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#1
第049回国会 地方行政委員会 第3号
昭和四十年八月十一日(水曜日)
   午後一時二十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 八月十日
    辞任         補欠選任
     高橋文五郎君     近藤 鶴代君
 八月十一日
    辞任         補欠選任
     近藤 鶴代君     高橋文五郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         天坊 裕彦君
    理 事
                小林 武治君
                沢田 一精君
                加瀬  完君
                原田  立君
    委 員
               大野木秀次郎君
                小柳 牧衞君
                高橋文五郎君
                津島 文治君
                占部 秀男君
                鈴木  壽君
                林  虎雄君
                松澤 兼人君
                松本 賢一君
                市川 房枝君
  政府委員
       総理府人事局長  増子 正宏君
       警察庁警備局長  秦野  章君
       自治政務次官   大西 正男君
       自治大臣官房長  松島 五郎君
       自治省行政局長  佐久間 彊君
       自治省財政局長  柴田  護君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治省財政局財
       政課長      岡田 純夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○旧樺太引揚市町村吏員の退隠料等支給に関する
 請願(第四号)(第一七号)(第一〇二号)
○地方交付税率引上げに関する請願(第二一号)
 (第八一号)
○国の委託、委任事務費増額に関する請願(第二
 二号)
○地方公務員の定年制実施に関する請願(第二三
 号)
○たばこ消費税の税率引上げに関する請願(第八
 三号)
○大衆に関する料理飲食等消費税減免に関する請
 願(第一〇三号)(第一二五号)(第一四〇
 号)(第一四一号)(第一四二号)(第一四六
 号)(第一四七号)(第一四八号)(第一四九
 号)(第一五〇号)(第一五一号)(第一六三
 号)(第一六四号)(第一六五号)(第一七八
 号)
○固定資産の売買価格評価廃止等に関する請願
 (第一二四号)
○市町村の退職年金等受給者の処遇改善に関する
 請願(第一六七号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
○地方行政の改革に関する調査
 (地方公共団体の議長の交際費問題、地方財政
 問題及び地方公務員の給与問題等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、請願二十五件の審査を行ないます。
 先ほど委員長及び理事打ち合わせ会において御協議をいただきましたものにつきまして、専門員から簡単に報告をいたさせます。
#3
○専門員(鈴木武君) 御報告いたします。
 請願第四号外二件、旧樺太引揚市町村吏員の退隠料等支給に関する請願、採択。第二三号、地方公務員の定年制実施に関する請願、留保。第一六七号、市町村の退職年金等受給者の処遇改善に関する請願、採択。第二一号、地方交付税率引上げに関する請願、採択。第二二号、国の委託、委任事務費増額に関する請願、採択。第八一号、地方交付税率引上げに関する請願、採択。第八三号、たばこ消費税の税率引上げに関する請願、採択。第一〇三号外十四件、大衆に関する料理飲食等消費税減免に関する請願、採択。第一二四号、固定資産の売買価格評価廃止等に関する請願、留保。
 以上でございます。
#4
○委員長(天坊裕彦君) ただいまの報告どおり決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(天坊裕彦君) 御異議ないと認め、さよう決します。
 それでは、採択に決定いたしました請願は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものとし、他は留保するものと決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(天坊裕彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書につきましては、先例により、委員長に御一任を願います。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(天坊裕彦君) 次に、閉会中の継続調査並びに委員派遣についておはかりいたします。
 閉会中の継続調査は、これを行なうこととし、その要求書の取り扱い並びに閉会中の委員派遣につきましては、いずれも委員長に御一任を願いたいと存じますが、さよう決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(天坊裕彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(天坊裕彦君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
 なお、政府側からは大西自治政務次官、佐久間行政局長、柴田財政局長、秦野警察庁警備局長並びに佐藤主計官が出席いたしております。
#10
○原田立君 公安条例のことでちょっとお伺いしたいのですが、今度の東京都議会の改選にあたって、社会党が第一党になり、革新勢力が伸びて、そうして新聞で伝えられるところによると、公安条例を廃棄しようというような、そういう動きが新聞で報道されておりますが、このことに関して、もし東京都の集団行進及び集団示威運動に関する条例、これが廃棄になったような場合、国としてはどういうふうにするのかという点についてまずお伺いしたいと思います。
#11
○政府委員(秦野章君) 公安条例の制定、これは都府県をはじめ、自治体の中にその自治法規として制定されておりますところがかなりあるのでありますけれども、この公安条例が制定されました理由と申しますか、これはいわゆる集団行動が無秩序、無制限に行なわれるというようなことが、今日の、特に大都会の実情から申しまして、公共の上に非常に危険があるということが、こういうものが制定された一般的な理由になっていると思うのでありますけれども、公安条例が、御質問のように廃止されたならばどういうことになるかということにつきましては、公安条例以外の法令に基づいて、結局これに対処をしていくということになるわけでございます。そういうことになりますというと、いわゆる集団行動に対しまして、公安条例以外の法令で対処していくという場合には、たとえば道路交通法、これが道路の場合にまず根拠法規になってくるわけでございますが、道路交通法は、言うまでもなくこれは道路における危険の防止、安全ということが道交法の趣旨でございますので、道路上の、交通の危険ということと関係のない事柄については、いかんともしがたいのでございます。たとえば集団示威運動というようなことは、最近の情勢ではそういうものはほとんどなく、平穏でございますけれども、かつての事例で申し上げますというと、たとえばプラカードの先をとがらせて持っているとか、あるいはこん棒のようなものをデモ隊が持っているとかいったようなことは、道路交通法上の安全、危険ということではございませんので、道交法に基づいてこれにそういうものを持ってはいけないというような条件を付するということはできないのでございます。また、道交法に基づきまして警察署長が許可をすれば、集団行進等もできるということでありますけれども、この警察署長の許可も、時間の余裕がございませんで、急に許可申請を持ってこられて、これを許可するといったような場合に、いわゆる集団行動の性質などから考えて、やはりある程度の警察官が警備配備をしなければいけないというような場合にも、時間的余裕がないのであります。公安条例では、東京都の例で申しますと、もう七十二時間前に申請をしなければいけないということになっておるわけでございます。道交法の署長の許可では、そういう時間的な余裕もございません。それからまた、じぐざぐ行進とか、いわゆるフランスデモとかいうもののはなはだしいもので、道路一ぱいにデモが非常に乱れて行なわれるといったような場合に、道交法によれば、これを検挙すればいいんじゃないかということも言えるわけですけれども、問題は、そういうものを一々逮捕するとか検挙するとかいうことよりも、でき得るならばそういうような検挙とか逮捕じゃなくして、警告なり実力行使によって、規制によって適正なと申しますか、そう常軌を逸しないようなデモに規制をするということで足りるわけでございまして、そういうような実力規制というようなことも必要なわけでございます。違反をこせばこれをすぐ現行犯逮捕すればいいんだというような、そういう科罰行為として処罰をすればいいんだというようなことだけでは、こういう事態というものを十分に処置していくということはむずかしいのでございますし、また、必ずしも時宜に適したものだとはいえないと思うのであります。そういうようなことで、やはり適当な実力規制をするというようなことが、東京の公安条例の中にそういう根拠の規定がございますけれども、道交法だと、そういうものはございません。それからまたこの実力規制は、いわゆる警職法に基づいて、いわゆる制止ということでできるのではないかという意見もございます。公安条例がなくなれば、結局そういうものは警職法に基づくところの制止権ということで規制をすればいいんだということもあるわけでございますけれども、この警職法の制止権を警察官が発動する場合には、厳重な条件がございまして、これは生命、身体に危険がある、財産に重大な危険がある、しかもそれらも急を要するというような、厳重な条件がございまして、そういうような条件のもとに制止権を行なう、実力規制を行なうというようなことでは、そのような事態というものは、制止することの効果がほとんど全うできないという事態のように考えられます。