くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第049回国会 石炭対策特別委員会 第3号
昭和四十年八月十一日(水曜日)
   午後一時三十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 竹松君
    理 事
                剱木 享弘君
                小林 篤一君
                小野  明君
                大河原一次君
                鬼木 勝利君
    委 員
                井川 伊平君
                高橋雄之助君
                徳永 正利君
                二木 謙吾君
                川村 清一君
                宮崎 正義君
                片山 武夫君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   三木 武夫君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        進藤 一馬君
       通商産業政務次
       官        堀本 宜実君
       通商産業省石炭
       局長       井上  亮君
       通商産業省鉱山
       保安局長     森  五郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞壽君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○当面の石炭対策樹立に関する調査
○当面の石炭対策に関する件
 (石炭鉱業の安定策樹立に関する決議案に関す
 る件)
○炭鉱災害の恒久施策に関する請願(第一一三
 号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(阿部竹松君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
 三木通商産業大臣、進藤通商産業政務次官及び堀本通商産業政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。三木通商産業大臣。
#3
○国務大屋(三木武夫君) 石炭対策特別委員会の御審議をいろいろとこれからいただくにあたりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 御承知のとおり、石炭鉱業は、エネルギー革命の渦中にあって、さきの第一次石炭鉱業調査団の答申及びこれに基づく石炭対策大綱の路線に従い、みずからの歴史においても、また、他の産業のそれにおいても、かつて見られなかったほどの大規模、かつ、きびしい合理化整備を実施してまいりました。このような合理化施策によって、石炭鉱業は、昭和四十二年度から自立安定するものと見込まれていたのでありますが、その後、予想外の労働者の離山、計画を上回る合理化整備費用の増大、資材費の値上がり、ビルドの相対的おくれ等によって深刻な事態に直面するに至りました。このため、政府といたしては、昨年、再度の石炭鉱業調査団の答申に基づき、昭和四十二年度に主要な企業の収支がおおむね改善し、安定することを目標として諸対策の強化を行なうことにいたしたのであります。しかしながら、最近に至り、重大災害が頻発し、保安対策の根本的な強化が要請されるとともに、また、一方、石炭鉱業の将来に対する不安感から、企業の資金調達はきわめて困難な事態に立ち至っておりまして、このまま放置すれば、目標年度である昭和四十二年度に石炭鉱業を安定させることはきわめて困難な実情にあります。しかしながら、わが国のエネルギー資源として重要な地位を占めている石炭鉱業を安定させ、維持することは、まさに国民経済上の基本的な要請であり、安全保障、雇用、国際収支、地域問題等の総合的な観点に立って、金融機関及び労働者が安心して政策に協力できるような思い切った対策を早急に講ずる必要があります。私は、このような見地に立って、石炭鉱業安定化のため、根本的な対策を策定し、実現していく決意であります。
 なお、石炭鉱業の抜本的な安定化対策と並行して、国土保全、民生の安定の見地から、鉱害の復旧、産炭地域の振興についても強力な施策を重点的に実施してまいる所存であります。本委員会におかれましても、今後とも一そうの御協力を賜わるようお願いをいたす次第でございます。
