くにさくロゴ
1965/10/27 第50回国会 参議院 参議院会議録情報 第050回国会 決算委員会 第5号
姉妹サイト
 
1965/10/27 第50回国会 参議院

参議院会議録情報 第050回国会 決算委員会 第5号

#1
第050回国会 決算委員会 第5号
昭和四十年十月二十七日(水曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤原 道子君
    理 事
                谷口 慶吉君
                野知 浩之君
                相澤 重明君
                鶴園 哲夫君
    委 員
                内田 俊朗君
                木内 四郎君
                宮崎 正雄君
                八木 一郎君
                大森 創造君
                岡  三郎君
                柴谷  要君
                黒柳  明君
                高山 恒雄君
                岩間 正男君
                山高しげり君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  中村 寅太君
   政府委員
       運輸大臣官房長  深草 克巳君
       運輸省鉄道監督
       局長       堀  武夫君
       運輸省自動車局
       長        坪井 為次君
       海上保安庁長官  栃内 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池田 修蔵君
   説明員
       水産庁生産部長  亀長 友義君
       通商産業省軽工
       業局無機化学課
       長        矢野俊比古君
       気象庁長官    柴田 淑次君
       気象庁予報部長  今里  能君
       日本国有鉄道総
       裁        石田 禮助君
       日本国有鉄道常
       務理事      豊原廉次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和三
 十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十八
 年度政府関係機関決算書(第四十八回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書
 (第四十八回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第四十八回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和三十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第四十八回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤原道子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 これより昭和三十八年度決算外三件を議題といたします。
 本日は、運輸省、日本国有鉄道の決算について審査を行ないます。
 この際、おはかりいたします。当委員会に提出されております運輸省及び日本国有鉄道の決算の概要については、口頭報告を省略し、これを会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(藤原道子君) 御異議ないと認めます。
 したがって、会計検査院の決算報告についても、説明を省略し、後日文書をもって、提出願うことといたし、これらの報告につきましても会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤原道子君) 御異議ないと認めます。
 次に、マリアナ沖の漁船の遭難問題及び今回起こりましたタンクローリーの爆発事故について政府の御説明を聴取いたします。中村運輸大臣。
#5
○国務大臣(中村寅太君) マリアナ水域における漁船の遭難について御報告いたします。
 十月七日、マリアナ水域において台風第二十九号により漁船群が遭難し、二百八名にのぼる多数の遭難者を出しましたことは、まことに遺憾でありまして、家族の方々に対しまして衷心から御同情の意を表する次第でございます。
 海上保安庁におきましては、事件発生後直ちに米軍に救助出動を要請し、その後事態に応じて巡視船を出動せしめ、また自衛隊の出動を要請するなど、鋭意捜索救難に従事いたしてまいりました。
 運輸省といたしましては、遠洋水域における漁船の海難防止につきましては、今後気象観測通報体制、救助体制等を整備強化するなど、万全の対策を講ずる所存でございます。
 なお、詳細につきましては、海上保安庁から報告させます。
 次に、西宮におけるこのたびのタンクローリーの爆発事故について御報告申し上げます。
 昨日午前三時二十分ごろ、西宮第二阪神国道において、プロパン輸送用タンクローリー車が横断陸橋に衝突、転覆したために、漏洩したプロパンガスによる爆発事故が発生いたしました。このため、死者五名、重傷者二十名余りを出し、多数の民家の焼失を招いたことは、まことに遺憾と思うところであります。
 運輸省としましては、事故現場並びに当該会社に現地の陸運局担当部長を派遣し、原因等につき調査中でありますが、詳細判明次第、事業者の監督責任を徹底的に究明し、二度とこの種事故の発生を防止する所存でございます。
#6
○政府委員(栃内一彦君) 海上保安庁のほうからアグリガン島の海難につきまして御説明いたします。ただいま資料を配付中でございます。――それでは、資料につきまして御説明いたします。
 事故の概要としまして、昭和四十年十月七日早朝、台風第二十九号が急速に発達しつつ北上し、アグリガン島付近を通過いたしました。この際、同島付近海域に出漁中の静岡県船籍のカツオ・マグロ漁船七隻が遭難いたしました。沈没一隻、乗り上げ一隻、行くえ不明五隻の事故を生じましたが、乗り組み員のうち一名が死亡いたしまして、二百八名が行くえ不明となったのであります。なお、救助されました者は四十二名でございます。
 海上保安庁といたしましては、七日午前六時二分「第八海竜丸」がマリアナ海域において遭難通信を発信した旨の情報を入手しますとともに、直ちに在日米海軍司令部に救助の要請を行ないました。一方、情報の収集につとめた次第であります。
 その後の状況によりまして、七日夜半に至り漁船七隻が消息不明となったままでいる事実が判明いたしましたので、八日朝大型巡視船二隻を遭難現場に急行させるとともに、付近操業中の漁船約十三隻と捜索救難のための緊密な連絡をとらしめて、捜索に当たらせることにいたしました。
 さらに、九日防衛庁に対し、艦艇、航空機の出動を要請いたしました。
 四番目には、九日には、海上保安庁はアグリガン島の陸上捜索を行なうことができるよう米軍の許可を申請し、これに基づき漁船員が同島を捜索いたしましたが、手がかりはございませんでした。
 なお、捜索船に対する食糧等の現地補給についても要請し、米軍の了承を得ました。
 十九日日没をもって防衛庁及び米軍による捜索の打ち切りの連絡がございました。
 その後も、巡視船――これは海上保安庁の巡視船でございますが、巡視船二隻及び水産庁監視船二隻は、マリアナ諸島の各島嶼に対し重点捜索をいたしましたが、二十三日正午をもって本捜索救難活動を打ち切った次第であります。
 捜査救難の状況としまして、海上保安庁は、防衛庁、米軍、水産庁及び民間救難対策本部等と緊密な連絡をとりつつ、七日以降二十三日まで捜索救難活動を実施いたしました。
 防衛庁は、十日対潜哨戒機十機及び自衛艦四隻を、さらに十一日には給油艦一隻を派遣して、十九日まで捜索を実施いたしました。
 米軍は、七日一機、八日以降は三機、さらに十二日から十五日まで艦艇一隻をもって現場付近の海域を捜索いたしましたほか、西カロリン諸島方面に対しても、十二日から二十三日まで艦艇一隻及び十九日から二十一日まで航空機一機をもって捜索を行なった旨連絡がありました。
 水産庁監視船も、海上保安庁と密接な連絡をとりまして、十一日以降本捜索に協力し、付近出漁中であった漁船も八日以降十四日まで十三隻以上が捜索に参加いたしました。
 本捜索救難活動に従事しました艦船は延べ二百七隻、航空機は延べ九十一機、捜索した海面は延べ約二十七万平方海里でございます。
 なお、最後の表に、遭難船の状況からしまして、七隻の船名、トン数、人員、また遭難した状況というもの、それから乗り組み員のうち生存者、死亡、行くえ不明の数が参考に出ております。なお、計としまして、ここにありますように、乗り上げ一隻、沈没一隻、消息不明の五隻という点は、当初申し上げたとおりでございます。
 備考としまして、おのおのの船につきましてどのような状況であったかということの要点が記録してございます。
 以上をもちまして経過報告といたします。
#7
○政府委員(坪井為次君) ただいままでに判明いたしました西宮のタンクローリーの爆発事故について御報告申し上げます。
 事故の概況でございますが、昭和四十年十月二十六日午前三時二十分ごろ、兵庫県西宮市川西町の第二阪神国道において、協和運送株式会社のプロパン輸送用のタンクローリー(運転者弓谷真勇二十一歳)が転覆し、道路上の横断用陸橋の橋げたに衝突する事故を起こしたのであります。
 そのため、積載していたプロパンガスが漏洩し、道路上に充満して、約五分後に着火して爆発し炎上、付近の民家約三十二戸を焼失、死者五名、負傷者二十余名の被害を出しました。
 事故原因でございますが、当該車両は、和歌山でプロパンを積み込み、神戸へ運行中、当該地点で他の乗用車と接触しそうになり、急ブレーキをかけ、ハンドルを切ったため横転した模様で、運転操作不適切であるが、居眠りの疑いも考えられるのであります。
 なお、積載していたプロパンガスが漏洩したのは、転覆し橋げたに衝突した際に、タンク上面の安全弁を破損したため噴出した。
 また、爆発原因は、まだはっきりしていないが、現場に来た人のカメラのフラッシュかたばこの火ではないかと推定されております。
 事故運転者及びその所属会社について。
 事故運転者は弓谷真勇二十一歳で、当時単独乗務していた。
 当該運転者の所属する協和運送株式会社は、車両数六十両、うちプロパンローリーが二十両、資本金百九十万、これは増資をもって現在千二百万になっているそうでありますが、届け出はしておりません。従業員百二十三名の一般区域貨物事業者でございます。
 今後の事故防止対策について。
 事故原因を調査するため、大阪陸運局車両課長が現地調査を行なっているが、事故の第一原因が運転者の居眠り運転に起因することも考えられるため、当該事業者の運行管理及び労務管理等を監査し、事業内における事故間接原因の究明及び改善をはからせるとともに、同業他社に対し警告を発し、再発防止につとめる。
 以上であります。
#8
○委員長(藤原道子君) それでは、これから質疑に入りたいと思います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○柴谷要君 私は、台風二十九号によるアグリガン島付近における漁船の遭難についてちょっとお尋ねしたいと思います。気象庁の「台風第二十九号について」という報告によりますと、「英文および和文によって海上の船舶に対して……放送した。……台風の位置、強さ、進路の予想内容は現在の技術水準および体制からみておおむね適切であった」と、かような報告がなされているわけです。さほど適切なものであったならば、台風二十九号を避けて、このような避難が起きなかったと思うのでありますけれども、気象庁はどのようにこの遭難を見ておられるのか、まずその点からお伺いをしてみたいと思います。
#10
○説明員(今里能君) 気象庁の予報部長でございます。ただいま長官が参るはずでございますが、国会への途上でございまして、長官が参りますまで私がかわりまして御返答申し上げます。
 ただいまの御質疑でございますが、われわれといたしましては、台風二十九号につきまして、十月二日に弱い熱帯性低気圧が同方面に発生いたしましたことを認知いたしまして、さっそくこれを十月二日の二十一時の放送に組み入れました。この放送は、気象庁が行なっておりますところの船舶向けの気象無線放送でございます。さらに十月四日の十五時からこれが勢力を増しまして、もはや熱帯性低気圧の段階をこえまして台風の基準に達しましたので、四日の十八時から先ほど申しました船舶向けの気象無線放送の中にこの事実を報道いたしまして警告いたしました。同時に、NHKの一日三回行なっておりますところの漁業無線通報にもこの事実を報道いたしまして警報を出したのでございます。このように、事前から台風の存在を発表いたしまして警報を出しておりましたのでございますが、このアグリガン島が所在いたしますところの低緯度地方におきましては、台風の動きが非常につかみにくい。これは同方面の観測ネットが――結局島嶼にあるところの観測所の報告やら船舶が観測いたしますところの報告等を総合いたしまして判断いたしますのでございますけれども、何ぶんにも中緯度地方に比べますとネットが薄うございます。そのために、私どもといたしましては、台風の予測に非常な困難を常に感じておるのでございますけれども、この場合におきましてもやはりそうでございます。そういう状況下におきまして、私どもといたしましては、現在の予報技術の段階から、最善を尽くして予測をいたし、警報を発したと考えております。
 以上でございます。
#11
○柴谷要君 今まで何かおしゃべりになったようですけれども、少しも要領を得ておらない。私は、適切な気象通報を発しておったということに対して、気象庁がもっと確信を持って答弁ができるはずだと思っておったのですが、それができないじゃないですか。というのは、台風の進路を誤って通報をしたからで、台風の進路を適切に船舶に伝えておればこのような遭難がなかったのではないか。誤った気象通報が発せられた原因は一体どこにあるのか、それをひとつ聞きたい。つまり、気象上の施設が足りないのか、あるいは飛行観測ができないのか、いろいろの原因があると思うのです。その原因をひとつ言っていただけませんか。この遭難が起きたときに、各報道機関がまず第一に言われたのは、米軍の気象情報を気象庁が誤って受けてそれを通報しているために進路がたいへん狂っておる、そのためにこの遭難が起きているのじゃないか、こういうようなことが伝えられております。それと同時に、生存者の二、三の方が実はテレビその他を通じて、気象通報をもっと正確にしてもらいたい、こういうことを言っておられる。まさか自分たちのいるところにこれだけ大きな台風が来るとは予想もしなかった、こう言っておる。この気象通報が正確なものでなかったということは明らかだと思うのですが、その原因はどこにあるのか、その点を明らかにしていただきたい。
#12
○説明員(今里能君) 進路予報が非常に間違ったという御指摘でございますけれども、私どもは、台風の進路予報をいたします場合に、線でもってこの地点から十二時間後にはこの地点に行くというような一義的な予報をなし得る段階にございませんので、非常に残念ではございますけれども、扇形の進路予想をいたしまして、これを気象無線放送なり、あるいはラジオの漁業気象通報なりに加えております。そういう点からいたしますと、事後に検討いたしましたけれども、この扇形から進路が非常に大きく現実に離れたという事実はなかった、御指摘のような事実はなかったと私は了解しております。
 それからまた、次の御質問の、どうしてこのように大きな扇形を予想進路としなければならないような不的確な予想しかできないかというお尋ねでございますけれども、これは最初にも申し上げましたとおり、この南洋方面では気象観測地点も希少でございますし、それからまた、いろいろな情報を総合いたしまして全力を尽くして予報をいたしておるのでございますけれども、現在の技術段階ではこの程度であるということを申し上げるよりいたしかたはございません。世界気象機関におきましては、この船舶の世界の気象のネットの希少なところをカバーする意味で、いろいろな知恵を集めまして、世界気象監視計画を実施しております。そういうようないろいろな方面からの手段によりまして予報精度を高めていきたいと思っております。
#13
○委員長(藤原道子君) ちょっと当局に申し上げたいのですが、質問の要点をよくつかんで、簡潔にひとつ御答弁を願いたいと思います。
#14
○柴谷要君 私は、気象庁の長官以下職員の方々が怠けておるとか、あるいは気象に対する熱意がないとか、そういうのじゃない。非常に熱心に全力をあげて気象通報に、気象のために取っ組んでおられる姿は、連日見ておる。ただ、この事件は、あまりにも気象上の誤りが多かったのじゃないか。そのために膨大な犠牲をしいられた。一体それはどこから生まれてきているのか。つまり、気象上の観測地点に船を配置するとか、あるいは飛行機を飛ばすとか、いろいろして的確な気象をつかもうとしようとしても、予算が足りないとか、あるいはそういうところは米軍との関係があって行けないとか、いろいろ原因があると思う。よって、たとえば米軍なら米軍の気象通報をキャッチして、そうして船舶にこれを流しているとか、いろいろあると思うのですよ。それに誤りがあった、そのためにこういう結果が起きたんなら起きたと正直に……。私は、それを解明をして、その上に立って新しく対策を立てるというのが大事じゃないか、そういう意味で質問申し上げておるのでありますから、気象庁の皆さんが日夜努力をされておりますことについては敬意を表しておる。しかし、こういう大きな問題を起こしたのですから、その原因を突き詰めて改善をしていきたい、こういう気持ちで尋ねておるので、ぜひひとつそういう意味で御答弁をいただきたいと思う。どうしてもそれは、こういう事件が発生をいたしますというと、その直後にはいろいろな問題が起きるでありましょう。たとえば、生存者の言をかりて言うならば、日本の気象通報を入れるよりも、むしろグアム島の気象通報を入れるとか、あるいは他の米軍が発しているものをキャッチして、自分たちとしては扱っている、こういうようなことを言われておるのも聞きました。しかし、それほど日本の気象学が低いとは思わない。世界のレベルに行っていると思うのです。だけれども、その気象庁が発した気象通報があまりにも大きな誤差を生じたためにこういう問題が起きたと私どもは認識しておる。これを防ごうとするには一体どうしたらいいのか、それから大体あやまちを犯したという原因はどこにあったのか、これを明確にひとつ国民にわかるように答弁を願いたいと思う。
#15
○説明員(柴田淑次君) どうも出席がおくれまして申しわけございませんでした。ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。
 今回のマリアナの海難につきましては、私たち気象庁におきましては、事件の発生直後から連日、その原因と申しますか、そのときに発表をしました気象庁の情報その他気象庁がとりました処置について詳細に検討してまいったのでございます。その結果、大体の原因の結論は出たのでございまして、これは気象庁としての結論でございますので、そのつもりでお聞きくださいますようにお願いいたします。
 気象庁が発表いたしました発表の内容の中には、台風の中心位置、それから中心の気圧、進行方向、進行速度などがございます。それらにつきまして各時間別に発表しました内容を図の上にプロットいたしまして検討したのでございます。
 なお、この際一言申し上げておきたいのは、実際の台風がどういうような進路で進んだかということにつきましては、なかなか正確に実際の台風の進路をきめるということは技術上むずかしいのでございまして、ああいう広い海の上で、観測資料もございません。したがいまして、できるだけ技術的に正確にきめました台風の進路と申しましても、やはり数キロないし十数キロの誤差は現在のところ考えられるのでございますが、しかし、いずれにしましても、そういうような技術的検討を経て、一応の台風の進路というものを考えまして、その一応の台風の進路から考えて気象庁が発表いたしました台風の位置その他についての検討をしたのでございます。
 その結果を申し上げますと、台風の中心位置に関しましては、実際に台風が進んだ実際の経路から数十キロ離れておるような場合もございました。大体五日の午後からの状態を申し上げますと、五日の午後からは大体、三、四十キロぐらいの誤差がある場合もございました。その程度でございます。
 もう一つその際にちょっとこれはぜひ御記憶を願いたいのは、台風というものは、決してまっすぐに進んだり、あるいはスムースな曲線で進んだりするのでございませんで、蛇行するものでございます。ヘビのようにうねうねと進むものだということは、これは常識的のことでございますので、そういう意味においても、なかなか実際の経路が、あとから検討しても、つかみにくいというようなことがございます。それは補足的に申し上げておきます。
 それから、台風の進路でございますが、気象庁は、御承知のように、その台風の進路は直線においては示しておりません。実は米軍は直線で台風の今後の進路を示しております。しかし、日本におきましては、御承知のように、扇型をもって示しております。その扇型を図の上に書いて、実際の経路と比較して見ますと、ある時間――それは六日の十五時の台風の位置に関して発表した扇型と、それから六日の十八時の台風の位置に関して発表した扇型は、アグリガン島よりもちょっと西寄りに傾いております。言いかえますと、その二つの扇型は、アグリガン島はその扇型の中に入っていないということでございまして、もう一ぺん言いかえますと、そのときの気象庁の考えでは、アグリガン島にはその台風は進まないだろうというように気象庁は考えたということでございます。で、どうしてそういうようになったかと申しますと、ちょうどその時分、すなわちただいま申しました六日の十五時から十八時にかけましては、その台風が北西から北のほうへ転向するいわゆる転向点に当たっていたというようなときでございまして、この転向点に当たっているようなときの台風の進路は、現在の技術水準から申しますと非常にきめにくいのでございます。そういうような、これは台風が南洋付近におっても、あるいはもっと北のほうに来て日本付近に来ましても、台風が転向点にあるようなときの台風の進路というものは、技術的に非常にきめにくいというのが現段階でございます。しかし、その時刻の前、すなわち五日の夕方から六日の十二時までの台風の進路はアグリガン島のほうに向かっておりまして、アグリガン島はその扇型の中に入っていることは確かでございます。進行方向につきましては、いま申しました十五時と十八時の二つはアグリガン島が入っていなかったということは事実でございます。
 それからもう一つ問題になろうかと思いますのは、台風が急激に発達したというその発達のしかたでございます。これは実はあとから検討しました結果によりますと、実際の台風は六日の九時でございましたか、気象庁の発表では九百九十ミリバールということになっておりましたが、実際あとで検討いたしましたところ、それは九百五十四であるということに相なっております。それからまた、六日の二十一時から七日の三時にかけてでございますが、これは気象庁では九百五十というように発表いたしましたが、実際のところは九百二十前後であったということ、この二つのところで気象庁の発表と、あとで検討しました実際こうであったろうと思った実態とは確かに食い違っております。それは事実でございます。そういうような食い違いは、どういうような原因かと申しますと、これはこういう台風の中心の気圧を決定するのは、まわりの風の強さ、すなわちその台風のそのときの最大風速から中心の気圧を決定するのでございまして、そういうような決定のしかたを現在はとっておるわけでございます。そういうような決定のしかたによりまして決定をしたので、そういうような誤りが起こったのでございます。
 それで、そういうような原因がございまして、結局は現在の観測体制とそれから現在の台風予報の技術の水準から考えまして、気象庁がとりました今度の処置及びその発表については、おおむね適切であったとわれわれは考えております。なおそういうような状態でございますので、気象庁の発表の誤報によってこの海難が起こったというか、基本的には私たちはそうは考えておりませんけれども、しかし個々の原因の究明につきましては、気象庁が申し上げるべき筋合いのものではございません。海難の原因が何であったかということは、そのしかるべき機関が調査されることだと思います。大体以上をもって御答弁にしたいと思います。
#16
○委員長(藤原道子君) ちょっと申し上げたいのですが、質問者から申し上げましたように、気象庁の御苦労は、われわれよく知っているのです。もしこれだけの設備があったらこれが防げるのじゃないか、予算が足りないとか、観測機械が必要じゃないかとか、こういうことでわれわれは災難を防ぎたいから、その原因はどこにあるのかということを御質問しているのでございます。
#17
○柴谷要君 長官からいま答弁されまして、気象庁としては的確であったと、こうおっしゃっている。しかし私どもの納得のいかないのは、現実にカツオ・マグロ漁船七隻が遭難している。来年も台風の時期になれば、それじゃ台風が来るからカツオ・マグロも出漁しないかというとそうじゃないと思う、私は出漁すると思う。この人たちが安心して漁場で操業のできる体制をつくってあげなきゃならぬ、こう思うわけなんです。ところが、今日気象庁がことしの気象通報は適切であったということになると、来年出漁するカツオ・マグロ漁船の皆さんはどういう気持ちで出漁されていくか、私はこれは重大な問題だと思う。膨大な資金を擁して気象観測をやっておるのにかかわらず、これが当てにならない、この予報を聞いたんでは当てにならない、自衛手段をとらなければならぬということに、カツオ・マグロ漁船団がなったらどうなるんですか。私はいままでは少なくとも気象庁の通報を信頼して、このカツオ・マグロ漁船の皆さまもやってきたと思う。それで無事に事故がなかったと思う。ところが本年は不幸にして、この進路が狂ったために、こういうふうな大事故が起きた。これを今度は気象庁としてはこういうふうな方法でやるから間違いなく安心して操業ができるように予報というものは出せます、こういう確信を訴えてこそ、初めて来年度安心して操業ができるんじゃないか、台風時期に。いままでのやつは、長官、そう言っては失礼ですけれども、何かあなたは便々と気象庁でやってきたことは適切であったということのみ、自己弁護のようにしか聞こえません。それでは私はこのたっとい犠牲を出した上に立っての気象庁としての態度ではないと、こう思う。この点は運輸大臣の所見を伺いたいと思うのですが、本年度このような事件が起きたので、来年このような不安を与えていいものであるかどうか、これに対して大臣としては適切な手を打とうとお考えになっておられるか。この点をひとつ大臣にお尋ねをいたしたいと思う。
#18
○国務大臣(中村寅太君) 私は今回の遭難事故の発生に対しまして、情報を収集する施設、それからこれを通報する設備とか施設、技術、さらに船舶、漁船等がこれを受信していく装備というようなものにつきましても、これはやっぱり万全であるとは考えられない点もございますので、そういうようなもの全体を含めまして検討いたしまして、来年再びこういう事故がないように処置したい、かように考えておる次第でございます。
#19
○柴谷要君 大臣の熱意のある御発言がありましたので、この点は深く追及いたすつもりはございません。ぜひ来年度は再びこういうことの起きないように万全の処置をとっていただきますようにお願いしたいと思う。
 最後に私は、この二百八名の行くえ不明と、一人の死亡者があるわけでございますね。しかもこの漁船に乗っておられる方々の遺族というものは、たいへん生活の上においてお困りの方が多いんじゃないか、こう思うわけです。これに対して、もちろん船主その他からいろいろな処置もとられるでありましょうし、保険というものもあってできると思うのですが、それでは適切ではないと、こう思うのでありますけれども、これら遭難者に対して、運輸省としてはどのようなお考えを持って臨まれるか、この見解をひとつお尋ねをいたしたいと思う。
#20
○国務大臣(中村寅太君) いまのお尋ねの問題も含んでおると思いますが、政府としましては総務長官を中心に、この遭難に対する対策本部をつくって検討いたしてまいったのでございますが、この線でできるだけの遺族の方々に対する対策、残された人たちの将来の仕事をどういうふうにしてやっていかれるように協力するかというようなことも含めて検討しておると存じております。
#21
○説明員(亀長友義君) お答えいたします。今回の遭難につきまして、もちろん先ほど保安庁長官から御答弁のございましたように、応急の対策を立てましたことはもちろんでございますが、その後の御家族並びに水産業の振興対策につきまして、県からまとまりました要望書を、私どものほうへ提出されておりますので、それに応じまして私どものほうとしても積極的に対策を講ずる考えでおります。具体的には、従来の遠洋漁業から家族単位で地元での養殖をしたいとか、あるいは沈没船舶の再建のために長期の融資を考えてもらいたいとか、各種の要望がございまして、これにつきまして、現在の予算なりあるいは長期融資の制度で可能なものにつきましては、即刻これが対策を立てますとともに、予算上新たな経費を必要としますものについては、予備費あるいは来年の予算での対策を考えておる次第でございます。
 なお漁船につきましては、今回の沈没船舶は全部漁船保険に加入をしておりますので、これにつきましてはすでに約一億七千万ばかりの保険金を支払い済みでございます。
#22
○柴谷要君 次は海上保安庁にお尋ねしたいのですが、海上保安庁長官おいででございますね。たいへん御苦労さまと言って御慰労申し上げたいくらいな努力をされたようでございますが、一体日数の点、それから一日の捜索の範囲等、新聞等で見ておると何か手ぬるいような感じがするわけです。もっと急速にできないものか。それには船足の早い大きな船が必要ではないかというようなことが一つ。
 それから、あるいは飛行機等が海上保安庁にあって、哨戒しながら捜索につとめるというような処置が、海上保安庁としてできたらもっと適切ではないかと、こう思うのですが、これらの点について、長官はどうお考えになっているか、この点を一つ。
#23
○政府委員(栃内一彦君) いま御指摘いただきましたとおり、率直に申しまして、海上保安庁の体制というものは不十分であるというふうに考えております。この点につきましては、従来から毎年努力はしておりましたが、十分な成果をあげ得なかったことは、まことに申しわけないと思っております。
 今度の事故につきましても、海上保安庁としましては航空機、特に長距離航行可能な航空機を一台も持っておりませんというように非常な弱体でございます。船につきましても、遠洋の漁業活動をやるにたえる船というものはきわめて少ない、また性能も非常に劣っておる、ということを率直に認めざるを得ないわけでございます。
 明年度の予算要求としましては、私どもは当初九百トン型の巡視船の要求をしておりましたが、今回の事故にかんがみまして、さらに二千トン型の巡視船――これは海上保安庁としては従来予算措置で新たに建造したことがございませんが、今度のたっとい、あるいは非常に悲惨な例にかんがみまして、ぜひ二千トン型の巡視船、高速巡視船を建造したいということで、これは明年度予算に追加して要求したいと、かように考えております。
 それから飛行機の点につきましても、短い足ではこういう場合に役に立ちませんので、従来から要求しております大型と申しますか、あるいは全体的に言えば中型かもしれませんが、航空機を明年度一機要求しておりましたが、今回の事例にかんがみまして、さらに一機を増加して二機を要求してぜひこれが獲得につとめたい、かように考えておる次第でございます。
#24
○柴谷要君 確かに長官の言われたように心ははやれども、なかなか機材その他でうまいことができない、こういうのが海上保安庁の実態ではないか。そこで、私はこういう遭難を予想して申し上げるわけではございませんが、海上事故というものは年々ふえてきておる。こういう状態の中で、運輸省の外局である海上保安庁というりっぱな役所があり、訓練された船員がおる。これを有効適切に使うために与うべきものは与えていくのが順序ではないか。そのほうが運輸省としては適切ではないかと、こう思うのでありますけれども、本年度の予算要求に対しては、大臣は十分その獲得できる御自信をお持ちになられるかどうか、設備の点でひとつ自信のあるところをお答えいただいて私の質問を終わりたいと思います。ひとつ大臣、自信がなければまた質問を続けますから、自信のあるところをお答え願いたいと思います。
#25
○国務大臣(中村寅太君) ただいま長官から申し上げました設備は、私は最小限のものであると考えておりますので、現在総理府の長官を中心に当面の対策を研究しております。その結論等ともにらみ合わせまして、来年度予算にはぜひこれの実現に努力いたしたいと考えますから、皆さん方もひとつぜひ御協力をお願いしたいと思います。
#26
○岩間正男君 先ほど気象庁長官の、今度気象庁でとった処置は、おおむね適切であったというような見解を表明されたですね。これは私非常に重大だと考えるのです。おおむね適切な処置をとって二百八人死んでいる。船が七隻も行くえ不明を伝えて、もうおそらく七隻とも海底に沈んだ、こういうことになれば、これはあなたの自己弁護みたいに非常に聞こえるのですよ。私は先ほどの柴谷委員の質問にも関連しますけれども、これは気象庁だけを責めるのではない。いまの機構を問題にしなければならない。したがって、今度の問題を契機にして、事件を徹底的に解剖する。そうしてその不完全な点を明確にえぐり出して、これに対する解決策を考えなければ、今までのような答弁を何べん繰り返しても、来年もこういう事故を繰り返さないという保証はないわけです。したがって私はお聞きしたいのですが、この中で、明らかにあなたたちの気象通報の中で、あの台風は北西に進む、こういうような予報をされている。ところが実際は北北東に進んでいる。そうして大体これは緯度で一度ですか、開きがあったのでしょう。九十キロもこれは違いがあった。したがって、避難をするために避けたところの漁船が、実際は台風のまっただ中に突っ込んでいった。そうして船首さえも変えることができなかったという実情だと思うのですよ。この気象予報の場合に、いまの機構の中で非常に不完全だと考えておる点はどういう点かひとつ、あなたの御答弁を聞いておりますと長いですから、私の質問時間は短いので、簡単に何と何と何だというふうに答弁願いたい。
#27
○説明員(柴田淑次君) 先ほど述べましたことに関連しましては、いまの御質問に対しまして、気象庁としましては、まずいまの御質問の初めのほうの、おおむね適切であったというのはおかしいじゃないかということでございますが、先ほど申しましたように、それは現在の観測網と現在の台風予報技術水準においては、これよりいたしかたがなかったというような意味でございます。がしかし、事実御指摘のような点がございましたので、その点を直すためにはどうしたらいいかということは、第一番に考えられることは、南方洋上の観測点の不足、あるいは言いかえれば観測資料の不足というものを、できるだけ補うように今後もっていくということが一点でございます。それから南方洋上の台風に対しての台風予報の精度を向上する処置をしなければならないということでございます。つまり予報精度の向上ということでございます。それからこういった海難事故を繰り返さないためには、気象庁と船舶関係者との間の連絡をなお一そう密接にしなければならないということ、大体その三点であろうかと思います。
#28
○岩間正男君 三点に対して表明されたわけですが、第一に、現場はこれは米軍の気象観測の通知を受けて、それによってやっているというのが事実でございますね。それはどういう機構のシステムになっておりますか。米軍が最初に発信をする、それを府中の米軍の観測基地ですか、そこで接受をするわけですね。それから入るわけですね。時間的にはどれくらいかかるのですか実際問題として。
#29
○説明員(柴田淑次君) 米軍からの情報は、ただいまおっしゃいましたような経路で入ってまいります。米軍のグアムから気象庁へ到達するのには、大体二時間ないし三時間くらいの間隔ではないかと思います。
#30
○岩間正男君 それをどういうふうにあなたたち技術的に調整されるのですか。台風で二時間、三時間の誤差というのはたいへんなことだと思うのですね。一ぺんグアムから府中に入り、府中から気象庁に入る。それがあなたたちの、一方で観測しているあなたたちの手持ちの観測結果とあわせて、それを何とか是正をする、こういうかっこうでやっているのですか、どうなんですか。どういうふうに気象資料をとって使うのですか。
#31
○説明員(柴田淑次君) 台風予報を出します際におきましては、まず、気象庁では天気図を書きます。天気図の資料としまして、米軍のほうから入ってくる南方の島々の気象観測資料も、その天気図の上に記入しまして、そして台風の位置を天気図の上からきめる。そのときに同時に入ってきました――台風の場合については、同時に入ってくるグアム島の米軍の台風警報というものに台風に関する中心位置だとか、進行方向だとか、最大風速だとか、そういうものが書いてございますので、それが一緒に入ってまいりますので、それによりまして、われわれのほうの台風の予報の資料を、修正と申しますか、そういうものを加えて台風予報をするわけでございます。
#32
○岩間正男君 そうすると、少しも現実に合ってないわけですね。一番頼りになる通報が二時間も三時間もおくれて入ってくる。それを根拠にしてやらなければならない。それを修正して、その上に立っているのだから、全くこれは予報といったって予報になってないのだ、科学的な予報じゃない。したがって、米軍の通報に頼っている限りは、こういうことが起こるということは考えられる。同じように私は資料としてぜひはっきりしてほしいのは、米軍がどういう一体、資料を出し、どういう予報をやった。明らかに今度の二十九号に対しては、四日あたりからきておったと思うのですが、これは何回受けたのです。そして受けたのは何時か、発信したのは何時か、そのときはどこを通るという予報であったのか、それに対してどういうような措置をしたか。それはわれわれしろうとですから、詳細はわからないにしても、見当はつきますよ。そういう資料が明確にここに出されて解剖してみなければ話にならぬわけですから、これは出してもらえますね。これはいかがです、簡単でいいです。
#33
○説明員(柴田淑次君) その資料は気象庁にございますから提出いたします。
#34
○岩間正男君 それともう一つは、最近はなかなか米軍が気象通報を出したがらないという――そうじゃないですか。昨年あたりまでは出したが、ことしになってなかなか出さぬ。ことにグアム島あたりは、御承知のようにいまベトナムの戦争ですね。非常にこれは気象は軍事気象になっている。そういうことから、なかなか日本に気象を通報したがらないというのが事実じゃないですか、これはどうです。最近の、去年と本年を比較してみればわかる、どういうふうになっております。
#35
○説明員(柴田淑次君) ただいまの問題につきましては、実際に確たる資料はございませんけれども、われわれの感じでは、そういうようなことはないように思います。
#36
○岩間正男君 ないようにといっても、これも資料ではっきり要求すればいいわけですね。昨年度何回受けている。昨年の台風は何回発生して米軍から何回の通報を受けたか、一昨年はどうか、今年度はどうか、これは目の子算ではだめなんですから、科学的な検討が必要なんです。これもやはり資料として出してもらいたい。
 ところで、気象庁は十月の九日に、九日の朝になって幹部会を開いて、誤った米軍観測の結果を気象庁が通報する前に漁船は遭難していたと推定され、気象通報のミスが遭難の原因になったとは考えられないという公式見解を発表したようですけれども、これは間違いないですか。
#37
○説明員(柴田淑次君) 十月の九日の新聞のことは、ちょっと記憶にはございませんが、気象庁といたしましては、米軍からきた台風中心位置の誤報というものは、大体遭難事故の発生しましたあとのことであったと考えております。
#38
○岩間正男君 その推定の基礎を述べてください。遭難したあとに米軍の気象通報が入ったという、そうすると、少なくとも遭難の時刻については、そうした確たる証拠を押えていなければ言えないでしょう。そういうことではだめですよ、はっきりしてください。
#39
○説明員(柴田淑次君) これは確たる基礎というものはございませんけれども、大体聞いたところによりますと、六日の早暁に各遭難漁船は最後のSOSを発しておる。少なくとも六日の六時過ぎにそれを発したのが最後であるというようなことを聞きましたので、それならばその米軍からきた台風の誤報を知ったのが、その日の十四時ごろでございました。そういう関係上、それを船のほうへ流しましたのは、つまりJMCあるいはNHKの漁業気象通報によってそれを訂正しましたのは、七日の午後でございますから、そういう関係から考えて、気象庁ではそうではないかというように考えておるのであります。
#40
○岩間正男君 SOSを六日に聞いたというのですが、どこから聞いたのですか。これは海上保安庁ですか。これはどうなんですか。
#41
○政府委員(栃内一彦君) お手元の資料にございますように、最後のページの備考のところにございます。たとえば三番目に書いてあります第八海竜丸につきましては、七日午前六時二分遭難通信を発信したというような記事が出ております。それから五番目の第五福徳丸につきましては、七日午前五時ごろ内容不明の緊急通信を僚船が受信しておるというような記事が出ております。以上のような情報を私どもは持っております。
#42
○岩間正男君 海上保安庁からお聞きになったのですか。
#43
○説明員(柴田淑次君) たぶんそうだと思います。
#44
○岩間正男君 これは資料を明確にあなた出してください。それでその上に立ってわれわれは検討してみなくちゃならない。どうもそういうようなことで何か死人に口なし、そうして証拠がこれはないことだ。だから推定みたいなことで、米軍の誤報からあのような結果になったのではないというような見解を出すには、ちょっと早過ぎたのじゃないですか。なぜ九日に大急ぎで出さなければならないのですか、もっと事態を科学的に冷厳に検討してからでもいいじゃないですか。それからでいいでしょう。何か米軍に対してそういうことを言わなければならない理由でもあったのですか。ないじゃないですか、実際は気象の観測に協力をするといっても、全くこれは無責任なものですよ。軍事気象が優先になって、その結果非常に日本の海洋気象が乱されておる。こういう事態を考えるときに、あくまで私は方策としては独自のやはり日本ではそのような予報の機構をはっきり確立するというのが最大のいまの眼目だと考えておる。この点はそう考えておるか。たとえば定点観測船をはっきり持ち、飛行機も持ち、それから現在のレーダーなんかでも、現在室戸岬から四百キロから六百キロくらいの海上しかわからないということになっている。こんなもので一体何ができますか。あのぼうばくとした太平洋の気象観測ができますか。最小限小笠原の父島あたりにレーダーをつければずいぶん変わってくるのじゃありませんか。そういう実態をなぜずばずばとあなたたちはここへ来て言わないか。なんで言わないか。日本人民の、漁民の命ということを考えるなら、なぜ言わないか。気象庁があって漁民の命があるのじゃない。まず科学的な立場からほんとうに漁民のなにを考えるなら、米軍だろうが何だろうが、そういう不当なことをやっているものに対しては、徹底的にやらざるを得ない。そういう態度をとらないで一体今後の解決をすることができるか。
 私は、中村運輸大臣に伺いますけれども、この問題で米軍に外交交渉をやりましたか。これは当然外務省の問題になるかもしれぬけれども、この気象庁を監督している運輸大臣としては、当然外務省にこれは申し入れ、あるいは閣議で決定をして、そして当然米軍のこのような怠慢な気象通報のやり方では困る、現にこういう事故が起きている、これに対して当然私は外交折衝をやるべきだ。安保条約できめられて、その中にしっかり閉ざし込まれている。その中で日本の漁民の命を守ることができますか。これはお伺いしますが、あなたはそういう措置をとられたかどうか。それから、外務省はそれによって発動したかどうか。あるいは閣議でこういう問題が問題になったかどうか。これはどうです。
#45
○国務大臣(中村寅太君) 政府委員からお答えいたさせます。
#46
○岩間正男君 気象庁長官の答えるべき問題じゃない。外交問題です。米軍の関係の問題をこれは気象庁長官がどうしてわかる。
#47
○国務大臣(中村寅太君) 大体米軍の気象通報を、こっちのほうが協力してもらっておるという実情でございます。原則としては、いま岩間委員の言われるように日本であらゆる設備を整えることが、これが前提でありますが、いまのところそういう設備がないために、やむを得ず米軍の協力を待て、これによって資料の確実さを強化しておるという実情でございます。
#48
○岩間正男君 これはいま御承知のように、戦争体制が空を非常に重視します。したがって、気象状況というものは非常に軍の機密に関係する。したがって、この太平洋の海域は御承知のように第七艦隊が出動している。そして、ベトナムの戦争が御承知のようにああいうことで渡洋爆撃をどんどんやっている。そういう体制ですから、気象状況というものは米軍は漏らさない。そういう中ですから、台風のこのような重大な問題が起こったときに無視されがちなんです。当然この点で私はこれは安保条約の被害で出ていると思うのですね。こういうものに対して、少なくとも漁民の生命を守るという立場に立つならば、はっきりそのような独断を許してはならない。戦争政策がつまり漁民の命を奪っているというようにこれは考えることもできる問題なんですよ。これに対して当然漁民の生活を保護する海上の交通安全というものを責任を持って国務大臣としてになっているあなたの立場からいえば、当然私はこれは外交折衝に移す。そうして米軍に対してそのような態度をやめさせる。独自の定点観測船をどんどん動かすとか、そういうような方法をどんどんとるべきだと、こういうように思うのですけれども、これはどうなんですか。
#49
○国務大臣(中村寅太君) 私はやはり日本の気象庁の設備の中に、あらゆる設備の完ぺきを期し、他国のお世話にならなくてもいけるような整備をすることのほうがやはり大切だ、かように考えておりますので、今後はそういう方向に向かって努力をいたしてまいりたいと思います。
#50
○委員長(藤原道子君) あさってまた続けてやってください。
#51
○岩間正男君 もうちょっと……。何と言ったらいいか、台風白書というようなものでいいのですが、今度の問題点、この問題を契機にして、あらゆる点から解明したらどうですか。事実を出す――さっきのような弁解がましいことは一切やらない。冷厳な事実を出して、問題はこことここにある。この問題については徹底的にこれはアメリカとも交渉する、それからはっきり政府の方針としてそういうものを確立する、こういうように動かなければならないと思うのですが、いま運輸大臣も決意を述べられましたが、これはちゃんと閣議か何かで決定しているのですか。そういう方針、たとえば定点観測船をふやすとか飛行機をふやすとか、それからいまのレーダーなんかを、もっと前線にずっと出していく、そういうようなことについて何かはっきり確認されているのですか。ただしたいというあなたの御希望なんですか。それから白書のようなものを出して、そうしてもっとやはりこの問題について明確にすべきだと考えるのですがどうですか。いかがですか。
#52
○国務大臣(中村寅太君) いま質問のありました、たとえて言えば、飛行機とか船とか、そういう飛行機を何機にするとか船をどれくらいそろえるとか、数字の点には触れておりませんが、閣議でやはり今後こういう事故のないように万全の措置を進めていこうということは決定しております。
#53
○岩間正男君 あとはこの次に保留しておきます。
#54
○岡三郎君 初めに西宮の災害についてお尋ねをして――これはまた運輸委員会でやりますが、根本問題は居眠り運転というところにあるようですが、こういう危険物はいま始まったことでなく、横浜等においても爆薬を積んだ自動車の災害というものは繰り返されているわけです。そうするというと、やはりこういう危険物を運搬することに対しては、全体として政府が対策を十分つくっておいてもらわなければならぬと思うのですが、先ほど今後の事故対策ということに触れましたが、こういう危険物を運搬するのに、単独運転ということでよいのですか。まあこれは運輸省の自動車局長なり、運輸大臣に聞きたいのですが、一体そういうような危険物を運搬することについては、どういうふうに監督官庁として行き届いた行政をしているのか、その点聞きたい。つまり先ほども事故対策についてはいろいろと言われておるけれども、通り一ぺんの説明で、これでは事故がなくならないと思う。こういう事故を極力なくすために、今回の場合は、一人が過労のために居眠りをしていて、それが一つの大きな原因だというふうにも言われておりますが、どういうふうに運輸省として考えておりますか、簡潔にお答え願いたい。
#55
○国務大臣(中村寅太君) 政府委員からお答えいたさせます。
#56
○政府委員(坪井為次君) 今回の事故につきましては、ただいま調査中でありますが、先ほど御報告申し上げましたように、運行管理の面について、われわれとしては不良な面があったのではないかというふうに考えております。まだ詳しいことはわかりませんが、ただいま調査した限りでは、運行管理者からは、運転者に対して、二人で乗務して二十六日の午前三時に出発するという命令を出したそうでありますが、実際には弓谷という運転者が一人で前日の八時か九時かに出発をしている。そうして相方の運転者は乗っていなかった、それが神戸で乗り継ぎをするというふうにかってに変更したようであるというような事情があるようでございます。これらの点につきまして、さらに調査をいたしたいと思っております。
#57
○岡三郎君 私の聞きたいのは、そういう危険物を運搬する場合に、深夜を伴うような運行の場合に、二人を必ず乗せなければいかぬというそういう規則があるのですか、どうなんですか。
#58
○政府委員(坪井為次君) 高圧ガスの危険物の運送につきましては、高圧ガス取締法というのがありまして、これは通産省が所管しておりますが、二人乗務ということに最近改正になっておるようでございます。運輸省としましては、先ほど言いましたように、運行管理者の面において、運行管理者として十分責任を尽くしているかどうかということを中心にして調査しておりますが、高圧ガスの輸送そのものの取り締まりは、通産省で法規的にやっておるわけであります。
#59
○説明員(矢野俊比古君) ただいま運輸省からお答えがございましたように、今回のLPGガスの移動でございます。これは法律の高圧ガス取締法第二十三条によりまして、「通商産業省令で定める保安上必要な措置を講じなければならない。」ということに基づきまして、私どもの省令で、いわゆるこういった容器につきましては、転倒とか、損傷とか、あるいは衝撃を防止するような措置を講ずるように、粗暴な取り扱いをしない、それから警戒標を必ず掲げて走れ。それから、先ほどお話がありましたように、今回の九月の改正によりまして、製造の作業に一年以上の経験を有する者か、あるいは私どもの高圧ガス取締法の特殊法人でございます高圧ガス保安協会の講習を受けて、その試験に合格した者を必ず乗せて、それを管理させるようにということにいたしました。現在の私どものほうで、移動につきましての規制は以上のとおりであります。
#60
○岡三郎君 問題は、いろいろとこうやっても、事故はいまのような車の状況では起こりがちだと思うのでありますが、ただ私が聞いているのは、今回の場合は、つまり疲労のために睡眠不足で、居眠り運転でぶつかった。これはずいぶん多いのです。かなり広い道路で事故が起こっておるのは、それはたいがい居眠り運転です。そういう点で、標識を立てるとかなんとか、幾ら立てても、ほかがぶつかるのじゃなくて、自分で衝突して爆発を起こす。これはLPGだけじゃなくて、爆発物でもそうですが、ですから、こういう場合に、いろいろと保安上の問題があるけれども、今回の場合は、通産省というよりも、運輸省のほうで、こういうふうな危険物を運行する場合に、やはり必ず二名なら二名交代して、居眠り運転なら居眠り運転を避けるという、きちんとした監督的な、行政的な措置がとられておるかどうかということを聞いておる。つまり、この業者は六十数台で百二十三名ですか、これだったら、交代する余地がない。こういうことでやっておると思うのですが、これは逆に言うと、監督不行き届きというふうにも言えるのですが、これはどうなんですか。危険物の場合に、長期運転の場合に事故が起こりがちだということは私が言うまでもないと思うのですが、それを一名でいいのだということなら、これは監督行政の間違いだと思うのですが、これはどうでしょう。通産省もさりながら、これは陸運行政の一つの問題だと思うのです。簡単に言ってもらいたい。運輸大臣、よく聞いておいてください。
#61
○政府委員(坪井為次君) 運輸省としましては、一般的に運輸規則で、夜間運行とか、あるいは長距離運行のような場合には二人乗務というような規定も設けておりまして、ただ特別な、こういった高圧ガスといったような危険物についての特別な規定というものは、関係の各省と相談しまして、今後さらにわれわれのほうで措置すべきことがあれば措置したい、かように思います。
#62
○岡三郎君 これはずいぶん、そういうふうな態度では国民が迷惑しますね。危険物とわかっていて、長期夜間運行という場合に、こういうものを一人でやっていてもいいのですか。つまり、いつどういうふうに居眠り運転が来るかわからぬ。いまの運送業者の過当競争というものが根本にあると思うのですが、しかし、少なくともこれを契機にして、私はそういう爆発物とかLPGというふうな、そういうふうな危険物については、輸送する場合においては、先ほども通産省が言ったように、いろいろな措置をとるとともに、やはり陸運関係の責任の立場として、やはりこういうものは必ず二人乗車しなければならぬ、それに伴うところの賃金とか、そういう問題があると思うのですが、この点について、運輸大臣どういうふうに考えますか。
#63
○国務大臣(中村寅太君) 今回の事故の発生経過を見ましても、やはり規定を守っておらぬというところに原因があるようでありますから、今後は、運輸省としましては、規定どおりにきちっとするような、何らかの特別の配慮が必要である、そういうことをひとつ今後検討してまいりたいと思っております。
#64
○岡三郎君 運輸大臣、人が死んで、うんと焼かれているのに、何らかの処置では困ります。私がいま言っているのは、居眠り運転に伴う事故というものが非常に多いのですよ。これは国鉄当局も知っておるように、先般は函館等においてやはり列車にダンプカーが衝突しておりますね。えらい事故を起こしておる。あれがLPGなり、あるいは爆発物を伴った、そういうふうな車だったら、これはたいへんな事故になる。私は、そういうものを避けるために、行政として最小限度二人乗車なら二人乗車する場合について、やはり輸送料の問題等が入ってくると思うのですが、特にそういう危険物については、必ず二人乗車して居眠り運転だけは、事故だけは避けさせるというふうなことを、厳重に監督して実施させなければ、あぶなくてしょうがないですよ。凶器が町の中を走っておるんですからね。自分で幾ら注意したってやられてしまうんだから、冗談じゃないですよ。これはもう一ぺん運輸大臣に聞きたいと思う。何らかなんて適当な、答弁になってないよ。
#65
○国務大臣(中村寅太君) 規定どおりに二人乗せなければならないのに、乗せてなかったところに、今回の事故の原因があるようでございます。そういうものを厳守させるように、必要があれば法的な措置等も考えております。
#66
○岡三郎君 必要があればではなくて、もう必要が起こっておるんですよ。私は端的に言って、そういうふうに違反をしたら、たとえば取り扱いをなまぬるかったものは厳重にして、そうして事故が起こらないように処置してもらいたいということを言って、それに違反した者はやはり営業停止なら営業停止をくれるなり、そういう形でやらないと、こういう事故は直らぬと思うのですよ。これは中村運輸大臣も知っておるように、横浜等においては、あの第二国道の中で爆発物を積んでおるものが事故を起こしておるんです。これも大きな事故を起こしている。会社なんかにおいてずいぶん爆発事故を起こしておるところがありますが、道路上において、こういう事故が一ぺんではない。そういう場合において、厳重に法規を守ると同時に、手ぬるい点はもう少しきびしくして、事故が起こらないようにやってもらいたいということを言っておるわけです。そのためにはどういうふうにするのか、自動車局長でもいいから答えてもらいたいな。
#67
○政府委員(坪井為次君) 危険物としましては、高圧ガスそのほか火薬類等いろいろあるわけでございます。現在ではそういったものの輸送につきましては、特に火薬類については別の規則がありまして、こまかい規定が設けられております。これは事業者が運ぶばかりでなく、自家用で運ぶ場合もありますので、運輸省といたしましては、事業者一般に対する監督として、運行管理の面の監督を厳重にしていきたい。特にこういう危険物の輸送に携わる運送事業者に対しては、特別な手を考えていきたいと思っておりますが、法制の整備としましては、たとえば高圧ガスは高圧ガスとしてどこにあっても、たとえば運送中もそういうものを総合して取り締まるほうが適当ではないかということから、取締法で一元的にやっておる。火薬類につきましても、そういった態度で火薬類として一本で規定しておるわけです。運輸省としては、これについての裏づけというようなものは、そちらに全部譲りまして、運行管理の面からも監督を強化する、そういうことでいきたいと思います。
#68
○岡三郎君 いまの要旨でわかりました。通産省と至急に協議して、私がいま言っておるのは、固定したタンクなんかずいぶんありますね。あれが爆発したこともありますな、プロパンの。そういう点について一そう点検すると同時に、そういう運行管理の面から、そういうふうな事故が起こらないように、緊急の措置をとってもらいたいと思う。特に最近においては運送業者というものは非常な過当競争で、車が非常に多くなって、商売上非常に苦しい、どこの業者も。で、不況の波を受けて、やはり採算ということが優先して、安全というか、そういうものが第二義的になっている傾向が非常に強いと思うのです。そういう点で、この際、やはり人命尊重とか、こういう大事故を起こしてからではおそいので、そういう点について、本質的な事故対策とともに、運行管理の面から、起こらないようにやってもらいたいと思うのです。これは緊急にあとでこれに対する対策というものを報告願いたいと思うのです。これは運輸大臣にお願いしておきますが、これはたびたび起こる、こういう問題ですから、そういう点について、やはり自動車局なりその他から、やっぱり適切に毎月なら毎月報告を受けて、やはりそういう危険物を運搬する者が厳格に規則が守られていくように、一そうの指導を願いたいと思います。これはあとでまた報告を受けてから伺いますが、次に移ります。
 私はいま言ったように、いまの物価の値上がりについては非常にでこぼこがあると思うのです。というのは、運送業者などというもののいまの企業の実態を調べてみれば、非常に脆弱であるし、非常に無理した経営をしているところが多いわけです。国鉄は、石田総裁に言わせるというと、確かに仕事がうんとある、しかし、それは運賃値上げでまかなう、こう言うのですね。政府というものについては、米の問題についても、すぐ食管会計が赤字になればこれを補うために値上げをする。ところが、一般業者の零細なものは抑えに押えられている、こういう事態があると思うのです。私は上げろとは言っていないけれども、政府全体としての物価対策をどうするのかということが立たなければ、国鉄の第三次輸送計画は立てられません。わかりますよ。いまの都市を中心とした過密対策という問題について、運輸省がやらなきゃならぬ問題、あるいは国鉄がやらなきゃならぬ問題があると思う。ただし、物価体系全体の中において、そういうものを国民が納得しなければ私はいけないということを考えているわけなんですがね。大きな権力を持っている者が、力によって運賃値上げをする、じゃあ、同じ輸送機関の中で、バスとか私鉄とか、そういうふうなものについて、特に都市の公営企業なんかっていうものはほったらかされて、十五円の電車賃でやっている。今度、国鉄は全部一番短い区間でも二十円にしよう、こういうことでしょう。私はそういうところがやはり納得できないのですがね。一番先にお伺いしたいのは、運賃の値上げの問題について、国鉄の苦しい点もわかります。独立採算制の議論はここで言いません。第三次計画に伴って国鉄がやろうとしていることについてもよくわかる。ただし、私は前にも言ったんですがね、国鉄はぎりぎりほんとうにむだをなくして、国民が納得して値上げという段階にいかなければ承服できないと思うのです。そこで、国会議員にも無料パスが出ていますね。私はこの前の運輸委員会においても言ったんですが、国鉄が独立採算制ということでやっているならば、国会議員たりといえども無料パスを出してはいかぬことは、国鉄当局としてあたりまえのことだと思う。そうでしょう。とにかく独立採算というワクをはめられているんだから、だから、どんなに権力がある者でも、取った運賃によっていろんな仕事をしていくという場合に、特段の者はこれは例外だという形で、無料でこれを入れていたならば、有料の国民が運賃値上げに釈然としないのは私は当然だと思うのです。国鉄のやっていることに幾ら理解をしても、そういう点があると思う。この前の松浦運輸大臣に私が言ったときに、松浦運輸大臣は、国会議員の無料パスについても、いまの国鉄の独立採算制の立場から言えば、これは当然、議会なら議会が予算化して、国会議員――衆議院の四百数十名と参議院の二百五十名合わした数だけはこれを組んで、そして国鉄に納めるべきが当然であって、そういうものを単独に無料でよろしいという慣例は、少なくとも国鉄が独立採算をやっているたてまえからいけば、ここから直していかにゃならぬということを言ったわけです。それに対して松浦運輸大臣は、それはもっともだから、総理大臣と話をして善処したいということを言われたのですが、その後、大国が早々交代してしまったのですけれどもね。この点についてまず第一に聞きたい、これは運輸大臣と国鉄総裁に。
 それから、いま国会議員のことは言ったが、これはまず先に国鉄総裁に聞きたいが、国鉄にもいろいろな外郭団体がありますね。数限りなくあると思うのですが、そういう外郭団体に対する無料パスというものは一体どうなっておるか。無料パスというものは一体どの程度にまで出しておるのか。この点について詳細にお聞きしたいと思うのです、これは運輸大臣、それから国鉄総裁に。ただになっておるものと、上げられるものじゃ、とてもかないっこない。
#69
○国務大臣(中村寅太君) 国会議員のパスは、これはいままで規定でされておるのでありまして、国会でパスの問題について決定をなされれば、やはりそれも一つの方法ですけれども……。
#70
○岡三郎君 よくわからぬですね、もう一ぺん……。何を言ったかよくわからなかった。
#71
○国務大臣(中村寅太君) 国会できまって、国会議員にはパスを出すということになっておりますので、この問題につきましては、国会で予算措置等が考えられまして、政府のほうから予算を出すということになれば、私はそのようにしてよろしいと思っております。
#72
○説明員(石田禮助君) 第一に、国会議員のパスの問題ですが、私は実は、監査委員長のときから、国会議員にパスを出すとか出さぬということは、これは法律できまっておるのだから、われわれとしては、それはいけないということは言えぬが、国鉄の独立採算のたてまえから言って、お安くしておくから幾らか出したらどうだと言うのです、大蔵省は。そういうことを言ったことがありますが、馬耳東風かどうか何か知らぬが、一向、手ごたえがないのですね。これはしかし、私は理屈を言えばやはり是正するのがほんとうだと思う。幾らか出したらいい、これは価格の評定はむずかしいですがね。
 それから岡さんに申し上げるが、私は、国会議員のパスの問題を言うなら、公共負担の問題、大きな問題で、この点にひとつ触れていただきたい。
#73
○岡三郎君 それはそれとしてやる、時間がないから……。
#74
○説明員(石田禮助君) それから、もう一つの外郭団体の問題ですがね、これはこの前の、ずっと私が総裁になる前に、だいぶ議会でもって国鉄はいじめにいじめられて、外郭団体というものの非常な整理をやったものですよ。その結果、今日においては、これはいけないというような外郭団体は、これはほとんどないと思う。それで、外郭団体に対してパスを出すということは私のほうではしていません。そういうことだけは申しておきます。
 それからパスの問題につきましては、これはどうもなかなか込み入っていましてあれですからして、また別に私のほうから材料を差し上げますが、大体においてパスの問題も、この以前の国会においてだいぶやかましく言われまして、非常な整理をした。だから、そう岡さんが考えられるような私は大量のものじゃないと思う。
#75
○岡三郎君 大体人ごとみたいな答弁でおかしいと思う。あなたが国鉄の一番責任者ですよ。私が言うておるのは、大量な運賃値上げをしようという国鉄当局が、国民にやはり実態というものを納得さして――それで国鉄もいろいろと努力したことは認めますがね、少なくとも、一方で運賃がどんどんと上げられる趨勢の中で、無料パスというものを一体整理しなくて国民が納得しますか。その額がかりに少なく、枚数が少ないとしても、出すべき理由があるならば、こういうわけでこれは出しておるのだと、はっきりすべきだと思うのです。これはやはり国鉄の決算上から言っても、運賃収入をはかるということでずいぶん努力し、また無理もせられておるわけだ。その中で私が尋ねておるのは二点あって、法律できまっているからと言って、その法律が悪かったら直さなければいかぬし、独立採算というワクの中で仕事をしているのだから運賃の値上げをせざるを得ないのだということを言っているでしょう。第三次計画というものをやるために、やはり輸送力の増強をやるためにはそうやるのだと言っておられるわけでしょう。そうすると、私の聞きたいことは、そういう仕事をしてもらいたい、国鉄というのだから、国がかなりの費用を負担をして、そうして国民に対しては、できるだけ運賃というものを上げないように、いまの物価の上昇段階ではすると、こういうことは国民の常識だと思っているのです。そこで、いま言ったように、あとでなくて、私はこれは前から言って、なかなか出さぬから、先般も衆議院の決算では、大蔵省の払い下げの国有財産についても資料を出すとか出さぬとか言って、とうとう出したのですが、少なくてもいいから、多くてもいいから出してくれというようなことで、かなりの数が出ていると思う。どういうところに出しているか、まずそれを聞きたいと思う。そうして、どういうところにどのくらい出しているのか。これは、営業担当の常務ならばこれは知っていると思う、全国的に国有鉄道が無料パスを出しているものをここでお述べ願いたいと思う。
#76
○説明員(石田禮助君) パスの問題でありますが、私がこの間調べたところによるというと、一等のパスというものは合計で二千枚出しております。
#77
○岡三郎君 一等が。
#78
○説明員(石田禮助君) そのうちで、国会議員各位に対して七百枚、それから輸送関係のものに対しては約四百枚、そんなものだと考えております。それから通信関係のものに対して四百枚、それから、そのほか国鉄の関係の委員になっている方に対しても……
#79
○岡三郎君 委員というのは何。
#80
○説明員(石田禮助君) たとえば諮問委員会とか、あるいは、いわく何々、いわく何々と、いろいろな委員会がありますが、そういうものに対してパスを出す。これは報酬のかわりですね、結局。
#81
○岡三郎君 それはどのくらい。
#82
○説明員(石田禮助君) それは、数はどのくらいありますか、あまり詳しく聞かれても私にはわからぬ。
#83
○岡三郎君 だから、いま営業担当の者にと言ったじゃないか。
#84
○説明員(石田禮助君) 委員は約百枚。それはひとつ岡さん、どうですか、書いたもので出しますから、ごしんぼうを願います。
#85
○岡三郎君 だから、あとで総裁は書いたものを出すというので、一応いま概括的なことを聞いているのですよ。約二千枚の内訳、七百枚、四百枚、四百枚、百枚出た。あとどこだね。
#86
○説明員(豊原廉次郎君) 国鉄と同じような交通事業をやっております連絡運輸会社というものは全国にたくさんございます。私鉄その他がございます。それが約四百枚。
#87
○岡三郎君 そうすると、二千枚こしたじゃないか。
#88
○説明員(豊原廉次郎君) 先ほど申し上げました総裁の数字は、必ずしも正確ではございませんけれども、いま私はこまかい資料を持っておりませんが、申し上げましたものよりも、いまの連絡運輸が四百枚、それから先ほどの委員会が百ばかり、それから国会関係が、法律に基づくものが七百枚、それで千二百枚でございます。あとは報道関係ということだと思います。
#89
○岡三郎君 報道関係は何枚。
#90
○説明員(豊原廉次郎君) いまはっきり覚えておりませんが、これも約三百から四百ぐらいあるかと思います。
#91
○岡三郎君 一等が。
#92
○説明員(豊原廉次郎君) はあ。
#93
○岡三郎君 それから。
#94
○説明員(豊原廉次郎君) それからあとは、学士院の会員であるとか、そういう、何と申しますか、国家の栄典と言うと少しことばが悪いかもわかりませんが、そういうことで国家的に非常に貢献のあった方というような方々に二百から二百五十ぐらい出ておると思います。
#95
○岡三郎君 それで終わりですか、まだあるでしょう。
#96
○説明員(豊原廉次郎君) あとは、国鉄の永年勤続をして退職した者に出ておるのがやはり二百枚程度――二百枚以上あります。
#97
○岡三郎君 そういうのはおずおず言わないで、堂々と胸を張って言ったらどうですか。それはまあ、あと詳細に報告してくれるから……。
 それから、その次のランクはどのくらい出ていますか。
#98
○説明員(豊原廉次郎君) 先ほど総裁が一等パスと申し上げましたけれども、これはいまのような関係で出ておるのはすべて等級は単一でございますが、これのほかに二等だけのパスというようなものはいまのような関係では出ておりません。退職者の中に、いま申し上げました勤続年数等に応じまして等級の制限をする、また、ことに電車区間の一等車というものは非常に混雑いたす場合がございますが、そういうものにつきましては、私ども、退職者または国鉄の顕功賞その他いろいろな賞がございますが、そういうものを受けて退職をいたしました者に対しましても、一般の利用者の座席の確保と申しますか、そういうもののために制限を受けておるものはございますが、部外に出ておるものに対しましては、一等二等とも有効でございます。
#99
○岡三郎君 それで、先ほど運輸大臣言いましたが、その中で国会議員のパスについても、独立採算制のたてまえからやっぱり範をたれなければいかぬと思うのです。これは国家予算で組むなり、国会予算で組むなり、いずれにしても、それに必要な措置をとるにしても、これは独立採算というワクをつくっておいて、それをただにするということになれば、全体に及ぼす影響というものは私は大きいと思うのです。法律にいまあるからそうするのはあたりまえだという論も私は立たぬと思うのです。国鉄が独立採算になってから、非常に営業というものについても、そういうことからいけば、まず国会みずからやはりはっきりとそういうものについては筋目を立てなければ私は間違いだと思います。国会議員なるがゆえに法律できめて、それはただだ、これじゃ筋が通らないです。だから、それだけの予算を計上して、どの程度――まあ少しでもいいから入れてくれと国鉄総裁は言っておりますが、まあどのくらいの計算になるか別にしても、やっぱり国会議員というものが特権意識を持ってそういうことをやるということではなくて、やっぱり具体的にそういうものについては、国会の費用として計上するなら計上して、それに伴う予算措置をする、そうするというと国鉄が困るわけじゃないと思うのですね。これは、まずきょうは初めの問題として言ったわけですが、そういう点を合計して考えてみても、いま豊原さんが言ったのは、私はごく内輪だと思っているわけです。それは管理局管内なんかにおいても、ある程度の枚数は出ております。これは管理局関係の、たとえば東京鉄道管理局管内、あるいは千葉鉄道管理局管内、そういう全国的にある管理局管内からもかなりパスが出ていますよ、これは。だから、私はそういう点を総合してやっぱりこの際はけじめをつけるという形でいかなければいかぬ。私は、長年勤続していた者を取れなんということを言っているわけじゃないですよ。長期に勤続して功労があった者に出していいとか悪いとかという論になれば、私は出してもけっこうだと思います。ただ、そうではなくして、ずるずると従来の慣習の中で、国鉄が独立採算をしない前のいろいろな状況下においてそういうパスを出してきたものもあると思うのです。そういうものもやはり正確に調査し、それを明確にして国民に対して、国鉄はあらゆる面から冗費を節約しておるという角度の中で、国民に対して輸送増強といういろんな国家的な使命のために、こうすべきである、その前に、国鉄として、国に対しても、国有鉄道という名において、国の財政投融資ももちろんですよ、やっぱり金を出すべきであるという、そういうふうな方向で国民に言って、しかし、国自体としては、そういう予算の裏づけというものを独立採算というワクの中でやれということだけで、してくれないならしてくれないということで、もう少し内容的に国民にわかるようにしてもらって、運賃の是正ということに進んでもらわないと、順序が間違っているのじゃないかと私は思うのです。そういう点から言っているわけですよ。
 だから本格的に言うて、その国鉄の内部における工事なんかの問題についても、これから私は運賃の値上げの問題とともに言わなければいかぬと思うのですが、新幹線に伴うところの工事なんかについても、ずいぶんいいかげんな工事がある。そういう費用を全部国民が背負わなければいけないのかということです。これからさらに第三次輸送計画をやる、やる場合においても、一体国民に対してその運賃のしわ寄せをする限りにおいては、国鉄はこれだけのことをやっているんだということをやっぱり大所高所から言ってもらわなければ納得しないというふうに考えるわけです。そういう点について、いま報告があったわけですが、時間がございませんのでやめますが、そのいまの資料というものを国鉄本省に限らず、いいですか、運輸省に出している分にしても、これはやっぱり明確にしてもらわなければいかぬと思うのです。運輸省に出している分も、それから各鉄道管理局において出しているものもやっぱり調査して出してもらいたいと思う。これはこまかいようだけれども、国民の国鉄に寄せる一つの不信感というものが強いわけですよ。きょうの新聞にも出ていた電電公社職員が電話を使ってもただだと、そんなべらぼうな話があるかということが出ていたけれども、私はそうだと思う。そこにいる者が全部それを使っているということになれば、ただで使っているということになれば、これは問題になると思うけれども、しかし、これは一ぺんにいろいろ言ったってやれっこないし、とてもそういうわけにまいらぬということになるかもわからないけれども、いずれにしても、いま言ったような国鉄が本省並びに各管理局別に無料パスを発行しているものを具体的に示されて、それに対する是正措置というものをどういうふうにとるか。こういう点について明確にしてもらいたいと思うのですが、資料をお出し願いたいと思うのです。よろしゅうございますか。わかりましたか。
#100
○委員長(藤原道子君) ただいま要求の資料を提出願いたいと思いますが、国鉄総裁。
#101
○説明員(石田禮助君) このパスの問題については、実は私が国鉄総裁になってからやかましくだいぶ言いまして、その後だいぶ制限しているのです。最近にわかった問題は、実に驚くべき顔パスというものです。半年前まで知らなかったんです。ただしかし、これをいけないと、こういうことを言ってみたところで、それを取り締まるにはどうするかと、こういうことに難点がある。いけないと言ってただ禁止命令を出してみたところで、実行できなければ何にもならぬ。それでは実行するにはどうしたらいいか。こういうことでだんだん研究した結果、要するに、組合というものの協力がなければできない。幸いに組合のほうでは、協力いたしますと、こういうことでそれじゃ実行に移ろうと、こういうことで、実は、ただもう指令を出しっぱなしでなくて、実行力のある指令を出すというようなことで進んでおりますので、いまのパスのほうの合理化というものに対しては、私はこれはひとつ岡さんに誓いますが、私が在任中に、いつまでおるかわかりませんが、ぜひひとつ合理化して、あなたにおほめを受けるようなことにいたしたい。どうぞ御了承願います。
#102
○岡三郎君 もう時間がないからやめますが、在任中、いつまでかそれはわからぬでしょうが、少なくともあんた、運賃の値上げをいま申請して、運輸審議会にこれはかかろうとしているわけですよ。そうして国鉄は、運輸省当局も、一月からできるならばこれを実施してもらいたい。経済企画庁でいろいろと米の問題等で関係して言っておりますが、そうなるというと、やっぱり国民の前に具体的な方針を示して、国鉄もこういうふうにやるというふうな形の中で第三次計画をやらなければ、いまの輸送状況では後手を引く。これに対して国としてもどういうふうにするか。これは運輸大臣がただ運賃値上げ賛成、賛成と言っているのじゃ能がない。要するに、国としてどれだけ国鉄に対しても財政的にこれをどうするのか、いままで聞いていると、国鉄の総財産は膨大な数にのぼっているけれども、その中で五十億しか出していないということを聞いておるのでありますが、これは総裁、どうなっておりますか。
#103
○説明員(石田禮助君) 国鉄の財産は、貸借対照表によるというと、純資産は約二兆ということになっております。これはしかし実際にいまつくるとしたら十数兆というものではないか。これに対する国の出資というものは、あとにも先にも、金四十億円、これは貸借対照表には八十九億円ということになっておりますが、実際のやつは四十億円、これも昭和二十五年からやっている。ほかに出しているものはない。
#104
○岡三郎君 そうするというと、運輸大臣、あとは全部運賃値上げでもってきている、運賃収入で。
#105
○説明員(石田禮助君) これは要するに、特別会計というものを国鉄でやり出したのですが、それは政府が出資しているといえば出資しているということになりますが、結局しかし堀り下げてみれば、特別会計というものそのものも、これに対しては、政府が出資しているものは何もない。要するに、終戦前から国鉄を利用された方の運賃の利潤の蓄積が今日の国鉄の資産をなしている、こういうことなんです。
#106
○岡三郎君 時間がないから……。
#107
○黒柳明君 大臣の出席時間が十二時半までと聞いておりますが、若干延長させていただきたい。御了承お願いします。
 私は、タンクローリーの問題について質問しようと思いましたが、いま国鉄総裁のお話を聞きまして、一言意見を申したいと思います。
 国鉄総裁は、お安くしておきますからちょっと出してくださいと、こんなばかな話はない。少なくとも国民の信頼を得て、こうして私たちは国会議員になっておる。この神聖なる国会の委員会の席上において、お安くしておきますからちょっと出してください、とは何ですか。私たちは全部出します。ただ個人の見解としては、何もこの若い年で一等車に無料パスで乗ろうなんという考えはございません。みんなと一緒に二等車に乗って正式な運賃は出しましょう。ところが、いまの国鉄総裁の話を聞くと、非常にばかにしている、国会議員を。そのように私は感じます。また、いまの無料パスの問題は、あくまでもわが国会議員よりも国鉄関係者のほうが、無料パスの出し方は多いじゃないですか。そういうようなパスの出し方をしている。また一方、いまも質問がありましたように、設備投資がどんどんどんどん増している。それを営業収支のほうに回して、やがては、今度国民の運賃が倍にもなろうと、こういうことに関してもっともっと国鉄総裁として頭を使ってもいただきたい。ちょっと一言意見を申したいのでございます。
 時間がございませんので、大臣に御迷惑かかるかと思いますが、さっそくタンクローリーのほうに入りたいと思います。
#108
○相澤重明君 申しわけないけれども、きょうの時間はもうないようですから、一つ希望として、そのかわりあさって、運輸大臣とそれから国鉄総裁に出てもらう。もうしょうがない。それできょうはひとつかんべんしてもらいます。しょうがない、時間がないので。
#109
○黒柳明君 五分ぐらい簡単に……。
#110
○高山恒雄君 委員長、きょうは午後はないのかね……。
#111
○委員長(藤原道子君) ええ。
#112
○黒柳明君 それじゃ、プロパンガスの問題について、ちょっと簡単に、大臣に質問いたしたいと思います。
 昨日、私は現場を見てまいりました。皆さん方は、現場を見ないで、机上のプランで、監督不行き届き云々と言っておりますが、非常に現場は悲惨です。ある新聞にも、動く焼夷弾とか、また、動くナパーム弾といっておりますが、実際は動く小型原子爆弾です、実際の現場の状態は。新聞のあのキノコ雲を見てごらんなさい。原子爆弾の状態と同じです。この秋空の青天のもとに、三十世帯、数十人の人が、わずか一人の居眠り運転のためにいま泣いているのが現状なんです。その現場の悲惨な現状をよそに、いまこういうところで質疑をする私たちは、それ自体は非常に申しわけないと思いますが、ひとつその目で現場を見ていただきたい。それがひとつ……。
 また、運輸大臣にお伺いいたしますが、この事故に対して、運輸当局として幾多の不備の点があった、こういうふうに思いますが、運輸大臣の知る限りにおいて、どういう不備な点があったか、それを述べていただきたいと思います。
#113
○国務大臣(中村寅太君) 詳細なことにつきまして……
#114
○黒柳明君 声が聞こえない。
#115
○国務大臣(中村寅太君) 政府委員からお答えさせますから、御了承願います。
#116
○黒柳明君 大臣に答えてもらいたい。大臣の責任じゃないですか。何人の人が死んだと思いますか。どれだけの人が、いま悲惨な目にあっていると思いますか。大臣として、この点とこの点とこの点、不備な点があったと思う、あとは政府委員から詳しいことは答えてもらいたい、これでいいじゃないですか。そこも答えられないですか。
#117
○国務大臣(中村寅太君) 詳細なことにつきましては、いま調査中でございますが、私がいま知っておりますのは、先ほど自動車局長が申し上げましたように、二人乗っておらなければならないところを一人乗っておって、しかも、居眠り運転らしいというような程度でございます。
#118
○黒柳明君 実情はそんなのじゃないです。運転手の人は確かに居眠りだったでしょう。ところが、橋に当たって六十メートルバックしております。車からすぐ降りて、そうしてあとから来る後続車をストップしております。要するに、プロパンが流れますから。その間五分。ところが、その五分間の猶予があって爆発した。と同時に、運転手は逃げていった。その五分間の間に、もしも運転手が適切な措置がとれたら、また一人――こちらの通産省の方が言っておりましたが、監督者が一人乗らなければならない、あるいは夜行運転に対しては二人乗らなければならない。それが守られておったならば、もしもエンジンからの爆発があったらエンジンをとめたら、また、あるいは橋の上から――朝日新聞社の方が焼け死にまして、非常にお気の毒なことだと思いますが、もしかしたら、そのフラッシュをたいたのをとめることもできたでしょう、五分間という長い時間があったのですから。それに対して、そんないいかげんな答弁で、政府委員に答えさせるから――二人乗っていた、乗っていない――だから私は、現場を見ろというのです。その現場を見ずに、その実際を知らずして――だから実際の現場を見ろというのです。そんな状態だから、こんなところでのほほんと答弁しているような状態だ。その間にも、また次の小型原子爆弾が動いているのです。千六百九十七台ものタンクローリー車が日本じゅうでいま動いているでしょう。またあとの小型原爆の爆発がどこであるかわからない。その爆発があったら、どう答弁しますか。大臣は、また、申しわけないで済みますか。そこに五分間の猶予があった。どうして二人乗っけなかったのですか。その責任を……。また、監督官を乗せなかった――どうしてその監督官を乗せなかったか。いまになって、それは申しわけない、しょうがない――であるならば、自後、どういうふうに手を打つのか。そのくらいのことを大臣が言えなかったら、私はしようがないと、こう思います。
#119
○国務大臣(中村寅太君) ただいま詳細に調査をそれぞれの機関でやっておりますから、その結論によって、再びこういうことの起こらないように処置をしてまいりたいと思っております。
#120
○黒柳明君 詳細にわたって調査する、まあいいでしょう。ところが、大臣としては、少なくとも、こういう危険物が日本の国に千七百台も走っている、それに対してこういう手を打ってきた、こういうふうに、今度の事故が発生して、二十四時間たっております。こういうふうに善処していきたい、このような考えを持たないようだと国民として困ります。その点を私は追及しているのです。何もここで調査の資料を出せとか、わかっていることを全部言えとか、そんなことを申しておるのではございません。もっともっと大きな立場からの国の運輸行政を見るのが大臣の役目じゃないですか、このように私は思います。
 また、もう一つの点を私はお伺いします。ともかく、これもそうですが、監督行政がばらばらです。今度のタンクローリーの検査は通産省、全般にわたっての輸送に関しては運輸省、あるいは監督に関しては都道府県の所轄官庁と、こういうふうなばらばらな監督行政で、そうして事故が起こったら、いや、通産省のタンクローリーの点検が悪かったのだ、安全弁が上に出た旧型のものがあるからだめだとか、そういう責任のなすり合いがここでまた行なわれるのじゃないかと、こう思います。すみやかにこういうばらばらな行政に関しては一本の行政にやっていただきたい。一本化していただきたい。少なくともその点が行なわれれば、もっともっと監督が厳重に行なわれて、第二の小型タンクローリー原爆がなくなるのじゃないか、こういうことを思うわけですが、この点について大臣の所見をお伺いしたい。
#121
○国務大臣(中村寅太君) ただいま仰せられましたような御意見等も含めまして、検討いたしまして、万全の措置をとってまいりたいと思っております。
#122
○黒柳明君 万全の措置をとるといっても、いま現在、ここに千六百九十七台の小型原爆が走っているのです。それが第二の爆発をして、それでまたその後万全の措置を講ずる、こういうことで、こういう答弁で、大臣としていいのですか。
 ここで私は、六分三十秒たちましたから一分三十秒の超過でございます。委員の皆さんには御迷惑をかけると思いますが、十分に、大臣及び関係当局のこの被害者に対する善処方、また業者の指導に――ここに調査したのが全部ございます。大阪陸運局に聞いた調査資料が全部ございます。非常にでたらめな、いまのタンクローリーの運輸行政、その陸運局に対しての厳重な監督指導も徹底してもらいたい。時間があれば非常によかったのですが、残念なことに時間がございません。すべての面にわたって万全を期してもらいたいことをお願いして、これで終わります。
#123
○委員長(藤原道子君) 最後にひとつ要求があるのですが、いま黒柳委員が言われたように、こうしている瞬間にも、走る凶器が全国に飛び歩いている。したがって、直ちに全国の陸運局に対して一斉検査をするような指令を出される意思があるかどうか。
 それから運輸省から警察庁に依頼して、直ちに全国の一斉検査をしてもらいたい、取り締まりにも協力をお願いしたい。
 それから通産省と運輸省とが対立しているような新聞の発表がございますが、まことに遺憾でございます。そういう点について、どういうお考えを持っておられるか。
 それからもう一つ、危険物取り締まりの要求がほかの法には書かれているのに、プロパンにはそういうことが一切ないということは、まことに納得がいかない。そこで、この次までに、ひとつ、いままでに起きた事故の事故数、これの現状、こういうものも十分調査して、お話し合いをつけて御出席を願いたい。
 それから国鉄当局に申し上げますが、委員の各位から要求がたくさん出ているのですが、きょうは、こちらの都合でやむを得ず午前中で打ち切らざるを得ないわけでございますが、ぜひ何とか御都合なすって、二十九日に御出席を願いたい。
#124
○岩間正男君 委員長、資料要求をちょっとさしてもらいたい、簡単に。委員長、いいですね。
#125
○委員長(藤原道子君) いまの私の要求をちょっと、中村運輸大臣。
#126
○国務大臣(中村寅太君) ただいま委員長の仰せられましたような意味できょうの午後、通産省と警察庁と運輸省とで万般の対策を立てることにいたしております。その上で適当にそれぞれの機関に措置いたしたいと思います。
#127
○委員長(藤原道子君) 岩間君。
#128
○岩間正男君 簡単に、この次の審議に間に合うようにひとつ、間に合わないのはあとでいいですが、お願いしたい。
 五つの項目。一つは、元職員――部局長以上、それはその後どうなっているか、就職しているなら団体名。それから第二、資材の発注先、単価、下請会社名、これを出していただきたい。第三、昭和三十九年度三百億円の赤字の理由、この理由は、三十九年度から計算方法が変わったじゃないか。従来より減価償却を一年繰り上げるというようなやり方で、さらに赤字を多くしているのじゃないかと思いますから、この資料。第四に、第三次計画によって、ラッシュはどの程度緩和されるのか、この見通し。第五に、第二次計画中に、世界銀行からの借り入れ金はどれほどか。世銀はどのような条件をそれにつけているか。それに対して国鉄はどのような報告を行なったか。それから第六、第三次計画中に、世界銀行から借り入れる借款の予定。これらの六つの点について、資料を要求したいと思います。
#129
○委員長(藤原道子君) ただいま御要求の資料を、できるだけ早く御提出を願いたいと思います。よろしゅうございますか。
 本日は、他に御発言がなければこれにて散会いたします。
   午後零時四十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト