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1965/10/26 第50回国会 参議院 参議院会議録情報 第050回国会 文教委員会 第2号
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1965/10/26 第50回国会 参議院

参議院会議録情報 第050回国会 文教委員会 第2号

#1
第050回国会 文教委員会 第2号
昭和四十年十月二十六日(火曜日)
   午前十時五十六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下 春江君
    理 事
                北畠 教真君
                久保 勘一君
                小林  武君
                千葉千代世君
    委 員
                近藤 鶴代君
                中上川アキ君
                中村喜四郎君
                二木 謙吾君
                吉江 勝保君
                秋山 長造君
                鈴木  力君
                柏原 ヤス君
                辻  武寿君
                林   塩君
   国務大臣
       文 部 大 臣  中村 梅吉君
   政府委員
       人事院事務総局
       給与局長     瀧本 忠男君
       文部政務次官   中野 文門君
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       文部省初等中等
       教育局長     齋藤  正君
       文部省大学学術
       局長       杉江  清君
       文部省体育局長  西田  剛君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (教職員の給与等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山下春江君) これより文教委員会を開会いたします。
 松永君から、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山下春江君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じますが、互選は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に小林武君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(山下春江君) 教育、文化及び学術に関する調査中、教職員の給与等に関する件を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
 なお、政府側より、中村文部大臣、中野文部政務次官、齋藤初等中等教育局長、瀧本人事院給与局長が出席しております。
#6
○千葉千代世君 質疑に入ります前に、文部大臣にひとつただしておきたいことがございますけれども、それは文教委員会の定例日は火曜日、木曜日ときめられているわけでございます。具体的には、去る十九日の定例の日に開かれなかった、そのことについてただしたいと思うのです。当日はちょうど教職員が人事院勧告の完全実施、こういう強い要求でもって、二十二日を控えてこの要求がいれられなければ半日休暇も辞さないという、こういう大事な時期にあったわけです。したがいまして、当文教委員会といたしましても、皆さんとよくお話し合いし、文部大臣の意見も聞いて、そしていい答えを出したい、こういうふうに皆一生懸命であった時期であったわけです。文部大臣は常日ごろから、教職員の待遇については最大の努力を払うということをおっしゃっているわけです。私どもはその前も、定例日ではないけれども、非常な時期であるからひとつ開いていただきたい、開きたい、こういう話し合いをしたわけですが、それも開かれなかった。それじゃ定例日にひとつ皆でしっかりやろうという、こういうふうな中でこれまた開かれなかったということは一体どういうことだったのでしょうか。このことをひとつただしておきたいと思います。十九日の定例日の件でございます。
#7
○国務大臣(中村梅吉君) お答えいたします。実は当時私どもとしては、諸般の情勢からみて十九日には何とか政府の方針だけ結論を得たい。しかし、人事院勧告の処理については、御承知のとおり、五人委員会ができておりまして、私どもは重要な関係はありますが、そのメンバーになっておりませんものですから、いろいろ五人委員の人たちと個々にすみやかかに結論を出してもらいたいということと、できるだけ人事院勧告に近いように、いま不況のさなかでありますが、できるだけの結論を得るようにしてもらいたいという趣旨で、五人委員の人たちにいろいろ個々の要請を私ども自身いたしておりました最中で、まあそういうことで時間をとっておったことを委員長や何かにもお察しいただき、わざわざ実は委員長と久保理事さんにおいでいただいたんですが、そういうことをやっておりました最中であったものですから、結局、委員会には出席困難の事情にあった、そこで委員会が開催できなかったという事情になったわけであります。この点まことに申しわけなく思っておりますが、まあ私としては私なりに、十九日というのはぎりぎりだということであったものですから、そこでそういう事情に相なった次第でございます。結果的には十九日に結論が出ませんで、ずれたわけでありますが、まあ私どもとしては二十二日の目標がありましたから、これが二十日、二十一日になったのでは、非常に各組合とも処理上一そう困るんじゃないか、できれば十九日に何とか結論を得るようにという希望があったものですから、それでそういう事情になったわけで、あしからずおくみ取りいただきたいと思います。
#8
○千葉千代世君 まあ大臣が五人委員会のメンバーでない、しかし、誠意をもって一生懸命やったとおっしゃるんですけれども、やっぱりもう一歩下がって、当委員会で全国の実情、ほんとうの要求の強さ、それから私どもここで判断して、教職員の待遇についてしっかり五人委員会なり政府なりにやらせるという、こういう使命がやはり文教委員会にあると思うんです。そうした場合には、ここの意見をもってなお強くその五人委員会に要望するし、あるいは総理大臣なり、しかるべきところに折衝なさるという、このほうが私はもっと力があったんじゃないかと思うんですけれども、その点に関していかがですか。
#9
○国務大臣(中村梅吉君) あるいはそうかもしれませんが、実はその当時、参議院及び衆議院の文教関係の個々の議員さんには、私もできるだけ、知識を得るためもあり、また御要請もありましたので、会見をしまして、そしてお目にかかって関係の方々からかなり事情は聞いておりましたから、切実な事情は重々承知しておったつもりでおったわけです。ですから私としては、この五人委員会にできるだけ実情を話して働きかかけることがもう押し詰まった十九日の実情としては非常に大事だという感じがしたものですから、そういうことに時間をとってしまったわけであります。
#10
○千葉千代世君 しかし、当日は時間的に見ても、私ども夜でもいいしということで夕方まで待っておりましたし、何とかして開きたいと思って、文教委員長、理事一緒になってそういう方途を講じたわけですけれども、ついに開かれなかった。しかしこのことは、定例日ということを約束しながら、そういう事情の説明もしに出られないという情勢ではなかったと思うんですけれども、その点についてもう一度お尋ねいたします。
#11
○国務大臣(中村梅吉君) 結果から見るとそういうことになりますが、当時の私の気持ちとしましては、十九日のうちに、夕方あるいは夜になっても結論を出すように、また五人委員会の諸君に、そういう方向になってもらうことに切実な心理状態にあったものですから、今後は定例日にはできるだけほかの用件は入れないようにいたしまして、御期待に沿うようにいたしたいと思っております。
#12
○千葉千代世君 やはり定例日を守るということは、当文教委員会ではずっとそれをやってきたわけですから、今回、そこで大臣のほうからくずされたということは非常に遺憾だと思っております。
 それから、けさもいろいろ御用があったようですけれども、やはり文教委員会には、大臣も責任を持って定刻においでになるということを私希望いたしまして、なお今後も定例日には必ず出ると、こういうふうな方向に進めたいと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
#13
○小林武君 まあいまの件に関連しますけれども、私はあんまり長々とこのことについては申し上げませんけれども、三回、文部大臣の都合で、公報に載せられた委員会が開かれなかった。このことは私どもは至って不満と感じております。そういうふうに委員会を軽視されるような、そういう態度は今後おとりにならぬようにしていただきたいということと、それからいま文部大臣が、委員のそれぞれの人と会ったというようなお話がございましたけれども、これはやはり委員会の席上でやることとは違うと思う。それぞれが、みんなが事態についてどう解決をしたらいいかということになれば、個人的折衝もあるわけでありますけれども、それをもって委員会が代表されるのだというようなことでは、私はあってはならぬ。その点もひとつ、もしそういうお考えであるならば、私は今後の審議の上においていろいろな支障を来たすと思うので、委員会についてはそういうお考えを改めていただきたいと思います。三回もとにかく開かれなかったということは、これは理事、委員長の説明を聞いてみると、いずれも文部省側の意向であるということであります。私のほうでは、それを十分記憶しておいて、これからの審議についても、皆さんだけの一方的なあれじゃなくて、われわれのほうもひとつ大いにこの点については平等に扱ってもらうように、これからもしたいと思っております。そのつもりで願いたいと思います。
 では質問に入りますが、これは公務員賃金に関係する問題ですが、この委員会でありますから、教員のひとつ問題といたしまして、政府は、今度のこの公務員の賃金の問題について、「人事院勧告尊重の建て前は十分貫けたと判断している。」、組合員の大多数が、政府のこの人事院勧告を尊重するということを理解したために、半日ストも不発に終わったというような、こういう見解を官房長官が発表されておると、十月二十四日の毎日新聞に出ているのであります。私は御答弁が、新聞に出たことでありますから、私はよく存じませんというような答弁が出るかと思いますけれども、この勧告の尊重という問題、これに対するいままでの政府の考え方というのは、どうもやはりこの新聞に出ている内容と同じくらいのものであったと、こう理解している。それで文部大臣にお尋ねいたしますが、今度の一体九月実施というのは、人事院勧告を尊重したということになるのですか、どうですか、これをお伺いしたいのです。
#14
○国務大臣(中村梅吉君) 尊重はいたしましたが、結局、結果的に完全実施に至らなかった、こういうことだと思います。この点はことばの使いようですが、従来とも尊重をするというたてまえで、一昨年までは十月実施でございましたが、昨年から九月になり、本年も九月ということになったわけで、問題は、国及び地方の財政事情というものも無視するわけにいきませんから、そこで人事院勧告の時期について、これは各党で、あるいは政府においても研究をして、こういう食い違いは財政の事情があろうとも起こらないようなくふうと努力をしてみる必要があるのじゃないかと私は痛切に感じております。勧告の時期については、完全実施に至りませんでしたが、項目の内容については、大体尊重をして勧告どおりの実施をすることに踏み切って取り扱ったわけでありますから、これはことばの使い方、ものの考え方でいずれにもとれると思いますが、精神としては尊重したという官房長官の談話はやむを得ないことじゃないか、こう思っております。
#15
○小林武君 あなたのただいまの御答弁は、尊重するということは完全実施しなくても尊重するということになる、こういう御答弁だったと思いますが、それは後ほどひとつお尋ねすることにいたしましょう。
 人事院にお尋ねいたしますけれども、給与局長さんにお尋ねをいたしますが、人事院としては、勧告の内容となっているものを簡単に言えば、基本給の六・四%、金額にして三千三百六十円、それを五月実施する。これは離して考えられるものなんですか、実施の時期と内容、この点をひとつ。
