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#1
第049回国会 内閣委員会 第2号
昭和四十年八月三日(火曜日)
   午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 河本 敏夫君
   理事 井原 岸高君 理事 伊能繁次郎君
   理事 岩動 道行君 理事 八田 貞義君
   理事 田口 誠治君 理事 山内  広君
      塚田  徹君    野呂 恭一君
      藤尾 正行君    湊  徹郎君
     茜ケ久保重光君    角屋堅次郎君
      中村 高一君    受田 新吉君
 出席政府委員
        人事院総裁   佐藤 達夫君
        人事院事務官
        (給与局長)  瀧本 忠男君
        総理府総務副長
        官       細田 吉藏君
        総理府事務官
        (人事局長)  増子 正宏君
        建設政務次官  谷垣 專一君
        建設事務官
        (大臣官房長) 鶴海良一郎君
        建設事務官
        (計画局長)  志村 清一君
        建設事務官
        (都市局長)  竹内 藤男君
        建 設 技 官
        (河川局長)  古賀雷四郎君
        建 設 技 官
        (道路局長) 尾之内由紀夫君
        建 設 技 官
        (住宅局長)  尚   明君
 委員外の出席者
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
八月三日
 委員荒舩清十郎君辞任につき、その補欠として
 佐伯宗義君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事荒舩清十郎君同日理事辞任につき、その補
 欠として岩動道行君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三号)
 公務員の制度及び給与に関する件
     ――――◇―――――
#2
○河本委員長 これより会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 理事荒舩清十郎君から理事辞任の申し出があります。これを許可し、その補欠選任につきましては、委員長より指名いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#3
○河本委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に岩動道行君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○河本委員長 公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。田口誠治君。
#5
○田口(誠)委員 人事院の勧告が出される直前でございますので、それにしぼって御質問を申し上げたいと思います。きょうは給与担当大臣が参議院の本会議に行っておりますので、それは次官のほうで御答弁をいただきたいと思います。
 従来、人事院の勧告は八月の八日、それが十日になり、また十一日になり、昨年は十二日になる、こういうように勧告の日にちも毎年延びてきておるような実態がある。延びたことが内容的にいいかということを検討してみると、必ずしもそうではない。こういうことから、私は次のような考え方で御質問を申し上げたいと思います。
 御承知のとおり、いま臨時国会が開かれておりまして、十一日をもって会期が終了いしたます。公務員労働者は、大幅賃金の引き上げを要求して、現在人事院の勧告の出る前に全国から代表者が東京に集まって、そして勧告の早期または公務員労働者の要求にこたえられる勧告が出されることを期待をして、非常に深刻な気持ちで見守っておるというのが、実態であるわけです。こういうような周囲の状況から考えてみましても、せっかく臨時国会が開かれておるのであるから、この国会の会期中に勧告が出されることが最も好ましいことであり、常識的であろうと思うわけです。したがって、これに対しての私からの意見はあとから申しますが、人事院としてはいつごろ勧告を出される予定であるのか、総裁のほうから答弁のできる範囲でひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#6
○佐藤(達)政府委員 御趣旨、すなわちせっかく国会の開会中であれば、それに間に合うように勧告を出すにこしたことはないじゃないかという御趣旨は、まことにごもっともであります。なるべく御理解をいただく機会が多ければ多いほど、私どもは非常にうれしいことだと思っております。ただ問題は、事務的な作業の問題という一点に尽きるわけであります。御承知のように、例年その日は一定の日になっておりません。これは要するに、作業の終わり次第、でき次第というたてまえでやっておりますから、おのずからそこに日取りも変わってきておるというわけであります。ことしの場合、これから格差が出まして、それから後の作業というものは、やはり五、六日はどうしてもとっていただかなければならない。これはほんとうに完全な徹夜でやってなおかつそういうふうになるわけでございます。私ども、国会中に間に合わせたいという希望は持っております。法律案でありますと、おこがましいことを申しますけれども、私一晩か二晩徹夜すれば仕上げる自信はございますが、何ぶん膨大な各給与法にわたってのこまかい数字の問題でございますから、これがいつというようなことは、はっきり申し上げる計算はまだ立っておりません。昨年の十二日ということより早くなるかどらか、これはおそらくあれより早まる公算のほうは少ないのではないかというように、正直に申しまして考えております。
