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1965/10/28 第50回国会 参議院 参議院会議録情報 第050回国会 文教委員会 第3号
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1965/10/28 第50回国会 参議院

参議院会議録情報 第050回国会 文教委員会 第3号

#1
第050回国会 文教委員会 第3号
昭和四十年十月二十八日(木曜日)
   午前十一時六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下 春江君
    理 事
                北畠 教真君
                久保 勘一君
                千葉千代世君
                松永 忠二君
    委 員
                近藤 鶴代君
                中上川アキ君
                二木 謙吾君
                吉江 勝保君
                小野  明君
                小林  武君
                鈴木  力君
                林   塩君
   国務大臣
       文 部 大 臣  中村 梅吉君
   政府委員
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       給与局長     瀧本 忠男君
       文部政務次官   中野 文門君
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       文部省初等中等
       教育局長     齋藤  正君
       文部省体育局長  西田  剛君
       文部省管理局長  天城  勲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (教職員の給与に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山下春江君) これより文教委員会を開会いたします。
 小林武君から、都合により理事を辞任したい旨のお申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。
 互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に松永忠二君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(山下春江君) 教育、文化及び学術に関する調査中、教職員の給与に関する件を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。なお政府側より、中村文部大臣、中野文部政務次官、齋藤初等中等教育局長、佐藤人事院総裁が出席しております。
#6
○小林武君 前回に、佐賀の超過勤務に対する県教育委員会と、教員組合との協定の問題についてお伺いいたしましたが、実は昨日、その協定が異常なる雰囲気の中できめられたものであるから、効力がないとまでは言わなかったけれども、異常なる空気の中できめられたということで、正式の協定として認められないというような印象を与えるような御発言が文部省のほうからあったものですから、昨日は鈴木委員と一緒に朝早く佐賀にまいりまして、終日、現地にまいりまして調査をしてまいりました。そのことについて別に報告しようという気持ちはございません。
 そこで、まず、大臣ではなくて、初中局長にお尋ねいたしますが、その後、佐賀から何か連絡があって、あなたに新たなものが、情報が入っているか、またあなたとしては、異常なる雰囲気ということについて、いまでもそう感じておられるか、そういう報告を信じておられるか、この点お尋ねいたしたい。
#7
○政府委員(齋藤正君) 佐賀県からは、まだその後報告を受けておりません。私どもといたしましては、できるだけ早い機会に責任者の方にお会いいたしまして、事情を聴取したいというふうに考えておりますが、まだその機会を得ませんので、いずれ早い機会に事情を聴取したいと、かように考えております。
#8
○小林武君 もう一ぺんお尋ねいたしますが、前回のこの問題についての質疑の際にあなたが述べられたことによりますと、佐賀県教育委員会のだれかがまいりまして、異常な雰囲気の中でこの協定が結ばれた、そういうふうに報告があったというふうに私は理解しておったのですが、どうでございますか。
#9
○政府委員(齋藤正君) そのような報告を受けました。
#10
○小林武君 それはだれでしょう。
#11
○政府委員(齋藤正君) 教職員課の課長補佐がまいりまして、そのように報告いたしました。
#12
○小林武君 何といいますか、課、長補佐は。
#13
○政府委員(齋藤正君) 福井課長補佐でございます。
#14
○小林武君 私は昨日まいりまして、教育委員長からこういう報告を受けたのです。協定が教育長との間に結ばれた、それを認められないという態度を実は教育委員会できめました。しかし、認められないということは協定が無効だということを言っているのではございません。ここらになると、ちょっとどういうふうに解釈していいかわかりませんけれども、無効だと言っているのではありません、こう言うのです。ここは別にあなたの答弁と関連はないのですけれども、その認められないという決定を下しましたのは、決して異常な雰囲気でこれが結ばれたということではございません。私も協定に至るまでの事情をいろいろな方から説明を受けました。受けました結果、その点はだから無効だというような決定を下す理由にはならない、そういうことはありません。こう言うのです。これは課長補佐と教育委員長との間ではだいぶ開きがあるわけですが、こうなりますと、どうですか、あなたのほうとしては、教育委員長がそういうことであるならば、これは協定があたりまえの雰囲気の中で結ばれた、こういうことを認めますか、どうですか。
#15
○政府委員(齋藤正君) 異常な雰囲気の文言は、課長補佐が申しましたのは、教育委員会として、とりあえず市町村教育委員会に、この協定が結ばれたけれども、それは適正を欠く点もあり、また異常な雰囲気のときに結ばれたものであるという趣旨の通知をしたということを認識してもらいたいということ、そういうふうに、この前申し上げましたように、十三時三十分からの臨時の委員会でそういうふうに決定されたということで福井課長補佐が来たわけでありますから、いま小林先生が直接会って聞かれたことと、それからこの委員会の決定、あるいはその後の状況があるかもしれませんけれども、私としては、その事情につきましては、教育委員長に直接また聞いてみたいと思います。
#16
○小林武君 たいへん失礼でございますが、教育委員会の福井課長補佐の言っていることと、たとえば出された文章とは若干違うように思うんですがね。私もその文書を持ってまいりましたので、もう一度ひとついまの点を話してくださいませんか。
#17
○政府委員(齋藤正君) 私が通達とそれから委員会の決定とを取り違えまして、私が福井課長補佐から聞きましたのは、十月二十二日の十三時三十分からの緊急の臨時委員会が開催され、次のように決定をされた、そうして地教委、校長に対して口頭で次のように伝達すること、この協定については教育委員会は慎重審議した結果、適正を欠く点があるので認めることはできない。しかし、教組と教育長との確認されたことであるので、一応御通知申し上げるが、十分御検討の上、これについての意見を述べられたい。なお、この協定は二十二日の異常な雰囲気の中で結ばれたものであることも十分御認識ください、地方教育行政法第二十条により、次の者を教育長代理に指定した、教職員課長久保正彦というような報告を受けたわけです。その後のことは私はまだ聞いておりませんので、できるだけ早い機会に、当時の事情がどうであったかをさらに聞いて確認したい、かように考えます。
#18
○小林武君 十月二十二日、
     教委教親第六七一号
     昭和四〇年一〇月二二日
   各市町村教育委員会教育長殿
         佐賀県教育委員
         会教育長     久米三千夫
   佐教組との文書協定について(通知)
  このたび別紙のとおり協定書をとりかわしましたので、ご了知のうえ、適切なご指導をお願いします。
