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1947/11/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第31号
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1947/11/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 鉱工業委員会 第31号

#1
第001回国会 鉱工業委員会 第31号
昭和二十二年十一月八日(土曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 伊藤卯四郎君
   理事 大矢 省三君 理事 岡田 春夫君
  理事 青柳 高一君 理事 生悦住貞太郎君
   理事 澁谷雄太郎君 理事 早川  崇君
      衞藤  速君    松本 七郎君
      萬田 五郎君    村尾 薩男君
      生越 三郎君    庄  忠人君
      長尾 達生君    西田 隆男君
      長谷川俊一君    三好 竹勇君
      神田  博君    平島 良一君
      深津玉一郎君    淵上房太郎君
      谷口 武雄君    前田 正男君
      高倉 定助君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
 出席政府委員
        總理廰事務官  小笠 公韶君
        石炭廰長官   菅 禮之助君
        商工事務官   平井富三郎君
 委員外の出席者
        總理廰事務官  佐々木義武君
        商工事務官   齋藤 正年君
        專門調査員   谷崎  明君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 臨時石炭鑛業管理法案(内閣提出)(第六四
 號)
 石油配給公團法等の一部を改正する法律案審査
 のための連合審査會開會の件
    ―――――――――――――
#2
○伊藤委員長 これより會議を開きます。
 前會に引き臨時石炭鑛業管理法案を議題とし、質疑を繼續いたします。深律玉一郎君。
#3
○深津委員 第四十三條第二項の場合の、山の遊休設備の占有者を考慮していないのは、どういう理由なのですか。
#4
○平井(富)政府委員 四十三條については、遊休設備の所有者に對して炭鑛の事業主に讓り渡すということを認めておるわけでありますが、所有權をもつておりますものに對して、命令を出すというように考えております。
#5
○深津委員 そうしますと、所有者よりも、むしろ占有者の方が實際に多いというように私は解釋できるのですが、そうではないのですか。
#6
○平井(富)政府委員 遊休設備の點につきましては、所有者が占有しておる場合が大部分であろうというふうに考えております。
#7
○深津委員 次に第四十三條におきまして、命令または指示による損失の地域、または消極的な意思表示による損失は補償されるのですか、どういうものですか。
#8
○平井(富)政府委員 この管理によりまする損失の補償につきましては、この法律の規定に基いてなした命令、指示ということによりまして生じました損失に對して補償いたすということに相なるわけであります。
#9
○深津委員 そうすると、官僚の――官僚といつも言つて失禮ですが、官僚の無責任、獨善、形式主義等による損害に對しては、補償ということは、大體考えていないのでございますね。
#10
○平井(富)政府委員 これは命令、指示によつて明確にされるべき損失に對して補償をいたすということになつております。今御指摘になりましたような、一般の行政上の運用面からくる問題等につきましては、現在の行政監察制度、あるいは炭鑛管理委員會等によつて、運用を是正していくというように考えております。
#11
○深津委員 ところが、それは今のやり方においても、そのために非常に損失をこうむることが多いように私は考えるのでありますが、あなたはそういうふうに考えていないのですか。
#12
○平井(富)政府委員 行政上の運用につきましては、いろいろの原因があろうかと思います。これは損失の補償として對象とするには不適當である。むしろ行政が敏速にいきますように、行政機構の面、あるいは管理委員會の面、あるいは業者の方のなすべき仕事をなすというような、各般の措置によつて效果が生ずべき問題であつて、損失の補償の對象となるということは適當であろうと考えております。
#13
○深津委員 しかしこれはそのために被害を受けることが非常に多いのですから、その點もよく御了承していただきたいと私は考えるのですが、その點は御了承できないのですか。
#14
○平井(富)政府委員 その行政上の運用の適正化につきまして、石炭局の構成の問題なり、炭鑛管理委員會の活用の問題なり、あるいは行政監査制度というような一連の措置によつて、そういうことのないように運用してまいりたいというように考えておる次第であります。
#15
○深津委員 それから四十八條の局長には民間人を登用する。この間水谷商工大臣も有能な士を登用すると言つておるが、實際どの程度まで登用をするか。それからその民間人が行つても安心してそこで働くことができるかどうかということを御説明願いたいと思います。
#16
○平井(富)政府委員 局長には民間人をもつてあてるわけでありますが、局員もやはり過半數は民間人ということに相なつてまいりますので、いわゆる局長になりました人の信頼する人物を局員にするというようなこと等によりまして、十分やつていける。またこの法律の趣旨がそういうような趣旨ででき上つておりますので、その點につきましては、心配ないものというふうに考えております。
#17
○深津委員 あなたは心配ないとおつしやいますが、しかし一級事務官程度で、實際これをやつていけるような人が喜んでそれにはいつていけるかどうかということでありまして、これはしかしいろいろ事情はありましようけれども、なかなかりつぱな人がこういうふうにはいつていけるということはむずかしいと思うのですが、それについては、大體今見透しをもつていらつしやるとおつしやるのですか。
#18
○平井(富)政府委員 局長の人選につきましては、商工大臣からしばしばお答えしておりますし、商工大臣のお考えになつておる方法によりまして、りつぱな石炭局長が選任されるというふうに考えております。
#19
○深津委員 それは商工大臣から時折私も聽いておりますが、まことに恐縮ですが、商工大臣もう一度實際そういう人が得られるかどうかという岐路でございますから、一つあなたの御意見を伺いたい。
#20
○水谷國務大臣 局長になられる方、また局員になれる方の選任方法というものは、運用の面におきましてこのようにしたいということは絶えず繰返してきた通りでございます。そこで私も先日九州へまいりまして、ある鑛山の所長なんかに話を聽いたのですが、その結果どうも長い間會社で働いておると、石炭局長というものになるのは二の足を踏むというような意味のことを漏らされたので、そこで私も、あなた方が官僚獨善とか、官僚統制はけしからぬといいながら、政府の方でそういう途を開いてやれば、二の足を踏むというようなことならば、それは結局は官僚獨善というようなことを攻撃されることは非常に得手勝手になるのではないか、まあいろいろ話をしてみたのですが、もし政府の方でそういうような方針で、勞資が納得できるような者をば、それぞれの團體から共同で推選する。それで局長なんかに相談して、また勞資兩方面で納得し、局員も過半數もたしてもろうということなら、それは非常にやりよいから、ぼくらもできるだけそういうような趣旨に副おうというようなことを言つてくれておられるので、ただ法文の表面上の解釋だけであると、深津さんも申されましたように、そういう心配があろうとは思います。かつて小林一三さんは、大臣落第記というものを中央公論に發表されましたが、なるほどああいうときには、小林さんなら小林さんが單身商工省へ乘りこんでくるということになると、官僚の組織機構というもののちようどくもの網にひつかかるというようなこともありますが、しかしながら、そういうぐあいにして選ばれた石炭局長、そういうぐあいにして選んだ石炭局員が、過半數で石炭局というものを構成する場合には、私は民間人のエキスパートも、安心して仕事ができるのではないか。このように考えまして、われわれの立場として、ここまで途を開いて、なおかつ民間の人が協力せないということならば、以後一切官僚獨善とか、官僚統制というような言は、ひとつ差控えてもらいたい。このように考えておる次第であります。
#21
○深津委員 よく説明はわかるのですが、そうしますと、石炭廳ばかりでなしに、將來商工省あたりにも、そういう御意思を普及されたらいかがですか。
#22
○水谷國務大臣 ただいまの御趣旨は、一商工大臣として答えべき筋合いのものでもございません。一般の行政機構に關連があるのでございますが、最近和田君が安本長官を引受けてから、できるだけ民間人を安本に入れていつておるというあの方式は、今後各省においても他山の石として、相當參考になるのではないかと思つております。しかしそういう各官廳、たとえば商工省の機構に對して、そういうような方式を進めていくかどうかということは、ただいま御答辯するわけにいきませんが、またそういう立場におかれておりませんが、しかし今度の公務員法なんかで、各官吏になつた者も、それぞれ進級していくときに試驗制度でやる。これまでのように、帝大、高文試驗というようなものでなしに、あらゆる方面から役人をとつて、そうして進級ごとに試驗をやつていくというふうなあのやり方は、大體深津さんが申されましたようなことが、結論としてねらいになるのではないかというぐあいに私は考えております。しかしながら、今私が一商工大臣の立場として、行政機構一般に關するあなたの御質問にお答えすることは、非常に不遜であり、不謹愼でありますから、はつきりした答辯は差控えます。しかし個人としての考えは、深津さんと私とはそう變らないものだというぐあいに御了解願つて差支えないと考えております。
#23
○深津委員 それは今商工大臣がはつきりお答えにならぬでも、商工大臣の氣持を承りまして、要するに和田さんのやつておるようなああいう程度の任用でしたらだめであるから、もつと廣くやつていただきたいと商工大臣にお願いするのですが、そういう時期がきたら、どしどしりつぱな人を選んで官廳に入れて、惡い能率のあがらない人を退けていつてこそ、初めて日本の再建はできると思いますから、ついでに商工大臣に申し上げたのでございます。商工大臣もこの點については、ずいぶん長らく御研究になつた方であるし、いまこそあなたがこれをしつかりおやりになる時期で、石炭國管に絡んでこの問題を大いに取上げて、商工大臣の腕のあがるように、後からねらい撃ちをされないように、この意味でうんと腕を振つていただきたい。そうすると、おそらく民間人も勤勞者も、あなたの御趣旨に納得するでしようが、今のように民間人、勤勞者と言つておつても、實質をもつとよくもつていかないと、せつかく立案しても、計畫倒れになるので、御注意する次第であります。
 次に第五十條でございますが、「石炭の生産に關し學識經驗ある者」、それから「二級の商工事務官若しくは商工技官」、「石炭の生産に關し學識經驗ある官吏」、と、いろいろな使い方をしてあるのですが、この三つの意味を簡單に御説明願いたいと思います。
#24
○平井(富)政府委員 この點も先般來の委員會で御説明申し上げた次第ですが、石炭の生産に關し學識經驗ある者の中から、商工大臣がこれを命ずる場合におきましては、いわゆる政府職員という形になりまして、民間の身分を保有しつつ、政府職員として官吏の仕事をしていくことになるわけであります。いわば一種のワン・ダラー・マン式の採用の仕方になるわけであります。それから學識經驗ある官吏と言いましたのは、これは官吏であることに間違いありませんが、この五十條の第三項におきまして、局員の過半數が民間人であるというのは、今申し上げましたワン・ダラー・マン式と、學識經驗ある者を官吏の身分を保有せしめて官吏にいたした場合と、二つを含めて過半數になるのだという意味であります。特に「學識經驗ある官吏」といたしましたのは、學識經驗ある者を官吏の身分にいたした、こういう意味でございます。
 それから五十條の第一項で「二級の商工事務官若しくは商工技官」、これは正誤表をお配りしてございますが、「一級若しくは」が脱落しております。その「一級若しくは二級の商工事務官若しくは商工技官」と言いますのは、從來のいわゆる官吏と、民間人で官吏になつた者と、兩方を含んでおるわけであります。しかし三項においては、民間人が過半數を占めるという意味で、民間の學識經驗者という言葉がはいつた次第であります。
#25
○深津委員 第五十四條の「監督に屬する」という意味は、この上下の關係を意味するのですか。
#26
○平井(富)政府委員 これはいわゆる例文でございまして、委員會の運用にあたり、あるいは委員會に必要な豫算というようなものを商工省におきまして要求いたしまして、國會の承認を經て、それを實施していくという意味の、いわゆる豫算會計という意味において、監督に屬するという言葉を使つておるのでありまして、委員會の運用は、商工大臣のいわゆる監督を受けて、議事を進めていくということはございませんで、今申し上げました會計の面、その他のいわゆる庶務的な事項について、商工省がお世話するという意味の言葉を、こういう言葉で從來から表わしておる次第であります。
#27
○深津委員 そうしますと管理委員會の必要な調査とか、資料の蒐集は商工省竝びに石炭局で全部やるのですか。あるいは委員會でやるのですか。
#28
○平井(富)政府委員 大體の場合におきまして、委員會において石炭廳なり、あるいは商工省なりに資料の請求をいたしまして、その提出を求めるということが大部分の場合であると思いますが、委員會自體において調査をすることももちろんなし得ることと考えております。
#29
○深津委員 第五十五條によりまして、委員會で調査審議した事項につきまして、委員會の會長、すなわち商工大臣または石炭局長は、委員會の議決に拘束されるのですか。
#30
○平井(富)政府委員 この點もしばしば申し上げた通りでありまして、いわゆる石炭行政上の責任は、商工大臣の單獨の責任に歸せしめるという點から、諮問機關にいたしております。從いまして、これを純形式的に解釋いたしますれば、議決には拘束されないという形式的解釋が成立つのでありますが、この國管法の性格、炭鑛管理の運用上の問題につきまして、炭鑛管理委員會の議決いたしました事項は、原則的に商工大臣がこれに從つて行政を行つていくということが、實際の運用面の姿であろうと考えております。
#31
○深津委員 そうしますと、單に意見を聽くというふうにとれますが、そうじやありませんか。
#32
○平井(富)政府委員 私の申し上げておりますのは、單に意見を聽くのではございませんで、炭鑛管理委員會が中央、地方に設けられまして、これが石炭廳、石炭局と二位一體になつて運用されていきまして、委員會の結論は非常な重みをもつて、これが行政機構によつて運用されていくものであると考えておる次第であります。ただ形式的に石炭行政の責任が最後にどこに歸著するかという形を申し上げますれば、これは商工大臣が責任を負うべきものである。そういう建前から「諮つて」という言葉を使つた次第であります。
#33
○深津委員 これはきのうもよくお聽きしたのですが、この點をもう少しはつきりさせるように御研究を願いたいと思います。
#34
○平井(富)政府委員 今まで申し上げたところで、私どもは十分はつきりしているというふうに考えておる次第であります。
#35
○深津委員 それは主觀と客觀ですから、私と意見は同じにしても、聽き方によるのだろうと思いますが、私はどうもこの點がはつきりしないのでございます。
 それから第五十五條に委員會の決議方法を規定していないのはどういうわけですか。
#36
○平井(富)政府委員 委員會の運用の面でございますが、委員會の大體の構成等につきましては、この法律で規定してございますが、議決の方法は委員會が成立いたしまして、委員會自體の御意見も十分伺つてからきめた方がいいじやないかという關係で、法律には規定いたさなつた次第であります。
#37
○深津委員 しかしこれが規定してなくて單なる諮問機關とすれば、官僚の獨善になるおそれがあるから、また昨日のことにひつかかるのですが、はつきりしておかないとそういう結果になつてきませんか。
#38
○平井(富)政府委員 これは六十一條で命令で、これが多數決であるとか、あるいは出席員の三分の二の決議でいくとかいう點をきめることになるのでありますが、繰返して申し上げますように、炭鑛管理委員會の意向というものも、十分尊重いたしてからきめることがいいのではないかと考えております。
#39
○深津委員 次に第五十五條の「石炭の生産に關する重要事項」、これはたくさん重要事項はあるでしようが、その重要事項というのは、大體どこにねらいをしておりますか。
#40
○平井(富)政府委員 この石炭國家管理を實施していきます上において、基本の計畫に屬します事項、あるいはそれを運用していく面における重要事項、これをひつくるめて重要事項としているわけであります。
#41
○深津委員 そうすると、あなたがおつしやるのを聽きますと、重要事項ということで、ただ簡單に重要事項として解釋すべきものは全部ここへひつくるめて盛りこむ。こういう形になりますね。獨善のようになりますが……。
#42
○平井(富)政府委員 この法律の中に付議いたすべき事項を規定しておりますが、それ以外には、たとえば中央の炭鑛管理委員會についての例を申し上げますれば、全國の出炭量というものをどの程度にするか。あるいはそれをさらに地區別にわけまして、九州はどの程度の出炭をなすべきか、またなし得るかという國家管理を實施する上におきまして、第一に基本になるべき事項というものは、この炭鑛管理委員會において、十分議論されると思うのでありますが、さらにまた生産、勞働、技術、資材というふうな面につきましても、それぞれおそらく專門部會というものが設けられまして、活溌にこれが檢討されて、政府の行いまする國家管理というものに對しまして、大きな力を與えていくというふうに考えております。
#43
○深津委員 次に五十七條の全國炭鑛管理委員會に、地方の炭鑛管理委員會の代表をその中へ加える必要はないか。これはどうでありますか。
#44
○平井(富)政府委員 全國炭鑛管理委員會の構成員は、五十七條二項に、石炭の生産に關し學識經驗ある者、炭鑛の事業主を代表する者、炭鑛の從業者、あるいはまた石炭の需要者を代表する者となつておりまして、これは地方におられるりつぱな人を、中央の管理委員會の委員にいたすこともできるわけであります。從つて中央管理委員會は、東京に在住している人を委員にいたすというわけではございませんし、各地方からも必要な人を、中央管理委員會の委員に出すというふうに考えております。なお書き方といたしまして、これは國家管理のこの法律が實施されます場合には、まず中央管理委員會が一番最初にでき上がるわけであります。中央管理委員會は、御承知のように、指定炭鑛の指定もあり、國家管理が相當いわゆる機構的な準備ができ上つてからでき上るわけでありますが、指定炭鑛の指定をいたしますについても、まず中央委員會ができ上るということが先決になりますので、こういう書き方をいたした次第であります。
#45
○深津委員 そうすると、その委員の推薦はどういうふうにしておやりになるのですか。具體的に……。
#46
○平井(富)政府委員 石炭の生産者、あるいは勞働者というものの代表につきましては、それぞれの團體とも十分協議をいたしました上で決定されると考えております。
#47
○深津委員 そうすると、中央と地方との二つの委員會には、相互的な關係は多少あるということになりますか。ないということになりますか。
#48
○平井(富)政府委員 先ほど申上げますような理由によりまして、地方炭鑛管理委員會を代表する者という言葉を入れることは、設置の順序からいつてできませんけれども、各地方における有力な方が、炭鑛管理委員會の委員になるという點で、實體的にその關連性をもつて運用していくことができるというように考えております。
#49
○深津委員 第五十七條におきまして、全國炭鑛管理委員會は生産に關する調査審議竝びに建議の機關でありながら、この委員に金融や資材の關係を加えないで、需要者代表を加えたのはどういうものでしよう。
#50
○平井(富)政府委員 大體この石炭の中央管理委員會は、石炭鑛業に直接に關連をもつものを主にして委員に出しておる次第であります。從いまして、主體は生産者、勞働者というものでありますが、この需要者は同時に關連産業になるわけであります。また學識經驗者という者は、いわゆる石炭の生産に關する學識經驗者でありまして、これには各種の方面のエキスパートを入れるというように考えております。
#51
○深津委員 第五十七條の地方炭鑛管理委員會に石炭局員を加えたのは、どういうわけでこれを加えなければならないのか。
#52
○平井(富)政府委員 地方炭鑛管理委員會に石炭局員を委員にいたしましたのは、前に申上げたように、石炭局の下に主要な管理地區ごとに支局が設けられまして、支局長は石炭局長と同樣に、石炭の生産に對して學識經驗ある民間人がこれにあたることになると考えます。同時にまた地方炭鑛管理委員會は、各主要な炭田地區別に地區部會が設定されますので、地區部會の部會長は、その支局長が兼ねるということに相なるかと考えます。從いまして、地區部會の部會長が、この地方炭鑛管理委員會に出席するという意味で、石炭局局員というふうにいたした次第であります。
