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1965/10/28 第50回国会 参議院 参議院会議録情報 第050回国会 社会労働委員会 第4号
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1965/10/28 第50回国会 参議院

参議院会議録情報 第050回国会 社会労働委員会 第4号

#1
第050回国会 社会労働委員会 第4号
昭和四十年十月二十八日(木曜日)
   午前十時十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小柳  勇君
    理 事
                鹿島 俊雄君
                佐野 芳雄君
                藤田藤太郎君
    委 員
                紅露 みつ君
                土屋 義彦君
                徳永 正利君
                山本  杉君
                横山 フク君
                大橋 和孝君
                山崎  昇君
                小平 芳平君
                高山 恒雄君
   国務大臣
       労 働 大 臣  小平 久雄君
   政府委員
       労働大臣官房長  和田 勝美君
       労働省労政局長  三治 重信君
       労働省労働基準
       局長       村上 茂利君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
       労働省職業安定
       局長       有馬 元治君
       労働省職業訓練
       局長       松永 正男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○労働問題に関する調査
 (労働行政の基本方針に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小柳勇君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 ガン対策に関する調査のため、先般三名の参考人よりそれぞれ御意見を聴取いたしたのでありますが、さらに、来たる十一月二日に、癌研究所長吉田富三君及び日本胃集団検診学会理事長有賀槐三君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(小柳勇君) 労働問題に関する調査を議題といたします。
 まず、労働行政の基本方針に関する件について調査を行ないます。政府より、本件に関し、所信を聴取いたします。小平労働大臣。
#5
○国務大臣(小平久雄君) 第五十回臨時国会にあたり、一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。
 労働問題はあらためて申し上げるまでもなく、人間としての労働者の問題であります。したがって、労働政策は、基本的には人権尊重の理念のもとに、広く人間としての労働者の福祉を目的として進められるべきことは申すまでもございません。それと同時に、労働問題は、本来、社会、経済の問題と深い関連を有する問題でありますので、私は、労働行政を進めるにあたっては、経済、社会の動向との関連を十分考慮しつつ施策を講じてまいりますとともに、他面、経済、会社諸施策にできる限り労働行政の立場を反映させていく必要があると考えております。私は、このような基本的な考え方に立って、当面次のような諸点に重点を置いて労働行政を推進してまいりたいと存じます。
 まず、雇用対策について申し上げます。
 最近の雇用情勢は、景気の停滞を反映し、雇用の増勢鈍化や新規求人数の減少が見られるなど、必ずしも楽観を許さない状況にあります。このような情勢に対処して、雇用対策といたしましては、今後の景気の動向を慎重に注視しつつ、大学卒業者の就職問題、中高年齢者等の雇用問題等に対して、実情に応じた施策を迅速、かつ、機動的に進めてまいる所存であります。特に明春の大学卒業予定者につきましては、その就職がかなり困難な状況にありますので、政府といたしましては、先に臨時学生等就職対策協議会を中央に設置するとともに、各地方にも地方学生就職促進対策協議会を設け、積極的な求人確保対策を講じているところであり、労働省としては、今後とも関係各方面と協力して、その就職の促進に努力してまいる考えであります。
 一方、長期的に見れば、わが国経済は近い、将来において、新規労働力の減少により、労働力不足基調へ移行することが予想されるのであります。また、産業構造の高度化、技術革新の進展等に伴い、産業間、職業間等に労働力のアンバランスが生ずることも考えられます。
 このような情勢に対処して、雇用の安定と国民経済の安定成長を期するためには、将来の労働力需給の的確な見通しの上に立って雇用に関する計画を策定し、政府の経済社会諸施策に反映させるとともに、その線に沿って職業紹介、職業訓練及び就職を円滑にするための各種の施策を効果的に実施することにより、中高年齢者等、就職の困難な者の就職の促進、産業構造の変化等により離職または転職を余儀なくされる労働者の職業転換の円滑化をはかり、労働力の有効な活用と適正な流動を促進することがぜひとも必要であると考え、目下その方策について検討を進めております。
 また、現在の技能者の大幅な不足と、今後の経済発展に対応して予想される技能者の需要の増大に対処するため、公共職業訓練の拡充整備、事業内職業訓練の促進により技能労働者の養成確保をはかるとともに、技能検定の拡大実施等によって技能水準の向上を積極的に推進してまいる所存でございます。
 次に、労働災害防止対策について申し上げます。
 最近における労働災害の発生率は逐年低下をみつつあるとは申せ、労働災害による死傷者数は、昭和三十九年において、死亡者約六千百人を含め、七十三万人の多きに達し、その間、多数の犠牲者を伴う重大な災害も発生しており、その経済的損失も二千六百億円に達するといわれております。このような労働災害の現状は、人間尊重を基本理念とする近代福祉国家として、まことに遺憾にたえないところであります。
 労働省といたしましては、このような労働災害に対処するため、労働災害の防止を行政の最重点の一つとして、労働災害防止実施計画を樹立し、これを軸として人命尊重観念の高揚、安全衛生関係法令の整備、監督の強化、企業の労働災害防止活動に対する指導援助等の諸施策を強力に推進しているところでありますが、今後とも、総合的、かつ、科学的な労働災害防止対策を積極的に展開するとともに、特に中小企業を中心に、安全衛生施設の設置を促進するための融資制度を検討するなどによって、労働災害のない明るい社会の実現を目ざしたいと存じます。
 なお、不幸にして労働災害にあわれた労働者に対しましては、従来から保護の充実につとめてきたところでありますが、特に第四十八回通常国会において労働者災害補償保険法の一部を改正する法律が成立いたしましたので、その円滑な施行をはかるとともに、リハビリテーション施設等、福祉施設の拡充を行なって、これら労働者の保護に万全を期してまいる所存であります。
 次に労働者の賃金につきましては、ここ数年かなりの向上改善を見、規模別格差も次第に縮小しつつありますが、今後とも、賃金は国民経済の成長と調和を保ちつつ実質的に改善されるべきものと考えており、関係労使が、かかる観点から良識をもって賃金問題を自主的に解決されることを期待しております。このため、労働省といたしましても必要な客観的資料を整備し、一般に提供するよう一そうつとめてまいる所存であります。
 なお、最低賃金制につきましては、一昨年及び昨年中央最低賃金審議会からいただいた答申に基づき、昭和四十一年度末までに約五百万人の労働者に適切な金額の最低賃金を設定することを目標とする最低賃金推進計画を実施し、最低賃金制の実効ある拡充につとめているところでありますが、さらに将来の最低賃金制の基本的なあり方については、本年八月、中央最低賃金審議会にその検討をお願いしたいところであります。
 最後に、労使関係の問題につきましては、労使が相互信頼を基調としつつ、国民経済的視野に立って、話し合いにより、問題を平和的、かつ、合理的に解決されることが望ましいことは申し上げるまでもないことであり、今後ともそのような慣行の確立につとめてまいりたいと存じます。
 以上、労働行政の諸問題につきまして所信の一端を申し上げました。今後各位の御意見を十分拝聴しながら、労働行政の推進に一そうの努力を傾注してまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申しげます。
#6
○委員長(小柳勇君) 本件に対する質疑は後日に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(小柳勇君) 御異議がなければ、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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