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1965/10/26 第50回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第050回国会 日本国と大韓民国との間の条約及び協定等に関する特別委員会 第3号
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1965/10/26 第50回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第050回国会 日本国と大韓民国との間の条約及び協定等に関する特別委員会 第3号

#1
第050回国会 日本国と大韓民国との間の条約及び協定等に関する特別委員会 第3号
昭和四十年十月二十六日(火曜日)
   午後二時四十六分開議
 出席委員
   委員長 安藤  覺君
   理事 木村 武雄君 理事 園田  直君
   理事 長谷川四郎君 理事 福永 一臣君
   理事 小林  進君 理事 辻原 弘市君
   理事 松本 七郎君 理事 永末 英一君
      愛知 揆一君    赤澤 正道君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      井原 岸高君    宇野 宗佑君
      江崎 真澄君    大平 正芳君
      金子 岩三君    鯨岡 兵輔君
      小坂善太郎君    田口長治郎君
      田澤 吉郎君    田中 榮一君
      田中 龍夫君    田中 六助君
      田村 良平君    中川 俊思君
      永田 亮一君    濱野 清吾君
      早川  崇君    藤枝 泉介君
      本名  武君    増田甲子七君
      三原 朝雄君    毛利 松平君
      赤路 友藏君    石野 久男君
      石橋 政嗣君    岡田 春夫君
      戸叶 里子君    中村 重光君
      楢崎弥之助君    野原  覺君
      穗積 七郎君    松井  誠君
      山中 吾郎君    横路 節雄君
      横山 利秋君    春日 一幸君
      佐々木良作君    玉置 一徳君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 石井光次郎君
        外 務 大 臣 椎名悦三郎君
        文 部 大 臣 中村 梅吉君
        厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
        農 林 大 臣 坂田 英一君
 出席政府委員
        内閣官房長官 橋本登美三郎君
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        検     事
        (民事局長)  新谷 正夫君
        法務事務官
        (入国管理局
        長)      八木 正男君
        外務政務次官  正示啓次郎君
        外務事務官
        (アジア局長) 後宮 虎郎君
        外務事務官
        (条約局長)  藤崎 萬里君
        文部事務官
        (大臣官房長) 安嶋  彌君
        文部事務官
        (文化財保護委
        員会事務局長) 村山 松雄君
        厚生事務官
        (社会局長)  今村  譲君
        厚生事務官
        (保険局長)  熊崎 正夫君
        厚生事務官
        (年金局長)  伊部 英男君
        厚生事務官
        (援護局長)  実本 博次君
        厚生事務官
        (社会保険庁年
        金保険部長)  網野  智君
        農林事務官
        (大臣官房長) 大口 駿一君
        水産庁長官   丹羽雅次郎君
        水産庁次長   石田  朗君
    ―――――――――――――
十月二十六日
 委員玉置一徳君辞任につき、その補欠として佐
 々木良作君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員佐々木良作君辞任につき、その補欠として
玉置一徳君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十月二十五日
 日韓条約批准反対に関する請願外十四件(湯山
 勇君紹介)(第三二号)
 韓基本条約批准反対等に関する請願(湯山勇
 君紹介)(第三三号)
 日韓条約批准反対及び在日朝鮮人の祖国往来自
 由実現に関する請願外一件(湯山勇君紹介)(
 第三四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条
 約等の締結について承認を求めるの件(条約第
 一号)
 日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定の
 実施に伴う同協定第一条1の漁業に関する水域
 の設定に関する法律案(内閣提出第一号)
 財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済
 協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第
 二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する
 措置に関する法律案(内閣提出第二号)
 日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び
 待遇に関する日本国と大韓民国との問の協定の
 実施に伴う出入国管理特別法案(内閣提出第三
 号)
     ――――◇―――――
#2
○安藤委員長 これより会議を開きます。(拍手、発言する者多し)
 日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約等の締結について承認を求めるの件、日本国と大韓民国との間の漁業に関する協定の実施に伴う同協定第一条1の漁業に関する水域の設定に関する法律案、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律案、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との問の協定の実施に伴う出入国管理特別法案、右各案を一括して議題といたします。
