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#1
第049回国会 社会労働委員会 第2号
昭和四十年八月五日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 八月三日
    辞任         補欠選任
     高山 恒雄君     中村 正雄君
 八月四日
    辞任         補欠選任
     中村 正雄君     高山 恒雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小柳  勇君
    理 事
                鹿島 俊雄君
                川野 三暁君
                佐野 芳雄君
                藤田藤太郎君
    委 員
                黒木 利克君
                紅露 みつ君
                佐藤 芳男君
                土屋 義彦君
                徳永 正利君
                山本  杉君
                横山 フク君
                杉山善太郎君
                森  勝治君
                山崎  昇君
                小平 芳平君
                高山 恒雄君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  鈴木 善幸君
       労 働 大 臣  小平 久雄君
   政府委員
       厚生大臣官房長  梅本 純正君
       厚生省環境衛生
       局長       舘林 宣夫君
       厚生省児童家庭
       局長       竹下 精紀君
       厚生省保険局長  熊崎 正夫君
       社会保険庁医療
       保険部長     加藤 威二君
       労働大臣官房長  和田 勝美君
       労働省労政局長  三治 重信君
       労働省労働基準
       局長       村上 茂利君
       労働省婦人少年
       局長       谷野 せつ君
       労働省職業安定
       局長       有馬 元治君
       労働省職業訓練
       局長       松永 正男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○社会保障制度に関する調査
 (厚生行政の基本方針に関する件)
○労働問題に関する調査
 (労働行政の基本方針に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小柳勇君) ただいまより社会労働委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 一酸化炭素中毒対策及び遺族救済措置に関する件調査のため参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小柳勇君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選などにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(小柳勇君) 社会保障制度に関する調査中、厚生行政の基本方針に関する件を議題といたします。
 まず、政府より、本件に関し、所信を聴取いたします。鈴木厚生大臣。
#6
○国務大臣(鈴木善幸君) 第四十九回国会における社会労働委員会の御審議に先立ち、この機会に厚生省所管行政に関し、所信の一端を申し述べたいと存じます。
 社会保障の拡充強化は、近代国家がひとしく目ざす目標であり、国民生活の安定と向上の重要なかぎとなるものであります。わが国における社会保障制度は、現在なお西欧諸国の水準に比し不十分な点がありますが、近来の目ざましい経済の成長に伴い、社会保障関係予算は、昭和三十五年度では一千七百九十六億円、一般会計予算の二・四%でありましたのが、昭和四十年度においては五千百六十四億円、一般会計予算の一四・一%にまで大きく伸長してきているのであります。しかしながら、近来のわが国経済の目ざましい成長にもかかわらず、なお少なからぬ人々が経済繁栄の谷間に取り残されており、経済成長の成果が直接国民の福祉に結びつけられるためには、なお幾多の努力が払われなければなりません。この意味で、国民生活に密着しており、かつ、広範多岐にわたる厚生行政のになう役割りはきわめて大きなものがあるのであります。私は、経済開発と均衡のとれた社会開発を推進し、国民のすべてが健康で文化的な生活を営むことができるよう、強い決意をもって厚生行政の推進に当たる所存であります。
 また、今後なお進むものと思われる人口構造の変化、就業構造、産業構造の変化、さらには生活構造の変化は今後における厚生行政施策にも大きな変動をもたらそうとしているのであります。たとえば老人福祉対策の必要性が高まってきたこと、過密都市における公害の多発化現象などがその適例でありまして、このような変化、変動に対応して国民の福祉向上を期するため、生活環境の整備、国民保健の強化、医療及び所得保障の充実、社会経済の変動に取り残されがちな人々に対する福祉施策の推進等に一そうの努力をいたしたいと存じます。
 以下、主要な事項について個別に述べてまいりたいと存じます。
