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#1
第049回国会 内閣委員会 第3号
昭和四十年八月十日(火曜日)
  午前十一時三十四分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 八月七日
    辞任         補欠選任
     鶴園 哲夫君     野々山一三君
     ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柴田  栄君
    理 事
                石原幹市郎君
                三木興吉郎君
                伊藤 顕道君
                山本伊三郎君
    委 員
                源田  実君
                八田 一朗君
                林田 正治君
                増原 恵吉君
                森 八三一君
                山本茂一郎君
                北村  暢君
                中村 英男君
                鬼木 勝利君
                多田 省吾君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       建 設 大 臣  瀬戸山三男君
       国 務 大 臣  松野 頼三君
   政府委員
       防衛庁長官官房
       長        海原  治君
       防衛庁教育局長  宍戸 基男君
       防衛施設庁長官  小幡 久男君
       建設政務次官   谷垣 專一君
       建設大臣官房長  鶴海良一郎君
       建設省計画局長  志村 清一君
       建設省都市局長  竹内 藤男君
       建設省住宅局長  尚   明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  清君
   説明員
       建設大臣官房文
       書課長      小林 忠雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○国の防衛に関する調査
 (北冨士演習場に関する件)
 (太田大泉飛行場の返還問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柴田栄君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る七日鶴園哲夫君が辞任され、その補欠として野々山一三君が選任せられました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(柴田栄君) 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、去る七日衆議院から送付せられ、本委員会に付託せられました。なお、本案の提案理由の説明は、去る五日聴取いたしました。
 それでは、これより本案の質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言願います。
 なお関係当局の御出席は、建設大臣瀬戸山三男君、建設政務次官谷垣専一君、官房長鶴海良一郎君、計画局長志村清一君、都市局長竹内藤男君、住宅局長尚明君、道路局次長吉兼三郎羽、建設研修所長上条勝久君、以上であります。
 順次御発言を願います。
#4
○伊藤顕道君 この法案に関連して、大臣を中心に二、三お伺いしたいと思います。
 まずお伺いしたいのは、今回の改正案をよく見ますると、従来の改正案の最も重要な改正点であり、かつ国会でも論議の焦点となった地方建設局への事務委譲、この項に関する改正は全然削除されておるわけです。今回これを削除した理由は一体どういうことなのか、まずこの点からお伺いしたい。
#5
○国務大臣(瀬戸山三男君) いまお話しのように、従来建設省設置法一部改正案の中に、本省の事務を相当部分地方建設局に委譲する、こういう項目が入っておりました。今回、その部分をこの改正案に取り上げませんで、ごらんのような案を提案いたしました。それは、例の地方委譲の問題が数回、今日まで国会で御審議を願いましたけれども、いろいろ御議論があって、あるいは廃案、あるいは審議未了、継続審議、こういうふうに取り扱いがなりまして、いろいろ検討いたしました結果、なるほど、現在の本省の行政の一部を地方建設局に委譲するということは、一面においては相当な理由がある。御承知のとおりに、地方建設局は現状におきましては、一つの実施現業官庁、こういうふうな形になっておりますので、最近の行政が、地方を総合的に見ると申しますか、計画立案するということが必要になってまいっておりますので、そういう意味のことを加えて、本省の事務の相当部分を地方建設局に移して、他の行政部門との総合的な計画をやらせるべきである、こういう一面があるわけでありまして、そういう点においては、相当な理由がある、こういう判断をいたしておりますけれども、一面事務委譲につきましては、必ずしも野党の皆さん、あるいはまた自由民主党の内部においても、必ずしも行政の簡素化等にはならない、あるいは二重行政になりはしないか、こういう御議論も相当にあったわけであります。
 それともう一つ、その間において、御承知のとおりに、いわゆる行政調査会、政府の臨時行政調査会において、行政機構全般についての検討がなされまして、建設行政についても相当広範な意見が出ております。そういう観点から、これは臨時行政調査会の発足以前に立案された問題でありましたけれども、もっと行政全般について、政府は検討する場合、建設省の行政についても、臨時行政調査会等の意見を全般的に考えて、そうして、もう少し根本的な検討を加えた後に、改正すべきものは改正して提案すべきだ、こういう判断をいたしまして、今回はその部分は取り除いた、こういう事情であります。
#6
○伊藤顕道君 そうしますと、建設省としては、従来からの国会における審議の経緯とか、あるいは指摘された問題点、まあ問題点の二、三をあげると、中央官庁の事務を地建に委譲することによって二重行政あるいは三重行政の弊が出てくるとか、あるいは職員の整理、首切りが行なわれるとか、あるいは配置がえが強行されるとか、いろいろ問題点があったと思うのでありますか、そういうような問題点、こういう点を十分検討された結果、さらにはまた、臨時行政調査会の答申の結果をも、事前にこれが出ておった関係もあって、その後答申がなされたという事情もあって、そういう点をも十分勘案して今回は出さなかったと、そういう御意見のようですが、そこでさらにお伺いしますが、この地建への事務委譲については今後とも見送る考えなのか、あるいは検討の結果次期通常国会あたりまたこの問題を出される御意図なのか、この辺を明らかにしていただきたい。
#7
○国務大臣(瀬戸山三男君) 先ほど申しましたような事情でありますから、地方建設局に前のとおり委譲するのが適当かどうか、あるいは臨時行政調査会等においては、むしろある問題、ある事務については直接地方公共団体に委譲したらどうか、こういう意見等もいろいろ出ているわけであります。したがって、これはそう早急に結論が出る問題でありませんから、国会等における御意見等を十分にしんしゃくをいたしまして、臨時行政調査会の意見等もよく検討してやりたいと思っておりますので、次の通常国会にさらにそういう点を含んだ設置法の改正案を出すということは現在のところ考えておらないのであります。
#8
○伊藤顕道君 そうしますと、まあ問題はいろいろあるわけですけれども、問題をしぼって、本省の事務を地建へ委譲することが今後またありとすれば、また二重行政あるいは三重行政とかあるいは配置がえが行なわれるとか、職員の整理が行なわれるとか、こういう幾多の問題が必ず出てくると思いますね。そういうことを十分かみしめられて今回出さなかっただけではなく、今後もそういう点は十分頭に置いて検討をしていきたい、こういう意味に解釈してよろしいのかどうか、この点を明らかにしていただきたい。
#9
○国務大臣(瀬戸山三男君) いま伊藤委員からお話しになったとおりに考えております。
#10
○伊藤顕道君 次に、定員の問題をお伺いいたしますが、昭和三十九年度末の建設省の定員は何名であったかということ、これが一点ですね。それからその欠員は何名であったか。また、欠員の中で昨年閣議決定がなされて凍結されているわけですが、それは何名か。したがって、それぞれの充足率はどういうことになるか。こういう点についてそれぞれひとつ明確にしていただきたいと思います。
#11
○政府委員(鶴海良一郎君) 昭和三十九年度末におきます建設省の定員でございますが、これは三万五千七百二十名で、今度の改正案によりましてそのうち一名を外務省に振りかえようということにいたしております。
 三十九年度末におきます欠員でございますが、約千五百人程度でございまして、そのうちいわゆる凍結されている定員、これは九百四十九名でございます。四月になりまして新規採用いたしております。これが約四百名ばかりいたしておりまして、四月の当初におきます欠員は約千名程度でございます。
#12
○伊藤顕道君 そうしますと、三十九年末の定員は三万五千七百二十名で、うち欠員が約千五百、凍結が九百四十九。で、大体現在の欠員は約千名、こういうふうに解釈してよいわけですね。
#13
○政府委員(鶴海良一郎君) 四月当初におきます欠員が、新規採用等の関係もありまして、約千名になっております。現在はその後若干の欠員が出ております。退職等によります欠員が出ております。
#14
○伊藤顕道君 そうしますと、四十年度末の定員は何名ぐらいに予定しておられるのか。
#15
○政府委員(鶴海良一郎君) 四十年度末の定員につきましても、先ほども御説明いたしましたように、三十九年度末の定員から一名を外務省に振りかえる。これは在外公館のアタッシェ要員でございますが、その一名を振りかえることにいたしておりますので、一名の減といたしております。
#16
○伊藤顕道君 さきの国会で各省庁の設置法の改正案が十六ほど出されたわけですが、建設省設置法を除いては、各省庁の設置法の改正案はいずれも定員増、これを主要な内容としておったわけです。ところが、建設省の場合だけは逆に――これは外務省関係ですが、一名減となっておるということになりますというと、建設省だけは定員の増を必要としなかったのかどうか。あるいはそうではなくして、定員増を要求したけれども、大蔵省に切られてしまって実現できなかったのか。まあ、事情はその二種のうちの一つであろうと思うんですが、この点を明らかにしていただきたいと思うんです。
#17
○政府委員(鶴海良一郎君) 建設省におきましては、過去におきまして地方建設局におきます事業は大部分が直営事業という姿で行なったわけでありますが、その後逐次請負事業に切りかえておりまして、能率化をはかっておるわけでありますが、そういう関係もございまして、定員増はいたさなかったわけでございます。
#18
○伊藤顕道君 ところが、各省庁の定員増については、昨年閣議決定で凍結がなされたわけです。ところが、その後本年の通常国会――第四十八国会で各省庁の設置法改正案が出された。その凍結があったにもかかわらず、建設省を例外として、他はすべて定員増をおもな内容として法改正がなされたわけです。このところがどうも納得しがたいところなんです。建設省の一名減は事情はよくわかります、これは当然でしょうが、これを問題にするのではなくして、昨年閣議で凍結が決定されて、その後各省庁は増員できないはずなんです。にもかかわらず、建設省以外はみな増員がなされた。多いところは三百、四百名という定員増がなされておるわけです。建設省だけが例外となっておるわけですね。したがって、ここのところがどうもいまの御答弁では了解しがたいところです。この点をわかるようにひとつ御説明をいただきたい。
#19
○政府委員(鶴海良一郎君) 建設省だけが減員ではございませんで、実は自治省も一名減員になっておると思います。これもやはり在外公館のアタッシェに振りかえるための減だと思います。凍結と各省において行なわれました増員との関係でございますが、凍結は昨年の九月当初におきます欠員を凍結いたしたんでございまして、その欠員につきましては欠員不補充という原則が内閣において決定されたのでございますが、これは各省を通じての問題であります。したがいまして、今年度増員になりました省庁におきましても、凍結定員につきましては、依然として凍結されておるという姿になっております。
 なお、つけ加えて申し上げますが、実は九百四十九名の建設省の凍結定員につきましては、地建への委譲が実現しました場合には、そのうち三百六十六名でございましたか、解除をお願いする段取りにいたしておったわけでございますが、今度地建への委譲がなくなりましたので、その取り扱いにつきましてはさようにはまいらぬかと思いますけれども、そういう事情があったことをつけ加えさしていただきます。
#20
○伊藤顕道君 私の質問に対して、いや、建設省だけが例外じゃない、自治省もヨーロッパの在外公館に一名派遣、それはそのとおりだと思います。こまかい点ですから、省略したわけですが、これはこちらも承知しておるわけですけれども、それにしても一名減であって、増員は全然――自治省も入れて考えてけっこうなんですが――全然増員がなかったわけですが、それは一名減になった事情はわかるわけですよ。それぞれ在外公館への派遣、これは了解するわけですが、そこでお尋ねしたいのは凍結は建設省の場合千名ということになっておる。これはその後交渉して何とかこれを大幅に縮める意図はないわけでごいますか。
#21
○国務大臣(瀬戸山三男君) 定員及び人員の問題についてはいろいろお考えを伺いましたが、先ほど官房長からも御説明をいたしましたように、ほかに建設省のこの凍結と申しますか、そういう人員が一番多いわけです、各省を通じて。そのほかに他の省はある程度増員したところがあるのにおかしいじゃないか、ごもっともな御意見でございます。ただ、詳細は私は数字は知りませんけれども、他の省庁等においては、部局の新設等によって増員を必要とする面が出てきておったと思います。建設省においては、先ほど官房長からお話いたしましたように、多くは、従来御承知のように、地方建設局は直轄直営ということを原則としておりましたが、ところが、時勢の変化によりまして、必ずしも直轄直営ということは、全般的ないわゆる人手不足と申しますか、あるいは建設工事の大幅な増大、諸般の事情から直轄直営を順次請負に移していく。こういうことで、そういう面から相当人員の余裕が出てくるということが建設省独特の事情でありまして、したがって、部局をふやすとかなんとかいう特別な事態がない限り、増員ということは従来考えられなかった事情があります。ただ、御承知のとおり、半面皆さんの御協力によりまして、また日本の情勢の進展に伴いまして、いわゆる建設業は大幅に予算的にも事業量も増大してきつつあるのが現状であります。一般的に申しまして、凍結というようなことを政府が方針をきめましたのは、御承知のように、全般的に産業の進展に伴って人手不足である。特に技術者等においては、そういう面が顕著になってきておる。そういう事態から、半面においては、いわゆる国家公務員あるいは地方公務員の数というものについて国民的な疑問がある。こういう両面からいわゆる欠員の補充をしないという方針をきめたと思います。けれども、いま申し上げましたように、建設行政は年々規模においても増大しつつありますから、先般の閣議においてもこの問題は話題になりましたが、御承知のように、ここ一、二年と申しますか、特に最近の情勢では、産業界において必ずしも多くの人手の需要がなくなってきた。いわゆる新卒等の就職先と申しますか、働く場所がだんだん狭まってきつつある、こういう情勢でありまして、政府は、産業界等についても新しく卒業する大学生等についてはできるだけいわゆる職場を与えるということを積極的に検討してくれということを政府みずから産業界、実業界等にも要請をいたしておる。そういう半面に、政府だけが欠員をそのままにして、いわゆる凍結という措置は矛盾ではないか、こういう議論も実はありました。特に建設行政においては、いま申し上げましたように、年々増大する。これは当然の国家的あるいは国民的要請によって仕事がふえていくわけでありますから、今日定員の増ということを当面考えるということは適当でないかもしれませんけれども、現在定員の中で欠員になっている、これを全部一挙に充実するということは、なかなか技術面等において簡単でありませんけれども、この際、建設省関係はできるだけ充足すべきである、こういうことを私は閣議において主張いたしております。そういう問題は個々に検討をしよう、こういう話し合いになっておりますので、私どものほうとしては、来年度の予算では、この欠員になっておりまする相当部分を補充をいたしたい、そうしなければ建設行政の円滑なる遂行に支障を来たす、こういう考えを持っておりますので、その面でさらに努力をいたしたい、こういう考えであります。
#22
○伊藤顕道君 あえてこういう問題を私がお伺いするのは、建設省自体の事業量とかあるいは事務量が現在横ばいだとか、あるいは前年度に比較して減っていく、こういうことであれば増は考えられない、これはよくわかるわけです。ところが四十年度の事業量の伸びを見ると、相当伸びがあるわけですね。たとえば、私の調べによりますと、建設省関係の予算も一五%の増があるわけです。これは金額にすると六千九百十四億、それから旧二級国道の直轄管理の業務、あるいは一級水系の国における管理、こういうことを考えると、内部操作だけで定員をふやさないということは究極するところ労働強化になるという、労働強化をそのままさらに上積みにするということは、これはもう非常に人道上の重大問題でもあるわけです。そういう観点からお伺いしているわけなんです。繰り返しお伺いするように、事業世とか事務量が横ばいもしくは減っている、こういう事態でないわけですね。建設省の場合は事業量はふえている。にもかかわらず増員はないというのは、労働強化になるのではないか、これは問題だと、そういう角度からお伺いしているわけです。この点はいかかですか。
#23
○国務大臣(瀬戸山三男君) お説のとおりであります。御承知のように、一級河川も四十年度から十五本、四十一年度は私どものほうの予定はさらに五、十本一級河川を増加する計画でいま進めておりますが、そのほかにいわゆる国道の直轄管理区間を大幅に増大する、こういう予定もいたしております。現に一級河川の十五本についても府来から移譲を受けまして、必ずしもいわゆる責任を持っての直轄管理ということがまだ万全を期する態勢ができておらない、こういう実情でありますから、いま申し上げましたように、そういうことも含めまして実情に応じた人員だけはぜひ増加いたしたい、補充いたしたい、こういう考えであります。
#24
○伊藤顕道君 佐藤総理は機会あるごとに人間尊重ということを強調されておるわけです。で、この佐藤内閣の閣僚のお一人である建設大臣は、このまま増員もなしで労働強化もやるということについては、これはいささか矛盾があろうかと思うのですね。いわゆる人間尊重ということになれば、労働強化ということとは相いれないわけです。適当な労働力を配してしかるべきなんです。人間酷使の建設行政をあなたは強行するという結果になるわけです。これは非常に問題ではないか。か佐藤内閣の閣僚である以上、その首班が人間尊重ということを強調しておられるわけです。だから、その閣僚の一人であるあなたも、人間尊重というたてまえから建設行政を進めてしかるべきである。これは理の当然だと思う。そういうところに矛盾が出てきておるわけです。だから、このままではいかぬと思います。結局労働強化にならないように適量の、事業童に対しては適当の定員をふやしてしかるべきである。いわんや、欠員がいま千五百、当局は千――およそ約五日は補充できて、大体欠員が約千名という先ほどの説明があったわけです。これは何とか早急に補充しようとするお考えはあるのかないのか。あるとすればどういうふうにしてこれを補充しようとするお考えなのか。こういう具体策をも含めてお答えいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(瀬戸山三男君) 現在のところ、建設省としても年度途中でありますから、先ほど申し上げましたように、予算要求と同町にその補充をいたしたいと、こういうことでございます。
#26
○伊藤顕道君 たとえば道路については三千キロの改良工肝がある。それと約四千九百キロの舗装工事、あるいは一万一千キロの直轄維持管理と、こういう事業量が控えておるわけです。今年度のこの約千名の欠員のままでこういう仕事が、事業がこなしていけるのかどうか、当然疑問が出てくるわけです。この点についてはどうですか。
#27
○国務大臣(瀬戸山三男君) 先ほど申し上げましたように、そういう点を含めまして補充をいたしたいと、こういうことでございます。
#28
○伊藤顕道君 初めの、建設省としては一級河川五十水系が指定されるものとして河川パトロール要員を五百要求したようですが、それが事実そうなのかどうかという点。それから、十、五水系指定では結局ゼロになっておるわけですね。これは一体どういうわけか。五百を要求した根拠は一体何かということ。それから、十五水系の河川パトロール要員を何人にしようとしているのか。こういう具体的な問題についてもひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#29
○政府委員(鶴海良一郎君) 昨年度の予算要求の際に五十水系につきまして一級河川に指定いたしまして、その河川全延長につきましてパトロールをやるという計画をやったわけでございますが、御承知のように、十五水系に減ったわけでございます。五十水系を要求いたしました際は五百人のパトロール要員を考えていたわけでございますけれども、水系が減ったということがございまして、パトロール要員の確保はそれほど必要でなくなったということが第一点でございます。
 それから指定されました十五水系につきましては、大体従来建設省が直轄で工事をやっておりました区間につきまして若干の変動がございますけれども、その区間につきまして直轄で管理するということに結果的に相なったわけでございまして、その他の区間につきましては、一級水系でも都道府県知事が従来どおり管理するという結果になったわけでございます。そういう関係もございまして、それほど人員が要らないということもございまして、結局、十五水系につきまして百八名の管理要員の増員をいたしたわけでございます。