#16
○政府委員(瀧本忠男君) 御質問の趣旨があるいは私十分理解できなかったかと思いますので、もしそうでございましたら、もう一度答弁さしていただきたいと思います。
#17
○小林武君 一体ぼくの質問がどうしてわからないのですか、こんな簡単なことじゃないですか。長々と言ったことならともかくですよ、一体、実施の時期と、それからもう一つの幾ら一体上げるのかということとこの二つのことじゃありませんか。そのことを二つ離して考えられるものなのか、人事院の勧告はどうかということを質問しているんですよ。そんなことはどうなんですか、質問の趣旨がわからぬとかわかるとかいう問題じゃありません。そういうあなたのほうであいまいなことを言うから、いつでもこの問題はいいかげんなことになっているのですよ。
#18
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院は御承知のとおりに勧告をいたしたのでございまして、それは内容並びに実施の時期をあわせまして完全実施をお願いしたい、こういうことを申しておるわけです。
#19
○小林武君 人事院の立場から言うと、いわゆる人事院勧告を尊重したとは、今度の場合、九月実施の場合言われないでしょうね、いまのあなたの御答弁だと。
#20
○政府委員(瀧本忠男君) 完全に尊重したというふうには言えないと、このように思います。
#21
○小林武君 不完全尊重というのはどういうことですか、そういう日本語がありますか、尊重というのはどういうことですか、尊重するということは勧告を実施するということではないのですか。実施の時期とそれから何%を上げる、金額にしては幾らということは、それは同一のもので離すことができないことなんですよ。そうでないですか、どうですか。あなたのほうではっきり分けて考えるのですか。あなたのほうで民間の賃金と比較して、そして公務員の賃金はかくかくの差が出ている、だからこれだけ上げて、どれだけの実施期間を持たないというとこれは平等にならない、こういう角度から実施されているとしたら、これは内容的に二つに分けることができないものじゃないですか、どうですか。
#22
○政府委員(瀧本忠男君) 分けるとか分けないとかいうことでございまするが、人事院といたしましては、内容、実施の時期ともに勧告どおりにやっていただきたいということをお願いいたしまして、そうしてこれはあるいはすでに御承知かと思いますけれども、人事院総裁は、勧告したのみならず、政府の現在の段階におきましては、まず政府で原案をおつくりになりまするので、総理大臣をはじめ関係大臣にその趣旨を十分御了解いただくような努力をいたしたのであります。現在の段階は、従来の経緯から申しまするならば、これは原案がきまって――原案はこれは国会で相当の強さを持っておるとは思うのでありまするけれども、なお原案がきまりかけておると、こういう段階であると承知いたしておるのであります。したがいまして、今後におきましても国会で御審議願います。これは最終的には国会でおきめになるのでありまして、その段階でわれわれは十分人事院の勧告について御説明申し上げ、完全実施していただくようにお願いしたい、このように思っております。
#23
○小林武君 完全実施をあなたのほうで要求された。そこであなた、二つに分けるとか分けないとかいうことの意味がわからないというお話でありますが、これはしかし五月実施ということを考えた場合に、五月から実施するのと十月から実施するのとではどのくらいの金額の差があるかということは簡単な算術計算でできるわけです。その五月実施ということは、少なくとも公務員の賃金、地方公務員の賃金について、これだけ実施しなければ総体の金額として賃金上不平等になるから勧告されたんでしょう。そういうことでありませんか。だから内容的にいえば、それは文部大臣の言うように、内容は実施しました、実施期間についてはこれは延ばしました、こういうようなことは人事院の勧告のたてまえからいえば成り立たないことになりませんか、そういうことを聞いているんです。
#24
○政府委員(瀧本忠男君) はなはだ恐縮でございますが、人事院は内容と、実施の時期、ともに完全に実施していただきたい、こういうことをお願いしておる次第であります。
#25
○小林武君 よくわかりました。私はそれであなたにお答えを願いたいのは、内容と時期、文部大臣が二つに分けましたが、ひとつ便宜上分けて申し上げることにして、この二つを完全実施する、これを人事院勧告自体が意味している、こういうことになると、それを五月から実施しないで九月から実施したということになると、尊重したとは言わないのではないですか、どうですか。あなた先ほど尊重したようでもあるし、しないようでもあるような、何だかはっきりしない御答弁でしたけれども、尊重しないということになりませんか。
#26
○政府委員(瀧本忠男君) 尊重ということばがいま非常に問題にされまして、そのことを御質問になっておるわけであります。従来、政府側が使われておる意味というようなものが、必ずしも十分私理解いたしておりません。したがいまして、人事院がお願いいたしますことは、勧告の内容とこの実施の時期をあわせてこれをやっていただきたい、こういうことでございます。
#27
○小林武君 尊重のことについて、あなた、こうだということを言うことを避けられているようでありますが、それでは人事院の勧告は政府によって曲げられた、こういうことになりますか。
#28
○政府委員(瀧本忠男君) 少なくも人事院の勧告は、内容はこの回はそのとおりにお認め願っておるようであります。ただし、実施の時期につきましては、ただいまの原案をおつくりになるにつきまして、五月からでなしに九月とされておるのでありまするから、その限りにおいて違うわけであります。
#29
○小林武君 それでは、そのことによって労働者は、公務員は損失を招いたわけですね。
#30
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院は国家公務員の給与が民間の一般の勤労者の給与というものとバランスがとれるということが好ましい、このことは国家公務員法の精神にもございます。したがいまして、人事院といたしましては、人事院の勧告どおりにこれが実現されますることが、国家公務員が民間の勤労者と肩を並べる、追いつくゆえんである、このように考えております。したがいまして、それがおくれることは、少なくとも人事院が考えておりますことに比べれば公務員の不利である、このように考えております。
#31
○小林武君 ことばじりをとらえるわけじゃありませんが、好ましいというのは、われわれの側から言うと、たいへんどうもなまぬるい話であります。これはあなたにこういうことを申し上げるまでもなく、労働三権というものは、人事院があるということによって引きかえになっているのですよ、そうでしょう。政府と直接団体交渉においてものをきめるなんていうことは公務員はできない。あなたたちの勧告が公務員の賃金をきめるところの一切のものなんです。好ましいなんていう問題じゃない。あなたのほうから出たら、完全実施するというのは当然のことなんです。それを要求するのは、公務員として、これは当然のことでなければならない。それが五月から実施してもらいたいというのを九月からとか十月とか、ある時期においては来年の一月とか、あるいは政府の財政の関係でもって、これはどうとか、先ほどの文部大臣の答弁を聞いても、財政上の問題があれは、これは完全実施しなくてもいいという一つの考え方に立っている。だから六回目なんだ、今度の場合。総評の岩井君なんかが言うと、一人について七万円とにかく損をしていると、こういうことを言う。その計算のあれは、どうも岩井君から詳細に聞いていませんけれども、私が予算委員会で質問したときに、大体五百億ぐらいどうとか何とかいう答弁をしたのじゃないですか。それだけの大きな損失を公務員が受けている。はっきり私はひとつ人事院の立場として、代償機関として、ここで政府は人事院勧告を尊重していませんということをはっきり言ってもらいたい。人事院の性格、人事院は何のためにあるということは、いまさら言うまでもないじゃありませんか。どうです、あなた方は一体あれじゃないですか、そういう使命を受けているのじゃないですか、どうですか。勧告を尊重していない。しているか、していないか、この三つについてはっきりした答弁をしてもらいたい。
#32
○政府委員(瀧本忠男君) 先ほどから申しておりますように、人事院は国家公務員につきまして少なくも勧告の内容どおりその実施を五月からやっていただきたい、こういうことをお願いいたしているわけでございます。したがいまして、ただいま仄聞いたしまする政府の原案というものが九月実施ということでございますので、これは人事院のお願いいたしております、勧告いたしております内容とは違っておる、このように申し上げます。
#33
○小林武君 まあ、だいぶあなたも苦心して答弁をなさっているようであります。違っているといえば尊重していないということだ。
 文部大臣、あなたに質問をしておきます。勧告と違っておる。勧告と違っておるということは、日本人の間でこれを解釈すれば尊重していないということですよ。そういうことになりませんか。勧告と違っているのですよ。それに対するあなたの考えはどうです。
#34
○国務大臣(中村梅吉君) これは考えようですが……。
#35
○小林武君 考えようなんというおかしなことは言わないでください。
#36
○国務大臣(中村梅吉君) 精神は尊重のたてまえですが、完全に実施ができなかった。これは財政事情もありますが、年度のこういう途中に勧告の制度になっておるものですから、私どもとしては今後こういう問題を繰り返さないようにするためには、調査時期とか、勧告の時期というものについて、何か予算編成とマッチしたような制度を研究する必要があるのじゃないか。特に好況で財政収入のいいときなら別ですが、現在のように国も非常に逼迫である。また国は何とかさばくにしても、地方財政というものがまあ非常に困窮した現状にあるというようなときは、政府としては、一つの問題だけじゃなくて、行政全体の立場を常に考えなければならないものですから、結果的に九月実施ということになって、公務員諸君にはたいへん御不満を与えているわけですが、まあ六・四%のアップその他の勧告の内容については完全実施に踏み切ったわけですから、その点から見れば尊重したということになるし、時期の点から見れば尊重が完全でなかったと、こういうことになると思います。いずれにしましても、かような問題を繰り返さないように、何とか人事院勧告というものが完全実施ができるような方法等を今後われわれも研究をしてまいるべきものだと、こう思っております。
#37
○小林武君 そういうことを聞いているのではない。そういう長たらしいことを言わないで、人事院は、あなたのほうは勧告を尊重していないといっているのです。尊重ということばは使わないけれども、実施していないということです。だから、あなたのほうでは尊重していないということを人事院に言われた。それを幾らあなたのほうで実施していると言ってもだめなんですよ。大臣、それは逃げ口上というものだ。そんなことは言わないでほしい。勧告というものは、いつから実施して、内容は、一体金額にして幾らだということになれば、勧告の実施の時期が延びればそれだけ損をする。二千三百幾らの金額について、四カ月伸びれば、掛ける四のあれは損をする。そうすれば、人事院側としては、当然、勧告は実施していないということになる。そうすれば、あなたのほうが尊重したというのはおかしい。そういう私はいいかげんなことを言ってもらいたくない。そういう考え方でいて、今度は、たとえば教員組合を一つ例にとれば、当然の権利である休暇を要求して統一行動をとろうというと、これについての処罰は法によって何々というようなことを文部省が指導しているじゃありませんか。自分が勧告を実施しないでおいて、処罰のほうはおどかしをかけるということは一体どういうことですか。こういう片手落ちなことを私はやるべきでないと思う。あなたはいま財政上のことを云々言った。しかし過去五回やらなかった。そのときは一体財政上はどうだったのですか。高度経済成長がとんとん拍子になっていくときに一体どうだったのですか。なぜ実施しなかったのですか。私は過去五回のうち、四回なら四回やっている、今度は御承知のように、いまのような収入についての見積もりも全然誤りました、歳入に欠陥が出てきましたから、今度はかんべんしてくださいというなら、ある程度世の中では同情する人があるかもしれない。五回も、一体好景気のときも全部やってきて、六回目を迎えているんですよ。財政上というのはどういうわけです。理屈の立たぬことは言ってもらいたくない。あなたのほうも理屈の上に立って、処罰するとか何とか言っているんですから、理屈の立つことを言ってもらいたい。そういう一方的なことを文部大臣として私は言ってもらいたくない。私は何も中村さんに恨みがあるわけじゃないけれども、このことははっきりしておいてもらわなければならぬからやるんですよ。一体そういうあいまいなことでなしに、尊重しなかったということをあなたはおっしゃればよい。どうです。これは人事院は尊重してないとおっしゃるのです。人事院は尊重してないと言うのを、あなたは尊重している、尊重しているとがんばるのです。日本の政府は尊重してないと言ってください、立って。
#38
○国務大臣(中村梅吉君) まあ結局尊重ということばの用語の内容だと思うのです。いろいろな審議会等もありますが、審議会などの答申が出ます場合に、政府として審議会の答申を尊重するという用語を使っておりますが、それじゃ尊重するからといって、政府は審議会の答申どおりに一から十まで実施をするかというと、やはり諸般の政治情勢、国内情勢を勘案して若干の修正をしてきているのが従来の例で、本件の人事院勧吾の問題にいたしまして、人事院は人事院の立場で勧告をされる。政府はそれをできるだけ尊重をして国会の審議に付するというたてまえになっておりますから、時期的にはなるほど従来とも五月実施を勧告されていながら十月であったり九月であったりしている。この時期的には尊重が完全に行なわれていなかったということになりますが、内容的には大体尊重してきているわけですから、まあ官房長官が使った尊重ということばが、結局、用語の問題で、従来の尊重ということばの意味からすれば完全実施ではなかったけれども、尊重したといっても、まあそれが非常にあながち不当なことばであったとは私考えておりません。
#39
○小林武君 まあ大臣もひとつ腰を落ちつけないで立っておやりなさい、ほかの委員会はどうかしらぬけれども、文教委員会はそういう一つの慣例があるのですから。
 それと、やはりあなた勘違いしているんじゃないか。一つは、人事院をどこかの審議会と一緒に考えている。これはとんでもない話です。人事院の人たちはそれはここらで反発しなかったらこれはたいへんなことだと思う。人事院というものは何なのです。審議会のようなもので、尊重しても尊重せぬでもいいわというものではないと思う。これはいずれ人事院のほうにもひとつ説明願うけれども、そういう性格のものではないと思うのです。賃金の問題については、これは実施をいつにするかということと金が幾らというようなことになると何万何千と出てくるのです。そうでしょう。われわれの世界でもって一万円払うところに三千円くらい払って、そうしてどうだ、支払ったじゃないかというようなことを言って、これは一体世の中に通用しますか。三千円もやったらいいじゃないかというようなことをやったら経済界はどうなりますか、そんなことを言ったら。これは経済の話ですよ。これは賃金の話ですよ。これはほかのことと違うのです。金幾らということですから、たとえばこの年度において何万円という金を労働者がもらうということなんですよ。それに対して半分も払わない、何ぼか歩引きしておいて、これでもってがまんしておけということが世の中に通用しますか。そういうことを言ってもらっては困ると思うのです。どう考えても尊重してないじゃないですか。政府のやはり本音がようやくわかったですよ。人事院というものはこれは大したものじゃないと思っているのじゃないか。そんな法律どこにありますか、一体、人事院は聞いても聞かぬでもいいというような。私はそうは思ってはおらぬ。まず、ここで人事院の給与局長に聞きますが、一体、人事院というのは何ですか、いまのようなことでよろしいのですか。
#40
○政府委員(瀧本忠男君) これは、もう私から御説明申し上げるまでもなく御承知のことと思いますが、公務員法の第一次改正が行なわれまして、それで公務員法の第二十八条の二項ができた。そこで、その二項ができたときの状況をいまから考えてみますると、これは明らかに当時許されておりました国家公務員の労働権というものが制約されまして、その代償措置として公務員法の二十八条の二項が入ってきたことと了承いたしております。したがいまして、その限りにおいてやはり人事院の勧告というものは、これは労働基本権を制限いたしておりまする代償措置である、このように思っております。ただしかしながら、御存じのように、勧告というものが法規の上におきましては強制力は持った形になっておりません。しかしながら、これは精神的には十分尊重されて――十分にといいますか、もう非常に尊重されてしかるべきものである、このような確信のもとに勧告をいたしておる次第でございます。
#41
○千葉千代世君 関連。公務員法の第一次改正のときに――尊重されるべき云々とおっしゃったのですけれども――あの当時は、あとでGHQの交渉などに私も立ち会ったわけですけれども、これは完璧に実施するということが、それが不文律のようにきちっと両方に確認されてできたわけです。でなければ、ああいう公務員法の改正なんというものは、なまやさしいものではないですからできるわけではないし、当時のやはり労働者の権利というものが、ほんとうに真剣に自分たちの要求を通すためにどうするか、同時に権利の裏に義務があるわけですから、そういう意味合いにおいて、私たちは権利の尊重と義務というものを再三再四討論をして、そうしてGHQの交渉の中できちっと守るということが徹底して両方で確認されたわけです。そのときに詳しい内容については、福利に関する問題については――当時は、労働協約なり、あるいは労働協約によった面は残すとか、あるいは団体交渉権による労働協約権という締結権がなくなるけれども、いままで協約したその内容についてはやっていく、そういう中で、具体的に福利施設に関する面とか、あるいは婦人の教師の産休の期間とか、そういうものが労働基本法と相まって、そしてそれは確認されて、不満ではありましたけれども、とにかくそのときに締結した団体協約の内容というものが生かされて、それが土台になって次々と、補助教員法も当委員会の皆さんの御理解で立法していくという、こういうふうに前向きに進んでいるわけです。ところが、この労働基本権に対しては、一方的に押し切るだけ押し切れば、それで労働者がおとなしくなるだろうというような、ほんとうの目前のいわゆる自分たちの言うことをきかせるという手段で考えられておったのだ。こういう意味で、私どもはただおこっているのじゃなくて、そういうよってきたる原因を考えたときに、日本の労働者というものがほんとうに生産の意欲をもって、そしてはりはりした発展の中で活動できるかどうかというようなかなめであるわけです。お金はほしいですよ、みんな困っておりますからお金はほしい、しかも最低の最低でもって、ヨーロッパ並みの最低賃金どころか全然低い。蛋白質なんかヨーロッパの六分の一という蛋白質の内容の食費の率になっている。一食六十七円です。そういう計算になったものですから、ほんとうにがまんしている、生きる権利を放棄したいと思うのです。がまんしているのが、ほんとうによくよくのがまん強いことだと考えている。そういう意味で、人事院の衝に当たるあなた方が、まあ労働三権と引きかえにこれを尊重してもらいたい。そういうことだったら私は人事院は要らないと思う、人事院が再三再四要らないと言われた、そういうことでなくて、人事院が必要だということを主張してきたのはそこにあると思う。人事局になって云々、何の委員会をこしらえて人事院を解消していく、やっぱりこれはどこから見たって政策的なものの中に人事院というものがやはり支配されているということは、私どもははっきり見抜くことができるわけです。これはやはり二十年の間、戦争直後から生活の最低の保障ということは、これは当然のことなんです。そういう意味で、これは最低にもいっていないと思うのです、率直に言って。そういう意味合いにおきまして、いま小林委員が言われたように、これはここであいまいにしておきますというと、来年また勧告してだめだ、再来年だめだとなったら、一体、人事院の使命なんていうものは何の意味もなくなってしまう。国会と政府に勧告すると、こういう意味を持ったわけですから、そういう意味合いで政府は政府で考える。国会は国会で考える。政府が補正予算を組んだらそれを審議すればいいというものじゃないと思う。で、私どもは文教委員会を開かなかった理由の起こる原因は、政府と国会に勧告されたわけですから、国会議員として当然ここで公務員の問題、特に私ども関係している地方公務員の問題については、ここではっきりしておきたい。中村文部大臣も確かに一生懸命になってほうぼうお回りになったこともよく知っております。人事院の総裁も五回とか足を運んだとか聞いております。けれども、その運んだだけのことが全然尊重もされなければ何にもされないで、結論的には、内容は尊重したけれども実施については違っておった。こんなことは、あなた、小学校の生徒だってわかることだと思うのです。そういう意味で、あなたが内容とそれから勧告の時期とは不可分だと、これは当然のことです。そういう意味で、やはりこれは私どもは公務員法改正の当時にさかのぼって考えるときに、そんな甘いものじゃなかったということを、私、立ち会った一人として、やはりこれは強く要求しておきます。
#42
○小林武君 いま千葉委員からるる説明がございましたが、人事院の側も考えてもらいたいのです。労働三権を失うということは労働者にとってはたいへんなことなんです。その代償であるとあなたはおっしゃった。しかし、法の上で、きわめて遺憾なことは、強制力を持つというところまでいかない。この点は非常に私は法そのものに問題があると思う。しかし、実施する政府の側としては、私は道義的に責任は感じなければいけないと思うのです。憲法に示された労働者の基本的権利を奪っておいて、その人事院勧告というのは大体なまぬるいものにきまっている。人事院の出すものなんていうのは、われわれおかしくてしようがないというような気持ちもある。一体これが公平な賃金の勧告かどうかというようなことについて疑問をわれわれは持ってきた。しかしながら、われわれはやむを得ず、せめて人事院の勧告ぐらい実施してもらいたいということでやっているのです。それを実施しない。実施しないのに尊重しているという、ぬけぬけとそういうとんでもないことを言う。これが日本の政府の発言だとあっては承知できない。しかも同じ法の中にある、地方公務員法によって禁止されている争議行為云々をして厳重に処罰するなんていう、こういうことを言っている。何たることです。公務員法に示された勧告権を無視しておいて、処罰するほうはこの法によって大いに処罰するのだ、こんなことは一体政治的な道義心のある者なら言えることじゃないと私は思う。何べんやったら一体政府は反省するのか。文部大臣、文句を言っているというか、文部大臣を通して政府に反省してもらいたいということを言っている。しかし、文部大臣も、いいかげんに尊重しているというようなことをここで言わないようにしてもらいたい。申しわけないなら、申しわけないくらい言ってもらいたい。それで満足するわけではないけれども、せめてそのくらいの態度を示してもらいたい。処罰するぞ、こういうことは――だから見なさい、何も知らない教育委員会は、それをまるでうのみにして、いかにも教員が不当なことをやっているとか、そういうような角度で大衆にわかるように処罰のことを強調している。そんなばかげた話がどこにありますか。文部大臣、どうですか。私はあなたにお伺いしますが、尊重にはならないでしょう。これは審議会と比較してはいけないのですよ。それから金を値切るという事実は、ちゃんとあなたは認めなければいかぬ。一万円くれるところに五千円くれて、これでお前尊重したのだ。これは賃金ですぞ、労働をした賃金なんです。よほど悪質などっかの雇用主でなければ、一万円働かして五千円くらいでがまんせいというようなことはない。政府がそれをやっている。政府がそういうことをやるから、下請には親会社がそういうやり方をやったり、労働者に対して雇用主がそういう扱いをしたりして労働省あたりで大困りに困っているじゃないですか。そのことを認めますか、どうですか。あなたはそれでも尊重していると言えますか。尊重しているかどうか、ひとつどうかもう一ぺん聞かしてください。審議会とあなたは比較しておっしゃった、人事院の勧告と審議会と同じにして、一体、言うとおりにやらぬでもいいのだというようなことをお考えなんですか。
#43
○国務大臣(中村梅吉君) 人事院というものは、審議会や何かとは同一に考えておりません。非常に違った重要な意味のあるものと思っておりますが、ただ問題は、尊重という用語の解釈の問題であると思います。なるほど内容的には完全に尊重をしておりますが、時期的には完全実施にならなかった、こういうことでございますから、結局はことばのとりようで尊重とも言えるでしょうし、完全に尊重されていないじゃないかといえばそのとおりであるとも思えます。問題は、この用語の解釈の問題で、完全実施でなかったということは、そういう用語で言えばそう言えると思います。
#44
○小林武君 今度は人事院の局長さんにお尋ねします。六・四%、金額において二千三百六十円ですか、これを五月実施にする、こういうことはあれですか、人事院で勧告したのは昭和四十年の五月から、たとえば十二月なら十二月まで、あなたのほうの計算で総額で幾ら積み重ねてやらなければ不均衡ができると、こう考えて勧告しているのでしょう、そうではありませんか。
#45
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院の勧告は、四月現在で調べてみたところ民間の水準と差がある、そこで俸給表は六・四、そのほかに若干加えましてこれは民間の水準と合わす。そこで四月調査でありまするから五月、こういうことをいっております。ここもちょっといろいろ問題にされておりますけれども、そういうことをいっております。そこで五月から合わしていただくと、まずそこで民間と合っていく、こういうことでございます。したがいまして、これが九月から実施ということになりますると、九月からは合うでありましょう。けれども、五、六、七、八と、ここは人事院が申しましただけ差が残っていく、こういうことになるわけでございます。
#46
○小林武君 四カ月残っていく、だから四カ月だけはマイナスされたということですね。夏期手当もある。そうすると、総額においてどのくらい損になりますか。
#47
○政府委員(瀧本忠男君) いまちょっと詳しい何を、突然でございましたので持ってきておりませんので、はなはだ申しわけございませんが、今回上げようというのが全体を含めまして一人平均二千六百円くらいでございます。それの四カ月分と、こういうことになるわけでございます。さらに言えば期末勤勉手当で、期末勤勉手当のほうは十二月に〇・一上げていただきたいということをお願いしておりますから、だから夏期のところは上がっておりませんけれども、本俸が六・四上がりますとその割りで上がる、それは損失というわけであります。そういうことでございます。
#48
○小林武君 文部大臣、はっきりしたでしょう。それだけやらなければだめだというのです。不均衡ができるというのです。いわば損をしているということなんです。だからそれだけやりなさい。本来なら四月からやらなければならない。人事院の五月なんというのはほんとはおかしい。だけど人事院もだいぶ腰が弱くなっているから、一カ月くらいサバを読んで、そうやって出てきた。そうしたら、それをあなた尊重というのは無理ですよ。ことばの上の解釈だとか、ことばの内容とかいうのは、あなたそういうことを言うのは詭弁ですよ。ほんとに政府というのはそういういいかげんな三百代言みたいなものの言い方をすべきでない。政府としては尊重したなんということを言わずに、金がないからどうにもしようがないと、はっきりこう言えばいい。それを政府はあたりまえのことをやって尊重しているんだ、だから、一体公務員共闘に結集されているたくさんの人間は、政府のこれを認めて今度は行動を起こさなかったんだ、そんなかってなことを言う。これは大衆を欺瞞していますよ。これでは公務員労働者は一体踏んだりけったりです。改めてもらわなければいかぬ。あなたどうですか、その点改める気はありませんか。政府を代表してここで改めますと、こう言ってください。
#49
○国務大臣(中村梅吉君) 厳密に言えば、六・四%アップその他の内容については尊重した。時期的には残念ながら、遺憾ながら諸般の財政事情等、地方財政等を勘案して尊重できなかった、こういうことになると思います。官房長官の談話はどういう用語でありましたか、私はよく記憶しておりませんし、官房長官の感覚でありますから、ちょっとそれについては直接お答えいたしかねます。
#50
○小林武君 それは困りますよ。それは官房長官何を言ったかわからないとか、総理大臣が何を言ったかわからぬということは、私的なことであればかまいませんよ、私的なことは何を言おうがそんなことは責任はありません、あなたたちに。しかし、これだけの大きな問題を起こして、このことについて公的に発表するという場合には、それはあなた国務大臣としての責任がないなんということは言わせませんよ。事実あなたのおっしゃっていることは官房長官と同じことを言っていますよ。その点に責任を持ってくださいと言っている。私はこの委員会の内部で言えば、教員がかわいそうだと思うのです。五年間も一体五カ月も四カ月も値切られてきて、それに対して抗議の行動を起こすといったら、地方公務員法によってそれは違法行為だから処罰するぜというおどかしをかける、そんな理屈に合わないあれがありますか。私はとにかく今日この問題も一つ重大な問題です。同時に、そういうあやまりをここではっきり私はひとつ政府側として述べてもらいたい。教員に対して述べてもらいたい。違法行為だという前に、あなたのほうで、値切ったことは違法行為だと言ってください。それだけの責任がありますよ。政府はそういうことを言わなくても、お前たちは言われるのだというのは、これは明治憲法ならいざ知らず、主権在民の今日そんなことを言わせませんよ。それについてはっきりあなた政府の責任を言ってください、尊重しなかったと。
#51
○国務大臣(中村梅吉君) 官房長官の談話の用語はここにございませんが、要するに、要点は内容的には尊重した。しかし、時期的には完全実施はできなかったけれども、おそらく国全体としての現在の不況の状態等にかんがみてごしんぼう願わなければならない、こういう趣旨であると思います。私どもも五月実施を人事院が勧告しておるのでありますから、完全に五月にできないまでも、昨年は十月から九月に前進をしましたので、若干でも前進をして、一ぺんには、いままでのしきたりもありますし、年度の途中で予算の組みかえも困難でありますから、できないまでも、前進の気持を持っていきたい。そうして期待にこたえたいというつもりはあるのでありますが、御承知のように、国全体、地方も中央も非常に逼迫した折からでありますことは、国家公務員、地方公務員の諸君も国内経済情勢は御存じなわけでありますから、ただしかし、実施時期のほうが完全実施はできなかったけれども、この辺でごしんぼうを願う以外には道がない。政府としては一つの問題だけの処理ではなくて、国全体の諸般の状況を判断をして万事施策を進めるべきでありますから、そういう意味においてやむを得なかった、こう思っております。
#52
○鈴木力君 関連。いまの小林委員の聞いていることと同じことでありますが、ぼくはどうも文部大臣は内容と実施時期という関連がよくわからないのじゃないかという気がする、内容は尊重したが実施時期が尊重できなかったのは遺憾である。内容という意味は、特に賃金の内容という意味は、一年間に幾ら入るかということが賃金の内容であって、これは形の上の給与体系をどうこう言っても内容にはならないわけです。ですから、たとえば今年で申しますと、大臣よくわかってもらいたいのは、五月から実施をして、年度内ですと三月まででありますから十一カ月ですね、そうすると、二万八千円です。本給だけ見ても二万八千六百円の上がり分、そのうち本給だけとって、四カ月分とると一万四百円とられる。そうすると、あと残ったのは一万八千円、二万八千六百円から一万八千円くれて、内容は尊重したが実施時期がおくれたという言い方は成り立たない。五月一日から払うべきものを、十月に五月からさかのぼって払うから実施時期をちょっと待ってくれという場合には、実施時期をおくらしたのは遺憾であるという言い方は成り立つが、しかし、賃金の場合には、少なくとも一万四百円だけは本給からこれだけ取り上げたことになる。これを内容を尊重したという言い方は政府の一方的な言い方で、公務員、世間をごまかす言い方だと思います。だから、私はここでひとつ伺いたいのは、一体、政府はほんとうに人事院の勧告をいままで口先で言っているように大臣考えているのかどうかということです。いまも大臣のことばじりをつかむというのではないが、できないまでもということが先についている、できないまでもということを先につけて、努力いたしましたがと言っている。公務員は五年、ことしで六カ年連続値切られている、その連続値切られているものを内容を尊重したという。ところが内容を尊重したものは、形態だけ実施しておって、内容はいつでも十二分の六、ある年は十二分の五に値切られていることになる。大臣はいつも僻地教育が大事だ大事だと言っていらっしゃる。この私の言わないことの中には、僻地教員の僻地給がこれによってはね上がり分が四カ月分も値切られている。僻地教員の僻地給もそういうことで計算すると内容を尊重したことにはならない。政府が、何か六カ年間の今日までの経過にかんがみて、人事院の勧告の時期を実施しやすいように再検討すべきであるということを決定したということが新聞記事に出ております。そういたしますと、政府がやりいいように人事院は勧告せよということを言っているのでありまして、政府としては人事院の権威を認めて、人事院の勧告を尊重しなければならないという気持ちは全然ないのじゃないか、こういうふうにさえ、私、新聞記事を見て、とればとれるわけです。瀧本給与局長さんに伺いたいのは、人事院は、さっき局長が申されたような経緯で出発をして、人事院は完全に政府の支配を受けない、だれの支配も受けない独立の立場で、独自の立場で調査をして、独自の立場で公務員の賃金がこうあるべきだということを勧告をしておると思うんです。それに対し、政府が、実施できないから勧告の時期を再検討すべきだという言い方は、人事院の制度そのものを認めた言い方だと思っておるのか、あるいは人事院という性格を無視した言い方だと思っておるのか、このことについて人事院の立場から給与局長の意見を聞きたいし、それからまた大臣には、どういう観点からそういうことを決定をしたのか、このことをお聞きしたい。
#53
○小林武君 ちょっと関連して。人事院の局長にお尋ねしたいのですがね、このことをつけ加えてください。五回も六回もこういうことをやって、これについて異議をはさめば違法行為だから、とにかく処分するのだ、こういう政府の態度は、あなた、人事院の立場からいって、人事院というのは労働三権の代償機関として一体存続するだけの意義があるのかどうか、ひとつあなたの率直な意見をつけ加えて、いまと関連して、答弁してください。
#54
○政府委員(瀧本忠男君) 鈴木委員のお話のとおり、人事院は独自性を持って勧告をいたしております。したがいまして、これは先ほども申し上げましたように、二十八条できめてありますることは、勧告即実施という法文上の形にはなっておりません。この点は公労協関係の裁定とちょっと違った形になっておりまするけれども、この精神は、これは当然公労協における仲裁裁定が即実施されるということと同等ないしはそれ以上のものである、このように思っております。と申しますのは、二十八条の一項のほうを見てみますると、これは国会がおきめになるので、そのために人事院が――国会は全能と申しながら、なかなかいろいろ多方面にわたって御活動になりまするので、そう詳細なことまで国会はおやりになれない、立法機関でおやりになるわけにもいかないから、そのために人事院が勧告いたします。で、国会で社会情勢、一般情勢に応じて公務員の給与をおきめになる、こういう規定でございまするので、これは精神的なことを申しますると、むしろ仲裁裁定が実施される以上のものであろう、このように考えておる次第でございます。で、人事院といたしましては、これはもう誠心誠意、人事院の勧告がそのまま実施されることを希望しておることは申すまでもありませんし、またそれだけの努力もいたしてまいった次第であります。しかしながら、法文上、勧告ということは国会と政府にいたします。そこから先は政府で原案をつくり、国会で御審議になるということでございまするので、まあ政府の関係閣僚等に十分御説明申し上げるとともに、国会の審議の場におきまして人事院の勧告を完全に実施していただくように説明を通じてお願い申しておるということでございます。で、まあ現在の状態におきましては、国家公務員法のもとにこういう制度ができておりまするので、われわれといたしましては、この制度が完全に運営されまするように努力いたす以外にないのでございます。
#55
○鈴木力君 政府が、人事院の勧告の時期を再検討せよ、あの時期に勧告されると実施しにくくて困るというようなことがある、それは人事院としてはどういう聞き方をするのかということです。
#56
○政府委員(瀧本忠男君) この問題につきましては、勧告時期の問題が、政府のみならず、国会の論議におきましても、どうも人事院の勧告時期に関連して、尊重されないというような技術的問題があるのではなかろうか。その点は十分に考えてみてはどうかというような御意見が衆参両院の内閣委員会におきまして再三出ております。これは与党の議員の方からも、野党の議員の方からも出ているのであります。したがいまして、人事院といたしましては、技術的にそういうことの研究が足りませんために、いろいろ各方面の混乱を起こしているということに相なりますれば、これは人事院としてはなはだ相すまぬわけでありまするので、一昨年あたりから、勧告の時期につきましていろいろ内部で検討もいたしております。ただ、人事院といたしましては、現在の状態からあとずさりするかっこうでこの問題を落着さすというわけにはまいりません。したがって、少なくとも国家公務員にとりまして不利にならないような方法で、一体時期の問題を考えることができるかどうかということにつきまして、昨年もずいぶん研究いたしたのであります。しかしながら、この昨年一カ年の研究におきましては、有利な方向に向かって現在の時期を変えるということが技術的にできるという結論に達しなかったのであります。したがいまして、昨年もこの問題はあったのでございまするけれども、ことしの勧告にあたりまして、その調査時点をきめまする――昨年の一月ごろの時点でございまするが、そのころまでいろいろああでもない、こうでもないということでやってみましたけれども、よい結論に達しませんでしたので、昨年どおり四月実施ということで準備を開始するということにいたした次第でございます。ことしも問題になっておりまするので、まあ昨年の一、二月ごろまでの研究では、いい方法はなかったのでございますけれども、しかし、まだそれで言い切ってしまうのは早いかもしれない。現在、目下その問題について研究は続行といいますか、再開いたしております。しかしながら、これはあとずさりする形で問題を落着さすわけにはいかないという一つの制限がある、そういうことで、現在研究を続けております。
#57
○小林武君 ちょっと答弁してないのがある。それは、とにかく六回も実施がこのような状態になっている。先ほど言った代償機関についてのあなたの解釈は私は正しいと思う。一体、代償機関として、その責務を果たしているか、そういう点について。
#58
○政府委員(瀧本忠男君) 先ほどから申しておりまするように、これは代償機関でございます。しかしながら、法律の条文上の形におきましては、勧告というものは即実施という形にはなっておりません。それからまた二十八条一項について申しますれば、先ほども申しましたように、むしろ国会がおやりになることを人事院はお手伝いするために勧告するという形にも相なっておるということもございます。したがいまして、この問題で人事院が勧告する立場におきまして、それが完全に尊重されなかったということにつきましては、遺憾な気持ちを持ち続けております。しかしながら、この問題の落着は人事院だけではない。やはり国会、政府全体でこの問題は解決していただかなければならない問題だろうと、このように考えております。
#59
○鈴木力君 さっきぼくが聞いたのは、そういうことを聞きまして、大臣にも同じ中身について――人事院に勧告の時期を再検討しろと政府が決定をしたのは、これはさっき人事院が答えたように、人事院は独自の立場で、だれの支配も受けないでやるという制度になっているのに、政府が実施しにくいからということで、勧告の時期を再検討しろと言っていることは、これは人事院の立場を無視した言い方ではないか、こういうことを聞いているわけです。
#60
○国務大臣(中村梅吉君) これは、おそらくあの五人委員会でそういうことを付帯的に申し合わせたか、話し合ったようでありますが、これは人事院に、勧告の時期を変えろという注文をしたのではないと思います。これは党及び政府として、人事院勧告について、調査の時期及び勧告の時期等について、いままでいつも年度の途中に勧告が出るものですから、思うようにまいりませんで、議論の種になっておりますから、そういうことのないように、何か調査時期及び勧告の時期等について検討の余地があるんじゃないか、こういうことを自分らで検討してみようじゃないという制度上の問題だと思います。別段、政府として人事院にそういう注文をつけた筋合いではないのだ、こう思っております。
#61
○千葉千代世君 やはり人事院の独自性というものと政府というものは、はっきりといえば、政府がここにあって、人事院はやはり別人格としてきちっとあるわけでしょう。お互いに権限を持っているわけでしょう。そうしてみまするというと、自分たちが、政府が完全に人事院の勧告を実施しないで、そのことを棚上げしておって、時期的に云々とか、そういうことについて検討するというそのことは、政府自体の中での話し合いはけっこうです。それを人事院に向かってそうすべきであるという権限は、私はないと思うのですけれども、その点いかがでしょうか。それからもう一つは、まだこの問題は、いま質疑の中で聞いていきますと、ずいぶん問題が残っているようですから、もう一ぺん人事院総裁、それから皆さんにおいでいただいて、それでまたの時期に詳しく質疑をしたいと、こう思っておるわけですけれども、その点について次の質疑に移りたいと思います。(「関連」と呼ぶ者あり)
#62
○小林武君 ぼくが質問者なんだから、あと関連さしているわけですから、そんなぼくが質問を終わらないうちにあっちこっち手を出しちゃ困る。
#63
○千葉千代世君 いまの答えてください。人事院に対して政府がそういう権限はないということと思いますが。
#64
○国務大臣(中村梅吉君) これはおそらく五人委員会としても人事院に注文をつけたのじゃないと思います。もちろん、これは制度上の問題でございますから、本来からいえば国会がその制度上について問題点があるとすれば検討すべきもので、政府は政党政治でございますから、そこで党及び政府としてそういうものを今後の国会の課題として検討しよう、こういう趣旨であったと思います。
#65
○小林武君 そこで、これから長々やるのもあれだが、ひとつあなた、文部大臣にお伺いしておきたいのは、どう考えてみても、人事院側の答弁を聞いてみても、あなたの尊重というものがあんまりりっぱな議論じゃないということが明らかになってきたようです。そこでどうですか、一体、十月二十二日の一斉半日休暇闘争は地方公務員法によって禁じられている争議行為だ、この違法行為に該当する者は中止しなければ処罰するというようなことは一方的じゃないですか、どうですか。あなたは一方的だと思いましょう。一方的だということになれば、ひとつ話はわかりますけれども、どうですか。
#66
○国務大臣(中村梅吉君) 私はこう思うのですが、結局、人事院勧告の処理について政府の考え方は、この間、方針がきまったようなわけでありますが、最終的には国権の最高機関である国会が、これは、最終的に人事院の勧告に対して、国会にも勧告がきておるわけでございまするから、国会が最終的にきめるべきものである。したがって、この勧告の問題は別として、公務員法上争議行為その他が規制されて禁止されている以上は、国会の結論も出ないうちに争議行為をやることはあくまで違法行為であると、私はかように信じております。
#67
○小林武君 そういう無責任なことをおっしゃらないほうがよろしい。実施するかしないか、国会の御意思次第なんですなんというようなことを言う前に、いままで一体過去六回もやってきて、そんなことを具体的に政治家が言っちゃいけませんよ。中村さんのような大政治家がそんなことを言っちゃ困る。そういうことを言っちゃいけない。やはりお互いに話のわかるように進めていかなければいかぬ。あなたのほうで実施すべきものを実施していない。人事院は何と言っているかというと、過去六回もそういうことをやって実施されないことは遺憾だと言っている。しかし、これは強制的にやらせるようなことはできないところに一応問題点があるということは、人事院の立場もよくわかる。だから、あってもなくてもいいというような議論も出てくる。しかし、私はそういうように考えないで、せっかくあるのだから、やはり人事院の権威を認めて、政府もこれを尊重するという態度に出なければいかぬ。ところが尊重と似て非なるものをもって尊重というような詭弁を弄することはいかぬ。そういうやり方をやって片っ方の処罰だけを言うということはこれは片手落ちですよ。あなたもそんなことを言わないで、片手落ちなら片手落ちと言ってくださいよ。どうしても言えないですか、どうですか。そういうことを言ったのは、あるいは教育委員会あたりに強要したのは一体どうですか、これは片手落ちじゃないですか。ないとかあるとか、そう答えればいい。どっちでもいいです。
#68
○国務大臣(中村梅吉君) 私どもの行政を担当する立場から申しますと、秩序の維持ということはすべての基本であると思います。したがって、人事院の勧告制度というのはございますが、先ほどもお話が出ましたように、期日的に非常にむずかしい時期にいつも勧告が出ますので完全消化が行なわれていない。平年度から申しますれば完全実施でありますが、初年度については完全実施になっていないというのが今日まできた経過でございまして、これも政府としての立場では、諸般の財政事情等勘案の結果こういう結論になり、それが国会で最終的に議決をされておるわけでございますが、したがって、国会が最終的にきめる問題でございますから、その結論は国会が国権の最高の権威でありますから、これは別として、制度上、法律的に争議行為、怠業行為等は禁止されて、してはならぬことになっている以上は、この秩序だけは守ってもらうようにつとめなければならぬことは、私どもの立場としてやむを得ないことであると、かように存じております。
#69
○小林武君 ものの道理というものは二つないものですわ。これが民間であったらどういうことになりますか。民間であれば、団体交渉できめたことは確実に守らなければならない。それが年度がどうだとか、企業の状態がどうであるとか、現在の収益がどうなっているかということは別な問題です。これはそれだけの労働者に権利を与えている。これは憲法に明示されている、日本の場合は。そうして政府の、同じ政府部内においても、公共企業体の場合はどうなっていますか。公共企業体の場合は、裁定が出ればこれを値切るということをやっていますか。同じ政府の部内でもそういう差別があるじゃないですか。どう考えたって、あなたのほうはそれは無理なことをやっているんですよ。しかし、あなたのほうでは、いま片手落ちをやりましたということはよう言えない。言う意思もないようだ、これは。私はきょうはこれでやめますが、この次ひとつ人事院総裁にも出てきてもらって徹底的にこの問題はやらなければいけない。まずそのことをあなたよく考えておいてください。民間ではどうか。あなたは民間のことなんかようご存じなんでしょう。あなたのような立場にいたら、民間の会社にも関係があるでしょう。政府の中においてもそうなんだ。あなたも文部大臣だけやったわけじゃないんですから、一体、全逓であるとか、あるいは国労であるとか、そういうところにどういうふうにやっているか。なぜ公務員だけそういう片手落ちをしなければならぬか。しかし、そういう片手落ちをやりながら、公務員法がどうだとかいうようなことを言って、しかも労働者の側から言えば当然の休暇を要求しているだけじゃないですか。このことは、どのようにあなたのほうで言っても片手落ちということは間違いない。しかし、ここでは言わないから、きょうはここで預かっておいて、この次にやることにいたしましょう。私は質問は、この件に関しては終わります。
#70
○委員長(山下春江君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#71
○委員長(山下春江君) 速記起こして。
    ―――――――――――――
#72
○小林武君 二十二日に佐賀県教育委員会は、同県の教職員組合との間に超勤手当で協定を結んだ。これについて文部省の見解が、局長談話並びに課長談話というようなことで示されているようであります。しかし、これは新聞を通して見たのでありまして、その内容は必ずしもそう言ったというようなことはできませんけれども、何しろこういう問題ですから、それぞれ談話を発表されたようであるが、談話を発表された事実があるかどうか。されたとしたら一体どういう談話を発表したか。
#73
○政府委員(齋藤正君) 談話を発表した事実はございません。と申しますのは、談話と申しますのは、通常はっきりして、記者クラブに対して談話ということで一斉に発表するわけでございまして、それがいわゆる新聞発表における談話でございまして、私自身について言えば、これはクラブに参りまして述べたことはございません。ただ、個々にいろいろな事情を伺いに来た際に、私の感触というものが雑談で出るということはありますけれども、本件に関しましては談話等を発表しておりません。それから課長にいたしましても、そういう正式の談話ということを発表さしてはおりません。と申しますのは、実は本日までこのいわゆる佐賀県の教育長と佐賀県の教組との協定と申しますものの実体というものについてはっきりいたしませんで、昨日私がようやく担当者に来てもらいまして概要を聞いたわけでございますから、私はそういう問題については断定的なことはつとめて避けるようにいたしておりますので、事情を聞いておるということを主に述べただけでありまして、談話等は発表いたしておりません。
#74
○小林武君 あれですか、談話は、文部省のやつは、談話にもいろいろな種類があって、あなたの話しするやつも談話でないやつがあるわね。そういう形式的なことを私は聞いておらない。しかし、あなたが話をすれば、齋藤さんのないしょ話ではないわけですね。初中局長の齋藤さんの話、相手はそう受け取るわけです。常識的にひとつやってもらわなければ困る。あなたが言えば相当の影響力を持つ、課長さんが話をすれば課長さんの話として出るのですよ。ただし個人的な話というようなことは断わればありますよ、われわれでも。これはもう個人的なあれで、てなことを言う場合はあります。お互いにそういうことは認め合ってけっこうだと思うのです。それじゃあれですか、いわゆる局長とか課長とかいう立場では話したことがないと、こういうわけですか。
#75
○政府委員(齋藤正君) 話と申しますのは、要するに談話ということでよく整理をいたしまして、いわゆる役所の内部で申しますれば決裁をとって正式の見解を述べるということは本件についてはいまいたしておりません。ただ、話として、いろいろ状況はどうだ、こういう場合であったらこれはどうだというようなことは、これはどうも人間でございますから、これにいろいろな応答が行なわれるものでございますので、こういうことは全然なかったわけではございません。
#76
○小林武君 はなはだ無礼な話ですね、あなたの話は、質問に対して。無礼だと思いませんか、あなた。ここであなた、ないしょ話の話をしておるのじゃない。あなたの私事にかかわることだとか、あなたが役目を離れて話されたことをここで問いただしておるのでもない。そういうことはあり得るとぼくは認めておる、ぼくらでもそういうことがあるのだから。そういうことを聞いているのじゃないのですよ。しかし、あなたのほうで決裁を受けようが受けまいが、少なくとも局長として意見はどうですかと問われれば、それは局長の話です。意見です。われわれで言えば談話ですよ。役所の談話は別かもしらぬけれども、そういうことをやったことはないのですか。これはとにかく齋藤の個人の意見で外部に発表されたのでは困る、こういうことであれば別です。答える必要はない。
#77
○政府委員(齋藤正君) 私はそういうように個人の話で、これはほかに言わないことだという限定付の話は、このような場合には一切しておりません。したがいまして、私が申したことにつきましては、もちろん私自身としては責任を持つことでございます。
#78
○小林武君 責任を持つということは、あなたが局長としての責任でしょうね。そういう話はあったわけですな。
#79
○政府委員(齋藤正君) 一、二新聞記者の方がこられまして、状況はどうだということで、かりにこういう状況であればこうだということを話したことはございます。
#80
○小林武君 談話でなくて、今度はその話でいきましよう。どんなことを話しましたか、ひとつ。私はあなたがどう思おうと思うまいと、これは局長としての話だ、そういうふうに一方的なものとして取り扱いますから、どういうことを話したか、あなたの責任上の問題ですから。それから課長がどんなことを話したか、これもあなたは知らないとは言わないでしょうね。
#81
○政府委員(齋藤正君) 課長の話がどうであったかということは、私その場にいませんでしたから承知いたしておりません。私が申しましたのは、これはその正式の談話ということでないのですから、まとめてどういうふうに話したか記憶ありませんけれども、たしか一回目に電話等で何かあった、事情を言ったときに、話がありましたときには、当時、教育委員会としては、その異常な雰囲気のもとで行なわれたものであって、教育委員会としては、これは正式の協定としてとるかどうかについては議論をしているという段階の状況を聞きましたので、そのことを申しました。それから教育委員会と教育長との権限の委任関係というものがどうなっているか佐賀県の場合にはわからないから、その点を調べないとはっきりしない。第三点は、協定の正文も、私どももそのころは知りませんでした。私は協定と称せられるものをきのう初めて見たわけでございまして、それはわかりませんけれども、電話等で聞きまして、市町村の教育委員会の休暇の行使等の問題について触れておりますから、そういたしますと、県の教育委員会の協定を結ぶべき事柄と、それから市町村の権限との関係について問題もあろうという問題点の指摘をした程度でありまして、断定的なことを私は申した記憶はないのであります。
#82
○小林武君 何ですか、ちょっと一項目聞き漏らしたのですが、異常な雰囲気でということはどういうことですか。異常な雰囲気というのは。
#83
○政府委員(齋藤正君) 異常な雰囲気のもとでサインを迫られたということを電話でとりあえず状況を聞いたものですから、そういう状況等があれば、その状況等をよく聞いてみなければわからない、また法律論といたしまして、協定自体を教育長に包括的に委任してあるのか、あるいはその場合に個別的に委任してあるのか、そういう問題も法律問題としては一つ問題になるでありましょうということを申したのであります。
#84
○小林武君 異常な雰囲気でというのは、あなたが見たわけではないんだから、だれからそういうことを報告を受けたわけですか。
#85
○政府委員(齋藤正君) 教育委員会の関係者から受けたのであります。なお、昨日の口頭報告によりましても、そのとおりの報告を受けております。
#86
○小林武君 関係者というのはだれですか。佐賀県教組と教育委員会との間に話し合いをしている、交渉をしているその交渉が、異常であるとか異常でないとかということを断定して、一体、あなたに報告することのできる人はだれなんですか。
#87
○政府委員(齋藤正君) 私は直接ではございませんけれども、担当の課におきまして、委員長ないしは担当の課の課長補佐から電話があったというふうに承知しております。
#88
○小林武君 そうすると、これは間違いないですな。委員長並びに課長補佐――何という課長補佐か知らぬが、課長補佐たくさんいると思うのだが、担当の課長補佐ですか。これが異常な雰囲気の中で行なわれたと、こう言うのですか。そのときには交渉の相手になっておったのはだれなんです、委員長ですか。
#89
○政府委員(齋藤正君) 当時は教育長でございますが、教育長はその直後病気で倒れまして入院いたしました。
#90
○小林武君 入院したことは、これはまあ別として、一体、交渉相手になっているのは教育長なんでしょう。教育長が一体異常な雰囲気だとか何とかというようなことを言っているわけではないんですな。
#91
○政府委員(齋藤正君) 異常な雰囲気ということばにつきましては、その後、昨日報告を受けましたところが、十月二十二日の午後十三時三十分から緊急臨時教育委員会が開催されて、その中に、なおこの協定は、二十二日の異常な雰囲気の中で結ばれたものであることということを確認いたしております。ですからその間にだれが異常と認めてどういうふうに、だれがどうしたかという経緯については承知いたしませんけれども、教育委員会は正式の委員会を開いて、そういうことを決定されたということを報告を受けております。
#92
○小林武君 正式の委員会を開いて、その委員会と教組が交渉をしたと、そして新聞によって見ても教育長ははっきり協定を結んで、この問題については前向きの姿勢で取り組むと、しかもその内容はかくかくとものをきめたんでしょう。きめたのに一体何が異常な雰囲気なんですか。異常な雰囲気というのはこういうことじゃないですか。ストライキ、争議行為、あるいは団体的な行動をとる、いろんな問題があるわけでしょう、労使の間でやるには。この場合には、半日休暇闘争をやるかやらないかと、これはもう普通の民間労働組合から見ればまるでつまらないことのようだけれども、公務員の中、あるいは教員組合の中で言えば、まるで清水の舞台から飛び降りたような気持ちでいるかもしらぬ。そういうことをやるかやらぬかということをきめるんだから、当然その中でも緊張しておったことはあたりまえじゃないですか。異常というのは具体的に何が異常なんですか。あなたのほうもその問題を取り上げてこれからやることだろうから。異常というのは一体どういうことが異常なのか。時間が長いなんということは異常にならない。皆さん、政府と公労協との交渉を見ても、夜明けの八時ごろになって――夜明けじゃない、朝の八時ごろになってからやめましたといって、国鉄があれするようなこともある。そうすりゃ徹夜なんですよ。これはもうそんなことはたくさんあることなんだ。あなたのほうだって予算交渉するときには徹夜をやる。異常な雰囲気かね、それは。一体そういう長いのがあれか、それとも何か起こったのか、これは明らかにしてもらいたいですね。異常なんということは、いいかげんに言ってもらっては困る。
#93
○政府委員(齋藤正君) 一つ私が申したことを間違っておとりになっていますから、教育委員会を正式に二十二日に開いたと申しますのは、これは教育委員会が正式に開いて交渉したいということを申し上げたのではございません。これは二十一日の午後十三時ごろから二十二日の未明にかけて交渉が行なわれたあと、正式の臨時委員会を開いて、その事態に対してどう認識するかということで開催された、その内容が、教育委員会としては異常な雰囲気の中で結ばれたものであるということを報告を申しているのであります。で、それでは前のところはどうかと申しますと、この交渉に当たったのは教育長でございます。教育委員ではございません、教育長であります。で、これは向こうの佐賀県のほうの報告によりますれば、要するに、簡単に申しますと、もちろん時間も長かった、そうして交渉される場というものも、これは県協の方々もおったし、それから県会議員といいますか、政治家の方々もおって、そこで実は二十日、二十一日、二十一日は十一時から始まりまして、これが断続してあるいは十五時から十八時、あるいは十九時三十分から二十三時、あるいは二十三時から二十二日の三時というように、非常に大勢の方がおって、しかもこの協定につきましては、担当者の説明を聞きますと、十分に検討する余裕もないままに、その教組の委員長でございますか、書いたものをサインしろ、サインしろという形ですすめられ、そこで教育長は検討したいから休憩をしたいということを再三申し入れているのでありますが、その休憩の必要なしということで、この内部検討の休憩を申し入れましても、それがいれられないということで、担当の課長も、重大な勤務条件を、このような場で直ちにここでサインすることはできないというような助言をしているのでありますけれども、これが非常に激高の種になりまして、とうとう教育長がサインをしたというような形になっております。したがいまして、この内容を見ましても、私どもが担当の者に聞きましても、ここは一体どういう意味を意味するのか、ここはどうだと言いましても、それは私どもは検討の余地もないのだというようなことでございまするから、おそらくそういう事態をさして、教育委員会としては異常の事態である、異常な雰囲気の中で行なわれたものであって、この協定につきましては適正を欠くものがあったという判断をいたしまして、ここに地教委の連絡会議にそのことを申しているようでございます。けさ方電話でそのことを聞きました。そのような経緯になっております。
#94
○小林武君 あなたの話を聞いているというと、何か交渉というものを理解してないようですね。交渉というのはあなたのほうではやったことはないだろうからね。よく御存じないのだろう。交渉なんというのは、何か悪いことでもやっているように思うような人にはなかなか交渉はよくわからぬ。交渉というのは、交渉の当事者は教育長でしょう。はたの者がいろいろなことをかれこれ言うべき筋合いじゃない、向こうの当事者は向こうの当事者で代表を出してきている、そこの間で話し合いを進めていって、合意に達した、組合側がサインしろと言うのはあたりまえじゃないですか。こういうあれについてサインしてもらいたいといって申し入れる、これが交渉じゃないですか。賃金なら、上げてくれろというのはあたりまえですよ、なぜ上げないのですかということを言うのはあたりまえだ。これは上げられないと言うのは、これは言い分としても言って悪くない、交渉だから。そういうようなことが異常だなんというふうに考えるのはちょっとおかしいし、それからあなたのいまの話を聞いてみるというと、教育長が一つも出てこないね。教育長は、私は異常な空気でもって頭がおかしくなったとか何とかいうようなことも言ってないし、第三者がそう見たとか何とかいうことばかり言っているね。課長がどうだとか、課長補佐どうだとかいう問題じゃないのですよ。教育長が一体どういう交渉をしたか、どういう受け答えをしたのか、どういうことでその協定を結んだのか、そういうことでないですか。そういういいかげんなことを言っちゃいかぬですよ。そういうしろうとくさいことを言ってもらっては困る。何か暴力でもふるったようなことをにおわせるようなものの言い方は、こういうところでは言ってもらいたくない。それから内容について、課長が何をどうしてと、課長に一々お伺いを立てて教育長がやるわけのものでないでしょう。協定というものは、お互いに妥協したり、あるいはあるものが出ればあるものは引っ込まなければならぬというようなことが起こるわけです。その事態の解決はそのあとにしなければならぬことだ。文部省の気に入ろうが入るまいが、そんなことは別のことですよ。だからそういうことについて、あなた何か初めからどうもあれでないですか、これに何か文句をつけたいというような意図でやっているようにぼくのほうには聞こえるのだね。その一体、異常な雰囲気はよくわからないし、交渉がまともでなかったという話も成り立たないんじゃないですか。それからあなたは何ですか、こういう考えがありますか。教育委員会のその委員会の人たちが立ち会わなければうまくないというような考え方があるのですか、どうですか、交渉には。
#95
○政府委員(齋藤正君) 第一点のそのよくわからない――要するに、それは交渉の場でいろいろなことがあり得るということは私もわかります。しかし、およそ文書で協定をするという段階になりますれば、これはあとあと非常に残る問題ですから、通常の形という、少なくともそれをよく教育委員会の内部で吟味するという状態がなければ、これは文書の協定というものは非常に不正確なものになります。ですから、その文言について検討する余裕をくれ、休憩をくれと、これは教育長自身が再三こう言っておって、それもできなかったというような状況でございまするから、それは通常考えられる文書の協定をする場としてはふさわしくないという判断はしただろうと思います。それから、教育長は、それではこれをやる交渉の場合に教育委員会との関係はどうかということは、もちろん教育長がやる場合もございます。通常の場合やることが多いでございましょう。それは明瞭に教育委員会の方針を体して、あるいは包括的に委任をされてやるわけでございますから、もちろん教育長がやったことだから、その協定の効力がないというわけではありません。ただ当時の雰囲気といたしましては、おそらく重大なことでございますから、これは事務的にも検討をするし、あるいは教育委員会の判断を求めるということも少なくとも必要な場合があるわけでございますから、そういうことをなす余裕がなかったということを、これを私予断を持って言っているわけではございませんで、昨日、口頭で事情を、私自身も間違いがあるといけないからと思いまして、聞いたような次第でございまして、それを教育委員会自身が異常な雰囲気ということばを使って判断しているということを申し上げただけであります。
#96
○小林武君 それは教育委員会が何と言おうと、外部で見ていた者がどう言おうと、それはかまわないがね、見る場合には。しかし、あなたのほうで受け取る場合には、教育長が交渉したという事実は認めなければならないですよ。たとえば休憩を求めたという場合には、これは許される場合もあるし、許されない場合もあるのですよ、交渉の技術の上から言えば。あなたのほうだってそうでしょう。例をとってみれば、委員会定例のあれを開いて、定例の委員会を公報に載せてある場合でも、あなたのほうの都合が悪ければ、結局やらない場合だってあるでしょう。一方的都合で三回もけ飛ばした、大いに不満はありますよ。ところが面と顔を何かしてやっておいて、ちょっと時間をかしたら逃げられてしまうというようなことだってないわけじゃないですよ、これは。そういうことは往々にしてあることなんです。いや、だから休憩しないできめようじゃないかということは、これは交渉の席上であり得ることですよ。それを異常な雰囲気とか何とかということをあまり言ってもらいたくない。ただし、あなたのほうで、ぼくがよく調べてみなければならぬなと思うところまでいくとすれば、教育長が、私は全く自分の意思でやったのではありませんというなら、これは別です。しかし、教育長が病気になったから、病気になったのは、何か異常な雰囲気で当てられたのかどうかというようなことは、これは考え過ごしでしょう。われわれの場合だって、交渉の途中で気分悪くなったというようなことだってないことじゃない。明け方までやれば、そのくらいのことは出ますよ、だれかは。そのことをもって一々両者の話にけちをつけるような、そういう言い方はやめてもらいたい。はっきり調べもしないことを。まずそのことが一つですよ。大体一方的にものを考えて、そうして超勤手当の協定を結んだことについて、いろいろ文句をつけるようなやり方は言ってもらっては困る。佐賀の問題ばかりではないでしょう。千葉の場合においても、そのほかたくさんあるじゃないですか。この教育委員会と教育長の問題はそうだね。教育委員会でとにかく教組と協定を結んだら、教育長がやるのに教育委員会がやったといって、あなたのほうで文句をつけたことがあるでしょう。その場限りのいいかげんなことを言ってもらっては困る。教育長がやれば教育長一人ではぐあいが悪いようなことを言ってみたり、今度は教育委員会の皆さんが教育委員長を先頭にして協定を結べば、教育長がいないのはけしからぬ、教育長がやる仕事だと言ってみたり、そんな妙な言いがかりじゃなしに、教育長も、やるときには教育委員会を代表して、少なくとも日ごろ委員会の意思を十分自分が代表できると思うからやったのだろうし、教育委員会が委員長を先頭に立ててやるという場合もあり得ると思う。一々そういうことをいつも都会のいいようにばかり判断してやるというようなやり方は、ちょっとやめてもらいたいね。異常な雰囲気は抜きにして、この協定の問題は、異常な雰囲気をやっておったってしようがないから、協定の問題について、どういう内容で協定を結んでいるのですか。それからその内容について困るというのはどういうことですか。困るというのはおかしいけれども、あなたのほうで、これはぐあいが悪いということがあったら言ってください。
#97
○政府委員(齋藤正君) 最初に申し上げますけれども、異常な雰囲気ということばは、教育委員会が自体で判断して報告していることを私は申し述べただけでございまして、私がいわゆるこの状況を一方的に判断したのではございません。
 さて、その当時サインされた協定の内容でございますが、それは、
 一、教職員の勤務時間は、労働基準法及勤務時間に関する条例に基き、一週四十四時間以内、一日八時間以内とし、これ以上の勤務は一切行なう必要はないし、これを超過する場合は、労基法三十六条の規定により、佐教組との間に話し合い、協定を行ない、超過勤務手当を支払うものとする。
 一、労基法に基き一日四十五分の休憩時間を必ず与えなければならない。従って給食事務、休憩中の児童生徒の取り扱いは、校長・教頭の責任とする。
 一、右の件に違反する校長に対しては、厳正な態度をもって措置する。
 一、以上の件については、教育長名で地教委・校長に通達する。
 以上です。
#98
○小林武君 それをどう指導するのですか、あなたのほうでは何かさっきぐあいが悪いというようなことを言っておりましたね。
#99
○政府委員(齋藤正君) まず、教育委員会側がこの協定を結んだ、その文言につきまして、どういう判断を持っているのだということを聞きましたけれども、その点について、自分たちに検討する余裕がなかったから明瞭でない点があるということを第一点に申しておるわけでございます。ただ、これを私がいまの段階でどこがどうだということをすぐに申し上げるのもどうかと思いますけれども、一例を申しますれば、一週四十四時間、一日八時間というふうに、必ずしも限定をする協定をする必要が、教育委員会の側から見れば、はたして実情に適するかどうか。四十四時間ということは、条例事項でございますからありません。しかし、それと八時間というものを、両方の要素にすることは、必ずしも運用として必要ない。これは、国立学校の先生につきましても、四十四時間の勤務の振り合いというものを、これは適当に割り振って、そして勤務実態と学校運営に支障のないようにするということでございますから、こういう点の問題は、どういうふうに考えておるかというようなことも聞きました。また、こまかいことでございますけれども、たとえば労基法三十六条の規定というよりは、むしろこれは三十七条の協定を意味しているのでありましょうし、また、四十五分の休憩を必ず与えなければならぬ。これはまさに条例の事項でもございましょうし、あるいは労働基準法の問題でもございましょう。しかし、それがしたがって直ちに、この辺になってくると文言自体がわからないのでございますが、休憩中の児童生徒の取り扱いは、校長、教頭の責任とするという文言も、これはわからない。これは休憩時間を与えるということと、それから休憩時間を学校の実態に即してどういうふうに振り割るかということとは別のことで、これは教育委員会の立場からいえば、およそこれは、この文面は非常に不明瞭でございますけれども、一体四十五分を一斉にやってしまって、その間は教頭、校長だけの責任とするとありますから、その文言が非常に不明確でございますけれども、一般の先生方は全部一斉に休んでしまって、校長、教頭だけがその執務に当たるのだというようなことも、これも教育委員会の立場からすれば、何も労働基準法なり条例を守るからといって、こういう協定をすることも、通常の学校運営の場合には私は不自然だと思うのでありますが、この点につきましては、一々の見解をどういうつもりで書いたのだということの、少なくともこの点については、先ほど申し上げたような事情であるので十分な検討を経てない。ここで的確に答えられないというような事情であったわけであります。
#100
○小林武君 そうすると、あなたの、いままでいろんなことを言ったけれども、結局、内容的に明瞭でないということですな。内容的に明瞭でないから、内容的に明らかになるように報告を求めるということですか、そういうことですね。
#101
○政府委員(齋藤正君) さようでございまするし、また、それに付随いたしまして、この協定自体につきまして、教育委員会として、今後どのような措置をとるかというようなこと等も事情を聞いてみたいと思います。また、この協定自体は、一体、府県の協定というものとそれから休憩と服務について権限を有します市町村教育委員会との関係というものが、かりにこの種のものが効力を生ずる場合に、どういう関係が生ずるのかという点等もなお検討してみたいと思います。
#102
○小林武君 あなたは、内容的にまず明らかでないということが一つあるでしょう。私も新聞で見たあれですから、新聞の記事だけではわからないのです。新聞の記事と大体あなたのおっしゃるのは同じようなことです。一つ何々、一つ何々、しかし、これだけの文章であるかどうかということは、これはわからない。内容がわからないでしょう。だから、あなたのほうでこれからいろいろ文部省として助言したり指導したりするということになれば、内容が明らかになって、その上に立っていろいろな判断をしてやらなければならぬということになりますね。そういうことでしょう。
#103
○政府委員(齋藤正君) さようでございます。なお、内容が明らかでない。しかし、一面において、その明らかでないというものが、事実はサインをしているわけでございますから、そのものの取り扱いを教育委員会がどう取り扱うかということの事態の推移もなお私たちは見てまいりたいと思います。
#104
○小林武君 質問に対する答えではない、あなたのやつは。サインしたという事実はある。しかし、そのサインされたものは、あなたのほうが手にとってみて、なるほど一つも問題はありませんという、そういうものであるかもわからないんでしょう。あなたのほうで手にとってみて、内容が十分熟知されれば、あなたのほうでなるほどこういう協定ならば何も文句はないというようなこともあり得るわけでしょう。いまのところそういう点が明らかでないというんでしょう。
#105
