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#1
第049回国会 内閣委員会 第2号
昭和四十年八月五日(木曜日)
   午前十時十五分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 八月四日
    辞任         補欠選任
     永岡 光治君     北村  暢君
 八月五日
    辞任         補欠選任
     野々山一三君     鶴園 哲夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柴田  栄君
    理 事
                石原幹市郎君
                三木與吉郎君
                伊藤 顕道君
                山本伊三郎君
    委 員
                源田  実君
                八田 一朗君
                林田 正治君
                増原 恵吉君
                森 八三一君
                山本茂一郎君
                北村  暢君
                鶴園 哲夫君
                鬼木 勝利君
                多田 省吾君
   国務大臣
       建 設 大 臣  瀬戸山三男君
   政府委員
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       給与局長     瀧本 忠男君
       総理府人事局長  増子 正宏君
       自治省財政局長  柴田  護君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  清君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣送
 付、予備審査)
○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調
 査
 (国家公務員の給与等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柴田栄君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。昨四日永岡光治君が辞任され、その補欠として北村暢君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(柴田栄君) 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は去る七月二十八日予備審査のため本院に送付せられ、三十日本委員会に付託せられました。
 それではまず、本案の提案理由の説明を聴取いたします。建設大臣瀬戸山三男君。
#4
○国務大臣(瀬戸山三男君) ただいま議題となりました建設省設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 近年の地価高騰は、住宅及び生活環境施設の充実あるいは産業の基盤となる各種の公共施設の整備に対する重大な隘路となっており、宅地問題の解決は国民生活の安定向上と経済成長のために緊急の課題となってまいりました。
 このような事態に対処するため、建設省の組織の面においても、宅地対策のための機構の整備を行なうことが必要とされるに至っております。
 このような見地から、宅地部を設置することとし、あわせてこの際数項目の組織に関する改正事項を含めまして、この法律の改正案を提出することといたしたのでありまして、その要旨は、まず第一に、計画局に宅地部を設置し、これに宅地に関する行政を統一的に所掌させることといたしております。
 現在、宅地制度、宅地の造成、新市街地の開発等宅地に関する事務は、計画局、都市局、住宅局の三局に分散しておりますが、近年における宅地需給の不均衡が国民の住生活を圧迫し、健全な市街地形成の障害となっている現状にかんがみ、宅地に関する事務を宅地部に一元化し、宅地政策を強力に推進しようとするものであります。
 第二に、中部地方における直轄事業の事業量の増大に対処して、中部地方建設局に用地部を設けることといたしております。
 第三に、建設研修所を建設大学校に改めることといたしております。
 建設研修所は、近年その組織、施設、教育内容等の飛躍的な充実を見ましたので、このたびこれを建設大学校に改称し、国、地方公共団体等を通じて、建設関係職員の養成訓練を一段と積極的に推進してまいりたいと考えております。
 第四に、本省の附属機関として建築審議会を設けることといたしております。
 最近における建築技術、建築生産等の目ざましい進歩に対処して、建築に関する基本的施策の確立に資するため、新たに建築一般及び建築士に関する重要事項の審議機関として建築審議会を設け、これに伴い本省の附属機関である現行の中央建築士審議会及び一級建築士試験委員を改組して中央建築士審査会に統合し、建築行政の強化をはかりたい考えであります。
 第五に、公共用地の円滑かつ適正な取得を促進するため、昭和四十一年三月三十一日までの間、公共用地審議会に公共補償の基準に関する重要事項を調査審議させることといたしております。
 最後に、建設業の海外進出の促進等に資するため建設関係在外公館駐在員を一名増加することに伴い、建設省の定員一名を外務省に移しかえることといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
#5
○委員長(柴田栄君) 以上で提案理由の説明は終わりました。
 それでは本案につきましては、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(柴田栄君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に供する調査を議題といたします。本調査につきまして質疑の通告がございます。これを許します。
 なお、関係当局の御出席は、佐藤人事院総裁、瀧本人事院給与局長、増子総理府人事局長であります。順次御発言を願います。山本君。
#7
○山本伊三郎君 それじゃまず人事院総裁にひとつお尋ねしたいと思いますが、まず最初に、法律から申しますと、勧告は今月十二日までに出さなくちゃならぬと私は思っているのですが、人事院はもうすでに調査も終わって勧告の前提にあると思うのですが、いつごろ勧告をされるか、その点……。
#8
○政府委員(佐藤達夫君) 昨年はたまたまいまおことばにありましたように、八月のたしか十二日に勧告を申し上げたと思います。しかし、毎年、日にちには相当ズレがございまして、私どもの立場としては、作業を急ぎまして作業の完結次第勧告を申し上げるという態度でまいっておりますので、日をいつということは実はいまのところきめておりません。ただ大体のめどは八月中旬にはということでやっていることは事実です。今回は作業が資料関係の集計等が少しおくれておるようでございますが、これもいま申しましたように、できるだけ早くということで極力急いでやる。どのくらいになりますか、いまここではっきり見通しを申し上げるまでの自信はございませんけれども、とにかく急いで昼夜兼行でやっておりますというわけでございます。
#9
○山本伊三郎君 一日二日の問題は別として、勧告は大体一年以内にやるという、大体の規定ですから、人事院がそんな不心得な考え方はないと思っております。調査時期を若干延ばしたということから延ばしたということはありますけれども、それは別として、昨年ですか、一昨年ですか、総裁が病気でということでちょっとおくれたということも承知しておるのですが、今度の場合には、そういう理由はないので、私としては、当然十二日までに勧告されるものだ、こういう考えでおったのですが、それは間違いですか。
#10
○政府委員(佐藤達夫君) ただいま申し上げましたようなことで、でき上がり次第ということで極力急いでおります。十二日になりますか、その前になればさらに幸いだと思っております。あるいは国会中になればなおさら幸いだと思っております。そのくらいの意気込みでただいまやっておりますが、日取りはいつということはいまちょっとうっかりとは軽率には申し上げられない。
#11
○山本伊三郎君 まあ慎重に調査されておるのですから、あまりこれについては追及しませんが、もしそういう日にちをずさんに考えておると、まあいまの総裁はきわめて良心的であるということは知っておりますけれども、ずるずる延ばされると、私は困るというか、われわれとしては、法律の規定そのものが無視されてしまうので、われわれとしては調査のいろいろの繁雑もありますが、まあそういうことから延びておるとは考えますけれども、できるだけ早くひとつ勧告をしてもらいたいと思います。要請しておきます。いかがですか。
#12
○政府委員(佐藤達夫君) 御趣旨のとおり大いに努力いたします。
#13
○山本伊三郎君 それじゃ具体的にお聞きいたします。
 もうすでに、大体作業は終わっておると思うのです。私は、いま時期の問題を言ったのは、本国会は十一日に大体終わるといういまの予定でありますので、国会が終わってしまうと個人的な話しかできませんので、できれば国会開会中に勧告の趣旨、内容について本委員会で詳細に聞きたいと思って、いま聞いたわけでありまするが、それがおくれるということであれば、国会が済んでしまうということは私も一応いまのところ想像もつくのでありますが……。
 そこで具体的に聞きますが、今度の勧告の焦点、重点は、私は過去五回この審議に参加しておりますが、あるときには初任給に重点を置き、あるときは高給者に重点を置き、また中級ということで、おのおの重点の置きどころが変わってきておりますが、今度の場合はどれに、どういうところに重点を置いて勧告をされようとするか、その概略をちょっとお聞きしたい。
#14
○政府委員(佐藤達夫君) 具体的にどういう形になってあらわれますかは、これは今後の検討の結果によることでございますけれども、少なくとも私どものいまおっしゃいました意味での根本的な立場は生計費と申しますか、これは非常に上がっておる、あるいは物価なども顕著な上昇をしておるように見受けられます。そういう点からもまた従来の公務員諸者の要望から見ましても、やはり所得の少ない、低い人々、これをよほど重点を置いて考えていかないといけないのではないか。むしろそこを重点に考えて、格差があまり出たら上のほうにも均てんしていただく。上のほうの方には、たいへん申しわけないことになるかもしれませんけれども、そのくらいの意気込みで臨んでしかるべき事態ではなかろうかという意識のもとに実は取り組んでおるわけであります。
#15
○山本伊三郎君 大体その点は了とします。
 それから今度の調査ですね。もうすでにこれは出ておると思うのですが、民間との給与の較差、四月現在でやっておられると思う。どのくらいの較差とされていますか。
#16
○政府委員(佐藤達夫君) これはまだ出ておりません。もう出ると思いますが、出ましても、ここで申し上げることは、勧告まではごかんべんいただくことになると思いますが、まだ出ておりません。
#17
○山本伊三郎君 それはそういう人事院総裁の気持ちはわかりますが、いまごろ較差が出ておらないということは、私は考えないのですが、総裁の立場からここで言うと、大体こちらですぐわかりますから、勧告前にそういうことをされることは避けられると思いますが、それなら物価の上昇は、私が調べましたものによると、昨年の四月現在、同年同期で調べますと七%以上上がっておる。これは全都市の平均ですが、人事院は四月現在で調べておられると思いますが、それはどれくらいになっておりますか。
#18
○政府委員(瀧本忠男君) 私のほうは昨年の四月に調査した関係がございますので、ただいま御指摘のように、昨年の四月を基準にいたしてものを考えております。
 そこで、ことしの四月は昨年の四月を基準にいたしまして、物価がどれだけ上がっておるか、消費者物価でございますが、全都市では一〇九・九、こういうことになっております。東京で申しますと一〇九・六と、こういうことになっております。少し前後を見てみますると、前年の四月に対しまする三月の数字は一〇六・一、それから五月は一〇八・八、六月は一〇八・七、四月だけが非常に顕著に高い、こういう状況でございます。これは全国につきましても、東京につきましても、そういう状況でございます。さらに内部を検討いたしてみますると、食料費、ことに野菜の高騰ということが四月に非常にあったということが作用しておるように考えます。
#19
○山本伊三郎君 そうすると、昨年の四月を一〇〇として一〇九・九ですか。
#20
○政府委員(瀧本忠男君) 全都市が九・九。
#21
○山本伊三郎君 東京については一〇九・六ですね、はい、わかりました。
 もう一つ数字を聞いておきますが、いま較差の点については総裁は言えないと言われましたが、民間の昨年四月から本年四月の上昇率、これはもう調査されておると思います。その点についてお尋ねいたします。
#22
○政府委員(瀧本忠男君) 較差と申しますものは、官民の四月現在におきまする、四月時点における官民の違いでございます。それから、いまお尋ねの民間の上がりはどうかというのは、これは昨年の四月と本年の四月の間に民間の平均賃金はどれだけ上がったか。これは数字が違うということを前提に申し上げるわけでございます。
#23
○山本伊三郎君 言わぬからしようがない。
#24
○政府委員(瀧本忠男君) これはわがほうの較差と全然縁のない数字ではございません。しかしながら、ときによりまして向こうが高かったり、あるいは遊離しておったり、いろんな状況がございます。そこで、毎月勤労統計の数字を見てみますと、本年の四月は昨年の四月に比べまして一〇・七%の上がり、こういうことになっております。
#25
○山本伊三郎君 毎勤統計については、これは大体調べておるんですが、人事院は人事院として特に作業なされますね。同じ対象を比較して勧告されますね。それの上昇はどうなっていますか。それは言えますか。
#26
○政府委員(瀧本忠男君) その数字は、まだちょっと私手元に用意いたしておりません。
#27
○山本伊三郎君 手元にないと言って、出せますか。
#28
○政府委員(瀧本忠男君) いまの時点でございますから、これは付帯調査で毎年やっております。ちょっと私そこ十分見ておりませんけれども、もし計算しておれば、いまの時点ではあるいは数字が出ておることかと思いますけれども、これはやはり人事院の今回の勧告に関係のある数字でございますので、先ほど総裁がおっしゃいましたような事情で、これはしばらくごかんべん願いたいと思います。
#29
○山本伊三郎君 大体毎勤統計と人事院独自の調査による民間給与の上昇とは若干違うのですが、しかし、毎勤統計と人事院のやられたもの、昨年から見ると、その率から見ると、大体勧告の内容というものは想像できるのですが、ずばり申しますとこれはいろいろと勧告の、事情によって内容は変わりますけれども、総体の勧告の、いわゆる給与ベースアップの率は、昨年と同様ぐらいになるのではないかと思うのですが、それは言えませんか。
#30
○政府委員(佐藤達夫君) これは私どもの給与局長のほうが詳しいのでございますけれども、過去の経験から申しましても、たとえば毎勤その他の資料から推していきました推測と、われわれのほうで調べました結果を、ふたをあけての較差というものとは、必ずしも、お互いに上になり、下になるという関係になって、こっちのほうが上になったことも、まれにはあるわけでありますが、全然見当はつきません。したがいまして、私どもといたしましては、私どもの四月調査を集計した上での結果によらなければ予測はつかない、私どもは経験上そういう考えを持っております。
#31
○山本伊三郎君 それ以上尋ねるのは無理でないかと思うのだが、この程度にしておきましょう。しかし、言っておきますけれども、よく新聞で先にすっぱ抜かれるのですね。人事院が発表したとは私は申しませんけれども、勧告される国会よりも、そういう、それは新聞社は商売ですから、大いにやっておられることは私は敬意を表するのですけれども、それが非常に一般大衆に誤解を受けるのですがね、もうすでに六%程度であろうというようなことが言われておる、早くに。そういうことが非常にわれわれとしては、残念に思うのですがね、どうなんですか、ああいう記事については、全くの新聞社のスクープと申しますか、想像と申しますか、どういうところから出ておるのですか、人事院どう思われますか。
#32
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもは手がたいことを信条として万事やっております立場におりますために、ああいう記事が出ますと、一番ショックを受けるのはわれわれ自身でございます。しかもいま申しましたように、大体新聞記事は、いまおあげになった毎勤ですとか、物価の上がりだとか、公労委の仲裁裁定ということが一つの根拠にされております。そういう三つか四つの指標、しかもすでに公表されている指標をもとにして、三段論法みたいなもので、去年がこうだったから、ことしはこうなるだろうということで、数字としてはそう非常識な数字ではないと思いますけれども、先ほど言いましたように、私どものほうは官民較差のふたをあけてみないことには、かってのように毎勤より上回った数字が出ることもあるのですから、そういう意味では全然見当がつきませんし、それらしいことを新聞社の皆さんに口ばしるということはあるはずがないのです。そういう関係の記事が出ますとたいへんなんです。組合の諸君が押しかけて来られまして、われわれもそういうことを考えて、ちょっと一字か二字出していただいただけでもえらい影響があるのですが、ある説によりますと、アドバルーンを上げておるのではないかということの御批判がたまにあります。いま申しましたことが、たとえば裁量によって率をはじき出す、今度どうしようということを裁量でできるならば、アドバルーンを上げて、その反響を見るということもありますけれども、私どもは完全に数字をはじいてやっておりますから、アドバルーンをあげても全然意味がないということで、そういうことから事情はよく御了察いただけるのではないかと思います。
#33
○山本伊三郎君 報道機関はそれが使命ですから、私は批判をしておるのではないのですが、これはことしだけではなくて、あの数字は昨年も一昨年も出されると大体似通ったところに落ちついていくということですから、その点は勧告をまだされておらないから、もう少し追及したいのですが、この問題はこれでおいておきます。
 それから、給料表の改定はあると思いますけれども、大体先ほど言われたように、一番生活に困っているところに重点を置くということは、私了解いたしますが、あとの期末手当、あるいは通勤手当、宿日直手当、それから昨年の勧告で一番問題になりました、われわれが要求しておりました住宅手当、そういう関係はどうなるか、ちょっと概畧。
#34
○政府委員(佐藤達夫君) 期末手当は去年もたしか上げたはずでありまして、これは民間調査の結果をとらえまして、そのまま反映したパーセンテージだけは上がっております。今年も同じようなデータをとっておりますから、これは資料の上でそういう較差が出てまいりますれば、これはそのまま無視するわけにはいかぬということで、これは従来どおりの考え方で臨むべきことだと思います。ただ、それ以外に、住宅、通勤がございます。通勤も、御承知のように、今度は調査をまたしております。これによって民間の事情がまた確実につかみ得ると思いますから、これに応じまして善処したいと思います。あと、住宅手当は、これは毎年々々ここでも御追求をいただきまして、また御答弁申し上げておるわけですが、しかし、これはたいへんな私たちは重大問題だと思っておりますから、調査だけは克明に毎年やって真実を追求していこうというわけで、ことしも住宅関係の手当関係、それから施設関係の調査をやりまして、さらにまたその調査の項目なども、おそらくここでのいろいろの御批判なども受け入れながら精密なものにしてあるはずだと思います。これやはり見てからでないとわかりませんが、大体のこれはもうほんとうの見通しは私はできると思います。官民の給与の較差とは違いまして、この前の、昨年でしたかの住宅手当の調査によりますと、とても、その手当を支給している民間の会社というものは半分にいかないと。三〇%程度。これが一年間に飛躍的に上がって、五〇%をこすというようなことはまあ普通の常識では考えられません。こんなことを言うのも実ははなはだ不謹慎な話ではございますけれども、率直に申しまして、そんな感じを持っております。これが飛躍的に上がってくれば、これは本腰を入れて考えなければならぬということが一つございます。
 ただもう一方、今度は官民の給与そのものの総額と申しますか、総水準の較差がどう出るかということがもう一つの柱になりまして、まあ非常な較差が出て、あり余ってこの始末どうしようかというようなときになりますと、まずそれが話に出てくる可能性はございましょうけれども、従来の、去年あたりの御説明でも申しましたように、あの程度の、従来の程度の較差でまた住宅手当らしいものを出そうといたしますと、肝心かなめの俸給表のほうのベースアップを全部犠牲にして家のほうに集中しなければならぬ。これは、較差の中での配分の問題で、いかに合理的な形に生み出し狩るかという問題になりますから、そういう点で重大な問題点をはらんでいる。それから詳しく申しますと、家持ちの人はどうするか、それから都会地と地方ではどうなりますかということもありますので、なかなか困難な諸条件をかかえておる問題であるということになりまして、ただいま、これをひとつ何とかしたいと思いますなどということは、ちょっと申し上げかねる段階でございます。
#35
○山本伊三郎君 従業員に対する住宅政策といいますか、福利政策といいますか、なるほど手当というとなかなか技術的にむずかしいこともよく知っています。しかし、公務員とまた一般民間会社との間の労務政策と申しますか、若干違うと思うのです。いま求人難でありますから、住宅に対する設備といいますか、そういうものを非常に民間では実情に即したやり方をしております。手当としてまんべんなく出しておるかどうかはまだあなた方のほうも調査しておるのだから、三〇%か四〇%か知らないけれども、現実に福利政策としてやっておるところは相当あります。ところが公務員の場合には、非常に、転勤その他によって住宅難で非常に困っておるところが相当あります。これらは、実情に合った考え方で私は一応勧告をするのが妥当でないかと思うのですが、費用のかかる点については、これは政府が取捨選択すると思うんです。この問題についてはですね。だから、この点はもう少し具体的な勧告というものですね、この人事院の給与の勧告でやればいいんでございますけれども、そこまでなかなかいく実情でないと言われるならば、そういう方向でひとつ勧告する必要があると思うんですが、その点はどうなんですか。
#36
○政府委員(佐藤達夫君) まことにごもっとも、御同感でございまして、手当が出せなければ、せめて現物の施設のほうを拡充していただきたいということは、当然、これはうらはらの問題として出てまいりますために、一昨年、池田首相に勧告文を手渡ししたときに、極力そのことをお願いしまして、大蔵大臣にも同時にお願いしておりますが、せめて国民の国設宿舎なり、公務員宿舎の施設をひとつ飛躍的な整備をしていただきたいというようなことをお願いいたしまして、その結果、まあその結果でありますかどうか知りませんが、その次の年の予算には相当、三割ぐらいの増額であったと思います。それから昨年は、また少しくどいようでございましたけれども、今度はひとつ文書で申し入れようじゃないかということで、御承知のように、要請の文書をしたためまして、これは発表いたしました。これも池田首相に手渡しいたしまして、さらにお願いをした。これも、まあ私どもは、それがどういうふうに実現しつつあるかという点を、予算の上ではずっと見守っております。確かに予算の上でも、またそれを相当増額していただいた、政府の御意思、熱意というものが、十分うかがわれますので、これはひとつ、この方向は方向として、もうどんどんと進めていきたいというようなことの覚悟を持っているわけであります。ことしもまた、そういうようなことを、どういう形でお願いするかどうか、これは別であります。やはり人事院としては、住宅手当の裏の問題として、政府に対してはお願いしようと思っております。
#37
○山本伊三郎君 住宅手当の問題については、論究することはたくさんありますが、あとの他の委員からも、その他質問されますから、ぼくはここでおいておきますけれども、これは都会地のみならず、中小都市におきましても、住宅難ということは、これはもう日本のいまの一番問題のあるところでございますから、したがって、公務員といえども、その例に漏れぬ。これによって、生活費をこれに費すウエートは非常に強いと思うんです。したがって、私はいろいろ申しましたけれども、真剣にひとつ住宅手当についてですね、まあ技術的にはむずかしい面があるけれども、そうすらっとした完全なものはなかなかできませんから、一応ともかく頭を出すという意味において、何らか、この機会にやっていただきたいと思うのですが、そのお考えをひとつ最後に。
#38
○政府委員(佐藤達夫君) きわめて重大な問題であるという認識のもとに、ただいま申しましたように、調査等も克明な形のものを続けております。いまおっしゃるような気持ちで、今後も臨んでいこうという気持ちでいるわけであります。
#39
○山本伊三郎君 それから、もうあと実施時期の問題ですね。これはもう、調査が四月にされるのだから、ぼくらは、四月から実施するというたてまえが正しいと思うんですが、人事院は、いつも五月といわれるんですが、その点、ちょっとぼくらの考え方と食い違っているんですが、その点はどうなんですか。
#40
○政府委員(佐藤達夫君) これはまあたびたび各方面の御指摘を受けている問題でございます。人事院が、なぜ五月実施ということにしているかということは、これは山本委員、十分御承知と思いますが、大体四月一ぱい、四月末日までに支払われたものを対象にしておりますから、その一瞬間あと、五月一日の午前零時からということできているらしいんです。これはやはり率直に考えてみると、両論立つのじゃないかと思っています。そういう意味で、もうきまっているということじゃなしに、もうちょっと根本的にこれは検討しようじゃないか。しかし、長年これでやってきておりますものを、そう簡単に手のひらを返すようにはいきません。もっと、その辺は追求をした上で、あるいは五月実施が、あるいは正しいという結論になるかもしれません。もっと謙虚な態度でこれは取り組もうという気持ちです。
#41
○山本伊三郎君 これはいつも国会で実施時期が問題になりますが、われわれとしては、やはり、四月における較差がそれだけあるということを、もう認めるのだから、すでに四月から、やはり公務員の給与がそれまででも較差があるのですが、わからなかったわけで、四月現在で初めて明瞭にそれがわかったのだから、やはり四月から同時に引き上げるという勧告が正しいと思うんですから、これはこの趣旨をくんで、今後ひとつやってもらいたい。これは答弁要りませんから。
 それから、人事院にもう一つだけ聞いておきます。本年の調査もこの前の勧告と、ちょっと関係ありますが、民間給与との比較の上において、企業規模が、やはり百名とされているんですか。
#42
○政府委員(佐藤達夫君) これはもう百人、去年百人にしたわけであります。去年どおりということでやっております。
#43
○山本伊三郎君 それはこの前は、昨年もめました公労協の問題ですね、あれで中労委が――中労委じゃなしに、仲裁裁定ですね、百名を基礎にやられたということで、人事院もその前までは五十名であったやつを百名にしたという説明をされたのですが、人事院は百名というところに対して何か理論的根拠、実際的根拠というものを持っておられるのですか。
#44
○政府委員(佐藤達夫君) 詳しいことは事務当局から答えますけれども、公労委の仲裁がああいうことになりましたから、こちらがめくらめっぽうそれに追随したというわけではありません。これはああいう裁定もありましたし、かたがたということでやはり百人の合理性がかねがね考えられておったところであるということを結びつけてああいうことにしたわけであります。この点については給与局長が申し上げます。
