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1965/11/22 第50回国会 参議院 参議院会議録情報 第050回国会 日韓条約等特別委員会 第2号
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1965/11/22 第50回国会 参議院

参議院会議録情報 第050回国会 日韓条約等特別委員会 第2号

#1
第050回国会 日韓条約等特別委員会 第2号
昭和四十年十一月二十二日(月曜日)
   午後四時十二分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     土屋 義彦君     井川 伊平君
     笹森 順造君     山内 一郎君
     園田 清充君     内田 俊朗君
     多田 省吾君     宮崎 正義君
     向井 長年君     片山 武夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         寺尾  豊君
    理 事
                大谷藤之助君
                久保 勘一君
                草葉 隆圓君
                長谷川 仁君
                松野 孝一君
                亀田 得治君
                藤田  進君
                森 元治郎君
                二宮 文造君
    委 員
                井川 伊平君
                植木 光教君
                梶原 茂嘉君
                木内 四郎君
                黒木 利克君
                近藤英一郎君
                杉原 荒太君
                内田 俊朗君
                田村 賢作君
                中村喜四郎君
                日高 広為君
                廣瀬 久忠君
                柳田桃太郎君
                山本茂一郎君
                山内 一郎君
                和田 鶴一君
                伊藤 顕道君
                稲葉 誠一君
                岡田 宗司君
                小林  武君
                佐多 忠隆君
                中村 英男君
                羽生 三七君
                横川 正市君
                渡辺 勘吉君
                黒柳  明君
                宮崎 正義君
                片山 武夫君
                岩間 正男君
                市川 房枝君
   国務大臣
       内閣総理大臣   佐藤 榮作君
       法 務 大 臣  石井光次郎君
       外 務 大 臣  椎名悦三郎君
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
       農 林 大 臣  坂田 英一君
       運 輸 大 臣  中村 寅太君
       郵 政 大 臣  郡  祐一君
       国 務 大 臣  松野 頼三君
       国 務 大 臣  安井  謙君
   政府委員
       内閣官房長官  橋本登美三郎君
       内閣法制局長官  高辻 正巳君
       法務省民事局長  新谷 正夫君
       法務省入国管理
       局長       八木 正男君
       外務省アジア局
       長        後宮 虎郎君
       外務省経済協力
       局長       西山  昭君
       外務省条約局長  藤崎 萬里君
       農林大臣官房長  大口 駿一君
       水産庁長官    丹羽雅次郎君
       水産庁次長    石田  朗君
       通商産業省貿易
       振興局長     高島 節男君
       電気通信監理官  野口 謙也君
       郵政省貯金局長  稲増 久義君
       郵政省簡易保険
       局長       武田  功君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        増本 甲吉君
       常任委員会専門
       員        結城司郎次君
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条
 約等の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
○日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定の
 実施に伴う同協定第一条1の漁業に関する水域
 の設定に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済
 協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第
 二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する
 措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び
 待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の
 実施に伴う出入国管理特別法案(内閣提出、衆
議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(寺尾豊君) ただいまから日韓条約等特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、土屋義彦君、笹森順造君、多田省吾君、園田清充君、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として井川伊平君、山内一郎君、宮崎正義君、内田俊朗君、片山武夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(寺尾豊君) 日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約等の締結について承認を求めるの件、日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定の実施に伴う同協定第一条1の漁業に関する水域の設定に関する法律案、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律案、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別法案、
 以上衆議院送付の四案件を一括して議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。椎名外務大臣。
#4
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま議題となりました日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約等の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、大韓民国政府との間で昭和二十六年十月の予備会談以来両国間の諸懸案を解決して同国との国交を正常化するための交渉を行なってまいりました結果、先般ようやく全面的妥結に達し、昭和四十年六月二十二日に東京においてわがほう椎名外務大臣及び高杉代表と韓国側李外務部長官及び金大使との間で、基本関係に関する条約をはじめ、漁業に関する協定、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する協定、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する協定並びに文化財及び文化協力に関する協定に署名を行ない、紛争の解決に関する交換公文を行なった次第であります。
 基本関係に関する条約は、本文七カ条からなっており、両国間に外交及び領事関係が開設されることを定め、また、韓国政府が国連第三総会決議第百九十五号に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることを確認する等、両国間の国交正常化にあたっての基本的な事項について規定しております。
 漁業に関する協定は、本文十カ条からなり、附属書並びに韓国の漁業水域に使用される直線基線に関する交換公文及び済州島水域における韓国の漁業水域に関する交換公文があります。この協定は、公海自由の原則の確認、漁業水域の設定、暫定的共同規制措置等、両国間の漁業関係について規定したものであります。
 財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する協定は、本文四カ条からなっており、これに協定と不可分の第一議定書及び第二議定書が附属しております。その内容は、両国及びその国民の財産、権利及び利益並びに両国及びその国民の間の請求権問題の解決について規定するとともに、韓国に対する三億ドル相当の生産物及び役務の無償供与並びに二億ドルの海外経済協力基金による円借款の供与による経済協力について規定したものであります。
 日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する協定は、本文六カ条からなっており、戦前からわが国に居住している大韓民国国民及びその一定の直系卑属に対し永住許可を付与すること並びにそれらの者に対する退去強制事由及びそれらの者が日本国で受ける待遇について規定しております。
 文化財及び文化協力に関する協定は、本文四カ条及び附属書からなっており、両国民間の文化関係を増進させるための協力並びにその一環として一定の文化財を韓国政府に引き渡すこと等を規定しております。
 また、紛争の解決に関する交換公文は、別段の合意がある場合を除くほか、両国間の紛争は外交経路を通じて解決すること及びそれができない場合には調停によって解決をはかるものとすることを規定しております。
 これらの日韓諸条約の交渉については、すでに累次の国会の本会議及び委員会における質疑等を通じて明らかにしてきたとおり、政府としては、近隣関係にある韓国との問題をすみやかに解決して両国及び両国民間に安定した友好のきずなを樹立すべきであるとの考えから、諸懸案の一括解決の基本方針に従って困難な交渉を打開すべくあらゆる努力を重ねてまいった結果、今般これら六件の条約とそれに関連する諸文書について両国政府間において妥結を見るに至った次第であります。こうして、両国が久しく待望されていた隣国同士の善隣関係を主権平等の原則に基づいて樹立することが、両国及び両国民の利益となることは申すまでもありませんが、さらにアジアにおける平和と繁栄に寄与するところ少なからざるものがあると信ずるものであります。
 よって、ここに、これらの条約等の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。
 次に、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律案の提案理由を御説明いたします。
 政府は、大韓民国との間の諸懸案を解決し国交正常化を行なうため、昭和四十年六月二十二日に東京において、日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約その他の諸条約に署名いたしましたが、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定は、その第二条において、日韓両国間の財産及び請求権に関する問題が完全かつ最終的に解決されることになったことを確認し、日本国にある韓国及び韓国民の財産等に対してとられる措置に対しては、韓国はいかなる主張もできないものとする旨を規定しております。したがいまして、この協定が発効することに伴ってこれらの財産等に対してとるべき措置を定めることが必要となりますので、この法律案を作成した次第であります。
 この法律案は、三項及び附則からなっており、協定第二条3に該当する財産、権利及び利益に対する措置について規定するものであります。
 まず、第一項におきましては、韓国または韓国民の日本国または日本国民に対する債権及び日本国または日本国民の有する物または債権を目的とする担保権を消滅せしめることについて規定しております。
 第二項におきましては、日本国または日本国民が保管する物の帰属について規定しております。
 第三項におきましては、証券に化体される権利について、韓国または韓国民がその権利に基づく主張をすることができない旨を規定しております。
 なお、附則におきまして、この法律案の施行の日を協定発効の日としております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。(拍手)
#5
○委員長(寺尾豊君) 次に、坂田農林大臣。
#6
○国務大臣(坂田英一君) 日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定の実施に伴う同協定第一条1の漁業に関する水域の設定に関する法律案の提案理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、提案理由について申し上げます。
 日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定第一条におきまして、日韓両国は自国の沿岸から十二海里以内の水域を、自国が漁業に関し排他的管轄権を行使する水域、すなわち漁業に関する水域として設定する権利を相互に認めております。このことに伴い、わが国においても沿岸漁業の保護をはかるため、必要に応じかかる漁業に関する水域を設定し、当該水域においてわが国が行使する排他的管轄権に関し、大韓民国及びその国民に対する法令の適用を明らかにする必要があるのであります。これが、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容を御説明申し上げます。
 第一は、協定第一条1の漁業に関する水域を政令で定めることとする規定であります。なお、この漁業に関する水域は、その設定の目的及び趣旨等からして最小必要限度にとどめるべきものでありますが、大韓民国漁船の装備の向上等に伴って、今後わが国沿岸における大韓民国漁業とわが国沿岸漁業との交錯を生ずることが多くなることも考えられ、これら情勢の変化に応じて漁業に関する水域を設定するため政令で定めることといたした次第であります。
 第二は、漁業に関する水域において大韓民国及びその国民が行なう漁業に関しては、わが国の法令を適用することとする規定であります。これにより、具体的に適用される主要な法律は漁業法でありますが、同法及びその委任命令により大韓民国及びその国民の行なう漁業が規制されるほか、これらの規定に違反した大韓民国国民については罰則が課せられることとなるのであります。
 以上がこの法律案の提案の理由及び内容であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
#7
○委員長(寺尾豊君) 次に、石井法務大臣。
#8
○国務大臣(石井光次郎君) 日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別法案について、その提案の理由を説明いたします。
 日韓両国の友好関係を増進するためには、長年にわたりわが国に居住している大韓民国国民にわが社会秩序のもとで安定した生活を営むことができるようにする必要があります。このような観点から、日韓協定の一つとして、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定が締結されたのであります。
 この法律案は、右の協定を誠実に履行するために必要となる永住許可、退去強制等について出入国管理令の特別規定を設けようとするものでありまして、本文九カ条及び附則からなっているのであります。
 以下この法律案の内容の概要を申し述べます。
 第一点は、大韓民国国民であって終戦前から引き続き日本に居住している者及びその直系卑属として一定期間内に日本で出生し、引き続き居住している者のほか、永住を許可されているこれらの者の子として日本で生まれた者は、その申請により、法務大臣の許可を受けて本邦で永住することができるものとしたことであります。法務大臣は、一般外国人の在留管理に当たっておりますので、これを主管大臣としたのであります。
 第二点は、永住許可の申請、その審査及び許可について手続規定を設けたことであります。すなわち、申請者の便宜をはかり、申請手続の窓口事務は居住地の市町村の事務所において行なうべきものとしたのでありますが、法務大臣が審査を行なうについて必要な事実調査は入国審査官または入国警備官をして行なわせるものとしたことであります。
 第三点は、永住許可を受けている者に対する国外退去強制事由について、一般外国人に対するよりも著しく制限を加えたことであります。すなわち、永住許可を受けている者に対しては、内乱、外患、国交に関する罪や麻薬関係犯罪等の特定の罪によって罰せられた場合のほか、七年をこえる重い刑に処せられた場合等に限って、退去強制の手続をとり得るものとされているのであります。
 第四点は、虚偽の申請をして永住許可を受けた者や威力を用いて永住許可の申請を妨げた者に対する罰則を設けたことであります。適正、迅速かつ自由な申請手続を保障しようとする趣旨に出たものであります。
 以上がこの法律案の提案の理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#9
○委員長(寺尾豊君) 政府委員から補足説明を聴取いたします。藤崎条約局長。
#10
○政府委員(藤崎萬里君) 日本国と大韓民国との問の基本関係に関する条約等並びに財産権及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律案の補足説明をいたします。
 去る六月二十二日に東京において日韓両国代表の間で署名されました基本関係、漁業、請求権及び経済協力、在日韓国人の法的地位及び待遇、文化財及び文化協力、並びに紛争解決に関する諸条約について、交渉経緯及び内容のおもな点を御説明申し上げれば次のとおりであります。
 第一に、基本関係に関する条約は、韓国がわが国より分離独立して以来、日韓両国間に懸案となっている諸問題を解決して国交を正常化するために、両国が過去の関係を清算して今後相互に友好的な関係を維推していく上で最も基本的な事項について合意を見た諸点を内容とするものであります。
 一般に、二国間において国交を開くためにこのような条約を結ぶことは必ずしも必要とされませんが、日韓間におきましては、過去の歴史的関係、韓国政府の特殊な国際的地位、日韓交渉の経緯等から見まして、このような条約を締結することによって将来の日韓関係を規律することが必要であると考えられた次第であります。
 この条約は、七カ条よりなり、その効力発生とともに両国間に外交関係が開設され、大使の交換が行なわれ、また、両国政府の合意する場所に領事館が設置されること、一九一〇年八月二十二日以前に大日本帝国と大韓帝国との間で締結されたすべての旧条約及び協定はもはや無効であることが確認されること、大韓民国政府は、国連総会決議第百九十五号(III)に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることが確認されること、両国は相互の関係において国連憲章の原則を指針とするものとし、また、相互の福祉及び共通の利益を増進するにあたって、国連憲章の原則に基づいて協力するものとすること、両国間の貿易、海運その他の通商の関係を安定した基礎の上に置くための協定及び民間航空運送の協定の締結交渉をできる限りすみやかに開始すること等を内容としております。
 第二に、漁業に関する協定は、十カ条よりなり、附属書及び協定第一条の実施についての二交換公文があります。この協定は、漁業資源の最大の持続的生産性の維持及び保存並びに合理当発展をはかり、両国間の漁業紛争の原因を除去して相互に協力することを目的とするものであります。漁業問題については、韓国が昭和二十七年に一方的に設定したいわゆる李ラインをめぐって両国の立場が鋭く対立したため交渉は著しく難航いたしたのでありますが、この問題については、協定の前文において公海自由の原則の尊重が確認され、また第四条によってそれぞれの国が漁業水域を設定する権利を有することを認め、その外側における取り締まり及び裁判管轄権は漁船の属する国のみが行なうことと定められた結果、今後はこの協定による規制や制限以外には韓国によるわが国漁業に対する一方的措置はとり得ないことが確認され、漁業水域外の公海において韓国官憲による不法な拿捕抑留などの不幸な事件の発生がなくなることが協定上確保されたわけであります。このほか、協定は、共同規制水域を設定して暫定的共同規制措置をとること、両国間の漁業関係の秩序の維持、漁船の安全操業の確保、紛争解決のための措置等について規定しております。
 第三に、財産及び請求権の解決並びに経済協力に関する協定は、四カ条よりなり、二議定書が附属しております。この協定は、日韓両国間の歴史的な特別の関係にかんがみ、また両国間の将来の友好関係の確立という大局的な見地から韓国の経済の発展に寄与するため、同国に対し無償供与三億ドル及び長期低利の借款二億ドルの経済協力を行なうこととし、これと並行して両国間の請求権問題を完全かつ最終的に解決することについて規定しているものであります。
 わが国は、日韓間の請求権問題の解決にあたり、韓国側の請求項目のうち法的根拠があり、かつ事実関係も立証されるものについては支払いを認めるとの立場をとってきたわけでありますが、交渉の結果、法的根拠の有無について日韓間の見解に大きな隔たりがあること、また職後十数年を経過し、事実関係を正確に立証することはきわめて困難なことが判明するに至りました。このような日韓間の対立を放置し、日韓国交の正常化をいつまでもおくらせることは、大局的見地から見て適当でないことは明らかであるため、いわゆる大平・金了解を基礎として、わが国が韓国に対し経済協力を行ない、これと並行して、両国間の財産及び請求権に関する問題を完全かつ最終的に解決することとしたのであります。
 請求権問題の解決につきましては、協定第二条において、平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたことが規定されており、また、この条の規定による処理の対象から除かれる一定の財産、権利及び利益のほかは、この協定の署名の日に一方の国の管轄下にある他方の国及び国民の財産、権利及び利益に対する措置並びに一方の国及びその国民の他方の国及びその国民に対する請求権に関しては相互にいかなる主張もすることができないものとする旨が規定されております。
 経済協力に関しては、この協定は、韓国に対し三億ドルに相当する日本国の生産物及び日本人の役務を十年間にわたって無償で供与し、また、二億ドルまでの海外経済協力基金による長期低利の円借款を事業の実施に必要な日本国の生産物及び日本人の役務の調達に充てるものとして、同じく十年間にわたって供与することを定めております。
 また、協定の第一議定書は、前記の無償供与の実施手続として実施計画の決定、契約の締結及び認証、韓国使節団の設置等について規定し、第二議定書は清算勘定残高の返済及び返済のない場合の無償供与からの減額について規定しているものであります。
 第四に、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する協定は、六カ条よりなり、日本国に居住し一定の要件を満たしている大韓民国国民に日本国の社会秩序のもとで安定した生活を営むことができるようにすることによって、両国間及び両国民間の友好関係の増進に寄与することを目的とするものであります。すなわち、この協定は、これらの韓国人に対してその申請に基づいて日本国での永住を許可することとするとともに、それらの者に対する退去強制事由の特例を定め、また、教育、生活保護、国民健康保険等についての一定の待遇を規定しております。
 との協定の対象となる韓国人は、戦前に日本人として来日し、現在まで引き続き日本国に居住している者及びそれらの者と密接なつながりを持つ一定の直系卑属であり、日本国の社会と特別な関係を有している者でありまして、その日本国における法的地位及び待遇の問題は、単にそれらの者自身の問題のみではなく、長い将来にわたりわが国の社会に影響を及ぼすものであって、今次の国交正常化にあたって日韓両国間において解決を必要とする重要な問題の一つであった次第であります。
 第五に、文化財及び文化協力に関する協定は、四カ条及び附属書よりなり、両国の文化における歴史的な関係にかんがみ、両国間の国交の正常化に伴い、両国間の文化的な交流が活発化することを予想して、両国の学術及び文化の発展並びに研究に寄与するため結ばれるものであります。
 この協定は、両国政府は両国民間の文化関係を増進するためできる限り協力すること、日本国政府は、韓国民がその文化財について有する深い関心及び朝鮮動乱で韓国の文化財の多くが焼失または散逸したことにかんがみ、文化交流の一環として附属書に掲げる文化財を両国政府間で合意する手続に従って協定の効力発生後六カ月以内に韓国政府に引き渡すこと、また、両国政府は、自国の美術館等学術及び文化に関する施設が保有する文化財について他方の国の国民に研究する機会を与えるため、できる限り便宜を与えること等を内容としております。
 第六に、紛争の解決に関する交換公文は、国交正常化にあたっての両国間の諸懸案の全面的解決の一環として、竹島の領有権をめぐる紛争問題の解決をはかることを目的として行なわれたものでありまして、これにより、両国間のすべての紛争は、別段の合意がある場合を除くほか、外交上の経路を通じて解決されること及びそれができなかった場合には、調停によって解決がはかられることとなるわけであります。
 なお、この交換公文には竹島という名前は明示されておりませんが、ここに言う「両国間の紛争」に竹島が含まれることは、この問題をめぐるこれまでの経緯から見ても客観的にきわめて明白であり、また条文解釈の問題としても、この公文に言う「両国間の紛争」に竹島問題を含まないという別段の合意がなされていない以上は、この問題がここに含まれることは明らかであります。
 次に、大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律案につきまして――その立案の趣旨及び規定の内容の御説明を申し上げます。
 さきに御説明いたしました財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する協定は、その第二条3において、一方の国及びその国民の財産、権利及び利益であってこの協定の署名の日に他方の締約国の管轄のもとにあるものに対する措置について、今後いかなる主張もなされ得ないことを規定しておりますが、協定の対象となるこれらの実体的権利について具体的にいかなる国内的措置をとるかにつきましては、当該締約国の決定にゆだねられております。したがいまして、わが国については、大韓民国及びその国民の実体的権利をどのように処理するかについて国内法を制定して、同条3に言う措置をとることが必要となったわけで、これがこの法律案を作成した理由であります。
 この法律案は、このような協定の規定が合意された趣旨に従い、第二条3に該当する韓国人の実体的権利については原則的にすべて処理することを規定しておりまして、第一項は、韓国または韓国民の財産権で、日本国または日本国民に対する債権及びその目的たる物と、日本国もしくは日本国民の所有物または債権を目的とする担保権を消滅せしめることについて規定しております。第二項においては、日本国または日本国民が保管する韓国または韓国民の物であって、協定第二条3の財産等に該当するものは、その保管者に帰属せしめることとし、第三項において、物に化体される権利で協定第二条3の財産等に該当するものは、前二項の適用を受けるものを除き、権利行使を停止し、その帰属については政令で定めることを規定しております。なお附則におきまして、この法律案は、協定発行の日から施行することを定めております。
#11
○委員長(寺尾豊君) 八木入国管理局長。
#12
○政府委員(八木正男君) 日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別法案の条文について御説明申し上げます。
 日韓両国の友好関係を増進するためには、長年にわたりわが国に居住している大韓民国国民にわが社会秩序のもとで安定した生活を営むことができるようにする必要がございます。このような観点から、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定――以下「地位協定」と略称します――が締結されました。
 この法律案は、右の協定を誠実に履行するために必要となる永住許可、退去強制について、一般法たる出入国管理令(昭和二十六年政令第三百十九号)の特別規定を設けたものでございます。この趣旨は題名においても明らかなとおりでございまして、この法律案に特別の規定がない事項は、出入国管理令の規定によることとなるのでございます。
 以下、この法律案の各案につき御説明申し上げます。
 第一条は、地位協定に基づく永住について規定したものでございます。
 日本政府は、地位協定第一条の規定に基づき、一定の要件を具備する大韓民国国民が一定の期間内に永住許可の申請をしたときは、日本国で永住することを許可することとなっております。地位協定第一条1及び2はこれらの永住の許可を受けられる者の範囲を次のように定めております。すなわち、大韓民国国民であって、
 (一) 昭和二十年八月十五日以前から申請の時まで引き続き日本に居住している者
 (二) 右(一)に該当する者の直系卓属として昭和二十年八月十六日以後地位協定発効の日から五年以内に日本で生まれ、その後申請の時まで引き続き日本に居住している者
 (三) 右(一)又は(二)に該当する者として永住を許可されている者の、その子として協定発効の日から五年を経過した後に日本で生まれた者がそれでございます。
 本条第一項は、右に述べた地位協定第一条1及び2に規定する大韓民国国民について、法務大臣の許可を受けて本邦で永住することができることとしました。すなわち、この許可を受けた者は、本法第六条第一項各号に掲げる退去強制事由に該当する場合を除き、終生その意に反して本邦外に退去させられることはないこととなるのであります。
 本条第二項は、右に述べた地位協定第一条1及び2に規定する大韓民国国民が同協定第一条1から3までに定める期間内、(これは原則として協定発効の日から五年以内または出生の日から六十日以内でございます。)この期間内に永住許可の申請をしたときは、法務大臣がこれを許可するものといたしました。法務大臣は、一般外国人の在留管理に当たっておりますので、これを主管大臣としたものでございます。
 第二条は、「日本国政府の定める手続に従い」と規定する地位協定第一条1及び2に基づき、永住許可の申請手続について規定したものでございます。
 第一項は、申請は、外国人登録、住民行政の面で申請者の最も身近にあるその居住地の市町村を窓口とし、申請者自身が当該市町村の事務所に出頭し、当該市町村の長に、法務省令で定めるところにより、永住許可申請書その他の書類及び写真を提出して行なわなければならないことを規定しました。ただし、写真は、十四歳に満たない者については提出することを要しないものとしました。
 なお、法務省令においては、提出書類は、永住許可申請書、旅券もしくはこれにかわる証明書または大韓民国の国籍を有している旨の陳述書、家族関係及び居住経歴に関する陳述書並びに外国人登録証明書とし、その様式、提出数等につき所要の規定を設け、また、提出すべき写真の規格及び提出数を規定する予定でございます。
 第二項は、代理申請について規定いたしました。地位協定に基づく永住許可の申請は、意思能力に基準を置き、できる限り本人の意思を尊重するというたてまえから、本人が十四歳以上であるときは、本人みずからこれをし、十四歳未満であるときは、親権を行なう者または後見人がかわってするものといたしました。
 第三項は、「疾病その他身体の故障」によりみずから出頭して申請をすることができない者につい七は、法務省令で定めるところにより、代理人を出頭させることができることを規定いたしました。法務省令においては、代理人の範囲、代理の順位及び代理関係の疎明方法について規定する予定であります。
 第四項は、市町村の長は、本条第一項に定める書類及び写真の提出があったときは、永住許可を受けようとする者が申請にかかる居住地に居住しているかどうか、及び提出された書類の成立が真正であるかどうかを審査をした上、これらの書類及び写真を都道府県知事を経由して法務大臣に送付しなければならないことを規定いたしました。ただし、すでに述べた旅券またはこれにかわる証明書及び外国人登録証明書については、その性質上法務大臣に送付することは適当でないので、法務省令においてこれを送付することを要しない旨を規定する予定でございます。書類等の送付について都道府県知事を経由することとしたのは、行政指導上の必要に基づくものでございます。
 第三条は、許可要件を具備しない者に対してあやまって永住許可をすることのないよう、許可要件に関する事実の調査につき規定したものでございます。
 第一項は、法務大臣は、審査のため必要があるときは、入国審査官または入国警備官に事実の調査をさせることができるものといたしました。
 第二項及び第三項は、入国審査官または入国警備官は、調査のため必要があるときは、関係人に対し出頭を求め、質問をし、もしくは文書の提示を求め、または公務所もしくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができることを規定いたしました。なお、旅券またはこれにかわる証明書がなく、国籍に関する陳述書を提出したときは、日本政府の権限ある当局の文書により大韓民国政府の権限ある当局に照会し、回答を得ることが合意されております。
 第四条は、永住許可書の交付及び外国人登録原票等への記載について規定したものであります。
 第一項は、法務大臣は、地位協定に基づく永住を許可したときは、永住許可書を都道府県知事及び市町村の長を経由して交付することを規定いたしました。永住許可の重要性にかんがみ、許可書を交付してその事実を本人に通知するためであります。
 第二項は、都道府県知事または市町村の長は、地位協定に基づく永住許可を受けた者にかかる外国人登録の写票または原票及び登録証明書にその旨を記載するものとすることを規定いたしました。外国人登録は在留外国人の居住関係及び身分関係を明確にして公正な管理に資するためのものでございますので、永住許可の事実を外国人登録上に反映させることが必要だからであります。
 第五条は、永住許可が効力を失う特殊な場合を規定したものでございます。地位協定に基づく永住許可であっても、出入国管理令上の在留資格と同様、本邦から再入国の許可を得ないで単純に出国し、または退去強制された場合等は失効するのでありますが、この規定はさらに大韓民国の国籍を失ったときは、その者は地位協定の対象とならなくなりますので、その永住許可は効力を失うことを明らかにしたものであります。
 第六条は、地位協定第三条に基づき、強制退去に関する出入国管理令第二十四条の特例を規定したものであります。
 第一項各号は、退去強制事由について、地位協定第三条(a)、(b)、(c)及び(d)を国内法に明確化したもので、第一号は同条(a)に、第二号は(b)前段に、第三号は(b)後段に、第四号は(c)前段に、第五号は(e)後段に、第六号は(d)にそれぞれ対応するものであります。
 第二項は、第一項第三号に定める「日本国の外交上の重大な利益を害した」ことの認定は、その事柄の性質上、法務大臣があらかじめ外務大臣と協議して行なわなければならないものとしたのであります。
 第三項は、退去強制の手続は出入国管理令に規定するところによるので、同令の規定で「第二十四条各号」とあるもののうち、地位協定に基づく永住許可を受けている者に適用されるべき手続規定については、「第二十四条各号」とあるのをこの法律の第六条第一項各号とすることを規定しております。
 第七条は、地位協定第五条に基づき、地位協定に基づく永住許可を受けた者について、この法律に特別の定めがある場合のほか、たとえば、出国の手続、再入国の許可等について一般法である出入国管理令の適用があることを、念のため規定したものでございます。
 第八条は、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細目的事項を法務省に委任することを規定したものであります。法務省令においては、第二条の規定により委任されているものを含め、提出書類の数、様式等を規定する予定でございます。
 第九条は、許可手続を適正、迅速かつ平穏円滑に行なうため、最少限度の罰則を規定したものであります。
 第一号は、地位協定に基づく永住許可の効果の大きいことにかんがみ、許可要件を欠く者に対して許可することのないよう虚偽の申請をして永住許可を受けまたは受けさせた者を処罰することを規定いたしました。
 第二号は、自由意思に基づく申請を他人が威力を用いて妨害することのないよう、これを処罰することを規定したものでございます。
 附則としまして、この法律は協定の効力発生の日から施行することを規定しております。
#13
○委員長(寺尾豊君) 以上をもちまして補足説明は終わりました。
 直ちに質疑に入ります。藤田進君。
#14
○藤田進君 議事進行、質疑に入る前に。質疑じゃないのですよ、議事進行だから。
#15
○委員長(寺尾豊君) 私は藤田君を質疑のために指名をいたしました。
#16
○藤田進君 議事進行のために、日韓問題に入る前段に、委員長はじめ意見を申し上げ、ただしたい。
 いま国民は、おそらく日韓条約に賛成の者はもとより反対の者でも、本月、十一月六日の衆議院特別委員会の事情、さらに引き続いて十二日における衆議院の事情、これらについてはおおむね有力な意見は出尽くしてもいる。それから見ると、日韓の問題について、委員会の運営をはじめ本会議の運営等を含めて、なぜもっと掘り下げた、政府は政府として、答弁を回避しないで、十分なる答弁をすると、そういう声がほうはいとして起きているときであります。ところが、一昨日、二十日の委員会の職権における事情、またその席上寺尾委員長は、決して強行採決であるとか、いやしくも非民主的な委員長の運営というものはしないということを確約したのは一昨日のことです。それが本日また繰り返し職権という、この委員会の招集をし、会派間のまとまりもないままにただいままでの運営をやってこられた。いわば衆議院における、かようなあるまじき違憲的なあの状態が、すでに参議院の自民党なり政府には感染してきてやることを証明するものです。私どもは、日韓問題については衆議院の事情を踏まえた上でさらに国民によく日韓の交渉なりその結果としての条約、協定を掘り下げてよく知ってもらおう、ついては、参議院の特殊事情として、みずからも言われているような委員が一名のところ、いわゆる小会派というか複雑な多数会派を持っている参議院としては、ほんとうに民主的に、しかも慎重に審議をするためには、理事懇談会にも応じ、特別委員会に名簿も送り、そうして一昨日の土曜日にも理事懇談会に臨んで、今後運営される日韓に対する方法についてるる協議をやってきた。そうして本日月曜日、二十二日に再び集まろうということで、私ども定刻にちゃんと出席して、いままでに政府に対してもできるだけ早目に資料を要求することのほうが適当であろうということで文書にし、そうして本日は各省庁の窓口の諸君にも来てもらって、いろいろ取り違いのないように、提出の時期を含めて相談をやってまいりました。さらに、委員長が議題として出してきたところの委員長及び理事打ち合わせ事項の委員会の持ち方、質疑の方法あるいは時間、質疑の順位あるいは公聴会の開会の要求に関する件、さらに今後の委員会の持ち方、これがようやく夕方四時前後になって自由民主党からも一つの提案があって、質疑順位については、まあ十人ぐらいまでとりあえずきめていったらどうだろうかということにも同調をして、これもきまりかけていた。ところが、全体の審議をいたします土俵というものが一体いつまでかという意思統一がないと、各会派においてもそれぞれの質問者に質問時間を割賦するわけにもまいりません。したがって、そのことを相談をしようということであり、公聴会については、自由民主党は中央公聴会を一日一回ということに対して、審議を深める意味においても、地方公聴会を少なくとも複数の数カ所設けたらどうだろうか、そのやり方については、能率のあがるようにというようなことになり、与党自民党の理事とされても、ここでいきなりきまらないから、ひとつ持ち帰って相談をしたいと、それじゃわれわれのほうも質問時間なり、あるいはその質疑順位なり公聴会について等、会派に相談をいたしますから、自由民主党も相談をしてもらいたい、その時間は十五分くらいで何とかならないだろうかと言ったのはむしろこちらのほうなんです。まあ十五分はともあれ、短時間の打ち合わせで集まって、委員長を囲んでの理事打ち合わせ会において、突如として、委員長が公約した、速記をつけての、おとといの無理はしない――今朝来打ち合わせ会でもしばしば委員長は言明した、そのようなことはいたしませんと言ったことに反して、ここに職権で開くということについては、伝え聞くところによると、委員長はそのような手荒なことはしたくない、そういうすべはとりたくないと言ってこられたように――私はこれは伝え聞くところですが――ところが、自由民主党を代表する五名の理事、またこれの背後にある機関が、しゃにむに委員長をして今日このような事態に追い込んだものと解するほかは実はない。(「そういうことはないぞ」と呼ぶ者あり)それじゃ、委員長がじきじきにこういうことを始めたのか、君にあとからまた答弁を願わなければならぬが。このようなことでは、国民が期待している外交問題については、ことに日韓の問題については問題が多い、衆議院はかかる事情だということで、出発点をお互いに踏まえて、委員長が公平に中立の立場で運営をされるということがなければ、これは先が思いやられるんです。私は、いきなり質疑に入ろうとされたけれども、そういうやり方について、委員長はどういう事情のもとにこうせざるを得なかったのか、委員長をしてだれがそうさせたかという、これは皆さん委員の中にも意見が出ているように、ぜひ聞きたい。こんなことで今後の委員会というものがスムーズに持てますか。何でもかでも多数がきめ、委員長を押し出して、押し上げて、突き上げていけばどうにでもなるんだと。私は、衆議院の事態等については、あらためて質疑の申し合わせができた日から佐藤総理大臣に、施政方針演説、所信表明、さらにしばしば言われているその政治に対するかまえというものと実際にやられておられることについては、どうしても国民の納得のいくようにたださなければなりません。きょうは委員長にまずこれをただしたい。
 繰り返して要約いたしますと、委員長が就任される委員会そのものも、必ずしも円満なスムーズな状態ではなかった。しかし、それはそれとして、就任された当初のあいさつなり質疑の中から、いま行なわれておるような、いやしくも職権でというようなことはいたしません、こういう明言をされているにかかわらず、今日このような取り運びをされたことについての経過と、委員長の所信と、また今後に対する――聞いてもむだかもしれない、言ったこととやることは違うのだ。しかし、あらためてここで聞きたい。
 第二点は、以上申し上げた要約としては、一体委員長としては、いま国民は何を望んでおるか。与党の理事打ち合わせ会における発言を聞くと、汽車をまず出してからの話にしようじゃないか、こう言うのですね。それじゃダイヤに組んでいない列車を出したらどうなりますか。いわんや、新幹線に乗るのか旧東海道線で行くのか、青森か下関かわからないままに、とにかくけんかをぶっ始めていけば何とかなるだろうというような、第二院の良識を期待されておる参議院の委員長としてそういうことでよいのかどうか。国民はどう考えておるというふうにあなたは把握されておるのか。これが第二の点であります。
 また第三の点は、理事打ち合わせ会等で、私ども議事の進行については全く献身的にやってきたはずです。滞りなく話し合いがきまって、最後まできめられないものについては、これはしようがないです。そこまでやってきたのだが、公明党を含めわれわれ野党の理事、これが打ち合わせ会において、委員長をしてかくあらしめた理由があったのかなかったのかはっきりしてもらいたい。それではほんとうに国民は失望するでしょう。
 あとさらにございますが、多くを申し上げて、答弁漏れになることは私の好むところでない。
 以上三点について、議事進行上、この際あなたのほんとうの心というものをまず御答弁をいただいて、私が納得いくものなら納得をして、あらためて質疑にも――質疑、質疑と言われますから――入りもいたします。きょうはこのまま入れるような状態ではないのです。わかりましたか、質問の要旨は。わからなければまだ言いますが、とりあえず三つについて納得のいく説明をしてもらいたい。
#17
○委員長(寺尾豊君) お答えをいたします。
 一昨日、不肖私が各位の御推挽によりまして本特別委員会の委員長に選任をされました。そのときにごあいさつにも申し上げましたように、特に国民がこの日韓条約並びに案件等には深い関心を持っておる、できるだけすみやかに、できるだけまた綿密に審議をしてほしい、これは私は国民の声であろうと存ずるのであります。そのときに藤田さんその他から、確かに私に対して、審議は慎重にやるのか、また衆議院で行なったようなあの強行採決のようなものはやらないか――十分審議を尽くします、さような無理な採決は私はいたしませんということを確かに申し上げたのであります。しかし私は、本日のこの開会は、国民の期待に沿うものだと私は確信をいたしております。すでに衆議院が承認可決をされましてから十日を経過をいたしております。一昨日は、その特別委員会の構成も、参議院において皆さま方の御努力によってできました。不肖私が、微力の身をもって委員長にもさしていただきました。国民は――これは他院のことを申し上げてはなはだ私は申しわけがございませんが、衆議院では十分な審議が行なわれなかったんじゃないというような声も私は聞いております。しかし、衆議院には衆議院の事情があったのでありまするから、私はこれに対し七衆議院にとやかく言うものではございませんが、私はひたむきに、ひたむきにこれは一日も早く提案理由の説明を政府からも聞いて、関係閣僚がら、また、特に佐藤内閣総理大臣からは親切丁重なる説明がほしい、このことをするのが不肖私が委員長に当選をさせていただいた大きな使命であると、私は決意をいたしている次第であります。本日、理事会ということには銘打つことができなかったので、この点は遺憾でありますが、これは社会党さんの御都合もあって、理事懇談会ということによってほとんど四、五時間を通じて、この審審をいかにするか、公聴会をいつどういうふうな形においてやるかといったようなことについて、まことに真剣な、協力的な御審議をいただいたことを、私は藤田さんはじめ亀田さんその他にも、心から感謝をいたしておりますが、私がただ心配をいたしましたのは、すでに参議院に送付をせられて十日間を経過をしておる。あとわずかに十数日しかない。そうしてみれば、一昨日すでに特別委員会の構成ができたのでありまするから、昨日は休んで、本日はぜひにも委員会を開催したいということを、私は一昨日から本日にかけてしばしば同僚議員にも、また本日は、社会党の皆さまにもお願いを繰り返したのであります。しかし、不幸にしてこれが聞き届けていただかれなかったのであります。私はこのときは、私は身をもって本日の提案理由の説明並びに質疑等は、特に社会党さんからは有力なる議員各位が、質疑の通告もございまするから、ぜひにもきょうはやりたいといろことでやりましたので、やや行き過ぎた点があったかもしれませんけれども、私の真意は、国民にかくすることが期待にこたえるゆえんだと、こういうことでございましたので、何とぞひとつ各位の寛大なる御理解をお願いを申し上げたいのでございます。
#18
○藤田進君 非常に苦しい前後矛盾だらけの御答弁ですが、これはまあ委員長の心情複雑なものがあろうかと思うけれども、それではあれですか、委員長としては、とにもかくにもこの委員会さえ開けば前に進むと、――それじゃお尋ねしますが、何ら破裂することもなければ、スムーズに過去の予算委員会その他の質疑の順位、各会派のね、そういうことも委員長が主宰されて、懇談会が相当進んで、そうしてこの辺でひとつきめたというのでなしに、きめかけということで、あとは持ち時間等について話してみようかと、いや公聴会はどうだと、先ほど指摘したとおり、いきなりここで開いて、じゃどうしようと言われたのですか。まだ打ち合わせ会では、委員長が開会を宣したならば、それじゃ何からやろう、質問はだれから立てよう、それじゃなんですか、いまのあなたの発言をみると、これから質疑に入るようなことを言われている。早くここへ来た者が質疑をやってよかったということになるのですか。早い者勝ち、始めたら時間はもうとにかく終わりまでやらせにゃしようがないだろうと、そういうことに、理の当然、なるでしょう。そういうことがあったのでは、わが参議院までが国民からの期待に反する。そういうことで、まず列車が出てからということじゃなしに、出る前にダイヤを組もう、経由路線はどこだということで、鋭意やっていた最中に、突如として、さあ四時だ四時だというようなことで、お忙しいはずの佐藤さんはじめちゃんとお待ちになっているということからみると、委員長が切なる国民の立場からその思うゆえをもってとおっしゃるが、相当これは計画的じゃありませんか。ねえ、どう。ここで開いて、さあ質疑に入る、ただいまからとおっしゃるけれども、どうする予定だったのですか。話し合いはもう一切無用、ただ、ていさい的にそこらで言わしておけばいい、時間が来たらとつちのものをやるんだと、そういうことしか思えないじゃないですか。どうしようと言われたのです。ここへ早く来た者が勝ちということなのか、自席からやってもいいのか、これじゃしかし、われわれ今後日韓特別委員会の理事として委員長から指名を受けてやっている者としては、さっぱりつかみどころがないじゃありませんか。私が言ってるのが無理ですか。しかし、それでも一昨日なり今朝来の打ち合わせ会で、とにかくごねて、順位もきめまい、それもだめ、これもだめでやってきたということじゃなかったでしょう。委員長のことばで表現を聞けば、協力してくれたというようなことだった、その協力している最中に、時間が来たらカチッというのは、一体どういうことかと言うのです。行き当たりばったり、質問者を立ててやっていいのですか。私は衆議院の事態その他については、わが会派あるいは他会派も同様でしょうが、総理ほかに日韓問題の大前提としてこれはただします、やりますが、まず政府を責める前に、わが参議院の委員会がこのていたらくで、一体どうなるのですか。委員会開いて、ただいまより質疑だとおっしゃるけれども、繰り返すようだが、どうしたらよかったのですか。われわれ非のあるところがあれば言ってください、ここで。
#19
○委員長(寺尾豊君) お答えいたします。本日、社会党さんのほうからは、十数名の質疑通告がございました。したがいまして、私は本日委員会をぜひとも開きたい、そうして政府の提案理由の説明を求めて、質疑をお願いしたい。それからなお、いま公聴会そのほかの、あるいは持ち時間等の御相談も、かなりのところまで進んだので、本会議が終了いたしまして、理事懇談会を新しく開いていただいて、これらの問題を検討したい、かような実は考え方を持ったわけであります。
#20
○亀田得治君 ちょっと関連。委員長の土曜日のあいさつからいたしまして、本日の事態は、先ほど藤田君から御指摘になったとおり、私もはなはだ遺憾であると考えております。で、委員長が先ほどお答えになったことをじっと聞いていたわけですが、一つは、現在の事態の全体に対する認識の狂いがあるのじゃないかという感じを持っておるわけです。この点がやはり考え方を改めておいてもらいませんと、これから毎日の委員会運営でたいへん困るのではないかと思います。
 その第一は何かといいますと、衆議院を本件が通った――通ったと自民党は称しておられるわけですが、まあこの問題は水曜日にわれわれお聞きしたいと思いますが、委員長の考えからいうと、衆議院を通って十日間ばかりの空白がある、捨て置けないんだと、こういう意味のことを先ほども言われます。しかし、なぜそのような空白が一体生じたのか。これは何といっても衆議院における前例を無視したあのような強硬態度というものがもたらしていることは、これはもう内外ともに認めておるところであります。衆議院の諸君がたいへんそのことで憤慨して、そうして現在でもまだ見通しがつきません。当然それは参議院に同じ形でありませんが、はね返る、常識であります。しかし、われわれ参議院としては、衆議院と多少違うわけでありまして、そういう中にありましてもできるだけの協力は委員長にしなければならぬ、こういう立場をとってやっておるわけであります。これは委員長もよく――先ほど若干そのことはお認めになっておるようですが、その点に重点を置いて考えてもらいたいと思うのであります。これが第一点。
 そうして第二は、それじゃ参議院における経過はどうであったか、衆議院においてあのようなことがあって、その後の経過はどうであったか。これは、議長を中心にして若干の収拾工作があったり、それに関連して各会派間にいろんな問題のあったことも御承知のとおり。いろいろな経過をたどって特別委員会が正式に発足したのは土曜日なんです。われわれ特別委員に議長から任命をされたのは土曜日。社会党としては、衆議院の事態に対する問題について根本的に憤慨をし、無効――否定する態度をとっておるわけであります。したがって、当然この特別委員会の発足というものがかなかむずかしいということは常識的に考えられると思う。内部のことまで申し上げる必要がありませんが、正真正銘特別委員の名簿がきまりましたのは、土曜日の社会党の参議院総会で十時半これがきまっておるわけであります。なぜきまりにくいのか。いま申し上げたような事情があるからでございます。何も特別委員の名簿の提出を渋るとか渋らぬとか、そんな問題じゃございません。これは重宗議長が一番その間の事情を知っておるはずであります。そういうわけで、土曜日にこの委員会が発足した。ぜひ委員長の互選なり理事の任命等構成を急ぐということで協力いたしました。わずか一日なんです。一日。一体、本気でこの重要な日韓関係案件に取り組むことのためにはそれで事足りるとお考えでしょうか。もしそんなことで、ただ形式的にわいわい押していけばいいというふうな感じを持っておられるとしたら、考えを持っておられるとしたら、これは改めてもらわなければなりません。お互いわれわれはみんな一見識を持った者がそろっておるわけであります。土曜日にに構成した。まだ発言者の順序も、提案者の与党のほうはどんなような一体構想を運営について持っておるのかもわからない。そういう状態のままで、子供じゃありません、だれが一体本格的にその中へ入っていくことができましょうか。ただ出て口を動かしておればいいという問題じゃないじゃないですか。こういうことは、われわれ委員長、理事の間では、おそらくわれわれの誠意も認められてわかってもらっておると思いますが、どうもそういう現場を離れておる背後にある何かのもの、そういうものが盛んにせき立てるようであります。委員長としてはそういうものに屈しないで、やはり野党の立場も考えて、ただ単に動物的に時間を使っていくというんじゃなしに、ほんとうに参議院らしい審議をするにはどうしたらいいのか、審議を深めるにはどうすべきか、そういう立場で検討をしてもらいたいと思うのであります。われわれがきまったのは土曜日ですよ、正式にきまったのは。それから本日の十時からずっと委員長、理事の懇談会を続けたわけですが、決してこれはむだなことをやったわけではございません。もしこれがなく、委員長職権でいきなり開いてごらんなさい。一体だれが質問する。先ほど藤田理事から指摘のありましたように、何も順序はきまっておらない。そこに先に来た者がこうしゃべると。そうなれば社会党のほうでもひとつだれかやってくれ、この重要な案件について質問するほうにしても、そのような不見識な質問ができましょうか。社会党の私たちの主張によってこの懇談会が持たれて初めてこれは軌道に乗っておるんじゃないでしょうか。確定案とまでは言っておらぬけれども、大体のかっこうというものがついておる、これならばひとつ水曜日にはどなたにやってもらおう、次はどなたにやっていただきたいというふうにわれわれも委員の皆さんにお願いもできるわけであります。何かこう理由なく引き延ばしておるのじゃないか、そういうつまらぬ憶測をしないで、ほんとうにお互いに腹をきめて、土俵に上がるときには上がってしっかりやると、こういうふうに委員長としては両方をうまく導いていかなければいかぬわけなんです。政府と与党だけわいわい言うておるから、何でもいい、ともかく口をあけてくれと。そんなものはもうほんとうの参議院らしい審議とは言えぬわけです。きょうは、資料につきましても、乱雑な委員会でやっている以上に、実は理事懇談会の中で討議が深められておるわけだ。この資料自身にしたって、この期間から言うならば、きょうあれだけ問題を掘り下げられたということは、これは大きな収穫なんです。もしあれだけのことをこの場でいきなりぶっつけ本番でやりだすと言ったら、どうしてこの二十数項目の資料の問題点に触れることができましょうか。そういうものですから、そのまず最初に、何か十日間の空白があった、そういうものが非常なこう出発点において間違った認識がある。われわれ委員としては、土曜日です。これはほんとうに。われわれが理事をやってくれということになりましたのも、土曜日にこれは本ぎまりになっておるわけです。理事になれば、それに対してしからば全体どういうふうにやっていこうか、自分一人で判断するわけにいかない。そういうわけですから、ひとつ委員長としては、若干まだ誤解をしておられるようでありまするので、しっかりとその辺についての考え方をもう一度明らかにしてほしい。そういたしませんと、水曜日からの運営というものがほんとうに論議々深めていくということに支障が出てくると思うわけです。先ほど藤田理事からの御質問にお答えになりましたが、私からも、大事な点ですから、もう一度お願いしたい。私は、若干、われわれの立場、気持ちというものをざっくばらんに申し上げた。そういう点についておそらく誤解をしておられたと思う。誤解があったんならあった、そういうような点についてもあわせてひとつ所見を承わっておきたい。
#21
○委員長(寺尾豊君) お答えいたします。
 藤田理事並びに亀田理事から切々の御注意を賜わって、まことに私は不徳のいたすところだと存じております。しかし、私がぜひにも二十二日には委員会を開会いたしたい、まず政府の提案理由は聞かなければ審議に入れないからという一途の考えで実はこの委員会を開催をいたさざるを得なかったのでありますが、いろいろ御指摘をいただいて、私も(「反省したか」と呼ぶ者あり)――感ずるところはございました。(笑声)しかし、私のこの苦哀、国民に対する綿密なる審議をできるだけすみやかに始めなければならないという私の苦衷もお察しを願いたいと思うのであります。いろいろな面できわめて不肖でありまするから、いろいろの面で委員各位に御迷惑をかけたり、あるいは誤解を賜わったり、おしかりをいただいたりすることは、私の不徳のいたすところでございます。しかし、本意はただいま申し上げたとおりでございまするから、何とぞひとつ御了承を願いたいと思います。
#22
○藤田進君 まあ古い政治家は、不徳とか、何かわけのわからぬ以心伝心とか、ああいうことなんだが、私が先ほどただしたそのお答えについてどうも聞き捨てならない点が一つあるので、その真意をさらに重ねてお伺いをしたい。いきなり開会して、レールも敷いてないし、ダイヤも組んでない。では一体どういうふうにしてただいまから質疑をしますかと申し上げたところ、お答えは、それらについてはさらに理事会ないし懇談会を開いてそこできめるようにしたいと、こう言われたと思うのです。だとすれば、質疑にいま入ると言ったことはまことに不徳のいたすところです。私もそれは認めます、あなたのおっしゃるとおり。ですから、レールを敷き、ダイヤを組んでいくという、そのことの努力をして、そうして完全な委員会の運営ができるようにして、そして質疑に入るということでいかがなんですか。
#23
○委員長(寺尾豊君) 本日開会をいたしましたことについては、質疑を多数をやっていただくということではなかったのでございます。と申しますことは、時間も相当経過をいたしましたし、趣旨説明を聴取をいたしまして、一、二の通告のある質疑者の方に質問を願ったならばどうだろうか、こういうことで本日は質疑に――これは当たらないことばかもしれませんけれども、時間的にはあまり多くを費やすまい。やはり初めての特別委員会の発足でもあるし、政府の説明を聞くと同時に、一、二名の方に質疑を願うという、比較的時間を考慮をいたしました委員会を計画をいたしたわけでございます。皆さん方にいろいろ問題を投げかけたということは、確かに私も十分足りなかったところがあると思います。しかし、この日韓条約並びに案件については、第二院たる参議院といたしまして、その高い使命にかんがみて、十二分に綿密なる審議を行なうべきだということだけはいまも変わっておりません。ですから、そういうことにおいて皆さま方にもぜひ御協力が賜わりたい。私の皆さま方に対する不徳のためにいろいろ御意見があったようですから、そういう点には私としては十分今後考えていきたいと思っております。しかし、申し上げましたように、できるだけ審議を尽くして国民にこたえたいとの私の信念はさようなとおりでございまするから、御了承のほどをお願い申し上げたいと思います。
#24
○亀田得治君 それなら、ひとつ理事懇談会を開いてもらって、もう少し先ほどから進みかけておるレールをちゃんとなおして、それから堂々と取り組もうじゃありませんか。だから、ひとつここで休憩してください。散会してください。
#25
○委員長(寺尾豊君) 一応いまの藤田理事の質疑をお願いしたのでありまするから、藤田委員、ぜひひとつ質疑をやっていただきたいと思います。
#26
○藤田進君 あなたが答弁されたのに、今後のダイヤなりそういういわば質問順位とか時間は、理事懇談会等を開いてこれは引き続き相談するといってさっき答えたばかりじゃないですか。それは委員長に伺いたいことはまだ山ほどあります。それを続けますか、委員長に対して。日韓の質疑に入る前の委員長に対する質疑をどうしても続けろと言われれば、非常にありがたい時間をいただくわけで、私はやりますが……。(「散会散会」と呼ぶ者あり)質問にまだ入れない。その前が詰まっているんだよ。だれから始めるというようなこともまだきめてないだろう。(「そんなとこでもそもそやらないで、理事懇談会をやれよ」「散会散会」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
#27
○藤田進君 委員長にさらに続けてということですから、機会を与えられて続けたいと思いますが、要するに、何回も申し上げるように、委員長、わからないはずはない。今朝来、おとといを含めて、理事懇談会の模様はもうお忘れないはずなんです。ここでは委員会を進めるについては一つのルールが必要です。国会法があり、国会規則があり、慣例がある。それにのっとったそれぞれの質疑者の順位もきめなければならぬ。たくさん出てきているから、だれかやってもらおうと思っている、そんなわけにはまいりませんよ。どうする。――ちょっと、自席に着くべきじゃないですか。人が質問しているときに失礼じゃないですか。何の話をしておるのか、それによって許すが……。(笑声)そうでしょうが委員長、何も無理を言っているのじゃない。特に参議院は、自由民主党あり、社会党あり、公明党、共産党、民社党、第二院クラブ、これだけあって、これは佐藤さん聞かれて、もっともだというふうな顔をしていますよ、国鉄に長くおられたんだから。いきなり機関車をくっつけて走らせればいいんだなんという、それは暴論ですよ。レールがあるのやらないのやら。われ勝ちにここで質問する時間はとにかくいつまででもいいというようなことではならないが、どうするんですかと言ったら、あなたは、それは理事懇談会でさらに相談をしてやりますということだった。これは当然な答弁ですよ。委員長、どう思いますか。長く申し上げてもあなたはポイントをはずすから、一問一問いきますから。
#28
○委員長(寺尾豊君) 今朝ですね、あなたのほうから質問通告がございました、十数名。したがいまして、私は、本委員会においては、ひとつ時間も相当経過したことでありまするから、藤田委員の質問をぜひやっていただきたい、かようにお願いします。
#29
○藤田進君 トップに御指名をいただこうとしたということは非常にありがたいように見えるが、非常に迷惑なんで、皆さんそれでいいの。(「反対」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)お聞きのとおりですよ。みんな了解していないんだから。これじゃ、社会党から出ている理事とはいいながら、委員長、せっかくの御親切かどうかしらぬけれども、わが会派が皆それはだめだぞとおっしゃるのに続けるわけにいくものじゃないですよ。
#30
○委員長(寺尾豊君) けれども、今朝あなたのほうからは質問者を出されたのですから……。
#31
○藤田進君 出したけれども、私がそのトップの順位でもないし、順位をきめてないんです。社会党から出てきたら、じゃ藤田から始めるなんていうことはきめていないでしょう、きょうもね、理事会で。まあたとえば出したその書面の一番初めに書いてあったから一番最初にやるものと解したとかということが言えるのならいざ知らず、私がまたトップに書いて出してないですよ。見ていただけばいい。ちょっと事務局見せてあげて。順位は不同ですよと、皆さん了解された、理事懇談会で。私どもは、だれにしようか、持ち時間によって、やる問題の内容によって、順序はきめてまいります。ですから、いきなり委員長から藤田おまえやれと言われても、いま聞いてみるとそういう事情です。だめなんです。ですから、次にだれがやるかというようなことも聞きたいけれども、それはもう聞いてみてもむだです。これはね、無理は言ってないです。そんなことじゃ、これ、公明党さんも、いやそうはいかぬぞということなんですから、そこを逃げて、おれがやると言われたら、委員長どうしますか。いわんや時間についてもです。それをやはりつくろうといって、令朝来、しかも四時ごろまでどんどん進んできている最中じゃないですか。なぜ四時がきたらぱっと列車を発車させなきゃならぬか。それは無理がありますよ。委員長、あなたも長年の国対をやられ、副議長をやられ、内閣には列して逓信委員長をやられ、(「大臣だよ」と呼ぶ者あり)逓信大臣、委員長じゃなかったか、ああ予算委員長だな。(笑声)大臣もやられ、それらの経歴から見てですね、いきなりもうここで藤田を言えばというわけに――わが会派のほうを了解させてもらえばあるいはやるかもしれぬが、了解しないと言っているんです。これは他会派もそうです。これじゃだめです。(「委員長、強行するからこういうことになる」「委員長答弁」と呼ぶ者あり)委員長、いまお尋ねいたしました。お答えはどうですか。まず委員長の御答弁から。(「散会散会」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)委員長いかがですか。先ほど聞いたのですがね、どういうやり方でこれを。理事ですから、議事進行についてはこうしてやっておるけれども、あなたが質疑に入れと言われて――それというのは、まだ会派のまとめがついていないわけです、他会派を含めてね。委員長せっかく言われても、では私やりましょうということで、なかなかこれ、私もまだ、これから議員生活が長いので、そう人をかき分けて早くやるというようなことは、これはむずかしいです。
#32
○委員長(寺尾豊君) 先ほどの要旨をちょっと言ってください。
#33
○藤田進君 先ほどの質問に対する委員長の答弁は――つまり、おととい、そしてきょう四時ごろまでに、委員長は主宰されたのだから御承知のように、質問の順位、各会派のね、したがって党内も、それぞれの会派の順位もきまる、それはどの程度の持ち時間でいこうというようなことが、きまりかけているのに、順位については、十番目くらいまでは、じゃこの辺はひとつ、きまりかけということで次へ進んでいこうと、こうなっておりましたね。そうなっておる最中に質疑しろとおっしゃっても、これは困るのじゃないですかと言ったところ、いやそれについては引き続き理事懇談会を開いてきめていきたいという、あなた答弁をされたわけです。それならそれで、そういうふうに処置されればいいし、いや、まあ質問要求が出ているから、とりあえず藤田を指名したのだとおっしゃるなら、いま皆さんに聞いたところ、お聞きのように、それはだめだぞと、よその会派からも大きな声が出ておった。そんな状態で、私が日韓の質疑に入れますか。したがって、議事進行として善処をわずらわしたいということを申し上げておる。筋の通った話でしょうが、これは。それはどうなんですか。あなた答弁されているのだから、それはそういうふうに処置される以外にないでしょう。
#34
○委員長(寺尾豊君) 私は、やはり本日委員会を開会して、政府関係者の提案理由の趣旨説明がありましたから、それで、それに対しては、やはり委員会を開会したということからいくと、藤田委員に質疑を願いたい、それは、今朝の通告によってあなたを私は御指名を申し上げた、こういうことでありますからして……。
#35
○藤田進君 そうすると、これから先の質疑順位なり持ち時間なりをきめてやるのが慣例ですよね。その点については、最後までそういうことなしに、委員長が、きょうは岡田宗司君、きょうは岩間君と、そういうやり方でおやりになるのですか。それはどうなるのですか。よく聞いておかないと……。
#36
○委員長(寺尾豊君) 今後のことについては、先ほど申し上げましたように、理事懇談会において、すでに十番目くらいまでは一応先ほど内定をしたというような形になっておりますから、ですから、あなたから質問を願いたい、こういうわけなんです。
#37
○藤田進君 今後のことというのは、いまからあとのことをいうわけです。いまからあとが今後です。
#38
○委員長(寺尾豊君) 私の言うのは、この委員会を終了したあと理事懇談会を開いて、自後のことは御相談をするようになっておる、こういうことを申し上げたのです。
#39
○藤田進君 きょうは番外でおまえやってみろということですか。持ち時間はどうなるのですか。からだの続く限りやってみよというのですか。お答え願いたい。これ、どうなるのです。
#40
○委員長(寺尾豊君) それでは、本日はこの程度とし、二十四日午前十時から四案件についての質疑を行ないます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後六時二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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