したがって、やはり警職法の制止ということでは、非常にきびしい条件のもとで、集団に対する関係では実行が非常にむずかしい。大体は警職法の場合にはそう大きな集団を対象に考えられてはいないのではないかというふうに私どもも考えるのでありますけれども、非常にむずかしいところがございます。それからまた、一般その他の法規で、たとえば刑罰法でいいますと、刑法だとかあるいはその他の暴力行為取り締まりの法律とか、いろいろございます。しかし、いずれにしても、こういった法律は、犯罪、違反というものが行なわれて、そのあとで検挙するということでございますので、やはり問題は集団の場合に、犯罪が行なわれてしまったあとでこれを処置するというようなことでは、公共の安全を保持するという見地から申しますと、非常に問題があるというふうに思うのでございます。最高裁判所が昭和三十五年の七月二十日に公安条例が合憲であるという判決を下したわけでございますけれども、この判決の中に言われていることばを、御参考までにちょっと申し上げますが、「平穏静粛な集団であっても、時に昂奮、激昂の渦中に巻きこまれ、」 「勢いの赴くところ実力によって法と秩序を蹂躪し、集団行動の指揮者はもちろん警察力を以てしても如何ともし得ないような事態に発展する危険が存在すること、群集心理の法則と現実の経験に徴して明らかである。」というふうに、集団行動の性格を言っておるわけでございますけれども、そういうような集団行動の集団の性格というものを前提に考えます場合には、やはり最高裁判所が言っているように、憲法上の集会、表現の自由、非常に大切な権利ではございまけれども、公共の福祉という見地から、公共の安寧を保持するという見地から、やはり最小限の規制をするということは妥当であるという考え方が示されておるわけでございますけれども、そういうことで、やはり公安条例という特別の法規でこれに対するということでないと十分ではないというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#12
○原田立君 いろいろ詳しい御説明があったわけですが、そうすると、公安条例がもし廃棄になっても十分やり得る、こういうことですね。
#13
○政府委員(秦野章君) ただいま申し上げましたように、公安条例がなくなりますと、いわゆる集団運動の何と申しますか、取り締まりというか、そういうものに非常に困難を来たすということを、ただいまいろんな角度から申し上げたわけでございまして、繰り返すことになりますけれども、いわゆる道路交通法だとか、あるいはまた、その他一般の法律でもって、あるいは特別法等を活用したところで、やはり先ほど申し上げましたように、たとえばデモが行くときに、危険なものを持っているときに、これを一町預かるとか、あるいはまた、集団行動でございますから、ある程度秩序立った集団行進でないと、最高裁が言っていますように、ときにやっぱりエキサイトして、それが激発して一種の潜在的な物力が表に出ることがあるのですけれども、そういうようなことを予防する上にも、梯団を組ませるとか、適当な指揮者についてもらうとかといったような条件をつけてもらうことを公案条例でもって現在実施しておるわけでございます。そういうことが全然できなくなってしまうということになりますと、やはり私は非常に問題がある、危険があるというふうに考えるのであります。
#14
○原田立君 七十二時間前の許可個になっておるわけですけれども、これは、ただ単に届出だけするというような、そういう簡単なことにはならないですか。
#15
○政府委員(秦野章君) お説のとおり公安条例に基づいて許可をするというたてまえになっておるわけでございますが、これは東京都の場合の公安条例の条文の中にも書いてございますが、いわゆる集団運動が公共の安寧を保持する上に直接危険を及ぼすと明らかに認められる場合のほかは、これを許可しなくちゃならないということになっておりまして、つまり直接危険を及ぼすことが明らかに認められない場合は許可しなくちゃならない、許可することが義務になっておりまして、これはしたがって実際には届け出とほとんど変わりがないような扱いになっておるわけでございます。それならお説のとおり届け出ということでいいのではないかということもあるわけでございます。その点につきましては、やはり許可申請、許可ということにしておいていただいて、そうして申請されてきたその集団運動なら集団運動についての規模とか態様とか、あるいはやる場所だとか、そういったものをひとつ審査しまして、そうしてもちろん所定の期間内に許可するわけですけれども、やはりそういう審査期間をとる、とらしてもらう、審査さしてもらうというふうにしていただかないと、やはり治安の立場から申しますと、非常にやりにくい状況がある。具体的に申し上げますと、これはときどきあるのですけれども、デモなどで、左翼のデモの申請があると同時に、同じようなところで右翼がデモをやる、をやるといったような、左右衝突するといったような状況で申請が出る場合がございますが、これを届け出でやりますと、届け出たからいいということになって始まると困りますので、やはりそういうものを調節をして、そうして危険な事態を未然に防止するというような必要もございますので、やはり許可制ということにして、しかも実質的にはもう届け出と同じような運用をはかるということがやはり理想的ではなかろうかというふうに考えておるのであります。
#16
○原田立君 いろいろと御説明ありましたけれども、一般都民として見れば、ああいう喧騒にわたり、乱暴な行為等は欲しない、これははっきりしていると思います。今後ともしっかりがんばってもらいたいと思います。
 それから首都圏庁の問題でお伺いしたいと思いますが、過日の本会議で、佐藤総理は、首都圏庁については、東京都の担当大臣はつくらない。あるいは別の官庁等も制度上も別に考えていない、こういうような御回答があったわけでありますが、臨時行政調査会の答申書が二年くらい前に出ているはずでありますが、この答申を受け取って、政府はどういうふうに研究なさっているのか、その点についてお伺いしたい。
#17
○政府委員(佐久間彊君) 政府におきましては、臨時行政調査会の答申を、政府といたしましてどういうふうにこれを実現をしていくかということを検討いたしますために、内閣に行政改革本部というものを閣議決定によって設置されております。この行政改革本部におきまして、首都行政改革に関する臨時行政調査会の意見をまず最初に取り上げられまして、一昨年から昨年にかけましていろいろ検討をされたのでございます。で、行政改革本部といたしましては、できるだけ答申の趣旨を実現するという方向で、関係各省庁の意見をも徴して一つの試案をつくったのでございますが、さらにこれにつきましていろいろ検討を加えておられる段階で、国会に提案をして御審議を受けるというところまで至っていないのが現状でございます。
#18
○原田立君 何か説明がよくわからないのですよ。この臨時行政調査会の答申書によると、国務大臣ははっきり置けというふうに勧告文の中に出ているわけですね。これに対して佐藤総理は、担当大臣はつくらない、こういうふうに答えたのではないかと思いますけれども、そこら辺の関係はどうですか。
#19
○政府委員(佐久間彊君) 首都圏庁そのものの主管庁と申しますか、これは行政管理庁でございまするので、私、正確に詳しい事情までは存じておりませんけれども、私の承知いたしております範囲と申しますのは、内閣の行政改革本部におきましてこの案を検討いたしておりました段階におきましては、臨時行政調査会の答申どおり首都圏整備庁を置いて、その長官には国務大臣を充てるということでございました。
#20
○原田立君 そうすると、地方行政、地方の分権ですね、そういうふうなことで、これは憲法にちゃんとうたわれているわけですが、何となしに首都圏庁が、そういう憲法に保障された地方の権利といいますか、それをそこなうような感じを持つわけなんです。その大きな一つの理由として、現在、都知事があったとしても、都議会というものがあったとしても、その大半の予算を組むときなどは首都圏庁の長官が認証するというようなことの案が出ておるわけなんです。この運用にあたって、予算関係については、一体どんなふうに裏づけされていくのか、この点について……。
#21
○政府委員(佐久間彊君) まだ政府として成案を得ておる段階でございませんので、そういう前提でお聞きとりいただきたいと存じますが、第一の御指摘になりました点につきましては、臨時行政調査会の答申そのものが、地方自治を尊重するということにつきまして非常な配慮をされております。私ども地方行政を担当いたしております者といたしましても、この首都圏庁構想が、東京都の地方自治を侵害するという形でできますことにつきましては反対の意見を持っておるわけでございます。しかるところ、この臨時行政調査会の答申を拝見いたしますと、東京都の持っておる自治を侵害するのじゃなくて、首都圏に関する国の各省庁間の施策が、ともすれば相互連絡を欠いてばらばらになり、政府としての総合調整に欠けるところがある。そういう点を改選をしなければいかぬということに、この首都圏庁の構想のねらいを置いておるように拝承いたしておるわけでございます。したがいまして、臨時行政調査会の精神をくんで具体化いたします場合には、これが東京都の自治を侵害するというようなことにはならないと、かように存じておるわけでございます。
 それから第二の点の予算の点でございますが、臨時行政調査会の答申に、首都圏庁長官の認証ということでございましたか、首都圏に関する各省庁の予算につきまして、ある特定のものにつきましては、首都圏庁長官の承認を得るというようなことを考えておるようでございます。これは首都圏に関する予算の執行につきまして、首都圏庁長官が各省間の総合調整をしていこうと、こういう趣旨でございまするので、この点も、東京都自体の自治体としての予算について首都圏長官が認証を与えるというようなことではないかと存じております。
#22
○原田立君 それから国民健康保険及び地方公営企業が非常に赤字になってたいへん困っておるのが現状でありますけれども、特に国民健康保険では、非常に大きな赤字を出している団体が数多くあります。三十九年度は、何とか、百五十一億ですか、四十年度に使うものを繰り入れたので、赤字団体はたいへん少なくなったというようなお話でありますけれども、ではその四十年度の予算措置は一体どうなるのかというと、これまたはっきりしておりません。こういうふうなことでは、常に地方自治団体が一般会計よりやり繰りしている現状で、もう財政が非常にどんどん圧迫されてしまう。これに対して根本的に改革していくのに、一体どういうような腹案を持っておられるかお伺いしたい。