#7
○田口(誠)委員 私のいま申し上げたことは、全国から公務員の代表者が東京に集まって、非常に深刻な態度でこの勧告の出ることを待っておりますし、所によってはすわり込み等もなされておるわけです。したがって、どうせ出すものなら、こういうような期間を少なくすることが好ましいのであって、もちろんこの国会で審議をすることはできないと思いますけれども、国会終了後と国会開会中とでは与える感じが大きく違うわけなんです。そういうような点から、強く本国会中に勧告を出してもらいたいという要望を申し上げていま質問をしたわけなんですが、総裁のほうからは、日時の問題についてはいま軽率に約束することはできないけれども、なるべく私の質問申し上げたような趣旨に沿って早期に出すように作業にスピードをかける、こういう内容だったと思うのです。しかし、最後の一口が気に入りませんことは、去年よりおそくなるのではないか。私のほうでは今国会中に何とかかっこうをつけてもらいたいというのに、努力はするけれども、去年よりはおそくなるのではないか、こういう答弁がいま完全になされるということは、これは毎年なされる勧告であるから、日時の問題等についても大かたのめどをつけて作業というものは進められておると思うのです。実際に人事院自体としては毎日会合を持ったり、夜おそくまで審議をしたりして努力していただいておることは、私は重々知っておりますけれども、いま申しましたように、何とかこの国会の開会中に出してもらいたいという強い要望が公務員労働者のほうからありますし、私ども議員としてもそうした考え方を強く持っておるわけなんですから、国会閉会後だという、そういうはっきりしたことではちょっと困るわけなんです。それはあなたのほうの答弁のことばのかげんかとも思いますけれども、いま申しましたようなそういう事情をよく勘案していただいて、早期に出していただくということでもう一度確認をしていただきたいと思います。
#8
○佐藤(達)政府委員 最後の一言は、われながらつまらぬことを申し上げたと思います。ただ、そういうことを申し上げたのは、調査が去年よりちょっとおくれているものですから、そういう関係から、何でも正直に申し上げるたちでそういうことを口ばしったわけです。ここにも給与局長もおりますし、これからなお努力いたします。大いに督励いたしまして、できるだけのことはやりたいと思います。
#9
○田口(誠)委員 その点については、ただいま申しましたことを強く要望を申し上げて期待をいたしておきます。
 それから、人事院の勧告は、従来とも民間給与との格差是正を理論的なよりどころとして今日まで出されておりますが、今年の場合は、定昇を除いた金額は、二千三百円が春闘の平均になろうと思うのです。ただし、これは公労協は四月以降に金額を決定いたしましたので、それで四月の調査というものには入っておらないと思うのです。四月以降に決定をして四月に遡及して清算をするのであるから、四月に調査をされた数字の中には公労協の賃金の引き上げは入っておらないと思うのです。こういうようなことから考えてみましても、この金額が人事院で調査されておられる金額より多くなるということは確実であろうと思うので、そういう点は十分勘案をしていま作業を進めておられると思いまするが、この点もこの際お聞きをしておきたいと思うのです。それで、いつもこの問題については人事院の勧告の審議のたびごとに質問で論議がなされる問題でございますので、人事院の勧告が出る前に私はこの点を明確にして、そういう点が勘案されておらないということなら勘案をしていただかなくてはならないと思いますから、その点も含めて御答弁をいただきたいと思います。
#10
○佐藤(達)政府委員 ただいまのお話は、主として春闘のいわゆる積み残しと申しますか、春闘のおくれを中心としてのお尋ねではないかと思います。昨年あたりから春闘はだんだんおくれてまいって、ことしは相当おくれているということは、一般の常識となっておるわけであります。私どもとしては、やはり手持ちの確固たる調査のデータというものを基礎にして判断しなければなりませんが、まだふたをあけてみないことには軽軽しいことは申し上げられませんけれども、しかし、いまお話しのように、私どもの本来の調査の対象は、四月中に現に支払われたものを民間の給与の実態としてとらえておるということでございますからして、その春闘のおくれが非常に大きいということになりますと、それに入らない剰余の格差というものがあるわけであります。これをどう扱うかという問題でございます。これはもうたびたび前々から、ことに昨年あたりからおことばがあって、お答えをしておるわけであります。これは非常に顕著な積み残しがあることを知りながら、みすみすこれを無視して通り過ぎてしまうということは、これは私どもの立場としてはいかがかと思うので、こういう点を含みながら、いわば付帯調査の結果ではありますけれども、十分これを注視してまいりたいというふうに思います。
#11
○田口(誠)委員 私どもの要望しておることを頭の中に入れて作業を進めておられるようでございますので、その点は強くお願いをしておきたいと思います。
 それから、私の数字では、これは一月しかとっておりませんけれども、今年の前年比の指数というものは九・三%、物価指数のほうは九・九%になっております。したがって、昨年は九・七%で二千五百九十八円くらいに金額がなったと思いますが、私がただいま申しました物価指数あるいは賃金上昇の前年度比の指数、こういう点から考えてみましても、昨年を下回る勧告はできないのじゃないか、上回るのが常識的ではないか、こういうように考えておるわけです。この辺のところはどのように把握しておられますか、この点についてもひとつお考えをお伺いしたい。
