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#1
第049回国会 商工委員会 第2号
昭和四十年八月十日(火曜日)
   午前十時四十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 八月四日
    辞任         補欠選任
     北村  暢君     永岡 光治君
 八月十日
    辞任         補欠選任
     柳田桃太郎君     高橋文五郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         豊田 雅孝君
    理 事
                赤間 文三君
                岸田 幸雄君
                剱木 亨弘君
                近藤 信一君
    委 員
                井川 伊平君
                近藤英一郎君
                高橋文五郎君
                宮崎 正雄君
                柳田桃太郎君
                吉武 恵市君
                阿部 竹松君
                永岡 光治君
                鈴木 一弘君
                向井 長年君
   国務大臣
       国 務 大 臣  安井  謙君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員       佐久間虎雄君
       公正取引委員会
       事務局長     竹中喜満太君
       通商産業政務次
       官        進藤 一馬君
       通商産業政務次
       官        堀本 宜実君
       通商産業省重工
       業局長      川出 千速君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
   説明員
       通商産業省通商
       局次長      今村  f君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○下請代金支払遅延等防止法の一部改正に関する
 請願(第八七号)
○東西貿易の促進に関する請願(第一三〇号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (通商政策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更について御報告いたします。
 去る四日、北村暢君が辞任され、その補欠として永岡光治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(豊田雅孝君) 理事会において協議いたしました事項について御報告いたします。
 今期国会における当委員会の定例日を従前どおり火曜日及び木曜日の午前十時からといたしました。
 本日は、まず私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び請願の審査を行ない、なお、継続調査要求書の提出等を決定することといたしましたので、通商産業省の施策及び経済企画庁の施策についてそれぞれ説明を聴取いたし、通産産業政務次官及び経済企画政務次官の発言を許可いたしまして、そのあとで施策の説明に対し質疑を行なうことにいたしました。
 なお、明日は午前十時から委員会を開会することといたしました。
 以上、御了承を願いたいと存じます。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(豊田雅孝君) 次に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきまして、先般提案理由の説明をすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入りたいと存じます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#5
○近藤信一君 委員長、ちょっと速記を……。
#6
○委員長(豊田雅孝君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(豊田雅孝君) 速記をつけて。
 公正取引委員会事務局長。
#8
○政府委員(竹中喜満太君) それでは、お手元に差し上げました資料によりまして、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の要綱の御説明を申し上げます。
 改正点は四点ございまして、初めの二点が実体規定の改正でございまして、三、四は機構と定員の改正でございます。
 第一は、現在独禁法の第十条二項で、金融業以外の事業を憎む国内の会社が、その株式を所有する場合、その会社の総資産が一億円をこえるものについて、株式所有報告書の提出義務を課しておるのでございますが、最近における経済の進展に伴い、会社規模の拡大に応じまして、中小規模の会社にまでその義務を課することはどうかということで、総資産一億円を五億円に引き上げようとするものでございます。
 それから第二点は、第一点に応じまして、会社の役員または従業員が、その会社と競争関係にある国内の会社の役員の地位を兼ねた場合、これらの会社のうち、いずれか一つの会社の総資産が一億円をこえる場合に、届け出の義務を課しているのでございますが、これを五億円に引き上げようとするものでございます。
 第三点は、現在公正取引委員会の事務局に地方支分部局といたしまして、札幌、名古屋、大阪、福岡に地方事務所がございますが、今度新たに仙台に地方事務所を設けようとするものでございます。これは公正取引の事務局の事務量の増大に応ずるものでございます。
 第四点は、公正取引委員会の事務局の定員が現在二百六十六名でございますが、十一名増加いたしまして、二百七十七名に改めようとするものでございます。
 簡単でございますが、要綱の内容は以上のとおりでございます。
#9
○近藤信一君 本来ならば、通産大臣に御出席願って御質問するところでございまするけれども、予算委員会で通産大臣が余儀なくこちらに出席できない、こういうことでございまするから、後ほどまた通産大臣の御出席を願っていろいろとお尋ねする点もございまするが、とりあえず私は若干の質問をいたしたいと思います。
 そこで、まず法案に入る前にただしておきたいと思うのですが、これは私の意見も交えて御質問をいたしたいと思います。去る七月七日の経済閣僚懇談会で、佐藤総理は、不況対策として産業界の自主的な調整の促進をやらなければならぬ、こう言って指示をしております。これに基づいて、早々と通産省は、必要に応じて勧告操短などを行なう、従来より強力に行政指導しなければならぬ、そして産業界の減産体制というものを強化する方針だと、こういうことを言われたと伝え聞くわけなんでございますが、十二日には、鉄鋼の大手六社の社長会というものが、ホテル・オークラで開かれまして、この自主調整についていろいろと意見がかわされて、何か意見の一致を見たというふうに伝え聞いておるわけなんですが、通産省の行政指導によるいわゆる勧告操短というものを実施する動きということがここにあらわれてきた。そういたしますると、鉄鋼を第一号として、このあと続いてくるだろうというものが、繊維、セメント、そういう不況業種についてまた通産省は勧告操短をやるのじゃないかということが予定されるわけなんですが、このような動きに対しまして、最近の新聞論調では、一斉に行政指導、それからカルテルと独禁法の問題を取り上げまして、独禁法の無力化への方向に対するきびしい批判というものが、新聞の論調ではなされておるのですが、これらの論調に共通して見られますることは、やはり沈滞した産業界の不況ムードをどう打破するかという対策の必要性というもの、こういうものを認めながら、その方法としては、政府や産業界首脳部が現在の独禁法の精神に反する行政指導カルテルによって生産制限を行なう、こういうふうにも思われるわけなんですが、独禁法の無力化の方向ということを目ざしておられまするが、消費者の利益というものが不当に軽視される、こういうことを私どもは警戒しなければならぬのじゃないかと思うのですが、こういう点から一、二質問をいたします。