#3
○佐々木(良)委員 委員長、議事進行。
#4
○安藤委員長 佐々木良作君より議事進行に関する発言を求められております。この際、これを許します。佐々木良作君。
#5
○佐々木(良)委員 私は……
  〔発言する者、離席する者多し〕
#6
○佐々木(良)委員 委員長、発言をいたします。
#7
○安藤委員長 佐々木君の発言を許します。(発言する者多し)――佐々良作君。
  〔発言する者多し〕
#8
○佐々木(良)委員 私は、昨日の本委員会におきまして、日韓条約関係議案の取り扱いにつきまして社会党の辻原委員らの議事進行の発言を中心に議論が行なわれた件につきまして、重ねて総理大臣にお伺いいたしたいと思います。
 この件につきまして、安藤委員長は、可分もあり得るので、その取り扱いについては別に検討するという、言うならば調停発言によって一応のケリをうけられたように伺っております。しかしながら、ての発言は、問題を一応先に延ばしただけでありまして、解決には相なっておらないと思います。したがいまして、この問題の帰趨はまた今後の審議に重大なる影響を及ぼすものでありますので、特に総理大臣のこの問題に対する御所見を伺いたいと思います。
 政府は、日韓関係議案について承認を求める案を提案いたしておられまするが、この提案の議案につきまして、政府はただ一個の国会の意思を要求しておられるのか、それとも六つの異なった意思が決定されてもよいという立場に立って提案をされたのか、その点を明確にいたしていただきたいと思います。
#9
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたします。
 ただいまの一括御審議をいただいておりますのは、官房長官から御説明いたしましたごとく、相互に関連があり、日韓間の国交の正常化をはかるために、一括して御審議を願う、これが最もふさわしい、かように考えまして、お願いをいたしておるのであります。したがいまして、私どもは、一括して全部がぜひとも皆さま方の御承認を得る、かようなことを期待しておるのであります。
 ことに、ただいま御指摘になりましたように、理論的にこれは分割できる、かように申しましても、このことによりまして日韓の正常化ができなくなる、かような事態は私どもの懸念しておるところであります。したがいまして、日韓の国交正常化、これが第一の目的であります。したがいまして、いわゆる理論的に分離可能だとかどうとかいう議論よりも、ただいま申し上げますように、全部が相互に関連を持ち、そしてこれを御承認願わなければ、日韓間の国交正常化が実現しない、かような状態にある、私はかように考えるのであります。
 皆さま方の御審議のことでございますから、国会において御審議を願う。御審議は御自由であるかのようには思いますけれども、政治的に、この問題は、ぜひとも日韓国交正常化に役立つように、また、これに支障を来たさないように、ぜひ御承認を得たい、かように考えます。(拍手)
#10
○佐々木(良)委員 審議のやり方は国会がきめますから、わざわざ総理大臣の御意見を承るつもりはございません。提案の趣旨について明確にお答えをいただきたいのは、六つの条約らしきものが一かためにして提案されておりまして、一括承認を求める件として提案されております。したがって、これに対して、政府自身は、国会が一つの意思決定をすることを要求されろのか、都合によっては六つの意思決定をしてもよいという立場で提案されたのか、いずれであるかを明確にお答え願いたい。重ねてお願いいたします。
#11
○佐藤内閣総理大臣 一括してお願いをいたしておるのであります。
#12
○佐々木(良)委員 御承知のように、外交交渉は政府専属の権限であります。したがいまして、外交交渉を行ない、条約を締結し、これを国会に承認を求める権能はすべて政府にのみ専属しておる権限と私は承知いたしております。したがいまして、形式的に独立した個々の約束のようなものがありましても、一話して相手国と約束をしておるものであるならば、私は、一括した意思決定が国会においてされることを要望されるのが当然だと思います。したがいまして、たとえば請求権の内容については国会意思は承認すべからず、たとえば漁業協定については国会意思は承認すべし、このようなまちまちの意思決定を要求される筋のものではないと私は考えます。したがって、政府は明確に一括して一つの意思表示を要求されたものだと、私ほこう思うわけであります。
 当然に、御承知のように、もしそうではないとするならば、外交交渉でございまするから、たとえば漁業権の内容をある程度譲って、あるいは請求権の問題について色をつけるとか、あるいはまた文化財の問題についての話し合いの過程でその問題を基本条約の表現に移すとか、おのおの密接相関連してでき上がっておるものが、私はこの六つの条約らしき形態を整えておるものだと考える。したがいまして、これは一本にして国会の意思をきめるのでなければ、政府が国会に意思を求められたこの理由にそぐわない、こういうふうに考えるわけであります。総理大臣もそのようであります。
 さて、そこで、総理大臣に重ねてお伺いをいたしまするが、私はまことに遺憾にたえないと存じましたことは、昨日の議事進行問題の過程におきまして、国会の中の自民党を代表される方々によって、プライベートでありましょうかもしれませんけれども、いずれにしても、自民党を代表される方々によって、先ほどの問題について、たとえば、案件は一つだが、可分のものがあるので、その可分のものについては分割して採択をする、その具体的なやり方は別に検討する、こういう式の、妥協案というよりも、むしろ当時社会党が述べられておった案をそのまま内容としたものをもって委員長の報告とするたてまえにしようとする動きをもって、わが党のほうにも相談に来られた。このような状態は、まさに総理大臣の意図されておるものと全然私は異なると思うのだが、そこで、佐藤総理に明確に――政党内閣のたてまえから、佐藤内閣は自由民主党と、言うまでもなく当然に私は不可分一体のものだと考える。まさに不可分一体でありながら、そのような可分のごとき、政府の方針と党の方針とが違っておるがごとき方針をもってこの日韓関係の条約の審議に当たられては、はなはだ迷惑だ。総裁としての御所見を承りたい。
#13
○佐藤内閣総理大臣 政府並びに与党は、ただいま特別委員会に対しまして一括承認を求めております。これが基本的態度であります。これに変わりはございません。あらためてこの機会に申し上げるまでも、ないことでありまするが、ただいま佐々木君のお尋ねのように、また御意見のように、私のほうも、一括して御承認を願っておるのであります。
  ただ、誤解のないように願いたいと思いますのは、一部法律論にはいろいろな議論があるようでございます。この法律論は、先例等もございますので、この法律論ではない。私がただいま申し上げておりますのは、政府並びに与党が皆さま方にお願いしておるのは、一括承認を求めるの議案でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
#14
○佐々木(良)委員 いまの方針をもって明確に対処されんことを重ねて要望いたします。
 最後に、もう一つ、自民党総裁としての佐藤さんにお伺いいたしたいと思います。日韓関係条約議案につきまして十分なる審議を尽くすという当初の方針は、全然いまだに変わっておりませんかどうか、念のために重ねて私はお伺いいたしたいのであります。
 御承知のように、臨時国会が召集されてからすでに二十日間、この間、審議は、本会議場におけるいわば形式的な審議がわずか三日間行なわれたにすぎません。しかも、御承知のように、各新聞紙は、少なくとも十日間程度の紙面をさいて、あるいは解説を、あるいは論説を行ない、国民の大多数の者は、この国会においてこの条約の内容について十分なる審議が国民の目の前で行なわれることを要望いたしておる次第であります。(拍手)しかるのにもかかわらず、申し上げましたごとく、国会開会以来二十日間になんなんとするのに、委員会を中心とする実質的な審議はまだ一回も行なわれておりません。このような状態に対して、絶対多数を擁せられる自由民主党総裁としてのお考えを明確にお聞かせを願いたいのであります。
 重ねて佐藤総裁に念のために申し上げますけれども、かつて、たぶんおにいさんの岸総裁のときであったと存じまするけれども、国会の役員の争奪戦を中心として与野党で国会役員の問題で争われました際に、ともかく現状においては国会の運営の責任は多数を持っておるわが自由民主党が当たると、自由民主党の総裁の立場で言明されたことがあります。それ以来、御承知のごとく、議長だの委員長だのという問題は、事実上自由民主党をもってほとんど全部独占をされておる現状に相なっておる。そして、今国会においてもまた同様な形でこの臨時国会が開かれておるわけであります。したがいまして、私は、今日まで審議が停滞をし続けておる状態に対して、あるいは総理大臣は野党の態度に籍口せられるかもしれないけれども、自由民主党、絶対多数を持っておられる自由民主党の責任まさに重大なりと思うのでありまするが、重ねて御所見を承りたい。
#15
○佐藤内閣総理大臣 お答えをいたします。
 与党の責任まことに重大だ、さように私ども考えております。ただいまお話がありましたように、ただいまの状況においてとういう態度で臨んでおるかというお尋ねでございますが、佐々木君の御意見にもありましたように、すでに特別委員会も開かれ、そうして審議が始まろうとしておる、まだ審議をしていない、こういう状況でございますが、ぜひとも皆さま方の御協力を得て慎重御審議を願いたい。心からお願いをいたします。(拍手)
#16
○佐々木(良)委員 慎重審議を総理大臣から言明されましたが、まさに二十日間は空転そのものであったことをはっきりとひとつ御反省を願いたい。自由民主党は絶対多数を持っておられるのにかかわらず、野党の出方がどうのこうのというものの言い方に籍口されて、そうして審議をボイコットし、審議をのがれるがごとき状態は、あくまでも避けられたい。特に総理大臣に申し上げますけれども、市中、社会党を中心とするところの引率延ばしとか、時間空費だとかという問題と同時に、自由民主党内閣はややこしい発言をしてつまらないところにつまずくようなことがあってはならないから、むしろ審議をなるべく遠ざかっておって、ものを言わずにおって、最後に強行採決を行なって、これのみによって問題を決しようというがごときうわさが流れておるのは、はなはだ遺憾である。総理にしてそのような考え方を持っておられようとは考えませんけれども、現実にいま動いておる状態は、そのような見方をされてもしかたがないような客観状態である。重ねて私は総理大臣に対して、百日だろうが二百日だろうが、国民の納得のいく審議を尽くすことを言明されて、そのために全力をあげて国会の正常化をはかられんことを強く希望いたします。(拍手)
#17
○佐藤内閣総理大臣 佐々木君のただいまの御意見に私も心から同感でございます。私は政府であり、また、わが自由民主党は与党であり、国会の運営にあたりましても重大なる責任があると思います。同時に、野党諸君の協力がなければ真の国会の審議はできないのであります。そういう意味におきまして、関係各位が協力し、審議する、国民の納得のいく審議をする、このことが最も大事なことだと思います。ぜひ御協力のほどをお願いいたします。(拍手)
#18
○佐々木(良)委員 私はなお問題をもって質問をしようと思いましたが、御承知のごとく、私は、議事進行に名をかりて、事実上内容も含めた発言をいたしました。したがいまして、同僚から、まあ問題を留保して、この辺で下がるべしという意見もありますので、本日の議事進行はこの程度にとどめたいと思いますが、委員長に重ねて要望を申し上げておきたいことは、国民すべてが、御承知のごとく、審議をめぐって、審議を要望し続けております。どうか、すみやかに審議を開始され、十分なる審議が行なわれまするように取り計らわれますよう、重ねて要望いたしまして、議事進行の発言を終わります。
  〔「休憩、休憩」と呼び、その他発言する者多し〕
#19
○荒舩委員 議事運営について進行発言をいたします。――よろしいか。
#20
○安藤委員長 荒舩清十郎君。
#21
○荒舩委員 当委員会はきわめて重大なる意義を持っておるものでございまして、ただいま民社党からも発言のあったとおりでございます。さようでございますので、原則として連日委員会を開き、質疑を進められんことを望みます。(拍手)
  〔発言する者多し〕
#22
○安藤委員長 荒舩君のただいまの動議に対し賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#23
○安藤委員長 起立多数。……(拍手、発言する者多く、聴取不能)
 質疑の通告がありますので、これを許します。小坂善太郎君。
  〔発言する者多し〕
#24
○小坂委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま付託されておる条約、諸協定等並びに法律案について質疑を行ないたいと思うのであります。
 まず、今日、日韓諸協定並びに条約等に対して……(発言する者多く、聴取不能)この問題に対しまして椎名外務大臣はじめ外務省の関係者各位……(聴取不能)並びに勇断をもってこの条約の調印を決定されました佐藤総理大臣に対して深く敬意を表するものであります。(拍手)
 この条約並びに関係案件は多年にわたるところの懸案でありまして、一衣帯水の地であるところの韓国との間の友好関係を結ぶことはきわめて重要であるのであります。国民の各位も、大いにこの点につきましては審議を尽くすべしとの意見もあるのでございます。また、疑問を残して批准をするなという声もあるのでありまして、私は、国民の知りたがっておるもろもろの点につきまして、十分にきめのこまかい論議を展開いたしたいと思うのであります。
 まず第一に、日韓条約を締結いたしましたるところの基本理念は何であるかということを伺いたいと思います。……(発言する者多く、聴取不能)千数百年にわたるところの……(聴取不能)そして各種の、もろもろの関係を考慮いたしまするときに、この条約に対する基本的な考え方は、戦争のつめあとをいやすという考え方である。また、平和条約第二条及び第四条にいうところの諸案件を調整することである。終戦処理であるということが基本理念であると思うのでありまするが、総理大臣のお考えをまずもって伺いたいと思うのであります。……(発言する者多く、聴取不能)総理大臣のお考えを聞きたいと思うのであります。(発言する者多し)ここでわが国の批准がかりにおくれたような場合にはどうなるかという点を御質問したいと思うのであります。
  〔発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
#25
○安藤委員長 それぞれ御自席に御着席願います。――御自席に御着席願います。
  〔離席する者、発言する者多し〕
#26
○安藤委員長 御着席願います。それぞれ御着席願います。
  〔発露する者多し〕
#27
○安藤委員長 妨害をしないでください。発言者の妨害をしないでください。――小坂君に発言を許します。
  〔発言する者多し〕
#28
○安藤委員長 衛視は議場の整理をしなさい。――衛視は議場の整理をしなさい。発言を続けてください。
#29
○小坂委員 ……(発言する者多く、聴取不能)私は、まずこの日韓の条約の基本的な性格を聞いておるのであります。その基本的な性格について、佐藤総理大臣はどのように考えられるか、御答弁を願いたいと思います。その基本的な性格について御答弁を願いたい。
  〔発言する者多し〕
#30
○安藤委員長 衛視は議場の整理をしなさい。発言を妨害しないでください。
  〔発言する者多し〕
#31
○小坂委員 私の質問に対して答弁を求めております。私の質問に対して総理大臣の答弁を求めております。
#32
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたします。
 御承知のように、日韓の関係を正常化しようということは、これは、申すまでもなく、善隣友好並びに平和、これを念願しておるわが国の基本的態度であります。隣の国韓国と仲よくする、これができなくては、アジアにおける平和を論ずる資格がない、かように私は考えておるのであります。(拍手)
#33
○小坂委員 暴力的な議事の妨害によって、この条約の批准が……(発言する者多く、聴取不能)
#34
○佐藤内閣総理大臣 御承知のように、韓国におきましては、すでに六月二十二日調印されて、批准の手続を終えたわけであります。わが国も今日批准の手続を終了しなければ、韓国に対しましても、いわゆる国際信義をつなぐ、こういう観点に立ちましても、これをゆるがせにするわけにはいきません。私は、できるだけ早くこの手続を終えたい、かように思います。
#35
○小坂委員 その次に……(発言する者多く、聴取不能)
#36
○佐藤内閣総理大臣 また、条件つきの反対論もあるように聞いております。ことに、反対論の第一のものは、これは軍事的な同盟につながるものだ、こういう懸念でありますが、私どもは、このことは全然事実無限であります。かようなものを、私どもこれを取り上げるわけにまいりません。また、第二のものは、南北の統一を阻害する、こういうことの論点でありますが、これまた、今日私どもは取り上げるわけにいかない議論でございます。
#37
○小坂委員 ……(発言する者多く、聴取不能)
#38
○佐藤内閣総理大臣 NEATOについての議論がございますが、十四年間日韓交渉をいたしました間も、軍事的な話し合いは一切ございません。したがいまして、これは全然根拠がない。また、この論に対して、故意に事実をしいる議論でございます。私どもは、これに耳をかすわけにはまいりません。
#39
○小坂委員 ……(発言する者多く、聴取不能)
#40
○佐藤内閣総理大臣 宵北朝鮮の統一を阻害するものだ、こういう御議論でございますが、かようなことはございません。私どもは、国連を尊重し、国連決議を尊重し、いわゆる国連中心でものごとを進めてまいりたい、かように思います。
#41
○小坂委員 ……(発言する者多く、聴取不能)韓国の管轄権は及ばないと……(発言する者多く、聴取不能)
#42
○佐藤内閣総理大臣 国内的にも自立し繁栄することは、私どもが心から願うところのものでございます。いわゆる経済協力は経済搾取だ、かような非難があるようでございまするが、新しい日本は、さような考え方で韓国に対する経済協力をするわけではありません。どこまでも韓国の経済が自立するように積極的にこれに協力するつもりでございます。
  〔発言する者多し〕
#43
○小坂委員 次に、漁業協定……(発言する者多く、聴取不能)
#44
○佐藤内閣総理大臣 お尋ねのとおり、御意見のとおりでございます。ただいま漁業操業は安全に行なわれることでございますので、李ラインの問題は、これは議論にならないと思います。(拍手)
#45
○小坂委員 李ラインが……(発言する者多く、聴取不能)公海自由の原則が……(聴取不能)
#46
○佐藤内閣総理大臣 今回の漁業交渉では公海自由の原則を承認しておる。この点はいまだかつてないことでありまして、これが明文化されたということは非常な改善でございます。
  〔発言する者、離席する者多し〕
#47
○安藤委員長 自席へお戻りください。自席へお戻りください。――席へお戻りください。自席へお戻りください。――自席へお戻りください。自席へお戻りください。
  〔発言する者、臨席する者多し〕
#48
○安藤委員長 質疑を続行いたします。小坂善太郎君。
#49
○小坂委員 先ほどに引き続きまして、基本条約の関係から質疑に入ってまいります。
 まず、大韓民国の法律的な地位といいますか、基本的な性格というようなものについて伺いたいと思うのであります。
 基本条約の第三条によりますると、韓国政府は、第三回国連総会の決議におきまして、百九十五号によって明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法政府であるということになっております。この意味は、国連総会決議の文書及びその決議成立の経緯から見まして、韓国政府が、国連が、自分から行ってよく見て、これならば推薦できるとする唯一の合法政府である、かようにいったものと解されるのでありますが、この点で政府の公式見解を明示願いたいと思います。
 なお、この点に関しまして、韓国側では、韓国の憲法第三条によりまして、全朝鮮を支配、管轄する政府であると、かようなことを言っておるといわれまして、この点が食い違っておるといわれておる点でございます。私は、この英文も正文でございますから、この中にありまするアズ・スペシファイドということばは、これは形容詞句として用いられるのが普通でありまして、韓国側の言うような副詞句として用いるという見解は、少し牽強付会の解釈かと思うのでありまするが、その点についても御答弁を願いたいと思います。
#50
○椎名国務大臣 百九十五号の決議の性質は、これはそれを援用した第三条についての御質問だと思いますが、これは相手方である韓国というものが一体どういう性格の国家であるかというこの決議の趣旨をそのまま援用しておるにすぎないのでございまして、これによって特に韓国の領域を規定するとか、そういったような性質のものではないのであります。したがって、韓国の憲法第三条には、韓国の領域は済州島から鴨緑江に至る全半島に及ぶのであるということをいっておりますが、その問題とは全然この条約は関係ございません。
 なお、領域はそうなっておるけれども、事実上いまの休戦ライン以北には有効な支配、管轄権が及んでいないということを韓国としても認めておるようでありますが、直接条約の成文と憲法との関係はございません。
#51
○小坂委員 時間があまりないので、いろいろ掘り下げていきたい点もありまするけれども、この程度にいたしまして、とにかく、ただいまの御答弁で、韓国の管轄権が北に及んでいないということはそのとおりに理解されるのでありまして、これが、政府のしばしばの答弁にありまするように、北の部分とは白紙であるということになると思うのであります。そこで、政府としては、この北との関係、北にあるオーソリティとの関係というものは白紙であるのか、あるいは現状において将来解決するということをペンディングにしておくのかということであります。
 さらに、そこに人事の往来というものも現実にあるわけでございますが、先般IECの日本における総会で入国が問題になり、また、その後のはり・きゅうの大会ではこの入国を認めるというふうに、いわゆるケース・バイ・ケースで全く異なった日本政府の措置がなされると聞いておるのであります。そこで、ケース・バイ・ケースはけっこうですが、やはり無原則でも困るということであると思いまして、どういう原則によって判定をされるかということについて御答弁を願っておきたいと思います。
#52
○椎名国務大臣 御指摘のとおり、休戦ライン以北に事実上の政権があるということを念頭に置きながら今回の諸般の取りきめを行なっております。したがって、北鮮に関する限りは全然触れていないというのが適当な表現であろうかと思います。
 この北鮮との事実上の人事交流等につきましては、韓国との関係を考慮してきわめて慎重な取り扱いをしておることは、御承知のとおりであります。先般の国際電気標準会議につきましても、きわめて慎重な態度をもってこれに臨みまして、結局北鮮の関係者の入国を認めないという方針を貫いたわけであります。はり・きゅうの問題につきましても、これまた、韓国側を、この際でございますので、刺激しないように、十分に注意をしてこの問題に対処してまいりたい、無原則であるというようなお話でありますが、とにかくこの問題は慎重に考慮し対処してまいるという、これも一つの原則であろうかと思います。
#53
○小坂委員 南北朝鮮の統一ということを非常にわれわれとしても希望するということでございますが、この統一に関する原則は、国連尊重の立場からいたしまして、国連の、示した原則、すなわち、第三回の国連総会における百九十五号の決議という原則にのっとっていくということであろうと思うのであります。人あるいは説をなして、これは非常に古いものじゃないか、一九四八年から何年たっておるというような説をなす者もありますけれども、こうした決議が毎年なされておるのでありまして、私どもは一刻も早くこうした原則によっての統一がなされることを期待し希望するものであります。
 そこで、伺いたいのは、今次の基本条約は、こうした統一がなされました場合の条約とは別個のものになるか、統一された場合には別個の条約が結ばれるのかどうかということであります。南北鮮が統一された場合に、いわゆる朝鮮との間にわが国は条約を結ぶということになると思うのでありますが、現在のこの日韓条約とそれは別個の性格の条約を結ぶということになるのであろうかということでございます。
#54
○椎名国務大臣 あくまでかような問題は現実に即して考えるべき問題でございまして、南北朝鮮が統一されないという原因はきわめて深いものがある。それが全部解決されて統一された場合にどうかということでございますが、これはおのずからまたその情勢に応じて考慮さるべき問題でありまして、いまから、どういう型の条約になるかというようなことは、とうていこれは言えないことであろうかと存じます。
#55
○小坂委員 やはりその場合に即して考えるということであろうと私も思います。そこで、その際はその際として別個の条約になるのではなかろうかと思っておるわけでございますが、そこで、この条約関係に、基本条約の関係だけに英文が使われておる。英文の条約が正文になっておる。他のものはそうでない。そこで、韓国の国会で、私は朝日ジャーナルという雑誌で見たのでありますが、鄭一亨という人が、英文の条約が基本条約だけで、他にできておらぬ、だからこれは瑕疵のある条約だということをあげて、撤回を求めておるということを読んだのでありますが、これはどうなのでありましょうか。英文はなぜ基本条約だけについてでき、他の毛のについてはないのかということであります。一部には、これが英文などを使うからアメリカ追随の条約だというような、まことにどうもよくわからぬ議論をする者もあるのでありまして、この点についてひとつ明確なお答えを願っておきたいと思います。
#56
○椎名国務大臣 基本条約につきましては、日韓両国語及び英文、三つの国語でこれを書きおろしたのでございまして、基本条約に関してもし日韓両国国語の上からいって解釈が違うというような場合には英文による、こういうことが規定されております。他の諸協定等につきましても、できたらと考えておったのでありますが、何せあまり時間がございませんので、必ずしも英文で書かなければ条約が有効に成立しないということはないのでありますから、それで英文はこれを省いたのであります。
#57
○小坂委員 そのとおりに了承をいたします。