#45
○政府委員(瀧本忠男君) 従来事業所規模五十人でやっておったということは、これはやはり十数年にわたりまして国会で御審議願って、そういうことできておるわけでございまするが、国民全体の納得する水準といったほうがむしろ適当かと思います。しかし、しいて理屈をつけてみまするならば、これはわが国事業所統計調査というものを総理府統計局でやっております。これは五年に一ぺんずつやっておりますが、それで見まして、昭和三十二年の事業所統計調査というのがございますが、これは五人以上の従業員を雇用しておりまする事業所を全部調査するわけであります。そういたしますると、事業所の従業員の規模が五十人以上のところで従業員を全部合算いたしてみますると、全体の四九・七%と、こういうことに三十二年のときになっておったわけであります。ということは、おおむね五人以上の従業員を雇用いたしまする事業所におきまする従業員全体の約半数をカバーしておる、こういう観点でまいっておりまして、その後この三十五年の調査におきましては、五十人以上が五三%、三十二年のときの四九・七%でありましたものが五三%、こういうことになって、その後の傾向といたしまして事業所の規模の大きいものが漸次ふえつつあるというような状況もございましたし、かたがた公労委のほうで百人以上という線を出されたというようなことで、これは百人に踏み切る、こういうことに相なったわけであります。
#46
○山本伊三郎君 これを論争しておると、なかなか時間がかかりますから、私は最初から五十人出されたときから反対をし続けてきたんですが、百名でも私は妥当な公務員の給与を決定する民間の事業所規模だと思っておらないのです。現に人事院勧告でも、課長以上幹部級のいわゆる三等級以上――昔の三等級でありますが、三等級以上については五百名以上の事業所と同等の職責の人と比較をしておるという実例もあるようですから、その線には私は納得しないのですが、これについても人事院としてはもっと検討をしてもらいたいと思うのです。ただ、最近初任給については小規模事業所の初任給は非常に上がっております。しかし、中級、上級になると、非常に較差があるから、私は初任給以外の公務員については非常に不利な形が出てくるんじゃないかと思うのですが、その点は局長、どういう考えですか。
#47
○政府委員(瀧本忠男君) ただいま御指摘のように、最近初任給につきましては中学卒、高等学校卒、大学卒ともにこれはもうほとんど地域別の較差というのはなくなっておる、むしろ場合によりましては、中小規模の事業所でどうしても要員を確保しなきゃならないというようなことで、 かえって高くなっておるというようなこともございます。これは労働省調査でまた別途たとえば三十五歳以下というようなところに年齢を限ってみますると、これは事業所の規模の別による水準の差がないと、こういう結果も出ております。したがいまして、今後の趨勢といたしましては、漸次規模別較差は非常に縮小していくんじゃなかろうかという見通しを持っておりますけれども、三十五歳以上につきましてはまだ較差が相当あるということも事実でございます。そこでこれは百人以上と申しましても、百人以上これは規模の大きいところは全部含むわけでありまして、百人のところだけではもちろんございませんけれども、したがいまして、百人のところだけで話をするのとは話がよほど緩和される形になっておりますが、これは規模の大きいところに限界を置きましたほうが高くなるということは、これは現在の状況においては全体の水準においてはあり得るというように思います。そういうふうに考えております。
#48
○山本伊三郎君 それじゃ人事院に対する私の質問はこれで終わりますが、できるだけ早くひとつ総裁、勧告を出していただくように、できれば希望する時期としては、私は国会開会中に出していただければと思いますので、それは希望しておきます。
 それから総理府関係にひとつ。これは、きょうは長官が衆議院の予算委員会に出ておられますので、人事局長に尋ねるのはこれは失礼なことでありますけれども、政治的な問題で妥当でないと思いまするけれども、これは本会議で同僚の伊藤委員からも佐藤総理に追及をされた問題ですが、いま、人事院との質疑応答の中で、われわれは四月現在実施ということすら妥当であると思っているのに、人事院は、たまたま五月から実施という勧告をされておるのに、いつも十月、昨年に限って九月、それも相当恩に着せて九月というようなやり方でありますが、これはわれわれとしては納得できない。納付じゃなしに、一般公務員としてはこの点を非常に問題にしております。下部公務員に対する感情上からも相当問題があると思います。これはあなたがどう答弁されるかしれませんが、どうしてもやはりこれは人事院の勧告どおり少なくとも実施すべきであると思いますが、局長としてはどう思いますか。
#49
○政府委員(増子正宏君) ただいまの御質問はお断わりがございましたように、私人事局長の立場では実は御質問にはほんとうにお答えいたしかねるわけでありますが、あえて御指名でございますので申し上げますが、勧告の内容という点では、実施時期をも含めましてこれを尊重すべきものというのが従来から政府のとってまいりました態度でありますことは山本委員もすでに御承知のところでございます。ただ現実の問題といたしまして、このたてまえを実施すべき努力が必ずしも実っていないということも御指摘のとおりでございます。現在まだ勧告も出ていないことでございますので、具体的に来たるべき勧告がどのように取り扱われるかということは、今日におきましては全く何とも申し上げかねるわけでございますけれども、政府の方針としまして、人事院の勧告をできるだけ尊重して、その実施について努力するということは、現段階におきましても申し上げ得るところであると存じます。
#50
○山本伊三郎君 これはまあ答弁はしてもらわぬでもけっこうです、まあ無理だと思いますから。
 この間も橋本官房長官にお会いしまして、これはきわめて政治性のある問題であるけれども、理論的に言ったら問題はないんです。いま言われたとおり政治的な問題があると思ってまあ官房長官に会って言ったんですが、官房長官は、予算の編成問題と非常に何といいますか、関係があるというようなことを言っておりましたが、その際に、それならばひとつ差額を別の形で政府は考えたらどうか――まあ、あの人はしろうとだからそう言っているわけですので私は受け流しておきましたけれども。したがって、予算編成上の問題としていろいろ問題があるということはわかっているようでありますから、この点はまあ技術的な問題が相当入ってきたと思うのです。公債発行論がいいか悪いかはこれはまた問題は別でありますけれども、財源難ということで政府がいろいろ苦労していることにわかりますが、といって、人事院の勧告をもうすでに過去五回も無視するということは、今後の行政遂行上の公務員の活動にも相当影響すると思いますので、あなたから総務長官またその他の方々に十分この委員会の趣旨を伝えていただきたいと思います。そういうことでひとつお願いします。
 次に、自治省にもうちょっと一点聞いておきますが、自治省の関係、財政局長、公務員の給与は、いつも勧告されて法案が通ると、その内容は別として、地方公務員にも大体準用するということで実行されておるのですが、時間がないからそうくどく尋ねませんが、本年は地方財政もきわめて悪いということがいわれております。その原因はわれわれとして問題がありますけれども、それは別として、しかし、公務員の生活状態というのは、国家公務員、地方公務員も変わりはない。したがって、これ対するに財源措置については、自治省としてはどう考えておるかということを聞いてみたいと思います。
#51
○政府委員(柴田護君) 人事院勧告に関連いたしまする給与改定の取り扱いにつきましては、私どもといたしましては、従来の態度を変えておりません。したがいまして、国家公務員について給与改定が行なわれるということになりますれば、今日の国家公務員と地方公務員の関連から見ますれば、地方公務員につきましてもこれに準ずる措置がとられるように所要の措置を講ずるという態度は従来どおりでございます。ただ、財政問題を考慮に入れますと、ことしは、財政的にどうするのだということはあるかもしれませんので、その点に触れますと、ことしは、御承知のとおり、非常に苦しい。私どもといたしましては、現在勧告がなされておりませんので、具体的にどうということを申し上げかねるのでございますけれども、非常に苦慮いたしておるというところでございます。
#52
○山本伊三郎君 これはまた別の機会で大蔵関係に私言いますけれども、地方財政苦しいという問題は、これは地方制度調査会でもいろいろ論議しておるのですが、法律一つできると、国の仕事であるけれども、仕事は地方公共団体に全部いっちゃう。たとえば、国民年金できても、若干の事務費なんか出すけれども、それの倍以上のものを全部地元で負担しなければならない。法律一つつくるたびに地方公共団体が負担しておるのですね。しかも、そういうことで事務内容が複雑になり多くなって、事務員の数がふえてくる。したがって、人件費が高まることは当然なんです。それに対して、政府は、いや、地方公共団体だからかってにやれというような措置をとっている。これはあなたに言うわけじゃないのですが、自治省としても、その点は、十分予算折衝の中で主張されて、取るものは取ってもらいたい。それは、公務員の給与の引き上げが当然やるべきものがやれない。いなかなんかの役場に行きますと、地方公務員は、日直、宿直手当は四百二十円ですか、まだ二百円も出していないところがあるのですよ。財政がないからしばらく待ってくれということで出してない。こういうことで、同じ公務員である地方公務員が組織上の差によってそれだけの冷遇を受けることは私は許せないと思う。しかし、これはすべて地方財政からきておる。これは、政府全体としてどう考えるかということは一つの大きな問題でしょうが、この点はひとつ、これは政府、あなたも政府の一員でありますから言っておきますが、自治大臣を要求したのですが、衆議院の予算委員会に出ておられますから言えませんけれども、いずれまた言いますけれども、あなたは財政担当しておる責任者ですから、この点はひとつ、公務員の給与引き上げについては地方財政が悪いからという単なる現象的な原因をとらまえて、よってきたった原因を……、給与の引き上げについては、私は十分とは言わないけれども、今日の物価の上がった状態から、地方公務員もその生活のでき得るような形にすべきだと、こう思うのですが、その点どうですか。
#53
○政府委員(柴田護君) 今日、給与をどう扱うかという問題は、私どもと申しますか、財政局の所管をこえておる問題でございます。したがって、これは政府全体として御判断していただくということ、こう思います。財政を担当する者といたしましては、従来とってまいりましたように、国次公務員についてやるということになりますれば、地方公務員がおいてけぼりを食うということのないように措置をすることは当然の職責でございます。そういう態度で対処するつもりでございます。
 なお、いま、おっしゃいました地方財政の関係につきましてはごもっともでございます。私どもも力が及ばない、及ばなかったということもあるかと思いますけれども、国が地方にいろいろな仕事を依頼したり、あるいは地方に義務づけたりする場合の措置につきましては、主として補助金、負担金等の問題に関連する場合も多うございますけれども、出すならばまともなものをちゃんと出しておいてもらいたい、こういうことは常々言ってきている問題でございますし、将来ともそういうものの是正につきましては努力いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#54
○委員長(柴田栄君) この際、委員の異動について御報告いたします。本日野々山一三君が委員を辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が選任せられました。
    ―――――――――――――
#55
○山本伊三郎君 それでは自治省にもう一つだけ聞いておきましょう。これは給与に関係ある点ですから。いまの地方財政が悪い、これは地方公営企業に嘱するかもしれませんけれども、具体的に申します。
 実は秋田県の大館公立総合病院では、病院経営が悪いということから、百名近い行政整理をやるという問題が起こっているようであります。給与を引き上げてくれということの切望されているときに、職場を離れてしまうという、しかも病院経営がどうかということから、そういう人件費に対してすぐしわを寄せてしまって首を切るというような問題が起こっておるようであります。これは私まだ行っておりませんけれども、その実情はいかにしろ、これは自治省の指示によってやるのだというようなことを当局は言っているようでありますが、これは私は全くもってのほかだと思いまして、特にこの点についてきょうお尋ねしておきたい。自治省の見解はどうですか。
#56
○政府委員(柴田護君) 公営企業につきまして、経常の非常に悪いところにつきましてこれを改善する、これにつきましては料金の問題もございますれば、国としていろいろ手当をすべき問題もございます。一応地方団体自身の中で合理化すべきものもあるわけでございます。おそらくは、御指摘になりました事案につきましては、合理化すべき案件の一つとして、病院の中にえかかておりました人員が多過ぎるような状態になってしまった、これはいろいろな状態があるでしょう、あるいは患者数が減ったとか、病院としての規模を縮小すべき段階にきたというような要請もあってのことだと思いますけれども、その結果、過剰員になったものについてどう始末するかと、こういう問題じゃないだろうかと思っておるわけです。私どもはいろいろ指導をいたしておりますのは、さような個々具体問題ではございませんで、むしろ病院の経理を立て直すためにはどうすればいいかということについての、地方団体側からの、経営者側からの合理化計画というものを聞きとりまして、それで再建が成り立つものならばそのとおりいくと、こういう態度をとっているわけでございます。御指摘のように、私どものほうから積極的にこの人間を切って民間にやったらいいじゃないかというようなことを、それについての条件としていろいろ言うというようなことは、なるべく避けたい、こういうことを従来の態度としてとっておる次第であります。かりに過剰員になったというような場合におきましても、一般会計への配置転換といったような問題を十分考慮して、無用な摩擦を起こさないようにということは常に配慮してまいっているつもりでございます。
