くにさくロゴ
1965/10/21 第50回国会 参議院 参議院会議録情報 第050回国会 法務委員会 第2号
姉妹サイト
 
1965/10/21 第50回国会 参議院

参議院会議録情報 第050回国会 法務委員会 第2号

#1
第050回国会 法務委員会 第2号
昭和四十年十月二十一日(木曜日)
   午前十時十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         和泉  覚君
    理 事
                木島 義夫君
                松野 孝一君
                稲葉 誠一君
    委 員
                石井  桂君
                後藤 義隆君
                鈴木 万平君
                大森 創造君
                亀田 得治君
                藤原 道子君
                山高しげり君
   政府委員
       法務省刑事局長  津田  實君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   寺田 治郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        増本 甲吉君
   説明員
       法務大臣官房経
       理部管理課長   坂上 吉男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 (法務省共済組合に関する件)
 (森脇事件に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(和泉覚君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 先般当委員会が検察及び裁判の運営等に関する調査の一環として行ないました委員派遣について、その報告を願います。稲葉君。
#3
○稲葉誠一君 派遣委員を代表して調査の結果を報告いたします。
 去る九月八日から十一日までの四日間、和泉委員長、後藤委員、柳岡委員と私の四名が新潟県における検察審査会、人権擁護及び出入国管理に関する状況、並びに裁判所、法務省関係庁舎の営繕状態について調査してまいりました。
 まず、九月八日、新潟地方裁判所において調査事項に関する各当局の説明を聞き、翌九日、佐渡に渡り、右裁判所の相川支部において同様の調査を行ない、十日には、再び新潟市において家庭裁判所、地方検察庁、地方法務局、刑務所、同移転予定地及び入国管理事務所の出張所を視察した後、帰京いたしました。
 なお、今回の調査にあたり、現地の各当局から終始懇切な御協力をいただき、また、最高裁判所から長井総務局第一課長、今江事務官、法務省から萱沼入国管理局総務課長、貞家司法法制調査部参事官、佐藤事務官が同行して御協力くださいましたことを報告して、厚く御礼申し上げます。
 以下、調査項目に従って調査の概要を申し上げます。
 まず、第一の調査項目、検察審査会の運営の状況について申し上げます。
 検察審査会の受理件数は、過去四年間において、新潟検察審査会の百二十七件に対し、相川検察審査会はわずかに八件でありまして、都会地と離島では相当の開きを示しております。事件の種類は、詐欺、業務上横領、窃盗、傷害、業務上過失傷害の順となっております。
 検察審査会の審査の結果について申し上げますと、大多数は不起訴相当の議決がなされておりますが、起訴相当または不起訴不当の議決がなされたのは、過去四年間において、新潟検察審査会で三件、相川検察審査会で二件であります。このような起訴相当または不起訴不当の議決がなされた場合に、検察庁側とてしは、高等検察庁において審査を行ない、その指示に基づいて地方検察庁で処置を決定しております。なお、新潟県下の各検察審査会において起訴相当または不起訴不当と議決された事件に対して新潟地方検察庁がとった処置について申し上げますと、昭和三十五年から本年七月までに右の議決を行なわれた十五件のうち、公判または略式裁判を請求したもの六件、再起立件して再捜査中のもの一件でありまして、残りの八件は不起訴維持となっております。
 その他、検察事務の改善に関する建議勧告も随時行なわれ、これについては検察庁において善処しているとのことであります。
 次に、第二の調査項目、人権擁護に関する問題の取扱現況について申し上げます。
 新潟地方法務局管内における人権擁護関係の仕事は、法務局職員二十三名、うち専従者三名と、二百十五名の人権擁護委員が担当しております。
 人権侵犯の申立件数は、逐年増加の傾向にありますが、人権意識の普及高揚に伴い、従来は申し立てられなかった事件についても積極的に申告されるようになったと考えられる由であります。
 まず、公務員による人権侵犯事件は、警察官による侵犯事件、教職員の体罰事件等で、大体横ばいの状態でありますが、これらに対しては特に厳正な態度で調査に臨んでいる由であります。
 私人間の人権侵犯事件は、逐年増加の傾向にありますが、その種類は、強制圧迫による侵犯事件、名誉信用等に対する侵犯事件、酷使虐待事件、学校内の私的制裁事件等であります。
 さらに、近年全国的に社会問題化している公害事件について申し上げます。
 まず、昨年以来、新潟県阿賀野川下流流域に水俣病類似患者が多数発生した事件について申し上げます。本年五月三十一日、新潟大学から水俣病に類似する中枢神経患者が前述の地域に散発している旨県当局へ通報されましたので、県、大学、市の協力のもとに調査しましたところ、同様の患者がすでに昨年八月以降発生していることが判明しました。次いで六月十六日、同大学医学部椿忠雄教授の意見として、原因は有機水銀化合物によって汚染された川魚の食用によると判定される旨発表されたのであります。そこで、同月二十一日、新潟県有機水銀中毒対策本部及び新潟県有機水銀中毒対策連絡会議が設置され、中央及び県内の関係各当局の協力による調査防疫活動が行なわれ、七月十二日には、多量の水銀が検出された阿賀野川下流のニゴイ、ウグイ、フナ、オイカワ、ボラ等について、食品衛生法第四条違反のおそれあるものとして、販売禁止の行政指導が行なわれました。
 水銀中毒者の数は、九月四日現在において、発病者十七名のほか、毛髪中から多数の水銀を検出された者八名、計二十五名で、そのうち五名が死亡しましたが、椿教授等の診断によってこれ以上の患者発生を防ぎ得ましたことは不幸中の幸いと考える次第であります。
 川魚の汚染原因については、関係各機関において鋭意調査研究を進められていますが、いまだ確定的の結論を得るに至りません。ただ、神戸大学医学部喜田村正次教授の検査結果により、検出された水銀化合物はメチル水銀であって、農薬には使用されないから、工場廃液によるものであろうという意見が新聞に報道されただけであります。阿賀野川の流域には水銀使用工場が四カ所にありますが、そのうち二工場は昨年末限り水銀触媒の使用を廃止しており、他の二工場も水銀含有の廃液を流出するおそれはないとのことであります。
 右のほか、新潟市の新産業都市指定等に伴い、各種の公害事件の漸増も予想されますので、地方法務局としては、県当局その他の関係機関との協力態勢を整え、その予防排除につとめている趣であります。
 次に、新潟弁護士会においても、人権委員会を設け、人権侵犯事件について活動せられており、同弁護士会長今成一郎氏から懇切な御説明を受けました。
 法律扶助につきましては、昭和三十四年に法律扶助協会新潟県支部が設置されましたので、一般国民への周知徹底につとめ、人権相談事件のうちで法律扶助を要するものを発見したときは、法律扶助協会に回付する措置をとり、法律扶助の効果的活用につとめているとのことであります。
 人権相談につきましては、新潟地方法務局及び同支局の常設相談所のほか、人権擁護委員の自宅で常時相談を受け付け、また、各市町村を巡回して特設人権相談所も開設しており、昨年度の受理件数は千五百三十件に達しております。