#30
○伊藤顕道君 ただいまの御説明では理解しがかいのですが、結局、五十水系の指定については五百人を要求した、ところが、十五水系の指定に対しては全然なかったわけですね。ゼロでしょう。そこのところはどうなんですか。
#31
○説明員(小林忠雄君) ただいまの五百名の河川管理要員は五十水系について要求したわけでございますが、これは建設省全体の定員増という形でございませんで、治水特別会計の中の振りかえで要求したわけでございます。先ほどの直営工事の請負化に伴います剰員となりました分を河川監視員に五百名振りかえる、こういう要求をしたのであります。実際には十五水系だけ認められましたので、そのうち十五水系分について百八名の人員が振りかえられたわけでございます。五十水系について五百名、十五水系について百八名と申しますのは、大きな川が十五水系に入りましたために、水系の数に比して多くの人員が増員されたということでございます。
#32
○伊藤顕道君 結局、その増員ということを押えて、建設省としては配置がえとか、研修あるいは職種の転換、勧奨退職、こういうことによって定員の問題を切り抜けようとしている。そういう情勢がよくわかるわけです、われわれには。これは一体どういうわけなんですか。結局、しわ寄せを受けるのは約一万一千の行(二)の職員がそういうしわ寄せを受けると思う。こういう問題はいままで明らかにされていなかったわけですが、結局、行(二)の労働者については、だんだん存在価置がなくなってきて、だんだん行(二)を整理しようという方向に具体的にそういうあらわれが出ているように思う。これは一体どうなんですか。
#33
○政府委員(鶴海良一郎君) 行(二)の問題でございますが、行(二)の職員を積極的に整理しようということは考えておりません。と申しますのは、将来の建設省の道路河川なりの管理体系を考えますと、やはり行(二)の職員も必要があるようでございます。現在行(二)の職員が一万一千何がしいますが、道路の直轄管理区間の延長が毎年ふえておりますし、将来もふえてまいります。また、一級河川の指定もふえてまいります。したがいまして、河川の直轄管理区間も年々ふえていると想定されるわけでございまして、そういう想定のもとに将来の必要人員を算出してまいりますと、現在の五カ年計画の最終年度を考えますと、約九千五百人程度の行(二)職員がどうしても必要であるという結果になっております。毎年行(二)職員二百人程度退職その他で減っておりますけれども、積極的にこれをやめてもらうような措置をとるという必要は認めておらぬのでございまして、むしろ将来行(二)職員は必要であるという見解に立って措置いたすつもりでおります。
#34
○伊藤顕道君 二月二十八日付の大臣官房人事課で発行しておる「職員」という印刷物がありますね。この内容を見ると、行(二)の労働者は約一万二千人いるけれども、いま官房長が指摘されたように、そのうちで九千五百人だけはぜひ必要なんだ、ほかの者は行(一)へ職種転換とかあるいは勧奨退職によって整理するように、そういう内容になっておるわけです。それから三十九年の、昨年の九月十日付の官房人事課の出した分について見ると、「行二の職長人事再配置計画資料」、これを見ると、六十歳以上は千百六十七人の勧奨退職、それから五十歳以下では千四百五十七人を行(一)へ職種転換、こういうことが発表されておるわけですが、この発表のとおり実施されるとなるといろいろ問題を引き起こすと思うのですが、これは発表どおり強行するお考えなのか。その後変更があったのか。こういうことについて明らかにしていただきたいと思います。
#35
○政府委員(鶴海良一郎君) 昨年の人事課の資料でございますけれども、これは発表したものじゃございません。将来退職金の手当をどの程度用意すべきであるとか、その他将来の人事構成を想定するためのいわば図上演習の資料でございまして、その結果高齢者が何人くらいになる、したがって高齢者は退職率が高いものですから、そういう人に対して退職手当をどのように用意したらいいかというふうなことを見通しをつけますための資料でございまして、それは発表したものじゃございません。したがいまして、三千人首切るとか、そういうことを考えてはおりません。それからことしになって行(二)職員の取り扱いにつきまして人事課から「職員」という刷りものを出しました。これは発表したものでございます。これはどういうことかと申しますと、一つは配置転換の問題でございます。行(二)職員の中で行(一)の職員として転換して働いていきたいという方がございますれば、研修その他の所要の措置をとりまして、行(一)職員が足りないおりでございますから、そのほうへ転換してもらいたいということを言っておる次第でございます。なお、勧奨退職と申しますのは、これは退職を強制するわけでございませんで、現在の退職金制度のもとにおきましては、高齢者がやめます場合には勧奨退職という形をとりまして、通常の退職金に対しまして割り増しの退職金を支給し得る制度が開かれております。退職をされる方にはできるだけ便宜もはかりたいという考えで勧奨退職という割り増しの退職金を払う、そういう制度であるというふうにお考え願いたいと思います。
#36
○伊藤顕道君 行(二)の方々は直営工事をやるに必要な十分な腕を持っておると思うのですね。この行(二)の方々を整理したり、あるいは建設機械はその後購入しないとか、技術屋さんは採用しない、こういう方針でいくということは、結局、直営工事ができないようにしておいて、そうして請負工事の方向へ方向へと持っていこうとする動きが看取されるわけです。その結果、行(二)の方々は仕事として腕を奪われてしまったかっこうになってしまって、四十代、五十代になって、いろいろ短期間の研修などを受けて職種がえの憂き目を見ておる。これが現状ではなかろうかと思うのですね。そうだとすると、これは非常に問題があろうと思うのですが、やはり長年いわゆる特殊技能を備えたこういう方々の職種転換というのは、建設省全体から見ても、さらに大きくは国家全体から見ても、きわめて遺憾なことだと思うのですが、こういう点について一体大臣としてはどういうふうにお考えですか。
#37
○国務大臣(瀬戸山三男君) 私はそういうこまかい数字面のことはよく承知しておりませんでしたけれども、大体私はこういう考えを持っております。まあ、五十あるいは六十になって、みずから進んで、この際職場を転換したい、あるいはここら辺で引退をしたい、こういう人はそういう御希望を遂げてやることが適当であろうと思います。けれども、なかなか、まだ子供さんがおったり、いろいろな生活問題があるわけでありますから、そういう方々をそこから突然離す、将来の何らかの見通しなくして離すということは、これはそれこそ人間尊重ということばを使わなくても、適当でない。かように考えておりますから、そういうことは、やはり、何と申しますか、愛情を持ってといいますか、実情に即した措置をとらしたい、こういう考えを持っております。
#38
○伊藤顕道君 現場の第一線で働いておられる方々は、相当の年配になっておれば、もうほんとうはやめてもいいと思っておると思うのです。ただ、やめてしまうと、あとの生活が保障されてない。いまの恩給でも、共済退職年金でも、老後を養うに足りる年金ないしは恩給は出されていないわけです。生活ができないから老躯にむちうって第一線で働いておられる。しかも、相当年齢になると退職勧奨を受ける。この退職勧奨についても、これは人事院総裁ははっきり言っておるわけです。勧奨退職については本人が拒否すればこれは強制できないことになっておるわけですね。この点について建設省としては勧奨退職についてはどういう扱いをなさっておるのか。仄聞するところによると、相当強制が行なわれておるのではなかろうかと憂慮される向きがあるわけです。人事院総裁ははっきり言われておるわけですから、それに、勧奨退職をよもや強制はしていないと思いますけれども、過去においてどうもそういう点は疑われるわけです。この点はひとつはっきり約束していただきたいと思う。
#39
○政府委員(鶴海良一郎君) 退職でございますが、建設省といたしましては、勧奨退職ということで退職を強制したという事例は過去においてもないと考えております。将来もそういうことをする考えは毛頭ございませんです。
#40
○伊藤顕道君 次に、先ほど来からお伺いしておるように、建設省の定員は約一千名……そうして事業量なり事務量は逆にふえておる、予算にしても一五%はふえておるということを大臣も認めておられるわけです。こういう中でこのまま過ごすことは、いわゆる労働強化が度を過ぎると、労働災害と、また過労による死亡、これが相当ふえてくることが憂慮されるわけです。これに対して、建設省としても、もちろん放置はしていないでしょうが、こういう傾向がだんだん強くなると、いろいろ問題が出てこようかと思うのです。労働強化に伴う労働災害と、そして、過労のための傷害ですね、こういうことについてはどういうふうな対策を考えておられるのか、この点を明らかにしていただきたい。
#41
○政府委員(鶴海良一郎君) 建設省の直轄現場あるいは直営現場におきまして災害が起こっているということは、御指摘のとおりでございます。これにつきましては、前々からその対策に苦慮いたしておるわけでございますが、特に最近、工事の安全管理ということにつきましては、人間尊重という意味もございまして、重要な事項でございます。最近起こりました事案等につきまして、十分原因等をあるいはその防止対策等を具体的に検討して有効な対策を講じたいというふうに考えまして、実はいまから二月ほど前でございまするが、官房の首席監察官を長にいたしまして安全管理のための組織をつくって、現在その対策につきまして、検討いたしておるような次第でございます。
#42
○伊藤顕道君 ここに一つの事例があるのですが、昨年の十一月二十七日、中国の浜田で黒川という監督官が深夜の作業で、詳しいことは申しませんが、トンネルのひずみ試験のため深夜作業をしておって、翌朝注射一本打つひまもなく急死したという事件があったのを御記憶であろうと思いますが、この死因については、その所属の事務所長が弔辞の中で、人員不足と過労が原因だということをその弔辞の中にはっきり述べているわけですね。これは現場の事務所長として、当然に真をうがった内容であろうと思います。こういうことも、先ほど来お伺いしているいわゆる定員の不足、欠員の不補充、労働強化ということからこういう問題が起きるであろう、これはほんの一こまですが、これをこのままほっとくと、こういう問題があちこちに当然起きてこようかと思うのです。こういう点はどういうふうにお考えですか。
#43
○政府委員(鶴海良一郎君) ただいまの御指揮のありました事例につきましては、私はまだ報告を受けておりませんが、職場の安全というものにつきましては、先ほども申しましたように、特に重点を置いて施策を進めていきたいというふうに考えております。
#44
○伊藤顕道君 最近人事院が発表した昭和三十八年の国家公務員の災害について見ますると、千百十一人になっておるわけです。このうち三十人は死亡している。災害のための死亡が三十人。この数字を今度建設省に当てはめてみますると、各省庁の中では断然建設省が多くして、千百十一人に対して四百八人、三分の一以上を建設省で占めている。三十人の死亡に対して八人が建設省関係です。これはきわめて内輪な数字であって、事故が起きてから大体療養のため八日以上休んだ者についての数字であるわけです。したがって、七日以下の数字を加えると膨大な数字になろうかと思うのですが、そこでこういうことから考えて、やはり仕事の性質からも考えなければならぬと思いますが、建設省は特にこういうふうに多いわけです。これは建設省としても率直に反省して、こういう膨大な災害が出ないように十分考慮してしかるべきだと思うのです。この数字だけ見ても相当な数ですけれども、繰り返し申し上げるように、これはほんの氷山の一角にすぎない。相当な数字になろうかと思う。
 そこでお伺いするわけですが、労働安全管理のためにはどういうふうに建設省としては手を打っておられるのか、これを具体的に御説明いただきたい。
#45
○政府委員(鶴海良一郎君) 従来、安全管理につきましては、各地方建設局におきまして、工事のやり方、その場合の安全の確保につきまして、それぞれ意を用いてやってきたわけでございます。ただ、各地建にまかしておきましても、ただいま御指摘のように、不十分な点が多々ございますので、これを本省段階で今般取り上げまして、根本的な対策を検討し始めたところでございます。
#46
○伊藤顕道君 試みに地建とか工事事務所、こういうところの予算を当たってみると、厚生経費というのは工事費に含まれているわけです。また、厚生経費としては何もないわけです。結局、雑費にも含まれておるということですけれども、これは所長などのいわゆる通勤用の乗用車のガソリンにみな食われてしまって、結局、災害対策費として独立してない。建設省というと建設業務に携わるわけですから、労働災害ということは当然考えられてしかるべきです。そうだとすると、その労働災害対策費が何ら組まれていないということは、これは問題だと思うのです。当然組まれてしかるべきだ。人命尊重ということを文字どおりにほんとうに忠実に考えておるなら、そういう労働災害対策費などは当然組まれてしかるべきだと思う。そういうものは全然ないわけです。雑費に含まれたり、事業費の中に含まれておる程度です。これでは相ならぬと思うのです。少なくも、いままではなかったわけです。今後は、こういう労働災害対策費などを組もうとするお考えはあるのかないのか、その点からお伺いしたいと思うのです。
#47
○政府委員(鶴海良一郎君) 労働災害を防止するための指貫に要します費用でございますが、これはいままでなかったわけではございません。工事費の中で支弁できるわけでございます。ただ、それが非常に小さいものにとどめられておったということはあろうかと思います。従来の災害の実績から見ましても、さらに一段と努力をしていかなければならぬということは、ただいま御指摘のとおりでございます。今後は、さらに工事費の中で職場の安全管理のために必要な措置をとり得るようなことにいたしてまいりたいと思っております。
#48
○国務大臣(瀬戸山三男君) この際、私から申し上げておきますが、いまの問題はきわめて小さいようでありますけれども、非常に重要な問題だと思いますので、過去の労働の災害の実態をよく調べまして善処したいと、かように考えております。
#49
○伊藤顕道君 それでは時間の関係もありますから、いま一問だけお伺いして本日の私の質問を終わっておきたいと思いますが、要望を兼ねて大臣にお伺いいたしますが、この労働災害対策費、いま大臣からお考えをお述べになったわけですけれども、ただ問題は、建設省にとって建設労働を進められる業種からいって労働災害ということは当然考えられる。そこで官房長の御説明では、いやそれは含まれているのだといっても、それをしさいに見ると、工事費の中に含まれておったり、工事費と労働対策費をごっちゃにするというのは、どうも、私、専門家ではございませんけれども、どうも了解に苦しむわけです。やはり労働災害定策費として独立して予算化すべきではないか。工事費の中に含まれているからだいじょうぶだというお考えですが、あるいはまた雑費の中に含まれているということのようですけれども、工事費や雑費の中に含ませるのでなくして、やはり建設業務に携わる当然労働災害ということは考えられるわけですから、それに対する労働災害対策費というものは当然組んでしかるべきものだ。したがって最後に大臣に強く要望申し上げるわけですが、ひとつ前向きの姿勢で近い将来に労働災害対策費として独立して過当な額を計上してしかるべきだと思うんですが、このことを強く要望申し上げるわけですが、これに対して大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
#50
○国務大臣(瀬戸山三男君) ほかのことになりますけれども、たとえば工事事務所等の職員の俸給が従来は工事費の中に含まれておった、こういう時代がありました、数年前。工事費の中に含まれるというのはきわめておかしいじゃないかということで、最近俸給は俸給、工事費は工事費と分離をしておりますが、それに似たような問題だと思います。他の省庁の実例もあると思いますが、十分検討して善処したい、かように思っております。
#51
○委員長(柴田栄君) それでは、午前はこの程度とし、午後は一時半再開いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後零時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十五分開会
#52
○委員長(柴田栄君) 委員会を再開いたします。
 国の防衛に関する調査のうち、北富士演習場に関する件を議題といたします。
 本件につきまして質疑の通告がございます。これを許します。なお、関係当局の御出席は、松野防衛庁長官、海原防衛庁長官官房長、宍戸防衛庁教育局長、小幡防衛施設庁長官、財満施設部長でございます。
 それでは、御発言を願います。山本委員。
#53
○山本伊三郎君 北富士演習場の問題は、もうすでに昭和三十二年ですか、岸・アイク声明問題以後ずっと問題になっておるわけでございますが、たまたま今度防衛庁長官がかわられましたので、長官の認識を確かめるという意味もございますけれども、まあ、失礼な言い方でございますけれども、私も実は林野雑産物の補償の問題は一応のめどがついて解決されたことは聞いておりまするが、基本的な、岸・アイク声明による、あの基地を日本に反還するという問題は、現在までまだ解決しておらないのです。それに伴っていろいろ問題が実は地元であるということを選挙中に私聞きまして、あとで具体的な質問をいたしますけれども、文書質問を実は参議院を通じて総理に出したわけであります。しかし、それについては相当問題がありまするが、その前提として、防衛庁長官は北富士問題について今日どういう問題が起こっておって、しかもそれに対して防衛庁としては、どういう解決策で臨もうとしておられるのか、ひとつ防衛庁長官の北富士演習場の問題についてひとつ防衛庁の見解をお聞きしたいと思う。
#54
○国務大臣(松野頼三君) 私は今般防衛庁長官に就任いたしまして初めて当委員会に出席いたしました。どうぞよろしく御指導と御協力をお願いいたします。
 北富士演習場の問題は山本委員お尋ねのように、速記録を拝見しますと、山本委員だけの質疑を見ましても、すでに防衛庁長官が五代かわっております。したがって、その紛争の焦点も時によって変化が起こっております。あるものは解決、あるものは未解決、その間にまた新たな問題も出てきております。要するに、昭和三十六年ですか、米軍の使用から自衛隊の演習場に切りかえるという閣議決定、これが一つの焦点となってまた意見の相違が行なわれておると私は拝聴しております。そこで防衛庁としては、演習場のためにぜひこれを使用したい。過去においても、米軍の基地である中に、地位協定の何カ条かによって、米軍が使用しないときには便宜自衛隊がこれを使用さしてもらっている。これが自然に今度はひとつ自衛隊が主となって使うならば、自衛隊の演習場にこれを切りかえて米軍に逆に使用させてはどうだ、これがおそらく岸・アイク声明以来、昭和三十六年の閣議の方針だと記憶しております。
 そこで、今までも問題がありましたが、補償の問題、入り会い慣行の問題、あるいはその他の問題という、まあ三つの問題が出ており、先般山本委員から議長を通じて政府に質問を出されたのも三点だったと私は記憶いたします。一点、二点、三点、山本委員の明快な質問に対して政府も実は明快にお答えしたわけであります。もちろん、その間においても内容については意見の相違があると思います。基本線は実はその三点に御報告したとおりで、問題点もその三点にしぼられておる今日、紛争があるならその三点が焦点じゃないか、私はこういう認識で今日おります。
#55
○山本伊三郎君 そこで、まああとでいまの紛争の問題尋ねますが、私のほうの文書質問について政府の答弁があるんですけれども、文書答弁ですから、これはもうこれに対して追及もできなかったんですが、いままで防衛庁の長官も五代かわりましたけれども、答弁も若干――閣議決定の三十六年までは実は共同使用してるんだと、これはもうすでにわが国へ返還されるという前提であるということで実は押してきたんです。ところが、最近御存じのように、ほとんど米軍の演習ということはやられておらない。そういうことから、とにかく防衛庁は米軍に対してこの返還についてどれほどの熱意を示して交渉されておるのか。日米合同委員会も開かれておると思いますけれども、その点が私はあきたらないんです。ただずるずるべったりと、閣議決定だから、米軍が使用しなければ――あとで尋ねますけれども――管理権の範囲でこれは使用できるんだと、そういうことでは私は地元はおさまらないと思う。したがって、岸・アイク声明によりアメリカ軍の基地を、特に北富士は問題あるところであるから、政府はどれほど熱意を示してアメリカ軍と交渉されたか、その点の経緯をひとつお聞きしたい。
#56
○国務大臣(松野頼三君) 北富士の演習地が米軍の使用が減るならば、これに対して返還してくれという要求をいたしました。その結果米軍においては、今日の状況で減っちゃおるが、これをゼロにしちゃ困る、演習地をなくすことは困る。その方針が一貫いたしまして昭和三十六年の実は方針になりました。その後、米軍も使用の頻度は減っておりますが、全然使用していないわけでもございませんし、使用してない年もまたございません。非常に減ったことは事実であります。したがいまして、米軍は演習地を全廃することにはいまだに反対であります。ただ、防衛庁と共同使用あるいは防衛庁の演習地として、随時適宜自分のほうの要求に応じられる条件に置けというのが今日までの変わらざる基本線であります。
#57
○山本伊三郎君 それが私は日本政府のまた熱意がないと思うんですよ。私は調査してもらいましたけれども、なるほどわずか二十日か、一年通じて五十日ぐらい使っておるか、二十日ぐらい、それぐらいの使用をしておるのに、依然としてあの広大な地域をアメリカ軍の基地として政府がそのままずるずる認めておるという防衛庁の私は態度、日本の国の防衛庁の態度としてあきたらない。しかも、あれによって一般国民の受ける損害というのは相当あるんですよ。ただ向こうがそう言っとるからしかたないんだという防衛庁の私はその態度に対して、一体防衛庁はどこの国の防衛庁であるか、こういう私はあきたらない意見を持っております。いまの長官も、向こうがそう言っとるんだからしかたないんだという考え方で今後進まれるかどうか、その点もう一ぺん念を押しておきたい。
#58
○国務大臣(松野頼三君) 現在の地位協定から見ますると、名所に現在米軍の使用の頻度が減っているところはあります。減ってるところはありますが、やはりこの地位協定そのものが一つの長期的な観点に立ってるので、絶対に使わないというところについてはそれは返還要求いたしますが、まだ使用可能であり、あるいは使用目的がある、あるいは使用しつつあるというところには、これを拒否することはなかなか今日の状況では私はむずかしいと思います。したがって、自衛隊においては、できる限りその範囲内において努力いたしますが、これは自衛隊というより施設庁のほうの所管でありますので、自衛隊とは所管関係内容は多少違っております。御承知のように、最近防衛庁にこの問題が移管されたばかりで、昔は防衛庁ではありませんでした。そういういきさつからいいますと、防衛庁ばかりを責められますけれども、施設庁としては業務を継続しておりますが、私はそういう考えで、たしかこの前労働大臣したときには、その所管を私がやったような実は記憶がしているのです。そんなふうなことから今日考えてみますと、そうそのなまぬるいということじゃありませんが、やはりその米軍の立場を考えてみますと地元の方にも御協力いただきたいところは多々実はございます。
#59
○山本伊三郎君 それは大臣がそう言われると、実際それじゃあるいは米軍とこの問題で具体的な問題に供して、一体外務省を通じてでもいいが、実際やられているのですか。ただ向こうが言うたからといってこれはしかたがないのだということでは、私はあきたらないと思うのです。この点、どうなんです。
#60
○政府委員(小幡久男君) 富士の演習場につきましては、米軍との間に特別の研究グループをつくりまして、三十七年以来、米軍がもし自衛隊に返還をされて米軍が使用するというふうな前提のもとにおいてどういうふうに米軍は使用の要求があるかというようなディテールにつきまして、現在ずっと審議を続けまして、大綱につきましてはまだ若干妥結点を兄出せないところはございますけれども、三十七年以来両方で相談し合っているようなわけであります。
#61
○山本伊三郎君 これはあなたのほうからも資料もらったのですがね、三十七年には一年を通じてわずか十六日、三十八年は二十三日、それから三十九年については四十七日、そういう程度のものなんですね。したがって、ほとんどがアメリカ軍でなくして、自衛隊がこれは使用しているのですね。しからば、ぼくはもっとはっきりと、かりにいまの場合、私、質問の中で言いましたけれども、返還ができにくいというならば、地位協定をそう無理にこじつけないで、はっきりしなくちゃならぬと思うのです。私への文書答弁では、結局、地位協定第二条4項の(a)については望ましいけれどもそれは無理である、したがって三条の1、いわゆる管理権に基づいて、いわゆる自衛隊が使用しているのだと、こういう解釈ですがね。これは防衛庁、そう言っているけれども、外務省あたりの、あの安保条約改定の当時の、地位協定ができた当時の逐条解釈を見ても、そういうことは出ておらない。非常に無理な解釈をして、何とか理由をつけようということ以外考えられないのですよ。アメリカが管理権を持っているということは、地位協定の第三条の1を見てみなさい。管理権にそういうものは含まれておりませんよ。それを向こうが管理権持っているから、日本の土地でありながら、向こうは管理権があるから、今度は日本のほうに貸してやるのだ。自衛隊だからいいけれども、ほかのほうに貸すというふうな管理権が含まれておりますか、実際問題で。純粋な条約論、法理論からいって、そんなのないですよ。ただ現状やっているから、何とかそこに、まあ、こじつけと申しますか、牽強付会というか、そういうものをつけてこれは文書答弁をされたと思いますが、それじゃ法律学者も納得しないですよ。やるならやるで、やはり地元を納得をさして、契約をするならばするということで、はっきりすべきであるということは、この前の施設庁長官の小野さんにも私は言ったのですよ。よくわかりましたと言っておったのです。それが今度ああいう紛争を起こして、私が文書質問をすると、こういうこじつけの答弁が出ているのですが、これについて施設庁長官、どう思いますか。
#62
○政府委員(小幡久男君) ただいまおっしゃいましたように、現在の使用の法的根拠は何かと申しますと、これはおっしゃるように、われわれとしましては地位協定の三条の管理権によりまして米軍が法的に使用しておるというふうに解釈しておりますが、先ほど山本先生から御指摘がありましたように、使用関係の実態が年を追いましてだんだん米軍と日本の自衛隊との使用回数が逆になってきたことも事実でございます。したがって、この実態にふさわしいような内容にするためには、やはり先ほど来大臣から申しておりますように、自衛隊が使用してその合い間に米軍に使用させるというふうな関係に早く持っていきたいということを念願といたしまして、先ほど来申しておりますように、米軍とも折衝をし、あわせて地元とも使用転換という合いことばでいろいろ御折衝申し上げておるような次第でございます。その点は、そのような実態に即した地位を早く与えたいという念願からのものであるということを御了解願いたいと思います。
#63
○山本伊三郎君 了解しろって私が了解して済む問題じゃないですよ。これは地位協定第三条の解釈をそこまで範囲を広めてやるということは、そもそも地位協定を結んだときには、向こうにそういう管理権を与えるのだから、何とかこれを狭めるといいますか、一つの制限規定として、これを、いわゆる条約を結ばれたと、私はそれをそう広めてやるということは、今後の日本の基地政策上から見て私は禍根を残すと思うのですよ。たまたま自衛隊が使っておるからそういう文句をつけておるけれども、アメリカがそういう管理権というものを乱用してほかにこれを貸すということがあってもこれをどうするのですか。日本の自衛隊が使う場合にはそれはいいのだという文句があるならいいけれども、それは第三条にそういうことをうたっておらない。ただ地位協定、「施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる。」ということであって、そういう広範囲に又貸しするというようなものに解釈すること自体が私は牽強付会だと思うのです、そういう点がね、まあ文書でもらったのだからこれに対して追及できないから切歯扼腕しておったのですが、きょうそれを明らかにしたいと思っているのですが、そういうことでやるということについて、私は防衛庁もあまりにも自己撞着というか、自分勝手な解釈をしておる。条文、地位協定全般についての責任をとる私は解釈でないと思うのです。その点どうですか。
#64
○国務大臣(松野頼三君) これでやっているのが防衛庁以外にも一つ顕著な例は板付飛行場の日本航空への使用。これも実は民間航空ですが、第三条によってアメリカの米軍管理権の中において民間航空の使用を許しております。したがって、防衛庁だけが乱用しているというわけではありませんが、防衛庁が大部分は使用目的が同じなために使っておりますけれども、全然絶無というわけでもありません。ことにまた合同委員会を通じて日米間の合意によってやる、したがって、そう極端なワクが広がるというふうに私は実は思っておりません。もちろんこれは望ましい姿じゃありませんので、今後もこれを縮小すべきだ。そこで正しい文章に直すと第二条に実は変えなければいけないわけです。今度自衛隊として第二条に変える。この姿が実をいうと現状に一番近い姿だ、そうして米軍の使用を逆に許可しますような姿に実は変えたいというので、地元の方にもその話をして米軍にも了解を得て第二条によるほうに変えたい。山本さんのおっしゃるように、第三条ばかりやっているのは北富士に関しては適当でないかもしれません。したがって、第二条に変えたい。その変える交渉を両者に実はしているわけです。米軍にも一方合同委員会を通じて交渉し、地元の方にも使用転換という意味で交渉しておる。また、この交渉が御承知のように、多少まだ解決してないものですから、第二条に実は移管ができないというのが現状であります。
#65
○山本伊三郎君 板付は第三条管理権でやっておるのですか。ぼくの調査では第二条の第四項なんです。
#66
○政府委員(小幡久男君) 板付の民間機の乗り入れにつきましては、エプロンは第二条でありますけれども、滑走路とかそういうものは第三条でやっております。
#67
○山本伊三郎君 いや、ここに、いま、それはあとでぼくが言いますが、第二条第四項、第三条によるものはたくさんある。いま言われた単に板付ばかりではない。板付以外にもたくさんあるのです。ただ単に問題は北富士だけを言っておるのですが、ほかにもたくさんあるのですよ。そういう事態のものがあるからいいというものではないのですよ。私は、大臣はほかにもあるからそれでもいいじゃないか、そういう意味じゃない。ぼくの言っておるのはここに十一カ所ある。こういうものを含めてわれわれ言っておるんだが、たまたまあなたのとり方が何か北富士だけに固執しておる。そういう意味ではないですよ。そういうこと自体がほかにも広がってくるから問題があるといっておるんですよ。私はほかでも管理権をこういう、ふうにやることは妥当ではないと思っておる。そういうものがだんだん広げていってアメリカも管理権をそう乱用されて私はそれでいいという考え方でこれはやむを得ないのだということでは、私はそういう防衛庁の態度に対してあきたらないという追及をしておるんですよ。それがほかにもあるから、これはもう地位協定でやっておるんだからしかたがない。こういう向こうに貸してあるものだから、向こうでかってにやるのだという、こういう政府の態度に私は反省しなければならないということを言っておるのです。その点どうですか。
#68
○国務大臣(松野頼三君) おっしゃるように、こりいうものが原則としてあるということは、私たちも好ましいことではありません。第二条に移管することが正しい姿だと思います。今日までは第二条の適用として十何カ所くらい私もあると思います。しかし、これが違法だというわけではない。しかし、あくまでより明確にするために二条に移管すべきだ。この努力は合同委員会を通じて常に要求いたしております。ただ三条は違法なんだというわけには私は出ない。これは安保条約、地位協定、成立当時からこの基本方針は変わっておりません。ただし、これは例外的で原則でないということは私も承知しております。したがって、なるべく第二条に移管するように交渉する。その期間は第三条によって日本の利用にも供してもらう。このような私は現状だと思います。
#69
○山本伊三郎君 ぼくはそういう態度については納得できない。この違法であるかどうか、私は政府の態度というのは憲法第九条を、そういうことを引用する必要もないと思いますけれどもね、私は立法、条約が締結されたというときの精神というもの、これはある程度はっきりつかんでおかないとですよ、理屈をこねてこれでもいけるのだ、管理権のうちだということは、それは法律学者の中にも両論がありますよ。しかし、それならばあの地位協定をつくったときのあれは、外務省から発行したと思うのですが、あの逐条解釈の中にも若干そういうものを触れておくべきですよ。地元の善良な国民はそういうものをたよりに生活をしておるんですね。防衛庁はそれを管理権にそれは含まれておるからいいのだ、違法ではないというかもしれないけれども、善良な国民はそうは思っておらない。当然あれによって生活をしておるんですよ。土地を貸しておる人とかそういう人は、その地位協定の精神をそのままつかんで、実はいままでいろいろと問題を理解しておるわけだ。それが今度の北富士の一つの問題に発展してきておると思うのですよ、そう思いませんか。あのいまの北富士の問題、私もまだ調査しておりませんが、そうでなければあんな問題起こりませんよ。あなたの言われることが正しいのだというので国民が理解しておるんなら、そういう問題起こってきませんよ。どうなんですか、いま問題にしておる問題はどうなんですか。
#70
○国務大臣(松野頼三君) 認識が不徹底であったというそしりは、私たちも甘んじて受けますが、地位協定違反だという、条約成立当時の問題とは私はこれは別だと思っております。そういうものが条約違反だという解釈は、この地位協定成立当時からこれはございません。ただそういう問題は認識が足らなかったのだ。国民はそう思っておらなかったのだ。この認識の問題はありますが、地位協定の成立当時の解釈として途中で変わったということはこれはございません。
#71
○山本伊三郎君 これは第三条をすらっとじゃなしに沈んで、管理権の範囲というものがどこでそういう合法性があるというものが出てくるんですか。どうも私はそういうことがこの文言の中から出てこないんですね、第三条を幾ら読んでも。制限規定だと私は見ておるんです。管理権を与えた施設、地位、この施設をするということについてこれこれだけはいいだろうということを私はこれで規定しておると思うんですがね。どういうところでそういう解釈ができますか。
#72
○政府委員(小幡久男君) 三条の一項の「合衆国は、施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる。」、この条文でございますが、先生がおっしゃいましたように、たとえば緊急に飛行機が米軍の施設に着陸するとかいうような点はこれは問題ないと思います。そういった一時的な問題は私はこれに該当するものであると思いますが、それのいうところは一番問題の少ないところでございますが、自衛隊が一時的に使用するというようなこともその範囲に入ると思いますが、北富士のように長期的に継続的にやりますようになりますと、やはり好ましいかどうかという点になりますと、先ほど来大臣から申しておりますように、早くその態様を是正をして二条でいきたいというわれわれの考えを持っておるのでありまして、そのためにこそ米軍と折衝する。さらに、民間には、使用転換によりまして自衛隊が主となって借りて余りを米軍に貸すといった正しい姿に返したいと思っているわけであります。
#73
○山本伊三郎君 正しい姿に返したいというそういう考え方が起こるという根拠自体に私は問題があると思うんです。これが違法でない正しいものであるというならば返す必要がないでしょう、そこまで言われるなら。正しい姿に返したいというところに、この解釈に無理があるという下心があるからそういうことが出てくるんですよ、私は率直に言えば。ここで、あなたのほうで文書回答総理大臣を通して私にやったやつを、それを間違いでありましたということを言えないということを知っておりますから、おそらくどうあっても言わないと思いますけれども、正式に国会議員に答弁書を出すならば私はもう少し出し方があると思うんですよ。それは相当政府部内でも検討されたと思いますけれども、安保条約はわれわれ初めからあの問題で携ってきて地位協定一相当論議をした末にできたものですから、われわれはそういうことでよろしゅうございますというようなことは言えないですよ、立場上ね。そもそも基地を与えるということにも、日本の安全ということを前提にして岸総理が相当もうどの会議でも言われたんです。われわれ反対だと言ったけれども、それならば地位協定の中にいろいろの制限規定を設けましょうということで、第二条にいたしましても第三条にいたしましても、あなたがいま第二条ならいいと言うが、第二条でもそう簡単にいきませんよ。第二条の条件というものもみなあるんです。そういうものをそう簡単にこれは、文書答弁だけに私はここで固執しませんけれども、そういう問題を控えていまの地元の問題をどう解決するかということが私の結論です。
 きょうは大臣と初対面ですからそうここでどうこうということを言いません。私は基地を一ぺん――これはさっき委員長にも、雑談でありましたけれども、視察に一ぺん行ってもらいたいということを言いましたけれども、これは行きますけれども、相当防衛庁無理したことをやられておることを聞いておりますけれども、きょうはそれは取り上げません。ただ私は大事に思うことでございますから、聞いたことだけで正式のこの委員会では発言をいたしませんから、一度実地を見てきてその上でひとつはっきりしたいと思うんですが、したがって、きょうはそういう解釈からくるあいまいさから――あいまいさというより、むしろ私はこじつけからくる国民に与える迷惑というものはもっと防衛庁誠意をもって解決しなければいかぬじゃないか。この点を、きょうはたまたま予算委員会があるけれども、防衛庁長官に来てもらって私はそういうことを追求しているわけなんです。この点についてどうですか。
#74
○国務大臣(松野頼三君) 先般も回答申し上げたように、この管理権の範囲内で今日まで処理をしております。また第二条の第四項も、御承知のとおりの条項もありますし、したがって、地位協定の第三条が不明確である、あるいは第三条をもっとこれを明確にすべきであるという議論は私も拝聴します。しかし、地位協定違反だということは、私は、当初から私もこの条約に一議員として参列いたしましたが、その趣旨は私はなかったと思うのです。私も同じように委員会で議員として地位協定一条一条を審議したものでありますが、そのときの解釈とそのときの方向は変わっちゃおりません。ただこれを前提として、これがすべてだという前提じゃなかった。確かにこれは例外的措置だ。そこで第二条とか第三条というものが関連してくるわけだと私は思います。一つ一つぴしゃっといくなら第二条は要らないはずであります。したがって、第二条、第三条が関連するところにその状況に応じてこの問題が取り上げられると私は思います。したがって、この第二条のほうが明確であるというものは第二条にこれを移行するという努力をするほうがいいし、三条違反だ、違反ではない、この解釈もありましょう。われわれは三条違反だとは思っておりません。しかし、管理権をあまりに米軍が乱用されるということは、これはいいことじゃないと私は思います。したがって、合同委員会において両政府の協議ということが実は内容における問題じゃないか。合同委員会というものが、その運営とか法解釈とかいうものを合同委員会できめる、ここが法律に書いてある運用だと私は思います。したがって、法律条文が不明確であるならば、合同委員会でその両政府間の調整をするというのが第三条の趣旨であり、なお第二条には御承知のように、米軍が使用しなかったときはどうするということも書いてあるわけですけれども、一条一条言うならばその一条には談論がありましょうが、地位協定全般の思想としては、私は今日の問題が違法でないことは疑いがありません。ただ運営がまずいじゃないか、徹底させないじゃないか、もう少し関係者にこれを周知徹底させろ、これは私も同感だと思います。その点はおそらく私はこの法律制定当時から明確なものだったと思います。私も、当時大臣でありませんけれども、委員として地位協定、この前の行政協定以来の沿革から私も実は参列した一員であります。
#75
○山本伊三郎君 防衛庁長官はそう言われますが、そういういまのようなケースも認めるのだというようなことは国会の論議になった私は経験はないのです。そういう論議はされておるというならば、それを明示されれば、立法過程においてそういうものを含んだ管理権という了解は得ますけれども、私はそういう論議はされたという――私は政府部内でされたかどうか知りませんが、正式な国会の場で私はそういうことの論議をされたことの経験はないのです。それは議事録を出していただければ、いまのようなケースの場合も管理権に入るのだということが、外務委員会なり、あるいは本委員会なり、衆参を通じてそういう論議をされたかどうか、私はその点の経験がないから、その点どうですか。
#76
○国務大臣(松野頼三君) 主として私たち与党内の議論でありますから、与党が委員会の席上で質問をする機会は非常に少ない機会であります。御承知のように、委員会においては野党の質問のほうがほとんどであります。しかし、われわれは与党としてこの法案を政府から説明を受け議論するときにはこの問題は議論が出たというわけで、速記録は私出ておるかどうか、そこまでは――私も発言したことがありません、速記録に載るような。しかし、この問題は行政協定、地位協定の改定のときから政府部内、与党部内でも私たちは議論いたしました。ただ、与党の方々がなかなか委員会で発言される機会が御承知のように少ないものですから、私も実はその速記録というものもどうか、そこは自信がないのであります。しかし、おそらくこの問題はそういう終始した記録というか、終始した解釈がずっとわれわれは徹底しているという意味を明確に申し上げます。それは終始いたしております。管理権というものが拡大されないように合同委員会というものがここにできておる。そういうふうな合同委員会を通じて管理権に対するチェックをするとか、あるいは運営をするというものが今日までの運用の方針で、これは私がいま言うわけじゃありませんが、この方針は私はそう変わったものじゃないと思います。
#77
○山本伊三郎君 それは大臣は、あのときのことわりを追及するということは幾らでも言えますか、少なくとも国民感情か――国会が承認するということは国民が承認することになるのですが、少なくとも与党内で論議されたからどうこうということは私は言い過ぎだと思うのですよ。やはり国会の審議ということか――これは正式な国会ですから、与党内でどう言われたとか野党内でどう言ったとかいうことは義務の範囲ではない。この国会で論議をされるその過程において論議をされたのが私は参考になると思う、それもすべてではない。それが与党内でやったからどうこうということは、それは私は聞き取れない。そんなものが問題になるのだったら――記録もないやつが問題になりますか。
#78
○国務大臣(松野頼三君) おっしゃるように、私のことばがあるいはあまりに議員的な立場でお答えしたかもしれませんが、もう一つは、たしか福島長官だったと思うのです。当時の福島長官がいずれかに明言をされておるあるいは公文を出しておられる。私はちょっと思い出しましたが、証拠は、本日山本委員に御回答いたしましたのも、ただ無形な回答をしたわけじゃない。明らかに政府としては、これだけの解釈、あれだけの方針がいろいろきまっておるからそれによつて私は御回答したのだ。だからどこで言ったとか言わないで、それはお互い議員の立場ですからお許しいただいて、福島長官のときの法律解釈あるいはこの提案説明、政府部内からの刊行物、国民が知り得る範囲内においてはこれは出しておる、私はかように思います。したがって、この政府からの答弁も、文書をもって自信を持ってお答えしたわけであります。それをひとつ議員同士ですからお聞き取り願いたい。