○政府委員(齋藤正君) 内容自体は、私、昨日手にとったものを申し上げているわけです。手にとったものを申し上げて、御質問によって、それについてどういうことが考えられるかという御質問があったから、そこで一、二について、たとえばこういう問題もありましょうということを申し上げたのであります。ただそこで、その点で一体正式に受け取ってみたものが、一体どういうつもりで教育委員会は処理をするという考え方で書かれているのかということを詰めましたところが、それについてはかくかくの経緯であって、この文言について的確に御説明をするという状況にもないということを申しているのであります。
#106
○小林武君 それは教育長がいないからということですか、向こうのほうが説明できないというのは。
#107
○政府委員(齋藤正君) その点は、教育長は入院をしておりまするし、担当の教職員課長が教育長代理を命ぜられておりますので、課長補佐がまいりました。ですから課長補佐の一応の説明ということでございまするから。なお、私どもは教育長代理等に的確に説明を求めるということの必要はもちろんあろうと思います。
#108
○小林武君 教育長は病気で、交渉に当たった当事者の教育長というのはどういう意図で、それを具体的に実施する場合にどういう問題があって、それを一体どうするのかというようなことについては、教育長の意図を聞く事情にはいまないわけですね、入院しておって。
#109
○政府委員(齋藤正君) 教育長からの簡単な伝言はございましたけれども、それを一つ一つ、ことばでございますし、人を介したことでございますから、いまここで私申し上げないほうがいいと思います。
#110
○小林武君 思わせぶりなことを言わないで、結局、教育長の意図というものは、いまはっきりいろいろな点で具体的な実施の段階にまでいくような、詳細に説明するような事態にはないんでしょう。結局、当事者でない者からあなたは聞いているわけでしょう。いまは教育長代理というようなものができたところで、これは協定を結んだ当事者ではないのですから、教育長というのは、その人は全くしろうとではないんでしょう。
#111
○政府委員(齋藤正君) もちろんしろうとではなくて、十分に教育行政について通暁されている、教育長としての適格者だと思います。ただ、この点につきましては、なおこれを佐賀県の教育委員会としてどういうふうに取り扱うのか、それからその文言をどういうふうに理解しているのか、その後の推移をどう処理されようとするのかということは、あらためて私も聞きたいと思います。ただ、教育長と全然接触がないわけではございませんけれども、それはいまここでどういうことを言ったということを、文書で出していただいているわけではございませんので、来た者がことばとして伝えております程度でございますので、ここでその内容を申し上げるということにつきましては、もう少し教育委員会なり教育長自身の考えというものをはっきりさしてから申したほうがいいというふうに考えているわけでございます。
#112
○小林武君 それでは文部大臣にひとつの希望を申し上げて、また、一、二答えていただきたいのです。とにかくこういうような協定を結ばれたということについて、私はいつでも心配していることが一つあるんです。こういう協定が結ばれると、必ず異常な雰囲気だとか、圧力に屈してどうしたとかいうことをとかくやりたがる。どうも今度の場合にもそのにおいがぼくは非常に強いと思う。たとえば異常の雰囲気なんていうことについて、たいへん局長をはじめとして強調されるような傾向にあるのは、事態を正しく見るということからいえばこれはじゃまになる。とかくそういう気風が文部省の中や教育委員会の中にあって、私は両者が誠心誠意をこめて長時間かけてやったことが、結果的には非常に妙な受け取り方をされて、次の混乱を巻き起こしたり、あるいは組合と教育委員会、文部省との間に問題を投げかけたりするようなことになった例がたくさんあるということを考えまして、どうぞひとつ大臣としては、この問題を冷静な立場でお互いが取り組んで、具体的に実施する場合にはどうこうというようなことについて、十分いい結果が出るように、できるような雰囲気をひとつつくるように指導を願いたいと思うんです。これは希望であります。
 それと一つだけお伺いいたしますが、超勤手当の協定が出ましたが、これについては大臣は異議ないでしょうな。超勤手当を支給するということについては。せっかく大臣も前向きの姿勢で一千六百万円ですか、予算を組まれて調査をされるというんですが、現場と接触している教育委員会側から見れば、そういう事実を認めざるを得ないというところへ来て協定を結ばれたと思うんですが、この点について特別の異議はないでしょう。好ましいことではないですか。いかがですか、この点お答えを願います。
#113
○国務大臣(中村梅吉君) まだ、いま局長からいろいろお答え申し上げたように、事情も実はよくわかっていないわけです。私どものほうとしては事情をまずつぶさに承知をし、また、県の教育委員会がどういうふうに処置されるか、それら等も推移を見て検討をしてもらいたい、かように存じております。
#114
○小林武君 まあ御検討を願うということは当然だと思いますが、ただ一つ大臣に御理解をいただきたいのは、超勤手当が当然だというようなことをそろそろお考えになっておるようであるということと、もう一つは、千葉県では県の人事委員会が県の教委に支払い命令を出したという事実がある。あるいは東京とか静岡でも、この問題では行政訴訟に持ち込まれているというような事実もある。こういう事実もあるわけでありますから、もうここらで超勤手当の問題については現場で結局急速に解決をせざるを得ない問題である、文部省のきめるのを待っていられないというくらい当面した大きな問題だと思います。これはもう教育に関心を持っておる方々は、自民党の皆さんでもそういうことを強く感じておられる方もあるわけですから、どうぞひとつそういう角度で御検討を願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#115
○小林武君 少し時間が長くなりましたが、一つだけやってやめましょう。もう一つ質問します。これは簡単にやります。もう一つやるとたいへん長くなりますから、短いやつだけ大臣にお尋ねいたしますが、旧海軍の爆雷のようなものですが、これで釧路の共栄小学校の子供が何人か死に、二十数人が重軽傷を負ったという。それから教員もこの中にいるわけです。これは私の知り合いなんですけれども、その何というのですか、爆雷の破片が子供のからだのあちこちに入った。こういう事件があるのですが、これについてお調べになったでしょうか。爆雷物は一体何であったのかというようなこと。それから、なるたけ答弁を早く終わらせる意味で申し上げますと、北海道の教育委員会はどんな処置をとったのかというようなことをちょっと聞きたい。
#116
○政府委員(西田剛君) 北海道の教育委員会からも報告がまいっておりますが、十月五日に釧路市の共栄小学校の六年生八組三百六十人が、例年実施しております新富士海岸に炊事の遠足に出かけて、そこでまあ炊事訓練を行なっておりましたが、大体コンロを用いて炊事を行なっておりましたところ、海岸にストーブに適したバケツのような形の漂流物がつきましたので、子供がこれを、ストーブに非常に適しておるというので、それを使って火をたくというようなことになりまして、それを使いましたところ、それが爆発をいたしまして、教員二名を含めまして、教生一名、児童三十三名、計三十六人の死傷者を生じました。そこでさっそく、大ぜいの先生方もおられましたので、手ぎわよく近所の病院にお運びいたしまして手当てをいたしましたのですが、結果的には即死いたした者一人、病院に入ってからなくなられた方三人というようなことで大きな事故となったような状況でございまいます。なお、その漂流物につきましては現在のところ調査いたしましたところ、旧海軍が使っていた爆発物、爆雷ではないかという推定が行なわれておりますれども、なお今後調査してみないとはっきりしたことはわからないのではないかと、こういうふうな状況でございます。
 一応その程度の報告がまいっております。
#117
○小林武君 そこで、一体その負傷した者、死んだ者ですね、これについて、一体、道の教育委員会ではどう手当てをしたらいいものか、たとえば、負傷者によりますと、その破片が入っておるのを直ちにみんな取ることができないらしいのですね。そうすると、それが化膿して、どうかするというとそのつど取るということになって、いわゆる鉄の破片は何年目になったら取れるものかわからぬというような状況らしいのです。だから、たいへんなこれは負傷だと思うのですよ。まあ死んだ方はいずれもこれはお気の毒でありますけれども、負傷した者もそういうことになる。したがって、これをどうするかということになりますと、これは道の教育委員会としても、これは処置のしかたに困惑しているというのが事実だと思う。取りあえず、一体、文部省とか道教委とかというようなものは、死亡者、それから負傷者に対してどの程度の何といいますか、治療その他について処置をしたのか、その点ひとつ明らかにしてもらいたい。
#118
○政府委員(西田剛君) 道のほうからの処置については承知いたしておりませんが、地元からは、死者に対して弔慰金十万円、それから負傷者に対しては一万円、五千円、千円というような段階を設けて出しておるようでございます。それから、政府といたしましても弔慰金、見舞金を持ってまいっておるようでございますが、金額をさだかにしておりません。なお、この災害は学校管理下における災害でございますから、学校安全会としては当然対象になりますので、申請あり次第、所定の金額を支払うというたてまえになっております。以上でございます。
#119
○小林武君 そのまあ学校安全会とか何とかということはこれはきまり切ったことですよね。そこで、まあその他一体国でお見舞を上げたというようなこと、金額が明らかでないということはぼくはちょっと不満なんですが、これはちょっとあとでひとつ調べてください。
 そこで、大臣にお尋ねするのですが、これは道の議会のほうでも問題になりまして、先ほども言ったように、負傷が負傷で、直ちに全部摘出してしまうということはできない、何十年もからだの中に持っていて、何か故障が起きたら、そのつど取り出すというようなことになるらしい、だから、この負傷というのは、子供が生きているうちは、からだのどこかにある、危険だということになるんです。そこで、道としても困り切ってしまって、道としてはどうにもできないので、国のほうで何とかしてもらわなきゃ困るということを議会でも答弁しているようです。そこで、私は文部大臣にお願いしたいんですが、道でやるとか国でやるとか、争いでもないけれども、お互いに責任のなすり合いということじゃなくて、早急に一体これに対して、そういう不時の災難によって受けたものに対して、できるだけ何とかするというような具体的なものをお示し願いたいと思います。これはどうでしょう。
#120
○国務大臣(中村梅吉君) いま事務当局でも、道のほうと連絡をとって研究中だそうで。ございます。私どもとしましても、非常にお気の毒なことで、全く不慮の災難のようなできごとで、できるだけ最善を尽くしたいと、かように存じております。
#121
○小林武君 まあ、目下調べているところで、最善を尽くしたいということですから、そのことについてはお願いをしたいのですけれども、実は私、あの直後に釧路に参ったのです、そのことのために参ったのじゃありませんけれども、その学校の中には異常なともいえる雰囲気があったわけです。これで負傷した者の父母との間についても、持っていきようのないような不満と、そうして、これから起こり得るだろうというような不安もあるものですから、たいへんなものなんです。新聞によると、稚内、これは北のほうで、たいへん離れておりますけれども、そこにも砲弾の山が海の中にあるというようなことで、いまごろ、戦争のあと始末のような災難が出てきたわけですが、どうかひとつ、この問題については、負傷者の立場になって具体的に対策をひとつお立て願いたい。学校当局も、何というか、すっかり元気を喪失してしまって、あまりの被害の大きさに、教員自体がほんとうに沈み込んでしまっております。ですからどうかひとつ、検討はうんと早く、そうして、具体的にこうしてやるとか、それから、教職員の場合もそうなんですが、これから何年間もそのたまの破片が入っておるとかいうようなことは、子供もさることながら、教員だってこれは重大な問題だと思うのです。これらについて、やはりできるだけのことをひとつやっていただきたいと希望を申し上げておきます。これで終わります。
#122
○委員長(山下春江君) 他に御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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