうことでは委員会の運営はやれないと思うのですが、この点、ひとつ藤田議員からもっともっとよくわかるように話をしていただきたいと思うのでございます。
 それから、いままでの審議経過については、ある程度わかりましたが、しかしながら、私がもっと知りたいと思いますのは、審議にあたってからいろいろと日韓条約には問題点がありましたので、それらがどの程度審議されたかということをひとつ次にお伺いしてみたいと思います。われわれ社会党といたしましては、日韓条約案件の審議は、これは慎重に、徹底的にこれを解明しなければならぬ。なぜかといいますと、日韓条約というものは、日本の将来の政治、経済、外交の基本的な方向をきめる重大なものであるから、したがって、徹底的にその内容を解明しようということで、審議を続けてまいりました。そうして審議の参考資料といたしまして、まず、韓国国会の議事録、次に請求権八項目の内容と金額、在韓財産権消滅経過に関する取りきめ、フライング・ドラゴン計画、日韓追加合意事項、共産圏渡航に関する次官会議の決定等々の資料提出を要求したのでございますが、これらの取り扱いは一体どうなったかということでございます。
 それから、その次は、日韓条約案件については、日韓両国の間にたくさんの点について解釈の食い違いがあります。しかしながら、それに一々こまかく当たっておりますというと、とてもじゃないが、日が暮れて夜が明けますので、その重要な問題だけを取りまとめてひとつ申し上げてみて、それについて、はたしてよく解明をされたのかどうかということをお伺いしたいと思います。大体、日韓両国の間のこの条約案件についての解釈の食い違いで、重要なものを大ざっぱに分けてみますと、第一は、韓国政府の管轄権の範囲でございます。第二は、李ラインの存廃問題でございます。第三は竹島の帰属問題。第四は対日請求権。まあ、この四つぐらいにしぼることができるだろうと思います。
 そこで、まず第一点の、韓国政府の管轄権についてでございますが、この韓国政府の管轄権について見ますと、基本条約の第三条では、これについて「大韓民国政府は、国際連合総会決議第百九十五号(III)に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることが確認される。」と規定をしております。この国連総会の決議は、これを要約しますというと、一つは、その冒頭で、まず、韓国政府の管轄権の及ぶ範囲は休戦ラインの南に限られておって、事実上、北にもう一つのオーソリティーがあるということを示唆したものであります。第二に、その後半では、韓国政府の朝鮮における唯一合法性を認めたものでございますが、この日韓双方の解釈、それに基づく説明の食い違いというのは、この国連総会決議百九十五号の(III)の、いま申しました二つに分けた部分のいずれにポイントを置くか、重きを置くか、ということによって違ってくるんだろうと思います。そして、日本側のこれまでの見解では、この決議を引用することによって、韓国政府の管轄権は休戦ライン以南に限られる、こういうことを明らかにしたものであって、したがって、北に存在するオーソリティー、これは北朝鮮政府のことですが、これとわが国との関係は全くの白紙の状態のままに置かれており、将来北朝鮮との間に何らかの関係を持つことを迫られるようになっても、この基本条約によって何ら制約を受けることはない。これがまあ従来の統一見解だったわけです。ところが、韓国側の考え方は、北の政権は民意の自由な発現によって成立した正統政権ではない、これはあくまでもかいらい政権だ、国連の決議が全体として明示しているのは、朝鮮における合法的な政権は韓国政府だけだという、この唯一合法性にあるんだ、こういうことを主張している。したがって、そこから、李外務部長官の発言のように、韓国の批准国会で、韓国は朝鮮半島にある唯一の合法政府であることを基本条約に明記し、日本と北鮮との間に外交関係が維持されるかもしれないという不安をなくしたと、こういう発言が出てくるわけです。さらにまた、この問題に対して、韓国外務部の延というアジア局長は、基本条約第三条は、日本と北朝鮮との国交が結ばれないように法理的にくぎ打ちをしたものだ、こういう発言をしている。これも韓国の、先ほど申し上げたような解釈から、韓国側の要人の発言として私は出てきておるんだろうと思う。こういうように、一国の管轄権、領域に関する問題で大きな食い違いがある。これでは私は、日韓のすべての問題、あるいは朝鮮人民民主主義共和国との問題についても大きな影響を持っている、そういう基本的な問題について、この解釈の食い違いをこのままにしておいて国交を回復するといっても、あるいは友好関係を確立するといっても、それはできない相談じゃないかと思う。そういう点について、一体、政府のほうからどういうふうに解明をされてきたのか。この解明がろくすっぽなされないままで、もし四日のように質疑の妨害が行なわれ、打ち切りが行なわれたとするならば、これはもってのほかだと思う。したがって、ひとつこの点を明らかにしていただきたいと思います。
 それから第二番目は、李ラインの存廃の問題でございますが、これは、日本側の主張は、李ラインは韓国政府が一方的に宣言したので、日韓交渉の議題ではない、この立場を一貫して取り続けてきたわけです。しかしながら、日本の政府もそうは言っておりますが、現実の問題としては、漁業交渉をやる場合に、この李ラインの撤廃ということを最大の眼目として漁業交渉を進めてきたわけです。それで、御存じのように、韓国の沿岸から十二海里の幅を韓国漁業の専管水域として、日本漁船の操業を禁止する。その外側は公海自由の原則を認め合うけれども、漁業資源保護のために一定範囲の共同規制水城を設けて、そこでの違反漁船取り締まりは、それぞれの船籍を有する国が行なう、こういうまあ取りきめが大ざっぱに言って行なわれて、それで政府は、これらの措置が完全に実施されれば李ラインは事実上撤廃されるんだと、こういうふうに言ってきているわけです。ところが韓国政府のほうは、漁業協定が発効しても、日本漁船が重大な違反を犯せば、これまでどおり厳重な取り締まりをすると言っている。重大な違反というのは一体どんな違反なのか。これは韓国が一方的に解釈をして取り締まりをやるだろうと思うのです。そうすると、私は、この漁業協定が完全に実施されてみても、李ラインの撤廃ということは、必ずしも現実の問題として行なわれないのじゃないか、そういう気がする。それを裏づけするように、李ラインの撤廃そのものは、協定のどこにも、これは書いてありません。しかも、李ライン設定の法的な裏づけになっている韓国の漁業資源保護法というのは、やはりこれは生きている。通常の場合は、国家間の取りきめが行なわれて、それが国内法と食い違うならば、これは批准と同時に国内法改廃の措置がとられるというのが当然であろうと思うのです。ところが、韓国ではその措置をとらない。とらないだけじゃない。李外務部長官らを中心とした政府首脳は繰り返して言っております、李ラインは国防線並びに大陸だな資源ラインとして生きていると。これは国会で説明している。また、第二の点は、漁業協定の有効期間である六年が過ぎたときに、協定が廃止されれば、この国内法は生きているのですから発動されて、李ラインが復活するということになってまいります。
#33
○議長(重宗雄三君) 結論をお急ぎください。簡単に願います。
#34
○矢山有作君(続) また、韓国政府は、漁業協定はあくまでもこれは暫定的なものだということを、盛んに宣伝をしております。そうなると、これは李ラインの存廃という問題についても、日韓の間に大きな食い違いがある。これは李ラインがなくなるかなくならぬかというのは、漁業交渉の中の最大の問題点なんです。その問題点について、こういうふうに両国の解釈がまるで真反対になっているというのじゃ、これはたいへんなことだ。したがって、この点で、一体どういうふうに審議が行なわれて、政府はどういうふうにこの韓国との解釈の食い違いに対処しようとしているのか。こういう点は明らかになっているはずだと思うんですが、その点をひとつ明らかになっているならお聞かせを願いたいと思います。
#35
○議長(重宗雄三君) 時間が超過しております。
#36
○矢山有作君(続) それから第三点は、竹島の帰属問題です。これは御存じの紛争の解決に関する交換公文があります。それには、「両国間の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決する本のとし、これにより解決することができなかった場合は、両国政府が合意する手続に従い、調停によって解決を図るものとする。」と、こういうふうに書いてありますが、これを見たときに、まず第一に出てくる問題は、竹島の名はどこにもないということ、ただ一般的な紛争処理の段取りを合意しているだけです。したがって、外交経路による解決といっても、竹島がここにいう紛争に含まれているのかどうか、これはきわめてあいまいです。韓国側が竹島処理の外交交渉に応じてくるという保証は、この中には何もありません。第二番目に、では外交交渉で解決しなかった場合に、その後の手続について合意に達し得るかどうかという問題があると思うのです。かりに調停に持ち込まれることになったとしても、竹島問題の調停にあたる第三者なり、あるいは第三国を、双方の合意のしで選ぶということが、はたして順調にできるんでしょうか。私は非常にむずかしいと思うのです。というのは、竹島帰属については両国の見解が全く相反しているからです。李外務部長官のことばによりますと、独鳥――竹島です。竹島は韓国古来の領土であり、もともと日本側と協議をしたり交渉したりする必要のない問題である、こう言っております。このことばで、はっきりするように、韓国側は竹島問題をこの交換公文に基づいて処理するという気持ちは初めから全然ない。これは明らかだと思うのです。そうなると、これは一体、竹島問題というものは今後どう解決をしていくのかということは、これはたいへん重要な問題だろうと思うんです。この竹島問題について一体どの程度の解明がなされたのか。また竹島問題について今後どうその帰属を決定していこうとしているのか。そういう点について、私は、重大な領土問題ですから、これは当然政府もはっきりした方針を示しただろうと思う。示していないとするならば、これはまた、とんでもない話。したがって、この点について審議の模様をお聞かせを願いたいと思います。
#37
○議長(重宗雄三君) 時間が超過しております。
#38
○矢山有作君(続) もうちょっとあります。それから第四点は、対日請求権の問題です。(発言する者多し)黙って聞け。交換公文の日本からの三億ドル以上の民間信用の供与、これについても日本側と韓国側の説明が食い違っております。日本側のほうは、この三億ドル以上の民間信用供与については、これは政府が責任を持つものじゃない、あくまでもこれは民間ベースで行なわれる協力であって、単なる期待額を示しただけなんだ、こう言っている。ところが、韓国側の韓日会談白書を見ますというと、この民間信用供与の問題で、はっきりと、これは韓国が受け取る請求権の額の中に加えられております。そうなると、これは根本的に民間信用供与の性格についての解釈が食い違っております。だから、これをめぐって今後非常に大きな問題が起こってくるだろうと思うのです。一体、民間信用供与三億ドル以上というものは、これに対して政府が拘束されるのか拘束されないのか、この点ひとつはっきりとさせていただきたいと思うのです。それから、また、この請求権は管轄権の範囲と関連してくるんですが、北朝鮮との関係においてどうなるのか。日本は北朝鮮に対する請求権は放棄しておらぬし、北朝鮮からの請求権は別途に処理すると、こういうことを言っているようです。北朝鮮の請求権問題については白紙だ、こういうことを国会でも政府は言っておりますが、この点どういうふうに解明をされておりますか。こういう点でひとつ重大な問題があろうかと思いますので、その審議の内容をつまびらかにしていただきたいと思うんです。もし委員会で、これらの重要な問題について、国民が十分納得するような解明が行なわれておらぬとするならば――そういう段階で質疑のじゃまをして、一方的に打ち切った、そういうことをやったということは、これは全く言語道断。したがって、この点については、格別念入りにその審議実態を明らたにしていただきたいと思います。さらに……。
#39
○議長(重宗雄三君) 時間が超過しております。
#40
○矢山有作君(続) 私のほうから、この日韓条約の審議について……。
#41
○議長(重宗雄三君) 矢山君、簡単に願います。
#42
○矢山有作君(続) 十分審議を尽くされてない、いわゆる疑問点として残っているという点を、四十四点にわたってあげております。これらの疑問点について、これは明らかにされているのかどうかということも、これもまた、重要な問題。問題は個別になってまいりますが、これは先ほど申し上げた基本的な四つの問題と関連をして重要な問題ですから、四十四項目を参考のために一つずつ読み上げますから、これについて一つ一つ詳しく御答弁願います。
#43
○議長(重宗雄三君) 時間が超過しております。簡単に願います。
#44
○矢山有作君(続) 残されている疑点といたしまして、韓国情勢の評価、基本条約について、第一には、政府・自民党は、韓国の窮迫した経済を救うために経済協力を行なうと称しているが、アメリカの韓国に対する経済援助は韓国に安定をもたらしたか、これが第一点。
 二、韓国自身、相当な設備投資を行ないながが、それが有効に稼働していない理由は何か。
 三、韓国が膨大な軍隊を維持して、その経済に重荷となっているが、このような情勢をそのままにしておいて、今後も有効な経済建設を行ない得るのか。
 四、政府は、李東元韓国外相の言う米・日・韓三国会談に賛成するのかどうか。
 五、政府は、丁一権韓国首相の言明する反共十カ国会議を支持し、これに参加するのかどうか。
 六、日韓共同防衛と称されるものの具体的構想と、その実現のためにとろうとしている措置の内容を示せ。
 七、日韓基本条約において、国連憲章を引用した意味と、それが具体的に適用される場合を示せ。
 八、日本が、自衛隊を含めて、韓国にある国連軍に協力する限度は、具体的にはどうなのか。
 九、日韓併合条約成立前後の事情について、佐藤総理が日韓平等の立場で結ばれたと言うのは、これは事実に反する。日朝両民族の友好のためには、過去の事実を事実として率直に認めて、反省をすべきではないか。
#45
○議長(重宗雄三君) 簡単に願います。
#46
○矢山有作君(続) 十、休戦ライン以北の領海を設定する権利を持つ国は明確でない。韓国の地図では、かってに専管水域線を引いているが、これは日本政府の答弁と矛盾するではないか。
#47
○議長(重宗雄三君) 発言を禁じます。
   〔矢山有作君「十一、北朝鮮との貿易について、延べ払い、直接決済などを認めるのか。貿易拡大のため、貿易担当者、技術者などの入国を認めるのか。」と述ぶ。〕
#48
○議長(重宗雄三君) 発言を禁じます。
   〔矢山有作君「十二」と述ぶ。〕
#49
○議長(重宗雄三君) 発言をおやめください。
   〔矢山有作君「在日朝鮮人の北朝鮮送還を継続するのか。その業務を遂行するために、北朝鮮赤十中代表の入国を認めるのか。十三、北朝鮮との文化交流を認めるのか。十四、日本が北朝鮮に直行することを一切認めないのは、国連人権宣言、憲法の違反であり、これは当然廃止すべきではないか。」と述ぶ〕
#50
○議長(重宗雄三君) 発言を禁じます。
   〔矢山有作君「十五」と述ぶ〕
#51
○議長(重宗雄三君) 発言をおやめください。
   〔矢山有作君「日韓両国政府が、それぞれの請求権を主張した際の、その法的な根拠を明らかにせよ。両国政府が請求権を法的根拠のあるものに限って話し合うとした両者の了解事項の内容を示されたい。十六、韓国側の八項目、七億ドルの請求に対して、日本側が七千万ドルと提示した根拠は何か。韓国の対日請求八項目と経済協力との関係を明らかにされたい。」と述ぶ〕
#52
○議長(重宗雄三君) 矢山君の降壇を命じます。
   〔矢山有作君「八項目の中で明記されている個々の韓国人の権利は、結局、この経済協力にすりかえられて、無視されたことになるのではないか。」と述ぶ〕
#53
○議長(重宗雄三君) 矢山君の降壇を命じます。
   〔矢山有作君「韓国政府は、それについて何らかの措置をとるのか。」と述ぶ〕
#54
○議長(重宗雄三君) 衛視の執行を命じます。