#79
○山本伊三郎君 福島長官のそれについての見解は、いわゆる旧安保条約いわゆる行政協定のときのやつですね。それは改定になった。ああいう地位協定ということは変わってきたのですからね。このときと地位協定になったときと、相当そのときの考え方は変わってきておる。アメリカ軍の基地に対する考え方というものは、あのときはほとんどアメリカの言うとおりだったのですが、今度の場合はそうはいかないので、安保の改定がなされたのですね。したがって、そういうものだけでは私は納得できない。福島長官の見解がどうだからということを私はそれだけでは納得しない。
#80
○国務大臣(松野頼三君) いませっかくのことでありますし、今後の問題でありますから、もう少し私のほうもこの問題についての速記録なり政府見解なり、国民の知り得る公の文書というものを用意いたしまして、実を言うと大事なことだと私は思います。したがって、その見解は本日預からしていただいて、あらためて私のほうから政府答弁いたしました論拠についてお答えすることのほうが正しいと思います。
#81
○山本伊三郎君 ぼくはそこまでやっぱり謙虚に問題を取り上げていかなくちゃならぬと思うのです。私もここで正式に質問する以上は、いろいろ学者の意見も聞いておるのだし、政府がこうやらざるをいかないだろうということの私は了解もあるのですよ。その上に立ってぼくは発言しておるやつを、大臣はいかにも押えつけたようなことを言うておると、これはもう何時間やってもあなたがあやまるまでは私は追及したいと思うけれども、きょうはそこまでまああやまると何ですから、きょうはこれでおきますが、最後に私の文書説明についてはいろいろと皆さん方の意見を聞きますが、やはり問題は、どう地元のほうを解決するかあるいは法律論はどう解釈するのですか。国民は利害関係、生活に関係あるわけですから、大臣もひとつ私と初めてでありますけれども、北富士の問題については、いろいろ長い間問題があったのですよ。ようやく林野雑産物の補償の問題についても、長い間の経過を経て、地元の納得、了解を得て協力しようということを小野長官のときに手打ちをしたようです。いままた新たに土地対策の問題を中心に問題が起こっていますから、これをひとつ誠意を持って防衛庁としても前向きで、威嚇するのじゃなく、ひとつこれの解決の努力をしてもらいたいと思うのですが、その点、大臣、どうですか。
#82
○国務大臣(松野頼三君) ぜひ山本委員のみならず委員長、理事の方もこの問題については御協力いただきたい。おっしゃるように、理屈詰めばかりでもなかなかいかぬところがあるのです。したがって、当時われわれが真正面から当事者間でなかなか話合いがつかないときには、山梨県知事を実は入れております。しかし、何といいましても、問題が問題だけに、当委員会において委員長はじめ理事の方がおられますから、ひとつあっせんというとおかしいですが、両者の言い分を聞いて円満な御解決も願いたい。なかなか防衛庁長官というと、いままでの防衛庁の方針というものがずっとありまして、そう私が急にどうこうということはなかなかいれられないような立場もありますし、私はとにかく早く解決をすることが一番いいのだ、それには両方とも意見を一歩ずつ下がらなければいけない場所も私はあるのじゃなかろうか。ついては、山本さんも御承知ですが、当委員会の理事の方、委員長の方、一度よくこれの実情を調べていただいてそうして解決をやりたい。お互い大事なときに、こんな問題で紛糾することは、私はよくないと実は思っております。そう私がかたくななことを言っておるわけじゃありませんので、当委員会にひとつお願いいたします。
#83
○山本伊三郎君 それは大体その点は、誠意ではかろうということは認めておりますが、基本的な問題として、もうすでにアメリカがほとんど使用しないという、まあかりに使用が将来あるといっても、いまの税状からいって、やはりほかの基地についてはきょう時間がないから触れられませんでしたが、事北富士に関しましては、ああいう日本の一番国民が崇拝する霊峰と申しますか、富士山のふもとであるから、やはり基地を返してもらうということは、やはり日本国民の私はすべての総意と言うことはいいかどうか知りませんが、願望だと思うのです。ところが、大臣がいろいろやっておると言われますが、私の聞く範囲においては、まあまあということで、あまり積極的に合同委員会にも話題として出さないというような状態で私はないかと思いますので、この点をひとつ閣議なりその他の方面で、基地の問題についてはもっと積極的にひとつ取り上げていただきたいと思います。池田内閣のとき、私は予算委員会で質問いたしまして、基地問題閣僚懇談会ですか何かこしらえて、この問題は根本的にやりますという答弁もあるのですから、この点はひとつ佐藤内閣の防衛庁長官として、この問題とは積極的に取り組んでもらいたいと思うのですがどうですか。
#84
○国務大臣(松野頼三君) おっしゃるとおり、基地問題懇談会というのは、ぜひこれを積極的に進めたい方針でやっております。同時に、ひとついろいろな問題については政府の立場、自衛隊の立場もお考えいただきたい。したがって、アメリカの返還と同時に日本政府の立場、同時に自衛隊の立場もひとつお考えいただいて、共通点というか、解決点は私は出てくるのじゃなかろうか。ただ、一方的な話では、なかなか政府の言うとおり押しつけるわけにもいきません。地元民の言うとおり、地元民の言うことばかりを聞くと政府の行政ができない、そういう場面が各所に、実は基地問題というものは出てまいります。したがって、両者の、両方とも理解ある解決を私ははかりたい、そういう考えでおります。
#85
○山本伊三郎君 これでおきますが、希望も入りますけれども、これは施設庁長官も聞いておいてもらいたいのですが、基地問題、事北富士に関しましては、これは石原理事も十分、私はたびたびやっておるから記憶にあると思いますが、社会党の考え方といういまの基本的な態度を離れてぼくらも解決に努力し協力してきた。したがって、基地反対だという一本やりで地元の人はやっておらない、それはもう施設庁長官も御存じだと思う。そう理を説かずに無理に押えていこうとなるから、地元が反発をしていくということになる。砂川のような基地反対闘争というような形で出ておらないのです、向こうは。そういう点は、大臣もう少し認識をしていただきたいと思う、あの問題を解決をする場合。それならば、もうぼくらは、相当党内においてもこの問題について了解を得ておりますけれども、やはり地元の意向というものを私は尊重して、われわれの基本的な考え方、態度というものは出さずに、何とか――この前の小野長官も、自衛隊としてはどうしてもこの範囲は必要だから何とか話でできぬかという話があったときに、私はもうそらしまして、席をはずしましたけれども、地元の人は、それはひとつ協力して相談して話に乗りましょうという話をしてきたと私に伝えてきた。そういう北富士の特殊性を十分考えられて、そして今後、施設庁長官は、当の責任者でありますから、大臣と相談して、そんな威嚇発砲したり――これはまた問題によっては取り上げますけれども、日本の国民に自衛隊が威嚇発砲するとか、そういうことをやられずに、おとなしく話をするように解決に努力してもらいたいと思うんですが、最後にその点だけ一つ。
#86
○国務大臣(松野頼三君) 円満に解決するように私たちも努力いたします。
#87
○委員長(柴田栄君) 伊藤君。
#88
○伊藤顕道君 いままで基地問題の一環として北富士問題についての質疑が行なわれたわけですが、私もこの基地問題に関連して一、二お伺いしておきたいと思うわけです。
 その前にまずお伺いしたいのは、政府は公務員などにいわゆる順法精神を相当強調しておるわけです。ところが、政府自体はどうも、たとえば国会の場で公約されたことをなかなか実現されない、そういう具体的な事例が多いわけです。せっかく国会の場で公約されたことが何年たっても実現されない。北富士の問題もその一つであろうと思う。これは当委員会で長年論議されてきたわけです。それから、後ほど一、二お伺いしますが、太田大泉の飛行場返還の問題もその一つです。というふうに、それぞれ当時の責任者から相当責任のある発言があり、しかも期日まで明確にして返還を公約されたことが、五年たっても六年たってもいまだに実現されないという具体的な事例があまりにも多いわけです。これではせっかく委員会で審議を重ねても全く意味がないのではないか。なおことばを進めれば、国会軽視のそしりを免れないと思うのです、そういう観点からすれば。こういう点、基本的な問題について、長官としては一体どういうふうにお考えですか。
#89
○国務大臣(松野頼三君) 政府としていままで公約したことが実現できなかった――全然できないというものは、私は、あまり事例はありませんが、努力してみて、一年延ばし、二年延ばしで基本的解決が手間どったというのはたくさん私はあると思います。基本的解決がなかなかできなかった。しかし、その間において何もしなかったわけではありません。その間に、関係者には御了解を得て、それではもう一年この現状でいこう、来年また解決案を考えよう、来年できないものは翌年、また一年延ばし、一年延ばしというものは、これはやはり事例によってはたくさんあると思います。しかし、法律違反を犯したとか、あるいは順法精神を政府みずから破ったというものとは、おのずから――関係者かありますので、やはり片一方の人は賛成されても片一方のほうが反対すると、移転問題というのはなかなかできません。そういうので、実はまん中にはさまって苦労している姿がたくさんあります。期日を約束したのに解決できなかった――期日を目途に努力はしますが、やはり利害者というのは、右に賛成があれば左は反対する、移転問題では、片一方は立ちのき、片一方は誘致反対というのが基地問題では実は多々あります。したがって、解決ができないじゃないか――それはやはり利害者が両方にあるものですから、なかなかうまくぴしゃっといかない、移転しようと思ってもなかなかできない問題があります。それは御了承いただきたいと私は思う。
#90
○伊藤顕道君 それでは、具体的な例を申し上げますが、赤城さんがその当時防衛庁長官に就任されたのは昭和三十四年から三十五年にかけてだったと記憶しているわけです。それから数えてもう足かけ六年になるわけです。三十五年から起算しても……。それと、さらに長官は、もうあなたで、赤城さんから起算すると八代目になるわけです、そこでお伺いするわけですが、三十五年に赤城さんが、これは議事録を後ほど見ていただけばわかりますが、いろいろ太田大泉米軍の飛行場返還問題で私が追及している中でこういう約束をされているわけです。てにをはまで合っているかどうか、意味はこういう意味です。おそくも明春三月ごろまでには返還できるよう努力いたしますと、こういう公約をなさっておるわけです。三十五年に。次の江崎長官についても、これは当時の調達庁長官は丸山さんだったです、そこで、お二人で相談して、この問題は緊急に解決しなければならない問題だと丸山調達庁長官も言われておるので、緊急に解決するよういたしますと、こういう意味の御答弁があったわけです。それから起算してももう五年ほどたっておるわけです。以後西村さんと藤枝さん、志賀さん、福田さん、小泉さん、松野さんと、ちょうど八代目になるわけです。その間にようやくこれで済むかと思うとまた白紙に戻って太田大泉の問題は繰り返し繰り返し行なわれてきたわけです。あまり繰り返し繰り返し行なわれるので、与党の委員の皆さんも、まだやっておるのですかと、まだ解決しませんかという発言があるほど、ことほどさようにこの問題は公約が不履行のままになっておるわけで、やはり国会の場で公約したことが、それが行なわれないということは、法律と公約とはもちろん違いますけれども、精神には変わりないと思います。そういう政府自体が公務員に順法精神を強調するという資格はないと思うのだ。私は、約束はきちんきちんと守る、それで初めて順法精神を強調する立場になり得ると、こういうふうに考えるわけです。一体この太田大泉飛行場の問題がどうなったのか、いろいろ情勢を聞くと、群馬百六十万県民があげて熱望しておるわけです。県議会でも何回も決議がなされておる。地元では、もう、私が赤城さんについて質問したことに対する約束で工場施設計画まで着々と進めて待機しておるわけです。ところがさっぱり実現しない。はかり知れない物心町面にわたる損害を現地の方々は受けておるわけです。こういう実情の中で先般委員長はじめとして私ども視察にも行ってまいったわけですけれども、何とか代替地を見つけて返還できるようにしたいと。そこで、現地の訓練も、これは物資投下訓練、ただ単なる飛行訓練ではないわけです。物資を投下する訓練で、これは太田はもちろん市ですから、相当周辺には人口が細密しておるわけです。人間の住んでいる頭の上で物資投下訓練が繰り返し行なわれている。しかもその間誤投事件が何回か繰り返されたわけです。あるときはジープが頭の上に落ちてきたり、あるときは電気通信機が落ちたり、ドラムかんが落ちたり、幸い、不幸中の幸いで人畜の被害はほとんどなかったわけです。まあ、それは幸いでしたが、それで、訓練をあまり行なわれていない、私が当委員会で質問すると、翌日必ずと言ってもいいくらい訓練が行なわれる。ふだんはあまり行なわれない、これが実情です。こういう中でこちらは根負けしてしばらくやっていないと、これ幸いとばかりさっぱり事態は進んでいない。こういうことではいかぬと思うんです。やはり誠意をもって一体どのように具体的に解決のために努力しておるのか、その誠意を伺いたいと思うんです。もちろん相手は米軍です。だから簡単にはいかぬでしょうけれども、日米合同委員会施設委員会というのは隔週に持たれておるわけです。もう毎回そういう機会はあるわけです。相当の決意をもって当たられたら、――もう五年、六年たって八代の長官がかわっておる、この中で一つの公約されたことがいまだに解決してないこれは現実ですから、これではいかぬと思うんですね。先ほど山本委員から追及になった北富士の問題もそうです。当時の責任者は相当約束をかわしておるわけです。早急に解決するよう努力いたしますということは繰り返してきたわけですね。北富士にしろ、この太田大泉の問題にしろ、なかなか公約は実現していないと、これが現状です。これではいかぬと思うんです。一体太田大泉の問題はその後どのように具体的に取り組んでおられるのか、このことを、こまかい点はけっこうですが、その大綱をお聞かせいただきたいわけです。
#91
○政府委員(小幡久男君) 太田大泉につきましては、もう伊藤先生が従来からいろいろお骨折りいただいてることは、私も責任の衝にあります前から存じ上げております。したがいまして、この経緯につきましては関心を持っておりましたところ、今度その責任に当たることになったわけでありますが、私、防衛施設庁長官を拝命いたしましてから、その頭がありますものですから、すぐ現場へ飛んでまいりまして、実地見聞をいたしました。それから、いろいろ従来の経緯を部内から聴取いたしましたところ、これはもう伊藤先生よく御存じでございますが、一時は代替地を出して、それが地元側のいろいろな意見によって実現しなかったり、あるいは既存の施設等を向こう側に十カ所余り提示いたしまして、いろいろ調査をやったんですが、それがいかなかったり、いろいろ努力は私が見ますところ十分尽くしておると思っておりますが、いずれもうまくいかなかったのでありますが、私は自分の責任上、何とかやはりこれは努力しにゃいかぬだろうということを感じまして、一度断わられました既存の施設区域につきましてさらにもう一度検討いたしまして、二十日ほど前に私の責任で候補地をトーキングペーパーで向こう側に出しております。現在回答を待っておりますが、これにつきましては先生もおっしゃいますように、しかく簡単にはいかぬと思いますけれども、いろいろ手を尽くして努力したい所存であります。
#92
○伊藤顕道君 これは私自体も、この問題は三十五年から取り組んできたわけですけれども、そう簡単に解決する問題とは考えていないわけです。だから、五年もこう隠忍、忍びかたきを忍んで今日にきたわけですね。しかし、いかに難問題といえども、これは具体的に隔週にある施設委員会で強調すれば、誠意が通じないことはないと思う。しかも米軍側では適当な代替地があればいつでも返還すると、そこまでは解決しておるわけです。その代替地を新たにたとえば農地などをつぶして進めるということも一つの案でしょう。これはなかなか容易じゃない。だからわれわれとしては、既設のいわゆる基地を代替地として、そこで併用的に行なうと、こういう代替地には二色あろうと思う。新たに土地を建設して、これはなかなかいまの事態では容易じゃない。これは農耕地をつぶして、これを買収するとかいう問題が起きてきますから、必ず地元は反対するのでしょう。これは実現、おぼつかない。ただし米軍の施設なり自衛隊の施設なり、既設の基地を適当に勘案して、これを解決に結びつけると、こういう方法もあるわけですね。そこで防衛庁としては一体具体的にはどういう方向で取り組んでおられるのか、この点お伺いしたいと思います。
#93
○政府委員(小幡久男君) ただいま申しましたように、まあ、具体的な名前はちょっと差し控えたいと思いますが、われわれが二度断わられましたが、なおもう一ぺん再考慮してほしいという候補地をさらに選定いたしまして向こう側に申し入れております。ただ先生も御承知のように、現在少なく利用しているとは申しましても、一月に九日平均は利用しておられるのでありまして、その利用も、投下物のほかに落下傘要員も降下しておりますので、やはり地形とか気象とか、あるいは落ちた物を運んで補給部隊に持って帰るというような点で、いろいろ条件があるわけであります。そういった条件を満たす範囲で、既設の施設区域の中から適当なものを選ぶということにつきましては、やはり両方が相当検討し合って、相当お互いに譲り合って話し合わぬとできぬ問題でありますが、そういう点、どこまでいけるか、非常に困難でございますけれども、現在まあせっかく折衝中でございます。
#94
○伊藤顕道君 まあ、五年、六年の間、いつも同じような答弁を聞いてきたわけですけれどもね、検討いたします、検討いたします――検討していただくのはたいへんけっこうなんですがね、やはり五年も六年もまだ検討中、まだ検討中じゃなかなかそういうことではものは解決せぬと思うのです。そこでですね、一体具体的にはどういう方向で進めているのかということになると、いま既設の基地を利用するような方向でいっているようですが、一体見通しはあるのかないのか、これは防衛庁の関係の方が、むろん専門の方々が調査されるわけだ。検討されるわけだ。米軍も同様ですね。しろうとが検討するわけじゃないですから、四年も五年も六年も検討していれば、もう結論が出てよさそうに思うのですがね。しろうとの調査と違いますから、もう専門家の視野で、北海道から九州までの間ということになるわけですね、米軍の日本における基地ということになると。そういうことになれば狭い日本のこの四つの島のうちでですね、専門家が四年も五年もかかって、まだ適当な代替地がきまらぬということでは、なかなか簡単に了解できない、もう検討いたしますということは、もうずいぶん聞き続けてきたわけですから、もうこの段階で具体化してしかるべきだと思うのですがね。
#95
○政府委員(小幡久男君) 先ほども触れましたように、約十カ所程度以前に提示いたしまして、それが両方の調査で断わられたことは事実でございます。しかしながら、なおかつその中から数カ所選びまして、さらに周密な合同調査をやりたいという希望を向こう側に申し入れていると、こういう段階であります。
#96
○伊藤顕道君 そこで大体見通しはどうなんですか。これなら米軍が認めそうだと、これはむろんいろいろな角度から交渉するであろうと当然考えられるわけですけれども、やはり日本の国土は狭いのですからね、広い国から来た米軍が、自国の広いところでぜいたくな思う存分の広さを要求するということになると、結局実現はなかなか見通しがないということになる。だから米軍にもそうわがまま言わないで、ある程度でがまんしてもらう。どうしても広いところが必要なら、アメリカへ帰ってやればいいので、狭い日本におって基地をほしいというならば、やはり狭いところへ一億になんなんとする人口がいるわけですからね。どこへ行ったって人間が住んでいる。人間の住んでいる頭の上で物資投下訓練やられたのじゃこれはたまらない。そういう条件が違うわけですからね。アメリカ本土と。したがって、狭い日本の領土に人口は稠密だと、こういう状況下で、しかも人間の住んでいる頭の上では物資投下訓練はできない、こういうことになればおのずから土地の制約が出てくると思うんですね。そういう条件で、それは太田のような例がいい例であって、もうあやまちは繰り返しませんと言って誤投事件が四件も五件も起きておるわけですね。そのつどあやまちは今後はいたしませんと言って繰り返されておる。これは佐藤総理の言われる人命尊重の問題にもつながる問題であります。それにも逆行することになるわけですね。したがって、私がここでお伺いしておるのは、相当ひとつ煮詰めて問題を具体的にしぼって、相当強い態度で、アメリカにとにかくぜいたくな条件を出さぬで、日本の事情を話さぬでももうわかっているはずなんですから、よくその点を強調して、もうこのぐらいでというところで話し合いをつけない限り――もうこれは五、六年たったわけですね。まだまだそんな交渉の程度では今後も解決期待できないと思いますね。やはりいままで五年の経緯から見てですね、よほど抜本的な態度で臨まぬ限りは解決しないと思うのです。ひとつ、そういう点を踏まえて今後強く交渉を進めていただく、また具体的のひとつ良策をしぼってお答えいただきたい。
#97
○政府委員(小幡久男君) これにつきましては先ほど来申しましたように、私も経緯はよく存じておりますので、事の難易は別といたしまして、努力したいと思っておりますが、ひとつ心にとどめておいてほしいのは、いまの米軍基地の相模の補給処からそう遠くないという条件がついておりますので、全国一円に場所をさがすというわけにまいらぬ点がございますので、関東地方が中心になると思いますので、その点難渋いたしておるわけでございます。いま先生の御意見もありましたように、その点はそういうものとしながらも努力をしたいということをここで申し上げます。
#98
○委員長(柴田栄君) ほかに御発言もないようですから、本件につきましては本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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