#53
○深津委員 そうすると、その局員は、委員會において、その人の知慧を借りるというばかりのように思いますが、そのためにこの局員を入れておくのでありますか。
#54
○平井(富)政府委員 地方炭鑛管理委員會の仕事は、中央の炭鑛管理委員會と違いまして、直接炭鑛を對象にいたします行政であります。行政に附著した委員會でございますので、やはり地區部會の部會長、地區管理委員會の委員長というものを委員にいたすということが、地方炭鑛管理委員會の運用を適正ならしめるというふうに考えております。
#55
○深津委員 第五十八條に、指定炭鑛と指定外炭鑛と代表者を區別をしたのはどういう意味ですか。
#56
○平井(富)政府委員 地方炭鑛管理委員會において、指定炭鑛につきましては、炭鑛管理者というものが實施の部面に任じますものであると同時に、企業者によつて任命され、企業者に對しましては、これを代理するというようにも考えられますので、指定炭鑛につきましては、炭鑛管理者をもつて事業主を代表する。あるいは炭鑛管理者としても出るという意味をかねさせまして、炭鑛管理者といたした次第であります。それから一般炭鑛につきましては、生産者を代表するものとして事業主を委員とした次第であります。
#57
○深津委員 そうしますと、五十八條に、指定炭鑛と指定外炭鑛の數を十對六という割合にしたのはどういうわけですか。
#58
○平井(富)政府委員 これは國家管理が進行いたしますに連れまして、指定炭鑛の指定も進んでいくというように常識的に考えられますので、大體十人以内、六人以内ということで、その實際の指定の状況によつて、この委員の數を調整し得るというように考えておりまするのと、地方炭鑛管理委員會においては、特に指定炭鑛に關する管理の仕方につきまして、相當論議研究をする事項が、量的に言いましても質的に言つても多いのであります。從いまして、一般的な考え方としては、指定炭鑛の代表者を多く、一般炭鑛の代表者を少くいたしたいというような次第であります。
#59
○深津委員 そうすると、結論としまして、從業員の數によるように將來はするということになりますか。
#60
○平井(富)政府委員 從業員の數ということはさしあたり考えておりません。ただ指定の進行状況によりまして、實際の炭鑛の實勢というものが、ここに反映し得るようにいたしたいと考えております。
#61
○深津委員 そうすると、第五十九條の地區部會と、地方炭鑛管理委員會との關係は、大體了承しておりますが、もう一度御説明を願いたい。
#62
○平井(富)政府委員 五十九條の地區部會は、石炭局につきましても、重要炭田別に支局が設けられまするし、その支局の活動というものを適正ならしむるために、地方炭鑛管理委員會についても、地區部會を設けていく。こういう趣旨であります。
#63
○深津委員 そうしますと、結局支局長は必ず委員であるということになりますか。
#64
○平井(富)政府委員 支局長は地方炭鑛管理委員會の委員にいたす豫定で、石炭局局員である者五人以内というようにいたした次第であります。
#65
○深津委員 六十條では出席者は官吏に限るものか、あるいは出席を官吏のみに限つてはどうかと考えるのですが、これはどういうふうになりますか。
#66
○平井(富)政府委員 ここで官吏が會長の許可を受けまして、會議に出席して意見を述べることができるといたしました意味は、この管理委員會に關係の官吏、たとえば大藏次官あるいは農林次官というように、各省の石炭行政に密接な關係をもつ省の官吏、關係官を委員にいたすかどうかという點で研究いたしたのでありますが、地方炭鑛管理委員會、中央炭鑛管理委員會の性格から見まして、官吏が委員になり表決權をもつということもいかがという點から、委員には原則として民間人をもつてあてるということにいたしました關係上、たとえば中央で言いますれば、先ほど申し上げましたような例、地方で言えば商工局長であるとか、あるいはその所在府縣の知事であるとかいうような、いわゆる石炭増産に密接な關連をもち、それに協力せしめなければならぬというような關係の官吏が、この炭鑛管理委員會の運營に積極的にやはり密接な連關をもつていくという趣旨で、この規定を設けた次第であります。從いまして、炭鑛管理委員會の會長が、この規定を離れまして、關係の代表者の意見を聽くというために、一種の公聽會なり、あるいは適宜の人を呼んできて意見を述べさせるということは、委員會の運用として、委員會自體が決定し得ると考えております。
#67
○深津委員 六十九條のこの法律の規定の全部の執行されるときはいつでございますか。大體の目安は……。
#68
○平井(富)政府委員 石炭局の構成あるいは炭鑛管理委員會の構成、こういうものがまずきまりまして、國家管理がすべり出すわけであります。從つてそういう管理を實施いたします實施機構の編成、それに判つて各章の條項が實施されると考えております。從いまして、大體二月ごろにこれを實施していく。あるいは二月、三月という時期に相なるのじやないかというように考えております。
#69
○深津委員 そうしますと、大體二月、三月と目標はつけて、十分計畫はつくつてありますね。
#70
○平井(富)政府委員 その目標のもとに準備を進めておる次第であります。
#71
○深津委員 ただいま大體平井政府委員から承りましたのでございますが、總括いたしまして、この國家管理法案なるものは、大體において與黨の間において意見はまとまつておると私は思うのですが、しかしこの與黨の間のまとまり方かまだはつきりしていないうちにお出しになつたような感じがございますが、商工大臣この間の關係を詳細に述べていただきたい。
#72
○水谷國務大臣 そういうことはいろいろ内面的の交渉とか閣議の模樣というようなものを詳しく述べろという……。
#73
○深津委員 いや、詳しくなく、簡單でいいです。
#74
○水谷國務大臣 與黨の内部にある程度の了解がそのときできたということは、閣議の決定が何よりの證據になつております。しかしながら、現在の日本におきましては、國家の最高意思を決定するのは、言うまでもなく國會でありますから、その閣議の決定をば、國會がある程度修正されるということは、少しも差支えないことでありまして、それによつて與黨三派の意思がきまらないうちに閣議が決定したということにはならない。このように考えております。
#75
○深津委員 しかし、商工大臣がおつしやるならば間違いないと思いますが、十分惡いところはこれから委員會で直しますから、そのおつもりで御了承願います。
 大體私の質疑はこれで終らしていただきます。
#76
○伊藤委員長 この際高倉定助君から緊急質疑を求められておりますので、これを許します。高倉定助君。
#77
○高倉委員 私は北海道の家庭煖房用石炭の量と價格の問題につきまして、御意見を承りたいと思うのであります。わが北海道は御承知の通り、約半年の間寒さと鬪つていかなければならぬところの事情にありますので、この間にいわゆる越冬のためには、最も生活に必要なものは、食糧に次ぐところの石炭、いわゆる燃料であります。今まで北海道におきましては、相當山に木もありましたので、薪炭を利用いたしまして燃料にしておつたのでありますが、最近は伐り盡されまして、近くに木炭その他、あるいは薪炭の燃料等を補給することが困難になりましたために、主として石炭に依存しておるのであります。約半年の長い間、冬を生活しなければならぬのでありまして、大體において、今まで十一月一ぱいにその冬の燃料を確保するということが、習わしになつてまいつておるのであります。しかし今日ではその家庭用煖房燃料を、主として石炭に依存しておるのでありまするが、道民の冬の生活は、實に石炭につながつており、また將來も石炭によつてつながると言つても、決して過言ではないと思うのであります。かくのごとく當面の緊要かくべからざる越年用の家庭用石炭は、一家庭に今まで毎年約三トンから四トン程度要しておつたのでありまして、十月といえばもう雪が降り吹雪になつておるのでありますが、この十月から明年の雪融けの四月ごろまで石炭を焚いておるのでありまして、この半歳以上のために準備をしなければならぬところの石炭が、今日では輸送關係、あるいはその他の關係によりまして、四トンというような大きな數字をわれわれは望んでおることができないのでありまして、大體において三トンくらいでがまんしようというように指導もし、そうしてきつつあるのであります。北海道はすべて農産物が四月から五月にかけて蒔きつけになるのでありますが、收穫が一緒になりまして、十月か十一月末までに完了するのであります。從つてこれらの農産物等の市場に搬出されますところのものの數量が、米を初めといたしまして、雜穀類におきましても、相當數量が降雪までに大體において運んでしまうというようなことで、これがちようど石炭の補給と一緒になりますので、われわれは四月から毎月計畫を立てまして、そうして家庭用石炭の輸送を懇請し、またかように計畫的にやつてもらうことを道廳當局、あるいは運輸省にも交渉してやつてまいつたのであります。しかし今日までの石炭の事情、あるいは輸送の關係等に思いをいたしまして、これらの問題が非常に困難なのでありまするけれども、どうしても最低の家庭用石炭を補給していただかなければ、この嚴寒を凌ぐことができ得ないというので、本年の七月ごろにすでにこれらの問題に對して當局にも陳情いたし、また當局にも努力を願つてまいつてきたのであります。一方増産をしなければならぬという問題もありまするので、これらも各炭鑛に呼びかけまして、努力を續けてまいつたのであります。二十二年度の道内の所要量の石炭は、家庭煖房用といたしまして、あらゆる角度から勘案し調査いたしました結果、百七十五萬トンを所要量といたしまして要求をしてまいつたのであります。これは一戸平均約基準量が二トン三分としての計算であります。このほかに相當の代用燃料を使うのでありますが、石炭事情から申しまして三トン、四トンというのはあまりにも使い過ぎであるという節約の心持から、二トン三分を基準量として、かように百七十五萬トンを要求してまいつたのであります。本年の四月からの所要量を計算いたしまして、配炭計畫を立て、あるいはその輸送計畫とにらみ合わせまして、明年の三月までに完了するということになつてまいつてきたのであります。ところが現在配炭計畫が完了したというところの話を承りますると、大體において、この所要量の三分の一しか配炭になつておりません。こういうようなことでは、とうてい今後來るところの寒さに耐えることができ得るかどうかという大きな道民の不安を來しておるような状態であります。嚴寒を控えまして、道民がかくのごとく不安のもとに増産に勵まなければならぬということは、とうていでき得ないところの問題でありますので、再三再四中央に對しまして、われわれ道選出の衆參兩議員を中心といたしまして、當局に陳情し、あるいは連合軍にも懇請いたしてきたのでありまするが、今日の場合、いまだその三分の一の配炭にもなつておりません。二トン三分のうちで一トンはおろか、わずかに〇・八トンくらいしかまだ配給になつていないような状態であります。かような状態でまいりますと、今後吹雪その他で、また輸送がしかねるというようなことになりますと、どうしていいのかまつたく思案にくれるような不安な状態に陷れるようなことになりますので、過般の道議會におきましても、この石炭の問題につきまして決議をいたし、本道家庭用石炭の十月分以降の配炭減額は冬期生活確保上絶對反對するものであるというような決議文をこしらえまして、こちらの方へまいつておるのであります。かようなわけで、北海道廳の出張所の調査によりますと、四月の三萬七千三百二十トン、これは全部來ております。五月の五萬九千六十六トンも來ております。六月分の六萬八千百六十八トン、これも來ております。七月の三萬五千五百五十七トン、これも來ております。八月の六萬五千トン、九月の二十五萬トン、八月、九月はこれだけまいつておりません。十月には二十五萬トンの多くの石炭の所容量をお願いしておつたのでありまするにかかわらず、僅かにこれは――の配給しかなかつたというようなわけで、十一月、十二月の毎月約二十五萬トン、これが今後いかになるかということを非常に縣念するものでありまして、かようなことでは、とうていわれわれはこれに對して生活の安定を得、そうして増産に邁進することはできないような状態に立至るのであります。北海道は御承知の通りに、石炭のほかに、ストーブの石炭をたきつけるところの薪、あるいは木炭のようなものも非常に必要なので、何とかしてこれらのものを入手しなければならぬというところから、努力はしておりますけれども、思うようにこれがいかないのであります。北海道におきましては、内地方面の各府縣に多くの石炭を出しておりまするが、木炭も相當に出しておるわけであります。しかるに石炭に依存しておるところの冬期間の燃料が、今日各工場の工業方面に必要であるというので、われわれも今までの所要量に對して、わずかほんとうの最低のものを要求いたし、その補充といたしまして、薪等を配給しておるのでありまするけれども、何分にも石炭ストーブと薪のストーブとは構造が違いますので、これを薪ストーブに切りかえることが容易ではないのであります。すなわちストーブを切りかえるにつきましても、ストーブをこしらえるところの鐵板の入手に非常に困難だというようなことから、容易にこれを切りかえることができない状態になつておるのであります。從つてどうしても石炭に依存していかなければならぬ状況なのであります。以上の次第でありますので、現在あるいは今後において、われわれ道民の要求しておりますところの家庭煖房用の石炭の所要量だけは、何としても補給してもらわなければならぬ。かように存ずるのであります。しかるに過般極東石炭割當協議會連合會という連合國のもとへ參りまして、懇請いたしましたところが、北海道は石炭の配給しなければならぬことはわかつておる。相當に今後寒くなるのだからわかつておるけれども、北海道は現在やはりわれわれの要求しておるところの石炭を出炭していない。今後割當量以上に出炭したならば、それだけのものは配給はするけれども、これが實行できない場合には、配給することができないということを申されまして、體よくはねつけられたのであります。まことに私たちは遺憾に存じまして、今後増産に對していかなる手を打つてこれを實現し、われわれの要求を容れてもらわなければならぬということに對しまして、いろいろと協議をしておるのでありまするけれども、今日の場合出炭意欲の減退でありますか、北海道もきのういただきました表を見ましても八七・七%で、これが一〇〇%に達していないところの實績になつておるようなわけであります。かようなことが續きましたならば、北海道の各道民は、おそらく炭山の人は石炭があつて、煖をとることができるのですけれども、ほかの者はこれができ得ない情勢になつてくるのであります。すなわち嚴寒を目前に控えまして、餓死よりは凍死しなければならぬところの悲慘事が現出することを、まことにおそれるのであります。かようなわけでありますので、石炭事情が今後どういうふうになつていくか、またどういうふうに御努力を願い、われわれの要求するところの石炭を圓滑に配給していただくことができ得るか。これについて詳細なる御意見を承りたいと存ずるのであります。
 それからもう一つは、石炭の價格の問題でありますが、これをお尋ねしたいと思います。今申しましたように、北海道の家庭煖房用の石炭は必要でありますが、その石炭の價格がさきに第一改訂價格が発表されまして、石炭の一般消費價格が、トン當り一躍千二百八圓という大幅の値上げに改訂されたのであります。これが道民の各期の經濟上に大きな脅威を與えることになつたのであります。北海道の各期約六箇月間を見ますと、燃料だけで石炭がまず大體三トン要ると假定しまして、これに薪が約二百本ばかり、そのほか木炭も要りますので、これらを現在の公定價格で見ましても、一箇年を通じて八千六百圓餘の燃料費を要するのであります。これではわれわれは、道民の越冬生活というものが、いかに經濟上苦しいかということがおわかりになると思うのでありまして、この金額を工業用の石炭の價格と同様に、いわゆる特定消費價格の六百圓に、ひとつぜひしてもらいたい。かように存ずるのであります。今申しましたように、今日のインフレ生活とこの高い石炭は、薪圓成金階級の人はいざ知らずでありますが、道民大衆はとうていこの負擔にはたえかねまして、今日では若干の石炭の配給の通知を受けておるのでありますけれども、のどから手の出るほど欲しい。しかしその高い石炭では受取ることができないというので、悲嘆のあまり現在毎日のごとく數十名の道民が――殊に引揚者の方々が北海道には相當引揚げてきておるのでありますが、主としてこれらの方々が、市役所その他に相談に來ておるのでありまして、これらのことは商工大臣も、勤勞大衆が越冬資金の要求を、各業種を通じて要求しておることを見ましても、おわかりのことと思います。かようなわけでありますので、この北海道にのみ石炭燃料を通じて經濟的負擔が過重されることは、はたして北海道の道民がたえ得るかどうかというところの、大きな問題になるのであります。北海道は先ほども申し述べましたように、相當の木炭が生産されますので、生産地といたしまして、東京初め各地に相當數量を送つておるのであります。すなわちこれも内地の方々がお困りであろうというところの同胞愛から關連してやつておるのでありまして、この際北海道のみこの強化されたところの負擔を負わされるということは、まことに遺憾に存ずるのであります。いろいろの豫算の關係もあると思いまするが、この際最も現在わが國の再建の重要なポイントでありますところの北海道のことでもありまするので、これらを勘案いたされましてこの價格にひとつぜひ何とかの途を講じていただきたい、かように存ずるわけであります。再三陳情をいたしておるようでありまするが、これに對してどういうようなお考えをもつておられるか。これも重ねてお考えを願いたいと思うのであります。
 以上お答えを求めましてさらにお尋ねをしたい、かように存じております。
#78
○小笠政府委員 北海道の暖房用炭の値段の問題でありますが、御承知の通りに、新物價體系が七月に發足いたしました。そのときに物價統制の立場から申しますと、從來戰時中からいろいろ問題になつておりましたいわゆる補給金制度の問題が問題になつたのであります。すなわち價格の二重制をとるという問題につきまして、御承知のような論議がいろいろあるわけでありますが、石炭の生産者價格が、御承知のように九百五十六圓まで上つてまいりました。前の價格の三百四十六圓に對しまして、相當大幅な値上りでありますので、この價格を生産者價格に配給費平均二百五十二圓を加えて千二百八圓という平均相場に相なるのでありますが、これをそのまま全部の用途に對して値段にすることといたしますと、物價の體制の上に相當大幅な影響をもたらしますので、特にわが國經濟の基幹的な部分に對しましては、從來通りの補給金をとる。いわゆる特定産業として鐵綱、瓦斯、その他の基礎的な面に對しまして、二重價格制をとるということが、日本の現在の國民經濟上最も妥當であろう。こういうふうな考え方をいたしまして、基準年次に對する六十五倍の線を抑えるにあたりましても、そういうふうな考え方をいたしまして、特定産業でしかも日本産業の基幹になるようなものに對してのみ二重價格をとろう。すなわちその前におきましては特定産業に對しては二百圓、一般消費者價格としては四百一圓ばかりでありましたが、この特定産業の價格を六百圓に引上げる、爾餘の産業については千二百圓ベースで渡す、こういうことにいたしたのであります。すなわち二重價格をとることが國全體の經濟のために國民全體の利益になる、こういうふうな觀點から二重價格制をとつたのであります。できることならばできるだけそういうふうな價格政策をとらないというのが、價格政策の通常のいき方であろうかと考えるのでありますが、今申し上げましたような事情で、そういうことにいたしたのであります。北海道の暖房用炭は全體的な問題というよりも、地域的には北海道にのみ限られた問題でもありますので、その際に特に考慮することも困難であろう。すなわち局地的な問題を全體の物價の政策の中でこなしていくということは、實際上むつかしいというふうな考え方をいたしておるわけであります。從つて北海道のような特殊な寒い地域における石炭の必要性は、先ほども、お話があつたように、非常に重要でございますが、それに判います生計費の増嵩、こういうような問題の面については、給與その他の地域的な格差というか、そういう方面から處置されて來るのが適當ではないか。すなわち物價の立て方自體から、局地的な特殊の事情を織りこんでいくことは、なかなか困難である。こういうふうに考えておるわけであります。また當時においてもそういう考え方をいたしたのであります。ちようど昨年十一月の二十一日に値段の改正がございした。すなわち百五十圓べースから四百べースまで消費者價格が上つたのでありますが、そのときに北海道の暖房用炭の問題がいろいろ問題になりました。その際はちようど需要期になつておりまして、すでに配當計畫の半分近くのもの、あるいは三分の一見當が、配給されてしまつておる。しかもそれが均一に配給されていなくて、地域によりあるいは家庭によつて區々にはいつておる。そこで負擔の公平、その他の問題がありましたので、いろいろ北海道長官等のお話もございまして、取敢えずの問題として昨年別途に豫算を出して一部の補給をするということにいたしたのでありますが、當時において北海道廳自體においても若干の補給金と言いますか、補助的な措置をとられたように聽いておるのであります。本年は七月の初めでありますし、先ほど申し上げましたような状況にありましたので、北海道用の暖房用炭に對しまして特殊の措置をとるということをいたさなかつたのでありますし、またただいまの物價の立て方から申しても、とることはなかなか困難ではないか、こういうふうに考えておるのであります。ただいま私どもは暖房用炭についてそういうふうな考え方をいたしておるわけであります。
#79
○伊藤委員長 高倉君よろしゆうございますか。
#80
○高倉委員 よろしゆうございます。
#81
○伊藤委員長 それでは庄忠人君の質疑は午後から行うことにいたしまして、午前中の會議は、この程度に止めることにいたしまして、午後一時から會議を開くことにいたします。暫時休憩をいたします。
    午後零時四分休憩
    ―――――――――――――
    午後一時四十三分開議
#82
○伊藤委員長 休憩前に引續き會議を開き、質疑を繼續いたします。庄忠人君。
#83
○庄委員 これまで長い間の質疑應答によつて、大體法案に對する政府側の説明も聽いたように思うのでありますが、本案は御承知の通り、よほど重大な法案でありますから、急いで審議するという考えで拙速に陷るようなことがあつては取返しがつかないのでありますから、その點をわれわれ委員としても考慮いたしまして、十分愼重に審議するという態度で臨むのがよかろうと思うのであります。今までの質疑應答を通じまして、まだわれわれとして本案が必ず増産になるという確信はもてないのであります。このままもし法案を通すことがありますと、これは必ず減産になるだろうという考え方が浮ぶのでありまして、委員長におかれましても、いろいろ御苦心の點があると思うのでありますが、ひとつ大きな氣持で、ゆつたりと構えてやつていたきたいというふうに申し上げたいのであります。と申しましても、私の質疑はごく簡單でありますから、本案に對する委員長のお氣持ということにつきまして一言希望を述べた次第であります。
 まず質問する前にあたりまして、本委員會におきまして、私の一身上に關することについて一言辯明させていただきたいと思うのであります。これははなはだ子供らしいつまらないことと思うのでありますが、去る十月四日、西田委員長が質問しました際に、商工大臣の宇部市における演説會の件があつたのでありますが、これに對して商工大臣は全面的に否定せられたのでありますが、その際西田委員は、本委員會の委員の中にもこれを聽いた者があるというようなことを申されたのであります。これは私がこの演説會において聽いたのであります。當日西田君が間違いないかということを私に申しましたから、私は、その通りである、間違いない、ということを申したのであります。私の言うたことが大臣の答辯によりまして不信用なふうにとられますので、一言この點につきまして申させていただきたいと思うのであります。もちろんこれに對しましては、大臣の辯明を求めるというような意味ではないのでありますが、ただ私としまして、同僚に對して、いかにもいいかげんなことを言うように思われては心外でありますから、一通り事情を申しまして、御了解を得たいと思うのであります。九月十日に大臣は宇部市に來られまして、同日の午後六時から宇部の市民館において大演説會があつたのであります。聽衆は約三千名あつたのでありますが、私は外出しておりました關係上、ちようど七時頃演説會場にまいりまして、聽衆のうしろの方で演説を聽いたのでありますが、そのときに、この石炭國管問題に大臣が觸れられまして、この案は御承知の通り連立内閣だから、十分徹底した案ではない。不滿足な案であるかもしれないが、これはいわゆる社會主義社會を築くための第一歩である。すなわち外ぼりを埋めるのであつて、われわれはこの次に内ぼりを埋め、ひいては社會主義社會を建設するために進むのであるから、その點を制了解くださつて、不滿であろうが、この石炭國管案が通過するように、御協力をひとつお願いしたい。そういう意味のことを申されたのであります。私ははつきりそれを聽いておるのでありまして、當日は本委員會の委員であるところの今澄勇君も大臣の前に演説をいたしましたから、同席にはおられたはずであるのであります。かような意味合いにおきまして、私は自分が申したことは間違いないということを御了承願いたいと思うのであります。なおこの外ぼり問題につきましては、これは新聞に出ておるのでありますが、當日午後三時二十分に沖の山炭鑛に行かれまして、勞働組合の連中と會談せられた際にも、こういうことを申されたと、郷里の新聞であります宇部時報に出ておるのであります。それをちよつと讀んでみますと「とにかく今囘の國管は呱々の聲をあげた社會化への第一課程で、まず外ぼりを埋めて、次に内ぼりを埋めるという手もある。どうか生れたばかりの病氣の子供に大人量の頓服を飲まして殺すようなことをしないでくださいと、諧謔まじりの同情を求めた。」こういうことも當日の新聞にあるのでございまして、大臣が方々においてかようなことを申されたというのはうなずけるのであります。ただこのことにつきましては、私がいい加減なことを言わないということだけを御了承していただければ結構であるのであります。なお新聞のついででありますから、商工大臣にお伺いしたいのでありますが、この宇部の記者團との會見の際申されたことが載つておるのであります。その中の一節に、こういうことがあるのであります。九州からまわつてずつと歩かれたときに感想を述べられたあとに、いろいろありまして、業者の案ずるのがおかしいくらいで、場合によれば三年後に國家が十分の施設をして業者に返還することになるのだから、ざつくばらんに言えば、業者は他人のふんどしで相撲がとれるわけになる。こういうことを言つておられますが、業者が他人のふんどしで相撲をとるというようなことになると、この國家案の見方もちよつと變になるのであります。いわゆるこの國管によつて業者が非常に利益を得る。三年後には國家において必要な施設をして、それをそのままもらうのであるというような意味のことを言われた記事でありますが、この點に對しまして、商工大臣はいかなる御見解であるか、お伺いしたいと思います。
#84
○水谷國務大臣 有名な石川啄木の歌に、「さりげたく言いし言葉はさりげなく、きみも聞きつらんそれだけのこと」という言葉がありますが、あまり地方に行きまして不正確に傳えられました新聞記事のことを言われましても、私は石川啄木の歌をもつてお答えするよりほかにないと思います。私の責任ある言葉は、この神聖な國會における言明をもつて御檢討願いたいと思います。
#85
○庄委員 ただ新聞に對しましては、本會議におきましてもそうでないというふうに總理大臣も申されたのでありますから、これに對しまして、商工大臣に新聞記事についてあえて責任を問うというようなことはわれわれとしてまことに愚の至りであるのでありますが、先ほど申しましたような、三年後にはそのまま業者の手にもどるという點につきましては、どうお考えでありますか。
#86
○水谷國務大臣 この點につきましては、この條文の第六十九條に書いてある通りでありまして、その期間滿了の際における經濟事情によりまして、これが續く、あるいは續かぬとかいうことがきまるのでありまして、今から三年先のことを右左あらかじめ豫定して斷言するわけにはまいりかねると思います。
#87
○庄委員 いずれこの案が實施せられたとしましても、いつかはこの案を打切るというときが來るのであります。これが第一條にありますような、いわゆる産業の復興と經濟の安定せられた時期、これはどういう状態を第一條においては指されたのであるが、なかなか判斷がむつかしいのでありますが、とにかくこれはある限られた期間において、この法案を行うものであるという趣旨と思うのでありますが、この時期が經過いたしましたときの業者に對する受け渡しの状況と申しまするか、その點どういうふうな形態になるか、御説明をお願いしたいと思います。
#88
○水谷國務大臣 庄さんのお尋ねの趣旨が、ちよつとわかりかねるのでございますが、この六十九條にありますように、いわゆる決定というものは、商工大臣が勝手にやるのでなしに、國會がやることになつております。ただいまもしそれが三年なら三年でやめるときは一體どうなるか。もし國會がこれでやめようと言えば、この法律の有效期間が切れるのですから、その切れたときの姿によつて、そのままいくのだ。こういうぐあいに思つておりますが、御質問の點がどういうことか、私ちよつとわかりかねるのです。たとえばこれに關連した新坑開發とかいうようなときのことを豫想されて言うておられるのか。あるいはまたこの法律が、一般に有效期間が終つたときにはどうなるかと言えば、これは引繼ぐも引繼がぬも、經營形態は少しも變更になつておらぬのであるから、法律がやまれば、ただその法律がなくなるというだけであつて引繼ぐ、引繼がぬということは、私ども解しかねます。その點はどういう點をお尋ねになつておるのですか。
#89
○庄委員 たとえばその間におきまして、國家がある山に非常に資金資材を注ぎこんでおる。いわゆるその山といたしましては、國家に對してそれだけの負債を負うておるという形態が出てくるのでありますが、その資金資材に對する處置はいかがですか。
#90
○水谷國務大臣 それは國家が資金資材を注ぎこみましても、經營形態は前の通りであります。それは企業が最終責任でやつておるのでありますから、從來と少しも變つておらぬ。ただ問題は私企業によつてやれないところの新坑の開發というようなものがありますが、それはまた別個に國家が直接にやつた新坑の開發を、ある時期に拂下げするとか何とか問題はありますが、しかしその本筋は別に國家管理と申しましても國營でないのですから、國家が直接に資金資材を投げこむのではなしに、みな私企業の責任において資材資金が投げこまれる。國家はそれに對して超重點的政策を施すということになつておりますがゆえに、その點は少しも構わずに、引繼ぐも引繼がぬも、初めからその私企業の資金資材として、その山に注ぎこまれておるのでありますから、その點は何ら一點の疑問の餘地もない。このように考えております。
#91
○庄委員 そうしますと、先ほども私が申しました新聞記事のようなことは、ないはずと思うのでありまするが、いわゆる他人のふんどしで相撲をとつて、そのまままた業者のところに返す。こういうふうな新聞記事でありますが、これを見てみますと、いかにも業者をつるような感じがするのであります。そういう點は全然ないわけでありますか。
#92
○水谷國務大臣 さつき申しましたように、本會議における私の言明と、傳えられた新聞記事との矛盾は、本會議の言明通りにひとつ御解釋を願います。
#93
○庄委員 去る十月十三日より十六日に至ります四日間の公聽會におきまして、われわれ委員は三十七人の公述人から、いろいろの立場でこの石炭鑛業國家管理法に對する御意を聽かせてもらつたのでありますが、これを總括的に考えてみますと、經營者側といたしましては、全面的反對の意向が多かつたように思うのであります。なお勞働者側といたしましても、必ずしも意見が一致していないのでありまして、中には少し手ぬるいから全然反對というようなことを申されたこともあるし、なお修正の上において贊成する。また不滿ではあるが、いわゆる社會主義への第一歩であるという意味で、贊成するというような意見があつたと思うのであります。なお第三者側すなわち關連産業その他の一般の人の意見におきましても、本案に對する反對が相當多かつたように思うのであります。殊に十五日の日における公述人石渡信太郎氏のごときは、わが國の石炭鑛業は、いずれは國有國營か、國有民營か、あるいは共同國管のもとにおける民營か、このどれかになる運命をもつておる。しかし今日は國管を施行すべきでないというのが、私の意見であるというようなことを申されておるのであります。この石渡氏は石炭界における相當の權威者であると私は信ずるのでありますが、そういうふうで意見がまちまちであるのであります。それで國論が石炭國管に對してはまだきまつてない。いわゆる體制がきまつてないというふうに考えるのであります。大臣は、國會がきめたことに對しては國民としては協力すべきである。そうして必ず協力すべきことを信ずるというふうな御答辯があつたと思うのであります。私といたしましては、こういうふうに世論がまちまちであるということは、これを實施した場合に、全面的協力を得るかどうかということについて、まことに危ぶまれるのでありまして、必ずそこに混亂が起きまして、かえつて石炭の減産を招くというような感をもつものであります。これはたびたびの各委員からの質問によりまして、大體大臣のお考えや御答辯もわかつておるのでありますが、再確認の意味におきまして、一應御答辯をお願いいたします。
#94
○水谷國務大臣 庄さんが公聽會の例を引かれましたが、これはまた私も前に淵上さんにお答えしたように、もちろん公聽會の意見は參考として尊重しなくてはならないと言つたことは言うまでもありません。さらにまた特に石渡さんの説を引かれましたが、私も同氏の識見に對して、常々敬服しているのでございまして、現に日本社會黨が去年の大會に國有國營を前提として國家管理法案を決定するに先だちまして、日本社會黨のその方面の關係者は石渡さんの説をば聽いたのでありまして、その石渡さんの説が非常に社會黨の大會できめた案に影響したことは事實であります。公聽會で石渡さんがこういうことを言われたということを、私は人傳手ながら聞きまして、去年の大會前に社會黨の役員會で述べられた御意見とだいぶ違つているので、私は石渡さんの本心が一體どちらにあるかということを迷つておるような次第でございます。それからただいま庄さんは前私が繰り返し申しましたことを再確認の意味でお尋ねになつたのでありますが、ざつくばらんに端的に言うことを許していただくと、世の中の例をみましても、こういうような進歩的な政策、あるいはそういうふうな進歩的な變革というものが行われるときには、必ず兩論があるのでございまして、こういうものが全部百人のうち百人が一致するということなら進歩的な意義がないのでありまして、進歩的な意義は、いわゆる反對する側があつてもそれを押し切つて正しいと思うとことを行つていくところに進歩の意義があると思います。たとえば適當であるかどうかしれませんが、例を明治の御一新に引きましても、あの御一新のいわゆる社會變革の場合におきましても、最後まで封建制度を維持しようという強力な勢力があり、これに對してそれをば乘り切つていこう、打ち破つていこうという勢力があつて爭いました。しかしながら、ひとたび明治維新が成就いたしましたときには、最後まで封建制のために奮闘しました側におきましても、欣然明治維新の大業に參加いたしまして、ここに日本の進歩というものが行われたのであります。今度のこの法案におきましても、私はこの法案が通過するまでには、いろいろの意見もあろうと思います。また私自身が業者の立場に立つてものを考えるならば、やはりこの法案に對し割切れない考えを抱かれるのはあたりまえであろうと思います。また進歩的な勞働者の立場から見れば、この法案が不徹底であるということも、これは正しいと思います。しかしながら、われわれは經營者、勞働者のその立場より一段高い國家的な立場に立つて考える場合におきましては、またものの判斷が違うのでないかと私は思うのであります。從つて現在この法案に對して不徹底を叫ぶ人、あるいはまたこれをいき過ぎであると反對する人も、一度國會が最終的の決定をいたしますならば、それに服從して、この法案を中心として、この石炭の生産増強に邁進して、日本の經濟危機打開に進んでいくというところに、私は民主日本のもとにおける國民の行き方があるのでないか、かように考えております。あるいは性は善であるか、性は惡であるとかいうことは、これは數千年前から言い古された言葉でございますが、これはひとしくこの敗戰日本のどん底につき落された日本の國民の心の底には、經營者といわず、勞働者といわず、現在の日本の經濟危機を乘切つていくというその熱情に關しては、何ら相違のないものであると、私は考えております。從つてただいまのこの爭いというものは、これは一時的のでき事でございまして、この法案が通過いたしました曉におきましては、いわゆる雨降つて地固まるというたとえの通り、必ずこの法案を中心にいたしまして、石炭の生産増強が行われるものであるというぐあいに、私は心から期待しておる次第であります。
#95
○庄委員 大臣のお説はよくわかりましたが、仰せの通り、この法案が通過いたしまして、國民の協力を得ると豫想いたしましても、少くとも現在におきましては、先ほど申したようにいろいろ異論があるのでありまして、業者竝びに勞働者側の考え方が、相當隔つておるように、われわれは思うのであります。これをもう少し接近する線まで兩者よく話合をしてもらつて、この程度ならば呑めるというような案が、私は最も理想適當であると思うのでありますが、それには相當の時日を要するのであります。私は必ず國管化または國有國營化というような時期がくるであろうということは、豫想するのでありますが、ただこの時期の問題であるのでありますが、本日ただいまといたしまして、はたしてこの時期が適當であるか否やということにつきまして疑をもつものであります。もう少しこの法案を通しましたときには、業者竝びに勞働者において協力してくれるというような見透しのつくときまで待つた方が、この石炭増産に對してはよいのでないかというように考えるのであります。大臣は現在の輿論の段階におきまして、時期が今が最もよい時期であるというように考えておられますか、なお私が申しまするように、業者竝びに勞働者がもう少し協力をしてくれる見透しがつく時期まで待つた方がよいか、同じ案を通過させるならば、この案に對して十分協力してもらえるという自信をもつてやつた方がいいというようにお考えになりますか。その時期の問題につきまして、御所見を伺いたいと思います。
#96
○水谷國務大臣 ただいま庄さんがお述べになりました時期でございますが、私の考えはむしろ逆で、すでに時期は遲過ぎると思うのです。私の考えをざつくばらんに言えば、終戰後この日本の經濟危機を建て直すにあたりまして、石炭企業に對して超重點主義をとりましたその時期を選んで、こういうような法案が當然出なければならなかつたと考えております。すでにこういうような政策が盛られて一年餘經過いたした今日におきまして、初めてこういうような法案を出すということは、私の考えから申し上げまするならば、庄さんとは別に、時期はすでに遲過ぎるのではないか、決して早過ぎはしない。いわゆる超重點施策を遂行するということがきまつたときに、こういうような法案が必要であつたのではないか、私はこのように考えるのであります。
#97
○伊藤委員長 ちよつと庄さんに御相談いたしますが、先ほど御相談申しておりましたように、參議院の方で商工大臣の出席をかなり急いで求めておるようでありますから、商工大臣に對する質疑は、なるべく集中的にお願いしたいと思います。
#98
○庄委員 本案を通覧してみまして、罰則はなかなか行届いて書いてあるように思うのでありますが、これは消極面でありまして、いわゆる積極面をなすところの褒賞制度というような問題については、本案の中にあまり見當らないのでありますが、この點につきましては先日前田委員からも御質疑があつたのでありまするが、私は、法を生かす上におきましては抑えるばかりではいけない、やはり人心を引立てるような面がなければ、法は生きてこないというふうに考えておるのであります。この褒賞制度をこの中に織りこむか、まだは別に褒賞制度を設けるというような條項を入れて褒賞をするというようなお考えがあるかどうか。私は、石炭のみならず、あらゆる産業につきましても、この消極の面だけではいけない、どうしても積極面という方が必要であると考えるのであります。この點につきまして、本案に對する御所見を伺います。
#99
○水谷國務大臣 ただいま庄さんのおつしやることは、私もまつたく同感でありまして、いわゆる信賞必罰ということが石炭の生産増強の上におきましても必要であろうと思います。ところが繰返し申し上げますように、この法案は組織法でございまして、ただいま庄さんが言われましたようなものは、マツカーサー元帥の手紙に答えました緊急増産對策であるとか、あるいはまた今度の臨時金融要綱であるとか、そういうものに盛つておるのでございまして、それらと併せお考えくださいますならば、その點が十分に御了解願えるかと思うのでありまして、私は單に褒賞制度というよりも、さらに一歩進んで信賞必罰ということを嚴重にする方が、かえつて生産増強になるのではないか。このように考えております。
#100
○庄委員 この問題につきましては、私もいろいろ意見があるのでありますが、本日は時間がありませんから、また他日の機會に述べさせていただきたいと思うのであります。この法案ができましたのは、御承知の通り與黨三派におきまして、いろいろ練られまして、そうして大體の見透しをつけて、これができたのでありまするが、石炭はいわゆる食糧問題と同様に大事なことであるのでありまして、これは超黨派的な審議機關をつくつて、この石炭に對する法律案をつくるのが妥當であるというふうに當初から私は考えておるのであります。もしこの法案によりまして、まことに不徹底であるという感じの多い際には、この際特に超黨派的な審議機關をつくつたらどうかというような意見をもつておるのでありますが、これにつきまして、大臣はどういう御感想をもつておられるか。
#101
○水谷國務大臣 庄さんの御質問の點が、ちよつと私にのみこめないので、あるいは見當違いの答辯をするかもしれませんが、やはりただいま超黨派的と申しますか、この國會の委員會の審議に任せておるということが、これが國民全體の代表者に任せておるのでありまして、全國民的な規模において審議されておるものであると、私は考えておるのであります。從つて國會の審議に任し、そうしてその自由なる結論を尊重するということは、これは超黨派的という言葉よりも、全國民的な規模において審議が行われておるものであるから、そういう意味において、われわれは國會の結論をば尊重しなければならないというぐあいに考えておるような次第でございます。
#102
○庄委員 大臣はお急ぎのようですから、一點だけ特にお伺いしてみたいと思います。先般いただきました石炭非常増産對策要綱の、各條項につきましては、また政府委員のお方よりお伺いしたいと思うのでありますが、最後の第七項の「新炭鑛の開發」というのであります。これは産業復興公團をしてやらせるというように書いてありまするが、現在の日本の國力といたしまして、十分のことができるかどうかということを私は疑うのであります。御承知の通り、方々に開發すべき炭田はあるのでありますが、特に北海道のごときは、有望な炭田があるのでありまして、これを現在のわが國力において、滿足のいくような開發をするということは、なかなか困難であろうと思うのであります。私はこの際海外資金の導入によつて、これをやつたらどうかということも、考えておるのであります。この點につきましては、政府は日本の國内だけで十分やれる確信がありますか、またはそういう飛躍的な手を打つてでも、その石炭の増産をはかるというような御意向があるかどうか。その點をひとつ伺いたい。
#103
○水谷國務大臣 日本の經濟危機を打開する力が國内だけで十分か、それともまた外國の援助を仰がなくてはならないかということに關しましては、いろいろの意見があろうと思います。しかしながら、私らの立場といたしましたならば、まず俗に諺にも言つております「天はみずから助くるものを助く」でありますから、國内においてやれるだけのことはまずやる。そうしてしかる後に、他のまた援助を求めるというぐあいに考えたいと思います。從つてわれわれの考えといたしましたならば、現在の乏しい資材資金の中におきまして、既存の炭鑛を充實する點と、そしてまた新しく新坑を開發する點とを、よく調整をやつていきたいと思います。もちろん庄さんの御案内のように、あるいは現在といえども鐵鋼のためには、重油というものもアメリカから輸入しているような關係でありますが、何しろ御案内のように、このたびの囘轉資金というものは、すぐあちらから原料を入れてそれを加工して、またあちらへもつていくというのでありまして、そういうようないわゆる生産資材、生産設備というものに關しましては、大體それは利用できないような立場におかれているのでございます。もちろん私自身といたしましても、國内においてできるだけのことをやりまして、しかる後また外國の援助を受けるということは、日本の經濟危機建直りの速度を早めるものであるということは、十分承知しているのでございますが、ただいまこの席上におきまして、新坑開發のためには、外國の援助を受けるということをはつきり言うことはできない段階でございます。
#104
○庄委員 あとは各條項について聽きたいと思いますから、大臣はもう結構であります。法文につきまして、政府委員の方に逐次お伺いしたいと思います。
 第一條に「經濟の安定に至るまでの緊急措置として、」とありますが、炭鑛は言うまでもなく恆久對策の要があるのでありまして、緊急的にやるのは非常な危險性があるのであります。緊急措置ということについて、御説明をお願いしたいと思います。
#105
○平井(富)政府委員 第一條におきまして「産業の復興と經濟の安定に至るまでの緊急措置として、」書きましたのは、次の法律の最後の條項にございますように、一應三年というものを有效期間といたしまして、臨時に管理するという意味に照應するものであります。すなわち現在の經濟状況におきまして、インフレの進行に伴つて、しかもなおかつ石炭の増産をやつていかなければならぬというための一つの緊急の措置、しかもそれが臨時の措置としてとられるという意味におきまして、こういう字句を使いました次第であります。なお炭鑛の經營につきまして、御指摘のように、長期の計畫を基準にいたしまして、年々の採炭を行つていくということは、もちろんでございますが、現在の危局打開のための石炭の生産の仕方ということにつきまして、やはり長期の計畫と、この兩三年日本の經濟が非常な崩壞の危機にさらされているときにおける石炭のやり方と、こういうことも兩面考えて指導していかなければならないという意味におきまして、この施行期間は三年でございますが、その生産計畫を設定する場合には、もちろん長期の計畫も十分に考えまして、それに基いてやはり現在の生産計畫がかくあるべきだという線において適當にきめていきたい。こういう趣旨でございます。
#106
○庄委員 第二條に「石炭の掘採」とありますが、法律ではこういう表現がいいということですか。
#107
○平井(富)政府委員 これは試掘、採掘を併せまして掘採というふうにいたした次第であります。
#108
○庄委員 わかりました。第三條でありまするが、一行目の終りからですが、「炭鑛の事業主が、生産協議會の議を經て定められた事項以外の事項について、炭鑛の從業者が組織する勞働組合法に規定する勞働組合と團體交渉をする權限と責任を尊重しなければならない。」というふうに書いてありまするが、そうしますると、この生産協議會の議を經て定められた事項というところですが、言いかえますると、その方は尊重しないというふうに、ちよつと字句の上では言えるのですが、特に生産協議會以外の團體交渉の權限というものを尊重するというふうに書いてあるこの意味はどういう意味ですか。
#109
○平井(富)政府委員 第三條で考えておりますことは、この生産協議會の性格に關連するわけでありますが、生産協議會は前に申し上げましたように、經營協議會を實質的に繼承いたすものであります。從いまして、生産協議會において、たとえば勞働條件について議がまとまつたという場合には、從來の經營協議會において議がまとまつたと同様の實質をもつ、效果をもつ、いわゆる團體交渉がまとまつたということになるわけであります。從つて生産協議會においてきまりました事項そのものにつきまして、さらにまた事業主と勞働組合とが交渉する必要はないという意味の規定になるのでありまして、この第三條が適用されまする主たる場合は、たとえば賃金につきまして全國的な勞資の團體が賃金の協定をいたします。そういうような協定を行う權限と責任というものを尊重していかなければならぬという意味であります。
#110
○庄委員 そうすると、これは「生産協議會の議を經て定められた事項」というものは、この最後の團體交渉においてきめられたことより輕いというふうなことになるのですか。
#111
○平井(富)政府委員 かりに生産協議會で賃金を一日百圓というふうにきめまして、後ほどに全國的な團體交渉において、たとえば數箇月經つて百五十圓というふうに違つた決定をなしたといたします場合には、事業主としては新しい交渉というもの全國的な規模においてなした團體協約に、責任を負うのであります。その際には山の生産協議會においては、さらに百圓から百五十圓に上げるという點について生産協議會で勞働條件について檢討を行い、それに從うということになつております。
#112
○庄委員 それならこの事項以外というのは、さらにというような意味に解していいのですか。
#113
○平井(富)政府委員 その山につきまして一旦生産協議會できまりました事項は、さらに生産協議會の議によつてかえるということになるわけでありますが、ただいま申しましたように、それより大きな全國的な規模において全體的な協定がまとまつたという場合におきましては、生産協議會が實質的に經營協議會を引繼いでおるわけでございますので、さらに生産協議會においてその全國的な團體協約を基礎にして賃金の改訂を議するということになるというふうに解しております。
#114
○庄委員 第五條につきましてお伺いいたします。毎年度の豫定事業計畫というものと、毎四半期の事業計畫と二つの字句が書いてありまするが、豫定事業計畫と事業計畫との區別について、お伺いいたします。
#115
○平井(富)政府委員 年間の事業計畫はもちろん一種の豫定計畫でございますが、年間の事業計畫につきましては、さらにまた状況の變化によつて變つてくることもたびたび豫想されますので、いわゆる豫定事業計畫といたした次第であります。それから毎四半期の分につきましては、その四半期の開始前に、具體的状況に基きまして決定いたします關係上、これは事業計畫というふうにはつきりした言葉を使つた次第であります。なお第二項におきまして、事業計畫の變更を命ずるという場合におきましては、年間のいわゆる豫定事業計畫に對しては變更の命令というようなことは豫想しておりません。これは年間の豫定でありますので、それはその山としてこれだけのことを考えておるという實情の把握に止めておくという關係で、豫定事業計畫、事業計畫という言葉で書いた次第であります。
#116
○庄委員 そうしますと、第二項の「前項の事業計畫」というのは、毎四半期のことでしようか。
#117
○平井(富)政府委員 二項におきまする事業計畫は、毎四半期の事業計畫ということになります。
#118
○庄委員 この豫定計畫には、不服の申立がないのでありまするが、第二十一條竝びに四十二條におきまして、不服の申立をすることができるというような條項があるのでありまするが、毎四半期のいわゆる事業計畫の變更をきめられた場合に、これに對して不服の申立ができないのでありまするか。
#119
○平井(富)政府委員 事業計畫の設定につきましては、事業主がまず計畫を設定いたしまして、これを石炭局長に提出するのであります。指定炭鑛と一般炭鑛と手續は若干違いまするが、要するに事業主が事業計畫を設定いたしまして、石炭局長に提出する。石炭局長はそれを地方炭鑛管理委員會に諮りまして、大部分の場合においては、その計畫に則つて進行するわけでありまするが、事業主の算定いたしました事業計畫が、非常な考え違いがある、あるいは資金資材等の見透しについて、非常に甘く考え過ぎた、あるいは非常に悲觀的に考えたというような點で、これは變更するのが適當であるという場合につきましては、炭鑛管理委員會において諮るわけでございますので、これについては、不服の申立という制度を設けておりません。それから、一般炭鑛の監督命令も、やはり前囘の委員會で申し上げましたように、消極的な事項につきまして出されるのでございますので、これらの點については、不服の申立の制度をおかなかつた次第であります。
#120
○庄委員 私は石炭局長が地方炭鑛管理委員會に諮つたといたしましても、この變更につきましては、事業主との間に相當の意見の相違があるという場合に、やはり不服の申立ての道がないと、そこに摩擦を生ずるというようなことが、實際の運用面に起きてくるのじやないかということを考えまするが、そういうことは豫想されませんか。
#121