   〔矢山有作君「十九、韓国国会に提出された合意議事録には……(議場騒然)削除されているのではないか。二十、請求権の相殺方式を……(議場騒然)政府は、これに対してどういう態度をとるのか。二十一、終戦当時、三十八度線以北にいた……(議場騒然)どのように処理するのか。経済協力が汚職、利権の対象となって、日本国民の税金が浪費されないようにする保証を具体的に示せ。二十三、民間信用供与三億ドル以上という規定について、政府の責任の限界を明らかにせよ。韓国における日本の保税加工方式は、韓国の低賃金利用を策すもので、それは日本の労働者に対する賃金切り下げの「てこ」となるものではないか。これは二十四です。二十五、李ラインが撤廃され、日本漁民が拿捕されないという確実な保証は一体どこにあるのか。共同規制水域への出漁隻数を千七百隻に自主規制したことは、日本の沿岸漁民の立場を忘れたものであり、これによって、わが国の沿岸漁民は大きな打撃を受けるのではないか。これは二十六番目。二十七、韓国の専管水域をあまりにも広く認め、しかもその中での日本入り会い権を放棄したことは、今後他国との漁業交渉の際、わが国の立場を著しく弱めるものではないか。二十八、日本からの漁業協力によって韓国漁業が発展した場合、韓国側の低賃金が「てこ」となって、わが国の漁業に深刻な影響を与えるのではないか。ノリ、アジ、サバなど、韓国の水産物輸入は、わが国の魚価を買いたたく武器として利用されるのではないか。これは二十九番目です。三十、補正予算に計上されている拿捕漁船船員に対する見舞い金の支出は、韓国政府に対する日本政府の賠償請求権を放棄するものであってはならないが、政府はこの立場を貫くのか。三十一、韓国の領海が何海里か不明であり、したがって、将来領海が十二海里と主張されるおそれがないか。三十二、大韓民国国籍の朝鮮人と朝鮮民主主義人民共和国国籍の朝鮮人とに、差別待遇が事実上行なわれているのは、国連人権宣言はじめ、公認された国際法規を日本政府が無視することではないか。日本政府は、いま北朝鮮系の人々に対しどう対処しようとするのか。三十二、韓国国籍の人、北朝鮮国籍の人と結婚した日本人の妻の処遇はどう違うのか。三十四、韓国国籍を持たない在日朝鮮人の利益代表を認めるのか認めないのか。認めるとしたらどの国あるいはどの団体か。三十五、日韓併合以来、日本がとってきた朝鮮人に対する教育政策の内容を明らかにしろ。三十六、永住許可を得た在日韓国人が政治犯とみなされた場合、日本政府は韓国政府の意向を退けても政治犯を保護し、これを韓国に引き渡さない決意があるか。三十七、永住許可申請の妨害行為に対し、現行の刑罰法規のほかに特に罰則を規定した ことは行き過ぎではないか。三十八、永住権を持つ在日韓国人の強制退去事由として、麻薬犯について三回以上の事犯に限ったことは行き過ぎではないか。三十九、竹島の日本帰属は、平和条約、日米安保条約、同行政協定で一貫して確認されているのに、なぜ韓国の抗議にあって、この事実の援用を避けているのか。四十、竹島帰属問題を解決するための具体的な処置を示せ。四十一、韓国政府が返還を要求した文化財と、日本政府が引き渡した文化財との関係を明らかにせよ。四十二、引き渡された文化財の美術的、学術的価値を明らかにせよ。四十三、日本側の私有文化財について、政府はこれを韓国に寄贈するように奨励する具体策は何か。四十四、朝鮮海峡の海底ケーブルの使用料及び修理について、政府の見解と処置を明らかにせよ。この四十四点にわたって、われわれは疑義があるとして問題を提起しております。これらの問題についても明らかに解明をされる必要があると思いますが、この疑点に対する解明はいかになっておりますか。この点についても明らかにしていただきたいと存じます。なお、最後にもう一つお伺いしたいのは、政府与党は……。」と述ぶ〕
#55
○議長(重宗雄三君) 矢山君、降壇を命じます。
   〔矢山有作君「日韓条約案件等は、軍事的な性格がないものだということを極力強調しております。しかしながら、今回の日韓会談の妥結調印に至る過程をわれわれが振り返ってみるとき、それぞれ日本、韓国、米国の首脳者の発言、その他の行動がたびたび行なわれておりますが、それらの事実を総合し、さらに、わが国の自衛隊、あるいは韓国や台湾のそれぞれの軍隊との関連を考えてみますとき……。」と述ぶ〕
#56
○議長(重宗雄三君) 降壇を命じます。衛視、執行。
   〔矢山有作君「この日韓条約案件等は、軍事的性格を強く持ったものだと考えるのでありますが、この点について明らかにされる必要があると考えます。」と述ぶ。拍手〕
   〔藤田進君登壇、拍手〕
#57
○藤田進君 お答えをいたします。なお、漏れた点等については再質問を――あるいは私のほかに柳岡君等の提案者もおりますから、それらから答弁せしめます。
 まあ要約いたしますと、衆議院における事態の情勢というものがよくわからない。また、それを受けた参議院の委員長との関連、さらに委員長の問責に関連をして、日韓の、この条約あるいは協定その他の解釈について、どういうものか食い違いが多いが、こういう点を特別委員長はいかに掘り下げさせたかといったような点であったかと思います。さらに今後の残されている問題点について、委員長はいかようにはからうつもりと提案者は考えているか、という点であったかと思います。逐次お答えをいたします。
 その第一点でございますが、衆議院における審議の実情と、議会制民主主義の関係でございます。従来、しばしば両院においていまわしい事態が起こされてまいりましたが、今回の日韓関係案件に関する限り、いまだかつてない――参議院には、先般七月の選挙で初当選された方も多いわけでございますので、まだその間、ここに五カ月ないし六カ月ということで、あまり過去の先例その他をお読みになっていない方も多いかと思いますから、若干つけ加えて申し上げ、新進気鋭の良識は、今後このような間違いのない方向に導いていただきたいという希望を込めて、答弁をする次第であります。衆議院における、今回の日韓案件に関する限りについて申し上げますと、まず第一に審議日数というものが非常に短い。これは参議院も同様ですが、衆議院では安藤委員長のもとで、参議院に劣らないほどの――寺尾委員長のやり方もさることながら、衆議院においてもまことに遺憾でありました。これを日程的に見ますれば、まず第一に問題としなければなりませんのは、これほど大きな問題でありますから、所定の手続を経て、公聴会を開き、天下有為の皆さん方の意見を、十分にこの条約、協定、国内法案に反映をする、こういう手段をとられるべきであり、このことを社会党は非常に強く要求したのでございましたが、これに対する自由民主党の措置は、結局、突如として強行採決の形で参考人を――条約案件に賛成する人だけを集めて意見を聞く、これはまことに片手落ちなやり方であった。それで事態収拾策として参考人は呼ぶこととするが、後日、公聴会を開くというかたい約束があった。これは本院の特別委員会でも、総理、官房長官その他と論争いたしました際にも出てきた問題であります。ところが、これは全くほごにされてしまって、公聴会は開かれない。そうして十一月の六日になりまするや、全くこれは四十何秒とかいう人もありますように、安藤委員長に対して動議をだれかが出した。それを許し、かつ、これまた参議院同様、委員会では一括議了された。――全くその事実は存在しない。議決の事実がない。これが合法か非合法か、あるいは、正当か不当かというような、そういう論議の余地すらない。そういう事実がない採決をした。こういう問題が起きて、事態収拾を行なわないままに、十一月十二日未明、やみ夜というか、暁を目ざしてというか、突如として船田中衆議院議長は――私はちょうどこれは院外でテレビで見ておりましたが、これはもう血圧が上がるはずです。息もつかせぬまま、最後にはもう全くやけのような声で一さんに読み上げたですね。そしてこれにわっと自由民主党の議員の諸君が取り巻いて、そういう中で、特にいまを時めく官房副長官竹下登君が、これは週刊朝日の表紙にも出ているように、飛び上がって行っている。官房長官にこの特別委員会で聞きますと、私どもは役人です、もとより副長官しかり、これが国会の場においてかかるようなことは一切すべきではないし、そのようなことはしておらぬというようなことだ。それで私が、あの夕刊にも出ておりましたように、朝日新聞にちょうど写真入りで出ているものですから、これを総理に提示して、「これはどなたでしょうかね」、「これは竹下君だろう」。官房長官、うしろに控えておりまして、「これは竹下君です。」これは詳しくは速記録を見てください、時間がございませんから、詳しくは申し上げないが。そこで、どうして官房副長官が行ったろう。その自余の人たちはみんな自由党。――社会党の議員が一名でもいたらこの写真の中で指さしてもらいたい。いないのですね、これは。そこで、竹下君が行った目的は何だと言ったら、これは官房長官いわく、「いや、あれは事務総長に連絡があって行ったと思います。」ところが、事務総長に連絡で行ったのならここへ来なければならぬでしょうが。よく見てください、彼は反対側へ来ているのですからね。幾ら血迷ったといいながら、事務総長に連絡があればあんなところへ行くわけがない。反対側に行けばよろしい。まあ私は中国筋の島根県出身でもあり、問題を留保しまして、この特別委員会に専念をいたしましたから、その問題は問題といたさなければなりませんが、要するに、十一月十二日未明というものは、これは、なまやさしいものではない。こんなことができるならば、質疑も討論も何もあったものじゃないでしょう。おそらくこの参議院における本会議においても、そのようなことはないだろうと私は期待するが、おそらく保証しないじゃないでしょうか。自民党はこうしてやっている。十一日には自然成立をしたといわれるでしょう。ところが、国内法が三案残っている。あとから詳しくは申し上げますが、残っている。そこで、重宗議長になるか、あるいは河野副議長になるか、自由民主党のほうから圧力を加えられるか加えられないかは別として――棒読みに、だだっと読んでしまえば、これで一切が成立したというようなことを、衆議院ではなさったんですね。参議院の賢明なる斎藤幹事長は、そういうようなことを示唆するとは思わないが、こういうことが実は衆議院の本会議で行なわれたのです。これまた議決の事実は存在しない。それを送られてきた。衆議院における議決の事実はない、委員会、本会議ともに。これを、議長さん、重宗さん、あなたの良識に訴えて、そのまま機械的に――あなたは機械ではないんだから、これを受けて、さあ特別委員会だ何だかんだという前に、議会制民主主義を守ろうじゃないですかと言ったんですが、「いや、他院から送られたものだから」、この一言ですね。このように、いわば衆議院の実情というものは議会制民主主義の破壊だということは、これは何人も……。わが参議院の特別委員会は、不十分ではございましたが、地方では福岡と大阪、あるいは中央公聴会は本院特別委員会のあの予算委員室で行ないました。ところが、日韓の案件に賛成の側の人々も漏れなく協調し、声高く訴えたのは何でしたでしょう。衆議院における、かようなことは、これは許しがたい、参議院においてかようなことがあってはならない――これは、賛否いずれの側においても、この声は非常に強かった。その公聴会の直後、四日に、衆議院に劣らぬ事態というものが寺尾委員長のもとで起こった。これが、第一のお尋ねの、非常に簡略で恐縮でございますが、衆議院における審議の模様並びに議会制民主主義の問題でございます。
 その次は、参議院における日韓特別委員会の実情、特に散会をしないで――これは奇現象が起こったのです。特別委員会を開け開けというんじゃなしに、特別委員会は開きっぱなしというんです。これは、速記にしても、事務局の人は、実際まあ今日、公務員給与の勧告が五月からとあっても、さあ九月からだ、予算はどうだ、そういう、まあいわば腹のへったときに、夜の夜中までほっぼらかしになったんですから、寺尾委員長のもとに。これはどう思いますか。寺尾委員長が、植木君の発言が「委員長」とあって、それっきりだもんだから、委員長としては、事前に共謀されたように、これは質疑の打ち切りだけだ、こう心得て、一たん外に出る、暫時休憩をして。その休憩も宣してないですがね。一たん外に出て、また帰ってきて、今度は不信任から受けて、おそらく討論、さらに採決、こういう手順であったろうかと思うのですが、どっこい、二階におりてみたら、先ほど申し上げたように、「あれは全部が済んだんだから、君、へたなことを言うたらだめだぞ、ちゃんと言い直せ」ということになった。どっこい委員会のほうは――皆さんも、やがて委員長をおやりになる方も多いでしょうが、開会のままになっておるんです、開会のままに。委員長もいない。与党の関係者もいない。いるのは野党だけが待っている。これはどういうわけかという御質疑ですが、これは、まさに計画の手違いといいますかね、与党の。(笑声)その辺から生じた事実であろうかと思うわけであります。
 今回の委員会における特徴を若干申し上げますと、与党におかれましては、かなり熱心に勉強しようという、まじめな態度で傍聴に来られた方もございました。あるいはまた、いよいよ四日を直前に控えて、かなり腕っぷしの強いような人が委員差しかえで相当入られ、あるいは傍聴に押しかけられた。これは私の邪推かもわかりませんがね。そういったような、いわば特徴的に現象というものは、これは否定できないのであります。そうしてさらに、私どもは、この委員会をかようにせしめたという点について指摘をしておかなきゃなりませんのは、手違い論について――大谷君がいてくれればいいんですが、ちょうど席をあけておりますが、与党並びに委員長、植木君の当時の発言の事情からいたしますと、質疑打ち切りをまずやる、そして討論については逐次時間制限をしてやろうということで、御用意なすっております。たまたま大谷君のところへ、草葉隆圓君の前に――理事ですから、場内交渉に行きまするや、部厚いリプリントしたものが置いてある。ふっと大谷君のところへ行ったところが、この書類があるですよ。これがあの事態がありました、どうでしょう、十分前でしたかね。それを私も読んでおりますと、大谷君は引っ張り取ろうとする。こういうわけで、上だけ読んで下を見ると、まだいろいろ書いてある。それを見ますと、討論時間は一人十分とかいうふうに、ちゃんと議事進行のそれが用意されて、進行する順序になっていたわけです。ですから、討論を初めから省略しようというのじゃなくて、まず質疑を打ち切る。そこで不信任案を受けて立ち、そのあと、四日になるか、翌五日の日曜日になるか、あるいは六日までかかるか、その辺をめどとして討論をやるという、いわば民主主義のルールに従ってやろうとされた、その良識のあったことはまず認めていいんじゃないか。それがもう、たちまちにして氷解してしまった。この点が実は問題なんですね。ここにいわば食い違い、手違いという現象が生じた。違いますれば、またちょっと説明してください。
 それから第二の点ですが、大谷君が発言する予定だったかどうか、結局は植木君になりましたが、じゃ植木君が何かしゃべったかどうかということについては、これは私ども特別委員会ですぐ隣にいたものですが、「委員長」と植木君は言われまして、あとは何も言えなかったようであります。みんな何を言うか、何が書いてあるかと思って、のぞくものですから、見せまいという、まあ本能ですね。それで、こう、差し出した。読めないのですね。ついに読まずじまいというのが、これが実態のようであります。それはこちらに見る人がいるから――こちらに見る人がいればどうにもならぬので、こうなるのでしょうが、まあ、そのようなことで何も発言ができていない。
 第三の提出要求資料です。これは実は聞いてもらいたいところです。質問者のような疑義が出るのも無理からぬところで、とにもかくにもこの日韓条約案件の審議には――資料は一部持ってはきましたが、これに関する最も重要なポイントについては、ことごとく資料が出ておりません。じゃ出さぬのは政府か、あるいは委員会か、委員長かということになりますが、委員会としては、理事会の議を経て委員会にはかり、法に従って委員会の要求資料といたしました。ところが、これを政府が一方的に出さない。御指摘の――質疑者が言われました韓国の国会議事録、あるいは請求権八項目の内容と金額、あるいはフライング・ドラゴン計画、あるいは次官会議の決定等々です。これはしかし、政府だけが悪いというふうには言い切れない。それは委員会の決議で要求すれば当然出すべきである。ところが委員長並びに与党のほうでは、とにかくまあ理事会で、もますよりも、オーケー、オーケーと言ってきめて、委員会へ委員長は持っていって、「皆さん、御異議ございませんか。――異議なし」で、要求することになっているが、それはそうしておけ、どうせ政府のほうから断わらせればいいんじゃ。そういう根性があるものですから、きまるのは案外簡単にきまるが、出さないという段階になれば、きまったものだから出してくださいという声が一音も与党さんから出てこない。韓国の国会議事録は市販もされているし、私も持っておりますがね。それじゃなぜ政府から要求するのか。これはその辺の市販だということになれば、政府は、やはりどこのものか、えたいの知れぬ馬の骨かわからぬと、こう言うのです。ですから、あなたのほうからお出しなさい。――ついに委員長の手元まで出しましょう。――委員長の手元まで出したものなら私たちに出してもらったっていいんじゃありませんか。それは委員長が二十万票で私が四十万票と、投票の差はあろうかもしらぬが、国会議員になれば、委員長の前に見せてわれわれに見せないと、そんなばかげたことはないでしょう。あなた方も議員ですよ。被害者ですよ。出さないんです。それは委員長もけしからんです。また、次官会議がきめた、北朝鮮との交流あるいは入管にいって、次官が知っていて、――これはだいぶん前ですから、当時各省庁の次官をされた方もいま議員でおられると思います。あなた方がきめた、その次官が知っていて、最高機関である国の立法府へ――その次官会議の結果を閣議了承してるんですが、これが出てこないんです。こんなばかなことがありますか。まじめに考えてみてくださいよ。それから請求権八項目、これも世上明らかなものです。それじゃなぜ要求するか。これもやはり一つの権威のある資料として、やはり外交権を持つ政府の手を通じなきゃなりません。こういうものは――これは一々あげれば切りがありません。韓国の合併以後、独立、平和条約を結ぶまでにどれだけの投資をしてるか――これはあると言う。あるいはあれもある、これもある、検討中……、言ってずらかって、とうとうこの四日にああいったことで出さない。こういうていたらくで審議を深めるといっても、根本の資料というものに、ことを欠いた。これは最も遺憾とするところであります。
 あと、いずれも簡単に申し上げたいと思いますが、問題の点としては管轄権ですね。これはもう何回もお聞きになっておりますが、私が申し上げるのはまだいままであまり触れられてない点であります。管轄権にいっては政府はどう言うか。これはもういま質疑者矢山議員の御指摘のとおり、平和ラインというか、休戦ラインですね、まあ西は平壌の南、それから東は――この休戦ラインの南で現に支配している地域と、こういうことを日本の国会では政府が言うでしょう。ところが韓国の政府は、国会における答弁で全朝鮮半島であるということで、管轄権についてもこれは全く違うのですよ。そうして、あとで申し上げる漁業について――これは地図でちゃんと示していますからね。そうして北についてはどうか。これは白紙だと政府は言うでしょう。これは池田さんの内閣時代からです。この白紙というのは、くせ者でしょう。これは何も書かないのだ、書いてないのですよというのが白紙でしょう。これから何か書いても、白紙ですから書けるのです。こういう、えたいの知れない、北については白紙。納得できないでしょう。そういういわば管轄権については大きな食い違いがある。したがって、今後の処理ということについて問題が起きます。じゃあ李ラインの存廃その他について両国の意見が食い違うがどうかという質疑ですが、まことに重要なポイントだろうと思います。これは李ラインについては、日本政府は李ラインは撤廃されたとはもう一口も言っていない。今度の日韓の特別委員会で、政府が李ラインは撤廃されましたという答弁をした速記録があれば見せていただきたい。そう言ってないのですよ。李ラインについては実質的に解消いたしました、李ラインは実質的に解決いたしました、これ以上に出ていないでしょう。どういうことを意味します。韓国においては国会で、「李ラインは厳然として残っている、わが国には国内法もある、厳然として残っている、撤廃したことはない」と言っているのです。言い切っているのです。日本の政府は撤廃したとは言っていない。坂田農相も総理も外相も、実質的に李ラインは解決した、こう言うでしょう。さあここが問題なのであります。これは遠いお年寄りの方には見えないでしょうが、(地図を示す)(「本人が見えないのじゃないか」と呼ぶ者あり)見えますよ。これは北朝鮮ですが、これは、ずっと今度の専管、共同規制水域というものが北朝鮮のほうに及んでいるのですよ。これは日本政府の資料ですよ、公式に出された……。あとで見てください。皆さんのロッカーにあるはずだ。何にも見ていないんだろうから、諸君は。こういうふうに李ラインというものは、実質的な解消、解決というふうに、「実質的」をつけなければならなくなっている。そして隻数、漁獲量、トン数、こういうものが、従来の実績から見れば、がたっと落ちたんです。そして各県では――私どもの中国地方、九州では、割り当てについて猛連動をいまやっている。農林出身の議員さん方はよくおわかりだと思う。ところが、韓国ではこれと違う、李ラインについては撤廃していない。いや、旗国主義だといいましても、これは将来大きな問題が起きることは間違いない。御質問のございました竹島に至っては、これはもうたいへんなことです。現に韓国保安隊は竹島に上陸している。大きな石碑も立っているそうであります。そこで、私どもは、理事会に――委員長を介して与党にも――この竹島へは、東京からまず隠岐島に飛びますと、一時間半くらいで行けます。隠岐島からこの竹島へ着陸というわけにもいきませんから、船で参りますと、往復して大体一日半、まあ二日あれば竹島周辺の視察ができるということで、いろいろ時間等も調べまして、竹島調査派遣要求を出しましたが、政府は、いや、そういうところへ行ってもらっちゃ困る。それじゃよその国か。いや、日本の竹島で、領土であるが、行ってくれちゃ困る。なぜならば、その周辺に行くとあぶないというのですな、撃たれる。(「自衛隊を連れて行け」と呼ぶ者あり)自衛隊をね。日本の領土へ、日本の国民、国会議員が行くのに、撃たれてあぶないからというようなことを政府がのうのうと言っているのですよ。これはどういうわけです。しかも、交換公文の中に、このことは紛争処理として入っていると、しばしば政府は言いました。入っていないんですよ。あれば見せてください、活字一字でもよろしい。竹島の「竹」もないですよ。紛争解決に関する交換公文の中に。そのはずです。韓国の国会では、竹島は椎名外務大臣が了承し、もう韓国に譲り渡しを確認したという答弁をしております。答弁をしておるんですよ。そうして李東元外務部長官は、アメリカに行く途中、日本に寄り、首相官邸で佐藤総理に会った。たまたまこの間の参議院選挙の直後ですよ。これは韓国国会で李東元さんが言っているのですね。佐藤さんが言うのに、「自分は参議院選挙で、竹島は日本のものだ、これはもう日本帰属にきまっている。これを同時に解決すると言ったのだから、ひとつ君のほうでもおれの顔を立ててくれないか」と、こういう意味のことを佐藤さんは、私――李東元に申しました。これは韓国国会での話ですよ。そこで、長いから要約しますが、「そんなことを言われるなら、日韓条約がつぶれても、ふろしきを包んで帰ります」と言ったところ、佐藤さんもこれは認めた。内外記者団が周辺には一ぱいいたと、こういう状況描写までつけ加わって、この速記録にはあるのですね。これは李東元さんが言っているんですよ、韓国国会で。かようなことが議事録に一ぱいあるのだから政府は出せないのですね。交換公文に竹島もない。さて、それはそれとして、竹島は今後どうして解決するのか。お互いが相談して、できなければいよいよ調停に持ち込む。調停に持ち込むということを一方が了解しなければ調停にならない。この調停案が出ても、一方がだめだと言うなら、調停案は成立しないでしょう。要するにきまらない。独島――竹島というものは、佐藤さんによって日本の貴重な領土が割譲されたと言い切ってもいいだろうか、どうだろうか、特別委員会をもっと開いて究明をしたいということを、われわれは要求したのであります。
 さらに、対日請求権についてでございますが、これが最後のようですが、民間信用供与三億ドル以上、これもまあ田中大蔵大臣当時も、その前も、小坂外務大臣以来ずっと問題になってきたところです。大平・金メモ――いろいろな複雑なこれは事情があるのでございますが、韓国は七億ドル以上とか、要するに有償無償五億ドル並びに民間ベースだと称せられますが、三億ドル以上、これは三億ドルでは済みません。これについては、義務か、あるいはこちらの単なる協力的なものであるかという点であります。これは相当追及されたが、最後のものがまだ究明されていない。政府は二つのことを言っているのです。自己撞着、矛盾ですが、これは単なる民間ベースであるから政府は何の責任もない。責任は何もない。いや、それでは三億ドルの達成がなくて、一億ドルでもどうか。ゼロになったらどうかと問い詰められまして、三億ドル以上を行政指導としてやっていきたい。それじゃ輸銀融資した場合に焦げついたらどうか。いろいろな議論があって、結局は義務だと言わざるを得ないような状態に、いまのところは、なっている。韓国の国会とはこれまた食い違っているところであります。これは今後大きな問題を残す、私にはこう思われる。それは、まず国内では――あるいは相互の国の中で、韓国の国内のことには触れませんが、いまこの三億ドル以上七億ドルになるか、十億ドルになるか、あるいは焦げつくか、いろいろな問題を持ちながらも、政府が保証しているという、このうしろ立てで、韓国のこの問題は、すでにもう九件韓国との間には取り引きが終わり、そして日本と韓国と口上書の交換もいたしておりますことは、政府が答弁いたしました。もうこの夏に、あめ玉にたかったアリのごとし、これにですね、利権がからみ、いろいろ問題を起こし始めて、黒いうわさがすでにノリにおいて出始めている。渡辺勘吉委員は、ノリについて黒いうわさがある、いよいよこれから具体的にこれを質問いたしますよ――これはある政党の最高幹部に波及している問題の模様でありますが、これの発言にいよいよ入りますると、寺尾委員長は、渡辺君の質疑は終了いたしましたなんといって、切っちゃったのです。これはひどいです。たとえ身にとって不利なものであっても、十分聞くべきであります。議院においては他人の私生活について言論をしてはならないことになっているので、おそれることはない。このように、民間のベースにおいてといえども、非常に重要な問題を包蔵いたしておりますことを申し上げたいと思います。
 八番目、最後でございますが、軍事同盟との関係はどうか。これは一貫して政府は「軍事同盟となんら関係はございません」、という答弁でございましたが、まだ不十分でございます。だんだんとアジアの軍事情勢、特に日韓の有償無償の経済協力、そして物資の動き等々から見てまいりまして、明らかに軍事同盟である。たとえばアメリカにまいりました李東元氏は、アメリカと朝鮮と日本の三者首脳会談を提唱しております。アメリカは、どうもその時期が悪いから、いま賛成するというときになっていないと、こう言う。また、南ベトナムのグエン・カオキ、これはその後のクーデターで現在は総理でございますが、それが南朝鮮の朴大統領を訪れて、これまた、この間、日本に寄ろうか――日本に寄ってもらってもちょっと時期が悪いとおっしゃったようで、この南朝鮮朴大統領にグエン・カオキ将軍が――首相が会われて、どうですか――ベトナム、アメリカ、韓国、日本といったような軍事同盟締結について、意見の一致をみたという、共同コミュニケが発表されております。これは事実でしょう。そういう一連のものからいたしまして、頭隠してしり隠さずというか、全く政府の答弁というものは、これは違うということがやや明らかになり始めたときに、いよいよ質疑打ち切りといったようなことで、すべてが今後に残されているところであります。
 なお、この四十四項目につきましての部分でございますが、これは実は私ども理事が委員間にいろいろ残されている問題について摘出をいたしまして、それに若干の理由をつけて内外に発表いたしますと同時に、委員長に対しても、このような質疑が――重大な問題がまだ残されているということをお伝えいたしましたわけでございますが、すべてこれは今後に残されている問題であります。その内容につきまして答弁をすべきでありましょうが、まずこの辺でよいか悪いか、もし悪ければ、またお聞きいただければ、続いて御質疑に対する答弁をいたしたいと思います。非常につたない、短時間の答弁で恐縮でございましたが、よろしく。(拍手)
    ―――――――――――――
#58
○議長(重宗雄三君) 瀬谷英行君。
   〔瀬谷英行君登壇、拍手〕
#59
○瀬谷英行君 あまり長時間にわたりますと答弁もなかなか容易ではないと思いますし、途中で失念をするようなことがあってはいけないと思いますので、短時間に質問をいたしまして、再質問をいたしたいと思います。
 現在の国会の空白と混乱は、日韓条約案件の通過をあせる政府・自民党の、でたらめ、かつ拙劣な国会運営にあることは、もはや何人といえども否定できないところであります。国民は、日韓条約の内容に多くの不安と疑問を抱き、これが国会において徹底的に審議されることを心から望んでおります。「くさいものにふた」ということばがありますけれども、くさいものに特に厚い「ふた」をして、しゃにむに国会を押し通すようなことは、国民の名において断じて許し得ないのであります。ところが、それにもかかわらず、今日に至る衆議院の経過、さらには、参議院の日韓特別委員会におけるまことに不可解な審議の中断は、おそらく国会始まって以来のことであり、このようだ恥知らずの処置は、自由民主党所属議員といえども、心ある人ならば良心の苛責にたえがたいところではないかというふうに信ずるのであります。衆議院の日韓特別委員会における詐欺にもひとしい打ち切りや、また、本会議における船田議長の恥知らずな強行採決は、それだけでも議会民主主義をじゅうりんし、罪万死に値し、国民に顔向けができないはずであります。そこで、せめて参議院だけでも、日韓条約に対する国民の疑惑と不審に対して、あいまいなごまかしは行なわないという、良識の府としての義務があると信じたいのであります。そのために、参議院の日韓特別委員会は、衆議院を、そのまま、まねることなく、慎重に審議を尽くすべきであるというふうにわれわれは考えてまいりました。その参議院の日韓特別委員会の委員長になった寺尾さんは、おそらくいままでの衆議院における醜態について十分に反省をした上で、参議院は参議院らしくふるまうということをお考えになっておったのではないか、というふうに私は思うのでありますけれども、寺尾さんは委員長就任にあたりましてどのような所信の表明を行なわれたのでありましょうか、どのような決意を語られたのでありましょうか。このことを提案者に、まず第一にお聞きをしたいと思うのであります。
 次に、委員会発足後の審議の経過でありますが、社会党は参議院が良識の府であるということを考えるがゆえに、いままで明らかにされないもろもろの疑点を解明をし、徹底的に審議をしていこうという方針をとりました。これは社会党のみならず、野党各派が同じような考え方であったのではないかと思うのであります。よく自民党の諸君が宣伝をするように、社会党によって審議が阻止されたといったような宣伝が行なわれますが、そのような事実がはたしてあったのかどうか。社会党をはじめとする野党各派が、この審議に対してボイコットをしたり、さぼったりしたような事実があるかどうか。このようなことを、まず提案者に第二にお伺いをしたいと思うのであります。
 次に、審議の過程において資料の提出を要求されたはずでありますけれども、もしその事実があるとすれば、どういう資料がどういう理由で要求をされたか。そのことは、いま一端についてお触れになりましたけれども、さらにその内容について明らかにすべきことであると思います。また、政府はこの要求に対してどういう態度をとり、委員長は委員長の職責においてどのような措置をされたかということをお伺いをしたいと思うのであります。
 四日の委員会では、なぜかわかりませんが、午後三時一分に中断をされました。三時に中断をされなければならないような何か事情があったのかどうか。いつも委員会は日が募れるまで審議するたてまえになっております。忙しいときは暗くなってもやります。にもかかわらず、三時でもって中断をしなければならないような特殊な事情が、一体、院内外にあったのかどうか。また、翌日まで続行できないような事情があったのかどうか。これは不可解なことでありますので、この点についてもお伺いをしたいと思います。また、同日、会議の途中で植木君は、くちびるをふるわせ、髪を振り乱しておりましたけれども、その発言の内容は、「委員長」と、一言、言っただけでありまして、それ以外のことばがわからないのであります。自民党の方々は、それ以外のことばをよく聞きとっていらっしゃるのかどうか。テレビなり、あるいはラジオ、新聞等によって、克明に報道されておりますが、何ぴともそれ以外のことばがなかったというふうに判断をしておりますけれども、提案者としてはどのようにお聞き取りになったのか。そのときの寺尾委員長の行動と発言も、これまた、テレビでも新聞でも報道されております。しかし、その内容に至っては全然明確ではございません。私どもは、ここが大事なところでありますので、一体、寺尾委員長がそのときに何と言ったのか、何をしようとしたのか。この点は、多くの証人ともいうべき人たちの意見を具体的に聞いてみたいと思うのであります。提案者である藤田日韓特別委員会理事にお伺いをすると同時に、最前列にやはり一緒におられた亀田理事は一体どのようにお聞きになったのか。一人だけの御意見を聞いても間違いがあるといけませんから、この際、間違いのないように、亀田理事からもひとつお伺いをしたいと思うのであります。
 次に、問責決議案を出させるに至ったものは、寺尾委員長のみではない、その背景となるものがあるのだということを、藤田さんがさっき提案理由の中で説明をされておりました。しかし、だれが寺尾をそうさせたか、(笑声)こういう疑問がそこで出てくるわけであります。(「サル回しだ」と呼ぶ者あり)サル回し云々というようなお話もございましたが、まあそういう失礼なことは私は申し上げたくございませんが、彼の心情は相当に純情であったというふうに言われました。その心情は――その風貌が百獣の王ライオンにほうふつたるものがございますけれども、その心根はすこぶる純情であるという意味のことをお聞きいたしておりますが、はたしてそういうものであったのかどうか。その点は、深いおつき合いのある、これまた亀田さんなり藤田さんからお聞きをしたいと同時に、彼をそうさせたところの背景は一体何かということも、あわせてお聞きをしたいと思うのであります。国会法をはじめといたしまして、法規慣例を無視した例として、長谷川仁君とこの稲葉君と先陣争いをやったということも、先ほどお聞きをいたしました。行列の割り込みということは、小学生でも、やっちゃいけないというふうに教育をされておりますけれども、この国会の発言に関する限りは、割り込みが許されるというふうに国会法に書いてあるのかどうか。こういうような点も、私は法規慣例、過去における前例がはたしてどんなものであったのか、委員長の行動と指名、それらがどういうような根拠に根ざしたものであるか、この点もお聞きをしたいのであります。
 それから、委員長の可決報告書でありますけれども、これが捏造であるということで、野党各派が重宗議長にも抗議をしております。ところが、議長はどうにも、そのことを、すなおにお聞きにならないようでありますが、可決報告書を事実に相違なしとする証拠が一体あるのかどうか。証拠があるならば、これはやむを得ません。しかし、われわれが聞くところによれば、この可決報告書は、事実である、事実に相違なしとする客観的な証拠というものは何一つないように聞いておりますが、一体この点はどうなのかということも、お聞きをしたいのであります。それにもかかわらず、あえて職権開会を行なった。あるいは、また、可決をしたことにしてしまったということになれば、まさにこの行為は、議会民主主義の墓穴を掘るということになってしまうのではないかと、こう思います。私どもは与野党の立場をこえて、この点を心配をしなければなりません。議会民主主義の墓穴を掘るなら専属さんがいい、議会民主主義の墓穴を掘るか寺男、こういうようなことになっては困ると思うのであります。だから、もし自民党の方々も、日本の議会主義の将来を御心配になるならば、このようなことは、やはり悪いことは悪いとして撤回をして、やり直しをするというのが筋ではないか、つまり、特別委員会に差し戻して審議をするのが、だれが考えても筋ではないかと思うのであります。この点についての理解が、野党は一致しておりますが、与党がどうも一致しておらない。この点が、われわれには、国民には、わからないのであります。なぜかということを、これまたお聞きをしたいのであります。
 とりあえず、以上の点だけをお聞きをいたしまして、あとは再質問をさしていただきたいと思います。(拍手)
#60
○議長(重宗雄三君) 藤田進君。――藤田君、御登壇願います。
#61
○藤田進君 いや、待つことに話し合いが……。
#62
○議長(重宗雄三君) 藤田君を指名いたしましたが、これを取り消します。
     ―――――・―――――
#63
○議長(重宗雄三君) 大矢正君外一名から、賛成者を得て、
 夕食のため二時間休憩することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
   〔「議場閉鎖してから入ってきた、議長」「そ
   んなばかな」と呼ぶ者あり、その他発言す
   る者多し〕
#64
○議長(重宗雄三君) ただいま行なわれております投票は、議場の閉鎖について疑義があるようでありますから、これを中止いたします。
 議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
#65
○議長(重宗雄三君) 大矢正君外一名提出の休憩の動議について、あらためて採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#66
○議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票願います。――まだ御役票なさらない方は、すみやかに御投票願います。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#67
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#68
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         百八十二票
  白色票           七十三票
  青色票            百九票
 よって本動議は否決せられました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      七十三名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      山高しげり君    黒柳  明君
      石本  茂君    浅井  亨君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      宮崎 正義君    小平 芳平君
      白木義一郎君    達田 龍彦君
      前川  旦君    戸田 菊雄君
      竹田 現照君    山崎  昇君
      木村美智男君    村田 秀三君
      矢山 有作君    野々山一三君
      瀬谷 英行君    杉山善太郎君
      小柳  勇君    横川 正市君
      相澤 重明君    岡  三郎君
      永岡 光治君    藤田  進君
      柳岡 秋夫君    田中  一君
      佐多 忠隆君    北村  暢君
      鈴木  強君    大和 与一君
      岩間 正男君    須藤 五郎君
      春日 正一君    森  勝治君
      鈴木  力君    中村 波男君
      川村 清一君    大橋 和孝君
      田中寿美子君    稲葉 誠一君
      吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君
      小林  武君    松本 賢一君
      佐野 芳雄君    中村 順造君
      野上  元君    山本伊三郎君
      柴谷  要君    松永 忠二君
      占部 秀男君    伊藤 顕道君
      中村 英男君    久保  等君
      秋山 長造君    大矢  正君
      亀田 得治君    近藤 信一君
      松澤 兼人君    小酒井義男君
      椿  繁夫君    成瀬 幡治君
      木村禧八郎君    藤原 道子君
      岡田 宗司君    加藤シヅエ君
      羽生 三七君    野溝  勝君
      松本治一郎君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百九名
      森田 タマ君    植木 光教君
      和田 鶴一君    中上川アキ君
      沢田 一精君    二木 謙吾君
      野知 浩之君    伊藤 五郎君
      林田 正治君    吉江 勝保君
      梶原 茂嘉君    岡村文四郎君
      木暮武太夫君    草葉 隆圓君
      宮崎 正雄君    柳田桃太郎君
      山内 一郎君    山本茂一郎君
      園田 清充君    船田  譲君
      藤田 正明君    土屋 義彦君
      木村 睦男君    高橋文五郎君
      内田 俊朗君    大森 久司君
      丸茂 重貞君    源田  実君
      熊谷太三郎君    小林 篤一君
      山崎  斉君    川野 三暁君
      温水 三郎君    亀井  光君
      石井  桂君    稲浦 鹿藏君
      大竹平八郎君    柴田  栄君
      鈴木 万平君    鹿島 俊雄君
      鍋島 直紹君    横山 フク君
      青柳 秀夫君    剱木 亨弘君
      古池 信三君    田中 茂穂君
      近藤 鶴代君    石原幹市郎君
      重政 庸徳君    林屋亀次郎君
      杉原 荒太君    中野 文門君
      竹中 恒夫君    後藤 義隆君
      堀本 宜実君    山本 利壽君
      玉置 和郎君    内藤誉三郎君
      任田 新治君    西村 尚治君
      中村喜四郎君    高橋雄之助君
      長谷川 仁君    岡本  悟君
      奥村 悦造君    楠  正俊君
      栗原 祐幸君    久保 勘一君
      岸田 幸雄君    谷村 貞治君
      村上 春藏君    木島 義夫君
      徳永 正利君    大谷藤之助君
      天坊 裕彦君    西田 信一君
      仲原 善一君    松野 孝一君
      森部 隆輔君    津島 文治君
      塩見 俊二君    新谷寅三郎君
      迫水 久常君    松平 勇雄君
      八木 一郎君    山下 春江君
      郡  祐一君    安井  謙君
      小林 武治君    小山邦太郎君
      高橋  衛君    吉武 恵市君
      廣瀬 久忠君    近藤英一郎君
      田村 賢作君    谷口 慶吉君
      北畠 教真君    金丸 冨夫君
      青田源太郎君    赤間 文三君
      井川 伊平君    江藤  智君
      森 八三一君    三木與吉郎君
      西郷吉之助君    紅露 みつ君
      上原 正吉君    中山 福藏君
      小柳 牧衞君
     ―――――・―――――
#69
○議長(重宗雄三君) 瀬谷英行君の質疑に対する答弁を求めます。藤田進君。
   〔藤田進君登壇、拍手〕
#70
○藤田進君 ただいまの瀬谷議員の御質疑に対しましてお答えをいたします。
 その第一は、寺尾委員長は、その就任にあたっていかなる所信を表明をしたかということであります。本来なれば、速記録を一応お読みいたしまして、その所信の所在について御判断をいただくべきでございますが、特に理事である提案者の意見はどうかということでございますから、私としては、当時の模様を付加して、委員長の所信の状況について申し上げたいと思います。いまだから言えるといいますか、私は、十一、二年前、昭和二十九年だったと思いますが、寺尾さんとは、列国議会同盟会議に一緒に行きました。人というものは、死を寸前にして、あるいは死ぬかもしれないという心境のもとにおいて、初めて本来の姿が出るといわれております。「天皇陛下万歳」と言って戦死する人もある。「おかあさん」と言って死んでいく人も、かつて戦争ではありました。寺尾さんと私ども、列国議会同盟会議に参りまして、ふとしたことで交通事故にあい、これは寺尾委員長がです、ばったりと道路に倒れて、しっかりせよと抱き起こしまして、そうして当時、十二年前ですが、わが日本ではタクシーに無線は付いていなかった、十二年前。花の東京、都東京もそうです。ところが、デンマークの町では、すでにタクシーにこの無線が付いている。タクシーを呼びとめて、寺尾さんをかかえこんで、見れば頭はもう、まっ黒になっております、頭を打ったのですね。ものも言わないんです。病院に行きますれば、すでに無線電話の連絡がついて、そうしてもう担架が玄関に出て、用意してありまして、いろいろ治療を受けてホテルに帰って、「自分はどうも命がないように思う」、ようやく、そのときに私はことばを聞いたのです。「本国からひとつ近親者も呼びたい、遺言が書きたい」――河野前事務総長が一緒でございましたが、実は、そういう場裏における寺尾さんというものは、まことに人として私ども尊敬のできる人でありました。先刻の矢山君の質疑に対する答弁でも申し上げましたように、この人に特別委員長という、やっかいな、非常に責任の重い仕事をやっていただけるなれば、わが党も対立候補を出すこともあるまい、そういう私の主観的な印象があります中で聞きました委員長の委員会運営に対する所信でありますから、若干買いかぶったかもしらない。しかし、確かに真剣に、自分としては強行採決はしない、あるいは職権開会というようなことはしない、あくまでも法規典例に従って、という、かたい約束があったわけであります。ところが質疑者は、しからば悪いのは委員長だけであるのか、あるいは委員長だけではないのか、その辺のことがやはり今後、寺尾委員長と接する上にも知りたいという、たっての御質疑であります。私が思いますのに、どの辺まで申し上げてよいやら、寺尾委員長は、先ほど詳しく日程を追って申し上げましたように、しばしば職権で開会をいたしました。そのつど、どうも与党の理事から――これは、そう言えば名前を言うも言わないも同じですが、非常に強い圧力を加えられたように私は受け取るのであります。温厚だといわれる草葉隆圓氏も、この日韓特別委員会ではなかなか目の色を変えた方です。草葉さんは、私、これは十二年ほど前でしたか、議運の委員長のときに、寺尾さんより前に議運でつき合っておるわけですが、この人は演壇の上に立っても自民党ではおそらくナンバーワンじゃないでしょうか。黒でも白と言えるというか、サギをカラスと、カラスをサギと――この草葉さんが大谷さんを従えて、どっちが従えたか、とにかく強い圧力です。さらに、私、今度ほどふしぎに思いましたことはない。それは、三階の委員長・理事打合会の席で、大体その辺でいこうじゃないかということになって、与党も賛成していそうなものであるのに、どうも二階に戻ってくると、たいへんどうも強い意見に変わってくる。これは、あとの質疑にも同時にお答えしたいと思うのですが、たとえば審議の関係資料のことについてお尋ねになりましたが、この資料についても、先刻お答えいたしましたように、なかなか出てこない、重要な資料、書類が。そこで、私どもは一歩進めて、国会法規に示しているような秘密会にしたらどうだろうか、秘密会なら出せるという政府側の答弁でもある。大谷理事どうだろうか。まあ、それは場合によっては、やってもいいが、やらなくてもいいがというような、一押しすればやるような心理状態があったにかかわらず、どうも二階におりて上がってくると、それはだめなんです。理由は何か。理由はもう言えない、だめだといったようなところから、これを援用いたしますれば、寺尾委員長が、あに彼の個性なり根性から出たああいった態度であったとは、私、断言し得ないのであります。血圧が上がったというのも、これは良心の苛責からくるというのが専門医の判断でございますから、その良心の苛責があるということは、何かそこの司令部というか、スイッチの入れ場所が二階のどこか一隅に、国会の中にあるのじゃないだろうか。私もまだ、そこまで捜査を進めておりません。
 それから次にまいりますが、長谷川仁君の質疑について、この割り込みですね。これはまあ、確かに軽犯罪法その他の罰を待ちましても――これは皆さん、罰の人は少ない――私ともこれは罰を待っても、割り込むということは、これは絶対の御法度です。民衆の不文律であります。軽犯罪法もあります。ただし、割り込んでもいいというものもあるでしょう。この委員長問責決議などは堂々と議案の中に割り込んでしかるべきものです。あるいは議長の不信任案――あるいは副議長なり、事務総長までいくかいかないかといったようなものは、当然これはもう先議案件として自由に大手を振って割り込んでよろしい。ところが、絶対に割り込んでならないものがある。これは参議院規則第四十二条にきめているように、ちゃんと先着順で委員長は発言を許していこう、先着でもないのに前のほうに割り込んでくるような長谷川君、曾祢君のようなことは、これは国会の中といえども許せない。このような意味では、割り込ませようとした――これは長谷川君も非常な人柄と私は思いますが、質問もしないのに、質問は終了いたしましたというようなことを、まあ簡単に委員長の言うように、のむような人ですから、これはまことにお気の毒だと、私、思いましたが、このように割り込みをせしめた寺尾さんは、一言で言えば、十年前よりも――寄る年波の六十六歳、髪は染められているけれども、洗えばやはり白くなっておられることだろうと思う。(笑声)まあ、ぼけたとは言いませんが、中にはそう言う人もあるかもしれないと思います。さらに、四日の委員会の植木君の発言は、どういうふうにどうだったかということですが、いろいろ取り調べましたところ、(笑声)植木君は、もし御異論があれば、また演壇で堂々と一身上の弁明をなさるはずですが、そうでなければ、私の言うことをお認めになったと私は理解をいたします。先ほども申し上げたように、おそらく最初は日高君がこの動議を出す。それは体格――剣道も練士であり、ゴルフも特にじょうずだといったような、体技の点、その他なかなかこれは頭脳も明断、これ以外にない。あの委員会における名簿をずっと見ますと、大体レスリングの関係者その他おられますが、(笑声)特に議場のいろいろな雰囲気については、いわば初めての純真無垢の人が多いんですね。この純真無垢の人にかような悪いことをさせるということは、気がさしたのか、あるいは、じょうずに、手違いなしに事を運ぶということは――その辺はせんさくいたしておりませんが、私どもは当時、「日高君、君はきょうたいへんなことを引き受けたね。」「そうなんだ」と言ったところをみると、まあ大体これは引き受けていたことは間違いない。ところが、それがどうも調子が悪いということになって、植木君が、つい先ほど申し上げたように席をかえてきたんです。席をかえてきたんですよ。ところが、この植木さんという人、これは京都の出身のようですが、これは人柄の悪い人じゃないです。人柄のいい人はやはり悪いことができないのです。ですから、質疑打ち切りをしたということまでは、ちょっと悪いことを言っておるのですが、まあ全部やったとまでは言っていない。しかし、「委員長」と言ったことは、委員部長も私もみな認めているのです。それから速記にも出ている。それからあとは、この人はまだそれだけの悪気がないというか、一々覚えていなかったとみえて、言えなかったのですね。気の毒でした。そこで、委員長は何も言わない。そうするうちに、園田君でしたかね、大きな人が出てきたなと思った。丸茂君の一隊は、うしろでしたが、このようなことで、委員長は本来根性がそう悪い人じゃありませんから、何か顔色が変わって、ふるえ上がったですね。うしろ、左右、前から攻められて。植木君、何か言えばいいのに何も言わない。言ったのなら、あとで言ってください。あそこで委員長は、何も言わないものを、「ただいまの植木君の動議に」とは言うわけにいかないものですから、手をこうやったんです。手が三回動いたら――委員部長は委員長の前で、第一回は質疑切ち切りで、第二回は討論打ち切りで、第三回が法案の議決だったと、こう言ったね。さて、そうだとすれば、うかつに、委員会、本会議で手もあげられないことになる。まあまあ静かにしてくださいと――まあまあ静かにと手を振ったら、三べんで日韓の本会議が済んじゃう。議長には、うかつに手を振ってもらっちゃ困るですよ。このようなことが白昼堂々と三時二分に行なわれたんですから。植木君の発言等については、このように何ら発言がなされておりません。したがって、第二の問題――質疑打ち切り動議があったとしてもという点については、これはあったとするわけにまいりません。ない。はっきり答弁いたしておきます。
 さて、討論省略ということ、これは確かに質疑者から、私の漏らした点をつかれて、恐縮に存じますが、これは実は、その朝すでに社会党、公明党、共産党、民社党、第二院クラブ、全部が討論の通告は、それぞれ討論者を掲げて文書で通告をいたしております。これは事務局にもその証拠が残っている。事務局も、その後、問いましたところ、いや、そんなことはないとは言っていないのですね。出しました。所定の手続をとっている。ところが、新聞その他では――議会にいて、委員長その他に直接聞けないで、新聞を見て、委員長が何を言ったというようなことを知るような最近のていたらくですからね。新聞を見るか、テレビを見て、初めて、委員長はそんなつもりであったかというように――それによりますれば、あの討論省略は、討論通告があってからの研究のようです。これは事務局のだれかが知恵を授けたともいわれておりますが、発言者がないので討論は省略いたしますと、こうでっち上げたわけです。(「そのとおり読んだんだ」と呼ぶ者あり)そのとおり読もうとしたけれども、読めなかったのだけれども、発言者がない。植木君が「委員長」と言って――皆さん物理的に考えてみなさいよ。「委員長」と言って、その間わずか一分か二分ですよ。「委員長、討論……」というような、そんなことが言えますか。社会党、公明党、共産党、民社党、第二院クラブ、これだけの全野党が、発言する機会があったのに、ぼんやりしていてできなかったと言うのですか。ねえ、そんなばかげた――時間はなかった。ほんの一瞬の通り魔のごとき、これは状態であったじゃないですか。電光石火、通り魔です。で、そのような事情で討論の省略ということが、すでになされたと言うのですが、これも実は、真相は、討論の省略はしていないのです。質疑打ち切りから一切ないのです。発言がないのですから、そんな判断ができるような領域にまだ達していない。これはそういう時点なんです。もしおわかりにならなければ、再質問にお答えいたしたいと思います。
 さて、この歪曲、捏造の可決報告書の事例について、過去にそういったようなことが、外国その他を含めて、あったか、あるいは刑法問題がどうか。これは、もし議会の外であるならば、あるいは議会のうちでも、現在参議院のあらゆる問題に関連して、外のいわゆる裁判の問題になっているところです。裁判権の及ぶ範囲を、この場合に考えますと、まず第一に、植木君は、「委員長」という発言をしただけなのに、質疑打ち切りその他の動議を提出したと僣称する。委員長はまたこれを受けて、質疑を打ち切り、討論を打ち切り、採決をしたと――しないのに、したと称する。これは明らかに法に照らして問題があります。詐欺でしょう、欺瞞でしょう。さらに、文書にしてちゃんと成規の手続をとったとすれば文書偽造。さらにもう一つ、行使。偽造しただけじゃない、行使しているのですね。そういう問題がある。いま本院の懲罰委員長は、もっぱらこれらの事実調査に当たっているようですから、私どもは、国会の外における裁判ということは一応おいて、院内における諸活動について十分な検討を期待いたしているところであります。よって、刑法に触れることは、これは明らかですが、提案者としては懲罰委員長のおとりなしにおまかせをいたしたい、こう思っております。
 特別委員会に差し戻すことについて――これは実に重要な点でございます。これにつきましては、私は方法論といたしまして、以上のように絶対許すべきでない、ここにまかり出たこれは中間報告じゃないんです。中間報告とかいうのならば規定があるし、しばしばやってきたところでしょう。中間報告じゃないんですね。今度は議決報告書――可決報告書が出て、これに基づいてやっている、その本体はないんですが。ですから、ここで誤りを改むるに、悔いて――(笑声)ちゅうちょしてはなりません。皆さんは誤りを改めるに、悔いてもこれを改めようとしないんじゃないですか。そうなんでしょう。将来これを委員会に差し戻すということになれば皆さん悔いるでしょう。一番よく笑ってるのがそうだと思う。ですから、これは議長並びに諸会派が話し合って、提案の理由を藤田議員から聞けばまことにこれはもっともである、こういう境地に達することですよ、皆さんが。そうして、これは特別委員会に差し戻そう、このことさえできれば――社会党、公明党あるいは民社党、第二院クラブ、共産党、これだけの会派は元へ戻せということで、もう意見が一致しているのですから、各会派、党派の皆さんに協議しなくても、ただ一つ、自由民主党の意思さえきまれば、これはきまることなんです。間違いないでしょう。よって私は、議長においてとりなしをされて、このような汚点をこの国会で残すということは、単に日韓が成立するとかしないとか、そういう問題ではない。まだ日はある。日はあります。日にちを切って委員会に戻せば――私は質疑から始めろとは個人的には言いたくない。実は会派としても、その辺、考慮しようじゃないか。討論の段階からでもよい。過去に例もある。いまの重宗議長がその良識に従って、田中議運委員長のもとで討論にまで戻した例が二つあるのです。討論にまで戻す。そうして討論に戻したならば、これは長くかかっても成立させたいという人が中にはあろうから、それならば一日程度で討論を終わろう。一日程度にですよ。そういうようにきめられれば、まだまだあすは九日、あす一日で討論を終わって、そうして無傷でちゃんと本会議に持ってくる。聞きなさいよ。そうしたらどうなんですか。特別委員会への差し戻しについては、そういう道が開かれております。ここでわいわいと皆さんは自民党のゴリ押しによって時間がたつ、こういう国民の批判の的になるようなことではなく、特別委員会に返し、時間を限って討論に移す。そうして、委員長報告は堂々と――そうなれば寺尾さんもやがて戻ってくるでしょう。何かやっておいて病院入り――重宗さんの病院はどこにきめられたか、まだ聞いておりませんが、たいてい血圧がというようなことになるのでしょう。そのようなことは、これは天下の笑われものですよ。私のこの提案理由としては、そのような重大な、過去あるいは将来の問題を考えまして、ここに提案をし、質疑に対しては、以上、特別委員会に戻すというりっぱな道がまだ開かれている、提案者として今後の方法論についても申し上げたところであります。非常に時間を短くいたしましたために、不行き届きでございますが、もし再質問があれば、またお受けいたしたいと思います。(拍手)
#71
○議長(重宗雄三君) 瀬谷英行君。
   〔瀬谷英行君登壇、拍手〕
#72
○瀬谷英行君 先ほどの質問に続きまして、若干の再質問をお許し願いたいと思います。
 こまかな問題についての再質問に入る前に、ひとつお聞きしておきたいことがございます。それは、きょう私は国民の一人から非常に素朴な質問を受けました。その内容はどういうことかといいますと、本日の新聞の広告に載っておったのでありますけれども、新聞の一ページをさいて、「宝石」という雑誌の広告が載っておりました。その内容は、「“日韓”を強行させた黒幕たち」と、大きな字で書いておりました。新聞を見ない人は別でありますが、読んだ方はお気づきになっておると思います。「不況打開のためにも韓国市場を――この切実な願望にそって金も人も動いた。八億ドルの対韓援助をめぐる“陰の主役”たちの複雑怪奇な正体」、こういったような丁寧な説明がついております。これは雑誌の広告だから、事実と反すると言いたいような顔をしている方もありますけれども、しかし、日韓を強行させたものは自民党であるということは、今日隠れもない事実であります。また、この日韓条約でもって、八億ドルの対韓援助なるものが具体的な問題になるということも、自民党の方々といえども、これは否定できないと思います。そうすれば、このような日韓条約が、ひた隠しに大事なことを国民に隠しながら、強行採決をされようとしたということと、この「“日韓”を強行させた黒幕」という読みものが、魅力ある読みものとなって、新聞の広告の大きな部面を占めるということを考えてみますと、国民が素朴な疑問をいまだに強く抱いているということは、また事実であろうと思います。その質問は、どうも国会でやっていることは、正直に言って、よくわからないのだが、しかし、なぜ日韓条約なんていうものを、そんなに無理をして結ばなければならないのか、こういう素朴な疑問と、韓国に対して、何で経済援助をしなければならないのか、こういう疑問は、おそらく、だれからも出てくるだろうと思います。その疑問は、さらに続いて、ベトナム問題に発展をいたします。ベトナムでは、いまだに殺戮が行なわれている、戦争が行なわれている。しかも、アメリカはベトナムに対して、ますます軍隊を増強しているけれども、そのアメリカのしり馬に乗って、韓国も軍隊を派遣しているじゃないか。日本は韓国に対して経済援助をしなければならないというけれども、それは韓国が貧乏だからだ、こういう答えで済まされている。しかし、その貧乏の原因が、働けど働けどわが暮らし楽にならざり、こういう貧乏なんじゃなくて、身分不相応の膨大な軍備を持っておって、しかも、わざわざ南ベトナムに兵を派遣して――道楽に戦争をやっているかどうかわかりませんが、とにもかくにも、戦争に従事をしているということは間違いがない。こういうことを考えてみると、結局、韓国に対して経済援助を行なうということは、韓国のベトナム作戦に対して、日本が間接的に協力をすることになるのじゃないか。まさにそのとおりだと思う。このようなことは、何と弁解せられるか。これは、くやしかったら弁明をしてごらんなさい。できないのだ。しかも、韓国はこういうことをやっているが、やっていることはまさしく火事場どろぼうじゃないか。その火事場どろぼうに対して、日本が経済援助ということをやっていることは、火事場どろぼうに弁当とお茶を運んでやっているようなものじゃないか。こういうことになる。そうじゃないと言えますか。くやしかったら、自民党の方、弁明してごらんなさい。このような素朴な質問は、経済援助に限らない、まだまだ多々ある。先ほど矢山君から、竹島の問題、あるいは李承晩ラインの問題、いろいろ触れられました。軍事的背景の問題――いま私は、総理大臣や外務大臣に質問しているわけじゃないから……
#73
○議長(重宗雄三君) 瀬谷君、時間がまいりました。
#74
○瀬谷英行君(続) そういうことを言ってみてもしようがないが、このような素朴な疑義がたくさん残っている。この解明されない疑義は、このように不当な中断をされた審議によって一体どうなるのだ。これを一体、政府並びに自民党諸君はどうする気か。これの討論を委員会に差し戻すという一片の良心があるのかないのか。やろうと思えば、できないはずはないと私は思います。自民党の諸君らにその気があるかないかにかかっているのでありますけれども、数々の折衝によって、自由良主党の諸君にそういう良心のかけらが残っているのかどうか、この点についての打診が行なわれたかどうかを、提案者にお聞きしたいと思うのであります。
#75
○議長(重宗雄三君) 時間超過です。
#76
○瀬谷英行君(続) それから、これからが大事なところなんであります。社会党は、自然成立を待たずに、十日の討論採決に応ずる旨の申し入れをしたはずであります。これは慎重審議を尽くすという方針が、ややもすると自民党から引き延ばし云々の言いがかりをつけられますので、そういう言いがかりをつけられないためにとった、われわれの一つの譲歩でもありますが、しかし、十日の討論採決、それまでは慎重審議をしよう、こういうわれわれの主張に対しては、どこからも文句をつけられないのであります。なぜそれに対して文句をつけてきたのか。朝日新聞の社説すらも、なぜこのような社会党の提案をもとにして審議を続けなかったのかということを説いております。この程度の提案をすら受け入れることができないようでは、自由民主党には参議院の良識ありということがいわれなくなってしまう。これは参議院自民党の名誉のためにも、まことに遺憾なことであると思います。
#77
○議長(重宗雄三君) 時間が切れました。
#78
○瀬谷英行君(続) 討論の省略をする意思は……。
#79
○議長(重宗雄三君) 瀬谷君、時間が切れております。再質問ですから。
#80
○瀬谷英行君(続) いま結論を申し上げます。野党各派とも――社会党だけじゃない、公明党も、あるいは民社党、共産党、二院クラブ、無所属の鈴木市藏さんに至るまで、討論に加わりたいという意思があったでありましょう。討論を省略をしてもよろしいなんという人はいなかったと思うのでありますが、どうも聞くところによると、討論が省略されたということでありますが、一体、討論を省略するというような気配があったのかどうか。野党各派からもそのような意思の表明があったかどうか。これまた、参考までにぜひともお伺いをしたいと思うのであります。審議を尽くすという何よりも大切な鉄則を国会みずからがじゅうりんをするということは、これは許されないことであります。ところが、参議院の日韓特別委員会は、まだ十分に日を残しているにもかかわらず、審議を尽くさずに、みずから多数党の力によって中断をされたというかっこうになっておりますが、毎日新聞の解説によれば、「シドロモドロの強行採決」という見出しで詳細に述べております。先ほど矢山君は朝日新聞を引用いたしましたから、私は毎日新聞を引用いたしますが、「シドロモドロの強行採決」、で、この結論として「これでは衆院での強行採決にあきれていた国民も自民党の強弁する有効論には全く首をかしげざるをえないだろう。」、こう書いてあります。議長から時間の催促がありますので、詳細に読みたいところでありますけれども、中間を省略いたしましてこの結論だけを申し上げたわけでございます。
#81
○議長(重宗雄三君) 簡単にお願いします。
#82
○瀬谷英行君(続) ところが、この説明としては、「与党側は、かつて例のない手ぎわの悪さを露呈したものだが、これは与党内の意思疎通を欠いたことに原因があったようだ。」と響いてあります。この意思疎通を与党の中で欠いたために、国会の名誉、信用を傷つけるようなことをやられては、ほかの政党が迷惑いたします。どうかそういうようなことをしていただかないように、これは自民党の方々に強く要請をしたいと思うのであります。それから……。
#83
○議長(重宗雄三君) 時間を超過しております。簡単に願います。
#84
○瀬谷英行君(続) 簡単に最後に、もう一つの点についてお聞きをしたいと思うのでありますが、「強行採決にかかる五分ほど前に、社会党の亀田、藤田両理事のダメ押しに答えて、寺尾委員長は「絶対討論を省略するようなことはしない」と約束したともいう。」、こういうことが書いてある。その絶対に討論を省略することはしないというふうに約束をしたにもかかわらず、討論は省略をされてしまった。この辺はまことにわれわれも理解に苦しむところであります。その辺の事情、これもちゃんと書いてあるのでありますから、これはぜひもう一度、提案者のほうから詳細にその間の経過について御説明をいただきたいと思います。
#85
○議長(重宗雄三君) 瀬谷君、簡単に願います。
#86
○瀬谷英行君(続) それから、議長さんのほうからいろいろと催促をされておりますが、重宗議長の問題ですから、議長さん、よく聞いてください。
#87
○議長(重宗雄三君) 簡単に願います。
#88
○瀬谷英行君(続) 去る三十九年の六月、当時、暴力行為等処罰法改正案の採決にあたり、自民党が質疑打ち切り、討論を省略、直ちに採決する動議を出して、同法案を強行可決してもめた。このとき重宗議長があっせんに入り、議長としては、討論省略は全会一致の場合を除いては行なうべきでないと裁定して、やっとおさめたことがある。同じ人なんです、議長は。もし議長が、このような、討論省略は全会一致の場合を除いては行なうべきではないということが、正しく、それがまた皆さん方によって受け入れられたとしたならば、なぜ今回も、討論の省略ということは全会一致の場合を除いては行なうべきではないという考え方を、実践に移そうとしないのか。こんなことは、だれが考えてみたってむしろ常識なんだというふうに私は思います。その常識すらもなお行ない得なかったというのは、一体いかなる理由によるものか。精神状態が正常であるならば、この程度のことは与党といえども当然受け入れられるべきものと思うのでありますけれども、一体その精神状態は異常であったのかどうか、正常であったのか、相手方はどういう精神状態であったのか、その辺のところが国民の一人一人だれしも納得できないところでありますから、どうかその辺のところも十分に解明をしていただきたい。
 以上まことに簡単ではありますが、再質問をいたします。(拍手)
    〔藤田進君登壇、拍手〕
#89
○藤田進君 お答えいたします。瀬谷議員の御質問は、七点あったかと思います。大きな点は七つで、その各論についてはかなり多くのポイントがあったかと思うのであります。
 その第一は、なかなか表現の言い足りませんところが多いのでありますが、日韓条約案件は、このようにかつてない与党の強行ぶりであります。単なる感情であるならば、衆議院の一角で起きても、すぐ反省もされましょうし、いわんや、この参議院にその姿が持ち込まれるとは思われません。あれほど、寺尾さんとか、あるいは植木さんとか、草葉さん、大谷さんという人の目の色が変わるようになったのも、これはどこに問題があるかというと、これは新聞その他の論評をまつまでもなく、どうも自由民主党の本体にあるのではないだろうか。ところが、自由民主党とは長いおつき合いをいたしておりますが、今回ほど異常なる熱意というか、気違いじみた状態というか――この自由民主党の背後にまた何があるのであろうか。このことは、実は佐藤総理大臣に対して、委員会において質疑者はかなり掘り下げて追及をいたしました。とにかく椎名さんが基本条約に調印する、その当時におきましては、ソウルにはもう日本以外の国の代表が数名押しかけている。あるいは、指摘されたところでは、ジョンソン大統領と朴大統領との間の共同コミュニケ等には、韓日条約の締結を促進することは両国にとって云々とか、具体的な事実をあげて追及をされておりました。とするならば、自由民主党をしてかくあらしめたところの、もう一つ裏のオーソリティーというか、これがあるような感じがしてなりません。この辺は、さらに特別委員会を開き、十分審議をしていけば、事態はさらに明確になるかと思うのであります。
 第二点の、「宝石」の広告、黒いうわさ、これはまあ、あの「宝石」という雑誌が信用の置けないものとも、私、考えませんので、それにはそれなりの根拠があるに違いない。したがって、私は、これは当然、国会としてもこれらの点について十分調査を進める必要があろうかと思うのであります。ことに、政界の浄化等が言われますが、国税で賠償を負担する、それに食らいついて――いまはなき、ある自由民主党の議員が、フィリピン賠償に食らいついて重大な問題を起こして、議院運営委員会で調査を進めたことを、いまだに覚えております。当時立ち会った、いろいろな席の写真も某新聞社から受け取って、いまだに保管をしております。このようなことが、いまだになお、隆々発展しているということは、われわれ議会人にとっても、まことにゆゆしい問題だと思うのであります。
 さらに、ベトナム問題に対して、ドル防衛の肩がわりであるとか援助の肩がわり――政治的ないろいろな関係というものを御指摘になりましたが、確かに、今度の審議の途中でありますけれども、ベトナムのあのエスカレートしつつある戦乱というものは、いまやアメリカ軍は顧問団の城ではない。いや十万だ、十二万だ、二十万だ、さらにこれを凌駕すると言われておるところであります。今日の近代兵器を装備した二十万の兵力というものは、これは相当なものです。砲兵隊に馬がいるわけじゃない。騎兵隊だといっても、馬に乗って歩くような時代ではない。こういうときの二十万、さらに五十万。必要があればまた送ると、ジョンソン大統領は言っている。これはたいしたものです。ここに、韓国は当初工兵隊ということで二千人を送った。相当襲撃されて死んだ、いや、同士打ちをしてかなり死んだというようなことです。日本で訓練をしている部隊かどうかは別として、御承知のように、もう一個師団がさらにベトナムに派遣をされる。ところが、どっこい、韓国はお気の毒にも経済的に非常に窮屈な状態ですね。そうして一個師団、やがては二個師団になるか、エスカレーションのこの状態では、相当なものを送っていかなければならない。しかし、経済事情は――日本に密航してくる人たちは、私どもの広島周辺、中国の仙崎、萩、あるいは新潟の周辺というように、密航者でどうにもならない。なかなか韓国はそれを引き取らないという問題も起きていますな。こういう、いわば生活にあえいでいる民がいるのに、軍備に相当なものが食われている。ところが、ベトナムに派遣しなければならぬということになれば、アジアのこの周辺を見渡すところ、どこでしょう。日本列島に目をつけるのは、アメリカといえども、あるいは韓国といえども、これは自然でございましょうね。ここに三億ドル、二億ドル、あるいは三億ドル以上、おそらく十億ドルにもなりましょうよ。要するに、邦貨にして約四千億円というようなものが、いわれもなく韓国に持っていかれるということは、何を意味するでしょう。平和的な国民の消費財をと言われますが、いま働いているものを見ると、そう言い切れない。明らかにベトナム戦争とは無関係だという立証がない限り、これを私どもは納得することができないと、質問者に答えたいと思います。
 また、ドル防衛についてでございますが、これはアメリカの基本的政策です。このことについては、片貿易になり、あらゆる条約が片務的になり、屈辱的になり、互恵平等の原則はかなりくずれて、利子平衡税に発展をし、あるいは日本製品については特別の法的措置、あるいはマークをつけるとか、いろいろな問題がある。こういったいわば対韓援助その他一連のアジア軍事情勢の前に、ドル防衛ということは、これは当然のことであろうかと思うのであります。さらに、御指摘の援助については、以上申し上げたいわゆる援助の肩がわりということは、理の当然になってくるのではないだろうか。そうして、最後の政治家がこれに関係している。つまり、今度の有償、無償、二億ドル、三億ドル、そうして民間ベース三億ドル以上、これに政治家が介入して暴利をむさぼるとか、あるいは黒い「うわさ」とか、これは日韓条約の賛否を通じて、いずれの側であろうとも、このことは、えりを正さなければなりません。そのことは、政府に対して具体的に、通商関係、経済協力については、今後どういう方式でやっていくのか、競争入札の――あるいは逆に、過当競争はどう救済するのか、こういう点についてはまだまだメスを入れるいとまのないままに、このようなことになっていることを、遺憾ながら申し上げる以外にございません。
 討論通告については先刻触れましたが、声が小さいのでお聞こえにならなかったと思いますが、討論通告は、社会党も、あるいは民社党も、公明党はもとより、共産党、第二院クラブも含めて、文書で当日討論通告は出されていた、このように私は承知をいたしておりますが、これを排除して、討論をしないできまったというのですが、実は討論といったようなこと、質疑打ち切りといったような事実が全然ないのですから、もとへ戻せば、何の議論、異論もなくできることだと思います。
 それから、亀田、藤田両理事が委員長に対して、討論省略あるいは質疑打ち切りについて念押ししたというように新聞は報じているが、これらについてということでございます。事実、寺尾委員長がここにおいでになれば、私は聞いていただきたいと思ったのですが、これはもうテレビか何かでおそらく聞いておいでになるでしょう、元気に起きて。寺尾委員長には二人が同時にではなくて、時間を置いて、採決直前に私も確かめた。どうも雰囲気がおかしい、質疑打ち切り、あるいは討論、採決、いろいろあるけれども、委員長どうなのかと念押しをしているんです、二人。質疑だけじゃ、質疑だけじゃと――こう横を向いて、委員長の職務を行ないながら質疑だけじゃと。それならよろしい、質疑をやってくださいとは言っておりませんよ、打ち切りを――ただ状況を調べに行っただけで、権威ある委員長として言われた以上、そのことに間違いはないと思ったのです。それも質疑もなされていないが、委員長としては質疑だけは打ち切ったんだ、質疑だけ打ち切ったんだ、したがって休憩とか散会にしないで、ちょっと廊下に出て、また戻ってくるつもりだったが、全部済んだということになれば、入ってこれないから、十二時までずっともう委員会を開きっぱなしと、これは事実が証明していることを重ねて申し上げたいと思います。重宗議長が、当時良識を持たれまして、暴力行為等処罰に関する法律につきまして、討論のところまでは戻した、これは重宗議長のみならず現在の田中議運委員長もその良識を発揮されまして、もとに戻して、そして自後ほんとうに円滑に、歴史の上にも汚点を残さないで進めてまいりましたね。それから青田さんが何か農水委員会でしたか、言ったようなとき、ごたごたがございましたが、あのときも、ちゃんとあとへ戻しましたね。まだまだ現存する人たちの時代にあったのです。こういうふうに、ぜひ議長とされても良識を発揮して、戻していただきたい、それはどうかということにつきましては、私は先ほども申し上げましたが、まだまだ道は開かれておりますし、この上は、議長のこの権威を高める意味でも、議長が、静粛にとか、着席とか、もう時間がまいりましたとか、いやどうと言われても、議長の権威は実は地に落ちているのです。事実ないことをあったということにして、可決報告書が出たからといって、この舞台――この本会議を開かれたわけですから、これじゃ、議長は権威者と思ってきたけれども、どうも明電舎の社長以上に出ないじゃないかというようなことが、つい、やじに出たり――そういうことであってはなりません。議長の権威は議員が守る、その前に議長が守っていかなければなりません。議長、ぜひその意味では御反省をいただきたいと思います。
#90
○議長(重宗雄三君) もういいでしょう。
#91
○藤田進君(続) 議長さえわかれば、それと質疑者がわかればこの辺で……。
 以上をもちまして、非常に不行き届きではございましたが、皆さん方の御了解をいただいたように思います。したがいまして、私の本旨といたしますお願いは、どうか全会一致をもって、泣いて馬謖を切るということわざはここです、寺尾豊君の問責決議について、全会派の御賛成をいただきたいと思って、答弁をいたす次第であります。(拍手)
     ―――――・―――――
#92
○議長(重宗雄三君) 鍋島直紹君外一名から、成規の賛成者を得て、
 質疑終局の動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#93
○議長(重宗雄三君) すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――まだ投票なさらない諸君は、すみやかに御投票を願います。
 ただいま行なわれております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。――時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。――時間がまいりますれば投票箱を閉鎖いたします。すみやかに御投票を願います。――すみやかに御投票願います。
 制限時間に達しました。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#94
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#95
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         百七十九票
  白色票           百二十票
  青色票           五十九票
 よって質疑は終局することに決しました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百二十名
      森田 タマ君    植木 光教君
      和田 鶴一君    中上川アキ君
      沢田 一精君    二木 謙吾君
      野知 浩之君    前田佳都男君
      伊藤 五郎君    林田 正治君
      白井  勇君    梶原 茂嘉君
      岡村文四郎君    木暮武太夫君
      草葉 隆圓君    宮崎 正雄君
      柳田桃太郎君    山内 一郎君
      山本茂一郎君    園田 清充君
      船田  譲君    藤田 正明君
      平泉  渉君    八田 一朗君
      土屋 義彦君    木村 睦男君
      高橋文五郎君    内田 俊朗君
      大森 久司君    丸茂 重貞君
      源田  実君    小林 篤一君
      山崎  斉君    川野 三暁君
      温水 三郎君    日高 広為君
      亀井  光君    石井  桂君
      稲浦 鹿藏君    大竹平八郎君
      柴田  栄君    鈴木 万平君
      鹿島 俊雄君    鍋島 直紹君
      横山 フク君    大谷 贇雄君
      青柳 秀夫君    佐藤 芳男君
      平島 敏夫君    剱木 亨弘君
      古池 信三君    田中 茂穂君
      近藤 鶴代君    石原幹市郎君
      重政 庸徳君    平井 太郎君
      林屋亀次郎君    杉原 荒太君
      中野 文門君    竹中 恒夫君
      後藤 義隆君    堀本 宜実君
      山本 利壽君    玉置 和郎君
      内藤誉三郎君    任田 新治君
      西村 尚治君    中村喜四郎君
      高橋雄之助君    長谷川 仁君
      岡本  悟君    奥村 悦造君