 まず、医療費問題につきましては、誠意を持ってその解決に当たる所存でありますが、この問題は紛糾を重ねた問題であるだけに、その一つ一つを着実に解決していくことが必要であると考えており、これを私の基本的姿勢として医療問題の解決のために全力を尽くす所存であります。当面の医療問題を解決するためには、何よりも、まず中央社会保険医療協議会を再開することが緊急の必要事であると考えております。このため、さきほど御承認をいただきました公益委員及び去る六月任期の満了に伴なう新しい委員の任命を早急に終えまして、すみやかに懸案事項の審議をお願いいたしたいと存じております。
 次に、保険三法の改正については、近年各種医療保険制度の財政がとみに悪化したことに対処するため、現在、政府は、健康保険、船員保険及び日雇労働者健康保険制度の改正案を社会保険審議会及び社会保障制度審議会に諮問しているところでありますが、両審議会の審議の促進方をお願いし、答申が行なわれた暁には、その答申を尊重して、早期にこれら三制度の立て直しのための対策を樹立し、国会に制度改正のための法律案を提案いたす所存であります。
 また、昭和三十九年度決算において著しい悪化を示した国民健康保険の財政については、本年度の予備費から臨時財政調整補助金を交付する等の措置を講じたので、これらを考慮に入れた実質収支で見れば、財政の赤字状況は相当改善されるものと見込まれる次第であります。なお、将来にわたって財政基盤を強化するための方策につきましては、今後とも十分検討してまいりたいと存じます。
 第二に、年金制度の充実につきましては、さきの国会で成立いたしました厚生年金保険法の改正に引き続きまして、国民年金の分野におきましてまたその充実強化をはかりたいと存じます。すなわち、来年度は国民年金の第一回目の財政再計算時期に当たりますので、主として拠出年金を中心に、給付水準の向上、支給要件の緩和等をはかる所存であります。
 次に、社会福祉及び児童福祉の問題といたしまして、とかく経済の成長に取り残されがちな身体障害者、老人、低所得者、要保護児童などに対しましてあたたかい配慮の千が伸びるよう、特段の配慮をいたしたいと存じます。とりわけ、昨今大きな社会問題とさえなっております重症心身障害児対策につきましては、真剣に取り組みたいと考えております。このため、収容保護を必要とする児童のために国立の収容施設の設置について努力するほか、民間施設の整備運営について一そうの改善をはかる考えであります。また、在宅児の指導体制を一そう強化する所存であります。
 次に、今国会で継続審議となっております母子保健法案につきまして、御審議のほど、よろしくお願いいたしたいと存じます。
 第四に、生活環境の改善につきましては、新たに設けられた公害審議会における審議や公害防止事業団の業務等を中心に、公害を初めとする環境衛生上の諸問題の解決をはかり、また、これまで中小企業対策の中でも、とりわけ立ちおくれている環境衛生関係営業対策としては、その経営指導及び近代化、協業化を促進し、サービス料金の適正化をはかるため、金融その他助成に積極的な施策をはかる等、その充実強化につとめたいと存じます。
 厚生行政につきましては、以上の問題のほか、国民生活の安定と向上をはかるため、当面解決を迫られている問題が少なくありません。私は、今後とも、誠意を持ってこれらの問題の解決に努力する所存でありますが、ここにあらためて各位の一そうの御支援、御協力を切にお願いする次第であります。
#7
○委員長(小柳勇君) 本件に関し、質疑のある方は、順次御発言を願います。
#8
○藤田藤太郎君 大臣に新任されまして、これから厚生行政、社会保障行政を進めていただくわけでありますから、私は、社会保障を含む厚生行政というのは、いまの日本の国にとって、あらゆる面に関係して、一番重要な役所だと、こう理解をいたしております。経済がここで目ざましく成長をしたとおっしゃっているわけでありますけれども、それなら、その生産機関というものは、国民や人間の幸福のために生産を高めるのでありますから、その高めるために工場をつくって、そのつくった工場が四割も五割もとまっているということは、これは政治がさかさまだと私は思うのです。ですから、いま経済のひずみということばがよく政府から出るわけでありますけれども、ひずみを直すのは何かというと、私は、社会保障制度と低所得者の減税以外にない。生産と消費のバランスをとって主権者国民の福祉を発展させていくという道はそれ以外にないと思う。だから、その意味においても社会保障というものを向上する、拡大することは重要なことであり、これは厚生大臣がしっかりがんばってもらわない限り、この問題は解決しないと私は思うのです。昭和三十七年の社会保障制度審議会の答申――ヨーロッパ水準にやろうということ、このことといまやられていることは非常な違いがあると思う。先日立てた中期経済計画においても、四十三年に社会保障を国民所得の七%に押える。ヨーロッパの所得は一七、八%から二〇%水準にきて、いまや経済発展のためのかぎになっているという、このこともひとつ大臣はよく御勘案になって、そして社会保障と取り組んでいただきたい、こう思うのであります。皆さん質問があるわけですけれども、きょうは時間がありませんから、二、三の点だけ私は申し上げておきたいと思うのですが、ここに昨年より予算でふえたということだけでは解決しない問題ではなかろうかと私は思うのですが、厚生大臣がこの問題についでどうお考えになっているか、一点大臣に聞いておきたい。
#9
○国務大臣(鈴木善幸君) 社会保障の充実が、文化国家、福祉国家を建設いたします際におきまして最も重要な施策でなければならない、こういう御指摘は全く同感でございます。経済の開発と均衡のとれた社会開発というものが行なわれて初めて国民の福祉の向上が期せられるものだと、かように考えております。
 御指摘のとおり、わが国の社会保障に対する予算等は、欧米先進国に比べまして、まだ不十分でございます。しかしながら、最近わが国におきましても、国民所得の向上に伴いまして、政府の予算面におきましても、ここ数年の間に相当大きな伸びを示しておりますことも事実であります。昭和三十五年当時一千二百億程度でございましたものが、今日におきましては、五千百億をこえる、こういうようなことでございまして、一般会計予算の一四・一%に達しております。私どもはこれをもって満足をいたすものではございません。国民のふえた所得をどういう面に使うかということが政治の一番大切な点であると、そういう意味合いからいたしまして、今後におきましても、国民所得がふえましたその大きな部分を社会保障の充実に充てるように、厚生行政を担保する責任者といたしまして、最善を尽くしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#10