#4
○委員長(阿部竹松君) 次に、進藤通商産業政務次官。
#5
○政府委員(進藤一馬君) 通商産業政務次官に就任いたしました進藤一馬でございます。
 石炭問題が、今日、国の基幹産業として非常な重大なる位置にあります。委員会の皆さまにたいへん御審議いただいておりますが、私も皆さまの御鞭達、御支援によりまして職責を果たしたいと存じておりますので、今後皆さまの御支援をよろしくお願いいたします。
#6
○委員長(阿部竹松君) 堀本通商産業政務次官、お願いいたします。
#7
○政府委員(堀本宜実君) 御紹介をいただきました堀本宜実でございます。
 このたび、通商産業省の政務次官に就任することになりました。きわめて不肖な者でございまして、皆さまにたいへん御迷惑をかけると存じますが、懸命に努力いたしまして御期待に沿いたいと思います。何とぞ御指導をいただきまするようにお願いを申し上げましてごあいさつといたします。
#8
○委員長(阿部竹松君) ただいまの三木通商産業大臣の発言に対しまして、質疑の通告がございます。順次発言を許します。鬼木勝利君。
#9
○鬼木勝利君 ただいま三木大臣の御所信を承りまして、大いに意を強くするわけでございますが、先般の山野炭鉱の災害に際しましては、三木大臣もさっそくかけつけていただいて、所信のほどを承ったのでありますが、先般、保安局長から、その後の山野炭鉱の処置に対して一応の説明を承ったのでありますが、おおむね三点に分けられておったようでございます。というのは、山野炭鉱のその後の再開に関する点、それから、保安整備に関する点、それと組夫の点、大体この三点に要約されて御報告、御説明があったと思いますが、ただいま大臣のお話を承りまして、これから石炭産業に対しては根本的対策を自分は樹立するように十分決意しておる、こういうお話でございますので、大いに私安心したのでございますが、保安設備に対しまして、保安パトローラーですか、これは一台三十万円以上もするというようなお話を承っておりますが、中小炭鉱が自力で早急にこういうものを設置されてその完ぺきが期せられるかどうか、あるいは設置の義務づけをされておるようにありますガス警報器とか、救急の酸素ボンベとか、こういうようなものにいたしましても、これを坑内の各所に常備するということになりますと、かなりの私は資金が要ることと思うのであります。こういうことに対しましては、十分国家がこれをみてやるということでなければ、まあ四十年度の予算は八億円の予算が計上してあるようでございますが、ただいまの大臣のお話で、根本的な自分は対策を樹立する考えだということですが、それでは具体的にどういうふうにお考えであるか。まあ来年度八億円組んであると申しますけれども、実際の融資額は私は八億円にならないと思う。五割か六割ぐらいにしかならない、こう思うのでありますが、少し具体的に大臣のお考えを承りたいと思います。
#10
○国務大臣(三木武夫君) 等一番には、石炭産業というものの経営を安定さすということが根本的に大事であると思うのであります。そうでないと、やはり経営が苦しいということになると、どうしても保安施設に対しては、企業の側からも十分保安施設の完ぺきを期するということはおろそかになりがちであります。根本にはそういう問題がひそんでおる。だから、今回はきょうあすというわけにはいかぬけれども、石炭鉱業というものが長期的に安定してやっていけるような対策を立てたい、こう思っております。これは根本の問題です。
 それから、保安の問題については、お話のように、いまの融資制度――保安施設の強化というのには融資の道が開かれておりますが、それだけでは不十分なんで、初めてこの間やはり政府が補助金を出したわけです。そうしてこの保安施設を拡充するということについて、少しやはり政府も責任を持とうという、その道を開いたわけです。だから、今後そういう点で、中小炭鉱などに対して厳重な保安施設というものを今後要求しますと、企業だけではなかなか負担し切れない問題もあるので、こういう道を開いたのでありますから、実情等も勘案して、こういう政府の助成ということも今後強化していきたい。一方においては無利子の融資の方法がある。これもまた実際好ましいのは、やはり企業自体が、保安のことは自分でやれるぐらいにならないと、政府がそこまでみなめんどうをみるということは、全産業を考えた場合に、それはできることではない。しかし、石炭鉱業の現状からして、やはりこの石炭鉱業の保安という問題については、政府が少しやはりこれは助成しなければだめだという点でそういう道を開いた。これはやはりこういう考え方を強化していきたいと考えております。
#11
○鬼木勝利君 ただいまのお話のように、山自体が保安の完ぺきを期すべきだと、そのくらいでなければだめじゃないか、しかし、今日の現状では、国家がこれをみてやらなければやむを得ない、全部大臣のおっしゃるとおりでございますので、ますますこの点について私は強化していただきたい。
 それから、これは前通産大臣にも、私は、再三本会議で緊急質問、あるいは予算委員会で申し上げたのでございますが、保安官を増員する――来年席は七名しか増員してない。それから、大蔵大臣にも私はその点を追求したのですが、ところが、前大臣は、まかしてくれ、必ずしも保安官を増員したから保安の完ぺきが期せるというものじゃない、まことに理屈はそのとおりです。しかし、今日二百七十名、いや、そのくらいな保安官でどうして保安の全きを期することができるか、私はできないと思う。いや、それは多いにこしたことはないけれども、本年度はこういうことで、ひとつ来年度はいくからよろしく頼む、まあまかしてくれ、こう言われて数十日を出でずして、一月を出でずして例の山野炭鉱の爆発と、こうなった。私はそういうことを杞憂して、そういうことを憂えて申し上げたにもかかわらず、多いにこしたことはないけれども、現在の保安官の数で十分いけるからまかしてくれ、こういうことをおっしゃたのでありますが、これはまあ大臣に責任があるかないか、その点は別といたしまして、今度は三木大臣になられて、保安官をもう少し増員して、そして徹底した炭鉱の保安の管理をやる、こういうお考えはございませんか。その点をひとつ。
#12
○国務大臣(三木武夫君) まあ石炭の保安対策は、保安官の増員ということばかりでもないことは、もういま言われたとおりであります。しかし、一面において保安監督行政の強化ということは必要だと思っています。それで、これは増員をしたいと私は思っております。何名になるかは、これは予算全体の規模等も関係しますが、しかし、これはもう少し増員したほうがいいという意見でございます。そういう線に沿うて予算も要求したいと思っております。
#13
○鬼木勝利君 いま大臣のお話を承りまして、私の意見と大体同じでございますが、まあ今日、あるいは伊王島とか、あるいは夕張とか、相次いで炭鉱災害が起ったのですが、その間の保安の監督状況なんかを見ますと、その前後がどうも私は不徹底であった。また、指示したそのあとの処置をどうしておったかというようなことも、事後処置もしてない。で、二カ月に一回だとか三カ月に一回だとか、そういうような状態でございますから、将来は、私、いま大臣がおっしゃるように、相当保安官を増員して、抜き打ち的に各炭鉱の保安管理状況を視察監督する、こういうふうにしていったならばどうであるか。いままでではなれ合いみたようにして、何日に行くからと、すると、片方では待っておる、すると、うまくそのときだけやって帰っていく。どうもそういう点にずさんな面があるように思う。これは私、的確なあれではございませんから、間違っておったら取り消しますけれども、山野炭鉱のあの災害の後も、保安官が何か山野のクラブに宿泊して、そして調査をした。これじゃ炭鉱となれ合いで、どうも私はそういう点が納得いかないのですが、従来どうも炭鉱と経営者側と保安官が、多少なれ合いみたような点があったのじゃないか。そういうことでなくして、抜き打ち的に私はこれは検査すべきだ、こういう見解を私は持っておりますが、大臣いかがでございますか。
#14
○国務大臣(三木武夫君) なれ合いだとは思いません。これはやはり保安官はなかなか私はよくやっていると思っているのです。ただ、新聞で私も見たから、すぐ、少し遠方でも、ああいうところで泊まっちゃいけない、何か世間に対して、これだけ人命を失った人があるときに、それに対して保安の立場にあるものが、そういう責任をある面において追及されなければならぬ相手でもあるわけですから、会社の寮なんか借りてはいけない。これは少し遠方でもかわったほうがいいという注意を与えましたのであります。どうも炭鉱というのは、あまりそう町の中にあるわけでないですから、また、会社とのいろいろ連絡に便利な点もあろうと思いますが、これは将来はそういうことをさせない。寮なんかに泊まらないで、少し不便であっても、やはり普通の旅館なんぞに泊まっていくべきである。ただじゃないのですよ。ちゃんと払って入るのですけれども、世間から見ると、どうもいまお話のような疑惑を与えることは、保安官という立場からいえばよろしくない、そういうことはこれからはさせないつもりであります。定期的には、人数が少ないですから、やはり何カ月とかというふうに回って巡回するわけでありますが、少し人間の余裕をつくって、必ずしも予告しないときに保安状態を調べに行くという、そういうことをやっていいと思います。そうでないと、何かその来るときだけというようなふうにもいかないですから、これはお話のようなことはやはり考えてみることにします。予告なしに見て回るということは必要なことだと思います。
#15
○委員長(阿部竹松君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#16
○委員長(阿部竹松君) 速記をつけて。
#17
○鬼木勝利君 ただいま大臣のお話を承りまして、全く私の考えていることは、自分も考えているのだ、そういう方向に持っていきたいというお話でございますので、ことに小さいことでございますけれども、ただいま申しました、保安官が会社の寮に泊まったと、これも大臣は自分も見たとおっしゃっているし、注意もしたと、これも私の申し上げたこともあながち間違っていなかったということはこれでわかったわけです。そこで保安官が、保安状況を、定期的でなくして、抜き打ちにやる、予告なしにやるということもあっていいと思う。しかし、それには人数が足らないからできないんだ、これは明らかに保安官が少ないということをお認めになったものだと私は解釈しますので、将来保安官の増員は十分にしていただける、かように解釈いたして、その点はそれで終わります。
 次に、これは労働省の基準局長さんを呼んでおりますので、三木大臣には直接お尋ねするわけではございませんが、大臣の御見解をちょっと承りたいのですが、今度の山野炭鉱のとうとい犠牲になられた方の二百三十七名の中に組夫が百十四名おられた、こういうお話でございますが、組夫の使用ということに対して通産大臣はどのようにお考えになっておりますか。その点、ひとつ時間もないようでございますので、まず一つお伺いして、あとは……。
#18
○国務大臣(三木武夫君) 組夫は、これはあまり歓迎すべきことではないと私は思っております。しかし、組夫を絶対に入れてはいかぬというのでは私はない。今日の石炭鉱業というのは成り立たない。だから、なるべく組夫を入れるときには、入れる場合に厳格にいろいろな規制があるわけですから、それをもっと厳格に規制というものを履行するということが必要だ。いろいろな組夫を入れる場合には制約があるわけですから、その制約にのっとって、もっと厳重にやはり審査をする必要がある。それと、これは石炭鉱業には組夫はある程度使わざるを得ないとするならば、それの訓練ということですね、保安上の訓練、これはやはり施さないといかぬ。だから、考えておることは、やむを得ないにしても、それをできるだけ必要最小限度にするために、組夫の制約というものに対して厳重な監督をやる、それから、それに対しては訓練を行なう必要がある、これがまあ私の組夫に対して考えておる基本の考え方でございます。
#19
○鬼木勝利君 私、大臣にお尋ねするのはまだございますけれども、時間がないそうですから、これで一応終わりますが、あと政府委員の方に私はお尋ねしたいと思います。
#20
○委員長(阿部竹松君) この際、申し上げておきますが、大臣にしぼってお尋ね願って、後刻労働省の基準局長が出席されることになっておりますから、その際、御質問願います。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#21
○委員長(阿部竹松君) 速記をつけて。
#22
○須藤五郎君 大臣、石炭産業が非常に困難な状態にあるということは私たちも知っているわけですよ。しかし、ここで大臣のほんとうの方針を聞いておきたいのは、このあなたの、いまの何ですか、所信表明の中の終わりのほうに、「石炭鉱業安定化のため、根本的対策を策定し」と、こういうふうに出ておるわけです。その「根本的対策」というものについて、もっと具体的にひとつあなたの抱負を示していただきたいと思います。
#23
○国務大臣(三木武夫君) 私はまあこういうふうに考えているんです。それは、今度国会の御承認を得て総合エネルギー調査会というものができましたが、エネルギー資源の中で石炭というものが少し長期的に一体どういう位置を占めるべきか、石炭の位置づけ、これはやがては原子力発電のようなものもこれは相当エネルギーの補給源になってくるでしょう。いままあ重油の問題、こういうエネルギーの革命の中において、これを何十年というわけにもいきますまいが、ある一つの長期的な期間、石炭というものはどういう位置づけをすべきかということが一つ。その位置づけをした場合に、どうしてもやっぱり国際収支の面からも、雇用関係、地域開発の面からも、これだけのものはどんなことをしても石炭を確保しなければならぬという数字、これは五千五百万トンというあの当初の目標を再検討して私はいいと思う。これだけは確保するのだということをその位置づけから出発してそれをきめるならば、国家の助成も、いままで助成の足らないものはもっと助成を拡充していいのではないか、そうなれば、当分の間、十年なら十年は、やはり石炭産業というものは安定していける。これが斜陽産業であることは事実です。だから石炭産業というものは非常な恵まれた産業にはできないにしても、みな非常にあしたはどうなるのだというような不安で、銀行からもなかなか資金の借り入れもできぬのだという、こういう不安定な状態というものをなくする必要があるのではないか。だから、今年度の予算ですぐにそういうわけにはいかぬが、そういう方向に向かった本年度の予算も考えていきたい、多少の時間も要りますよ。いま言ったような総合エネルギーの調査会とか、石炭鉱業審議会とか、こういうものの衆知も集めなければならぬ、これはむずかしい問題です。通産省にもこれは私は検討を指示してやってみますが、こういう衆知も集めて、石炭産業というものを少し長期的に安定していけるようなものにしたい。こういうことがやはり私は根本的――というのは、困ってくればその場その場の救済でそのときを何とか切り抜けていくというようなことでは、何か限界にきておるのではないか。もう少しやはり安定して経営ができるようにするためには、そこから掘り下げて石炭問題と取り組む必要があるのではないかというのが私のいまの一つの考え方でございます。
#24
○須藤五郎君 時間がありませんから、この問題で議論はいたしません。また後日、いろいろ私たちも勉強してやりたいと思います。
 いま大臣の話を聞いていると、斜陽産業であるから、結局必要なものは金なんだ、金の裏づけを何とかしていかないというとこれをやっていけないのだ、集約すればそういうことになるのですか。もう少し積極的な、石炭産業はいかにして生き延びることができるか、石炭産業を生き延ばすためにはエネルギー資源に対するどういうふうな対策を立てたらいいのか、そこまでちょっと伺っておきたいと思っておったのですが。
#25
○国務大臣(三木武夫君) 私の言うのは、非常にやっぱりエネルギーは一つのいまは大きな変革期ですよ。その中でも激しいものである。エネルギーというもののエネルギー源というものに対する革命的な変革というものは非常に激しい。その動いておる中で石炭のウェートというものを一体どうつかむのか、一つの位置づけと言っているのはそういうことなんです。ある長期的な見通しで、石炭は、ただ経済合理主義だけではいけないそれは雇用問題もあるし、また、地域における地域住民の生活問題とも結びついているのですから、そういう総合的な判断のもとに石炭の位置づけというものをしなければならぬのではないか。そういうことから出発して、これだけの石炭はどうしてもやっぱり確保していくのだという数字が引き出されないと、なかなかその日暮しになっていくのではないか、そういうことを申し上げたので、それは金もあろうし、人間の問題もあろうし、いろいろな問題、金がありさえすれば解決するのだということは私は言えないと思う。そういうことが考え方の出発点になっているのだと思います。
#26
○須藤五郎君 もう一点だけ。
 私は、石炭の問題は日本だけの問題じゃないと思うのですよ、重油と石炭の関係の問題は。それから、また、原子力なんかの問題も出てきますし、これは日本だけでなしに、やっぱりソビエトなんかにも同じ問題が起こるのだろうと思うのです。しかし、ソビエトでは、いわゆる石炭が斜陽産業になっていないのですね、あそこは。だから、その斜陽産業にならない原因がどこにあるのかということですね。
 それから、もう一つ、日本でこういう石炭をやっていく――これはまだ党の意見でも何だもないのですが、いわゆる経営のやり方ですね、石炭を国営にするとか、国営にして守っていくのだということ。それともう一つ、日本のエネルギーを重油だけにたよっていってよいものかどうかという問題です。外国から輸入の重油ですから、いざといったときにそのエネルギー資源を遮断された場合、日本の産業が受ける被害も非常にこれも大きい。だから、何といっても、石炭というもの、国内にあるエネルギー資源、この石炭というものを軽視することは、やはり私は危険があると思うのです。だから、そういう点でもっと突っ込んだ意見をお伺いしたいのですけれども、きょうもう時間がないですから、私はこれで打ちとめておきます。
#27
○委員長(阿部竹松君) 御意見ですから、よろしうございますか。大臣どうですか。
#28
○国務大臣(三木武夫君) それはやっぱり国際的な環境の中で、エネルギーというものは考えなければならぬ、どうしたって輸入に仰ぐわけですから。また、原子力というものも、やがては一九七〇年代にくれば、原子力というものは大きなやっぱりエネルギー源になるだろうと私は思うのですね。そうすると、まあ戦争でもあったら困るではないかということ、そのためには平和共存の一つのやはり政策を推進していかないと、戦争というものを予定して産業政策を立てるということはなかなかむずかしいのです、そうなってくると。だから、やは戦争のない社会、これをつくるという前提でなければ、原爆戦争がやがてあるのだというもとでは産業政策は立たない。これはやはり平和ということが産業政策の大きな前提になってくるということで、戦争になったらどうなるかということは、まああまり私は考えないと言ったら無責任ですが、そうなってきたらもう政策が立たぬ。原爆戦争が近い将来に必至だということは、そうなれば平和ということを、産業ばかりではいかぬ、外交も通じて平和というものを確立していく、これは大きな大前提ですよ。それがなければ産業政策はお手上げになるという感じでございます。
#29
○須藤五郎君 その問題については、後日またはひとつ大臣の御意見を伺いましょう。
#30
○委員長(阿部竹松君) 大臣の時間の都合もございますので、ただいまの質問は後刻に譲ることにいたします。
    ―――――――――――――
#31
○委員長(阿部竹松君) この際、私から、石炭鉱業の安定樹立に関する決議案を提案いたします。
 昨日及び本日の委員長及び理事打合会におきまして種々協議の結果、その案文について意見の一致をみました本決議案を議題といたします。
 まず、その案文を朗読いたします。
   石炭鉱業の安定策樹立に関する決議案
  現下の石炭鉱業は、ここ数年にわたる諸施策にも拘らず未曽有の危機に直面している。従って、政府は速やかに、石炭企業の資金の確保、鉱害復旧の促進、閉山処理についての助成の強化等の当面する諸問題を強力に解決するための措置を講ずると共に、さらに石炭鉱業の経営安定のため、抜本的な対策を樹立し、その実施に万全を期すべきである。
  右決議する。
 以上が理事会において一致をみました案でございまするので、これから採決を行ないたいと存じます。
 ただいま朗読御提案申し上げました石炭鉱業の安定策樹立に関する決議案に賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
#32
○委員長(阿部竹松君) 賛成多数と認めます。よって、石炭鉱業の安定策樹立に関まる決議案は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、三木通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
#33
○国務大臣(三木武夫君) ただいまは本委員会において、圧倒的多数をもって石炭鉱業の安定策樹立に関する御決議をいただきました。この御決議の趣旨に沿って、石炭鉱業の経営の安定のため、抜本的な対策を樹立する決心でございます。御決議に対して所信を述べる次等でございます。
    ―――――――――――――
#34
○委員長(阿部竹松君) 次に、第一一三号、炭鉱災害の恒久施策に関する請願を議題といたします。
 右一件の請願は、便宜、理事会においてあらかじめ慎重に検討いたしました結果、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと意見の一致をみたのであります。
 この際、おはかりいたします。ただいまの請願一件を採択することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(阿部竹松君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(阿部竹松君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#37
○委員長(阿部竹松君) 速記をつけてください。
 継続調査要求についておはかりいたします。当面の石炭対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則等五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(阿部竹松君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(阿部竹松君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後二時十五分散会
    ―――――――――――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト