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#1
第049回国会 運輸委員会 第2号
昭和四十年八月五日(木曜日)
   午後一時二十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 八月四日
    辞任         補欠選任
     高山 恒雄君     瓜生  清君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松平 勇雄君
    理 事
                金丸 冨夫君
                岡  三郎君
                吉田忠三郎君
    委 員
                岡本  悟君
                木村 睦男君
                谷口 慶吉君
                平島 敏夫君
                相澤 重明君
                大倉 精一君
                木村美智男君
                瀬谷 英行君
                浅井  亨君
                瓜生  清君
                岩間 正男君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  中村 寅太君
   政府委員
       法務省刑事局長  津田  實君
       運輸政務次官   福井  勇君
       運輸大臣官房長  深草 克巳君
       運輸省鉄道監督
       局長       堀  武夫君
       運輸省航空局長  佐藤 光夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       外務省条約局外
       務参事官     大和田 渉君
       海上保安庁警備
       救難部長     猪口 猛夫君
   参考人
       東京都副知事   日比野七郎君
       東京都港湾局長  岡  素夫君
       東京都港湾局計
       画部長      奥村 武正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○小委員会の設置に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (航空に関する件)
 (海上保安に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 八月三日付をもちまして委員松野孝一君が辞任され、その補欠として堀本宜実君が選任されました。
 八月四日付をもちまして委員高山恒雄君が辞任され、その補欠として瓜生清君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(松平勇雄君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、東京都副知事日比野七郎君、同じく港湾局長岡素夫君、同じく港湾局計画部長奥村武正君、以上三名の方を本日の委員会の参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(松平勇雄君) 小委員会の設置についておはかりいたします。
 今国会におきましても、前国会同様、運輸事情等に関する調査のため、通勤輸送対策に関する小委員会、鉄道事故防止対策に関する小委員会、航空海難路面交通事故防止対策に関する小委員会の三小委員会を設置することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 小委員及び小委員長の選任につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(松平勇雄君) 航空に関する件について質疑を行ないます。
#9
○吉田忠三郎君 きょうのこの委員会には、東京都の副知事はじめ関係の参考人の方々が御出席をくだされ、さらに一昨々日の委員会におきまして、私どもが本委員会におきまして航空関係についての質疑の過程から、種々東京都のほうには資料の提示をお願いをいたしたわけでございますが、おおむねその資料がただいま私どもの手元に到達をいたしておりまするので、私は若干質問する前に先立ちまして、心から感謝申し上げたいと思う次第であります。
 さて、きょうはせっかく御多忙中に参考人としておいでを願ったわけでございますから、できるだけ簡潔に私どもは若干伺っておきたいと存じますので、この点あらかじめ参考人の皆さまにおきましても、明快な、しかも簡潔に、できるだけ私のみならず全委員の方々が理解できまするようにお答えを、この機会にお願いを申し上げておきたいというふうに思います。
 さてその第一は、御案内のように、三宅島の空港の建設の問題でございます。この件につきましては、すでに新聞報道等にも出ておりまするので、ひとり運輸省あるいは都の関係者のみならず、全国民がこの件について承知をいたしておるところでございますけれども、私ども国会の立場から見ますれば、まことにふかしぎな面が非常に多いのでございまして、したがいまして、こうした事柄につきましても、この際関係者の皆さんに伺って、この国会の場を通して国民に理解をしていただこう、こう考えているものであります。
 端的にひとつ都の副知事にお伺いいたしますけれども、この飛行場は離島振興法に基づきまして一〇〇%国庫補助に基づいて建設に私は着工したものだと記憶を実はいたしておりますが、この点一体どうであるかということが一つ。
 それから、この契約書を見てまいりましてもそのことが言えます。さらに決算明細書もちょうだいいたしておりますけれども、各年次別に予算額に対する決算額が出ております。時間の関係で私は数字的な内容は申し上げませんけれども、こうした書面上、決算書から見ますれば、すでに完成をしたと、こういうことになっていると私は思うのです。ところが、今日の時限でこの三宅島空港は使えないと、こういうことが一昨々日の当委員会で明らかになりました。したがいまして、なぜ一体使えないのかということをひとつ伺っておきます。
 それから第三には、この空港建設にあたりまして、航空法の定めによりまして――最後の最終的な検査はございまするけれども、中間検査を行なわなければならないことになっておりますが、中間検査は一体何月何日にどのように検査が終わられて、その検査の結果をひとつこの際この席上でお答えを私は願いたいと思うのであります。
 それからこの第四番目でございますけれども、一昨々日のこの委員会では、航空局としては、工事着工前に、今日問題になっております三十六メートルの小高い丘がございますけれども、この丘の排除について非常に心配であるから注意をしたと、こういうことが明らかになりました。ところが、東京都の側から見ますれば、そうした注意は今日受けておらないのである、今日完成したこの段階で運輸当局がそういったことを言っていることがおかしな話である、建設着工に至っては、運輸省の指導監督に従って東京都の港湾局が施行しておったのであるから、そうした注意は聞いていないし、いまごろそういうことを言っていること事態に問題があるというふうなやり返しをいたしておりますのを、私は新聞紙上で見ました。ここにも新聞の切り抜きを持っておりますが、これについて、一体その経緯がどうなっているのかをこの際ひとつ第四つ目としてお答えを願いたいと思うのであります。
 それから、ただいま手元にまいりました資料、ざっぱくでありまするけれども、概括的にながめてみました。この限りでは、私は、主として東京都が中心的な役割りを果たして、この空港の建設に当たったと思うのであります。そこで、これが結果はどうなるかわかりませんけれども、最終的な一つの結論が出たとするならば、この問題に関する限りの責任の所在はどこに帰着するのかということについて、これまた明快に私はお答えをしていただきたいと思います。
 以上大別しまして五つの点をとりあえずお伺いをいたしておきます。
#10
○参考人(日比野七郎君) 東京都の港湾局担当の副知事の日比野であります。日ごろ都の運営につきましていろいろ御配慮いただいて、まことにありがたく感謝しております。またこのたびは、三宅島の空港のことにつきまして、関係の方々に非常に御心労をわずらわしましたことを、まことに申しわけなく存じております。
 ただいまお尋ねの点につきまして、私からお答え申し上げたいと思います。
 第一の点は、三宅島の空港は都の予算で執行したのでございますが、全額国庫補助であったかどうかという点でありますが、これは仰せのとおり、全額離島振興法に基づきまする国の補助によりまして施行いたしたものであります。
 次に、飛行場は完成したけれどもこれが使用できないというふうなことにつきましての理由をお尋ねでございます。御案内のとおり、三十七年度から九年年度で、都の予算をもちまして飛行場の工事をやっておりましたが、三十九年度末をもち議して三宅島の飛行場は完成いたしたのであります。完成いたしたにつきまして、御当局の検査をお願いしたわけでございますが、その際、はからずも、御指摘のございましたとおり、飛行場の進入路の一部に障害物のあることが御指摘を受けました。そのため、目下完全なこの使用ができない、いわゆる定期航空に用います大型の飛行機の離着陸ができないで、限られた限度においてのみの飛行場の使用しかできないという現状であります。
 次に、中間検査のお尋ねでございますが、これは私どもの記憶いたします限りにおきましては、中間検査を受けたことはないようであります。
 次に、障害物について御当局から注意を受けたことがあるかどうかというお尋ねであります。これにつきましては、新聞の記事を御引用でありますが、私ども、正式と申しますか、局のいわゆる担当の者には、私どもまだ実は御注意を達しておりませんので、そういう限りにおきましては、御注意を受けておらなかった、こう申し上げていいかと思います。
 次に、責任の所在でございますが、これは先ほどお話ございましたとおり、離島の振興のために全額国庫補助という非常に厚い御配慮を受けまして飛行場をつくったわけでございますが、せっかくできましたのにこれが使用できないということは、まことに遺憾でございまして、もちろんこの工事の施行につきましては、関係官庁から常時御懇篤なる御監督を受けまして施行したのでございますが、結論から申しますと、先ほど申し上げたとおり、飛行場そのものの工事は完成したのでございますが、これの進入路に当たります部分の障害物につきましては、都としましても、実は先ほど申したとおり、御指摘を受けるまで全然気がつきませんで、また御注意を受けたこともないと申し上げましたが、さようなわけでございまして、完成した後にこれが気がついたわけでございまして、当初からもし気づいておりますれば、当然完成と同時に使えたわけでございまして、この点直接工事の担当に当たりました、あるいは測量等に当たりました都としましても、十分責任を感じないではおられないのでございまして、せっかくの御厚志に対しまして、このように直ちに使用ができないということは、まことに申しわけなく存じております。今後十分この点は戒意いたしましていきたいと思っております。とりあえずお答え申し上げます。
#11
○吉田忠三郎君 たいへん明快なお答えをちょうだいいたしまして、私は敬意を表したいと思います。
 そこで、進入路の直前に障害物があることがその最たる原因で飛行場は今日使用不可能である、こういうことが明らかになりました。そこで私は、その障害物が中間検査を受けていないということも明らかになったわけでございますけれども、最後のその検査を受け完成したときにこの障害物が確認された、こういういまお答えのように私は記憶をしたわけでございます。
 そこで重ねてお伺いいたしますけれども、この障害物はただ単なる滑走路面における私は凹凸程度の問題ではないと思うのであります。私は現地まだ見ておりませんから、やがて現地を見なければいかぬと思いますけれども、現地を十分視察をせずしてこうした事柄を申し上げることは非常に私はどうかと思いますけれども、しかし常識的に考えてみましても、海抜三十六メーターというと、私は小高い丘ではないかと推察をするわけです。そこへいまお答えになったような結果だとするならば、この間、御承知おきのように、三カ年計画でこの飛行場は建設されたわけでござますけれども、この三カ年間の間にかなり運輸省の役人とそれから東京都の関係の役人が視察をしたり、あるいは調査をしたり、幾たびとなく検討を加えていることも、事実私は承知しています。そうしたときに、一体しろうとじゃないわけですから、それぞれの専門技術屋が出向いて視察をしたり調査をしたり検討を加えているわけですから、そのときにいま申されたような三十六メーターの小高い丘が進入路に直面していたことが全く気づかなかったのかどうかということなのであります。この点をひとつさらに伺っておきたいと思います。
#12
○参考人(日比野七郎君) ただいま御指摘の三十六メーターの丘でございますが、たしか御指摘によりますと規定の高さを八メートルとか超過しているということでございます。実はお話のとおり、設計の当初から十分これを、周囲の状況と申しますか、地形につきましても十分注意をいたしまして完全な測量が行なわれておりましたならばおそらくこういった結果にならなかっということは、もう申すまでもないと思いますけれども、当初、地形もかなり複雑なところだそうでございますけれども、即断をいたしまして、あの程度の丘ならばいいではないかというような即断が先入観になりまして、その後測量等につきまして注意を欠いたことは事実でございます。私も実は現場へ行ってまいりませんけれども、非常に地形の複雑なところでございまして、一見してはなかなか判別できないそうでございますが、技術者の言うことでございますから、やはりこれは綿密な調査を行なってやるべきが当然でございまして、この点はどうしても、その点についての責任は免れないかと存じております。
#13
○吉田忠三郎君 どうもただいまのお答えを伺っていますと、まことに私は奇妙千万な話じゃないかというふうに感ずるんです。現代のこうした世界に、少なくとも、幾ら補助事業として国庫の一〇〇%補助の事業であるからといっても、私は結果は国民の血税であることには間違いないと思うのです。これは何人も否定のできない事実だと私は思います。この三億一千万円を投じて、ただいま副知事さんが答えられたようなことで、この飛行場の建設の今日の問題を、「はいそうですか」というような国民は私は一人もいないのではないか、こう思うのです。
 そこで、それはそれとしてですよ、このいま進入路の直前にありまする障害物を排除するとするならば、さらにかなりの日数を私は要するものと考えます。同時にあわせて、これまたかなりの金額の追加経費というものを見込まなければならないと思うのです。したがって、東京都は、この排除について一体どの程度の期間を要するものかおおよそ検討されていると思いますことと、経費についても検討されていることと思うのですが、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#14
○参考人(日比野七郎君) ただいまお尋ねの障害物の除去でございますが、大体あそこにあります丘の土量を撤去いたしますには、三月という工期を予定しております。それでこれの経費としましては、いまの概算でございますけれども、三千万円程後ではないかと考えております。都といたしましては、できるだけ早い機会にひとつこの予算を作成いたしまして、せっかくの飛行場が完全に使用できますように今後努力する考えでございます。
#15
○吉田忠三郎君 ただいま、工期はさらに三カ月程度を要する、それからかかる経費は三千万円前後、こう申されましたが、私が伺うところによりますと、この工期は六カ月くらいかかるんじゃないか。経費も、完全に飛行場というものの性格からして、第一に安全性を保たなければなりませんから、その安全性を貫いてまいるということになりますれば、経費は一億円はかかると、こう私は聞いております。ですから、ここにかなりの差がございますが、いまお答えになった関係の点だけでこの安全性が完全に確保されるのかどうかということが一つと、もう一つは、かりに三千万円ないし一億かかったとしても、この経費は今度は東京都が負担をしてなされるものであるかどうかということをお答え願いたいと思います。
#16
○参考人(日比野七郎君) 私どもの港湾局のほうの技術者の調べによりますると、大体概算で三千万円ありますれば、いま問題になっておりまする障害物は除去できるという見通しだということでございます。なお予算につきましては、先ほど申し上げましたとおり、今後できるだけ早い機会にこれを都議会のほうに提案いたしたいと考えておりますが、この財源についてはまだ目下調整中でございますが、今後もできることならひとつ御配慮願いたいと考えておりますが、大体これが実現できますように私は努力する考えでございます。
#17
○吉田忠三郎君 重ねてお伺いいたしますが、どうもいまのお答えでは私どもも理解しにくいわけでございますが、ただいま鋭意そういう関係については検討しておりまするけれども、さらに御配慮いただきたいという意味は、従前の三億一千万円に追加した国庫補助でお願いしたいという意味でございますか。
#18
○参考人(日比野七郎君) 私どもとしましては、財政上のこともございますし、できますればできるだけ国庫のほうで御援助願いたいという考えで、目下関係方面と御相談をいたしておる次第でございます。
#19
○吉田忠三郎君 副知事さんの考え方は、私それでわかりました。わかりましたが、東京都として、一体この関係について、先ほどお答えになりましたように、かなり責任があるということばに私は聞き取れたのでございますが、その前提に立ちまするならば、私はこの経費というものは東京都が自主的に負担をしていくということについて検討されなければならないのではないかというしろうと的な考えが出るわけでございますが、こういう関係については東京都のほうは一体どのように検討されておるのか。
#20
○参考人(日比野七郎君) お話でございますけれども、先ほどの工事の責任と財源の点は直接の関係はないのでございますけれども、極力御援助いただきまして、もしそれがある限度がきまりますれば、他は私のほうでもって責任を持ちましてこれを完成したい、かように考えておる次第でございます。
#21
○吉田忠三郎君 そうしますと、あくまでもやはり、離島振興法に基づいて事業の計画をし、補助申請をして、補助金を一〇〇%三億一千万ちょうだいをしてやった工事であるから、その延長というたてまえで補助金を追加していただきたいと、こういう気持ちが非常に強い要望のように私は感ずるわけであります。
 そこで、副知事は、そのことについても関係方面と鋭意折衝されている段階だと、こう申されましたが、その関係方面というようなところはどのようなところでございますか。
#22
○参考人(日比野七郎君) 前からの御関係の航空局――運輸省の方々にお願い申し上げている次第でございます。
#23
○吉田忠三郎君 その他若干、この工事請負契約書、あるいは工事の仕様書、予算、決算について、まだ具体的に――ただいまこの席上で私は資料をちょうだいいたしたわけですから、十分計数的に判断をしておりません。あとあとこういう関係についてもお尋ねをしたいというふうに考えておりますから、いまのところは私は、他の委員の方々もたくさんおいででございますので、せっかく皆さんのほうは、都議会のほうの改選を終わったばっかりでございまして、非常に忙しい私は方々ではないかというように考えますので、そういうこと等も勘案いたしまして、他の方々に、ひとつこの際、東京都の参考人の方々にお伺いすることがございましたならば、私はしていただきたいというふうに思います。
 なお、あとで航空局の諸君にも、この段階でかなり明らかになった点がございますから、重ねて私は質問いたすことを委員長に申し添えておきます。
    ―――――――――――――
#24
○委員長(松平勇雄君) 質疑の途中でございまするが、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
#25
○国務大臣(中村寅太君) ただいま御紹介いただきました中村でございます。
 このたびはからずも運輸大臣を拝命し、運輸行政を担当いたすこととなりました。
 運輸省へ参りましてから、まだ日は浅いのでございますが、海陸空にわたる運輸行政には、現在各方面に重大な問題をかかえておりますことを痛感いたしている次第でございます。
 私は、運輸行政につきましては、まことにふなれでございますので、皆さま方の深い御理解と御支援によりまして、これらの重要な問題の解決に当たりたいと念願いたす次第でございます。
 この機会に、当面しております運輸行政の重要事項につきまして、私の所見を簡単に申し述べまして、皆さま方の御指教を仰ぎたいと存じます。
 まず、わが国経済の安定成長のかぎである国際収支の均衡をはかるため、海運、航空、観光等の貿易外収支の改善に努力するとともに、船舶、鉄道車両等の輸出の振興を強力に推進いたしたいと存じます。
 特に海運につきましては、企業集約に上り強化されつつある経営基盤のもとにおいて船腹の大量建造を中心とする一連の施策を推進し、貿易物資の安定輸送と国際収支の改善に寄与したい所存であります。
 航空につきましては、将来の国際航空路線の維持拡張には容易ならぬ困難が予想されますが、特に、年来の懸案となっております日航のニューヨーク及びそれ以遠乗入れの問題につきまして、八月十日から再び東京で交渉を開始することになっておりますので、今後とも国民的世論を背景に交渉に臨み、その実現をはかる考えであります。