#23
○政府委員(柴田護君) お話のように、国民健康保険会計がだんだん悪くなってまいりましたので、地方団体といたしましては、非常に運営に困っておるわけでございます。何が原因で国民健康保険会計が悪くなってきたか、原因はいろいろございますけれども、私どもの考えでは、やはり一般会計から繰り出しおります金額というものは、これは表面上は赤字ではございませんけれども、国民健康保険会計というもののたてまえからいいますならば、やはり赤字として考えるべきものである。つまり実質的な赤字と見るべきものである、かように考えるわけでありまして、その前提に立って見てまいりますと、昭和三十八年度の決算でも百億を上回る額が出てまいっておる。この原因というのは、やっぱりいろいろあるわけでございますけれども、たとえば事務費というのは国庫で負担するというたてまえになっておりますけれども、それが実際と非常に大きな開きがある。あるいはまた調整交付金というのがございますけれども、性格からいいますならば、調整交付金というのは、一般会計におきまする平衡交付金なりあるいは交付税的な財源調整的な機能を果たすべきものでありますが、それが十分果たされていない。また、大都市等におきましては、移動が激しくて、なかなか被保険者の保険料というものが十分つかめない。あるいはつかんでおりましても徴収がむずかしいといったような問題があるわけでございます。したがって、国民健康保険の財政の問題を片づけます場合には、当面やはりこういった問題点を洗って、そうして従来の問題はともかくとして、今後は国民健康保険会計の中で健全な運営ができるような措置をとるということを第一義的に考えていかざるを得ない、しかし、それで問題が片づくかといいますと、あるいは片づかないかもしれません。そうなってまいりますと、国民健康保険会計というよりも、国民健康保険自身のあり方というものをどう考えるかということになってまいるわけであります。主管省といたしましては厚生省でございますけれども、私どもといたしましても、財政的に至大の関連を持つものでございますので、深甚な注意をもって関係省庁等と折衝を続けておるわけでございます。当面は、やはり国庫負担金というもののあり方というものと同時に、保険村政運営上の地方団体側の問題点というものを中心として解決していかねばならぬというように考えるわけでございます。
#24
○原田立君 先ほどちょっと申し上げたところですけれども、百五十一億ですか、赤字のところに入れて、それでだいぶ黒字になったと、そのお金が四十年度の先食いで払って使っている、そうするとまた四十年度はそれだけ穴があくわけですけれども、それについてはどうなさるのですか。
#25
○政府委員(柴田護君) 先般、予備費から支払われました調整交付金については、国民健康保険財政の窮状を考えて特に措置したということで、それは実体的には三十九年度の調整交付金の不足分というものを中心に考えて支出されたものであります。御承知のように、それによって四十年度の問題、四十年度にどういうことになるかという問題が片づいたわけではございませんし、まだ給付費の国庫負担費が現在予算計上されております額でもって十分かどうかということにつきましても問題があるわけであります。したがって、それらのものにつきましては、主管省であります厚生省当局から、地方の財政的措置の要求が大蔵当局に対してあるであろうと、私どもといたしましては考えている次第であります。
#26
○原田立君 四十年度も三十九年度と同じようにまた赤字が出てくるのじゃないかというふうに考えるわけです、国保で。また昭和三十八年までのいわゆる累積赤字、これの解消もまだはっきりしていないはずだと思うのです。こういうふうに地方財政を非常に圧迫する動きが今後ますます増大してくるのじゃないかというふうに考えるわけですけれども、四十年度も三十九年度の補助したと同じような措置を講ずるお考えはおありなんですか。
#27
○政府委員(柴田護君) 問題そのものといたしましては、私の所管ではございませんけれども、四十年度の財政的推移というものをもう少し見定めた上で主管省と相談をしなければないらなというふうに考えております。
 なお、いままでの赤字の問題をどうするかという問題でございますけれども、赤字の問題の始末の前に、今後は、こういう運営をすれば赤字が出ないのだというルールというものを早く確立することが当面一番大事な問題であろう。それが確立いたしますれば、要するに赤字の発生原因がとまるわけでありますけれども、次に、いままでたまった赤字をどう処理するかという問題になろうかと思います。したがいまして、まず、今後赤字が出ないという運営というものを一日も早く確立する必要がある、かように考えております。
#28
○市川房枝君 東京都議会の議長交際費の問題について最初にちょっと伺います。
 東京都議会の議長交際費は非常に問題になりましたが、このことについて主婦連合会が監査請求いたしまして、監査委員会からの報告があったわけでありますが、それによりますと、議長交際費として使ったものの受け取りは全部焼いてしまってない。なお、その調査をしていたら、受け取りは全部焼き捨てよという議長の――これは建部議長の名前だそうですが、その命令書の写しが出てきた、こういうことなんですけれども、一体議長交際費というものは受け取りなんかなくていいんですか。それは法的には何も規定がないんですか。
#29
○政府委員(佐久間彊君) 交際費に限りませず、すべて公金の支出につきましては、領収書を整えておくことが、これがたてまえでございます。ただ、私どものほうの指導といたしまして、その経費の性質上、たとえば香典とか、社会通念上領収書を徴することができにくいものがございますが、そういう場合には領収書を取らなくてもいいが、しかし、支出の額なり、相手方等、収支の経理につきましては明確にする方法を講じておくことが必要であるということを申しておる次第であります。
#30
○市川房枝君 この事態は東京都民からいいますというと、許しがたいことなんですけれども、これはどうにもしようがないのです。
#31
○政府委員(佐久間彊君) 私どもも領収書を廃棄をしておったということにつきましては、ただいま御指摘になりました監査請求の結果による監査の報告を拝見いたしまして、初めて承知をいたしたのでございますが、このようなやり方は許すべきことではないというふうに考えております。
#32
○市川房枝君 許すべきことではないのだけれども、法的にはどうにもしようがないのですか。罰せられるということは何もないのですか。
#33
○政府委員(佐久間彊君) これに対する刑罰というようなことはございませんが、公金の違法支出とか、不当な支出ということになりますれば、監査の請求、さらに住民訴訟の対象にもなる。そういうふうな方法によって是正されるということになるわけでございますが、今回はその住民の監査請求の方法によりましてこれらの点が明らかになり、自後改称されるように監査委員から勧告もされておるわけでございまするから、これによって改善されるものと期待をいたしておる次第でございます。
#34
○市川房枝君 もし監査請求の際に、それをあとでいわゆる納税者訴訟に持っていくという道があるわけですね。そうして納税者訴訟に持っていってもし勝訴すれば、都に損害を与えたということで弁償をさせられるわけですね。それはしかし、監査請求のときの請求のしかたといいますか、に問題があるわけですね。どういうふうにしたらそこまで行かれるのでしょうか。
#35
○政府委員(佐久間彊君) 納税者訴訟に持ってまいりますには、これが違法の事件でなければならないわけでございます。で、住民の監査請求の段階でございますれば、違法でございませんでも、不当な行為につきましても請求の対象になるわけでございますから、そこで、この監査の結果、訴訟に持ってまいります場合には、法定のそれらの要件を具備しなければいけないわけでありまして、具体的の問題につきましては私どもも検討はいたしておりませんので、もしまたお求めがございますれば研究をさせていただきたいと思います。
#36
○市川房枝君 その問題はそれじゃあとでまた伺うことにいたしまして、こういう東京都議会におけるような事例が、ほかの県ないしは都市でもあるでしょうか。
#37
○政府委員(佐久間彊君) 全国三千有余の地方公共団体のことでございまするから、絶対にないとも申し上げかねまするけれども、しかし、東京都の、今回指摘されましたように関係書類を焼却をするというような事例はほとんどないものと存じております。
#38
○市川房枝君 それは、しかしあるかもしれませんね。東京都の議長交際費の場合に、もう一つ、当初予算は半額ぐらいであったのを予備費からどんどん流用しておったということですね。これは別に法の規定に何ら違反はしていないのですか。
#39
○政府委員(佐久間彊君) 予備費の流用できる場合というものは要件があるわけでございます。で、交際費のようなものにつきましても、全然予備費を流用する場合がないかというと、それはないわけでもないかと思います。当初予算、予算編成当時全く予想されませんような、たとえば急に外国の関係のお客さんがたいへんお見えになることになったということで、予算に計上されておるものが足らなくなったから流用するという場合もないわけじゃないと思いまするけれども、東京都の場合のように、毎年数回にわたって予備費の流用をするというようなことは、これは予備費の使用といたしましては誤った使用であるというふうに考えております。
#40
○市川房枝君 これもほかの府県で例があるかどうかということですが、いただいた交際費の調べ、これはまだ全部拝見する時間がなかったのですが、読んでみまして、和歌山県の場合、第一ページの三十番、和歌山県の場合に、三十九年度は議長の交際費は百五十万であったのが今度三百万円にふえて倍額になっているわけですが、こういうのはやっぱり三十八年度の決算では百七十万、三十九年度と四十年度はこれは当初予算ですから決算になるともっとふえるといいますか、四十年度は三百万という倍額にふやしたということは、ある程度その前年度三十九年度で相当ふえているということを予想されますけれども、ほかでもそういう実例が、予備費からどんどんふやしているというような実例は、自治省としては御存じはないですか。
#41