 そこで、昭和二十七年三月に綿紡績について減産の勧告操短というものが行なわれまして以来というものは、各業種にそうした不況不景気対策といいますか、こういうことで勧告操短というものが行なわれてきていることも御承知のとおりだろうと思います。昭和二十八年には独禁法の改正を行なって不況カルテルの結成を認可する条項が入れられたことがあるのですが、独禁法に基づく不況カルテルの結成というものはきわめて少数でありまして、依然としてこれは勧告操短が行なわれてきたということのほうがし実情じゃないかと、こう思うのです。最近では粗鋼について勧告操短を行なうことにきまって、すでに実施段階に入っていることもこれは御承知のとおりだと思います。勧告操短を合法化する根拠というものは一体どこにも見当たらないと思うのですが、それにもかかわらず今日勧告操短というものが行なわれてきていることは、公取がやむを得なくこれを黙認している、こういうことじゃないかと私思うのですが、黙認の理由は政府の行政指導によるものだからと、こう言われておるのでございますけれども、政府の行政指導によってなぜ違法のカテルが違法性を追及されずに黙認されておるか、こういうことは非常に私は矛盾しておるのじゃないかと思うのですが、この際法律的また理論的な説明というものをひとつ願いたいと思います。
#10
○国務大臣(安井謙君) 近藤委員のお話のとおり、私どもはこの独占禁止法というものが経済のルールを守っていき、消費者の立場を守っていくという立場から非常に厳に守られなきやならぬものだと心得、その運用もやっておる次第であります。ただ、経済界の実情上、ただいま御指摘のような事例もあったことは確かであります。それに対する法律的な解釈等につきまして、政府委員から御答弁させたいと思います。
#11
○政府委員(佐久間虎雄君) ただいま御指摘の粗鋼の減産でございますが、公正取引委員会といたしましては、行政指導によります生産制限を、経済的に見ますと、全く民間における共同行為の場合と変わらないものでございますから、望ましくないものといたしまして、極力これを避けるように希望いたしておるわけでございます。できますことならば、独禁法上の不況カルテルで処理していただくというふうに、この両三年強くその方針を堅持しておるわけでございます。たまたまこのたびの粗鋼の減産につきましては、御承知のように粗鋼業界は非常に内容が複雑でございまして、業界にカルテルの結成をさせますためにはあまりに事情が込み入っておりまして、簡単にカルテルの結成はできない、それからまた政府の不況に対します総合対策の一環といたしましても早急に施策が必要だと、こういうような事情もありまして、通産当局におかれて、個々の企業に対しまして勧告をなされたというふうに承知いたしております。しかし、公正取引委員会といたしましては、このような勧告操短の場合には、往々業界の共同行為を伴います場合が多いものでございますから、その辺につきましては十分事態の推移を監視いたしまして、独禁法上取り上げるような事態が出ますれば、これに措置していきたいというふうに考えております。
#12
○近藤信一君 いまの御答弁からいきましても、私はやはり不況の場合に、特にこの公取委員会というものが本来ならば強化されなければならぬ、これが常識じゃないかと思うけれども、ややもすると産業界に押されて公取委員会のほうが軟化すると、こういうふうに一般的に批判を受けているこの事実、こういうことは、私はいまの公取の存在の価値というものがだんだん薄らいでくるんじゃないかと、こう思うので、その点はどうなんですか。
#13
○政府委員(佐久間虎雄君) 業界では、ことに経済界の団体等には、独占禁止法に対するいろいろな批判がありますことを承知いたしておりますが、私ども公正取引委員会といたしましては、自由経済の基幹といたしまして、やはり独占禁止法の趣旨というものは絶対に堅持していくべきものとかたく信じておりますので、実際の運用にあたりましては、それぞれの事情に応じて無理のないような運用はできるだけいたしていきますが、趣旨として、これをはずすというようなことは一切いたさない方針でまいっております。
#14
○近藤信一君 独禁法には不況カルテルの規定がございますし、それから、その手続を回避して勧告操短の方向を目ざしておるということなので、いまの通産省及び産業界の実情というものはそういう方向に向いているんじゃないかと思うんですが、産業界の不況対策は必要である、しかし、不況対策を理由としてこれをにしきの御旗のごとくにして、それで勧告操短の乱発といいますか、結局消費者が不当な不利益をこうむる。独禁法の基本精神というものにこれは反するんじゃないか。そこで、私どもとしてはこういうことには全く賛成できない。法の規定に基づく不況カルテルを申請させるのが筋でございます。世上、不況カルテルというものが申請をきらわれるのは、認可基準がうるさいからか、また、認可までに時間がかかり過ぎて緊急措置としての役に立たないんだ、こういうようなことが言われておることも御承知のとおりだと思うんですが、公取当局として、不況カルテル申請がきらわれているのは一体どういう理由によってそういうようなことが出てくるのか。また、どのようにあなたのほうで認識しているのか。勧告操短に逃げ込まれないで不況カルテルの申請の方向へ持ってこさせるためには、公取として、どのようにこれを進めるか。こういう点についてあなたのほうの見解をひとつお聞かせ願いたい。
#15
○政府委員(佐久間虎雄君) ただいまのお話でございますが、業界におきますカルテルの結成は、外から見ておりますと容易なようでございますけれども、なかなか業界の意見がまとまりますということは容易でございませんので、非常に時間を食っております。これはどの業界につきましても、カルテルの経過を見ますとそういうような動きをいたしております。で、公取といたしましては、法律上認められておりますカルテルを認可します場合には、積極の上要件、消極の要件と、きびしい要件がきめられておりまして、たとえて申しますと、価格が生産費を下回って不況な事態が完全にある、それから合理化を十分やって、なおかつその不況が切り抜けられない、それからまた、そういうカルテルを結成いたしました場合に、関連業者とあるいは消費者に不当な不利益を与えないだろうかどうか、こういう点につきまして、法律上も要求いたしておりますが、相当厳重に審査をいたしておることは事実でございます。ただ、そういう点の審査にあたりましては、個々の業界によりまして事情がさまざまでございまして、一律に判断しにくい場合がありますので、できるだけ業界の実情というものをよくこちらものみ込みまして、無理のないようにということは心得ております。ことに、昨今のようにもう倒産の寸前に陥っているというような業界が相当ございまして、あまり法律の解釈を狭くいたしますと、そういうところに追いやると、せっかくのカルテル結成も効を奏しないというようなこともございますので、許される範囲におきまして、法の趣旨を離れないように運用いたしておりますが、なお御指摘のありました、非常に時間がかかるという点でございますが、これはまあカルテルの内容によりましてももちろん違いますし、事前にこちらに連絡がありますかないかによっても非常に違いますけれども、通常申請を受けまして二週間見当で大体処理いたしております。先般の特殊鋼の、合金鋼の場合などは、非常に業界がきびしい状態に陥っておりましたので、これは申請後一週間で実際処理いたしておりまして、時間がかかるという非難は全く当たっておらないと思います。大体そういうような状態であります。
#16
○近藤信一君 去る七月の二十日に公取の定例委員会ございましたですね。
#17
○政府委員(佐久間虎雄君) ほとんど毎日やっておりますが……。
#18
○近藤信一君 そこで、粗鋼の勧告操短について、通産省の説明を一応了承して、当面推移を見守っていくのだと、こういう結論に達したと聞いております。これは公取委員会の大きな後退と見られておるのでございますが、公取が粗鋼のこの生産調整を本来独禁法に基づく不況カルテルで行なうべきである、こういう態度を堅持しながら、今回の措置が景気振興の重要なてこ入れ策などの事情から、当面事態の推移を見守るのだと、こういうことらしいのですが、これは明らかに私は独禁政策というものの大きな後退と言わざるを得ない。これを先例として、おそらく今後不況カルテルを予定している各業種についても同じように勧告操短方式ということでやっていくのじゃないか、公取もそれを認めざるを得ないのじゃないか、そういうところへ現在の公取が追い込まれておる、こういうふうに私は考えて、非常にこのことを心配するわけなんですが、公取としての見解というものは一体どのように考えておられるのか、この点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#19
○政府委員(佐久間虎雄君) 粗鋼の減産にあたりまして、事態の推移を見るということを申したわけでございますが、これは先ほども触れましたように、粗鋼の場合には内部事情等によりましてカルテルの結成が早急にできませんものですから、すでに私のほうとして不況カルテルの結成をおすすめしたのでございますけれども、まあそこに至らなかったわけでございまして、今後カルテルの実施状況等の経過の過程で、やはり共同行為と思われるようなものが出ます場合には、もう問題なく法律違反として取り上げるつもりでございますし、また粗鋼減産の結果、関連産業等に不利益を与えるというような事態が発生いたします場合にも、もちろん通産当局にそういう事情についての是正方を申し入れるつもりでおりますが、現に粗鋼につきましてはそういう経過をたどりましたが、製品でありまする厚板のようなものにつきましては、申請がまいっておりまして、近日処理することになっておりますが、先ほで紡績のお話もございましたが、紡績もまだ処理はいたしませんけれども、独禁法上のカルテルとして申請してくるように聞いておりまして、ただいまのところ粗鋼のような勧告操短の例はおそらくはかにないんじゃないかというふうにただいまは考えております。
#20
○近藤信一君 そとから見ておると、やっぱり公取委員会というものがだんだんだんだんと当初の目的から通産当局に押されて後退してきておるという事実は、これはいろいろと報道陣なんかでもすでに取り上げてそのことを報道しておるわけなんです。私は公取の趣旨というものはそんなものでなく、やはり公取独自の立場からものを考え、そしていろいろと本来の立場を堅持していく、こういうことでなければならぬと思うのですけれども、何かここのところ最初の趣旨からだんだんと後退してきておるやに私も思うのです。こういう点は一体どこに欠陥があるのか。まあ公取自身がもうだんだんと当初のあれから、皆さんやっておられる人が熱意を失ったのか。そういう点はどうですか。
#21
○政府委員(佐久間虎雄君) 私公取の委員を勤務いたしまして三年余りになるのでございますけれども、古いことは存じませんが、経過を顧みますと、二十四年、二十八年と二回の法律の改正がございましたし、三十三年でしたかに改正が出ましたが、それは審議未了で終わっておりますが、いろいろ独禁法の適用除外の法律が幾つかできておりまして、そういう過程を見ますと、いかにも独禁法が後退したように見えるわけでございますけれども、この三年ほどの経過から見れば、さような後退というような事実は実は全くないんじゃないかというふうに――むしろ勧告操短等は控えていただいたりいたしておりまして、法律の運用も相当厳重にいたしておるつもりでございまして、内部から見ましては、決してさようなことはないつもりでございます。
#22
○近藤信一君 次に、これまで三たび流産いたしました特振法について、通産省の執念にもかかわらず、産業界の大勢というものがあまりこれは乗り気じゃないというところに問題があるのじゃないかと思うのですが、いわゆるこのことは、官民協調方式について、産業界が官僚統制をやられるのじゃないかということで非常に警戒した結果がこういう結果になったんじゃないかと私は思うのです。元来官僚統制は産業界が本能的に忌避する性格のものでございまして、産業界の不況が深刻になってまいりますと、やはりいろいろとまた問題が出てきて、今日のようなことになってきておると思うのです。そこで、やはりこうした考え方というものがかなり変わってきておるということもあるのじゃないかと思うのですが、官僚統制をきらうものの、さてそれじゃ自主的に調整をやるかというと、なかなかこれもできない。そこで非常に複雑な利害対立というものがからんで、容易にこれは調整ができないことはあなたも御承知のとおりだと思うのですが、かりにこれが自主調整が進んで、今後やみのカルテルということで独禁法に抵触するようなことにもなった場合に、一体両方からの板ばさみの状態と、それから不況の深刻化から政府の行政指導といいますか、そういうものはやむなくいろいろと方向が変わってくる場合もございますし、ごく最近の実情といたしましては、自主調整はむずかしい、それで行政指導に何とかして乗れないかというようなことも言っている業界もあるわけなんです。独禁法の緩和、こういうこともまた一方業界は言っておるわけですね。このことは新聞にもしばしば出ておるわけなんですが、こういうふうなことになってまいりますると、私の予想では、今後急速に独禁法改正問題がまた大きくクローズアップされるのじゃないか。この改正は後退の方向への改正、こういうことになってまいりますることは、やはり新聞なたかもしばしばそういうことを筆をそろえて書き、批判していることもあなたの御承知のとおりだと思うのですが、こういうことになりました場合に、今川の独禁法の一部改正というものの内容が各省設置法と同様のもので、定員の増、それから機構の拡充、こうしたわずかなことでございまするけれども、このあとに続いてくる独禁法の基本的理念といいますか、これに対する改正の動き、こういうことに私は非常に注目する必要があるのじゃないかと思うのですけれども、独禁法の精神が私がさっき言いましたように、一時的な不況克服や企業間の調整がうまくいかないからといって、後退されてはならないと思うので、不況カルテルを容易に結べるようにするということ、このことのほうが重要じゃないかと思うのですが、これは企業の体質改善や国際競争力の強化をはかる、こういうことに役立たさせるといって、いろいろなことがやられるわけなんですが、こういう点については若干私は疑問があると思うのです。より高い次元から見た場合、むしろ逆効果をもたらすことになるおそれがあると私は思うのですが、私は今後独禁法の無力化への動きということ、これは重大な関心を持って見守っていかなければならぬと思うのです。この際、通産大臣はおられぬが、公取のほうからひとつ所信を伺ってみたいと思う。
#23
○政府委員(佐久間虎雄君) ただいまの御質問につきましては、全く同感でありまして、法の趣旨を堅持いたすことはかたくお約束できると思います。ただ、法律の運用につきましては、時局の動きに十分即応した運用をいたしまして、経済界の要請にもこたえて、法の運用を誤らないようにいたしますと同時に、不法な法の改正要求等は厳として退けていく、かように考えております。
#24
○近藤信一君 それから、いま一つ私はお尋ねしておきたいと思うんですが、いつだったか、過日新聞で私はちょっと拝見しましたんですが、不当広告のことで、テレビでいま膨大なというか、過大なクイズのあれをやっておる。これを私はかつて公取委員会の渡辺さんにもこのことで質問したことがあるんですが、その当時は対象にならぬと言っておられたんです。ところが、過日公取で、そういうものを対象にして取り締まらなきゃならぬということを、ちょっと私、新聞で見たんですが、いま、あなたのほうで、テレビに対する過当なクイズの取り締まりに対してはどのような考えを持っておられるのか、これをちょっとお聞きしておきたいと思います。方針が変わったのかですね。
#25
○政府委員(佐久間虎雄君) いま御指摘の点でございますが、従来は懸賞によります――くじの方法によりまして懸賞を与えるものを直接規制しておったんでございますが、だんだん脱法的なものが出てまいりまして、優等懸賞と申しますか、いろいろな不確実なことを題にいたしまして、それを当てさせましたり、あるいはキャッチフレーズとか宣伝文、感想文、こういうものを募集しまして、それの優良なものに賞を与えるとか、あるいはクロスワードとか詰め将棋、そういうたぐいのものを出しまして、当選者に賞を与えるというふうに、くじの方法を避けて懸賞授与の方式が非常にはやってまいりまして、これでは法の趣旨を全くのがれるものも同様でございますので、何らかの形で規制することになりまして、先般公聴会を開きまして、この点の、いま申しました三点も、くじの方法と同様に、懸賞を与える場合には一定の限度以下にとどめるように規制いたしたわけでございます。
 で、これらの規制は、その商品の販売に伴います場合のみ規制いたしておるのでございまして、テレビのように、商品の売買と直接結びつきませずに、企業広告と申しますか、一般的にだれが応募してもいいというふうな、オープンと申しますか、そういうものは、一応法律として現在のところ対象になっておらないものでございますから、たとえば学術論文のようなものをだれでも応募できるというふうにして賞を与えるというものに例外というふうにしております。販売に伴いましてやります場合には、いま申しますようなものも、今度はすっかり規制の対象に入れたわけでございます。そんなような事情でございます。
#26
○近藤信一君 前に私が質問したときには、そういうものは対象にならぬという話だったけれども、しかし、スポンサーといいますか、それはやっぱり商品を売るために宣伝するわけなんでしょう、自分のところの会社の名前を売って。そうすれば、私は、たとえば、それのクイズにあれしたらヨーロッパへ飛行機で、行けるとか、世界一周させるとかいうふうな、これはもうだれが見ても過当な広告だと私は思うんだ。直接物を販売するための、これを買えばこうだという広告でない、こういうところに公取が対象になっていないということであるけれども、実際はそこの会社の宣伝をするのだ、膨大な宣伝費を出して宣伝する以上は、自分のところの物を売らんがために宣伝するのだと私は理解するのだが、この点、私はおかしいと思うので、そういう点は公取としてもっとも考える余地があるのじゃないかと思うのですが、これをするには、法律を改正しなければならぬかどうか、この点どうですか。
#27
○政府委員(佐久間虎雄君) 全くテレビの場合などは、趣旨におきましては、これはやはり規制する性質のものかと存じますが、法律の規定が販売の誘引というふうなことばを使っておりまして、オープンに募集いたします場合を対象にいたしておりませんものですから、やろうにもやれないというような状態でございますが、将来もしこれがさらにいろいろ弊害が出るようでございましたら、法律改正につきましても検討しなくてはならないかというふうに考えております。
#28
○近藤信一君 では総務長官に一点お尋ねしておきたいと思いますが、七月七日の経済閣僚懇談会の佐藤総理の指示及びこれに基づく通産当局の姿勢を見ておりますると、どうも政府では、今度の産業界の不況が、減産体制の強化で切り抜けられると考えているように見られるわけなんです。財界の一部には、不況を切り抜けるには独禁法の緩和が不可欠だ、こういう意見もあるわけなんです。しかし、産業界の不況打開というものは、経営安定のためには、減産体制の強化よりも、過剰投資に伴う金融費用の増大をはじめとする、もっと基本的な原因に対する対策を再検討する必要があると、こう考えるわけなんですが、減産体制強化は、管理価格を助成して、これは当然下がるべき物価も下がらなくなる。勧告操短で価格を維持して企業の利潤を確保してやるという、これだけでは、あくまでも生産者本位の考え方でございまして、さきの国会で経済企画庁設置法を改正して、国民生活局を設置したという、これは消費者保護を推進するという政府の施策と粗いれられないものがあるのじゃないか、こういうふうにも思うのですが、独禁政策並びにこの消費者保護政策と産業政策との矛盾が表面に出てきていると思うのだが、これに対する総務長官、どういう見解を持っておられるのか、伺っておきたいと思います。
#29
○国務大臣(安井謙君) ただいまお話しの、勧告操短以外に不況を切り抜ける方法がもっと積極的にあるはずじゃないか、こういうお話、私も非常にごもつともだと思います。これは金融の方面あるいは合理化の方面その他から、積極的にそういった経済界の立て直し、あるいは業界の立て直しをやる積極的な方法が必要であろう、それと同時に、非常に緊急な場合に緊急な対策として操短ということも一つの手段に相なるかと思います。これがいまの本来の独占禁止法の趣旨から著しく逸脱するようなことのないように、私どもはこの点については考えているつもりでございます。そういった措置も、いまの経済状況から、やむを得なかったものの一つであろうかと思う次第であります。
#30
○近藤信一君 今度の法律改正の内容というものは、ほんとうに簡単なもので、あまりお聞きするところはないかと思うのですけれども、やはり一、二の点についてお尋ねいたさなければならぬと思うのですが、今度は人員を二百六十六人を二百七十七人に改めるわけで、十一人増加することになるわけなんです。そのほかに三名というものが不補充の解除云々とあるわけなんですが、この点は法律と関係なく実施していいかどうか、そういうことで、これはやっていけるか、こういう点、どうですか。
#31
○政府委員(竹中喜満太君) 現在の定員はおっしゃるとおり、二百六十六名でございまして、昨年の九月四日の欠員三名が凍結されておりまして、予算上、大蔵省との話し合いでは、この三名を含めて十四名の増員ということでございますので、予算定員の上では三名生かしまして十一名ということで、二百七十七ということになっております。
#32
○近藤信一君 法律とは関係なくやっているのか。法律改正、これは去年のあれでいい。
#33
○政府委員(竹中喜満太君) 従来の定員でございますから、それで十四名を生かすという、その生かす十四名のうちの三名は、すでに凍結したものを生かすわけでございますから、十一名だけふやせば、三名はこの法律に関係なく補充できるわけでございます。
#34
○近藤信一君 やはり私は、公取は不景気になってくればよけいに業務がふえてくるのじゃないかと思うのです。そこで、今度、定員わずか十一名の増だが、わずか十一名の増で、二百七十七人でこれから対処していけるかどうか。また、あなたのほうとしては、今度十一名増になったのだから、二百七十七名でこれはもう十分だとお考えになっておられるのか。将来の展望として、一体どれくらいが適当であるか、こういうようなことについて考えておられることがあったら、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#35
○政府委員(佐久間虎雄君) 十一名このたび増員をお願いしておるのでありますが、御指摘のように、昨今は不況カルテルの申請が非常にふえまして、その係では日曜も出勤いたして、夜を日に継ぐというような状態で忙しく仕事をいたしております。さらにまた、不当表示法とか下請遅延防止法の法律も今度強化されまして、非常に事務量がふえてまいりまして、とても十一名で万全ということは申せません。さらに、四十一年度の予算にあたりましては、ただいまのところ、まだきまっていませんけれども、相当思い切った人員を予算をちょうだいいたしたいと思いまして、ただいませっかく策定中でございます。
#36
○近藤信一君 私はなぜそういうことを質問するかというと、私もいろいろと聞いたり見たりしておりまして、現在の公取の人員ではなかなか困難じゃないか。特に、このただ申請してくるものだけを扱っていけばいいというのでなくして、やはり積極的に対処していくということになれば私は人員は足りないと思うのです。それはどういうことかというと、やはり不況になってくれば、下請代金の問題がだんだんと遅配していく、それから法改正をやりまして、一昨年でしたか、六十日をこえた場合には利息をつけなければならぬ、手形に。ところが、実際に、六十日をこえたからといって利息をつけておるかどうか。そういうことは、勇気を持って申請してきたやつは、公取としてこれは取り扱われるわけですけれども、実際は、もしそういうことを言えば、親企業は陰に陽に仕事のことで――これ自身が公取違反になるのだけれども、だから、そういうことをおそれて泣き寝入りしている下請業者がほとんどだと思うのです。
 それから過日も私、話を聞きましたが、こういうケースもある。たとえば六十日経過すれば利息をつけなければならない。だから、六カ月の手形を切る。六十日過ぎても利息をつけない。どうしてやっているかというと、単価を若干上げている。そして、その単価の上げた分で利息の埋め合わせなんだ。こういう合法的な方法を講じている。上げても正式に単価の上がる分はこの利息分なんだぞ、こう言って下請業者に実際その長い手形を渡しておる。実際もらったほうでは、単価の上がり下がりというものは、そのときの会社のほうの都合で切り下げてくることも上げることもあるのだし、上がったからといっても、必ずしもそれが悪いときに上がったということもない。いいから上がったというふうに自分のほうは理解すれば、単価の上がることは当然だと、六十日以後の手形については依然として利息をつけてくれないのだ、こういうケースがたくさんあるという話を私、聞いたのですが、こういうものについては、あなたのほうはどういうふうに見ておられるのですか。
#37
○政府委員(佐久間虎雄君) 下請代金の遅延につきましては、先般、法律の強化をしていただきまして、せっかくただいまいろいろ準備を進めておりますのですが、遅延利息につきましては、従来から規定がございましたけれども、ほとんど行なわれていなかったんじゃないかと存じます。このたびの改正によりまして、注文書の記載事項を精密に規定いたしまして、それに必ず遅延利息のことを記載させるようにいたしましたし、また、会社の帳簿にも、遅延利息に対しての記録を必ず保有するように、今度は規定をつくりまして、私ども公取としまして、親会社の帳簿を見ましたり、下請会社の書類を見ました場合に、遅延利息が支払われておるかどうか、あるいは、そういうふうなたてまえになっておるかどうかということを、帳面の上でトレースができるように今度改めました。今後は遅延利息につきましては相当手が履いていくんでないかと存じます。何ぶんにも、御指摘のように、下請業者は自己の不満をなかなか述べませんで、その点、私どもとしても、また中小企業庁としましても、非常に仕事がしにくいわけでございますが、せっかく協力団体あるいは商工会議所等の力もかりまして、そういう方面から遅延の著しいものは私のほうに通達されるように、せっかく、そういう仕組みもただいま検討を進めておりますが、今度の強化によりまして、ことに六十日の支払い期限が制定されまして、銀行で割り引ける手形でなければならないということになりますと、自然、手形のサイトも短くならざるを得ないわけでございますが、そういう点につきましても、現状をできるだけ改善していくように、中小企業庁とも十分打ち合わせをただいまいたしておりまして、着々と改善の歩を進め始めております。
#38
○近藤信一君 そこで、公取の現在のあれとしては、おもに、この申請のあったものについて調査をする、現地にもおもむいて直接自分たちが介入して調査をするというあれは、あまり人員の点からいってもできないのじゃないかと私は思うのですが、その点どうですか。
#39
○政府委員(佐久間虎雄君) 下請代金につきましては、親会社が一万程度あるようでございますが、それを年四回に分けまして、中小企業庁と共同で、一回二千五百くらいずつ、取引の内容など、下清に対するこまかい事情調査の報告をとっております。その報告によりまして、支払いが遅延しているということがわかりますと、今度は下請のほうの関係、さらに、その親会社を臨検調査をいたしまして、つぶさに内容を調べる、その結果、著しい違反のあります場合には、改善方を勧告いたすようにいたしております。大体それによって、多くの場合改まりますが、中には、親会社自身が左前になっておりまして、なかなか速急に改善ができないというような場合には、そういう事情を若干勘案しまして、できるだけすみやかに改善するように、行政指導並びに勧告をあわせ用いて指導いたしております。いままで例はございませんが、勧告によりましてどうしても事態が改まらないというような場合には、公表する仕組みになっておりますので、会社にとりまして、公表されるということは致命的なことでございますので、ただいままでは行ないませんが、今後は公表も、状況によりましてはどんどんやっていこう、かように考えて、調査も臨検調査をするというふうに徹底的に進めつつあります。何ぶん一万もありまして、数多いものでございますから、十分手が回らないというのが実情でございます。
#40
○近藤信一君 法改正してもう相当になるのだが、その後に何か申請のあったのはありますか、あなたのほうに、この下請代金の手形に対する利息をつけなかったのだというふうな、下請企業者から異議の申し立てというのですか……
#41
○政府委員(佐久間虎雄君) 遅延利息につきましては、法律に載りましたのがたしか三年ほど前だと思いましたが、一つも実例はないように承知いたしております。
#42
○近藤信一君 一件もないのですか。
#43
○政府委員(佐久間虎雄君) 私のほうに報告のありましたのについては、ほとんどないのじゃないかと思います。実際私どもに報告にならないもので支払われたものがあるかもしれません。それから、中には、先ほど御指摘のあったように、価格の中にそういう遅延利息に相当するようなものを織り込んで価格を取りきめられているというものもあるように聞いておりましたけれども、支払いが遅延したから遅延利息を支払ったということは、まだ聞いておりませんが、それを先般の法改正で厳重に今度施行することにいたしまして、この七月十五日から施行することになりましたので、ただいま準備を進めておるわけでございます。
#44
○近藤信一君 だから、私は、下請企業のために法改正しても、実際法改正してそのまま六十日以降の手形に対して利息をつけておるかというと、全部つけておりますと言うかもしれませんけれども、実際はそうほとんどなされていないというのが、私は実情じゃないかと思うのですよ。だんだんと手形が長引いておるし、そういう点からいっても、やはり公取の機構というものを私はもっと強化する必要がある。そのためには、やはり人員というものをもっと私はできるだけふやして、そうして直接調査できるような、そういう方向でいかなければ、ただ法改正しても何にもならぬということに終わってしまうのじゃないか、という結果になるのじゃないかと私は思うのですがね。そういう点はどうですか。
#45
○政府委員(佐久間虎雄君) 御指摘のとおりでありまして、遅延利息につきましては、六十日過ぎたら遅延利息を支払うということでなくして、六十日以内に現金または手形で支払う、手形が通常の銀行で割り引ける手形であれば、それで一応支払いは完了したという扱いになっておるものでございますから、手形のサイトが長くても銀行で割り引けますれば、一応支払い完了いたしておりますから、その遅延利息の問題も起こっておらないわけでございます。現金または手形の交付が、六十日以後に行なわれた場合に初めて遅延利息の問題が起こる、あるいは手形が割れないような場合に起こるわけであります。そういう点から見まして、どの程度まで実際に遅延利息の問題が起こっておるかということも、はっきりいたさないのでございますけれども、やはり私ども聞くところによりますと、遅延利息の条項が規定に入りましただけでも、親企業者としてはやはり相当神経を使っているように聞いておりまして、私のほうとしては受けておりませんけれども、何かしら効果はあがっているのじゃないかと思います。今後それを一そう厳重に施行していきたいと考えてあります。
#46
○近藤信一君 まあいずれにいたしましても、やはり私は公取の強化のためにも、ひとつ今後も十分に考えてもらいたいということで、私としては一応質問を終わりますが、他の委員の諸君の質問があろうかと思いますので、きょうこれでこの公取の質問を打ち切らずに、次の明日の委員会でもこの問題を委員長から取り上げていただきたいと思います。
#47
○委員長(豊田雅孝君) それでは、本日はこの程度にいたし、明日午前十時から本案に対する審査は続行いたします。
#48
○委員長(豊田雅孝君) 次に、請願の審査を行ないます。本委員会に付託されました請願二件を一括して議題といたします。
 まず、本請願につきまして専門員から要旨を報告させます。
#49
○専門員(小田橋貞寿君) 簡単にそれでは請願の趣旨を御報告申し上げます。
 第八七号は、下請代金支払遅延等防止法の強化をしてもらいたいという請願であります。ただいまお話しにありましたように、先国会でこの法律は改正になったのでありますが、さらにこれを強化、特に支払い期間の短縮、支払い遅延防止策の強化、違反親会社に対する罰則の強化というような点を中心に改正をしてもらいたいという請願であります。
 それから第一三〇号は、東西貿易の促進に関する請願でありまして、特に中共向けの貿易が拡大できるような方策、中国向けの延べ払い輸出に対して、すみやかに適切な施策を講ずること。あるいは中共の北京、上海等における今後ある展覧会を成功させるために補助金の支出をしてもらいたいという請願であります。で、第一三〇号につきましては、先国会においても同趣旨の請願が出まして採択になっております。以上が内容でございます。
#50
○委員長(豊田雅孝君) 右の二件について、理事会においては、いずれも採択することを適当と認めております。
 以上のとおり、決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#53
○委員長(豊田雅孝君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。
 この会期中に産業貿易及び経済計画等に関する調査を完了することが困難であると考えられますので、閉会中も引き続き調査を行なうことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成及び提出の時期等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#56
○委員長(豊田雅孝君) 次に、閉会中の委員派遣の件でございますが、本件の取り扱いにつきましては、便宜委員長に御一任願っておき、必要が生じました場合には、派遣の目的、派遣地、参加人員の人選等を定めましてこれを行ないたいと存じますが、さよう取り計らいまして御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#58
○委員長(豊田雅孝君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 最近における通商政策に関する件について質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#59
○委員長(豊田雅孝君) 速記再開。
#60
○近藤信一君 この際、バナナの自由化の問題に
 ついて若干お尋ねしたいと思いますが、本来バナナが自由化になりましたのは、一般消費者に安いバナナを食べさせよう、こういう趣旨から自由化になったと思うのですが、この点どうですか。
#61
○政府委員(堀本宜実君) ただいまお話がございましたように、価格がなるべく安く大衆に供給することができるようにという考え方であると存じます。
#62
○近藤信一君 ところが聞くところによると、昨年来相当たくさんのバナナが輸入されて、そして私ども市中においても相当安いバナナが消費者の手元に入った。ところが、国内の業者間においては非常に競争が激しくなり、そういう点から今度は輸入組合をつくって、それによって輸入を統一していこうという動きがいまあるやに聞いておるのですが、この点どうですか。
#63
○説明員(今村f君) ただいまお話のとおり、輸入の秩序を回復いたしますために、本年の春以来業界に対しまして行政指導をいたしました。輸出入取引法による輸入組合の設立ということを進めてまいっておる次第でございます。
#64
○近藤信一君 輸入組合は、いまの見通しとしては、いつごろできる予想ですか。
#65
○説明員(今村f君) いろいろ業界の事情が複雑でございまして、ただいままで若干の曲折がございましたが、設立の準備は進行しておりまして、遠からず設立をみるものというふうに考えております。
#66
○近藤信一君 そこで、輸入組合が一元化されて、輸入組合で輸入するようになった場合には、バナナの消費者の手元に入る場合には、やはりこれはバナナの単価というものが上がるというふうな見通しになるのですか、これはどうですか。
#67
○説明員(今村f君) 輸入組合をつくりますゆえんは、バナナの輸入の取引条件、特に台湾に対しますところの取引条件が、輸入業者の過当競争のために著しく至心化しております。したがいまして、そういう点を輸入組合の設立によりまして正常化する、こういうことによりまして、ただいま取引条件が不当に悪化している点を是正することができるというふうに考えております。したがいまして、その限度におきまして輸入の価格等も安くなるということを期待しておるわけでございます。
#68
○近藤信一君 ある業者が、ちょうどバナナの端晩期といいますか品切れの際に、これでは消費者も困るだろうからということで台湾で契約して、そうしてそれをいざ台湾の生産者から出荷しようという際に直面して、日本の通産省からちょっとそれは待ってくれというふうなことを通達をされたというふうに聞いておるのですが、この事実はどうですか。
#69
○政府委員(今村f君) ただいま御指摘の問題は、本年の七月の初めに台湾のバナナの輸入につきまして、台湾のほうでは御承知のように四半期ごとにバナナの輸出の割り当てをいたしております。四月――六月期の割り当てが一応終わりまして、その次の七月――九月の割り当てに移ります際のそこに、若干の時間的な空白ができるかどうかという問題が確かにございます。通産省といたしましては、輸入組合の設立問題が非常にデリケートな段階にございましたので、本来ならば、台湾側が輸出を割り当ていたしまして、それによって輸入の承認をそれに基づいて与えていく、こういう制度でやっておりますが、七月――九月に限りましては、通産省が割り当てをするということで、七月の十六日から割り当てを発券いたしました。その前後に、ある業者が台湾以外の原産のバナナを輸入する、こういう割り当てを受けました。それを全額台湾に切りかえまして、それでもって台湾から輸入をする、こういう申請があったことも事実でございます。当時、私どもとしましては、輸入組合の設立が非常に重大な段階でございましたので、もし一部の業者が非常に大量のものをそういう形で先取りというふうな形で輸入されるということは、業界に相当の混乱を起こすというふうに考えておりまして、何ぶんこれは通産省としては、法的にとめる方法がないわけでございます。ところが、台湾側のほうで、やはりそういう日本の情勢を察知いたしましてのことかと思いますが、輸出の許可を見送りましたものですから、結局、その品物は日本へ出荷されないままに今日に至っておるわけでございます。経過はさようなことでございます。
#70
○近藤信一君 現地のほうでは、出荷組合――生産者組合ですね、生産者組合と、それから台湾の貿協ですか、と話し合って、よろしいということになって、輸出をしようという段階になった。ところが日本の政府から、いまそういう輸入組合をつくっているやさきで混乱するから、いま輸入するのはちょっと待ってくれと、こういうふうなことをあなたのほうで台湾のほうへ言われた。向こうは出したいんだと言っておるけれども、その向こうからの返事でも、日本の政府はあくまでもこれを出してもらっちゃ困ると、こう言ってきておる。そうすると、あなたのほうは、いま入荷することによって混乱をすると言われるが、入荷しないことによっていま混乱しておるというのが現状じゃないかと思うんですが、この点はどうですか、あなたのほうの見解は。
#71
○説明員(今村f君) バナナは三十八年の四月から自由化されておりまして、自動輸入割り当て制度ということでやっております。私どもは、この自由化されました制度を元へ戻すというようなつもりはございませんで、なるべくこれを自由化の形のままで秩序を回復いたしたい、こういうことで、輸入組合の設立を急いでおる次第でございますが、この七月−九月は、臨時緊急の措置といたしまして輸入割り当てを行なった次第でございまして、自由化しないことによって混乱しておるというようなことではないと私は考えております。
#72
○近藤信一君 現に、現在浜相場は上がってきておるでしょう。従来、昨年から今年初めにかけては、一かご五千六百円から五千八百円程度であったのが、いま六千三百円から六千五百円ぐらいしている。そうすると、あなたのほうでストップをかけたからこれは上がってきているんで、向こうで出荷組合が出荷しようとしたのをそのとおりに出荷しておれば、まだいまどんどん入ってくるわけなんだから、バナナ相場は上がらないと思うんです。いま、ないから、品切れで浜相場がどんどん上がってきているんです。浜相場が上がるということは、消費者がそれだけ高いものを買わなきゃならぬということになる。いま物価問題で非常に値下げをしなきゃならぬということで盛んに騒いでおるときに、逆にあなたのほうは上げている。その点どうなんですか。
#73
○説明員(今村f君) 台湾の七月−九月後におきまする輸出の総量は、百五十万かごでございます。先ほど申し上げました七月十六日に発券をいたしましたものも、百五十万かご全量発券をして割り当てをいたしております。したがいまして、それらのバナナは、逐次これから出荷されまして日本に到着することになっております。それ以上に、百五十万かご以上に台湾側がどのくらい出荷能力があるかという問題につきましては、いろいろな説がございまして、はっきりしたところがまだつかまっておりませんが、少なくとも台湾が当初日本に対して輸出能力があると見られました百五十かかごにつきましては、これは全量割り当ていたしましたので、特に輸入の数量をしぼったという感じはございません。
#74
○近藤信一君 今年の予想かごというのは、百五十万かご台湾から輸出するのが……。しかし、向こうの契約したのは、この百五十万かご以外で輸出を、輸入をしようと、こういう契約になっておったわけですね。それをあなたのほうは、いまそれをやられては困ると、いま自由貿易時代に、通産省のほうからそういうふうなことを、輸入組合をつくるから、いまつくるやさきであるから混乱をするからということで、それを出荷してもらっては困るというようなことを、あなたのほうが言われたとすれば、これは私は重大な問題じゃないかと思うのだが。これは自由貿易をあなたのほうは妨害することになると思うのだが、一体どうなのです、その点は。
#75
○説明員(今村f君) ただいま御指摘の点でございますが、いまのワク外で、百五十万かごの外にその数量を輸入するかどうかという点は、実ははっきりいたしておりません。
 それから、先ほどから申し上げましたように、私どもの見解は、その分量があの時期に入ってくれば、相当業界が混乱したであろう、こういう見解を持っておりましたし、現在でもそう思っておりますが、ただ、私どもが台湾の政府に何か指示をして輸出をとめたということは、これはないのでございまして、輸出を許可するかどうかは、あくまでこれは台湾側の問題でございます。そのように存じております。
#76
○近藤信一君 それは、あなたのほうでは輸出をとめたということじゃないと言うけれども、実際はそういう形になっておるわけなんだ。向こうから、こういう話だがどうだといって伺いを立てて、あなたは、いま困るからと言えば、これはもう困るからということは、もうやめてくれということだと思うのですよ。すると、実際はとめたことになる。自由貿易時代であるから、一切の資力をそこへ投じて、そして商売やろうということでかかったのに、それをあなたのほうで、いま輸入組合をつくっているやさきだから、それはしばらく待ってもらいたい、あなたのほうは待ってもらいたいと言ったから向こうは待っているので、向こうからの手紙を見ましても、カッコしてちゃんと書いてある。日本政府が中止を申し入れてきておるから、これはどうしてもいまのところは出せませんからと、こういうことを言ってきている。すると、現実にあなたのほうは、政府でこれを中止させておるということが言えるのじゃないかと私は思うのですが、これはあなた、自由貿易に対する逆行じゃないか。逆コースをたどることになるのじゃないかと思うのだが。
#77
○説明員(今村f君) 事実は先ほど申し上げましたとおりでございますが、まあ現実にまだペンディングになっておりますので、台湾政府側でもいろいろ考慮中だというふうに聞いております。私どものほうとしましても、時と場合によりますが、先ほど申し上げましたような業界の混乱がもう起こらないというような見きわめさえつけば、それは必ずしも固執するわけではございません。何ぶん問題は台湾のほうのイニシアチブによって解決される問題でございますので、必要に応じて私どものほうも検討してまいりたいというふうに思っております。
#78
○近藤信一君 これは、混乱が起こる、起こると言われるけれども、入荷しなくても混乱が起こるし、入荷しても混乱が起こるということになれば、どっちも同じだということになる。あなたのほうで、じゃ、混乱が起こるからといってやめてくれと言われたのは、それじゃ百五十万かご以外ならよろしいから出してくれと、あなたのほうが一言言えばすぐ向こうは出すわけだが、あなたのほうは出すのをやめてくれと言っているから、これは出さないのだと言って、あくまでも向こうは向こうで、台湾はあくまで日本政府が中止をしているからこちらは出したくても出せないと、こう言っているのだが、そこのところが私は食い違っているのじゃないかと思う。あなたのほうは現地のほうと、出先と、その点は十分打ち合わせしてやっておられるのか。
#79
○説明員(今村f君) 十分打ち合わせてやっております。
#80
○近藤信一君 このことで私はそうしつこくは言いませんけれども、やはり、いま業者が、しかも中小企業ですよ、それが自分の一切の資財を投じて一番商売をかけてやってるんだから、いまつぶれるかつぶれぬかの岐路に立っておると思うんですよ。あなたのほうがあくまでもこれを阻止するということになれば、これはもうつぶれてしまうんですよ。あなたのほうの指導というのは、何にも中小企業をつぶすというあれじゃないでしょう。育成振興するというのが通産省のこれは私は仕事じゃないかと思う。つぶすほうにあんたらは努力しておることになるんだ、いまの状況からいけばね。
#81
○永岡光治君 関連質問。いまのお話ですと、出先と連絡してる……。台湾のほうには通産省からアタッシェがおるんですか。
#82
○説明員(今村f君) 台北の大使館に通産省の者が一名出向しております。
#83
○永岡光治君 で、それには何も、とめてくれというような打ち合わせをするようにという指示は全然してないんですか。
#84
○説明員(今村f君) 先ほども申し上げましたように、積極的にとめてくれというふうなことはいたしておりません。
#85
○永岡光治君 積極的にも消極的にも、一切こちらは意思表示してないと、全く台湾政府の、あるいは台湾の業者の自由意思だと、こういうようになっておるわけですか。
#86
○説明員(今村f君) 私どものほうに意見を求められたことはございます。で、その意見といたしましては、好ましくないと、当時好ましくないと、こういう意見を申しました。
#87
○永岡光治君 その意見を求められたというのは、どちらかですか。
#88
○説明員(今村f君) これはいろいろ外交問題でございますので、あんまり詳細にわたって申し上げることはできないと思いますが、この出先におります者に対しましても、それから当地の中華民国の大使館に対しましても、私どもの考え方は伝えてございます。
#89
○永岡光治君 私はこの問題に深入りする考えはございませんが、ただ、しろうとでありますから、将来いろんな意味の勉強になると思いますので質問しておきたいと思うんですが、台湾の、こちらに大使館があるはずですね。そこにはやはり向こう関係のアタッシェが通産関係もおるだろうと思うんですね。それとやっぱりおたくのほうと連絡しておるだろうし、それから日本政府は台湾に大使館あるいは領事館があるでしょうけれども、そういうところを通じて、アタッシェを通じていろいろ連絡してることだと思うんですが、いまのような問題は、日本政府は、台北における大使館のアタッシェを通じて台湾政府に連絡をとる、それからまた、こっちの出先における台湾の大使館の関係者のほうにこちらからまた連絡をとる、こういうようなことをやるわけですか。そこら辺のところ、ちょっと教えてくれませんか。
#90
○説明員(今村f君) そのとおりでございます。
#91
○永岡光治君 そのとおり……、もうちょっと詳しく。
#92
○説明員(今村f君) 台北におきましては、わが方の大使館と先方の政府とが接触を保っております。したがいまして、日本政府の意向は、台北の大使館を通じまして、必要な中華民国の政府部局に伝達するのが通常でございます。と同時に、中華民国の大使館が東京にございますので、これの経済担当者と私たちとは、これまた接触がございます。そういう両面交通でございます。
#93
○永岡光治君 いまのこの台湾から出荷を予定されて、しかも、あなたのほうのお話を聞きますと、券の割り当ても済んだと、こう言っておりますが、それはいつでも輸出していいわけですね。そうしてこっちのほうは輸入していいわけですね。向こうから輸出、こっちは輸入の手続をとっているわけでしょう、お話し聞くと、どうやらそれ以上のものが出ると、どうも輸入組合の設立の段階だから混乱を来たす、だから待ってくれ、というか、まあ好ましくないという意思表示をしたようですが、そういうときは、どういう経路をとるのですか、ちょっと教えてください。
#94
○説明員(今村f君) ただいまの御質問は、こちらの考えを向こうへ伝達する方法についての御質問だと思いますが、日本政府の意思は、通常の場合は、外務省を通しまして、そうして台湾におります日本の大使に電信または公文で伝達するのが通常でございます。
#95
○近藤信一君 この点、私はまあ委員会であまり深くもうお尋ねしません、何回聞いても同じだから。やはりいま特に私が聞いているところによると、ちょうどバナナの端境期であることは御承知のとおりだと思うのですよ。だから、その間に輸入をして、それでいままでの消費者の値段というものをくずさないように、いわゆる従来どおりの安い値で消費者に入れていこうと、こういうことで取引のあれをしたわけなんだけれども、それがあなたのほうと台湾とのあれで、何か意見を求められたとか求められぬとかいうことで、いまちょっと膠着状態になっている。このことについては、やはり私は何らかの打開の道を開かなければ、中小企業がそういうことで倒産していくということは、私は非常に今日の現状からいっても忍びないのじゃないかと思うのですが、そういう点について、行政指導をもう少し考えてやってもらいたいと、まあ、こういうことを一応希望しまして、私は一応この点については中止いたします。
 今度は自動車のあれをちょっと簡単に……。本来ならば、これは通産大臣から直接御答弁をしていただきたいと思うのだけれども、通産大臣は予算委員会のほうに行っておられるから、局長でいいと思うのですが。で、伝えられるところによりますると、自動車の自由化が十月からはこれは必至だということを、新聞等においても通産大臣のことば、それから事務次官のことばも新聞にこれは出ておりましたが、いまの見通しからいけば、十月からこれは自由化は必至なんですか。
#96
○政府委員(川出千速君) 完成乗用車の自由化の時期についての御質問でございますが、前大臣、現在の三木大臣、国会で答弁をされております。それは上期中をめどにするという方針には変更がないということを、三木通産大臣は答弁しておられますが、何月何日にやるかという具体的な決定につきましては、なお慎重に検討したいというのが実情でございます。
#97
○近藤信一君 過日、これは新聞に載っておった点ですが、業界はまあ、ちょっと甘えているのじゃないかと、いままでもう当然自由化ということできているのだから、いままでに相当の態勢というものを整えていかなければならぬのが、そういつまでもいつまでも延ばすのはいかぬと、いままで延びてきているのだから、少しもう大体業界自体がだらしがないのだというふうなことも、新聞に出ていましたがね。ところが、実際現地の実態を見ました場合に、ただ、自動車の自由化に対処していく場合に、日産だとかトヨタだとか、大手会社だけを見た場合は、そういうことが言えるかもしれないけれども、大手の会社の系列ですね、これは何千という系列が中小企業にあるわけなんです。それらのまず整理からかかっていかなければ、ただ日産やトヨタだけの姿だけ見て、これはもうできるんだと、こういうように判断されると、私は、そこに大きな間違いというものが起こってくるんじゃないか。また、それを私は心配するんです。実際系列に入っておる中小企業の今日の姿を見てみますると、これは、いまここで自由化された場合には、さらに単価の切り下げというものがわれわれのところへくるんじゃないか、このことを非常に心配しておるわけなんです。それでなくても、現在でも単価がコストダウンになって、ダウンするだけダウンされてきたと、これ以上またされるんじゃわれわれ倒産する以外にないということを、系列の中小企業の諸君は言っておるわけなんですよ。そういう実態をよく調査しなければ、やはり自由化に対して若干の無理がそこに生ずるんじゃないか、こういうことを私心配するので、そのことでお聞きするわけなんですが、この系列に対するところのあなたのほうの見解というのは、どういうふうな見解を持っておられるのですか。
#98
○政府委員(川出千速君) 先生がただいま御指摘のとおりでございまして、自動車産業に関連しております部品工業、あるいは関連の機材関係の工業の数は非常な多数にのぼっておるわけでございます。自動車工業の整理、盛衰、今後の状況というものは、直ちにそういう下請関係等の業界の今後の状況にも密接な関係があるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、その辺の実態をよく見きわめ、慎重に処理してまいりたいと思っております。
 ただ、完成車の自由化に関します限り、三十九年度の輸入の割り当ても、実質上は自由化に近い運用をいたしておりましたけれども、生産台数の二%程度に当たる一万三千台強でございまして、輸出がすでに生産の一〇%以上の八万台に昨年度は及んでおるわけでございます。数の上から申しますと非常に少ない数字でございまして、それだけ国産車の性能なり品質なり価格なりが、国内では少なくとも競争を持ち得るような状態になったわけでございます。部品工業が、値下げその他の点で問題がある点も私は知っておりますが、これはむしろ半製品メーカーの相互の競争という点、過当競争、乱売競争という点が私は自由化の問題よりも大きい影響を与えておるのが実態ではないかと思います。したがいまして、この前も、大臣と業界との懇談会におきまして、大臣から、乱売競争はぜひとも自粛をしてもらいたい、そのためには政府もいかなる協力も惜しまないという方針を示されたわけでございます。また、私どもとしましても、部品業界とシャシー・メーカー、半製品メーカーとの間に協定を結びまして、過当競争をしないこと、支払い条件を適正にすること等、手を打ちまして、現在その具体化につとめておる段階でございます。自由化によって部品業界がたいへんな打撃を受けるというよりも、過当競争を是正することによってやったほうが、実質的な効果があがる、かように考えております。
#99
○近藤信一君 局長の言われたように、実際大手の過当競争がこれは原因をなしておることは事実なんです。たとえば日産とプリンスとの合同、また、愛知機械ですか、日産が吸収すると、こういうようなことで、いわゆる吸収されるほうの事業それ自体にもいろいろと制約が加えられてくる。どうしてもこれは輸出する側の日産にしてもトヨタにしても、これはどうしても輸出するためには、相手に負けないようにまたやらなければならぬ。そのしわ寄せは必然的に部品の系列の下請にしわ寄せがやられると、こういうことがこれは繰り返されておるというのが、いまの実態じゃないかと私思うので、そういうことをいろいろな血からよく考えてやらなければ、私は、下請の中小企業がたいへんなことになってくるのじゃないか、これを心配するわけなんで、現にそういう事実が起こりつつあるのです、現地では。だから、私は、やはりまあいままで自旧化が延びてきておることも、これは事実私どももこれを認めておるわけなんですが、これ以上延ばすわけにいかないというのが、いま通産当局の考え方のようでもあります。ただ、輸出のほうはそれとしても、やはり輸入される外車、これも非常に何か、この前新聞を見ると、ずいぶんたくさんの注文が、申請がなされておるというふうにも聞いておる。輸出のほうはそれで安くしなければならぬ、それで外国に輸出せなければならぬ。ところが、今度国内のほうにおいては、外車が入ってくることによってやはり若干のこれは圧迫を受けるわけです。そうすると、それともまた競争せなければならぬ。両面においてこれは競争していかなければならぬから、どうしてもこれは自分の犠牲でなくて、系列の犠牲ということに当然なってくる、こういうことが私は大きく出てくると思う。いま中小企業の倒産が毎月短月やはりなされておりますように、またまたこの中小企業の倒産状態というものが続いていくのじゃないか、発生するのじゃないか、こういうことを私心配をして、このことについて質問したわけなんですが、そういう点ひとついま少し当局としても慎重にこの点は取り組んでいただきたい、私はこう思うのです。
#100
○政府委員(川出千速君) そういうようなことで大臣も、この前の予算委員会でございましたが、従来の方針に変わりはないけれども、なお慎重に検討をしたい、こういう答弁をしておるわけでございます。私どもも、大臣の趣旨に従ってきめたいと考えております。
#101
○委員長(豊田雅孝君) それでは本調査は、本日のところこの程度にいたします。
#102
○委員長(豊田雅孝君) 委員の変更がございました。
 柳田桃太郎君が辞任され、その補欠として高橋文五郎君が選任されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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