  なお、貴管下学校長にもこの旨周知させてください。
 これが出ていますね。これは午後四時に出ている。そうして二十五日に、「教委教親第一〇二七号、昭和四〇年一〇月二五日」、これはあて名はさっきのとおりで、佐賀県の教育委員会の教育長職務代理者事務職員の久保正彦の名によって、
   文書協定について(通知)
  昭和四〇年一〇月二二日佐賀県教育長久米三千夫と佐賀県教職員組合執行委員長北崎稔との間に結ばれた文書協定について佐賀県教育委員会は慎重審議した結果これを認めないことになりましたので善処方をお願いします。
 こう出ている。あなたの申されたのは十月の二十二日、十三といえば一時ですね、一時に、口頭で、そういう異常な雰囲気とか何とかいうことを出された。三時には文書でもって、先ほど読み上げたように、ひとつ指導してくれと言っている、こういう点はお調べになりましたか。
#19
○政府委員(齋藤正君) 私はその口頭で、こういうふうにやるということを委員会で決定したということを――先ほど申し上げました口頭報告のメモを承知しておるのでありまして、その後の変化、それから佐賀県の教組に対する教育委員会の接触が行なわれておりますということだけは聞いておりますけれども、経緯等は存じませんので、その後の経緯につきましては、私は直接委員長にできるだけ早い機会に会って事情を聴取したい、かように考えております。
#20
○小林武君 文部省の態度の問題ですがね。なおその後もいろいろ教組との間に交渉が行なわれておるわけであります。これはまあわれわれ常識からいえば考えられないことなんですよ。協定を二十二日に結んで、そしてそれを文書で出して通達して、その通達のあとに今度はいまのやつは無効ですというような、口頭でもってやっている。こういうむちゃくちゃなことをやっている。そして、そのあとずっとやって、私が帰りましてから、きのうまたそのことで交渉やっているんですね。私が帰ったあとですから、けさの大崎だというんですから、きょうの六時ですね。けさの六時に、十月二十八日付で佐賀県教組の文書協定についてあらためて通達を出すことにした。十月二十二日付の文書協定は認めないということは、これは抗議を凍結させたというのですから、ここのところは電話なものでよくわかりませんでしたが、文書協定を認めないということこれは凍結さしたと、こういうことなんでしょう。二十八日。非常に動いているんですね。だから私は、文部省が非常に動いている時期に、刻々とそれをつかんで対処しないということを責める気持ちは毛頭ありません。これは教育委員会が教組側と話し合ってきめることですから、あなたのほうでそういうことをなさらないからといって追及はいたしませんけれども、どうもしかし、あなたのほうで初めにあまり責任の立場にない方から話を聞いて、異常な雰囲気の中でこのことが協定されたということを感じ過ぎておるんじゃないか。異常でも何でもないです。その点、私が調査しましたから、少し時間をかけてあなたに申し上げますから、ひとつ聞いておいていただきたい。これはひとつあなたのほうで責任者を呼んだときには十分その点問いただしてもらいたいと思う。
 この交渉の始まりは、「教職員の服務について」の通達、昭和四十年十月十二日付、教委教親第六五四号、この通達を出しているんです。これはまあ通達を全部読み上げる必要もないと思いますが、まあ中身を申し上げますけれども、
  1、教職員の勤務時間を明示し、当日の教育計画、勤務時間等の変更は、行うべきでない。
  2、当日の統一行動に参加するための職務専念の義務免除、または、年次有給休暇等による休暇請求に対しては承認すべきではない。
  3、当日の教職員の勤務状況については、じゅうぶんその実態を把握し、勤務時間内の組合活動は、許すべきでない。
  4、その他当日の統一行動と誤解を受けるような教職員組合の諸会合の開催については特に注意し、さしひかえるよう指導されたい。なお、必要ある学校においては、当日の勤務について文書による職務命令を出されたい。
  5、貴委員会内における当日の実施状況を別記様式に従い、即日、電話で、また文書による報告は、別記様式によって、すみやかに各学校別に調査書を作成し、市町村教育委員会、教育事務所を経由して、十月二十六日まで教職員課あて、ご報告ください。
 その中には報告事項として学校運営の状況、教職員の勤務状況、集会の概況、市町村教育委員会、校長に対するいわゆる集団交渉の概況、教職員以外の他労組の参加状況、こういう点を書いたものであります。もっと前文が長々とありますけれども省略いたしまして、ちょっと概略御紹介しますと、この通達。これに対して交渉をしたのであります。その交渉のしかたは、何ら事態収拾に努力しないで通達ばかり出すというのはおかしいではないかということが一つです。もう一つは、記の中の四項、「その他当日の統一行動と誤解を受けるような教職員組合の諸会合の開催については特に注意し、さしひかえるよう指導されたい。」という、この項、それから様式の中の四項と五項、それは、「市町村教育委員会、校長に対するいわゆる集団交渉の概況」を知らせろということ、五項として、「教職員以外の他労組の参加状況」、この通達の紀の四項の撤回、それから報告下項の四項と五項、その撤回、これをしてもらいたいという交渉に入ったわけです。これが入ったのが二十日の午後七時半であります。しかし、この日は七時半になって終わっております。二十一日また交渉が開かれました。そのときは県職にも同じ問題がありましたので、副知事、教育長両方が一緒の場所で交渉を受けることになった。十一時半から始まって、十三時半から十五時まで休憩に入った。なぜ休憩に入ったかというと、副知事は所用のため退席した。したがって、中断せざるを得なかった。その副知事の交渉の中には、県側は人事課親第十三号というような大体同じような文書の撤回を求めることが入っておりましたし、教員組合側は教委側に先ほど申し上げたような撤回の要求をしているわけであります。そして同日の十五時四十分から再開されました。これは十八時まで続いた。十五時から再開されましたときにはまだ副知事がこないので、教育長との間にだけ行なわれ、先ほど申し上げたような四項の撤回、それから報告事項の三及び四、これを撤回する。教組側としては令部通達を撤回してもらいたいという、こういう意向もありますけれども、特にいま申し上げたような撤回要求をしている。しかし、これは話がなかなか進みませんでしたけれども、四項の前のほうの二行だけは撤回しますという、この話し合いの中では話がついているわけです。二行というのは、統一行動と誤解を受けるようなものについては差し控えるよう指導されたいというところを撤回する。それから報告事項の中の三、四項というものについては、これはひとつ撤回いたします。ここまできている。十八時から夕食、休憩に入って、十九時半まで休むことになった。その間どうかひとつ問題の検討をしておいてくださいということを教組側から申し入れている。十九時四十分再開、このときには副知事、総務部長、同次長が列席し、教育庁側は、総務部長、教職員課長及び課長補佐が出て、知事室にてこの交渉が始まった。十九時四十分からおそらく五十分くらいのところまでの時間に始まったと考えられる。そして、それは二十二時二十分ごろまで続行された。そして十九時四十分から五十分ごろの間で始まった交渉は、二十時ごろまでは教育長を主とする交渉でありました。
 そのとき問題になった事項というのは、佐賀市の教育長が、市教組並びに市教組の書記長に対して、もう一人市会議員の米光という人に対して、佐賀市の教育長が、この行動は――統一行動のことです。統一行動に参加した君は、報告さえされてあれば、内申を待たず処分することになっておるのだ。すなわち、通達、報告は処分資料としての資料という意味であると、こういうことを教委側から佐賀市の教育長は聞いておるということを佐賀市の教員組合の書記長と米光という市会議員に話をした。その点が問題になりまして、先ほどの通達というのは、もう有無を言わさず、報告を受けたら直ちにこれが処分をするという、そういう資料なんだということはおかしいではないか、こういうことをそのときに話し合われた。そこで教委側はそれを認めない。したがって、それでは佐賀市の教育長と対決をしなければだめなのではないかということで、そこで交渉はストップになった。そして、二十時から二十一時までは、今度は教組側ではなくて、総務部長交渉に入った。総務部長は出席しないのはおかしいでないかということを言われて、いやすまなかったという謝罪をしたので、すぐ交渉に入ったと、こうなっております。二十一時三十分から二十二時ごろまで、今度はまた佐賀市の教育長が参りましたので、教員組合側の交渉が始まった。それには教育長から話を聞いた市教組の書記長並びに米光市議がこれに入った。佐賀市の教育長は、それについていろいろ書を左右にして、言ったというようなことを言わなかったけれども、その場の雰囲気では、佐賀市の教育長が言ったというふうに認められるような状況であった。まあしかし、それはそれで終わりまして、二十二時から今度は二十二時半ごろまで、教育長、副知事の交渉に入るのだが、そのときに打ち合わせの要求があって、休憩を求められた。
 そこで、交渉側は、二十三時三十分ごろまで休憩に入ることにした。そのとき交渉するほうの側から、どうかひとつ前向きの検討をこの休憩中にされることを希望するということをいわれている。二十三時三十分過ぎに再開された。県側は、その際、総務部長から、県から出した先ほどの文書は回収いたします。その回収を県職と約束をいたしました。したがって、これは白紙に戻すということでありますということになったのが零時ごろであった。したがって、県職のほうは、それで問題が解決をしましたので、零時半ごろから教委側と交渉になった。教員組合との間に。それで教員組合側の、県職がそのように撤回したのだから、どうぞひとつ教員組合のほうもそうしてくださいという申し入れをしたら、県は県、教育委員会は教育委員会だ。そういう根拠はどこに立って述べているかというと、地公法第三十七条で、法律違反は法律によって処分するのは当然のことである。だから断じて教育委員会側はこれを撤回するという意思はない。白紙に戻すという意思はないと、こういう話になった。そこで教組は、教育委員会側はそのように、法律、法律とおっしゃるのであれば、あなたたちは、あなたたちの犯している法律違反のほうはどうなるのだと、こう聞いた。たとえば週四十四時間は守られていないじゃないか、昼休み四十五分も同様だ、こういったところが、教育長は、そんなことはない、現在までそのとおり、法どおり守るように指導してきたし、今後もそのように厳重に守るようにこれは指導するつもりである。違反の事実はないと、こういう意味のことを言った。それで教組は、それではけっこうです。そういうことが厳重に指導されておって、そのとおりいままでもやられてきたというならば、いまおっしゃることを文章にしてください、こういった。それで教育委員会側は文庫を出した。ところが、この文章の内容が、たとえば先ほど教育長が言ったように、四十四時間の問題、昼休みの問題が中に書かれてなかったものだから、これでは私のほうでは不満である。そこで教組側の副委員長である丸山というのが、こう書いてもらえばいいといって教組側の内容を示した。そこで、これならばはっきりしている。あなたのおっしゃるとおりのことをこれに書いたのだが、どうぞひとつここに署名をしてもらいたいと、こういった。しかし、その署名をしてくださいというときには、文書の撤回もしてくださいということを言ったが、この間押し問答を約一時間やったというのです。
 その押し問答の中で、予算の関係もあり、時間を与えてもらいたいという要求が二、三回に及んだそうであります。この点が現在、教育委員会代行をやっている、何といったか、代行の話によると、いわゆる異常の雰囲気ということになる。異常の雰囲気の具体的な問題は何だといったら、休憩を求めたけれども、休憩をがえんじなかったということを言ったが、ここのところであります。時間を与えてもらいたいと言ったが、そのことは守っている、守るように指導しているというから、文章がはっきりしていればいいじゃないですか、押し問答した、ここのところであった。それで押し問答の結果、署名せよということを教組側は言って、その際、教組としては、一歩後退して、法律に抵触するところがあるというようなことならば訂正してもいいのだ、だから訂正したものについて署名ならできるのか、こういう押し問答もやった。その際、教育長は、ひとつ便所へ行きたいと、こう言い出した。便所へ行くのは御随意にというわけで、便所から帰ってきた。その際、帰ってきたところで、それでこはの場で相談さしてもらうといって、職員課長と、いわゆるそこに出席しておった教育委員会側の方々と教組側に背を向けて、そしてひそひそ話をした。そしてそこで署名をした。
 その際、そこに至るまでに、教組側としては、何というか、押し問答の中で、彼らの表現をもってすれば、なんだか騎虎の勢いのような形で通達を撤回してもらわぬでもいい、それからあしたの行動も中止する、だから署名してください、これを署名してもらえば、撤回を要求したけれどもあれも要らぬです、それからとにかくあしたの行動も中止しますとここで言っちゃった、それでまあだんだんいったところで、さっきのような署名のところへいっちゃった。そこで、具体的事項は教組と教委で今度はやらなければならぬものですから、二十二日の二時から二時二十分ころ、教育委員会側は、これをそのときによく相談しなければならぬということで引き揚げた。引き揚げて別室へ行ったときに、古賀という県会議員が、これは教組出身の県会議員ですが、教育長に、これはまあどっち側についた話かわからぬような話ですけれども、一体、教育長、それはできるのかと尋ねた、あの文書を撤回したらいいのでないかと、こう言った。そうしたら教育長は、いやいや、現在までも指導しているし、これからも指導するのだ、こう答えた。それで教育長はさらに、教育現場のことについては自分もよく、教員出身でないからわからないという意味だと思うのですが、よく十分に知っていないから、時間をひとつもらいたいのだ、ここで協議するのだ、こう言って二時二十分から五十分の間、約三時半まで向こうに時間をとって、その際、教育委員会側は、教育長、学校教育課長、これは自宅に帰っておったのを呼んだ、職員課長、総務課長、小中高の人事主事、先ほど言った教職員課長補佐を入れて、ここで協議に入った。三時半に再開された。三時半から三時五十分までの間に。それで文書をとにかく清書した。清書したのは丸山という教組側の副委員長がした。印刷はこれは教委側がやった。そして両方で確認をして署名をした。判こがないから、署名で効力があるだろうというわけで署名をした。そういうことと同時に確認文書も交換した。この際、両方はこれでお互いにいままでの交渉の結果が結末がついた、握手をする者もあると、こう書いてある。
 私はこの協定の中から一体異常な雰囲気というのはどこがどうなのかわからない、私はその点できのうも委員長にも話したし、みんなにも話した。だれでも経験のあることで、朝方まで続くという交渉の場合は、だれだって疲労もするし緊張もする、教員組合の委員長をやっていれば、こういう自分たちがいよいよお互いに妥協しなければならぬことですから、妥協した場合に、組合の大衆がこれをどう批判するかという問題がある。よくやったという場合もあるし、つまらぬことを結んだという場合もある。その場合には、組合の決議機関なり何なりに自分の責任をやっぱり明らかにしなければならぬ、これだって緊張する。へたなことをやったら、これは大衆に責任を追及されるわけですから、その点は同じだと思う。教育長も一生懸命だし、とにかく教員組合の者も一生懸命だ。これは頭に血が上るくらいのことはあたりまえのことですね。異常な雰囲気というのはどういうことだろうかよくわからない。ただ異常な雰囲気であったということのあれに、教育長が病院に入ったということがある。しかし、こういうことはぼくはふしぎな因縁だと思う。佐賀県で前に何か事件が起こったときもぼくは行った。そのときも鍋島知事が病院に入った。何かあるとすぐに病院に入る、何だか乱闘県議会とか何とかあったときにも、これも病院に入った。まあ病院に入るのは、そういうような切迫したときに、気の弱い人が、からだの弱い人がそうなるのだろうと思うのだが、見るというと、交渉に参加した副知事なんというのは、会ってみたらぴんぴんしているし、みんなが参っちまうというわけでもないし、だいぶ教員組合も疲労したような顔しておったけれども病院に入る者はない。だから、私はそういうような一つの特例をとらえて云々するということはおかしいと思うのだが、こういう事実から見て、私は調査の事実からみて、異常な雰囲気というのはおかしいと思うし、なおその点については、前にも申し上げましたように、教育委員長から、決して異常な雰囲気のもとできめられたからというようなことでこれを認められないと言っているのではございませんと、それは私もよく承知しましたと、まあ公的な席上で、場所で言ったことですから、かまわないと思いますが、実は私もちょっと早まり過ぎたというような気持ちもいたしておりますというような、そういう正直なお話もありました。
 そうするとですね、私はこの問題について、文部省としては指導する部面があるならば、片寄らないひとつ指導のしかたをするべきだ。異常な雰囲気であるというような特定のだれかの話だけを信頼してやるというようなことは、これはしてもらいたくないというようなことと、同時に、さらにきょうになってから事態がまた変わった。一度認められないと言った通達をもう一ぺんまた出すなんというようなこと。それはどういうことなのか。私自身も実はかえってわからぬ。こういうことなのでありますが、これが、協定が絶対有効だと私は確信しているのです。これは前にも電産という組合があって、電産の組合の中で協定を結んだ。協定を結んだ当事者は支店長だ。支店長は、しかし協定を結ぶ権限がなかったということで、電産の当局がどうしたかというと、その場合、支店長は左遷されたけれども、組合と、少なくとも電産の名前を使って協定を結んだことについては守らなきゃならぬという態度をとったということを私は経験として知っている。私はまあきのう教育委員長に言ったんですけれども、あなたのおっしゃる理由、なぜ認められないかといった理由、これは四点大体あると私は思っておる。一つは、何か権限外のことである、教育長がやったことは。財源の問題を考えた場合に、条例改正、それに、これに予算を組まなきゃならぬという問題がある。それから、協定の中にある休憩のことについては、学校の教育について、給食その他これがやられたら正常にいかないのではないか。もちろんこれについては教員組合側はそういう約束がきちんとできた上で、今度はそれでは給食の場合にはどういうことをするか。教員はその場合にはこういうことについて必ず生徒に迷惑をかけないような勤務のしかたをするにはどうするかの。そこで、やったならば、そのあと時間の問題をどうするのかという、きちんとしたきめ方をするということを委員長に言って、学校に、教育に支障を来たすようなことはやらない。権利としてははっきり認めさせて、その上に立ってお互いに権利と義務の関係に立って学校の正常な運営をはかる。こういうまことに筋の通ったことを言っておる。しかし、ここのところでは教育委員長の考えとしては、給食その他の点から、学校の正常な運営ができないのじゃないか。それから学校長が困るのではないかというようなことも、まあそれにつけ加えられてありましたけれども、私はここに載っているのは、財源だとか、権限外だとかいろいろなことを言っておるけれども、これはいわば教育委員会側の理由なんです。教員組合のほうでこれはかれこれ言われるべき筋合いのものじゃない。いわば家庭の事情です。教育委員会側の事情なんです。教育委員会側の事情でもって正当に結ばれた協定が破られていいという理由は私は成り立たないと思うのですが、この点については文部大臣はどうお考えになるか、ひとつ。
#21
○国務大臣(中村梅吉君) とにかく佐賀県のこのいわゆる協定問題は、私どもまだ実態をよく把握しておりません。事務当局さえもまだ正規の報告を手にしていないような状況でございますから、諸般の状況が判明した上で慎重公正に検討いたしたいと思います。
#22
○小林武君 正しい交渉によって協定が結ばれたということになったら、しかし、どうなりますか、これは文部省として何かぐあいの悪いということがございますか。
#23
○政府委員(齋藤正君) まず経緯、それから教育委員会の判断、その成立までの経緯等を、よく事情を聞いてみまして、いまおっしゃったことと、どういうふうな関係になっているかも、私自身もできるだけ聞いてみたいと思って、さらに、その際にその内容について、どういうふうに理解しているのかも聞き、私たちの見解も、よく検討した結果伝えたいと、さように思っております。
#24
○小林武君 そういうひとつね、そらしたような話をしてもらいたくない、これは仮定の事実ではない、協定を結んだということは厳然たる事実なんだ。そうでしょう。あなたのほうで、もし、いろんなことを言えば、それがあなたの言い分からすれば、正常な状況の中で結ばれたのではないのじゃないかというような、そういう疑いも持たれているようだ、あなたは。しかし、そうじゃないとしたら、ない場合、正常な両者の協定というものが出た場合には、これは一体、文部省として何らかの異議をさしはさむべき筋合いのものかどうか、あなたは事務当局の判断として、ここで申し述べていただきたい。
#25
○政府委員(齋藤正君) 協定の結び方の経緯、この点については、よく聞いてみますが、これはいま御質問のところではなくて、内容自体についてどうだということでございますが、いろんな点について、これが教育委員会が、どう理解されているかということを聞き、私どもも、それまでにで当るだけ検討をいたしまして、幾つかの問題ございますが、それを検討いたしまして私どもの見解を申したい、かように思っております。
#26
○小林武君 だめだよあなた、それは前と同じことだ。そうじゃないのです。いま協定を結べば超勤を支払わなければならぬという事実も起こってくる。その場合に、あなたのほうで、それ、ぐあいが悪い、そういうことをやってはいけないと指導するのか、そういう指導するだけの、あるいは、やっていけないというような干渉をする、あなたの筋合いがあるのかどうか、そのことを聞いている。
#27
○政府委員(齋藤正君) この協定自体につきましても、正規にもし協定が結ばれましても、内容自体について、私どもいま見たところでは、いろいろな問題点がございますから、それを検討して私どもの見解は参考のために伝えたいと、さように思っております。
#28
○小林武君 それはあなた、内容に異議がもしあったら、県教育委員会に破棄を指導するわけか、その点を聞きたい。
#29
○政府委員(齋藤正君) 協定自体の、これが地公法によりまして、文書による協定という条項に基づいて結ぶといたしますならば、それは都道府県に関するものは都道府県の教育委員会の仕事でございまするから、私どもはこの協定の内容等について、検討をして、そして、それについて見解を申し、教育委員会の参考に資したいと、かように思っております。
#30
○小林武君 またどうもあれだな、くつの上をかいているような話で、そうではなくて、見解を述べるということは、どういうことだ、見解を述べて、どういう見解を述べるのか、それを破棄しなさいという見解を述べるのか、それを守りなさいという見解を述べるのか。
#31
○政府委員(齋藤正君) 私どもはその協定がかりにこのままであって、そうして、教育委員会がどういうふうにこの文言を理解しているかという点を面接確かめまして、そうして、その上でこれらの条項が教育委員会としていかなる協定ということになるのか、あるいは協定になじまないものがあるのかというような点をいま検討しておりますので、それらにつきまして見解を表明したいと、かように考えております。
#32
○小林武君 もし文部者が、その内容について賛成しがたいものがあった場合には、協定破棄をそれでは指導するわけか、その点を飼いたい。
#33
○政府委員(齋藤正君) 協定破棄とか、破棄でないとかいう文言は非常にむずかしいことでございます。とにかくそういう事実があった。その事実をどういうふうにこの内容と照し合わせてみて処理するかという問題でございますから、私どもの見解を申し述べ、教育委員会の判断に資することは、この協定自体がどういう意味であるか、教育委員会がどう理解して、どうしようとするのか。それから、それがわれわれが検討した結果、この条項等が、どういう点で問題があるかという点についての見解を申し述べたい。かように考えまして、現在、事務的に検討さしております。
#34
○小林武君 それではこういうことですか。あなたのおっしゃることはわかったようなわからぬようなあれだけれども、大体推しはかってみるというと、文部省としては協定の内容について、文部省側はこう考えるという意思表示をすると、しかし、協定実施については、これは県教育委員会側の問題であるから干渉しないと、こういうことですか。
#35
○政府委員(齋藤正君) これは地方公務員法の条章に基づく協定という関係で出発しておりますから、それらの状況の要件、法律上要請されている要件その他との関連、それから佐賀の公立学校の教員の条例等との関係等々を検討いたしまして、そうして、それを教育委員会に見解を伝えるということでございます。最終的な判断は、もちろんこれは教官委員会がなすことでありますけれども、私どもはそういう見解を述べることは、文部省として指導助言の立場にありますから、当然になすべきことだと、かように考えております。
#36
○小林武君 ひとつ簡単に表現することにしましょう。あなたの言わんとするところは大体わかりました。そうすれば、こうですね。文部省側の見解は述べる、いろいろな角度から見解は述べる。しかし、協定を結んだということについて、破棄するとか、あるいは認めないとか、こういうようなことについての干渉は行わない。それは教育委員会側自体の問題だと、こういうことですね。
#37
○政府委員(齋藤正君) そのことは、この内容について教育委員会がどう理解をしているか、あるいは教育委員会が、これの結ばれるまでの経緯というものをどう考えるか、その事実と関連をして教育委員会が判断することでございます。
#38
○小林武君 教育委員会は判断を下して、協定を結んでしまっているのですよ。いいですか。認めないとか認めるとかいうようなことは一度は言ってみたけれども、けさの報告によるというと、さらに協定を結んだということ、その確約書に従って文書通達をまたやると、こうきまった。だから、それについてはあなたのほうでは、文部省側の見解は述べるけれども、どうこうせいということはしない、こういうことでしょう。
#39
○政府委員(齋藤正君) 私どもとしては、この内容、経緯等を詳細に聞いて、そうしてこの内容と、法律あるいは条例との関係につきまして検討を加え、もし必要があれば関係省の意見も聞いて、そうしてそれをまとめて、私どもは教育委員会の判断の資料として見解を申し述べる、それによって教育委員会自体が判断することでございます。
#40
○小林武君 まあ、あなたの話は、せんじ詰めれば、そういうことの決定は教育委員会側の自由だと、こういうことになる。しかし、なるたけ自由が束縛されるようにさまざまな手を尽くしますということがあなたのいまの答弁ですね。そういうことならそういうことのようにさっさと言えばいい。これはあなたのほうでいろいろそれ自体について研究するのは、指導助言の立場にあるもののあれですから、問題ですから、大いにやらなければいかぬ。しかしながら、きまったことについて干渉してはいけないし、問題は、忘れてはいけないことは、教員だけは不当に、超過勤務をやりながら、超過勤務の手当をもらっておらぬということ。それからもう一つは、これは文部大臣にも聞いていただきたい、人事院総裁もいらっしゃるから、ひとつ聞いてもらいたいのだが、私どもの考え方では、教頭や校長に管理職手当をやっておる。この管理職手当というのは一体何だ、超過勤務手当と見合うものではないでしょうか、われわれはそう思っておる、そういう見解も持てる。不当な、やむを得ず超過勤務をやっておる者が超過勤務手当をもらわないのはおかしい、教員だけが。そういうこともあるということをあなたはひとつ考えて、自分の都合のいいことだけを言わないようにしてもらいたいと思う。ただ、干渉しないとかいうことが明らかになりましたから、その点はひとつここで事務局側の段階ではそうなったということをひとつ私もここで了解しておきましょう。
 文部大臣にお尋ねをいたしますが、文部省としては、いろいろな検討は行なうけれども、両者の間で検討に検討を重ねて妥結いたした内容については干渉しない、文部大臣としても間違いないでしょうな、この点は。
#41
○国務大臣(中村梅吉君) とにかく初めてのケースでございますから、いろいろ制度上の関係もあると思います。また県及び市町村の財政の関係もあると思います。そういう諸般の情勢を十分に、実体がどうであったかということとにらみ合わせて検討いたしまして、文部省としては適切な指導助言をするのが当然であろう、かように考えております。
#42
○委員長(山下春江君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#43
○委員長(山下春江君) 速記を起こしてください。
#44
○鈴木力君 いまの超勤の問題について、人事院総裁にちょっとお伺いしますが、いまの文部省との議論でも、制度上あるいは財政上検討しなければならないということばが飛び出すんですけれども、この問題非常に大きな問題だと思うんです。そこで、昨年の人事院の勧告と報告の中に、超勤についての報告があるわけです。「最近問題となっているものに、教員の超過勤務に関する問題がある。現行制度のもとに立つかぎり、成規の時間外勤務に対しては、これに応ずる超過勤務手当を支給する措置が講ぜられるべきは当然であるが、他方、この問題は、教員の勤務時間についての現行制度が適当であるかどうかの根本にもつながる事柄であることに顧み、関係諸制度改正の要否については、この点をも考慮しつつ、さらに慎重に検討する必要があると考える。」、こういう報告があるわけですね。この報告の真意を聞きたいわけですけれども、私はこれを読みますと、教員の超過勤務に関する問題があるが、これは現行制度のもとに立つ限り、成規の時間外勤務に対しては超過勤務手当を払わなければならない。これが前段だと思う。前段という意味は、現在の諸制度に立つ限り払わなければいけない。そういたしますと、先ほど文部大臣が答えた制度上からも検討してみなければいけないという言い方はどうも当たらないと思う。それで、後段のほうは、しかし根本の問題があるから、これは関係諸制度の改正の要否についてはさらに検討しなければならないということですから、その面については、現行制度においては超過勤務手当を支給しておいて、それから根本的な問題はさらに慎重に検討せよと、こういうように解釈するのですけれども、人事院の真意をお伺いしたいと思います。
#45
○政府委員(佐藤達夫君) いま鈴木委員のおっしゃったとおり、昨年の報告の中でその問題を取り上げました。これは近年における重要な問題点であるという認識のもとに取り上げました。そしてこれもただいまお話のように二つのポイントをあげました。第一点は、いやしくも成規の超過勤務命令を出した以上は、それに対応する手当は出すべきがあたりまえであるということが一つであります。第二点のほうは、いまのお話にも関連しますが、要するに、成規の超過勤務命令を出さないで、まあ勤務時間の割り当ての問題で、それをしかるべく平均をして超勤の命令が出ないで済む場面というものがあり縛るわけです。それとの関係において、本来の勤務時間の問題それ自体根本の問題として取り上げてみる必要があるんじゃないか。そして場合によっては別個の給与上の扱いをすべきものだという結論に達するかもしれない。これは当然の一つの問題点であろうと思う。そういう両面から指摘をいたしました。第一点は、これはあたりまえのことで、むしろ問題は第二点としてこれは重大な研究事項であろうということを指摘したわけです。このことは、私どもは実は御承知のように、一般職の国家公務員だけをお預かりしているわけであります。すなわち国立大学、その付属の学校の先生の方々ということでありまして、実は人数からいえば非常に少ない人数で、実際上は地方の教職員の先生方が大きな部面を占めていらっしゃるわけでございますから、その意味ではこれは文部省と非常に緊密な連携をとって、あるいは財政当局とも連絡が必要でありましょうけれども、要するに、文部省との連絡のもとにこれは検討すべきことであるという含みでこれを書きました。したがいまして、それに続きまして、われわれはその検討をずっとやってまいりましたけれども、内輪話を申しますと、ことしの勧告に当たって、まだ結論は出ていないわけですから、ことしその扱い方をどうするかということは、何も去年一年間で結論を出すという約束をしておるわけじゃございませんから、もちろん重要問題として慎重に取り組むということでございますけれども、ことしの報告にそれを重ねて書くか、書かぬかということが実は問題になりまして、書いてもらいたいという要望もございましたけれども、われわれとしては、いま申しましたように、昨年の報告で別に期限を切ったわけでないから、この検討は当然今後も続けていくべきである。しかし念のために、この点は文部省の御協力なども必要なことでございますから、強い形で再確認をしておきたいというわけで、勧告を出しましたすぐあとに私は中村文部大臣をおたずねいたしまして、文部大臣と十分その間のことについてお話をした。お互いに協力もして今後一そう検討を続けていこうという段階でございまして、その根本的の考え方及びいままでの経過を洗いざらい申し上げたわけであります。その態度を続けてまいりたいと思っておるわけであります。
#46
○鈴木力君 もう少しはっきりお伺いしたいのですが、私は前段についてまずお伺いしたいのです。少なくとも前段については、先ほどもそういうお答えがあったと思いますけれども、「現行制度のもとに立つかぎり、成規の時間外勤務に対しては、これに応ずる超過勤務手当を支給する措置が講ぜられるべきは当然である」と、これが前段でございますね。したがって、何か後段の根本的な制度の改正の要否の検討ができないうちは、今日支給していけないという意味は全然ないと私は思うのです。つまり、現行制度のもとでこれを実施しながら、その制度の改正の要否についてはあとで検討せよと、こういう趣旨だと思いますけれども、そこははっきりそう思いますか。
#47
○政府委員(佐藤達夫君) これはもうほとんど、ほんとうは前段は書かぬでもいいことだったと思いますけれども、これは当時の情勢をお考えになれば、ここ数年来、たとえば地方の人事委員会の判定でありますとか、裁判所の判決がありまして、成規の超過勤務命令を出しながら払わないのはけしからぬという判決もあるわけです。これはあたりまえのことだと思いますけれども、やはり超勤問題に触れる以上は、当然のことをやっぱりうたっておかなければならない、そういうことで書いたわけです。
#48
○鈴木力君 そういたしますと、文部省は当然のことを、しかも昨年この報告を受けておっても、後段の検討ということに名をかりて、超勤を実施することをなまけておったというふうに解釈してもよろしいと思いますが、どうでしょうか。
#49
○政府委員(齋藤正君) 教員の勤務につきましては、それは時間的に的確に把握しがたい面がある。年間を通じて見た場合にも、勤務の態様が一般の行政職員と異なる面もあるのでございますが、沿革的にかんがみますと、一般行政職員より有利に扱うこととして超過勤務という考え方をとらないようなたてまえで運営してきた経緯等もあるわけであります。しかし、教員の超勤勤務手当を支給すべきじゃないか、あるいはそういう措置をとるべきじゃないかというような要望が出ております。文部省といたしましては、まず教員の勤務に関する実態調査を行なうことといたしまして、来年度、調査費を要求した、かようなわけでございます。先ほど人事院総裁からお話がありましたように、両者で検討を進めようということでございまするので、学校職員をかかえております文部省といたしまして、特に常識的に問題になりますのは、やはり給与制度を立てるという場合には、年間の実態というものをやはり論拠にしなければなかなか困難であろうということがありまして、その結果が超過勤務というような制度をとることがなじむのか、そうでないことがなじむのかというような点、いろいろございますし、そういう点は今後の調査の結果を待って検討したい、かように考えております。
#50
○鈴木力君 局長、ごまかしてもらっちゃ困ると思うんです。はっきり言っているように、いま勤務実態を調査して、年間の勤務がどうこう、それから超勤をどうしようということは、いま私が明らかにしました人事院の報告の後段を意味するわけです。前段は、現行制度に立つ限りは実施しなければならないと言ってある。そこのところを実施しないでおいて、後段で根本的に制度の改廃を検討せよというその検討をして、前段の現行制度でやれということはなまけておったということは、これは後段の検討しているということだけで逃げられるはずがないわけです、前段については何もやっていないということなんですから。それはなまけているというならなまけているとはっきり言っておいてもらいたい。
 それからついでですから、ここははっきりしたいと思います。いまも局長のことばの中に、教員の給与は、特に超勤を払っていないということにかんがみて、多少の有利な条件をつけている、そういう発言がいまあったように聞きましたけれども、これはよく巷間そういうことが言われているんです。さっきの佐賀の問題についても、地元の新聞を読んでみますと、いろいろな人が、教員は調整号俸が二号ついているから、超過勤務手当を払わなくてもよいというような意味のことを言われて非常に混乱している。私は現在の給与本給の中には超勤の身がわりをする分は全然入っていないと解釈するんですけれども、この点は人事院総裁のほうからはっきりお答えいただきたいが、まず最初、文部省の局長のほうに聞いて、そのあと総裁のほうからお答え願いたい。
#51
○政府委員(齋藤正君) 人事院の三十九年の八月十二日の報告及び勧告の中の文言でございますけれども、やはり教職員のこの給与と申しますのは、国、地方いろいろ関係がありますし、それは非常に大きなものでございます。したがいまして、私どもはこの文章を一体的に読んで、まず調査をして検討しようということを考えているわけでございます。
#52
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまのところを私からお答え申し上げますが、二九ベースの切りかえに当たりまして、これは完全にそれだけ時間の関係に応じて切りかえたというものではないと、こういうふうに理解しております。ただ、勤務時間が比較的長い、あるいは勤務の特殊性が著しいというようなものにつきましては、普通の切りかえよりもさらに有利な切りかえをした、こういうことはございます。その意味におきまして、教員の給与水準が二九ベースの切りかえによって有利であるということは言えますけれども、それが超過勤務の問題と完全に結びついて当時考えられたというふうには理解いたしておりません。その後におきましては、大体この教員の有利性ということは維持するように人事院の勧告の中においても考えてまいっている。御承知のように、去年から本年にかけましても、初任給の問題につきましては、特に教員に有利なような、去年も今年も、多少の問題はありますけれども、やってきているというのが現状でございます。
#53
○鈴木力君 局長にまずお伺いいたしますが、私は文部省が去年の段階に人事院の報告をどう読んだということ、それでものを言っているわけじゃない。いま総裁が明らかにしましたように、あの文章の意図は、前段は、現在の制度ではやらなければいけない、しかし、根本的ないろいろな問題があるから、これは後段で検討せよ、こう言っているのだということがはっきりしているんですから、それは総裁の言った限りにおいては、前段はなまけておったと、こういうことになるわけで、もしも文部省が一体的に読んだとすれば、それは読み違いである。そこのところをはっきり文部省では認めてもらいたいと思います。
 それから、人事院の局長さんにお伺いしますけれども、いま大体わかりましたけれども、ことしの勧告の中にも、教官、それから医療職ですか、特に配慮したという文書がついてある、これはやはり前の研究職とか、税務職とかも配慮されておるわけですね。そういう配慮をされておることは、たとえば税務職にしても、医療職にしても、超過勤務手当というものは別についておるわけですから、そういうわけで職務の内容によって配慮されたのであって、超過勤務に見合う配慮ではない、そういうふうに私は伺いましたけれども、この辺もう一度はっきりとお伺いいたしたいと思います。
#54
○政府委員(瀧本忠男君) 教員の初任給の改善につきましては、超過勤務という問題よりも、むしろ教員の勤務の特殊性あるいは教育職員の確保に多少とも資するというような観点からでございます。
#55
○松永忠二君 いまお話しのところもう少しはっきりさせてください。熊本県の人事委員会はこういう判定を出していますが、これは誤りでないというお話があるのかどうか、これをはっきりさせてください。「教職員の時間外勤務は、右のような事情のもとにあるが、これに関してこれまでの取り扱いを見るに、一般公務員と別個の取り扱いをするかわり、昭和二十三年に教職員の給料は一般公務員よりほぼ一割高に定めるという給与上の方途が採られたのであった。その後数次の給与改定を経たが、勤務時間に関しての給料の調整は行なわれることなく現在にいたっている。かつてのように、給料表上で別個の取り扱いがなされるという前提のもとにおいては、教職員に時間外勤務を一切命じないという県教委の方針も理解し得られないではないが、そのことのない現在では、その勤務の実態との関連で時間外勤務については再考を要する問題であることを失なわない。」、これはさっきからお話があるように、昭和二十三年の教職員の給料の決定にあたっては、時間外勤務というような問題もあるので、一割高に定めるということをやってきたけれども、その後の数次の改定では、勤務時間に関しての給料の調整は考えていなかった。そういうことであるので、超過勤務に見合うものとして教職員のその後の給料表が考えられているものではない、こういうことを言っているわけです。先ほどあなたの言われたことをもう少し明確にそこをおっしゃっていただきたいと思います。
#56
○政府委員(佐藤達夫君) それでは私から……。制度の大体の経過はいま私のほうの給与局長がお答えしたとおりでございます。したがいまして、さればこそがこの間の報告において正規の超過勤務命令もあり得るという前提に立って、正規の超過勤務命令を出す以上は払わなければならぬということを申しておるのは、その辺が文章の上にあらわれておると思います。したがって、正規の超過勤務命令というものがあり得るし、これを命令したら超過勤務手当を出すのはあたりまえである、正規の超過勤務命令を出すか出さぬかは管理者の方針ですから、これは別ですけれども、出した以上は払ってもらわなければならないということでありまして、いまの沿革については給与局長の話ともその点はつながりは出ているということであります。
#57
○松永忠二君 そういうことを聞いておるのではないですよ。現在の教職員の給料表というものは、他の職員と別個の優遇措置をしていることは、超過勤務が見合うものとしてなされているのではないのかあるのか、そこをはっきりしてください。
#58
○政府委員(瀧本忠男君) 先ほども申し上げましたように、二九ベースの切りかえのときに、超過勤務ということとはっきり結びつけて切りかえたものではないと私は理解しておるということを申し上げた。ただ、超過勤務ということではございませんけれども、教員の勤務態様というもの、これは非常に特殊である、少なくも行政職一般の人々の勤務とはだいぶ趣が違っておるわけでございますが、そこで、教員の勤務態様というものは非常に特殊である、勤務態様のみならず、いろんな観点におきまして特殊である教員の勤務の特殊性ということで、この二九ベースの切りかえにあたりましては高い水準で切りかえた、このように理解いたしておるのであります。したがいまして、現在は大体それを受け継ぎまして現在に至っておる、こういうことでございます。
#59
○松永忠二君 そうすると、いまのお話では、こうして確認していいわけですか、勤務時間に、超過勤務に見合うものとしてこれを切りかえたわけではない、だから、教員の勤務の実態というものは非常にいろいろな特殊性があるので、そういう意味でこれを配意したんだ、こういうことでいいわけですか。
#60
○政府委員(瀧本忠男君) そのように考えております。配意した、人事院がやったわけではございません。当時は、二九ベースの切りかえのときは、そういうことで切りかえられたものであるというふうに理解いたしておるということです。
#61
○久保勘一君 関連でいいですか。
#62
○委員長(山下春江君) 久保委員。
#63
○鈴木力君 さっきの齋藤局長の答えがないのだけれども、私の言ったとおりなんですね、その点認めてもらえれば私はそれでいいです。
#64
○委員長(山下春江君) 久保委員の発言を許しましたから、あとで念を押される点がありましたらお願いします。
#65
○久保勘一君 ただいま教員の超勤についての問答を聞きまして、多少念を押しておきたいと思いますので、重複するようでございますけれども簡単にお尋ねします。私どもは、従来、超過勤務手当を出してない理由の大きなものとして、先ほどから御意見が出ておりますように、給料表の作成の際に、教職員の勤務の特殊性というものを考慮して二号作か調整をした。その教職員の勤務の特殊性というものは、一体内容はどういうことか、いろいろございますでしょうが、その中の最も主たるものは、いわゆる超勤が非常に多いと、常態である、超勤というものを考えなくては、ほんとうの教職員の勤務は日常できないと、こういうことがやはり教員の勤務の特殊性の中の主たる条件であるというふうに私どもは従来理解をしておったわけです。したがって、給料表の調整は、結論的に言うならば、やはり超勤というものを、それで帳消しとまではいかなくても含んでおった、これで超勤は与えられない大きな理由にしておった、支給されない大きな理由にしておった、こういうふうに理解をしておるのです。ただいまの人事院側のお話を聞きますと、多少ウエートはあったけれども、そういうことではない、超勤とは関係はないのだ、こういう明確な答弁なんです。そういうことになりますと、理論的に当然超勤というものは支給さるべきものであり、支給すべきものでありということになるわけです。その点はひとつ後日、超勤を出すか出さないか、どうするかという問題の過程において非常に大きな議論の分かれるところになると思うので、もう一度ひとつ確認のためにその間のいきさつを説明願いたい。
#66
○政府委員(瀧本忠男君) これは当時、私は当事者ではございませんが、人事院といたしましても、先ほど御説明申しましたように、当時のことをそのように理解しておるという程度のお答えしかできないのでございますが、ただ、教員の勤務というものにつきましては、いま御指摘のございましたように、あるいは時間外に教育活動をしておるということもあるかもしれません。また、そういう機会が多いかもしれません。同時にまた夏でありますとか、あるいは冬でありますとかいうようなときにおきましては、これはそういう期間に研修等も行なわれるでありましょうけれども、一般に勤務時間が週何時間ときまっております一般職の公務員の勤務態様と著しく異なっております。そういうことを総合的に勘案いたしまして、この切りかえにあたりまして高い水準で切りかえられたと、こういうふうに考えておりますので、私が申し上げましたことは、超過勤務時間が何時間あるから即これだけ高くすると、そういうことでやったのではないであろう、こういうことを申し上げたのです。
#67
○鈴木力君 委員長、関連。おかしいな、局長にちょっとはっきりしてもらいますが、どだいこの問題の出たのは二九ベースのときの給与のことを聞いておるのではない、二九ベースのときは、確かにそういう趣旨のことが入っているのです。今日の人事院給与を決定する、給与体系を決定する場合に、たとえば税務職に対しても一般行政職とは違っているはずです。医療職も違っているはずです。研究職も違っている。教育職も違っている。こういう違っている勤務の態様というのは、勤務時間というよりは勤務の質を言っている。私どもはそう解釈している。たとえば教育職員の勤務という場合に、大学教授が勤務時間がどうこうということで賃金がきまっているんじゃなしに、研究と教育という質に対して給与がきまっているはず。そういう面で教育職員の賃金が現在きまっておるのであって、これは超過勤務の時間が捕捉しがたいからどうということは入っていない、つまり関係がないんだと、先ほど総裁もそうお答えいただいたと思っておるんですから、そこのところをはっきりしてもらいませんと、二九ベースのところをぐるぐる回っておるとあいまいになるから、そこをはっきりしてもらいたい。
#68
○政府委員(佐藤達夫君) 口がいろいろ違ってまいりますとニュアンスが変わってまいりますので、私の考えておるところは、簡単に申しますというと、超過勤務というのはあり得るという前提です。これは先ほど、前の報告の中身からもおわかりいただけるだろうと申し上げたわけであります。ただし、その超過勤務命令を出すか出さぬかの問題、これは別の問題ですから、超過勤務命令を出すチャンスというものが一般職の公務員ほどひんぱんであるかどうか、これは本来の勤務時間の割り当ての問題ですから、これは別です。したがって、第二の問題として出てまいりますのは、そういう特殊な勤務体制でおられるわけですから、あるいは超過勤務というものになじまないものではないか。そうすると、本来の勤務時間というものをもっと的確にとらえてそれ相当の給与上の措置をするほうが、一時間幾らということよりももっと的確な措置になるんじゃないかという含みもあって、基本的な調査をしようじゃないか、こういうことだと私は考えております。
#69
○鈴木力君 そこは、いま伺ったところはそれでいいですが、その前に、きわめて簡単なことです。今日の教育職員の本給に時間外勤務手当という要素が入っているかどうかということです。私どもは入っていないと解しているがどうかと、こういう質問ですから、入っていないと等えていただければそれではっきりするわけです。
#70
○政府委員(佐藤達夫君) これはおことばを返すようですけれども、入っておれば、去年の報告書に、超過勤務命令を出した場合においてはなんて書くのがおかしい。そんなことをなぜ番いたか。それを書いたのは、それは超過勤務というものがあり得るから書いたわけです。これはもうことばを費やさずとも、これはもう当然おわかりの上でのこととして私は話を進めているわけです。
#71
○久保勘一君 簡単にもう一度念を押しておきたいと思うのですが、超勤がいまの給与表の中に入っているか入っていないかという議論ですが、これは私ども前のことでよく存じませんので、いま説明を聞くと入っていない。しかし、局長の説明だと、教員の勤務の特殊性ということを十分考慮して調整をしてある、こういう御意見です。そこで、念のために次の委員会で御答弁願いたいと思うのですが、この間のいきさつをもう少しひとつつまびらかにしていただく、二十三年当初、つくった当時はどういう考え方であったのか、その後の給与表の調整が行なわれておりますが、その際は前のそういうものを考慮に入れてつくられておるのかどうか、全然そういうものは考慮に入っておらぬのか、そういう点について、次の機会でけっこうですから御答弁いただきたいと思うので、調整してください。
#72
○政府委員(瀧本忠男君) 御承知のように、二十三年当時のことでございまして、人事院が教職員の給与問題を取り扱います前の問題なんです。それで、われわれも従来その点につきましていろいろ調べてみようと思って、まあただいま申し上げたようなことを一応調べておるわけでございますが、多少時間も経過しております。当事者も変わっておりますので、なかなか確かめがたい点もございますので、その点はお許し願いまして、できるだけ調べまして……。
#73
○小林武君 それでは最後に一つだけ人事院総裁にお尋ねをして私の質問を終わります。この間、総裁がおいでにならないとき、局長との間で質疑を取りかわしたのですけれども、私は政府が人事院の勧告を尊重した。この尊重したことを公務員共闘傘下の大多数の組合員が理解してくれたので、統一行動もしないような結果になった、こういうような話があったわけですね。一体、九月実施というのが人事院勧告を尊重したのか、しないのかという話になった。私はこの間の局長の話の中から、大体、結論としては尊重していないという結論が出ると思う。これは速記録をお読みになればわかる、わかると思う。それは繰り返しません。ただ、人事院総裁にここではっきりしていただきたいことは、とにかく六回目ですね。六回目です。私はこういうふうに理解してよろしいのじゃないかと、このごろ思っている。いまの人事院の制度のもとでは、勧告を完全に実施するということは不可能ではないか、私はそう思うのであります。第一、十六年間、人事院ができてからたったと思う。そのうちに六回勧告があって一度も完全実施をしない、そういう事実の上に立って、もうこれはやはり人事院のもとでは、公務員の方々は完全実施をしてもらうことができないのではないか、われわれもまたそれを認めていいのではないか、こう思っておりますが、どうです。
#74
○政府委員(佐藤達夫君) とんでもないお話で、これはたいへんなショックであります。たしかにいまお話のとおりですよ。私どもの勧告におきまして五月からということをうたいましたのは、まあこれは六回目ですか。それは確かに今日までそのとおりにはいっておりません。しかし、われわれはこれが絶対に不可能なものだということは夢にも考えておりません。したがいまして、また毎年毎年努力に努力を重ねておるわけであります。そう見離されてしまったのでは、もうわれわれの立場は全然ないわけでありますから。幸いにこの人事院勧告は、これは法制上非常に特例的なお扱いだと思いますけれども、国会そのものに対しても御勧告申し上げる形になっております。これは人事院の勧告を非常に強いものとしてお認めいただいたものだと思います。したがって、ここで見離されては、われわれとしては何とも立つ瀬がございませんので、ぜひとも国会におきまして、今度はひとつ御理解ある措置をぜひとっていただきたい。これはもう垂々お願い申し上げます。
#75
○小林武君 私は、そういう質問が出たのはショックだとおっしゃるわけですが、これは公務員のほうから見れば、六回も完全実施ができないというほうがもっとショックですよ。これは生活につながるのですから、もっとショックです。
 まあ今度の場合においても、総裁もうすうす聞いているのではないかと思うのですけれども、五月にいかなくとも、せめて何とか少しは色がつくのではないかという期待を最後には持っておったことは事実です、公務員諸君の中には。その期待も裏切られたということなんですね。私は決してその人事院総裁にいやがらせを言おうとか何とかいう気持ちは毛頭ございません。ただ、それが六回も実施されないということに対して、人事院側は、それを何というか、われわれの側からいえば、いろいろ御苦心はあると思うけれども、黙認されたというような形に見えるわけですよ。そういう黙認の形のままでいったということになるならば、これはもう公務員制度審議会の問題で、これは今度、代償機関としての人事院の今までの実績等考慮した場合に、これは私は当然いろいろ議論されると思うのですよ。私としては代償機関としての人事院が、やっぱりはっきりした権威を持たれて、少なくともイギリスの教員などが、教員組合で代償機関から出された裁定がどんな場合でも政府がこれを拒否することはできないというようなあれを、もう確立してもらってもよろしいのじゃないか。私はせめて今度何カ月か、政府が苦しい中からでも努力をしたというようなあとを見れば期待を持った。しかし、今度は私は持てないと思っているのです。しかも、今度はたいへん財源の問題がありましてということを文部大臣は口を開けば言う。しかし、財源の問題が何とかなるときですよ、いままで過去五回のあれを見たらどうですか。そのときでもやってないじゃないですか。私はこれは財源の問題ではなくて――大体尊重したと理解しているのですからね、いままでやったことを。だから今度のような官房長官の談話になったのです。公務員共闘に集まっている諸君は、とにかく政府はよく尊重してくれた、われわれも理解しなきゃならぬ、こういうところから統一行動がとにかくうまくいかなかったのだ、これはわれわれの勝利であるというような、こういう発表なんです。私は人事院総裁は勝利だとか、勝利でないとかということには興味はないかもしれないけれども、なくてもけっこうだと思う。しかし、これはお考え願いたいんですよ。私はいやなことを言うようだけれども、そういう人事院ならば、ここらでみずから御破算したらどうかと思う。そうでなかったら、人事院の責任者は、こんな六回も勧告をおじゃんにするような政府に対して、大きな意思表示をやるべきだと思う、これでは責任が果たされませんと。このぐらいの態度を示さなかったら、この次も私はあぶないと思う。そのときは完全に人事院というものの将来というものが私は決定づけられると思うのですよ。そう考えるからこういうことを申し上げているのですよ。私も、人事院の勧告が、これが事実上尊重されて、そして人事院が公務員の一つの保護的な立場においても十分機能を発揮するということになれば、決して人事院を軽視するというような気持は持っておりません。ある程度、私は議員になる前から人事院に対して信頼を持っていたし、また、そうしてもらいたいということを願っていたのです。私はそういうふうな立場をとっておりますので、ショックだなんということを、言ってもらうと――私はこっちのほうがショックです。憤激してくれなければいけないと思うのです。あなたが憤激していなくて、それについて文句を一、言う側の者に対してショックだと言われるのは、私ははなはだ遺憾だと思うのです。
#76
○政府委員(佐藤達夫君) ショックの理由をもう・少し述べさせていただきたいと思います。先ほどもちょっと触れましたのでございますが、確かに政府の態度はわれわれにとっては不満な形できまりましたけれども、これはあくまでも政府原案の段階でございまして、これがどういう形になりますか、いずれ国会の御審議をわずらわすことになると思います。先ほども触れましたように、私どもは国会にも御勧告を申し上げておるわけでありますから、これから先はひとつ最高機関としての国会のお力にすがらざるを得ない。われわれはまだあきらめておりません。まだ最後のチャンスが残っているということでわれわれは期待をしておるわけでありますから、そこでもう見離されてはわれわれとしてはほんとうにショックを感ぜざるを得いのであります。どうぞよろしくお願いをいたします。
#77
○小林武君 しかし、そういうことをおっしわ、っても、あなたは全然国会を知らないわけでもないし、ぼくらよりよけい知っているはずですから、そういうことは一つの言いのがれだと思う。しかし、まあここらでやめましょう。あとでお知恵を拝借に行きますよ。それじゃ、国会の場でわれわれがどのようにしてやったらいいのか、ひとつ人事院総裁のお知恵を拝借に行きますからね。
#78
○委員長(山下春江君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#79
○委員長(山下春江君) 速記をつけて。
 他に御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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