      楠  正俊君    黒木 利克君
      栗原 祐幸君    久保 勘一君
      岸田 幸雄君    米田 正文君
      谷村 貞治君    村上 春藏君
      木島 義夫君    山本  杉君
      徳永 正利君    大谷藤之助君
      天坊 裕彦君    西田 信一君
      仲原 善一君    松野 孝一君
      森部 隆輔君    津島 文治君
      斎藤  昇君    塩見 俊二君
      植竹 春彦君    新谷寅三郎君
      松平 勇雄君    八木 一郎君
      青木 一男君    安井  謙君
      小林 武治君    高橋  衛君
      吉武 恵市君    廣瀬 久忠君
      近藤英一郎君    田村 賢作君
      谷口 慶吉君    北畠 教真君
      金丸 冨夫君    青田源太郎君
      赤間 文三君    井川 伊平君
      江藤  智君    森 八三一君
      三木與吉郎君    西郷吉之助君
      木内 四郎君    紅露 みつ君
      上原 正吉君    増原 恵吉君
      中山 福藏君    小柳 牧衞君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      五十九名
      鬼木 勝利君    原田  立君
      黒柳  明君    中尾 辰義君
      浅井  亨君    田代富士男君
      二宮 文造君    北條 雋八君
      宮崎 正義君    鈴木 一弘君
      辻  武寿君    達田 龍彦君
      前川  旦君    戸田 菊雄君
      竹田 現照君    山崎  昇君
      村田 秀三君    矢山 有作君
      野々山一三君    瀬谷 英行君
      杉山善太郎君    林  虎雄君
      小柳  勇君    横川 正市君
      相澤 重明君    岡  三郎君
      柳岡 秋夫君    田中  一君
      佐多 忠隆君    北村  暢君
      鈴木  強君    岩間 正男君
      須藤 五郎君    春日 正一君
      森  勝治君    鈴木  力君
      中村 波男君    川村 清一君
      大橋 和孝君    田中寿美子君
      稲葉 誠一君    吉田忠三郎君
      渡辺 勘吉君    小林  武君
      佐野 芳雄君    中村 順造君
      千葉千代世君    森中 守義君
      松永 忠二君    占部 秀男君
      光村 甚助君    秋山 長造君
      大矢  正君    阿部 竹松君
      大倉 精一君    松澤 兼人君
      椿  繁夫君    藤原 道子君
      加藤シヅエ君
     ―――――・―――――
#96
○議長(重宗雄三君) 休憩いたします。
   午後八時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後九時五十八分開講
#97
○副議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 日韓条約等特別委員長寺尾豊君問責決議案の議事を続けます。
 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。小林武君。
   〔小林武君登壇、拍手〕
#98
○小林武君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案になっております日韓条約等特別委員会の委員長寺尾登君の問責決議案に対し、賛成の討論をいたします。
 寺尾豊君の問責決議を強く主張いたしますところの理由を私は申し述べます。
 十二月四日において、非常な異常な、採決と称するものが行なわれましたことにつきましては、先ほど藤田進君から、るる、目の前にほうふつとしてあらわれるような説明がございました。なお、質疑がたくさんございまして、この点について明らかになりましたので、私はこの点について重複はいたしません。しかし、ここで私が取り上げたいことは、このことについて、重宗議長に対しまして、わが党は、誠心誠意、日韓条約の重大性を考えまして、特別委員会に差し戻しを申し入れたのでございます。日韓特別委員会における条約並びに協定に関する問題は、日本の将来にとりましてきわめて重大な内容を持っていることは申すまでもございません。したがいまして、これについて、かような違法な方法で採決が行なわれたと称するようなことが、もし、ありまするならば、このことは、ひとり日韓の問題だけではなくて、日本の議会政治そのものに及ぼすところの影響が甚大でございますので、重宗議長に対しまして、ぜひともこれを差し戻してもらいたいということを要請いたしたのでございますけれども、重宗議長は、委員長からその手続があったことであるから、また自民党が、正しい採決だと主張しておるのであるから、絶対差し戻しはできませんということを申すのでございます。しかし、内心は、自民党はまずいことをしたということを考えているようであります。このことは、少なくとも、後ほど野党全体に対しまして調停の動きを示したときに、その文中に明らかにこのことに触れているわけであります。私どもは、重宗議長がこの手続の中に重大な問題点があると知りながら、どうしても問題を委員会に戻さないというのは、結局私は、委員会の責任者である寺尾委員長の責任の問題だと考えた次第であります。したがって、どうしてもこの問題の解決のために委員長の責任を追及しなければならない、そうでなければ議会制度は守られるものではないと考えたのであります。
 参議院の良識、良識と申しますけれども、参議院の良識ということはです、大事なことをいいかげんに済ましてしまうようなことを申しているのではないと私は思うわけであります。党利党略とか、あるいは派閥の関係とか、あるいは一階級の利益とか、そういうものを離れて、ほんとうに日本国民のために正しい結論を出すというのが、参議院の良識であると考えましたときに、どうしても寺尾委員長の責任を追及しなければならないと考えまして、このような提案をいたすことについて賛成の討論をいたすわけでございます。
 私は、日韓特別委員会の委員といたしまして、初めて委員会が構成されましたときに、寺尾豊君という人に対して、どのような方であるかということを調べてみたわけであります。何といたしましても、与野党の間に、はっきり意見の対立した問題である、しかも、衆議院においては、きわめて間違った方法でこの問題の結末をつけている。わが党においては、これは無効だと主張しているのでございますから、もし参議院にまいりましたときに、どのような人が、一体、日韓特別委員会の委員長になるかということは、私にとってきわめて関心の深いことでございました。
 寺尾豊君は、その経歴を見ますというと、国会対策委員長、参議院の議院運営委員長、あるいは参議院の副議長、第三次岸内閣の郵政大臣、参議院の予算委員長、参議院外務委員長、しかもその政治経歴をながめますときに、衆議院議員当選一回、参議院議員当選五回でございまして、この政治経歴からして、この人が本気になって日韓の問題に取り組むことができますればと、私は国民の立場に立って大きな期待をかけたわけでございます。一九一〇年以来、三十六年間にわたる朝鮮支配が行なわれました。したがって、日韓の問題につきましては、ひとり経済的な問題だけではなくて、文化の問題におきましても、あるいは経済的な問題におきましても、きわめてわが国との関係の深いものでございます。しかも、現在においてこの朝鮮が三つに分かれているという事実を考えますときに、どうしてもこの問題の処理に当たる方は、豊富なる政治経験、体験を持っている人が、日韓特別委員会の委員長になることが必要であると考えたわけでございますが、私は、寺尾豊君こそ、これに適任の人であるのではないかと考えたのであります。この寺尾豊君が、私は非常に残念でたまらないのは、豊富なる政治経験、議会のかけ引き、そういうものを悪用して、日韓の問題の中にある事柄を国民の前に明らかにするのではなくて、事実を隠蔽することによって意図的に審議を妨害するような態度に出たと思うのでありますが、この点は絶対許しがたいところであると考える次第でございます。(拍手)提案者の藤田君から、問題点は議会制度を破壊するということにあるのだ、寺尾君の問責決議案を出す理由は、まず第一にこれであるという御提案がございました。これは私は、ひとり社会党ばかりではなくて、全野党一致した見解であると考える次第であります。また、これはひとり、この問題に携わった政党人だけの問題ではなくて、あるいは報道関係においても、その点については、われわれと同様、強く強く反省を求め、指摘をいたしておるのであります。先ほど朝日新聞社説を取り上げられた方がございましたけれども、自民党の一方的なやり方によって今度の問題は引き起こされたのだという、そういう主張がこの中に明らかに書かれている。私どもは、こういう寺尾君の責任をどうしても追及しなければならないと思うわけでございます。私は、との寺尾君の責任を追及する前に、これはひとり参議院だけの問題ではなくて、衆議院以来の問題である。衆議院以来の問題であるから、なおさら事柄が重大であるということを、ここで申し上げたいわけであります。
 わが日本社会党は、日韓条約審議に際して、衆議院の段階で、政府に、事柄の重要性からかんがみまして、資料の提出を求め、重要な疑点の解明を政府に要求してまいりました。これは私どもが要求した資料でございますが、言を左右にして誠意を示さず、今日に至るも提出されないところの資料を六つも持っているわけであります。韓国国会の議事録、請求権八項目の内容と金額、在韓財産権消滅経過に関する取りきめ、フライング・ドラゴン計画、日韓追加合意事項、共産圏渡航に関する次官会議決定、これらの資料を要求いたしまして、できるだけ内容を明らかにすることを要求いたしましたけれども、自民党、政府は、この要求を無視いたしまして、しかも審議いまだ緒についたばかりで、同条約に関する質疑を打ち切りまして、強行採決と称して、参議院に送付してまいったわけでございます。こういう扱いを受けてまいりましたわが党は、いわばこのような暴力的な産物である条約及び協定、法律案については、無効であるという立場で、本来は審議を拒否すべきところになるのでありますけれども、条約の内容、協定の内容あるいは国内法の法律の内容は、先ほど来申し上げているとおり、日本国民に重要な関係を持つものでございますから、参議院の段階においては、国民にその内容を周知していただいて、主権者としての国民の判定を得たいという考えから、慎重審議、この内容の検討をいたしたいと考えたわけであります。これはひとり社会党だけではなくて、全野党の意向であったことはもちろんでございます。したがいまして、わが日本社会党は、この審議にあたりまして、委員会が成立いたしましたときに、寺尾委員長に対して、参議院の段階においては強行採決を行なうなどということは絶対なく、慎重審議してもらいたいという要望をいたしました。この点については、先ほど来の提案並びに質疑の中に繰り返し申されたところでございますけれども、寺尾委員長は、このことに対して、はっきり約束をしたのであります。
 また、いよいよ審議に入りまして、佐藤総理に対して、衆議院のごとき強行採決は行なうべきでないということを、再三にわたって申し入れをいたしました。質疑の段階におきまして、佐藤総理は、「あのようなことは再びいたしません、絶対にしないことを約束いたします」、というようなことを明言されているわけであります。したがって、自民党の党内において、審議が始められた当初から、いつ一体審議を打ち切るかというような、うわさが出た際にも、わが党の一部の人たちの中には、総理があれほどの約束をして、委員長があれほどの決意をもって、われわれの前に、慎重審議をするということを言っているのであるから、さようなことはないだろうというふうな見解を持っておったわけであります。私は、そういう参議院の考え方が、寺尾委員長によって破られたことを、非常に残念に考える次第であります。
 参議院は問題を余すところなく明らかにするのが、法によって課せられたる使命であると考えているわけでありますから、この問題につきまして徹底的な審議をするために、次の三点を、まず国会の審議の段階で明らかにしなければならないと考えたわけであります。
 その前に、私は、日韓条約というようなものに対して、国民がきわめて不安を感じていると思うのであります。それは、韓国におけるところの日韓条約をめぐっての韓国内の情勢の問題でございます。八月十四日に、韓国の与党、民主共和党によるところの強行採決が行なわれた、野党議員が総辞職をした、そうして国内は異常な政治状態を呈する、というような、いわゆる政情の不安動揺をあらわしているというようなときに、という事実であります。あるいは、これに対する反対運動に対しまして、衛戌令を布いて、武力弾圧のもとに、日韓条約無効の声をあげている多数の韓国民を見まして、日本の国民としまして、日韓条約というものは一体どういうものだろう、これほど韓国民にきらわれる理由はどこにあるだろうというような不安を持つことは、当然のことであると思うのであります。このことを、きわめて一部の反対であるなどと考えて、これをろくに審議もしないで通してしまおうなどという考えの頭こそ、私はどうかしていると思うのであります。国民の不安は、こういう点に集中されておりました。しかも、日韓条約の内容に関して、反対派の多数の声として、日韓条約は六十年前の日韓保護条約の再現であるというような声も出ている。反日・愛国のスローガンが日韓条約反対の叫びであった。こういう点は、三十六年間の植民地支配を続けてまいったことを知っている日本の国民にとっては、きわめて不可解であると考えるのは当然であります。これらの事実は、国会の中で十分に討論され、国民に安心を与えることが、国会の使命であると私は考えるわけであります。
 このような、国会を取り巻く韓国の情勢等を考えてみましたときに、日韓条約を締結したならば、まず日本国民の側として、どんなことが心配になるかという点を、私は考えなければならないと思うのであります。日韓条約を締結すれば、アメリカと韓国、アメリカと台湾、その相互防衛条約、それに日米安保条約がある以上、日韓両国が提携することは、北東アジア条約機構ができると同様の結果をもたらすという軍事的側面に対する国民の不安は、これは当然のことだと言わなければなりません。このことに不安を持たないという方は、これは私は政治的の音痴であると思うのであります。
 第二番目の問題といたしまして、この日韓条約によりまして南北の分断を固定化するばかりでなくて、朴政権を一方的に援助することは、南北の対立を激化させるのではないか、この不安であります。
 第三点は、一体、日本独占資本の対韓進出が経済的侵略にはならないかという点であります。
 こういう点の究明が、今度の日韓条約に関する重大な諸点であると考えるわけであります。この点につきまして、いままでの審議が、その点に触れますたびに明らかにされずに、総理大臣の答弁も、あるいは外務大臣の答弁も、答弁にならないような答弁をして、国民の聞こうとすることについて何ら答えをしていないのであります。このことは、与党並びに政府が大いに反省しなければならないところだと思うわけでございます。寺尾君の特別委員会運営というものは、こういう日韓条約のもたらす軍事的な側面を明らかにする機会を失わしめた。これはもちろん、ひっきょう、国民の前に暴露されることをおそれての意識的行動であったことは、前に述べたが、国民の名において絶対容認できないところであります。朴政権と佐藤政権は、口裏を合わせながら、決定的表現を部分的にひた隠しに隠しながらも、その全貌は、アメリカを中心とする日韓の軍事的提携を主眼としていることは明らかだと言わなければなりません。このことを、言を左右にして、多数の暴力にものを言わせた国会運営によって国民の目をふさぎ、事実を隠蔽する手段、韓国の朴政権がその批准を取りつけるために衛戌令を布いたこと、あらゆる政治的暴力的行為で国民の声を抑えた、その軍事性を最も端的に脅威として受ける国々は、これに対しては敵意と軍事的警戒を一そう深めているということを、私はここで申し上げなければならないのであります。この点で、国際間の平和的危機の招来は、寺尾君による委員会の謀略的暴力的運営によって進められたということを、銘記しなければならないと思うのであります。このことは、病院に逃避いたしましても、決してどうにもならない問題であると考えるわけであります。
 しかも私は、この問題について、軍事的な側面を善隣友好の美名でおおいながら、一九一〇年以来三十六年間の植民地支配を、さらに日本の本来的な政治的思想的重圧の二つを加えた中で、苦難の道を歩いてまいりました朝鮮人民の、たった一つの心の寄りどころである祖国の再興統一の望みを断っているということは、断じて許されないと思うのであります。
 われわれは、ここで沖繩の問題を考えてみる必要があると思うのであります。
#99
○副議長(河野謙三君) 簡単に願います。
#100
○小林武君(続) われわれは、沖繩の人間が、沖繩のわれわれのきょうだいが、異民族の支配のもとにある、そうして、早く祖国に復帰をしたいという悲願に断腸の思いをしているということを考慮したならば、亡国の民として三十六年の植民地的な桎梏の中で苦しんできた朝鮮の人たちの、祖国復興、祖国再建の願いに対して、もっともっとわれわれは同情的でなければならない、もっともっとわれわれは、これに対して力をかしてやらなければならないと思うのであります。(拍手)私は、二つに分断することによって、日韓条約によってさらに朝鮮を分断しようとするような、こういうやり方は、腹の中では、私は、沖繩の人間にも、沖繩のわれわれのきょうだいにも、政府自民党はあまり同情していないのではないか、真に祖国復帰を考えているのではないのではないかとさえ疑わしめるのであります。
 私は、このような日本の一部階級の利益や独断によって、そうしてこういう条約が結ばれ、長い禍根を日本の国に持ち込むことをおそれるものであります。私は、このような観点に立って、特別委員会の運営を、党利党略の上に立って、暴力的結末をつけさせようとした寺尾豊君の問責について、心から賛成するものでございます。
 以上をもって、私の賛成討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#101
○副議長(河野謙三君) 吉田忠三郎君。
   〔吉田忠三郎君登壇、拍手〕
#102
○吉田忠三郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました寺尾豊君の問責決議案に対し、賛成の討論を行なうものであります。
 開会冒頭、議長のいかがわしい時間制限がございましたけれども、その時間の抑制を受けつつ、提案者でございますわが党の藤田進議員によって、その提案の理由がかなり詳細に説明が行なわれました。しかも、矢山、瀬谷両同僚議員の質問に対して、親切丁寧なる、しかも、手をとり足をとるような、りっぱな答弁がなされまして、おそらくは、自民党の諸君は、たいへん失礼な言い方を申し上げますけれども、かなりお年を召された方々が多いので、よく手をとられ、教えられたのではないかと、私は確信をいたすものであります。
 ただいまの藤田議員の提案の趣旨説明にもございましたように、そして、その全貌が明らかになりましたように、去る四日に、本院日韓特別委員会で日韓案件の採決が強行された、というよりは、多数党である自民党によって採決が暴挙によって行なわれたことにされたということが、私は正確な表現であると思うのであります。わが社会党の横川委員の質問中に、自民党の所属である植木光教君が突如として「委員長」という一言を叫んだとたんに、委員会室は混乱の場になり、わずか数秒後には、寺尾委員長をはじめ、自民党側の全委員が退場したのであります。しかも、私が驚いたことには、佐藤総理大臣が瞬間的に退席をしたさまを見ますると、沖縄訪問のときに米軍の基地に逃げ去ったあの姿を、私は思い出したのであります。まことにこの早わざに驚いたのであります。これが事態のすべてであります。したがって、速記録には、「〔発言する者多く、議場騒然、聴取不能〕〔委員長退席〕」としか記載がされておりません。これが歴然たる証拠であります。でありまするから、この実態を把握をいたすものといたしましては、明らかにこの場合、植木光教君の議事進行妨害であると言わなければならないと思うのであります。これが証拠に、自民党の諸君、よく見てください。六日の朝日新聞を見てごらんなさい。(発言する者多し)黙って聞きなさい。社会戯評の横山泰三さんという漫画家が漫画をかいています、漫画を。この漫画を見てまいりますれば、「強行ばく進、聴取不能」と書いて、委員長の前に超特急「こだま」が走っているような漫画になっております。機関車の部分には、どうもこの漫画から想像してみますると、「ひげ」がはえておりますから、わが党の同僚の議員さんには、あまり「ひげ」のはえた人が見えないようでありますから、おそらくは田中角榮君――自民党の幹事長がかかれているのではないかと想像するのであります。でありまするから、この暴挙は、明らかに当初からの自民党の計、画的な作為であり、それを代表して、植木光教君の議事進行妨害の事実となってあらわれたものと、確信してやまないのであります。しかも奇怪なことは、自民党内にすら、あの当時、どんな内容の採決が行なわれたのか、このことについてもわからない者がいたといわれています。当の寺尾委員長みずからが、先ほど来、提案者でありまする藤田議員が、質疑応答の際、たびたび明らかにいたしたように、初めは質疑の打ち切りだけが可決されたと言っていたのであります。ところが、その後になりまして、参議院自民党幹部が協議をいたした結果、日韓案件の一括可決まで済んだという、いわゆる二百十九文字の統一見解がまとめられたのであります。このことは、まさにあぶり出し以上の手品であると私は思います。NHKの日曜日の娯楽番組に「世界のサーカス」というのがございます。このサーカスの中にもいろいろ手品や奇術が出てまいります。(発言する者あり)なまいきなことを言うな、こら。だれだ、こら。もう一回言ってみろ、こら。もう一回言ってみろ。出てこい、ここへ、こら。出てこい、こら。もう一回言ってみろ、こら。なまいきなこと言うな、こら。この手品をする人々は、世界的な、国際的な名人だと存じます。わが国――日本にもその手品の名人天勝という方がおりまするけれども、こういう人々でさえまねのできないことを、自由民主党がやったのであります。一体この経過を物語るものは何か。それはもはや常識のワク内ではないではないでしょうか。自民党の諸君、国民は参議院の良識にせめての望みをつないでいたのであります。だが、結果は一体どうであったでありましょうか。申し上げるまでもなく、去る十一月六日の衆議院日韓特別委員会の採決ぶりよりも、さらに一段と悪質な乱暴さを増したのでありまして、このような状態につきましては、国民すべてが今日憤りを感じていると私は思っておるものであります。日韓案件の暗たんたる衆議院の通過があったあと、重ねてこのような事態に接して、いかに、いま冬を迎え、寒さが厳しくなってきたけれども、寒々としたものが身体を通り抜けているような感じを国民が抱いているのであります。私は、このことを寺尾委員長並びに自民党は、謙虚に心から反省すべきであると考えます。
 私はここで、あらためて問いたいと考えます。議会制民主主義への誠実な責任感をどれほど自由民主党の諸君は持ち合わせているのか。いるというならば、一体なぜこんなぶざまな道を再び選ぶのか。国民から見れば、参議院自民党がおそくとも十一日までに案件を議決成立させることにこだわる理由がわからない、と言っているのであります。その後の新聞論調を見てごらんなさい。どこの新聞にも国民の批判として出ているのであります。確かに自由民主党の諸君には、自然成立というそのことを避けたいという心理は、心理としてございましょう。しかし、考えてごらんなさい。私は、しょせんは自由民主党諸君がみずから掘った墓穴だと言っても過言でないと思うのであります。そしてまた、どの道、しょせん私はていさいの問題ではないかと考えるのであります。むしろ自然成立の日まで、この際は腰を据えて審議を尽くすというのも、私は、参議院の自主性を示すゆえんではないか、こう考えるのであります。その場合は、おそらくは、国民のすべてはわが参議院に対し敬意を表しこそすれ、今日のような、このように笑う人々というものは出てこないと思うのであります。いわんや、先ほど小林議員からも申されたように、わが社会党からは、条約・協定等については、自然承認を待たずに、十日の本会議での討論、採決に応じてもよいと申し入れたところであります。(「早く通せ」と呼ぶ者あり)――大谷君、ちょっとうるさいですがね。――見ていないとすれば、もう一回読んで諸君に教えてあげたいと思います。その申し入れ書の第一は、「日韓特別委員会における審議はまだ不十分であるので、慎重審議をするため強行採決などを行なうべきでない。」、これが第一であります。よく聞いてくださいよ。第二に、たいへん大事なことが書かれている。その第二は、「条約・協定・交換公文は、本院における自然成立を待たず、十二月十日に討論、採決に応ずる。」。第三は、「その成立を待って必要となる国内三法案については、残余の会期もあるので、引き続き審議すべきものとする。」。このことを、十二月の三日にわが党は誠意をもって申し入れをしているのであります。どうして自民党の諸君は、これを手がかりに話し合いを進める努力をしなかったのか。まことに私は無責任と言わなければならないと考えます。ここに、その当然の結果として、自民党はみずから再び暴走のそしりを国民から招いたのであります。もし、そうでないというならば、この席であなた方は堂々と、この国会の場を通して国民の目の前に明らかにしなさい。おそらくはできないでしょう。
 さらに、本日、重宗議長は、たびたび職権を乱用し、本会議を開会をして、一挙に日韓案件を上程しようとしているのであります。このことは、もはや自民党の手先に成り下がった議長の押しの一手というかまえであることは、ただいままでの議会運営で明らかとなったと、私は考えざるを得ないのであります。私は、議会制民主主義を守るためにも、また参議院の良識と自主性を示すためにも、そしてまた、議長の権威を高めるためにも、強行する前になぜに踏みとどまることをしなかったのか、このことを強く要求をしたいのであります。重宗議長は、まず、委員会採決は前に申し述べたとおりの結果でありますから、この際は一切を水に流し、一たんすべてを委員会に差し戻して、これが紛糾の調停収拾に全力をあげ、身をもって事に当たるべきであると思うのであります。そうでなければ、衆議院本会議の二の舞いとなり、参議院の良識なるものの最後の一片すらみずからが「どぶ」の中に捨てるようなことになることを、私はおそれているのであります。かかる認識から、今回の日韓特別委員会で寺尾委員長のとったすべての態度は、どう善意に解釈しても、国会の法規、慣例を無視した、類例のない暴挙であり、明らかに議会再認につらなるものである。しかも、あの委員会において委員長のとった態度は――一瞬にして質疑を打ち切った、あのような態度は、私は、わずかの経験ではありますけれども、いまだかつて前例のないことであると言わなければならないのです。これらを今後認めんとするならば、明らかに国会内のファッショ化を認めることになるのでありまして、私は、断じて許すことのできない事態だと考えているのであります。(拍手)このような国会運営は、まず、日韓条約の国会提出の方法並びにその取り扱い手続に端的にあらわれております。この点にこそ、寺尾委員長問責決議に私が憤りを込めて賛成をする最大の理由があるのであります。これは、かつて太平洋戦争のもとで、東条内閣が国家総動員法を初めとする戦時法規をすべて一括上程をし、十ぱ一からげに可決したのと同じ要素をはらんだ方法、手段であると言わなくてはなりません。
 申すまでもなく、今度の日韓条約は、ただいままでに、数多い人々から、軍事的な背景がある、軍事的な条約の形跡が存在しているなどなどの質疑応答がございました。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)これに対して自民党の諸君は、ただいまもやじっておりますけれども――大谷君が、そんなことはない、こう言っていますが、私は、各新聞の論調はもとよりでありますけれども、国民の大多数の人々が、このことについては十分その背景があることを心の底から知っていることを、皆さんに申し上げたいと思うのであります。なぜかならば、九月の一日に東京におきまして、「アメリカのアジアの戦略と日本の果たす三つの役割」ということで、シャープ米太平洋統合司令官を迎えて開かれました日米安全保障協議委員会では、軍事的な観点から見た国際情勢に関する意見交換が行なわれたのであります。このことは明らかになっております。しかも、その中心的なテーマはベトナム問題であったことについても明らかにされております。しかも、その席上で、先般衆議院におきまして不信任案を提出されました椎名外務大臣や松野防衛庁長官からも、極東の安全保障のため日本の果たす役割りとして、それぞれの説明が行なわれておりますけれども、この説明の内容をしさいに分析をいたすと、明らかに今度の日韓条約と関係がありますることを、見のがしてはならないのであります。しかも、東南アジアの開発援助計画の問題に関連をいたして、佐藤総理大臣がそのことについて触れているのであります。さらに、皆さん忘れてはいけませんよ。池田さんと政権のたらい回しをやったその直後に、佐藤さんは記者団と初会見をして、何と言っておりますか。読んで聞かせましょう、当時の記事を。「日米の安保をもっと拡大をして、集団的な安全保障機構をこの際考えなければならない」というのが、総理大臣になった第一声であります。しかも八月の末日に、椎名外務大臣が台湾の沈外交部長といろいろ会談をいたしました。その発言の内容についても、かなりこの日韓と関係があると私どもは見ているのであります。しかも、これからが問題であります。そのときに、台湾の沈外交部長の発言は、日韓条約締結の目的はベトナム参戦と全く同じであることがはっきりしている。このように、台湾の沈外交部長が申しているのであります。一体、これで自民党の諸君は、今度の日韓条約には軍事条約の背景がないと言い切れるであろうか。私は断じて言い切れないと思うのであります。しかも今日、日本国憲法七十三条は、政府が締結をした条約は、事前または事後に国会の承認を求めることを規定しております。ここに言う条約というものは、独立した条約をさしているのであります。内容は言うに及ばず、有効期限も異なり、それぞれ批准条項を別個に持っている条約、協定を、一本化して国会に提出するがごとき、乱暴きわまる、今回のようなやり方は許していないのであります。いわんや、これを委員会で委員長が――ただ一人が議事進行を妨害する発言として「委員長」といったことで、一挙に、しかも数十秒で一括全案件が議了可決をしたなどということは、断じて憲法は認めていないのであります。しかも、一体、植木君の「委員長」という発言の中に、わずか数十秒で、今日先ほど藤田議員からも申し述べられたように、自由民主党がその後に捏造したあの二百十九文字が含まれているという、そういうことが一体、物理的に、時間的に、あなた方はできたと思いますか。あなた方があえて聞こうとするならば、読み上げましょう。第一は、日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約等の締結について承認を求めるの件。第二は、日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定の実施に伴う同協定第一条1の漁業に関する水域の設定に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)。第三、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)。第四、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別法案(内閣提出、衆議院送付)。この四つが一体、数十秒で、一切の質疑討論が打ち切られて、採決、可決決定などできるものでもない。前に述べたとおり憲法が認めていないのであります。こういう立場から考えてみますると、このこと自体に明らかに憲法違反の疑いさえ存在するのであります。このようなことは、民主主義の憲法を守り、議会制民主主義を守るためにも、わが社会党は、国民の名において断じて許すものではありません。(拍手)したがって、私は、かかる諸点から見て、寺尾委員長の問責決議は、当然過ぎるほど当然の事柄だと確信をいたしておるのであります。
 ゆえに、私は、この提案に対し、再び申し上げまするけれども、心の底から憤りを込めて、本提案に賛成をいたすものであります。(拍手)
#103
○副議長(河野謙三君) 本日はこれにて延会することとし、次会は明日午前一時三十分より開会いたします。
 これにて延会いたします。
  午後十一時十分延会
ソース: 国立国会図書館
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