#57
○山本伊三郎君 ぼくの伺っているのはそうじゃないのですよ。ぼくも地方公営企業に関係していますから、単に病院だけでなしに、病院か地方公営企業かという問題については問題があります。それは別として、いまの場合はそうじゃなしに、経営上のいわゆる不手ぎわからそうなっておるということなんですね。それは単にいまの働いているものの犠牲によってやるということを自治省が認めておるのかどうか、いま言われたように、総合的にいろいろ判断して、そうしていけないならばどうしようかと、あなたのほうに相談してきたときに、いろいろやる場合、自治省がまず経営の不合理は人件費からということで首切りするということをやるべきであるというようなことを自治省が言っておると言っておるのですね。それは私は間違いだと思う。いま内閣は人間尊重をいわれておる。それは一番人間の生活は大事なことなんです。何か一ついけなければ、公務員なるがために、いわゆる労働三権もないから、交渉権もないから、すぐ経営が悪いから看護婦何人、従業員何人やめなさい、こういうことではいけない。ILO八十七号の問題もありますけれども、そういうことを自治省が言っておるからけしからぬと、その点を追及しておるのですが、そういうこと言ったのですか。個々の問題であれやめさせる、そんなことを言っておらない。
#58
○政府委員(柴田護君) 財政局自体として、給与費をこの程度くらいにしなければ経営が合わぬじゃないかという問題は、あるいは言っているかもしれません。しかし、個々の人間についてどうこうということを言うべき筋合いでもございませんし、かりにさような事態が起こりましても、その点については配置転換その他のことについて十分考えるのが筋でございますので、そういうことを具体的に大事な問題として、強く財政再建の条件にするということはなるべく避ける。場合によっては、あるいはもう少し人件費を減らしたほうがいいという指示というか、サゼスチョンは言ったことはございます。しかし、それにつきましても、お話のような点につきましては、十分配慮なされるように努力しているつもりでございます。
#59
○山本伊三郎君 しつこいけれども、これは具体的な問題だからぼくはちょっとしつこく尋ねておるのですが、当人にとっては死活の問題です。それが自治省から言っているものということをかさに着てやっておる、そこが問題なんですよ。あなたのほうがそういうことをやると、これはどこでもやることができますから、そういう指導しておることは間違いである。いま言われたように、経営が非常にいかないならば、どういう点がどうかということで、親切に相談を受けて、そうしてやっておられるならいいけれども、そうでなくて、現場では自治省がそう言っておるからやるのだ、こう言っておる。法律的にいって、全く当事者の言うことは間違いであるけれども、しかし、それはいなかに行くと通るのです。そういうことを言っておるのかどうかを聞いておる。言っておるなら言っておるでいいのですよ、ぼくは別に尋ねますから。
#60
○政府委員(柴田護君) どうすればいいですかということを相手からお尋ねがあれば、あるいはそういう方法を、人員の配置転換等のことを一つの方法として述べたことはあるかもしれません。それを条件にしてどうこりということを言っているわけではございません。
#61
○伊藤顕道君 総務長官お見えになっておられぬようですから、総裁を中心に給与問題を二、三お伺いいたします。時間があまりございませんから、二、三の問題にしぼってお伺いしたいと思います。
 まず、最初にお伺いしたいのは、勧告の時期が緊迫してきておるわけですが、昨年十月の閣議でこういり決定がなされておるわけです。予算編成の実情にかんがみ、勧告の時期の検討につき、人事院に要請することを検討するものとする、こういう内容の閣議決定がなされておるわけです。これに関連してお伺いするわけですが、人事院はこの要請について、いままでどのような検討をなされてきたのか、そのことについてお伺いいたします。
#62
○政府委員(佐藤達夫君) かねがねこの問題が指摘されて、ただいまの閣議の付議事項よりもっと前からの問題であったと私ども考えております。私どもの立場としては、勧告の完全実施をあくまで実現させたい。そのために現在のやり方よりももっといい方法があるならばこれにこしたことはないという立場から出発いたしまして、いまのような批判も十分聞きながら、しからばどういう方法であるかという検討をしておったわけであります。そこへたまたまいま御指摘の昨年十月の閣議の付帯事項もございましたし、さらにひとつ腰を入れてその検討を重ねまして、当時の増原国務大臣などとも緊密に連絡をとりまして、政府として名案があればそれを教えてもらいたいというような意味の連絡を十分保ちながら、ほんとうにこれは真剣に検討したわけです。しかしながら、これは新聞筆によってもたとえば六人委員会の記事等も御承知だと思いますが、その辺の健闘ぶりはあえて重ねて申し上げる必要はございませんが、その一応の中間の考え方としては、現在よりもよりよい方法として、これならば大丈夫というところまで踏み切りをつける名案がまだ得られないというままで、今度は次のことしのこの勧告の準備をせなければならぬという心期に際会いたしました。これがきまらぬためにということで放てきするわけにはまいりませんから、名案がない以上は、やはりことしも従前どおり、四月の調査をしなければならぬということで、四月調査の準備に入りまして、それで目下集計中で今度の勧告ということになります。問題はまだないということで打ち切っているわけではございませんが、私どもとしては、もう少し根本的に突き詰めていきたいと思いますけれども、結論としては、やっぱり予算といいますか、財政との関係でどう結びつけるかという問題に尽きるような気がしてまいります。その意味では、この予算の編成の際に、ひとつ来年の賃金の情勢というものも一応の見当をつけていただいて、そのくらいのことを、予算上の一つの含みか何か知りませんけれども、準備をひとつしていただいていくほかは、どうもなさそうだという感じを持っております。たとえば公労委の仲裁裁定が、常に、最近では完全実施されている。これは補正も何もなしに現行予算のままで完全に実施されているということも、やはりあわせて考えなければいかぬのではないかという気持ちも一方には起こってきているわけです。この点は、昨年幸い衆参の内閣委員会において、非常にありがたいと申しますか、貴重な附帯決議をいただいたわけであります。そういう点にも私は関係があるのじゃないかと思いながら、まだ結論は得ておりません。したがって、本年は従前どおりという形で作業を進めております。こういうことであります。
#63
○伊藤顕道君 事情わからぬでもございませんけれども、結論からいうと、どうもそういう御答弁では遺憾の意を表さざるを得ないわけです。特に発言の中で、やはり人事院としては、私が言うまでもなく、公務員の立場で最善の方法を講ずればいいわけで、財源については内閣にまかせればいいわけです。人事院としては、財源のことを考えないで、これが一番科学的に正しい、一番公務員の利益になる方法だということだけ考えて結論を出していただければいいと思うのですね。
 それで先ほどの、それではいつ勧告されるのかという質問は、すでに山本委員からなされておるわけです。ただ、私一言つけ加えたいのは、言うまでもなく、人事院の結果について、あるいは報告、あるいは勧告するのは、内閣に対してやると同時に、国会にもしなければならぬということになると、時あたかも国会開会中であるから、開会中に報告もしくは勧告することがきわめて適切であろうと思うのです。しかも会期は数日のことだということになると、やはり会期中に国会の審議を得るという立場からいうと、会期中に勧告するのがきわめて至当な時期であろう、こういうふうに考えるわけであります。そういう点については、総裁としてはどういうふうにお考えですか。
#64
○政府委員(佐藤達夫君) 私は、やはりせっかく国会が開かれております以上は、国会の御審議のあります機会にやはり勧告を申し上げて、さらに御理解を深めていただくという意味では、これが一番望ましいと思います。たいへん妙な例でありますけれども、たとえば昨年でしたか、寒冷地の勧告を申し上げた例があります。それも従来は国会開会中に寒冷地の関係の勧告を申し上げた例はなかったわけでありますけれども、せっかく開かれておるのでありますから、ひとつ間に合わせようじゃないかということでやったこともございます。たてまえとしてはそういうふうにありたいという気持ちを持っていることは申し上げるまでもございませんけれども、いかんせん、これは調査の事務的作業と申しますか、作業の問題でございまして、寒冷地のような場合とは違って、御承知のように、たいへんこれは膨大な、また克明なこまかい数字の積み重ねの問題でございますために、目下、極力急がしてはおりますけれども、ぜひ今国会に間に合わせますというところまで軽はずみな御答弁はいたしかねるということで、とにかく一生懸命やっておりますということで、御了承願いたいと思います。
#65
○伊藤顕道君 趣旨はわかったのだが、どうも事務的操作がまだそこまでいっていないというような結論に尽きると思うんですね。一生懸命やっていることはたいへんけっこうなんですが、ただ一生懸命やっても間に合わないということにはどっか問題があるわけです。人手が足りないとか、そういうことにもなろうかと思うんですね。したがって、これは要望として申し上げるわけですけれども、やはり国会会期に間に合わせるように、きわめて迅速な、しかも科学的な調査ができるように、そしてよき結果を出し得るように、やはり専務内面についても十分配慮してしかるべきだと思う。どうも人事院にいろいろお伺いすると、一生懸命やっているんだが、どうも間に合わないとか、なかなか膨大な資料であるのでという御答弁をいただくわけですが、これは強く要望として申し上げておきたいと思う。そういうお答えをしないでも済むような、そういう事務的機構が必要であろうと思うんです。
 そこで、次にお伺いしたいのは、政府は昨年六人委員会を設けて、そして予算編成と人事院勧告の時期との関連について検討を行なってきておるわけです。このことは総務長官にお伺いしたいところですが、お見えになりませんから、ひとつ長官にかわって増子人事局長から、一体どのように検討してきて、その結果はどうなったのかということを、ひとつ要点をお聞かせいただきたい。
#66
○政府委員(増子正宏君) ただいま御質問の点でございますが、先ほどからお話がございましたように、一方では人事院の勧告を実施することにつきまして定めました閣議決定の際の内容ということもあり、それからまた、その後給与法の改正案を御決定になります際の委員会の附帯決議等もございましたわけでございまして、それらに関連いたしまして、政府といたしましては、関係閣僚会議等を開きまして、いろいろの観点から検討いたしたのでございます。これはもちろん、私最近になりましていろいろと報告を拝見いたしまして承知しておるところでございますが、その内容につきましてごく簡単に申し上げますれば、たとえば給与改善の原資を当初予算に計上する方法というようなこと、あるいは予備費に計上する方法、または勧告の時期を変更することによってどのように変わるか、あるいは変更が可能であるかどうか、まあそういったこと、これはこの最後の点になりますと、人事院の権限あるいは人事院のお考えということが中心になることでございますけれども、かりに政府側として検討すればどういうことになるかというような意味におきまして、いろいろな角度から検討いたしたのでございます。なお、この事務的な検討につきましては、実は関係閣僚のいわゆる六人委員会に相応いたします関係事務次官の会議におきましてこれを続けて検討いたしたのでございますが、いずれの案につきましても、それぞれ困難な要素がございまして、そのいずれによるべきかということにつきましては、現在までまだ結論を得てないというのが実情でございまして、私どもとしましては引き続き検討を続けたいということでございます。
#67
○伊藤顕道君 労働省の統計によって見ますと、全産業のきまって支給する給与について見ると、昨年四月から本年の四月までに三十人以上の全規模で一〇・七%上昇しているわけです。また、統計局の消費者物価、これを見ますると、東京で九・六%、全都市で九・九%、生計費については全国で七・七%、東京で一二一・五%、こういう増となっている。したがって、このことは公務員に反映して、公務員の生活は非常に芳しくなっているという実情がここに出てきているわけです。こういうような事実から考えて、本年も当然人事院としては勧告をするということは必至であるわけです。
 そこでお伺いするわけですが、このことについて人事院は、今回調査、勧告について一体どのような方針をもって臨んできておられるのか、その要点だけをひとつ。
#68
○政府委員(佐藤達夫君) ただいまおあげになりましたようなデータは、これは例年どおり私ども現に調べております。また、報告の際には、参考資料としておつけすることになると思いますが、問題の焦点として、この勧告に臨んでそれらのデータをどう見るかという点につきましては、これも従来申し上げたたてまえと大体同じということになりましょうが、要するに、官民の四月で調べました較差というものを主たるワクといたしまして、かたわら、独身男子十八歳の標準生計費を算出いたしまして、それを八等級の二号でございましたか、それを初任給の柱に――ささえと申したほうがよろしいかと思いますが、立てまして、それが一つの基準になって全体の俸給表が構成されていく。そのたてまえはことしも特に変えようという考えは持っておりません。
#69
○伊藤顕道君 人事院の行なっておる民間給与の調査方法について見ますると、対象算業所の規模あるいは官民対応等級の比較、こういう点でいろいろと改善すべき問題が多いと思うのです。そこでお伺いするわけですが、今回も例年と同一方法で行なわれたのか、それとも本年特に改善された点があるのかないのか、もしあるとすればどういう点か、こういう点をお聞かせいただきたい。