○政府委員(柴田護君) お手もとにお配りいたしました資料は、私どものほうで調べたものでございますが、通常財政統計では最後の計数として調べられるものでございまして、当初予算につきましては別に追加補正するわけですから、あまり意味がないので、あまり調べないのですが、最近非常に問題が問題でございますので、私どもでも調べたものをここでまとめたわけでございます。御指摘のようにこれが予備費の流用でまかなわれているものなのか、あるいはまた追加予算、補正予算の際にそれは補正されておるものなのか、実際は決算とくわしく照合をいたしませんと出てまいりませんが、いずれにいたしましても、交際費そのものは先ほど行政局長からお答えがありましたように、本来ならば、大体当初予算で組んで、はみ出さないというのが本来の筋道でございます。しかし、実際の運用といたしましては、途中で追加補正予算をやる場合が相当いままでの慣例としてある。しかし、予備費から回すという例はあまりございません。全然ないということはございませんが、おそらく御指摘の和歌山県の場合も、確かめてみないとわかりませんが、三十九年度が百五十万であったのがその後四十年度になって、交際に差しつかえるのでふやしたのか、あるいは途中で御推察のようなことが行なわれているのか、もう少し調べませんと判明いたしかねます。
#42
○市川房枝君 交際費というものは、大体どの程度といいますか、そういうものの基準なんというものはないのですか。地方財政計画なんかには基準額といいますか、出ていないのですか。
#43
○政府委員(柴田護君) 事柄の性質上、その県その県の事情によっていろいろ異にいたします。たとえば東京のような外国からのお客さんが多い、あるいは北海道のように、夏になりますと東京におられます外交官がたくさんお見えになるといったような、所によってそれぞれ違いがございます。それはそれでおのずから限度があることで、良識によって判断さればいいということで、特にそのことについては指導はいたしておりません。現在の計画では、三十年度ごろの決算をもとにして、その上に積み上げ計算をする、こういうことでございますので、財政計画上の交際費はもっと少ないと思います。
#44
○市川房枝君 二枚目の大都市のところの交際費、横浜市を見ますと、議長のほうの交際費が一千四十二万円というふうに計上されております。この横浜よりも人口がもう少し多いと思われる名古屋市は、二百二十五万六千円、名古屋より約五倍交際費を使っているように見えるのですが、こんなにアンバランスといいましょうか、これはどういうのでしょうか。
#45
○政府委員(柴田護君) 私も非常に変に思いまして調べさせております。交際費というものの中でどういう経理をやっているか、その組み方がいろいろあるわけでありまして、その組み方の相違から出てきたのではないかと思いますけれども、計数そのものとしてはほかと大きく開いておりますので、調べさせております。
#46
○市川房枝君 別に私は中都市交際費、食糧費というものの調べをちょっといただいたのですが、三十七年、三十八年をいただいておるのですが、これもまだ十分拝見する時間がないのですが、ちょっとこれを拝見したところ交際費と食糧費というものの金額が非常に多い。ほかの賃金なんかと比較して多いといいますか、結局交際費も食糧費も似たようなもので、それこそさっきの受け取りを受け取らないというような性格のものといいますか、はっきりしない。これはかなり切り詰め得る要素のものだと思うのですけれども、自治省どう考えますか。
#47
○政府委員(柴田護君) 交際費につきましては、社会通念上のそれぞれ団体によりまして事情が若干違いますけれども、おのずからある程度の限度があろうかと思います。食糧費と申しますのは、いわゆるめしを食う金ということじゃございませんで、会議用の茶菓代も入っておりますれば、災害の非常たき出しも食糧費であります。また措置児童に対する給食費も食糧費であります。警察関係で留置している人間に対する給食費も食糧費であります。したがって、食糧費につきましては、交際費と違いまして、そんなにむちゃくちゃにはやっておりません。しかし、財政が苦しくなれば一番初めに気をつけるところでございます。したがって最近では食糧費の中には御指摘のようなむちゃくちゃな事例は、そう私はない。交際費の中には−こういうものはあまり多くないほうがいいと思います。まだ精査いたしますればもっと切り詰め得るところがあるかと思いますけれども、食糧費と交際費とは若干違うのでございます。
#48
○市川房枝君 食糧費の中に交際費に類似したものが食糧費で出されるという話ですが、これはいまお話のように説明はよく伺っておりませんでしたが、ほかにそういうものが入っているとすれば、これを取り上げることは少し妥当でないかもわかりません。もっとも、いわゆる飲んだり食べたりする食糧費はこの予算の中には出てこないで、ほかの費目からひねり出すことが普通のように承知しておりますから、それは勘定になって出てこないので、わからないのですけれども、そういう費用も相当あるように聞いておるわけなんですが、地方財政が困難だというようなことはしょっちゅう問題になっていながら、議長交際費や、こういう費用がどんどん毎年相当高い率でふえていっているのですけれども、そういうものに対して自治省は、監督権というものはないかもしれませんけれども、地方自治体に対していわゆる行政指導として、どんなふうに御指導になっておりますか。
#49
○政府委員(柴田護君) 交際費の中で、食糧費みたいなものも含んでおるのでございます。先ほど横浜の例がございしたけれども、横浜などの場合には、そういう事例が混入しているのではないかと私は実は疑いを持っておりまして調べさせておるわけでございますが、私どもといたしましては、この種経費というものは必要最小限度にとどめておくべきものだと考えるわけでございまして、これらのものによけいな命をつぎ込まれるいうことにつきましては、財政運営の指導としては、常に口やかましく言っておるわけでございます。しかしながら実際問題といたしましては、この問題が、ある一定の限度まできますならば、そこから先はそう簡単にいかない。現に三十六年からの変化をごらん願いますと、一般の財政規模の伸び率から比べますと、問題にならぬのでございまして、むしろ食糧費とか交際費とか、こういうものにつきましての押え方というものは一般財政経費などの伸び率からいいますならば、抑制していろというふうにすら見受けられるのであります。これでまだ抑制の余地があるじゃないかと言われれば、ないとは申し上げられませんけれども・・・。
#50
○市川房枝君 いろいろな都市で、その交際費というものの内容を知りたいと思っても、そういう監査請求ができませんね。何か不当なことがあったという証拠をつけなければだめですね。不当なことの証拠というものも、解釈の問題ですけれども、今度の主婦連の請求したときには新聞記事を証拠書類としたらしいのですけれども、それでパスは一応したわけですけれども、そういうふうなものでも何かなければ請求できないんですね。住民から何かそういうものの内容を知る方法というのはありませんか。
#51
○政府委員(柴田護君) 法律上は、いまの監査請求しかないわけでございます。しかしまた、あまり租税の使途の監視をすることにつきましては、これは自治の本旨でございますので、大いに監視してもらわなければなりませんが、ただ悪いうわさだけでそういうことがやられましても、地方財政運営というものは乱れる。その辺をどう結びつけるかという問題だと思います。今日の制度で、監査請求制度でもって、制度的には十分じゃなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
#52
○市川房枝君 そうすると、住民が知りたいと思ってもどうもしようがないということですね。会計は見られないということですね。
#53
○政府委員(柴田護君) それはまあ決算も公表されておりますし、行政の考課というものも公表されることになっております。したがって少し克明にごらん願えれば、妙なことがあるかないか、もしそういうようなことがございますれば、見当はつかないことはないだろうと思います。
#54
○市川房枝君 これは私の希望ですけれども、住民自治といいますか、住民の自治に対する関心を呼び起こすために、何かもう少し――ただ予算、決算を普通の人が見たってわからないです。そしてなかなかこまかいのは住民が見られないんです、くれないんです。議員にはある程度こまかいのを渡しますけれども、住民がそれをもらいにいってもよこさないですね。だから大まかなものだけしかわからない。だから何かもっとわかるような、ほかのことはわかりませんけれども、金の勘定なら一番わかりやすいですから、だからこういうものに幾ら使っておるのだ、ことに交際費とかそうしたものの内容なんかなら、これは一番わかり得ると思うのです。普通の事業費ですとなかなかその金が適当なのかどうかということがわかりませんけれども、それを何か簡単に見られるように、そういうことをひとつ考えていただきたいと思うのですが、これはすぐ法律の改正にからめてというところまでいかなくても、その点まあひとつ希望として申し上げておきます。なお、これはもう少しゆっくり拝見してから伺うことがあるかもしれませんが、きょうはこれで終わります。ありがとうございました。
#55
○加瀬完君 交際費というものの性格は、議長なり知事なり、それぞれの例を出せば交際費を使用する者の立場なり、身分なりというものを前提として信頼をして、それで結局その使用の内容についてはわりあい大まかな点で報告をすればいいというたてまえをとっているんじゃございませんか。現状はどうですか。
#56
○政府委員(柴田護君) 本来は、通常の場合に比べますれば、交際費を使って仕事をする人の、まあ何といいますか、公の立場というものについての信頼というものを御指摘のように加味して、したがって前提といたしましては、その使い方に妙なことがありようはずがないという前提をとって運用されておるのが実態のようであります。
#57
○加瀬完君 したがいまして、法に触れない限り、使途の内容を見ましても、市川さんの御指摘のような的確なものは、いまの交際費の内容からはなかなかつかめないじゃないですか。具体的に違法な使い方をしたという場合、問題があった場合には別ですが、そうでない場合は、もう大まかな報告でいいということになっておるのですから、その大まかな報告だけ見ても、それが違法でない限り、妥当を欠くというような点の内容などについては、決算をどう調べたところで具体的なものは出てこないじゃないですか。事実何かこういうことがあったというものをつかまない限りは、計数の上ではわからないじゃないですか。市川さんが御指摘なさるような的確なものはつかみ得ないのが現状の交際費の報告じゃないですか。