 次に、港湾、鉄道、空港等の整備に関し公共投資を促進し、慢性化する輸送力の不足状態を緩和し、さらに将来の経済の発展に対応する輸送基盤を確立するとともに、地方開発による地域格差の是正をはかるための方策を講ずる必要があります。
 港湾の整備の問題につきましては、港海取り扱い貨物量の予想以上の増大等に対処して策定されました新港湾整備五カ年計画に基づく事業の促進を行なう所存であります。
 鉄道輸送力の増強に関しましては、国鉄において今年度から総額約三兆円にのぼる新長期計画を実施することとし、政府としても、これを強力に推進することになっているのであります。この計画を達成するため焦点となります所要資金の確保につきましては、財政投融資の拡大にも限度がありますので、運賃の改定に依存するほかなく、この計画達成のためには抜本的な改定の必要があると考え検討を進めております。
 なお、鉄道輸送網を整備するとともに、地域格差の是正に資するため日本鉄道建設公団による新線建設を一段と推進する所存であります。
 さらに、大都市における交通混雑は、依然として改善されぬまま大きな社会問題となっておりますが、運輸省といたしましては、地下鉄道を中心とする高速鉄道の整備、トラック・ターミナルの整備等の諸施策を引き続き進めてまいりたいと存じます。
 空港の整備につきましては、先国会において成立を見ました新東京国際空港公団法によりまして将来の航空の発展に対応する大規模な新東京国際空港の建設に着手するため、早急にその位置の決定を行ない、公団の設立をはかり、新空港の整備を促進いたしたいと存ずる次第であります。
 次に、運輸関係企業の経営につきましては、各運輸事業の近代化、合理化対策を積極的に推進し、あわせて運賃料金の適正化をはかりたいと存じております。
 特に内航海運の近代化、中小私鉄の振興等に関しましては、特段の努力をいたしたいと考えております。
 最後に、運輸行政の基本的使命であります交通安全の確保につきましては、従来から安全諸施策を強く実施してきたところでありますが、先日不幸にして大阪港内における遊覧船事故、国鉄品川駅構内の電車衝突事故等相次いで発生いたしましたことは、まことに遺憾に存じておる次第であります。
 今後、なお一そう、交通機関の事故防止対策を進め万全を期する所存であります。交通関係事業者に対しましては、安全最優先の思想を徹底させるとともに、交通従事員にはその使命に対する自覚を喚起したいと考えております。
 また、海上保安業務、防災気象業務等につきましても、その充実強化につとめ、災害の防止につとめてまいりたいと存じます。
 以上、運輸大臣就任にあたり、今後の運輸行政の方向について簡単に申し述べさせていただきましたが、皆さま方の特段の御協力を重ねてお願いいたしまして、私のあいさつを終わりたいと思います。
#26
○大倉精一君 いま大臣のごあいさつを承っておりましたけれども、海運、あるいは航空、鉄道、港湾、各般にわたった内容のお話がありましたが、私はいまの交通運輸に関して、路面交通というものが非常に重要な地位を占めておるのじゃないかと思うのです。この路面交通に対して、いまの御発言の中に一言半句もありませんので、私はこれから運輸行政の中で非常に重要な地位を占める路面交通について大臣はどういうぐあいに認識を持っておられるかという疑問をいま持ったわけです。ですからあえて発言をお許し願ったわけですけれども、これから路面交通は非常に大事ですよ。輸送量からいきましても、あるいはその他の諸条件から申しましても、いまの交通運輸関係で、路面交通というものはこれを除外しては私は運輸行政はあり得ないと思うのですが、いかがでしょうか。
#27
○国務大臣(中村寅太君) 路面交通等の点も、もちろん御指摘のとおり重要でございますけれども、あいさつの時間を制限しましたために落としたもので、決して軽視しているわけではございませんから、御了承願いたいと思います。
#28
○大倉精一君 特に私が申しましたのは、きょうはこの機会でありますから長い話はしませんけれども、路面交通は、非常に重要であると同時に、非常に混乱をしております。収拾のつかないような混乱状態になっております。これを放置しておくということは、非常に重要な問題を、将来に禍根を残すことでありますから、特に大臣、路面交通につきましては特段の関心を持ってこれから推進していただきたいと思います。要望だけ申し上げておきます。
#29
○委員長(松平勇雄君) それじゃ航空に関する件について引き続き質疑を行ないます。
#30
○瀬谷英行君 三宅島空港の問題なんですが、いまいろいろ資料をちょうだいしましたが、ここでこの資料全部に目を通して質問をするということも簡単にはできないことなんです。そこで、われわれはここに出された資料だけでもって想像してもわかりにくいことがあるわけですよ。たとえば、丘が出ておったから滑走路として不向きだというのですが、それは写真の資料でもあればまた別なんですけれども、それもありませんししますから、これはやはり一度実態調査をやらしてもらったほうがいいのじゃないか、こういう気がいたします。ですから、委員長においてこの三宅島空航の実態調査について計らっていただきたいということを、ひとつこれは提案をしたいと思うわけです。
 それから、東京都の方がせっかくお見えになったから、私は、これは実態調査をするということが前提でありますけれども、お聞きしておきたいのですが、ちょっとこういう何と言いますかばかばかしいことはあまり例がないような気がするのですよ。もちろんこの許可の責任は運輸省にもあるわけでありますけれども、東京都が気象調査及び地形測量を行なって、そうしてこの設置管理者になるわけですから、言うなれば、東京都が許可はもらって、金ももらって、実施については責任を持つという形になるわけじゃないかと思うのです。それが、でき上がってから使えませんというようなことは、普通ちょっと言えませんよ、そういうことは。しかも、でき上がってから、できませんからひとつお金のほうも追加してくださいというのは、虫がよ過ぎるような気がするのです。普通そうでしょう。うちをつくるのに、建築工事を請け負わして、うちができ上がってしまってから、玄関をつけるのを忘れたからうちへ入れない、あとからまた追加をして金をもらいたいなんて言ったって、これはちょっとできない相談です。だから、そういう点から考えると、道義的にも、あるいは都自体の責任においても、国庫の補助をこれ以上お願いをするというようなことをするのではなくて、東京都自体が、これはみずからの責任でありますから、この丘の除去の問題については考えるというのが私は順序じゃないか。万策尽きてどうにもしようがないから政府にお願いするというなら別ですが、東京都自身がやるべきことをやらずにおって、そうして初めから何もかもおんぶしてしまおう、こういう態度は、私は許せないと思うのです。だからそういう点、副知事おいでになっておりますけれども、この問題の始末をどのようにしておつけになるおつもりなのか、その点御答弁をいただきたいと思います。
#31
○瓜生清君 関連。私は、先ほどの質疑の過程を通じまして、責任の所在について簡単に御質問したいと思うのです。それは、いまの副知事の答弁では、設計図を作成する過程において測量その他に不注意の点があったということを率直に認めておられるわけでありますが、そういうずさんな書類をもって申請をし、運輸省の航空局がそれに対して承認を与え、しかも工事が終了して検査をする段階になって、小高い丘があるから認められない、こういう過程でこの問題は暗礁に乗り上げておるわけでありますが、東京都の責任はもちろんでありますけれども、そういうような、何といいますか、不十分な申請書に対して、十分な審査もせずして許可を与えた運輸省側の責任は一体どうなるのか、その点について御質問します。
#32
○参考人(日比野七郎君) 今後の仕事につきまして、どうもおしかりを受けまして、まことに恐縮でございます。都の立場を代表して申し上げるのでございますが、都としましても、できるだけの責任を持って、今後ひとつ一日も早く予算を編成いたしまして、この障害物を除去いたしまして、先ほど申し上げたとおり、完全な使用ができますようにいたす決心であります。それにつきまして、もしお願いできるならと思いまして、極力お願いしておる次第でございまして、その点ひとつ御了承を賜わりたいと存じます。
#33
○岡三郎君 いつまでにこの空港が使用できるようになるのか、その費用はおよそどうなのか、国のほうでやってもらえなければ都として自費でやるのかどうか、私は具体的に今後どうするのかと
 いう問題を含めて明確にしてもらいたい。
#34
○参考人(日比野七郎君) 私どもいろいろ今後の予算の編成についていま手続中でございますけれども、現在、都議会の構成からいいましても、私どもの定例会がございます九月に補正予算をお願いしたいと考えております。それが成立いたしましてから、先ほど申すとおり、大体三カ月でこれを完成したい、かような計画でございます。
#35
○岡三郎君 そうするというと、九月にやって、十月、十一月、十二月――今年一ぱいということですか。具体的に使用することが明確にできるのはいつなんですか。十二月の初めなのか、来年の一月の何日なのか、東京都の考え方をお聞きしたい。
#36
○参考人(日比野七郎君) ただいまの計算から申しますと、九月ですと、一月ということになります。実際、来年の一月中には完成させたいと考えております。
#37
○岡三郎君 その費用は概算どのくらいになると思っているのですか。
#38
○参考人(日比野七郎君) 先ほどお答え申し上げたとおり、概算でございますので、三千万円ちょっとかかるということでございます。
#39
○岡三郎君 現在、都のほうの責任者として、この問題について、一体いま言われたように全額国庫負担という安易な中でものごとが運ばれているのではないかという気がするわけですが、問題の処理のしかたとしては、ぐずぐずしたのは、でき得るならば、また最終的な仕上げといいますか、今後の費用についても国で持ってもらいたいという気持ちがあってぐずぐずしておったのかどうか、その点どうなんです。
#40
○参考人(日比野七郎君) できるだけ早くやはり予算補正が必要でございます。都といたしましても、いろいろ御承知のような事情でもって都議会の審議も実は延びております。最短の距離といたしますと、やはり九月の定例会に予算の補正を出したいと考えておる次第でございます。
#41
○瓜生清君 いまの副知事の答弁を聞いておりますと、先ほどは、できれば三千万円くらいのものを国庫補助でお願いをそれぞれの関係の局にしておるというお話でしたが、いまのあれですと、都の補正予算の中にその必要経費を組むというふうにお考え方が変わったわけですね。
#42
○参考人(日比野七郎君) これはやはり実行いたしますのは、都の予算として編成いたしますけれども、この財源につきましてひとつ御配慮をお願いしたいと、かようなお願いでございます。
#43
○相澤重明君 きょう、参考人をはじめ政府の者に出席してもらって、資料をもらったのですが、この前私言ったのは、運輸省はこういう問題は早く委員会に提出しなければいかぬということで前回私から申し上げたのですが、幸い資料が出てまいりましたけれども、都の場合、副知事が出席しておりますが、責任者はだれが当たるのですか。これは今後の問題もあるから、こういう問題を責任を持って解決する、まあ名義上からいけば東龍太郎君ということになるかもしれぬが、そんなことではほんとうの責任は遂行できない。だれが責任者になってやるのか、この点をお答えいただきたい。
#44
○参考人(日比野七郎君) 総括的には、ただいま申されましたとおり、知事以下われわれの責任でございますが、直接担当いたしますのは港湾局でございまして、港湾局に工事部を置きまして、そこでもって直接工事を担当させておるわけでございます。
#45
○相澤重明君 私は、副知事、ここは国会だからやはり答弁も慎重にすると思うけれども、こういう問題ができたときに、なるほど、現地の調査とか、あるいはそれに対する計画の末端の問題は、港湾局なら港湾局になると思うのです。しかし、やはりこれだけの問題になって、しかも各委員が言うように、年度内なら年度内に、あるいは本年のうちなら本年のうちに完成をする、早く国損をなくするように、都の目的を達するようにするというのには、やはりそれだけの責任体制をつくらなければいかぬと思うのですね。これは部局によって、いわゆる港湾局が担当するのだから港湾局にやらしておけばいいということでは、私はこれは承知できないと思うのです。したがって、副知事のうちだれがその責任者になるのか、あるいはどういうふうにこの対策委員会なら対策委員会を持ってそういうような運動を進めていくのだということくらいは、私は都の責任者は持ってしかるべきだと思うのです。そういうところがないところに、実はこの問題が早く解決しない、こういう印象を受ける。これは私の印象ですよ。ですから、せっかくあなたも御出席なんだから、今後ただ単に港湾局が担当でありますからというようなことでは、これはおざなりな答弁だ。したがって、これだけの問題を早急に処理をいたしますといういまのお話だから、それにはもちろん知事と相談をしなければいかぬだろうと思うけれども、しかし、少なくとも責任体制をつくるくらいの答弁がないと、これはもうなかなか了承できぬ。その点をいま一度あらためてお答え願いたい。
#46
○参考人(日比野七郎君) まことにどうも恐縮でございますが、私が港湾局の担当をいたしております副知事でございますので、今後全責任を持って解決いたしたいと思います。
#47
○木村美智男君 いまちょっと副知事にお伺いをしたいのですけれども、どうも答えていることがはっきりしていないので、どうやら言われていることが、何か先ほどのことでは、都議会が東京都の責任で自主的に予算を組んで、そうして、岡委員の質問もありましたように、大体三カ月程度かかって、三千万円のお金を使って、そうして一月には完成するようなお話に承るのです。なるほど、そうすると、東京都もすべて責任を感じて、お金を見つけ出して自主的にこの予算を組んでやるのかと思ったら、補正予算は都のほうで組むけれども、そのお金は国のほうからまあもらいたいのだという話にも聞こえてきたわけですね。そうすると、一体予算は、いろいろやりくりして何とか財源を見つけ出してと言われたこと、いま言ったことと考えてみると、さっぱりここで聞いていたのではわからぬので、もう一回そこのところをひとつ明らかにしてもらわないと、これはさっきの瀬谷委員の質問にも関連をするわけですが、やはりここでそういう答え方をして、運輸委員会が離島振興法に基づいてこの始末をすることについて予算的な了承を与えてくれたような理解をして帰られたのではたいへん迷惑だ、そこら辺をひとつ明らかにしてもらいたい。
#48
○参考人(日比野七郎君) これは、仕事といたしますと、先ほど来御説明申し上げましたとおり、これはどうしてもやはりこういう障害物を取りましてできるだけ早く飛行場の使用が全般的にできますようにするのが私どもの責任でございまして、その意味からして、都としても、できるだけと申しますか、必ずこの予算の編成をしたいと考えているわけでございます。ただ、先ほど来お願いいたしますのは、まあできることならば御援助を願えないか、かようなことでいまお話を申し上げているような次第でございまして、予算そのものの執行につきましては私ども全部責任を持ちましていくつもりでございます。
#49
○吉田忠三郎君 大かたの委員さんからそれぞれの質問がございましたから、私最後にさらに参考人の方にちょっと伺って、参考人に対する質問終わりたいと思うんですが、その一つは、本件にかかわる申請は、昭和三十七年十一月二十八日に申請をいたしたわけです。申請者は東京都知事東龍太郎、運輸大臣、こうなっているんですが、受付が三十七年十二月一日となっていますから、まことに超スピードぶりを発揮して、役人には珍しい受付が早い。まあ書類上はなっているんですね。そこで、それはそれとして、正式認可は昭和何年何月何日にその認可を受けたか、その認可期日、これが一つ。それから、財源の調達についてそれぞれこの申請書には明記されております。で、金の関係についてはもうすでにはっきりしておりますように、予算としては東京都が予算編成いたしますけれども、結果的には一〇〇%財源としては国の補助金に依存をしている、こういうことになっています。それから、それ以外の関係いたしてまいります物件の調達、とりわけ土地の調達の関係につきましては、三宅村村有地を寄付してもらえる、こうなっております。ですから、すでにこの滑走路ができて完成したわけですから、その村有地はここに明細されておりますように、すべてが寄付行為で行なわれたというふうに理解していいかどうか。それから、国有地がございますけれども、この場合、国有地におきましては、「空港整備法第十五条の規定により、無償貸付を受ける予定である。」、こうなっていますので、この予定がどのように扱われて、無償でかりに貸し付けを受けたとすれば、この関係についての書類があるはずだと思うので、重ねて恐縮でありますけれどもこの関係の資料を次回の委員会までに私は提示をしていただきたい、こう考えるわけであります。
#50
○参考人(日比野七郎君) 最初のお尋ねの、設置許可でございますけれども、昭和三十八年の二月二十八日に三宅島空港の設置許可をいただいております。
 それから三宅村の村有地でございますが、これは寄付を私ども受けてございます。
 なお、資料につきましては、ただいまの御要求のとおり作成いたしまして御提出いたすことにいたしたいと思います。
#51
○谷口慶吉君 関連。もらった資料によりますと、三宅局空港年度別予算決算明細書というのがありますね。そのトータルは二億八千七百八十九万九千二百六十九円となっている。これはすでに政府のほうから全額補助があったものですか、なかったものですか。
#52
○参考人(日比野七郎君) 全額ちょうだいしてございます。
#53
○谷口慶吉君 ちょっと一町の答弁で、皆さまがふに落ちないような印象を持たれますのは、できることなら引き続き国のほうで三千万円程度必要とする工事費をば補助してほしいのだがという御発言のようなんだが、離島振興法に基づく空港の設置については国が一〇〇%補助するのだというたてまえに立てば、その辺は国が出してくれるのがあたりまえだというお考えに基づいての御発言ですか、それとも、もし調査の粗漏の結果新たな事態が発生したためにやむを得ずこの空港を早期に使用するためには都が犠牲を払ってでも都が負担してもいいという御見解なのか、その辺がどうもはっきりしないようなんだが、どうなんですか。
#54
○参考人(日比野七郎君) 国庫補助につきましては、離島振興法によりますものは空港の施設につきましては全面的に先ほどお話いたしましたとおり一〇〇%補助をいただいております。
 ただ、今後施行いたします障害物の除却工事でございますけれども、これにつきましては、何か航空法によりますと、必ずしもただいままでの仕事とは性質が違うのでございまして、離島振興法によるとおり一〇〇%の補助をいただけるという性質のものではないように私ども伺っているのでございます。これにつきましては、当初からもしこの所在が確認されておりまして、計画を立てますときにこういうふうな設計について気がついておりますれば、当然当初から予算を上げなければならぬ性質のものだと思うのでございまして、空港の完成とそれから障害物の除却工事との間にギャップが生じましたことは、先ほど来御指摘のあったように、まことに申しわけなく存じておりますが、そういう関係もございますので、全体の空港の使用を完成するために、都のほうはできるだけ早く完成させたいと考えております。したがいまして、国庫補助につきましては、離島振興法による全額補助ということではなくして、地方団体といたしまして、できるだけ財政上の御援助をお願いしたい、かような意味で実はお話をしておるわけでございます。
#55
○谷口慶吉君 運輸省からもらった資料によりますと、三十六年度の予算で二十六が一千円の調査費をかけて調査をしておられる。その際に、進入路ということはきわめて重要なんです。少なくとも空港設置については、その際に、その障害物が将来問題になるというようなことの――あとでこれは航空局に聞こうと思っているんだけれども、三回にわたって調査しているんだが、その際に、今日問題になっているようなことは、話題にも、調査の中にもあったのか、なかったのか、そういうことについての御記憶でもございましたら、お知らせを願いたいと思います。
#56
○参考人(日比野七郎君) これは、先ほど来申し上げますとおり、まことに申しわけなく存じておりますけれども、丘のあったことは確認したようでございますけれども、これが空港の竣工後使用に支障があるほどのことを十分注意をすべきものをいたしませんでした結果こういうことを生じたのでございまして、当初実は気がつかないでやったということでございまして、その点まことに申しわけないと思っております。
#57
○吉田忠三郎君 ただいまの副知事の意見というのは、まことに私は重大だと思うんです。なぜかならば、きょうだだいまちょうだいいたしましたそれぞれの断面図を私ども見ているわけですけれども、その図の二でございますが、「空港整備事業計画図」の断面図です。これを見ましても、その問題となっています三十六メートルの丘なるものが記載されていないんですね。ここらあたりに私は問題があると思う。ですから副知事のお答えのようなことになるんじゃないかと思うんですね。ですから、ちょっといやなことばかもわかりませんけれども、当初からそういうものがあったけれども、しかもそのことが飛行場建設にも当初から障害になることはわかっておったけれども、国庫補助等々の関係でとりあえずやっておいて、あとでこの問題をひっかけて、またまた国庫補助の追加をお願いすると、こういうふうに受け取られてもやむを得ないようなことになっているんじゃないかというように私は思う。ですから、この際は、この断面図から見て、私も問題になっておりまする障害物はわかりませんから、この進入路の滑走路から一体何メートルのところにそういう障害物があるのか、ひとつ私は図で示していただかなければならないと思うんです。
 それからもう一つは、港湾局長もおります、計画をお立てになりました計画部長さんもおいでのようでございますけれども、私は、しろうとなら、ただいま皆さんのお答えで、「はい、そうですか」ということになると思いますけれども、いやしくも皆さんは、この三宅島の飛行場の建設だけに私は東京都としては当たったわけではないと思うんです。飛行場建設については、当然着陸帯から滑走路に対してどういう角度で、しかもその前方に対する障害物はどう排除するか、両サイドについてはどういう幅員を持った補助帯をつくらなければならないかということは、これはもうわかり切ったことなんです。ですから、それが当初からまことに申しわけないけれども気がつかなかった、あったことについては認めておりますと、まことにあいまいな答えで、どうも私ども頭の悪いせいか、理解できませんので、この辺をもう一回明確に私はお答えを願っておきたいと存じます。
#58
○参考人(日比野七郎君) 私のことばが足りませんで、たいへん誤解をいただき、まことに恐縮に存じておりますが、実は丘が初めにじゃまにならないというような――精密に設計すれば高さの点についてじゃまになったであろうというんですけれども、その点を測量と申しますか、その当時気がつきませんで、このとおりならば差しつかえないのではないかということで、まあ不注意と申しますか、そういう関係で見落としまして、竣工後になって御指摘を受けて初めて発見されたわけでございます。この点、まことに申しわけないと存じております。
 なお、具体的に図面につきまして、他の参考人から説明をどうぞお許しをいただきたいと思います。
#59
○参考人(奥村武正君) ただいま副知事の日比野さんがお答えになりましたのに続きまして、計画部長が補足いたしたいと思います。
 吉田先生からのいろいろな断面図のことでございますが、この断面の図面上には当該の小高い丘が、これは測量の地点の外にございまして、この図面の中には含まれておりません。この障害の小高い丘は、調査当時におきましては、障害物としては私どもは気がつかなかった。まことに遺憾な次第でございますけれども、丘は厳然として現在でもあるわけであります。これは進入角度三十分の一にひっかからないと思っております。測量はその地点までやっておりませんでした。その点につきましては、測量調査について非常にずさんでございましたことを明らかに認めておるわけでございます。
#60
○吉田忠三郎君 そこで測量外のことであるから、提出した膨大な図面をちょうだいいたしました中に全部記載されていない。この点はわかりましたから、私はここでは参考人ですからこれ以上のこと聞きませんが、しからば、その丘があることについては間違いがないとあなたもお認めになっているわけですから、滑走路から何メートル先にあるか、この丘が。
#61
○参考人(奥村武正君) 滑走路と申しますか、着陸帯の北のほうに約三百五十メートルばかりいったところでございます。
#62
○吉田忠三郎君 はいわかりました。そこで、着陸帯から三百五十メートルということになると、当然今日の航空法のたてまえから見ても、これは障害になるということはしろうとでもわかるはずなんですね。ですからそれを見落としておったということで、まことに申しわけないと再三こうべをたれているわけだが、私はそれは運輸省の監督機関にも関係ございますから、あとで運輸省にも質問するわけですから皆さんには申し上げませんが、少なくともこの間、昭和三十六年の六月に二日間、これは運輸省のわれわれの手元にきておる調査でございますけれども、調査係官が三宅島に出張いたしまして調査をしておりますね。それから三十六年の十一月に、これまた二日間調査官が今度は三名出向いて調査をしているわけです。それから翌月の十二月に一日間、これまた調査官が二名現地に出向いて調査をしているわけで、こうしたかかる検査は、先ほど同僚の谷口委員から申されましたから私はダブって申し上げませんが、いずれにいたしましても、かなりの経費をかけてかなりの専門家が三宅島におもむいて調査検討を加えておったことだと思うのですね。その段階で、一体いまの問題になっている丘がこれはしろうとが行ったんじゃないんですから、めくらが行ったわけじゃないので、運輸省の技術屋が行った。そのことでめしを食っている役人が行ったわけですね。ですからわれわれが行って物見遊山的にあそこに高い丘が見えますなどということで見ておったのではないと思う。ですから、そのときに一体その連中も全く気づかなかったものであるかどうかということですね。
 それからもう一つは、東東京都知事がこの申請をして、しかも空港の候補地を選定したときに、当然運輸省の監督官が参り、東京都の皆さんもおそらくや大名行列とは私は言いませんが、かなりの人間が随行してこの法律にきめられている三十九条、あるいは四十二条の最後にございますけれども、その範囲の各それぞれの条項に照らした立地条件なり、あるいは気象条件なり地質の状況等々も、私は調査をしたと思うのです。そういうときに、一体皆さんがいまおっしゃっているような全くあるにはあったけれども、気がつかなかったということで、この当時は済まされたのかどうか。この点をひとつ参考人にお答え願いたいと思う。
#63
○参考人(奥村武正君) お答え申し上げます。まことにいまになってみますると遺憾でございますが、その当時は障害物というふうには気がつかなかった、こういうことでございます。
#64
○瀬谷英行君 気がつかなかったというお話でありますけれども、その調査係官は地形等について、たとえば丘があったなら丘があったというありのままの調査をするというだけであって、それが飛行場としての条件に合っているかどうかという認定権までは与えられなかった調査官なのかどうかということですね、一つは。これはどうなんでしょう。飛行場として適しているかどうかということを認定する人はまた別であって、調査係官というのは、単に飛行場としての地形がはたしてどういう地形であったか、ありのままに調査をするというだけが任務であったものかどうか。その辺は調査係官の飛行場としての適不適の判断までをもまかせられておった調査係官なのかどうか。そうでなくて、その飛行場としての適不適の判断は、別の者がやるということになっておったのかどうか。この点も私お聞きしたいと思う。滑走路に丘があったのでは、飛行場としてこれはおかしいというのは、これは常識ですわね。これは別に専門屋でなくたってこれはわかる。だから、その点をどうも私気がつかなかったということでは、ちょっとわからないですよ、これは。あり得べからざる話なんですね。二十六万一千円という調査費を使っておりますけれども、このうち十七万二千円が旅費になっております。延べ六名でこのくらいの旅費を使ったのでは、別に大名旅行というほどのことではなかったと思いますが、この調査係官の調査の方法に落ち度があったのか。この調査の結果に基づく判断に落ち度があったのか。その辺一体どうなっているのか。この際おわかりになったら御答弁願いたい。
#65
○参考人(奥村武正君) この問題につきましては、運輸省のこれはむしろ担当かとも存じますけれども、私どもただいま三宅島飛行場につきましては、飛行場の建設につきましては、運輸省の御指導を仰ぎましてともに仕事をいたしてきた関係上、私どもの知り得た範囲内で御答弁申し上げたいと思います。昭和三十六年の六月に運輸省の担当者が三宅島にいらっしゃいまして、その際は滑走路の規模と、それから位置、方向というようなものを、大体私どもの担当官と現地で一応きめていただきまして、それで三十七年度の予算要求の内容をそこでつくったわけでございます。その次に、三十六年の十一月に飛行場課関係と無線課関係の方々、工務課関係の方々がいらっしゃいまして、やはり滑走路の位置、規模、方向等につきまして、これは工務的な立場から検討いたしていただきまして、ビーコンの位置だとか、給電給水、あるいは宿舎等の関係とか、そういうような調査をしてもらいまして、さらにそのときにはその翌月に行ないます、十二月に行なう予定になっておりました飛行調査の打ち合わせをその際やっております。それから三十六年の十二月に運輸省で飛行機を飛ばしていただきまして低空からの調査をやっていただきまして、出発、進入路、ビーコンの位置等の検討を行なっていただいたように拝聴しております。そういうことで、私どもは運輸省の御指導のもとで、常に現地では一体となって一緒にやってきまして、その過程におきまして、現在障害物として指摘されておるところは、ほんとうにその飛行場の進入に五メートルもかかる。実際に測量のときにその地点もいたしておれば、はっきりわかったでございましょうが、残念ながらその地点が滑走路のこれはまっ正面ではございませんで、進入方向と申しますか、滑走路からやや外に扇型に開く面の、滑走路方向から参りまして左手の、要するに山側の一番端っこの三百五十メートルのところが約五メートル、さらにそれから外側、要するに転移表面に約八メートルばかりかかる丘が、完了検査後の測量の結果発見されましたので、現地でいろいろ調査した場合は、どうしても測量の外になっておりますので、進入方向の直線の方向しか実際現地では見てないようでございますので、その際には何らの障害物も発見してなかったわけでございます。検査された地点におきましては、そのほうの立地条件は非常にでこぼこが多くてジャングルになっておりまして、なかなか見通しのつかないところでございますので、そういう点は、まことに現在では遺憾でございますけれども、発見できなかったというのが真相でございます。
#66
○浅井亨君 先ほど来いろいろと聞いてまいりますと、何だかほんとうにあやふやなようなこの建設に対しての問題でございますが、聞いておりますと、いわゆる進入表面とそれから転移表面と、こういうことについては、その設置については専門家が行かれたと思うのです。この二つが完全にできないようで、このようなものを建設していくということは、これは私はふに落ちないと思います。
 そこで問題になりますのは、その検査官、調査に行った方のいわゆる手落ちなのか、それともその調査に行かれた方を、こういう人が実際において今日まで経験が豊富でこういう人をもって適任者とするというわけで、その人に調査させたか。いわゆる調査官を任命された人々、またその調査官自身がミスであったのか、それを任命された方のミスであったか、この二つの面が考えられるのではないかと、こういうように思うのです。調査に行った方がミスをしたのか。調査に行かれた方は、りっぱな専門家を選定して行かされたのか、この二つを考えていいのじゃないかと思うのです。こんな子供だましみたいなことは私はないと思うのです。進入表面も転移表面もわからないで、そうしてそれが図面にもあらわれていなかったということは、こんなばかげたような話では、われわれは今後の建設問題に対してほんとうにこれはまかしておかれぬ。われわれしろうとをそこに参加させてもらってしろうとなりの意見を用いてもらったほうが、かえっていいのじゃないか、こんなふうに考えるわけです。進入表面と転移表面、これが根本なんでしょう。この根本問題を解決しないで、それをほんとうに知っていないような調査官であるとかというのじゃ、全くもってずさんもはなはだしい。調査員自体のいわゆるミスであったのか、その点はどうなんですか、これをお聞きしたい。
#67
○参考人(奥村武正君) この問題につきましては、東京都としてはお答えできないと思います、国の問題でございますので。
#68
○木村美智男君 この丘ですがね、初めのころのことをちょっと伺いたいのですが、何か草木が茂っておって、いま厳然としてあるというのは、当時は隠れているか何かして見えなかったのか、厳然とその当時からあったのか、それが一つ問題なんです。その辺だけもしかりに草木や何かに隠れておらなかったというのであれば、これは何のことかわからなくなるので、問題はあとで整地したところが、ぽかんと丘が浮き上がってきたということは、これはあり得ることなんです。そこら辺は草木がはえておったのかいなかったのか、その丘の周囲に。これは非常に幼稚な質問ですけれども、私は飛行機の搭乗員の経験があるので、そういう立場から聞くのですが、こんなことはほんとうにばかばかしい話なんですけれども、実際問題としてどうだったのか。当時草木というものは全然なくて、さっき言われたように厳然と当初からあったとすれば、これは何をか言わんやの話になってしまうので、そこら辺はきわめて良心的に伺っているわけですが、これが一つ。
 それからもう一つは、転移表面というのは、おそらく進入表面、こう来まして目測を誤ったり、あるいはいろいろ障害物があったりしたときには着陸せずに、その後またレバーを入れて着陸せずに再び飛び上がっていく、その幅を転移表面としてこれだけ余地を持っているわけですから、かりにこれが進入表面であろうが、転移表面であろうが三十六メーターも出っぱっているという話は、これは重大な問題なんですよ。進入表面なら、進入のほうにひっかかってなければよろしい、転移のほうならよろしい、こういうわけにはいかない、本来は。それはほんとうに安全ということを考えるならば、どっちにひっかかっておってもまずい問題なんですね。そこら辺の五メーター八メーターの問題は、どっちでもいいんですけれども、とにかくあなたのお話を伺っていると、どうもまっすぐ障害物もなしにうまいこと入って、まっすぐ入っていく分には差しさわりのないように聞こえますが、これはたいへんな問題ですから、そういうことをやっておったときには、気象状況の変化なりあるいは滑走路に障害物があったというような場合には、直ちにこれは事故になりますから、そういう意味でたいへん大事なんで伺っているわけです。その二つの面をひとつお答え願いたい。
#69
○吉田忠三郎君 関連して伺ってみます。いま同僚の木村委員は塔乗員の経験者で専門的に伺って、私も非常に拝聴したわけでございますけれども、大体先ほど来のお話を聞いておりますと、全く当初から気がつかない、相申しわけないという一点ばりなんですね。そこでそういうことがこの世の中に通るか通らぬかということでいろいろ伺っているわけですが、東京都の図面にはありませんけれども、きのう、おととい運輸省から私どもに提示された図面には、そこからごらんになって見えるかどうかわかりませんが、滑走路から赤で示されて北側の三百五十メートルのところには、問題の障害物があるわけです。そこで東京都の皆さんに伺いますが、飛行場を建設する場合には、ただ単に滑走路であるとかエプロンであるとか、空港ターミナルを建設しても、飛行場とは言えないと思うのですね。ただいま木村委員も申されたように、すべて安全性が第一に考えられるわけですから、航空法という法律に基づいて建設施工しなければならないことは、皆さん御承知だと思うのです。で、私はその前提に立つと航空法の定義の二条の六項にただいま木村委員が申された進入区域という定めがございます。これは滑走路の両端から具体的に三キロ、三千メートル前方が進入区域になります。しかも、幅が三百七十五メーター、こういうことが法律に記載されているわけでございますので、この法律をひとつ皆さんが順法されてこの建設に当たったとすると、三千メーターどころか三百五十メータというのは滑走路の目先の問題になってくるわけで、明らかに私は法律違反もここで一つ犯しているのではないか。しかも、そのことよりも、当然三百五十メーターというのは目先でございまして、しかも、進入路から航空機が着陸帯に降下をする場合に、全く瞬間的に着陸しなければならぬ地域なんです、これは。そういう重大な事柄が法律にきちんと示されているわけでございますけれども、それがどうも気がつかなかった、見落としておったということは、どうも私には理解できない。ですから、この法律をどう踏まえて皆さんは建設に当たったかということについて、私はお答え願いたいと思う。木村委員の質問に関連して答えていただきたいと思う。
#70
○参考人(奥村武正君) お答え申し上げます。
 まず第一に、あの丘はどういう状態であったかというお話でございますが、先ほど申しましたように、現在地点の飛行場着工地点は、非常に起伏の多いところで、ジャングルになっておりまして、しかも、丘のほうへの見通しがきかなかったというふうに、私は現地のほうから聞いておりますので、この点につきましては、まあ測量不十分、調査不十分ということで、これは依然として申しわけなかったと感じております。
 それから、航空法に基づく進入区域三百五十メーターということは、滑走路の目先ではないか、こういう目先に障害物があるということを知らないで、工事をやるということは、法律に対してどういう認識を持っておるか、こういう御質問と承りますが、私どももちろん航空法に基づきましていろいろな設計をし、調査をしたつもりでございますが、残念なことには、その障害物がその当時発見できなかったということは、これはもう事実でございます。完了検査後に障害物があるということがわかったということは、航空法に対して違反でございます。これに対しては、早急にそれを除去することにいたしたいと思います。
#71
○吉田忠三郎君 そうしますと、これはあくまでも法律は承知しておったけれども、そのことについては完成後に発見した。何が何だかさっぱりわかりませんがね。そこで、現状しからばこの法律を踏まえて、三千メーターの幅は三百七十五メーターにして、進入面の勾配が三十分の一ということが規定されておりますよ、法律の二条の六項で。ですから、今日そういうきちんとした計算があって、丘の問題は別にして、その他の関係がこういうふうに全部完成されておりますかどうか。この進入路というのは、面で見た場合に勾配が三十分の一になっておりますね、法律では。航空法の二条の六項に示されている。そのようになっているかどうかということです。丘の問題も、あなたは見落としたということで、さっぱりわけがわからぬことを言っていますが、それは別として、それ以外の部分について、法律の三十分の一の勾配になって着陸帯ができているのかどうか、この点をひとつお答え願いたいと思います。
#72
○参考人(奥村武正君) お答え申し上げます。この障害物を除きましては、全部三十分の一その他の法律どおりになっています。
#73
○岩間正男君 私は発言しまいと思ったのですが、どうしても聞いておかなくちゃならぬのですが、第一に、事前調査を東京都としてやったかどうか、この点についてはっきりさせてもらいたい。
 第二には、運輸省で調査官を派遣したのですが、この人の身分はどういう人か、どういう専門家か、それからどういう調査をしたのか。
 第三に、調査したあとに報告書を出しておるだろうと思う。まだ出していないといえば、これは怠慢ですからね。この報告書をここに出してもらいたい、資料として。なぜこういうことをお聞きをするかというと、この問題がこの事件の焦点ですよ。事前にこういうようなずさんなやり方で、そうしてあとで全部その資料をまた国に持ってくるというようなやり方をやっておったんでは、国政の運営上これはたいへんな問題ですよ。重大な問題です。問題の焦点はそこにあると思う。事前にこういうようなずさんなやり方で、しかもこんな問題を起こす。三十六メートルの山というのは、何ぼ見たってそれは発見するでしょう。そうでしょう。目に入れて痛くないというようなものじゃない。明白だ。ジャングルがあろうがなかろうが、そんなことは、これは夏の夜の怪談でもの笑いだ。国会でこんな論議しているのおかしいくらいのものだ、この前に言ったように。だから、運輸省としても、その係官の名前も書きなさい。身分、専門。これは同時に東京都のほうの事前調査の有無。あったとすればどういう調査をやったか。それで、それを運輸省に申請するときに、その事前調査を、少なくとも調査書をつけないでこれは申請するわけにはいかないはずだ。明確でしよう。この物的証拠を明確にしてもらいたい。そうすればこれは一番はっきりする。この点についてまずお答え願いたい。
#74
○参考人(奥村武正君) 東京都の空港の設置許可申請にあたって、どんな調査をしたかという御質問に対しましてお答え申し上げます。この調査は、東京都のやりました調査は、この地点の風、気象現象と申しますか、風向き、風速の調査を約一年間やっております。さらにこの空港の施設の設計をやっております。それから、これは土工を相当量やりましたので、土工量の算定をやりました。それから、その付近の土地の所有者別の境界の確認に重点を置きました地形測量、要するにこういう空港施設の設計、土工量、それから土地所有者の境界確認に重点を置いた地形測量を行ないました。それだけを東京都でやっております。その資料は全部許可申請書類の基本になっておるものでございます。
#75
○大倉精一君 どうもこれは初めから聞いておって、何かばかばかしくて、わけがわからぬ。これは間違っておるに違いないのだが、何がどういうように間違っておるのか言わなくても、飛行場をつくって飛行機が飛ばないのだから、これははっきりわかっておる。山というのは、私も飛行場設計見たことありますけれども、どんなしろうとでも、まずもって障害物を見るのですよ、障害物を。林があるか、山があるか、それとも何か、いまのあなたの話だと見えなかった。それ飛行機で見たのでしょう、飛行機で。
 で、私はこの際そういうことはやめて、一体だれがどんな責任をとのるか。責任者はだれとだれか。どういう責任をとるか。これ一ぺん聞かしてもらいたいと思う。責任のない人に質問してもしかたがないのだから、どうですか、どこに、だれに責任があるのか。
#76
○参考人(日比野七郎君) いろいろ御指摘になりまして、もう当時の設計その他のミスがだんだんあとからわかってきたわけでございますけれども、やはりこれはまあ公務員としてやっぱり当然やるべき仕事が注意が足りなかったという点は、やっぱり責任免れないと思います。三年以前のことでございますので、こういった点につきましては十分調査いたしまして、責任者につきましては、私どものほうでよく調査いたしまして、また適当な措置を考えたいと思っております。
#77
○大倉精一君 まあ、いま岩間君がいろいろ資料を要求しましたけれども、資料が出てくれば責任がわかると思いますが、まあ決裁をした上のほうの人、これがそういう障害物等についての確認をしておるかどうかということの問題ですね。あるいはさらにそういう決裁を立てるための資料を提供しておるはずなんですけれども、そういうのはだれだということですね。これがはっきりしないと、どうも何ぼ質問を繰り返しても始まらぬですよ。これは委員長、責任の所在というものをはっきりしてください。これは一番上ばかりじゃないんですよ。ずっとやった関係者全部はっきりしてください。
#78
○委員長(松平勇雄君) ただいまの岩間委員から要求の資料は提出願いたいと思いますが……。
#79
○参考人(日比野七郎君) 資料につきましては、私のほうで調べまして御報告申し上げたいと思います。
#80
○政府委員(佐藤光夫君) 前回の本委員会で御説明申し上げましたように、それぞれの任務を持って調査をやっておりますので、その間の関係は、いましばらく時間をおかし願いたいということを申し上げて、実は御了承いただいておったつもりでございますが、なお当時の調査の詳細その他については、御要求がございますので、資料を調製いたしたいと思います。
 ただここで申し上げておきたいと思いますのは、先ほど都のほうからお話がございましたように、三十六年に行ないましたのは、補助事業のための工事の概算算出調査というようなそれぞれの調査の目的等もございますので、それらの詳細について、なお十分調べる時間をいただきたいと思う次第でございます。
#81
○金丸冨夫君 ちょっと一言再参考人の御意見をお伺いしておきたいのですが、先ほどからいろいろ委員からの質問に対してお答えを聞いておりますと、どうもはなはだしろうとがしろうとのようなことをやったような形で、実に何が何だかわからないようなことですが、皆様方のこの計画課で、航空関係のこの空港の工事なんかはやったことがすでに、ありますか、ありませんか。今度が初めてですか。その点だけお聞きしておきます。
#82
○参考人(岡素夫君) 空港といたしましては、八丈島と大島の空港を前にやった経験があるわけでございます。
#83
○谷口慶吉君 日比野参考人に伺いますけれども、どうもあなたの答弁を聞いていると、あいまいな点があってしようがないのですよ。現時点においては三宅島の三種空港としておつくりになったものは、これは使用不能の、したがって極端に解釈すれば飛行場にあらず、使用不能のものを飛行場と考えられるかどうかということが問題になると私は思う。そこで障害物があって、それが三十五メートルの丘陵であって、それを五メートルカットしなければ進入できないというその工事が、飛行場以外の工事だというような御答弁をなすったんだが、いまでもそうだとお信じになっておりますか。
#84
○参考人(日比野七郎君) 先ほど来お話がございましたが、進入路に当たりますところの障害物でございまして、そういう意味では、いわゆる飛行場施設の外でございますけれども、航空法によりまするところの進入路に当たりますところの障害物でございます。
#85
○谷口慶吉君 そうだとすれば、これは東京都をかばうようだけれども、結局はこれを付帯工事としてやる場合には、やはり離島振興法に基づく補助の対象になりはしませんかという気がするんですが、その御判断をはっきりしておきなさいよ。
#86
○参考人(日比野七郎君) 私もまだ詳細に調べておりませんですけれども、離島振興法によりますれば、全額補助でございます。ただ航空法のたてまえから申しますと、必ずしもいままでの仕事と同じような性質の仕事ではない、つまり飛行場施設そのものの仕事ではないという見方でございまして、先ほど御説明申しましたのは、そういうわけでございまして、従前やりました飛行場プロパーの仕事のほかに、進入路にあります障害物の除却工事は同種の仕事ではないような御見解のようでございまして、その点を申し上げておきます。
#87
○谷口慶吉君 じゃ航空局長に伺いますよ。法に基づくその条件が備わらなくても飛行場であると断定ができるのかできないのか、それはどうなんです。
#88
○政府委員(佐藤光夫君) これは設置許可をしたものが、完成検査を完了しなければ、飛行場として扱うことができないと思います。
 なお一言、先ほどの御質疑に関連して申し上げたいと思いますが、空港整備法に基づく補助対象事業は、御承知のように空港整備法第九条で、「一般公衆の利用に供する目的で滑走路、着陸帯、誘導路又はエプロンの新設又は改良の工事を施行する場合」、それから一般公衆の利用に共する目的でそれに付帯をする施設の工事をするということに補助対象が定められておりますので、あるいは東京都のほうではそういう趣旨の御説明をなさったんじゃないかというふうにわれわれは了解しております。
#89
○谷口慶吉君 じゃもう一度伺っておきたいのですが、そうすると今度新たにどうしても工事をやらなければならない、その工事の経費というものは、補助対象外なのか対象内なのか、その辺の御判断はどうなんですか。
#90
○政府委員(佐藤光夫君) その点につきましては、先ほど来東京都から御説明がありました具体的の事案に関係しますので、われわれとしても鋭意財源その他について東京都とよくお打ち合わせをしておる段階でございます。工事の内応によると思いますが、一般的に申し上げまして、単に障害物の除去工事というものは、空港整備法のたてまえから直接には補助の対象になりにくいものじゃないかというふうに考えております。
#91
○谷口慶吉君 そうおっしゃれば、今度は責任という問題に入っていくのですけれども、先ほど東京都の港湾局の部長の御説明によれば、三十六年十二月の最後の調査の際には、航空機による調査をしておられるのですよね。その際に三十五メートルあるその山がやがて障害物になるやもしれない、現時点においてはそれが障害物になっておるのだ。ところが調査をされたことの調査が完全でなかったということだけはお認め願えますか。
#92
○政府委員(佐藤光夫君) 前回の委員会でも申し上げましたように、各種の調査をいたしたわけでございまして、その際になぜいま御指摘のような障害物その他が十分発見できなかったかという問題があるわけでございます。ただ先ほどもちょっと触れましたように、そのつど調査の目的その他が異なっておりますので、はたして具体的にその行きました者が、そういうものに触れるかどうかという問題があるわけでございますが、概括的に、全体的に申し上げまして、当然こういうような事態が早期に発見されて、本院の御審議をわずらわすようなことにならないように、われわれとしても当然すべきであった。したがいまして、その答えから逆に持っていきまして、どういうところに具体的に問題があるかということを、いま鋭意調査をしておるという段階でございます。御指摘の十二月の調査は、航空機による低空飛行を行ない、出発、進入方式、ビーコンの位置等の検討を行なったということになっておりますが、これは項目だけでございますので、なお内容その他について、よくわれわれが調査をする時間をお与えいただきたいと思っております。
#93
○委員長(松平勇雄君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#94
○委員長(松平勇雄君) 速記を始めて。
#95
○吉田忠三郎君 ではそういうことに、皆さんの御要望ですから、ただいまから航空局のほうに伺っておきます。
 一昨々日も御指摘をしましたが、航空局のほうは、事前にこういう障害物があるので、きわめて心配であるから、これの配慮についてといろ注意を喚起した。ところが都のほうは、そういう注意は受けていない。こういうまあ質問をしたところが、航空局のほうは注意をしたと、航空局長が本委員会で弁明をいたしました。きょうだだいま参考人に伺ってみたところが、そういう注意は残念ながら受けておりません、こういうことが明らかになりましたので、この関係は、一体われわれはどう受け取ったらいいかということについて、非常に私は疑問を持っておるわけです。あらためてこの関係を、航空局として監督する責任がありますから、ひとつお答えを願っておきたいというふうに思います。
 それから中間検査について伺ってみましたところが、中間検査は一回も受けたことはない、こう言っております。そこでですね、法律的に一体空港を建設する場合、中間検査があるかないかということについては、法律に具体的に明記はしておりません。ですから法律にないから、中間検査はしなかった、こう言われればそれまででございますけれども、航空局長御承知のように、航空法の第三十九条には、それぞれ申請されたものについては、この審査をしなければならぬことが明記をされております。この精神から考えて見ますれば、第四十二条に今度移行しますけれども、四十二条では、それぞれ十分検査を行なって、合格したものについて、今度は使用、供用の指示をする、こういうことになっておりますので、私はどうもこの関係については、航空局の私は怠慢ではなかったかと、まことにでたらめな調査なり、その間における監督指導をしていたといっても、私は返すことばはないと思う。この関係をもう少し明らかにしていただきたい。
 それから、きょう提示されました現地の調査のことでございますけれども、先ほどもちょっと参考人に伺ったわけでございますけれども、はたしてこの報告書どおりに調査官が派遣されて、この調査をしておる。しかも十二月の一日間は、実際の飛行検査をやっておる。飛行調査をやっているわけで、そこでこの飛行調査をやって、しかも進入路は、そのときの気象条件が伴ってまいりますから、北側からつまり進入したか、あるいは南側から進入したか別として、ただ単に遊覧飛行をしたわけではないと私は思うのです。ですから、すべてのこの検査の意味も兼ねた私は調査飛行だと思う。そのときに参考人の意見をいろいろ聞いてみますと、航空法に基づいて、飛行場の定義たる二条をふまえて、滑走路前方三千メーター、しかも第七項にありまする三十分の一の勾配で完全に建設されています。こう言っておるわけですから、目先にありまするわずか三百五十メーターくらいのこの丘がそのとき一体発見されなかったのかどうか。検査はつまりそのあとからになっていますから、この三十六年の十二月に行なわれた飛行調査で実際発見されなかったのかどうか。この関係を私は明らかにしていただきたいと思うのです。
#96
○政府委員(佐藤光夫君) 前回吉田委員のお尋ねにそういう問題があったかと、運輸省の説明と東京都の何か話が違うように新聞報道されておるがというようなお話もございましたが、その件につきまして調査をいたしました結果、今回東京都が、先ほど御説明がございましたように、私のほうから具体的に、あの丘は心配だというようなことを申し上げた事実はございません。したがいまして、それらの関係については、東京都と私のほうと違っておる点はないと考えます。ただ御承知のように、航空法の施行規則の七十七条の四項に付近図の規定がございますが、この付近図の規定で、「地理調査所発行の二万五千分の一又は五万分の一の図面に予定する飛行場の進入表面、転移表面及び水平表面の上に出る高さの物件、これ等の表面に著しく近接した物件並びに進入区域を明示するものとする。」という必要な手続がきめてございますので、この趣旨に沿って一般的な御注意は申し上げたということはあったようでございます。
 それから第二の点でございますが、航空法に基づく中間検査ということはいたしてございません。ただ三十八年度の補助金の完了認定をするために、四十年の二月の十日から十二日の間現地に調査に参っております。この調査の際も含めまして、ただいま御指摘の三十六年十二月の飛行調査等でこの障害物が発見できなかったかという御質疑でございますが、はなはだ残念ながら、当時の調査においては、その障害物を発見しなかったというのが事実でございます。
#97
○吉田忠三郎君 いまの航空局長の御答弁で明らかになった点は、注意はしなかった、こういうことですから、これはまことに怠慢もはなはだしいと私は思う。しかし後段で、一般的に、つまり法律の示すとおり、進入区域、あるいは進入表面、さらには転移表面等等については注意はした、こう言い切っておるわけです。
 そこで、今度は東京都の参考人の皆さんにお伺いしますが、いま航空局長が具体的にそれぞれ明確に答弁しておるわけでございますが、その中に、進入区域というものと、それから進入表面、転移表面というものがあるわけですから、それの注意を受けたということになると、一体東京都が進入区域の中にあって、しかも進入面が三十分の一の法律に示される勾配で工事施行していたら、三百五十メーターの目鼻にこういうでかい丘があるということは、当然発見されなければならないことではないかというように考えるが、この点はどうその注意を受けとめておったかということです。
#98
○参考人(奥村武正君) お答え申し上げます。この進入路上の障害物について、障害物であるということがわかったのは、完了検査後でございました。工事中におきましては、私ども申請当時におきましても、障害物はないということで申請書を出しておりますし、また工事中におきましても、それ以外障害物は発見できなかったわけでございます。でございますので、法律的に見て進入路の中に、あるいは転移表面の中に障害物があれば、これは撤去しなければならないことは事実でございますが、それは完成までには障害物として認め得られなかったということでございます。
#99
○吉田忠三郎君 いまの答えでは、飛行場が完了検査を受けて、その受けたあとに障害物を発見したのである、こういう答えですね。そこでいま航空局長に聞いたら、その以前に、つまり進入区域、進入表面、こういう一般的な注意を与えておる、こう言っておりますが、あなたのほうでは完了検査前にそういう注意を受けていなかったのですか。
#100
○瓜生清君 関連。先ほどの都の答弁では、障害物の注意受けた事実なしと、こういう御答弁だったんです。したがって、航空局長のお話との間には非常に大きな相違があるんです。これははっきりしてもらいたいと思うんです。
#101
○参考人(奥村武正君) 先ほどの、これは私のほうの答弁いたしましたのは、運輸省から具体的にあの地点が障害物であるという注意を、格別航空局から与えられなかったということを申し上げたわけでございます。それに対しまして、運輸省も、それは事実であるとおっしゃいましたが、それ以外に一般的に障害物があるかどうかということをよく注意せよという一般的な注意は、これはもう運輸省としても当然でございますし、私どももそれを十分注意しなければならないことは当然でございます。遺憾でございますが、その一般的な注意のもとにおいて、私のほうは工事をやったつもりでございましたけれども、不幸にしてそういうものが出てきたという結果でございます。
#102
○吉田忠三郎君 あなたは、そういうつもりで工事をしておったということなんですが、つもりで私は工事されるべき性質のものではないと思うのですよ、この種工事というものは。そこであなたに伺いますけれども、先ほど伺いましたならば、法律に基づいて進入面については三十分の一の勾配で完了していますと、こう言っているんですから、しかもそれは完了しているということになれば滑走路面から三千メートルのところまで勾配で完了しているということになるのですよ。しからば滑走路面から三百五十メートル先にこういうでかい障害物があるということが、一般的にこの関係についてあなたは航空局から注意を承りましたと、こう言っているわけですから、飛行場には絶対このことが必要なわけでしょう。これは必要なわけですね。しかもあなた方は三千メートル先まで工事は完了しておりますと、こう言っているんですから、その段階でこういう膨大な、重大な障害物が発見されませんでしたということが、一体世の中に通用しますか、どう考えていますか。
#103
○参考人(奥村武正君) これは結果として、はなはだ残念でございますが、その当時の努力が足りなかったと申しますか、調査不十分でございまして、こういう結果を招いたのは、まことに申しわけないと思います。
#104
○木村美智男君 事情を明らかにすることが一つと、あとで繰り返すようなことは、こういうことが運輸委員会で何回もあってはいけないということも含めて、もう少しお伺いするのですが、完了検査後というのは、完了検査で発見をしたというなら、これはまたわかるのですけれども、完了検査を終わったあとでわかったということは、具体的にどういうことなのか、ちっともわからぬのですが、これは一体、だれかその辺で、見にいったところが気がついたような話にもとれるわけですけれども、これはひとつ完了検査が終わったあとでわかったというのは、具体的にどういうことを意味しているのか、これが一つ。
 それからこれは運輸省のほうですけれども、飛行調査をやった際に使った機種は一体何を使ったか、ヘリコプターでやったのか、それとも一枚の赤トンボみたいなものでやったのか、それとも大体いま飛んでいる、この三宅島の滑走路は千三百ぐらいあろうと思うが、そういうようなところに使用できる機種でやったのか、それとも、ただやり方としては、ぐるぐると上を回って終わりにしたのか、実際に滑走路からすべり出して、そういう実証的な調査をやったのか、ここら辺のところをやはり明らかにしてもらわないと、単に、今後形式的に飛行調査というものが行なわれるということであっては、こういう問題というものは何回も繰り返すことになる。そういう意味で飛行調査に使った機種、それからやり方はどういうものか、ただ飛んだのか、それとも実証的に滑走路を使ってやったのか、そういうことについてひとつお答えいただきたい。
#105
○参考人(奥村武正君) この障害物がわかりましたのは、昭和四十年六月二十二日から二十四日に行なわれました運輸省の完成検査の際に担当検査官から、この飛行場についての一般的障害物についての測量調査の依頼があったわけでございます。そこで東京都といたしまして、至急現地で現地の担当者が測量をやりまして、これには約四日間ばかりかかったと思いますが、非常にジャングルでございますので、日数がかかりましたが、結果は、着陸帯の北方三百五十メートル付近の進入表面及び転移表面上に小さな丘があったということと、その丘が五メートルないし一番転移表面の高いところで八メートル程度かかるということがわかったわけでございます。
#106
○政府委員(佐藤光夫君) 飛行調査に使用しました機種は、ダグラスDC3でございます。通常この種の飛行場に、滑走路に使用できる機種でございます。ただ、本調査を行ないましたのは、三十六年の十二月でございますので、まだ、滑走路等は完成いたしておりませんので、現実に着陸等はいたしておりません。当時調査いたしましたのは、低空飛行を行なう出発、進入方式、ビーコンの位置等のことが報告されております。
#107
○木村美智男君 いまの航空局長の答弁だと、これはいわゆる飛行場が実際に使用される段階になったときに使えるのか、はたして使えないのか、そういう意味での飛行調査にはなっていない。そういう調査をしている限りでは、こういう障害物は発見できないのはあたりまえです。こういうところを、これは今後の問題として十分注意をして、もっと先ほど私申し上げたのですが、実証的に、もしそういうことで、そのときの調査が終わったとすれば、完成検査の際には、当然DC3をもう一回飛ばして、そして滑走路はどうであるか、実際に飛び上がるのに支障がなかったのかというところまでやらなければ、これはほんとうの調査というものにはなっていかないと思うのです。これはいろいろ航空法その他の関係が出てくるとすれば、今日多少不備な点もあるから、そういうようなものも含めて、もう少し厳重にしないと、実際にはせっかくの飛行調査というようなものも、これは有名無実になってしまって、何ら調査の目的にこれは沿わない、そういう意味で今後のためにこれは一言申し上げておきます。
 それから都のほうですが、完了検査が終わったあとというお話が、いま言われたように一般的障害物の関係の調査というものは、これ以前には都自体もやってなかったし、運輸省からもその指示を受けたことはなかった、こういうふうに理解していいんですか。初めて完了検査やったあとでそういう指示があって、そこでやった結果この障害物を発見した。それ以前においては、都自身もそういう一般的な障害物の問題についての調査もしなかったし、監督官庁の運輸省からもそういう指示を受けていなかった、こういうふうなことに了解をしてよろしいんですか。
#108
○参考人(奥村武正君) そのとおりでございます。
#109
○浅井亨君 先ほど聞いておりましたら、あなたのお答えで、これは調査官自体の責任か、それとも調査官自体、先ほど聞いておりますと、過去にも八丈島の飛行場を建設した経験があると、こういう御答弁がありましたが、そうすると、そのときに行った方がこの調査に行ったのか、地形調査に行ったのか、そういう行った人のミスであるか、そういう調査官というものをほんとうの飛行場建設の目的からりっぱな方を踏査さしたかという、そのどちらにあるんですかと言ったら、東京都としてはこれは答えられないと、こういうようなお話であったように思うんですが、これは運輸省のほうでお答え願えますか。
#110
○政府委員(佐藤光夫君) 先ほどからしばしば申し上げておりますように、三十六年度から御指摘のように運輸省から調査に参ったわけでございます。それぞれ調査の目的を持ってここに参っておるわけでございますが、そういうような、なぜこういうような障害物を発見できなかったかという問題が御指摘のようにあるわけでございます。ただ非常にむずかしいと思います点は、それぞれの使命を持ってやっておりますので、その間の関係をもう少しく詳細に調べませんと、その関係がはっきりいたしませんので、若干お時間をいただいて調べることをお許し願いたいということをお願い申し上げたいと思います。
#111
○浅井亨君 ここのところを見ますと、この調査は、地形調査とか測量とか気象調査とか、これは東京都が管理者となってやっているんでしょう。
#112
○参考人(奥村武正君) そうでございます。
#113
○浅井亨君 そうすれば、あなたのほうで調査さす人員をこういう人に認定する、過去にもこういう経験があるんだから、こういう人を認定しようと、そういうふうにきめたのとは違うんですね。それでなければおかしいじゃないか。責任がどこにあるかがさっぱりわからない。
#114
○参考人(奥村武正君) 東京都におきまして調査いたしましたのは、先ほど申しましたように、気象観測のデータの整備でございます。それから現地の地形測量でございます。現地の地形測量は、一応これは測量会社に委託いたしまして、測量をいたしました。その結果を、私ども申請書類なり工事用に使用したわけでございます。
#115
○浅井亨君 先ほど聞いていますと、運輸省のほうでは、いわゆる進入表面とか、または転移表面ですね、こういうことについていろいろな指導をせられたと、注意を与えられたと、こういうふうに聞いておるんですが、いま先ほどから見ますと、図面にも出ていないというような、そんなずさんなことが私はどこまでもないと思うんですよ。そうすると、過去にはこういう八丈島でやった経験があるとかなんとかいったって、これは何にも役に立たないことをやっているんじゃないかと、いわゆるこれは日本の離島振興上の問題として国で全部全額負担するからというようなところから、ずさんな考え方をお互いに持っているんじゃないかと、こういうふうに私は思うんですよ。両方ともがもっと真剣にやらなければならない、こういうところから考え合わせますと、ほんとうに国民のいわゆる税金をむざむざ使われているという気持ちが、何としても私どもには納得できない。こんなばかな話は絶対ないと思うんです。そして私のほうでは、その調査官とか、そういうものの認定について誤算がなかったか、どちらのミスだったか、これを明らかに国民の前に証明して、こういうわけだということを明らかにしていただいたほうがいいんじゃないかと思います。それを東京都のほうでは、それは答えられないとか、運輸省ではどうだとか、何だかわけのわからぬような御返事では私も納得できない。それについてひとつ両方とも御答弁願いたいと思います。
#116
○政府委員(佐藤光夫君) 御指摘のように、多額の国費をかけて建設したものでございますから、これが有効に活用されるようにするというわれわれとしても責めを持っておるわけでございますから、当然それについての責任をわれわれは感じておるわけでございます。ただ先ほど来だんだん御指摘の具体的なものが、どういうふうなことをやって、それについてどの程度責任を負わせたかという御質問でございますので、それについては、もうしばらく時間をおかし願いたいということを申し上げておるわけであります。全体として、東京都とともに、これを完成をさせ活用させる責任をわれわれも持っておるというふうに考えておる次第でございます。
#117
○浅井亨君 ですから、この東京都が管理者になりまして地形測量、このほうは東京都でおやりになったんですね。だから都のほうに責任があるわけですね、全体的に。運輸省としては、それはいろいろと注意をしたと、だけれども、注意が行なわれていたかいなかということについては、確認はしてなかった、こういう責任があるわけですね。
#118
○大倉精一君 どうも、念のために聞きたいんだけれども、三十五メーターの丘が三百六十メーターの所にあったというのだね。気がつかなかったというのだね。三百六十メーターというとすぐそこなんだ。しかも三十五メーター、林の中に丘があったといっても、林の中に隠れていれば林そのものもだめなんだ。それで私は聞きたいのは、丘があることはわかっていたんだけれども、それは障害ではないと考えておった、やってみたら障害であった、こういうのですか。あるいはほんとうに丘を見ていなかったか。それからもう一つは、測量会社が地形測量をやったというけれども、これは測量会社にまかし切りだったのか、東京都として測量会社が報告したものについて、実際に自分で現地に行って確認したかどうか。この二つがどうも私はふに落ちぬ。第一、山があったというのが気がつかなかったのか。気がついていたが障害でないと考えていたか。だんだんやってみたら障害ということがわかったか。測量会社にこれはまかし切りで確認しなかったのかどうか。うのみにしたのかどうか。これがどうもわからぬ。
#119
○参考人(奥村武正君) お答え申し上げます。測量会社に測量の委託をいたしまして、私のほうでは、三宅島にほかに港湾と漁港の修築の監督をやっておりますので、その事務所の担当者が測量の指導監督を行なっております。
#120
○大倉精一君 その報告を現地について確認したのか。
#121
○参考人(奥村武正君) 測量工事として起工しておりますので、監督者はついております。
#122
○大倉精一君 ついておるが、現地において確認しているわけですか。
#123
○参考人(奥村武正君) 現地で確認しております。そのほかは標高三十五メーターでございまして、現在の滑走路の標高が約二十メーターでございます。海抜二十メーターの滑走路の面と三十五メーターでございますので、十五メーターまあ差があるわけでございます。それが三百五十メーター離れておれば、それが確実に十五メーターの差であるということになれば当然かかるわけでございますが、その三十五メーターだという数字が、測量の外になっていたんじゃないか、それが非常に私ども残念で、それが私どものミスでございます。
#124
○大倉精一君 それでね、私聞いているのは、測量の外か中か知らぬが、しろうとだから。丘があるということは知っておったか。知っておったがしかしそれは障害になるとは思わなかったというのか。全く丘というのを知らなかったのか、三百五十メートルの所でしょう。
#125
○参考人(奥村武正君) 障害になると思わなかったわけでございます。
#126
○岡三郎君 丘があるということは知っておったのですか。
#127
○参考人(奥村武正君) 丘があるということは地形上わかっておりますが、それが障害物であるというふうには考えなかった。
#128
○大倉精一君 あるということはわかっておったというのだね。
#129
○岡三郎君 いろいろと事情を聴取していっても、わからない点が多いわけです。それでかなり堂々めぐりしておると思う。したがって、本件については、三年前ということで、当事者もかなり遠い話のような形の中で、聞いているほうからいうと、そうかもわからぬという気もするし、ずいぶん迂遠な話だという気が強いのです。したがって、本件については、先ほど言われましたように、実態調査をもう少し委員会としてもして、それに、基づいて質問をしないというと、どうもから回りするということになるおそれがあると思うので、ひとつ実態調査をするということをここできめてもらって、本日はこの程度にこの問題についてはして、次回実態調査の上に立ってひとつもう一ぺんこの問題については簡潔にお尋ねするということにしたほうがいいと思うんです。
#130
○委員長(松平勇雄君) ただいまの岡委員の御提案は、先ほど瀬谷委員からも御提案があったのでございますが、その実態調査につきましては、委員長及び理事打合会にはかって善処するということにいたして御異議ございませんか。
#131
○岡三郎君 やるということをきめて、あとの具体的な方法は委員長及び理事打合会で……。
#132
○委員長(松平勇雄君) それでは、実態調査を行なうことといたして、実行方法につきましては、委員長及び理事打合会にはかってやるということに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(松平勇雄君) では異議ないものと認め、さよう取り計らいます。
#134
○岡三郎君 東京都のほうはいいです。
 運輸省のほうに、法規との関連でずいぶんこれは大きな問題があるので、新東京国際空港の建設問題についてお尋ねしたいのですが、本日の運輸大臣のあいさつの中におきましても、「新東京国際空港公団法によりまして将来の航空の発展に対応する大規模な新東京国際空港の建設に着手するため、早急にその位置の決定を行ない、公団の設立をはかり、新空港の整備を促進いたしたいと存ずる次第であります。」、こう言っておる。で、この国際空港の公団の設立の法案審議に際しましては、この公団ができれば直ちに空港の位置をきめて、そうしてやります、こういうことを再三にわたって五月の委員会において――これは会議録がここにあるから一々言いませんがね、出ているわけです。特に運輸大臣及び当時の大久保政務次官が、公団法ができれば直ちにやらなければいかぬ、そうやります、だから公団を早く決定してもらいたい、こういうふうなことで言われておりまするし、その前の昨年の十月の会議録で、私自体がこの問題について質問している際に、これは栃内というか、局長ですか、当時の。それから広瀬、これは事務次官です。――このときは違うかな。いずれにいたしましても、ぜひともこの秋の間に具体的な候補地を御決定願いまして、それに基づいて予算要求をしたい、それをしなければ、もう何ともならぬということを言っているわけです。これは昨年の十月です。
  〔委員長退席、理事金丸冨夫君着席〕
この航空審議会の答申というのが、一昨年の十二月に出されているわけですね。それでその後、河野一郎当時の大臣を座長としてこの問題がはかられてきておるが、要するに、事務当局としては、昨年の予算編成期までにこれがきまらなければ、大きな支障を来たすということを、会議録ではっきり言っているわけです。それがもうぼつぼつ一年経過してしまうという形になるわけで、一体これがどういうふうになっておるのか。河野一郎大臣は惜しくもなくなられてしまったけれども、いまごろになって大臣が、「大規模な新東京国際空港の建設に着手するため、早急にその位置の決定を行ない」――これはあほうな話になってきているわけです。これがきまらない点について、これはここで簡略に具体的に御報告願いたい。政務次官が無理ならば大臣を連れて来て、これは事情聴取しないというと、こういうあいさつをもらっても、このあいさつ状受け取れないと思う。これは大臣がかわったとしても、国の施策というものはこれは受け継いでいるわけです。そういう点でひとつ、きょうはこまかい話をしませんが、煮詰まったところをここに報告していただいて、いつきめるのか、これは焦眉の急ということで、当局自体としても、これはこういう状態のままほうっておくわけにはいかないということは、百も承知だと思うのです。政務次官でもいいですよ。政務次官で無理ならばひとつ大臣を呼んできてお願いしたい。
#135
○政府委員(福井勇君) ごもっともなお尋ねでございます。重大なことでございまするので、大臣の都合を直接打診しましてお答えするようにしたいと思いますが、御了解願いたいと思いまするのは、つなぎとして事務当局のいまの状況を説明させていただきたいと存じます。
#136
○大倉精一君 大臣を呼んでくれよ。
#137
○相澤重明君 呼ぶなら呼んでくれ。
#138
○岡三郎君 政務次官が言ったように、その間につなぎとして、事務当局からでもいいから経過を聞いたらどうですか。
#139
○理事(金丸冨夫君) それでは、いま予算委員会に大臣の都合を連絡に参ります。
 それでは佐藤航空局長。
#140
○政府委員(佐藤光夫君) 実は詳細な資料を準備してまいりませんではなはだ恐縮でございますが、新東京国際空港につきましては、本委員会の非常な御審議をわずらわしまして公団法の設立を見たわけでございますが、ただこの公団法を施行するためには、御承知のように、附則によります政令で、この位置をきめるという問題があるわけでございまして、この位置の決定につきましては、御承知のように内閣に関係閣僚懇談会というものが設けられ、また、それに必要な作業をするために、関係事務次官の会議があるわけでございます。そこで具体的に問題になっております地点につきまして、現在までその技術的な調査を鋭意進めるという段階になっておりまして、その技術的の調査がまとまり次第、関係閣僚懇談会の議を経て閣議の御決定を願うという段取りをいたしておるのでございますが、はなはだ残念ながら、まだその調査が完了いたしませんので、閣議におはかりする段取りになっていないというのが、かいつまんだ現状でございます。
#141
○岡三郎君 そうすると、関係閣僚懇談会のほうで調査を命じられたことが、まだ十分できてないと、こういうことですか。
#142
○政府委員(佐藤光夫君) そういうことでございます。
#143
○岡三郎君 そうするというと、関係閣僚懇談会についての報告は、前の松浦大臣のときに、本委員会にも答弁されておるわけです。それからもうかなり日時がたっているわけですがね。それで公団法が成立するときにも、もうすぐやらなきゃいけないんだから公団法を通してくれ、こういうふうなたたみ方をして委員会を通しておいて、一方そのほうがきまらないからまだそれはできません、こういうばかな運営というものは私はないと思うのです。委員会に対しては、直ちにきめるから公団法を通してくれ、通してくれと言いながら、公団法は通ったけれども、そのままたなざらしであって、片一方のほうは相変わらずきまらない、こういうばかげたことで院の運営というものをはかられては、これは委員会としても、この次の法律については、われわれとしては政府の答弁は信用ならぬということになりますよ。全部会議録を読んでごらんなさい。きめてもらえば直ちに位置はきめるんだ、そうして仕事に着手するんだ、こういうことを言っている。委員会を通って、本会議を通って法律になったけれども、たなざらしになって、その位置はきまらぬ、これでは院を侮辱していると思う。だからこの点については、大臣がかわったといっても、やっぱり調査のほうをどういうふうにしているかしらぬが、早急にやらなければならぬ立場に事務当局はあるわけですからね。ですから、何か埋め立てのほうの、東京湾の埋め立ての問題を調査しろとか、それから東京周辺のアメリカが使っているところの航空基地を調査しろとか、いろんな問題があるけれども、そんなものはとってつけ加えた理屈であって、問題は、霞ケ浦にするのか、富里にするのか、どっちかだということを航空審議会が指摘しているわけですよ。それを、羽田のほうを埋め立てろとか、いろんなことを言っておりますけれども、そんなことは事務当局としては不可能だと言ってるわけだ、実際は。ところが、その後関係閣僚懇談会においてその横車が出たために、その脇道をどんどんどんどん歩いているということでは仕事にならぬ、ということは、私が言わなくてもわかっていると思うのですがね。問題は、羽田の空港で事故が起こってから、おそくなりましたというのでは、申しわけがつかぬ。工事に着工しても何年もかかるんですからね。何年もかかるわけだから、それですから、いまの状況でいくというと、羽田の飛行場における事故の発生というふうな、そういう懸念というものは、時々刻々増大しているわけです。そういう背景において、こういうふうな状況になっているということになれば、これは事務当局も含めて、責任の所在というものを明確にしてもらわにゃいかぬ。公団法を通しておいて、すぐにきめますと言っていながら、きめさしておいて、いまもってそういう問題については調査中である、そんなばかな話があるか。私はその点を指摘しているわけです。だから、これは事務当局に聞いてもしかたがないから、大臣にやっぱり、幾ら新しい大臣としても、そういう専務引き継ぎは明確になされていると思うから、その点はやっぱりはっきりしてもらわなければ困る。そうでなければ、以後運輸省から出された法律案については、質問に対する答弁を信用しませんよ。信用できないということになる。だから、その点政務次官じゃ問題がでか過ぎるというのだけれども、どうなんですか。委員長、松浦周太郎君を呼んできたらどうかな、参考人として。この次呼んでもらいたいな。
#144
○相澤重明君 関連。私は、佐藤内閣の姿勢だと思う。私は、総理をここへやはり呼ぶ必要がある。それは法律を通すときに、いま岡さんが言ったように、われわれとしてもいろいろ慎重審議をしたがったわけです。けれども、政府自身が早くしてくれということで、しかも、われわれは附帯決議までつけているのですよ。その院の意思を尊重すれば、もう六月一日に終わったものが今日二カ月もたっておって、まだ測量して検討をしております、なんというふざけた話はないと思う。佐藤内閣自身がそういう政治姿勢を持っておるからこそ、今日のようなだらしのないことになってくる。やはり総理なり担当の大臣から言われれば、事務当局としてはやらざるを得ない。幾らこちらでできないと言っても、やはりやらざるを得ない。こういうところに私は問題の基点があると思う。したがって、岡さんの言う、担当大臣であるから新任の運輸大臣はもちろん呼んで聞かなければいかぬけれども、総括的なものとしては、やはり佐藤総理大臣だと思う。佐藤総理大臣も一諸に呼んで究明しなければいかぬと思う。国会の意思を尊重しないでじんぜん日を送るということは、全くけしからぬと思う。
#145
○岡三郎君 それは運輸大臣の答弁のいかんによって……。
#146
○相澤重明君 私は、一諸に呼んで究明すべきだ。これは担当大臣といったところで、私は、大臣がかわったから法律の解釈が変わってくるという理由はない。そういうことはない。しかも、内閣がかわったら別ですよ。内閣がかわらないで、佐藤内閣がただ改造しただけだ。そういう意味からいけば、私は、運輸大臣が、人がかわっても、松浦前運輸大臣が、これは私の最大の問題として新しい大臣に引き継ぎます、そして、少なくともこの法律が通れば、一週間ないし十日のうちに、いわゆる政令を出してきめます、こういうことを言っておったんだから、そのことをあなた、やらせないということは、私は、佐藤総理のやはり姿勢の問題だと思う。そういう意味で、岡さんの要請に対して、さらに私はプラスして、総理大臣を呼ぶ、こういうことを提案いたします。
#147
○吉田忠三郎君 責任担当大臣を呼ぶことについては、全く同感でございます。それからいま相澤委員の総理大臣をこの委員会に来ていただくことについても、これまた私は同感だと思うのです。この問題については、ただ単に一カ月や二カ月の問題ではないわけですから、しかも、政府の運輸政策の一環として、終始この問題が議論をされてきて、最終的に本法が成立をしたわけです。その間に、先ほどの話ではないけれども、航空調査を本委員会がやっているわけです、候補地について。しかも、この段階で、この委員会で各大臣――各大臣といっても、当時は松浦運輸大臣でありますけれども、速記録をごらんください。大臣はもとより、政府のそれぞれの責任者が航空調査をやった結果として、たとえば富里の場合においては、三千五百戸という農家の移転についての移転補償等については、膨大な経費がかかるので、実質的にはできまいであろうという答弁をして、しからばどうするのかということになって、具体的に霞ケ浦の埋め立てを調査をして、この間先輩が申されたように、この委員会で運輸大臣が大みえを切って、一週間ないし十日待ってくれと、私の責任においてきめると、こう言明しているわけですから、これはいまそれぞれのお二方から出る意見というものは当然だと思う。ですから、こういう国会の議論を、さらには附帯決議をあの法律にはつけております。「産業経済の伸展を阻害しないよう」、こういう決議をつけておりますから、その決議をどう踏んまえて、運輸省の航空局がどこを調査して、どう考えているかということは、これは大臣のみならず運輸省の航空局の責任者としても当然考えなければならない。具体的にそういう調査を進めてまいり、この委員会で明らかにしていただかなければならぬと私は思うんです。こういう関係をあわせて答弁していただきたい。
#148
○理事(金丸冨夫君) 岡並びに相澤御両所の御意見、また吉田委員の御意見はまことにもっともでありますが、いま運輸大臣に連絡をとりましたら、予算委員会はもう終了いたし、散会しておる。したがって、きょう運輸大臣にということは、いまさがしておりますが、相当時間がかかるのではないか、こういう見込みでございます。
 それから総理大臣につきましては、きょう直ちにいまということを言っても、これは無理でありますから、皆さん方の要請に従って連絡をとることはやぶさかでございません。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
  〔理事金丸憲夫君退席、委員長着席〕
#149
○委員長(松平勇雄君) 速記とってください。
#150
○瀬谷英行君 議事進行について。
 海難の問題は、「アリゾナ号」と油送船「明興丸」との衝突の事件、それから大阪湾における遊覧船の転覆事件、これが大量の死者を出した事件なんでありますけれども、一括しておやりになるのか、件別におやりになるのか、一応おはかりをいただきたいと思います。
#151
○委員長(松平勇雄君) 一括で質疑を行ないたいと思います。
#152
○岩間正男君 それじゃ、「アリゾナ丸」の問題を聞きたいのですが、「アリゾナ号」について昨日調査をやったと思うので、その経過をまず最初にこれは当局からお聞きしたい。
#153
○説明員(猪口猛夫君) 「アリゾナ号」は、当方の指示によりまして、八月の三日の十時四十五分に横浜に入港してまいりましたので、直ちに関係官が「アリゾナ号」に出向きまして取り調べを開始いたしました。その結果、衝突事故に関係ある船長等の供述の内容等を申し上げますと、「アリゾナ号」の船長の供述によりますると、当時同船は十七ノットで走っていたことがわかりました。これは本日提出してあります資料の中にも書いてございます。その際、右舷一海里を一万トンくらいの船舶が十七ノットくらいの速力で走っていたので、その霧の中でもだいじょうぶだと思ったということを申しております。また、観音崎沖から事故のあった現場まで、ずっと霧中信号は鳴らしておったそうでございます。また、船首に見張り一人を立てて見張りをやっておったようでございます。
 衝突の際の状況につきましては、前方にあかりを認めた瞬間にショックを感じた。あまり大きなショックではなかったのでたいしたこととは思わなかったと申しております。レーダーは常特使っておったようでございますが、相手船はそのレーダーの映像に映っていなかったということを申しております。
 これらの点が、衝突事故に関連した「アリゾナ号」船長の供述の内容でございます。
 また、「明興丸」の唯一の生存者でございます二等航海士につきまして取り調べましたその供述の一部を申し上げますと、当時、「明興丸」は当直者が三等航海士の町田末義、これは唯一の生存者でございます。それから甲板長の戸梶謙一郎、甲板員の上中邦興、この三名でございますが、濃霧のため船長は交代しないで、船橋でそのまま指揮をとっていたということでございます。またその当時の船位とか、コースにつきましては、船長がみずから指揮をとっておったために、当直の航海士である二等航海士は知らなかった、ただし、そのときの速力は十ノットであったということだけははっきり申しております。船長はその当時操舵手の後方にありますレーダーを見つつ、霧中信号をみずから行なっていたようでございます。衝突の直前には他船の霧中信号を何回も聞いたということであります。その後、町田は、これは二等航海士でございますが、二度前方に他船の信号を聞き、船長に報告しましたが、間もなく他船がほとんど直角に航走してきたので、船長は右舷に舵を命令いたしましたが、その効もなく、自船の左舷側の舷灯付近に衝突されて、以後自分は記憶を失ったということでございます。そういうような供述を得ております。
 その後、「アリゾナ号」につきましていろいろな物的証拠等も必要でございますので、船長にいろいろ要請いたしまして、航海日誌あるいは機関日誌、あるいはコースレコーダーの記録誌、それらのものの提出を求めまして、それを受理しております。
 また、今後必要となる補充取り調べに対しましては、「アリゾナ号」は十分協力するという相手の承諾もとりましたし、おおむねそれらの関係書類並びに先ほど要点を申しました供述によりまして、事件処理の大かたの見通しが立つ状況になりましたので、関係の向きとも協議いたしまして、同船船長の要請を認めまして、昨日十四時四十分に本船を出港せしめた次第でございます。
 なお、先ほど申しました番数あるいはコースレコーダーの記録誌等をつぶさに今後調べますと、おおむね衝突いたしました位置あるいは状況等もほぼ推察できるのではないかと思っております。しかしそれまでには相当の時日を要する見込みでございます。
 以上、「アリゾナ号」に関連いたしますその後の私たちの取り調べの内容は以上のとおりでございます。
#154
○岩間正男君 事件処理の見通しが立つ状況となったので検察庁と協議して、同船船長の要請を認めて出港させたということになるわけですね。そうすると、これはそのような物的証拠とか、供述の内容というものについて確証を得たんですか、どうなんですか。ここに報告されたぐらいのものでは非常に簡単過ぎると思うのですが、どうですか。もっと詳細に明らかにしなければ実際に真偽はつかめない、こういうふうに思いますが、確信はありますか。
#155
○説明員(猪口猛夫君) そのいろいろな物的証拠となるべきものの提出を指示いたしまして、それを現在受理しておるわけでございますが、その中にはその取り調べの際使用いたしましたコーストガード司令官も立ち会っているところのテープレコーダーがございます。これのレコードを全部当方で使用し、それによって事件を解明、究明する手当てがついております。これを聞きながら、かつ先ほど申しましたコースレコーダーの記録誌等と照合しながら作業をやれば、大かたの事件の見通しと申しますか、その原因等も私たちの立場で推定できるであろうという意味合いの事件処理の見通しでございます。もちろん衝突事故につきましては、御承知のように、海難審判の裁決に待たなければ、その原因等については権威ある裁定は出すことはできないと思う次第でございます。
#156
○岩間正男君 法務省の刑事局長にお聞きしますが、会社から証拠保全の申し立てがあって、そして横浜の地裁でこれを取り調べようとしたところが拒否された、こういう事実があるんですが、こういうことで今後検察の運営に差しつかえないんですかどうですか。
#157
○政府委員(津田實君) ただいまのお尋ねの点は、民事裁判に関する証拠保全だと思いますが、その点につきまして裁判所がどういう解釈をとっておるかということは、私どもは承知いたしておりません。
#158
○岩間正男君 この点についてはどうなんですか。三日ですか、十時ごろ入って、それから四日の午後二時四十分に出港したということですが、何時間調べたか、それからだれがそれに立ち会って調べたのか、その点まず明らかにしてください。
#159
○説明員(猪口猛夫君) 八月三日の十時四十五分に入りまして、八月四日の十四時四十分まで横浜に停泊していたわけでございます。その間八月三日の十一時三十分から「ア号」の実況検分を実施いたしまして、損傷個所に付着いたしておりましたペイントをまずとりまして、その後引き起こしました「明興丸」のペイント等と同一船のものであるかどうかというようなことをまず調べる必要があるということで、最初そういう調査をしたわけでございます。そして十二時三十分から、お手元の資料にも書いてございますように、船長、三等航海士、操舵手、見張り員の関係人につきまして、それぞれ関係の人の立ち会いを得まして、三管区の海上保安官が取り調べた次第でございます。
#160
○岩間正男君 それじゃその内容についてお聞きしますが、米船ですね、「アリゾナ号」はこのたびの海難事故に対しての責任を、自分の落ち度というものを認めておるんですか。たとえば速度の問題、速度が十七ノットのこんな高速で依然として視界ゼロという霧の中を運航しておったという事実は認めたのか。その次には、遭難後の救助の問題、この救助の問題について一体どういうことをしたか、これについて自分たちの措置が十分だったというふうに認めておるのか、この二点について……。
#161
○説明員(猪口猛夫君) 最初の御質問の点はその資料の中にも書いてありますとおりに、十七ノットで走っておった。そうして右舷の一海里くらいのところを一万トンぐらいの船がやはり十七ノットくらいで走っていたものだから、自分はだいじょうぶだと思っていたということでございますので、その裏にはやはり自分は速力を出し過ぎたと思っていたということだろうと思いますが、私たちの手元のところでは、自分が悪かったということをはっきり言ったかどうかということは、テープレコーダーを返してみなければわからないと思いますが、いままで私たちのところにまいっておるところから見ても、やはり速力は出し過ぎていたということを暗に暗示していたのではないかと思われる次第であります。
 それから第二の御質問の点でございますが、お手元の資料の第一ページにも書いておきましたとおりに、「アリゾナ号」は緊急通信を発信いたしました、午前三時三十八分に。さかのぼりますると、事故のあった午前二時九分から同日の午後一時ごろまで現場におって相手船の捜索に従事しておったわけでございます。
#162
○岩間正男君 これは何ですか、救助については、万遺漏なきを期したという印象を受け取れるような供述をしておるのですか、その点どうですか。
#163
○説明員(猪口猛夫君) 先般も申し上げましたが、船体が発見されましたのが午後二時四十五分でございまして、午後一時ごろまでは霧がかかっておったわけでございます。要するに、私のほうの巡視船も霧が晴れて初めて船体を発見したというような次第でございまして、もちろん捜索いたしまして相手船を発見すれば、救命ボートをおろして救助作業に従事するとか何とかいう行動が即時とられるわけでございますが、何ぶんにも相手船が発見できなかったから、そういう方面の救助措置は当然講ぜられなかったと思う次第でございます。ただし、先ほども申しましたように、午前二時九分から同日の午後一時まで捜索に従事しておったということははっきりしておるわけでござます。
#164
○岩間正男君 しかし、なかなか疑問が出てきますよ。いまのような答弁ですけれども、これはもっと詳細にその供述の内容というものは全部を明らかにしなければわからないし、第一に事故が起こってから緊急通信するまで時間が一時間半あるのでしょう。これはなぜ一体こんな遅延をしたのです、緊急通信が。事故が起こったのは二時九分でしょう。そして緊急通信をやったのは三時三十八分、一時間半というのは非常なロスですよ。これは当然海上保安庁に通知をするなら、そこで出動してもっと敏速な措置をとることができたのじゃないかと思うのですが、これはどういうことです、こういうことを聞いたですか。
#165
○説明員(猪口猛夫君) その点につきましては、申しわけございませんが、私のところにそういう間の資料がまだまいっておりませんので、おそらくテープによればわかるかと思いますが、これは後ほど取り調べまして御報告申し上げたいと思います。
#166
○岩間正男君 それから、それは一時までいたというのですけれども、現場にいたのかどうか、全然これはわからぬですね、移動したのか。十七ノットのこれは速力でやっておった。しかし衝突したあとに、その後どうなったか、その状況を調べたのですか。速力を落として捜査に当たったのかどうか、そういうことは少しもこれはわからないですね。この点はどうなんです、あなたたちこの点調べておりますか。
#167
○説明員(猪口猛夫君) この点は、私たちがこの報を知りまして、巡視船の「げんかい」が現場に向かいまして、そして午前十一時四十五分には該船と会合いたしまして、帯同で捜索をしていたわけでございます。もちろん霧の中でございましたが、帯同して捜索した次第でございます。船体が発見されました位置とそれから「アリゾナ号」が事故を起こして緊急通信で報告してまいりました位置とはおおむね六海里差がございます。それで、私たちが当時の海流を調査いたしまして、海流の方向、速度等を調査いたしまして、トレースバックしておりましたところ、発見いたしました船体の場所から考えますと、当初に報告されました位置は、おおむね正確だろうということが推定されておる次第でございます。その位置を目標にいたしまして、巡視船「げんかい」は救助に向かった次第でございますが、午前十一時四十五分には、その位置において「アリゾナ号」と会合したということでございますので、おそらく遭難した、事故を起こした地点付近を「アリゾナ号」は捜索しておったのだろうということが推定されるわけでございます。ただし、この点のその正確度といいますか、それは先ほど申しましたようなコースレコーダーの記録等を照合して見れば、ほぼ断定できる時期がくると思われる次第でございます。
#168
○岩間正男君 最初に「明興丸」の船体を発見したのはだれなのですか。
#169
○説明員(猪口猛夫君) 巡視船でございます。
#170
○岩間正男君 この助かった人ですね。町田さんを救助したのはだれですか。
#171
○説明員(猪口猛夫君) 先般報告を申し上げましたように、伊豆箱根鉄道会社所属の熱海−大島間の定期船の「伊豆箱根丸」が午後零時三十五分大島の元町西方二・五海里付近で浮いておるものにつかまって漂流しておる町田二等航海士を救助したわけでございます。
#172
○岩間正男君 この「伊豆箱根丸」と「アリゾナ号」は全然会わなかったのですか、こういう点がどうも――。救助されたのは船体を発見された約一時間以上前でしょう。「伊豆箱根丸」という日本の遊覧船によってこれは救助された。ところが船体を発見したというのはそれからだいぶたった一時間半後でしょう。この海域を捜索していながらどうなんですか。こういうことについては調査が進んでおりますか。
#173
○説明員(猪口猛夫君) それらの点については目下調査しておるわけでございます。先ほど来申しておりますように、午後一時に初めて霧が晴れて周囲の状況が判然としたということでございますので、それまではやはり衝突時と同じような状況でございまして、視界ゼロということでございますれば、なかなか捜索をしておりましても、発見は非常に困難であろうということが想像できるわけでございます。しかしこれらの点につきましては、今後調査を進め、あるいは海難審判等の段階においてはっきりしてくるだろうと思う次第でございます。
#174
○岩間正男君 この「アリゾナ号」の旅客、積荷の内容については、これは調査をされたのですか。
#175
○説明員(猪口猛夫君) その内容については、私のところに詳細まいっておりません。
#176
○岩間正男君 これは、この問題を検討する重要な問題だと思うのですが、それじゃそれと関連してお聞きしますが、関税法第十五条による入港手続を「アリゾナ号」はとっておったのですか、いないのですか。
#177
○説明員(猪口猛夫君) その点まだ私のほうにまいっておりませんので、調べて報告したいと思います。おそらく横須賀港に入って所定の手続はとっておっただろうと思います。
#178
○岩間正男君 この点は非常にやはり重要な問題ですよ。なぜこんなに急いだか、それからきのうも大急ぎで午後二時四十分になれば、もう横浜地裁の要請を断わって、そうして出港して行った、こういうことと非常に私は関係があると思うのです。何か先を急いでいる。そうしますというと、この性格を持った船が、ほんとうにはたして遭難した日本人の救援のために最善の努力をしたかどうかという点について、私たちは不安を持たざるを得ないのです。こういう点はあくまでやはり日本人の船員の生命を守る、こういう立場から徹底的に追及するのが当然だと思うのです。何か、一昨日からそうですけれども、この「アリゾナ号」の立場に立って答弁されておるような感じをどうしても私たちは持つのです。そういうことではまずいですから、あくまで日本船員の立場を守らなくちゃならない。しかもこれは日本の近海で起こった問題でしょう。こういう問題について、しかも当局がどのような立場でこの問題を追及していくかということは、基本的な態度としてこれは重要だと思うのです。そういう点でいまのような問題については、あなたたちはまだ明らかにされていないのですか。これは法務省かどこかでまだ調べておられるのですか。これは非常に重要なことです。刑事局長いかがですか。
#179
○政府委員(津田實君) 本件につきましては、刑人事件が存在すると思われるわけですが、本件衝突事故そのものについて何びとに刑事責任があるかという問題になると、これはその刑事責任の問題については、司法警察職員である海上保安庁職員において捜査をいたしたようでありますが、まだその結果は私どもは聞いておりません。
#180
○岩間正男君 私はなぜそういう質問をしているかといいますと、「海難二於ケル救援救助二付テノ規定ノ統一二関スル条約」、これは一九一四年一月十二日に日本も批准書を寄託しておるのです。これにちゃんと規定されているでしょう。この十一条に「海上ニ於テ生命ノ危難ニ在ル者アルトキハ船長ハ船舶、船員及旅客ニ重大ナル危難ヲ及ボササル限リ敵人ト雖之ヲ救助スルコトヲ要ス」、これはアメリカも締約国になっているわけでしょう。そういう中ではたして十全にこの規定が行なわれたかどうか、こういう観点からの追及がされたかどうか。さらに「船舶衝突ニ付テノ規定ノ統一ニ関スル条約」、この第八条に「衝突シタル客船舶ノ船長ハ衝突後其ノ船舶、船員及旅客ニ重大ナル危険ナクシテ為シ得ヘキ限リ他ノ船舶、船員及旅客ヲ援助スルコトヲ要ス。船長ハ為シ得ヘキ限リ其ノ船舶ノ名称、船籍港、発シタル場所、著スヘキ場所ヲ他ノ船舶ニ告クルコトヲ要ス。船舶所有者ハ前ニ項ノ規定ノ違反……」、ここは省きますが、そういうことになっているのですね。こういう点で万遺憾なきを期したというようにいまのところ考えておられますか。その供述の結果についてはいかがですか。
#181
○説明員(猪口猛夫君) 万遺憾なきを期したかどうかということにつきまして、先ほど申しましたような関係書類あるいはコースレコードを再調査をいたしまして、それをはっきりしたいと思います。ただ、先ほど申し上げましたが、当時の実況――気象とか海象等から想像される実況をただ私たちが想像いたしましてお話した次第でございまして、何も「アリゾナ号」を弁護しておるとかいうことではなくて、常識的に考えるとそういう光景であろうということだけをお話した次第でございます。
#182
○岩間正男君 この船は米軍がチャーターしている船じゃないのですか。この船籍及びその性能についてはっきりさしてください。
#183
○説明員(猪口猛夫君) 船籍港はサンフランシスコでございまして、船主はステート・スチームシップ・カンパニーでございます。用船契約はございません。代理店はPTL海外会社というのが横浜にありまして、それが代理店をやっておりました。それだけははっきりしております。
 それから性能につきましては、総トン数一万二千七百十一トンでございまして、タービン一基で一万九千二百五十馬力、速力は全速で二十ノット半、普通は十九ノットで走っているが、当時は霧だったから十七ノットに下げたというような気持ちかもしれませんが、そういう性能でございます。
#184
○岩間正男君 これは新聞なんかの報道によりますと、米軍の軍需輸送に当たっておるというようなことが新聞に書いてあるのですが、これについてあなたたち実際調べたのですか。詳しく実態を調べましたか。この問題で私は海上保安庁の関係者来てませんか。
#185
○説明員(猪口猛夫君) 海上保安庁です。
#186
○岩間正男君 ああそうですが。そんならわかることですが、どうなんですか、入港手続をとったかとらないか。これもわからないというのはおかしいでしょう。
#187
○説明員(猪口猛夫君) 実は、この衝突現場の実情、そういうことに焦点をしぼって資料をまとめましたので、そこまで本日資料を取り寄せてないということでございますので、まことに申しわけございませんが、即刻そういう点につきまして調査の有無、並びにあれば資料を取りまとめたい、こう存じております。
#188
○岩間正男君 これは電話ででも聞けばわかると思うのですが、この委員会が終わるまでに聞いてもらえないですか。非常に重要な問題ですから、これをお願いします。
 次に法務省にお聞きしたいのですが、けさの新聞を見ますと、刑事局長の談話として、裁判権が日本にないとするような、そういう意味の談話がなされたわけですけれども、その根拠はどういうことですか。
#189
○政府委員(津田實君) 一九六二年九月三十日に発効いたしました多数国間の公海に関する条約の十一条は、海上の船舶の衝突その他航行上の事故が発生した場合における船舶乗り組み員に対する刑法上または規律上の手続は、船舶の旗国――旗の国です。旗国または乗り組み員所属の裁判所または行政庁のみが行なう。こういうふうになっております。で、本条を含めまして、公海に関する条約は、現在においては確立した原則を成文化したものでありまして、わが国におきましても、一九五八年二月から四月までジュネーブにおきまして開催されました本条約採択の会議においてこれを賛成いたしておるわけでございますし、昭和三十八年三月四日の参議院の予算委員会におきましても、政府委員が本条約は従来から順守してきているところであり、条約そのものについては異存がないというふうに答弁いたしておるわけでございます。現状におきまして、わが国は正式にこの条約に加入いたしておりませんけれども、もうすでにこの条約は三十数カ国も加盟をいたしておりますし、また、国際連合の国際委員会における海洋法の草案におきましても、これと同趣旨の規定を盛っているというような事情から見ますと、今日におきましては、もはやこれは国際法上の慣習法が成立しておるというふうに解するのが相当であるというふうに考えております。したがいまして、本件につきましては、その国際法の原則に従って解釈するのが相当であるというふうに考えておる次第でございます。
#190
○岩間正男君 それは正式にはまだ批准していないわけですね。そうしますと、現状においてこの拘束は法的には受けないわけですね。これが一点です。それから公海か領海かということは、今後これは相当事態を検討しなければはっきりしないです。そういう事態の中で、公海上起きたというような前提のものにこのような見解を法務省が出すということは、これは非常に私は軽率じゃないかと思うのです。この点はどうなんです。一体この日本の公海の規定はどうなんです、三海里説とかいろいろあるでしょう。十五海里説とかいろいろ出てきているでしょう。そういう中で、きまっていますか、日本の公海は。これをどういうふうに見て、そしてこの問題は公海で起こったんだ、こういう判断のもとにいまのような見解を出したのか。私は少なくとも法務省の見解としては了承できないです。これはどうです。
#191
○政府委員(津田實君) 私が新聞に説明いたしましたところは、本件について申したわけではありません。一般論として申したわけでありまして、本件につきましては、司法警察職員から事件が送致されておりませんし、事件の内容は私はもちろん承知いたしておりませんから、本件が公海で起こったともあるいは領海で起こったとも私は判断できかねるわけであります。しかしながら、公海で起こったとすればどうであるかという議論に対しましては、私はいまのような説明をいたした。なお憲法の九十八条二項によりますと、日本国が締結した条約及び確立された国際法規は順守すべきことになっております。したがいまして、先ほど申し上げました条約あるいは条約を背景とする、まあ条約の基礎になっておる国際慣習法というものは、すでにもう確立されておるというふうに解釈いたしますれば、これは確立された国際法規なんです。したがいまして、その範囲においては、日本がこれに加入いたしますといたしませんとにかかわらず、国際法としてこれを順守しなければならないという問題になる。もしこれを確立された国際法規というふうに解釈いたしますれば、日本がこの条約に加盟するかしないかは、これはまさに形式上の問題になるというふうに考えております。その意味において、これが確立された国際法規であるかどうかということは、最終的にこれは裁判所できめることではありまするけれども私どもの現在の行政解釈といたしましては、これはもはや国際慣習法になっておるというふうに考えざるを得ないというふうに思っておる次第であります。
#192
○岩間正男君 これは非常に形式的な答弁をされたのですが、けさの新聞を読んだ国民の印象はそういうふうに受け取っていませんよ。それは、かりに公海であった場合にはこう解釈され、国際法の慣習でこうだというふうにあなたは話されたのかもしれませんが、あの事件のあとにつけ加えた、そして法務省刑事局長の談話として、しかも公海ではこういうような国際慣例があるのだと、したがってそれは刑事裁判権は、管轄権については日本にないというふうなそういう表現をこれはされているので、照応して読めば、非常にこれはやはりいまの御答弁のような感じは持てない。したがって、公海か領海かということが決定もされないのに、そういう事前の態度の中では、慎重なやはりそのような配慮があってしかるべきだと私は思うのです。しかも、これは慣行法になっているということですけれども、それは今後さらに検討しなければならないけれども、これはそういう話でありますけれども、そうでない場合だってあるわけです。国際裁判所で、たとえばトルコの例で、トルコとフランスの間で、公海でトルコの船が沈められた、トルコの警察がこれを逮捕した、そしてこれについて追及したところが、これに対してフランス側はこれを国際裁判に提訴をした。その結果はどうかというと、これはトルコ側が正しいというのでトルコ側が認められた、こういう事態もこれはあり得るようですな。今度の場合は結局いろいろな侵犯がありますよ。速度の侵犯、それから救助に対して万全を期したと考えられないいろいろな問題が出てくる。これは今後の追及によって明らかになってくると思うのですが、やはりその点では国民を保護するという立場に立って私ははっきり考えていくべきじゃないか、この点でやはり法務関係はもっと慎重にやってもらわないと困る。何かいままで――これは日本の例でありますけれども、どうもアメリカに対して遠慮がちだ。そうしてアメリカのまるで海のギャングみたいなこういうやり方が横行して、そうしてそのまままかり通っている、こういう感じを国民は非常に持っています。事実ですこれは。私が言う言わないにかかわらず事実です。こういう態勢の中で、まるで自分から権利を放棄するような印象を与える発言というものは好ましくないというふうに考えるわけです。しかも、このような一、二の問題をあげましても、速力違反とか、その他の違反がこれは明瞭であります。そういう態勢について、今後どういうふうにこの事態を打開していくか、このままで泣き寝入りをしてしまうなどということでは、だれも日本国民は納得しません。当然これは運輸大臣にお聞きしたいのでありますけれども、運輸大臣はこの問題についてどういうふうにされるか。それから外務省からも見えておるはずですけれども、外務省としては、これは外交問題に、外交折衝に移さなければならない問題だというふうに考えられます。したがって、外務省関係では少なくとも、昨日にわかに急いでマニラに出港していったこの船に対して、米本国に対してとにかく時間をかせ、もっとこの出港については思いとどまってもらいたいというくらいの政治的折衝があってしかるべきだと思う。傲慢ですよ。そうでなければほんとうにあの態度を見ましても相当不遜ですよ。そうして横浜地裁のそういう要求なんかけっておる。そういう形に対しまして、はたしてほんとうに日本人の権利を守り、生命を守るという立場に立ってこれを運用されておるのかどうか。私は運輸大臣と、それから外務省はどなたが見えているんでしたかね。これは外務大臣は見えておらないですけれども、これについて外務省のとった措置、この二つお聞きしたいと思います。
#193
○国務大臣(中村寅太君) この事件を知りましてからは、さっそく運輸省としましては、海上保安庁を通じてマニラに向かって行きよる船に、直ちに日本に引き返すようにという手配をしまして、その結果船がこっちに帰ってきたわけでございます。さらに衝突の実態につきましては、これをできるだけ厳密に調査しまして、日本の権益を守る立場に立って善処していきたいと思います。
#194
○岩間正男君 運輸大臣にお聞きしますが、このたびの「アリゾナ号」の処置というものについて、運輸大臣としてはどうお考えになりますか。この点についてどういう――私申しましたように相当違反があります。それから相当不当なところがある。それからしいて言えば、日本人を見下したような、日本人の船員なんかは歯牙にもかけないという態度が実際あるのではないか。これは一昨日もありましたけれども、打電してきた電文を見ますと、漁船らしきものに衝突した――漁船らしきものとは何です。九百九十五トンのタンカー船というものは、これは日本では相当大型な船です。その船と衝突していながら、漁船らしきものと衝突したというようなそういう打電を、しかもそれは一時間半後に出されている。こういう態度を見ましても、ほんとうに慎重に日本人の船員の生命というものを尊重しているというふうには考えられない。この点について運輸大臣は、はっきりした明確な私は態度をとるべきだと思うのですが、この基本的態度、これについてどうなんです。あなたは国務大臣でもありますから、その立場から、当然これは閣内において主張すべきだ、そうして米国に対する折衝を展開すべきである、こう思うのですけれども、いまのような御答弁では話にならぬ、いかがですか。
#195
○国務大臣(中村寅太君) いま岩間議員が仰せられるような点等を、実情をよく調査しませんとわかりませんので、私はそういうやはり疑問もあると思いまするので、そういう点について調査をしまして、その実態をつかんだ上で適当な処置をとりたい、かように考えております。
#196
○瀬谷英行君 委員長、関連。逃げられてしまってから調査しておるというんじゃ、これじゃしょうがないと思うのですよ。これはいろいろ法律的に言えばむずかしいですけれども、早い話が、おかの上だったらひき逃げみたいなものでしょう。こっちは十七人だか死んだわけでしょう。船沈められて、人間が十七名死んでしまった。しかも、このアメリカの船は、はたして海難関係の法規に定められている義務を尽くしたかどうかわからないということなんです。それで、そのまま行ってしまうということになると、あとでもって調べるったって、もし戻ってこなかったら調べようがないわけです。それから、いまの法務省の見解によると、旗国主義をとっているからどうにもならぬと、加害船に対して捜査権限を行使することは許されないと、こういうような見解なんでありますけれども、それならば、これは立場を変えて、ぶつけられたほうがアメリカの船であって、ぶつかったほうが日本の船だと、ハワイの鼻っ先でもって、アメリカの汽船に日本の船がぶつかって、向こうの船を撃沈――じゃなくて、真二つに割って沈めてしまった、乗り組み員がみんな死んじまった。そういう場合でも、日本の船は、いけしゃあしゃあと逃げてこられる、こういう解釈になるのですか。あなたの解釈によれば、そういうことだ。これはぶつかったやつが得で、ぶつけられたやつが損だと、こういうことになる。こういう解釈になりますね。そういう解釈でよろしいのかどうか。
 それから賠償責任はどうなんだ。片っ方十七人も死んでいるわけなんですね。そうすると、ぶつかったほうが、われわれのいままでの常識からいうと、ぶつかったほうが、当然これはもう船体に対しても補償の責めを負わなければならない。死んだ人に対してもやはりそれ相応のことをやらなければならないというのが、われわれ日本人の常識ですよ。そうすると、この「アリゾナ号」のやり口をみると、そんなこと知っちゃいないといったような、そういう気持ちがあるかどうかわかりませんが、そういう印象を受けるわけですね。さっさと逃げちまった。こういうことが一体許されるのかどうか。
 それから、海上衝突予防法というのがありまして、これによると、第十六条でもって「船舶又は水上において移動をしている水上航空機は、霧、もや、降雪、暴雨その他これらと同様に視界が制限される状態にある場合は、その時の状況に十分注意し、適度の速力で進行しなければならない。」、こう書いてある。で、この「適度の速力で進行しなければならない。」というのは、何ノットのことを一体意味しているのか。霧の中で視界がゼロの状態で十七ノットで走るということは、海上衝突予防法の趣旨からいって許されるのかどうか。こういう問題があります。こういうようなことは外国船には適用されないのかどうが。日本船で守るべきものが、外国船の場合はこれは別だというふうになるのかどうが。それらの点についての見解を私ははっきりさしてもらいたいと思うのです。今後、一体、この沈没させられたほうの「明興丸」の船体並びに死んだ人たちの処置、これらはもう現実の問題でありますから、これはやはり明確にお答えを願いたいと思います。
#197
○政府委員(津田實君) ただいまの第一の、この公海に関する条約の適用の問題であります。これにつきましては、アメリカは本条約に加入いたしております。したがいまして、かりにハワイ港外の領海外、すなわち公海の上におきまして逆の事態が起こりました場合は、かりに日本船にその責任があったとすれば、その刑事裁判管轄権は日本側にあるという解釈に当然なる。これは何がゆえにかようになったかと申しますと、これは先ほど岩間委員が御指摘になりましたローチュス号の判決の問題につきましては、非常に批判がありまして、これは船と船員を外国の裁判所に訴追されることから保護する必要がある、こういうようなことから、つまり旗国主義というものをとるのが合理的であるという結論になって、この条約に移ってきたわけであります。したがいまして、そういういきさつがありますので、つまり船員と、その船を外国の裁判管轄に譲るということは、そのものの保護に不適当だと、こういうことから出発している問題であります。したがいまして、いまのお尋ねの、ハワイの港外でというような問題につきましては、当然日本側に刑事裁判管轄権があり、アメリカ側にはない、こういう結論になるべきである、こういうふうに考えております。
 それから第二のお尋ねの、民事の損害賠償の問題につきましては、これは私は所管じゃありませんので申し上げられないのでありますが、大体私の承知いたしているところでは、民事につきましても、やはり本国主義がとられているというふうに私は理解しておりますが、最近の実情は、私もつまびらかにいたしませんので、この点は所管外のことというわけです。
 なお、海上衝突予防法の問題につきましても、これは刑事上の問題ではございませんが、もしも日本船同士というような場合に、日本に刑事裁判管轄権があります場合には、この海上衝突予防法の措置をとったかどうかということが、過失をきめる根拠になるということは当然であろうというふうに考えております。
#198
○岩間正男君 外務省にお聞きしましたが、答弁をひとつ……。
#199
○説明員(大和田渉君) 外務省といたしましては、海上保安庁からも、事実の全体についての報告ということまでは、まだ受け取っておりませんので、ただ、個々の問題については、法務省とも、海上保安庁とも御相談申し上げております。公海に関する条約についての解釈についても、御相談の上、きめたわけでございますが、なお、先ほど岩間委員から、直ちにアメリカ側に対して外交交渉するか云々というお話がございましたのでございますが、ただいまでのところ、事実関係がまだ全体として把握されておりませんので、その措置はとっておりませんようです。
#200
○相澤重明君 ちょっと関連。横浜のほうだから、おれはやはり一言言っておかなきゃならぬ。
 いまの外務省の答弁ですと、まあ私のほうは運輸省の海上保安庁から具体的な連絡がなかったからというお話ですね。これを報告書で見るとですね、ここに、八月三日十二時半から、船長とか、操舵手とか、見張り員、そういうのを調べたとか、「弁護士ローガン、在日米国コースト・ガード司令官立会い」――そうすると、これは一応、いまの刑事局長の説明にあるように、やはり外国においては、外国の領事館なり、あるいはまた大公使館なり、そういうところがやはり一応立ち会うわけですわね、従来、どこの国でも。この立ち会うときに、日本政府の場合に、海上保安庁がその当事者の立場になったわけでありますけれども、こういうときには、外務省には本来連絡はしなくてもいいんですか。これはまあ運輸省の海上保安庁に一度聞いておきたいと思うんですが、やはり国際間の問題として、私どもは外国に行っておっても、いろいろ問題が出るわけですから、こういう点、やはり大事なことだから聞いておきたい。特に横浜のような場合、国際港ですからね、そういう面でも外国――アメリカの領事館がないわけでもないし、また、日本の立場でも、第三管区なり、第四管区なり、そういう政府機関というものがあって、それがたとえば事案についての立場というものはわかるけれども、国内の関係機関に、政府機関に、そういう場合には連絡をしなくてもいいのかどうか、この点は、まあ参考意見だから、ひとつ聞かしてもらいたい、最初に。
#201
○説明員(猪口猛夫君) 私たち、やはり外国船との折衝の起こる事案につきまして取り調べる場合には、事故を確認したりいたしますると、事務的には御連絡申し上げておりますが、その現場に外務省の方に来ていただくとか、出張していただくということにつきましては、格別にその立ち会い人というようなことを要請せないことに従来しております。と申しますのは、私たちのほうの、司法警察員としての職権に基づきまして当然処理しなければならない事案でございまして、その事案によりまして、取り調べた結果、相手国に抗議を申し込んだりなんかしなければならない、あるいは外務省のお手をわずらわさなければならないというような事案になりますと、外務省のほうに一々御報告いたしまして、そして外務省の御判断のもとに処理していただくということが、通常の私たちの事務処理の例でございます。本件につきましても、おおむねその状況で現在進んでおるのでございますが、先ほど申しましたように、本件の事実の究明につきましては、目下究明中という段階でございまして、部分的には御連絡は申しておりますが、私たちの最終的な処理というものはまだ報告していないという段階でございます。
#202
○相澤重明君 いまの話を聞いていると、外務省筋にはあとで連絡をして、もし必要があらばそういう手続をとってもらおうという話だね。そこが私はやはり問題で、先ほど他の委員からも質問があったのは、たとえば裁判所でひとつそういう事故概況について調べたいといっても、実は裁判所に対して、判事のそういう要請に対してはこれを拒否するというようなことがあったということになると、これは事実、海上保安庁の独自の判断、つまり、これはまだ事件として、そういう国際間の事件とはならない、こういう判断があれば、外務省にも連絡をしないし、法務省にも連絡をしない、とにかく、いまここに事件が起きた、この事案について自分のまかされた権限だけでいいのだという判断をするから、いま言ったような、もういまこの実際の問題を調べておりますが、そういうことで、相手の船はもういないということになってしまって、なかなか事実の捜査なり、あるいは聴取というものはむずかしくなってくる。こういうことが私は起こるのではないか。特に私は、先ほど申し上げましたように、国際ポートのような場合には、外国船と邦船との関係というものはきわめて事案が多いわけです。私は前にも浦賀水道で潜水艦の問題でお話しをしたこともあるけれども、とにかく刑事局長の、公海か領海かというような問題については答弁が明らかになっていませんけれども、そういう問題も、これはあとになってくれば当然出てくる問題ですね。これは当然に争いが起こる。争いが起こるような問題はできるだけその時点において、現実の時点において私は解決をする努力をしなければならない。でないと証拠はなくなってしまうと思うのです。そういう点で、いまの外国船に対する海上保安庁の捜査あるいは事情聴取というものが関係機関、行政機関同士でも私は不十分ではないかという気がするわけです。しかし、いまの部長の答弁を聞いておりますと、まあそこまではいかなくても、自分のまかされた権限だけでできる。もしそれが対外国船に対してやらなければならない措置があれば、あとで法務省なり、あるいは外務省にも連絡しても間に合うのだというような印象を受けたのです。その点について少し問題の焦点を考えた場合に、こういうことはこれからもあり得ると私は思う。あり得ると思うので、いま少し慎重にしないと、確かに船長からは早く国に帰りたい、目的地に行きたいという要請はあっても、事件のことを考えれば、私どもはやはりもっと慎重でなければならないのではないかと思うのですが、この点はひとつ部長からも再答弁をいただきたいし、できれば運輸大臣にそういう点――これは、あとできょうは実は日本航空のアメリカヘの乗り入れ問題についても、これはなまじっか十日からアメリカから代表が来て十分話し合います、そんななまやさしい問題ではないと思うのです。衆議院の運輸委員会の代表の諸君はアメリカに行っていろいろ陳情をしたが、あるいは要請をしたが、とにかく全然壁が厚くてどうにもならない、こういうような話しだったわけです。私は、この旗国主義というものも、つまり国と国との交渉だ、こういうことになれば、これはあとで話を聞くのだけれども、私はとにかく航空協定なんか破棄しちゃへ、それくらいの決意がなかったら、アメリカとの航空協定なんというものはできない。それくらいの決意を持っていまの船の事件についても、いま少し日本の立場をはっきりしないと、どうも相手がアメリカさんだからということでは、あとになって弁護士が立ち会ったり、司令官が立ち会ったから間違いがないだろうというようなことでは、私はほんとうのものにならぬだろうと思う。そういう意味で、大臣からも、いま少し日本の姿勢というものについて聞いておきたいと思う。
 先に部長から答弁願いたい。
#203
○説明員(猪口猛夫君) 先生の御質問の趣旨を私ちょっと間違えていたようで誤解を招いたと思います。私は、向こう側の弁護士なり、司令官が立ち会っているのに、そういう関係機関の人が立ち会わないのはどうかというぐあいに聞き取りましたので、先ほどのようなことを申し上げたのでございますが、事務的には、外国船との接触問題等につきましては、逐一関係の向きと事務的な連絡をとりながらやっているわけでございます。ことに今回「アリゾナ号」を引き返させるにつきましては、そういうやり方とか何かにつきましては、即刻関係の向きと連絡をとりながらやりました。そういうことでございますので、どうか誤解のないように願いたいと思います。
#204
○国務大臣(中村寅太君) 私はこの問題を聞きまして、「アリゾナ号」がマニラに向かってもう航海中であるということでございましたので、私もしろうとでございますから、法的な国際法等は詳しく知りませんけれども、けしからぬじゃないか、日本の船を沈めて帰るとは何事じゃ、直ちに引き返させるように手配せい、こういうことでやらしたわけでございまして、さっそくサンフランシスコの船主のほうに連絡して、船主から船に電報を打たせて、引き返さしたのですが、私は聞いたとたんは、沈没させておいてすぐそのまま逃げた、こういうように解しておりましたが、そのあとよく聞いてみますと、船はやはり一定の期間は捜索した、さがしたというようなことでございました。いま相澤委員おっしゃるように、私はやはりこういう問題は、法の上でいろいろむずかしさがあるかもしれませんが、日本の国民の生命を奪われたということには間違いございませんので、きびしい態度で、やはり法の許す範囲で対処していきたい、かような決心を持っている次第でございます。
#205
○委員長(松平勇雄君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#206
○委員長(松平勇雄君) 速記を始めて。
#207
○瀬谷英行君 議事進行について。この問題はちょっと割り切れないものが多々あります。そこで、この事故に対する報告と、それに対する質疑という形でやっておりますけれども、多くの問題があると思いますので、一応、本問題に対する質疑は保留をしておいて、さっき大阪湾の問題もありましたけれども、これを含めて継続をすることにして、先ほど、大臣が見えたら空港の問題等について質問することになっておりましたから、一応きょうのところはこれで打ち切って、次回の委員会に持ち越すということにして、先ほどの問題に戻る、こういう形できょうの委員会を進めてもらいたいと思います。
#208
○委員長(松平勇雄君) 海難に関する調査は、本日はこの程度にいたしまして、空港に関する問題を引き続き続行いたします。
#209
○岡三郎君 先ほど中村運輸大臣がおらなかったわけですが、国際空港の建設の問題について、五月の委員会において、公団を設立するという問題について、当委員会でこの問題についての討議が行なわれたわけです。その節に、公団法が通れば、直ちに地域の指定をしなければならぬ、そういうためにもこの法律を通してもらいたい、こういう趣旨の政府答弁が、大臣も、政務次官からもあったわけです。その後、新しい国際空港の位置の問題について杳として音さたがない。そういうことから、今日、新しい国際空港の建設は羽田の飛行場の狭さの関係で非常に急がれておる。それで、歴代の大臣もすみやかにやらなければいかぬ、いかぬと言いながら、政治的ないろいろの関係から、関係閣僚懇談会等において引き延ばされてきた。こういう事態の中において、われわれとしては、政府の明確なる御回答をいただかなければ、これはほっておくわけにいかぬ。そういう点で、大臣は就任早々ですが、前松浦大臣からの引き継ぎ事項としてもこの問題が大きな問題として運輸相としては引き継がれたとわれわれは考えている。したがって、大臣就任早々であるけれども、大臣に、新しい国際空港の建設について、いまの状況並びに直ちに位置の決定ですね、そういう問題についての御答弁を聞いて、それが不満ならば、佐藤総理大臣を呼んで、この問題についてはっきりとしてもらわなければならぬ、そういう時期に来ておる、おそきに失しておるという判断で、大臣に、これに対する御回答を求めるということでここへ出ていただいたわけです。
#210
○国務大臣(中村寅太君) 岡委員の仰せられますように、この新空港の候補地を早く決定するということは、これは政府としても非常に急いでおる問題であります。私も松浦前大臣から引き継がれましたときに、その点は聞いておるのであります。ところが、新空港の候補地をきめますまでに、いろいろやはり条件がありまして、その条件に候補地がかなっておるかどうかの調査等に対しまして、いろいろやはり地元の人たちとの間に話がつかなかったり、いろいろしましたような関係から、今日までおくれておるということが一つであります。
 それからもう一つは、やはり新空港に関する閣僚懇談会というようなもので、いろいろな点から協議してきたという経過は御承知のとおりであります。私はこの段階で、これは総理に相談したわけでもございません。運輸大臣としての考えといたしましては、もうこの段階では、やはり所管大臣が中心になって責任を持ってやらなければならぬ段階である、かように考えまするので、そういう方向で急いできめたい。ただ、御承知だと思いますが、候補地といま予定されておりますところの調査がまだ完全に済んでおりませんので、これを急ぐために、いろいろの隘路を打開しつつあるわけでございます。大体調査の進みます話があらかたついてきたようでございます。速急にひとつ調査をいたしまして、そして候補地としての条件の最も備わっておるところに速急にきめたい、かように考えておる次第でございます。
#211
○岡三郎君 大臣の答弁は、まことにもっとものようですが、そういう答弁は一年前にもう聞いているわけです。歴代の大臣からそのような趣旨の答弁があったわけです。これは失礼でも何でもなくて、その事実がそのとおりだから言うわけです。それで、前の公団法が通過する場合にも、これが通らないというと仕事に差しつかえるから、これが通れば旬日のうちに決定するから、この法律を通してほしい。通して、五月に通してからいままで音さたなし。その間に選挙があったという理由があるかもわかりませんが、音さたなし。
 それで、もう一つは、調査調査と言われているが、事務当局の調査は終わっていると思うのです。しかも、航空審議会の答申については、富里と霞ケ浦という二点を明記して指摘して、その中において、霞ケ浦の場合は、百世飛行場の問題、百里基地との関係があるから、それが許されるならば霞ケ浦もいい。富里の場合は、千五百戸の住民があそこにいる。この千五百戸を移転するなんていうことは非常に大きい問題で、霞ケ浦のほうは、そういうことから考えれば、百里の基地との関係が調整がつけば、霞ケ浦のほうがいいのではないかという答弁まであったわけです、過去において。そうなるというと、実態調査はすでにわれわれは完了していると思うわけです。ただ、関係閣僚懇談会の席上において、いろいろと、航空審議会から答申した以外のいろいろの意見が出ていることもわれわれは承知しているわけです。埋め立ての問題は、東京湾についてもどうだとか、それから東京を中心とした米軍使用の飛行場の返還の問題との関係からもどうかとか、いろいろの問題が論議されたことも聞いておりますが、しかし、根本的に言って、政府がいつも言うように、審議会というものの答申は尊重するということを十分言っているわけです。だから、そういう角度からいって、調査というものがすでに事務当局によって済まされているとわれわれは思うわけです。あとは政治上の問題です。政治上の問題といっても、この問題については、事務当局も言っているように、時間がたてばたつほど困難になるということを言っているわけです。こういう問題は、いろいろの条件が新しく発生してくれば、時間が遷延すれば遷延するほど、事態の解決は困難になる、こういうことまで速記録に全部書いてある。ということになれば、これはいまの大臣のことばを率直に信用して、可及的すみやかにと言って、国会が終わったら、やあやれやれということで、またこれほっておかれるとは思いませんが、少なくとも、われわれの見たところ、羽田飛行場についてはもう狭くて困る、いつ事故が起こるかわからぬ、そういう現状の中で、新空港を建設するためには、かなり長期の時間を要する。そういう総合的な関連の中で、運輸省自体も、昨年の予算編成期に間に合うように、昭和四十年度の予算に金をつけなければ、工事その他を見れば責任が持てない、非常にむずかしい条件になってくるということまで言っている。ということになれば、非常にむずかしい期間から、また一年おくれるわけですけれども、少なくとも四十一年度の予算には完全にこれを間に合わせなければならぬし、もっと端的に言えば、補正においてこの問題の予算というものを処理していかなければ、それらの問題について、事故対策として責任を持てぬという形になってきつつあるのではないかと思うのです。そういう点で、これ以上時間がありませんから詳しくは申し上げませんが、先ほどの決意のようにひとつ、すみやかにということばを字句のとおり、いわゆる有言実行してもらいたい。もう一ぺん決意を伺いたい。
#212
○国務大臣(中村寅太君) 岡委員と同じような気持ちで私もこの問題に取り組んでいるのでありますが、ただ、候補地の技術的な調査というものがまだ完全に済んだというわけにはいきませんので、それを速急に急ぐため非常に努力をしておったのであります。ようやく見通しがついたようでございます。速急にこれをやりまして、そうして、その上で、いま言いますように、できるだけ早く、これは岡委員もおっしゃるように、予算との関係もありますので、そんなにいつまでも引っぱっておけるものではございません。いま、ひまが要りますというのは、政治的ないろいろのことじゃございません。やはり技術的な研究調査というものがもう少し残っているということと、それから候補地の調査をしようとしますと、地元の人たちとの間にやはりスムーズに調査を進めるような運びにしませんと、もしもそこに決定した場合には、将来建設していく上に支障になりまする心配がありますので、そういうこと等を考慮しながら、できるだけ急いでいる実情でございます。仰せのような方針で、気持ちで、全力をあげてやるという決心を持っております。
#213
○岡三郎君 それで先ほども本委員会において、大臣の答えが満足できなければ、総理を呼ぶべきであるという意見まで、ここではっきり出ているわけです。したがって、具体的にどうするのかということについては、十日に運輸委員会があるわけです。その間にまだあと三、四日あるわけですが、その間、非常にむずかしい問題があるにしても、もう政治的な問題ではないのだ、調査の問題だと。ところが、調査のほうは、事務当局に聞けば、調査は終わっているわけです、実際具体的に。ただ、いろいろとあとでどこにするかということで、漁業権の補償の問題とか、移転の問題とか、いろいろな問題がある。しかし、そういう問題はどういう問題にもつきまとうわけですから、一応それを何とかうまくやってからあとで処理するのだということではなくて、やはり明確にしておいて、具体的にこの中で処理していくということ以外に現状というものはないと思うのですよ。前の航空局長の栃内君のときには、とにかく、昭和三十九年度の年内――年度ではなくて、三十九年の十二月にはきめてもらわなければこれは何ともなりません、こういうことを明確に言っているわけです。その後、本年の五月の本委員会においては、大臣も政務次官も、公団法をきめてもらえばすぐにこれはかからなければならない問題であるし、すぐきめますと言っているわけですね。ですから、そういう点でひとつ明確な御答弁を十日の委員会でやれるように進捗してもらいたいと思う。
#214
○相澤重明君 関連して。大臣、私はあなたの話を聞いても、なかなかいつ幾日までという答えは出ないだろう、実はそういう頭で総理大臣を呼ばなければいかぬ、こういう話をしたわけです。岡さんは、大臣を呼んでまず聞くべきだ、私はそれにプラス総理大臣を呼べと、こう言った。それはなぜかというと、佐藤内閣がかわってほかの人が内閣の首班でやるなら、これは事情変更というものも出てくると思う。しかし、これは佐藤内閣に変わりはないのだ、改造はしたけれども、佐藤内閣に変わりはない。しかも、その佐藤内閣として、とにかくこの法律を通してもらわなければわれわれは困るし、法律を通せば必ず一週間か十日のうちにやるということを、いま岡さんのおっしゃるように、われわれの委員会で責任を持って答弁をした。それで、あなたは数日でやめるんですよ、かわるんですよと言ったときに、いや私は全責任を持って、そうして新しい、どなたがなるかわからぬが、運輸大臣に引き継いで、必ずそういうふうにやりますと、自民党の内閣として、佐藤内閣としてかわらない以上、必ずやりますと、こういう話をしておりながら、二カ月もたってまだ調査をします、検討をしますというようなことを言われたのでは、一体、国会の審議というものを――特に私どもとしては、この法律を通す場合に附帯決議というものをしているわけですよ。そういうことからいけば、国会の意思というものを尊重しないじゃないか、こういうことで、私は、岡さんが運輸大臣だけというそのことに私も同調したかったけれども、いやいかぬ、プラス・アルファ、総理大臣も呼べと、こういう強硬論になった。そこで、岡さんの言うように、十日の委員会が開かれるという際に報告ができるかどうかわからぬけれども、私は、この臨時国会が終わったら、次の臨時国会でまたそういう同じ答弁をするような、ふぬけた官僚であってはいかぬと思うのですよ。ですから、あなたも大臣になって二カ月もたっているのだから、この際、やはり早くきめてもらう。要は腹だ。実は、私どもはこの法律を審議するのに、何も公団法をつくらなくても位置はきまる、政府がその気になればきまる、だから、きめてからこの法律をつくって公団を設立したっていいじゃないかということをむしろ言ったわけです。しかし、やはり航空法や何かの関係、いろいろな問題もあるから、ぜひ法律だけは先に通してくれ、こういう要請でわれわれも協力できるものはやろう。だから、現地も私ども飛行機でもって見たのです、全部。だから、そういうことからいって、長引けば長引くほど困難になります。現に千葉県だって、たいへんでしょう。また、運輸省はよけいなことを言って、あっちだこっちだということをやっておる。かえって国民の感情を刺激して、ますますその解決を困難におちいらせるようになっている。要は、政治というものは、まああなたに説法するつもりはないけれども、少なくとも、責任ある担当者がきまったら、これはもうできるだけ早くきめていく。その姿勢を正してもらわないことには、私は国会というものを軽視していると言われてもしがたがないと思う。ましてや、いま岡さんの話じゃないけれども、前松浦運輸大臣は食言だと、私はそれまで聞きたい。だから、場合によれば、当委員会ばがりではなくて、決算委員会あたりにも証人で喚問をしてもらわなければならぬ、そこまで腹が立ってしまうわけです。そういうことのないように、きょう、あなたがそういうふうにおっしゃるから、それを信頼していいと思う。だから、やはりその信頼を裏切られたときには、そうはいきませんよ。ですから、いま早急に、できれば何月何日ごろというめどを私はつけてもらいたい。それがつかないような、ぐらぐらした考えでやっては、絶対に、事、参議院の運輸委員会では私は通らぬと思います。あなたがどんなに説明しようとも、あとまたこの次の臨時国会、通常国会なんといったら話にならない。そんな気持ちはないだろうと思うけれども、いま一度あなたの決意を聞いておきたいと思う。
#215
○国務大臣(中村寅太君) 私も相澤委員と同じような気持ちで、大体運輸大臣になりましたときはしろうとでございますからね、すぐきめておいて、あとは片づくものじゃないかというような気持ちを持っておりました。いろいろ専門的に聞いてみますと、やはり候補地がはたして飛行場となるかという条件を全部十分に備えておるかということが非常に必要なことであるということがわかりまして、その点でもう少しやはり調査しなければならぬという点が残っているのじゃないか、それで、それを急いでやらせるようにいたしまして、ようやくその目鼻がつきましたので、いままでよりもぐっと急いでそれをやりまして――やりませんと、きめておいてやりかかったら、これは飛行場にならなかったというのじゃたいへんなことになりますので、そういう事情もあるということをひとつ含んで御了承願いたい。私はそういう意味で一日も早くきめたいという決心を持っております。
#216
○吉田忠三郎君 大臣、いままで岡委員並びに相澤委員から、るるいまこの経緯について、むしろ親切丁寧に指導を受けたような感じがするのです。その答えとして、その気持ちであるとか、決意のほどは伺いましたがね。そういう程度ではこの問題は始末がつかないということをひとつあなた念頭に置いて、私はいま直ちにということは言いませんけれども、腹を決めて次の委員会に出てもらいたいと要望しておきます。そのことは、あなたは大臣になって二カ月ですから、かなり勉強家だということは、私は議院要覧などを見て存じ上げておりますけれども、この問題について十分勉強してもらいたい。この法律を通すときに、もとより政府は重要法案、われわれ社会党――野党としても、重要法案だということで取り扱ってきた問題であります。ですから、この四月の中旬ごろの本会議における私の代表質問に対して、総理大臣がどう答えたか、時の運輸大臣の松浦周太郎がどう答えたか、なくなりましたけれども、時の国務大臣の河野一郎さんがどう答えたか、十分ひとつ速記録を勉強してもらいたい。それから六月一日に、あの幕切れにこの法律が多数をもって可決したのです。その前後に、いまそれぞれあなたに質問された各それぞれの議員から、この問題が種々あらゆる角度から討議がされたのです。これに対して松浦運輸大臣の責任ある答弁がある。それから運輸省の役人の航空局長たる責任者から答弁があるのです、これは。ですから、いまそれぞれお話があったような意見あるいは質問になっているわけですから、ぜひひとつここらあたり十分勉強して、十日の日にもう一回大臣はこの委員会に出てもらう、このことを私は大臣に要求をいたしておきます。
 それから航空局長に、立ったついでですから申し上げておきますけれども、三宅勘の飛行場の問題もさることながら、今日建設中の長野県の松本の飛行場の建設の状況、北海道における紋別飛行場の建設の状況、中標津の飛行場の建設状況の中間報告でけっこうですけれども、十日の日に、ひとつわれわれの委員会に報告をしていただきたいということを、これまた要求をして私の質問を終わります。
#217
○国務大臣(中村寅太君) 私の申し上げましたこと以外に何か言えということですか。
#218
○吉田忠三郎君 ですから、あなたは勉強していないということなんだ、あなたは。私の気持ちは、主管大臣たる運輸大臣がこのことをきめるべきだと考えております。その主張は私はまさにそうだと思う。ですから、私は本会議で、主管大臣たる当時の松浦運輸大臣がこのことを決定すべきではないかという質問をしたのです、本会議で。これに対して佐藤総理大臣は、この問題については日本の産業経済に大きく影響する問題があるから、一つは国策であります、だから関係閣僚懇談会できめるのである、一運輸大臣にまかすことはできないという答弁をしておるのですよ。だから、相澤委員から、総理大臣にここに来てもらわなければならぬという意見が出てくるわけですから、そういう経緯を勉強して十日に出てきてくださいと、こう言っておるのです。わかりましたか。
#219
○国務大臣(中村寅太君) その点はわかったのでございますが、私は十日までに飛行場をきめるような、いつごろまでにきめられるというようなことをはっきり返事せよという意味で委員会に出てこいとおっしゃったのじゃないかと、こう聞いたもんですから、そういうことでしたから、いま言いますように、これはもうあなた方と私は正直に話しておるんですから、ひとつ聞いておいていただきたいのは、飛行場というものは、先ほども言いますように、ただここにきめておいてやろうというわけにやはりいかないのです。新空港となるという条件をもう少し調査せにゃならぬ点が残っておるんです。それで、それをやって、それの結果を見ないときめにくいという実情にあるということだけは、お含みおき願いたいと思うのです。そういうことで、その点がいままでひまが要っておった。これは先ほど言いますように、やはり地元の人の恩恵を完全に無視して、たださっさっさっさっとやっていくわけにいきませんので、そういうことでひまが要っておりましたが、それが話が大体つきましたので、早急にその点を調査しますと大体見当がついてくると思います。そういう事情でございますから、そういうことを含んでおいて十日の委員会には出していただかないと、いまおっしゃるように、ただ事務的にはこうだったと言われましても、またきょうと同じような答えをしてしかられると意味がないと思いましたので、そういうことを言っているわけです。
#220
○吉田忠三郎君 大臣、あなたのいまの答弁というのは、まことに奇々怪々ですよ。いいですか。六月の一日の最終国会で松浦前運輸大臣は、一切の候補地の調査を終わっております。――速記録をよく読んでください。――あとは、この委員会でこの法律が通りさえずれば、一週間ないしは十日間に、私の責任において候補地を決定いたしますと、こういう答弁をしているんです。ですから、いまあなた、ひょろひょろと立って、まだまだ事務的な問題ではなくて、調査することがあるなどと言っても、こんなものはこの委員会で通用しませんよ。だからといって、あなたに――なりたての大臣が十日に出てきて、いつ幾日にやりますということの答えができるような大臣でないと思っているのです、失礼だけれども。そういう要求はしておりませんけれども、そういう経緯というものを勉強して十日に出なさいと言っているんです。わかったですか。
#221
○政府委員(佐藤光夫君) ちょっと大臣の答弁に補足さしていただきますと、先ほど吉田委員の御質疑がありましたから、私から一言申し上げさしていただきます。
 御指摘のように、公団法が成立すれば一、二週間以内に新空港の候補地をきめるというような趣旨を前大臣が申された点がございます。なお、その前提として、新空港の候補地については、岡委員の御指摘のように、数年来種々の角度から調査を実施してきておって、候補地を決定するのに差しつかえない程度の資料を得ているということは御説明を申し上げておるわけでございます。しかるところ、新空港の建設は、まれに見る大規模な事業でありまして、各般の行政分野に及ぶ影響が大きいということで、事務的な調査を進めろということになっておりまして、先ほど大臣がちょっと申し上げましたように、現在主として霞ケ浦並びに富里につきまして、用地造成計画のための調査、漁業補償の調査、治水利水事業の調査、道路関係調査というようなことを各省分担して調査を進めるという宿題が関係閣僚懇談会からおりまして、それを事務当局がやっておりまして、その報告を大臣に申し上げておりましたので、大臣から先ほどのような御答弁を申し上げたという結果に相なるかと思います。
 なお、お話もございますので、十日の委員会までに、従来の経緯その他もわれわれもよく大臣に御説明し、大臣の御決意を承るようにいたしたいと思います。
#222
○岡三郎君 それはそれとしてわかったけれども、以後、運輸省のほうの今後の本委員会における答弁は信用しませんよ、それは。とにかく、そのときそのときで適当なことを言って、あとはまだ調査しているんだ、関係閣僚懇談会の言うことがおりてきたからまたやっているんだ、そういうふうなことをこの委員会で言える段階じゃないですよ。全部もうこの公団法が通ればきめます、やらなければ間に合わないです、われわれのほうがあおられて、それはたいへんだというので、十分審議をしないで通しちゃったのです。通したら、あとはさっぱり……。急がなければならないものだったから……。急がなければならないものだか何だかさっぱりわからない。そういうことをこの委員会で言うから……。そういうことを言っておるなら、あとは運輸省の法律案というものはもう信用しません、これからは。そういうことになってくるのですよ。でたらめな、いいかげんなことで、幾ら現状がどうだって、速記録に載っておることは、責任を持ってもらわなければ困る、全部。引き継ぎといったって、いま相澤君が言ったように、佐藤内閣のもとにおいて、国際空港の問題については半年や一年じゃないのです。航空審議会がすでに一昨年の暮れに答申しておるのです。あとでいろいろな問題があることは、いま言われたことはわかります。わかるけれども、それを含んできめますという答弁だったというふうに私は考えるのです。そうでしょう。いろいろな事態があるけれども、それを含めてこの法律を通してもらえばきめますと、こう言っておるわけです。通してから、また何かありますよというのじゃ、これから信用できない、そのことを言っておるのです。だから、何もこれ以上言おうとは思っていないけれども、経緯というものを、そういうところにあるということを腹に存分入れておいてもらわぬと、委員会の運営がこれから進まぬということですよ。
#223
○委員長(松平勇雄君) 次回は八月十日午前十時より開会することにし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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