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#1
第049回国会 商工委員会 第3号
昭和四十年八月十一日(水曜日)
   午前十一時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 八月十一日
    辞任         補欠選任
     高橋文五郎君     柳田桃太郎君
     大矢  正君     田中 寿美君
    ―――――――――――――
   出席者は左のとおり。
   委員長          豊田 雅孝君
    理 事
                赤間 文三君
                岸田 幸雄君
                剱木 亨弘君
                近藤 信一君
    委 員
                井川 伊平君
                近藤英一郎君
                宮崎 正雄君
                柳田桃太郎君
                吉武 恵市君
                永岡 光治君
                矢追 秀彦君
                向井 長年君
   国務大臣
       通商産業大臣   三木 武夫君
       国 務 大 臣  藤山愛一郎君
       国 務 大 臣  安井  謙君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員       佐久間虎雄君
       公正取引委員会
       事務局長     竹中喜満太君
       経済企画政務次
       官        鴨田 宗一君
       経済企画庁長官
       官房長      澄田  智君
       経済企画庁調整
       局長       宮沢 鉄蔵君
       経済企画庁国民
       生活局長     中西 一郎君
       経済企画庁総合
       計画局長     向坂 正男君
       経済企画庁総合
       開発局長     鹿野 義夫君
       通商産業政務次
       官        進藤 一馬君
       通商産業政務次
       官        堀本 宜実君
       通商産業省貿易
       振興局長     高島 節男君
       通商産業省企業
       局長       島田 喜仁君
       通商産業省重工
       業局長      川出 千速君
       中小企業庁長官  山本 重信君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞壽君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (通商産業省及び経済企画庁の施策に関する
 件)
○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更について御報告いたします。
 本日、高橋文五郎君が辞任され、その補欠として柳田桃太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(豊田雅孝君) 次に、理事会において協議いたしました事項につきまして御報告いたします。
 本日は、私的独占禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の審査、並びに通商産業省及び経済企画庁の施策についてそれぞれ説明を聴取いたし、次いで通商産業政務次官及び経済企画政務次官の発言を許可することにいたしましたので御了承願いたいと存じます。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(豊田雅孝君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、通商産業省及び経済企画庁の施策に関する件について説明を聴取いたします。
 まず、三木通商産業大臣から通商産業省の施策について説明を聴取いたします。三木通産大臣。
#5
○国務大臣(三木武夫君) 去る六月通商産業大臣に就任いたしましたが、御承知のとおり現在わが国の経済情勢は、きわめて困難な事態に立ち至っております。私も着任以来責任の重大さを痛感いたしており、今後とも全力をあげてすみやかに事態の改善をはかるよう努力いたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 現在のところ、わが国の経済は、生産面の停滞、設備投資意欲の減退、株式市況の低迷、企業倒産の頻発等に見られるように、きわめて暗い状態が続いております。今後の見通しにつきましても、輸出はなお好調を続けるものと思われますが、設備投資、個人消費の動向から見ると、最終需要の見通しは明るくなく、また、四月に続く六月の公定歩合の再々引下げにもかかわらず、いまだ景気は立ち直りのきざしが見えず、このままで推移した場合には、望ましい経済成長の達成にも大きな障害を生ずるおそれがあると考えております。
 私は、わが国経済が先進諸国に比し、高い成長ポテンシャルを持っていると確信いたしております。したがって、経済運営に対する私の基本的姿勢としては、わが国経済を縮小均衡的にもっていくのではなく、積極的に拡大均衡を目指す方向をとってまいる所存であります。
 すなわち、このような事態に対処するためには長期的構造的な視点に立って、産業体制の整備、企業の経営基盤の強化を一そう積極的に進め、産業の国際競争力を強化することが基本であることはもちろんであります。しかし、当面まず極度に落ち込んだ景気に対して緊急に手を打つ必要があり、そのための措置として、政府としてはさきに公共事業の早期施行、財政投融資支出の促進、公定歩合の引き下げに即応する市中金利の引き下げ及び金融の緩和等を実施してきましたが、このたび、さらに四十年度予算の一割留保の解除財政投融資対象機関の事業の拡充等を講じ、積極的に最終需要の造出につとめていくことといたしました。
 これらの施策のうち当省関係としては、開銀融資の繰り上げ、政府関係中小金融三機関の上期貸し出しワクの増加、基準利率の年三厘の引き下げ、下請代金支払いの促進等を決定するとともに、延べ払い輸出の促進、保険制度の改善、輸出金融の拡大等の輸出振興策を積極的に講ずることといたしております。
 また、これらの需要喚起策と並行して、当省としては供給サイドから市況の下げどめを緊急にはかるため、今後とも必要に応じて生産面の調整につき配慮する所存であります。
 当面の景気対策としては以上のとおりでありますが、次に、長期的観点から、今後のわが国経済の発展をはかっていくための通商産業政策の四つの重点を申し上げたいと存じます。
 今後の通商産業政策の重点の第一は、中小企業問題であると考えております。中小企業対策は何よりもその近代化、合理化のための指導助成等を手厚く実施することが重要であると考えております。私はこのような姿勢を基本として、財政、金融、税制等各般にわたり中小企業対策の画期的拡充をはかってまいりますが、特に小規模企業に対する対策には特段の配慮をいたしたいと考えております。
 重点の第二は、輸出の振興であります。最近、とみにきびしさと複雑さを増してきた国際環境の中にあって、わが国経済の安定した成長を確保していくためには、輸出の一そうの振興が必要であり、これを今後のわが国経済政策の基本とすべきものと考えております。このため、輸出秩序の確立、輸出金融の強化等に一段と力を注ぎ、輸出体制の整備をはかるよう所要の対策を強力に推進することともに、先進国に対する対外経済交渉の推進、発展途上国に対する経済協力の推進等を通じて、貿易の拡大につとめてまいります。
 また、対共産圏貿易については、世界の大きな流れに沿って、イデオロギーにとらわれることなく、積極的に拡大の方向で取り組んでいきたいと考えております。
 重点の第三は、産業の国際競争力の強化であります。すなわち、本格的な開放経済体制に対処するための産業の基盤を強化拡充するとともに、企業の体質を改善し、産業の国際競争力を強化することが必要であります。このため、従来からの路線に沿って産業体制の整備、自己資本の充実をはかるよう、資金、税制面から所要の対策を講じてまいりますが、特に、国産技術の振興対策及び公害対策を含めて産業の立地環境の整備に配慮してまいりたいと思っております。
 最後の第四点は、保安対策の拡充強化であります。最近数次にわたる炭鉱の大災害をはじめとする各種の災害の発生を見ましたが、このことはまことに遺憾のきわみであり、失われた多数の人命に対し深く哀悼の意を表する次第であります。政府としては、人間尊重の基本理念に立脚し、今後かかる大災害を繰り返さないという決意をもって現在の保安体制を一そう整備し、かかる災害の防止に万全を期する所存であります。
#6
○委員長(豊田雅孝君) 次に、藤山経済企画庁長官から、経済企画庁の施策について説明を聴取いたします。藤山経済企画庁長官。
#7
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私は、去る六月、経済企画庁の長官に就任いたしました。経済問題の非常に重要なときにおきまして、私としても全力をあげてこれに取り組んでまいるわけでございます。それにつきましても、委員の皆さま方の御支援をいただかなければなりませんので、今後よろしくお願いいたします。
 最近の経済情勢並びに今後政策につきまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。
 最近におきます経済情勢を見ますと、輸出が引き続き顕著な拡大を示しております反面、国内の経済動向は停滞を続け、容易に回復のきざしを見せておりません。すなわち、需給バランスの改善がおくれて商品市況も好転の様子が見られませんし、企業の経営状況も悪化を続けております。また、倒産件数はかなり高水準にあり、株式市況も依然低迷から脱し得ないなど、経済各分野に深刻な様相が続いておるのでございます。
 このような状況に対処して、景気の浮揚力を補強するため、政府は、先般来公共事業費等財政支出の繰り上げ、財政投融資の早期実施、輸出振興策の拡充等各種の施策を総合的に講じてまいりましたが、同時に、公定歩合の再引げをはじめとする金融緩和の諸措置がとられてまいりました。さらに、去る七月二十七日の経済政策会議におきまして、財政投融資事業の拡充、政府関係中小金融三機関の金利引き下げなどの施策を決定し、景気の早期回復をはかることにいたしました。今後とも情勢の推移を見守り、機を逸することなく必要な措置を実行に移して、現下の不況を克服する決意であります。
 今回の不況は、金融引き締めの影響に加えまして、一部業種における設備の過剰、企業間信用の異常な膨張など経済成長の過程におきます不均衡がもたらす各種の要因がからみ合いまして、問題を複雑化し、不況の様相を深刻化しておるのでございます。しかし、過度に事態を悲観視することは避けなければなりません。問題を正当に評価してゆかなければなりませんが、それにとらわれ過ぎた萎縮ムードは、当面必要な投資意欲までも押えて景気回復の契機を失わせることともなりましょう。この際、国際競争力をつちかう等、わが国産業の近代化高度化のために緊要な投資についての企業の積極的態度が強く望まれるのでございます。このため、政府といたしましては、特に長期減税構想を策定するとともに、公債発行の準備を進める等、長期的視点に立って、経済を安定成長路線に乗せるようつとめることといたしてまいっております。私は、日本経済が基本的にはすぐれた発展力を有しており、政府民間相協力してこの局面に当たりますならば、やがて不況を克服し、堅実な発展をたどることを確信いたしておるのでございます。
 次に、消費者物価の問題について申し上げます。物価の安定は、国民の生活面における最も重要な問題であります。したがいまして、今日当面の不況の克服につとめるにいたしましても、消費者物価の問題はゆるがせにし得ない問題であります。政府といたしましては、強い決意をもって消費者物価を一段と安定化の方向に向けるよう努力してまいっております。特に農業、中小企業等生産性の低い部門の生産性を引き上げるとともに、流通機構の合理化、労働力の流動化などの構造対策に力を注ぐことが基本的に重要であると考えておるのでございます。
 公共料金の問題につきましては、特に国民生活に影響することが大きく、また、その上昇は他の諸物価の上昇の誘因ともなりますので、これを極力低位にとどめるよう、一そう経営合理化につとめて、コスト増加要因を吸収するよう措置いたしてまいりたいと思います。
 なお、経済の二重構造からくる格差を解消しながら物価を長期的に安定させてゆくため、国民経済全体が生み出す生産性向上の成果を適正に配分するという観点から、生産性の高い部門においては、その成果を価格の引き下げにも充て、広く消費者にも配分されることを期待する次第であります。
 次に、国民生活行政の推進について申し上げます。近年におけるわが国の経済力の充実に伴い、国民の生活水準が全体として顕著に向上してきたことは事実でございますが、その個々の生活内容についてみますと、多くの立ちおくれた面を残しており、各種の不均衡が目立つようになっていることは否定することができません。このため、経済成長と国民福祉の向上とが調和的に結合するよう経済開発と社会開発とを均衡的に進め、国民の生活面におきまする各種の不均衡を除いていくことが強く望まれております。このような要請にこたえるため、去る六月、経済企画庁に国民生活局が新設されましたが、経済発展段階に応じた調和のとれた国民生活のビジョンを策定するとともに、消費者保護と日常生活の改善に関する行政を積極的に推進し、さらに先に述べました物価安定政策を推進してまいる所存でございます。
 最後に、地域開発について申し上げます。今日のわが国におきまして、地域開発の促進は、経済社会の均衡ある発展をはかり、豊かな生活と美しい国土をつくり上げる上に、最も緊要な課題でございます。地方の開発の中核となる新産業都市建設促進法及び工業整備特別地域整備促進法につきましては、これに基づく各地区の建設整備基本計画はすでは承認され、また、これに関連して地方財政を援助するための特例法も制定されており、今年度より本格的な建設整備と取り組んでまいることといたしております。また、このような拠点開発の波及効果を受けにくい地域につきましては、離島新興法、山村振興法等による各種の施策を積極的に推進してまいる所存でございます。
 なお、経済の発展と人口の増加に伴い、水資源の量的確保および質的保全の必要性はますます高まってきておりますので、重要水系を中心として積極的に水資源の開発を推進いたしますとともに、河川等における汚濁防止のために一そうの努力を傾注してまいる考えでございます。
 以上、経済企画庁の主要な施策について申し述べた次第でございます。わが国経済の安定した発展と国民生活の向上のため、今後とも一そう努力を傾注する所存でございます。
#8
○委員長(豊田雅孝君) 以上をもちまして、両大臣の施策に関する説明は終了いたしました。
 この際、進藤、堀本両通商産業政務次官及び鴨田経済企画政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。進藤通商産業政務次官。
#9
○政府委員(進藤一馬君) 進藤一馬でございます。
 このたび通商産業政務次官に就任いたしました。日本経済が重大な段階にある際、商工委員の方々の御指導、御支援を得まして、職責を果たしたいと考えております。
 何とぞよろしくお願いいたします。
#10
○委員長(豊田雅孝君) 次に、堀本通商産業政務次官。
#11
○政府委員(堀本宜実君) 御紹介をいただきました堀本でございます。