○藤田藤太郎君 五千百六十四億のことしの予算上の社会保障の予算だといわれますけれども、ことしの政府の見通しによると、二十二兆七千六百億の国民所得の予想からすれば二・二%しかならないわけです。振りかえ所得を含めて五%くらいなんですが、だから、問題はどこにあるかということを私は大臣に申し上げておきたいと思うのです。国民総生産対する民間設備投資拡大度、これは生産と消費のバランスをとる拡大度というものはどの国も一二、三%、日本では二〇何%という拡大をやって、その拡大したやつが半分とまっている、そこに問題がある。外国ぐらいに日本も進みたいというなら、一二、三%でやれば、二兆からの金が、そういうとまっているような機械の拡大のために使わずに済むわけです。そういう問題の整理をしない限り、社会保障は大蔵省のさいふだけをいじっていてはどうにもならない問題だと私は思う。それがいまの経済のひずみになっている問題だと思いますので、ぜひそういうところを御勘案願って、厚生大臣はひとつがんばっていただきたい。いずれまた委員から御質問があると思いますが、私は冒頭に申し上げたいのは国民健康保険の問題ですが、これは医療制度全体の問題で、いま社会保険審議会と社会保障制度審議会で議論をし、いずれ次の国会で議論になるところだろうと思いますけれども、さしあたって国民健康保険で地方自治体が困っている現状、この処理を私はやはり早急に処置しなければならない問題ではなかろうか、こう思うのです。先日、昨年度の調整交付金の分だけは処理したとおっしゃるけれども、たとえば九・五の医療費の補完もできていないし、七判給付に順次変えていくというけれども、その財源も四分の三しかしてないし、むしろ厚生省は、地方自治体の財源を見ておりますと、地方公営企業法というものをつくって、地方自治体がみずからの市町村民の要求に応じてやる事業には一銭も一般会計は出したらいかぬ、そして皆保険として政府みずからやらなければならぬ国民健康保険に、地方自治体の一般会計の金を出して埋めなさい、これは私は根本的に間違っていやせぬか。そこらあたりを厚生省はどうお考えになっているのかということを私は聞いておきたいのです。だから、東京都が十八億も一般会計から出す、大阪が十一億も出す、六大都市はみんな大きな赤字財源を持って困っている。こればかりじゃなしに、六大都市じゃなしに市町村はみんな国民健康保険の赤字で困っているわけです。これは私が申すまでもないわけですけれども、この措置をやらない限り、三十六年から出発した国民健康保険はどういう方向にいくのか、このままの状態でいったら市町村が返上する、返上ということは、これはなかなか地方自治体行政の中でできる問題じゃないわけです。だから、その返上はしたい、返上しなければ地方の自治体の財源が持たぬ、そして返上はできぬ、市町村民の生活をみておれば、返上はできぬということで、困りはてているというのが今日の状況だから、市町村長の全国大会で、一般会計から一銭も国保に出さないのだという決議までするほど市町村の財政を追い込んでいるというのがいまの国民健康保険ではないかと私は思うのです。だから、その点について、大臣はどう今後国民健康保険を健全化の方向に持っていこうとしているのか、そこらの見解を承っておきたいと思います。
#11
○国務大臣(鈴木善幸君) 各種医療保険の財政が非常に危機に瀕しておりますことは御指摘のとおりでございまして、その中で、特にいま具体的なお話がございました国民健康保険につきましては、先般、昭和三十九年度の精算不足分百十一億円につきましては、四十年度の予算から繰り上げ支出をいたしまして、これは近い将来に四十年度の予算の補正であとの処理をすることにいたしております。
 なお、三十九年度の財政調整交付金に相当いたします部分につきましては、当初、昨年の予算分科会におきましては、三十二億円程度と、こう推定をいたしておったのでございますが、これを今回市町村団体の地方財政の事情、また、保険財政の状況を勘案をいたしまして、四十億円を臨時財政調整補助金といたしまして予備費から支出をすることにいたしたのでございます。これによりまして、おおむね三十八年度の決算と同じ程度の決算が三十九年度においてなされた、こう思うわけでございます。御参考までに申し上げますと、三十八年度の決算におきましては三十七億赤字が残りました。赤字団体は、市町村団体三百九十二町村でございます。先般の措置によりまして、三十九年度には三十四億程度になると思います。赤字が三十四億円程度で、赤字市町村団体は二百二十七、こういうことでございまして、どうにか三十八年度決算程度の措置が講ぜられたわけでございますが、しかし、私ども、御指摘のとおり、保険財政の確立、この問題につきましては、今後も真剣に取り組んでまいりたいと考えております。事務費につきましても、四十年度におきましては二百円に上げたのでございますが、なおこの点につきましても不十分な点がございます。今後も事務費の国庫の負担を適正なものに改善をいたしますために努力いたしたいと考えております。保険財政の確立の問題につきましては、これが安定いたしますように、今後あらゆる努力を傾ける所存でございます。
#12
○藤田藤太郎君 いずれまた伺うことにいたしまして、医療問題と、もう一つの柱である国民年金の改定期が来年の春だと思うのです。来年の通常国会には、これはどうしても処理しなければならぬ問題です。ですから、いまどういう進行状態にあるのか、それから、どういう構想を持っているのか、そのことをちょっと。
#13
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のとおり、国民年金は来年度が第一回目の計算の年度に当たるわけでございまして、この機会に国民年金制度につきましても改善の方向で検討を進めております。先般国会の御承認を得まして厚生年金の改正がなされました。いわゆる二万円年金が実現いたしたのでありますが、これに比べまして国民年金制度が非常に見劣りするようなものに相なってまいりました。私は、さような意味合いからいたしましても、来年度において国民年金制度の給付の内容の改善等をぜひはかってまいりたいと考えているわけでございまして、いまのところ、国民年金審議会に議問をいたして御審議をわずらわしているのでありますが、大体給付の内容といたしましては、夫婦で一万円の年金が支給されますように、つまり一人五千円、夫婦で一万円の年金が支給されますような方向でいま検討を願っているような次第であります。
#14
○藤田藤太郎君 いろいろとお尋ねしたいことがあるわけなんですが、時間の制約があるようですが、私は、この国民年金も来年の四月から実施するということに厚生省もいまからかまえておいてもらわぬと、厚生年金はごてごていっている閥に一年も延びた、あるいは検討するという理屈がついてきて延びているのだが、そういうことがないように、いずれは国会に出てくることでありましょうが、いい案が来年の四月から実施されるということを明確に目標にして努力していただきたい。これだけを申し上げておきます。
#15
○委員長(小柳勇君) 大臣、ここに書いておられる継続審議になっておる母子保健法案につきまして何とぞよろしく御審議を願いますという、これをもう少し内容を言ってくれたほうがいいと思います。
#16
○国務大臣(鈴木善幸君) 問題点は、従来保健所単位でやっておりましたものを市町村の地方団体にその行政の主体を移す、こういう問題につきましていろいろ審議の過程におきまして御意見が分かれているようでございます。私は、この問題につきましては、政治的な高い立場からの判断が必要だと、こう考えておりますので、各党間のお話し合いを十分ひとつお願いいたしまして、その御意見等を尊重して政府としても必要な措置を講じたい、かように考えております。
#17
○委員長(小柳勇君) もう一つ、お忙しいようですが、薬価基準の引き下げの問題はどうなっておりますか。
#18
○国務大臣(鈴木善幸君) 薬価の改定の問題につきましては、薬価基準と薬価の実勢というものの間に相当の開きが出てまいっております。これは早く実勢に沿うて薬価基準の改定をしなければならないということで、昨年の十月に、その調査の結果を、総医療費の三%程度の薬価の引き下げが必要であり、その余裕分を医師の技術料に振りかえるという諮問案を実は中央医療協議会に御検討をお願いいたしておるのでございます。なお、その後昨年の十月以降におきまして薬の自由化等も行なわれました関係もあり、さらに引き続き薬価が値下がりを示しておるのでございます。そういうようなことで、五月にその昨年の十月以降の調査の結論をとりまとめたいということでございましたが、私が就任いたしましてその経過を聞いたのでございますが、どうも十分納得がいかない、ふに落ちない点が多々ございました。そこで、再調査を実は命じておりまして、六月一日の時点おける薬価の実勢がどうなっているかというようなことを再調査を命じておりまして、近い機会にその調査の取りまとめができる予定でございます。私といたしましては、ただいま申し上げましたように、薬価基準は薬価の実勢に即したものに早く引き下げたい、かように考えておるわけであります。
#19
○委員長(小柳勇君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時十二分休憩
    ―――――――――――――
   午後一時二十一分開会
#20
○委員長(小柳勇君) ただいまより再開いたします。
 労働問題に関する調査中、労働行政の基本方針に関する件を議題といたします。
 まず、政府より、本件について所信を聴取いたします。小平労働大臣。
#21
○国務大臣(小平久雄君) 私は、先般の内閣改造で、はからずも労働省を担当することになりました。労働問題がますます重要性を加えてきております今日、私は、労働行政に誠意と熱意を持って取り組んでまいる考えでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 労働問題は、本来、社会、経済と深い関連を有する問題でありますとともに、人間としての労働者の問題であります。したがいまして、労働行政は、社会、経済との関連を十分考慮しながら進めなければなりませんが、より基本的には、人間性尊重の理念のもとに、広く人間としての労働者の福祉を目的として進められるべきだと考えております。このような基本的考え方に立って、当面する労働行政の問題につき、私の所信の一端を申し述べたいと存じます。
 これまでの高度の経済成長は労働経済に急速な変化をもたらし、わが国は、長期的に見れば、労働力過剰から労働力不足へとその基調が大きく変化しつつあります。しかし、その過程において発生した最近の経済の停滞は楽観し得ないものがあり、当面その影響が労働面にあらわれてくることが予想されます。このような情勢に対応するため、雇用問題につきましては、長期的視野に立って人間能力の向上と労働力の有効活用のための施策を推進するとともに、当面の経済の停滞のもとにおいて、景気動向の推移を慎重に注視しつつ、今後発生する雇用の停滞に対しましては、大学卒業者、中高年齢者その他就職困難な労働者の雇用の促進、離職者対策等、有効な措置を機動的に講じてまいりたいと存じます。
 また、経済の高度成長の中で、いまだ改善のおくれている部面に対しましては、労働条件近代化のための諸施策、労働災害の防止対策、労働保険の整備充実をはかる施策、労働者福祉対策等、労働者の福祉向上についての諸施策を積極的に展開いたしたいと考えます。特に労働災害につきましては、その発生率は低下を見せつつありますものの、その発生件数はなお顕著な減少を示すに至らず、いまなお多数の労働者の貴重な生命がそこなわれておりますことは、人命尊重を基本理念とする近代国家として、まことに遺憾にたえません。私は、今後とも、労働災害防止対策を労働行政の最重点の一つとして、でき得る限りの努力をいたしたいと考えております。
 さらに、労使関係におきましては、長年大きな懸案でありましたILO第八十七号条約批准問題が、各位の御尽力により、先般の国会で一応解決をみましたことは、わが国労使関係のため、御同慶にたえないところであります。また、ILOドライヤー訪日調査団の提案を契機として、公共部門を中心に、政府当局と労働組合との定期会合が行なわれるようになりましたことは、両者の意思の疎通、相互信頼関係樹立のため、まことに有意義なことと存じます。私は、さらに今後、政府と労働組合との間のみならず、広く一般労使関係者の間で、経済情勢の推移を理解しつつ、自主的に自由な話し合いを行なう機運が醸成されるようつとめてまいりたいと存じます。
 労働行政には、以上のほかにも、なお多くの重要な問題があります。私は、これらの問題につきまして各位の御意見を十分拝聴しながら、誠意を持って解決に努力する所存でありますので、委員各位の御指導、御鞭撻をお願いいたしたいと存じます。
#22
○委員長(小柳勇君) 本件に関して質疑のある方は、順次御発言を願います。
#23
○藤田藤太郎君 大臣が新任されて、今後労働行政に御尽力を願うわけでありまするが、皆さんもいまの労働行政についてたくさんの質問があると思うのでありますが、きょうは時間がありませんので、一、二点私質問をさしていただくことになりました。
 第一番に労働大臣にお聞きしておきたいことは、労働力の配置問題があります。今年の傾向を見てみますと、経済の問題についてあまり私は深く触れませんけれども、いまのように生産と消費のアンバランス、全く国民にとってはありがた迷惑の過剰生産、恐慌という話が出ているわけであります。本来、生産機関の増強というのは、国民生活向上のために増強するというのが主権在民国家の基本でなければならぬ。国民に所得購買力を与えないで、そして物がたくさんできてはいけない。過剰生産で不況なんというのは、全くこれ国民をばかにした経済の姿だと私は思うのです。これは労働大臣がしっかり国民労働者を中心に守る方向に経済の方向を変えてもらわなければ、閣議においてがんばってもらわなければならぬことはむろんのことであります。だから、労働省は、単に失業が出たとか、こんなものを、こぼれてくる経済政策はかってにやられて、それを受けて、その処置だけに携わっているというような労働行政であってはならぬと私は思う。経済の政策を、その機械設備と労働力というものが相和して生産を高め、それに相和して国民生活が上がっていくという、この基本の上に立って労働大臣はひとつ閣議でがんばってもらわなければいかぬと私は思う。だから、そういう苦心味で私は心配になるのは、そういう基本的な経済政策が根本的に変えられていない。そこで、雇用問題に触れてみると、ことしは大学卒業者が半分もいけばいいであろうということがいわわれている。新規採用は、採用はしてもそのまま置いておく。またまた昭和三十二年ですか、あの当時の帰休制度の問題が考えられている。今日の状態はその段階で労働者は済むでしょうけれども、いまのような状態が続く限り、企業家がそれじゃ社会の状況を考えて労働者をかかえることを続けるのかどうか、これは大問題だと私は思うのです。そういうことを考えてみますと、雇用問題というのは、去年からことしにかけて、技術労働者が百何十万足らぬという話を労働省から一部聞くわけでありますけれども、中高年の方々の就労の場というものは、この事態になれば、なおさら清新な学卒労働者に集中をして、おいてきぼりになっているという情勢、それに加えて、またまた一般のものまで操短の犠牲ということになってくるのではないか、私はそういうことを思いますときに、経済の基本的な在民主権、それから、生産と消費のバランスをとるような経済に急速に改めていかない限り、この問題解決をしないのではないか、私はそう思っているのです。労働大臣のまずその所信を聞いておきたい。
#24
○国務大臣(小平久雄君) まず、経済政策と労働問題、特に雇用なり、あるいは賃金なりの問題でございますが、ただいまお示しのように、私も全く経済政策と労働政策というものは切り離して考えられるべきものではなくして、しかも、なお、労働政策というものが、単に経済政策、あるいはそれから生まれる経済現象、それのいわばしりぬぐい的な施策ばかりでなく、むしろ労働者の立場から、経済政策はかくあるべきであるという面について積極的にこれを発言し、あるいは実施に移していくように努力するということが当然のことであろう、当然の私どもの任務であろう、かように考えておるのでございます。また、現下の経済のいわゆる不況の状況のもとにおきまして、雇用関係にこれがどういう影響を持ってまいるかということにつきましても、私ども非常に心配をいたしておるところでございますが、幸い、従来のところはまだそう顕著な雇用上の悪い状況、失業者がふえるとか、そういった状況は出ておらぬようであります。もちろん雇用に対する需要の伸びが、若干昨年下半期以来縮まって減少してきておる、こういう現象はすでにあらわれておるようでありますが、一面、失業者等も、この春の間の状況など見ますと、昨年に比べまして、ややむしろ減少をしておるといったような状況でありますので、失業者自体がふえてまいったということはまだないようであります。しかしながら、現在のこの経済の状況というものがさらに一そう長期的に続くというようなことにでもなりますならば、あるいはいま先生もお話のとおり、失業等がふえてまいるということもあり得るのではなかろうか。そういう点についても、私としましては、一日も早くこのような経済界の状況というものが克服されて、正常ないわゆる安定した経済の状況に戻るようにあらゆる努力をいたしたいと思いますし、そのことによって雇用その他の労働の面での不安というものが増さないように努力をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#25