○平井(富)政府委員 いわゆる政府の石炭局長の行政のやり方につきまして問題があります場合には、大臣からも申し上げましたように、炭鑛委員會の中に、あるいは監査部會、あるいは生産部會というようなものも設けられまして、相當愼重に生産計畫についてはみるわけでございますので、石炭局長がその意見を聽きまして、これを行うという點で、十分防ぎ得るのじやないか。ただ指定炭鑛に對しまする監督上の命令指示ということにつきましては、
 生産計畫をこうせいというのではありませんで、具體的事項についての監督上の命令指示という點でございますので、この點については不服の申立てという制度を認めたのでありまするが、一つの業務計畫なり事業計畫につきましては、炭鑛管理委員會に總合的に國の要請と生産の現場状況との調整によつて、適正にやる得るという點で、この條章につきましては、不服の申立制度を認めなかつた次第であります。
#122
○庄委員 第五條には罰則はありませんね。
#123
○平井(富)政府委員 第五條の變更の命令には罰則はございません。
#124
○庄委員 そうしますると、これはもし事業主がこの變更の命令を聽かなかつた場合には、どういう處置をとりますか。
#125
○平井(富)政府委員 今罰則と申しましたのは、刑事上のいわゆる罰金、懲役についてないと申し上げたのでありまして、いわゆる行政罰――届出を怠つた場合に科料の規定はございます。その點申し添えておきます。それからこの監督命令、變更命令が出まして、それを事業主といたしましては、この第六條の規定によつて「事業計畫の實施の責に任ずる。」これも一つの宣言規定でございますが、事業主としてこの六條の趣旨に則つて運用していくということになると思います。
#126
○庄委員 そうしますと、これは實際の運用面においては、命令の、ただ出しつ放しに終るというようなことも豫想されるわけですね。
#127
○平井(富)政府委員 計畫の設定及び變更につきましては、從來の實施の責任という點において、これをただちに刑事責任にもつていくような點は、不適當である。生産の責任というものは、あくまでも一種の社會的、あるいは道徳的な責任であるという點で罰則を一應つけておりません。しかし當然増産すべき、し得べき條件があり、計畫の變更の命令が出た、再三その實施について事業主に要求された場合に、どうしても事業主が故意に減産をするというような場合には、後にありまする第十條の監督上必要な命令によつて事業計畫を變更せねばいかんじやないか、この企業計畫はやらねばいかんじやないかという具體的な命令が出るわけです。
#128
○庄委員 第八條の檢査することでありまするが、これは官廳のみの權限のようになつておりまするが、これでいわゆる官僚獨善の弊に陥るおそれはないか。なおこの臨檢檢査につきまして、地方の炭鑛管理委員會等に諮るというようなお考えはないか。なおこれは第十條とも關連すると思うのでありますが、この點はどうも官廳のみでこういう檢査をやられるというふうに思われ、これもはつきりしないように思いますので、ひとつ御説明をお願いしたい。
#129
○平井(富)政府委員 この臨檢檢査の規定につきましては、從來は主として官吏がこれを行うというふうにしておりました。その理由は、事業場における現場に臨みまして檢査をするのでありますから、主務大臣の命令によつて、しかもそれが公務員法なり、あるいは官吏服務紀律なりによつて、はつきりした身分をもつた者が行うということは、やはり個人の自由、企業の自由という面から見て、必要であると考えております。この第八條においては、從來の官吏のほかに、石炭局の局員に、いわゆる學識經驗者に、政府職員になつていただくという豫定になつておりますので、ここに政府職員というものを加えた次第でございまして、この範圍をみだりに擴げるということは、むしろ逆效果を來す弊害が起り得るというふうに考えております。
#130
○庄委員 第十條の最後の、「炭鑛の事業主に對し、監督上必要な命令をすることができる。」というのですが、監督上必要な命令の具體的な例、ないし構想、實例ですね。そういうものをひとつ御説明願いたい。
#131
○平井(富)政府委員 これはしばしば申し上げた次第でありますが、監督上の命令という意味は、積極的にこの設備を増設するとかいうような、いわゆる積極的な事項についての命令ではございませんで、たとえば新規擴充に借入れました資金が、横の方――全然目的の違うたとえば兼營事業に使われておつたというような場合に、それは石炭鑛業のためにのみ使えというような命令、そういうような性質の命令が、この十條で豫定しておる點であります。
#132
○庄委員 そうしますると、つまり鑛業警察に關係するような命令はできないのですか。
#133
○平井(富)政府委員 鑛業警察に關しまする實施は、鑛業警察の關係の實施でやつてまいりたい。かように考えております。
#134
○庄委員 第十一條ですが、これもしばしば質疑があつたのでありますが、先般平井さんは、石炭鑛業の全部または一部を廢止または休止するということでございまして、あらかじめの基準をつくつておくということを言われましたが、できておりまするか、いかがでありますか。
#135
○平井(富)政府委員 これは炭鑛管理委員會に諮りまして、むしろ炭鑛管理委員會の意見を、積極的に尊重して、運用してまいりたいというふうに考えております。
#136
○庄委員 それならこの法案ができてからでなければ、お聽きできないわけでありますか。
#137
○平井(富)政府委員 この法案の一般的の趣旨につきましては、從來繰返し御説明申し上げました通りでございますので、その規定のもつております趣旨が、具體化される具體化の仕方等につきましては、炭鑛管理委員會に諮つた上で決定するということになつております。
#138
○庄委員 それに對するところの現在における構想というようなものはないわけでありますか。
#139
○平井(富)政府委員 この規定の趣旨は、一般的な構想になるわけでありまして、いわゆる事業主の一方的な理由で、事業の休廢止はしないということが、第一の點であります。第二に、その休廢止しなければならない理由が、いわゆる經營者の責任によらない、山の條件による、いわゆる經營難というか、採算難という場合には、それに對してどういうような措置をとるかというような點を、一つの基準としてきめまして、そういう場合には休廢止を許可するというようなことに相なると思うのであります。これが實施に移ります場合には、もう少し詳細に、この基準をきめる必要があるというふうに考えておるわけであります。
#140
○庄委員 第十二條ですが、これは石炭鑛業の全部または一部の賃貸または讓渡し等をする場合、または會社の合併、解散等が、商工大臣の認可を受けなければできないということになつておりますが、これはやはり商工大臣は管理委員會に諮られるのでありますか。なお一部の賃貸しですが、この御説明を願います。
#141
○平井(富)政府委員 石炭鑛業と、こうしてありますので、山を數箇經營しておりますものは、一つの山を貸すというときにも、やはり一部ということに該當する場合もございましようし、あるいは一つの山を經營しておる場合に、坑口が二つある。その中の第一坑を貸したというような場合も、考え得るわけであります。これを商工大臣が認可をいたします場合に、やはりこの認可の一般的基準というものを、なるべく具體的にきめまして、管理委員會に諮つて、その基準によつて實施をしてまいりたいと考えております。
#142
○庄委員 第十三條におきまして、まつ先に「特に」ということがありますが、この「特に」ということの例をお聽きしたい。なお設備または資材というものを讓り渡す。または貸し渡すという言葉も、實際面においてなかなかむつかしい問題であるのであります。これは全然遊休な設備を貸すという御趣旨と思うのでありますが、これは現場の實情に立至りますと、たとえ他に四方一面に山があつても、なかなか貸借はむつかしいのであります。これに對して「命ずる」となつておる。これが命令ということになると、いわゆる高壓的になるのであります。たとえ渡す方が納得しなくても渡すというような例もあると思うのであります。その場合に、非常に摩擦が起きる、實際問題として、こういうふうに強くきめてあると、かえつて摩擦を生ずる原因になると感じられる。私はむしろ斡旋するというくらいの程度の方が、よいのじやないかと感ずるのでありますが、その點に對する御意見と、なおこの條項には設備資材の點だけでありますが、鑛區の分讓とか、一部賃貸ということが、この法案の中にないように思うのであります。その點に對してのお考えを伺いたい。
#143
○平井(富)政府委員 「特に必要」と「特に」とつけましたのは、ただいま御指摘になりましたように、この條項は、餘分の設備あるいは餘剰の資材を、代の炭鑛に讓り渡すことを命ずることについて、非常に愼重にしなければならないというので「特に必要がある」と書いた次第であります。またそういう事項でございますので、これの運用にあたつては、もちろんこの命令を發動する前に、この當事者たる炭鑛間において、石炭局長が自發的に讓渡ということについて斡旋をいたすのが當然であります。しかしどうしてもそれができぬという場合において、なおかつ増産のために必要であるという特別な必要があるという場合に、炭鑛管營委員會に諮つて命令するということでありまして、これは最後の餘剰資材の活用という點からみまして、必要な規定であるというふうに考えております。
#144
○庄委員 鑛區は鑛物増産法の規定によりまして、鑛區の分合整理を行つていきたいというように考えております。
#145
○伊藤委員長 ちよつと庄君に御相談をいたしますが、まだ庄君の御質問は長くございましようか。何でしたら本日はこの程度のところで…。
#146
○庄委員 もう大してありませんが、この次にまわしてもらいましよう。いろいろ御都合があるそうですから……。
#147
○伊藤委員長 この際お諮りをいたすことがあります。内閣提出の石油配給公團法等の一部を改正する法律案は、商業委員會に付託せられておりますが、同法律案は石油配給公團法、及び配炭公團法の一部を改正するなど、本委員會の所管に屬する部分が含まれております。なお肥料配給公團令の一部改正など、農林委員會の所管に屬する部分も含まれております。つきましては、同法律案審査のために、本委員會と商業委員會及び農林委員會の三委員會で連合審査會を開いてはどうかという打合せをいたしておりますが、右連合審査會を開くことに御異議ございませんか。
#148
○伊藤委員長 御異議なしと認めまして、それでは連合審査會を開くことに決しました。開會の日時は追つて三委員會の委員長及び理事諸君と協議の上、公報をもつてお知らせすることにいたします。本日はこの程度に止めまして、次會は明後十日午後一時より會議を開くこととし、本日はこれにて散會いたします。
   午後三時十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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