#70
○政府委員(瀧本忠男君) 御承知のように、昨年の調査におきましては、当初事業所の、五十以上ということで調査いたしました。勧告のときには、その中からさらに企業規模百人以上のものだけ取り出しまして、それで数字を作成したわけでございます。本年は初めから事業所規模五十人、企業規模百人、こういうことで調査いたしました。これは去年と非常に違うところでございます。それから付帯調査におきまして、ことしは通勤手当というものを調査いたしております。で、去年は宿日直手当を調査いたしたのでございますが、ことしはそれは変わりございません。その辺も違う。そのほか調査方法につきまして、たとえば船の関係で、従来は五千トン未満ということで調査いたしておったのでございまするけれども、ことしはその規模を上げまして、七千トン未満の船を民間におきまして調査するというような点が変わっております。
#71
○伊藤顕道君 官民給与の比較で、毎年々々この国会で問題になるのは、調査対象となる民間事業所の規模の問題、これがいつも毎回の問題になると思うのです。そこでお伺いするわけですが、昨年の場合を見ると、三公社五現業に対する仲裁裁定で、新たに企業規模百人以上の民間給与の比較検討を行なった。これに伴って、人事院も事業所規模は五十人以上、企業規模百人以上ということで、事業所における民間給与の比較を行なったわけです。そこでお伺いするわけですけれども、対象となる民間企業の規模は、この程度ではわれわれとしてはどうも公務員の場合少なきに失すると思うのですが、もう少し規模を拡大してしかるべきだと思うのですが、そういう基本的な考え方について、一体人事院としてはどう考えておるのかどうか、その点を明らかにしていただきたい。
#72
○政府委員(佐藤達夫君) 一切の周辺の条件を抜きにして考えてみますれば、旧憲法時代はそうだったと私は思うのでございますけれども、根本として、公務員らしい名誉を維持しつつ生活をやっていくにはどのくらいの給与が要るかということで、そのものずばりの給与表のあり方を考えるということが一つの考え方だと思います。しかし、今日においてはそういうことではございません。これは御承知のように、やはり官民給与の比較ということでまいっております。これはやはり民間のバランスというものをよく見た上で、公務員のみが優越した特権的の地位に立つべきものではないと思います。これは今日の経済情勢をおそらく前提としての考え方かもしれませんけれども、おそらくそういう根本の考え方から民間追随主義というようなたてまえが出ておるんじゃないか。これは御承知のように、ヨーロッパの国々でも特に最近そういう傾向をはっきりいたしまして、人事院方式に諸国が追随しつつあるという形を見せておるわけです。これは世界的な一つの傾向ではないかと思います。その場合に民間の規模をどこにとるかということもやはりそこの根本の問題に私はつながってくるんじゃなかろうかと思います。国ほど大きな大企業はないということになれば、民間をさがしても一万人クラスの会社をつかまえて調べるのが当然じゃないかという考え方も出てまいりますけれども、しかし、民間に優越して公務員だけが特別の有利な地位に立つことは、今日の時勢のもとにおいてはどうだろうかというようなことから、やはり民間のバランスとの考慮の上からいうと、小さい規模の企業にもやはり公務員と同じ仕事をしている人もいるじゃないかというような点もいろいろ考えあわせて、ただいまの百人あるいは五十人という程度のものできめておった。ただ、しかし、先ほど給与局長が申しましたように、百人レベルだけをつかまえて言っているわけではありません。百人以上からずっとトップクラスまでも入っての水準ということになりますから、そのような極端なことにはなりませんけれども、どうも根本の考え方はそういうことじゃないかという気がいたします。
#73
○伊藤顕道君 私は、国家公務員だけに特に有利なということを要求しておるわけではないわけです。たとえば国家公務員は、これを事業所に比較すると相当大規模な事業所になる。こういうことは常識的に指摘するまでもないことであるわけです。したがって、民間との較差が不利益にならぬよう、そういうたてまえからいうともっと大規模でなければ比較できないんじゃないか、こういう観点から言っておるわけです。なお、最近の人事院の勧告においては、官民給与の総合較差の完全な埋め合わせを行なっているわけです。そこでお伺いするわけですが、本年も従来どおり完全な埋め合わせ方式をとっておるのか、これを改めたのか、こういう点についてお聞きしたいと思います。
#74
○政府委員(佐藤達夫君) 作業は中間の段階でありますけれども、官民の較差は完全に埋めると、これはもう私どもは当然のたてまえであろうという気持ちで、その点については別に疑いを持って臨んでおるというわけではございません。そう思い込んでやっておるということで御了承願います。
#75
○伊藤顕道君 人事院としては、四月に民間給与を調整するために、従来からいわゆる積み残しの問題が問題となっておるわけです。今年は特に春闘がおくれておるわけです。そういうことに関連して、総裁としては昨年本委員会でこういう御答弁をなさっておるわけです。この問題は無視できない、これからのいわゆる研究問題である、ということを総裁自身おっしゃっておるわけですね、当委員会で。そこでお伺いしたいわけですが、今回は本問題の解決をどのように行なっておられるのかどうかということですね。昨年そういう御発言がございましたが。
#76
○政府委員(佐藤達夫君) 積み残しの問題はもう従来からある意味ではずっとあったわけでありますけれども、私どもは常に基本的の立場としては四月調査、しかもこれは一年に一回の調査で、一年に一回の勧告だというたてまえを貫くならば、若干のでこぼこが出てもしかたがない。一年二回、三回と勧告を重ねますならば、その間にまた調整できますけれども、年一回の調査、年一回の勧告になっている以上は、若干のでこぼこは、これはもうやむを得ないものだという態度、これは根本的には当然そういう態度であるべきだろうと思います。ところが、昨年あたりから春闘のおくれが目立ってまいりました。ことしは一般の情報によりますと、相当またおくれが激しいということが耳に入って、またある程度これは常識にもなっているらしいのです。そこで、その問題にまた当面する。ことにことしは、相当深刻な問題として当面することになるのじゃないか。なぜかと申しますのは、先ほど調査のことをお話がありましたけれども、私どもは従来、そういう万一の場合の、万一のといいますか、変則的な事態の変化をとらえる、手がかりといたしまして、四月中に支払われた給与総額、これは本来の較差の基準になるデータでありますが、それに付帯いたしまして、たとえば五月中ごろ、あるいはその後現場の事業所におきまして四月中に現実には支払われておらないけれども、その後団交が妥結して、そうして四月にさかのぼって支払うことが確定したというようなところもあるわけです。そういうものはやはり付帯的に調査の記録にとどめておいて、去年もそのことはすでにここに御披露したわけです。ことしももちろん、それだけの調査をやっております。やっておりますが、それによって見ませんと、ただ世間のうわさというような、あるいはムードというようなことだけでは私どもは動けませんから、ですからとにかく、これがデータにそれが反映されておるかどうかということがまず先決問題でございますけれども、これは非常に顕著な形で出た場合に、これをみすみすそのまま無視してしまうということは、これは政治公平の原則からいってどうだろうかという批判も私はあり得ると思うのであります。そういう心がまえで今度出ますそのデータというものは十分これを直視いたしまして、考慮してまいりたいという気持ちであります。
#77
○伊藤顕道君 この積み残しの問題については、春闘はおくれればおくれるほど問題が大きくなってくると思うのです、それは当然に。しかし、これを何らかの方法で補充しなければ、公務員の立場から言うと、永久にこの利益は補充されないことになろうかと思うのです。そこで総裁としてもそのことについて、昨年、すでにこれは無視できない問題だとおっしゃっておるし、ただいまもそのことは認めておるわけですから、これを具体的にどのように解決したらいいかというところに問題はしぼられると思うのです。この点についてただ抽象的に、何とかしにゃいかぬでは解決しないと思うのであります。その具体策をどのようにお考えになっておるかということをお伺いしたいわけです。
#78
○政府委員(佐藤達夫君) 具体策は二通りあると思います。基本的な問題は先ほど申しましたように、一年一回の調査として四月に時期を選んだ。ところが、毎回付帯調査をやった結果が、積み残しがどんどん出てくる。四月の調査というものは時期として必ずしも適当ではない、六月調査、七月調査であれば全部それが、一般較差というものが出てくるのです。そういうことで先ほどお話が出ましたような調査時期、勧告時期について一般的の問題として、その問題について大きなこれは私はデータになると思います。したがって、これはこの際こういうふうに出るようでは六月にする、あるいは五月ということもありましょう。調査時期の問題を基本的に考える、これは有力なデータになる、それが一つであります。
 第二は、さりとて、当面出てきた――完全ではないけれども、出てきたデータというものがそこにある。これをほっておけば、来年の較差についてまた大きく出るわけです。それを来年まで持つか、ことし少しでも消化するということになりますと、やはり今日の一般経済情勢、先ほどお話にありましたようないろいろな情勢から言いますと、これはみすみすそのまま無視していいことになるかどうかという問題、これは当面の問題としては深刻な問題として特にわれわれは十分考慮しなければいけない。その二つの観点からこれを重要視しておるというわけであります。
#79
○伊藤顕道君 時間がありませんからさらに掘り下げることができませんが、そこでいま一つお伺いしたいのは、給与体系について、これも一点だけお伺いしておきますが、最近は一官一給与を支給する、いわゆる指定職俸給表ですね。指定職俸給表の範囲を拡充していく、そういう方針のようでありますけれども、人事院としてはどの程度の官職まで指定していかれようとしておるのか、この点を明らかにしていただきたい。
#80
○政府委員(佐藤達夫君) これも基本の方針は、だんだんと職務がはっきりとらえ得るものにいては指定職的な扱いでそれを伸ばしていきたい。少しずつにはなりましょうけれども、伸ばしていきたいという方向で問題を取り組んでいることは、これは申すまでもないことでございますけれども、さて、ことしどの程度にいきますか、これはことしそれをやるとしても、そういう非常に目に顕著に映るような形でそれがいけるというふうには考えておりません。ほんのちょっとの出入りはこれは再検討してみて出入りがあるかどうかという程度ではあるまいか。これは全くまだ結論が出ておりませんから、この程度しか申し上げられません。大幅なことはとても考えられないという気持ちで現在おります。
#81
○伊藤顕道君 公務員のうちで、何といっても多数を占めておるのは、いわゆる中級程度の職員であろうと思うんです。そこで、いわゆる中だるみ的な給与制度になっているわけです。そこでお伺いするわけですが、今回の勧告では、中だるみの是正については特に配慮されておるのか、その点を。
#82
○政府委員(佐藤達夫君) 申し上げるまでもございませんが、当委員会においてもたびたびいろいろな御批判を受けてきておるわけであります。それは速記録に出ております。私どもはここで身にしみて痛感して帰りますとともに、また今回のような作業の際には、それを引っくり返して、いろいろ御趣旨のあるところをさらにかみしめて作業に臨んでおるわけでございます。したがいまして、たとえば中だるみの問題も、たびたびここで御指摘があったと思います。そういう点を考慮に入れながら、やはりできるだけのことをしていきたいという気持でおります。
#83
○伊藤顕道君 次に諸手当の問題について一、二お伺いします。もう時間がありませんから、しぼってお伺いしますが、先ほど山本委員から住宅手当について質問があったわけですが、重複を避けてお伺いしますが、昨年の勧告の際、人事院としては公務員住宅改築の推進についても触れられておったと思うのです。そこで様子を見ておると、どうもその後一向に実際には推進されていないようなんですが、一体人事院としてはどのように考えておられるのか、この具体化のためにどういうふうに取り組んできておられるのか。
#84
○政府委員(佐藤達夫君) ちょっと先ほど実は触れましたんですけれども、結局、われわれが意思表示しただけの手ごたえはあったというふうにわれわれは見ているわけです。現に三十九年度の予算におきましては、その関係の額が三割増ということで徐々に出ております。政府もその点についての熱意と誠意はまずうかがわれるという傾向で、さらにここで一つその方向に猛進していだたきたいという気持ちでおります。
#85
○伊藤顕道君 住宅問題で困窮しているのは、何といっても多数を占める下級の公務員の方々であろうと思います。そこでお伺いするわけです。この点について、ひとつ民間にならって、一挙に大幅な住宅手当を支給すべきであろうと思うのです。こういうことについて人事院としてはどういうふうに考えておられますか。
#86
○政府委員(佐藤達夫君) 住宅手当の問題は、これはさきに触れましたとおりに、ことしも調査をしております。したがいまして、調査の出た結果を見た上でと、こう、よそ行きには申し上げることになりますけれども、正直のところ、昨年あたりの調べで、住宅手当を支給している民間企業のパーセンテージというものは非常に低かったわけです。これが飛躍的にことしふえるともちょっと考えられないのじゃないかということで、ことしはしっかりやりますというようなことは絶対に申し上げられない。そういう意味で、非常に消極的な意味でこれは率直に申し上げるほかはないと思っております。
#87