#12
○佐藤(達)政府委員 一言のもとに申し上げますれば、完全な予測がつきません。結局、私どもの立場としては、民間調査の結果をふたをあけてみて、それから官側の調査を突き合わした上の格差というものをよりどころにして作業を進めておるわけでございますので、これも、たとえば毎勤等の違いがあるではないかというようなことを御指摘になりますけれども、それはそれとしておそらく理由があると思いますが、率直に申し上げまして、ふたをあけてみないことには見当が全然つかないというのが、一番正しい答えだと思います。
#13
○田口(誠)委員 私の申しました数字は、これははっきりと官庁から出されているもので、つくった数字ではございませんから、こういう点から検討していただくと、ただいま私が申しましたように、昨年を下回るような上昇パーセンテージにはならないのではないか、こう考えておりますので、ひとつせいぜい公務員の実態を勘案して、上昇率を引き上げていただくよう強くお願いをいたしておきたいと思います。
 それから、四十八国会でILO八十七号条約が批准になりました。しかし、公務員労働者の団体交渉権とか争議権とか、またその他の問題につきましては、公務員制度調査会において検討するということになっておりますので、ILO八十七号条約が批准になっても、従来どおり団体交渉権もスト権も取り上げたかっこうで、人事院がその代償機関として作業をしていただく、こういうことになっておるわけです。したがって、ILO八十七号条約が批准になった以上は、従来より気持ちをちょっと変えてもらわなくてはならないと思うのです。そういう点から考えてみますと、従来は、人事院が勧告をいたしましても、完全実施がなされておらないというのが実態であるわけです。この点について人事院の総裁は、審議のときには声を大にして遺憾の意を表せられたのでございまして、私どもその考え方には敬意を表しておりますが、実際的には五月実施が十月になり、昨年はようやく五月実施が九月になる、こういう結果を出しておりますので、今年は完全実施ということを強く要請をいたしたいと思います。それで、人事院総裁からお聞きすれば、当然これは完全実施をするように努力しなければならないし、すべきであるという答弁だろうと思うのですが、きょうは給与担当大臣がお見えになりませんけれども、大臣の代理としておいでになっておりますので、ひとつその点の努力目標というようなもの、また約束できれば約束をしていただきたいと思いますが、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#14
○細田政府委員 初めにちょっとごあいさつをさせていただきたいと思います。
 私、先般総務副長官を拝命いたしました。内閣委員会の委員の皆様方にも今後お世話になると思いますが、よろしくお願いいたします。
 本日は、給与担当の安井国務大臣が参議院の本会議でどうしても出席することができませんので、かわってお答えを申し上げます。
 ただいま田口先生からお話がございましたように、人事院勧告につきましては、この勧告制度の創設の趣旨からいたしまして、実施時期も含めましてこれを尊重すべきことは言うまでもないことでございます。政府も、このたてまえに基づきまして従来から努力を重ねてきておるわけでございますが、今年につきましても一そうの努力を払いたいと存じておる次第でございます。
#15
○田口(誠)委員 給与担当大臣の代弁としていま答弁をいただいたのですが、人事院の勧告は完全実施をするために最大の努力をする、こういうお話でございまするので、ここでやるかやらないかといって言質をとるということは無理だろうとお思うので、そういう考え方でおいでになりますれば、人事院の勧告が出れば、これは当然大蔵省にも交渉をされ、また閣議においても強い発言をされて、そうして完全実施の方向に持っていかれるべきであろうと思いまするので、この点は私は単なる答弁のための答弁というようには聞いておきません。非常にこのことは完全実施化してもらえるものだという期待の上に立って今後見詰めていきたいと思いまするので、その点を十分に大臣にもただいまの答弁内容を反映していただいて、最大の努力をしていただきたい。この点を強く要望を申し上げておきます。
 そこで、これはILOの八十七号条約との関係でございますけれども、先ほど申しましたように、ILO八十七号条約は、四十八国会で決定になり、日にちがたてば自然成立ということになりまするが、結局従来と異なっておりますることは、もうILO八十七号条約が批准になれば、当然これは公務員労働者に団体交渉権は与えられるべき筋合いのものであるというように私どもは考えておりまするが、しかし、この問題についてはいろいろと従来との関連がありまするので、慎重に検討をする時期が与えられておるわけなんです。与えられておりまするが、人事院としては、また給与担当大臣としても、これは直接公務員労働者が団体交渉をして、そうしてこの賃金をきめる段階にあるのだということをお考えになって今回の勧告の問題は処理をしていただかなければ、従来とはその点が少しく私は違っておると思いまするので、当然人事院総裁のほうでもこういう点については十分に御認識だろうと思いますけれども、一言この点についての御見解を承っておきたいと思います。
#16
○佐藤(達)政府委員 公務員に団交権を与えるのがいいか悪いかというような遠い問題は、私どものまだ申し上げる筋合いのことではありません。まず目前の問題として、先ほどのおことばにもありましたように、私どもは団交権の代償的機能を任務とする代行機関とされておる。したがいまして、たとえばわが勧告の場合におきましても、これがせめて公労委の仲裁裁定のように完全に実施されることがなければ、完全に代行機能を営んだことには制度的にはならないのじゃないかというような気持ちで、何よりもまず完全実施をしていただきたいという気持ちであります。
#17
○田口(誠)委員 給与担当大臣は……。
#18
○細田政府委員 ILO八十七号条約の批准に伴って当然団交権が与えられるというようなお話でございましたが、この点につきましては、私どものほうでは実はさように考えておりません。ただ御承知のように、近く発足いたします。ただいま私どものほうで審議会令は出しましたが、委員の人選を急いでおります公務員制度審議会におきまして、公務員の労働に関する基本的な諸問題が検討されることになっておるわけでございます。この審議会が一日も早く開かれましてりっぱな結論を得られるように、政府としては要望しておる次第でございます。
#19
○田口(誠)委員 ちょっと認識不足の面がありますのでつけ加えて申し上げておきますが、ILO八十七号条約を批准すれば、原則としてはこれは公務員労働者にも団交権が与えらるべき筋合いのものである。これは明確なんです。ただ公務員労働者は、国民の善良な奉仕者として、団交権を与え、それから行動権を与えることがいいのか悪いのか、どの程度までできるのかということを公務員制度審議会において検討してもらうのであって、頭から否定をしたという考え方は、これはおそらくことばのあやだと思いまするけれども、その点は誤っておりまするので、私のほうから警告をいたしておきたいと思います。あえて答弁はしていただかなくともそれは警告でいいと思いますが、あなたのことばのあやだと思うのです。原則としてはこれは当然与えらるべき筋合いのものである。
#20
○細田政府委員 ILO八十七号条約そのものから出るかどうかという問題は、ILO八十七号条約とは別の問題ではないかと私は考えております。公務員が団交権を持つべきである、あるいは行動権を持つべきである、もっと基本的な問題としてあるのだというお考については、それはあり得ると思います。そういう点について審議会で検討されるのであって、ILO八十七号条約は、その問題には直ちには触れておらないように私は考えるのであります。
#21
○田口(誠)委員 時間がもう二、三分しかありませんので、ここで討論はあまりできませんが、憲法には保障されておる。それから八十七号条約は、団結権の自由を保障するものである。団結権の自由を保障するということは、団結をしてそして団結体が相手と交渉をして、交渉の上に立って自分たちの労働条件をよくし、生活を向上させる、こういうことが目的であるのであって、いまあなたの答弁からいってもちょっとひっかかりがあるわけなんで、これは私の言うほうが確かですから、別に答弁は要りませんが、そういう御認識でないようにお願いをいたしたいと思います。
 時間がありませんのでもう一口だけ申し上げておきますが、昨年人事院の勧告を審議してこれを採決いたしましたときに、附帯決議をつけております。この附帯決議というのは、毎年人事院の勧告が出て公務員の給与の引き上げがあるにもかかわらず、全然予算化――予備費というようなものが取られておらないから、そういう点については予備費等も取ってもらいたい、こういう質問の上に対しての要望もありましたし、そして特に完全実施をしてもらいたいということがこの附帯決議の中に入っておるわけなんで、この点は、人事院総裁のほうは始終取り扱っておられるから答弁の要もないほど十分に認識されておると思いまするが、給与担当の大臣のほうについては、今度新しく大臣になられたし、また副長官も就任されたわけなんでございますから、この点の確認を私はここで明確にしておきたいと思うわけなんで、恐縮ですが、それぞれひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#22
○佐藤(達)政府委員 私から申し上げるまでもないことでありまして、この附帯決議は、ほんとうにこれほど私はありがたい、あるいはうれしいと思ったことはないわけです。ぜひこのとおりにことしはいくものと確信いたしております。
#23
○細田政府委員 例年勧告が年度の途中に出まして、これが予算との関係においていろいろ問題があることは、申し上げるまでもございません。昨年の本委員会の決議もございます。そこで政府といたしましては、この給与勧告と予算編成との時期的な問題などにつきまして、関係閣寮会議を開きましたし、また関係官の会議を開いて、種々の観点から検討をいたした次第でございます。たとえば給与改善の財源を当初予算に計上する方法があるかどうか、あるいは予備費の中から出せるか出せないか、または勧告時期の変更あるいは予測勧告、こういったようないろんな角度から検討を加えておるのでございますが、いずれにつきましてもむずかしい問題がございまして、ただいまのところ結論に到達いたしておりません。これらの点につきましては、なお、私どものほうで十分の検討をいたし、附帯決議の御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えておるわけでございます。
#24
○田口(誠)委員 私は一ぱいに時間をいただいたので、これでやめますが、山内先生からちょっと関連して一言質問がございますので、そこで最後にひとつ確認をしておきます。
 私がただいままで要望を加えて質問申し上げましたことは、人事院の勧告を本国会の会期中に出してもらいたいということです。それから毎勤統計あるいは春闘相場、こういう点から考えてみましても、これは昨年より下回ったものではないはずのものであるから、常識的に上回ったものが出るべきであろうという点から、強い要望と質問をしております。
 それから特にILO八十七号条約の批准に伴う団体交渉権等が今後審議をされることになっておりますので、こういう段階において出される今年の人事院の勧告は、完全実施をしてもらいたいということ。特に昨年の国会におきましては、附帯決議をつけて、これは三党一致で可決決定をいたしておるんですから、やはりこの委員会の議決というものを十分に尊重していただいて、完全実施のほうにこれは何といっても努力をしてもらう、このことをただいま申し上げたわけでございますので、そういうことでここしばらくの間だけひとつ御努力をいただきますことをお願い申し上げます。そうしてなお全国から来ておる公務員労働者も、非常に真剣で深刻な態度でこの状態を見守っておるというのが、いまの実態であるわけなんです。そういう点も十分に含んでいただいて、そうしてただいま申しました要望にこたえられるような、また答弁された内容が現実に実現されるように努力されることを重ねて要望申し上げて、私の質問を終わらしていただきます。
#25
○山内委員 いまの田口委員の質問に関連して、若干ふに落ちない点をお尋ねしておきたいと思います。
 ことしの勧告の時期の見通しについては、はなはだあいまいな御答弁であります。一体作業がどの程度まで進んでおるのか。民間の統計とかそういうものは、四月の現実なんですから、もうだいぶ月日もたっていることで、事務的には仕事は完了しておるけれども、その上になお積み重ねる政治的な配慮というものが残っているのかどうか。現在の作業の進行状況を具体的に詳細に、もう少し御答弁いただきたい。
#26
○佐藤(達)政府委員 今日まで私どものやっております作業は、いまおことばにも出ましたように、すでに公表されております各調査がございます。それらの調査を克明に検討してまいりました。同時に、今回の改定の重点をどの辺に置くべきか、これもいずれ格差によることでございまして、決定的なことはもちろんできませんけれども、しかし、こうも考えられる、ああも考えられるというような形でその方向の検討を重ねて、そしてできるだけ短い期間に数字の盛り上げ作業ができるようにという準備を着々と進めておる。でありますから、現に毎日毎日その方面の作業は続けておる。あと政治的の考慮、配慮とかいうようなおことばがちょっとございましたけれども、私どもは、政治的な配慮というようなことはどういう御趣旨かわかりませんけれども、先ほど来申しましたように、すべて数字を相手にしてやっておりまして、格差の範囲内での配分をどうするかという問題については、たびたび申し上げますように、科学的、合理的というようなたてまえでやっておりますので、そういう意味で政治的配慮ということはちょっと受けとめかねるわけであります。
#27
○山内委員 私ども政治的配慮ということは始終使っておることなんで、ほんとうをいえば、人事院の勧告にはこれは望ましいことではないのであります。ただ、いまの御答弁によると、事務的な仕事はもう完了しておる、民間と現在の公務員の給与の差、これも計算上は数字がもうはっきり出ておるわけですね。そうしましたら、何にもそれは考慮する必要はないじゃないですか。そういう形で勧告されたらいいじゃないですか。どうもあなた方は、その点の政治的考慮はないと言うけれども、その辺から国会の終わるのを待っておるようなにおいがしてくるのですが、もう少し具体的に……。
#28
○佐藤(達)政府委員 ちょっとことばが足りないようで恐縮いたしますが、御承知のように、勧告の発表をごらんになりますと、いろいろ参考の資料が出ております。あれには民間から出た資料をずいぶん出しております。ああいう形でいままでわかったものは、ずいぶんございます。そういうものは検討を続けております。それから大きな方針として、上のほうはどうしようか、下のほうはどういうふうに持っていこうかというようなことくらいは、これはいろいろな場合を想定しながら、仮定の問題ではありますが、検討を続けてきておる。しかしながら、先ほど来申しました格差の問題は、これはことしの四月に六千の事業所を足で歩いて集めたそのデータを集計しまして、公務員の給与の現況とこれを突き合わせて、これはきわめて複雑な計算を要するわけでございます。これが手間取っておるわけです。これが出なければ勧告のしようがないわけです。私どもは、そこで出た数字、すなわち格差に当たる数字をそのまま正直に前提にいたしまして、そして勧告を具体化していくということでございます。それがきまらぬことには話が進まないというわけであります。しかしながら、現にそれを待ってぼやっとしておるわけではない。ぼやっとしておるような前提のお尋ねかと思いますが、それは一生懸命、いわゆる周辺のデータを調査しております。追及を続けております。そういうわけでございます。
#29
○山内委員 新聞に出たことを言われておりますけれども、新聞ではすでに勧告のパーセンテージまで出ております。あれはあなたのほうで公表されたものですか。
#30
○佐藤(達)政府委員 それはたいへん迷惑で、話は長くなりますから詳しいことを申し上げても無意味でありますから申しませんけれども、これは新聞の記事で御判断いただけますように、いろいろな既存のデータを積み上げまして、三段論法でよって左のごとしということで出ております。その点では筋の通った計算ではございますが、それでは私どもの最も根拠としております官民格差というものは出ない。それが出たって、全然当たっておるやらはずれておるやら何やら見当がつきませんというわけであります。
#31
○山内委員 いろいろ複雑な作業をやっておるというお話ですけれども、事業所六千に対して、たくさんの公務員の方の御苦労を願って、それはもう科学的に出された数字であって、その出た数字は譲れないと思うのです。それを公務員の現状とも合わせてあなたのほうはいろいろ配慮しておるんだ、その検討に手間どっておる、こういうふうに受け取っておるのですが、そう解釈してよろしいのですか。
#32
○佐藤(達)政府委員 先ほど申し上げました対象の唯一の客体である民間の給与の実態調査というものが、まだ集計の段階でございまして、それが出て、それから今度は公務員のものと突き合わせて、そして格差が出るわけでありますから、それがまだ出ておりませんということを申し上げておるわけです。
#33
○山内委員 その集計が――四月に調査したものが、ことしはもう八月なんですから、集計が出ないというなら、いま電子計算機でどんどん出る時代じゃないのですか。どうもその辺の集計までも出ないということになったら、これはいつまでたってもその数字は出てきませんよ。その辺どうなんですか。機械を使っていないのですか。
#34
○瀧本政府委員 ただいまの問題でございますが、人事院が調査いたしておりますものは、御承知のように四月分の調査でございます。したがいまして、これは何べんも申し上げておりまするように、事実われわれのほうでは五月の初めのいわゆるゴールデンウィークの前から始めるわけですけれども、実際にはそのあとから実態調査を始めるようなことになります。それで、一応の実態調査の締め切りは六月二十日ということにいたしております。しかし、これはそううまくまいりませんので、そこで一週間ぐらいのおくれが出てまいります。それが回収されてまいりまして、それを統計局で基礎集計をいたすわけであります。基礎集計をいたしましたものは、そのままではなかなかこれは使いものにならなく、すぐわかるような数字ではございません。これはいろいろ国会でも御批判があったのでありまするが、いわゆるラスパイレス方式という方法で、その集計が出ました暁におきまして、私のほうの局でそれをやる。いまその辺の作業がまだ緒についた程度のところでございます。したがいまして、これは例年のことでございますので、大体現在のところ八月十二日というのが一応のめどでございまするが、それに間に合うような計画にはなって着々進んでおります。しかし、現にまだその数字は出ておりません。先ほど総裁がおっしゃったのは、これは毎月勤労統計でありますとか、そのほか労働省のいろんな賃金調査でありますとか、そういう周辺の調査を使いましていろいろ分析し、検討し、いろいろな試算をしてみたりするということはやっておりますが、そのはっきりした数字が出たあとで、その数字をもとにして急遽作業をやる、こういうことになるわけです。
#35
○山内委員 別に私、あげ足とりに申し上げておるのじゃないのです。これは完全実施、あなた方の勧告を完全に政府にやらせる責任は、いまでは国会にもあるのです。あなたのほうも先ほどから何回も言われるとおりなんです。そこで、これはもう少し作業をスピードアップして今月一ぱいにうまくいけば、予算編成に間に合うわけです。ですから、もう少しあなたのほうの作業をスピードアップしていって、そして政府に対して有無を言わせず予算を盛れ、こういうふうに数字は出ているのだぞ、それぐらいの作業のスピードアップができないわけがないという私のかってな解釈で、あなた方苦労をされておることを何か悪く言っておるようですけれども、どうも御説明の範囲では私は納得がいかないわけです。もしあなたのほうがもう少し作業が早くいって、いま大蔵省におそらく各省から予算要求が出ておるでしょう、今月一ぱいに大体間に合えば、来年度予算の編成に間に合うはずなんです。ですから、これからもしかりに数字がしっかりでき上ってから、大蔵省との折衝とか、そういうようなものがどういうふうな形で予算編成までにできてくるのか、その辺の作業の状態もちょっとお知らせいただきたいと思うのです。
#36
○佐藤(達)政府委員 早いにこしたことはないことは、先ほど田口委員にるるお答えしたとおりで、そのつもりでおります。いまのお話の予算関係は、これは来年度の予算のことですから、それはそれとして、私どもは、今年度のものはひとつぜひ五月からこの補正予算を急いでいただきたい、完全にやっていただきたい。それを御要望するわけです。よろしくお願いいたします。
#37
○山内委員 どうせ来月はまた臨時国会が持たれる、そうなると、補正予算は当然出てくると思うのです。そういうチャンスもあるのですから、あなたのほうの作業が間に合えば、そういう機会は幾らでもつかめる、こういう考え方です。関連質問ですからあまり申し上げませんけれども、ひとつ作業を急いでやっていただきたい。
#38
○河本委員長 受田新吉君。
#39
○受田委員 一問だけ、出発の時間が来ているから……。
 実施期の問題ですけれども、五月実施という想定でお進めになっているのですか、作業は。そうですか。――四月現在で調査されるわけで、実際は四月実施ということが筋として通るわけですね。五月では一月ずれているわけです。
 それともう一つ、山内君が言われたように、人事院としての政治的配慮を講ずるならば、予算編成権を握っておる政府と十分話し合いをして、実施期を予算編成に都合のいいときに、推定的な額でもけっこうだと思うが、そういう形で勧告することもできると思う。それから政府としても、勧告を五月実施とし、それに伴うて九月実施ならば、五月から九月までの、基礎調査に基づく昇給の推定額をきめたところで実施をするという政府案は、九月の人事院勧告に伴う新しい体系の数字を出して実施するという手もある。そういうようなことも一諸に検討しているのかどうか。御両所から御答弁願います。
#40
○佐藤(達)政府委員 その問題は、去年の勧告の後に、直ちに閣議決定の付記事項のような形で検討事項としてあげられたわけです。私どもは当然そういうことも初めから考えて常にやっておったことですけれども、いずれこの調査時期をずらし、あるいは実施時期をずらすということによって、給与勧告をさらに完全実施のほうに近づきやすいということがあれば、これにこしたことはないことですから、私どもは全力をあげて検討いたしまして、また、その点に関しましては政府とも緊密に連絡をとって、増原君が大臣をしておったときも緊密に連絡をとって、どうすれば完全実施できるか、そのよりよい方法があるかということをやりまして、先ほどお話もありましたけれども、六人委員会まで設けてやった。しかし、結論が出ない。いまおことばに出ましたようなことも検討の対象にはなっておりますが、一々ここで時間がないので申し上げる余裕はありませんけれども、その結果、ことしも従前どおりということでやっております。
#41
○細田政府委員 ただいま人事院総裁からお答えがありましたので、あらためて申し上げてもなんでございますが、先ほど関係閣寮会議あるいは担当主任者の会議の検討事項の例を申し上げたわけでありますが、ただいまおっしゃたような点につきましても、これまでも検討いたしておりますし、今後も検討いたしたいと思っております。
     ――――◇―――――
#42
○河本委員長 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題として、審査を進めます。
 質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、これを許します。茜ケ久保重光君。
#43
○茜ケ久保委員 時間もありませんので簡潔に質問したいと思いますが、その点も含んで御答弁をお願い申し上げます。
 きょうは何か参議院の関係で大臣がお見えになっておりませんが、大臣がお見えになっても、前の大臣とかわりましたので……。先般の四十八国会における予算分科会の際に、二月の二十三日でありますが、沼田ダムの件に関して御質問申し上げたわけであります。その際、小山建設大臣も河川局長も、いまのところ沼田ダムに関しては政府としては建設するという方針はないという確答を得まして、一時非常に不安定な気持ちでおりました関係で、この地区の皆さんもほっと胸をなでおろしたような状態にあったのでありますが、この点について最近また別な面からその不安を増長するような点が出てまいりましたので、あえてここに御質問するわけでありますが、河川局長、二月二十三日の予算第五分科会における私の質問に対して御答弁になって以来、何らその事実は変わっていないかどうか、冒頭にお尋ねいたします。
#44
○古賀政府委員 沼田ダムの建設の問題に関してでありますが、この問題につきましては、利根川の総合開発上きわめて重要なものでありますが、いまのところ、私らとしては具体的な計画を持ち合わせておりません。ただ、現在利根川につきましては、基本高水といたしまして二万七千トンを計画いたしております。そのうち三千トンの流量を上流で調節するということにいたしております。その三千トンは五十里ダム、藤原ダム、矢木沢ダム、そういったただいままで施工してまいりました、あるいは施工中のダムによって、あるいは今後行なわれるダムによりまして三千トンを調節しようという計画でございます。ただいまのところ、三千トンに対しまして七〇%ほどの調節能力を有する、約二千二、三百トンの調節能力を有する段階まできております。したがって上流の調節が三千トンになりますと、河道流量は一万四千トンで、いま最終計画を行なっておるわけでございます。
 最近におきまして、いろいろ利根川の流出の解析をやっておるわけでございますが、キャスリン台風の流出の解析というのは、具体的にさらに検討いたしまして、若干こういった問題点があるようでございまして、今後その検討を進めたいというふうに考えております。ただいま利根本川につきまして約五百万のそういった流出解析の予算をつけておりまして、それによって具体的な流量の分析を行ないたいというふうに考えております。
#45
○茜ケ久保委員 大臣もかわったし、いま聞いておると河川局長もかわったようで、私に対する答弁の責任者が二人ともかわったようですから、かわったにいたしましても、当然の責任でありますから、さらにお尋ねいたしますが、きょうあらためて御質問申し上げる一番大きな理由は、去る参議院選挙の際に、佐藤総理が群馬県に参りまして、だいぶん佐藤政権の御宣伝をなさったわけでありますが、その中に、記者会見をされた際に、わざわざ沼田ダムのことに自分からお触れになって、かなり御意見をお出しになっているわけであります。これは、この新聞は「上毛新聞」と申しまして、群馬県で唯一の地方紙でありますが、もちろん東京の各紙の群馬版にもそれぞれ出ておりましたが、きょう私が手元にあるのは「上毛新聞」だけでありますので、一応「上毛新聞」の記事を基礎に申し上げますが、佐藤総理が七月一日に記者会見をして、いろいろな問題に解れております。その中で大きく沼田ダムについて地元の意向を尊重するという見出しで、沼田ダムの建設が話題になっており、四十年度五百万円の調査費をつけ、国土開発の面で研究が進められている。今後は水没家屋が二千八百戸もある現状などをよく検討するが、地元の意向を無視してまで賛成しないつもりだ、こういうことを言っておられます。せっかく二月二十三日の分科会で建設大臣ないし当時の河川局長が、いま新河川局長も答弁されたように、一応沼田ダムとしての構想はないという答弁をして、地元民も一応安堵したのでありますが、総理大臣がみずからこの問題に解れて、しかも五百万円という調査費まである。これは河川局長の話では、沼田ダムだけの調査費ではないけれどもとおっしゃるけれども、佐藤総理の発言では、あたかも沼田ダム建設のための調査費のように受け取れる。しかも二千八百戸という、おそらく日本におけるダム建設でかってない多数の水没家屋が予想される。いつも指摘するように、一千二百町歩から一千五百町歩に達する水田が水没するこのダムに対して総理が発言をされたことは、これは重大だと思うのです。しかも総理は、二千八百戸のたくさんの水没家屋を擁するので、地元の反対が強ければ自分は賛成しないとおっしゃったけれども、現に政府部内にこの沼田ダム建設に対して意思があり、そういう意向がある証拠だと思うのです。そうなりますと、二月二十三日の分科会における大臣ないし河川局長の答弁はうそになる。総理大臣の発言が、また地元に非常に大きな不安を与えております。佐藤総理はどういうお気持ちでおっしゃったかわかりませんけれども、佐藤総理大臣が見えられて、みずから発言をしてこうおっしゃったことは、地元民なり関係者は非常なショックを受ける、これは当然であります。この辺のところはいかがでありますか。
#46
○古賀政府委員 佐藤総理が七月一日に沼田ダムのことについて記者会見をして発表された話は、新聞で承っております。ただ、現在の段階におきましては、われわれとしては利根川の基本高水をどうするかというような問題の検討を行なっておるわけでございまして、沼田ダムについて具体的な計画はございません。したがって、現在五百万つけている予算につきましては、上流の支川、本川、そういったものの流出がどうなっておるか、過去の洪水の実例におきまして検討することにしておるわけでございます。
#47
○茜ケ久保委員 総理大臣の発言はどうなりますか。もしこれが現在あなた方建設省が考えていることと違うなら、総理の発言は当然是正するか、取り消さなければならないと私は思う。少なくとも佐藤総理は日本の政治の責任者であります。したがって、あなたは佐藤総理の指示に従って行政される。幾ら建設大臣や河川局長が否定されましても、総理大臣がおっしゃれば、国民はそう思うし、そう遂行されると思う。わざわざここで問題にしたのは、そういう点でしておるわけであります。あなたは、佐藤総理が何とおっしゃっても、河川局長は河川行政の責任者でありますから、沼田ダムは建設しないという断言ができますか。
#48
○谷垣政府委員 どうも話が少し政治的なものになったものでありますから恐縮ですが、政務次官から答えさせていただきます。
 先ほど河川局長が答えておりますように、総理が新聞記者会見でどういうお話をなすったか、実は直接聞いておりませんので、私たち確かめるすべをまだ持っていないのですが、沼田ダム建設が各方面でいろいろ議論されておりますことは、御存じのとおりだと思います。先ほど来申し上げておりますように、建設省といたしまして沼田ダム建設についての具体的な計画を持っていないことは、先ほどから河川局長が言っておりますけれども、はっきりしておるのであります。もちろんこの利根川全体の治水問題、あるいは用水の問題、あるいは発電等の問題も含めまして、利根川全体の総合開発上沼田ダムの問題が非常に大きいことは、だれも御存じのとおりだと思います。しかし、建設省といたしまして、いまのところそういうような具体的な計画を持っていない現状でございますので、先ほど仮定のお話として総理から命令を受けたらどうなるかというお話でございますが、そういう指示があれば、私たちといたしましてもその方向に仕事を進めていくことになりますけれども、何せしかしこれは非常に大きな計画でございますから、とてもいますぐに、それじゃ具体的計画を出せと言われても、出せないのがいまの現状でございます。もちろんダムをつくりますにしましても、総合開発的な立場から見なければ、これはやれない問題でございますから、その点ひとつ御了承願いたいと思います。
#49
○茜ケ久保委員 私の聞いているのは――総理は具体的にはっきり言っているのですよ。二千八百戸の水没家屋のこともちゃんと承知になっておられる。何を好んで参議院選挙の際にこういうことを言われるのか。私は、むしろ政治的に考慮すれば、地元に非常に反対の強い、不安を与えることは、あっても発表しないのが普通なんです。それをあえて総理が発表する以上は、幾らあなたたちが強弁されても、私は信用しませんよ。もし何なら私はこの次の機会に総理においで願って、総理から直接聞きましょう、あなた方がそうおっしゃるなら。これは私は総理は何か思いつきでおっしゃったようにも聞いておったが、思いつきというにはあまりにも問題が大きいのです。あなた方も承知のように、これは日本のダム史上かつてない大がかりな、重大な問題です。したがって、これをはっきりおっしゃるには、総理自体に何かあると私は思うのです。大臣もいらっしゃらぬし、もし何でしたらこの建設省設置法を通す前に総理に来ていただいてはっきりしなければ、私はこの法案を通すわけにいきません。それはそうです。したがって、あなた方その自信があるならば、総理にはっきりどういうことで言ったのか、大臣が聞いてくるなり――総理がここへ出てくることができなければ、大臣が総理に会って、この事実を確かめて、その真意を持っていらっしゃるか、さもなければ総理大臣に来ていただいて、これははっきりしてもらう以外にないと思います。これ以上政務次官や局長にやってもしょうがありません。委員長、この点は私ははっきりしてもらいたいと思います。はっきり出ておるんです。したがって、この次の機会に総理大臣に来てもらうか、もし来てもらえなければ、大臣がこの事実についてはっきり聞いてきてもらわぬと、ちょっと簡単にはいかぬと思います。したがって、きょうはこれ以上追求してもしようがないし、もう時間もないから、ひとつこの次の機会にそのように取り計らっていただくことを委員長に要望して、質問を終わります。
#50
○河本委員長 次会は、来たる五日、午前十時より理事会、同十時三十分より本委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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