 御承知のように不肖な者でございますが、皆さまにいろいろ御迷惑をかけるかと存じまして、たいへん恐縮をいたしております。懸命の努力をいたしまして、御期待に沿いたいと存じます。
 どうぞ、皆さまの御指導をお願い申し上げまして、ごあいさつにいたします。
#12
○委員長(豊田雅孝君) 次に、鴨田経済企画政務次官。
#13
○政府委員(鴨田宗一君) ただいま御紹介いただきました鴨田でございます。
 今回、経済企画政務次官を仰せつかりました。
 どうぞ商工委員の先生方、よろしく御指導、御鞭撻のほどをお願いいたしたいと思います。
#14
○委員長(豊田雅孝君) それでは、これより両大臣の施策の説明に対しまして、質疑を行なうことにいたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
 速記をとめて。
    〔速記中止〕
#15
○委員長(豊田雅孝君) 速記をつけて。
#16
○近藤信一君 ただいま通産大臣からいろいろとごあいさつがございましたが、若干の御質問をしたいと思います。
 大臣は、輸出の振興が大切だということは常々言っておられますし、また、日本のような国としては、輸出を大いに伸ばしていかなければいけないと思うのです。それが国民生活の水準を向上することにもなってくると思うのですが、そこで、輸出の相手国として、ソ連、中共、こうした国に対しては、決して軽く見るという態度はとられないと私は思うのです。大臣の就任以来、大胆がしばしば言っておられることからも、このことは十分うかがい知ることができると思うので、非常に私どもとしては力強く思っておるわけなんです。また、大臣が就任されましてから、ソ連に行かれて、ソ連の首脳者ともいろいろと懇談をされたと聞いておるわけなんでございますが、そこで、やはり日本の商品の売り込みということが重点的に考えられていくわけなんで、特に、最近中共へのプラント輸出の問題でいろいろと新聞も話題を提供しておるわけなんですが、輸出入銀行の融資につきましても、明快なる判断を下したことなどは、やはり一般的にもよく知られておりますし、それから日米経済貿易委員会に大臣は出席されまして、いろいろとまたそこでも意見を述べられておりますが、こうした世界的な視野の中から、幾つか大臣の御見解を伺っておきたいと思うのですが、さしあたり、日本の現在の輸出好調の背景というようなもの、また海外が比較的好況を呈しておる。そして、日本の極度の不況というものも相伴っておる。こうした日本の内需について、いまいろいろと問題もあるわけですが、いま少し内需が旺盛になってくれば、やはり日本の輸出という問題もいままでより出なくなるのではないか、こういう点も考えられるわけなんですが、こうした心配もまた一方出てくるわけなんですが、そうした問題についての大臣の所見を伺きたいと思います。
#17
○国務大臣(三木武夫君) 御指摘のとおり、輸出はたいへんに伸びております。今年も八十四億ドルぐらいの輸出になるか、そういうことでありますから、これは予想した以上の輸出の伸びでございまして、これは一体その原因は何かということを考えてみると、御指摘のように国内の景気、これが輸出を伸ばしていく大きな力になったという点も確かにある。しかし、それ以上にわれわれがやはり注目しなければならぬのは、行き過ぎるほどやったわけでありますけれども、日本のこの設備投資、このことが国際競争力を持っている。いままでは日本商品は安いということで、これが輸出の大きな力になっておったが、そうはいかなくなってきている。賃金などでも各国に見られないような上昇率を示しているのです、スピードは非常に早い。そうなってくると、また金利の負担も−他人資本が多いものですから、金利の負担も企業に対して非常に重い負担になる。この中でやはり伸びてきておる大きな原因の一つは、日本の企業が国際競争力を持ってきている、安いから日本の商品が売れるという時代は過ぎて、わりあい値段に対して品物がいい、質的に日本の商品が国際競争力を持ってきたということが、これが一番大きな輸出を伸ばしてきた背景ではないか、こう考えておるわけであります。したがって、将来努力は要しましょうけれども、輸出の前途というものに対して、私はそう悲観論者じゃない。まあいろいろ先進国に対しては、市場調査などももっとやらなければならぬし、あるいは輸入制限などに対しては、外交を通じて制限の撤廃もしなければならぬ、後進国、低開発国といわれておる国々に対しては開発輸入−こちらが第一次産品などでも、日本ができるだけ輸入ができるような形でやはり開発するという面があるし、また延べ払いあるいはクレジットの供与等、経済協力という面も伴わなければならぬと思いますが、そういう施策を今後われわれが推進していくならば、輸出の将来というものはそう悲観的な見通しではない、こう考えておる次第であります。
#18
○近藤信一君 大臣が所信の中でも重要政策の一つとして中小企業問題をとりあげておられるのですが、輸出の面においても中小企業の輸出に対しては非常に先の暗いものがあるんじゃないかと私は思うのです。一つの例をとりあげてみまするならば、トランジスタラジオの例なんかを見てみますると、通産省では何か指導価格制ということで行政指導をやっておられる。ところが、日本の役所はそういうことにはあれやこれやと法律でいろいろしばって、なかなか中小企業の輸出がうまくいかない。いま香港ではどんどんとトランジスタラジオを製造して組み立てておる。そしてこれの輸出がどんどんとやられている。香港のそうしたトランジスタラジオその他望遠鏡、双眼鏡もあるのですが、この設備と規模からいきますると、やはり戦後いままで日本の専門といわれておりましたトランジスタラジオの輸出額というものは、これから非常に困難になってくるんじゃないか。これはある業者から私は聞いたわけですが、日本はあまり法律でしばってしまって、それは何とか指導価格制とか、安かったからいけないとかいうようなことで、日本で商売するのは、輸出品をつくるのはばかばかしい、香港で工場を持ってやればそういうあれは一つもないんだから、香港でやったほうがいいんだというようなことを聞きまして、中小企業のそうした輸出業者のいわゆる意欲というものを失うという危険性があるわけですが、この点については大臣どのように考えておられますか。
#19
○国務大臣(三木武夫君) 私は日本の輸出というものをいろいろしばっておるというけれども、あまりしばっておるとは思わないのです。もう少しやはり日本の輸出秩序というものが要るものではないか、これは長続きしないですから。輸出というものが安定していくためには、あまり急激に値下げ競争のような形で相手国の産業に急激に打撃を与えるというようなことは必ずしも輸出を長続きさすゆえんでもない。トランジスタラジオでも、私はニューヨークに二日ばかりおったわけですが、松下電器の店へ、ちょうどジェトロの下を使っておりますが、寄ったところが、そこの支店長が言うのには、いまお話しのような香港から安いトランジスタが入ってくる。そうして非常に極端に値を半分に下げる。こういう値下げの競争に加わっては利益もなくなるし、つまらない。意匠を考えてみた、デザインを。そうして私にその商品を支店長が見せておりましたが、気のきいたデザインです。いままでは六、七ドルくらいでなければ売れなかった。それが十六ドルで飛ぶように売れる。そうして支店長がいわくには、やはりくふうしなければいけない、ただ同じようなもので競争するというのではなしに、もう少しやはりデザインなんかをくふうすれば、値を下げただけ、それだけで競争しようという考えでなしに、少しデザインなんかのくふうをして利益をある程度見込むような輸出ができるようにしなければつまらないということで、そういう考え方でわれわれはやっているんだが、アメリカの市場に対してのトランジスタラジオニューデザインというものは非常な売れ行きを示しているということを言っておりましたが、こういう面があるのではないでしょか。ただ値段だけの競争というのじゃなしに、もう少しメーカー自身もいろいろなくふうをしてみれば、アメリカは相当購買力を持った社会ですから、そんなにトランジスタラジオが一ドル安い、二ドル安いというようなことでなくして、デザインなんかの面で市場に合ったような形ができるのじゃないか。ただ値段だけで競争しようという日本の貿易の態度というものは、やはり窮屈過ぎるというよりも、少し行儀をよくしたらいいのじゃないかというくらいに考えております。
#20
○近藤信一君 いま大臣はアメリカの話をされましたけれども、やはりトランジスタラジオなんというものは、いま後進国がおもに貴量品のように考えておるようでございますが、アメリカあたりはやはりテレビが相当普及されまして、アメリカでのトランジスタラジオというものは一つのおもちゃだ。子供がおもちゃに使う。また日本国内ではラジオなんかは何年も使うけれども、アメリカなんかは一年ぐらいでぽいっと……消費物資になっておるのだ、こういうことから考えると、やはり何年も使うというものじゃないから、とにかく安くても聞こえればいいのだ、一年も使えばまたあと買うのだというふうな傾向というものがアメリカでは見られる。だから日本のトランジスタというものがやはり香港のトランジスタの値段に負けるのだ、どうしても日本のラジオというものはアメリカでの販売意欲というものが減退してくる。こういうことも私聞いたし、さらに実際これは法律でも何でもないのだけれども、行政指導をやっておられるので、日本のトランジスタラジオの何石は幾ら、五ドルとか八ドルとか一応基準がある。これ以下で売れば関税法違反か何かで取り締まる、こういうことではいずれ香港のトランジスタラジオとは競争ができない、こういうことを盛んに中小企業の輸出業者は言っておられるのですよ。実際行政指導というものが私ははたして適切であるかどうか、こういうことの一つの疑問を持っておりますが、その点どうですか。
#21
○国務大臣(三木武夫君) 私は中小企業というものは相当行政指導しなければならぬと思う。大企業はあまり世話をやかなくてもいい、中小企業はもっとやはりやらなければいかぬ。その行政指導というものの内容ですが、これは中小企業の発展をチェックするような行政指導はよくないです。しかしそうでなくして、中小企業を伸ばしていくためにもっと行政指導をしなければいかぬじゃないか。中小企業にはこのぐらいの感触で私はおるわけです。その行政指導というものが、いま言ったように将来伸ばすような方向でもっと世話をやいたほうがいい。大企業は世話をやき過ぎた、中小企業に世話をやかなさ過ぎるような行き方はよくない、こういうふうに考えておるわけですが、しかし、その内容というものは、お説のように非常にチェックするような行き方はいけない。中小企業なんかはやはり貿易の面では行儀を直さなければならぬ面もありますし、実際いろいろそのことが全体の貿易の上において非常に阻害になるというような例もあって、これは貿易というものは永久のものでしょうから、一ぺんにそのときだけもうけてというような感じというものは全体の貿易を阻害する。それというのも中小企業が苦しくて、何とかこの急場をという考えもあるのでもう少し安定したものにするということが根本問題にあるのかもしれない。もっと世話をやかなければいかぬという私は感じを持っておるのであります。
#22
○近藤信一君 行政指導は、いまなるほど大臣言われるように、中小企業を重点的に行政指導をするということであれば、中小企業の振興育成に大いに役立つわけですけれども、そうでなくして、全体をくるめての行政指導ですから、やはり大企業が重点的に考えられていく。やはり中小企業はその行政指導の中で一つの圧迫を受けなきゃならぬ、こういう面も私は出てくると思うのです。だから行政指導といっても一がいにいいとは私は言えないと思う。やはり行政指導をする場合には、いわゆる大企業重点的な行政指導でなくして、中小企業を中心とした行政指導、こういう面ならば私は大いに賛成するのであるけれども、ややもすると、通産省の行政指導というものは大企業に偏向する傾向が強いわけなんです。それでいままで中小企業の輸出業者等は非常に圧迫をされておるという面もあるわけなんです、現実に。この点どうですか。
#23
○国務大臣(三木武夫君) それは行政指導ということのいろいろ内容が問題だと言ったのですが、もっと相談相手になってあげたらいい。やはりみな個人々々は零細ですし、だからいろいろな相談をしたい問題がたくさんあるに違いない。それだから中小企業の場合には企業診断とか、あるいは企業上のいろいろなあっせんであるとか、そういう意味の――何か国家権力を背景にしてどうというのじゃなしに、よい相談相手になってあげるという意味の行政指導というのはもっとやらなければいかぬじゃないですか。自分自身ではいろいろな力も少ないし、必ずしも知恵は十分に回るとは限らない。それはやはり全体の産業界の状態から考えて、よい相談相手になってあげる。それをもつとやらなければいかぬ。そういう意味の私は行政指導ということが必要だということを申し上げておるのであります。
#24
○近藤信一君 中小企業の輸出の問題はこの程度にしておきまして、中小企業の問題ではまたいずれいろいろな問題で大臣にお尋ねする点がございます。
 次に、ソ連へ経済視察団を送って大いに経済交流をやろうということを大臣も考えておられるようでございまするが、一体将来性というものはどのようなぐあいであるか。それからもしそういう経済視察団が行って、正式にソ連との経済交流をやっていくという展望ですね、それについてひとつお聞かせ願いたい。
#25
○国務大臣(三木武夫君) ソ連の貿易は、為替ベースで昨年は輸出が一億四千万、輸入が一億九千万、両方で三億三千万ドルぐらいのもので、全体から見れば二%にもならないのです。だだけれども、将来は非常に――私はソ連にこの間見本市で行ってコスイギン首相とあるいはその他の首脳部とも話をしたのですが、日本との経済交流、経済提携というものを強化したいという非常な熱意を持っているわけです。これは将来シベリア開発という問題も起こってくるでしょう。いまは具体的にはなっておりません、シベリア開発というものはシベリア開発というものを見込んで日本から輸入というような、そこまではきていないけれども、これは次の日程にのぼってくるわけです。そうなってくれば、地理的に考えても日本の工業水準から考えてみてもどうしても、日本との経済提携をやろうということがソ連の首脳部の中にあることは疑いがない。そういうことで、貿易協定も三年ごとになって今年度で切れるわけですけれども、これは五年に延ばして、そして五年間の貿易協定にしよう、この十月にソ連から代表が来て貿易協定の交渉をすることになっていますが、にわかに拡大はできないにしても、貿易も拡大したいしさらに将来のことを考えたならば、日ソの貿易というものは相当拡大していく将来を持っている。こういうふうに見ておるわけでございます。
#26
○近藤信一君 昨年だか、私雑誌でちょっと見たのですが、ソ連で石油を日本に輸出してもよろしい、そうかまえがあるということで、非常に安く入るというふうなことがちょっと出ておったところがこれは日本の既存の石油業界がこれには猛烈に反対しておる。そこでやはりソ連との石油の問題はなかなか話が進展しない。したがって、現在国内では高い石油を需要者が使用しなければならぬ、この点についても政府はもう少し腰を強くして、こういう問題なんかでもやればいいんじゃないかということをちょっと雑誌か何かで見たんですが、そういう石油なんかの問題は、将来ソ連からのあれはどんなように考えておられますか。
#27
○国務大臣(三木武夫君) 日本の石油の輸入量が非常に拡大していきますから、そういう意味において、ソ連からの輸入も自然多くならざるを得ないのですが、まだしかし、ソ連自身としてもいろいろな問題があるのじゃないでしょうか。それはシベリアなんかの油田が発見されたとかなんとか言っていますが、いまはやはり油田というものは相当運搬してくるのにも輸送上のネックもあって、これはパイプ・ラインでも引けば別ですけれども、いまの現状では供給側からも問題がある。だから、いまどの程度のということは言えませんが、全体として、やはりソ連からの輸入もふえていく傾向になることは当然です。石油輸入量が非常な大きな数字になってくるわけですから。
#28
○近藤信一君 アメリカでは、依然として日本品に対して輸入制限の問題が新聞でもいろいろやかましく言われておりますが、輸入緩和の問題について、経済懇談会で何か大臣は向こうとお話をされたのかどうか。このことは、日本の繊維関係の問題、陶磁器の問題、その他いろいろとあると思うのですが、かって繊維製品の輸入制限の問題にも、私国会で累急質問をしたこともございますし、やはりだんだんとアメリカのペースは巻き込まれていくという傾向が見られるわけなんですが、これについてはどのような考えを持っておられますか。
#29
○国務大臣(三木武夫君) 先般ワシントンで、日米貿易経済合同委員会のときに、自由貿易のアメリカはリーダー格だ、それが輸入制限をやるのはおかしいじゃないか、これは撤廃してもらいたいというのがこちら側の基本的な立場です。先方としても、日本の輸出は、もう少し輸出に対して秩序をつけてもらいたい、あまり一つの商品に集中して輸出が行なわれて、そのことがアメリカの産業に対して急激な打撃を与える。国会議員は世界共通に国内産業の保護という立場にあるから、いろいろな立法が国会に出てくるわけですね。政府はできるだけそれを阻止しようという立場で――まあ現在バイアメリカンという政策からいろいろな制限がある。できるだけこの制限を撤廃していこうということで政府は動いている。そのかわりに、やはり日本も輸出の秩序というものをもう少し考えてくれないと、政府がとめ切れない問題があるのだということを、大きな立場としては先方もそういうことを言っておったわけですが、的に問題が出たのは綿製品と毛織物の問題です。
 綿製品については、御承知のように日米の取りきめの期限がことしで切れるのです。ことしの初めから折衝して、その取りきめがどうもあまり窮屈にいろいろなことを縛り過ぎている、日本はもう少し弾力性を持たしてもらわなれけば困るということで交渉して、多少は改善になったわけですけれども、日本の意のようにはならないのです。まあこれがまた日米間の話し合いとして始まることになるとは思うのですが、これについては日本は無理なこととを言っていないのだから、アメリカ側でひとつやはり考えてもらわなければ困るということで、これについては日米の合同委員会では結論が出ませんでした。
 それから毛織物については、これもまた日本の毛製品というものがもう毎年何倍というふうにふえてくるので、向こうの毛織物業者の中小企業に対して非常な打撃を与えて、もう国会も毎日のように陳情を受けて困っておるようだ。そういうことで、何かの話し合いをやはりしてくれという空気が国会内にも強くあって、そうして制限ということじゃないけれども、こういう事情も話し合ってみたいということで日本へ来たわけだけれども、それが非常に不満足な結果になって、だから、話し合いぐらいには応じたらどうだ、綿製品のような制限ということを前提にしないという意味で話し合いに応じてくれたらどうだという話がありました。しかし、単純な話し合いといっても、綿製品に対する苦い経験があるので、どうもそういう話し合い話し合いといって、結局は貿易自由化の方向に逆行したようなことに引っ張り込まれていくのではないかというような疑念もあって、われわれとしたならば、そういう国際会議というものにはもう出席しないというような方針だということを言って、それに対して、よくわかったとも言いませんでしたけれども、そんなことで日米の合同委員会は結論が出ないままに別れたということが真相でございます。
#30
○近藤信一君 この綿製品の問題で、大臣のお話にありましたように、綿製品の問題はことし期限が切れる、私どもが心配したことは、綿製品で変なあれをすると、妥協といいますか、後退的な話をつけますと、結局あとすぐ今度は毛製品に関係してくるのじゃないかということで、昨年も毛製品の問題が若干出まして、そのときに、私は当時の大臣にも言いましたのですが、毛製品についてはいまどんなような動きをしておりますか、この点。
#31
○国務大臣(三木武夫君) これは向こうのほうとしては、私の言った説明を納得しておるとは思いませんでした。これはあとで尾を引くなあという感じを私率直に毛製品について受けたわけです。したがって、日本の毛製品の輸出業者も、できるだけ自主的に、秩序のある輸出をしてもらいたいという希望を私は持っており、それをお伝えもいたしました。しかし、これが国際会議、あるいは何らかの日米間の毛製品の輸出を制限するような取りきめができるような、そういうことにはならぬわけです。こっちは賛成しないのですから。しかし、一方向こうがどういうふうにしてくるかということに対しては、多少はやっぱり今後の動きというものを注目したいと思っておるわけでございます。
#32
○委員長(豊田雅孝君) ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#33
○委員長(豊田雅孝君) 速記再開。
#34
○近藤信一君 次に、中小企業施策として、政府関係の三機関の貸し出しのワクの増加、利率を三厘引き下げることは予想されておるので、これはまことにけっこうな話だと思うのですが、しかし、その絵をどうして実現するかといことが問題だと思う。たとえば商工中金にしてみれば、貸し出し金利を三厘引き下げるためには、やはり商工債券の利息を下げなければできない相談だと思う。それが政府はどうしてその実施をそれじゃやるか、この問題について。
 それから、政府出資をもっと思い切って大幅に拡大しなければこれは無意味じゃないかと思うのですが、この点どうですか。
#35
○国務大臣(三木武夫君) いま何とかできるだけ合理化によって資金繰りをやってもらいたいということを言っておるのですが、これはやっぱり政府出資をふやすよりほかにないと思うんですね。そうではないと、金利を下げていくといっても限度があるわけですから、これは予算編成の場合に、そういう観点から政府関係の三金融機関についてはめんどうを見なければなるまいと考えております。今年は、みんなやっぱり何とか合理化によって資金的なやりくりをしてもらいたいと言っておるわけですが、やはり将来においては政府の出資金をふやすということが常道だと考えております。
#36
○近藤信一君 毎年通産省全体の予算としてはふえてきておるのだ。しかしそのわりあいに中小企業三機関に対する予算というものは、その率からいったらわずかなものだと思うんですよ。だから、そういう点で中小企業の倒産がここしばらく続いておる、この現状を十分に把握して、そうして来年度の予算では、大臣は来年も大臣でございまするから、ひとつ十分に中小企業三機関に対する金融の面を考えてもらいたい、こう思うのですが、この点どうですか。
#37
○国務大臣(三木武夫君) 私もそういうふうに考えております。まあ三金融機関ばかりじゃなしに、市中銀行も中小企業金融に大きな関係があるわけですが、政府の一番関係できるものは三金融機関であります。これはやはりもう少し政府が力を入れていくべきだというふうに私も考えております。
#38
○永岡光治君 どれくらい考えているのですか。
#39
○国務大臣(三木武夫君) これはいま予算編成前ですから、まあ多いにこしたことはないのですけれども、これはいろいろ全体的なにらみ合いもあって、いま数字ということは適当でない。
#40
○近藤信一君 最後に、大臣の経済運営の基本的姿勢として積極的に拡大均衡を目ざすと言っておられます。きのうも独禁法の改正で質問をしたわけなんですが、通産省は粗鋼の減産を行政指導すると、こういっておられるわけなんですが、粗鋼を減産すればその価格というものは上がってくると思うんです。そういたしますると、今度はそれを原料としてつくるものの物価、値段、これも上がるということになるのじゃないかと思うのですが、そのために今度は需要が減ってくるのではないかと思いますし、そうなると、粗鋼を原料とする中小業者は非常に困るんじゃないかと思うのです。こうして二次加工業者等は原料高の製品安となって苦しくなるのではないか。そして全体として縮小均衡にもっていくことになるんじゃないかというふうに思われるのですが大臣の言われておる拡大均衡と反対の結果を通産省はやっているのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
#41
○国務大臣(三木武夫君) 日本の場合の基調、経済政策の基本としては、やはり縮小してつじつまを合わそうということでは、経済のそろばんは合うかもしれないけれども、新たな問題が起きてくる、雇用の問題などそうです。これだけの人口を、しかも優秀な国民を擁して、経済はやはり拡大した形で安定していくよりほかにはない。こじんまり、こじんまりという考え方では、それは経済政策としても問題があるし、また大きな国全体としての政治のあり方としては、そういう政策は、これだけの優秀な、しかも非常に生活力の旺盛な国民を対象にした場合の経済政策としてはよくないと、これは基本の考えですが、しかし、いまの粗鋼の問題などはあまりにも値段が公販の届け出価格の三割ぐらい、二割ない三割というものは、その公販届け出価格から市価が下がっていく。
 基礎産業というものがこういう状態でずっといくなら、もう企業は全部――配当しておるところもあるのですが、それはもう特別償却や何かいろいろな無理しての配当ですよ。ほとんど配当もできるわけがないし、これはやはりやっていけなくなる。基礎産業というものをそういう状態に置いて、産業政策というものは成り立たない。だからもう緊急処置であって、そういう行政指導というものは長くやっちゃいけない、いまのはあまりにもひど過ぎるですから、こういうことで、できれば不況カクテルをつくったほうがいいのですけれども、メーカーが九十社くらいありますが、なかなか話がまとまらない。これをそのままおいておくということは、やはり経済の立て直しといっても、基礎産業の面から立て直していかなければならぬので、緊急避難といいますか、そういう性質のものであって、これはそういう市価が生産費に見合うようになってくれば、こういう処置はあまり長くやっちゃいけない。そういう限りにおいての行政指導、経済界全般に悪い影響を及ぼし、かえって鉄鋼のような基礎産業がもう生産費をみんな割って事業がやっていけないというような動揺を与えることが、大局的から見れば産業政策の上からいっても大きな経済発展を阻害するので、だから基本的な、経済を健全な形で拡大していきたいという産業政策の基本には触れていない、一時的な処置であると、こういうふうに御承知を願いたいのであります。
#42
○近藤信一君 もう一つ、大臣の言われることはわからないことはないのですが、そこで減産させるための勧告操短ということは、特禁法の基本精神というものを私は踏みにじるものじゃないか、こう思ってはなはだ好ましくないと思うのですが、この点はどうですか。
#43
○国務大臣(三木武夫君) 私も好ましくないと思っております。やはり不況カクテルでやるべきだ。ところがですね、なかなかその鉄鋼の大手筋、大手筋でもなかなか意見が合わないし、その上に平炉、電炉なんかのメーカー八十社もあってなかなか話ができない。そのできないのは業界が悪いのだといってしまえばそれまでですが、しかし産業政策というものを推進していく立場からとれば、できないからといって、こういう鉄鋼業界をがたがたする状態に置いておくことは、産業全般によくないということで、好ましくはないけれども事情やむを得ないということで行政指導をやったのですが、これを拡大していこうという考えはないのです。ほかの産業にもこれはもうやむを得ない場合、まあ公取などもこれはにこにこはしてないと思うのです。しかし、やはりもうそれ以外に方法がないということで、われわれはやむを得ざる処置としてしたので、こういう勧告操短のような方法を拡大して産業行政をやっていこうという考えは持っていないと、やむを得ない場合の処置である。
#44
○近藤信一君 いま大臣が粗鋼の場合は特殊的なものであると、他の産業にはそういうことは考えていないと、こう言っておられるけれども、日本の業界の現状というものを見ていくと、やはり通産省で考えておられることは、ここで一つ成功すれば、またその次というふうに拡大されていく危険というものは、いままででも十分あると思うのですよ。そういう点を私どもはいろいろと心配するのだが、いま大臣が他に拡大させないと、こう言っておられますので、私はそのことを信用するわけででございますけれども、そういう点では、私は通産省自体も十分考えていかなければならぬじゃないかと、こう思っております。
#45
○国務大臣(三木武夫君) いま言ったことは、絶対にこれは今後やらぬことという約束はできぬが、しかし、もうできるだけそういうようなことをやらないで、不況カルテルをそういう場合にはやりたいのが方針であります。こういうふうに御了承おきを願いたいと思います。
#46
○委員長(豊田雅孝君) 他に御質疑がなければ、大臣に対する質疑はこの程度にいたしたいと存じます。
#47
○委員長(豊田雅孝君) 次に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、昨日に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#48
○永岡光治君 質問をいたしますが、何しろ私も不勉強ですし、もともとしろうとですからちんぷんかんぷんな質問をするかもしれませんが、そのときにはひとつ懇切に御答弁をいただきたいと思うのですが、なお、この法律はずっと継続審議になっておりますし、この前の通常国会でかなり質疑をしておるようであります。しかしながら、やはり国会が改まったのでありますから。重複するところは、これはあってしかるべきだと思いますが、そういう観点も含めまして、二、三質問をいたしたいと思います。
 そこで第一点ですが、従来これは五百万円でしたか、単位が。それを昭和二十八年と記憶しておりますが、一億か何かに改めて、今度昭和四十年になるわけですね、ことしは。それで五億に改めたと、その段階ですね、一億を五億にしたという合理性と申しますか、妥当性といいますかね、そういうデータはどこから出したのか、その点をまずただしておきたいと思います。
#49
○政府委員(佐久間虎雄君) ただいまお尋ねの一億を五億に直しました関係でございますが、この規定は、二十八年の独禁法の改正のときに初めて入った規定でございますが、その当時、会社の総数が約三十万ほどございましたが、そのうちでちょうど資産が一億、これを資本金に直しますと、ほぼ十分の一の一千万円でございますが、一千万円以上の会社がわずか四千三百九十五、ほぼ四千四百ほどでございましたが、この四千四百ほどの会社の数は、全体の比率を見ますと、丁四%ほどでございます。つまり、当時規定を設けましたときには、会社総数の一・四%ほどがこの規定の対象になっておった。その後、御承知のように会社の規模も増大、会社そのものも数がふえてまいりまして、三十八年の数字を見ますと、約倍になりまして六十六万二千という会社の総数に増加いたしております。この中で、ただいまのように資本金一千万以上の会社で三万三千二百という大きな数字に変わってまいっております。最初二十八年には、四千四百足らずでありましたものが、三万三千というふうにふえてまいりまして、全体に占める比率も五%をこしたというような状態になっております。これは、したがって経済の規模からいいましても、中小の企業に属するものまでが報告を出すような状態になってきたわけでございまして、これを今度の案のように、総資産を五億、資本金に直しますと、五千万以上の資本金に報告の対象を改めますと、約三万三千が八千百ほどに減るわけであります。この八千百ほどの数字は、会社の全体の数字から申しますと、一・二%ほどになりまして、ちょうど規定ができました二十八年当時に、対象を一・四%といたしましたのと、大体同じような比率になりますので、資本金五千万以上、総資産五億以上が適当でなかろうか、かようなことが改正の大きな理由の一つでございます。
 いま一つは、これも御承知のことと思いますが、中小企業基本法におきまして、中小企業の概念を、大体資本金五千万以下に改めまして、その概念ともこれは一致するわけでございます。かたがた先般の臨時行政調査会のほうの勧告がございまして、この規定の届け出は、もう少し基準を高めたほうがいいんじゃなかろうかというお指図もありまして、それらを勘案いたしまして、今般改正の案を練ったような次第でございます。
#50
○永岡光治君 そういたしますと、いまの御説明でいきますと、五千万が大体の中小企業の、何といいますか、基準になる、だからそういう一つのめどを求めたのだというお話です。中小企業ならば独禁法の適用を受けないのですか。
#51
○政府委員(佐久間虎雄君) 中小企業、大企業を問わず、独禁用の適用を受けるのでございますが、この規定は、御案内のように、他の会社の株式を保有しておる場合と、それから重役を派遣する場合に限られております。他の会社の株式を所有しまして他の会社を支配する、そうして競争を自主的に制限するというような場合には、おおむね大企業の場合が多いわけでございまして、中小企業ももちろんまれにはございますと思いますけれども、そういう意味で大企業を主として対象にしたわけでありますが、しかし、実際問題としましては、中小企業の部類に属します分野で法律に違反するようなことが起こりますれば、これは当然法律の対象としまして手続を進めるわけでございます。多くの場合、大企業が対象になりますものですから、毎期毎期届け出をお願いする先にはできるだけ御迷惑のかからないように、この点で限界を設けたらいかがかと思って規定を改めたようなわけでございます。
#52
○永岡光治君 これは何ですか、一億と改正しましてから、前は資産が少なかった、その後多くなった、一億をこえた場合には、そのつど届け出るということになるわけですか。それとも、一億未満で前には五百万か何かで届け出た。二十八年に一億になったわけですが、そうすると、一億をこえてきた場合に、そのつど届け出るという制度になるわけですか。
#53
○政府委員(竹中喜満太君) 総資産が一億以下のものが一億になりましたときには、その一億になりました最初の決算期のときに届け出るということになっております。
#54
○永岡光治君 それは決算期ごとに、こえたものを届け出るというのは何件ぐらいあるのですか、一年間に。
#55
○政府委員(竹中喜満太君) 届け出が出ている件数を、昭和三十五年から申し上げます。株式の所有報告につきましては、三十五年が二千九百九十一件、三十六年が三千二百十一件、三十七年が三千二百五十一件、三十八年が三千八百六十六件、三十九年が三千九百二十一件となっております。
#56
○永岡光治君 これが五億に改正されますと、どういう見通しをお持ちでございますか、届け出件数。
#57
○政府委員(竹中喜満太君) 三十九年が三千九百二十一件でございますが、これを五億に引き上げますと、そのうち、三百九十件が落ちるというような計算になっております。
#58
○永岡光治君 三百九十件が落ちるわけですか。
#59
○政府委員(竹中喜満太君) そういうことです。
#60
○永岡光治君 それから資産が今度ふえていくわけですね。これは増加した分で届け出たものが三千九百二十一件というわけですか。
#61
○政府委員(竹中喜満太君) そういうことです。現在、その一億以上という……。
#62
○永岡光治君 そうすると、三千九百二十一件というものが、今度五億以上になると、三千五、六百件がまだ届け出の対象になると、そういうことですか。
#63
○政府委員(竹中喜満太君) そのとおりでございます。
#64
○永岡光治君 そうすると、手数の繁雑というものはたいした問題はないですね。
#65
○政府委員(竹中喜満太君) 手数の繁雑というもの、これは従来出しておりますところは、もう様式がきまっておりまして、毎年出しておりますので、さして繁雑ということはないと思います。ただ、先ほど佐久間委員からお答えいたしましたような理由がございまして、やはり引き上げたほうがいいんじゃなかろうか、会社の規模も拡大しておるということで、新たに中小企業が資本金がふえた、総資産がふえたということで出してくるものを、その義務を免除してやろうということにねらいがあるのじゃなかろうかと思います。
#66
○永岡光治君 そういたしますと、公取のほうの事務の繁雑という問題については、たいした問題はないですね。これを五億にしたからというわけで人員が浮くということでもないし、繁雑がそう免れるということでもないということで、対象の届け出されるほうの側を見ても、会社のほうもたいした苦痛もないわけですね。三百九十件ぐらいまでがめんどうなことから浮かばれるといえば浮かばれるわけですが、そうすると、なぜだろうかというふうに実は疑問があるわけですよ。
#67
○政府委員(佐久間虎雄君) 御指摘の点でございますが、先ほども申し上げますように、対象になる数が三万三千あるわけでございますね、現在。そのうちで実際に届け出ておる数字が三千九百、四千足らずになっておるわけでございます。もちろん、この三万三千が全部株式を持っておるわけではございませんので、株式を持ったもののみが法規的に来ておるわけでございますから、三万三千のうち、どの程度が実際に株を持っているかということは、実ははっきりしないのでございます。おそらく、私どのほうに届け出てきている四千以上に相当数のものがこえているのじゃなかろうかという懸念があるわけでございます。これはできますなら、全国の商工会議所にお願いしますとか、あらゆる手を尽くしまして、そういう報告を要する数字については、督促すべきものでございますけれども、ただいまのところ、そういうところまで実はやらなくちゃならぬと考えながらまだ手が届いていないというのが実情でございまして、ことに、この報告を基礎にいたしまして、法律の運用上、いろいろな統計をつくりましたり、また、いろいろな視察調査等を進める基礎になるものでございまして、人手は幾らでも要るという状態になっておりまして、手数に大差ないということではございませんでございます。
#68
○永岡光治君 手数の問題はあとであれしますけれども、緊急こうしなければならぬ、困っているんだ、非常に困るんだという、何か事情があるのですか、それを聞きたいのです。
#69
○政府委員(竹中喜満太君) 緊急どうしてもこうしなければならぬという、それほどの強い理由があるわけではないのです。先ほど佐久間委員が言われましたように、届け出会社数が、二十八年に比べますと非常にふえているというようなこと、これは私のほうが督促もあまりしないということで、実際やっていないものが相当あると思うのです。これについては、別途方法も考ておりますけれども、それともう一つは、先ほど佐久間委員からお話がありましたように、中小企業基本法で中小企業と、それから大企業とのふるい分けを資本金五千万円で切った。一年前――二年前でしたか、それと平仄を合わせようということが一つあります。
 それから昨年の臨時行政調査会の答申で公取についてはこの点だけですが、一億円の届け出を五億円に上げたらどうかという答申がありましたので、それらの線に沿いまして考えたわけでございます。
#70
○永岡光治君 それじゃ公取の立場から、公取の精神を生かすために、その指導なり監督というものを遂行するために、一億というものを五億に引き上げなければやっていけないんだ、目的を達するために緊要に迫られているという、そういうものでなくて、私が聞いても、何か抽象的に五千万というのがきまったから、それに合わしたほうがいいだろうという、単なるそういうものですか。それとも、もうちょっと何か、改正する以上は緊急迫られてこうしなければ当面やっていけないんだ、この目的を達するために非常に合理的になる、そういうものでもないのですね。どうなのですか。
#71
○政府委員(佐久間虎雄君) 緊急性という点につきましては、必ずしも、お話のような点であろうかと思いますが、私どものほうの事務も多方面にわたっておりまして、できるだけ仕事を効率的にいたす必要もございますので、ここで多少でもこれは人手をほかのほうに回す必要もございます。ことに臨時行政調査会の答申としまして、各省あの答申を非常に尊重して、できるだけ行政の簡素化をはかっていくということで、公取としましてはこの点だけが指摘されましたので、やはり改めるほうが正しいのではないかというふうに考えまして、この案を出したわけでございます。
#72
○永岡光治君 大体御答弁でわかりましたが、そういう、とにかくこうやらなければいかぬとか、累急に迫られて改正をやっていくということではないようです。何か行政調査会のほうでそういう答申が出たから、この際できれば改正したほうがいいんじゃないかという軽い意味ですね。言うならばそういうことですね。
#73
○政府委員(佐久間虎雄君) そういう意味でございますが、隠れたところで、いま申しますように、わずかなことでございますけれども、人手を片方に回せるというふうな、全体が非常に人手不足でやっておりますので、そういうような隠れた意味合いも含んでおります点を御了承願いたいと思います。
#74
○政府委員(竹中喜満太君) 補足的に申し上げますけれども、四章の規定というものは、独占禁止法の予防規定でありますので、予防規定はなるべく最小限度にとどめたほうがいいのじゃないかという考えもございます。こういうふうに改めるのとあわせまして、先ほど佐久間委員が申されておりましたけれども、これは五億円に上げますと、国税庁の法人統計では、会社数のが八千余あるわけでございます。ところが、今度減りまして三千幾らで、その間五千ばかり差がございます。これが法人統計のほうは、実際動いていない会社も計算に入っておりますので、しかも、株を持っていない会社も含まれている、こういったことがございます。しかし、その差があまりにも大きいものですから、私のほうといたしましても、今後総資産五億をこえる会社を全部リストアップするということは、なかなかむずかしいと思いますので、さしあたり十億をこえる会社をリストアップしまして、私のほうに出ているものと比較しまして、出ていないものには、株を持っているか持っていないか、持っていれば届け出をせよということを考えております。この届け出については、罰則もついておりますので、あまり放任もしておけません。そういうことを考えております。
#75
○永岡光治君 そういたしますと、いま答弁のありました、若干でも人を浮かしてということは、あまり期待できないわけですね。あなたのおっしゃるように、これからリストアップをやって、できるだけ監督の目を光らしていこうということになると、人員のほうであまり助かるということはないのですね。
#76
○政府委員(竹中喜満太君) そういうことを考えましたのは、結局いま佐久間委員が申しましたように、多少そういう点で浮く面もあるので、やりやすくなるであろうからやろうという面もあるわけでございます。
#77
○永岡光治君 これはもう話を聞いてみるとたいした法案ではないですね。それで私はまた、えらい繁雑なものですから、人手も浮かして、あとで増員をするという話があるから、それを少しでもカバーするということになっているのかと思ったのですけれども、話を聞いてみると、あまりこれは、聞けば聞くほどそう痛くもかゆくもない法律のようなんですけれども、それを通常国会から臨時国会まで引き延ばしていかなければならない、何かあったのじゃないですか。そういう問題はないのですか。何か重要な問題が隠れているのじゃないですか。
#78
○政府委員(竹中喜満太君) どうも私も理由がよくわかっておりませんのですけれども、前国会の終わりに、六月一日でございますか、私ども当然可決成立させていただけるかと思っておりました。最後の段階で、質疑は終わりましたが、採決をいただきませんで、継続審議の手続もとれずに廃案になってしまったというようなことでございます。
#79
○永岡光治君 大体精神はわかりましたが、何ですか定員の増員のほうはどういうふうに振り向けるわけですか。ここで十一人ですか、仙台の事務所を設けたのでふえるもの、それから何か新しい事務を考えて、あるいは今後いま事務繁雑で困っているから、おそらく増員するという気持ちじゃないかと思うのです。新規事業ではなしに、現在のままで足りぬからという意味じゃないかと私は思うのですけれども、何か新規にやろうとして考えているのか。新規は仙台の地方事務所が置かれるから大体わかると思いますが、その割り振りは、大まかに分けて、仙台のほうは何名、その他にはどういうことになっておりますか。
#80
○政府委員(竹中喜満太君) 仙台の地方事務所を新設いたしまして、仙台の地方事務所に六名、それから既存の地方事務所が札幌と名古屋と大阪と福岡にございます。これに二名ずつ八名、合わせて十四名ということでございますが、十四名のうちの三名は、昨年の九月四日の欠員の凍結分でございまして、その三名を生かしていただくことになりましたので、ですから、十一名定員上はふえますと、実質は十四名ということになります。地方事務所の二名ずつの増員は、最近下請代金支払遅延等防止法の改正とか、不当景品類及び不当表示防止法等が、その運用の面がだいぶ繁雑になっておりますので、また、地方的に違反事件などもふえておりますので、それらの処理のために増員するというたてまえをとっております。
#81
○永岡光治君 これは、直接この法律の審議と関係ありませんが、これと関連して出る問題ですけれども、この規定があるので監督されるわけですが、従来その実施をしてきて、過去の法律に触れて調査をしてどういう結果になったか、そういう事件がありましたら、二、三、時間がかかれば一つの例でもいいのですが、第一、事件としてはたくさんあるのか、あるとすればどういうものが一番多いのですか。
#82
○政府委員(竹中喜満太君) 私どもの法律に違反いたしますと、私どもの審査部で審査手続に入るわけでございますが、年間審査します事件が百五十件くらいございます。それで、そのうち、私のほうが調べますと、大体、協定事件などは、小さいものはやめてしまうものがありますので、やめてしまうものについては、特別の措置はとりませんけれども、そうでないものにつきましては、正式の審判開始決定なり、あるいは勧告なりをしまして、排除措置をとるわけでございます。それが年間で十六、七件になっておると思います。それで、違反事件で一番多いのは、どういたしましても、物価対策の関係もございますけれども、価格協定の問題が一番多いわけでございます。
#83
○委員長(豊田雅孝君) それでは、他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。
#85
○委員長(豊田雅孝君) 委員の変更がございました。
 大矢正君が辞任され、その補欠として田中寿美君が選任されました。
 速記をとめて。
    〔速記中止〕
#86
○委員長(豊田雅孝君) それでは速記再開。
 これにて休憩いたし、四時三十分から再開いたしまして、本案の討論、採決を行ないます。
 午後零時四十四分休憩。
     ―――――・―――――
 午後六時十六分開会
#87
○委員長(豊田雅孝君) これより商工委員会を再開いたします。
 休憩前の委員会において、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の質疑は終局いたしておりますので、これより直ちに討論に入ります。
 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
 〔賛成者挙手〕
#89
○委員長(豊田雅孝君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出する審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
 午後六時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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