 そこで、次に漁業協定に入ってまいりますが、漁業協定が発効することによりまして同胞の漁船拿捕がなくなるということは非常に喜ばしいことでありまして、特に関係者のお喜びはさこそと察せられるのであります。季ラインが国際法上認められないということは、これはもう言うまでもないのでありますが、こういう韓国側の資源保護法というものが特に強調せられますのは、日韓の間において漁法が違う、漁獲能力が格段に違うということが問題であろうと思うのであります。韓国側にしましては、このままに放置するならばこの海峡の魚が全部日本の漁民によってとり尽くされてしまうということを言っておったように思うのであります。そこで、李ラインの問題に関しまして日韓の条文解釈がそれぞれにおいて違うということがよく言われるのでありますけれども、韓国側が魚族保護のたてまえを放棄したものではなくて、国際的に漁業協定に置きかえましても、漁業保護ということは、これは国内問題として非常に大事なんだから、どうも、この漁獲の日韓双方の関係において十分な理解が習熟するまでは、何としても君らは心配するなという気持ちで、韓国国会において答弁が行なわれる。だから、その点で韓国の国内向けに多少もたつくのはやむを得ないというふうに思うのであります。しかし、条約の解釈というものは、あくまで条文によって客観的に行なうべきものでありますから、この相違点というものも、そう私は問題にすることはないのじゃないかということの前提に立って、しかし、いろいろな議論もございますから、この問題を聞いてみたいと思うのであります。
 まず、安全操業ができるということは非常な朗報でありますが、しかし、これは政府は確信をもってそうでありますということが言い得るのかどうかということであります。すなわち、李承晩ラインというものは、漁業協定によって公海自由の、原則ということがうたわれておるということによって実際上消滅するかどうかということについて、政府の確信ある答弁を得たいと思います。
#58
○椎名国務大臣 御指摘のとおり、李ラインというものは、日本はこれを認めたことは一回もない。ただ、向こうが一方的に、これはあたかも韓国の領海であるかのごとき観念をもちまして、これを侵すものは片っ端から拿捕した、こういう事実行為が行なわれておったにすぎないのであります。今回の漁業協定によりまして、専管水域というものを基線から外側に十二海里のところにつくるという両国の間の了解が成立した。その専管水域の外側は公海に属するものでありまして、公海自由の原則がここに行なわれる。ただ、魚族資源の関係上、日韓両国に関する限り、共同規制水域ということにいたしまして、あまり乱獲をしない、したがって、漁獲量あるいはこれに従事する漁船の隻数等を規制していこう。その場合に、これを監視する場合、あるいは争いが起こって裁判ざたになるというような場合の裁判管轄権は、漁船の属する国のみがそれの取り締まり権なり管轄権を持つということを取りきめたのでございますから、もはや李ラインというものは存在する余地がない、そういうことになるのであります。
 ただ、この問題に関連して申し添えておきたいことは、国内法がこれに関連してつくられておるのでありますが、国内法を適当な時期に廃止するということは、これは韓国側の条約に基づく義務である、かように考え、これを期待しておりますが、たとえそういうことがかりにないという場合でも、条約が国内法に優先するということでありまして、この安全操業が脅かされるということは絶対にないということを確信しているものであります。
 なお、李ラインはいわゆる国防ラインとして存続するというようなことも言っております。それからまた、大陸だなの問題として存続するというようなことを言っておりますが、大陸だなについては、これは国際法上認められておりませんし、日本もこれを認めておらない。国防ラインというものはどういうものであるか、内容はよく説明されておりませんけれども、日本も、かつては、満蒙が日本の国防ラインであるというようなことを言ったことがありますが、それは単なる構想であって、したがって、関係国から苦情がきたこともない。実際のトラブルは起こったことはございません。そういうわけでありまして、少なくとも日本に関する限り、李ラインというものはもはや消滅して、公海自由の原則が認められ、漁業の安全操業が認められるということになったわけであります。
#59
○小坂委員 ただいまの御答弁の中に含まれておることとも思いますけれども、一部には、公海自由の原則というものは本来基本条約に盛り込むべきものじゃないか、漁業協定の中に入っておるがために、この協定の期限である五年、そしてこの期限終了後一カ年を経て六年後にはこれが場合によっては失効することがある、とすると、公海自由の原則というものを書いてある協定はどこにもなくなるものだから、その点で日本は李ラインというものをまた押しつけられる心配はないかというような議論もあるわけでございます。こういう点に関しまして、そういうことの心配はないんだという確信を伺いたいと思うのであります。
#60
○椎名国務大臣 もともとこの公海自由の原則は国際法上のゆるぎない原則でありまして、ただそういうことを一応念のために漁業協定の中に前文に取り入れて書いてあるというのでありまして、この条約が発効後におきましては、日韓両国のいろいろな面における交流が行なわれ、漁業問題につきましても非常に友好裏に両国の漁業が繁栄するということになることは明らかでありますから、これを好きこのんで五年後には失効を通告するというようなことは万々あり得ないはずであります。しかし、かりにそういうことが起こったにしたところが、もともとこれは認められてない不法不当な問題でございますから、それがよみがえるというようなことはない。心配にもいろいろな心配がございまして、無用な心配というものは杞憂と申しますが、それは杞憂にすぎない、こういうことを申し上げておきます。
#61
○小坂委員 次に、直線基線方式、そして漁業専管水域十二海里というものを今度採用したわけでありますが、これは、わが国がこれまでとったことのない方式と理解しておるのであります。こういう方式を国際条約で採用した例をひとつ教えていただきたいと思うのであります。なお、わが国は、今後韓国以外の国ともそうした接触を持つわけでございまするが、その場合の協定に、こうした直線基線方式あるいは専管水域十二海里というものを、先例として今後使っていくというふうに考えておられるのかどうかという点を構いたいと思います。
#62
○椎名国務大臣 日本といたしましては、初めて十二海里という専管水域を韓国との閥において認め合ったわけであります。将来第三国に対してもこれを先例としてこのとおりやるかという御質問に対しましては、それはそうではない、いわゆるケース・バイ・ケースでこの問題を処理してまいりたい、こういう方針でございます。
 なお、十二海里の専管水域の先例等につきましては、事務当局からお答え申し上げます。
#63
○小坂委員 事務当局から答えてもらうのに一つ加えて、今回アウターシックスに入るということを放棄したわけでありますが、なぜこの入漁権を放棄したか、これは非常な譲歩ではないかというふうに言われておりますが、この点もあわせて解明願いたいと思います。
#64
○藤崎政府委員 漁業専管水域の先例といたしましては、イギリスがノルウェーと結んでいる条約、それからアイスランドとやはりイギリスが結んでおる協定もそれからイギリスその他西欧諸国が結んでおります多数国間条約、この三つがございます。
 それからアウターシックスに入ることをほかの条約でやっておるのに、今度の日韓の漁業協定ではやらなかったということにつきましては、御指摘のように、若干わがほうの譲歩になるわけでございますが、これは私の範囲外かもしれませんけれども、わがほうといたしましては、全体として日本の従来の漁業実績を確保するという見地に重点を置きまして、この点については譲歩いたした、かように了解をいたしております。
#65
○小坂委員 次に、領海の問題を伺いたいと思いますが、韓国は何海里を領海と考えておるかということであります。先般、新聞に、韓国側は十海里宣言をしたとかいうふうなのが一時出ましたが、それは誤報であるというようなことも聞いておるのでありますが、この点についてと、それからジュネーブの国際海洋法会議におきまして十二海里説が強く主張されたことがあったのでありますが、わが国としては何海里を領海として適当と考えるかという点について、お答えを願いたいと思います。
#66
○藤崎政府委員 韓国政府は、これまで公式に韓国政府として国際法上領海は何海里であるという見解を持っておるかということを声明いたしたことはございません。ジュネーブの海洋法会議で、主として新興国でございますが、十二海里を領海とすべしという主張がなされたことは事実でございます。しかし、結局、この海洋法会議では何らの結論が得られません。日本その他これよりも狭い領海をとっておる国々は、ある段階におきまして、領海六海里、その外に漁業専管水域六海里という案に委員会段階で賛成したことがございますが、そのときにも、この案がもし採用されなかったならば、従来それぞれの国がとっておる立場に立ち返るのだという留保を明確にいたしております。したがいまして、日本としましては、従来どおり三海里が唯一の国際法上確立された領海の範囲である、かような立場をとっておる次第でございます。
#67
○小坂委員 竹島の周囲十二海里に韓国側が専管水域を設定するという報道がありまするが、専管水域というものは、そもそも当事者同士が合意の上でなければ設定することができぬものだと了解しておるのであります。わが国は、竹島はわが国の領土であるという主張を強くいたしておりますし、その主張をくずしておらないのでありまするから、当然その竹島の周囲に韓国の専管水域ができるなどということは考えられぬと思います。この点に関しまして政府の所信を伺っておきたいと思います。
#68
○椎名国務大臣 御指摘のとおり、専管水域は国際法上当然認められておるものではない。両国間の合意によって、お互いに直線基線なら直線基線から何海里というふうに認め合って、初めてそこにできるのであります。でありますから、韓国のほうでいかにこれは自分の領土であると言い張っても、とにかく日本との間に紛争問題として残っておる以上は、その領土権そのものがまだ確立しない、いわんや専管水域においてをやであります。でありますから、これはわがほうとしては絶対に認めないのでありますから、専管水域というものができ上がるはずはない、こう御了解願いたい。
#69
○小坂委員 済州島につきまして専管水域十二海里として基線を引く場合に比べまして、これは済州島というものを独立と考えないで、朝鮮半島から済州島を含めた線を引きまして、別個な島として扱わなかったので、専管水域が非常に韓国側に有利に拡大されておる。わが国はその間に無害航行権を与えられたのみであって、これははなはだ譲歩し過ぎではないか、こういう説もあるわけでございます。この点に関しまして、政府から明快な答弁を願いたいと思います。
#70
○坂田国務大臣 お答えします。
 済州島といわゆる本土との賜のなにを一体としての直線基線による水域を設けようとするのが向こうの主張でありました。それに対して、それはどうも国際的に見てもおかしいのであって、どうして毛やはり独立してそれぞれの基線からの十二海里を設けなければならないというようなことが日本側の主張でございまして、結局そういうことにいたしたわけでございまするが、ちょうど両方の間のなにが重複しておるところもありまするし、また、非常に入り込んだところもあったりして、その点は操業上いろいろの紛争が起こるというようなことも考えられまして、さようなことから、その部分については、一部韓国の漁業水域の中に包含させるということに合意をいたしたような次第であります。
#71
○小坂委員 わがほうの対馬周辺に、わがほうとして漁業導管水域を設けるということはできるわけでありましょうと思いますが、そうでありますか。
#72
○坂田国務大臣 今度皆さんの御審議を得まして条約によるところの法律を出すわけでございまするが、それによって専管水域を設けることについてはいま検討中でございます。しかし、これは、そのときどきの情勢によって考えていかなければなりませんし、いろいろと情勢を見ながら考えていく必要がありますので、法律の中にはそれを明記せずに、政令でそれを定めることにいたしてまいりたい、かように考えております。大体やはり対馬の周辺を考えていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#73
○小坂委員 情勢というのは、結局韓国漁業の伸展度ということであろうかと思いますが、いずれこれまた同僚の各位からお話があろうかと思います。
 そこで、専管水域の設定に伴いまして、領海との間の海域については、わがほうは入り会い権を失ったという説がございますが、そうでありますか。
#74
○坂田国務大臣 いわゆるアウターシックスの入り会い権の問題、これは、わが国としては過去における実績を持っておったのでございまするし、また国際的な先例もございまするので、このほうをわが国としては主張しておりましたわけでございまするが、しかし、最も大きな問題として、李ラインの実質的撤廃という問題、それがまた日本の漁業の実績というものを確保したというような問題もありまして、それから、一面、韓国のいわゆる非常な零細な漁業情勢というものも勘案いたしました、この点については、大局的にわがほうとしてはこれを主張しないことにいたしたわけでございます。
#75
○小坂委員 共同規制水域におきまして、裁判権のみならず取り締まり権というものを旗国主義でやるということになったわけでございます。取り締まり権は、多くの場合相互主義をとっておるというふうに了解しておりますが、これによって李ラインの消滅が一そう明確になったとも言えると思うのであります。取り締まり権まで旗国――わがほうが取り締まる場合はわがほうの船でやるのでございますから、非常にその点で公海自由の原則が明瞭になったと思います。であるだけに、私どもは、政府として出漁の漁船の数あるいは総漁獲高等、政府の責任において厳格な規制を実行してもらう必要があると思うのであります。そうでございませんと、やはりこの漁業の問題非常にセンシティブでありますから、この関係で対日不信を招くということになりましては非常に重大なことであると思うのであります。韓国の国会答弁というものがときどき新聞や雑誌に出ておりまして、それも拝見いたしまするが、この点は韓国側ではかなり重要に考えて、もしさようなことがあるならば、これは李ラインをひとつ復活するのだというごとき答弁をしておるということが伝えられております。こういう公海上の自由の原則というものは、主観的判断ではこれはどうにもならぬことは私どもは了解しておるし、そうなければならぬと思っておりますし、政府の決意もそうだと思っておるのでありますけれども、これはやはり非常な両国間のせっかくできました信頼感というものに水を差す一番大きな問題になると思うのです。そこで、政府はどのような態度でこの問題に対処されようとしておるかということを明確にひとつ願っておきたいと思うのです。
#76
○坂田国務大臣 ただいまのことはごもっともの点でございまして、私どもとしては、つまり日本の政府といたしましては、協定実施に伴う必要な国内処置についても現在十分の準備を進めておる次第でございます。また、関係漁業者に対しましても、協定の趣旨・内容等について十分の説明もいたしておりまするし、協力も求めております。また、関係漁業者の方々におかれましても、そのことを十分了承していただいておりまして、関係漁業者におかれましても、この協定の意義を十分認識し、これを順守していくということにずいぶん努力を進めておるような実情でございます。
 なお、協定発効後におきましては、取り締まり船の拡充あるいは主要水揚げ港における監督駐在員の配置その他、そういう取り締まりの体制等の拡充強化について十分考えていきたい、かように考えておるわけです。
#77
○小坂委員 共同規制水域の設定に関しまして、この漁業協定の第二条を見ますると、ずっと北緯何度から東経の何度というふうに経緯が書いてあるわけでございますが、その最後の十一項目のところに牛若嶺高頂というのがあるわけでございます。これは北鮮の地名でございまするが、こういうことを書くことは、これは北鮮について白紙だと言いながら、北鮮の地名を採用しておって、どうも政府の考えに矛盾横着があるのではないか、かような意見もあるわけでございます。この点について御答弁を願っておきたいと思います。
#78
○藤崎政府委員 この第二条の柱書きに、共同水城の範囲としまして、「領海及び大韓民国の漁業に関する水域を除く」とございます。この領海というのはどこの領海でも除かれるわけでございますので、この線に囲まれる水域はすべて公海でございますから、どこの国も関係はないわけでございます。それで、この牛岩嶺高頂と申しますのは北鮮の地域にある地点であることは御指摘のとおりでございますが、これはただその線を引くための目じるしとしてこの地名をあげたにすぎないのでございまして、この北緯何度とかいうのと性質は全く同じことでございます。
#79
○小坂委員 これはどうも、ここへきて急にこの地名だけが出ておりますので、こういう質問が出るわけですが、この点はあとであるいは質問が出るかもしれませんけれども、いまの御説明以外に少し、ほかの点はどうして経緯だけで、ここだけ地名を用いたかという点をもう少し御研究願っておいたらいいのではないかと思います。
  それから、漁業専管水域の大幅な設定、それから無償供与のほか有償協力の九千万、ドルというようなことで、韓国の漁業が非常に漁獲能力を増す、将来において非常に急増するというふうに考えられるのであります。現在韓国の漁獲高というのは非常に少なくて、私の了解する限りでは四十五万トンぐらいだと聞いておるのでありますが、わが国の漁獲量が六百七十万トン、非常な開きがあるわけであります。しかも、その漁船が、漁業に従事する人が日本の倍、百三十万人おるということでございまするが、こういうふうに漁獲能力が飛躍的に増大いたしますると、将来のわが国の漁業に対して、ことに小型の漁船を中心として相当の脅威になるの、ではないかというような意見もございます。こういう点につきまして、政府の対策をひとつ承っておきたいと思うのであります。
#80
○坂田国務大臣 現在の無償供与及び九千万ドルの民間漁業協力によって韓国の漁業能力がどの程度にいくかという問題については、いろいろ検討を加えております。しかし、先ほどお話のとおりに、現在のところ、全く、彼我の関係は、規模の点においても、内容の点においても、非常な格差があるのでございまして、私どもといたしましては、やはりでき得る限り韓国の漁業の伸展についての協力をいたしてまいりたい、かように考えております。ただし、将来の問題といたしまして、特にその輸出、輸入関係、いろいろの点に考えてまいりまするというと、将来の問題としては相当これはやはり考えなければならぬようなこともあろうかと思いまするので、われわれといたしましては、十分わが国との漁業の調整に極力留意いたしまして、日本漁業に悪影響の来たさないように十分検討を加えてまいりたいと、かように考えております。
#81
○小坂委員 この漁業協定におきまして、専管水域あるいは共同規制水域というふうな措置がとられて、李ラインは撤廃になった。非常にけっこうなことでありますが、この共同規制水域を設定する際に、そこへの最高出漁隻数は、最高、以東底びきで一日当たり二百七十隻、以西底びき百十五隻、まき網百二十統、沿岸漁業千七百隻というふうになっておるのでありますが、こういう設定によりまして、こういう規制措置によりまして、従来の実績と比べてはどうなるのであるかという点を聞かせてもらいたいと思います。
#82
○坂田国務大臣 共同規制水域における最高出漁隻数の問題でございまするが、大体現在の実績とほぼ同じようなことになっております。
#83
○小坂委員 他にいろいろと伺いたい点もあるのでありまするが、申し合わせの時間もきておるようでございまするから、残余の質疑は明日に留保いたしまして、これにて質疑を終わっておきます。
#84
○安藤委員長 本日の質疑はこの程度にとどめ、明二十七日午前十時より理事会を開き、自後の日程について協議いたします。なお、委員会は午前十時三十分より開会いたします。
 これにて散会いたします。
   午後七時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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