○藤田藤太郎君 いま大臣のおことばがありましたが、私は、何といっても、労働行政を立てようとしたら、この問題を大臣が日本経済の中でがんばる以外にないと私は思う。中期経済政策をとってみても、そういう購買力をふやして生殖と消費のバランスをどうとっていくかというような問題じゃなしに、建設中心の問題が重点になっていく。物をつくる設備をつくるだけに重点を置いて、特に大企業の擁護というかっこうに自然の流れとして流れてくるわけでありますけれども、しかし、どうしてそれじゃいまのひずみひずみと言われているものを直すか。いまは去年からことしにかけて大臣のおっしゃったような状況であることは、雇用関係としてそれは私はわかります。しかし、この状態という経済の根本を直さないで、それじゃ労働行政だけは雇用関係は安泰だということで言い切れるかどうかということは重要な問題だと私は思う。私は、きょうは初めでありますし、時間がありませんから、あまりくどくは言いませんけれども、そのことを労働大臣はしっかり身につけてやってもらわないとたいへんな問題が起きてくるという感じを私は非常に強く持つわけでございます。だから、いままでの技術労働者の不足に対する処置をどうするかというので労働省の事務当局は非常に努力をされている。しかし、根本の問題が曲がってくれば、これはもうどうにもならぬ問題だと私は思う。そのことだけは特にひとつ力を入れて、ここで労働省の中でおやりになるより、閣議の中でひとつその方向を変えてもらうようにがんばってもらうのが私は労働大臣の役目じゃないか、こういうぐあいに思います。当面の問題として。
 そこで、こまかいことになるけれども、たとえば大学卒業者がことしは就職が半分もできないだろうと言われた。それから、一たん雇用契約を結んでも、家庭待機という問題が出てきたり、またまた帰休制度の問題が出てくるとしたら、今度は失業保険でそれじゃ処理しましょうということには私は問題があると思うのです。だから、そこらの点について見通しを、これは事務当局でもけっこうですから、お話をしていただきたい。
#26
○政府委員(有馬元治君) 学卒につきましても、中卒の場合は、現在求人の状況を集計中でございまするけれども、昨年よりも約十万の供給減になりますので、倍率としては三倍前後の倍率におさまるのではないか。したがって、中卒については依然問題はないと思いますが、高卒につきましては来年は約三十万、四四%程度の供給増になります。したがいまして、この不況に伴う求人手控えというふうな傾向も加わりまして、多少昨年までの三倍から三・五倍の倍率というのは緩和するのではないか、まあ二倍程度に落ちつくのではないか、これは推則でございますので、実際に集計をしてみないとはっきりしたことは申し上げられませんが、したがって、高卒についても、大体傾向としましてはそう心配はない。ただ、女子の高卒につきまして、供給地といいますか、いなかの地方におきましては従前よりも就職がしにくくなるというふうな事態は、地域的には若干あらわれるのじゃないかと思っております。高卒につきましては、御指摘のように、特に事務系の女子の学生というのが非常に就職しにくいというふうな事態が今日の時点であらわれておりますので、政府としましては、先ごろ総務副長官を中心にして学生の就職対策協議会をつくりまして、ここで求人側に対しましては求人の手控えをしないように、また、学生側に対しましては大企業のみに集中しないようにというような、両面からの指導を行ないまして、来年卒業する大学並びに短大の学生の就職問題に対処していくようにいたしております。これは私どものほうでは、御承知のように、大学については、いままで関係機関はそう積極的にタッチしておりませんで、学校当局が各求人側企業と直結をいたしまして学生の就職対策を講じておりますので、今後も大学を中心にこの問題は対処されることと思いますが、私どもも中小企業方面を中心といたしまして、大学卒業生の就職のための求人開拓を積極的に安定機関を通じてやってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#27
○藤田藤太郎君 いまの家庭待機とか、それから、帰休制度をとろうというような産業が出ていると聞くのですけれども、そういう点はどうですか。
#28
○政府委員(有馬元治君) 昨年のといいますか、ことしの三月の卒業生につきまして、御承知のように、国鉄の大阪管内を中心に、多少見込み違いの採用決定をいたしまして、そのために自宅待機が相当出たのでございますが、これも国鉄当局に私のほうから厳重に申し入れをいたしまして、自宅待機なら自宅待機で、いつごろどういう形で採用されるのかというようなことを逐次連絡するように、そうして一刻も早く正規の予定どおりの採用を行なうようにという申し入れを行なっております。
 また、新聞等に出ました東レ等については、五月十七日、約束どおり採用予定者全員を一応採用をいたしました。今後発生するであろう過剰人員に対する一時帰休の問題、これが同じく東レ等について出ております。また、紡績等においては、そういった動きが内々出ておりますが、私どもとしましては、できるだけ産業の中、企業の中で解雇者を出さずにかかえていただく、すなわち、企業の責任において給料を保障しながら休暇制をとって景気の回復を待つというふうなことをしていただきたい。解雇して労働市場に出てくるということになりますと、職業紹介、あるいは失業保険というふうなことで対処をしてまいらなければなりませんので、できるだけ大企業においてはかかえられるだけかかえていただきたい、こういうふうな基本的な態度で臨んでおりますが、現在のところ、まだ現実に過剰人員の人員整理というふうな事態には立ち至っていない、この秋ごろからそういったものが多少具体化してくるのではないか、かように考えておるのでございます。
#29
○藤田藤太郎君 だから、この雇用労働力の配置の問題についての現状については、いずれにしても、ひとついまの資料を出してもらいたいと思います。見通しをつけて出していただきたい。
 それから、もう一つお聞きしておきますが、これは災害問題です。労働災害の問題は、災害防止法が通って、労災法もさきの国会で通って、労働行政としては努力をされておるのでありますけれども、しかし、一番大きく災害の焦点になっているのは炭鉱の災害であります。しかし、炭鉱の災害だけが焦点になって、他の災害はどうかというと、やはり依然として七十万からの業務上の災害者がおる。これはこれでいいということでないので、今後努力をしてもらうわけでありますけれども、だんだんと進むにおいて、この委員会に全体の災害防止の計画の具体案をひとつ出していただいて、みな寄って災害防止のために努力をするような方策を大臣が先頭になって社労委員会でやるようにしてもらいたい。それから、ここでお尋ねしたいのは、私は、重大な炭鉱災害の問題でありますけれども、人命が尊重される。そこで、通産省の鉱山保安局にまかされているが、鉱山保安局の政府の言を聞いておると、生産と保安の問題が一緒でなければいかぬのだというふうなものの言い方をしているわけでありますけれども、私は、今度労働大臣になられたのですから、労働大臣としてこの問題に真剣に取り組んでいただきたい。この間の大臣の発言を聞いていると、どうもそういう点が少し私はもう一つ労働大臣になりきっておられないのではないかという気がするわけです。その事態のその後のことを見てみても、災害責任というものが明らかにならない、そのことが私はいろいろの問題を起こしているという気がするわけです。それから、生産と保安を一緒に鉱山保守局がになっているところにその問題があるのではないか、私はそう思うのです。だから、この点は、何としても労働省が鉱山の地下保安を全部まかなうということにならなければ、私は、この労働災害というのは、炭鉱の災害というものの絶滅というわけにはいかなくても、いまのようなひどいのを少なくしていくという方向は出てこないのではないかと思うわけであります。これはひとつ大臣よくお考えを今後いただきたいと思うのです。たとえば、たとえばの話をしまして、三十八年に起きた三池炭鉱の災害の災害責任は明らかになっていないのですよ。だれが悪かったかということも、二年も過ぎて、まだ三池のあれだけの五百人からの人がなくなったり、まだ何百人という人が一酸化炭素で困っておるのに、まだその責任の所在が明らかになっていない。それから、夕張あり、伊王島あり、山野ありということで、同じようなガス爆発でたくさんの人が死んでおる。そうなってくると、それでは被害を受けた者は労災補償と会社――企業者の包み金で、そして、もう生命を断たれた者はそれで事済みということでいいのか、私はそんなことであってはいかぬと思うのです。これはどうせ通産省に来てもらって議論をするところでございますけれども、そこらあたりをひとつ大臣に十分に考えていただかなければならぬと思う。私は、就任になってすぐいま大臣の言明をどうこういうことはいたしませんけれども、そのことを真剣に考えてもらわない限りは、炭鉱の災害は、単に最近続いたのはガス爆発ですけれども、その前の三、四年続いたのは水没事故であります。水没で死んだ炭鉱の事故が続きました。これは古洞の地図もなければ何もない、それをボーリングして、そこから水が出てぱしゃっといったということで、どこにその責任があるかということも明らかにならないということで労働者が次から次に犠牲になっているということなのであります。だから、私はきょう言いたいことは、時間がないが、大臣がほんとうに労働大臣になって、労働大臣の立場からこのような問題を考えてもらいたいと私は思う。そうでないとこういう問題は解決しないと思うのですよ。いずれこれは当委員会においても、十日の日に一酸化炭素の関係の方々に来ていただいて、具体的にその話を聞くことになりますから、その後に議論をすることになると思いますけれども、よいお話ですから、その問題は承っておきますということでは私は済まされない問題だと思うのです。だから、そういう点についてのいまの所信があれば聞いておきたい。
#30
○国務大臣(小平久雄君) 労働災害の災害対策の重要性につきましての先生のお説、まことにごもっともだと存じます。私も就任いたしましてから労働災害の発生状況等を聞きまして、いまだに六千人余の方々が年々災害のために生命を失われておるというような事実に徴しまして、これはこのままでは済まされぬ、ほんとうにこれは重大な問題であるとしみじみ感じまして、もちろん御承知のとおり、従来からこれの防止のために、あるいは事故発生後の処置についていろいろ施策を講じ、努力をいたしておるところではありますが、根本的には、事故そのものをまず起こさせないように何らか積極的な施策はないものであろうかということで、事務当局に命じましていろいろ研究させておるのであります。特にいま私が率直に申しまして感じております点は、どうも事故防止の施設とでも申しますか、そういうものに金を使うということは、目先的に見ますると、いわゆる利益の上がらない投資ともなります。もちろん長い目で見れば当然これは必要なことであり、利益だと思いますが、どうもそういう点で、企業の側において危害防止のための施設等に金を使うという面がどうも十分じゃないのじゃないか、また、中小企業等においては使いたくても使えないと、そういう金の調達が意のごとくならぬと、こういった面もあるのではないかと、こう思いまして、特に防災施設に要する資金等についての融資策を何とかくふうして、いわゆる低利長期の金がその方面に流れるようにくふうをしてみたらどうであろうかということで、実はいろいろ検討をしてもらっておるところなのであります。それにいたしましても、この災害対策の樹立について、当委員会と一体となって研究しようと、こういうおことばでございまして、まことにありがたく拝聴いたしておるのであります。この面で、ぜひ委員各位のお知恵をお貸しいただければ非常に幸いだと、私どももできるだけ努力いたしてまいる所存でございます。
 なお、炭鉱災害と関連いたしまして、この所管の問題でございますが、これにつきましては、先日、本会議においても私の当面の考え方等を御答弁申し上げたのでございますが、この問題につきましても、私は、もちろん労働大臣といたしまして、いやしくも労働者の生命を守る、これは基本的な問題でございますから、そういう立場から、あらゆる産業の保安の問題を労働省で担当いたしまして、これに責任を持っていくということが本来の姿ではあろうと、私自身は、実はこの点も率直に申し上げまして、そういう考えを持っておるのでございます。しかし、所管の問題となりますと、どうも私のほうがいわば所管を移してもらうのでございますので、私のほうからあまり積極的に移せ移せということは、実際問題として効果的にどうであろうかということは感じもいたしますので、その点につきましては、一般世論の背景のもとに、また、先般、三木通産大臣もおっしゃいましたとおり、これは関係の各省で検討をいたしていこうと、そこまで通産相も言われております。そこの段階まできたわけでございますから、今後も引き続いて、でき得ればと申しますか、私の気持ちからいえばぜひともこう申したいのでありますが、労働省において担当する方向でもちろん努力をいたしてまいりたいと、かように考えております。ただ、さしあたっての処置といたしましては、御承知のとおり、勧告権等もあることでございますから、これらを活用し、あるいは基準監督行政というものと鉱山保安監督行政というものとの連携を一そう密にして、実質的にひとつの効果をあげていく、こういうことに当面は力をいたしてまいりたい、さように考えておるのでございます。
#31
○藤田藤太郎君 ただ一言だけ。それじゃそのあとのことで申し上げておきますが、一般の世論と、こうおっしゃったけれども、あなたが、労働大臣が主張しない限りは解決しない問題ですよ。このことだけは私は申し上げておきたいと思います。他の省は要りませんよ、行政関係がないのですから。私は、労働大臣に張り切ってもらえばそういう方向にいかざるを得ないのです。労働大臣がやっぱり先頭に立ってこの問題の事態の解決にとりかかるという腹を持ってもらわなければこの問題に解決しない、私はそう思います。そのことだけを一つつけ加えておきます。
#32
○委員長(小柳勇君) 大臣と職安局長の答弁を聞いておって、大学卒、少くとも平年であれば八月には大学卒はほとんど就職がきまらなければならんわけです。それなのにことしは二倍半ぐらいで就職難だということですが、大臣のいまの答弁を聞いていると、少くとも大学卒、高校卒の完全就職は労働省の責任じゃないかと思うのですがね。あとの企業縮小による失業者も、もちろんこれも労働省が金を出したり、いろいろいままでやってきていますが、炭鉱縮小の場合には特別に金を出して、また、中高年齢層に対しても金を出して雇っておるのですが、その意欲、計画というのがぴんとこないのですがね、その辺のひとつ意欲をもう一ぺんお話し願いたいと思うのです。
#33
○国務大臣(小平久雄君) 明年春の新規の卒業者の事情につきましては、先ほど職安局長から御説明申し上げておるところでございますが、そのうち、特に大学卒の関係におきましては、明年度大学を出て就職を希望する者は大体十五万六千人程度ではなかろうか、本年、つまり四十年にはこれが十四万程度であったのでございますから、約一万六千人ばかりふえると、こういうことに相なる見込みであります。さらに、短大のほうでございますが、短大のほうは、本年の春卒業者も三万五千、明年の春も大体三万五千程度、こういう就職希望者がこのような数に見込まれておるのでございます。そこで、先ほども御説明申し上げましたとおり、明春の大学卒業者の就職ということが非常に案ぜられますので、政府も、さきに学校卒業者等の就職のための協議会をつくりまして努力をいたしておるわけであります。その点は、関係と申しますか、一般経済界に対してその代表の方々にお集まりを願って政府の意のあるところをお訴えし、また、個々の企業等につきましても、これは官房長官から千六百ほどの会社に対しまして、ぜひ新卒を採ってくれるようにという、いわば勧誘状を発送するようにいたしたのであります。それから、大学卒につきましては、これも先ほどお話をしましたとおり、従来は学校と各企業との間で直接就職の相談をし、取り運んでおったわけでありますが、この点につきましても、今度は労働省のほうでも積極的にこのあっせんをひとつやろう、こういうことにいたしまして、実は私も先般、飯田橋の職業安定所へちょっと行って見ましたが、そこで、心配になりますので、大学卒の関係はどんな状況であるかということを聞きましたところ、これは求人側からもやはり相当の申し込みがきておるようでございます。特に中小企業、まあ大体中のほうでございましょうが、その方面からかなり求人の申し込みもきておる。また、従来は大学当局も安定所を利用するというようなこともなかったようでありますが、大学側からも相当求職の申し込みがやはりきておって、着々就職あっせんの実があがっておるというようなことを聞きました。そういう事情でございますので、さらに一段とこの安定所を利用する方法に力をいたして、まあできるだけ就職不可能の者等が出ないように、これはひとつ積極的に進めてまいりたい、かように考えておるわけであります。
#34
○委員長(小柳勇君) 大臣の時間がありませんから、この次の機会に――いまの答弁では満足できないから、積極的な新卒者の就職あっせんについて、大臣並びに所管局長からの答弁を次の機会に求めることにいたしましょう。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#35
○委員長(小柳勇君) 速記をつけて。
 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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