 次に、第三の調査項目、出入国管理の状況について申し上げます。
 新潟県における出入国管理事務は、東京入国管理事務所新潟港出張所で取り扱っておりますが、これは昭和二十九年六月に開設せられ、現在職員三名であります。主として外国人の出入国審査のほか、日本人の出帰国審査等の事務を担当しております。
 日本赤十字社と朝鮮民主主義人民共和国赤十字社との協定による北朝鮮への帰還を希望する朝鮮人の送出は、新潟港を通じて行なわれますので、これが出国審査も当出張所が担当しており、北鮮帰還の最盛期には職員三十六名が配置されておりましたが、帰還者の減少に伴い職員も逐次縮小され、帰還船寄港の際には臨時に応援を受けて出国審査を行なっております。最近における帰還者の数は毎月二百名前後でありますが、北鮮帰還業務開始以来の出国者は、朝鮮人七万七千六百二十名、中国人七名、日本人六千四百四十九名、合計八万四千七十六名であります。
 なお、去る十日、新潟家庭裁判所において、新潟県在日朝鮮人帰国協力会(会長元新潟市長村田三郎氏)の代表から陳情を受けました。要旨は、帰還者を出国前数日間収容する新潟日赤センターにおける食事の副食がきわめて粗悪であるから、一日の食費平均百五十八円をさらに五十円程度増額すること、寝具に毛布のほか敷きぶとんを備えたいこと、入浴回数を増加することであります。
 次に、第四の調査項目、裁判所・法務省関係庁舎その他の営繕状況について申し上げます。
 まず、裁判所関係では、新潟県に十六の庁舎がありますが、そのうち明治、大正時代の建築にかかる古い建物や設備構造の不完全な庁舎が四カ所あります。このうち、新潟地方裁判所庁舎は本年度から新営工事に着手せられましたので、残りの三カ所、すなわち、相川、高田の各支部と小千谷簡易裁判所について早急に新営を要望しておりました。また、新潟家庭裁判所は、昨年二月鉄筋コンクリート三階建てに新築されましたが、同年六月の新潟地震により地盤が不均等に沈下し、最大六十六センチメートルに達したため、建物が傾斜して、タイプライターも打てなくなりました。とりあえず応急修理を施して使用しておりますが、抜本的の改修を要望しておりました。
 法務省関係では、新潟地方検察庁は、戦後の資材不足の時代の建築で、昨年の地震により相当の被害を受けましたが、応急修理を施して使用しており、また、管内の相川、高田、新発田、長岡の各支部も、明治・大正時代の裁判所庁舎の一部を借用しているもの、または戦後の資材不足の時代の建築であって、老朽狭隘の状態でありますので、これら五カ所の新営を希望していました。
 地方法務局関係の庁舎は四十九庁あり、そのうち木造は四十一庁で、その六五%以上が老朽化し、狭隘の状態であります。特に早急に新営を求めるものとして、小出、新井、葛城、白根、見附、両津の六カ所の要望がありました。
 刑務所関係は、刑務所が一カ所、拘置支所が四カ所でありますが、新潟刑務所は、明治十四年の建築で、全般的に老朽化しておりますが、郊外の山二つ地区に移転が決定し、現敷地と交換予定地以外の土地の買収も終わり、新施設は近く着工の予定であります。
 東京入国管理事務所新潟港出張所は、震災後、運輸省海上保安部庁舎の一室を税関支署と共用している状況で、まことに狭隘かつ採光も悪く、執務上きわめて不便に見受けましたが、目下新営中の新潟港湾関係合同庁舎に来年三月ごろ移転できる見込みであります。
 最後に、新潟地裁及び同地検の相川支部改築に関する陳情について申し上げます。両支部の庁舎が老朽して早急の改築を要望せられていることは前述のとおりでありますが、相川町以外の佐渡の各市町村は改築の機会に両支部を島内交通の中心地である佐和田町に移転することを熱望し、相川町は明治以来同町に設置せられた両官庁の移転に強く反対しているのでありまして、われわれは、九月九日、地裁相川支部において双方から陳情を受け、それぞれ庁舎敷地として提供を予定している土地を視察いたしました。
 以上をもって報告を終わります。
#4
○委員長(和泉覚君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を行ないます。大森君。
#5
○大森創造君 これは同僚の議員や先輩議員からいままでずいぶん質疑があったことだと思いますけれども、予算編成期を前にして二、三気のついたことを御質問申し上げます。
 まず、共済組合というものがございますね。この共済組合の委員といいますか、理事といいますか、それは何人で、どういう人がやっておりますか。
#6
○説明員(坂上吉男君) ただいまお尋ねいただきました共済組合の運営の委員等についてお答え申し上げます。
 法務省共済組合の委員につきましては、法務省共済組合定款の第八条によりまして大臣が委員を任命しているわけでございますが、現在は、会長といたしまして法務事務次官、それから組合の事務を主管する職にある者として四名、その内訳は、一人目が法務大臣官房人事課長、二人目が同じく大臣官房経理部長、三人目が東京地方検察庁事務局長、四人目が東京法務局民事行政部民事行政調査官の四名が主管者側委員として任命されております。それから組合員側の委員といたしましては四名ございまして、大阪高等検察庁総務部勤務の田村博夫、それから岡山地方法務局勤務の渡辺義雄、それから甲府保護観察所勤務の武藤喜一郎、それから公安調査庁総務部勤務の永山盛雄の四人が組合側委員として任命されております。したがいまして、役員と申しますか、全部で九名が会長あるいは委員ということで任命されております。
#7
○大森創造君 組合側委員というのは、大阪府の田村さんという人と、岡山の渡辺さんという人と、以下二人あげられましたけれども、それぞれ役職はどういう役職ですか。
#8
○説明員(坂上吉男君) 田村博夫は総務部検務一課の証拠品係長、それから渡辺義雄は岡山地方法務局の供託課長、武藤喜一郎は甲府保護観察所の総務課長、永山盛雄は公安調査庁総務部職員課長補佐、こういうことでございます。
#9
○大森創造君 これは、人選にあたって選考基準みたいのはあるんですか。
#10
○説明員(坂上吉男君) 選考基準につきましては、私どもの法務省共済組合といたしましては、国家公務員共済組合法の第九条の趣旨にのっとりまして、すなわち、「委員を命ずる場合には、組合の業務その他組合員の福祉に関する事項について広い知識を有する者のうちから命ずる」と、さらに、「一部の者の利益に偏することのないように、」という組合法の法律の基準に従って任命されております。
#11
○大森創造君 それぞれいまの四人の方は、課長なり役付ですね。そこで、あなた方は、全法務という法務省の労働組合を認めておりますか。
#12
○説明員(坂上吉男君) 私どもの省の中に全法務という労働組合のありますことは承認いたしております。
#13
○大森創造君 全法務という組合があって、それで新聞を出しておって、私のところへ来たので見たのですけれども、法務大臣やそれぞれの局長などと予算編成を前にして会見をして、申し入れをしたり、いわゆる交渉をしております。いまあなたのお答えのとおりこれを認めているということなら、これはみんな岡山県や大阪のほうのそれぞれの課長さんなどを選ばずに、全法務の中からの代表を選んだらどうですか。
#14
○説明員(坂上吉男君) 私どもの法務省共済組合の組織と申しますか、構成について、若干いまの質問に関連して御説明さしていただきます。
 法務省の共済組合の人的構成と申しますか、組織別の構成を見ますると、全組合員で約二万六千名でございますが、そのうち、法務本省関係の共済組合員、これは地方入管をも含みまして約二千四有名になっておりまして、さらに検察庁の組合員が一万名余、それから法務局の所属の組合員が九下名余、それから保護観察所が一千名余、公安調査庁が二千名余と、こういう大体五つの組織に分かれております。それで、これらの組織が、ほかの省庁に見られる場合と違いまして、これらの五つの組織が、何と申しましょうか、いわゆる縦割りの組織になっておりまして、それぞれの職務の性格と申しますか、執務環境等、それぞれ各組織、組織で全然異なっておる。全くの縦割りの組織になっておる。したがいまして、その間の人事交流も、ほかの省庁とは全然異なりまして、交流もきわめて少ない。また、そのような縦割り組織でありますので、組合員相互の意思の疎通をはかるということは非常に困難な状況にあるわけでございます。
 そういう特異な組織、縦割り組織で構成されているということ、これが運営委員をどういうふうに選ぶかということにも関連してくると思うのでございます。で、現段階といたしまして、法務省といたしましては、右のような特殊な縦割りの組織の関係にあるところから、それぞれの組織から委員を選ぶのが、国家公務員共済組合法の第九条の「組合の業務その他組合員の福祉に関する事項について広い知識を有する」と、あるいはまた、「一部の者の利益に偏することのないように、」と、こういう組合法の選考基準にも合致するという考えから、それぞれの組織から委員を任命しているというのが法務省の現在の考え方でございます。
 ただいま御指摘ありましたように、全法務の組合は確かにございます。で、全法務の組合の加入者の人数を考えてみますると、法務本省関係で約二百名余、それから法務局関係で六千名余、それから保護観察所が若干、大体全法務に入っている人と見られます者は約六千名余と、こういうふうに聞いております。で、全法務のあることはもちろん認め、承認いたしておりますが、先ほど申し上げましたように、法務省の組織の特殊性という点から、また、共済組合法の委員の選考基準と申しましょうか、第九条の趣旨から申しまして、各組織からそれぞれ委員を推薦、任命するのが妥当であると、こういう考えで現在の委員の任命が行なわれております。したがいまして全法務の組合員から運営審議会の委員を選ぶというのではなくて、共済組合の組合員の中から、共済組合法の九条の趣旨にのっとり、また、法務省の組織の縦割りという特殊性から、それぞれの組織から委員を任命していると、こういうことでございます。
#15
○大森創造君 一応話の筋は通りますけれども、私は別な角度から聞きますけれども、この共済組合の会議というのは一年間に何回ぐらいありますか。
#16
○説明員(坂上吉男君) 会議でございますか……。
#17
○大森創造君 会議、集まり、審議をするための会議、ことしあたりは何回ありましたか。
#18
○説明員(坂上吉男君) 本年度は三回やっております。
#19
○大森創造君 私は、広く多くの人の意見を聞くというのが根本だろうと思うんです。各階層の意見を聞く、広く意見を聞くということが基本だろうと思うんです。その場合に、聞くところによるという、大阪、岡山その他のほうから出てくるということになると、来て会議を一時間ぐらいやって、そのまま内容もわからずに帰ってしまう、そして、組合員にというか、共済組合員にその趣旨を徹底させることもできないという運営が現在現実になされているということを私聞いているわけです。その場合に、組合を認めて大臣交渉などがあるのであるから、組合員が専従をして、そして六千人――組合のほうは八千と言っているんだけれども、こういうものは法務省の関係の組合員が多いので、大体組合に入っていなくても、組合のほうのいろんなニュースも流れ、それから下部の個々の組合員に趣旨の徹底をはかるのには私はだれより便宜だろうと思うのです、この組合員というものを活用したほうが。そこで、各省庁の組合の役員のあれを見てみますというと、現在のところ外務省と法務省だけしかない、組合のほうの参加を認めないのは。その理由はいまあなたのおっしゃるとおりの理由ですけれども、それは形式論じゃないか。六千でも八千でも実質的に押えている場合には、広く意見を聞くという立場から、この際組合の人を入れてやったらどうか。どうですか、重ねてお伺いしますが。
#20
○説明員(坂上吉男君) ただいまお話ございました全法務の組合員を委員に入れたほうが、より広い意見を聞き得るのではないか、こういう御趣旨の発言と理解いたしますが、私ども運営審議会も本年は三回開いておりますが、これにつきましても、いわゆる全法務の役員とは、私どものところでいろいろと全法務の意見も十分聞かせていただいております。これは現実に私自身直接会って全法務の役員からいろいろ事情を聞き、また意見等を聞きまして、それらのことは運審のほうにも上げてございますし、そういう意味では全法務の意見は十分に聞いておるつもりでございますし、今後も全法務の労働組合の意見は十二分に聞かせていただいて、それを運審のほうに反映していきたい、こういうふうに考えております。
 なお、共済組合の周知徹底の方法について全法務も入れておけばいいのではないかという御質問がございましたが、これにつきましては、各地方法務局、あるいは検察庁、あるいは観察所等のそれぞれの共済事務の担当者会議を年に一回以上開きまして、それぞれ出先の人々の共済組合員の意見も十分聞きますし、また、共済組合の本部側からの意見もそれらの担当者に説明いたしまして、末端の職員からの希望や末端の職員への本部での考え方の周知徹底というのはばかってございます。
 なお、全法務の役員を運審委員に入れろというただいまの御質問につきましては、十分検討さしていただきます。現段階では、先ほど申したような各組織割りのそれぞれの組織から委員を任命しているという段階でございますが、大森先生の御質問の趣旨は十分に検討はいたさせていただくつもりでございます。
#21
○大森創造君 後段のほうで言われた職場を通じて運審のほうに運営状況を報告する、徹底させている、これは当然なことだろうと思う、職制を通じてやるのだから。だけども、前段のほうのあなたのお話によると、全法務という組織を認めて、そうしていろいろな交渉もするし、相談もすると言うが、それほどならば、運審に入れたらいいのじゃないですか。その意見を運審に伝える、これを裏を返すというと、全法務という組織が全体を網羅していないけれども、現実的にみんなに周知徹底させるには全法務の組織を利用したほうが便利だと思うのですが、どうですか。
#22
○説明員(坂上吉男君) 最初に申し上げましたように、二万六千名の共済組合員の人的構成と、それからまた、全法務に入っている者が、それの四分の一ですか、六千名であるという数的な関係から、やはり具体的な人選につきましては、考え方としましては、先ほど申したように、各組織の縦割りの特異性という点から委員を任命しておりますが、なお、それについて申し上げておきたいのは、全法務が必ずしも法務省共済組合の全体の意見であるというまでは言えないのではないか……
#23
○大森創造君 わかりました。簡単でいいですよ、答弁は。
#24
○説明員(坂上吉男君) また、組織でも、入管等につきましては全然委員等は入っておりませんので、先生のおっしゃいまする御趣旨は十分わかりますし、検討させていただきますが、現段階といたしましては、従前どおり、各組織からの委員任命、また、一方、全法務の意見は意見として十分に聞かしていただく、また、本部としましても事務担当者会議あるいは広報紙等を通じて一般全職員への周知徹底をはかりたい、こういうふうに考えております。
#25
○大森創造君 あなたの話はよくわかるんだけれども、私の趣旨もくんでこれから検討するということを言うんだが、これは脈があるんだね。それは検討してやろうという気持ちがある――それはあるはずですよ。現実に全法務という組織を代表した人と大臣や皆さんが会見をして、いろいろ相談をして、予算の要求などをしている。このほうが便利じゃないですか。六千人か八千人か知らぬけれども、各局をまとめている組織いうものはないでしょうが……。大阪の地検の課長補佐、いや課長ですか、そういう人が旅費を払って一年に三回か出て来る。事前にニュースも知らないし、情報もわからない。で、そのまま形式的な会議を終わってしまうというのが実情じゃありませんか。これはだれでもそう言っておりますよ。その場合に、全法務という組織は、なるほどあなたのおっしゃるとおり全組織を網羅しないことは事実であろうが、とにかく六千名――組合のほうは八千名と言っている。そうして、これは全般にわたって情報を収集したり、それからいろいろなことに疎通しているわけだし、それから組合員でなくても、全法務の代表が入るというと、あなたが広報活動によって周知徹底させると言うが、それはいながらにできますよ。これは組合員が六千名であろうと八千名であろうと、二万何千名に周知徹底させるということはできると思う。あなたのいまおっしゃることは形式論であって、ひとつ角度を変えて、この際だから、ILOのドライヤー勧告も出た折りであるから、なぜそんなにまでかたくなに組合の代表を入れないのか。今後からはこれは入れるように検討したらどうですか。私はあなたの言うこともわかるが、全法務の代表を入れないということは、どうもやっぱりいままでの法務省の慣習から抜け切れない。これは悪いことはないですよ。具体的に法務省と外務省の組合だけだというんですね。まず組合を育てるような感覚で扱ってほしいと思う。宮内庁とか法務省などというところは非常に古いところだと思う、感覚が。あなたの前で、なんだが、どうもそういう気がする。予算の要求にしても何にしても、みんな組合の意見も聞いてやっているでしょう。ですから、これは何も差しつかえないですよ。入れるようにひとつ検討してみてくれませんか、前向きの姿勢で。いかがですか。
#26
○説明員(坂上吉男君) 大森先生のおっしゃることも確かに傾聴すべきおことばだと思いますが、ただ、先生のおっしゃられますようにすぐに入れるかどうかは、これはちょっと私としては断定できません。しかし、検討はさしていただきたいと思います。
#27
○大森創造君 これはそのほうが得ですからね。大臣と交渉をしたり、もろもろの交渉をしている。それから組合員に周知徹底させるのには、私は組合員を入れたほうがいいだろうと思う。これはぜひ、単に検討じゃなしに、参加させるようにしてほしい。
 それからもう一つ、審議を傍聴させないそうだね。この意味はどういう意味なんですか、傍聴させないということは。いまどき珍しいことだと思う。どうして傍聴させないのか。
#28
○説明員(坂上吉男君) 運審につきましては、事実、傍聴はさしておりません。しかし、運審の内容につきましては、全法務の代表に最後に私どものほうから説明をいたしておりますので、今後もそういう方向でやっていきたいと思っております。
#29
○大森創造君 傍聴させないというのは、いまどき珍しいことですよ。傍聴させない根拠というものは何ですか。会議の結果を報告するくらいなら、傍聴さしたらいいじゃないですか。傍聴させない共済組合の運営は、ほかの省でやっておりますか。やっていないでしょう。法務省はこういうところも少しおくれていると思うんですがね。せめて傍聴をさせるということくらいは、そんなに重大な問題じゃないでしょう。事は共済組合の会議ですよ。どうです。
#30
○説明員(坂上吉男君) その点につきましても十分検討さしていただきたいと思います。
#31
○大森創造君 あなたは理屈はわかるのだけれども、私の言うことが筋だと、そのほうがベターだということになれば、傍聴させるということをここで言い切れないですか。そういう立場にないですか。だれと相談してそんなことをきめるのですか。これは常識の問題だと思うんですよ。いまどきそういう共済組合の会議を傍聴させないなんという話はないですよ。傍聴させるのが至当です。どうです、答弁は。
#32
○説明員(坂上吉男君) 会議はそれぞれの定款その他の規程によって運営されているわけでございますし、運審の委員以外に傍聴させなくても、その会議の意味、内容を、全法務に限らず、それぞれの職員に周知徹底すればいいんではないか、こういうふうに考えますので、いま直ちに傍聴するしないということはここで確約はできませんが、十分に全法務との意思の疎通ははかって、運審の会議の模様等についても十分意見を交換し、意思の疎通をはかって今後運営を進めていきたい、こういうふうに考えます。
#33
○大森創造君 くどいことは申したくはないのだけれども、意思の疎通をはかって一々会議の結果を報告するくらいなら、気やすく傍聴させることがなぜできないんですか。
#34
○説明員(坂上吉男君) その点につきましても十分に検討さしていただきます。
#35
○大森創造君 検討する、検討すると言うのだが、だれと相談してどういう検討をするのですか。検討の必要はないですよ、こんな常識的な問題は。
#36
○説明員(坂上吉男君) 会議の運営につきましては、組合法あるいは定款等によりまして会長が運営審議会の主宰者でございますので、会長、上司とも十分に御相談し、その上でと考えております。
#37
○大森創造君 あなたは傍聴さして差しつかえないと思っていますか。
#38
○説明員(坂上吉男君) 私、個人的には、傍聴させなくてもいいんではないかと、こういうふうに考えております。
#39
○大森創造君 傍聴させなくてもいいということは、傍聴させてもいいだろう。一方は強い希望があるんです。傍聴させてもいいだろう。あまり形式的な議論をしないことにしましょうや。いかがですか。一歩も出ないんだね、この話がそれ以上に。そういうお役所なのかね、法務省というところは。傍聴させてもいいでしよう、あなた個人の考えは。
#40
○説明員(坂上吉男君) 私は、別に傍聴させなくてもいいんではないかと、こういうように考えております。
#41
○大森創造君 私はこう思うんですよ。あなたの頭の中では、傍聴させてもいいというふうに理解もできるし、それから前段の運営の審議委員に組合から参加させたほうがベターであるというふうな気持ちを持っておられるのだろうと思うが、法務省のいままでのしきたりがあってそのことを実現できるかどうか自信がないからそういう御答弁をされているのだろうと思うんです。そうでしょう。
#42
○説明員(坂上吉男君) 大森先生がどういうふうにお考えいただくかはあれですが、それはまあ先生のお考えはお考えとして、私に対する推察は推察として、そういうふうに承っておきます。
#43
○大森創造君 私の質疑があった場合には、どういうことをやるのか。きょう帰ってからどういうことを――どうもくどいような質問をしますが、どういうことをやるのですか。どうですか。
#44
○説明員(坂上吉男君) きょう帰りまして、十分に会長その他の――まあ地方にいる人は別ですが、私の上司でありまする経理部長等の上司の方といろいろ相談してみたいと思います。
#45
○大森創造君 これは経理部長に来てもらって――いまのような問答を繰り返していてもあまり意義がありませんから、検討する検討するということなんだけれども、これはひとつはっきりさせたいと思うんです。あとから来てもらうということで、その次の問題で……。
#46
○亀田得治君 ちょっと関連して。職員側からの委員ですね、四名とさっき言われましたが、この方は、運審に出て自分の意見を言うだけになるのでしょうな、その背景に組合も何もないのですから。
#47
○説明員(坂上吉男君) 出席します運審の委員は、それぞれ自分の意見と同時に、自分の所属する庁の職員等の意見をも持ち寄りましてそれぞれの意見を述べております。
#48
○亀田得治君 自分の意見と同時に所属する庁の意見といいますと、それはどういう方法でその意見を集めるのですか。その人は、そんなことはやらずに、ただ出てきて自分の意見だけ言うて、そしてほかの人も大体同じだろう、そういうふうなことでやられているのと違いますか。
#49
○説明員(坂上吉男君) 所属庁のそれぞれの職員とはいろいろ話し合っているようでございますし、したがいまして、それらの同僚等の話をも含めて発言しているのではないかと思われます。
#50
○亀田得治君 それは想像でしょう、あなたの。
#51
○説明員(坂上吉男君) たとえば、運審の場合には、委員が発言した場合に、それがあなた個人の意見か、あるいはと、その点まで確認し、ておりませんから、いま先生おっしゃられたことからすれば想像になると思います。しかし、いろいろな発言の内容その他から、たとえばうちのほうの仲間ではこういう考えを持っておるというふうなことで発言しておりますから、だからその人個人の発言のみならず、やはり同僚等の考え等も含めて発言していると思われます。
#52
○亀田得治君 その辺が大事なことでして、これはお互いの待遇といいますか、広い意味のそういう勤務条件に関連したことをきめるわけですから、個人的の思いつきじゃやはり困るわけなんです。自分の職場の人の意見も若干は聞いているでしょうが、しかし、正式にその職場で集まってもらってそうしてその意見をまとめてやってきておる、そういうことはないでしょう。
#53
○説明員(坂上吉男君) そこまでは確認はいたしてございません。
#54
○亀田得治君 しかし、組合の代表を認めておらぬとすれば、それくらいのことは最小限度必要なことじゃないですかね。
#55
○説明員(坂上吉男君) 出席委員は、たぶんそれぞれの職員の意見を十分に聞いてきてその上で出席しているのではないかと、こういうふうに考えております。
#56
○亀田得治君 その辺がはっきりしないようですが、はっきりしないということは、あまりそういうことを重要視しておらぬということにもやはりなるわけですが、それじゃ、四人の方の出ておる職場というのは、一つの機関で集めるわけじゃないですから、結局自分が実際におる部屋の中の同僚の人の意見という程度に終わるのだろうと思いますが、それは何人ぐらいおるのですか、この四人を取り巻くそういう同僚と見ていいのは。
#57
○説明員(坂上吉男君) その点の数字は、ちょっと明確な点はわかりません。
#58
○亀田得治君 それは大事なことですよ。あなたのほうじゃ八千人か六千人は全体の四分の一だからというようなことを何か一つの理由にしておるようだから、そんな数字をおっしゃるのなら、私のほうも聞きたいわけなんでしてね。だから、どの程度の職場の意見なのか。それは機関で集める意見じゃありませんから、おそらく同じ部屋というふうな程度に終わるだろうと思う。あるいは自分と同等の隣の部屋とか、そんな程度じゃないですか。おおよその見当の数でいいわけですが、たいした数字にならぬでしょう、四人合計しても。幾らになるんです。
#59
○説明員(坂上吉男君) その人数の点はまことに申しわけございませんが、私どもの考えとしましては、先ほど申しましたように、組織がそれぞれ縦割りでございまして、他の組織のことを全然わからないという関係にありますから、それぞれの組織の代表者というふうに理解しておりますので、たとえば検察庁ですと、検察庁の職員の考え方、あるいはまた自分の身近な検察庁に勤めている者の考え方というのは、やはり検察庁の組織という面においての考えが相当出ていると、こういうふうに増えますし、また、観察所なら観察所でも、観察所系統の観察所に勤めている職員の組織割り、組織別のそれぞれの考え方というのが出ている。したがいまして、その一つの法務局なりあるいは観察所のこの四人の委員の身辺に何人いるかということももちろん大事でございますが、それぞれの四人がそれぞれの特別の組織体の代表者であるという意味合いでそれぞれの組織の考え方をあらわしている、こういうふうに考えられます。
#60
○亀田得治君 そんなら、組織体の代表者ということにどうしてなるんです。どんな根拠があるんですか。組合であれば、ちゃんと一つの機関があって、そして下から意見を積み上げてきて中央で集約すると、こういうことになるわけですが、そういうものも何も無視していて、たまたま公安調査庁の職員を一人選ぶ、それが調査庁の代表、そんなあなた法務省の方が筋の通らぬことを言っちゃ、それは言い過ぎだと思う。
#61
○説明員(坂上吉男君) なお、公安庁等には労働組合はございませんし、また、検察庁におきましても労働組合はございません。それで、何回も操り返して恐縮ですが、それぞれの組織組織の考え方、その組織の代表者、また、同じ組織に属する者は同じような考えを持っているというのが通例でございますし、それぞれのこれらの選ばれている四人というのは、法務局なりあるいは観察所なりあるいは検察庁なりあるいは公安調査庁なりの組織の一員としての個人の考え方ももちろんありますでしょうし、そのほかそれぞれの組織についている同僚の意見等も十分聞いておりますので、それぞれの組織の意見として十分な意見を吐いていると、こういうふうに考えますので、先ほども申しましたように、法務省の特殊性という意味合いからそれぞれの組織の代表者を委員と、こういうことで公正な運営をはかっているというのが現状でございます。
#62
○亀田得治君 ともかく、それは、そういうことをただ擬制して考えているだけですよ。だから、もし労働組合の組織のないところであれば、共済組合の委員の選出について事実上全員で投票させるというふうなことにすりゃ、それは意思も通じているし、また、投票された人は、ひとつ各職場から集まって意見を聞かしてくれという根拠もそこから出てくるわけです。そんなものは何もなしで、たとえば調査庁の人を中央で一人入れておく。それはほかへ出して議論できることじゃないですよ、あなた。それで、たとえば調査庁にしたって、東京もあれば全国各地にあるわけでしょう。地域的な条件というものは一つも入ってこない。検察庁にしたって、地域地域でまた違ってくるわけですから、要求は。そんなものは、たまたま大阪なら大阪の検察庁の人が選ばれたというだけであって、ほかの地域とは少しもつながりはないんですよ。だから、そんなことはあなたのほうで幾ら強弁しても通らぬ。そこで、少なくとも法務局の関係にはちゃんと組合があるわけですから、その部分については少なくとも代表者を入れていく、これはもう当然の私は処置だと思う。入れないのがおかしい。ほかの問題とは違う。自分たちの金を出し合ってやっていくわけでしょう。国も出す、こちらも出す。自分で金を出しておって、代表も出せないわ、傍聴もできないわ、そんなことはあなたいまどきちょっと非常識です。だから、最小限、組合のあるところは、そういうかっこうで出てもらってというくらいのことは当然前向きで検討してもらわなきゃ、私も大森君の質問な聞いていて、これはちょっと筋が通らぬというふうに思うわけでしてね。少なくともその点はどうですか、前向きで検討できますか。
#63
○説明員(坂上吉男君) 何回も申して恐縮ですが、いろんな組織刑に縦割りという面、それから全法務と全国共済組合の員数の比率と、いろいろございますが、それらの数とかあるいは加入者の組織別等から見まして、全法務の代表と申しますか全法務の推薦者が直ちに組合法九条の趣旨に合致するかどうか、十分これは検討する余地があろうかと思いますので、先生の御意見は十分尊重させていただきますが、これは検討した上でないとはっきりしたことは申せない、こういうふうに考えますので、十分に検討さしていただきます。
#64
○大森創造君 私はその委員の人に会って聞いておる。そうしたら、いま亀田さんとあなたの間に応答されたことを聞いていると、こちらの言うことが正しいんです。形式的なんだ、あまりに。会議のていさいを整え、実際はきめられたことが下部に周知徹底していない。だから、きよう私と亀田さんが申し上げたことは、このほうが私は筋があると思う。これは単に検討するのでなくて、あらためて伺いたい。で、法務大臣でもあるいは会長でも、そのことについてノーと言う根拠があるなら、次回二十六日に委員会がありますから、そのときにまたひとつ伺いたい。どうして本筋が通らない。法務省は例によってあまりに形式にこだわり過ぎていると思う。秘密会でも何でもないですよ。傍聴すらさせない。会議できまったことを今度は全法務のほうに伝える。いまお話があったとおり、大阪の一部分の職場の個人の意見ですよ、実際は。私は委員に会って聞いているんだから。あなたは想像でしょう。そうあるべきはずだという論理でしょう、いま言うているのは。実際はそうじゃないです。だから、これは実情に合うように、それから法の趣旨に沿うようにするのには、組合の代表を参加させて、傍聴などはこれはいとたやすくできる問題だと思うんです。これはもうやってほしいと思う。やらない理由はないと思う。答弁は要りませんよ。たとえば日教組にしてもその他の組合にしても、全部の組織が一本化はされておりませんが、ちゃんと組合というものを尊重すべきいま時代にあるんです。法務省だけがかたくなにこういう態度をとっておることは私としては納得できない。だから、きょうお帰りになってそれぞれの方に言われて、それでいままでどおりのことをやるということならば、私は納得しませんから、しっかりした理由をちゃんと委員会に二十六日に持ってきてほしいと思う。
 そこで、その他の来年度の予算にからんで若干の点も御質問申し上げようと思ったのだけれども、刑事局長が中座するという話だから、そっちのほうをやります。
 森脇、吹原の問題ですね、これは、いつ勾留をされて、そうしていつその保釈請求があって、今日までどのくらいの期間勾留しておるのか、お聞きしたいと思います。
#65
○政府委員(津田實君) ただいまお尋ねの分につきまして、まず、森脇将光について申し上げますが、本年五月十日逮捕いたしまして、五月十二日勾留請求、それから五月から八月十四日までの間に五回に分けて公訴を提起して、そういたしまして七月の一日に保釈請求がありました。で、それに対して検察官から意見を出しておりますが、この保釈に対しまして保釈請求却下の決定が十月六日にありました。弁護人から即日この却下決定に対しまして準抗告がなされております。この準抗告に対しまして、十月十五日に申立棄却の裁判があるわけでございます。したがいまして、保釈請求却下決定が確定いたしておりますので、現在森脇は勾留中であると、こういうことになっております。
 吹原につきましては、四月二十三日に逮捕いたしまして、四月二十五日に勾留請求がされております。それから五月十四日から八月十四日の間五回にわたりまして公訴が提起されておりまして、森脇の場合と同じく七月一日に保釈請求がありました。それに対して検察官の意見を出しておりますが、十月六日に保釈の決定がありました。保釈保証金は二千万円ということで保釈の決定があった。これに対しまして、保釈決定の執行停止の申し立てを検察官がいたしまして執行停止はされておりましたが、やはりその保釈の決定のありました即日検察官から保釈許可決定に対して準抗告が申し立てられました。それに対しまして十月十五日原裁判を取り消し、保釈請求却下、すなわち、一保釈決定は取り消されましたので、現在勾留中であると、こういうことになっております。
#66
○大森創造君 そうすると、森脇、吹原は保釈はされないということですか。
#67
○政府委員(津田實君) 現段階においては保釈請求は却下されている、こういうことでございます。
#68
○大森創造君 保釈請求があったのにかかわらず――その前に一つ聞くが、一体、森脇、吹原は、勾留されてから、数えればわかるが、何日になりますか。
#69
○政府委員(津田實君) 約五カ月であると思います。
#70
○大森創造君 保釈請求があったのに、しない理由というのは、刑事局長、どういうふうにお考えになりますか。
#71
○政府委員(津田實君) 保釈請求がありまして、検察官といたしましては、罪証を隠滅するおそれがある、罪証を隠滅することを疑うに足る相当の理由があるから保釈すべきでないという意見をいずれも出しております。その意見と同じ意見であろうと推測されるのでありますが、保釈請求は十月六日に却下されております。しかしながら、その保釈請求の――これは森脇について申し上げますが、保釈請求の却下に対しまして、弁護人からそれは不相当であるということで準抗告の申し立てをしておるわけでございます。その準抗告の申し立てに対しまして、準抗告の申し立てを棄却する決定がありましたから、準抗告の申し立ては相立たずということになるわけでありまして、その理由といたしまして裁判所側が述べておるところによりまして裁判所の考え方がわかるわけでありますが、公判審理の開始されていない現段階において、もし被告人を保釈すれば、被告人は主として吹原との共謀の点についてこれを打ち消す、あるいは自己に有利な証拠をつくり出すため、いわば自己の死命を制する立場にある吹原に対して、同人との従来の関係を利用して直接間接に供述の変更を求めるであろうことは明らかであります。自己の支配下にある者に対しまして、その支配力を利用して右の点を中心にして自己に有利な供述を働きかけることは十分予想されるところであります。それがゆえに、本件については被告人は罪証隠滅を行なう蓋然性はきわめて高い。しかも、かつ、これを実行されるならば、被告人の罪跡認定に影響するところがきわめて大である。であるから権利保釈は許すべきでないと、こういう判断をいたしております。裁判所の考え方はそういうところにあると思います。
#72
○大森創造君 その裁判所としての考え方、意見、それからそういう理由、そのもとをなすのは、法律的に言えば、刑事訴訟法の八十九条の四項でしょう。
#73
○政府委員(津田實君) 刑事訴訟法の八十九条の四号であります。
#74
○大森創造君 私の考えでは、五カ月でしょう、すでに。この間に、あらゆる方法がとれたと思うんですよ。この森脇、吹原の一件についてのあらゆる捜査、証拠物件の収集、こういうふうなものはすべて完了したと思うんですが、これはどうですか。常識的にそう考えられる。
#75
○政府委員(津田實君) もちろん公訴を維持するに必要な証拠は全部収集いたしまして、検察官においてその事実が認定されるということにおいて公訴を提起しておると思います。しかしながら、証拠の中には、もちろん物証もございますが、人証もございます。したがいまして、検察官に対する供述そのものとあるいは異なった供述を公判廷においてすることもこれは当然あり得る。しかしながら、それが真実に合致することであれば、これはまた別であります。しかしながら、そういう人証を作出するということになると、これはまさに証拠隠滅であり、裁判に対する重大な侵害になる。したがいまして、そういうおそれがあるというふうに裁判所が認定しているがゆえに、本件保釈請求を却下し、あるいはそれに対して準抗告を申し立てても申し立てを棄却したものというふうに考えられます。したがいまして、先ほど申し述べましたことは主として人証の面について申しておりますが、あるいは物証の面についてもあり得るかもしれませんが、人証の面については少なくともそういうケースがあり得るし、また、過去の経験からしてもそういうことがあった事実もあるわけでありますから、そういう意味におきまして私は裁判所の判断は相当であるというふうに考えております。
#76
○大森創造君 この際、くどいようで恐縮ですが、森脇問題に限ってお伺いいたしますが、どういう問題について起訴されたのか。脱税が一つ、あとは何ですか。
#77
○政府委員(津田實君) 森脇関係の事件のごく概略を申し上げますと、まず、詐欺――三菱銀行関係の詐欺で吹原と共謀の事実、それから朝日土地、東洋精糖、藤山愛一郎関係、間組及び平和相互銀行関係におきます吹原との共謀による詐欺、それから吹原、森脇及び平本方関係でリコー株式の市村清関係の詐欺、それから同じく吹原と共謀の上の私文書偽造・行使、これは黒金泰美名義の念書九通の偽造、それから同じく恐喝未遂、これは吹原、森脇と平本の共謀で三菱銀行に対して通知預金証書の払い戻しを要求したという事件、それから出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律違反、これは約四十五億の高金利、それから約三十八億の法人税法違反、それだけであります。
#78
○大森創造君 その次にお伺いいたしますが、刑事訴訟法の九十一条によると、勾留が不当に長くなったときには裁判所は保釈しなければならないという規定がございますね、法律的に。それにもかかわらず、いまあなたがおっしゃられたような裁判所の見解、理由によっていままで勾留している、いま言われたような理由によって。そこで、私の考えでは、五カ月以上、百六十日になる。だから、家宅捜査もしたろうし、あらゆる尽くせる方法は尽くしたろうと思うんですよ。八月十四日に一切終了したはずですよ。しかも、刑事訴訟法九十一条があって、勾留が不当に長くなったときには裁判所は保釈しなければならないという規定があるにかかわらず、それでもなおこれは出せないのですか。
#79
○政府委員(津田實君) ただいま御指摘の刑事訴訟法九十一条には、確かに、「勾留による拘禁が不当に長くなったときは、」 「勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。」という規定があります。ここにいう不当に長くなるということは、必ずしも日時だけの問題ではなくて、ですから、内容を見てすこぶる簡単な事件であれば、短い時日でも不当に長い勾留になるかもしれない。ですから、時間的の関係は必ずしも直接のこの不当に長いということは関係がないわけであります。
 そこで、本件につきまして、不当に長期間の勾留には当たらないというふうに裁判所が先ほど申し上げました準抗告に対する申し立て棄却の決定で申しておりますが、その内容の概略は、本件事案の性質、態様、被告人の態度、その他諸般の事情からすれば、本件勾留は不当に長い勾留ではないというふうに判断をいたしております。先ほど申し述べましたように、非常に複雑な多数の事件でありますし、また、脱税額その他詐欺額等においても、過去においてほとんど例を見ないような額であるといわれておるわけであります。そういうような点を考えますと、この裁判所の判断そのものは私は相当であるというふうに思うのであります。
#80
○大森創造君 それから刑事訴訟法三十九条によると、「身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。」と、第二項に、「前項の接見又は授受については、法令で、被告人又は被疑者の逃亡、罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。」とありますけれども、接見禁止をしているんですね、これは。家族との接見も禁止しておりますね。
#81
○政府委員(津田實君) 接見禁止の決定は五月十三日になされておりますが、そのままなされており、さらに六月一日にこの決定の取り消し申請が出ておりますが、いまだに裁判所において取り消しの決定はありませんので、現在接見禁止中であるということになります。ただし、弁護人との弁護接見につきましては、もちろん差しつかえありません。
#82
○大森創造君 これは裁判所に聞かないとわからぬことでありますけれども、しかし、刑事局長はしろうとでないし、この道の権威だから、あなたにお聞きしますけれども、私の考えでは、接見禁止ということは、短期間にわたっての勾留である場合に証拠隠滅などのおそれがあるという場合の接見禁止だろうと思う。だから、法の趣旨は、百六十日にもわたるようなこういう長期間の勾留ということがなされた場合には、これは私は家族との接見くらいはさせていいと思うのだけれども、どうですか。法の精神はそうだと思うが、いかがでしょうか。
#83
○政府委員(津田實君) これは、勾留存続の必要があるというふうに裁判所が認定している主たる理由は、罪証を隠滅するおそれがあると、したがいまして、弁護人の場合はもちろん別でありますけれども、一般の家族その他一般の人との接見ということについては、やはりそのおそれは多分にあるというふうに考えられるという判断で裁判所は決定をしないものというふうに私は思っております。
#84
○大森創造君 そうすると、いまのような御説明だというと、森脇と吹原はいつまで勾留されることになるのか。これはずっと出られないということになりますか、あなたの判断では。
#85
○政府委員(津田實君) これはお答えにならないかもしれませんが、罪証を隠滅するおそれがないというふうに判断をされる――これは検察官だけの判断ではいけませんが、裁判所が判断をすれば、当然釈放するということになりますし、あるいは勾留の必要がなしということになれば、勾留の取り消しを行なうということになると思います。しかしながら、裁判所がいつそれを判断するかということにつきましては、これはとうてい予測を許さない問題でありまして、たとえばあらためて保釈請求があったとき裁判所がすぐ許すという判断になるかもしれません。しかし、その点はわからないわけであります。しかしながら、少なくともいまの考え方で公判審理がある程度進行しなければ出さないという判断をしておるのではないかという想像はつくわけでありますけれども、それは想像の域を脱しないわけでありまして、あるいはほかの事情によってさようなおそれがないとすれば直ちに保釈になるというふうに私は考えております。
#86
○大森創造君 この事件の公判審理というのはいつごろになるお見通しでございますか。
#87
○政府委員(津田實君) これはいまちょっと私は聞いておりませんが、もちろんまだ期日の指定はないわけであります。
#88
○大森創造君 森脇の健康状態はいかがでしょう。
#89
○政府委員(津田實君) 若干の障害といいますか、というものが従来あるようでありますけれども、これは主として年齢に関係あるもののようでありますが、それにつきましては、現在、裁判所は、拘禁による病状の悪化ということは考えられないというふうに考えておるようであります。まあ食欲不振等のことがほかにあるようでありますけれども、これはやはり拘禁ということによる神経的なものであって、現在拘禁に耐え得ないというふうには判断しないというふうに裁判所は認定しておるようであります。
#90
○大森創造君 若干の異常があるように言われておりますけれども、私は、次回の委員会の二十六日までに、森脇の健康診断書などをひとつ持って来てほしいと思う。これは持って来られますね。
#91
○政府委員(津田實君) 現在勾留されておりますので、拘置所の医師の判断の結果はここで御説明をいたしてよろしいのですが、ただ、病気という内容について、御承知のように、病気の内容そのものについては、本人が秘匿したいということがあるかもしれません。ただいまも若干のと申し上げましたのは、病名はわかっておりますけれども――病名というほどのものではありませんが、一応障害ということはわかっておりますが、ことさらに病名をここで申し上げることは避けたわけであります。したがいまして、その辺が、これは全く本人と医師との関係の内容によることでありますので、具体的に申し上げることが適当かどうかという問題はございますが、いずれにしましても、医師の診断の結果を申し上げることは、そういう点をお含みの上でお聞き取り願うことはできると思います。
#92
○大森創造君 診断書は出せないのかな。
#93
○政府委員(津田實君) ただいまのところ、本人において診断書を一般に示すことを了承するならば、必ずしも私は差しつかえないというふうに考えております。
#94
○大森創造君 本人の了承ができない場合には出せないけれども、了承してもらえれば、ひとつ健康診断書をこっちの委員会に出してみてくれませんか。――よろしいですね。
#95
○政府委員(津田實君) その点は、私は差しつかえないと思いますが、これは所管は矯正局のほうの所管でありますので、なお一応矯正局と連絡をしてみて、その結果でありませんと結論的には申し上げかねると思いますが、私は差しつかえないと思います。
#96
○大森創造君 私はどうもしろうとながらおかしいと思うんです。これは刑事局長個人に聞いてみたいと思うのだが、百六十日になる。で、出せない。なるほど決定権は裁判所にあるとはいうものの、私は、いま問題にしているような脱税の問題だとかいろいろあげられましたが、それが何か大きなものとつながっているような気がする。だから、いままでに百六十日にわたって証拠を整えてそして調査をした一応そのことは完了したが、これはそれにもかかわらず出せないということの裏には、吹原と人証の点で云々ということを言われましたけれども、これは私はどうも納得できないところがあるので、いままで捜査した問題以外の何かのために出せないのではないかと私は想像する。次元の違う性質の問題について吹原なり森脇なりが打ち合わせをされたら困る、それが大きく発展されては困るという配慮のもとに私は出さないのじゃないかと思う。これは私の想像ですよ。おそらく私の想像は当たっていると思う。次元の違う問題において次元の違う問題に発展することをおそれて、そのために不当に長く勾留しているように私個人は判断する。非常にくさい、この事件は。ほんとうは家族との接見も許してもいいし、あるいはこの程度で保釈しても適当であろうと思うけれども、これはそれ以外の次元の違う問題について森脇を出せない理由があると想像する。これは私の判断ですが、あなたの感じはどうですか。
#97
○政府委員(津田實君) ただいまはやわらかな御質問でありましたが、この種の御質問は当委員会以外にもございました。私は、現在の日本の司法権というものはさようなものでないと確信いたしております。したがいまして、裁判官の判断がこういうふうに判断をし、検察官もさように判断して意見を述べていることは、この事件そのものについての、あるいは森脇そのものの身上に対する判断でありまして、他の全然容喙を許すものではありません。検察官の意見にいたしましても、私はそれはその意見の出る筋を十分心得ておりますが、さようなことは絶対にありませんし、いわんや裁判所においてさような他の事情を考慮するというようなことはこれは全然あり得ないことだと私は断言してはばかりません。
#98
○大森創造君 その点は一応聞いておきます。
 別の問題をお伺いしますけれども、過般私は特捜部から――あなたのほうかな、起訴状をとった。その中に、こういう文書がある。一九ページですね。「同会社の業務に関し、昭和三十七年十一月一日から昭和三十八年十月十五日までの間前後二百三十回にわたり、大橋富重に対し合計四百八億七千六百四十六万四百円を貸付けるに当たり、法定の百円につき一日三十銭の割合による利息合計十八億九千八十四万二千百二十四円を二十六億二千四百四十五万七千四百七十六円こえる合計四十五億千五百二十九万九千六百円の利息の契約をなした。」という文書がある。そこで、この起訴状によると、大橋富重なる人物は私は非常に不可思議な人物だと思う。日歩三十銭ですよ。そして、借りた金が四百八億七千六百四十六万四百円。そこで、大橋富重という人物はいかなる人物か、刑事局長、ひとつ聞かしてください。
#99
○政府委員(津田實君) その点についてもかつて他の委員会で御質問がありましたが、大橋富重なる人物がどういう仕事をしておるかということは私はいま承知いたしておりません。これはある程度のことはもちろん検察庁でも捜査の対象になっておりますので、その点では大橋がどういう人物であるかという程度のことは調査をいたしまして申し上げることはできると思います。
#100
○大森創造君 これは、私よりも、しろうとでないあなたがこの文書を見ていかなることを感ずるかということですね。とにかく日歩三十銭で四百八億強の金を借りて何か仕事をしている。これは人事録か何かで直ちに調べてほしいのですが、これは怪しいですよ、この一事で。いまどきこの不況の折りから日歩三十銭の金を四百八億七千何百万円の金を借りて、これはまあ森脇、吹原に対する起訴状でありますから、大橋のことでございませんが、この中の文書一つ見ても大橋という人間は怪しいですね。いまどきこういうことができるはずがない、経済的な常識で。四百八億という巨額な金を日歩三十銭で借りて何か商売するということは考えられない、常識では。これは必ず犯罪が伴っていると私は推測するのだが、あなたの感じではどう思うか。
#101
○政府委員(津田實君) これは森脇をめぐるところのいまの貸し金という問題は、これに限らず、かなり巨額なもの、現に吹原も巨額なものであります。吹原のの合計にいたしましても相当額に上っておる、それは高金利であったかどうかは別として。でありますので、森脇そのものをめぐる金銭の貸借というものは、累計にいたしますればかなりの額になっているものもほかにはあると思います。これは一年間の、三十七年から三十八年の間の事柄でありますので、巨額であるものもあると思います。しかしながら、それが逐一どういうものにどういう金に使われておるために森脇が貸しておるかということになるわけですが、森脇自体も、貸し金業者としてやってきておるわけなんで、やはり相当の回収の見込みその他を考えて貸し金をしておるものと私どもは常識的には判断をしておりますので、そういう金の出入りというものはやはりあり得るのではないかということは考えられる。しかし、私どもの常識としてはなるほど巨額であるということは言えるのでありますけれども、今日巨大な事業もそれはたくさんあるわけでありますし、また、その事業の裏にどういう金が動いておるかということは私どもの想像外のこともあるわけであります。一がいに表面だけを見てこれが怪しいかどうかということは私は判断できないと思っております。
#102
○大森創造君 まあそのとおりだと思いますけれども、これは繰り返して申し上げますが、その人は怪しいと思うんだ。これは怪しくないはずはないんで、脱税の問題が発覚したのは、一番初め大蔵省が国税庁のほうが手をつけた。大橋富重という人について調べられているだろうと思うのだが、どうですか。検察庁で調べているでしょう。
#103
○政府委員(津田實君) これは高金利取得の相手方でありますので、当然調べておると思います。
#104
○大森創造君 これは高金利取得の相手方だから、この起訴状から見るとわき役でありますけれども、これは相当な裏がありますよ。しろうとの私でもそう思うのだから。この大橋富重なる人物について私も相当資料は持っておる。たいへんなしろものでございます。これはひとつおくれをとらないように、出し抜かれないように、あなたのほうでお調べになる気持ちはございますか。
#105
○政府委員(津田實君) おおよそ、捜査というものは、端緒を得て、証拠をとって進展していくものでありまして、本件につきまして大橋なる人物において何らかの非違があり、その端緒が検察庁において握られたのなら、捜査権は発動されるのが当然であります。しかしながら、そのような端緒があるのかないのか、また、端緒に至るような前提たるものがあるかどうかという点につきましては、私はいま承知いたしておりませんが、これは検察庁においてはその辺はもちろんぬかりなくやっておるわけでございますけれども、どういう状態になっているかということは申し上げることはできないと思います。
#106
○大森創造君 私は私なりに調べますけれども、ひとつあなたのほうでも、専門でございますから、あなたなりに、それから特捜部のほうで、この大橋富重なる人物について注目していただきたいと思います。間違いなくどうも怪しいと思いますから、それはお願いいたしておきます。
 それから森脇、吹原の問題については、不当に長過ぎる。あなたと私の見解は違うのですけれども、前段申し上げた理由によって、これはどうも、より高次な、高度な判断のもとに森脇、吹原は出されないのではないか、公判の日まで。これは最後にお尋ねしますが、結局見通しは立ちませんな、森脇、吹原の勾留解除になる日時は。そのまま公判に行っちまうということになりますね。
#107
○政府委員(津田實君) 本件の公判期日がいつ指定されるかということは、もっぱら裁判所の都合によるものであります、現段階におきましては。したがって、森脇にも弁護人がついておりますが、弁護人の考えもありましょう。弁護人の準備等もありましょう。あるいは、弁護人は本人のことを考えて、できるだけ早く公判の期日を指定されるように裁判所に請求をするということもあります。検察官といたしましては、これは当然起訴いたしました以上、一日も早く事件の進展を望んでいるわけですから、もはや追起訴も十分できておるわけですし、事件の延引をはかるということは絶対にありません。むしろ一日も促進したいという考えであります。そういたしますと、あとは弁護人の事情と裁判所の事情によるというふうになると思うのでありますが、目下のところ、いつ公判が開始されるかということは、私どもにはわかっておりません。
#108
○大森創造君 終わります。
#109
○委員長(和泉覚君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト