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1965/10/18 第50回国会 参議院 参議院会議録情報 第050回国会 決算委員会 第2号
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1965/10/18 第50回国会 参議院

参議院会議録情報 第050回国会 決算委員会 第2号

#1
第050回国会 決算委員会 第2号
昭和四十年十月十八日(月曜日)
   午後二時三十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤原 道子君
    理 事
                谷口 慶吉君
                野知 浩之君
                相澤 重明君
                鶴園 哲夫君
                二宮 文造君
    委 員
                内田 俊朗君
                久保 勘一君
                黒木 利克君
                園田 清充君
                宮崎 正雄君
                山崎  斉君
                小酒井義男君
                柴谷  要君
                竹田 現照君
                高山 恒雄君
                岩間 正男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池田 修蔵君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤原道子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 これより派遣委員の報告に関する件を議題といたします。
 先国会の閉会中に当委員会が行ないました昭和三十八年度決算外三件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のための委員派遣につきまして、北海道班から報告を聴取いたしておりませんので、これを聴取いたします。竹田君。
#3
○竹田現照君 北海道班の現地調査報告をいたします。
 本班は、本年九月十八日より二十五日までの八日間、岩間委員と私が参加して、北海道内における昭和三十八年度を中心とした北海道開発庁、防衛庁、農林省所管の決算並びに道財政等の実情を調査いたしました。また、調査日程の初めに襲来した台風二十四号によって、石狩、空知支庁管内を中心に道内全般が災害を受けましたので、その実情につき特に道庁当局より説明を聴取いたしました。
 調査の内容について、最初に北海道総合開発について申し上げます。北海道開発法に基づく総合開発計画は、昭和二十七年度から三十七年度に至る第一期計画を終了し、現在、昭和三十八年度を初年度とする八カ年の第二期計画を実施中であります。第一期計画は戦後経済の復興、第二期計画は高度成長に伴う各種の矛盾解決への寄与という時期的特色はあっても、基本的には、産業構造の低い北海道において第二次産業を育成し、産業構造の高度化を主軸に北海道経済の自律的成長をはかることを目標として、道路や港湾などの産業基盤の整備に力が注がれております。
 本計画の実施状況は、第一期計画においては、その前半期に一千三百億円の予算で計画された整備目標の達成率が約六〇%にとどまりましたから、後半期の一千九百十億円の整備目標は一〇一%達成されておりますが、第一期計画全体の進捗率のおくれは否定できません。産業基盤の整備においては、一般国道、特に旧一級国道の整備が最も進み、地方道の整備のおくれが目立ちますが、道路網の機能発揮の点から一考を要するものと考えます。
 産業構造の動きは、第一期計画の初めから終わりにかけて、第一次産業と第二次産業の生産所得の割合が、それぞれ九ポイントと一ポイント減少し、それだけ第三次産業の割合がふえている状況ですから、産業構造高度化の課題は第二期計画に持ち越され、民間設備投資への期待も大きいわけですが、その分布は関東、近畿、東海に集中している実情なので、基盤整備の行政投資と財政投融資の資金確保とを強力に推進する必要があると当局は指摘しております。
 しかし、開発計画が強力に進められる途上で、道財政の負担がふえて圧迫を受け、また農村や産炭地で低所得階層が増加している事実については、あとにも触れますが、特に注目を、要すると考えます。
 第二に、農業について申し上げます。
 まず、冷害でありますが、北海道農業の歴史は、明治二年、北海道開拓使設置の年の冷害をもって始まり、以来百年間冷害との戦いが繰り広げられ、最近では昭和三十七年、三十九年、そして四十年と冷害を受けております。
 三十九年の冷害による被害は五百七十三億円、七十六万ヘクタールに及び、十勝、網走支庁管内がきわめてひどく、上川、空知支庁管内がこれに次いでいます。道立十勝農業試験場における三十九年の水稲の不稔歩合は最高九三%、最低六五%、本年は最高五三%、最低二一%でありますが、道立北見農業試験場で採集した完本は、この付近の減収率が平均七〇%であることを示しています。
 大冷害年における水稲の減収率が明治三十五年の八八%から昭和三十一年の四七%へと減少したことは、冷害対策の一つの成果とされていますが、昨年と今年の冷害の実例は、三十一年の減収率を上回るものがあり、冷害対策がいかに困難なものであるかを物語っております。
 現地からは、負債整理のための特別金融の制度化、経営規模拡大のための農地取得融資緩和措置、酪農振興対策の充実、土地改良事業の推進、畑作農業共済制度の法制化など寒地農業確立の要望が出されました。
 また、台風二十四号によって、田二万ヘクタール、畑一万三千ヘクタールが浸水するなどの被害を受けましたが、最も大きな被害を受けた空知支庁管内の長沼町に対しては災害救助法が発動されました。
 農業基本法に基づく農業構造改善事業や総合開発計画における農業近代化は、単に開放経済体制に備えるだけにとどまらず、冷害をはじめとする各種の災害からも農民を守るものでなければならないことは、寒地農業確立についての現地の要望が明らかに示しております。
 そこで、農業構造改善事業について申し上げますと、これは経営の規模拡大と近代化を基礎として適地適作を行ない農家経済を向上させようとするものですが、参加する農家は事業費の自己負担を必要とするため蓄積がないと参加不可能なこと、実施地域が限定されていること、つまり三十六年度から四十年度までの道内百三十六の計画地域に対し実施地域は六十九にとどまるなど、特定農家の問題であります。また、実施地域については、地域当たり国庫補助金のワクが平均四千五百万円に限定され、参加農家数も限られており、地域の希望を満たし得ない場合があること、及び経営規模拡大のための積極策が必要であることが当局から指摘されております。
 農家の動向は、三十八年までの四カ年の統計によると、五町以上の規模の農家は増加しましたが、その反面、三町以下の農家が減少し、一家をあげての離農の例も目立っております。また、昭和二十年の緊急開拓事業開始のとき入植した開拓農家で現在定着している二十三万戸のうち営農の苦しい人が多く、借り入れ金の返済を延滞している人が借り入れ農家の七七%、一戸当たり延滞金が十五万円に達している状況であります。
 要するに、政府は、農業構造改善事業や総合開発計画などによって営農の状態をよくすることのできない農家に対しては、冷害対策、自由化対策などによる保護の効果があがるよう特に配慮する必要があると考えます。
 第三に、道財政について申し上げます。道内には未開発地域が多いので税源に恵まれず、他面開発計画遂行の必要などによって財政需要が増大するため国庫への依存度が高まっており、道財政は財源的にますます自主性が失われていく状況にあります。
 道財政の歳出面においては、開発計画の進展により負担が増大し、そのため特に普通建設事業の単独事業費に充てる一般財源が不足し、投資的経費の中核をなす普通建設事業の割合が全国平均を下回るに至っていることは、開発計画の進め方について考慮を要する問題であると考えます。
 また、社会労働施設費や保健衛生費の割合が全国水準を大きく下回っていることは、重大な問題であります。
 道当局からは、補助単価と実績単価の開差による道の超過負担の解消、国庫支出金の早期交付、公務員給与改定時期の繰り上げとその財源措置の適正化、積雪寒冷による生計費増加についての減税措置などの要望が出されました。
 なお、道民の生活は、一般的には向上の傾向も見られますが、生活保護世帯は、三十八年に月平均五万世帯十二万人に達し、増加率は全国平均を大きく上回りました。たとえば十勝支庁管内では、被保護農家が昨年から今年にかけて三百世帯から千五百世帯へと急増する見込みであります。これら保護世帯の発生を未然に防止し、道民の生活を一そう向上させることについて、政府は道の要望にこたえるなど特段の配慮を払う必要があると考えます。
 最後に、第二次防衛力整備計画の道内における実施状況について申し上げます。二次防が必要とする部隊の整備は、三十九年度までに四個師団、ホーク一個大隊、F104二個飛行隊について行なわれ、ますます精強な部隊を練成するという決意が述べられましたが、現地では災害派遣や民生協力がいかにも自衛隊の中心任務であるかのような印象を受ける説明がなされました。
 また、恵庭事件などに見られるように、最近の部隊訓練の強化は、当然に基地周辺の民生に甚大な影響をもたらしています。したがって、次善の策とは言いながら、民生安定対策を強化拡充する必要に迫られております。現在、千歳市当局から千歳基地に対し、都市計画と関連した総合的基地対策の樹立、防音工事の拡大、騒音激甚地帯の民家移転補償などについて、切実な要望が出されている状況であります。
 以上をもちまして報告を終わりますが、詳細は、調査室に資料が保管してありますから、これによって御承知願いたいと存じます。
#4
○委員長(藤原道子君) 本件に関し質疑のある方もあろうかと存じますが、都合によりこれを後日に行ないたいと存じます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#5
○委員長(藤原道子君) 速記を始めて。
 ほかに御発言がなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたしました。
 他に御発言がなければ、本日はこれで散会いたします。
   午後二時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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