#58
○政府委員(柴田護君) 経理のたてまえからいいますならば、その使い道というものは明確にするというたてまえになっておる。ただ実際上、加瀬委員のお話のように、多少その間に信頼性を加味した運用が行なわれておるということはあろうかと思うのであります。そこで、まあ先般来問題になったいろいろな点もありまして、私どもといたしましては、交際費の取り扱い方について乱に流れないように、本来の趣旨に沿った運用をしてもらいたいということを、この春でございましたか通達をして注意を喚起いたしておるわけでございます。しかしまあ問題は、監査委員のあり方ともあるいは関連するかとも考えるのでありまして、つまり、たてまえからいいますならば、監査委員が全部見ておるわけでございます。したがって、そこに変なことがありますれば、監査委員の意見として議会に監査報告が出されるわけでございますから、議会におきまして究明されるという仕組みになっておる。それがうまく行なわれないということは、どこかにおかしなことがあるということでありまして、したがって、そういうことを総合的に検討いたしますれば、あるいはほかにいい案が出てくるかもしれません。したがって、現状の仕組みの上ではそういうようなことが起こらないような仕組みになっておりますけれども、それが思うように動いてないということであります。
#59
○加瀬完君 関連ですからこれで終わりますけれども、大体まあ普通の会計のように正確に監査の対象にはならないというたてまえでございましょう。報告だけでよろしいということが多いでしょう。で、市川さんの御心配ごもっともですが、これが基本的には交際費の使途を分明にしなければどうも納得のいかないような者がその交際費を使う地位についているということが問題だろうと思うのです。少なくも議長とか知事とかいわれる立場に選任をされた者は、疑惑を受けるような使途をしないような人物が出るべきであって、そういうたてまえで、いまの交際費に対する監査の立場というものはつくられていると思うのです。ですから、その立場はやはり私は本質的には正しいと思うのですがね。自治省の御見解はどうでしょうか。
#60
○政府委員(柴田護君) たてまえは報告だけでいいということにはなっていないのであります。たてまえは、その経理を明確にするというたてまえになっております。それが行なわれていないという面がある、こういうことでございます。したがって、なぜ行なわれないのかというところに問題がむしろあるのであります。まあそこには、多少、長なりあるいは交際費を使う方の人格に対する信頼性というものが加味されているということでありましょうけれども、それがそうは行なわれないということになりますれば、問題はまた別であります。しかし、法律のたてまえからいいますならば、これは報告でいいんだというたてまえではございませんで、やはり普通の経理手続によって処理するというたてまえにはなっているわけでございます。
#61
○占部秀男君 ILOの前回の国会で行なわれた批准問題に関連をして、地方公務員法の改正の問題について、一、二大臣にお伺いをしたいと思ったのですが、予算委員会へ呼ばれたというので、佐久間行政局長にお伺いをしたいと思うのです。
 前国会で、あの条約が批准され、地方公務員法の改正案が通りましたときに、二つ、扱いとしては問題があったと思うのです。一つは、公務員制度審議会で一応論議されるということで、施行というか、実施というか、そういう問題がたな上げにされておる部分と、それからもう一つは、九十日以内に附則の第一条でこれは実施すべきもの、この二つがあったと思うのですが、あとのもの、附則第一条で規定された問題については、いつごろこれを実施するというようにお考えになっておりますか。その点をまず第一にお伺いしたいと思います。
#62
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘のように、前国会において地方公務員法の一部を改正する法律を御審議いただきました際に、改正条項の中で、九十日以内に施行されるべき部分と、それから別に政令で定める口まで施行が延期される部分と区分されることになったのでございます。前者のほうにつきましては、ちょうど三カ月が八月十五日でございまするので、八月十五日から施行することで手続をいたしております。それから後者の部分につきましては、これは自治省だけの問題ではございませんので、総務長官のお手元で現在いろいろ御検討になっておるように伺っております。
#63
○占部秀男君 後者の問題は、これはまた別の機会に……。特に公務員制度審議会等の問題もありますから、その点についてはきょうは触れないことにしたいと思います。そこで前者の問題、いわゆる八月十五日までに実施しなければならない、施行しなければならない問題の中の一つなんでありますが、今度の改正で第二十五条の給与に関する条例及び給与額の決定、この中の問題点でありますが、この今度の改正点を自治省としてはどういうような立場から各府県、市町村に行政指導をしておられるのか、そういう点もひとつお伺いしたいと思うのです。
#64
○政府委員(佐久間彊君) この条文につきましては、御承知のとおり従来いろいろ論議のあったところでございまするが、問題としてお尋ねの点は、いわゆる組合費のチェックオフの問題かと存ずるのでありますが、これにつきましても、この条文に規定されておりまするように、条例により、特に認められた場合におきましては実施することを妨げるものでないというふうな趣旨で理解もいたし、指導もいたしておる次第でございます。
#65
○占部秀男君 実はその点について私どもは前国会からの関連の中で非常に心配しておる点がある。というのは、前国会で、たしか衆議院段階での特別委員会の中のやりとりの中で、これは何か禁止条項のような答弁があったというように聞いておるのでありますが、それはその後政治的な情勢が非常に変わってきておるのであって、少なくとも地公法二十五条そのものの規定は、職員の給与問題についての、いわば俸給の保護規定になっているんじゃないかと私はこう考えるのですが、その点はいかがでございましょうか。
#66
○政府委員(佐久間彊君) この規定は職員に対して通貨払い、直接払い、全額払いの三原則を規定をいたしたものでございます。
#67
○占部秀男君 その三原則の問題は、単に金銭上の簡単な扱いというならば、自治法の中にも第八章で「給与その他の給付」の章もあり、現金扱いを含んで第九条の二の規定もあるわけですが、特に地方公務員法上、給与に関する条例をつくったということは、一つには、たとえば、そういうことは万々ないとは思うのですが、知事であるとか市長であるとか、そういう者が、自分の恣意的な考え方で俸給の一部を他の現品で払うとか、あるいはいろいろな点について職員に不利益があってはならないし、俸給そのものが職員の生活を守る基礎なんだから、したがってその保護をする、職員の生活を保護するという、そうした趣旨が中心となってこういうような給与に関する条例及び給与額の決定という二十五条ができておる、かようにわれわれは考えておるのですが、そうじゃないのですか、一般的にいって。
#68
○政府委員(佐久間彊君) 一般的に申しまして、御指摘のような趣旨があろうかと存じます。
#69
○占部秀男君 そこで、今回の二十五条の問題について、何か自治省としては通達を松浦氏の名前か何かで、チェックオフの問題について絶対に禁止するというような、そういう通達を出したということを聞いているのですが、そういう通達か、あるいは通牒か、出したことがありますか。
#70
○政府委員(佐久間彊君) 松浦公務員課長の名前で、いわゆる内簡の形で、地方公共団体に連絡をいたしたことはございます。ただし、その内容につきましては、先生のお話のような、絶対にやっちゃいかぬというような趣旨の内容ではございません。
#71
○占部秀男君 たしかあのときにはILOの参議院における特別委員会の最終段階で、両党との間に話し合いがついて、この問題に対する自治省といわゆる地方公共団体の組合との間に確認事項があったと思うのですが、その確認事項は流されたわけでありますか。
#72
○政府委員(佐久間彊君) お話のように両党間の御相談に基づきまして自治大臣と自治労の代表行との間におきまして確認事項を文書によって取りかわしたことはそのとおりでございます。内容は御承知かと存じますが、地方公務員法第二十五条の適用解釈についてという表題で、チェックオフについては条例によって定めることを妨げるものでないことを確認し、適切な指導を行なうというものでございます。で、この確認事項につきましては、そのときのお話し合いでは、これはお互いの間の了解事項で、外部に特に公表をするというような性質のものじゃないというふうに了解をいたしておりましたので、私どものほうからその文書を地方へ流すとこはいたさなかったのでございまするが、その後、地方公共団体のほうから、何か自治大臣と自治労の間で覚え書きが取りかわされたという話だが、どういう内容なんだというお問い合わせがあり、また、その確認書に関連をいたしまして、補足了解事項というものがあるそうじゃないか、その内容はしかじかだが、それはどうなのかというような照会がしばしば参りましたので、そこで、これは事実関係を誤りないように連絡をする必要があるということで、先ほどおあげになりました公務員課長名で都道府県の総務部長、六大都市の総務局長あてに連絡をいたしたのでございまして、その文書の中で初めて自治大臣と自治労の代表者との間の確認事項を文書として流したのでございます。
#73
○占部秀男君 そこで、その流された文書には、いま局長が言われたようにチェックオフについては条例に定めることを妨げないことを確認し適切な指導を行なうということに確認をされておるわけですが、この条例で定めることを妨げないという、この確認ですね、この確認は第一に衆議院段階あるいは前国会等で局長や大臣等が一部答弁さていたれチェックオフの禁止条項であるという、何といいますか答弁、これは変わったというふうに考えてよろしゅうございますな。
#74
○政府委員(佐久間彊君) 前国会あるいは前々国会におきまして政府側からこの問題について答弁をいたしたのでございまするが、まあその際におきましても、地方公共団体が条例で特に認めることは、これは可能であるということは申しておったのでございまするが、御指摘のように非常に禁止をすべきだというような趣旨のように受け取られた向きもあったようでございまするが、まあ今回のこの確認事項におきましては、条例で地方公共団体が自主的に定めることは妨げるものでないということを、その点を明確に確認し合ったというところにその趣旨があったものと存じております。
#75
○占部秀男君 重ねて申しますが、結局はあの両党の会談の中にも明らかにされたように、この地方公務員法の今回の改正点を含めての二十五条は、職員の俸給の保護の条文であるから、組合員全体の意思を代表して俸給から組合費の天引きを求める要求があった場合には、すみやかに自主的にこれを条例化してもよろしいんだと、こういう趣旨であると、こういうことがこの条例に定めることを妨げないということの内容であるというふうに考えてよろしいわけでございますな。
#76
○政府委員(佐久間彊君) 条例によって定めることを妨げるものでないということは、そのとおり額面どおりに私どもは理解をいたしておるわけでございまして、これによりまして先ほど先生が御指摘になりましたように条例で組合費のチェックオフを認めることを禁止するんだというようなもしお受け取り方があったといたしますれば、それは地方公共団体が自主的に条例によって定めようという場合に、それをこちらでとめるというようなことはいたさないということは、当然この確認事項から出てくるものと了解をいたしておるわけでございますが、それと同時に、職員団体から申し入れがあれば地方団体は必ずチェックオフに関する条例を制定しなければならないんだというようなふうに私どものほうが指導をするというようなことには考えていないわけでございまして、その辺のところは、地方公共団体が自主的に御判断になるべきものというふうに考えておるわけでございます。
#77
○占部秀男君 しなければならないんだというふうに自治省のほうで行政指導をするというようなことを私は言ったわけじゃない。したがって、いま局長が答弁された点で、ある程度の内容的な納得というか、そういう問題は私自身としても出てくるんですが、どうしてこういうことを聞くかというと、今度の地方公務員法の改正については、御案内のように従来は労働基準法第二十四条の規定によってあるいはそれに準じてチェックオフが行なわれておったわけですね。それが今回附則でしたかね何かでその点の除外をされたということとうらはらの関係で、この問題が原案として、最初の原案としてはつくられておったということから、禁止をするんだということ、あるいはしないほうがいいんだということ、これがどうも各都道府県、市町村の理事者側に何か行き渡ったような形になっていて、どうも話の内容が禁止をするという方向へ向いておる。それで、自治省のほうも何か県の総務部長会議か何か開いたときにそういうような指導をしたと、こういうことが私の耳にも入ってきているんですが、そういうような点があるから、重ねてその点についてのことを聞いたので、そういうような事実はございますか。
#78
○政府委員(佐久間彊君) 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、この確認事項を了解をいたしておりまして、その線で会議の際に質問がありました際にも答弁をいたしておるわけでございまして、それ以外のことは申しておらない次第でございます。
#79
○占部秀男君 そうすると、いま自治省のそういう確認、そして確認に基づく自治省の立場というものはこういうものであるというふうに了解してよろしゅうございますか。それは、地方公務員のチェックオフの問題について、ILOに自治労から提訴がされておったと思うのですが、結社の自由委員会の第六十六次報告の中でこの問題が取り上げられておって、結局「日本政府は、一九六二年一月二十二日付の通信において、改正法案のもとにおいては、地方公共団体は、地方公務員法の職員団体と任意的なチェックオフに関する規定を含む協定を締結するか否かを使用者として決定することを自ら又は代理者の自由に委ねる旨の条例を制定する自由を有する」と、こういうように明らかに自治省は報告をしておるわけですね。こういう旨であると、こういうことに解釈してよろしゅうございますか。
#80
○政府委員(佐久間彊君) ILOの質問に対しまして政府として答えましたのは、ただいまお読み上げになりましたとおりでございまして、この趣旨も、使用者としての地方公共団体がチェックオフを認めるかどうかの自由を有しておるという趣旨でございまして、私どもそのような考え方をとっておるわけでございます。
#81
○占部秀男君 そうすると、ややこれは具体的に言うのですけれども、かりに刑事者側と組合側が話し合いによる申し合わせによったものについて、天引きすることができるという、その旨を入れた条例を各県市町村でつくった場合に、これを自治省のほうへこれどうでしょうと、まあ率直にいえばお伺いにくる、こういうときには、これはいかぬのだということはあり得ないわけですね。
#82
○政府委員(佐久間彊君) 先ほど来申しておりますように、その点は地方公共団体が自主的にいいか悪いか、どうするかということは判断なさるべきことだというふうに申したいと思います。
#83
○占部秀男君 自主的に判断すべきだということが非常にむずかしいのですよ。というのはね、自治省の指導というのは、これは金科玉条なんですね、県市町村では。したがって、自治省のほうで、それはおまえのほうの判断だからかってにやれと言ったら、これはおこられたものだ、これはどうもだめなんだ、こういうことになってしまうのですよ。局長はそうじゃないんだが、局長の立場は非常に紳士的に申し合わせの線に沿って気持ちよく言っているんだと言うけれども、これいいですかと言って出されたときに、ああそうですか、これはまあいいですなと、こういうふうな、これは六十六次の報告に従ってつくられておりますなと、こういうような言い方と、それはあなた方の自主的な、かってなんだから、あなた方どうぞやってくれと、こういう言い方では、局長はそうじゃなくても、県市町村当局としては、与えられる感じがまるきり違うんですよ。そこで、ぼくはいま言ったことを、まあ非常に具体的な問題で、まことに答弁もしにくいとは思うのですが、いずれにしても、労使ということばを使っちゃおかしければ、理事舌側と組合側とでこの問題について協定をした、話し合いをした、これは六十六次報告にあるのですから、そういうような協定をして、話し合いをして、それを今度は条例化して持ってくるといった場合に、「この条例がよろしゅうございますか」と言ったら、「はあけっこうです、これくらいのことは言ってもらわぬと……。「あなた方のかってだから」これじゃ、とてもじゃないけれども地方はやりませんよ。それはもう自民党の先生方だっておそらくそういうふうにお考えになると思うので、そういう点は、もう少しいいものはいいと大いに言ってもらいたいと思うのですがね。何も無理に、積極的に指導しろと、こういうことを私たちは言うのじゃないですよ。ぼくなんかほんとの気持ちの中では、両者の申し合わせがあるんだから、自治省としてはそういうことをやって、労使間の紛争のないようにしろと、こういうふうに積極的に指導するのが私は当然だと思うのだけれども、それはいろいろと御事情もあることと思うから、そこまでは私は言いませんよ。言いませんが、それは持ってきたときに、いいか悪いかぐらいは、はっきりしてもらわぬと、地方はとてもじゃないけれども困るんだ、だからいまほとんどこの問題つくられていないでしょうが。そういうところに、逆に労使間の紛争を起こす、無用な紛争を起こすもとが出てくるんですよ。そういうことをひとつ自治省のほうとして、無用な紛争を起こさないように、持ってきたら、いいものはいい、悪いものは悪いと、こういう点は言ってやってくださいな。その点はいかがでございますか。
#84
○政府委員(佐久間彊君) 地方公共団体におきまして、労使間で話し合いがありまして、それをもとにいたしまして、条例の内容で、そういうものを認める内容の条例をつくるということは、先ほど来申しておりますように、これは私ども決してとめるつもりはございません。ただそれを、条例でございますから、議会で御検討になるわけでございますから、その議会の検討をいいとか悪いとか、こちらから差し出がましく思うということは、これはやっぱりすべきじゃない。これは議会の御判断にまかすべきじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#85
○占部秀男君 私はいま言ったことは、議会の検討までどうこうしろということを言ったんではない。これは自治権の干犯みたいになりますので、そういうことを言ってるんじゃなくて、おそらく理事者側のほうで組合と話し合いができて、そして、それに基づく条例案をつくってきたときには、ほとんど議会というものは通るのです。いつの場合でも。したがって、それが通るという見通しがあるからこそ、それを自治省のほうで正式にとるか、暗黙のうちにとるか別にして、お伺いを立てにくるのですから、そのときに、そういうような条例案として出されたものについて、「どうもそれはあなた方のかってだから」、こういうふうに言われては困る、こういうことを私は言うのです。条例案としてそれはけっこうだと、あるいは悪ければ少し違うじゃないか、こういう点は明確にしてもらいたいと思うのです。
#86
○政府委員(佐久間彊君) どうも同じことを繰り返すことになって恐縮でございますが、私どもは覚え書きの趣旨をこちらとしていかぬと言わないし、積極的にけっこうだから大いにやんなさいとも言わない。とにかく地方公共団体の自主的な御判断でいろいろな点を御検討していただくということに期待をするということで、あまり自治省が、どうもこの問題について立ち入ることはしないというのが、確認事項の御趣旨というふうに了解をいたしておるわけでございます。
#87
○占部秀男君 そうすると、具体的にぼくはけじめ的に言いますが、結局チェックオフをするかどうかということは、これは初めのときとは違って、両者間の確認事項が行なわれたと、こういう新しい情勢のもとに立って、これは理事者側と組合側との話し合い、あるいは協定、こういうものに基づいて天引きをするような場合も、これは条例化すればいいんだと、この点は明確である。したがって、それに基づいてそういうような条例案を持ってきた場合に、全然自治省がタッチしないということはできないでしょう、率直に言ってタッチしないわけにはいかないでしょう。話し合いができて、こういう条例案になりましたから、ひとつ見てくださいと言われた場合に、それはわれわれは不介入という形で、かってにやってくれ、タッチしない、それでは自治省は不親切だと思う、ぼくは積極的にやれと言うのではないです。一般地方公務員に関する行政指導の範囲内で、これはいいものはいい、悪いものは悪い、それは言ってやらなければ、地方はできるわけがないじゃないですか、それは一般行政指導です。特別の問題ではないです。特別に、積極的にやれと言うのではないです。その点は局長としても一般行政指事の中でお伺いがあり、あるいは問い合わせがあった場合に、いい悪いくらいは言ってやっても、案としての問題ですから、地方議会の審議に対する制約とかなんかという問題ではないですから。それはこの六十六次報告の中に明らかにされているのではないですか、政府が、つまり条例を制定する自由を有するのだということを述べて、それに対する日本の政府側の態度がそういう態度であるから、したがって、これ以上は審議しないということを決定しているんですから、その審議しないというILOの決定について、自治省は自治省として、やはり責任を持たなくちゃならぬと思う。また、ILOの決定も気持ちよく決定しているのですから、それついては、それに沿うように自治省にとして態度を出すのが、ぼくはそれがほんとうだろうと思うのです、ILOに対して。そういう意味で私は言っているのですよ。積極的にそういうものをつくれ、つくれと、指導するんだ、積極的にやるんだ、こういう意味で私は言っているのではないのですよ。問題は、自主的につくられたものを、これはどうですかと持ってきた場合に、「それはかってにしなさい」と、これでは県や市町村はやりませんよ、自治省が、第一、佐久間さんの顔が鬼のように見えて、とてもじゃないけれどもできませんよ、そういうふうな扱いの問題は、これはさっぱりと言ってもらったほうが問題の解決にいいと思っております。
#88
○加瀬完君 関連。自治省としては指導助言の義務というものはあるのですね、そうであるならば、指導助言の基本的な態度というものはあらゆる事項において固まってなければならないわけですね、いまの占部委員の御指摘の点ですね、地方議会がきめてくるのだから、地方の理事者が案を持ってくるのだから、それはおまかせしますということでなく、一体どういう基本的態度で助言なり指導をするということは固まっていなければならないわけですよね。その点を占部委員が伺っているわけですから、それははっきり答えてください。
#89
○政府委員(佐久間彊君) 指導助言のしかたで、基本的な態度ということでございまするが、これは先ほど来申し上げておりますように、条例によって定めることを妨げるものでない、このことは同時に、ILOに対する六十六次の報告で政府として答えている態度も、要するに地方公共団体が使用者としてチェックオフを認めるか認めないかの自由を留保しておるというか、認めておると、こういうことになると思うのでございますが、そういうことを基本の態度といたしておるわけでございます。それにつきまして、私どもといたしましては、前国会におきましても条例で地方公共団体が定めることはこれは可能であるということはいたしておりましたが、当時いろいろ御意見のございましたように、ILO八十七号条約の精神にかんがみ、それが適当かどうかというような論議もあったわけでございまするが、それらの問題について政府側の答弁が、先ほどのお話でござい談ずると、禁止をする、こういうようなふうな受け取り方をされておったように伺うわけでありまするが、この確認事項がおきましては、そういうことは私どもとしては考えていない。地方団体が条例で定められる場合に、それをいかぬというふうにとめるというふうなことは成り立たない、こういうことを確認いたしたわけでございまするから、何もしない、動作としては何もしないかもしれませんけれども、そういうふうに地方団体がいたします場合に、いかぬという動作はしないということで、やはりそこに一つの指導の態度があるものと考えておるわけでございます。
#90
○鈴木壽君 いまの点ですが、確認事項の最後に「適切な指導を行なう。」ということがありますね。これは具体的にどうなんですか。ただ、条例に定めることを妨げないということの確認が適切な指導だとは蓄えないと思いますね。「確認し適切な指導を行なう。」こうありますから、その「適切な指導」というのはどうなんですか。あなたのお話を聞いていると、何も指導しないということでしょう。それは条例できめることは自由だから、それはそれなりにやりなさい、いいとも悪いとも言えない、そんなこともおっしゃっていますが、「適切な指導を行なう。」というように、一つのこういうことがありますから、「適切な指導」というのは、具体的に言えば一体どういうことなのか。
#91
○政府委員(佐久間彊君) どうも同じことを申し上げて恐縮でございますが、私ども自治省といたしましては、その確認事項において条例で定めることを妨げるものでないということを確認をして、その趣旨は適切な指導を行なうということでございまして、その趣旨は地方団体が条例でやろうとするのをいかぬ言うてとめるようなことはしない。また、こちらからどんどんやるべきだと言って、やれ、やれというようなこともしない。これが適切な指導であるというふうに考えておるわけでございます。
#92
○占部秀男君 まあ局長は局長として非常に苦労されておる立場もあると思うのです。私は気が弱いものだからどうもあれですが、じゃいまのことばの中で、ぼくは一応局長に、確認という意味じゃなくて、一応いわば確認的になるけれども聞いておきたいと思うのですが、結局、そうすると、この自治省の吉武大臣と自治労との間の確認事項というものは、このチェックオフを禁止事項ではなくて団体交渉の事項としても扱えるのだ、こういうことを一つ認めた。つまり組合と理事者側との間の話し合い、協定に基づいてチェックオフができるのだ、これは条例化すればできるのだ、こういうことを認めたということは言えるわけですね。
#93
○政府委員(佐久間彊君) その点はそのとおりであります。
#94
○占部秀男君 その場合の、条例化する場合の文章の内容については、それはたとえば貯金等でこれを引くとかあるいは貯金等ということばを使ったりあるいはいろいろとその組合側と理事者側とで話し合いのできた問題については、チェックオフができるのだということばを入れたり、いろいろあると思うのですが、これはよろしゅうございますね。自由ですね。
#95
○政府委員(佐久間彊君) 条例の内容については自由でございます。
#96
○占部秀男君 もう一つは、こういうような条例をつくるということは、私は重大な支障のない限りは、こういう条例はやはりできるようにしていかなければならぬと思うのです。そういう点については積極的な指導はしない、これはわれわれは、そんなことはないと思うのです。一応局長の言うことはそのまま聞くとして、指導はしないと言うが、指導してもらうのじゃなくて、お伺いしたときには、返事をしてもらうことくらいいいでしょう。指導じゃないでしょう。指導じゃない、指導は何をやれかにをやれ……。回答ですよ、回答とまでいかない。ちょっと見てくれ、ほいきたということで、その程度はやってくださいよ。全然おれは突っぱねるのだということじゃ、自治省としてまるっきり味もそっけもない話ですよ。
#97
○政府委員(佐久間彊君) 条例の内容の字句が、こういうことを表現しようとするのに、いいかどうかというような技術的なことでございますれば、それは申すこともできるわけでございますが、一体そういう条例を制定することが適当かどうかという判断になりますると、御承知のように、これは従来長い間国会でも御論議のあった経過を持った問題でございますし、前国会の審議の過程におきましても、先ほど来問題になっている確認事項などもできたような次第でございますので、それらのことにつきまして私どものほうであまり差し出がましくああだこうだという判断を押しつけるということは、これは避けるべきであろう、また、それが先ほどの確認事項の御趣旨でもあろう、かように理解をいたしておるわけでございます。
#98
○占部秀男君 その点はしつこいのですが、私は局長に明確にしておきたいと思うのですが、ぼくの言うのは労使間の協定でチェックオフができるような条例をつくることがいいか悪いかというようなそうした指導をしろというのでなくて、労使間の協定が行なわれた、これは自治省は関係ないですよ。現地で労使間の協定が行なわれた、その行なわれた事実に基づいて条例の内容を持ってきた、こういうことなんですよ。だからあなたのほうで積極的に労使間の協定の内容をつくられるのでなくて、事実上もうそれが行なわれてしまった、その行なわれたことを文章化するために、一応文章化して見てくれ、こういうふうに持ってきたものですよ。それについてこれはいいとか悪いとか、いまあなたのおっしゃった技術的な、何というのですか、判断というか、判断までいかないけれども、技術的な援助をするということは、これは自治省として、当事者として当然じゃないですか。それをしなければ、今度は逆に現地で成立をした理事者側と組合側との協定そのものもいけないのだというふうにいまの地方は感じるですよ。それは事実の問題なんですよ。そういうことによって無用なトラブルを起こさないように、もう協定ができたという事実に立って、条例化の案文を持ってくるのですから、それに対する回答は、これは与えてやるのが自治省としては至当じゃないか、かように思うのです。いかがですか。
#99
○政府委員(佐久間彊君) 条例の案文につきましては、そうむずかしい問題はないのじゃなかろうか、そう思うのでございます。そこで、条例の案文が労使間で話し合いができて、それで当局が条例案を議会に提案をしようということでございますれば、わざわざ自治省の意見を聞くまでもなく、あとは議会で御審議をなさるということでよろしいのじゃなかろうか。まあたびたび同じことを申すわけでございますが、私どもといたしましては、この指導の問題といたしましては、やはり国会御審議のこれまでの長い経過をもとにして判断をいたしますと、先ほど来申しましたような態度で自治省が臨むことが妥当であろうと、かように考えているわけでございます。
#100
○占部秀男君 なぜ私がこういうことを聞くかというと、従来はこういうような条例をつくる場合には、モデル条例というような、そういう形で自治省が流す場合が多いのです。ところが今回の場合は両党の申し合わせに従って、つまり二十五条の適用解釈について確認したわけでしょう。そこで自治省としてはモデル条例を流していない。モデル条例が流れていない。そこで地方のほうが話し合いがととのったとしても、モデル条例がないから、したがって、一体自治省のほうでこれを許すとか許さないとか、まあ許すという言い方はおかしいけれども、やはり自治省の意向を伺っておいたほうがいいのではないか、こういうことで、どうしても自治省の意見を伺いにくるのです、事実問題として。事実の問題としてモデル条例が流れていないのだから全然タッチしない、相互不介入というあなたのことばにもなっているのだと思うのですが、そういう立場に立つというと、わからぬのです、県市町村では。そこで話しがととのう前にあなたのほうから指導があったのではなくて、現地で自主的に組合と市あるいは県当局との間で話し合いがととのって、そのととのった結果に基づいて条例の内容をつくってきて、そしてあなたのほうにこういう条例をつくることになりましたがどうでしょう、内容は、というような、こういうような話しが必ず来るに違いない。そのときに、おれは知らぬのだと言われると、これはもうだめだと、こう言われたように誤解して帰る。だからそういう誤解がないように、現地でととのったものは、やはりととのったものについて重大な支障がない限りは、これは普通ですというふうに答えてやるのがぼくはほんとうなのではないか、こういう意味なのですよ、僕の言うのは。
#101
○政府委員(佐久間彊君) 先生のおっしゃいます意味もわからぬわけではございませんが、条例の中身は、文章としてはそんなむずかしいことはないと思うのです。ですから、そういう条例をつくろうということで、地方団体の内部で話しがおまとまりになれば、それは自治省に聞かないでも議会に御提案になって、議会で御審議をなさって解決されれば、そこで成立をするということであって、非常に内容のむずかしい、一々条文の表現のむずかしい問題でございますれば、それはまた私のほうで文章について御相談いただくということもあろうかと思いますが、そんなむずかしいことはないのではなかろうかと思うのです。
#102
○加瀬完君 関連して。占部委員の伺っているのは、むずかしいことだろうか、むずかしくないことだろうかとかいうことではない。あなたのほうに聞きに行ったときには、適当に指導をしてくれて、あるいは助言をしてくれてもよろしいのではないか。お前のほうでやることだからと言って突っ放されては困る、簡単なものであろうが何であろうが、聞きに来たのだから、聞きに来た団体に対して適切な助言をしてもらいたいということです。それはお認めになったっていいじゃないですか。何もチェックオフだけの問題じゃない。適切な指導を求めるときには適切な指導をする、これは当然なことです。
#103
○政府委員(佐久間彊君) 先ほども申し上げしまたように条例の案文の技術的なことにつきまして御相談にお見えになれば、それは私どもも事務的な助言はいたすことにやぶさかでないわけでございますが、そういう内容の条例を当該団体で制定することが適当がどうかという判断を求められました場合におきましては、それについての助言、指導は、今回のこの問題につきましては、それは地方公共団体自身で自主的に判断をなさるべきだというふうに申し上げるという意味でございます。
#104
○加瀬完君 それも少しおかしいよ。条例という条件はあるけれども、一応チェックオフは認めようということは確認されたでしょう、根本的な話し合いの態度としては。
#105
○政府委員(佐久間彊君) チェックオフを認めるも認めないも、これは地方公共団体の自由であるということでございますから、このチェックオフを認めることが法律上いかぬということを申しているわけではございません。
#106
○加瀬完君 それは確認されたわけですね。そうでしょう。それならば自治省の態度としては、その大筋が確認されているんですから、その大筋が生きるように助言をするのは当然じゃないですか。
#107
○政府委員(佐久間彊君) チェックオフを条例によって認めることは、これは妨げるものでないということで、これはできるわけでございますし、認めて差しつかえないわけでございまするが、それを特に条例ということにいたしておりますのは、当該地方公共団体において認めるかどうかの御判断の自由を残しておこう、こういう趣旨であろうと思います。
#108
○加瀬完君 ですから、その団体はチェックオフを認めますという意思表示をはっきり固めたわけです。それについては条例をつくらなければならぬので、条例はこれでよろしいか、あるいはどこか適当なサンプルがあるかというような伺いをかりに自治省に問い合わせました場合は、適切な助言をするということは、当然これは行なってよろしいことでしょう。それを何もこだわる必要はない。
#109
○政府委員(佐久間彊君) ただいま先生のおっしゃいましたことは、先ほど私の申し上げましたことと同じことかと思いますが条例の内容の技術的な問題についての御相談がございますれば、それは助言するにやぶさかでございませんが、そういう条例の中身をつくることがいいかどうかという判断は、こちらとしては地方団体におまかせするということで、それについては指導もいたさない、こういうつもりでございます。
#110
○加瀬完君 占部委員のさっきからの質問は、つくったほうがいいか悪いかということじゃないんです。つくるという意思を固めて、それで、そのつくることについて技術的なその他の面で聞きににきたときには、積極的に話し合いをしてくれということなんです。それはお認めになってよろしいでしょう。率直に言ってけっこうです。
#111
○政府委員(佐久間彊君) その点は、一般に条例の制定をする際にいろいろ起こり得る問題でございますから、もちろん私どもといたしましても御相談に応ずるわけでございますが、ただ先ほど来申し上げましたのは、その内容はそんなにむずかしい技術的な問題がある問題じゃないんじゃなかろうか、かように思っているわけでございます。
#112
○占部秀男君 そうすると、結局ととのった場合はかってにつくって、自治省のほうへ持っていってもよし、持っていかなくてもいい、それは自由だ、そういうことですね。
#113
○政府委員(佐久間彊君) そのとおりでございます。
#114
○占部秀男君 それで結論は出ているわけだけれども、なぜこういうことを言うかというと、いま局長は、内容は簡単なものだと言われるんですが、決して簡単なものじゃないんですよ。というのは、自治省と自治労との確認事項、この中の適用解釈について、どうも自治省側の適用の解釈のし方は狭義というかね。どうもわれわれ聞いたところでは、禁止させる方向へ持っていこうという動きが相当ある。そのために県市町村では相当困っているということを聞いているんですよ。私は、いま実際どこどこでどういう話がされたという具体的なことをここに持っていないから言いませんが、そういうようなことがあるので、そういうことじゃないんだ、フランクなんだ、自治省としては。そういう点をはっきりやはりさしてもらいたいと思うんですよ。そういうことは、結局は現地で話がととのったときに、自治省へ、こういう話がととのいました、案の条文はこうですといったときに明らかにされるんですよ、自治省の態度がフランクだったかどうかということが。そのことに関連しているから私はいま言ったわけです。いま加瀬委員の御質問に対して、局長から答弁がありましたから、これで私も、また問題が少し錯綜すれば、それはまたあらためてお伺いするとして、この点については、一応終わっておきたいと思います。
#115
○委員長(天坊裕彦君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#116
○委員長(天坊裕彦君) 速記をつけて。
#117
○占部秀男君 もう一つは、これは簡単なんですが、それはこの国会で実は言っておかなくてもいいのですが、一応念を入れておきたいと思うのです。というのは、御案内のようにベースアップの問題で勧告がもうじき出るわけです。これは既定の事実になっておる。勧告が出れば、おそらくこの問題は秋の臨時国会で法律改正その他の問題になってくると思う。で、この内容の点についてはこれは内閣委員会や、あとで地方行政のこの委員会でもやると思いますから、われわれはこの内容についてはきょうは言いません。ただ問題は、去年の給与アップのときもそうだったのですが、財源措置の問題、地方公務員の給与引き上げの財源措置の問題、これが相当、ことしは問題にならなければいいのですが、どうも国の財政、地方財政の現状から見て、相当私は問題になるような気がするのです。
 そこで、私はこの際、財政局長に――行政局長も関係があるのだからいていただくと一番いいのですが――お伺いしておきたいことが二点。一つは、従来とも地方公務員の給与財源の措置をする場合には、これは明らかに地方交付税法のあの規定の中にあるように、財政の新規需要だとこういう観点から交付税の中へこれを入れて財源措置を行なってきた、こういうように私は考えるのですが、その点がどうかという問題が一つ、それからもう一つは、今回かりに給与のアップがあったというような場合にも、いまの地方財政ではこれは全部とは言いませんけれども、大部分は去年と同じような状態で、このままの状態では、地方公務員は給与の引き上げができないことは、これはもう明らかなんで、したがって、いわゆる財政措置の問題を自治省のほうとして積極的にやってもらわなければならぬと思うのですが、この二点についてお伺いをしておきたい。
#118
○説明員(岡田純夫君) おっしゃいますように、勧告が出ましたならば直ちに財政措置について考えなければなりません。基本的には国家公務員に対してどのような措置がとられるか、それと全く同様な措置を現実的にとられるように考えなければならないと思います。考え方につきましては、従来からいろいろそのときの国の財政の事情もごさいましょうし、地方財政の実態といったようなこともございまするし、いろいろなとり方をしてきておりますけれども、それぞれの過去の実例等も勘案いたしまして、とにかくそれに対応するところの完全な財政措置をとるようにすべきである、こういうことで考えております。
#119
○委員長(天坊裕彦君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
 閉会中の委員会開会につきましては、先ほど委員長及び理事打ち合わせ会におきまして相談いたしました結果、明十二日午前十時及び九月三十日午前十時開会の予定でございます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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