○伊藤顕道君 次に、通勤手当ですが、最近の公共料金の値上げ等に関連して、通勤費も増額の方向で進んでいるようですが、今回人事院としてはこういうことを十分考えているのかどうか。大幅な通勤手当引き上げという問題ですが、なかなか現状ではこの通勤手当も通勤手当の名に値しない、きわめて僅少な額しか出ていないわけです。こういう点はやはり早急に改善の必要があろうかと思いますが、こういう点についてはどうですか。
#88
○政府委員(佐藤達夫君) 通勤手当は、例年何らかの措置をしてまいりましたけれども、昨年などは全然調査もしなかったのでありますけれども、百円だけ、本俸から負担すべきものを免除して、百円上げてやったというようなこともやっております。近年最も注目している一つの手当だと申し上げてよろしいと思います。したがいまして、本年はまた通勤手当の調査をいたしました。その結果によることでもございます。あるいは較差の中での配分の問題ではございますけれども、通勤手当は何とかしなければならぬことになりそうだという気持ちを持っているわけであります。
#89
○伊藤顕道君 鶴園委員からも若干御質問があるようですから、最後に扶養手当についてお伺いいたしますが、現行を見ると、六百円、四百円ということになっております。まことに六百円、四百円では扶養手当の名に値しない額ではなかろうかと思います。これも通勤手当同様に、そういう考え方から当然これは大幅に引き上げてしかるべきだと思います。六百円、四百円の扶養手当は一体何の役に立つかということが現在の物価上昇、そういう点からも当然に考えられる問題だと思います。もちろん人事院としても考えておりましょうけれども、一体考えただけではなかなか解決しないわけで、具体的にどういう配慮がなされて、どういうところまでひとつ引き上げようとしているのか、こういう点についてお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
#90
○政府委員(佐藤達夫君) これはお話しのとおり、従来長い間凍結された形のままで参っております。おそらくこういう生活補給的な手当は、漸次本俸の上で消化していくべきものという意味で、取り上げなかった、ものだと思います。しかし、やはり現実とにらみ合わせての問題とすれば、ただそれだけの理屈にこだわって済ますべき問題でもあるまいということでこれは検討いたしております。全然無視しているわけではございません。検討を深刻に続けておりますけれども、なかなか、ことしはひとつこのほうをふやしたいと思いますというところまでの結論は出ておりません。そういう観点からの検討だけは、相当深刻なところまでやったわけでございます。
#91
○鶴園哲夫君 時間があまりなくなってまいっておりますけれども、しかし、人事院が勧告をそろそろきめようとされるときでして、非常に私どもは、かねがね公務員の賃金についていろいろこの委員会において申し上げているそういう問題を締めくくって、ここで再び強調をして、人事院当局に対して配慮をしていただきたいというふうに思っております。したがって、問題を勧告にしぼりまして若干お伺いをしてみたいと思います。また、要望をいたしたいと思いますけれども、第一点は、私はこの委員会でもたびたび申しているのですが、人事院のいつも勧告の中に出ております標準生計費というものと公務員の賃金を見た場合に、非常にまずい。それは三等以上になりますと、標準生計費と比べてみて赤字になるとか黒字になるとかいうような段階ではなくて、なかなかよくなっております、標準生計費を比べますと。ところが四等なり五等なり六等なり七等なりの五、六というところになりますと、標準生計費から著しく下回っている。七千円なり二万円程度下回っている。これは私は何としても人事院は考えていただかなきゃならないと思うんですけれども、なおこの問題は民間の賃金と公務員の賃金を比較しました場合の貧民対応等級、ここにも大きな欠陥があるわけですが、そういう二点からいいまして、私は人事院がやはりこの標準生計費と人事院がつくる賃金とが著しく食い違っているという点をはっきり是正をしていくという方向を出す必要があるんではないかと、こう思っているわけなんです。見解をお伺いいたします。
#92
○政府委員(佐藤達夫君) まさにおっしゃるとおりでありまして、かねがねもうその点の御追及を重ねて受けておるわけです。私どもとしてはそういう御追及は全然もう問題なしにけっこうだという御批判をいただければという希望は強く持っておるわけでありますが、しかし、そのつど御説明は申し上げておるわけです。一応の御説明は申し上げておるわけです。御納得は得なかったかもしれませんけれども、わがほうとしては、それほど、おっしゃるほどのあれではありますまいということまでの御説明はしてきたわけです。しかし、ともあれもうそういう論議の余地なしにすぱっとこれはりっぱなものというふうになれば、という心がけでおるわけでありますけれども、やはりこれは大きな官民較差のワクの中での問題というようなこともございまして、全然御批判の出る余地もないところまではどうかと思いますけれども、しかしそれにいたしましても、いま申しましたような気持ちで、もう勧告の作業のときにはいつもそれを見ながら、これはどうなるどうなるということで、私自身がやきもきしながら給与局長を責めておるわけです。それくらいの心組みでは努力しておる。できるだけのことをしたいという、そういう御議論の出ない方向に持っていきたいということでは努力を重ねておるわけです。
#93
○鶴園哲夫君 これは総裁、きょうは時間がないということで概括的な答弁をしてもらっては困るわけなんです。もしそういう御意見であるならば、この問題について再び掘り起こしてやらざるを得ないということになるわけでして、私はこの二点については人事院は説明はできないと見ているんです。いま総裁の答弁ですと、いろいろ説明申し上げました、御納得いかない点もあるだろうけれどもというようなお話なんですけれども、しかし、これは私は数字をあげて詳細に申し上げている。七千円か一万円程度標準生計費より低いじゃないかと、それに合わせるために官民対応等級というものがまた操作をされているではないかという話をいたしておるわけですが、総裁があとのほうでひとつできるだけ是正する方向に持っていきたいというお気持ちはわかるんですけれども、これははっきりとした意思を持って御努力いただきませんというと解決できない点だと思うんです。私は、時間がありませんから、また勧告の出たあと総裁にこの点についてやかましくかみつかなければならないということにならないように、あるいはそういう方向にならないような方向に人事院が再検討されたという方向に持っていってもらいたいと思うんです。
 それから次に、いま伊藤さんのほうからも出て、それから山本さんのほうからも出たと聞いたんですが、昨年から問題になっております積み残しですね、本年もまたさらに一そう大きな問題になっておるようですが、これはいまや積み残し論ではないと私は思っているわけなんです。春闘相場を来年の勧告に入れる、そういうことになるか、あるいは今年の勧告の中にできるだけ繰り込んでいくかという問題になっていると思うんです。先ほど総裁もお話しになりましたが、三十八年の当時と、それから昨年――三十九年と本年と、この経緯からいって、三十八年当時はまだ積み残し論といってよかったと思うんです。しかし、昨年になりますと、これはもう積み、残し論ということではない。本に至りますと、総裁の説明のように、ますますはっきりしてきているんですね。たとえば、こまかい数字で恐縮なんですが、労働省の毎月勤労統計で見ますと、三十八年当時というのは春闘で上がった分というのは九百七十円です。四月と六月を比べてみますと六百円ぐらいなんです。ですから、やはり春闘相場というものは四月末の調査をすれば大体入る。積み残しは若干残っておる。ところが、もう昨年のごときに至っては全然狂っちまって、昨年は三月と四月の間の差というのは六百三十八円、それが四月と六月の差というのは、千百円と、こうなるわけですね。本年は、これはもう昨年春闘がおくれたという点ははっきりしている。本年はさらに一そう春闘がおくれている。それに伴って春闘をやらないような民間の企業においてもおくれてきている。ですから、私は昨年はまだまだ春闘相場の積み残し、積み残しと言ったとしても、本年はそれは言えないというところまで来ていると思うんです。それに対する人事院の先ほど伺っております考え方が非常にあいまいです。たとえば五月に調査をしたとあとで言って、五月に妥結をして四月にさかのぼって支給するところがどれだけあるかということで調査をしたという話ですが、五月では出ない。出方が非常に少ないということははっきりしているわけですね。去年の相場でははっきりしている。去年の労働省の毎月勤労統計を見てもはっきりしている。まして本年のごときに至っては、さらに一そう明白ではないかと思う。ですから、これを積み残しというような形で、いかにも本年も処理されるような話なんですが、これでは私は公務員の給与をあずかっている人事院としてはそのときそのときに即応した体制ではないというふうに考えます。その七月の調査をやることだってできるのです、やろうと思えば。五月に当たる程度のものを七月に、わずかの調査ですから、六千三百の事業所なんですから、六千ちょっとの事業所を各県にばらまいたら、県で言えば百カ所ぐらいのものです。それを七月ぐらいにちょこちょこと当たるというぐらいのことはできる。そういう処理をされないということは、これは五、六年前あるいは四、五年前のような鈍いそういう状況の感覚でおられるというふうに私はなるだろうと思うんです。昨年も積み残しが〇・九あるという数字を出されたと記憶している。それはオミットする。これは問題にしない。ただし、従来五十人以上の企業を百人以上にした。だから百人以上の企業にしたということと、いまの積み残しをオミットしたということは全然別個のものである。二つともやるべきものであるということを去年も主張いたしました。本年はそういうことはないんですから、百人以上の企業になっておるわけですから、十分この春闘相場というものを人事院としては配慮すべきであると私は思います。いかがです。
#94
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほども触れましたように、たてまえはたてまえとしてありますので、そのほかのことを言わしていただければ、わがほうにも言わしていただきたいことは山ほどありますけれども、それはやめまして、現実の問題としてこれを見た場合には、われわれの付帯調査にどういう結果が出てくるか。多分これは一般世間で言われているような風潮というものが少なくとも出るのではないかという気がいたします。その場合においては、これはちょっと無視してそのまま過ごすわけにはいかない、考慮に入れるべきではないか、そういう気持ちで臨もうとしておるというわけです。
#95
○鶴園哲夫君 だめですね、非常に、あいまいで。もっとこういう点をはっきりしていただかないと、いま一番やはり問題になっている点なんですからね。ですから、春闘相場の積み残しなんということで、積み残しじゃないんですよ。いまや。はっきりしているんですから。総裁だってご承知だろうと思うんです。ですから、積み残しというようなものは三、四年前の話であって、いまやそうではないという点をはっきりお考えいただきませんというと……。重ねてこの点については、昨年とまた一段と新しい考え方をもって臨んでいただきたいと思うのです。
 それからもう一つは、これは山本委員が御質問をいたしたようでありますが、総裁が新聞記者会見をされたその直後に、あくる日に、今度の勧告は六%台だというのが出まして、総裁もまあえらく軽率なことをおっしゃったもんだというような感じを受けたわけです。その後もまた同じように六%だろうというようなのがでまして、これは総裁、火のないところに煙はないというのですが、これはやっぱり火があるような気がしてならないのです。従来は長い間、勧告の出ます直前に、二、三日前ぐらいに推定記事が出たのはありますけれども、今度のように勧告の出る一月も二月も前に、こういうような推定記事が大々的に報道されたということはないわけなんです。このことは、私は総裁が今度の勧告についていろいろ苦慮しておられる、三公社五現業も出たというような点を非常に苦慮されて、若干アドバルーン的なものを上げておられるんじゃないか、巧妙に、しっぽをつかまれないような形で、巧妙にアドバルーンを上げて、この線に持っていこうとするようなお考えがややあるのではないかというふうに懸念するわけなんです。この点については御意見を承らなくてもよろしゅうございますが、必要があれば、ぜひ意見を承ります。今度の労働省の毎月勤労統計を見てみますと、昨年よりも上がり方はずっと上がっておりますですね。で、主十人以上の企業をとった場合に、昨年の勧告の場合は、一年間に八・三という上がり方だったですね。本年は一〇・七という上がり方なんですよね。八・三が一〇・七になったわけなんですね。相当なものですよ、これは。一%はたいへんなものなんですからね、実際の金額になってくると。ですから、これだけ上がるということになってまいりますと、これはやはり人事院の調査にもむちゃなことは出まいと思うのです。やはりこの線に沿ったものがやはり出てくるというふうに見なきゃならぬ。そういうところから、総裁のほうで、あるいは総裁のほうでと言うと誤解があるかもしれませんが、まずいかもしれませんですが、盛んに煙を出して、六%台だという煙を、公労委の仲裁との関係で出されたのではないかという私は懸念をしておるわけなんです。とんでもない話ですね。さらに、これは物価の状況を見ますと、御承知のように、これは山本君も育ったそうですが、昨年は、勧告のときには一年間の消費者物価の値上がりというのは三・七%ですね、昨年のやつは。本年は九・九%ですね。先般総理府統計局が勤労者の生計調査を発表いたしましたですね。新聞にも大きく出まして、ごらんのとおりだと思います。あれを見ると、昨年の四月と本年の四月と比べると、生計費は三・五%下がった。こういう発表をいたしましたですね。たいへんなことだと思うのです。私はどうも、いま申し上げたこの情勢の中で、物価の状況からいって、あるいはことしの一年間の民間の賃金の上がり方からいって、総裁が六・六%というような煙を出されたというふうに考えざるを得ないと思っているのですが、その点についてお答え願います。
#96
○政府委員(佐藤達夫君) 私が煙を出したことに前提されてしまっておりますけれども、先ほどもちょっと触れたのではありますけれども、煙を出したところで何の役にも立たぬことなんで、私どもは、政治的判断で何%いうことを白紙の上にきめるんでしたら、大いにアドバルーンを上げて、反響を見守りながら、この辺にしようか、ああしようかということなら、これは確かに役に立つと思いますけれども、これはもう御承知のとおり、わがほうは完全に数字相手の仕事ですから、煙を上げたら上げそこないの問題が出るくらいで、その責任を問われるくらいで、すべて数字相手のことですから、煙を上げるはずはないです。したがいまして、ただいま御指摘のように、いろんなデータ、これは毎年の勧告の際参考資料として出します、これは公明正大に出します。その意気込みでやっておりますが、それとわれわれの勧告の内容とかみ合わせて、そのつど御指摘を受けて御説明申し上げる、その覚悟で取り組んでいる。これは当然のことだと思います。そういう気持ちでおります。
#97
○鶴園哲夫君 総裁はそうおっしゃるのですが、過去人事院ではそうでなかったことがたびたびありまして、数字のやりくりとしては、そういう処理をすることができることになっている。一つ例をとると、八等級から一等級まで三段階に区分してあります。その区分をちょっと変えただけでもがちゃっと変わるのです。人事院が出している資料を見ると明らかなとおりです。一つ六等級を上の等級にくっつけるか、六等級を下級職員の中に入れるかということによって、一%か二%の差があるのです。やろうと思えば幾らでも下げることができる。一%、二%下げることができる。それによって従来は処理されてきておる場合が多かったのです。総裁になってからそうでないという印象を受けておるのですが、ですから、私は、総裁は数字というのはまことに正確なものだというお考えだと思う。数字ほどまことしやかなうそを言うものはない、統計ほどまことしやかなうそを言うものはないということばもあるのです、よくお考えいただかないと。ですから、私は、いまの情勢で言えば、これはとても昨年よりもはるかに上回ったものになっていると言わざるを得ないです。それを妙ちくりんなものでやりくりしないように、総裁おっしゃるように、すなおに数字を出されるそうですから、拝見するということにいたしまして、総裁になってからはどうもそのようなことがあまりないように見受けているのです。しかし、大きなものは残っております。官民対応等級のごときはインチキです。あれをくずさなければいかぬ、あんなインチキなことはない。ああいうものが残っているのですから、十分御注意のほどを。
 次に、お伺いしたいのは、さっき伊藤委員も言っておりましたが、中だるみ是正ですね。これは何ともならないのです。指定職俸給表をつくって、これはいまの官民対応等級から完全にはずし、一等級をおそらく官民対応等級からはずすだろうと思う。一等級の人は、ぶうぶう言っているそうですが、外局長官と局長とどこが違うかと、盛んにぶうぶう言っているそうです。さもありなん。あたりまえのことです。そういうことで、上のほうはだんだん急速によくなってきたですけれども、四等以下というものは著しく悪いのです。三等はよくなりました。昨年の処理である程度よくなったのです。昇給金額もよくなりました。ところが、四等以下というものは著しく悪いのです。これは中だるみ是正、中だるみ中だるみということですが、中だるみという程度ではなくて、画然と差がついたのです。本年はまた一等級を非常に優遇されると思うのですが、盛んに昨年から法案が出ております。いいですよ。外局長官と局長とどこが違うか。それは出るのがあたりまえの話です。しようがないです。ですから、指定職俸給表の中に入れて処理していくわけです。局長以上は特別職にする。特別職にしなければいかぬです。おかしいです。俸給表を別にして、これは一般職だなんと言うのはおかしいです。そういう方向をとられてけっこうだと思うのですが、少なくとも四等以下というものは非常は段差がついたのです。非常な不満があります。前々から不満があるのですが、絶望的な不満です。中だるみ是正というのを総裁は盛んに、真剣に検討したいというお話なんですが、どうなんです、中だるみは。金はだいぶ要るのですよ。これはどうされますか。
#98
○政府委員(佐藤達夫君) 何もかにもお見通しの上での御議論ですから、なまじっかなことをお答えしても、とても歯が立ちませんけれども、しかし、先ほども申し上げたのですが、今後ここでたびたび出ております去年の勧告あるいはおととしの勧告に対する御批判をさらに身に体した上で臨もう、またどうせ今後勧告の後においては御批判にさらされるわけでありますから、それを覚悟の上で、できるだけのことをやろうじゃないかというつもりでこれに臨んでおりますから、またその節は十分にお教えをいただきたいと思います。
#99
○鶴園哲夫君 私は、この中だるみ是正というのは、いま総裁のおっしゃっているような程度の話では解決つかないというように思うのです。ですから、この中だるみ是正のために総裁が努力をされると同時に、扶養手当をはっきりさしてもらいたいと思うのですよ。諸手当は簡素化するのだと、昭和二十三年以来言ってるのですよ。政府も言いましたし、人事院も盛んに言ってますね。ですが、そういうことで処理できないのじゃないかと思うのです。扶養手当を廃止しているところも確かに出てきました。しかし、扶養手当を出しているところ、制度としてあるところは、少なくともこれはやはり千円から千五百円程度のものを出しているわけですね。公務員の場合は、まだ扶養手当を廃止するような状況には全然ありません。もちろん一等級以上というところは廃止してもいい程度のものになってまいりました。ですが、それ以下のものについて、特に四等級以下のものについて、公務員の大多数について扶養手当を廃止するとかあるいは廃止していくとかいう考え方は全然できない。そうすれば、中だるみもそんなに多くて是正できないということであれば、この際この扶養手当をもう少しふやすという形ででも、両方で救っていく必要がある。六百円、四百円ぐらい、ちっちゃなものじゃないかというお考えもあると思うのです。しかし、本俸が少ないだけに、六百円、四百円というものがたよりになっているわけです。これが千円になり千三百円になるということは非常なたよりですよ。どれだけ喜ぶか。特に四十前後の公務員というものが、五等、四等というところに生涯を埋ずめ尽くそうと努力して生活しているのです。その人たちに対して、これは非常な力づけになっていくと思うのです。ですから、扶養手当を、昭和二十三年ごろの、何だかだれか気のきいた人が言ったのだろうと思うのですが、簡素化すると。もっともあのころは相当乱脈でしたが、これ以上簡素化されたらかなわないですよ。そういう場合に、そういう考え方にとらわれて、昭和二十三年以来、これを十九年も十八年も動かさないということに至っては、人事院もどこかで強く言われたそのことがあまりにも頭にしみついている。私は、これは根本的に考え直すべきだと思うのですが、さっき総裁の答弁を聞いていますと、真剣に検討してみたけれども、ふわっとあと消えてしまったような印象を受けたわけです。これでは私は、この中堅のところの処理はできないと思うのです。いかがですか。
#100
○政府委員(佐藤達夫君) おっしゃることは全くよくわかります。われわれの悩みも結局その点にあるわけであります。したがいまして、先ほど申しましたように、例年のことでありますけれども、ことしも扶養手当の問題は真剣に検討いたしました。しかし、これが今度の勧告の中に入るか入らぬかというどたんばの問題になりますと、これは相当まだ問題を残しておるという段階で、先ほど消えたようなことをおっしゃいましたけれども、消えてはおりませんけれども、なかなかむずかしい問題だという方向になりつつあるという意味で、ことしはやりますということまでの言明を申し上げる段階には至っておりません。しかし、まだそういうようなことはこれで落着ときまった問題ではありません。そういう実情のもとにあるということだけを、これを正直に申し上げておきたいと思います。
#101
○鶴園哲夫君 総裁、この問題はそういうあいまいなものじゃ困るのです。深刻ですよ、これは。子供四人おる人を考えてあの俸給が出ておるのですから、その場合にどこで救うか。まず救うということですよ。でなければ値上げするという段階じゃないですね。どういうふうに救っていくか。こういう点ですよ。四等、五等、六等あすこのところで、その場合に中だるみ是正でそこだけ三%だけ上げるということは不可能ですよ、いまの人事院の姿勢では。だから、そこを上げる。幾らかでも上げていく。同時に、これは最も扶養手当が重きをなしておるのですから、それを救う。何でもかんでもいいから救っていくというやはり態度をとるべきだと思うのです。だれが反対したのか知りませんが、反対している理由を聞きたいです。ですから、これは私はぜひ再検討していただきたいと要望いたします。ちょうどいいときです。ことしはやっと扶養手当が爼上にのぼってきたのです。私は非常に注目しておったのです。いままで何べんここで論争しても一顧だにしなかった。申しわけ的に一回調査しました。こんなものは調査して出る結論はわかっているのです。インチキですよ。誠意がないのです。ことしは私は扶養手当を爼上にのぼせ、人事院もこの問題を取り上げられたということはきわめて賢明だと思う。公務員はやっぱり全体の問題を考えてもらわなければ困る。上のほうばかり考えてもらっては困りますよ。局長はぶうぶう言っておる。ああいう問題はいいですから、こういう問題を考えてもらわないと非常に困る。この点は総裁ぜひ勧告には結論が出るように、私は重ねて強く要望しておきます。でなかったら、さか立ちしておこりますよ。(笑声)だめですよ、本気にならないと。いまどき公務員に六百円、四百円の扶養手当……民間で扶養手当を出しておる程度のものは考えるべきですよ。要望しておきます。
 それからもう一つは、上のほうはよくなりましてけっこうなんですが、さらに四等級の処理はああいうふうにされまして、ある程度空気が抜けましてよかったのですが、問題は、この五等、六等のところが空気が抜けなくてきわめて停滞しておるわけですね。水でいうと、ボーフラが浮いてしまって蚊が出てくるという状態が来ておるのです。異常な状況ですよ。ですから、ここらあたりの昇格問題をうまく処理してもらいたいと思うのです。四等級をうまく処理されたようにうまく処理する必要があると思うのです。人事院はいつも勧告したあとでそういうものは努力しますと言いますけれども、さっぱり努力していないように思いますね。これを一つ申し上げておきます。
 もう一つは、住宅手当について、総裁は何か率が低いからどうだこうだというお話のようですが、これは住宅手当というものが何でここに出てきたか、この内閣委員会において論議されたか、あるいは一般の公務員の間に出てきたかという点を考えなければならぬと思うのですよ。それは三等以上なら三等以上をとった場合には給与がどんどんよくなってきた。しかも、公設宿舎に入っておる。しかし、四等以下について見れば、賃金ははなはだしく低い。おまけに公設宿舎に入っていないというのですね。さらにもう一つは、六、七年前には三等級以上、四等級以上の人たちが異動の対象になっておった。しかし、今はほとんどすべての公務員が異動の対象になっておる。昔は上の人だけ異動の対象だったから住宅問題があっても、上の人たちが官舎や特定の宿舎におったということを公務員全体は理解をしておった――納得しておった。しかし、今は全公務員が異動の対象なんです。その場合に、一方において住宅はない、住宅手当はない。いま地方を歩いてみますと、みんなこういうふうに異動させるなら、当局のほうで住宅を見つけてくれと、こう言うのです。住宅を見つけてくれ、住宅を見つけてくれぬために、異動はしてみたけれども、一人で寝起きして通わなければならぬ、あるいは自分で宿舎を見つけるために一カ月も二カ月もかかるじゃないか。非常な不満ですよ。住宅手当が申しわけ程度のものが出ても、一つの理屈なんです。住宅手当があるから異動するぞと言うこともできる。いま住宅手当がないですから、異動させますと、行きたがらない。うちを見つけてくれと、こう言う。見つけてから出してくれ、異動さしてくれと言う。中には、昇給さしてやるから、昇格さしてやるから行けと、そういうところまで来ているのです。人事というものを曲げることにもなってきている。ですから、この住宅政策というものを妙に考えてもらっちゃ困りますよ。総裁は先ほど何か山本委員に対して、住宅手当はいま三三%支給しているというような御説明をなさったようですが、そうかもしれないです。しかし、少なくとも異動をするような民間会社をとってもらわなくちゃ困る。異動する、転勤をするところをとってもらわなければ困る。民間の会社だって、工場労働者というものはいまや自宅から通っておる者が多いですから、転勤をするもの、そういう会社というものを取り上げて処理しなければいけない。それをばく然ととっちまって、どうだこうだというような話は、これはどうにもならない。去年は異動するところをピックアップしてみたら三九%という数字が出ている。私はそういうふうに聞いた。本年もおそらくは異動、配置転換をするようなそういう民間の事業所をとってみれば、これはもっとでっかい数字が出てくると思う。通勤手当は四十何%で踏み切った。通勤手当を出します場合には、人事院は四八%くらい民間が実施しているというところで踏み切ったのです。住宅政策についても、いまや踏み切るべき時期に来ていると私は思うのです。さらに先般労働省が法定外福利の施設の発表を行ないましたね。非常な前進をしているというのですね。公務員の法定外福利というのはまことにお粗末です。私は五年くらい前に取り上げた。民間の一カ月分というのは公務員の一年分の法定外福利に相当しているという点まで言って説明をしたことがありますが、しかし、労働省の発表によりますと、法定外副利費は非常に前進をした、とりわけ住宅政策は前進をしたという発表を行なったのです。これはもう踏み切るべきですよ、総裁。昨年仲裁裁定が百人以上の企業に踏み切った――いや踏み切ったと言うより、はっきりさした。ただそれを一つの踏み台にして人事院は百人以上の企業に踏み切られた。長年の懸案を踏み切られた。前進であります。私は住宅手当もいま踏み切るべき時期に来ていると思う。計数的に出てくるに違いない。通勤手当を踏み切ったと同じようにこの際私は踏み切るべきだと思います。課題はなかなが多いです、総裁。額上げもしなければならぬ、中だるみも見なければならぬ、扶養手当もしなければならぬ、通勤手当も出さなければならぬ、住宅手当もつくらなければならぬ。たいへんな重荷です。けれどもこれはやっぱりやってもらいたい。それは通勤手当と同じようにかっこうがついたというだけでもいいのだから、あとは逐次やっていけばいいのですから。たいへんですな、歴代の人事院の積悪――悪いことを積み重ねた結論を。しかし、いまや人事院も、こういうふうに国家公務員法を創設するときは法制局長官をやっておられた佐藤さんが総裁になって三年目くらいになりまして、いよいよ円熟したときに来ている。過去も見て、過去を反省をして、この際やはりやるべきだと思うのですがね。総裁いかがでございますか。
#102
○政府委員(佐藤達夫君) まことに御理解をうしろに秘めながらのおことばであります。その意味では非常にうれしく拝聴するわけでありますが、とりわけこの住宅手当の問題は、ほんとうに毎年ここで申し上げておりますように、きわめて私は手当の中でも重大な問題だというふうにも痛感しております。したがいまして、何とかという考え方を持って歴年しつこいくらいに調査をし、かつ、ここで御議論に出ましたいろいろな御注意も率直に受け入れて調査の項目などもつくっておる、これはまさにお認めいただけると思います。そういうことで調査を重ねて重大なる関心を持ってまいっておりますけれども、今年どう出ますか、これはまだわかりません。のみならず、較差がうんと出過ぎて配分にもてあますというような時期が来ますれば、これはまた問題にもなりましょうけれども、何ぶんいまおことばにありましたように、問題点はたくさんございます。中だるみでもこれはたいへんお金のかかることは御承知のとおりであります。それらの条件のもとでの作業ということになりますと、軽々しく今度はという意味の結論をここで申し上げる段階には至っておりませんと言うほかはないわけであります。
#103
○鶴園哲夫君 もうあと一、二点ですけれども、人事院の勧告はもう三十五年以来五年間五月一日実施という勧告をしていますけれども、大体十月一日が御承知のように四年続いて、昨年は九月一日実施ということです。だから、実際は実施時期で半分値切っているのです。ですから、八%という勧告をしてみても、実際は十月一日から実施しますと、年間ならすと四・四%の引き上げにすぎないのです。それだけ値切っているのだから、もうちょっとうまいことをしたらどうですか。これは悪いですね。公務員はほんとうに踏んだりけったりですよ。もうちょっと私は総裁にひとつ勇断をふるってやってもらうように要望しまして、最後にお伺いしたいのは行(二)です。これは総裁もここで人道上の問題だという答弁をされた。そのとおりなんですが、ひどいですね。この行(二)の問題の焦点というのは、これは一つは昇格問題なんですよ。この行(二)の二等級から一等級へ昇格する、三等級から二等級へ昇格するものを、行(一)の課長から局長に昇格するように、局長から次官になるように締めくくっているわけですよ。暁天の星のような昇格をやるから、行(二)の人たちは非常に困っているわけです。これでは俸給表を分けた理由はないのです。なぜ行(二)という俸給表をつくったかというのです。行(二)の二等級から一等級へ、三等級から二等級へ昇格するものを、まさに班長から課長になるくらいにやかましくちょぴっとやるのですよ。あんなやり方をやっていては、もう何ともならないですよ、これは。もっと昇格問題を考えるということ。もう一つは昇給金額ですね。あれがもう著しく低い。これを考えなければいけないですね。もちろん、額上げしなければいけませんけれども、年数がたつにつれてだんだん落ちてしまうのですから、ひどいことになってしまうのですよ。とにかく生涯つとめて子供一人持てない俸給なわけです。これは人事院の生計費と行(二)の給与金額とを比べてみればはっきりするように、子供一人も持てないそういう俸給表です。女房と御主人が二人生活できるようになるのに四十五までかかる。そう言ったら、いや、それより低い生活があるんだと言う。標準生計費よりまだ低い生活がある、それで生活すればいいんだ、女房も四十五まで働けばいいんだという説明を聞いたこともある。そういうこともしなければならぬでしょうけれども、実際そうせざるを符ないのです。だから、人道上の問題なんですから、いま述べた三つの面にわたって、人事院としてひとつ本年は総裁が行(二)は考える、考えると言って、人道上の問題だと言っているが、一向に片づかない。本年はその意味で行(二)の問題についてもっと関心を注いで処理に当たっていただきたいというふうに思います。答弁要りません、時間ございませんですから。
 総理府の人事局長見えておりますから、一点だけ。これは別問題なんですがね。けさ新聞を見ましたら、農林省が勤務評定をやるという記事を見まして、これは私はもう一回機会を設けて近い機会に局長なりあるいは国務大臣に論争したいと思うのですが、これは勤務評定が問題であることは御承知のとおり。で、臨時行政調査会においても、御承知のような答申を行なった。その答申についての処理が何ら行なわれない間に、何かその勤務評定をやるということで、やっておられるようなんですが、これは局長のところと農林省との間の連絡とれておるわけですか。局長がいま実施権あるのでしょう、勤務評定については。その点について。
#104
○政府委員(増子正宏君) 勤務評定の問題は、ただいまいろいろお話がございましたけれども、これを実施することにつきましては、従来の法律あるいはそれに基づく人事院規則によりまして、各省庁に義務づけられておるところでございます。この点は鶴園委員もよく御承知のことと存じます。そして、これらの法規の改正につきましては、特に現在のところはそういう計画もございません。したがいまして、各省庁におきましては、当然従来からこれを行なっておるべきであったわけでございます。ただ、幾つかの省庁におきまして未実施のところがございます。お話しの農林省はその一つでございます。従来から、これは私の承知しているところでは、人事院当局から、この勤務評定を行なってない省庁におきましてはすみやかに実施するようにという指導が行なわれておったのでございます。人事局の設置に伴いまして、勤務評定に関する権限の一部が総理府に移管になったことは御指摘のとおりでございます。しかしながら、現在、この勤務評定制度につきまして、従来の制度の内容を根本的に考え直す、あるいは改めるというところまでは至っておりません。私どもとしましても、いろいろな面で検討はいたしておりますけれども、ここをこのように改むべきであるというような結論は得ておりません。したがいまして、そういう面から申しますれば、あくまで現行法令に従って、各省庁におきましてはその責務とされておる勤務評定は実施すべきであるというふうに考えております。農林省からも、お話しのように、御相談がありましたけれども、これは当然各省庁が行なっておると同様な意味におきまして農林省においても行なってほしいということを申し上げておる次第でございます。
#105
○鶴園哲夫君 局長のいまの答弁は、確かに一面においてはもっともな話なんです。何だか若い事務官の答弁を聞いているような気がしましてね、話にならない。それは局長答弁じゃないですよ。というのは、引き継いで間もないところだから、増子さんのほうも勤務評定についてのいろいろな情勢なりぐあいなりということは御承知ないかもしれない。ないかもしれないが、しかし、勤評というものはやらなければいかぬものだというようなお感じだろうと思うのですね。ですが、やったところ、やらないところあって、それぞれその問題があるわけなんです、これはね。非常に問題が多いわけなんです。そこら辺を検討してみようという考えはないですか。新しくわがほうで、人事局で引き継いだ、実施について引き継いだ、ついては答申も出ておるところだから、臨時行政調査会が答申も出しておるところだから、この際ひとつ検討してみようというぐらいな頭がないとだめですよ、局長、人事局長失格ですよ、まず第一に。これは単にその人事局の中における勤務評定という地位じゃないのです。これは勤務評定というものが人事局にとってどれだけ比重を占めておるかということは、御承知のとおりだと思うのです。それをいかにもしゃくし定木みたいに、七、八年前みたいな、昔みたいに、さようでございますというような話は、話にならない。一説によると、引き継いだ場合に――来年引き継ぐんですか、完全に、どうなんですか。まあ、来年ということになりますね、人事局が完全に機能を発揮するのは来年。それまでの間に、人事院にひとつある程度責任を負わして、やらぬところをやらして、そうして人事局は引き継ごう。いかにも役所式の、虫のいいみたいな話も聞いているんですが、局長どうですか。
#106
○政府委員(増子正宏君) 先ほどお答え申し上げたことにつきまして、いろいろ御批判をいただいたのでございますが、先ほど申し上げましたように、勤務評定制度につきまして、従来からいろいろ問題があること、それから、臨時行政調査会から答申が出ていること、その他一般的に見ましても、いろいろと検討すべき問題があることは、よく承知しているつもりでございます。その意味で、いろいろと検討はいたしているということを先ほど申し上げたつもりでございます。ただ、現在、これをどう改むべきかということについては、具体的な結論を得る段階に至っていない、したがって、その意味で、現行法制に従わざるを得ないということを申し上げた次第でございます。
#107
○鶴園哲夫君 そこら辺が、だからぼくが言うのは局長の答弁じゃないと、こういうわけですよ。これはね、一般論として、ここでちょっと申し上げておきますがね、最近特にこの四、五年の間、三公社五現業についてもそうですが、国家公務員の場合についてもそうですが、だんだん八十七号条約批准の問題が具体化するに従って、だんだん上からの統制というのですかね、これが非常に強くなってきたんですね。今度専売公社がああいう史上最大の選挙違反というのをやったのですが、これなんかは、上から言われたことは従わなければあぶない、そういうふうにしつけられてきているんですね。普通の出張所だったら、普通の職員であったら、それはおかしいじゃないかということを言う人があってこれはしかるべきだと思うんですね。言えないんですよ、それが。これはそういうふうにだんだん、上の言うことは何でも正しいのだ、従わなきゃならないというような方向で、非常な勢いで統制されてきているんですね。ですから、これはまあ専売公社が出たんですが、それ以外の問題を取り上げてもいいんですよ。専売公社が出たから私は申し上げたんですが、非常に、上の者の言うことには全部従わなきゃならぬと、それはちょっとおかしいんじゃないか局長、おかしいじゃないか課長というようなことができないんですよ、これは。このことは、逆に言いますとですね、非常に大きな問題を出しているわけです。上から締めればいいというような感じで、行政がうまくいくとか、公務員全体が楽しく能率をあげていくとかというふうに考えては、たいへんな間違いです。これは私は今度の専売の選挙を見ましてですね、痛切にそれを感じましたですね。その反面を見のがしてはならない。だれにもわかっていることです。そんなことは公務員である以上ですね、知っているんですよ、地位を利用してやっちゃならぬということはですね。それをその幹部が先頭に立ってやったんですよ。私はその点も非常に今度の問題で痛切に感じています。これは専売だけじゃないんです。ですから、もう少し、私はそういう意味で勤務評定というものも根本的に考え直す必要がある、考える必要があるというふうに思っているんです。これが施行されたのは三十三年からです。実際、三十三年か、三十四年から、勤務評定やるやるということがいわれてやったんです。しかし、効果はあまりないんですね。逆効果は非常に多いという指摘も出ている。これは答申、ちゃんと出ているというふうな状況なんですからね、これは考えるべきですよ。何か、やっかいなものは、おれが全部引き受けるまでは、ひとつお前のほうでと言ってやらす。おれはのほほんとしていて、あとは引き受けるというような考え方じゃ、これはまたそういう意味ではあまりに局長的過ぎるんですね。局長、どうですか、もっと根本的に考えてみたらどうですか。詳細にやりますよ、各省の例を全部あげて、いかにでたらめかということを。第一、人事院そのものがでたらめしごくです。考え直したらいいのです。そしてみんながやれるような勤評を考えたらよろしい。検討しておられるようですが、せっかくのいまの人事局の発足にあたって、まずこの問題についてもう少し健全な検討を加えたらどうかと私は思いますが、いかがですか。
#108
○政府委員(増子正宏君) 先ほど申し上げましたように、現在及び将来の問題として考えていることは申し上げるまでもないと思うわけでございます。勤務評定を根本的に考え直すという場合に、弊実の面、勤務評定というものが本来的に好ましくないという御意見もあろうかと思います。しかし、また一面、それの必要性というか、効能というものもこれは否定できないのでございます。そういう意味におきまして、いろいろな御意見のあることは承知いたしておりますし、今後の問題として検討し、それを十分なもの、理想的なものに仕上げていくという気持ちは、先ほどから申し上げているとおり、私ども持っているわけでございます。したがいまして、検討すべしということにつきましては、十分それに応じたいと存じますが、何分、御承知のように人事局発足いたしまして早々のときでございますので、それらの内容につきましていま申し上げるまでの段階に至っていないということを御了承をいただきたいわけでございます。
#109
○鶴園哲夫君 きょうはこの程度で。
#110
○委員長(柴田栄君) ほかに御発言もないようですから、本日はこの程度にとどめます。
 これにて散会いたします。
   午後零時四十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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